「1605」番 あの2年前に突然、行方不明になったマレーシア航空機は、その後どうなったのか? 驚くべき事実が明らかになった。日本国内では初公開の情報である。 2016.5.21 副島隆彦  

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副島隆彦です。 今日は、2016年5月21日 です。
 私は、以下の情報を、約2か月前に入手していたのですが、これまで公表せずに過ごしました。

●事故機の9M-MRO(2011年撮影)
MH370便

 今度の、私の金融本『 マイナス金利「税」で 凍(こお)りつく日本経済』(徳間書店 刊)では後ろの方に書きました。 あるメール・マガジンにも発表した。だが、その後、どこからも私に何の反応もない。もっと世の中が騒ぐと私は思った。それで 私は考え込んだ。 このまま、あの不可解な事件が、闇に葬られたままにするわけには行かない。

 もう 大きな真実が、世界中の権力者たちの間だけで共有されて、日本国民には全く知らされないままになって、押し潰(つぶ)される訳(わけ)には行かない、と私は思った。だから学問道場の会員たちに向けて、ここに公表します。  以下の文を読んだ人は、知って驚いた自分のその驚きごと、自分の身近の人たちに伝えてください。 真実が闇から闇に葬(ほうむ)り去られてたまるか、という、私、副島隆彦の怒り があります。

●サウジ国王が中国に「核兵器を売ってくれ」と言った。習近平は「考えましょう」と応じた。2016年1月20日 リヤド
jpp020649421

  「あのマレーシア航空機の行方不明の謎に迫る ―― その裏に隠された秘密 」

                                  副島隆彦 筆

 あの行方不明になった マレーシア機はどうなったのか?  事件から丸2年が経った。今でも不思議に思っている人が、日本にもたくさんいる。その謎を解く手がかりと情報が私の手元に届いた。
日本に初上陸する、初公開の極秘情報である。

 今から2年前の 2014年3月8日 午前2時40分。マレーシア航空MH370便が行方不明になった。離陸して2時間後である。クアラルンプール発で目的地は北京であった。239人が搭乗していた。その消息は、今も杳(よう)として分からない。

 その後、オーストラリア政府が中心になって何故か方角違いのインド洋を捜索し続けた。一体、どのあたりに墜落したかも分からない。MH370は、一体、どこに消えたのか? この事件の裏に、何が隠されているのか?

 この2年前の、3月のマレーシア航空機行方不明の事件を不審に思う日本国民が多い。
MH370 の事件から130日後 の7月17日に再び 同じ マレーシア航空機が、つまり2機目が、今度は撃墜された。これはMH17便(ボーイング777型機)で、オランダのアムステルダム空港からマレーシア・クアラルンプール国際空港へ向かっていた。

このMH17便はウクライナ上空を通過中に、内戦中のウクライナのドネツク州の上空で撃墜された。午後5時20分(日本時間で午前10時20分、時差5時間)であった。乗客乗員298人全員が死亡した。

●約4ヵ月後の7月17日、ウクライナでマレーシア航空17便撃墜事件
マレーシア機ウクライナ撃墜

 この2機目のマレーシア機の墜落爆発については、ずっと騒がれ続けた。平原の地上に散乱した機体と乗客たちの遺体、荷物が回収された。7月22日にロシア空軍の中将である広報官が次のように発表した。

 「MH17便は、ウクライナ政府軍(ポロシェンコ大統領、ヤツェーニック首相)のウクライナ空軍のSv(スホーイ・ロシア製)25戦闘機2機が接近して、前方方向からパイロット座席に向かって機関砲(カノン砲)を発射して撃ち落としたのだ」と。 なぜ、マレーシア航空機ばかりが、こんな短期間に相次いで狙われたのか。

 マレーシア航空機を狙うことでマレーシアという国を何者かが、攻撃していたのではないか。
ここには、国際政治の裏側で繰り広げられる政治謀略の臭いがする。

 事件の直後は、マレーシア機MH17便は、ドネツク州の反政府勢力(親ロシア勢力)が持っていたとされる地対空(ちたいくう。ランド・トゥー・エア)ミサイル「ブーク」が地上の移動式トラックから発射されて撃ち落とされた、とウクライナ政府(首都キエフ)側は、さかんに発表した。

 これを強く支援する形でNATO(北大西洋条約機構)軍の広報官たちが盛んに「撃ち落としたのはロシア軍が主導するウクライナの親(しん)ロシアの、分離独立主義者(セパレイティスト)である」と主張した。 ウクライナの親ロシア勢力とロシアの親密な関係から、ロシアのプーチン大統領の指示による撃墜事件なのではないかと、盛んにプーチンを失脚させようという西側諸国( the West ザ・ウエスト)からの動きがあった。

 このMH17便が出発したオランダのアムステルダムが騒ぎの中心になった。なぜならオランダ人の乗客が半数以上の192人も乗っていたからだ。だから、オランダ政府の事故調査委員会(オランダ安全委員会、DSB) が活発に動いて、墜落したマレーシア機の残骸を盛んにオランダに運び込んで機体を復元する作業まで丁寧にやった。 

 ようやく2015年10月13日に、事故調査の結果を発表した。そして撃墜は、[ブーク]ミサイルによるものだったようである」といい加減な発表をした。パイロット席の周りに付いていた機関砲の直径5センチぐらいの穴がハチの巣状にたくさん開いていた事実に対しては、知らん顔してとぼけた。 

 この調査結果は「ブーク」ミサイルの製造元のロシアのアルマス・アンテイ社による報告を無視する内容だった。アルマス社は「現在ではウクライナ軍しか使っていないミサイルに装填された古い弾頭が使われている」と報告した。この報告により、ロシア政府はオランダ安全委員会の調査結果に強く反発した。

 話を1機目の行方不明機MH370便に戻す。
 なぜ、マレーシア機が2機も続けて事故に遭ったのか。マレーシア国内で、現在ザワザワと広がっている噂は、行方不明機は、ベトナムにある軍の秘密の軍事空港に強制着陸させられた、というものである。

 まず、この事件の概要を報道記事で復習しよう。

(転載貼り付け始め)

「マレーシア航空機が消息絶つ 239人乗り」

 CNN 2014年3月8日

 乗員・乗客239人を乗せ、クアラルンプールから北京に向かっていたマレーシア航空MH370(ボーイング777-200型機)が3月8日、消息を絶った。
マレーシア航空によると、同機は同日午前2時40分ごろ、マレーシアのスバン航空管制塔との連絡が途絶えたという。

 中国国営新華社は、マレーシア航空の話として、消息を絶った旅客機はベトナムのホーチミンにある管制部門との連絡が途絶えた後、レーダーからも消えたと伝えている。
同便には幼児2人を含む乗客227人と乗員12人が乗っており、8日午前0時41分にクアラルンプールを出発し、同日午前6時半に北京に到着予定だった。

 マレーシア航空は声明を出して、当局と連携して同機を捜索しているとしている。が、今のところ行方はつかめていない。同機は約7.5時間分の燃料しか積んでおらず、すでに燃料が切れているとしている。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。このようにCNNが伝えているように、「ベトナムの管制部門との連絡が途絶えた後、レーダーから消えた」 ということは、インド洋に墜落してはいないことになる。皆さんも、このことを世界地図で確認してください。

 事故の直後には、ベトナム海軍が「MH370便が海に墜落したことを確認した」 という報道もあった。しかし、これ以上の真実は、今も分からない。

 行方不明機MH370便 には、どうやら中国政府の大物の核(かく)技術の専門家が乗っていたらしい。マレーシア航空の職員たちの間で、このことが大きな噂になっている。

 ベトナム政府は、中国と長年の友好国(つまり従属国。歴史的には朝貢国(ちょうこうこく))のように見られている。だが、1979年には中越(ちゅうえつ)戦争と言って、中国と激しく戦争をしている。 ベトナム戦争が終わってからは、アメリカ政府と深いつながりができている。

 だから、ベトナム政府とアメリカ政府の裏側で深い関係ができていて、それでベトナムの軍事空港に着陸させられた可能性がある。そしてアメリカの特殊部隊の指図で、この行方不明機に乗っていた中国の核技術者の大物の人物は、秘密書類ごと拉致され、連れ去られた可能性がある。

残りの機体と乗客たちが、どうなったかは、分からない。なぜ、中国人の大物の核技術専門家を飛行機ごと消し去る必要があったのか?

 MH370便の行方不明から1ヶ月後の2014年4月22日に、オバマ米大統領は日本を皮切りにアジアを歴訪した。日本から、韓国へ、そのあとは何とマレーシアへ飛んだ。米大統領がマレーシアを訪問したのは実に50年ぶりだという。記事を載せる。

●オバマ米大統領と、マレーシアのナジブ首相
オバマとナジブ2

(転載貼り付け始め)

「オバマ米大統領、マレーシア訪問 不明機捜索への協力を確認」

  CNN 2014年4月27日

 アジア歴訪中のオバマ米大統領は4月26日、3ヵ国目の訪問先となるマレーシアに到着した。訪問を前にした同国紙とのインタビューで、消息不明となっているマレーシア航空機の捜索にアメリカ政府は引き続き協力すると表明した。

 米大統領が同国を訪問するのはほぼ50年ぶり。首都クアラルンプールの王宮で開かれた歓迎晩餐(ばんさん)会には約600人が出席し、アブドゥル・ハリム国王が不明機捜索への米国の支援に改めて感謝の言葉を述べた。

おそらく、この4月末のオバマのマレーシア訪問で、ナジブ首相との間で、何らかの取り引きが成立したのだろう。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 このあと6月から、「消えた」乗客の家族への賠償金の支払いが始まった。

(転載貼り付け始め)

「マレーシア不明機、家族への賠償金の支払い始まる」

AFP 2014年6月12日 

 消息を絶ってから3ヵ月が経過したマレーシア航空MH370便の乗客乗員の家族に対し、1人当たり5万ドル(約600万円)の賠償金の一部支払いが始まった。政府関係者が6月12日、明らかにした。 

 マレーシアのハムザ・ザイヌディン副外相によると、これまでにマレーシア人6人と中国人1人の乗客の家族がこの前払い金を受け取ったという。この前払い金は、同機の乗客乗員239人全員の家族が受け取れるという。

 ハムザ氏によると、残りの賠償金はこれから支払われることになっており、家族らは、最高で前払い金の3倍以上の額を請求することが可能だという。また同氏は、マレーシア政府が同機について喪失したと宣言する用意はいまだできていないと述べた。

 (転載貼り付け終わり)

●米ハワイ州で、クリスマス休暇中のオバマ米大統領が、マレーシアのナジブ首相と一緒にゴルフを楽しんだ。
2014年12月24日
ナジブオバマゴルフ

副島隆彦です。このあと両国のトップは奇妙なつき合い方をしている。
 事件から9ヶ月後の2014年のクリスマス休暇を、オバマ大統領はのんびりと家族と恒例の(オバマが育った)ハワイで休暇を過ごしていた。そこへ何とマレーシアのナジブ首相がやってきて、オバマと楽しそうにゴルフをした(12月24日)。 

 それまでマレーシアとアメリカは深いつき合いのない国どうしである。米大統領が急にマレーシアの首相を自分の休暇先に呼びつけてゴルフをした、というのは異例を通り越して奇妙なことである。

(転載貼り付け始め)

「ハワイで休暇中のオバマ米大統領、マレーシア首相とゴルフ」

 ロイター 2014年12月25日 

 米ハワイ州カネオヘで12月24日、クリスマス休暇中のオバマ米大統領が、マレーシアのナジブ首相と一緒にゴルフを楽しんだ。

 両国首脳は、海兵隊基地にあるクリッパー・ゴルフコースでプレー。白いシャツと黒いパンツ姿のオバマ大統領は、真剣な表情でボールの位置を確かめるなどしていた。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 このとき、何と、オバマが23億ドルのお金をナジブに直接渡した、というのである。そのようにマレーシア国内で騒がれている。この23億ドル(2500億円ぐらい)が、どういう理由のお金なのか。明確にならない。

 しかし、おそらくマレーシア航空機が「消えた」問題での謝罪金の一種であろう。だからと言って、これらがそのまま乗客被害者に補償金として渡されたわけではないだろう。前述したが(見舞金の他の)補償金を払う義務はマレーシア航空にある。

 世界政治の真実の裏側は、常に恐ろしいものがある。オバマ大統領という人は、政治家としては清潔な人間であり、あまり汚いことや悪いことはしない人間である。それでも政治の世界には、こういう恐ろしい裏側の政治というものはある。

 この2人の政治家の年末ゴルフのあと1月になって、マレーシア政府は「MH370便は墜落して全員死亡した」と発表した。

 (転載貼り付け始め)

「マレーシア当局、MH370便は「墜落して全員死亡」と正式発表」

 AFP 2015年1月30日 

 マレーシア当局は1月29日、昨年3月に消息を絶ったマレーシア航空MH370 便の乗客乗員239人について、全員死亡したとみられると正式に発表した。同時に、これによって親族らに対する補償給付への道が開かれると説明した。憔悴(しょうすい)した親族らは怒りを隠さず、この発表の受け入れを拒否した。

 親族らの多くは、不明機はどこか安全な場所に着陸しているかもしれないと訴え続けてきた。そのため当局とマレーシア航空もこれまで、この不明機と乗客乗員がたどった運命について最終的な結論を出すことを差し控えてきた。

 しかしマレーシア当局は、今回、同機は「事故」に見舞われたと正式に宣言し、同機が昨年3月8日に姿を消した後に墜落して搭乗者は全員死亡したという推定を正式に発表した。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 この記事のとおり、マレーシア政府は、行方不明事件から1年が経(た)とうとしていた2015年の1月末に、MH370便は「事故」に見舞われ、「搭乗者は全員死亡した」という推定を正式に発表した。オバマとナジブがクリスマスイブにハワイでゴルフをしてみせる煙幕(えんまく)を張ってまで、緊急に話し合わないと済まない事柄が裏にあったのだ。

 この後、半年経って、2015年7月に遠くアフリカ沿岸のマダガスカル島東方のインド洋上のレユニオン島(フランス領でフランスの富裕層のためのタックス・ヘイヴンの特殊なリゾート島)に機体の一部らしきものが漂着しているという記事が流された。

 元々「マレーシア機はインド洋に墜落した」と、事件直後に最初に報じられたのは「米政府高官の話によると」というものだった。このことにも米国の関与の影が見える。

(転載貼り付け始め)

「米高官「インド洋墜落の可能性」」

 産経新聞 2014年3月14日 

 米ABCテレビは、3月13日、複数の米政府高官の話として、行方不明となっているマレーシア航空機が、南シナ海上空で連絡を絶った後も4~5時間飛行し、インド洋に墜落した可能性があるとみていると報じた。米海軍は、周辺海域を捜索するため、すでにミサイル駆逐艦1隻を現地に投入したという。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。前述したが、行方不明になった直後は、ベトナム海軍が同機の墜落を確認した、という報道であった。 マレーシアから真っ直ぐに北京へ世界地図上に線を引くと、ベトナム上空を飛ぶ。しかもベトナムの首都のハノイの上を飛ぶ。ところが、アメリカの高官たちが1週間後にインド洋に墜ちたと言い出した。

 この後、わざと事故の発生地点をインド洋の方にずらして、そっちの方へ捜索範囲を移した。ニュース報道でもオーストラリアの海軍が1年以上も、インド洋をくまなく捜索する映像を流し続けた。行方不明の残骸らしきものが漂着したという記事はいくつか出た。事故の痕跡はないままである。

 しかし、乗客たちの遺留品らしきものは何も見つかっていない。レユニオン島の島民がゴミとして流れ着いたものを処分していたと報道された。そんなことがあるはずがない。

(転載貼り付け始め)

「不明マレーシア機か、モーリシャスで新たに残骸発見」  

 CNN 2016年4月3日 

 インド洋の島国モーリシャスの離島、ロドリゲス島の海岸で、2年以上前に消息を絶ったマレーシア航空370便の残骸とみられる破片が新たに見つかったことが3日までに分かった。昨年7月にはレユニオン島で、不明機のものとみられる残骸が発見された。
また今年2月にアフリカ東部モザンビークで見つかった残骸も同機のものとみられている。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。これらのニューズ映像に写った残骸(デブリ、debris ) は、どれも決まって飛行機の尾翼の先端部のようなものだ。そして最近の4月にまた似たような記事が出た。

●アフリカ東部モザンビークの海岸に、ボーイング777型機の機体の一部とみられる残骸が漂着しているのが見つかった。
mh370-mozambique-overlay-tease

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(転載貼り付け始め)

「モザンビークの残骸、マレーシア機と「ほぼ断定」 豪(ごう)当局」

 CNN 2016年4月20日

 アフリカ東部モザンビークで昨年末から今年にかけて見つかった残骸2片は、2年前に消息を絶ったマレーシア航空370便の機体の一部であるとほぼ断定されたことが分かった。オーストラリア運輸安全局が4月19日に発表した。
 
(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。ところが、この西インド洋で発見されたMH370便の残骸の破片は、どれもフジツボなどの海洋生物の付着が非常に少ない。「これらは、2年以上もの期間、海上を漂流していた物体とは考えられない。極めて不自然である。誰かが意図的に、この西インド洋の浜辺に置いたものだ」という見解が出てきた。

「MH370 Debris Was Planted, Ineptly」

http://jeffwise.net/2016/04/14/mh370-debris-was-planted-ineptly/

 どうやら、行方不明機のインド洋墜落説は虚偽(ウソ)であり、事故(事件)の真実を覆い隠すために動いている者たちによる隠蔽(いんぺい)工作であるようだ。これから先も、この事件は闇から闇へと葬り去られ続けるだろう。

一体、本当は、何が起きていたのか。

 ここから私、副島隆彦 が書くことは、長年、政治評論家として世界政治の大きな動きを分析してきた者としての私の洞察と推理である。

 前述したとおり、行方不明機MH370便には、中国政府の大物の核(かく)技術の専門家が乗っていた。この人物は、サウジアラビアの首都リヤドから出発して、マレーシアのクアラルンプールに到着した。 

 この後、まっすぐ北京にトランスファー便に乗り換えた。それが、このMH370便である。
MH370便は、中国南方航空( China Southern =サザン= Airlines )とマレーシア航空のコードシェア(乗客の相互乗り合わせ)便であった。アブダビ発10時40分で、クアラルンプールに22時20分に着く便がある(MH5260便)。

 私が昨年、中東のアブダビ (UAE,アラブ首長国連邦の中の一国)の現地に行ったときの経験で、リヤドからは、車を飛ばして3時間ぐらいでアブダビに到着できる。

 この中国政府の大物の核技術者は、サウジアラビア国の現在の国王(2015年2月から)であるサルマン国王と会っていた。そして、中国からサウジアラビアに核兵器を完成品として、そのまま購入する話が両国で行われていた。

 そのために核兵器を技術移転することになった国家重要機密の外交文書をアメリカの国家情報部(CIAの特殊軍=スペシャル・フォーシズ )は、どうしても動かぬ証拠として奪取しなければならない。表面で報道されているようなサウジへの中国からの原子力発電所の建設や運転の技術供与どころか、核兵器(ニュークレア・ウエポン)そのものの購入と運転・運営の一式についての秘密合意事項をこの人物は持っていたのではないか。

 MH370便の行方不明事件が起きた時には、サウジはまだアブドッラー国王である(2014年12月23日死去)。そして、当時、内相(内務大臣。警察庁長官でもある)であったのが、現サルマン国王(現在80歳)で2015年2月に新国王になった。

 サウジアラビア国王の8代目である現在の国王まで、すべて初代国王であるアブドル・アズィーズ・イブン・サウド(1876~1953)の直接の子供たちである。したがって、今のサルマン国王の次のサウジの国王は、イブン・サウド初代国王の孫たちになる。

 初代のイブン・サウドは、日独伊3国が連合国側に敗北する直前の、1945年2月4日のヤルタ会談(クリミア半島の保養地)には主要国として参加していない。

 しかし、この直後(3月)に、米ルーズベルト大統領と黒海洋上の船で会談している。サウジアラビア、すなわち「サウド家のアラビア」は、石油の埋蔵量世界一の国(ガワール油田他)として、大戦後の世界でアメリカの重要な家来の国として育てられてきた。日本国の岸信介(きしのぶすけ)首相と、同格の扱いの人物である。今、現在も、
アメリカ合衆国の主要な貯金箱(”打ち出の小槌”。 資金供給国)は、サウジ王国と日本である。

●サウジアラビア王家の内部抗争
サウジ王家

 なぜ、サウジアラビアが中国から核兵器を買うなどという恐ろしい状況になっているのか。ここでは長々と説明しない。私の近刊の本『マイナス金利「税」で凍(こお)りつく日本経済』(徳間書店刊 http://www.amazon.co.jp/dp/4198641404/ref )を読んでほしい。

 1行だけ簡潔に理由説明をすると、「あの、イランが核兵器を持つというのなら、それと同格であるサウジアラビアが核を持つのは当然である」というものだ。1995年7月にイランは、西側同盟(欧州EUとアメリカ)との外交交渉で、核兵器の自力での開発・保有をしない、と決まった。これが、「イラン“核抜き”合意のジュネーブ条約」である。

 しかし、「サウジとしては、そんなものは信じられない」ということで何と、サウジ新国王は、中国から核兵器を直接、購入するという動きに出たのである。世界政治の大きな動きとして、政治力学という考えからは、イランと競争してサウジが核を持つと言い出すことは自然な流れである。

 ところが、「核拡散防止条約体制」(ニュークレア・ノンプロリファレイション・トリーティー・オーガナイゼーション。NPT体制 ) が現在の世界の大きな世界政治の管理支配の考え方である。世界のお役人様である5大国(米、英、仏、露、中)以外には核兵器は持たせない。

 この5大国が今も、The U.N(ザ・ユーエヌ。✖ 国連、正しくは、〇 連合諸国=連合国側)の 5大常任理事国(ファイブ・パーマネント・メンバーズ)である。

 今の今でも The U.N体制 は、この5大国しか核保有を正式には絶対に認めない。だから、もし、それ以外の国が勝手に核兵器を開発し、秘密に保有しようとすると叩き潰す。この動きは、世界の大親分たちの間では自然なこととして承認されている。日本国民は、こういう大きな話を全く教えられていない。世界で通用している常識への理解がない。日本国民は、”洗脳されたままの国民”なのだ。

 それでは、6番目の核保有国である、秘密で持ってしまったイスラエル(1964年の中国での秘密核実験で保有した。ケネデイ大統領が暗殺された翌年だ )は、どうなるのか。

7番目の保有国である北朝鮮(1993年に核実験を行って大騒ぎになった)。

8番目、9番目がインドとパキスタンである(どちらも1998年)。インドとパキスタンは犬猿の仲であり、1発ずつ核兵器(古くは原子爆弾=アトミックボム=と言った)を撃ち合う危険性が今もある。

 だから、現在の The U.NのNPT体制は、これらの未承認国の核兵器をいつでも取り上げる準備を今もしている。パキスタンのカラチ港沖合には、アメリカの巡洋艦が常時待機していて、パキスタン国の核兵器施設を急襲して核弾頭を破壊するか、持ち去る準備ができている。

 今年の3月に、“マレーシアの賢人” であるマハティール元首相たちが大騒ぎして、ナジブ首相を「腐敗している」と退陣を要求した。

●マハティール元首相ら、マレーシア首相を提訴。首相退陣要求デモに参加
2015年8月30日
マハティール

マレーシアデモ

(転載貼り付け始め)

「超党派で「反ナジブ宣言」 マレーシア、汚職疑惑を追及」

 朝日新聞 2016年3月5日 

 マレーシアのマハティール元首相が、政府系ファンド「1MDB」をめぐる汚職疑惑に揺れるナジブ首相を辞任に追い込む姿勢を強めている。長年の政敵だった野党指導者や反政府活動家、一部与党議員らと4日に記者会見し、政権打倒で「共闘」を宣言。国民にも支持を呼びかけた。

「我々は、政党や組織の代表ではなく、国民としてここにいる」。マハティール氏は3月4日、こう訴え、与野党の参加者50人以上とともにナジブ氏の辞任を迫る「国民宣言」に署名した。

 ナジブ氏の個人口座に入金されたとされる約7億ドル(約800億円)の公金流用疑惑をめぐっては、今年1月、ナジブ政権の司法長官が捜査の打ち切りを表明した。入金を認めたナジブ氏も疑惑は否定した。「サウジアラビア王室からの献金」とするだけで、ナジブ氏も詳細な説明は避け、幕引きを急ぐ。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 この記事で、7億ドルの賄賂(わいろ)をナジブが貰った、と今、マレーシアで騒がれてることが報じられた。 この7億円は、前述した、オバマからナジブに渡った23億ドルと関係があるだろう。

 ここで重要なことは、やはりサウジアラビアと中国が接近している。このことがアメリカはヒドく気に入らない。 サウジと中国が仲良くなって、核兵器を直接、中国から買う、という動きは、尋常ならざるものである。サウジが自力で核技術の開発をする、というのでもなく、完成品を購入しようということです。 これは驚くべきことだ。

 アメリカにとっては、前述したNPT体制( 核兵器の不拡散条約。5大国以外には絶対に持たせない)を死守しようと動く。アメリカ合衆国にとってのプライマリー・アジェンダ(第1番目すなわち、最重要の国家重要目標 )は、「5大国以外には核兵器を持たせない」である。

 これに比べれば、金融や経済の交渉ごとは、どんなに厳しいものであってもセカンダリーアジェンダ( 第2番目の国家重要事項)である。「国家存亡の危機」であるプライマリー・アジェンダとは重みが違う。アメリカ合衆国は、自分に向かって直接。刃物(核兵器)を突き付けてくる者を絶対に許さない。

 だから、北朝鮮やキューバやイラン、あるいはかつてのリビア(故カダフィ大佐)を「ならず者国家」(rouge nations ロウグ・ネイションズ)とか、 バンデッド・ステイト(banded state 山賊国家)と呼んで、「国際社会の犯罪者集団だ」と認定してきた。アメリカは、ワールド・ポリス、あるいは、グローバル・コップ「世界の警察官」という、アメリカが世界を管理するという役割を自覚してこれまでやってきた。

 ところが、アメリカ大統領選の有力候補者である、ドナルド・トランプは、「そろそろワールド・ポリスという考え方を捨てよう。もうアメリカには、それだけのお金(財政力)がないのだ」と正直に言い出した。私は、この考えは正直でいい、と思う。

 おそらくマレーシア航空MH370便の行方不明の謎はこれからも解明されることなく、ザワザワといつまでも、噂話だけが世界中で 広がり続けるであろう。真実を知っているのは、主要な各国の政府の上層部、権力者たちだけである。 

 私、副島隆彦 が今、書いて報告できることは、ここまでである。これ以上の真実は私にも分からない。

最後に最新の記事を載せる。

(転載貼り付け始め)

 「米大統領 サウジ訪問も国王の出迎えなし」

 NHK 2016年4月21日

 アメリカのオバマ大統領は中東で同盟関係にあるサウジアラビアを訪問したが、オバマ大統領が空港に到着した際の歓迎式典にサルマン国王は姿を見せず、両国の冷え込んだ関係を示した。

(転載貼り付け終わり)

●どうやら中国と英国(英連邦)が組み始めた。イギリスはアメリカに逆らう
photo_3

副島隆彦です。  最後に付け加えて書くが、 あのパナマ文書 というもの、アメリカが、イギリスの キャメロン首相 を狙ってのものであった。昨年の10月に、中国の習近平(しゅうきんぺい)国家主席(大統領扱い)が、ロンドンを国賓(こくひん)として訪問して、エリザベス二世女王と、黄金の馬車に乗って、バッキンガム宮殿に入っていった。

あの、中国とイギリス(および英連邦=えいれんぽう= カナダやオーストラリア)が、が組んだことに対する、アメリカからのイギリスへの 報復、仕返しである。

中国の今以上の台頭と世界各国への大攻勢を、もう許さない、と、アメリカが焦りだして必死で動いていることが分かる。  

(了)

副島隆彦 記 

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