ふじむら掲示板

副島系掲示板の"補集合"としての役割
伊藤 投稿日:2025/08/15 08:03

【659】覇権アメ第4章を読む(4)アメリカ合衆国は、「近代思想」による世界初の、そして成功したほとんど唯一の人工国家である。(続)

伊藤睦月です。本日は、2025年8月15日です。朝7時過ぎくらい。

1)この項で、お伝えしたいのは、226ページの「ヨーロッパ政治思想の全体構図」という、1枚のポンチ絵。30年前、この絵を見たときの衝撃は、今でも忘れない。この本を第1章から順番に読んできて、感心しつつも、頭にストレスが溜まってきたところで、この絵をみて、スッキリさせられた、というもの。思想を「微分」するという、アイデアはとても新鮮だった。ここで、「ヨーロッパ政治思想」、というのは、「世界覇権国(アメリカ)の保守思想」、だろうという、重箱の隅をつつくことしかできないが。

2)ここで、確認しておきたいのは、アメリカ政治思想対立の本命は、自然法派(バーキアン)対人定法派(バーキアン)だということ。自然権派(ロッキアン)、人権派(現代リベラル派)、動物の権利派(アニマルライツ派)は、自然法(人間の意思を超えるものがある)を前提している、という点で、自然法から展開されたもの。外見や事象はずいぶん違うが、根っこは同じ。ああ、そうか。

3)しかし、現実の社会や政治世界を形作っている政治思想は、自然権と人権であり、これによる人工的な、国造りに最初に成功したのが、アメリカ合衆国、(人工ではない、という意味で)自然国家を人工的な改造手術(これをソーシャル・エンジニアリング、社会工学というらしい)を施して、大成功を収めたのが、わが国、日本、であるらしい。中途半端な結果に終わったのが、フランスとドイツ(ワイマール共和国)それぞれ明暗が分かれ、悲喜劇を繰り返している。違う改造手術を施されたのが、ロシア。後、イタリアとかスペイン、ギリシャの例もあるが、そこは、置いといて、おおざっぱなくくりでとりあえずは、十分かと思っている。

次からは、少し、重箱、というかウンチクに入らせていただく。悪しからず

以上、伊藤睦月記

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊藤 投稿日:2025/08/14 10:05

【658】覇権アメ第4章を読む(4)アメリカ合衆国は、「近代思想」による、世界初の、そして、成功したほとんど唯一の人工国家である。(イントロ)

 伊藤睦月です。本日は、2025年8月14日です。これからは、私が覇権アメ、特に第4章を読んで、あれこれ思いついたことを書く。その大半は、副島ファンや政治思想史を多少ともかじった方なら、当たり前すぎて、「それが何か?」と言われそうな内容だ。ちょっと気恥しいが・・・

1)この本は、20世紀、21世紀前半の「世界覇権国」である、アメリカ合衆国の政治思想ガイドブックである、当たり前だろ、といわれそうだが、実はあたりまえでない。現在わが国に、流布している。「政治思想本」は、この本を除き、すべて、「欧米」(古代ギリシャ・ローマを含む)の政治思想本である。アメリカ合衆国のそれにフォーカスした本は、すくなくとも、この本の初版本(現代アメリカ政治思想大研究)が出現した1995年以前には、一般向けの本としては、存在しなかった。と、あえて言い切ってしまおう。

2)この本の第4章は、バーク由来の「自然法思想」とロック由来の「自然権思想」という、二大保守思想の対立から、話が始まっている。ここであえて、問うが、なぜ、バークなのだ。バークは、アメリカ独立戦争には理解を示したが、フランス革命は否定した。それはなぜか。バークは、英国のホイッグ党の政治家として、活動した政治家だ。英国では、彼は保守政治家とはみられていなかったのではないか。では、なぜ米国では保守、とみなされているのだろうか。(この答は、覇権アメのどこか、に書いてありますが、わかりますか?)

3)英国政治史において、ホイッグ党対トーリー党の対立は、高校教科書レベルのトピックスだ。後世、自由党対保守党の英国二大政党制、自由党の代表的政治家は、グラッドストーン、保守党の代表は、ディズレーリ、2人はライバル、とセットで覚えたものです。

4)そして、自由党は、いつしか労働党にその地位をとってかわられ、「自由民主党」という少数政党になってしまっている、まるでわが国の「社民党」みたいだ。

5)英国では、18世紀に、スコットランドを併合して、「連合王国」となるまでは、「イングランド王国」であったが、英国に限らず、欧州の「保守派」というのは、王制支持者、つまりは、「王党派(トーリー)」のことだ。ホイッグ党は、王権制限派であって、長年、トーリー党と対立抗争を続けていた。

6)ホイッグ党(派といったほうが、正確かも)、の最過激派集団が、クロムウェル率いる「清教徒」’共和制派)で1649年に時の英国王の首をちょん切った。クロムウェルの死後、1660年に王制が復活したが、1688年にホイッグ党の穏健派とトーリー党(当然、英国国教徒)とで、カトリック教徒の王様を追放して、オランダから王様を擁立した。(名誉革命)

7)だから、当時英国では、ホイッグ(山賊という意味の俗語らしい)は由緒正しい保守派(トーリー)からすれば、かつて、王様の首をちょん切った「反逆者」の末裔で、とんでもない連中だ。その仲間である、バークが保守、であるはずがない、ということになる。なるが、新大陸では、違うのである。バークが生きた時代には、ホイッグが穏健化して、王様の存在は認めて、穏健化してきた、ということもあるだろう。名誉革命を主導した政治思想は、ロックの「自然権思想」である。

8)新大陸では、英国本国では、「反逆者」扱いである、ホイッグたちが、迫害を逃れてきて、植民してきた。彼らが新大陸の先住者(ここでは、ネイティブアメリカンの存在は無視・迫害された)、支配者層になった。そしてホイッグの思想、バークの思想が、米国の由緒正しい政治思想(保守思想)のひとつ、となった。だから、独立戦争の時、バークは、植民地側に理解を示した。だって元は思想的には、仲間だもの。それに、フランス革命のような混乱がなぜか起きなかったからだと思う。もし、そのようなことが起きれば、バークは、独立戦争にも反対したであろう。

 伊藤睦月です。次は、ロックの「自然権思想」にかかわるお話になる。以前にも述べたが、以上のことは、ほとんどすべて、副島先生か、小室直樹博士の本を読めばわかること。高校教科書を注意深く読めば、わかるレベルだ。その程度なので、悪しからず。次から、本題。

以上、伊藤睦月記

 

 

 

 

伊藤 投稿日:2025/08/13 09:41

【657】覇権アメ第4章を読む(3)ちょっと気になることが・・・「青山直篤」という人物。

伊藤睦月です。本日は2025年8月13日です。

 1)先日、NHKBSをチラ見開いていたら、イーロンマスクを特集していて、彼の背後にいる理論家、という位置づけで、カーティスヤービンの紹介、インタビューを放送していた。ヤービンについては、「暗黒啓蒙主義」とか「君主制」といったキーワードで、今日のボヤキや重たい掲示板で、副島先生や、古村さんが以前に紹介していたような。さすがに早いな、と感心していたところ。

2)で、たまたま、今朝コンビニで買った朝日新聞(総合2:時々刻々)に「トランプ主義亀裂」という大見出しに「旧来支持者vsテック右派」、「移民やAI政策 保守派も応戦」「暗黒啓蒙」思想家ヤーレビン氏影響力増す」「民主主義を否定」「王が必要」という、中・小見出しが踊っていた。

3)また、テック右派の人物として、カーティスヤービン、イーロンマスク、マークアンドリューセン、ピーターディール、「多様な人物が混在する「トランプ主義」」に連なる人物群として、スティーブ・バノン(MAGA),JDバンス(副大統領)、マージョリーテイラーグリーン(トランプ側近の強硬派議員)、パトリックデニーン(カトリック保守)が紹介されていた。これらの人物については、すでに、副島=古村の観察、分析が始まっているだろう。のでそれを楽しみにしよう。

4)私が気になったのは、この記事の執筆者「青山直篤」と」いう人物。「なおたか」「なおあつ}とでも読むのだろうか。

5)朝日新聞のhpによると、1981年生まれ、東京大学法学部卒、現在朝日新聞ニューヨーク支局長。記事書署名には、(バークリー=青山直篤)となっているので、バークリーが人名でなく地名なら、カリフォルニア(ucla)で書かれたものだろうか。

6)青山氏は、高校生時代に「プルデンシャルクラスルーム」というプログラムに参加して、渡米してしている。このプログラムの詳細は知らないが、将来、「アメリカ帝国と属国日本とのカウンターパート候補」として育てられている人物なのかな。

7)大学時代は、北岡伸一のゼミにいたようだから、そういったつながりがある人物なのだろう。あくまでも「候補」として、育成、観察されているようだ。

8)こういったことを「世代交代」というのだろうが、日米とも新しい担い手が胎動し始めている、ということなのだろう。

9)まあ、私のできることは、「覇権アメ」を読み返して、あれこれ思いめぐらすことぐらいか。

福岡は、豪雨過ぎて、また猛暑復活のようです。ご自愛を。

(以上、伊藤睦月記)

 

 

伊藤 投稿日:2025/08/13 06:35

【656】お断りを2つほど・・・

伊藤睦月です。本日は、2025年8月13日、です。

わたしのとうこうに関し、お断りを2つ。

1)まず、私の投稿の編集がうまくいかず、非常に読みにくくなっている。これは、私のスキル不足によるもので、申し訳ない。将来、編集スキルを身に着けたら、修正します。あしからず。

2)次に、言わずもがな、のことかもしれないが、この文章は、「私、伊藤が、副島先生の本を、こう読んでいる」と勝手に披露している、というものであって、私独自の知見はほとんどない。私の読み違え、誤解、ということはありえる。私が「重掲」ではなく、「ふじむら」に投稿しているのも、その保険のようなものであるので、悪しからず。

では、投稿を続けます。折からの酷暑、ご自愛ください。

伊藤睦月拝

 

 

 

伊藤 投稿日:2025/08/12 10:03

【655】議論とは、相手を言い負かすことではなくて、自分の弱点を徹底的に考えることである。ー「覇権アメ」第4章を読む(2)

2、第4章の理解のキモ(ここだけは押さえよう)

伊藤睦月です。本日は、2025年8月12日です。この文章の引用から。この文章を十全に理解し、運用できれば、この本を最低限マスターしたことになる。

(引用はじめ)・・・これで、アメリカの法思想界の対立軸の背景にあるものを説明した。そしてそれらは、大きく①のナチュラル・ロー(バーキアン)派、➁のナチュラル・ライツ(ロッキアン)派、③のヒューマンライツ(リベラル)派、そして④のポジティブ・ロー(ベンサマイト=リバータリアン)派の四つの対立図式であると考えることができた。この対立図式はそのまま、政治思想の対立図式でもある。

(引用終わり:覇権アメ246P)伊藤睦月です。各派の基本コンセプト、他派との違い、関係などは、覇権アメ本文を熟読してください。一読しただけで、わかったような気になってしまうが、騙されないように。私がそうだったから。これを曼荼羅風に表現したのが、「現代アメリカ政治思想各派見取り図」であり、アメリカ政界の派閥対応関係を表現したのが、「アメリカ政界の思想派閥の全体図」である。ニュースなどのメディアで、アメリカ政治関連の報道があるごとに、この2つの鳥観図を念頭に置けば、大きくは迷わない、簡単なようでなかなか一筋縄ではいかない。私もそのひとりだ。あとは、私なりに理解していることをいくつか。

3 アメリカ政治思想は、共和党(コンサバティブ)の思想派閥の動向がメイン。民主党(リベラル)の思想派閥は、それほど難しいものでは、ないらしい。

4 コンサバティブの思想派閥(全体図から)

①ネオ・コン派(こうもり集団)

➁サプライサイダー派

➂保守本流派(バーキアン)

④アイソレーショニスト派

⑤チャイナ・ロビー派(反共・台湾独立支持派)

⑥宗教右派

⑦リバータリアン派

※民主党(リベラルズ)各派(あ:大労組リベラル穏健派、い:急進リベラル派、う:「ネオリベラル」派、え:「ニューデモクラット」派、のリベラル4派と、共和党(コンサバティブ)の①ネオ・コン派、➁サプライダー派、③保守本流派(バーキアン)が、「グローバリスト連合」、それ以外(④アイソレーショニスト派、⑤チャイナ・ロビー派、⑥宗教右派、⑦リバータリアン派)は、「反グローバリスト連合」、これだけ教えてもらえば、いくら鈍感な私でも、以下のことくらいはわかる。

1)かつて、1980年代のレーガン時代には、民主党→共和党へ「転向」した一派(ネオコン派)が躍動した。そして、冷戦終結に貢献した。レーガン以後は、民主党(リベラルズ)の思想のうち、穏健派が優勢となった。冷戦の勝利に酔って油断したのだと思う。2001年9月11日は、冷戦勝利で、かえって存在理由を失った、ネオコン派を中心とする「グローバリスト連合」(強硬派)の策動だったのだろう。

2)いわゆる、2010年代トランプ支持で、躍動したのが、アイソレーショニスト(アメリカファースト!)、チャイナロビー派(反共右翼)、宗教右派、リバータリアン、といった、反グローバリスト連合であった。彼らの全部または一部が「岩盤支持層」と呼ばれたり、「宗教右派」の躍動の一部が、日本のメディアでも話題になった。

3)また、彼らの躍動により、「でいーぷ章の理解のキモ(ここだけは押さえよう)

 

伊藤睦月です。本日は、2025年8月12日です。この文章の引用から。この文章を十全に理解し、運用できれば、この本を最低限マスターしたことになる。

 

(引用はじめ)・・・これで、アメリカの法思想界の対立軸の背景にあるものを説明した。そしてそれらは、大きく①のナチュラル・ロー(バーキアン)派、➁のナチュラル・ライツ(ロッキアン)派、③のヒューマンライツ(リベラル)派、そして④のポジティブ・ロー(ベンサマイト=リバータリアン)派の四つの対立図式であると考えることができた。この対立図式はそのまま、政治思想の対立図式でもある。

 

(引用終わり:覇権アメ246P)伊藤睦月です。各派の基本コンセプト、他派との違い、関係などは、覇権アメ本文を熟読してください。一読しただけで、わかったような気になってしまうが、騙されないように。私がそうだったから。これを曼荼羅風に表現したのが、「現代アメリカ政治思想各派見取り図」であり、アメリカ政界の派閥対応関係を表現したのが、「アメリカ政界の思想派閥の全体図」である。ニュースなどのメディアで、アメリカ政治関連の報道があるごとに、この2つの鳥観図を念頭に置けば、大きくは迷わない、簡単なようでなかなか一筋縄ではいかない。私もそのひとりだ。あとは、私なりに理解していることをいくつか。

 

3 アメリカ政治思想は、共和党(コンサバティブ)の思想派閥の動向がメイン。民主党(リベラル)の思想派閥は、それほど難しいものでは、ないらしい。

 

4 コンサバティブの思想派閥(全体図から)

 

①ネオ・コン派(こうもり集団)

 

➁サプライサイダー派

 

➂保守本流派(バーキアン)

 

④アイソレーショニスト派

 

⑤チャイナ・ロビー派(反共・台湾独立支持派)

 

⑥宗教右派

 

⑦リバータリアン派

 

※民主党(リベラルズ)各派(あ:大労組リベラル穏健派、い:急進リベラル派、う:「ネオリベラル」派、え:「ニューデモクラット」派、のリベラル4派と、共和党(コンサバティブ)の①ネオ・コン派、➁サプライダー派、③保守本流派(バーキアン)が、「グローバリスト連合」、それ以外(④アイソレーショニスト派、⑤チャイナ・ロビー派、⑥宗教右派、⑦リバータリアン派)は、「反グローバリスト連合」、これだけ教えてもらえば、いくら鈍感な私でも、以下のことくらいはわかる。

 

1)かつて、1980年代のレーガン時代には、民主党→共和党へ「転向」した一派(ネオコン派)が躍動した。そして、冷戦終結に貢献した。レーガン以後は、民主党(リベラルズ)の思想のうち、穏健派が優勢となった。冷戦の勝利に酔って油断したのだと思う。2001年9月11日は、冷戦勝利で、かえって存在理由を失った、ネオコン派を中心とする「グローバリスト連合」(強硬派)の策動だったのだろう。

2)いわゆる、2010年代トランプ支持で、躍動したのが、アイソレーショニスト(アメリカファースト!)、チャイナロビー派(反共右翼)、宗教右派、リバータリアン、といった、反グローバリスト連合であった。彼らの全部または一部が「岩盤支持層」と呼ばれたり、「宗教右派」の躍動の一部が、日本のメディアでも話題になった。

3)彼らの躍動により、「ディープステート」(その一部がかつて「軍産複合体」とよばれた)の存在が明らかになった。(さらに、その上位に位置する、カバールの存在が、副島=西森により日本に紹介された。)また、旧来の陸・海・空軍にではなく、宇宙軍、サイバー軍に新しい「利権」を見出した、イーロンマスクに代表される「新・軍産複合体」の存在、胎動、も確認された。(これは、副島=古村の業績だと思う)

4)反グローバリスト連合に対する、グローバリスト連合による切り崩し工作の先兵となっているのが、それまでリベラルズに浸透していた、いわゆる「ムーニーズ(旧統一教会系のカルト集団とそれに対するシンパ)で、まずは、反共というコンセプトで、チャイナロビー派に食い込んだと思われる。チャイナロビー派は、そもそも第二次世界大戦中の中国戦線で、蒋介石(国民党軍)の義勇軍(フライイングタイガーといって、ゼロ戦と死闘を繰り広げた)がルーツだから、世代交代の際に侵入したのだろう。それから誰がどう浸透したかは、私には、正直わかりません。

5)トランプは、当初は、民主党支持のニューヨーク大富豪のひとりであったが、たたきあげの不動産屋、土建屋出身として、共和党に入党、反グローバリスト連合の旗頭となって、ポピュリスト支持の2人目の大統領となった。

6)ちなみに、一人目はアンドリュージャクソン(「ジャクソニアンデモクラシー」は「猟官制」とのセットで、高校教科書レベル、少なくとも私の世代は。)、本来2人目になるはずだった、民主党と人民党(ポピュリスト党)両方の支持をえたブライアンは、大統領選で共和党候補に敗れた。

7)ブライアンは、それなら、と担ぎ上げたウイルソンに裏切られ、グローバリスト連合に加担された。失意のブライアンは、ウイルソン大統領の論功行賞で、一応国務長官になった。第1次世界大戦でアメリカの参戦が遅れたのは、国務長官のブライアンに代表される、反グローバリスト連合が抵抗したから。

8)グローバリスト連合に加担していた、ウイルソンは、1915年にブライアンを罷免し、第1次大戦に参戦した。戦後国際連盟の創設を提唱したが、反グローバリスト連合優勢の議会により、米国加盟は阻止された。これも、テーマ自体は高校教科書レベルである。

9)以上からすれば、国際連盟、国際連合は、グローバリスト連合により、つくられたものであり、トランプ及びトランプ勢力から、目の敵にされている背景がわかるだろう。

10)そして、2人目のポピュリスト大統領トランプの変節(副島先生の見立て)による動向を見極める一つの手がかりが、国際連合への態度になるのかな。

伊藤睦月です。覇権アメからは、まだ、インスパイアされているが、それらについては、また後日。とにかく、第4章を読み込むことが、「副島学」入門のツボだということが、言いたかったために、長々書いてしまいました。「そんなこと、わかりきっている」という方々、恐縮です。でも「ふじむら掲示板」なら許されるよね!

以上、伊藤睦月拝

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊藤 投稿日:2025/08/11 15:32

【654】議論とは、相手を言い負かすことではなくて、自分の弱点を徹底的に考えることである。ー「覇権アメ」第4章を読む。(1)

 伊藤睦月です。本日は、2025年8月11日です。最近の副島先生による、米国政治情勢分析を、読み解くためには、「世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち(通称「覇権アメ」講談社アルファ文庫1999年)の第4章の理解が必須だとのこと。ご本人が強調しておられる。

 この文庫本にして400頁余の本は、「属国日本論」と並び、副島隆彦の主著とされ、「副島学」入門者は、まず、この2冊を読め、ということになっている。(学問道場ホームページ)

 そこで、この「覇権アメ」特に「第4章「法」をめぐる思想闘争と政治対立の構図」について、私の理解しているところを書く。まあ、副島学徒としては、凡庸な学力しか持ち合わせていない、年金暮らしの貧乏老人の繰り言のようなものだから、「ああ、この程度か」と思っていただければ、それで結構。この文庫本は皆さんお持ちである、という前提で書かせていただく。

1、「覇権アメ」の全体構成(まずここを押さえよう)

この文庫本は、次の構成から編集されている。

1)文庫本のためのまえがき

2)凡例

3)現代アメリカ政治思想各派見取り図

4)アメリカ政界の思想派閥の全体図

 伊藤睦月です。この本は、上記1)、3)、4)を理解し、運用能力を身に着けさせることが、目的である。

以下、第1章~第9章は、そのための各論、補足説明である。なお、巻末の

5)単行本のあとがき

6)人名索引

7)付録1 シンクタンク(研究所・研究財団)一覧

8)付録2 政治評論誌一覧

9)付録3 政治討論・ニューズ番組一覧

 伊藤睦月です。この巻末付録は、専門家であればあるほど、「おいしい」資料だ。本書の初版は、1995年の「アメリカ政治思想大研究」(筑摩書房)で、2024年最新のアップデートが必要だとも思うが、私の能力を超える。

 なお、第1章~第9章の表題は以下の通り。

第1章 「ネオ・コン」派の正体

第2章 共和党保守本流という存在

第3章 試練に立つ民主党リベラリズムと行動科学

第4章 「法」をめぐる思想闘争と政治対立の構図(今回の主目標)

第5章 ユダヤ系知識人と財界人の政治力

第6章 リバータリアン保守思想の台頭

第7章 宗教右派の運動と社会問題対立の激化

第8章 黒人イスラム勢力の動き

第9章 左翼知識人と急進左翼運動の現在

 伊藤睦月です。これだけのラインナップで、アメリカ政治思想全体を見渡した本や論文集は、わが国においては、個別テーマ別にはあったかもしれないが、以前は存在しなかった。もしこれらを改変、アップデートする必要があるとすれば、それは、この本がみずから、そうした、というほかはない。唯一無二の本。

 さて、イントロはこれくらいにして、次回から、第4章を読んでみることにします。

以上、伊藤睦月拝

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なお、この

 

 

伊藤 投稿日:2025/08/08 13:28

【653】ゼレンスキー(ウクライナ)には、国際政治の当事者ではない。それは日本も同じ。勘違いせずに、その制約下で何ができるかだ。

伊藤睦月です。まずは、「覇権アメ」から引用。

(引用はじめ)

国際政治における「リアリズム」Rialismというのは、簡単に言えば、「ある国の国内問題のゴタゴタの内容がどのようなものであれ、そのことと国際政治とは無関係だ。それらの国内問題とは無関係に、その国の国家的運命は、周りの国々、とりわけ強大な国との関係によって、決定される」という理論である。要するに「小国や普通の国の運命は、アメリカやソビエト(現ロシア)という覇権国どうしの覇権抗争の中で決定されてゆくのだ」という冷酷な理論である。(覇権アメ第2章、講談社アルファ文庫版114p)

(引用終わり)

伊藤睦月です。真正の副島ファンなら、この引用だけで必要充分だろう。余計なおせっかいだが、少し補足する。

1)ウクライナ紛争に関して、米ロ(トランプ=プーチン間)で停戦協議が行われており、ゼレンスキー(ウクライナ)が不服を述べているが、これは、リアリズムの政治世界においては「仕方がないじゃん」ということになる。

2)ゼレンスキーは、「EUも当事者だ」と主張しているが、EU自体がそうではないことは十分にわかっている。それは英国も同じ。

3)ブレジンスキーが「グランドチェスボード」で、プレイヤーとした「ユーラシア覇権の当事者」(ロシア、中国、英国、仏国、いわゆる国連安保理常任理事国)のち、実質当事者は中国。ロシアも実は過去の栄光に敬意を表されているだけでは。)

4)だから、EU、英国は、一応トランプとは話をするが、ゼレンスキーとは、愚痴を聞いてやるだけ。それどころか、関税協議を通じて、米国式の軍備体系をある程度受け入れざるを得なくなって、一層属国化が進んだ、とも思える。

3)だからゼレンスキーとしては、18世紀の「ポーランド分割」の轍を踏まないよう、19世紀の「ベルリン会議」における、英仏のようにうまく立ち回れればよいが、当時からのロシアにとって、「悲願であった」クリミア半島は、あきらめる、あきらめさせられる、そこらへんで、手を打つべきだ。ゼレンスキーは失脚するかもしれないが。そこが彼の試金石。

4)リアリズムは、それと対立する「理想主義」(カント「永遠平和のために」)と違って、一見根本的な解決にはならないが、これ以上の流血を止めるという、必要最小限度の効用はある。トランプはそれしか考えていないだろう。

 ガザの事例も同じ。というか、ハマスはそもそも国家ですらないのだから、パレスチナの「意思」は入らない。(だからEUがパレスチナを国家承認をしてネタニヤフとトランプにちょっかいを出している。彼らは、状況によってすぐに撤回するのではないか)

(ここで、さらに引用する。)

 つまり、国家というのは、それぞれひとつずつが、ビリヤードの玉のようなものであって、他の玉がぶつかってくるととピーンと弾き飛ばされて別の玉にぶつかってゆく。その国の国内の事情がどのようなものであろうとも、それらの内部関係とは無関係に外部的な理由だけで決定されるのである、とする理論である。日本が戦後半世紀にわたって西側世界(自由陣営)に組み込まれ、アメリカの核の傘に守られてきたという冷厳な事実もこのリアリズム(現実主義)からのみ説明がつくのである。

(引用終わり:覇権アメ114P)

伊藤睦月です。現実主義は、「外圧主義」、だから、「内圧の状況、石破おろしのようなものは、関係ないのでは」だから石破も粘り腰になれる。本日のドタバタ(8月8日の両院議員総会)がどうなるのだろう。

また、今般の関税交渉も、この文脈で読み取れるのか。なにか違うような気がするが。

ま、現役引退した年寄りの独り言だけど。次は、「覇権アメ」の第4章を読んでみよう。

以上、伊藤睦月筆

 

 

 

 

 

 

 

 

伊藤 投稿日:2025/08/07 17:48

【652】それでも、石破がんばれ。ハルノートの二の舞だけは避けよう。

   伊藤睦月です。今回の、日米関税交渉、戦前の日米交渉と同型のように思う。ハルノートの教訓を忘れるな!

   副島先生がかねてから主張(予言?)されているように、アメリカ帝国の衰亡という「終わりの始まり」の一

   環だろう。

   帝国が属国から収奪(もう搾取の体も取れなくなった)しだすともうおしまい。あとは、巨艦沈没の大渦の影

   響をできるだけ、減損するのみ。石破政権の冷静沈着な対応を期待する。石破がんばれ!!!

   猛暑と関節痛でいらいらする中、意見表明します。

  伊藤睦月筆

 

 

 

 

伊藤 投稿日:2025/07/25 15:07

【651】#石破がんばれ、#石破やめるな

 伊藤睦月です。なんとか生きてますよ!

 SNSとかAI(データセンター)とか全く疎い私ですが、たまたまSNS(X)で、表題の投稿をみつけました。

興味をもったのは、石破茂のXをフォローしている人たち(9人)

1)小沢一郎(事務所)

2)志位和夫

3)前川喜平

4)立川談四楼

5)Dr.ナイフ

6)米山隆一

7)澤田愛子

8)有田芳生

9)佐藤章

 伊藤睦月です。鈴木宗男のコメント、ちらっと報道されていたけど、一番まともに思えました。自分の記憶だけで、正確な引用はできませんが。取り急ぎ意見表明。

以上、伊藤睦月筆

 

 

 

 

かたせ2号 投稿日:2025/07/23 09:47

【650】原民喜の小説「夏の花」三部作について

原民喜の小説「夏の花」三部作について

かたせ2号です。
本日は、2025年7月23日の水曜日(日本時間)です。

まだ、2025年7月25日金曜日の午前0時58分2秒(日本時間)には到達していませんが、
投稿いたします。
(なお上の、金曜日の時刻自体にはとくに意味はありません)

さて、原民喜の小説「夏の花」三部作のうちの、ある作品を、昔に読んだことがあります。
その後に何が起きるのか知ってしまったものの身としては、
1945年8月6日の数日前、いろんなごたごたに翻弄されながら、変わらぬ「日常生活」を送っている、
広島の郊外での様子に慄然といたしました。そのことを思い出します。
「暑い陽光(ひざし)が、百日紅(さるすべり)の上の、静かな空に漲(みなぎ)っていた。」

三部作の一つの短編「壊滅の序曲」の最後の文章を引用します。

(引用開始)
「さっき大川がやって来て、そう云ったのですよ、三日以内に立退かねばすぐにこの家とり壊されてしまいます」
「ふーん」と清二は呻(うめ)いたが、「それで、おまえは承諾したのか」
「だからそう云っているのじゃありませんか。何とかしなきゃ大変ですよ。この前、大川に逢(あ)った時にはお宅はこの計画の区域に這入(はい)りませんと、
ちゃんと図面みせながら説明してくれた癖に、こんどは藪(やぶ)から棒に、二〇メートルごとの規定ですと来るのです」
「満洲ゴロに一杯喰(く)わされたか」
「口惜(くや)しいではありませんか。何とかしなきゃ大変ですよ」と、光子は苛々(いらいら)しだす。
「おまえ行ってきめてこい」そう清二は嘯(うそぶ)いたが、ぐずぐずしている場合でもなかった。
「本家へ行こう」と、二人はそれから間もなく順一の家を訪れた。
しかし、順一はその晩も既に五日市町の方へ出かけたあとであった。市外電話で順一を呼出そうとすると、どうしたものか、その夜は一向、電話が通じない。
光子は康子をとらえて、また大川のやり口をだらだらと罵(ののし)りだす。それをきいていると、清二は三日後にとり壊される家の姿が胸につまり、今はもう絶体絶命の気持だった。
「どうか神様、三日以内にこの広島が大空襲をうけますように」
 若い頃クリスチャンであった清二は、ふと口をひらくとこんな祈をささげたのであった。
 その翌朝、清二の妻は事務室に順一を訪れて、疎開のことをだらだらと訴え、建物疎開のことは市会議員の田崎が本家本元らしいのだから、
田崎の方へ何とか頼んでもらいたいというのであった。
 フン、フンと順一は聴いていたが、やがて、五日市へ電話をかけると、高子にすぐ帰ってこいと命じた。それから、清二を顧みて、
「何て有様だ。お宅は建物疎開ですといわれて、ハイそうですか、と、なすがままにされているのか。空襲で焼かれた分なら、保険がもらえるが、
疎開でとりはらわれた家は、保険金だってつかないじゃないか」と、苦情云うのであった。
 そのうち暫くすると、高子がやって来た。高子はことのなりゆきを一とおり聴いてから、「じゃあ、ちょっと田崎さんのところへ行って来ましょう」と、
気軽に出かけて行った。一時間もたたぬうちに、高子は晴れ晴れした顔で戻って来た。
「あの辺の建物疎開はあれで打切ることにさせると、田崎さんは約束してくれました」
 こうして、清二の家の難題もすらすら解決した。と、その時、恰度(ちょうど)、警戒警報が解除になった。
「さあ、また警報が出るとうるさいから今のうちに帰りましょう」と高子は急いで外に出て行くのであった。
 暫くすると、土蔵脇わきの鶏小屋で、二羽の雛(ひな)がてんでに時を告げだした。その調子はまだ整っていないので、時に順一たちを興がらせるのであったが、
今は誰も鶏の啼声に耳を傾けているものもなかった。
暑い陽光(ひざし)が、百日紅(さるすべり)の上の、静かな空に漲(みなぎ)っていた。

……原子爆弾がこの街を訪れるまでには、まだ四十時間あまりあった。

(昭和二十四年一月号『近代文学』)
(引用終わり)

かたせ2号です。
わたしも、上の登場人物たちと変わらぬ「日常生活」を送っていく所存です。
ですので、おそらく、信じてはもらえないのでしょうが、
今月、2025年7の月での、今後の、この、「ふじむら掲示板」への新たな投稿や、「ふじむら掲示板」のこれまでの投稿への追記・改変は、一切いたしません。

以上