日本政界●情報メモ

ニニギ 投稿日:2010/06/05 11:09

【11】佐藤優 平成の悪党 小沢一郎

佐藤優の趣旨

普天間問題は、結局は、官僚の言うとおりするしか選択肢はないのだという、日本国民と政治家への見せしめである。
鳩山は、官僚につぶされた。
今、官僚クーデターが闇で進行中である。
菅により、民主党の官僚派(反小沢派)が力を増し、官僚の力がさらに増す。
アメリカは沖縄から撤退し、自衛隊が抑止力の役割を担うべき
小沢一郎は、平成の悪党になり討ち死にすることが歴史的役割

http://www.youtube.com/watch?v=TjDjRR7TZX0
http://www.youtube.com/watch?v=Bsc3XK9m7kg
http://www.youtube.com/watch?v=MKfURNQk1KI
http://www.youtube.com/watch?v=rt1F2d6M57E

投稿日:2010/06/05 06:44

【10】「菅直人民主党新代表選出と樽床伸二氏の名演説」

「植草一秀の『知られざる真実』」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010年6月 4日 (金)
「菅直人民主党新代表選出と樽床伸二氏の名演説」

6月4日、民主党の代表選が実施され、菅直人氏が新代表に選出された。鳩山政権は同日午前総辞職したが、同日中に国会で内閣総理大臣の指名選挙が行われ、菅新代表は第94代内閣総理大臣に就任することになる。

代表選に際して、菅直人氏と樽床伸二氏の二名の立候補者が立候補演説を行った。樽床氏の気迫あふれる演説が民主党議員のみならず、多くの主権者国民の心に響いたのではないかと考えられる。

昨年8月30日の総選挙を通じて政権交代の大業が成就した。政権交代を牽引したのは、2006年4月に成立した小沢-鳩山-菅の民主党トロイカ体制だった。とりわけ、民主党を解党の危機から救出し、政権交代実現の布石を盤石に敷いたのは小沢一郎元民主党代表である。

振り返れば、2005年9月の総選挙で民主党は小泉自民党に惨敗した。郵政民営化を掲げる小泉元首相に対し、岡田克也代表が率いる民主党は、明確な政策方針を示すことができなかった。その結果として民主党は大敗し、岡田克也代表は引責辞任した。

後継代表に就任したのは前原誠司氏であった。2006年年初、小泉政権はホリエモン逮捕、輸入牛肉危険部位混入、耐震構造偽装事件、防衛施設庁汚職問題で窮地に追い込まれた。野党である民主党は攻勢を強めるべき局面であったが、偽メールをもとに小泉政権を追及する指揮を執ったのが前原誠司代表で、前原氏は引責辞任した。

2006年4月、民主党は文字通り解党の危機に直面した。この危機に代表に就任したのが小沢一郎氏である。危機のなかで火中の栗を拾ったのである。

小沢民主党は代表就任直後に千葉7区の衆院補欠選挙で奇跡の大逆転勝利を勝ち取った。その後、2007年7月の参院選で大勝利を収め、参議院第一党の地位を確保するとともに、参議院での野党過半数確保を実現した。そして、政権交代実現の直前にまで民主党を大躍進させたのである。

日本政治をこれまで支配し続けてきた既得権益勢力は、露骨な小沢一郎氏攻撃を継続した。2007年参院選での小沢一郎氏に対する激しいネガティブ・キャンペーン、2007年秋の大連立構想、2008年春の日銀幹部人事、2008年秋の民主党代表選などのすべての機会を通じて、小沢一郎氏の影響力を低下させようとする工作活動が展開された。しかし、小沢一郎氏はこれらの謀略を乗り越えて、民主党を軸とする勢力による政権樹立にむけて躍進を続けた。

いよいよ、政権交代実現が視界に入った昨年3月3日、史上最大の政治謀略が仕掛けられた。小沢一郎民主党代表の公設第一秘書である大久保隆規氏が突然逮捕されたのである(三三事変)。

このような政治謀略に対しては、徹底して毅然と闘うことが基本である。小沢一郎氏は不正な検察権力行使に対して正々堂々と闘う方針を示したが、メディアによる土石流のような集中攻撃が総選挙に与える影響を勘案して、筋を曲げて代表職を辞した。

この小沢一郎氏の意思を受け継いだのが鳩山由紀夫前代表だった。その結果として、昨年8月30日の総選挙で見事に政権交代の大業が成就したのである。

しかし、既得権益勢力との闘いはまだ残されていた。本年夏の参院選である。この参院選に勝利して初めて、安定した政権基盤が確保され、2013年までの衆院任期をフルに活用することが可能になる。

既得権益勢力は、日本政治刷新を阻止するために、激しい新政権攻撃を継続した。三三事変での裁判では、三三事変そのものが政治謀略であったことを裏付ける事実が明らかになった。大久保隆規氏の政治資金処理が法律的に何ら問題ではないことが裁判の証言で明らかになったのである。

検察は窮地を脱するためにさらなる暴走を重ねた。これが本年1月15日の石川知裕衆議院議員などの逮捕であった(一一五事変)。これらの政治謀略と連携するメディアの激しいネガティブ・キャンペーンにより、小沢一郎氏に対するネガティブなイメージが定着させられたが、その明確な根拠は存在しない。

鳩山内閣が総辞職に追い込まれた直接の原因は普天間問題での政策運営の誤りにあった。その結果として、今回の代表選が実施されることになったのである。

民主党の現下の最大の課題は、悪徳ペンタゴンとの最終決戦である本年夏の参院選に勝利することである。参院選に勝利して初めて日本政治刷新の大事業を本格的に進展させることができる。

樽床氏は演説のなかで、二つの重要なメッセージを示した。

第一は、「ピンチは最大のチャンスである」こと。

民主党は昨年も総選挙直前に最大のピンチを迎えた。このピンチに対して、小沢一郎民主党代表は、我が身を捨てて党を救う道を選んだ。この柔軟で高等な無私の行動がなければ、総選挙での民主党大勝はあり得なかった。

今回も民主党は危機に直面した。危機に直面した最大の理由は、既得権益勢力=悪徳ペンタゴンが民主党攻撃を継続してきたことにある。卑劣な政治謀略ではあるが、現実に勝利するには、悪とも敢然と立ち向かわねばならないのである。

今回の鳩山総理、小沢幹事長辞任は、昨年同様、ピンチをチャンスに変える我が身を犠牲にする行動であった。

樽床氏が示した第二のメッセージは、政権交代実現の最大の功労者である小沢一郎前幹事長、鳩山由紀夫内閣総理大臣に感謝するとともに、その自己犠牲の意思を尊重し、民主党が一致結束することの重要性を示したことである。

民主党内部には、かつ民主党を解党の危機に追い込んだ張本人たちを中心に小沢一郎氏を排除しようとの行動が強まってきた。これらの議員は思い上がりもいい加減にするべきである。政権交代を実現した主役は議員ではない。主権者国民である。

主権者国民は小沢-鳩山-菅の民主党トロイカ体制が運営した民主党を支持し、政権交代の偉業を実現させたのである。この現実をも踏まえず、自己の利益だけを追求する民主党内反党主義者を主権者国民は排除したいと願っているのだ。これらの悪党の代表が渡部恒三氏である。

樽床氏の挙党一致の呼び掛けに対して、菅直人氏も「ノーサイド」と応じ、挙党一致の方針を明示したことが最重要である。

菅直人新代表は、演説の冒頭で、鳩山前総理、小沢一郎前幹事長を政権交代実現の最大の功労者であることを適正に認識する見識を示した。

このことを踏まえて、菅直人新代表は民主党挙党一致体制を構築しなければならない。樽床氏が訴えたように、「好きだ嫌いだで危機を乗り越えることはできない」のである。好きだ嫌いだと騒いでいる人々は、頭を冷やし、深く反省するべきである。

日本政治刷新に向けての第二幕が開いた。ピンチは最大のチャンスである。今回の代表選で示されたメッセージのなかに、党を再生させる重要な鍵が多く含まれていた。

菅直人新代表兼新内閣総理大臣にとっては、民主党の挙党一致体制を賢明に構築することが最初の最重要任務になる。遺漏なき対応が強く求められる。

(転載貼り付け終了)

投稿日:2010/06/05 06:40

【9】「菅首相の誕生:参院選まで対・米国戦争屋防衛内閣となるか」

「新ベンチャー革命」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010年6月4日 No.137
「菅首相の誕生:参院選まで対・米国戦争屋防衛内閣となるか」

1.鳩山首相ワンポイント・リリーフというシナリオ的中

 昨年2009年12月1日の拙稿・本ブログにて、鳩山政権の行方を占っています(注1)。それによれば、以下のように、当時、3つのシナリオが描けました。

(1) 鳩山首相献金疑惑追及は、日本の親・戦争屋=CIAの日本人(反鳩山派)が勝手にやっているのみであり、本家の戦争屋=CIAはノータッチである。 

(2) 鳩山首相はもともとワンポイント・リリーフであり、近未来、前原氏もしくは別の親・戦争屋=CIA系民主党政治家に首相のポストを明け渡すシナリオが動いている。

(3) 鳩山首相はアンチ戦争屋と思われているので、親・戦争屋=CIAに変節するジェスチャーをして戦争屋=CIAからの正面攻撃をかわす。

 さらに、筆者は、昨年12月時点にて、水面下でシナリオ(2)が動いていると予想しました。その通り、鳩山首相は、2010年6月2日、8ヶ月半の短命にて、首相の座を降りてしまいました。上記、(2)のシナリオ予想が当たって、喜ぶべきか、嘆くべきか、迷ってしまいます。

 なお、上記、(1)および(3)のシナリオも、まったく見当はずれではないと思います。

2.電光石火の早業、菅直人新首相誕生

2010年6月2日、鳩山首相が突然、辞意表明、6月4日、早くも、後任に菅直人氏が第94代の新首相に選出されています。しかも、密室談合ではなく、当て馬の対抗馬を立て、民主党内での民主主義的手続きを踏み、正統に民主党党首を選出した後、電光石火の早業で菅新首相が6月4日午後、衆参両院本会議で認証を受けました。この間、民主党内はアンチ小沢議員を含み、見事に統制が取れていました。それを横目に野党自民党はさぞかし腰を抜かして驚いたことでしょう。

 菅氏は早速、仙石氏(親米派)を官房長官に任命しています。この一連の動きは、誰かが予めシナリオを描いており、シナリオ通りに進行しています。

 事前に、大手マスコミは、鳩山辞任サプライズも、菅首相シナリオもまったく嗅ぎ付けることができていませんでした。したがって、このシナリオは、悪徳マスコミ(悪徳ペンタゴンの一味)の埒外で練られてきたことは確かです。

 菅内閣の組閣は、小沢・鳩山色を一変させ、事業仕分けで活躍した親米派(行革推進派)中心となりそうです。米国戦争屋ジャパンハンドラーから見て、民主党内小泉シンパ的政権に見えるので、アンチ小沢・鳩山だった大手マスコミ(戦争屋のロボット)によるアンチ民主バッシングは鎮静化するとみられます。

3.対・米国戦争屋防衛政権の誕生

 2006年以降(ポスト小泉以降)、民主党は日本を実質支配する米国戦争屋の行動原理をよく研究し、最近の戦争屋は、自民、民主にかかわらず、対米完全従属政権であった小泉政権をベンチマーク(比較対象の基準)にしていると気付いたのでしょう。

 戦争屋の基準にはずれると、彼らは、日本国内に飼っている闇の謀略部隊や、配下の日本の大手マスコミ・親米官僚を動かして、ありとあらゆる手段で、ときの政権に攻撃をかけてくることもわかりました。

 安倍政権(自民)しかり、福田政権(自民)しかり、麻生政権(自民)しかり、そして鳩山政権(民主)しかりです。戦争屋にとって、政党は関係ないのです。親・戦争屋か、アンチ戦争屋かが判断基準なのです。

 戦争屋がどれほど、ときの政権に攻撃を仕掛けても、国民がそれに惑わされず、信念をもって、応援すれば、何も怖くはないのですが、現実に、多くのお人好し国民は、戦争屋の動かすロボット(悪徳マスコミ)の扇動にまんまと引っかかることもよくわかりました。

 こういう日本人も1票をもっているので、民主党も背に腹は変えられません。とにかく、参院選に勝つまで、悪徳マスコミ(戦争屋の奴隷)の攻撃をかわすことを最優先しています。

4.前原首相ではなく、菅首相カードは、民主党が譲れるギリギリの限界だった

 米国戦争屋は、民主党内の小泉二世のような前原氏を首相にすれば、もっと大満足だったのでしょうが、民主党としては、そこまで、露骨な人事には踏み切れなかったということでしょう。その代わり、菅内閣に小泉シンパをちりばめてごまかすしかありません。鳩山内閣でも同じ手を使ったのですが、うまくごまかせなかったのです。とにかく、参院選まで、ごまかせばよいのです。

5.悪徳マスコミはどう攻めるか

 小沢・鳩山コンビ(アンチ戦争屋)という攻撃目標を失った悪徳マスコミは今後、どう攻めてくるのでしょうか。彼らは戦争屋のロボットですから、今、親分・戦争屋の顔色を窺っている最中でしょう。しがない貧乏性で、早速、菅氏のスキャンダルをあさっているようです。戦争屋から攻撃命令がでたときの準備をしているのでしょう。マスコミの下っ端は、戦争屋の基準がよく理解できず、民主を叩けば、戦争屋が喜ぶと誤解している連中も多いようです。ほんとうに煮ても焼いても食えない奴等です。

 筆者の記憶によれば、菅さんはかつてKOS(カネ・まるまる・サケ)という、戦争屋謀略部隊の三大陥穽工作ツールのうち、真ん中のOでしくじったことがあります。小沢・鳩山コンビを落としたKでは、菅氏は年金未払いでやられたことがありましたが、完全なる冤罪でした。一回、頭を丸めて、四国お遍路霊場巡りをやっていました。中川昭一氏のようなSはないでしょう。いずれにしても、KOSのいずれかで落とされるリスクがもっとも低く、かつ、国民に知られている人材ということで、選ばれています。だから、悪徳マスコミも参院選までに、うまく攻撃できるかどうか、お手並み拝見です。

注1:本ブログNo.49『苦渋の戦争屋(=CIA)対策:鵺(ぬえ)となる民主党』2009年12月1日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/4244445.html

ベンチャー革命投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm

テックベンチャー投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/8285/column-top.html

(転載貼り付け終了)

投稿日:2010/06/05 06:37

【8】「鳩山辞任の真相と画一報道のギャップ」

「永田町異聞」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010年06月03日(木)
「鳩山辞任の真相と画一報道のギャップ」

胸騒ぎとでもいうのだろうか。首相補佐官、中山義活は6月1日の夜更け、公邸を訪ねた。

風呂から上がってきた鳩山首相は、中山にこう語ったそうだ。

「長い間ありがとう。私は雨天の友を大切にする。これからも一緒にがんばろう」

逆境のときにも変わらず支えてくれる「雨天の友」中山に、深夜の静寂のなかで、首相は何を伝えたかったのか。

中山は言う。「長いつき合いですから感じるものがありました。ひょっとしたら、と思いました」

6月1日の当ブログ「鳩山首相は覚悟を決めているのではないか」で、その前日の5月31日に小沢幹事長、輿石参院議員会長と会談したさいのやりとりを、筆者はこう推測した。

鳩山首相は小沢幹事長らに何らかの意思を伝え、あとの判断を委ねるつもりだったのだろう。首相という地位に執着するつもりがないこと。それを、どういう表現かは分からないが二人に伝えたのではないか。

実際に、鳩山首相は5月31日の会談のさい、二人に「辞める意思」を打ち明けたと会見で語っている。

このときにほぼ、鳩山、小沢の辞任への流れが決まったといっていい。

大方のメディアが言うように「道連れ」とか、小沢が鳩山を「見限った」とか、そんな問題ではない。党代表である首相が辞めれば、幹事長も辞める。それがふつうである。

この二人の退陣がどのように影響するか、党にとってプラスになるのかどうか。それを考える時間をもう一日とって、6月1日の鳩山、小沢、輿石の三者会談で結論を出したのだ。

鳩山首相の表情、親指を立てるなどのいつもと違うふるまい。テレビで大写しになる映像を冷静に見ているわれわれ視聴者は、そこから「鳩山の覚悟」を読み取ることができる。

鳩山由紀夫という人物の日頃のものの考え方や、行動パターン、人柄もじっくり考慮に入れる余裕もある。

しかし、現場でさまざまな情報の渦に巻き込まれている記者や議員たちが、目の前で展開している現実を正確にとらえるのはきわめて難しい。

それが現場の怖さである。現場で分かることは多いが、現場では分からないこともある。

1日の三者会談のあと、平野官房長官、細野豪志組織委員長はともに「継続協議」を強調、小沢幹事長も「継続協議する」とのコメントを出しただけで、記者団の質問には答えなかった。

一方で、まだ「私と幹事長は辞める」と明かせない鳩山首相は「がんばっていきたい」と言うほかない。

そこでメディアは「首相続投に強い意欲」と報じ、すべての記事がその方向に流れる。党側の「鳩山おろし」の動き、それに抵抗する鳩山総理というステレオタイプな筋書きが、まるで事実であるかのごとく世間に広がっていく。

このように人間や政治という複雑な生き物に対する画一的なモノの見方、それに基づく記事の中身が、いかに事実と違っているかを感じさせてくれたのが、昨日の鳩山首相「辞任表明」演説、ならびにその後の会見だった。

記者は人の話を聞いて書く。他社に出し抜かれないよう素早く記事にする。さまざまな情報を頭のなかにしばらく寝かせ、熟成させ、自分なりの思考をめぐらせるという習慣も、時間的ゆとりもない。

大量に垂れ流されるメディアの情報のなかから、必要なものと不要なものを嗅ぎ分けるのはわれわれ受け手が心すべき問題なのかもしれない。

(転載貼り付け終了)

直木 明 投稿日:2010/06/04 06:09

【7】「日本政治刷新第二幕に元祖刷新派菅直人氏登場」

「植草一秀の『知られざる真実』」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010年6月 3日 (木)
「日本政治刷新第二幕に元祖刷新派菅直人氏登場」

昨年8月30日の総選挙を通じて政権交代の大業が成就した。政権交代を牽引したのは、2006年4月に成立した小沢-鳩山-菅の民主党トロイカ体制だった。

日本政治刷新勢力は決戦の総選挙に大勝利を収め、日本の歴史上、初めて民衆の力による政権樹立が実現した。

しかし、もうひとつの決戦が残されている。2010年夏の参院選である。政治刷新勢力による新政権は衆議院で圧倒的多数を確保したが、参議院では過半数を辛うじて確保する勢力しか有していない。

これまで日本政治を支配してきたのが米・官・業のトライアングルである。このトライアングルの代理人として活動してきたのが利権政治屋と御用マスメディアであった。米官業に政電を加えた五者=悪徳ペンタゴンが日本政治を支配し続けてきた。

昨年9月の鳩山政権樹立は悪徳ペンタゴンの手から政治権力、政治利権を剥奪するものであった。既得権益勢力である悪徳ペンタゴンは、権力奪還に向けて死に物狂いの活動を展開してきた。

旧支配勢力の中核を占めるのが米国である。米国は第2次大戦後の65年間、日本政治を支配し続けてきた。露骨な内政干渉と政治謀略を繰り返してきたのが米国の対日工作の真実である。

この点については、名古屋大学教授の春名幹男氏の名著

『秘密のファイル-CIAの対日工作-(上・下)』

秘密のファイル(下) CIAの対日工作
著者:春名 幹男
販売元:株式会社共同通信社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

あるいは、松本清張氏の名著

『日本の黒い霧』

日本の黒い霧〈上〉 (文春文庫)
著者:松本 清張
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

日本の黒い霧〈下〉 (文春文庫)
著者:松本 清張
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

に詳しいので、ぜひご一読されたい。

米国が動員する対日工作の主役は、検察とマスメディアである。新政権粉砕を至上命題とする悪徳ペンタゴンは検察勢力とマスメディアを総動員して鳩山政権攻撃を続けてきた。

鳩山総理が辞意表明に際して小沢氏の「政治とカネ」の問題をクローズアップしたために、この問題が歪められた状態のまま、世間に残存することになることは、将来に大きな禍根を残す。この点は昨日付記事に記述した。

一般国民は小沢氏が巻き込まれている問題の詳細を知らない。「政治とカネ」にまつわるダーティーなイメージが土石流のように流布され、小沢氏は個人として、この激しい攻撃に対抗する術を持たない。小沢氏は定例記者会見などの場を用いて、可能な限りの説明責任を果たしてきたと思われるが、メディアが「説明責任が足りない」と毎日喧伝し続ければ、一般国民の脳にはそのようなイメージが刷り込まれる。

『週刊ポスト』誌が孤軍奮闘で官房機密費問題を取り上げているが、官房機密費を受領した新聞記者が多数存在することも明らかにされつつある。メディアが「説明責任」を強調するなら、メディア自身が説明責任を果たすべきであるし、疑惑のある言論人は十分な説明責任を果たすべきである。

三宅久之氏などは官房機密費100万円の受領をテレビ番組で自白したのであるから、即刻番組を降板すべきであり、本人が抵抗するなら、テレビ局が降板させるべきである。それ以外に重大なセクハラ事案で大学を解任された田勢康弘氏を番組キャスターとして起用し続ける厚顔無恥なテレビ局も存在する。

小沢氏が巻き込まれている「政治とカネ」問題は、政治謀略である可能性が極めて高い。通常は何らの問題ともされない事務上の取り扱いが、小沢氏の資金管理団体に限って犯罪扱いされているのである。

昨年の三三事変裁判では、逮捕、起訴された大久保隆規氏の無罪判決が動かしがたい状況が生じ、これを回避するために検察が石川知裕衆議院議員の逮捕、起訴というさらなる暴挙を重ねた可能性が高いのである。

詳しくは昨日付記事を参照賜りたい。

悪徳ペンタゴンは本年夏の参院選で与党を過半数割れに追い込み、政界大再編を実現しようとしている。米・官・業が引き続き日本の支配者として君臨する体制を堅持することを至上命題としている。この目的に照らして、排除しなければならない最重要ターゲットが小沢一郎氏なのである。

鳩山内閣の支持率が低下し、普天間問題での鳩山総理の判断ミスから、民主党は参院選を目前に、極めて厳しい状況に追い込まれた。このまま参院選になだれ込めば、悪徳ペンタゴンの思うつぼである。

こうした情勢判断を踏まえて小沢一郎氏が行動した。鳩山総理は続投の意思を強く保持していたのだと考えられる。しかし、両院議員総会での解任動議の可能性を知り、辞意を固めたのだと思われる。その際に、小沢氏にも同時辞任を求めたのだと思われる。

鳩山総理秘書の案件は確定したが、小沢氏秘書の問題は裁判係争中である。「無罪推定の原則」を重視し、両者を明確に区別することが本来求められた。

しかし、マスメディアが誤ったイメージ報道を繰り返しているから、選挙への影響という「実」の部分を考慮すれば、小沢氏がいったん表面から引くことは民主党にとっての得策であるとも考えられる。

こうした状況を背景に、菅直人氏が次期民主党代表、内閣総理大臣候補として浮上した。日本政治刷新の事業は100年に1度の大事業である。日本史上、初めて民衆の力による民衆のための政府を樹立しようとする試みである。

昨年8月以来の第一幕では、幕引き終了直前に悪徳ペンタゴンが猛烈な逆襲を演じ、日本政治刷新勢力が追い込まれて幕が終了したが、民主党代表選から第二幕が始まる。この第二幕の主役が菅直人氏になる可能性が高い。

日本政治刷新の課題は、

①対米隷属外交からの脱却

②官僚利権の根絶

③政治権力と大資本の癒着排除

の三つである。

この三大課題に取り組む総司令官として、菅直人氏以上に適任の人材はいない。巨大化した与党を統率するには、きめ細かな統治能力が求められる。菅直人氏がかつて民主党代表を務めた期間には、党内に不協和音が発生しなかったわけではない。

しかし、党代表を退き、多くの役職を経験することを通じて帝王学を身に付けたのではないかと期待される。菅直人氏が民主党新代表に就任することになる際には、政権交代実現の最大の功労者である小沢一郎氏とその同志に適切に対応することが不可欠である。小沢氏が了解するなら、小沢氏を副総理として閣内で処遇することを検討するべきである。

 

菅直人氏が小沢氏陣営と敵対して代表に就任するなら、民主党は確実に分裂に進むことになるだろう。日本政治が混乱の極に戻る可能性があり、賢明な選択ではない。とりわけ、菅直人氏が対米隷属勢力と手を結ぶことは許されない。菅直人氏の賢明な判断が求められる。

鳩山政権末期には、上記三大課題に対する取り組みが、いずれも大幅に後退した感を否めない。鳩山総理の辞任により、新たな体制がスタートするが、これを契機に日本政治刷新に向けてのエンジンがもう一度全開にされることが望まれる。

参院選まで残すところ一月になった。政権刷新により、日本政治刷新に向けての気運をもう一度取り戻さねばならない。

参院選を勝利で乗り越えれば、2013年までの3年の時間が手に入る。漫然と過ごせば3年はあっという間だが、この時間を使いこなせば、日本政治刷新の大事業も完遂可能である。

日本政治刷新を求める人々が力を結集して、最終決戦の参院選を勝ち抜かねばならない。

(転載貼り付け終了)

直木 明 投稿日:2010/06/04 06:06

【6】「「植民地」から脱するために、必要なことはなんだろう?(追記)」

「渡瀬夏彦の「沖縄 チムワサワサ 日記」」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010年06月03日
「「植民地」から脱するために、必要なことはなんだろう?(追記)」

けさ写真家・石川真生さんのブログhttp://blog.livedoor.jp/ishikawamao/を開いてみて、なるほどその通りだよなぁ、と思った。長年名護市へ撮影に通い続けている真生さんならではの、ウチナーンチュとしての実感が書かれていた。

民主党代表選びや参議院議員選挙より大切なのは、9月の名護市議選挙と11月の沖縄県知事選挙だというべきかもしれない。

そこで名護市には、すでに「アメリカの代理人」や「安保マフィア関係者」が入り込んで、市民や市議会への切り崩し工作に力を入れているという情報がある。「新基地建設反対」の意思が明確な人は別として、基地誘致に慎重だった人まで、札束でほっぺたピタピタされて、懐柔されたりグラつき始めているのだという。軍需、土建の利権が絡んで、おぞましい光景が繰り広げられているのかと思うとウンザリする。

フラフラする市議会議員も情けないが、何より憎むべきは、沖縄をあくまでわがまま放題の許される「植民地」にしておきたい日米政府周辺の安保マフィアでろう。

では、わたしたちは、いったい何ができるだろう。

「普天間基地危険除去」の名を借りた「辺野古・最新型出撃基地建設」のたくらみを、完全に断念させるために。

名護市や沖縄県の、新たな「植民地化」を進めさせないために。

「海にも陸にも絶対に基地は造らせない」と表明している稲嶺進・名護市長をしっかりと支えるために。

                 *

「新基地建設計画」を14年間押し付けられてきた地元は、辺野古・豊原・久志の辺野古周辺3区だけではない。名護市東海岸は、その3区と大浦湾をはさんで隣接する「二見以北10区」を含めた「久志13区」から成っている。そのことは、まだまだ全国的には知られていない。(追記:この計画によって大きな影響を受ける地域としては、名護市の南に位置する宜野座村松田区などもあげられる。なお、この記事のアップ当初の3区の地名が、辺野古・豊浦・久辺となっていました。訂正します。失礼しました)

青く美しい海と緑豊かな山とに抱かれた、「アメ」などしゃぶらされなくても、もともと「豊かな」場所。どんなに逆立ちしても都会では味わえない「心豊かな生活」のある地域である。

ジュゴンが回遊し、その餌場の「海草藻場」(海の中の牧草地帯のようなもの)があり、アオサンゴの大群落はじめ、希少生物の宝庫としての海が、住民のまさに眼前に広がる地域である。豊かな海は、間違いなく豊かな山が支えている。そういう土地である。

その地域に大規模自然破壊の最新型軍事基地を造ろうというのが、5月28日の「日米共同声明」の中身である。旧自公政権時代から、基本的に何も変わっていない、「実現不可能」なお粗末な計画なのである。

そこに小手先の訓練移転等「負担軽減策」をいくら付け加えたって、賢明なる名護市民、沖縄県民は、そんなごまかしに、だまされないのである。

わたしは今、東京に滞在しながらつくづく思う。
おのれの軸足を、少なくとも「心の軸足」をどこに置くべきか。
原点に立ち返りたいとしみじみ思う。

拠って立つべき場所は、永田町や霞が関なんかでは決してない。

名護市東海岸には、やむにやまれず基地建設反対運動に立ち上がった「地元住民」がいる。
それまで市民運動と無縁な暮らしを送っていた人たちが、96年に普天間移設候補地として名指しされてから、14年間も地道な運動を続けている。

旧自公政権の「アメとムチ」政策のおかげで、静かに暮らしていた地域の人びとは「賛成派」「反対派」に分断され、家族・親戚の間にさえ反目が起こった。この14年間の「心の被害」は、すでに甚大だ。それでも、信念を曲げずに辛抱強く、政府の横暴と対峙し闘ってきた人たちが、この名護東海岸に生活している。

その代表格が、当ブログにも何度か登場していただいている渡具知武清さん智佳子さん夫妻と子供たち。

渡具知ファミリーの「5月28日緊急集会」での訴えを、「ヘリ基地いらない二見以北10区の会」のホームページで読むことができる。ぜひご覧ください。
http://kichi-iranai.jp/d_10kumovement/d_konsyu/20100530/20100530..html

さて、渡具知さんと同じ集落に住む名護市議会議員・東恩納琢磨さんも、わたしは13年前の市民投票の頃、取材で出会った人のひとりだ。きたる9月の市議選でも、絶対に当選してほしい人である(応援ゆたしく、です)。

琢磨さんは、97年の市民投票の直前に、それまで勤めていた土木会社を辞めた。生活のためとはいえ、基地建設誘致派の会社にいることは、自らの良心に照らして、できなかった。基地に頼らないシマおこしをしようと、ピンチをチャンスに変える発想の転換で、エコガイドの事業を起こし、ジュゴン保護活動に力を入れるようになっていった。国際的なネットワークに積極的にコミットして、新基地建設計画の理不尽さを訴えてつづけてきた。土木会社を辞めるとき、妻には「おれは出世はしないかもしれないけど、子供たちに誇れる生き方はできる」と告げていた。もちろん妻も親も、彼の心を理解し、そうして今の琢磨さんの活動がある。

わたしは、おのが胸に「普天間問題」に関する日米政府の仕打ちへのワジワジー(怒り、腹立たしさ)がたまり、沸点に達したように感じるとき、辺野古・大浦湾の美しい景色や、この地域に住む人たちの顔を思い浮かべる。その瞬間、ふっと肩の力が抜けて、自分のできる範囲で地道に頑張ろう、という気持ちになれる。

岡田克也外相は、つい最近も「伊波洋一・宜野湾市長が、地元普天間の危険除去のための県内移設に反対するのはおかしい」という意味の暴言を吐いて、市長はもちろん沖縄県民の怒りの炎に油を注いだ。アメリカに脅され外務官僚に取り込まれ、腰が引けたまま仕事らしい仕事もできず、あげくに彼は、沖縄に対して不満をぶつけてきたわけである。

岡田氏にひとつ、明らかな事実を、控えめに申し上げておこう。
伊波市長にも、「県内移設」に反対する多くの宜野湾市民、沖縄県民にも、名護市東海岸に住む人や、豊かな自然が傷つけられることに対して、その「痛み」を共有する能力がある。あなたには、それが皆無なのである。

沖縄の人びとは、そういうあなたの、日米同盟のために沖縄の人間が泣いたって当然、といわんばかりの悪しき「官僚的」体質を、とっくに見抜いている。そして、地元合意無視の「日米共同声明」発表の「A級戦犯」の一人としてのあなたを、多くの沖縄県民は、決して許さないだろう。

沖縄県民から全国民に対して投げかけられているのは、まず第一に、この「痛み」に対する想像力を、あなたは持てるのか持てないのか、というシンプルな問いである。

それを抜きにして、普天間「閉鎖・返還問題」を「移設問題」などとすりかえて、お茶の間の話題にしていること自体、ちゃんちゃらおかしいのである。

ああ、なんだかこのところ、お気楽な話題がめっきり減って、普天間問題ばっかり書いている。

わたしが利用しているこの「てぃーだブログ」には、「足あと」機能という便利なものがある。昨日一昨日の2日間は、なぜかたまたま、バスケットの琉球キングス関係者や、ハンドボールの琉球コラソンの選手や、世界ランカーのプロボクサーといったスポーツマンの皆さんが、当ブログへの訪問の印である「足あと」を集中的に残してくださっていた(つまり、その人たち、みーんな「てぃーだブロガー」なんですなぁ、、、それもすごいことです、、、笑)。

もしかしたら「おいおい、渡瀬は最近、スポーツのこと全然書いてないけど、大丈夫かねー」という意味かもしれないし、「おれたちだって、普天間問題、ちゃんと関心持ってるよー」という意味合いもあるかもしれない。いずれにしても、ありがとうございます。ときには、テレビでスポーツ観戦したり、楽しいこと考えつつ暮らしてますので、ご安心を。

皆さんのことも、今後また書かせてもらいたいと思ってますので。

お互い、地に足つけて、頑張っていきまっしょい。
本日も良き一日になりますように。

(転載貼り付け終了)

直木 明 投稿日:2010/06/04 05:59

【5】「米上院軍事委員会と「聞く耳持たず」」

「反戦な家づくり」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010-06-04(Fri)
「米上院軍事委員会と「聞く耳持たず」」

鳩山辞任の経緯で、どうしても引っかかっていることが二つある。

一つは、米上院の軍事委員会でグアム移転の予算が7割も削減されたこと。
しかも、それは5月27日。例の屈辱の2+2日米合意の前日だ。

ロードマップを守れと強制しておきながら、自らは予算を7割もカットするとはどういうことか。
普天間というカードを振り回しながら、「これが欲しかったら俺の靴をなめろ!」と恫喝し、鳩山が「わかりました」と膝を屈しアメリカのドロ靴に口を近づけたとたん、そのカードを放り投げてしまったのだ。

普通に考えれば、ドロ靴をなめかけた舌を引っ込めて、「何をするんだ!」と抗議するだろう。
ところが、鳩山はそのまま靴をべろっとなめてしまったのだ。
米上院に響く嘲笑が聞こえるようだ。

しかも、27日に軍事委員会で決定したことが、日本では昨日6月2日まで報道管制されていた。
中枢にいない議員を含めて、ほとんどの日本人は、まさかこんな決定がされているとは知らずに、一連の事態を見守っていた。

考えられることは、7割削減は予想された事態であり、辺野古明記で合意すれば米政府として予算を復活させる、というオバマ・ホワイトハウスからの提案、というかこれも立派な恫喝、があったのではないか。

また、この上院軍事委員会の決定は、報道されているとおりならば、削減の責任を沖縄県知事に押しつけている。
日本国や首相ではなく、頭越しに知事をターゲットにしている。

もしこれが、国家間合意の前に公表されていたら、沖縄VSアメリカの直接対決の様相を呈したであろう。
そうなれば、鳩山としては、誤魔化しようがない。
どっちに付くのか、非妥協の選択を迫られてしまう。

鳩山の戦略は、なんとかゴマカシて「何か」にむけて時間を稼ぐ というものだった。
2+2がアメリカの議会対策であったとするならば、その「何か」は米議会で予算が承認された後のことだったと考えられる。

■■

そこで、もうひとつ気になるのが、「国民が耳を貸さなくなった」という、鳩山の辞任演説だ。
これは、失言ではなく確信犯だ。

最近の日本の首相の中では、鳩山は飛び抜けて日本語がマトモだ。
丁寧すぎるくらい。
だから、もし同じことを言うとしても 「耳を貸していただけなくなった」と言うはずだ。

それを、あえて「耳を貸さない」という違和感のある、むしろ反感を買うような言葉を何回もシツコク繰り返したのは、意味があるはずだ。
少なくとも、注意を喚起する意図はあったと思われる。

菅直人が首相になろうが誰がなろうが、現実的に普天間のこと、辺野古のことは解決をしなければならない。
もちろん、つくらせない という方向でだ。

そのためには、鳩山が考えていたこと、でも口にだすことができなかったこと、属国の宰相として言いたくても言えなかったことは何なのか、考えてみる必要がある。
「耳を貸さなくなった」という発言は、その言外の意を汲んでくれという、悲痛な思いの表れなのではないか。

あの演説は、駐留無き安保どころか、本質的には日米安保を否定していた。
辞任演説だから言えたことだろう。
その流れの中に「耳を貸さない」はある。

■■

話は米上院に戻る。

5月28日には、上院での予算削減は隠されたまま、グアム移転が遅れているのは、実はグアムのインフラ整備、中でも港の整備が追いつかないせいだということが報道された。
オバマは、国防総省だけでなく、全省庁から予算を絞り出せと提案したが、なかなかうまくいかない。
それくらい、アメリカは金がないのである。

さらに、31日には、グアムの整備が遅れるせいで、普天間の移転が3~5年遅れる ということが報道された。
この時点でも、上院の削減決定は伏せられている。

それが、鳩山が辞任したとたんに報道された。

ここにも意味があるはずだ。

・・・・・・・・ 夜が更けてきて、耐力が限界。

続きはまた。

(転載貼り付け終了)

直木 明 投稿日:2010/06/03 09:12

【4】「世論調査政治になっていないか」

「エレクトリック ジャーナル」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010年06月03日
●「世論調査政治になっていないか」(EJ第2826号)
 2005年の郵政民営化をめぐる、いわゆる「小泉劇場」のさ
い、メディアはどう対応したでしょうか。「民営化こそが改革の
本丸」として、徹底的に民意を煽り、支持率が下降ぎみであった
小泉政権を圧勝させています。
 しかし、2009年11月に朝日新聞が行った世論調査では、
「郵政民営化の見直し」に対して「賛成」は49%、「反対」は
33%なのです。これによって、あの郵政改革ブームは世論誘導
ジャーナリズムの作り出したものであることがわかります。
 前回述べたように、日本では3日に1回の割合で内閣支持率に
ついて世論調査が行われている計算になるのです。テレビ番組の
視聴率調査やタレントの人気度調査ではあるまいし、内閣の仕事
は最低でも一年程度の期間でとらえないと、成果など問えるもの
ではないのです。そして、結局のところそれが選挙の結果に反映
する──これでは世論調査政治になってしまいます。
 埼玉大学社会調査研究センター長である松本正生教授が次のよ
うに警鐘を鳴らしています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 忘れてはならないことは、民意の動向を探る世論調査は国民投
 票のシミュレーションにすぎないということ、世論調査の結果
 が政治の行方や選挙の意義が危うくなってしまう。
              ──『週刊ポスト』6/4号より
―――――――――――――――――――――――――――――
 世論調査が悪用されると、それは恐ろしい結果を招くのです。
EJでは、公開されている情報を分析して70回以上にわたって
小沢氏の犯罪(?)を調べましたが、どこにも彼の犯罪を実証す
るものはないのです。しかし、それにもかかわらず、今や小沢氏
はまるで犯罪人扱いです。それはメディアの執拗な小沢批判の結
果であると思います。
 桂敬一立正大学元教授──日本新聞協会研究所所長を歴任し、
ジャーナリズム研究の第一人者は、普天間問題について次のよう
に述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 本来、世論調査は、日米安保はどうあるべきか、普天間基地を
 どこに移設し、沖縄県民の負担を国民がどのように分担するべ
 きと考えているかと聞くべきでしょう。そういった質問はなく
 各紙横並びで鳩山退陣を煽り、国民総ヒステリーの状態に追い
 込んでいる。これではジャーナリズムとは言い難い。
              ──『週刊ポスト』6/4号より
―――――――――――――――――――――――――――――
 普天間問題を振り返ってみると、最初に岡田外相と北沢防衛相
がその移転先についていろいろなことを言い出したことを覚えて
おられると思います。このバックには明らかに官僚の存在があり
ます。官僚の方から意見具申に行ったでしょうし、外相や防衛相
が、それまで普天間問題を担当してきた官僚の意見を聴取したこ
とも考えられます。
 これは担当閣僚として当然ことです。しかし、問題なのはそれ
がリサーチの段階であるにもかかわらず、責任ある地位にいる閣
僚が安易に口にしてしまったことです。これによって、民主党は
閣僚によっていうことが違う内閣不一致批判を生んだのです。
 それに加えて、今回の普天間問題を一番迷走させた張本人が登
場し、問題を一層混乱させたのです。その人は、沖縄基地問題検
討委員会委員長である平野博文官房長官です。
 既出のフリージャーナリストの上杉隆氏は、平野官房長官につ
いて次のように厳しい意見を述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 普天間問題に限定すれば、私はある人物が官邸に存在する以上
 必ずこうなると一貫して指摘してきました。その元凶は言うま
 でもなく平野官房長官です。その平野氏を政権の要である内閣
 官房長官に据えた昨年9月、さらにはその無能な人物を沖縄基
 地問題検討委員会の委員長に定めた昨年12月、この2つの人
 事が鳩山政権のすべての失敗と迷走の始まりだったのです。
              ──『週刊朝日』5/21号より
―――――――――――――――――――――――――――――
 上杉氏は、徳之島案がここまでこじれたのは、平野官房長官の
ついたウソが原因であるといっています。上杉氏は取材を通して
当初徳之島の3町長は「政府が誠意を持って話し合うつもりなら
話し合いに応じないことはない」といっていたのを確認している
のです。
 ところが、平野長官がおそらく記者懇でリークしたとみられる
「徳之島案」が報道されると、徳之島の3町長が官邸を訪ねてそ
の真意を確かめたのです。そのとき平野長官は「政府内では徳之
島の『と』の字も出ていない」と答えているのです。長官として
はその時点ではいえないという判断なのでしょうが、もともと情
報を漏らしたのは平野長官自身なのです。
 この平野長官のウソによって、3町長は島に帰って、住民や議
会や有力者に「徳之島案はない」と説明してしまったのです。ま
た、平野長官は、昨年12月には次のようなことをいって、顰蹙
を買っているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 極論ではありますが、危険除去のために普天間基地から地域住
 民に動いて、移ってもらうことなど、いろいろな方法がある。
              ──『週刊朝日』5/21号より
―――――――――――――――――――――――――――――
 また、ルース米大使が折り入って相談したいと申し入れてきた
とき、大使側がマスコミに漏れないよう大使館や長官公邸を希望
していたのに、わざわざマスコミに伝わるようホテルオークラを
セットし、米側の不信を買うなど、やることなすことすべてに問
題のある人物なのです。しかし、何よりも責任があるのは、そう
いう人物を官房長官という重要ポストに据える鳩山首相であると
いえます。        ―──[ジャーナリズム論/30]

≪画像および関連情報≫
 ●自民党政治の残滓としての平野官房長官
  ―――――――――――――――――――――――――――
  平野博文官房長官。報道でも皆さんご承知のとおり、普天間
  基地移転問題に関し、名護市長選挙の結果を受けて「民意を
  斟酌する必要はない」と発言されました。この発言が波紋ど
  ころか、「波浪警報」を呼んでいる状態です。わたしもちょ
  っと表現する適切な言葉が思いつきません。もちろん、市長
  選挙が「基地問題だけ」が争点ではなかったのは確かでしょ
  う。しかし「斟酌する必要はない」というご発言には度肝を
  抜かれました。この人はそもそも、民主党推薦の稲嶺名護市
  新市長の当選を願っていたかどうかさえ疑わしい。自公推薦
  の島袋候補が当選し、「名護市は基地を受け入れました。」
  ということにしたかったのではないか、という疑いさえ抱か
  せます。
      http://www.janjannews.jp/archives/2452892.html
(転載貼り付け終了)

直木 明 投稿日:2010/06/03 07:42

【3】「鳩山総理辞意表明と政治とカネ問題への誤対応」

「植草一秀の『知られざる真実』」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010年6月 2日 (水)
「鳩山総理辞意表明と政治とカネ問題への誤対応」

鳩山総理大臣が辞意を表明した。

総理大臣辞任の理由として、①普天間問題の混乱で社民党を政権離脱に追い込んでしまったこと、②政治とカネの問題で迷惑をかけたこと、をあげた。

参院選を目前に控えて、民主党が極めて厳しい情勢に追い込まれたことが鳩山総理決断の直接の原因であると考えられる。

結果論だが、鳩山総理が普天間問題で別の決断を示していたなら、状況はまったく異なるものになっただろう。国民総意は普天間基地の国内移設を拒絶する意思を鮮明に示しており、また、米軍海兵隊の役割を踏まえても、鳩山総理は普天間基地の海外移設を決断すべきであった。

米国は一度手にした沖縄巨大軍事施設獲得の合意を手放すことに強く抵抗したと考えられるが、鳩山総理は米国のゴリ押しに押し切られてしまったのだと考えられる。海外移設を決断すれば、対米国での厳しい外交に直面することになることは当然である。

しかし、もともと合意が存在していた問題をあえて修正することを提案したのは鳩山総理自身であり、問題が拡大するなかで日本国民の米軍基地拒絶の意思がより明確になったのであるから、鳩山総理は最後まで意志を貫くべきであった。

普天間基地問題での判断の誤りが鳩山政権を窮地に追い込んだのである。

政治とカネの問題が鳩山政権に大きな足かせになったのは事実である。鳩山総理は母親からの政治資金提供に関連して、秘書が架空の収支報告を行ったことについて、まったく認識していなかったが秘書が問題を起こしたことを陳謝するとの姿勢を示していた。

クリーンな政治を標榜しながら「政治とカネ」の問題で民主党のイメージが傷つけられたことに対して、鳩山総理には忸怩たる思いがあったのだと思われる。

鳩山総理が小沢一郎民主党幹事長に対して幹事長辞任を求めたことは、参院選を控えて民主党の党勢を回復するための主張であると考えられるが、捉え方によっては、極めて重大な禍根を日本の歴史に残すことになる点に十分な留意が必要である。

小沢一郎民主党幹事長に関する「政治とカネ」の問題は、昨年3月3日の大規模隆規秘書の逮捕(三三事変)が契機である。

現在、この事件の公判が開かれているが、この事件自身は検察が公判維持不能に追い込まれているのが現実である。

大久保秘書は二つの政治団体からの政治献金を事実に即して収支報告書に記載したが、検察はこの記載を「虚偽記載」だとして逮捕、起訴した。検察は二つの政治団体が「架空団体」であると認定して逮捕に踏み切ったのである。

ところが、本年1月13日の第2回公判で、検察側証人として出廷した西松建設元総務部長が、二つの団体に実体があったとの趣旨の証言を行った。この結果、大久保氏の無罪は確定的な情勢になり、検察は公判維持不能の状況に追い込まれたのである。

窮地に追い込まれた検察が、さらに暴走を重ねたのが本年1月15日の石川知裕衆院議員などの逮捕(一一五事変)であったと考えられる。検察は小沢氏の資金管理団体会計責任者が収支報告書に、小沢氏が一時的に立て替えた資金収支を記載しなかったことを「虚偽記載」だとして石川氏などを逮捕した。

この逮捕者のなかに大久保氏が含まれた。三三事変裁判で窮地に追い込まれた検察は大久保氏を起訴し、この件に関連して三三事変裁判の訴因変更を裁判所に申し立てたのである。

つまり、一一五事変は三三事変で窮地に追い込まれた検察が、裁判での完全敗北を回避するために暴走を重ねたものである可能性が高いのである。

検察は小沢一郎氏については関与の程度が低いとして「不起訴」としたが、この決定を東京第5検察審査会が4月27日に「起訴相当」の決議を示した(四二七事変)。

検察審査会が「起訴相当」としたのは、立て替え払いの収支記載漏れではなく、不動産取得の時期が3ヵ月弱ずれていたことだった。収支報告書への記載がずれたのは、不動産登記の時期がずれたためで、この程度の時期のずれは不動産取得では一般的に見られる現象で、検察はこの点を問題としなかった。

検察審査会では一般人が審査人になるが、審査を誘導すると見られるのは、弁護士から選任される審査補助員である。小沢氏の案件では米澤敏雄氏が審査補助員に選任されたが、米澤氏は検察官出身の弁護士で、どのような経緯で米澤氏が選任されたかなど、不透明な点が多い。

検察は石川知裕衆議院議員などを逮捕した事案では、小沢氏の立て替え金の収支漏れを問題としたが、立て替え払いについては収支報告書に記載しなくてよいとの慣例が存在していたのに反して、検察が起訴したことを見落とせない。

つまり、小沢氏に関連する「政治とカネ」問題については、検察やマスメディアの報道などから生み出されるイメージだけで論じることに大いなる問題があることを忘れてはならないのである。

2006年4月に小沢一郎氏が民主党代表に就任して以来、メディアの激しい小沢一郎氏批判が継続してきた。政権交代の可能性が高まるなかで、野党第一党の党首が狙い撃ちされたのが昨年の三三事変だった。しかし、この三三事変は、その後の裁判で、史上最大の誤認捜査であったことが明らかになりつつある。

三三事変が発生していなければ、昨年の総選挙で小沢一郎総理大臣が誕生していたのである。史上最大の誤認捜査と表現したのは、日本の内閣総理大臣の系譜が人為的な捜査ミスで書き換えられてしまったことを指す。

鳩山総理が「政治とカネ」の問題で民主党のイメージが傷つけられたことを重視する気持ちはよく分かる。しかし、その対応として、自分が身を引くから小沢幹事長にも身を引いてもらいたいと述べて小沢氏も了承したと発言したことは、大きな禍根を残す発言になる可能性が高い。

鳩山総理がこの貴重な機会に述べなければならなかったことは、「検察捜査の適正性の確保」と、「政治とカネ」問題の根源に対する取り組みを示すことであった。

刑事事件に関しては、「無罪推定の原則」、「罪刑法定主義」、「基本的人権の尊重」、「法の下の平等」、「公務員の守秘義務」など、多くの重大な大原則がある。小沢氏が巻き込まれている案件では、これらの諸原則を徹底的に重視する必要が極めて高い。

こうした点が不十分なまま、検察とメディアが作り出したムードに押し切られて小沢氏を辞任させてしまうことは、結果的に「検察ファッショ」を容認する行動になる。

普天間問題で最終的に米国に押し切られた行動様式がここにも顔をのぞかせているように感じられる。

鳩山総理が発言したように、「小沢一郎幹事長にも政治とカネの議論があったことは周知の事実であった」が、この問題に対する適正な対応は、問題の全容を明らかにすることであって、検察の行動を絶対視して、検察が問題として取り上げたら、それだけで責任が生じたとの実績を残してゆくことではないはずだ。

「政治とカネ」問題に対する根源的な対応とは、「企業団体献金の全面禁止」を法制化することである。総理辞意表明は、国民にこの問題の説明する千載一遇の機会であったはずだ。小沢氏の辞任を求めることは大衆迎合そのものでしかなく不適切な対応だった。鳩山総理が強調するべきは「企業団体献金全面禁止」公約の提示だった。

これまで、本ブログで指摘してきたように、民主党内部には対米隷属派の議員が多数存在している。民主党執行部が対米隷属派に占有されれば、日本政治刷新の火は消える。この視点で、米国は小沢一郎氏の存在を最大の問題だと認識してきたと考えられる。小沢氏が排除されれば、民主党内での対米隷属派のプレゼンスが高まることは避けがたい。鳩山総理が民主党をこの方向に誘導しようとしているなら、極めて重大な問題である。小沢氏には引き続き民主党全般の運営に深く関与することが求められる。

米国は対米隷属の二大政党制を日本に樹立することを目指していると思われる。鳩山総理辞任が対米隷属の二大政党制樹立を生み出す第一歩になることを、絶対に阻止しなければならない。

 

民主党は6月4日の両院議員総会で次期代表を選出することを決定した。焦点は直ちに次期代表選出に移る。次期代表はそのまま内閣総理大臣に就任する可能性が高い。対米隷属派議員から次期代表を選出することは絶対に許されない。この点を徹底して監視しなければならない。

直木 明 投稿日:2010/06/03 07:36

【2】「首相退陣でも幕は引けない辞める覚悟があるなら、日米共同声明を出す前に辞めてほしかった」

「地元紙で識るオキナワ」:「沖縄県外では読めない地元紙記事、 Webサイトでも読めない、ちょっと気になった記事 みなさんにも知らせたいトピックを、リアルタイムで紹介します。 マスコミが小さくしか報じないこのニュースを多くの人に知らせるために、どうぞみなさまご自由に転載くださいませ」

(転載貼り付け開始)

2010年06月03日
「首相退陣でも幕は引けない辞める覚悟があるなら、日米共同声明を出す前に辞めてほしかった」

最悪の置き土産
後継総裁はこのタスキを受け継いで走るんだろうな。
これもチャラにならないかなぁ

(記事全文){この部分に新聞が貼り付けられている―直木}

退陣発表前の沖縄2紙の社説ですが、全く古くない。よく言い当ててます。

    
[党内から退陣論] 選挙目当て?沖縄は?

 鳩山由紀夫首相に対する退陣風が吹き荒れている。

 民主党の参院議員を中心に退陣論が強まっている。野党も内閣不信任案などを用意しており、6月16日までの終盤国会は波乱含みとなった。

 米軍普天間飛行場の移設をめぐる数々の不手際や虚言に多くの人が憤慨し、この国のリーダーとしてふさわしくないと見ていることは、各種世論調査に表れている。

 ただ民主党の身内から起きている退陣論は普天間の迷走などで、党への風当たりが強まり、7月の参院選を戦えないというのが理由だ。

 「党の表紙を変えれば内閣支持率は40%程度には回復する」「民主党は代表を代えて選挙に勝った歴史がある」

 そんな発言が聞かれる党内の雰囲気には鳩山内閣の失政に正面から向き合おうという気概は感じられない。首相の退陣を求める大義はいったい何かという視点が欠落しているからだ。

 鳩山首相は「沖縄切り捨て」と非難されようが、「真の決着ではない」と言われようが、とにかく5月末決着の体裁だけを整えた。

 この情けないほど稚拙なやり方で、日本は株を落としたに違いない。政治主導であるべき外交、防衛がこの国では官僚主導になっているため、こんな事態が起きる。
 沖縄の期待を裏切った鳩山首相の政治責任は大きい。そして民主党に問いたいのは、普天間問題について何を選挙で訴えるつもりか、ということだ。政権奪取後に従来の党方針をがらりと変えるやり方はごまかしだ。

 政局に埋没して沖縄問題は顧みられなくなる恐れがある。鳩山内閣の失敗が深く分析されずに参院選になだれ込むならなおさらだ。

 原因は分かっている。できないことをやる、と言い続けたからではなく、首相が設定した目標の実現に向かってスクラムを組むチームがなかったからだ。そもそも入り口が間違っていた。

 閣僚を罷免された福島瑞穂社民党党首は「チームがしっかりできていれば、国外も可能だった」と振り返る。

 「最低でも県外」を言うときには空陸一体運用の海兵隊全体を県外へ出す必要がある。そんな当たり前の条件すら知らないで突き進んだ結果が「辺野古回帰」だ。

 さらにその実現性は限りなくゼロに近い。移設先の地元、名護市が反対を貫いているためだ。埋め立ての許認可権がある県知事が地元反対を押しのけて、埋め立てを了承するはずもない。

 失敗の責任を鳩山首相だけに押し付けるのなら、民主党への期待はますますしぼんでいく。「嘉手納統合」「勝連沖埋め立て」を主張してかき回した閣僚も同罪だ。

 共同通信社の世論調査(29、30両日)では、民主の支持率20・5%、自民21・9%となり、政権交代以降初めて逆転した。信頼を失った原因について党内論議もせずに選挙を優先するなら、旧来の政権と何ら変わりはない。

 政権交代は実現したものの、政治の土壌改良はまだ行われていない。 (沖縄タイムス6/2社説)

     
政権と普天間 首相退陣でも幕は引けない

 鳩山内閣や民主党支持率の低落を受け、同党内に鳩山由紀夫首相の退陣を求める動きが公然化してきた。支持率低迷は米軍普天間飛行場の移設問題や政治とカネの問題が響いたとされる。

 小沢一郎幹事長の進退も絡んで波乱含みだが、首相を降ろしたところで、普天間の基地機能を名護市辺野古周辺に移設する日米共同声明や政府方針が撤回されない限り、沖縄にとっては何ら展望が開けない。

 米国の意向を色濃く反映した声明や方針を撤回し、国外移設を軸に実現性のある移設先を探すリーダーが登場すれば歓迎だ。そうでないなら、普天間を政争の具にしている構図となる。

 首相が退陣しても、問題は厳然として残る。ここで幕引きを図られては県民はたまらない。

 迷走の果てに沖縄を切り捨てる形の決断しかできなかった首相は責任を厳しく問われよう。「自分の言葉を守れず、県民の期待を裏切った」と陳謝したが、謝って済む話ではない。

 「強権的な方策は取るべきではない。対話を通じて理解を求める」とも述べたが、説得する相手は米政府であって、沖縄ではないだろう。続投意欲を示されても、求心力を失った今、態勢を立て直せるかは大いに疑問だ。

 かといってポスト鳩山と目される面々に、沖縄の要求に応えるリーダーがいるようにも見えない。迷走しているとき、民意をくむよう首相に進言したり、米側に物申す民主党の閣僚がいただろうか。

 本紙加盟の共同通信社が普天間方針決定直後に実施した全国電話世論調査では、国民の3人に2人が普天間の県内移設を「評価しない」と答えている。県外・国外への移設要求は沖縄だけでなく、国民過半の意思なのである。

 そこを見誤るようでは民主党も危うい。不人気の首相をすげ替えれば参院選は盤石と考えるのは早計だろう。

 一方、野党の自民党の対応も分かりづらい。首相に引責辞任を迫ってきた経緯があるが、いざ退陣論が強まると「退陣ではなく、衆院解散を」と言う。党利党略は相変わらずだ。

 国民は政治ショーではなく、民意を大切にする姿勢を求めている。誠実に対応した方に軍配を上げるだろう。与野党とも肝に銘じ、主権国家としてあるべき姿を示してもらいたい。(琉球新報6/2社説)

(転載貼り付け終了)