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Loginはこちら【993】[1122]中国の今・・・
中国に実際行って自分の目で見てくるのが一番いいのですか・・・・
お金が・・・・と言う方に・・・・今の中国の力を味わってください!
http://tv.cn/video/c27612/20121108100350-cn35
【992】[1121]オバマ大統領の再選の報道を受けて
副島隆彦です。 今日は、2012年11月8日です。
アメリカ大統領に、現職(インコンベント)のバラク・オバマが大方の予想通り再選された。
日本では昨日7日の昼ごろに確定の報道があった。その後の情報などアメリカ国内にも何もない。アメリカ国民も、皆、そろってどうでもいいよ、という感じだ。今回の米大統領選挙では、ブッシュ時代のような、投票箱の大量紛失やコンピュータ投票の改竄(かいざん)などの必要はなかったようだ。 私の考えを以下にさっさと書いておかなければいけない。
(転載貼り付け始め)
●「 米財政再建、超党派で…オバマ大統領が勝利演説 」
読売新聞 2012年11月8日(木) 1時28分配信
【ワシントン=中島健太郎、シカゴ=吉形祐司】 米大統領選で再選された民主党のバラク・オバマ大統領(51)は7日未明(日本時間7日午後)、地元のシカゴで勝利演説を行い、「政治の現状が示すほど、我々は分裂してはいない。我々はともに未来をつかむことができる」と述べ、財政再建などの課題に超党派で取り組む姿勢を強調した。
オバマ氏は2期目に向け、選挙戦で最大の争点となった景気と雇用の回復や、財政政策などをめぐり先鋭化した党派対立の修復を目指す。
オバマ氏は演説で「財政や税制、移民の問題を解決するため、民主、共和両党の指導者と話し合うことが楽しみだ」とも語り、超党派による議論を呼びかけた。だが、6日の大統領選と同時に行われた上下両院議員選で上院は民主党、下院は共和党が多数派を占めることが決まり、改選前と同様に「ねじれ」状態が続くことが確定している。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。 私の感想は、以下の通りだ。黒人のオバマなど、ただの操(あやつ)られ人形だ。それを、英語で、パペット puppet と言っても、マリオネット marionettoと言っても、難しい日本語で傀儡(「くぐつ」 あるいは 「かいらい」と読む )と言っても同じ事だ。
アメリカ国民も総じて白(しら)けまくっている。日本のテレビ報道でやっているような、オバマ勝利で歓声を上げている、貧乏そうなアメリカ国民たちの映像など、全くアメリカ国民の総体(=大多数)の感情や意見を表していない。
アメリカ合衆国も、帝国(エムパイア)でありながら、日本と同じで、国民、民衆の支持など、どうにでも操作できる、おかしな国なのだ。本当のデモクラシー(代議制民主政体、だいぎせいみんしゅせいたい)は地に堕ちている。腐りはてているのだ。
本当の、真の国民の代表が指導者になって、体を張って、本気で良い国、良い世界を作る、ということなど、遠い昔の話になった。 この地上(すなわち人類史上)に初めてのデモクラシー国家を、1776年の独立宣言で、イギリス国王からの独立を誓って誕生したのがアメリカだ。それが、今は、“世界皇帝“デイヴィッド・ロックフェラー(97歳。死にかかっているがまだ死なない)を頂点とするニューヨークの金融・石油財界の意のままにあやつられる哀れな国になっている。
オバマのことを本当に分かりたかったら、それは、日本の野田ブタ野郎(野田佳彦首相のこと)が、日本国民の代表でもなければ、日本国民の多数意思の本当の体現者でもないことと、全く同じなのだ、と知ることだ。このように気づくと、ハッと大きな真実が分かる。そういうことなのか、と。
アメリカによる100%完璧のあやつられ政治家である野田佳彦とオバマは、全く同じなのだ。本当は国民からすこしも尊敬されていない。ご自分にアメリカ人の友人がいる人は、直接、アメリカ人の本音(ほんね)を根堀り葉堀り聴きだして欲しい。
日本国民のほとんど全員から嫌われている野田ブタが、おかしな仕組みで、日本の首相をやっていることと、黒人(下品な表現では、クロンボと言う。使ってはならない言葉だ。)のオバマが、アメリカ国民の代表の大統領 になっていることは同じ事なのだ。
アメリカ人の大半が、オバマに対して、「あーあ、もういいよ。お前みたいな奴は。さっさと居なくなってくれ」と思っているのだ。こういう真実が、日本国民に少しも伝わらない。そのように日本のテレビ、新聞をすべて敵のグローバリスト(地球支配主義者)に、奪われているからだ。アメリカも同じだ。テレビ新聞は、国民の洗脳のための道具だ。
オバマと奥さんのミッシェルはどちらも優秀な黒人で、人間としても立派で決して愚か者ではない。しかし、どうせ完全な、完璧なあやつられ人間だ。全く何も、何にも、自分では決められない。
本当のデモクラシーは、日本でもアメリカでも、すべて死に絶えている。奪い取られている。この私たちの現実は、どうしようもなく悲惨なほどに重苦しい。アメリカ国民の中の、誠意ある、かつ優れた人々は、もう十分に分かっている。自分たちの国が、どうしようもない強欲人間どもに乗っ取られ、裏側からの非正規の手法で、操られているのだ、ということを。
共和党のミット・ロムニーの方がずっとアメリカ人らしいアメリカ人で、優れた人格者で、金持ちの経営者で、行政手腕もある。それでもニューヨークの金融財界(グローバリスト)どもは、本当のアメリカの保守層の小規模企業の経営者や大農場主たちを中心とする共和党には、今は、政権を任せないと、8年前のブッシュ時代から決めている。
それは、ベン・バーナンキFRB議長が、違法なジャブジャブ・マネー(QE3 のような、量的緩和とか金融緩和という)をやって、米ドル札と米国債という紙切れを、際限なく刷り散らして、軍人や公務員どもの給料を払わないといけないからだ。それぐらい今のアメリカは追い詰められている。
バーナンキに対して、ロムニーも 有力候補者だった、リック・ペリー・テキサス州知事も怒っている。まともな共和党支持者たちは、怒り狂っている。こんな違法行為をやっているバーナンキに対して、ロムニーは首を斬る、と選挙演説の中で公言した。ペリー候補者は、「彼がテキサス州に来たら、殴ってやる」とまで言った。
共和党は、保守で、右翼たちも支持する大政党だが、決して、言われているような、アメリカの軍事力で世界を制圧する、というような人々ではない。 アメリカには、もう、世界を軍事力で支配する力はもう無い、と分かっている人たちだ。だから、ポール・ライアンのような、リバータリアンを副大統領候補にして、もう、これ以上違法移民や貧乏な層までの健康保険の負担を経営者たちが背負うことは出来ない、自分のことは自分のことは自分でやってくれ、という決意だ。
だからアメリカ共和党は今回の選挙で、内部が全く割れること無く団結していた。ただし、自分たちが政権を取って、ニューヨークの金融財界どもと正面からケンカをするのは、得策ではないし、こんなジリ貧の大赤字のアメリカの舵取りなどして政治責任ばかり取らされるのは嫌(いや)なこった、と始めから逃げていた。
私は、民主政体(デモクラシー)を実質で絞め殺して、その上で、わざとらしい表面だけの、適切な手続きだけを演出するアメリカにもう飽き果てている。アメリカ国民の多くも飽き果てている。アメリカにはもう世界を指導する力など微塵もない。このことに私たち日本国民は急いで気づくべきなのだ。
「副島先生。オバマとロムニーどっちが勝つんですか」と、大の大人(おとな)が、私に聞く。 自分自身の脳(頭)そのものが、洗脳されていて、すべての国民政治の制度そのものが、大きなチカラで乗っ取られていることに気付かない。この現状を、私は憂える。自分自身の脳(=思考)そのものを、点検せよ。すべてを疑うべきなのだ。
私がオバマ再選の知らせを聞いた時の、私の感想、感情を正直に書くと、「このクロンボ野郎。お前なんか、もう飽き飽きだ。このあやつられ人間め」である。ここで、最後に、黒人への差別語の凄(すご)いのを教えておきます。
nigger ニガー が差別表現としてはNegro ニグロよりもひどく侮蔑的(このように 「ジーニアス」という日本の学習用の代表の英和辞典にも書いてある)だということは日本人は知っている。しかし、次のゴトバを面と向かってアメリカ黒人にしゃべったら本当に、アメリカだったら裁判所に訴えられる、 “ I sue you . “ か 殴られるでは済まない。
もしかしたら、その場で射殺されるかもしれない差別語が有る。ホントだぞ。それは、sambo サンボ(ウ)です。これを使うと本当に危険です。この語(ワード)もジーニアスに載っている。念のためこのように用心深く私は、書く。気をつけましょう。 分かるかなー?
あー、これだけ書いてすっきりした。 以下は、追加の記事です。
副島隆彦拝
(転載貼り付け始め)
●「 米NY株急反落、オバマ氏再選で「財政の崖」警戒 」
2012年11月08日 11:51 AFP
米大統領選明け7日の米ニューヨーク株式市場は、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領再選で民主・共和両党の対立から米財政への先行き不安が広がり、急反落した。
ダウ工業株30種平均(Dow Jones Industrial Average)の終値は前日比312.95ドル(2.36%)安の1万2932.73ドルと、3か月ぶりに節目の1万3000ドルを割り込んだ。ハイテク株中心のナスダック(Nasdaq)総合株価指数も、同74.64ポイント(2.48%)安の2937.28で取引を終了した。
市場関係者の間では、減税や規制緩和を掲げた共和党のミット・ロムニー(Mitt Romney)候補を好感する声が大きかったことから、オバマ大統領の再選と「ねじれ議会」の継続を受け、来年1月に歳出削減と実質増税が同時に発動する「財政の崖」を回避することが困難になるのではとの見方がアナリストやトレーダーの間で広がり、売りが進んだ。
●「 激戦から一夜…再選オバマ大統領の課題 は? 」
テレビ朝日系(ANN) 2012年 11月8日(木)13時24分配信
激戦となった大統領選挙で再選されたアメリカのオバマ大統領は早速、仕事に戻ったようです。(新堀仁子記者報告)
オバマ大統領は、3時間ほど前に家族とともに地元のシカゴからホワイトハウスに戻りました。通常の仕事モードに選挙モードから戻って、大事な仕事は人事、次の内閣を決めることです。特に中国とわたり合い、日本を含むアジア諸国との橋渡し役を務めてきたクリントン国務長官がスタッフとともに政権を去るため、その後任探しを急ぐ必要があります。
一方、財政問題も待ったなしです。再選を受けて、アメリカのダウ平均株価は300ドル以上下落しましたが、これは下院で野党・共和党が多数を占めるねじれ議会と政権側が何らかの合意を得られなければ、さまざまな減税措置が期限切れを迎え、強制的な財政支出の削減が始まって、来年、景気が悪化することを市場が懸念したためです。
共和党・ベイナー下院議長:「リベラルでも保守でもなく、アメリカ合衆国大統領としてあなたにリードしてもらいたい」 共和党のベイナー下院議長は、こう大統領に迫っています。この財政の危機を無事乗り越えることができるかが、オバマ大統領2期目の最初の試練となりそうです。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
【991】[1120]初めまして
自己紹介。。パート医療職でご飯を食べてます。社会問題をまじめに考えるようになったのは、お恥ずかしい事にここ数年です。医療崩壊からマスメディアが事実に忠実でないと気づき、派遣労働者、二極化の指摘される頃「なぜ世界の半分が飢えるのか(スーザン.ジョージ著、朝日選書)」を読んでアメリカの対外政策を知り、3.11以降放射能問題が喧伝される中で、(原発反対だけどTPP賛成)などという有象無象にぎょっとしながらインターネットの中を彷徨ってopinion leaderを探していてたどり着いたのが学問道場。まだ入会して3ヶ月目の新参者です、よろしくお願いします。
「隠されたヨーロッパの血の歴史」を読んで。本の中で副島先生は「ルネッサンスは1492年のロレンツォ.イル.マニフィコの死亡から急速に終焉に向かった」と書かれています。新プラトン主義の学者達が砒素で毒殺されたとのことですが、この時期外的要因として、疫病の発生と地中海の海賊の跋扈があったのも影響してるのではないでしょうか。 「性病の世界史(ビルギット.アダム著、草思社)」によると、
1493年3月 コロンブス新大陸より戻る。バルセロナで初の梅毒患者。
1494年フランス王シャルル8世、ナポリ遠征。その後、ナポリで梅毒蔓延。
その後、スイス、ドイツ、フランスで広がる。
1498年ポルトガル船の往来により、インドで初の梅毒患者。
1505年中国広東で最初の症例。
1512年日本京都で最初の症例。
1527年梅毒が性交渉によって移る病気の一種と判明。
また、「ローマ亡き後の地中海世界(塩野七生著、新潮社)」によると、1482年マホメッド2世死亡以降、オスマントルコは地中海海賊達を積極的に援助するようになり、ヨーロッパ側の船の襲撃回数が格段に増えたようです。やられっぱなしではいけないとヨーロッパ側が連合してトルコと戦争を始めるのは1502年以降。
つまり、1490年台は謎の疫病が流行して社会不安が増大、また海運業を襲う海賊の脅威で、イタリア都市国家にとっては大変な外圧が続いた時期だったようです。
【990】[1119]フフホト通信(内蒙古自治区から)
中国から石井裕之がフフホト通信をお送りします。
今回は久しぶりの内蒙古編です。ここで知り合った若きビジネスマンを皆さんに御紹介したいと思います。恐らくこの種の事業家が今の中国の経済を牽引しているのだと思います。
彼は現在27歳のモンゴル族の若者です。5歳のときに日本に渡り大阪近辺に住んでいました。18歳の時に神戸大学を受験し合格するのですが、その日本の学校には一度も通うことなく、その年の9月に北京大学の入学を決め大学生活を中国で過ごすことを選択するのです。大学院まで出て就職した先は父親の経営するとある国営企業です。中国から原材料を日本に輸出し、日本で加工した後に再び中国へと送り返し製品化して出荷しています。取引先は超大手企業ばかりです。
そして2年ほど前に、祖父の故郷の内蒙古のフフホトに電力関連会社を作ります。恐らく設立資本金は父親の援助によるものだと思われますが、その辣腕経営ぶりはなかなかのものです。
例えば、彼によると中国には電力供給会社は大きく分けて3社あるというのです。上位2社は中国国家の電力会社です。そして私も知らなかったのですが、3社目が内蒙古自治区政府が経営する電力会社だというのです。
日本では発電と送電が分離されておらず、非常に効率の悪いシステムを延々と継続していますが、中国では完全に分離されています。そして2011年の暮れから売電に対して市場原理を導入することが決まったようです。
それまで赤字続きだった内蒙古電力(仮称)は、安い石炭を使った火力発電所を次々と自治区内に稼働させ、北京や天津、果ては南京にまで電力供給し売電することになっているとか。お陰で今は急速に経営状態が回復したそうです。
何故このような非効率とも思えることがまかり通るのか。それは偏に発電コストによるもの、としか言いようがありません。
例えば南京近郊では火力発電に使用される石炭は1700元/トン(約21500円)ですが、内蒙古では300元/トン(約3800円)にしか過ぎません。
勿論、安い燃料を内蒙古から輸送して南京で発電する、ということも可能ですが、実は輸送コストが驚くほど掛かってしまうのです。
では、石炭を液化してパイプラインで送る、という方法は如何でしょう。
これも現状の火力発電所は熱源を石炭と決めて設計してあるため、発電所の改修費用と石炭の液化コストを考えると、とても割りに合わないそうなのです。
すると、消去方的に発電したものを送電線を使って目的地まで送る。この方法が一番理に適っているそうなのです。
そのビジネスモデルに乗っかって、彼が参画しようとしているのは、何と内蒙古自治区から山東省に新たに売電することが決まったそうで、その際に必ず設置しなければならない風力発電(総発電量の10%は自然エネルギーを利用した発電方法をとらなければならない法律がある)の設備の建設と運営の請負だとか。
しかもその話を淡々と私に流暢な日本語で語ってくれるのでした。
いやいや、末恐ろしいというか頼もし過ぎると言うか。
本当にノビノビと楽しそうに商売の話をする彼の姿勢が実に羨ましくもありました。
日本で果たして27歳の「小童(こわっぱ)」に、このような巨大プロジェクトを任せる風習があるでしょうか。何かと理由(因縁)を付けてその機会を老害が奪ってはいないでしょうか。
ま、私自身のことを振り返ると、27歳当時は合コンの段取りに明け暮れていたように思います。商売のことを考える「ユトリ」は無かったよな~♪
【989】[1118]私は中国の調査から帰ってきました。定例会に集まってください。
副島隆彦です。
私は、中国の調査旅行から帰りました。上海を見て回って、それから重慶(じゅうけい、チョンキンかチョンチンか)と成都(せいと、チョンドゥ)を調査しました。
中国の内陸部の四川省です。 日本の新幹線よりも最新式の高速鉄道が走っていました。地下鉄も、日本の最新式のきれいな地下鉄( 東京の都営線、大江戸線のような)と同じものが走っていました。 来年には、重慶と成都の間(300キロ)を1時間で、走らせるようです。(ジョーダンじゃなく、時速300キロだ)。
全く新しい高速鉄道(新幹線)の線路をどこまででも、全土に張り巡らすように走らせる計画のです。 成都と西安(シーアン)の間800キロを4時間で結ぶものが来年には出来るようです。それに引き換え、日本の新幹線は、この20年技術の進歩がありません。二階建ての高速用の車両をJR東海はすべて潰してしまいました。金持ち(一等車)乗客がいないからだった。 日本の景気衰退(=大不況)は、外側(外国)から、よく見える。
中国はちっぽけな日本のことなど相手にしていません。
日本は、かわいそうだ、アメリカの言いなりだ、と一般庶民までが言いました。中国はまだまだ自分たちの大国の全土での経済成長で忙しい。中国に行って、自分の目で現実を見た者たちだけが、すべてを知っています。 日本のテレビ、新聞の悪質な、反中国キャンペーンが続いています。
私、副島隆彦は、冷酷に事実しか見ない。中国の裏側のまだまだ貧しい姿も、権力闘争も、ずっとえぐり出すように、私の中国研究本の4冊で書いてきました。5冊目を、今から書きます。
中国の消費者物価は安定して(いや、値下がりしています)中国全土が、落ち着いています。日本との尖閣諸島問題は、テレビ、新聞で、地方都市でもやっています。中国人は、うしろにアメリカ(美国、メイグオ)がいるのだと、皆、知っています。
中国の巨大な住宅バブルは、2011年夏に破裂して、今は地方都市でも収束していました。しかし中国政府が少しでも手綱を緩めて、金融緩和(住宅ローンを出しやすくする)に向かったら、再び、巨大な住宅購入の投機が起きるでしょう。少しでも値下がりすれば、いくらでもアパートを買いたい層が、数億人単位でいる。
ただし、すでに3戸、4戸持ってる投機用(投資用)の住宅を5年前から買っている都市の富裕層(中国共産党の地方幹部たちを中心とする腐敗した層、すでに自己資産が2億円ぐらいある者たち)が2千万人ぐらいいるから、ここの国家構造をどうするか、だ。
つまり、もう日本など相手にならないくらい、中国は巨大である。 みなさん、自分の目と、体と、肌で、中国を見にゆきなさい。観光で行きなさい。 ウソばっかりの日本のテレビ、新聞の国内扇動、洗脳記事に、自分が騙されていることに、即座に、気づくでしょう。
私、副島隆彦は、ウソを書かないで、ウソを言わないで、50年間生きてきました。
私が、前年の中国本で書いたとおり、「8億人(いや、9億人になった)農民 と 6億人(いや、7億人だ)の都市住民すべての中国人を、30階建て、1戸の床面積100m²の鉄筋アパートに住まわせる計画、すなわち、中国のシンガポール化計画」が、今も全土で進行中です。
今後は、ある程度良質な高層住宅を、ようやくアパートを1戸しか住宅ローンでやっとのことで買える(頭金が30%、金利7%、30年) 貧しい層にまで、行き渡るようにすることが、国務院総理(首相)になる李克強(りこっきょう)の責務です。
私は、笑い転げたが、李克強は、10月23日に面会した、ゴロツキ人間の、リチャード・アーミテージとジョゼフ・ナイに向かって、
「あなた達アメリカ人が、中国と日本の領土紛争(釣魚島、ディアオユー・ダオ、うおつりじま)を仲介しに来たなどど、盗人たけだけしいことはやめなさい。しかも、あなた達、下っ端では役不足で、とてもではないが相手(対手、あいて)にならない。お帰りください。」
と 即座に、たったの15分で、追い返された。ナイと、アーミテージと、キャンベルは赤っ恥で、日本に戻ってきた。そして何食わぬ顔をして今日27日は、早稲田大学で、こいつら日中の火付け、強盗、扇動、人殺しの張本人どもの学生相手の公開のシンポジウムがある。
(転載貼り付け始め)
●「中国政府、アーミテージ氏による日中紛争調停を「拒絶」=中国報道」
2012年10月23日 サーチチャイナ
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1023&f=politics_1023_004.shtml
中国メディア・鳳凰網は23日、同日より訪中するアーミテージ元米国務長官一行について、中国政府外交部の洪磊(こうらい)報道官が「日中領土問題を語る権 限はない」とけん制するコメントを発表したことを伝えた。
記事は、アーミテージ氏一行が22日に日本で野田佳彦首相と玄葉光一郎外相と会談、尖閣諸島問題について日本側に対し冷静な対応を求めるよう要 求したと伝えた。
そのうえで、洪(こう)報道官が22日の記者会見において「アーミテージ氏一行は中米関係や中米共通の関心事について意見を交換することになるだろう」 と語る一方で、一行には「いわゆる『調停』や『斡旋』を行う職務は(彼らには)存在しない」と発言したと報じた。洪報道官の発言について記事は「中国が米国元高官による日中紛争調停を拒絶した」と伝えた。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。日本国民にとっての真の大悪党である ナイとアーミテージ(本当に歯並びがキタナイ。下品。暴力団)がまさに、張本人であり、日本を扇動して使嗾(しそう、けしかけ)して、中国に戦争(=軍事衝突)を仕掛けようとしているのだと、中国から見たら丸見えに見えている。
ナイとアーミテージはこういうズーズーしいことを恥も外聞もなくする。アメリカ帝国の内部でも最大級の極悪人で、超ハレンチ人間どもだ。
私の中国の現地報告も、来る11月3日の私たちの定例会(講演会)で元気よく話します。しかしこの定例会は、あくまで予定どおり、お知らせしていました通り
(転載貼り付け始め)
定例会(講演会)開催のお知らせ!
演題『ミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、ダンテ、マキアベッリ、
メディチ家、ルネサンスとは何だったか』
講師:副島隆彦/松尾雄治研究員
開催日:2011年11月3日(土)
会場:(財)全電通労働会館 全電通ホール
開場 12:15
開演 13:00
終了 16:30
主催:副島隆彦を囲む会
11月3日定例会へのお申し込みは、コチラ↓
http://soejima.to/cgi-bin/kouen/kouen.html
(転載貼り付け終わり)
のとおりです。会員と友人の皆さまは、お時間のある人はどうぞお集まりください。
私は、この日は、今日から全国の書店に並んでいるはず(発売日、10月27日)の、私の最新刊の本、アルル君が、下 ↓の 投稿文でお知らせしましたおり、『隠されたヨーロッパの血の歴史』(KK、ベストセラーズ刊)を、教科書として使っての講義、授業のようにします。
当日、会場でも販売します(1600円プラス消費税)。4時間はしっかりと授業をします。居眠りはさせません。 私、副島隆彦が、ミケランジェロとメディチ家とルネサンス(renaissance フランス語。本当は、Rinascimento ルナシメント)の 巨大な真実を読み破った、ことの報告の集会です。
丁度この500年間、隠されてきたヨーロッパの世界最高の、文化、芸術、美術運動として封じ込められてきた、ルネサンス思想政治闘争の巨大な真実を、解明したことを高らかに宣言します。 ヨーロッパ(人)とは何か。人間とは何ものか。の大きな疑問への答えです。会員の皆さん、集まってください。
目先の、金融・経済崩れの再度の大波や、それから日中で軍事衝突をさせられる大きな構図のことを、含めたそれらずべてを包み込む 人間(人類)の構造体(ストラクチュール)の根源に向かって、私、副島隆彦は手に一本の槍を持って突っ込んでゆきます。ドンキオウテ(ドンキホーテ)だと嗤(わら)わば笑え、です。
ミケランジェロと彼ら人文主義者(ウマニスタ umanista、のちのヒューマニスト)を育てた、老コジモ(コジモ・イル・ベッキオ)、偉大なるロレンツオ(ロレンツオ・イル・マニフィコ !)の偉大さ ! を話します。そして、押し潰され歴史の闇に葬られた(今も!世界中で)新プラトン主義( academia neoplatonica アッカデミア・ネオプラトニーカ)の抵抗運動が持った意味。
この人文(じんぶん)主義者たちが、フィレンツエでこの後(あと)、皆殺しにされていった、この近代ヨーロッパ500年間 の最大の秘密を、私、副島隆彦が解き明かしたことを記念する講演会です。ダンテの『神聖を装った喜劇』(ディヴィーナ・コメディーア、×『神曲』)の真実も明かす。歴代のローマ教皇(法王)たちが、どれぐらいの大悪人であったかを、公然と暴き立てている。それがヨーロッパ近代文学の始まりである。
現代ヨーロッパ思想のニーチエ、ハイデガーを、真に分かることにつながる。偉大なるモーツアルトもこの系譜につながる。ここが分からなかったら、日本人は東アジア土人のままなのだ。是非、来てください。まだ席はあるそうです。もうすぐ満杯になります。
以下が、私が、この本を書き上げ中に出会った新聞記事です。 イエス・キリストとその奥さまの マグダラのマリア の 真実こそは、ダ・ヴィンチが「最後の晩餐」(1495年)描いた真実である。それがヨーロッパ中に一気に、ざわめきとなって広がった。しかし、真実は、口に出してはならないものとして現在につながっている。このことも話します。
(転載貼り付け始め)
●「キリストの発言記したパピルス片発見、「私の妻は」の記載」
2012年9月19日 CNN
http://www.cnn.co.jp/fringe/35021911.html
米ハーバード大学の研究者が18日、イタリア・ローマで開かれた学会で、キリストの妻についての発言を記載した古いパピルス片が見つかったと発表 した。
発表を行ったのはハーバード大学神学校のカレン・キング教授。パピルスの紙片は縦3.8センチ横7.6センチほどの大きさで、エジプトのキリスト 教徒が使うコプト語の文字が書かれている。この中に、「キリストは彼らに向かい、『私の妻が…』と発言した」と記された一節があった。
紙片は個人の収集家が所蔵していたもので、2011年にハーバード大学に持ち込まれ、キング教授が調べていた。ニューヨーク大学の専門家に鑑定を 依頼した結果、本物のパピルスであることが確認されたという。キング教授によると、内容はキリストと弟子との対話を記録したものとみられ、2世紀半ばごろに書かれたとみられる。表裏の両面に文字が書かれてお り、書物の1ページだった可能性もあるという。
ただしこの紙片は、キリストが結婚していたとする説を裏付ける証拠にはならないとキング氏は指摘する。一方、キリストが未婚だったことを裏付ける 証拠もないといい、キング氏は記者会見で「キリストが結婚していたかどうかは分からないという立場は、以前と変わっていない」と強調した。
聖書には、キリストの結婚について触れたくだりは存在しない。しかし結婚していたとする説は以前からあり、聖書に登場する「マグダラのマリア」が 妻だったとする説は、ヒット小説「ダ・ヴィンチ・コード」(ダン・ブラウン著)でも利用された。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。一体、私たちが生きている今とは何か。ひとりひとりは、牢獄につながれたようにして自分を締め付けている毎日の現実という地獄(インフェルノ inferno)の中で生きている。
すべての人間(人類のすべて)にとっての、地上最大の、諸悪の本源は、何であったか。 副島隆彦は、この秘密の大きな謎を、ついに自分の60年の人生を賭けて解明しました。そのことを高らかに宣言します。
私たちは、己(おのれ)自身を、冷ややかに外側から、「今、自分の前を、雑踏の中を別の自分が歩いて通り過ぎてゆくのをみつめる」ように見ることが出来るならば、今の自分とは違う、もっと強い、本物の知識と思想と近代学問で武装した自分になるだろう。大きなウソに気づき、もう、ダマされない、と堅く決意するなら、次の新しい、人類(人間)の時代が始まる。
500年間もの間、ヨーロッパで眠り込まされて、押し潰されて来た、大きな真実に、今、私たちは、東アジアの日本の地から、「本当の真実に気づいたぞー!」という叫び声を上げなければならない。 私は、本気でそのように思っています。
目の前の 生活苦と、夢(未来への希望)の無さに、打ちひしがれている、しょぼくれている暇(ひま)など、この私にはない。ミケランジェロの魂が、私を鼓舞(こぶ)してくれる。
来たる11月3日の定例会の当日は、金融バクチ市場の現場で最先端の仕事をしている松尾雄治君に、私の前座で、「金融取引の現状。どんなものすごい事が起きているか」を話してもらいます。乞うご期待。
副島隆彦拝
【988】[1117]定例会『ミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、ダンテ、マキアベッリ、メディチ家、ルネサンスとは何だったか』の更に詳しい予告
副島隆彦を囲む会の中田安彦(アルルの男・ヒロシ)です。
本日は、11月3日(土)に開催の囲む会主催定例会『ミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、ダンテ、マキアベッリ、メディチ家、ルネサンスとは何だったか』の更に詳しい予告をお知らせします。
この講演会は、新著『隠されたヨーロッパの血の歴史:ミケランジェロとメディチ家の裏側』(KKベストセラーズ)の発刊記念講演会ですが、「芸術の秋・文化の秋」の開催にふさわしく、これまでの講演会とは打って変わって、現在の政治・経済・金融の土台となっているヨーロッパ近代世界のさらにその土台を形成している「イタリア・ルネサンスとは何か」ということがテーマです。
新著『隠されたヨーロッパの血の歴史:ミケランジェロとメディチ家の裏側』(KKベストセラーズ)は10月26日発売です。
今回の講演会の目指す内容を一言で言えば、
「イタリア・ルネサンス芸術について詳しくなれるうえ、さらに欧米近代資本主義につながる14世紀から18世紀に至る欧州の歴史がざっくりと理解できてしまう」
ということです。「宗教・芸術」と「政治・経済・金融」の結びつきをはなします。そして、今回の主役は、イタリアの彫刻家・ミケランジェロ、フィレンツェ金融を支配したあのメディチ家(ハウス・オブ・メディチ)、そして、ルネサンスから数百年後にその本質を読み破っていた、ドイツの思想家のフリードリッヒ・ニーチェ、そして日本の左翼文化人である羽仁五郎(『都市』や『ミケルアンジェロ』など岩波新書の名著がある)です。
ひょっとすると、フランスの占星術師・予言者のノストラダムスも登場するかもしれないです。
イタリア・ルネサンスとは何か?このことを副島先生は新著で次のように端的に要約しています。
(引用開始)
ここでだめ押しで、ルネサンスとは何であったのかの初源問題に立ち返る。繰り返し、繰り返し書いてきたとおり、ルネサンスとは1439年にフィレンツェで開かれた公会議以来の、約60年間のことだ。この時、フィレンツェのアッカデミア・ネオプラトニカを作っていった新プラトン主義者たちの大きな思想運動のことを、ルネサンスと言うのである。
これ以外のくだらない定義をする者がいたら、それはローマ・カトリック教会の回し者が、人間の自由の精神に対する卑劣な裏切り者(転向者)たちである。わずか60年間でルネサンス運動は圧殺されたのである。ルネサンスは圧殺されたのだということをヨーロッパの学者も日本人もアメリカ人も言わない。ずるずる、ずるずるとこの真実を500年間ひきずって、あちこちで少数の人々がぶつぶつ言い続けてきたかもしれない。だから私がこの本で、この真実をはっきりと書かなければ済まないのだ。(中略)
副島歴史学は、「人類を動かす巨大なエネルギーは、ある時に急に一斉に沸き起こる”民衆の熱狂”である」というものだ。熱狂史観 と呼んでもいい。あるとき、それまでの巨大なウソと欺瞞に気づいた少数の優れた人々が出現して、わめき始め、そしてそれが思想運動になる。宗教運動であれ、民衆暴動のような動きであれ、世界を席巻して途方もない巨大な行動の爆発となって現れることがある。
15世紀イタリア、フィレンツェに現れたルネサンスという思想運動は圧殺された。だから「北方ルネサンス」の名で北ヨーロッパに伝わって成立した「近代」とは、別の現象だと私は考える。このあたりのことをヤーコブ・ブルクハルトを始めとして学者たちがきちんと分類してこなかった。それが問題なのだ。
(引用終わり)
このように、今回の講演会では、これまでも何度となくふれてきた、ローマン・カトリックの巨大な偽善についても触れますし、その後登場した、合理性(ラショナリティ)を重んじるイルミナティの思想や金融ユダヤ人が作り上げた現代も続いている、モダン・キャピタリズムの話も必然的にすることになるでしょう。しかし、これまでの講演会ではまだどこか全体像が見えなかったところが全部つながっています。
それはヨーロッパ近代の始まりはこれまでの北ヨーロッパの国々だけを見ていては理解できない、ヨーロッパ大陸の全体の歴史をながめて初めて理解できるからだということが、今回の『隠されたヨーロッパの血の歴史:ミケランジェロとメディチ家の裏側』(KKベストセラーズ)の本を通じてわかります。この本には私も全く知らなかった歴史の謎が次々が登場します。それが一つ一つ、ルネサンス芸術の中に表現されているわけです。
例えば、新著では、以下の絵画が非常に重要な意味を持つと説明されていますが、私はこの絵を見るのも初めてでした。
この絵では知識人たちが周りをきにしながらヒソヒソと話してあっている姿が描かれている。この絵に描かれている知識人たちはメディチ家の支援でルネサンス文化の担い手になった人たちです。なぜヒソヒソと話し合っているかというと、ローマ・カトリックの異端審問官に自分たちの話を聞かれるを恐れているからです。カトリック教会にとっては許すべからざる異端思想が飛び交う場が、メディチ家が支援して設立した「アカデミカ・ネオプラトニカ」というサロン(集まり)です。既成権力(エスタブリッシュメント)であるカトリック教会から見れば、「秘密結社」であるものは、一方から見えれば、「支配から脱するための拠点」になるわけです。
カトリック教会は異端者を以下のルネサンス絵画のように「悪魔」のように描いていた。知識人たちはそれを恐れていた。ルネサンスは商業資本によって支えられた、反カトリック教会の政治的抵抗運動だったということです。
有名なミケランジェロのダヴィデの彫像は抵抗運動その象徴でしょう。
今回は、この夏に副島先生がルネサンス芸術の本拠地である北イタリアに取材旅行を刊行した成果である新著の内容を著者自らが徹底解説し、学問道場の道場生(会員)の皆さんに、500年続いた近代世界の生まれ出る瞬間を体感して頂きたく思います。
講演会では新著のいたるところに登場するルネサンス絵画・彫刻の名作が持つ「本当の意味」というものを、「暴き系言論人」の総本山であるところの副島隆彦が、解説します。これまでの講演会では、政治権力者に対する暴きを繰り返してきましたが、今回はイタリア・ルネサンス芸術とは何かということを、政治評論の世界で磨き上げた「読み破り」を駆使して行います。
書籍では白黒でしか掲載されていないルネサンス芸術のカラー写真もできる限りスライドで使用する予定です。
また、講演会の前半(約1時間)では、副島先生が金融知識があると認めた、金融の実務の場を経験している松尾雄治氏が、いまのグローバル金融の真相を皆さんにわかりやすく説明します。具体的には、「超高速取引(ハイ・フリクエンシー・ロボット・トレーディング)が金融市場を崩壊させる危険」と「日経平均の相場はアメリカ国内CMEで決まる」という複雑な現代金融市場の裏側を話していただくことになっています。
後半の一部でもイタリア金融統制に抗議活動を行うコメディアンの話や、前半の話を踏まえての副島先生の解説も時間があれば聞けるかもしれません。
前半は金融の話ですが、金融業界の裏側の仕組みの話なので、具体的な投資に興味が無い人でも楽しんでいただける内容になると思います。イタリアから始まり、オランダ・イギリスを経て米国にたどり着いた、モダン・キャピタリズムがどのような結末を、いま迎えているのか、という風に考えても面白いかもしれません。
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【987】[1116]エース交易の創業者が掘った墓穴
松尾雄治です。
FACTA Online 2012年11月号から転載します。
(貼り付け始め)
エース交易の創業者が掘った墓穴
ハゲタカに持ち株を高値で買い取らせ、7億円の借金を帳消しにする悪だくみが瓦解。
エース交易(ジャスダック上場)の創業者、榊原秀雄氏(81)が自己破産に追い込まれそうだ。
10月初め、同社の代表者が連名で、榊原氏が返済を怠った約7億円の一括返済を求める内容証明を送りつけたからだ。1週間以内に返さない場合、榊原氏が担保として差し入れたエース交易株(時価約5億円)と田園調布の一等地にある邸宅(時価約3億円)への担保権を行使する構えだ。榊原氏の自宅には、先に大手銀行が4億円強の根抵当権を設定しており、7億円全額の支払いはほとんど不可能。エース交易の「ゴッドファーザー」と崇められた創業者は窮地を抜け出せるか――。
発端は、前号(「ハゲタカの餌食」エース交易社長を解任)で報じたとおり、4月にエース交易が米投資会社タイガートラストグループと資本業務提携を結んだことに遡る。エースが発行する新株をタイガーが約8億円で買い取り、筆頭株主になるという合意のもと、タイガーはジョン・フー会長以下4人の取締役を送り込み、牧田栄次社長以下の生え抜き役員を制圧した。経営権を握った会長派は、タイガーの子会社の株式を、十分な資産査定をしないまま約16億円で買い取ることを要求。「特別背任の疑いがある」と抵抗する社長派と衝突した。
するとハゲタカの親玉、「エボリューション・キャピタル」のマイケル・ラーチ代表が来日し、榊原氏と結んだ「秘密契約」を暴露した。そこには、榊原氏が保有するエース株を時価の約3倍(1株当たり710円)で買い取る代わりに経営権を譲り渡し、エースがタイガーの子会社の株式を買い取る資金還流により、榊原氏の借金を帳消しにするスキームが描かれていた。
怒り心頭の「ハゲタカ」
9月6日、創業者と結託したハゲタカの策謀に怒った牧田社長が資本業務提携の解消と外部専門家による第三者調査委員会の設置を公表すると、フー会長が牧田社長の解職を発表するという稀に見る泥仕合となり、当局が事情聴取に乗り出した。
9月24日、エースは日米役員間に誤解があり「相互に謝罪した」と発表。牧田社長は再任され、外国人役員1名が辞任することにより、会長派と社長派の取締役を同数とする「手打ち」が成立した。とはいえ、食らいついたハゲタカがタダで引き下がるはずはないだろう。
ラーチ代表、フー会長は米プリンストン大学出身の俊英で、日本でのレピュテーション低下に怒り心頭だという。なぜなら、「借金塗(まみ)れの創業者の負債を帳消しにするスキームを持ち込んだのは、エースの前経営陣だった」(関係者)からだ。
エースを創業した榊原氏は47歳の若さで社長を退き、2010年に退任するまで32年にわたり会長の座にあった。その間、8人の社長のクビをすげ替え、有無を言わせぬ「ゴッドファーザー」として君臨した。95年に業界初の株式公開を果たし、巨万の富を手にした頃が絶頂期。榊原氏の持ち株は500万株を超え、その口癖は「会社は資本の論理」だった。
その榊原氏が借金地獄に落ちたのは00年頃。本人は否定するが「株と相場の失敗」(元役員)との見方がもっぱらだ。エースの子会社である興栄商事が、榊原氏の自宅に15億円の根抵当権を設定し、興栄商事から日栄興商なる榊原氏の個人会社に数千万円単位の貸し付けが繰り返され、貸付総額は7億円を超えた。その日栄興商の登記簿の目的には「有価証券の売買」「競走馬及び証券の投資業」とあり、その所在地は榊原氏の女性秘書の自宅というから、コンプライアンス不在も甚(はなは)だしい。
監査法人につつかれたエース前経営陣は、09年3月に榊原氏個人に新たに7億3千万円を貸し付け、興栄と日栄の貸借を解消させた。翌年、榊原氏の保有株と自宅に担保権を設定し、年間2400万円を返済させる契約を結んだ。しかし、この条件では、返済まで40年以上かかるため、当時79歳の榊原氏からの回収はほぼ不可能。おまけに、同年6月の取締役会で田中孝男前社長一任のもとで、榊原氏へ6億8千万円の退職慰労金の支給を決定し、取締役を退いた榊原氏に毎月300万円の相談役報酬を払うことも決めたが、懸案の7億円の借金の弁済を求めた形跡はない。この常識外れの顚末は、榊原氏がクビをすげ替えた8人目の社長、田中孝男氏(現顧問)と、経済産業省元審議官の石海行雄副社長(現特別顧問)が主導したという。監督官庁から天下った石海氏が果たした役割と責任が問われる。
前社長らの「特別背任」か
そして、「純資産が100億円もある会社の創業者が借金で困っている」と、タイガーにエース売却を持ちかけたのは、エースの子会社、アルバース証券の田原弘之社長とされる。榊原氏が身を乗り出し、ラーチ氏との間でエース株の高値買い取りと経営権譲渡をセットにした秘密契約が結ばれたのは5月中旬のことだった。
創業者とはいえ、取締役を退いた榊原氏には何の権限もない。ハゲタカと手を組み、己の借金を帳消しにする榊原氏の悪だくみを知りながら、資本業務提携を推し進めた田中社長と石海副社長には特別背任の疑いがかかる。二人は今年6月に揃って退任したが、田中氏は退職金の上乗せと顧問の座を得、石海氏も特別顧問に就任した。榊原氏の命令で厚遇が決まったという。
今年2月、エースの子会社であるマックスマネー・インベストメントに国税庁の税務調査が入り、桜沢(本名・川田)勝行社長が部下の業績給を上乗せし、会社に4千万円もの損害を与える横領事件が発覚した。外資系証券会社を渡り歩いた桜沢氏は榊原氏に気に入られ、エースの証券運用室長にスカウトされた人物。09年に榊原氏の指名でマックスマネーの社長に就任した。さらに、桜沢氏が部下から集金する際「(榊原)会長に渡す現金だ」と説明しており、榊原氏への資金還流の疑いが浮上した。「あり得る話」と関係者が口を揃えるのは、昨夏、不祥事が発覚した際、桜沢氏は榊原氏のもとへ駆け込み、厳罰を免れたからだ(減給処分)。そして、榊原氏の命を受けた石海氏が火消しに回り、桜沢氏は取締役として残った。4千万円の横領が見つかり、国税庁から追徴課税を受けた社長が取締役に居座るなど常識的には考えられない。
榊原氏は今も本社で社長より大きな執務室に陣取り、「主人を噛んだ犬は撃ち殺すんですか、野良犬にしてやるのですか」と、牧田社長派の謀反への怒りを隠さない。しかし、もはや敗残の老ライオンに近寄る者はない。冒頭の一括返済請求は、日米現経営陣の「縁切り宣言」。立志伝中のエース交易の創業者は墓穴を掘ってしまった。
(貼り付け終わり)
松尾雄治 拝
【986】[1115]SBIが「身売り」工作失敗
FACTA Online 2012年11月号から転載します。
(貼り付け始め)
SBIが「身売り」工作失敗
かつての盟友、孫が同席し、北尾がヤフーの宮坂社長に「証券と銀行以外を買ってくれ」。答えはノーだった。
その会合の顔ぶれには、誰しもギョッとするだろう。
一席を設けたのは、本誌が徹底追及を続けてきたSBIホールディングスの総帥、北尾吉孝である。9月上旬、彼のたっての希望で「奇妙な会合」が開かれた。
以前、SBIの中枢にいたことのある人物から、同月半ばに本誌にその情報がもたらされた。何の用件かは事前に知らされていなかった、という
この席には北尾以外にあと3人。ひとりは北尾のかつての“盟友”、ソフトバンク社長の孫正義である。残る2人は、この6月に日本のポータルサイト大手ヤフーの社長になったばかりの宮坂学と、元同社最高幹部の人物だった。
誰よりも北尾が「来てくれ」と懇願したのが孫である。ヤフー会長を兼任し、ソフトバンクはヤフーの筆頭株主でもあるが、それだけではない。いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの孫に、1990年代後半に負債に苦しんでいたソフトバンクのために北尾が資金繰りを一手に引き受けた時代を思いだしてもらいたかったに違いない。
「同窓会」で虫のいい提案
ヤフー新社長の宮坂を会合に引っ張り出したのは元最高幹部である。北尾は95年に野村を辞めてソフトバンクに入社したが、この男も翌年、野村の金融法人部からソフトバンクの財務部次長に転籍した。まだ海のものとも山のものともつかなかったソフトバンクを財務、金融で支えたのが北尾だったことを考えれば、ある意味、会合は同窓会のような趣がないわけでもなかった。
それにしても奇異な集まりだ。なぜこのタイミングで、このメンバーが集まらねばならなかったのか。
答えは簡単だった。
北尾にはどうしても会わなければならない相手がいたからだ。かつてのパートナー孫ではなく、ましてや元最高幹部でもない。北尾意中の人物は、44歳の若きヤフー社長、宮坂だったのである。
折り入ってのお願いが北尾にはあった。けれども、自分の子どもほどの年齢の宮坂を前にして、ものを頼むようなへり下った口調ではなかった。
「うちの証券と銀行以外のものを買ってくれないか」
自分のやることに絶対の自信を持ち、人に頭を下げて頼みごとなどできぬ北尾にすれば、ソフトバンクの孫や、それに連なるヤフーの面々は、比較的気安い相手ではあっただろう。だからこそ、わざわざこんな一席を設けたのだ。
しかし、北尾が除外した「証券」とはSBI証券のことだろうし、「銀行」とは三井住友信託銀行と組んだ住信SBIネット銀行のことだろう。
つまり、北尾が常々、「金融コングロマリット」だの「金融帝国」だのと豪語していたグループを、トラの子だけ残してほぼそっくり「ヤフーに買って欲しい」という虫のいい申し出だったのだ。
巨額買収控えて孫は無言
いつか、どこかで見た光景だ。そう、15年前の97年に自主廃業に追い込まれた山一証券の最終局面に似ている。
債務超過にもかかわらず、監査法人とグルになって、ありもしない数字をでっち上げ、それもできなくなると、山一は身売り話をところ構わず必死に持ち歩いた。
見届け人として孫の同席は必須だったのだ。いや、口にこそしなかったものの、孫の口添えを、心の底では大いに期待していたのではないだろうか。
本誌前号(「SBI韓国投資先が騙る『孫のフンドシ』」)でも既報の通り、SBIの投資先である韓国の現代スイス貯蓄銀行は、現地でSBIがソフトバンクの関係会社と混同されていることを最大限に利用している。そして今回も北尾が頼ったのは孫。この奇妙な会合も、孫の同席なくしては成立しなかった。
宮坂は何と答えたのか。
「せっかくですが、うちには必要ないですね」
北尾とは何の接点もない、いわば貸し借りがないだけに、とりつくしまもない即答だった。
かたわらの孫は無言だったようだ。それはそうだろう。孫の頭のなかは、大詰めを迎えていた業界4位の携帯電話会社イー・モバイルの買収交渉、そしてその先には全米第3位の携帯電話会社スプリント・ネクステル、同5位のメトロPCSコミュニケーションズの買収計画が控えていたのだから。全部を合わせれば買収総額は優に2兆円を超す。その壮大な計画で、孫は気もそぞろだったはずだ。
明らかに大した価値もないサプリメントの会社(SBIファーマ)で決算の辻褄を合わせるようなSBIに、今さら興味などあるはずもなかった。宮坂とて、スマートフォンの普及でパソコン向けポータルサイトが苦しくなっているのに、お荷物のSBIなどしょいこむ必然性がない。
情報提供者の語る身売り工作の経緯は詳細だった。ほぼ同時にこれと符合する別の情報が入ってきた。「SBI損保をSBIの人間が持ち歩いている」。持ち歩いている、とは買い手を物色しているという意味だ。北尾自身が証券、銀行を除いたとはいえグループ身売りを画策し、その一方で中核をなす損保会社の売却に奔走する。まさに山一のデジャヴである。
本誌はすぐにヤフー関係者に接触した。すると、この会合が事実であることをあっさりと認めた。そしてヤフー前社長の井上雅博は海外旅行中だったので、会合に出ていないことも確認できた。
明暗を分けた孫と北尾。北尾が孫の大番頭を務めていた時代、SBIの前身であるソフトバンク・インベストメントが97年にソフトバンク・コンテンツファンドを組んだ。このファンドには、モーニングスター日本法人とユーティスターコムという優良銘柄が組み込まれていたが、いつのまにかこの2社の株がソフトバンク本体の組成するベンチャーキャピタルファンドに組み替えられていたことがある。
一口1億円で出資していた投資家たちが怒って抗議の電話が殺到した。孫は「あれはキー(北尾)ちゃんがやったんだ」と言い、北尾は「あれは孫さんの判断」と押しつけ合うばかりで埒が明かなかったという。投資家の中には真剣に訴訟を検討したところもあったが、結局は見送られた。
北尾はかつて“一心同体”だった孫の顔をどんな思いで見つめていたのだろうか。
9月期末にまた無理算段
しかし、感慨にふける暇は北尾にない。すぐに9月中間決算発表がやってくる。9月期末の数字を作らねばならない。北尾が豪語していた「金融コングロマリット」は今や完全な決算操作グループでしかない。
今回はSBI損保がそれだ。
9月28日に第三者割当増資で60億円を調達したかと思えば、10月1日には19・9%(54万株)をウェブクルーに売却を発表。売却価格は16億2千万円だった。
06年以来、SBIがこの損保に投下した資本はおよそ221億円にも及ぶ。19.9%を売却した時点の純資産は約122億円。逆算すれば損保会社の企業価値はたったの65億円に過ぎないことになる。
話はこれだけで終わらない。
SBIは売買契約時にウェブクルーの時価総額の10%を上限として、かつ16億2千万円を上限としてウェブクルー株を株式市場で取得するとなっていたことから、ウェブクルーの買収のおよそ10億円分はSBIが自ら用意したことになる。
時価総額およそ101億円のウェブクルーにすれば、これぐらいの条件でなければ赤字垂れ流しの損保会社を買うことはできなかったのである。
哀れなSBI。こうまでしなければ期末の益出しが、数字上でもできなくなっているのだ。SBIキャピタルソリューションズやSBIジャパンネクスト証券も益出しに使われた。SBIキャピタルソリューションズにいたっては、譲渡先さえ明らかにされないという有り様。本誌が4月号で報じた疑惑のホメオスタイル(現・ナノスタイル)と同じ構図だ。そのホメオスタイルは債務超過に転落。SBIが同社に貸しつけた15億円以上をどう処理するつもりか。
末期癌の様相だ。SBIの生命線は利回りをちょっぴり高くした短期のSBI債だけ。その格付けを維持するために赤字決算だけは何としても食い止めなければならない。10月11日にも1年債を100億円発行したが、主幹事の大和証券も、格付け会社のR&Iも、そして監査法人のトーマツも、いつまでこんな罪つくりを続けるつもりなのだろうか。(敬称略)
(貼り付け終わり)
松尾雄治 拝
【985】[1114]羽仁五郎著「ミケランジェロ」を読む(2)
羽仁五郎著『ミケランジェロ』を読む(2)田中進二郎
羽仁五郎氏についての簡単なプロフィールがありましたので、おそくなりましたが紹介します。「日本の名著」(中公新書)p202より引用します。
(引用開始)
羽仁五郎 『東洋における資本主義の形成』
はに ごろう 1901年、森宗作の子として群馬県桐生に生まれる。1918年、一高に入って
村山知義らと交わる。21年、東大法学部に入学、まもなく中退。同年ヨーロッパに行き、翌年からハイデルベルグ大学でリッケルトに師事して歴史哲学を学び、マックス=ウェーバー家に下宿し、遊学中に大内兵衛(おおうち ひょうえ)、三木清(みき きよし)らと交友する。このころからマルクス主義に傾倒し、24年帰国、東大国史科に入学。29年日大教授となり、旺盛な執筆活動を始め、32年から『日本資本主義発達史講座』の編集・執筆に参加して、近代日本の構造とその特殊性を分析、批判した。(野呂栄太郎、平野義太郎、山田盛太郎らとともに「講座派」のひとり)『史学雑誌』に「東洋における資本主義の形成」を発表した翌33年治安維持法で検挙される。44年、中国に行き、北京で再び逮捕される。敗戦は獄中で迎えた。戦後、日教組の組織化、国会図書館の創設にも力を振るった。49年、参議院議員に当選する。著書に『明治維新』『明治維新史研究』『白石・諭吉』『都市』など
1983年死去。
(引用おわり)
(以下ウィキぺディアよりしらべたことを加筆します)
68年『都市の論理』はベストセラーとなり、新左翼運動の革命理論家的存在となった。
イタリア史学関連では『ミケランジェロ』のほかに、べネデット・クローチェ著『歴史叙述の理論及び歴史』の訳(1926年 岩波)、『マキャべリ 君主論 その歴史的背景』(1936 岩波)、『クローチェ』(1939 河出書房)『イタリア社会史』(1952年 岩波)がある。
『東洋における資本主義の形成』の解説(本文 p205)を読みながら、「おや、これは、副島先生の研究の源流なのだろうか。」と思ったところは、次の点です。
講座派の野呂栄太郎の『日本資本主義発達史』や山田盛太郎(やまだ もりたろう)の『日本資本主義分析』という明治維新において「近代社会」が形成された経過、理由、特質の分析がすすめられた。(これはマルクス主義の段階的発展史を日本に適応させる手法だ。)が、歴史学の固有の問題意識からすると、日本の資本主義をアジアや世界の連関からきりはなし、いわば孤立現象として取り扱う方法論は不十分だった。そこに「歴史家」羽仁五郎が登場してきた。(ここからが重要だ。)
「明治維新は、アジアの中の日本が17世紀、18世紀の西洋ではなくて、19世紀後半の欧米資本主義との接触を契機にして行われた変革なのである。」このことを羽仁氏は『東洋における・・』において発表したのである。
この視点は副島先生の明治維新論(大英帝国のグレートゲームの中の明治維新)というのと共通しているのではないかと思った。副島先生がこの秋に出された『ロスチャイルド 200年の栄光と挫折』のような研究を、戦前の『講座派』も羽仁五郎氏を先頭にとりくみはしたが、完成できずに挫折した仕事だったんだ、きっと。
ちがうかな。それは羽仁五郎氏の『明治維新史研究』あたりを調べてみなくてはわかりません。
本題からそれてしまいました。前回の『ミケランジェロ』のダヴィデ像のバーチャル画像はいかがでしたか?サイトの英文の訳がやっぱり間違っていました。訂正します。
サイトの表題の3行目の訳がボロボロでした。
(以下訂正箇所)
アカデミア美術館がダヴィデの顔を正面から見させないのは、ミケランジェロの真意から
観客の目を離しておこうとする、
××(viewed from the traditionalist politically right 伝統主義者の右翼の政治的意図である。)
訂正(viewed from the traditionalist politically incorrect Right
伝統主義的な政治的に正しくない右翼の意図があってのことだ。)
(ここから『ミケランジェロ』を読む 本論です。前置きが長くなりました。)
重要ポイントと思われる箇所を引用します。
(引用開始、一部要約)
・マキャべリの「君主論」はそこに専制主義のありのままの姿を書いたので、「君主論」が
かれの代表作でもなければ、それが彼の自由なる希望の表現でもない。
『リヴィウス論(古代ローマ史論)』は彼の自由なる政治の理想を述べたもので、
『フィレンチェ史』はフィレンチェ自由都市共和国の歴史と意義と現実とを明らかにし、前後に比べられるもののない名著である。
これらにおいて、近代政治学及び近代歴史学の基礎をおいたマキャべリの科学的業績及び
政治に対する彼の本質的希望をはっきりと認めなければならない。(p9)
・中世の封建主義専制の解体は世界的に起こったが、チンクエチェント(1500年代)のイタリアが全欧に先駆けてルネサンスを迎えたのは、もっとも早く、12世紀から大衆的な農奴解放が民衆の手によって行われたためである。
12世紀から14世紀のイタリアの民衆運動トゥキニ(Tuchini tutto がuno になる、つまりすべてがひとつになる。意訳すれば一揆)の農民たちの動向に応じた力によるものであった。(p26)
・一言でいえば、ルネサンスの本質は封建専制に対する民衆の自由独立の実現の希望であった。誤解のないようにいっておくが、それは後のいわゆる自由主義経済の時期などのそれのような一時的過渡的の自由ではなく、封建専制に対する国民民衆の自由独立であり、それなくしてはルネサンスもないばかりでなく、近代も現代もないところのものである。
(p27)
・歴史上の封建主義の支配の原則は、Devide et impera!
民衆を分裂させよ、しかして支配せよ、ということにあった。(p36)
・耐え難い抑圧のゆえに故郷を出奔したははじめは多少なりとも人間らしい主人をもとめ
、あるいはどこそこの領地の農奴という身分を隠して他郷に入り満一年とか潜伏して、ついにその身分を脱するとか、あるいは社寺巡礼の団体などについて行ってそうした口実のもとにいづこにか、新しい運命を開拓しようと放浪した。(p46)
(これが十字軍を教皇が起こす前に、自然発生的におこった東方へとむかっていく、エルサレム巡礼という社会現象なんでしょう。副島先生がおっしゃっていました。『隠された歴史』でもマリア信仰は「わたしたちを虫けら同然にあつかわないでほしい」というわらをもすがる思いから発生した、と書かれています。)
・イタリアにおける最初の大衆的な農奴解放は必ずしもフィレンチェに始まったのではなく、あの聖フランチェスコ(1182-1226年 「あっ、慈円(じえん)や法然(ほうねん)と同時代なんだな。)が社会的同情を教え、貧者としての平等を説いたことは、農奴の大衆的解放が彼のいたアッシジの地方に始まったことと関係があるらしい。(p52)
「シチリアの晩鐘」という事件も有名ですね。
今日はここまでです。「都市の空気は自由にする」(フィレンチェ自由都市の成立)までいけませんでした。残念。
田中進二郎拝
【984】[1113]羽仁五郎著「ミケランジェロ」を読んで
羽仁五郎著「ミケランジェロ」を読む(1)
こんにちは 田中進二郎です。前回につづいてミケランジェロをとりあげてみたいと思います。そして、副島先生が「羽仁五郎(はに ごろう)先生の『ミケランジェロ』と『都市の論理』に帰らなければならない」と言った意味について可能な限り深く考えてみたい、と思います。
『ミケランジェロ』(岩波新書 赤版 1939年3月初版)、この本については、古書で手に入らないひともおられるだろうと思います。この本の冒頭は次のような言葉から始まる。
略しながら紹介します。
(引用開始p1~6より )
ミケランジェロは、いま、生きている。うたがう人は『ダヴィデ』をみよ。・・・(略)・・
ミケランジェロの『ダヴィデ』は、ルネサンスの自由都市国家フィレンチェの中央広場に、その議会の正面の階段を守って、はっきりと立っている。・・・・(略)・・・見よ、彼の口は固く閉ざされ、美しい髪の下に理知と力とに深く刻まれた眉をあげて眼は人類の敵を、民衆の敵を凝視する。・・・(略)・・・フィレンチェ自由都市国家の繁栄と喪失とのすべての起き伏しをフィレンチェ市民と一緒に身をもって戦ってきたこの『ダヴィデ』は、その失われた歴史をひとびとがどんなに忘れ去ろうとしようと、かればかりはそのかつてのたたかいを今のことのように、いな、将来の希望のように語ってやまないのである。・・(略)・・
『ダヴィデ』をながむる人は、現代の人は現代の心のかぎりをこめて、この像を見つめることが許される。『ダヴィデ』を、ミケランジェロを、近代的にあまりに近代的に理解すべきでない、などという凡庸歴史家たちに対しては、ミケランジェロ自身が彼の言葉を投げつける、「十世紀も後になってみよ」!と。
『ダヴィデ』のように美しい芸術はどうして作られたのだ?ミケランジェロのような天才はどうして出てきたのだ?・・(略)・・
それはフィレンチェを中心としたルネサンスが生んだのだ。それでは、ルネサンスのあの
美、あの力強さ、それらは、どこから来たのだろう。
ルネサンスとは何だ。いわゆる自称歴史家たちの歴史の本などは、こういう問題に浅薄な理解しかもたぬものが多い。いわゆる歴史家たちの中には、美術のどういうところがよいのかもわからない人たちが少なくないのだ。美術史の本などをひっぱり出しても、美術史家などの中には、フィレンチェの歴史も知らない人が少なくないのだ。そんなことより、まず、諸君がすでに大体知っているところだけでも、いわゆる専門家たちなどよりははるかに健全な、諸君自身の見識によるルネサンス観をつくることができる。
(引用終わり)
ところで、われわれ日本人も写真でおなじみのダヴィデ像(ピアッツァ・デラ・シニョリーア広場に立つ複製と、アカデミア美術館に保存されている実物。)であるが、一般の人がほとんど知らない、というより隠されていることがある。それはダヴィデ像の顔の正面から見た表情である。一般に流布されている『ダヴィデ像』は裸身を正面下から写したものであり、ダヴィデの顔は左を向いている。その横顔は明朗なアポロンを想起させるだろう。
さらに顔を見ようと右に回ると、眉間にしわを寄せた険しい彼の顔を確認することができよう。ところがダヴィデの顔を真正面からとらえようとしても、アカデミア博物館の柱があってそれが邪魔して見られないのだという。
これは観客にミケランジェロの真意を見せまいとする伝統主義者の右翼の政治的意図(viewed from the traditionalist politically right)であると指摘し、隠されている正面からのダヴィデの顔をヴァーチャルで再現した画像がありましたので、ここに紹介します。「殺人マシーン(remorseless killing machine)」のダヴィデの顔です。ローマのバチカンに向かって、「お前ら、殺すぞ、コラ」という声がいまにも聞こえてきますよ。一見の価値ありです。
http://www.amnation.com/vfr/archives/011603.html
権力者たちは今もミケランジェロの芸術が持つ、破壊的な影響力を恐れているのだ。
まさに「十世紀もあとになって見よ!」である。
(上記のサイトの文では、1504年にミケランジェロが完成したあと、1873年まで広場にあったが、アカデミア美術館の中に移され、代わりに複製が同じ場所に置かれた。だが向きが少し変えられているために、正面からのダヴィデをみることは難しいという。私は英語力がまだあやふやなので、ちょっと間違っているかもしれません。ご宥恕ねがいたい)
羽仁五郎氏の『ミケランジェロ』に話を戻します。引用した個所の続きはどうなっているか。
・ルネサンスはイタリアから始まり、北方に中心が移ったという理解は間違いである
「ルネサンスは特にイタリアに限られた発展であったろうか。事実についてみると、第一義的にはそういうようなものではなく、世界的なものであった。イタリア・ルネサンスはもちろんイタリア的の外見をもっていたが、ルネサンスの本質においては、それはフランス、オランダ、イギリス、ドイツ、イスパニアなどのルネサンスおよびその他の諸方面におけるルネサンス的の発達に共通するものがあった。」(p12)
「自然科学、文学、美術、宗教、思想の発達は、同時期に世界の先頭を進んでいたあらゆる地方に一斉に起こった運動なのである。」(p16)
・ルネサンスの成功は、「西洋のあらゆる種類の貴族的ないし封建的独占を打ち破って出現した民衆の近代的成長が、全く新しい解放された真理の美と力との源泉をなしたからである。」(p20)
「当時識者はドイツについて言った。多くの有能なる職工、優秀なる芸術家、学者および思想家は、いずれも封建主義の抑圧のもとに侮蔑されていた農民および町人市民からでた。」
(p20)
・ルターの宗教改革の成功も原動力は、封建支配、教権に抗して立ち上がった農民の動きにあった。フス戦争(1420-1434)からドイツ農民戦争(1524-1525年)にまで続いた
「封建支配および教権の抑圧に対して新しい福音を説く」運動の流れ、これに支持されてルターが登場する。(P21)
当時のドイツのことわざに「農民は牡牛とかわらない、ただ角がないだけだ。」と言われていた。(p28)「封建時代は、一般に想像される以上に恐ろしい時代だった」のである。
P27-35まで延々と封建領主にがんじがらめにされて搾取される農奴のくらしと、領主が他の領主に農奴を奪われないために、領主たち同士が戦国時代を実現していったことが書かれている。
(このあたりは非常に日本の室町時代(1338-1573)と同じである。なのにどうして、ヨーロッパだけが急速に発展していったのかへと話は進んでいきます)つづく
田中進二郎拝