重たい掲示板

書き込みの連番がリニューアルによりリセットされております。
旧サイトの書き込みの連番は[●●]で表示されております。ご了承ください

書き込みの連番がリニューアルによりリセットされております。旧サイトの書き込みの連番は[●●]で表示されております。ご了承ください

横幕胤和 投稿日:2010/12/07 09:39

【121】[136]自己紹介 日本の医療を変えたい

こんにちは はじめまして 

私は兵庫県神戸市灘区で鍼灸院を開業しております会員番号6567番の横幕胤和(よこまくたねかず)と申します。

いつも読ませて頂いております。この度入会の決意をしました。

入会の目的は一部の権益に縛られた日本の医療を変えたいからです。

そのために微力ですが、鍼灸治療をもっと世の中に知らしめたいのです。なぜなら、鍼灸治療により治る方が多くおられます、日々の治療を通じて実感致します。そして、それらの方の多くが、病院で治りませんという対応をされた方々です。

具体的には、医者が鍼灸治療を使うようになって欲しいと思います。健康保険制度に組み込まれればなお良いと考えます。そうすれば困っている方々が鍼灸治療を容易にうける機会が増えます。

効果も少なく、副作用の多い無駄・嘘のある治療・薬を減らす事も可能だと考えます。この結果、ほんの小さい事ですが、困っておられる方々を向いた医療が出来ると信じます。

どうぞ宜しくお願い致します。

はりきゅう専門 横幕鍼灸院 横幕 胤和

ホームページ ⇒ はりきゅう専門 横幕鍼灸院  http://www.kobe-shinkyu.jp/
ブログ    ⇒ 鍼灸は世界を変える http://haribakanissi.blog9.fc2.com/

副島隆彦 投稿日:2010/12/05 10:58

【120】[135]ウィキリークス WikiLeaks サイトから 世界政治に激震が走る。私たちも読みましょう。 

副島隆彦です。 昨年の7月からヨーロッパで騒がれ出して、そして、ついに先月末から、本格的な大騒ぎになっています。 このウィキリークスという、サイトを作って、世界政治言論のネット革命 を実行している ジュリアン・アサンジ(39歳)を、私たちも熱烈に応援しましょう。

彼は、今、怒り狂ったヒラリー(オバマが、「国務省の責任だ」と言ったようです) が、ICPO(アイ・シー・ピー・オウ 国際刑事警察機構)を使って、今にも、アサンジ氏を逮捕しそうです。 「国際指名手配」を受けそうです。 ヨーロッパの自由のために闘う言論人たち、ジャーナリストたちが、一斉に声を挙げています。 

ヒラリー・クリントン国務長官は、慌てふためいて、各国の首脳たちを順番に訪ねて、「あれの米外交文書の 流出の中身を気にしないでね。・・・」と宥(なだ)めすかして回っている。

アメリカの、我らがロン・ポール下院議員も、昨日、「アサンジ氏を守れ」と表明した。 

私、副島隆彦も遅ればせながら、昨晩からずっと、このウィキリークスのサイトを、読んでいました。 何が、そんなに、重要で問題なのかを、たとえば、以下に引用する 文章たちの中から、一点、取り上げて説明しましょう。それは、まず、孫崎亮(まごさきうける)さんという、極めて優れた、日本の元外交官( 外務省国際情報局長もした人)が、次のように、ツゥイッターで、書いていることです。

(転載貼り付て始め)

孫崎さん
http://twitter.com/magosaki_ukeru
ウィキ: 11月30日英紙ガーディアン:
国際原子力機関天野(あまの)事務局長 が 就任に先立ち、米国大使に、
公平な立場要求の発展途上国グループに譲歩の要あるも、高官の任命からイラン核開発疑惑るまであらゆる重要決定で一貫し米国に同調すると確認。
孫崎注:これが今日の日本外交。本人問題と思わぬ点が深刻 
約2時間前 webから

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 この文の内容は、天野 と言う、日本のテレビにもよく出てくるようになった、アメリカの下僕、手先で、チンコロ犬のような日本外務省あがりの男が、今のIAEA(アイ・エイ・イー・エイ、国際原子力委員会という核開発諸国に、厳しい核査察を行う国際機関) の事務局長(マネージング・ダイレクター、事務総長)になったのだが、こいつが、あろうことか、「私は、アメリカの言うことを何でも聞きます。国際機関の長として、私は、公平な立場で、いろいろの立場からの意見を聞かなければいけないのですが、そんなことはしません。アメリカ様(さま)の言うとおりにします」 と、上記の文で、言ったと明らかになった。

 こういう 米国の外交文書が、大量(あと、25万本あるそうだ)が、英ガーディアン紙と、それからNYタイムズ紙ほか数紙にも、ウィキリークス・サイトのアサンジ氏から、まとめて送られた。 NYタイムズは、卑劣にも、それらを握りつぶしてきた。それが、もう、そういう訳(わけ)には行かなくなって、恥知らずの上塗りで、今、NYタイムズは国務省と交渉をしている。 

 アメリカのメディアも、グローバリスト(地球支配主義者)の片割れであり、世界民衆に信実を教えず、CIAの一部のようになって、世界各国に謀略ニューズを流す、腐ったメディアであることが、証拠付きではっきりしたということだ。

IAEAの 天野は、これで非常に厳しい立場に追い込まれる。なぜなら、「自分は、公平な立場であるはずの国際機関の長に任命されましたが、実は公平ではありません。自分はアメリカの忠実な家来です。彼らの言いなりになります」と発言した公文書が、このように明らかになった。
アメリカの手先ども、というのは、外交官たちまでがこのよに飼育され、アメリカのいいようにこのように国際舞台で、下僕として使われる。

IAEAの前のエルバラダイ事務局長とかが、「公平と真実発見に心がける」と言い続けて苦労して、どれぐらい偉い人たちだったかがよく分かる。

天野、お前みたいな 愚劣な人間どもは、さっさと辞任、退職しろ!
世界中がお前を嫌い、そして、お前の最近のいかがわしい発言の数々に怒っている。日本人の恥そのものだ。

 私たち日本からも、今から、アサンジ氏のウィキリークスのサイトの英文を読みに行きましょう。そして真実を知りましょう。 ウィキリークスの重要な記事の英文を日本語文にどんどん翻訳する人たちが、出てきますから、お待ちください。

アサンジ氏を、ICPOが政治弾圧の、口封じで逮捕して投獄したら、私たちも許さないぞ。

 ICPO( 国際刑事警察機構、 Interpol インターポールとも呼ばれる) の 日本の対応物(カウンターパート、出店)は、警察庁(けいさつちょう)です。 警察庁は、だから、公安調査庁(こうあんちょうさちょう)や警視庁(けいしちょう)外事課(がいじか。副島隆彦の担当はここらしい)や 内閣情報調査室(ないかくじょうほうちょうさしつ) が、すぐに国内で、違法な捜査をしようとするのに対して、すこしは「世界基準」を気にしているだろう。

副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

(副島隆彦注記。主に阿修羅掲示板から盗りました)

● 2010年12月04日  DHHfsFx

WikiLeaks (wikileaks) on Twitter
http://twitter.com/wikileaks

WikiLeaks now available at
http://wikileaks.de/
http://wikileaks.fi/
http://wikileaks.nl/

● 2010年12月05日 W0HiRdT7fs

 ジュリアン・アサンジ氏を激しく支持する。いかにアメリカがイカサマをしているかがこれから暴かれる、そしてアメリカを支持している国は日本と韓国、強制的に支持させられているのだが、アサンジ氏を支援しているのは国家レベルではないのだろうか、? 実際そうあって欲しいものだ、フタを空けたら相当数の国家が裏で支援していたらアメリカも終わりだろう?。

●  2010年12月05日 ozTKVgXuik

 匿名を使い、政府や企業、そして宗教まで関わる機密情報を公開するウェブサイト  「ウィキリークス」。投稿者の匿名性を重視し、機密情報から投稿者が特定されないようにする努力がなされているのが特徴だ。

  創設者は豪州出身のジュリアン・アサンジ氏 39歳。 そして設立日は2006年12月。設立からわずか1年以内に120万件もの機密文書をデータベースに収集したというのだ。今のところ公表されたのはごく一部のようだが、驚いたことに、在日米大使館から流出した資料が3番目に多いという。

 このウィキリークスを世界に轟かせたきっかけが、今年4月に公開された映像で、バグダッドで07年7月に録画された米軍アパッチヘリによる銃照準器のビデオだった。この惨劇は、ジャーナリストのカメラマンを含む10数人が米軍ヘリの攻撃により殺害された。米兵らの会話も録音されていて、世界中の視聴者に衝撃を与えた。この映像を提供した軍人は、翌月逮捕されている。

その後もアフガニスタンでの戦争に関する米軍機密文書を公開。
10月にもイラク戦争の米機密文書、約40万点が公開。
そして政府関係者による細かい発言も明らかになった。
中国外務次官による、日本の常任理事国反対発言。
同じく同国高官の、朝鮮半島は韓国がコントロールすべきだ。。。
さらに韓国当局者による、金総書記の死後は2~3年で崩壊. . .

など、枚挙にいとまがない。こういった情報流出を恐れたことから、中国やタイなどがアクセス規制を行っている。さらに今週に入って、ある米大手銀行に関する秘密文書を来年の早い時期に公開する用意のあることを、創設者アサンジ氏のインタビューで分かったという。

 このインタビューは11月初旬に語っていたが、このなかで同氏は、大手銀行の数万件の情報を公開する用意があると言い、その結果で、1行か2行は潰れるかもしれないと語ったというのだ。

 今回、ICPO(国際刑事警察機構:インターポール)が 同氏の逮捕状を思い切って請求した理由がコレだ。米国と欧州の両政府および公的機関が、逮捕するよう圧力をかけたに違いない。上記のようにウィキリークスのサイト、及び機密情報の漏えい問題は、すでに4月にはハッキリわかっていたのである。その後アフガニスタン問題の機密文書公開も報道されたが、創設者の逮捕問題にまで発展しなかった。

 また同氏の婦女暴行問題についても、すでに今年の8月には容疑がかけられていたのだが、なぜ今頃になって逮捕状の請求なのか・・・と、普通ならおかしいと感じるだろう。

 米国の大手銀行の暴露をされては、銀行の信用問題を超え、業績面から考えても大問題になることは間違いない。まさに国家的大惨事にまで発展することだろう。米国政府や州政府、金融機関や民間企業、そして個人の負債はすでに200兆ドルを超えている。日本円にして約1京6千兆円である。
米国の200兆ドルの負債は、あくまでマクロ的な意味だが、個別の銀行単位で暴露されると、それは米国だけでなく、欧州諸国全体の信用問題に発展するからだ。

 インターバンクや債権市場を調べれば、すぐに判明する。創設者は大手米銀の1行か2行は潰れるかもしれないと言い放つが、そんな程度では済まなくなるのは確実だ。しかも疑惑が最も高いといわれる 「ゴールドマンサックス」 の情報を漏らすというのだから堪ったものではない。実際、当銀行にどのくらいの負債があるのかどうかまでは知らない。

 しかしサブプライム問題で揺れ、08年3月に破綻したベアスターンズを吸収したJPモルガンチェースは、当時80兆ドルもの負債を抱えているという噂が流れた。もしこれが本当なら、このたった1社だけで米国GDPの6~7倍もの不良債権を抱えていることになるのだ。

 リーマンブラザーズの破綻も、裁判所の提出書類から、64兆円以上の負債があったというのだが、実際はもっと多かったに違いない。本当の情報は絶対に一般国民に知らせることはない。シティバンクについても、帳簿外が7つも8つもあるといわれている。事実は絶対に明らかにしないのが欧米の金融機関である。

 もし創設者の逮捕が現実に起こっても、他の従業員は世界中に存在しているのだから、逮捕後も機密情報が公開されないとは限らない。米国政府が最も恐れているのは、外交上の情報ではなく、軍の機密情報でもなく、金融機関の隠ぺい工作を暴露されることなのだ。

●  2010年12月04日   XD8QLgntG2

 スパイに内政干渉凄いネタが次々と出てくる!それをスルーするマスコミw 記者クラブの所為で世界中のジャーナリストから信用なくしているから当然か。 上杉氏の言ってるようにNYタイムス等が検証作業に加わっているのに日本マスコミに協力要請はゼロ、政府と一体化したマスコミは信用されないて例ですね。 アメリカ大統領ウィルソンの「十四か条の平和原則」第1条:秘密外交の廃止 に反しているアメリカ…

軍事覇権国家と成り下がった米国の真実の姿が暴かれるだろうな
アメリカが提唱した理想を自らの強欲で踏みにじる悲喜劇・・・

【ウィキリークス】 米韓高官が民主政権、自民と「全く異なる」で一致
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1291084264/

● 2010/11/30(火)

 このニュースの最大のポイントは、2月に米韓が「菅と岡田に接触を強めよう」と合意して 日本が菅首相・岡田幹事長になったことだ

●  2010/11/30(火)  
 民主は米国に白紙委任状を渡してきたこれまでの体制を 多少なりニュートラル、多極化にしようとしてたんだから  アメリカが疑念や危機感を持っていることが分かるこの外交文書の民主評に驚きは無いね
日本にとって良い悪いはまた別の話

【政治】菅政権の武器禁輸見直し論は、SM3ブロック2を西側諸国に売りたい米国の意向か・・・ウィキリークスで明らかに
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1291197259/

● 「武器禁輸見直し要請 米、日本政府に 」  

2010年12月1日  東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2010120102000197.html

【ワシントン=岩田仲弘】 米政府が昨年九月、日米が共同開発している ミサイル防衛(MD)の海上配備型迎撃ミサイル(SM3ブロック2A) を将来的に欧州で売却可能とするため、日本政府に武器輸出三原則の見直 しを期待していたことが、民間の内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」  が三十日までに公開した米外交公電で明らかになった。

 公電は、米政府が新たな欧州MD計画を公表する直前、国務省から東京を 含む関係各国の米大使館に送られた。新MD計画に関する各国政府との協議 内容をそれぞれ指示したもので、新計画は当面、米国所有のミサイルを用いるものの、「将来的には北大西洋条約機構(NATO)軍や欧州の同盟国への 売却も含めて可能性を探りたい」と説明。菅政権での三原則見直し論につな がった可能性もある。

● 「 ウィキリークス、次の標的は米メガバンク 創設者「1行か2行はつぶれるかもしれない」」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1291186576/

2010/12/02(木)  
 アラブ系の新聞だと他の情報も出てるらしいけど、 よくわからん   ガーディアンの場合は 一日目はイラン攻撃をアラブが望んでるって話がメイン
二日目はサウジのBAE子会社の汚職は英王室とサウジ王室の関係に絡んでうやむやにされたらしいって話と
三日目の今日はクラスター爆弾の米軍の持ち込みを 英軍が抜け道用意して見逃そうとしていたらしいという話がトップ

● 2010/12/02(木)
インド洋の重要拠点の基地にクラスタ爆弾ため込んでるのが  ばれちゃいましたwww

http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-11894759

ディエゴガルシアは有名な基地だしな  当然か

● 2010/12/02(木)  S5L7tcU 0

 そのリークの一番のポイントは  クラスター爆弾の禁止条約に調印しているUKが  USAに抜け道を提供してクラスター爆弾を英領に  置こうとしていたことなんだと思う  基地にあるのは織り込み済みで、2013年までに撤去予定だったはず

岩上さん
http://twitter.com/iwakamiyasumi
日本の中にも山ほどいるでしょうね。
RT @takemarutake @iwakamiyasumi
ガーディアンによると、ドイツ外相のスタッフが駐独米国大使のスパイだったことがわかりWikiLeaksで明らかになり、首になったそうです。http://bit.ly/dOUDmt
約1時間前 TwitBirdから

孫崎さん
http://twitter.com/magosaki_ukeru
ウィキ:30日英紙ガーディアン:
国際原子力機関天野事務局長 が 就任に先立ち、米国大使に、公平な立場要求の発展途上国グループに譲歩の要あるも、高官の任命からイラン核開発疑惑るまであらゆる重要決定で一貫し米国に同調すると確認。
孫崎注:これが今日の日本外交。本人問題と思わぬ点が深刻 
約2時間前 webから

● 上杉隆 氏 の文 
http://diamond.jp/articles/-/10295

「ウィキリークスの情報漏洩で世界中に大激震!その時、日本外交とメディアは――」 上杉隆

 ウィキリークスによって世界中が揺れている。先月(11月)末に 一斉に暴露された米国務省の秘密文書約25万点をめぐって、世界中の政府、メディアが大騒ぎになっている。

 なにより長年、世界中の米国大使館から集約した情報が一気に漏洩したのだ。おかげで米国の培ってきた安全保障・外交政策は一夜にして危機を迎えている。イタリアのフラティニ外相が、「外交の9.11だ」と評したように、それは外交上の信頼関係を崩壊させるに十分なインパクトを持つ「テロ事件」であった。

 オバマ大統領は火消しに躍起になり、クリントン国務長官も機密漏えい者を厳罰に処すとの緊急の声明を出している。だが、それでも一度インターネットの世界に流れ出した情報は、永久に元に戻ることはない。いったん可視化された米国政府の手の内は、もはや全世界のインターネットユーザーならば手に取るようにわかるのだ。だからこそ、敵対する国のみならず、同盟国からも非難の声が上がっている。

〈プーチン首相はバットマンでメドベージェフ大統領はロビン〉

〈リビアのカダフィ大佐は、いつも連れている色っぽい金髪のウクライナ美人看護士に首ったけだ〉

〈ベルルスコーニ首相は軽率でうぬぼれが強く無能だ〉

 こうした各国指導者たちへの米国の本音が漏れたことは、所詮お互いさまとしてギリギリ許されることかもしれない。だが、安全保障および防衛戦略など危機管理に関することについては洒落にならない状況をもたらしている。

■ 米国の危機管理能力に対する信頼が崩れた「情報の9.11」

 米政府が敵対するイランやアフガニスタン政府への偵察行為を行っていたのは、さして驚きに値しないものの、同盟国である英国などに対してもスパイ活動を命じていたことは、米外交にとってきわめて深刻な事態を及ぼす可能性がある。

 また、各国首脳の本音が漏れたことも大問題になっている。たとえばサウジアラビアのアブダビ国王が、隣国イランの核開発を止めるために空爆を繰り返し要求していたことなど、安全保障上、危険な状況を作り出す可能性が高まっている。

 また、パン・ギムン事務総長を含む国連幹部の個人情報、とりわけクレジットカードの暗証番号や通信システムのパスワードを盗み見ていたことが判明したのは、米国政府の信頼性を毀損するに十分である。オバマ政権は、最高機密情報に関してはひとつも漏れていないとして問題の矮小化に必死だが、各国政府からしてみれば、米国の危機管理能力に大いなる疑問符がついてしまったのは確実である。

 だからこそ、イタリア外相が称したように、「9.11」に匹敵する外交上の大問題だと、世界中で大騒ぎになっているのである。ところが、いつものことだが、日本政府の反応は限りなく鈍い。

■ 7月の米軍のイラク戦争情報漏洩時も日本だけが世界とは違う鈍感さを露呈

 7月末、同じようにウィキリークスがイラクに展開する米軍の情報を漏洩したことがあった。世界中が同じような大騒ぎになり、各国政府は対応に追われていた。 ところが、日本だけは違ったのである。

 2010年 7月27日、岡田外務大臣の会見に出席した私は早速、この点について質した。

【フリーランス 上杉氏】 先日ですが、米国の内部告発サイトのウィキリークスで、アフガニスタンに関する軍事作戦の機密情報が一部公開されました。それに 基づくと、かなりこれまでの米国の政府の報告と違う部分があると思われるのですが、この内容によって日本政府のアフガニスタンへのいわゆる政策、それから、テロ特措法も含んだ部分について変更の可能性はあるのかどうかをお聞かせください。

【大臣】まず、その中身を詳細に承知しているわけではございません。分析をしたわけではございません。そういう段階ですから明確なお答えは非常に しにくいのですが、そもそも漏れたものが、それは事実なのかどうかということについても確認されておりませんので、特にそういった状態でコメントするのは 適切でないと思います。

――外務省・外務大臣会見記録 PC版 携帯版 動画版(14分53秒付近) より

 今年、ウィキリークスに関して、日本の外務大臣に対して質問が投げかけられたのはこれ一回だけである。 それは、政府・外務省の危機意識の欠如とともに、記者クラブメディアの鈍感さを示すものとなった。外務省がこうした危機管理に鈍いのはなにも今に始まったことではない。問題はメディア、いつものように記者クラブにある。

 最初、ウィキリークスから在イラク米軍の機密情報が流れたとき、日本のメディアだけが世界中のそれとはまったく違った反応を示した。米軍のイラクでの振る舞いに目を向けるのではなく、信じがたいことに、ウィキリークスの信憑性を疑い、その存在を貶め、無きものにしようとしたのだ。

〈暴露系サイト〉

 あたかもウィキリークスという単語が汚らわしいものであるかのように、日本のメディアは不自然な「普通名詞」を使って、ウィキリークスをそう呼んだ。それは各国政府がこのメディアを揶揄した際に使った文言と奇しくも一緒である。 もちろん世界中のジャーナリズムで、そうしたスタンスを取ったところは、筆者が確認できた中ではひとつもない。

■ 疑わしきは、まず検証 それがジャーナリズムの国際的常識

 検証のため、事前にウィキリークスから情報を受け取っていたニューヨーヨータイムズ(米)、ガーディアン(英)、シュピーゲル(独)の三紙は別格としても、世界中のあらゆるメディアが、まずはウィキリークスの漏洩情報を事実であるかどうか取材検証し、その後、なぜ米政府がそれを隠したのかと批判的に報じた。

 今回の米国務省の公電漏洩事件も同様だ。ほとんどすべての海外メディアの論調は、25万点にも及ぶ米国務省の公電が本物であるかどうかに関心を寄せ、さらに調査取材の末、それが本物だとわかると、今度は米国の危機管理能力の欠如と世界戦略の傲慢さを批判的に報じはじめたのだ。事実上、ウィキリークスの創設者であるジュリアン・アサンジ氏の振る舞いを非難するだけの記事は皆無といっていい。

 ところが、世界中である国のメディアだけは違った。それが日本であり、記者クラブメディアの報道である。前回、7月の在イラク米軍の漏洩事件のときもそうだが、自らは検証することなく、「暴露系サイト」による信用ならない情報だと決め付け、実際そういう論調のニュースを繰り返し流し続けた。

 みのもんた氏の「朝ズバ!」(TBS)はいうに及ばず、報道系の「報道ステーション」(テレビ朝日)までもが、〈信用ならない元ハッカー(アサンジ氏)の作った胡散臭い暴露サイトの情報〉というレッテル貼りに終始し、、問題を矮小化させるのみだったのだ。

 あたかもそれは日本政府の代弁者のような振る舞いであった。じつは今回もまったく同様だった。さすがに〈暴露系サイト〉という不自然な「普通名詞」の使用は見当たらなくなったが、それでもウィキリークスという固有名詞は批判的な言葉として扱われ、新聞もテレビも〈信憑性に欠けるネット情報にすぎない〉というスタンスを変えようとはしなかった。本来ならば、信憑性の問われる情報があれば、それを取材・検証するのが世界のジャーナリストたちの仕事である。

 ところが、日本だけは新聞・テレビの記者クラブメディアは、自らそうした役割を放棄した上に、政府と一体となって情報の信用性にケチをつけているのだ。さらにその上で、米政府の危機管理ではなく、知る権利に応えた側のウィキリークスへ批判の矛先を向ける始末である。まったくもって本末転倒も甚だしい。
実は、これと似たような構図を私たち日本人はごく最近も経験している。

■ まるで記者クラブメディアによる「尖閣ビデオ」犯人探しの再現

 ここ数ヵ月間、日本の新聞・テレビは「尖閣ビデオ」をユーチューブに流した人物は誰かという犯人探しに明け暮れた。そして、海上保安官が自ら名乗り出ると、産経新聞を除いては、今度は彼を徹底的に批判するのだった。そうした行為は、筆者に言わせれば、日本の記者クラブメディアが自ら政府の広報機関に成り下がったことを宣言した瞬間にしか映らない。

 ジャーナリズムの最低限の仕事は、政府などの公権力が隠そうとする事実を暴くことにある。これは万国共通のジャーナリズムの理念であり、国民の知る権利に応えるものである。ところが、日本だけがそれが逆なのだ。だからだろうか、きのう(11月30日)の記者会見でも、前原外相の次のような酷い答弁に対しても、番組や紙面で単に紹介するだけで、言動を問題視するメディアは皆無であった。

【ニコニコ動画 七尾記者】視聴者の質問を代読します。ウィキリークスが米政府の外交公電を流しはじめました。クリントン国務長官はこれを強く非難。情報をリークした関係者の責任を追及していく構えです。一方、海外では、「歓迎」、「自粛」とメディアによって反応に違いが見られます。ウィキリークスに代表される内部告発サイトの存在について、大臣のご所見をお願いいたします。

【大臣】これはもう言語同断だと私(大臣)は思います。犯罪行為ですから。つまり、勝手に他人の情報を盗み取って、それを勝手に公開する。それがいかに未公開の秘密文書であれ、それを判断するのは、持っている政府であって、勝手に盗み取ってそれを公表することに評価を与える余地は全くないと私(大臣)は思っています。

【毎日新聞 西岡記者】ウィキリークスの件で、その中に日本の外務省の現職の幹部の名前が挙げられた文書が公開されていましたが、これに関して事実関係等の調査は指示されたのでしょうか。

【大臣】それについてコメントもしませんし、事実関係も調査しません。

【読売新聞 穴井記者】日本側から米政府に対して、何か対応を求めるとか、事情を聞くとか、あるいは米国から説明があったということはあったのでしょうか。

【大臣】米国から外交ルートを通じて事前の説明がありました。

【読売新聞 穴井記者】日本側からは、何か求めるということはしましたか。

【大臣】しておりません。

【フリーランス 上出氏】ウィキリークスのことですが、今の発言はやはりメディアとして聞き逃すことはできません。要するに、大手の新聞を含めて全部このことについて報道しています。これも含めて批判されているのか、また、西山記者がやった沖縄密約、あれはいろいろな技術的な問題で尻切れトンボになりましたが、改めて外務省も(関連文書を)公開しています。捉え方によっては、今の言葉はそういう問題にもつながる重要な問題だと思います。その辺も含めて、単なるコンピュータのマニアたちがやったということを批判するということではなくて、言論についての意味もあったと私はそのように聞きましたが、そのような意味は全くないのでしょうか。

【大臣】私(大臣)が批判したのは、勝手に人の秘密をかすめ取る、盗み取るということは犯罪であると、それを公開することは言語道断であるということを申し上げました。

【フリーランス 上出氏】それを判断して報道したマスメディアのことはどうですか。

【大臣】そういうものが出て、こういった内容があるというものを報道することは、我々は妨げることはできないと思います。

――外務省・外務大臣会見記録 PC版 携帯版 動画版(22分19秒付近) より

 いったいこの国の政府とメディアは何をしたいのだろうか。いくら現実から目を逸らそうとも、ウィキリークスは実在し、さらには外交文書が漏洩したのは、夢でもなんでもない紛れもない現実の出来事なのだ。そうした事態に対してリアルに対処するのが、政治であり、外交ではないのか。事実関係すら調査しないというのは、大臣として仕事の放棄を宣言したに等しい。

 また、記者クラブメディアも同レベルにある。ジャーナリストはニュースの信憑性を疑うのが仕事ではなく、それを取材検証し、確認するのが任務である。政府と一緒になって、情報源にペンの矛先を向けるのは、結果として自らの仕事に唾を吐く行為に他ならない。日本政府と外務省、さらには記者たちが、今回のウィキリークスの事件は外交・防衛、安全保障上の重大な危機であることに、一刻も早く気づくことを心から願う。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝

副島隆彦 投稿日:2010/12/01 04:34

【119】[134]私たちの定例会が無事終わりました。平野貞夫(ひらのさだお)氏の文を載せます。

副島隆彦です。 3日前の11月28日(日)に、私たち「学問道場」の年次総会、株主総会とも言える 秋の定例会(自力での講演会)が無事終わりました。 700名が入る会場一杯に会員が集まってくれました。ありがとうございます。 

 須藤よしなお君が、優れた政治映画論を論じて、それから私が話をしました。 

 いくら大きなホテルの大会場でも、元が宴会場ですから、大勢がずっと座っていると、どうしても換気がよくなくて、二酸化炭素が増えますから、いっそのこと大きな出入り口を開け放てばいいのに、と私は思いました。
あのような良い会場を借りますと、会場代だけで100万円するそうです。
何をするにもお金がかかります。 

 世の中はお金で動いている、だから、副島隆彦の歴史学は、お金の動きを中心に、世界史(人類史)と、日本史の両方を、すべて作り変えようとしています。 「それでは、その1万人の兵隊を動かすのに、一体、どれぐらいのお金が掛かったのか。その資金の獲得の経路と、その時代の経済制度を必ず、論じなければいけないのだ」と私は言います。 「集まってきた、それだけの数の人間を食べさせるのに、どのような産業があり、どのように資金の入手に動いたかをこそ調べるべきだ」 と、 私はいつも思います。

 私の歴史の本である、「歴史に学ぶ知恵 時代を見通す力」(PHP研究所刊 2008年8月)の まえがき を是非、読み返してみてください。

 私は、今年1年間の、激しかった日本政治の動きを振り返ることからすべきだったのです。 ここで、簡単に書いておきます。

 昨年(2009年)の12月15日の、突如の小沢一郎秘書たち逮捕から始まり、今年2月の、小沢一郎を検察庁が逮捕するのではないか、の攻防戦を経て、政治家たちの劣化が激しく進み、すっかり変質した民主党の中の、裏切り者たちが、暴れ出し、 アメリカと官僚どもに屈服して、そして、6月2日の、今でもまだ理由がはっきりしない、鳩山由紀夫首相の辞任、小沢一郎の幹事長からの無理やりの辞任の劇となり、それから、7月13日の、深く仕組まれた参議院選挙での敗北がありました。 

 これで、参議院で多数派でなくなったので、「憲政(けんせい、立憲政治)の常道(じょうどう)」に従うならば、日本改革のための法律を、どんどん作り、改正してゆくことが出来なくなって、小沢一郎たちが掲げた「国民の生活が一番」の国民革命が、頓挫することになった。 あれは、フランス大革命の時のテルミドールの反動に相当する。

 許すまじき変節漢の菅直人らは、このあと、9月14日の、民主党代表選挙で、アメリカのCIAが仕組んでくれるままに不正選挙を行い、小沢一郎が当然、圧倒的多数票を取って、首相になるはずだったのに、これを阻止して居直った。 

 その次は、「検察庁に逮捕される検察官たち」という珍妙な司法制度崩壊の事件になり、「法務省からやってきた(元検察官の)裁判官」どもが、小沢一郎を、検察審査会、という、国家機関なのに特殊な宗教団体に乗っ取られている組織が動き出して、最高裁判所の裁判官どもまでが、違法手続き、と違法行為に、公然とどんどん手を染め出した。 今や、日本の裁判官たちの中の管理者層までが犯罪者集団となった。彼らを誰が、処罰するのか。

 それから、朝鮮半島情勢(3月26日、哨戒艦に米原潜が衝突・沈没させた)と、尖閣諸島漁船拿捕(だほ)事件(9月7日)を、アメリカが画策して作り出し、 11月28日からの黄海(こうかい)での米韓合同演習が、今日12月1日に終わる、中国は静観する事で余裕のある態度を取った。
このように政治問題が続きました。

 ところが、私は、28日の講演会で、阿弥陀如来(あみだにょらい、アミダーバー)も観音菩薩(かんのんぼさつ。29歳までの王子様のブッダの姿)も弥勒菩薩(みろくぼさつ、マイトレーヤ)も、すべて女の像であり、これは、マグダラのマリア(イエス・キリストの奥様)なのだ。全部、これらの像には、オッパイがあって、腰がくびれているじゃないか。 

 ということと、メディチ家とミケランジェロの話をして、メディチ家が、ローマカトリック教会(ローマ法王)の「支配の思想」と闘って、ルネサンスなるものを始めたのだ、ということを、私はずっと話し始めました。共和政(リパブリック)とは何か、デモクラシー(民主政治)とは、どう違うのか、の話をしました。 おそらく、会場に集まってくれた会員たちで、私の話を理解したのは、2割ぐらいだったと思います。 それでもいいのです。

私、副島隆彦が、時代の最先端であり、この国の思想をひっぱってゆく人間だから、私よりも頭のいい人間がいて、私よりも、時代の先読みが出来て、どんどん先を行くようだったら、その人が、私の先生だ。 他の会員の人たちは、DVDでこの講演をしっかりと観てください。 

 私たち学問道場は、いよいよ、知識集団、読書人の団体として純化してゆきます。金融の話(金融セミナー)で、お金・投資の話が中心の人たち向けの講演会は、徐々(じょじょ)に別個に切り離してゆきます。

人間は、それぞれ持って生まれた個性と個質と個疾を持っていて、ぞれぞれ生まれながらに知能と 理解力が違いますから、それらを、一緒くたにして、相手に共通の理解を強制することは出来ません。私は、出来る限り、それぞれの人に合うように、違った話をするように心がけています。

以下に載せるのは、私たち日本国民の優れた指導者である小沢一郎の参謀長役を長年務めていて、参議院議員をおやめになってから言論活動で、日本一新の国民革命運動 を推進している 平野貞夫(ひらのさだお)氏の最新の文章です。 私、副島隆彦は、平野貞夫氏の考えに、全面的に賛成です。

 平野氏が、推進している日本一新の会」にすでに参加している人たちが、私たち学問道場の会員の中にもおられると思います。ただし、私たち学問道場は、政治活動団体ではなくて、知識・思想・学問を勉強し研究するための在野(ざいや)の研究会ですから、このまま私たちがただちに政治活動としての国民運動を始めることはできません。 

 親鸞聖人(しんらんしょうにん、浄土真宗の開祖の僧侶。本当は、浄土門はマリア信仰だ) が言った、「面々(めんめん)の御計(おんはか)らい」です。 どのように生きるか、決断するかは、「それぞれの人が、自分の意思で、自分で決めること」です。 

私たちは、何事をするにも、慎重で注意深くでなければいけない。己(おのれ)の単純な正義感と、怒り からは何も生まれません。 以下の平野貞夫氏の文章を、じっくりと読んでください。 副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

「民主党政治が劣化した原因は何か」

http://www.the-journal.jp/contents/hirano/2010/11/29.html

平野貞夫(ひらのさだお) 

2010 年 11 月 29 日

■民主党政治が劣化した原因は何か

 柳田(やなぎだ)法相の放言による辞任、仙谷官房長官の度重なる暴言・失言をめぐる問責決議案の提出などで、補正予算の審議遅延、そして北朝鮮による韓国砲撃で、菅首相のリーダーシップが問われている。

 11月23日(日)、反小沢で名を売った、生方(うぶかた)衆議院議員の選挙区である千葉県松戸市で市議選が行われた。民主党は11人の候補を立てたが、当選はわずか新人2人だけであった。現職4人全員が落選し、法定得票に満たない候補が3人いたという大惨敗である。

 また、来年の統一地方選を調査している著名な機関によれば、西日本(関西・中国・四国・九州)で民主党は壊滅的とのこと。10月末の帰省のとき、民主党高知県連で同党公認で立候補予定者数人から、新しい形で出馬したいがどうだろうかとの相談があったが、この状況を民主党国会議員がどれだけ知っているのか、はなはだ疑問である。

 菅政権が、国会運営を始め外交・内政あらゆる面で機能を喪失している原因は、直接的には「小沢排除」の政治を続けていることにある、と言えば反論する人もいようが、私に言わせれば昨年の政権交代のときから事実上「小沢排除」が始まっていたのだ。「政策の協議と決定に関わらない与党幹事長」で議院内閣制が運営できるはずはない。

 昨年3月から麻生(あそう)自民党政権が仕掛けた「小沢の政治と金」は、政治捜査で政権交代を阻止し、小沢氏を政権から排除する政治謀略であった。鳩山氏はそれを理解していたが、菅氏は民主党内の反小沢グループに同調し、「小沢はずし」を工作していたと私は推測している。昨年8月の政権交代の前後、「旧さきがけ」関係者の小沢批判と小沢下ろしは異常であった。それは麻生自民党政権と検察の方針を事実上継承するものであった。

 鳩山民主党政権が発足した時期、細川(ほそかわ)元首相は私に「細川政権を潰したのは小沢さんではない。”さきがけ”に問題があったのだ。日本新党から”さきがけ”に移った人たちは、人間として性格が悪く、誠実さがない」と民主党政権の行方を危惧していた。

 菅政権が発足して、民主党政治が政権交代の原点から離れ、自民党政治より悪質になった状況を心配した鳩山元首相は、小沢氏を参加させた挙党体制を再生させようと努力した。しかし、菅首相は拒否して九月の代表選となる。代表選での菅首相の言動から本性を知った国民の中には、その能力に疑問を持ち、今日の状況を予期した人たちは少なくない。

 小沢氏は、菅首相が劣化させた政治に反省を求め、民主党政治を正常化し、日本経済を回復させ「国民の生活が第一」の政治を実現すべく、多くの出馬反対論を排して代表選に挑戦した。小沢氏が「代表選出馬反対論」に乗って、「静かにして」いたなら、この危機的状況で民主党は、国民からどう批判を受けたか自明である。政権交代の大義は泡となって消え去っていたのである。

 小沢氏が代表選で、混迷する日本を如何にして再生させるか、具体的提案をしたことが、民主党がどうにか国民に支えられている一筋の糸といえる。反小沢の先鋒マスコミを任じている、サンケイ新聞の世論調査で、望ましい首相のトップに小沢一郎氏が8.6パーセントと躍り出たことが何よりも証明している。

 現在の悲劇的ともいえる菅政権の政治劣化の責任は、筋論からいえば「代表選での菅首相で菅代表に投票した人たち」にある。党員・サポーターはマスコミの俗論に影響されてのことであろう。国会議員の中には政治体験の浅い人たちもいるので強く責めるつもりはない。

 また、小沢排除の確信派すなはち、欲に凝り固まって自分本位で動き、善良な国民を裏切る輩は論評するだけでも無益である。

 一方、自民党時代から小沢氏と政治行動を共にしてきた「渡部恒三・藤井裕久(ふじいひろひさ)・石井一(いしいはじめ)」らの責任は論じておかなければならない。彼らはマスコミなどを通じて小沢氏を誹謗し、時代背景も読めずに「代表選に出馬すべきでない」と論じた。ニンジンを鼻先にぶらさげられてのか、毒マンジュウに当たったのか知らないが、貴方がたは何のために、何年政治家をやっていたのか。

 他の2人に関しては自民党時代からの行状はいやというほど知っているので何も期待はしない。しかし、藤井氏は、私が衆議院事務局時代からの知り合いで、政治家としては同志であった。私たちの積年の課題であった政権交代をなし得た今、小沢排除による日本政治を劣化させた氏の責任は重大である。

■民主党はどうすべきか

 この日本の危機に、私がもっとも残念に思うのは、民主党国会議員の大多数が小沢一郎という政治家の実像を知らないことである。否、知ろうとしないことである。政権交代を阻止しようとする国家権力が、約30億円という税金と、1年数ヶ月という時間を使って、小沢氏のあらゆることを捜査して不起訴となった問題を、憲法違反の権限をもつ検察審査会を怪しげに操作して、小沢氏の政治活動を停止させる事態を、座して見過ごしていてよいのか。それで社会の木鐸といえるのか。

 しかも、政権交代以後は民主党内で小沢氏の活動を封印しようとする動きが目立った。わけても小沢氏に近い人たちでさえ、強制起訴となり刑事被告人となれば政治活動はできない。ましてや、首相になることは不可能だと思い込んでいる国会議員がいることが残念だ。

 国会議員たちが議会民主政治の精神を理解しておれば、強制起訴を止めることもできるのである。麻生政権が指示し、検察権力が民主政治に仕掛けてきた事件であるという認識を、国会議員が認識しないところに今日の問題があると同時に、小沢氏の国会での説明を国会対策の駆け引きに利用するという悪例を放置しておくことは、なんとも情けない政治家どもである。

 今一度、小沢氏に代わる政治理念と高い見識を持つ政治家が他にいるのかと問いたい。民主党が再生政権交代の原点に立ち返り、外交も内政も国民が安心して生きていける日本とするために、小沢一郎という政治家を民主党政権の「ど真ん中」で活動できるようにするのが、喫緊(きっきん)の課題であり、民主党が再生するには他に術はないと断言する。

 違憲で違法の強制起訴を阻止するのが、当面の重要課題である。劣化した司法関係機関が強制起訴裁判とし、万が一「刑事被告人」と呼ばれても、内閣総理大臣に就任しても憲法上何の問題もない。(長年)衆議院事務局に奉職し、後に参議院議員に転じても、一貫して憲法に照らした議会民主政治の実現に生涯を託した私だから自信を持って断言する。

 これらはむしろ、日本に真の議会民主政治を確立できる絶好のチャンスともいえる。ここ数年の小沢氏に対する国家権力の弾圧は、戦後民主主義を誤って生きてきた、私利私欲に生きた日本人の足掻きであった。小沢グループといわれる政治家は、せめてこのことを肝に銘じておくべきである。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝

副島隆彦 投稿日:2010/11/26 07:56

【118】[133]北朝鮮・韓国砲撃合戦 への ブレジンスキーの自署記事(戦略論文)を載せます。これが最高度での現状への理解です。

副島隆彦です。  3日前の11月23日に起きた 北朝鮮・韓国の砲撃合戦(こういう砲撃は割とよくやっている。中国と台湾の馬祖=ばそ=島でも。ただし民間人は死なないように撃ち合う) のことを受けて、書かれた重要な 戦略論文(新聞記事)を、載せます。

この記事(小論文)を読むことが、事態への、最高度の理解となります。

書いたのは、スビグニュー・ブレジンスキーという世界戦略家(ワールド・ストラテジスト)です。 ヘンリー・キッシンジャーと同格の大物のアメリカの軍事・外交の戦略家です。 この ふたりが、昨年(2009年1月)のオバマ政権発足の直前の1月初旬)に、北京に飛んで、「今後は、G2(ジー・ツトゥー)で世界を管理してゆこう」という世界戦略を決めたのです。

G2 とは、もちろん、アメリカと中国です。 それが、少しうまくゆかなくなった、とブレジンスキーは、以下の文で少し、本音で溢(こぼ)しています。

副島隆彦が日本の国家戦略家として、彼らの即席・緊急の論文を分析するといろいろなことが分かります。 ブレジンスキーでも、3月23日の韓国・哨戒艦(しょうかいかん、潜水艦攻撃用のデストロイヤー)沈没(誰も撃沈とは書かない。お笑いだ) 事件を、北朝鮮のせいにする、という謀略政治に故意に加担するのなだ、と やや、失望します。

それでも、ブレジンスキーは、元祖ネオコン(第一世代の米民主党系ネオコン、スクープ・ジャクソンらと)なのに、今の第3世代ネオコンが、大敗したはずの、イラク、アフガニスタン戦争にも、まだ懲りず、次に、無謀な、極東(ファー・イースト)での戦争を仕組んで仕掛けようとすることに対して、強く牽制(けんせい)していることが良く分かります。

以下の記事(小論文)をじっくりと5回ぐらい読むといいです。くだらない日本国内の、頭の悪い人間たちの解説記事や文章など、読む必要はありません。 彼らは、ただの属国泥棒(人まね)学者・言論人たちです。

以下のズビグニュー論文を、翻訳してすぐに私にも送ってくれたのは、私たちの学問道場の研究員のひとりです。 彼が、何かに遠慮して、ここに貼り付けてくれないので、私がやります。

スビグニューは、「グランドチェスボード ユーラシア(大陸)の地政学」(つまらない変な書名で、日経新聞から翻訳が出た) の著者であり、この大戦略論文 を 下敷き(青写真、ブループリント)にして、2001年からのアフガニスタン侵略戦争 と 2003年からのイラク戦争を アメリカは始めたのです。きわめて良く書けている本です。

 「地球をグランド・チェスボード、すなわち、大きな碁盤(ごばん)の目に見立てて、ユーラシア大陸を、アメリカの世界支配用に切り分けてゆく」 という構想で書かれている論文です。中央アジアのキルギスや、タジキスタンなどのことも実に正確に書かれていました。

ブレジンスキーが、以下の文で、 a state 「ある国」が、中東(ミドルイースト)でアメリカの言うことを聞かないから、それで仕方なく 極東(ヒガシアジア)で、戦争を仕組まなければいけなんじゃないか、と、「ある国」すなわち、イスラエルに あてつけの 怒りを表明しています。ここで、私は大笑いをします。 「あんたらも、大変だなあ」と、私は、自分も目先の仕事を抱えて大変ですけど、ポツリと言ってしまいます。

スビグニューの以下のFT(エフ・ティー、英フィナンシャル・タイムズ紙)への自署記事(戦略論文)を、じっくりと読みなさい。そうすれば、世界が、どのように動いているのが、分かるようになります。

 幕末の英国外交官で、戦略家のアーネスト・サトウが、横浜の租界地で、ぽろりと書いた英文記事が、「英国策論」と訳されて、それを、幕閣(老中たち)や開明派の大名、討幕派までが熱心に読んで、それが、坂本竜馬の「船中八策」になったのです。  そういうものですよ。

副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)
 
( N研究員の文章と、翻訳文)

・・・・それでは、以下、私が急ぎで、おおざっぱに訳しただけですので、多少の誤訳もあるかもしれませんが、大きな内容をつかんで頂けると思いますので、ご参照ください。

 この記事でアメリカの考え方が分かれば、こんどは、中国の要人たちが、今回の北朝鮮砲撃事件に対してどのような発言をしているかという記事を探して、また後ほど、ご紹介したいと思います。

(転載翻訳引用始め)

● “America and China’s first big test”

「アメリカと中国にとって最初の大きな試練」

By Zbigniew Brzezinski
(ズビグニュー・ブレジンスキー筆)

Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)

November 23 2010(2010年11月23日)

http://www.ft.com/cms/s/0/a7d6c130-f73e-11df-9b06-00144feab49a.html#axzz169yEZ8F3

We are faced today with the second provocative warlike act committed in recent
times by North Korea. The first of these, the torpedoing of a South Korean warship,
was covert: the origin was deliberately disguised. But the consequences were overt
and painful. This current action is clearly overt. The origin of Tuesday
’s attack is identified beyond a shadow of doubt. It is an outrageous action that
could qualify even as an act of war.

 私たちは、今日、北朝鮮による二度目の挑発的で実戦のような攻撃に直面した。最初の攻撃であった韓国軍艦への魚雷攻撃は、秘密裏に行われた。
その発端は意図的に隠されていた。しかし、その結果は明らかであり悲痛なものであった。今回の行為は明らかにおおっぴらである。火曜日の北朝鮮の攻撃の出所は疑いもないほど明白に突き止められている。これは法外な行動であり、戦争行為とみなされうる行為である。

This raises fundamental questions. If these actions are deliberate it is an
indication that the North Korean regime has reached a point of insanity. Its
calculations and its actions are difficult to fathom in rational terms.
Alternatively it is a sign that the regime is out of control. Different elements in
Pyongyang, including parts of the military, are capable of taking actions on their
own perhaps, without central co-ordination. That is an even more ominous
possibility.

 これは根本的な疑問を提示している。もしこのこれらの行為が計画的で意図的なものであったならば、北朝鮮政権は、すでに狂乱状態に至ったということを示している。
しかし、彼らの行動や目論みを理性的な観点で推し測るのは難しい。そうではなくて、北朝鮮政権がコントロールできない状況に陥っている兆候なのである。平壌(ピョンヤン)政府の他の部局は、軍部も含めて、中央からの統率がきかないまま勝手な行動をとれる状況にあるのか。これはむしろ、さらに悪い可能性である。

So what is the world to do with a problem that has long vexed the major powers
without a hint of resolution? Here we enter another realm of uncertainty because it
is increasingly apparent that we are dealing with a clash of two alternative
historical perspectives between the two major powers indirectly involved and
actively engaged, namely the US and China.

 それでは、世界の主要諸国が解決のヒントさえないまま長年悩まされてきたこの問題をいったいどうすればいいのか。
ここで私たちは、さらに不確定な領域に足を踏み入れることになる。
つまり、この問題を考えることは、アメリカと中国という2大覇権国の間にある、歴史的に異なるふたつの視点(見解)の衝突を扱うことになるからだ。このことは、次第にあきらかになってきている。

In the case of China we are dealing with a regime that is historically
self-confident. It perceives tectonic shifts in the distribution of global power as
ultimately favourable to its prospects. It senses its power is growing and this
leads to a posture of great self-restraint, even passivity and reluctance to rock
the boat.

 中国を考えるということは、歴史的にも自信を持った政権を扱うということだ。中国は、世界の権力配分が、最終的には自分たちにとって好ましい構造変化をするであろうという受け止め方をしている。
中国は、世界における自国の権力が増大していること感じている。そのため、かえって自制的な態度をとるようになっており、事を荒立てるのを避けようとさえしている。

The other major power concerned with these events - the US - is in a
rather different historical phase. Public discussion is increasingly dominated by
the perspective that historical trends are against America. And so Washington is
preoccupied with the need to mobilise a collective response and is frustrated by
the relative unwillingness of others to share with it cumbersome responsibilities.

 いっぽう、もうひとつの覇権国であるアメリカも、このたびの一連の事件に懸念を表明してはいるが、アメリカの場合、中国とは異なる歴史の段階にいる。おおやけの議論でも、歴史の潮流はいまやアメリカには不利な方向で対峙をしているという見解に独占されるようになった。
そのためワシントンは、集団的自衛権による反撃に出る必要があるという考え方に心を奪われている。しかし同時に、他国がその重荷となる責任を分担したがらないことにいら立ちを感じている。

Making matters worse, America is bogged down largely alone in a prolonged
decade-long misadventure in an area ranging from the Middle East proper to
south-west Asia. More recently, some major US diplomatic efforts to bring peace to
the Middle East were successfully defied by a state totally dependent on America.

 さらに悪いことには、アメリカは、中東本土から西南アジアまでの地域で、10年にも渡って続く地域紛争の災難にひとりとらわれたままである。
さらに最近では、中東に和平をもたらそうとするアメリカの主要な外交努力が、アメリカに完全に依存するある国によって完全に無視されてしまった。

In these circumstances there is a real risk we may find ourselves in a situation
where the Chinese favour an under-reaction that will simply lead to further acts of
provocation, and where America may be inclined to push for a response that the
Chinese will see as a dangerous overreaction.

 こうした状況のなかで、もし中国があまり対応しないことを好むのなら、さらなる挑発行為を招くことになるだろう。そしてアメリカは、中国が好まないさらに危険な過剰反応を、北朝鮮に対して示す結果になるかもしれない。

It is important that President Barack Obama displays cool, firm and globally
visible personal leadership in working with China and the other major parties in
the six-party talks. If I were back in the situation room in the White House asking
myself what I would advise the president, this is what I would do.

 バラク・オバマ大統領は、冷静で断固とした、世界的にもアピールするリーダーシップを、中国や他の6ヶ国協議のメンバー国との会談の場で示すことが重要である。

The president has to take the initiative. Provocation of this kind cannot be
dismissed lightly or left in the hands of diplomats. He should call President Lee
Myung-bak of South Korea to reassure him personally and directly of US support.
Then he should call President Hu Jintao of China and express serious concern. He
should call Prime Minister Naoto Kan of Japan, as America
’s prime ally in the Pacific and given its proximity to the Korean conundrum. He
should also call President Dmitry Medvedev of Russia. Hillary Clinton, US secretary
of state, should then follow up on these calls and set in motion convening the
United Nations Security Council.

 オバマ大統領が、イニシアティヴを取らなければならない。このたびのような北朝鮮の挑発行為は、軽く流されてはならないし、外交官の対応だけに任せるようなことをしてもならない。
オバマ大統領は、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領に電話をして、彼が個人的で直接的なアメリカからの支援をすることを確認するべきである。それから、中国の胡錦濤(フー・チンタオ)首相に電話をして、非常に憂慮しているということを表明するべきだ。

 日本の菅直人首相にも電話をして、アメリカの太平洋における主要同盟国として、朝鮮問題に対処するアメリカの代理人としての役割を与えるべきだ。また、ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ大統領にも電話をするべきである。そのあとで、米国務長官であるヒラリー・クリントンは、このオバマからの電話に続いて、国連安全保障会議の招集の準備を始めるべきである。

North Korea has been defiantly challenging the international community in a way
that Saddam Hussein was not, at least overtly, and which the Iranians are not quite
doing. The Iranians are maintaining, maybe mendaciously, that they are not seeking
nuclear weapons. That is a different kind of challenge in which our response has to
be the insistence that they prove their case. The North Koreans, however, are
defiant, boasting their nuclear prowess and now openly provocative.

 北朝鮮は、明らかにサダム・フセインさえもやらなかったやり方で国際社会への挑戦を仕掛けていることは明らかである。
サダム・フセインをも超えるようなやり方で、なおかつ、イラン人でもやったことがないような手法でである。
イラン人たちは、おそらく偽りであるが、核兵器を求めてはいないと主張し続けている。この場合は、彼らにその事実を証明するように強要し続けるという形で、北朝鮮とは異なった対応をするべきである。
しかし北朝鮮の場合は、大胆で、傲慢にも自分たちの核戦力を誇示し、いまや明らかに挑発的、挑戦的になっている。

One of the things we have to discuss in these conversations is the possibility of a
selectively punitive embargo on North Korea in the area of high-tech and energy.
This would be a tempest in a teapot were it not for the fact that Pyongyang has
nuclear weapons and some manifestations of insanity in the regime.

 この会談の中で話し合われるべきことのひとつは、北朝鮮に対するハイテクとエネルギーなどの特定の分野での懲罰的な輸出禁止措置を実施する可能性についてである。しかしこの対応は、平壌が核兵器を持っていて、その政権内が狂乱状態にあるということが事実でないのならば、ひと騒動になるだろう。

Critically, however, our approach to China should not be adversarial. It is not in
America
’s nor China’s interest to create massive popular hostility. Governmental
disagreements can be managed: they are the stock of international affairs. But if
you arouse public emotions, such crises become harder to control and dangerous.

 しかし、決定的に重要なことは、我々のアプローチは中国の意に反するかたちでは行われるべきではないということである。
巨大な民衆的な対立を引き起こすことは、アメリカの利益にも中国の利益にもならない。政府間の意見の相違は、管理・調整することができるだけの国際情勢の積み上げがある。
しかし、一般大衆の感情をかき立てると、そうした危機は制御することが難しく、かつ危険でもある。

A call from Mr Obama to Mr Hu should be a call between leaders who share a concern.
It should not be an American demand, nor an admonition. It should be an affirmation
that our respective interests are endangered and so we have a common stake in an
effective response.

 胡錦濤(フー・チンタオ)首相へのオバマ大統領からの電話は、おなじ懸念や利害を共有するリーダーどうしの会話となるべきである。
アメリカが中国に対して、何かを要求したり忠告をしたりするというものであってはならない。
それは、お互いの国益が危機にさらされており、私たちが効果的な対応をすることによって共有する利害がある事実を確認するものであるべきである。

The writer was US National Security Adviser from 1977-1981
筆者は、1977年から1981年まで米国安全保障問題アドバイザーをつとめた。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝

副島隆彦 投稿日:2010/11/24 05:31

【117】[132]私の近況報告と、 来たる講演会に向けてと、読者とのメールのやりとり

副島隆彦です。  今日は、2010年11月24日(木)です。 私の近況を、お知らせしなければいけないと思います。  私は、現在、年内に 出版しなければいけない、自分の本、3冊を書き上げることに熱中しています。 その三冊 のことは、あとの方に書きます。

小沢一郎と、彼が育てた政治家たち( 現職の国家議員たち、総数 266人 )を 助けて、国民運動 (こくみんうんどう。 ×市民運動 ではなく、 × 住民運動 でもなく、 × 労働運動 でもない、× 民族主義運動 でもない、 × 愛国運動 でもない。ただひたすら ○ 国民運動 です。 マックス・ヴェーバー が言った Volks Gebergungen です)  を始めなければいけないので、その準備もあります。 幅広く 全ての国民が参加する、明るくて、正義で、危ないことを一切しない、大らかな運動です。 敵たちは、どうせ、自分たちのあまりの 犯罪性 のゆえに自滅してきます。内部から崩れてゆきます。   

北朝鮮軍 と韓国軍の つばぜり合いの砲撃戦のような、アメリカのネオコン派が、仕組んでやらせている つまらない、東アジアの民衆への脅(おど)かし策動などに、邪魔されることは、ありません。私たちは、もっと大人だ。何でも知っている。  

私は、来たる 11月28日の、私たちの定例会(自力の講演会)の準備もしています。 

私は、ここで学問道場の会員たちに何を話すかを、じっくりと考えています。 私が、どうしても、自分自身で脱皮してゆかなければならない。その際に、大事なことは、 金融・経済 ものの 「お金(かね)の話し」ばかりをする 講演会と、 それとは違って、すこしは、学問道場の 主力である、読書人階級(どくしょじんかいきゅう)向けの、むずかしい話をする 講演会に、性質を変えてゆかなければならないのだ、と、私は最近、切実に考えるようになりました。 いつまでも、初心者向けの、初回参加者相手の、分かり易いことばかり話していてはいけない。 私、副島隆彦の本を、本当に何十冊も、まじめに読んで、自分でも徹底的に考えている人たちの存在を、もうこれ以上軽視できないと、という段階に来ました。

ですから、(1)ややむずかしい政治思想や近代諸学問(サイエンス)や、歴史(学)の話と、 (2)もっぱら、金融セミナー、お金(投資、資産運用、資産防衛)の話ばかりをする講演会 は、別個に独立させてゆかなければいけないのだと、私は考えるようになりました。 しかし、この(1)と(2)の区別は、じょじょにやってゆくしかありません。 なぜなら、私自身の 脳 (のう、頭、brain = mind = thinking ability 、思考力 )を、講演の演壇で 二つにはっきりと分ける、ということは簡単なことではないからです。それと、「お話し」というのは、どうしても、「本読み」とはちがって、易(やさ)しくて、耳で聞いて分かるもの、でなければなりません。 話を耳で聞いて(聴いて)、なんとか自分の言いたいことの 7割でも 分かってもらえないような講演はしてはならない。私、副島隆彦は、生来のアジテーター(アギタトーレ)であり、鎌倉仏教の各派の始祖たちのように、辻立ちの辻説法(ちじせっぽう)をする人間として、自分を鍛えてきましたから、この 「分かってもらえるように話す」ことの苦しみに、ずっと耐えてきました。  

この問題を、会員たちと共に、じょじょに超えてゆかなければ、と思います。そこで、この件についての、読者からのメールを一本だけ、以下に載せます。

(転載貼り付け始め)

● To: snsi@mwb.biglobe.ne.jp>
Sent: Sunday, October 24, 2010 11:27 PM
Subject: 本日の講演参加しました

こんばんは。 7~8年前から 先生の本を読んで勉強させていただいています。
私もめちゃくちゃ忙しいですが、だからこそかなり本を読みます。そこらへんの、 時間がなくて本なんか読めません、という輩(やから)とは 心構えがちがいます。 今までの いろいろな経済学者の中でも、副島先生の分析は一番核心を突いていて、内容もほぼ的中しており、常にドキドキしながら読ませてもらっています。尊敬かつ期待しております。おかげさまで、世界の構造が、だいぶ分かるようになりました。ありがとうございます。

いままでも何度か先生に新しい知識を得た喜びのメールを出そうかと思いましたが、時間がなくて出来ませんでした。申し訳ありません。だが今回はちょっと書かずにはいられなくなりました。

初めてのメールで失礼なのですが、 私は過去3回ほど先生の講演に参加し勉強させてもらっています。本日の講演にも参加しましたが、残念なことがあります。 前回の講演でも多少感じましたが、以前、拝聴した時と比べますと、講演内容のレベルが下がっており、大衆向けになってしまっているような感じがします。

 私は先生の本は何冊持っているとかいう自慢でなく、図書館から借りた本も含め何度も読み返しており、かつ重要事項はペンで徹底的に脚色してあり、内容の理解度はかなり高いと理解しております。
 先生以外の経済学者やジャーナリストの本も、たとえば、藤巻健史、浅井隆・・・・・・何百冊も読んでいます。 私自身経営者であり、絶好調も、破綻寸前も経験しており、とことん勉強し百戦錬磨の現場もこなし、この不況社会に勝負をかけています。

残念ながら本日の講演では、特に驚くような新しい内容はありませんでした。といいますか内容が初心者レベルに下がっており失望しました。 質問コーナーで突っ込んだ難しい質問が出るかと期待しておりましたが、質問者のレベルも相当低く、こんな人間たちの会になってしまったのか、と残念に思っています。

確かに会場も広く人もたくさん集まっていました。 お金もたくさん集まるのでしょうが、昔からのファンには残念でなりません。少人数でもっと近くで先生の話を聞いていた時の方がワクワク、ドキドキして新しい知識がどんどん手に入れられました。 この調子では次回の講演は参加する価値を考えてしまいます。

改めてお願いですが、ここでまた初心に返り、ある程度のレベル以上の会を別途作っていただき講演を行ってほしいかと思います。これからの日本いや世界経済を生き抜くのは相当大変なことです。一般向けのおばちゃん、お兄さん向けでなくレベルの高い講演会の機会を設けて下さい。お願いします。初めてのメールでこんな失礼をお許しください。 これも先生のファンであることこそのお願いです。また先生の毒舌をワクワク、ドキドキして聞きたいからです。 私も逃げません。千葉在住、東京千代田区で会社を営む****(47歳) と申します。  メール ******* です。 よろしくお願いします。

**** さまへ

副島隆彦から

 丁寧なメールをいただき、ありがとうございます。**さまが、私の本を熱心に読んで 真剣に勉強されていることはよく分かりました。 私は、自分の講演会で、どうしても 分かり易い話をします。 毎回、毎回、 初心者用の話をすることにどうしてもなってしまいます。 それは、私の話を初めて聞く、という人が、どうしても 参加者の7割とかだからです。   私自身は、自分の本の真剣な読者たち向けの、やや高度の話をしてもいい、と考えています。  私は、そろそろ、「難しい話をする 講演会。初心者は禁止」 という講演会を 定例会でもやろうと思い始めています。

ところが、**さまは、私の弟子たちが運営している 「副島隆彦の学問道場」
http://soejima.to
というサイトに、副島隆彦の本読みたちが集まっていることさえ知らない。どうぞ、会員になって、ここの文章たちを読んでください。決してやさしい文たち ではありません。そして、定例会に参加して下さい。

それから、私、副島隆彦は、私自身であり、 他の言論人、評論家、学者たちとは全く 考えが違います。 ここのところを、しっかり分かってください。「私は、イタリア料理を食べに来たのだから、おいしいイタリア料理なら、どこでたべても同じだ」  というのは、誇り高い 職人気質の イタリア料理店 にとっては、失礼です。 味の分からない、ただの 大衆客( すなわち、貴兄も まだまだ、そうです) だ、ということです。 貴兄が挙げている、「たとえば、藤巻健史、浅井隆 ・・・・・・」 たちは、私の基準では、 ゴミ たちです。これは私の基準です。 これ以上は、書きません。 あとは、ご自分で判断してください。

 私は、自分の読者や、会員たちを甘やかす気は、全くありません。それぞれの生来の 学習能力と、知能に合わせて、徹底的に、勉強、知識・思想の習得、をしてもらいたいと思っています。 副島隆彦拝

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 私は、こういうことを平気で書く人間です。ですから、今後は、やはり、じょじょに、「 少しは難しい話をする 講演会。初心者は禁止」というのを、始めるでしょう。 

どんなに、高度な内容の、政治思想のことでも、この地上にある限り、私は、喰らいついてきました。
たとえば、「これから正義の話をしよう」[マイケル・サンデル 著 、邦訳は、早川書房刊) という、むずかしそうな本があって、ハーヴァード大学教授が、ハーヴァードの新入生用にやっている、人気授業の抗議録のような、本で、日本のインテリ(気取り、自分では秀才だと思っている人間たち) に、今も売れている本です。

この本は、 コミュニタリアニズム Communitarianism , 共同体主義 (あるいは共生主義) というアメリカの政治思想の派閥の 思想です。  このコミュニタリアニズム というのを、唱導し始めたのは、アミタイ・エツイオーニという学者で、30年前ぐらいです。これが、アメリカ民主党の学者集団の牙城である、ハーヴァード大学の、あまり頭のよくない政治思想として、主流派です。この 共同体主義 という思想派閥 は、一言で、読み破れば、 イスラエルのキブツ (今は、もう廃止になりました) という、集団農場、集団開拓地運動 の 集住の思想から生まれたものです。 ですから、頭に、 ヤムカ、あるいは、キパという丸い布をかぶった、ユダヤ教徒系(ただし、リフォーム派)の ハーヴァード大学教授たちで、あまり頭のよくない連中が、学内で広めている思想です。 ですから、この「正義の話をしよう」には、私たちのリバータリアニズム や、アンチ・グローバリズム(特定の思想が世界を支配するな) は、柔らかく、それとなく、批判と言うか、貶(けな)されています。 こういうことなのです。 

 今の日本国内で、アメリカ政治思想研究学者である、私、副島隆彦に、かなう日本人はいないし、いるなら、出てきてくれ、私と、論争しようではないか、ということです。 私は、好敵手の出現を待っています。それなら、どうして、ハーヴァード大学に行って、彼らと論争しないのだ、言われたら、それは、彼ら グローバリスト(地球支配主義者)たち が、私を呼んで、招いてくれないからだ、としか、言いようがありません。 私たちは、 じっと我慢して、この日本の土壌の中で、耐えていきてゆくしかありません。

 この コミュニタリアニズムについては、今度の講演会で、重要な思想映画を題材に使いながら、須藤よしなお君が、私の講演の前に、講演する中で、言及するでしょう。

次に、直近(ちょくきん)の、金融(きんゆう)の情報も一件だけ、ここに載せておきます。読者からの貴重な情報メールが来ていますので。 

(転載貼り付け始め)

● From: **************
To: GZE03120@nifty.ne.jp
Sent: Monday, November 22, 2010 4:29 PM
Subject: 読者から副島先生へ 一言、助言願います 。

初めてメールさせて戴きます。 *****と申します。(****出身、70歳です。)

貴著書の愛読者で、読み切れなかった 『メルトダウン』 を含めて、目の前に9冊並んでいます。
8年前に出た 『預金封鎖』 等すでに処分させて戴いた分も加えるともっと多いです。講演会にも2回出席させて戴きましたので愛読者と自称させて戴きました。

さて、貴著 『あと5年で中国が世界を制覇する』 の中に「2010年末にはシティバンクは保たなくなるだろう」と記述されています。

私はシンガポール・シティバンクに口座を持っております。 同口座は、預金封鎖対策のために、7年程前に開設し、以来、債券やヘッジファンド等 への 海外投資用口座 として利用しています。

2007年の金融危機の後、シンガポール政府が、2008年10月16日から 同バンクの顧客の全預金(社債とペーパー・ゴールドを除く) の保証を約束してきましたので安心していました。 ところが、改めて調べてみたところ、2010年12月31日を持って保証期限が切れることになっています。 先生ご指摘の、シティの危機期限と奇しくも一致しています。 ご多忙中に恐縮ですが、どのように対処すべきか、ご助言をお願い致します。  *****

****さまへ

副島隆彦から

 メールをありがとうございます。 拙本をたくさんお読みいただきありがとうございます。
**さまは、堅実な投資家であり、 この世界を、間違って見ている人ではないことが分かります。  以下の シティバンク・シンガポールの 預金の 政府保証の 打ち切りの 情報は貴重な情報です。 私は、まだ確認していません。

 ヨーロッパ系の銀行は、国内の預金者も含めて、2013年までは、預金の保証をする、という方針なのだと、私は、考えています。 ですから、シティのシンガポールの政府による支払い保証打ち切りは、約 2万人ぐらいいると思われる 日本人の 個人の投資家で、ここに 口座を持っている人たちにとって、打撃になるでしょう。

ここから先は、**様の ご自分での 人生の重要な判断ですから、私は、関与しません。 が、 やはり、対策を立てて、 同じシンガポールでも、スタンダード・チャータード銀行などの ヨーロッパ系の銀行に、預金をお移しになるのが賢明と思います。 これ以上のことは、私は、何も申しません。すべてご自分の判断でやってください。 いよいよ 世界の金融は、次の 大きな崩れに向かっている、と私は考えます。賢く生き延びてください。 副島隆彦拝

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。私は、以上のようなメールもたくさんいただきます。まじめな人には私は、すべて対応します。私は、これまでに、おそらく1万2千通ぐらいの 返事メールを差し上げたはずです。 私は、メールででも、辻説法をする人間です。 一体、それでは、いつ本を読んだり、情報を集めたりするのだ、そういう時間があるのか、とよく言われますが、私はこうやって生きてきた、と答えます。

ここからあとは、私が、現在、突貫工事 で書いている本たちのことです。これで、私の近況報告はおしまいにしましょう。 以下も、ある重要な人物に書いた、私からのメールの一部です。

● 私は、現在、今年中(年内)に出版しなければならない本 3冊 を書き上げるために、苦しんでいます。

一冊目は、金融・経済の本です。 書名は、「日米 地獄へ道連れ経済」 (祥伝社刊、12月10日発売)です。これは書きあがりました。

2冊目は、 文化・教養本で、書名は、「悪魔の用語辞典 2  日本のタブー」( KKベストセラーズ、12月20日刊予定)で、私の弟子たちとの 研究論文集です。

3冊目が、私の 「 中国研究本 3 」である、 「中国 バブル経済は アメリカに勝つ」 (ビジネス社 、12月28日刊 予定) です。 私は、当然、3冊目の本に、現在、掛かり切りになっています。  ですから、**さまと お約束しました、 「(尖閣諸島問題が起きたあとの) 今、日本(人)が、考えていること」 という 宿題 は、あと 少しお待ちください。 拙本 の 「あと5年で中国が世界を制覇する」(私の 2冊目の 中国研究本) を、現在も **さまが、精力的に翻訳してくださっていることを大変、ありがたく思います。 この私の初めての中国語での翻訳書の 冒頭の挨拶文として、私が、上記の 文を書かなければいけないことは、重々、承知しております。

それで、私が、現在、ようやく必死で解読(読み破り)しました  「日本を 取り巻く、 米中の 激しい駆け引き。そして、愚か者である日本 (政府) の敗北」 を ご報告します。 内容は 重要と思われる情報を確認の意味も込めて、 ポオント・フォーム で、 箇条書きで書きます。

1. 朝日新聞 の 11月14日 付け で、 中国側(中国外交部の 高官、対日本の交渉の事務方の責任者)が、日本政府に対して、激しく抗議して、 「 (尖閣問題発生 以降は、) 中日問題ではなくて、前原(誠司)問題である。 (この 前原のバカを、日本は、どうにかしろ) 」と、 言ったことが、非常に重要です。

2.私、副島隆彦の判断では、 米中 の外交交渉 で、 12月13、14日の 横浜APEC の前に、すでに、 前原を、次の日本の首相にしない、ということで、 米中 が合意した、 と 考えます。

3.前原は、ヒラリー・クリントン に 操(あやつ)られて いい気になって、尖閣問題を引き起こしました。 そして、10月23日の ワシントンDC での、ヒラリーとの外相会談の席で、 「中国漁船船長は、釈放しましたので、日本は大丈夫です」と言ったようです。

ヒラリーが、もうすぐ 米大統領になります(副島隆彦の 予言どおり) が、彼女は、前原を捨てるでしょう。 前原は、11月に入ってから、外相なのに、ほとんど発言しなくなりました。 アメリカと 中国が決めて、 前原を、世界政治( 国際政治の檜舞台)に出る資格のない者、として 失格者にしたのでしょう。

・・・・・以下 略

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。ここまでにしておきます。 あとは、私は講演で話しますし、本が出ましたら、買って読んでください。 私は、日本の国家戦略家(ナショナル・ストラテジスト)としての自信をもっている。

副島隆彦拝

茂木 投稿日:2010/11/23 11:18

【116】[131]騙されるな!

会員番号1149番の茂木です。

ビジネスにおいても社会生活においても、人に騙されないようにするためには、日本語における「自他認識」の脆弱性を理解しなければならないと思います。

このことを、私のブログ
http://celadon.ivory.ne.jp
にて、二回に分けて論じました。

「母音言語と自他認識」(11/16/2010)
「騙されるな!」(11/23/2010)

長くなるので、二回目の記事「騙されるな!」のみを下記転載しますが、ブログにある「母音言語と自他認識」と併せてお読みいただき、ご意見などいただければ嬉しく思います。

—————————————-
騙されるな!(11/23/2010)

 ビジネスを経営していて(資金繰り以外で)一番困るのは、人に騙されることだ。商品の競争力不足や市場とのミス・マッチなどは、後でいくらでも修正が効くけれど、人に騙されるとなかなか取り返しがつかない。

 前回「母音言語と自他認識」の項で説明した“日本語的発想における「自他認識」の薄弱性”の問題点は、人に騙されやすいことだろう。

 「自他認識」の薄弱性は、話し手と聞き手が一体化しやすく「環境や場を守る力」は強いのだが、話し手が環境や場に縛られすぎると、事の本質が見えなくなることが多い。事の本質が見えないと、見せかけの「権威」や「うそ」に騙されやすくなる。

 海外にいくと「日本人はお人好しだ」とよく言われる。それは我々が生まれつきそうなのではなく、日本語そのものに「要因」が埋め込まれていると思われる。

 見せかけの「権威」や「うそ」に騙されないようにするにはどうしたら良いか。以前「自立と共生」の項で、

(引用開始)

精神的に自立していなければ、すぐに他人に騙されてしまい、経済的自立を保つことが出来ない。

(引用終了)

と書いたけれど、自分で物事の本質を見抜くためには、「精神的自立」がまず必要である。そのためには、自分と相手、さらに周りの状況を客観的に把握できなくてはならない。まさに発想における「自他認識」が必要なのである。

 このブログではこれまで、

A Resource Planning-英語的発想-主格中心
B Process Technology-日本語的発想-環境中心

という対比を見てきたが、客観的に状況を把握するためには、環境中心の日本語的発想よりも、自他認識に優れた「主格中心の英語的発想」が必要とされるのだ。

 ビジネスにおいて、見せかけの「権威」や「うそ」に騙されようにするには、環境や場に過度に縛られることなく、全体を俯瞰して「合理的な判断」をしなければならない。そのためにも、自らの「理念(Mission)と目的(Objective)」に基づいて、信頼できる人的ネットワークを築いていっていただきたい。

長井大輔 投稿日:2010/11/23 06:47

【115】[130]【報告】「民主党宮城県総支部連合会2010年(第14回)大会」に行ってきました。

はじめて投稿します。長井大輔と申します。
本文に入る前に私の経歴を簡単に書きます。

長井 大輔(ながい・だいすけ) 1981年生まれ。福島県相馬市出身。駒沢大学法学部政治学科卒業。現在、スーパーで非正社員として勤務。民主党員。副島隆彦の学問道場会員。

では本文に入ります。
私は2010年11月21日日曜日に「民主党宮城県総支部連合会2010年(第14回)大会」に行ってきました。この文章はその報告です。

会場の規模は500席くらいで、高齢の党員が多かったです。民主党宮城県連が主催する政治スクールの受講生も参加していました。会場の至る所で挨拶(あいさつ)や名刺交換が行われていました。

出席した国会議員: 衆議院からは安住淳(あずみ・じゅん)防衛副大臣、郡和子(こおり・かずこ)、橋本清仁(はしもと・きよひと)、斎藤恭紀(さいとう・やすのり)、石山敬貴(いしやま・けいき)、参議院からは大塚耕平(おおつか・こうへい)前内閣府副大臣、桜井充(さくらい・みつる)財務副大臣、今野東(こんの・あずま)。
 
大会に先立って安住淳防衛副大臣と大塚耕平前内閣府副大臣の講演がありました。大塚耕平が遅刻したため、前座ということで安住淳の講演から始まりました。

 年寄りの聴衆が多いためか、まずは歴史の話をし始めました。幕末・明治維新、アーネスト・サトウ、島崎藤村『夜明け前』などに言及(げんきゅう)していましたが、特に「つかみ」もなく、笑いも起こりませんでした。
 
 それから「日米同盟」に関する発言がありました。「日本の平和は日米安全保障条約のおかげ」であり、「経済的な繁栄(はんえい)やGDP比1%という極端に低い防衛費も日米同盟がもたらした果実である」

 そして「輝きを失せていない日米同盟」が「中国・北朝鮮の脅威(きょうい)」に対して「国民の安全を確保する」と述べました。防衛・安全保障に関するくだりでは言葉に何度か詰(つ)まる。慎重に言葉を選びながら話す。

 そのあと「増税は国民にとって痛みであるけれども、何年か先には成果が出る」、「これからの日本は自由化、貿易が柱」などの発言がありましたが、遅刻していた大塚耕平がやっと到着し、安住淳の講演は終わりました。

 「日本の分水嶺(ぶんすいれい)」と題した大塚耕平の講演は20分くらいで終わりました。時間がなかったため、彼は自分が用意してきた「日本の分水嶺」と題した一枚紙の資料をただひたすら読むだけという感じになりました。

 内容は、日本はこれから少子高齢化になるから①外国人労働者を受け入れるか、②こども手当(てあて)を導入するか、③何も手を打たないで2050年に人口6000万人になるかの3つの選択肢(せんたくし)しかない。日本は民主党政権になったので②のこども手当導入を選択した。
 
 つぎに「十干十二支(じっかん・じゅうにし)」の話に入って、そこからまた幕末・明治維新と第二次世界大戦の話に流れ込んで、2009年の政権交代の60年前には冷戦の開始(1949年)があって、そのまた60年前には明治憲法(1889年)の発布(はっぷ)があった。

 最後に、今年菅直人財務大臣(当時)に呼ばれてついて行ったG7で外国人から、「これからはG7でものごとを決めるのはやめよう。なぜなら中国が入ってないから。これからはG20で決める」と言われたという話をして、大塚耕平の講演は終わった。

 安住淳と大塚耕平の講演では、政局の話も政界の裏話もなかったのでおもしろくなかった。ただ、じかに大塚耕平が見れたので、それはよかった。

 安住・大塚の講演のあと、県連の年次大会が始まった。中身は県連の幹事長である郡和子衆議院議員が、当日党員に配った資料を棒読みするだけ。その資料に書かれた県連執行部が提出する議案を会場に集まった党員が拍手で賛成するという形式的なものだった。

 大会の最後に今野東参議院議員を新しい県連代表に選出し、来年2011年春の統一地方選挙に出馬する立候補者の紹介があって、「がんばろう三唱」をやって終了した。

 この報告文の最後にこの大会の模様を伝える新聞記事を転載貼り付けします。

(転載貼り付け開始)

河北新報 2010年11月22日月曜日

●国会議員主導型に一新 民主宮城県連
 民主党宮城県連は21日、仙台市青葉区のアークホテル仙台で定期大会を開き、新代表に就任した今野東参院議員(62)=比例=が新役員を選任した。県連組織の強化に向け、国会議員主導型の体制に一新。従来の副代表ポストに加え、各種委員長を兼務させることとした。

 郡和子衆院議員(53)=宮城1区=を幹事長兼選対委員長に再任したほか、組織団体対策委員長に橋本清仁衆院議員(39)=宮城3区=、広報企画委員長に斎藤恭紀衆院議員(41)=宮城2区=、財政委員長に石山敬貴衆院議員(40)=宮城3区=を充てた。
 選対委員長代理を設け、藤原範典県議(63)=太白=が就任。政調会長には遊佐美由紀県議(47)=青葉=が就いた。新設した副幹事長には岡本あき子仙台市議(46)=太白=、政調会長代理には安孫子雅浩同市議(48)=泉=を選んだ。
 大会には党員ら約250人が出席。来春の統一地方選に向け「積極的に候補者擁立に努め、全員当選を目指す」との活動方針を承認した。大会後、記者会見した今野氏は「統一選では前回の倍の候補者擁立を目指す。地域の声に耳を傾ける選挙を展開する」と語った。
 大会では、党広報委員長の大塚耕平参院議員が講演した。

(転載貼り付け終わり)

長井 大輔 拝

一般市民 投稿日:2010/11/22 17:51

【114】[129]見直すべきところは見直せばいい?

一般市民です.
(一般市民としての立場にこだわっています)

柳田稔法相の辞任(事実上の更迭)が決まった.
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20101122/t10015382511000.html

先週“法相の罷免必要ない”と明言していたのはだれでしょう?
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20101119/k10015351871000.html

民主党の代表選で「見直すべきところは見直す」として評価された菅首相だが,
実現可能かどうかを考えずに場当たり的にでまかせを言って,
うまくいかなくなった時点でなんでも見直しさえすれば良いのでしょうか?
政治家とは何たるか,首相とは何たるかを鑑みたとき,これで良いのですね?

P.S.
仙谷由人官房長官は法相も兼任することになって
色々な裁判の行方にも影響するのでしょうかね?

ジョー(下條) 投稿日:2010/11/22 08:37

【113】[128]なぜ、八百万(やおよろず)の神々は11月に出雲大社に集まるのか?

今日は11月21日ですが、11月(旧暦の10月中旬)に、日本の神々が出雲に集まるのは、よく知られています。神々は旧暦の10月10日から7日間滞在して、いろいろ議論するのだそうです。このとき、出雲大社では、神在祭(かみありさい)と呼ばれる祭りが間催されます。

旧暦では10月なので、「日本中の神々が出雲に集まるので、10月は神無月(かんなづき)と呼ばれる」という話がまことしやかに語られています。出雲では、逆に、10月は「神在月」と呼ばれているそうです。宮崎駿のアニメ映画「千と千尋の神隠し」にも、神々が集まってくる場面がありましたが、これは出雲大社が舞台でしょう。

さて、ではなぜ、旧暦の10月中旬に神々は集まるのでしょうか?

納得できる答えはないようです。

1978年、稲荷山古墳の鉄剣に、文字が記されているのが発見されました。これにより、いわゆる倭の五王と呼ばれる「讃、珍、済、興、武(それぞれ、履中天皇、反正天皇、允恭天皇、安康天皇、雄略天皇)」の実在が証明されました。

この稲荷山古墳鉄剣の文字の最初には
「辛亥年七月中記」
と記されています。ここに「七月中」という文字が見られ、普通は、これは「7月に」と解釈されています。

しかし、これは単に「7月に」という意味ではありません。この「中」は二十四節気(にじゅうしせっき)と呼ばれるものです。二十四節気では、ひと月に「中(ちゅう)」と「節(せつ)」の2つがあります。今では、春分、秋分とか我々が呼んでいるものです。(米山忠興著『空と月と暦』)

例えば、立春は「十二月節」(ウイキペデイアでは「正月節」になっている)、秋分は「八月中」です。

したがって、稲荷山古墳の鉄剣の「七月中」は「処暑」、現在のお盆の頃になります。

中国の初期道教である五斗米道(ごとべいどう)では、この二十四節気で「一月中」、「七月中」、「十月中」の3回、一族が集まって祝宴をしたことが知られています。以下、ブリタニカの道教のところの初期道教のところから引用します。

<引用開始>
Both the nuclear communities and the “Daocratic” realm as a whole were bound together by a ritual cycle, of which only fragmentary indications remain. Among the most important ceremonial occasions were the communal feasts (chu) offered at certain specific times throughout the year (during the first, seventh, and 10th months) as well as on other important occasions, such as initiation into the hierarchy, advancement in rank or function, or the consecration of an oratory. These feasts were of varying degrees of elaborateness, depending on the circumstances. The common essential element, however, was the sharing of certain foods, in prescribed quantities, among masters and disciples. This was envisaged as a communion with the Dao, at once attesting the close compact with the celestial powers enjoyed by the members of the parish and reinforcing their own sense of cohesion as a group.
<引用終了>

なかなか読みにくい英語です。

真ん中に「最も重要な儀式はchuと呼ばれた住民の祝宴であり、一年間に決められた時(最初と七回目と十回目の月の間)に催された」とあります。chuは「中」だと思います。ブリタニカでは、1月、7月、10月の3回、「中」という祝賀があったと解釈しています。

いずれにしても、一月中、七月中、十月中の三回、そろって祝賀をする風習があったことがわかります。

したがって、稲荷山古墳の鉄剣も、埋葬のため7月に作られたわけではありません。辛亥の年の「七月中」という一族の祝宴の席に添えるため、わざわざ、この鉄剣を用意して作らせたということです。一族の名前が金文字で刻まれている鉄剣ですから、まさに、この饗宴の場にふさわしかったでしょう。ちなみに別の江田船山古墳の剣では「八月中」となっています。これは、二十四節気そのものだと思います。

現在では、一月中は上元、七月中は中元、十月中は下元と呼ばれています。夏にお中元を贈る人も多いと思いますが、あの「お中元」はここから来ています。

また、上のブリタニカの文章では ”initiation into the hierarchy” (階級社会の入会)の時にも一族でお祝いをしたとあります。これは入社式や成人式(1月15日ですから「一月中」です)にあたりますから、これらが現在の日本でも残っているのは興味深いことです。西洋には、入社式も成人式もありません。

さて、それでは元に戻って、なぜ旧暦10月の半ばに、出雲に全国の神が集まってくるのでしょうか?

実は、上のブリタニカの文のなかに、「全体としての道教国(the “Daocratic” realm as a whole、Daocratic は神政政治(Theocratic)のしゃれ)でも、祝いの儀式を行っていた」という重要な記述があります。この王国はいわゆる祭祀(さいし)同盟(Amphictyonia)と呼ばれるものです。同じ神や宗教を持った国々がゆるやかな都市連合を組んでいたわけです。古代ギリシャのポリスみたいなものです。五斗米道では24の地域に分けていたことが知られています。

有名な三国志魏志東夷伝には「辰韓(しんかん)12国」「弁辰(べんしん)12国」の都市同盟があったことが記されています(岡田英弘「日本史の誕生」より)。これらは合わせると24国です。魏志倭人伝から、倭にも都市同盟があったと見ていいでしょう。

問題は、この都市同盟が、本当に祭祀同盟、特に、道教国(the “Daocratic” realm)だったかです。

今、それはおいといて、このような祭祀同盟があったとすれば、なぜ10月の半ばに、出雲に全国の神が集まってくるかが説明できます。つまり、旧暦10月に神々が集まるということは、倭国内の祭祀同盟の王たちが「十月中」に出雲にあつまって、話し合いと祝宴を一週間行っていた、そして、それが出雲神社に伝承として祭りの形で残った、と考えることができるからです。

これは、前に書きましたが、あの邪馬台国で有名な卑弥呼が仕えた「鬼道(きどう)」とは、上記の初期道教である五斗米道(ごとべいどう)の神、あるいは五斗米道そのもののことです。歴史学者の岡田英弘氏が「日本史の誕生」の中で述べています。ですから、祭祀同盟(Amphictyonia)があったとすれば、まさに、卑弥呼は道教の祭主であったということになります。

そして、下のブリタニカの文章を読むと、なぜ、卑弥呼が倭王として祭り上げられたのかという日本古代史最大の謎の答えがわかります。

<引用開始>
Under a worthy dynasty, which governed by virtue of the Dao, the role of the celestial masters was that of acting as intermediaries for celestial confirmation and support. Only when a responsible ruler was lacking were the celestial masters to take over the temporal guidance of the people and hold the supreme power in trust for a new incumbent.
<引用終了>

「王(a responsible ruler、責任のある支配者)がいないときに限って祭主(the celestial masters)が人々を導き、新しい王の最高権力を一時的に預かる(in trust)」と書いてあります。つまり、ジャンヌ・ダルクのようにさっそうと卑弥呼が現れて、人々がそれにひれ伏したわけではないのです。もめて(倭国大乱といいます)、新しい倭王が決まらなかったので、「仕方なく」、「慣例に従って」、祭主の卑弥呼が最高権力を握ったということです。

また、逆に、卑弥呼という女性祭主が、倭王の決まらないときに倭の女王に選ばれたという歴史的事実が、この祭祀同盟(Amphictyonia)が存在したことのひとつの証明になっているわけです。

倭国には、このように「鬼道」を共通の神とする祭祀同盟、都市連合があったわけです。

下條竜夫拝

Libertarian Tokyo 投稿日:2010/11/18 10:00

【112】[127]尖閣衝突事件の真相とは

初めて投稿いたします。都内で自営業を営む者です。
仕事の都合上 Libertarian Tokyo のペンネームで投稿します。
副島先生のご著書は、10年前から読み続けています。

尖閣諸島沖で中国漁船船長が逮捕され、海上保安庁の巡視船と中国漁船との衝突シーンを撮影した映像が漏洩した事件が、ずっと話題になっていました。

私は、この事件の根本の問題は、前原外務大臣の指示によって、逮捕までする必要がなかった中国人船長を逮捕・勾留(こうりゅう)したという事実にあると考えています。

これに対して、中国政府が予想以上に強い抗議の反応をしたために、菅・仙石内閣は慌てて船長の釈放を決めたというのが真相のようです。

尖閣衝突事件が9月3日に起きた二週間後の9月17日に、前原誠司外務大臣が就任しました。前原外相は、その6日後の9月23日に、ニューヨークでヒラリー・クリントン米国務長官と会談をしています。

この席でヒラリーは、尖閣諸島は「米国の日本防衛義務を規定した日米安保条約第5条の適用対象である」と発言して、日中対立の火にアメリカが油を注ぎました。

前原外相がこの場で、ヒラリー米国務長官からどような指示を受けたかはともかく、翌9月24日には中国人船長が急遽、釈放されました。

前原外務大臣の逮捕の指令を変更して、中国人船長を釈放せざるを得なくなったために、日本政府は自分たちの責任を覆い隠すように、那覇地検が勝手な判断で釈放したというような報道をさせました。

このように一貫性がなく、何かに翻弄されるような、日本政府の尖閣衝突問題に対する外交方針の迷走ぶりには、はっきりとした原因があります。

それは、日中の領土問題の根底には、もっと大きなアメリカと中国との世界規模の軍事覇権争いという対立があるという事実です。

日本は、歴史的規模で起きている世界覇権をめぐる米中の争いはざ間で、その極東の、アジアの末端における局地戦として起きている「尖閣問題」というつばぜり合いに翻弄されている、ということなのです。

米中の世界覇権をめぐるグランドチェス(地球チェス)ボードの駒(こま、チェスのポーン)でしかないという事実を、私たち日本人がまず厳しく自覚しなければなりません。

自分たちの正確な立ち位置や、国際政治における対応能力を冷静に客観的に見つめて、その弱点も自覚した上で、日本としての対中国・対アメリカの戦略を、国民の総意として決断して行く、という体制を構築しなければなりません。

このたびの尖閣事件も、中国漁船が本当に自ら衝突してきたのか、あるいは、海上保安庁の巡視船が2隻(本当は3隻?)で漁船を挟み撃ちにして追いつめて、しかたなく中国漁船がこすりつけられるように「接触 (始めの頃の報道ではこう表現されていた) 」したのか、本当の事実は、実際はおよそ3時間ほどあると言われる衝突シーンの映像がすべて公開されていないために、検証することができません。

インターネットの「YouTube(ユーチューブ)」にリークされて問題になった流出映像でも、全部で45分くらいしかありません。

これまでの他の中国漁船と同様、日常的な操業を尖閣諸島周辺で行っていた中国漁船の船長が、その日に限って、自分の9倍もの大きさのある巨大な巡視船に衝突し逮捕されたという事態のおかしさを、まず考える必要があります。

インターネットの映像でも、巡視船の目の前でまず、のろのろと漁獲網を引き上げてから、しばらく無抵抗に停船していたところを、突然、わざわざその小さな船体で、意図的に突進した理由が本当にあるのか、ということを冷静に検証されなければなりません。

本当は、記録映像が3時間近く残されているのに、それを国民にも国会議員にすらもほとんど公開していないという事実の方がより大きな問題です。

国民の知る権利を一方的に剥奪しておきながら、その判断の良し悪しや、中国漁船の行為の是非や、中国政府の対応の真意を問うのは、正確な情報を欠いたままで、いくら議論をしても正しい結論に至ることはありません。

公開するべき情報(映像)の報道を、かたくなに拒否し続けるという態度では、疑われてもしょうがない。
その映像のなかに、政府が隠さなければならない何かが写されているのだろうと考えざるを得ません。

結局、海上保安庁の内部の人間(インサイダー)である海上保安官の一人が、その理不尽に憤(いきどお)りを感じて、自ら危険をおかして、その映像をネット上で公開するという事態になりました(対中感情を煽るためにワザとやったという話もあるが、根本の動機はそこにあるのではないかと私は思います)。

現時点で、ネット漏洩シーンも含めて公開されている衝突シーンだけでも、中国漁船の方だけに非があると決め付けるのは、以下のような点で不自然であると指摘されています。

ネット上で見つけた匿名文章ですが、とりあえずということで、細かな確認は行わず、事実らしいと思われる内容をそのまま転載します。

今後さらに正確な事実等が分かった際には、別途追記で補います。

(部分転載引用始め)

●海上衝突予防法第15条(海上交通ルールは道路交通法とは
異なり全世界共通)では、「前方を船が横切る針路の場合は、
相手を右舷側に見る船(相手の左舷側を見る船)が回避しなけ
ればならない」と定められていて、この場合は巡視船に回避
義務があります。
したがって、海難審判庁が判断すれば、漁船に故意があった
ことを勘案しても巡視船が不利になると思います。
なお、第1回目の衝突(接触)は、漁船が巡視船を右舷側に
見ていますので、漁船に回避義務があります。
・・・このことを新聞・テレビがなぜ報道しないのか?

●停船して網を揚げているときなどに接舷・乗船すれば、船長を
いとも簡単に逮捕できたはずであるのに、これを行わずに漁船が
動き出した後に、巡視船が前を立ちふさいだということです。
漁船の船長からみれば、この海域を日本がいわゆる実効支配して
いるとはいうものの、中国漁船の操業をこれまで黙認し続けてきた
(という事実がある)。

●包囲して、衝突(接触)した既成事実が欲しかった(のではないか)。

(部分転載引用終わり)

さらに以下に、そもそも尖閣諸島は、国際的な認識や歴史的な事実としては、日本と中国どちらの領土であるのか。このことを明確に説明してくれる、植草一秀(うえくさかずひで)氏の記事をご紹介します。

植草一秀氏は、野村総合研究所主席エコノミストとして、竹中平蔵金融・経済財政政策担当大臣(当時)が、2001年~2006年まで小泉政権のもとで行った、日本金融市場への海外資本参入(ハゲタカの買収攻勢)を有利にする意図的な日本市場解放政策を批判し続けました。

竹中平蔵と小泉政権こそは、外資の日本企業や優良不動産に対する「対日直接投資」を倍増させることを目指して、アメリカハゲタカ金融資本の手先として、日本の市場開放を強引に行い、日本の優良資産の外資による買い叩きをあからさまに手助けした売国政治家であると糾弾し、粘り強く追求を続けられていました。当時、植草氏は、次期財務大臣に抜擢されるだろうという予測もありました。

その矢先に、痴漢行為の冤罪(えんざい)を負わされて、政界や経済評論家としての地位を奪い取られていました。

(参考:『知られざる真実―勾留地にて―』、植草一秀著、イプシロン
出版企画、2007年8月刊)

現在も一貫して、政界や経済界の真実を伝え続け、国民の利益を最優先する経済政策や政治提言を続ける植草氏の支持者は多く、独自の言論活動を続けられています。昨年6月には、副島先生との共著『売国者たちの末路』(祥伝社)を出版したり、共同の講演会開催されました。

全文は長いので、ここでは重要な箇所を部分引用します。以下のアドレスをクリックして植草氏の主催するホームページにアクセスすれば、本文を直接、読むことができます。

【植草一秀の『知られざる真実』サイトのアドレス】

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-dfaf.html

(転載部分引用始め)

●「尖閣領有問題棚上げ政策についての検証が不可欠」

植草一秀の『知られざる真実』 2010年11月 6日
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-dfaf.html

日本政府は19世紀末に日本が列強の仲間入りを果たすべく海外
進出を本格化させた時期以降、日本が尖閣諸島を領有していることを
強調するが、中国はそれ以前の歴史的な領有関係を強調している。
国際法上は日本の領有が認められるべき事案ではあるが、この問題が
必須の重要事案であるなら、日中国交回復、沖縄返還、日中平和
友好条約締結時に明確化しておくことが不可欠であった。
 
しかし、現実の選択のなかで、1972年に日中が国交を回復し、
平和友好条約を締結する際、尖閣諸島の領有問題について、
「棚上げ政策」が提案され、以後、この棚上げ政策に基づいて
日中両国が対応してきたことは、ひとつの現実的対応であったと
評価すべきである。 
 
外交には常に多くの困難な問題が立ちはだかるが、多くの困難な
問題を直視した上で、現実的な選択を示すことが常に求められる。
尖閣問題を深刻化させずに日中両国が戦略的互恵関係を発展させる
ことも検討に値する対応のひとつである。
 
日本政府は録画映像を当初から公開し、政治判断での問題決着を
当初の段階で取るべきであったと言える。日本外交の稚拙さが
世界の笑いものになっている。
 
衝突映像が流出した問題は、こうした外交問題とはまったく別種の
政府の危機管理能力の問題である。重要機密情報が流出したことに
ついて、真相を解明すると同時に、関係者の責任が厳しく問われ
なければならない。
 
米国に隷属するだけで、国益を損なうことだけに貢献している前原
誠司氏の一刻も早い更迭が求められる。

(転載部分引用終わり)

この度の尖閣騒動の結果として、中国側が軍を動かしたということもなければ、台湾に対して行ったように急な軍事演習をこれ見よがしに始めたということもありません。厳重に抗議を行っただけです。

レアアースの輸出一時停止などは、あくまでも、外交交渉の一貫として、実質的な被害が少ないかたちで、中国政府の面子を潰さない形での対抗姿勢を示したのだと、客観的に冷静に見ると分かります。

反日のデモが中国各地で起こっても、中国政府はあくまで冷静でした。

日本の親米右翼メディアは、ここぞとばかり、真摯な事実調査も行わないまま、反中国の報道合戦を繰り返していました。

実際、中国からのレアアース輸出が一時的に抑制さられても、数年間 (数十年間?) は問題がないだけの備蓄が、日本にあるという報道がされていました。

備蓄量の多少の事実はともかく、世界は現在、今後のレアアースの仕入れ先を、中国の代わりにカナダ、オーストラリア、カザフスタン、モンゴル、ベトナムなどの国からの産出量で、十分まかなえるという見積もりが公表されています。

アメリカも含めてレアアースの輸入の依存を中国に集中させないよう他国へも分散をしなければならないということを公言し始めました。

つまりこれは世界的な資源外交の一部の駆け引きであって、日中間だけの尖閣問題のための報復である、というような勝手な誤った解釈は、日本の外交方針の判断を誤らせるだけです。

大国の中国やアメリカにとっては、世界中のあらゆる国々との国境問題があるのであって、その地域ごとに必ずなんらかの領土問題が存在しています。このたびの尖閣諸島の騒動も、そうした多数の領土紛争のひとつに過ぎません。

日本は「井の中の蛙」を早く脱して、自分たちの問題を考えるときでも、その視点を世界の中心となる中国と、それに対抗するアメリカとという大きな対立の世界観から、日本を大きく見下ろすように考える姿勢を、私たち国民がどんどん積極的に身に着けるべきです。

Libertarian Tokyo 拝