重たい掲示板

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アルルの男・ヒロシ 投稿日:2013/06/28 13:17

【1151】[1320]権力者トランプのアイデア

前の小林倫和氏の「日本版図鑑」のアイデアは良いと思います。
どういうコンセプトで作成するかを考えましょう。

今度の講演会でもお話しますが、マイケル・グリーンのお仲間とか、中曽根系の政治家・知識人とかのリストアップは有りだと思います。
外務省官僚の分類とかも。企業財界人も。

私はジャパン・ハンドラーズトランプというのを考えていました。
アメリカのネオコントランプのアイデアのそのままパクリですが。

書籍よりももはや今の時代、どうもトレーディングカードとかでゲーム感覚で学んでもらったほうがいいんじゃないか。

でもトランプってお金がかかるんですよね。今の学問道場の会員さんがもう少し増えてくれればその余力も出てくるんですけど・・・。

とりあえず、そんな感じです。

会員番号7036 小林倫和 投稿日:2013/06/26 14:38

【1150】[1319]「日本裏権力者 人物図鑑」作成

日々思いますが、真正面から「日本の自主」をいくら訴えて続け、たくさんの賢人や人々が努力しても
結果いつも何かに情報操作され貴重な人材を次々と葬られて
しまうだけの歴史なのだなと感じています。
(過去の多々の暗殺、人格崩壊含め)
そして戦後ますますそれが完成、自己成長すらしている。
過去の賢人の中に「自主を守る為に自分がつぶされても
それを他の誰かが続けることが大切と言った政治家がいた」と孫崎先生がおっしゃっていました。
ただ、それだけでは大切な賢人を多数失い結果、
恐怖と絶望あるいは洗脳教育から徐々に士気も下がりただ騙される事を選択する
国民を育成してしまう結果になっています。
(余談ですが、一人づつ銃殺されても歩き続けるチベットの人の行列を思い出します。)

アメリカだけ批判をする事は、ただナショナリズムを煽るだけの思想にまぎれ誤解されます。
(目をそらすため日本批判を誘う中国のナショナリズムのように)

まずは日本人自体の中の、自主化を阻む仕組みを壊す「具体的な運動」を第一段に
強力に集結しなければならないと思います。

「具体的にとは」
最近は副島先生方の努力のおかげで、ジャパンハンドラーの名前も具体的に多くの人に知られてきましたが、次の段階として
政治家や官僚に着眼し過ぎず、強力に以下の人名を明らかにし続ける。
イメージとしては副島先生の「世界権力者 人物図鑑」の日本人版データベースの共有

「経済界、マスコミ界(記者クラブ、通信社、電通等)、検察他、勝手な利権の為に現在裏工作、暗役している、”具体的主要民間日本人名リスト作成と流布”」これらの人間達にに対し隠れ

場所を作らないでもっと広く知り渡らせ、「暗役するお前をたくさんの国民の目が見ている」という状況を作っていき、マスコミ界、財界の力等を本当の表現の自由、活動の場に近づける


「日本裏権力者 人物図鑑」作成とでもいいましょうか。こういった動きもまず重要な第一歩だと思います。

そういった流布活動が現在いる本当に国民の利益追求のために活動されている「大切な本当の愛国賢人の先生方の身を守る」ためにも
少しでも気づいている人達が広め、できる使命のような気がします。
そのリストを作りたくても具体的知識と力がまだ足りない自分自身が残念ですが、ここに集まる皆さんには知識もっている方々が沢山いるでしょう。
まずは小石を投げる事しか自分には現在できませんが、こういう活動どうでしょうか?。

会員番号4666 琉球の風 投稿日:2013/06/26 14:19

【1149】[1318]バッグ届きました。有難うございます。

副島先生へ

ただ今「福島復興活動本部」に忘れてきたバッグが届きました。有難うございます。

22日(土)「復興活動本部」にたどり着いた時は、常磐自動車道を飛ばし、そのあと細く険しい曲がりくねった山道をカーナビ頼りにやっとの思いで着きました。
明るい内に「本部、」だけは確認しておこうと駐車場に乗り入れた時、思いがけず先生が出迎えて来てくれたのでびっくりし頭が混乱して碌な挨拶も出来ませんでした。失礼をお詫びいたします。

思い起こせば2011年の3,11の日より早2年と3カ月が過ぎました。

あの地震から津波、それに次ぐ“原発”の大爆発。日本中が大パニックの中、ただ、先生だけの素早い対応だけが力強い頼りでした。恐ろしい放射能に怖気づき
何人も原発へ近づけない時期に単身“原発”のゲート前から放射線量を測り写真をブログにアップしてきた時は正直涙が出てきました。

「福島復興本部」もあっという間に立ち上げものすごい行動力でした。

嘘もお世辞もなく、1億2000万人も住むわが国で原発爆発の大惨事の最中、単身現地入りしたのは2,3の弟子を引き連れた先生だけでした。老人部隊のボランティア「決死隊」を募る話を読んだ時は身につまされました。(私は62歳です。)

これから先“原発”の収束はどう落ち着くのか、国の政策はどこへ向かうのか、世界の金融じゃぶじゃぶの付けは何時どのようなかたちで現れるのか、日々緊張感の中で暮らしていると月日の経つのはあっという間です。

「復興本部」へは訪れる事も出来ませんでしたが、撤退式だけは会員の端くれとして是非現地に行かなければいけないと思っていました。先生や弟子の方たちと気軽に歓談出来なかった事は悔まれますが、どう言う訳かきっかけが作れませんでした。

吉見君もあの小さな山里の寒村でよく頑張ってくれました。一言声をかける事ができてよかったです。

最後に一言、手短に自己紹介をいたします。

1951年沖縄県宜野湾市普天間の生まれです。中学校は「普天間基地」のフェンス脇にありました。(校舎の窓から米軍のパラシュート訓練が毎日見えました。)高校2年(17歳)の時、基地撤去運動からベトナム反戦運動に加わり、琉球大学の学生たちのいわゆる学生運動に合流しました。

1970年、当時の佐藤総理が安保自動延長のため羽田から飛び立った時私の学生運動は終わりました。

会社とか組織に加わった事はありません。人前で話すのは苦手です。(訛コンプレックス?)
23年前から妻と小さな婦人衣料品店を経営して現在に至ります。
子供は無く、かわいい2匹の猫(ボニーとフランキー)と一緒に暮らしています。
2008年の初旬頃、何気なく本屋で見つけた森田実氏との対談本を読んで先生の存在に気付きました。
リーマンショック後会員になり、世の中で起こることの裏側、隠された真実など、経済、政治、歴史、文学などあらゆるジャンルで目から鱗が落ちるように勉強になりました。 以上、ちょっと長くなりました。

どうぞ先生もお体に気を付けてご活躍ください。

琉球の風拝

田中進二郎 投稿日:2013/06/26 07:26

【1148】[1316]通商国家日本とオランダの衰退の原因  『決然たる政治学への道』を読み直して

オランダ史に日本が見える  投稿者田中進二郎

六月の定例会が近づいてきました。今回の定例会の第二部では、
 「ミケランジェロ、フィレンツエ、メディチ家、ルネサンス」研究を 引き継ぐものとして、副島先生が6月に、、出かけて調べて回った「15,6世紀の 北方(ノーザーン)ルネサンス」である、オランダ、ベルギー、フランドル絵画の 大きな謎を解明する話をされるということで、実は私は定例会に行けないのですが、オランダ史に関連する本を読んでおりました。

副島先生の御著書の『決然たる政治学への道』(新版 PHP )の第10章(終章)に「オランダ論-ヨーロッパとは何か」があるということを長井大輔さんにご教示いただきました。
それと、この本の中で紹介、解説されている、岡崎久彦著『繁栄と衰退と』(副題:オランダ史に日本が見える  文芸春秋 1991年刊)を読んでいると、オランダ独立戦争史の面白さや、通商国家の繁栄から衰退の大きな流れなどが見えてきます。

岡崎氏の『繁栄と衰退と』という本は1906年にエリス・バーカーというイギリス人によって著された『オランダの興亡』という大著を下敷きにしたものです。大英帝国の衰退の予兆を感じ取ったエリス・バーカーが、「警世の書」として世に問うた書である。

ヨーロッパには繁栄の歴史よりも、衰退の歴史に重きを置く伝統があることはよく知られている。エドワード・ギボンの『ローマ帝国衰亡史』やモンテスキューの『ローマ盛衰起源論』がある。もっとずっとさかのぼっていくと、ツキディデスの『戦史』も古代ギリシャの盟主であった通商国家アテネがペロポネソス戦争(紀元前431年~404年)を通じて、三つの軍事大国、すなわちスパルタや、アケメネス朝ペルシャ、そして(最終的にはギリシャ都市国家群全体が)、マケドニア帝国の軍門に下るまでの流れの中の、最初の20年(紀元前411年まで)を記述している。

実に古代のアテネと、近世・近代のオランダ、そして現代の日本には「通商国家」として繁栄し、軍事大国によって衰退させられてしまうという共通点が存在するのだ。
そしてその衰退は繁栄の絶頂のさなかに始まるということも、歴史の法則であるかのように一致している。

アテネの場合、衰退のきっかけはペロポネソス戦争であり、オランダの場合はイギリスの極端な保護貿易主義立法であるところの航海条例(1651年)と、それに続く三度の英蘭戦争(①1652-54、②1665-67、③1672-74)であった。ここでかりに、オランダ独立戦争を1568年のオレンジ公ウィリアム(オラニエ公ウィレム)の挙兵から、1648年のヨーロッパ初の国際条約であるウェストファリア条約でのネーデルラント連邦共和国の正式な承認までの八十年戦争と定義するならば、オランダは正式に成立した途端に衰退への道を歩んだということができる。ちなみに有名なチューリップ・バブルは1637年にオランダで起こっている。

では日本はというと、冷戦体制終了後すぐに始まった、日米の経済・貿易の対立の激化が今から20年以上前に起こっていることを想起せねばならないだろう。
岡崎氏は『繁栄と衰退と』(1991年刊)の中で東西冷戦が終了したことで、日米間の安全保障問題がより重大な問題になるだろう、と記述している。そして17世紀のオランダの政治家たち(本当は大商人たち)は、中央集権を行いうるオレンジ公家(歴代当主は、①ウィレム1世 沈黙公~②マウリッツ~③フレデリック・ヘンドリック~④ウィレム2世~⑤ウィレム3世)や将軍たちの勢力の増大を阻止しようと躍起になって、イギリスとの戦争などはありえない、と閑却していた。この経済繁栄のものでの平和主義外交と、冷戦終了後の日本の状況が同じであることを指摘している。

さて、副島先生は『決然たる政治学への道』の中で、さらに厳しく1990年初めの日米間の政治、経済問題を分析・解剖されていることは、私が言うまでもないだろう。
『決然たる政治学への道』はあとがきによれば、旧名を『政治を哲学する本』と言い、1994年に総合法令から出版された、とある。(p363)
この当時はまさに、日米構造協議(ストラクチュラル・インペディメント・イニシャチブ)が開かれた後である。(1989年~1990年。ただし93年に「日米包括経済協議」と名を変え、94年から2009年の民主党の鳩山政権ができるまで、「年次改革要望書」という形で続いた。
:ウィキペディア参照)
このことについて『決然たる政治学への道』(第1章 p26より)では次のように書かれています。

(引用開始)
協議のあとの報告書で、日本国は、米国政府高官や、日本分析の専門家たちによって完膚なきまでに真っ裸にされて、まるで、X線写真にかけられたかのように、国内の政治体制や社会構造をアメリカに見透かされてしまった。
(中略)
日本が近代学問(サイエンス)の対象にされることが決まってしまった以上、彼らがとことん日本を丸裸にしてしまうことに、何の躊躇(ちゅうちょ)もないはずだ。
アメリカ人は、日本をこれまでに二度、丸裸にしている。第一回目は、ペリー来航の「強制的開国」のとき。第二回目は、日本の敗戦、連合国側の勝利の時である。だから、日本に対して、何の幻想も持っていない。
(中略)
日本は、1989年に日米構造協議が行われたあの時、真っ裸にされたのである。現代日本の希有(けう)の思想家・吉本隆明がこのことを指摘した。このことにきづいている知識人は、今でも日本では少ない。あれは確かに、第三の敗戦だった。
(引用終わり)

田中進二郎です。この日米構造協議によって、日本はものづくりや、アメリカに先立つ情報ハイウェイの整備などに使うはずであった、630兆円もの国家予算を、公共事業にふりむけさせらてしまった。(現在のデフレ下の日本のお金に直すと、200兆円ぐらいの価値かもしれませんが)これは、米国が「日本政府は公共投資を国民総生産(GNP)の約10パーセントに増額すべきこと」と勧告したためだ。

故・吉本隆明氏は「こういった指摘や勧告は単に正確だというだけでなく、日本の社会・経済にとって、いずれも決して悪くない勧告といっていい。」(吉本隆明著『大情況』1992年、弓立社刊)と書いている。(『決然たる政治学への道』p52の注より)
でも私はここのところは釈然としない。二十年以上たった今、日本はこのときから衰退の道へアメリカにずるずると引きずり込まれているのではないか、という気がするからだ。

(副島先生だったら、「こんなことは本当はもっと前から日本は何度もずっとやってきた。」とおっしゃるかもしれませんが・・・。)

冷戦終了によって、これと同時に日本は国際情勢の荒波に洗われることになった。しかし、多くの日本人はそのことにきづかなかった。今の今でさえも「アベノミクスで経済の繁栄
の夢をもう一度」と夢想している人たちが圧倒的多数であることが、6/23の都議選の結果などをみても分かる。
ところで上の観点は、副島先生、岡崎氏のみならず、小室直樹氏も同じくしていることが『決然たる・・・』を読めば、わかってくる。
(p355~p359)より引用します。

(引用開始)
岡崎氏の本から再度引用するならば、自由貿易論のチャンピオンであり、イギリスの初期の経済学というよりも、経済学そのものを創った人である、アダム・スミスでさえもが、イギリス政府の航海条例を支持したそうである。

(田中進二郎注:ここから岡崎久彦著『繁栄と衰退と』p24あたりを副島先生が引用されています。ちなみにアダム・スミスの『国富論』第4編の第2章に以下の内容があります。中公文庫では『国富論』Ⅱのp136になります。引用続けます。)

アダム・スミスは『国富論』の中で、貿易に対する国家の制限は、必ず経済にとって有害であることを繰り返し説きながら、それが国家の安全保障に関する場合は例外であるといっている。
アダム・スミスは「国の安全は国の繁栄よりもはるかに重要であるのだから、航海条例は、英国のあらゆる貿易規制の中で、おそらく最も賢明なものである」と述べ、航海条例が英国のオランダに対する敵対感情は「より深い考慮に基づく英知が勧告したであろうものと、まさに同一の目的、すなわち英国の安全を危うくする唯一の海軍力であるオランダの海軍力を減殺するという目的に向けられたものであった。」と言っている。(中略) 
ここで、自由貿易(経済)と、国家の安全保障(政治)という、二つの大問題が天秤にかけられているのだ。
国家安全保障(ナショナル・セキュリティ)という考えが前面に出てくる時は経済問題は二次的な問題に過ぎなくなる。「国家を守らなければならない」という問題が出てきたら、経済的な損失のことなど構っていられなくなるのだ。経済(金儲け)のことしか頭になくなってしまっている今の日本人には、これはなかなか分かりづらくなっている考えである。
(中略)

小室直樹の対談相手のアメリカ人学者ジョージ・フリードマンは、『ザ・カミング・ウォー・
ウィズ・ジャパン(日米戦争)』(1991年 徳間書店刊)の著者である。この本は、このままゆけば、日米交渉がこじれて、やがて不可避的に日米は戦争にまで行き着いてしまうしかない、と予測した本である。

この米国人学者に対して、小室直樹は、アメリカの機動部隊(タスク・フォース 戦前の日本の連合艦隊に匹敵する)のうち五つを雇ってしまえ、すなわち、傭兵にしてしまえと主張している。そこまで巨額の金を払ってでも、日本にとって自由貿易体制というのは生命線なのである。

(副島隆彦著 『決然たる政治学への道』 第10章より 引用終わり)

田中進二郎です。上の引用箇所は小室直樹著『国民のための経済原論Ⅱ アメリカ併合編』
に書かれている。
引用の仕方がへたくそで申し訳ありませんでした。
副島先生は次の定例会で、これよりもさらに新しい文明論(オランダ論)を展開されるということで、「信じられへんなあ。」という感じです。 「衰退国家日本論」がどーんと出てくるのかなという感じを抱いています。  
     
最後になりましたが、福島支部の活動に当たられた方々、および都議選を戦われた方々、お疲れ様でした。
田中進二郎拝

六城 雅敦 投稿日:2013/06/25 18:02

【1147】[1315]学問道場福島復興支援事務所にて閉所式が行われました

2099六城雅敦です。

福島復興事務所を設置して2年が経過し、当初の目的はほぼ達成したことから今月末をもちまして閉所することとなりました。

福島県田村市都路に2年間駐在した吉見理(よしみおさむ)さんの慰労を兼ねた閉所式が6月23日に無事行われたことをここでご報告申し上げます。

20名を越える会員有志が集合し、看板や備品の撤去作業を行いました。最後に副島隆彦先生からこの2年間の講評と吉見さんへの謝辞を述べられました。
吉見さんの2年間にわたる周囲の観察記録は学問道場の貴重な財産であると締めくくられました。

吉見さんからは食料品店が近所にない場所で住むことは都会で生活する人にはわからない苦労があることを知って欲しいと感想を述べられました。
そして食料よりも命を繋ぐ物は「石油」であることを思い知らされたそうです。
吉見さん曰く、「物価が安くて住みやすいだろ?」と言うけども

<b>冬は灯油が切れたら凍死するよ、マジで!</B>

この一言が独りで広いコンビニ店舗跡に住んでいた厳しさを物語っています。

しかし南相馬に住む会員の西槇さん、石川町の泉さん、福島の高野さんら近く(といっても5,60kmは離れている)の方々が当初から吉見さんを支え、陰日向に尽力くださりました。おかげで当初はボロボロだった建物は吉見さんはじめ多くの会員が憩える場となったのです。

副島先生からお礼を申し上げられ、献杯をもってぶじ閉所式は終了しました。

吉見さんはご近所づきあいも無難にされていたようで、地元の方もお別れに訪れていました。

帰途に立入禁止制限が解除された富岡町へ立ち寄ることになりました。
川内村の山頂からは彼方に第一原発を眺めることができます。

川内村から原発の作業用道路を下ると、富岡町市街地にまっすぐ入ることができます。道路の瓦礫が集められただけで、ほとんどの家屋は倒壊したまま、道路も波打ったままで放置されています。

立入禁止前と風景はほとんど変わっておりません。道路の障害物が除かれただけです。


猫を保護した富岡駅は今では猫一匹もいません。ただし私たちの後に見学の団体を乗せた大阪ナンバーの大型観光バスが到着しました。

住民さえ戻れば、あっというまに風景は変わるのでしょうが、建物が放置されている現状から推し量ると望みは薄いと感じます。

富岡駅の裏は砂浜が広がるきれいな海岸です。防波堤は崩れ、船着き場は砂に埋っています。
毎年海水浴客や釣り客が多く訪れていたのでしょう。でも私たち以外に砂浜に人影はありませんでした。

海岸から南に目をやると福島第二原発を眺めることが出来ます。

いわき方面から東京へ帰る人と郡山へ戻る人に分かれたので、ここで解散となりました。

最後になりましたが、福島復興事務所にご協力をいただいた会員のみなさまにお礼を申し上げます。
拠点は撤収いたしましたが、今後も原発周辺の調査は適宜おこなって参りたいと思います。

郡山駅、都路復興事務所、川内村山頂でガイガーカウンターの数値は0.3μSv/hで平常時の値と何も変わりません。このように原発から10kmも離れれば一千万分の一という単位でしか検出できないのです。ですから一刻も早く立入禁止区域を解除して復興作業がおこなわれることを願わずにはいられません。

六城雅敦 投稿日:2013/06/24 12:29

【1146】[1314]G8の主要議題は「租税回避」 wikileaksにより暴かれたタックスヘイブンの顧客達

会員番号2099 六城雅敦です。

4月3日の2ヶ月以上前という旧聞になりますが、イギリスのガーディアン紙(The guardian)がウィキリークス(wikileaks)によってBVI(イギリス領ヴァージン諸島)オフショアの顧客名や過去10年以上の取引記録を暴露されたことを報じました。

The Guradianの記事
huffingtonpostの記事

コンピュータに保存されている顧客との間との何百万の電子メールと文章が衆人に晒されてしまいました。漏洩した電子データが200Gバイトとあまりにも大きいので解析に時間がかかっているようです。

それで日本以外の新聞ではBVIの情報漏洩でぞろぞろ出てくる政治家やその親族関係、有名人や詐欺犯罪者とぞろぞろと出てきて連日ゴシップ記事で報じられているそうです。
漏洩した内容は名前と住所と預かり金など一切

とうぜんタックスヘイブンを利用している日本人の名前もたくさんあるはずです。知らぬは当の日本人だけ。

租税回避のために預けられた金額は3000兆円とも4000兆円とも言われています。 これは日本と米国のGDPを合算したものと等しいそうで、その巨額には驚かされます。

イギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、ロシア、日本と欧州委員会の首相が集まったG8サミットですが 、G8首相会談の話題は「オフショアに流れた金を各国が協力して奪い返す」ための話合いが行われたわけです。そこにはJapanという単語はひとつもニュースソースには見ることがありません。

<b>世界のどこにも莫大な隠し資産を逃避させる場所はない</b>

タックスヘイブンの顧客達は今頃ブルブル震えているはずです。

アップル社が米国に売上に見合う法人税を納めていないという問題がアメリカ議会で取り上げられていましたが、法人税率の低い国で納税して高い税率を回避するという手段はグローバル企業では普通に行われている行為です。

G8サミットでその対策も話し合われたのは想像に難くありません。

つまり莫大な含み資産をもつ大企業、タックスヘブンに隠し資産をもつ富裕層から巻き上げようという共通認識(コンセンサス)がG8サミットで成り立ったと見るのがよいのでしょう。

前田和寿 投稿日:2013/06/22 16:10

【1145】[1313]ジム・ロジャーズの新しい本が痛快で面白い!ハーバード大も金融危機で破産する!

前田和寿です。

日本の上昇相場を作ったジム・ロジャーズの新刊「冒険投資家ジム・ロジャーズのストリート・スマート」が痛快で面白いです。

amazon : http://amzn.to/1aBJhIt

ジム・ロジャーズのまとめブログ:
http://jimrogers-investments.blogspot.jp/

副島先生が日本人としてアメリカを斬るように、ジム・ロジャーズはアメリカ人としてアメリカを斬っています。今までの彼の本の中で最も評価が高いとジム自身が話しています。

私も彼の本を全て読みましたが、この本は一番、副島節に近い内容です。

すでにご存知のように、アメリカ人は外国の銀行口座を開く事ができなくなりました。さらに、例えば、HSBCで既に持っている口座も解約を迫られ、泣く泣くシティ・バンクなど国内銀行の口座へ移さなくてはいけません。愛国者法の下に、税務官僚たちが金持ちを縛り上げています。

この辺りのことも世界で投資をするアメリカ人として、アメリカの空気が変わった事を読者に感じさせてくれます。

他には、ハーバード大やスタンフォード大などの大学も金融危機で数年後に潰れてしまうらしいです。日本の大学も数十億円を金融スワップに手を出して損失を出しましたが、本場アメリカの大学は、数千億円の損失を出していると考えるのが妥当です。

今、アメリカで問題になっている教育ローン(卒業したら2000万円ぐらいの借金が残る)は自己破産しても該当されないらしく、最悪です。日本でもオリコなどの金融機関がここ数年で同じ事をやっていますね。

そして、中国が世界覇権国になるということも詳しく説明してくれています。

最後に、金価格も彼は1年ぐらい前から国際金価格は1200ドルまで調整が入るとずっと話していましたから、その通りになっています。

副島先生も、最新刊の「金を買いなさい3」が出版されて数日後の6月20日に国際金価格が1オンス・1269.66ドルまで暴落しました。さすが神憑っています。昨日、金曜日も世界各地の貴金属店に列が出来たのでしょうか?

ぜひ学問道場の方は、アホノミクスが終わるまでもう少し時間がありそうですから、読んでみて下さい。

前田和寿

副島隆彦 投稿日:2013/06/18 12:46

【1144】[1311]来週末、29日の 私たちの定例会(講演会)に ご参集ください。

副島隆彦です。 今日は、2013年6月18日です。

私たちの定例会が、来週末(29日)に迫って来ました。

 まだ席はあるそうですから会員の皆さん参加してください。会員が友人をお連れするというのも私たちが期待する学問道場としての集まり方です。 どうしても一回、学問道場の講演会を聞いてみたいという人は、当日いらして、その場で会員になってくだされば歓迎いたします。

第30回 副島隆彦を囲む会主催定例会
<b>「いい加減にしろ!!マイケル・グリーン~米中“新秩序”に取り残される日本」</b>
講師:副島隆彦先生、中田安彦研究員、力石幸一氏
開催日:2013年6月29日(土曜日)
会場:「全電通労働会館 ホール」
アクセス:JR 中央線 総武線「御茶の水駅」聖橋口出口 徒歩5分
開場  12:15
開演  13:00
終了  17:30
・6月29日(土)開催の当定例会へのお申し込みは、下記のページからお願いします。↓
http://www.soejima.to/cgi-bin/kouen/kouen.html

 今日のぼやきの「「1384」番で、アルル君が報告しましたとおり、「6月29日の定例会のお知らせ。タイトルが<b>『いい加減にしろ!!マイケル・グリーン~米中“新秩序”に取り残される日本』</b>に。米日関係その他の政治経済の話題に縦横無尽に切り込みます」となりました。 

アルル君と私で、最新の世界情勢、国内政治の話を中心に思う存分、話します。

直近では、以下の記事のとおり、安倍首相は、オバマ大統領から嫌われているので、G8サミットでの首脳会談が無しになった、という報道があった。

(転載貼り付け始め)

「G8 日米首脳会談見送り」

産経新聞 2013年6月16日

 日米両政府は15日、(G8にあわせて行なう予定だった)安倍晋三首相とオバマ大統領の会談を見送る方針を固めた。13日の電話会談で対中政策などについて十分な意見交換が行なわれたことから、両首脳は実利を重視し、サミットでは他国との会談を優先させる方針だ。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 なぜ米民主党のオバマ政権が日本の安倍政権を指して、危険な右翼勢力による政権であって、長い目で見てアメリカの国益を損じると判断しているのか。ワシントンで安倍晋三たちはどのように評価、判定されているのか。このことから話し始めます。 

 それなのに何故、日本の政治を、すなわち自民党と官僚たちを、マイケル・グリーン(元ホワイトハウス 日本部長、共和党系)という狂暴な男に、操(あやつ)らせたままにしてオバマたちは放置しているのか。それは、どうもオバマ大統領とバイデン副大統領たち米民主党の政治家たちには、泥臭い世界管理や血なまぐさい軍事行動が取れないからだ、という判断が成り立つ。

 それから、橋下徹(はしもととおる)大阪市長の、韓国との従軍慰安婦問題にまで広がった、「沖縄の米軍兵士はもっと売春宿を活用してほしい」という露骨な発言が、アメリカ政界で嫌われたこと。

 この事件の構造を、副島隆彦は、ワールド・ヴァリューズ( world values 世界普遍価値)と、パローキュアル・ヴァリューズ( 民族固有価値、あるいはlocal values ,それぞれの民族、部族での正直で、切実な主張、考え)の対立として捉(とら)え、副島隆彦は、20年前から、世界普遍価値と 民族固有価値が対立するときは、つねに「7(と)3の構え」で、世界普遍価値の方を優先すべきだ、世界の大勢を敵に回す言論をやってはいけない、という立場です。

 ですから、 “産経(新聞)右翼”として育った橋下氏には、自分たちの実感(民族固有価値)を押し通そうとするので、世界普遍価値(ワールド・ヴァリューズ)への配慮が出来ないので、こういう叩かれ方をするのだ、と考えます。

 そして市長として公職にあるということは、全体の代表者であり、public personage パブリック・パーソネッジ(公人)であるから、「どこの国の軍隊も、組織として女性を性欲の処理の対象にしてきた」というようなことを強弁、強硬主張することは、私人(個人)なら許されるが、公職にある者には許されないのだ、と考えます。こういうことも 定例会で説明します。

 以下の2本の最近の新聞記事が、重要だ。以下の記事に、あの狂暴なヒラリーが、舞い戻って来そうだ、と書いてある。どうもアメリカ政界(ワシントン)で、 ヒラリー派の 巻き返しが 起きています。軍人たちもオバマの軟弱路線に飽きて、ヒラリー・シフトしているようです。 

  政治の世界は、すさまじい 権力闘争の 場だから、簡単な予測はできない。しかし、民主党のオバマの次は大統領は共和党から出ることに決まっている。だから、民主党のヒラリーが次期大統領になることは無い。それでも、狂暴なヒラリーたちが足掻(あが)いて、世界に戦争を仕掛けようとしている。

 アメリカの金融、経済がどうにもならない、ということになれば、やはり、戦争=軍事力で、世界を揺り動かす、という手段にアメリカは出るしかない。

 6月7,8日にカリフォルニアで、オバマと習近平の「世界を二人で無事、治めてゆこう」という米中会談が終わった途端に、このような記事が出た。バイデンの子飼いのドニロンが 大統領補佐官(国家安全保障担当)を急に首になって、後任にヒラリーの子分の、スーザン・ライス (国連大使)がなった。 これは、ヒラリー派の大きな巻き返しだ。

 だから、日本も マイケル・グリーンのような薄汚い、どうしようもない暴力団のような男が、わがまま放題で日本を管理し、自民党と官僚たちを、顎(あご)で使うのだ。

(転載貼り付け始め) 

●「 ヒラリー氏が最初の“つぶやき” 次期米大統領選へ注目 」

2013年6月11日 共同通信

http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013061101001249.html

 ヒラリー・クリントン前米国務長官は10日、短文投稿サイト「ツイッター」に参加し、最初の“つぶやき”を投稿した。フォロワー(読者)は同日 夕の段階で早くも20万人を超えた。

 クリントン氏は2016年の次期米大統領選への出馬の観測が絶えず、フォロワーによる大統領選に関する書き込みもみられた。同氏の動向が注目されていることがあらためて示された。

 投稿は、クリントン氏に関する人気のオンラインサイトの創設者に感謝する内容。自己紹介欄は「妻、母、弁護士、女性と子どもの擁護者、犬の飼い主」などとし、大統領夫人、国務長官などを歴任したことも記している。

●「 ライス氏、安保担当補佐官就任へ=国連大使にパワー氏-米大統領 」

2013年6月6日 時事通信

http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2013060500973

 オバマ米大統領は5日、ドニロン大統領補佐官(国家安全保障担当)の後任にライス国連大使(48)を起用する方針を固めた。同日中に発表する。 ライス氏の後任には、ハーバード大教授のサマンサ・パワー氏(42)を指名する。ホワイトハウス高官が明らかにした。

 ドニロン氏は7月上旬にも退任する。これにより、政権2期目の外交チームが正式に発足する。ライス氏はオバマ政権の掲げる国際協調路線のかじ取りを期待される。
 
 大統領は当初、ライス氏を国務長官に起用する方針だったが、2012年9月のリビア・ベンガジでの米公館テロ事件をめぐる同氏の対応に野党共和 党が反発し、指名を断念した経緯がある。大統領補佐官の任命には議会上院の承認は不要。

 ライス氏は、08年の大統領選でオバマ氏の上級外交政策顧問として深く携わり、政権移行チームにも参画するなど腹心として知られる。大統領はライス国連大使を閣僚級に格上げした。

 パワー氏は08年の大統領選後、人権や国際法の専門家として政権移行チームに参加。09年の政権発足から13年2月まで国家安全保障会議 (NSC)で多国間問題・人権担当の上級部長を務めた。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。これらの、最新のアメリカの動きも徹底的に評論し、分析します。

それから、以下の様な 中国との駆け引きの話もします。

(転載貼り付け始め)

●「 尖閣「日中が棚上げ」 訪中の野中氏「田中元首相が発言」 」

2013年6月4日 東京新聞

【北京=佐藤大】野中広務(のなか ひろむ)元官房長官を団長とする超党派の訪中団が三日、北京の人民大会堂で中国共産党序列五位の劉雲山(りゅう うんざん、リュウ・ユンシャン)政治局常務委員と会談した。

 野中氏は会談後の記者会見で、一九七二年の日中国交正常化交渉の直後に田中角栄首相(当時)から「両国の指導者は尖閣諸島の問題を棚上げすることで共通認識に達した」と直接聞いたと、劉氏に伝えたことを明らかにした。
 
 日本政府は領土問題は存在せず、「棚上げで合意した事実はない」(菅義偉(すが よしひで)官房長官)との立場で、野中氏の発言は波紋を広げそうだ。

 尖閣問題をめぐっては、中国人民解放軍幹部が二日、アジア安全保障会議で「棚上げ論」を主張している。劉氏は野中氏らとの会談で、尖閣諸島をめぐる日中対立を念頭に「双方の対立を早く解消しなければ、両国のためにならない」と言明。領有権争いの存在を日本側に認めさせる狙いがあるとみられる。

 新華社電によると、劉氏は野中氏が中日関係発展のため尽力してきたことを称賛し「共産党と政府は中日関係を重視している」と強調。一方、野中氏は「各党の政治家は歴史を直視し、日中友好に向け関係修復を図る必要がある」と語った。

 野中氏は、習近平(しゅう きんぺい、シー・ジンピン)国家主席にも影響力がある曽慶紅(そう けいこう、ゾン・チンホン)元国家副主席と何度も会談して信頼関係を築き、日中のパイプ役を務めてきた。会談には自民党の古賀誠(こが まこと)元幹事長、民主党の仙谷由人(せんごく よしと)元官房長官、共産党の穀田恵二(こくた けいじ)国対委員長ら超党派の議員ら計九人が同席。中国側は党中央対外連絡部の王家瑞(おう かずい)部長らが出席した。

(転載貼り付け終わり)

それから、この定例会では、

 第2部として、私、副島隆彦の 「ミケランジェロ、フィレンツエ、メディチ家、ルネサンス」研究を 引き継ぐものとして、6月に、私と編集長とで、出かけて調べて回った「15,6世紀の 北方(ノーザーン)ルネサンス」である、オランダ、ベルギー、フランドル絵画の 大きな謎を解明する話をします。こちらにも乞うご期待。  6月29日の定例会に、是非、ご参集ください。

第30回 副島隆彦を囲む会主催定例会
<b>「いい加減にしろ!!マイケル・グリーン~米中“新秩序”に取り残される日本」</b>

講師:副島隆彦先生、中田安彦研究員、力石幸一氏
開催日:2013年6月29日(土曜日)
会場:「全電通労働会館 ホール」
アクセス:JR 中央線 総武線「御茶の水駅」聖橋口出口 徒歩5分
開場  12:15
開演  13:00
終了  17:30
・6月29日(土)開催の当定例会へのお申し込みは、下記のページからお願いします。↓
http://www.soejima.to/cgi-bin/kouen/kouen.html

副島隆彦拝

福田 博之 投稿日:2013/06/09 22:05

【1143】[1310]日本人の共感力と空(くう)

『リフレはヤバい』小幡績  は、“余談”として書いてあるところも興味深いと、私は思いました。
この“余談”から、日本人の共感力と“空(くう)”についての関連を、ぼんやりと 思いました。

(引用開始)

第二章 円安はどのようにして起きるのか
P66
余談ですが、人の感情や状況を、あたかも自分のことのように感じることをエンパシー
(empathy)と言います。これは、共感と訳されて、ビジネスの世界でも近年重要視され
ています。これに対して、ただかわいそうに思うのは、同情、シンパシー(sympathy)
です。日本の社会ではエンパシーが古くから極めて重要で、この点でも世界で最も成熟し
た社会と言えます。

P67

円高で窮地だという報道が盛んにされるので、共感にあふれる日本人は、
一部の人々の死活問題を、わが事として受け止め、日本のためには円高はよくない、
と思ってしまうのです。

(引用終わり)

日本の言語に、
「環境への同調性、自他認識の薄弱性」を見るとき、
<スル>ではなく、<ナル>と表現したがる傾向を見るとき、
ここに“縁起”や“空”、“無の境地”、“無我”という概念の影響を私は感じます。

“空”の定義は、「とてつもなくある」こととし、「すべての存在の上位概念」であり、
“無”と“有”や“矛盾”や“宇宙”を包摂する。
縁起は、「すべての存在は関係で成り立っている」という事で、“空”とは異なる。
と、苫米地氏は空を定義しています。
“縁起”について考えると必然的に“空”という概念が必要となると私は思います。

“空”自体の定義でななく、“空の思想”と言うときは、単に空の概念としての位置づけだけではなく、
過去や未来という時間軸や、マクロとミクロでのものの見方、ものごとの関わりあい、などを考慮した、
“ものの見かた”や“生き方”という事に関連付けられる事があるのではないでしょうか。
空の思想には心を穏やかにする利点があり、“神”よりも平和的な思想に活用できる概念だと思います。
しかし、“空”の大乗仏教が、なぜ時の権力者に利用されてきたかという、
“空”の悪用の危険性も理解する必要があるのでしょう。
その事は、“縁起”の思想が悪用される危険性の理解にもつながると思います。

“空”は定義として、
「物質的領域に生まれる諸々の生存者と非物質的領域に住む諸々の生存者」も包摂し、
善も悪も両方包摂するので、定義自体は勧善懲悪という立場をとっているわけではありません。
その為、庶民が空の大乗仏教や、釈迦の思想を利用して、いかに生きるのが平安かを考える場合、
空や縁起を基にした、“空”の定義以外の“思想”が必要という事となり、
釈迦としての持論や大乗仏教では、後に“律”としてまとめられる箇所を主に指すのでしょう。
快も苦も極端を尽くしたのちの人物が得た悟りが、釈迦ほどの両極端を生涯経験することなく生きるで
あろう大多数の、“王子様”ではない人間にとって、どこまで活用できるのかという事はここでは触れません。

“無我”ということが、
環境保護的思想、共同体主義的思想、和を重んじる思想、
親を敬いそこから統治者を敬うという思想、死への恐怖の克服という思想などに活用することができます。
ここが、庶民を支配する者にとって都合がよい思想となったのでしょう。

“無我”ということや、“無住心”とよばれる人間だけでなく他のものにも心を移すという禅の考えなど、
仏教の影響、特に言語に対する影響により、日本人の共感力が高まったと言えるのでしょうか。
だとすれば、その“共感力”がデモクラシーの世で、庶民の自分自身の生活にとって、
小幡氏が指摘する風に、マイナスに作用しない様に気をつけたいと思います。

最後に余談ですが、小幡績の著書といえば、
 『すべての経済はバブルに通じる』 の“まえがき”も、とても印象的でした。

「資本主義とはなんだろう?」という問いの答えとして、

(引用開始)

「ねずみ講」というものです。答案にこれが書いてあれば、90点です。居酒屋談義なら100点満点でしょう。

(引用おわり)

「金融資本が支配する社会における資本主義の本質」について、

(引用開始)

それは、資本中心主義であり、資本の自己増殖本能を満たすために経済が存在する、というものです。
経済を成長させるために投下された金融資本が、経済において利益を生み出す決め手になる
と、その金融資本が主役になり、こちらの目的が優先されるようになります。経済と金融と
が主客逆転し、金融資本が利益を上げ、自己増殖するための収益機会として経済は存在する
ことになるのです。

(引用おわり)

現実に起こっている現象の説明として、とてもよく当てはまる表現だなあと、私は思いました。

【参考文献と抜粋】

●『詩学と文化記号論』 池上 嘉彦

P336 第四章<スル>的な言語と<ナル>的な言語

本稿の目的は、英語は〈スル〉的な傾向の強い言語、日本語は〈ナル〉的な
傾向の強い言語という観点から、二つの言語の間に認められる文法、語法、およびそれらの
慣用上のさまざまな対照的な違いがかなりの程度に統一的に説明できるということを示して
みるということであった。

●茂木 さんの投稿 重たい掲示板 [521]日本語と自他認識 

「母音言語と自他認識」

 日本語が母音語であることと、それに伴って起こる日本語的発想における「自他認識」の薄弱性は、

I 日本語には身体性が強く残っていて母音の比重が多い
II 日本人は母音を左脳で聴く
III 日本語は空間の論理が多く、主体の論理が少ない
IV 日本語に身体性が残り続ける

という循環運動(IVから再びIへ)で説明できる。

●「「空」を定義する ~現代分析哲学とメタ数理的アプローチ」 苫米地英人

縁起を一言でいえば、「すべての存在は関係で成り立っている」ということです。

大乗仏教が発見した釈迦の悟りの空とは、「とてつもなくある」ということ、
「宇宙全部を満たすほどある」ということでした。

●『ブッダのことば』スッタニパータ 中村元訳

P169 七五四
物質的領域に生まれる諸々の生存者と非物質的領域に住む諸々の生存者とは、消滅を知
らないので、再びこの世の生存に戻ってくる。

P169 七五五
しかし、物質的領域を熟知し、非物質的領域に安住し、消滅において解脱する人々は、死
を捨て去ったのである。

【おまけ】

●我思う 故に 我無し

我思う 故に 我在り
我在り 故に 非我在り

我思う 故に 言語あり
我思う 故に 知識あり
我思う 故に 学習あり
我思う 故に 経験あり
我思う 故に 教育あり
我思う 故に 誕生あり
我思う 故に 死滅あり

我思う 故に 頭脳あり
我思う 故に 細胞あり
我思う 故に 物質あり
我思う 故に 自然あり
我思う 故に 宇宙あり

宇宙あり 故に 自然あり
自然あり 故に 物質あり
物質あり 故に 細胞あり
細胞あり 故に 頭脳あり
頭脳あり 故に 我思う
我思う  故に 我在り

宇宙あり 故に 我在り
我在り  故に 我思う
我思う  故に 無我あり

我思う 故に 我無し

副島隆彦 投稿日:2013/06/06 10:44

【1142】[1309]株式と国債の暴落が始まって、「アベノミクス、あるいは、アホノミクスのおわり」となりました。バカ騒ぎの半年間でした。

 副島隆彦です。今日は2013年6月6日です。 株式市場での暴落が続いています。

 日本の平均株価は、15,900円(5月22日)の最高値をつけたあと、翌日の23日から急落を続け、今日、現在13,000円すれすれまで落ちた。2週間で3000円の幅で落ちた。日本だけでなく、それに連れてアメリカの株式でも下落が起きている。

(転載貼り付け始め)

● 「 米国株、大幅続落 ダウ1カ月ぶり1万5000ドル割れ リスク回避」

2013/6/6 5:33 NQNニューヨーク

5日の米株式相場は大幅に続落し、ダウ工業株30種平均は前日比216ドル95セント安の1万4960ドル59セント(速報値)で終えた。終値で1万5000ドルを下回るのは5月6日以来ほぼ1カ月ぶり。

 前日比の下げ幅は4月15日以来の大きさだった。米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和策の縮小時期など金融政策を巡る先行き不透明感が強かった。注目の米雇用統計の発表を7日に控えて投資家が運用リスクを取りにくくなり、幅広い銘柄に売りが広がった。

(転載貼り付け終わり)

 このように NYのダウ平均株価も、16,000ドルに到達すること無く、連日200ドルぐらいづつ下げて、昨日は15,000ドルを割った。 ヨーロッパ各国の株式市場の暴落も起きている。 私が、『浮かれバブル景気 から 衰退させられる日本』(徳間書店 2013年3月末刊)で書いた通りの事態になった。 

 日本の個人投資家で3,4月に遅れて株式を買った人たちに大損が出ている。彼らの悲鳴が聞こえる。 甘い考えをした人たちは、またしても騙されて、自分の株式の損を握りしめて、毎日、青ざめながら生きている。私は、浮かれ騒ぐな、また罠に落ちるぞ、と強く注意してきたのに。

 この半年間、昨年の野田佳彦首相の 11月16日の突然の解散、総選挙の発表から、株価の奇妙な、仕組まれた上昇がずっと続いていた。そのあとすぐに「アベノミクス」という言葉が出現した。全く実体経済を反映しない、「偽りの景気回復」(野口悠紀雄氏のコトバ)が人工的に作られて来た。・・・そして、ついに、その化けの皮が剥がれた。

 もう、日本もアメリカもヨーロッパも、この先進国3地域は、成長経済の策をとることは出来ず、衰退してゆく。 だから、「アベノミクス、あるいは アホノミクスの終わり」ということで私は書きます。 私、副島隆彦の勝利宣言とも言えるものだ。

 あ、その前に、ここの「今日のぼやき」の方を読んでください。

 「今日のぼやき」の「1381」番  「 私たちは福島復興活動本部 を 閉じて 撤退式をします。6月23日です。時間のある人は福島の現地まで自力で来てください。 副島隆彦 2013年6月2日」 を読んでください。ここに福島原発事故以来、2年3ヶ月間のその後の私たちの活動の経緯を書きました。

 さて、私、副島隆彦は、5月23日の 株式の暴落(1400円下げた)が始まった日から、ずっと事態を凝視していた。この2週間、わざと株式の暴落のことを何も書いて載せなかった。リフレ派(インフレーション・ターゲティング論)を唱導してきた経済学者たちは、おのれの学説のあまりの稚拙と、 厳しい現実との格闘の無さを恥じるがいい。

 その頭目は、理論家としては、ポール・クルーグマンMIT教授(ノーベル経済学賞受賞)である。彼は、ハーヴァード大学のケインズ主義の優れた伝統から出てきたのに、マネタリストという薄汚い経済学の方に落ちぶれていった愚か者だ。竹中平蔵が連れてきた、浜田宏一という爺さんは、おのれの不明と深い学識の無さを恥じて日本を去るだろう。

 竹中平蔵が日本最大の大悪党だから、浜田を始めからスケープゴートにする気だった。そのように、私は『浮かれバブル景気・・』で書いた。

 私は『日米地獄へ道連れ経済』(祥伝社、2010年刊)などこれまでに20冊以上の自分の金融本で、ずっとこのようになると書いてきた。「2012年の春には、フランスの3大銀行が破綻して、先進諸国は世界恐慌に突入する」と書いた 予測(予言)が、1年遅れて、ようやく当たり始めている。

 5月23日(木)から株価の急落が始まった。この日の最大の下げ幅は、1400円だった。 その1週間後の5月30日は、東証の株価が1万4000円を割って、終値は737円安だった。

 直近の2週間の日経平均株価(にっけいへいきんかぶか)の推移は以下の通りである。

 5月22日 終値 15,627円→ 5月23日終値14,483円 ▲1,143円
以下、 5月24日 終値 14,612円 +129円
5月27日(月) 終値 14,142円  ▲470円
5月28日(火) 終値 14,311円  +169円
5月29日 14,326円  → 5月30日 終値13,589円 ▲737円
5月31日 13,589 円→ 5月31日 13,774円 +185円

6月に入って、6月 3日(月) 終値13,261円  ▲513円
6月 4日 終値 13,533円  +272円
6月 5日(今日)  終値 13,014円  ▲519円 である。

 このように、6日も、519円の安値だった。これで、株価は13000円すれすれだ。これは先週の5月23日以来の、株の暴落の続きだ。あの日は1450円ぐらい下げたが、終わりは1143円の下げだった。次の24日は一時1000円下げて、1万3000円台まであったけど無理やり800円ぐらい政府(が日銀の資金で)買い上げて、プラス128円ということにした。

 それから土日を挟んで27日の月曜日は、470円ぐらい下げで終わった。28日、29日は、そのままグズグズしていたが、30日(木)に1万4000円を割った。翌31日(金)の月末も1万4000円台に戻せず、1万3744円で終わって、これでもう1万3000円台が確定した。

 週が明けて6月になって、3日(月)は512円下げて、1万3261円。そして4日の下げ幅は200円を超えて、1万3000円の節目に接近した。が、無理やり政府や銀行が買い支えて271円戻して、1万3533円だった。すぐに1万2000円台まで落ちる可能性がある。これはもう明らかに、アベノミクスの終わりだ。為替も1ドル100円を割った。本来の正しい円高(ドル安、ドル暴落)の方向(トレンド)に戻った。

 私は、ここでアベノミクスの正体をいち早く見抜いて、日本国民に危険な政府行動の真実を書いて伝えた経済学者たちをまず、褒(ほ)め称(たた)えようと思う。

 まず筆頭は、早くも昨年から浜田宏一・イエール大学教授と、リフレ派の理論のおかしさ、非現実性を議論して、『金融緩和で日本は破綻する』(ダイヤモンド社、2013年1月刊)を書いた野口悠紀雄・一橋大学名誉教授である。この本は、私にとっても難解であるが、本当の経済学の緻密な知識というものはこのようなものかと感動した。

 それから浜矩子(はまのりこ)同志社大学教授である。彼女は、安倍首相たちが急激に推進した経済政策(その一部が、リフレ理論という 金融政策へのネジ曲げ関与)を批判し続けた。これをアホノミクスと断じて、リフレ派およびポリシーミックス派(=財務省)を擁護する連中から一斉に非難攻撃を受けて袋叩きにされた。

 しかし彼女は一歩も引かず冷静に逐一彼らに反論した。そして勝利した。あっぱれだった。今、浜矩子女史を、さんざん中傷して腐さした者たちは、この株価の激しい下落を受けて、自分たちの信念を失って、茫然自失している。

 それから、本当に頭がいい小幡績(おばたせき)慶応大学准教授である。彼は、『リフレはヤバい』(ディスカヴァー携書)を書いて、アベノミクスを推進するリフレ派を「経済学の理論を無視している」として徹底的に批判した。痛快であった。

 それからブロゴスという組織にいる池田信夫(いけだのぶお)氏が、始めからアベノミクスのいかがわしさを見抜いて、本来の経済学の理論から生まれる政策ではない、と断じた。他にも数人、主に日銀出身の経済学者が、アベノミクスのお粗末さを指摘してきた。

 私、副島隆彦は、大学の経済学部を出たわけではないので、経済学共同体の中の、専門のターミノロジー(用語系)が分からず、精密な議論をすることが出来ない。しかし、私の思想家としての眼力から、「この専門業界の人たちの中では、この人の書くものが優れている」と見抜く力を持っている。

 経済学を真面目にきちんと勉強した人なら、かならず上記の4人のような優れた見識を持つものである。だから、今回、株価の暴落と、さらに引き続いて日本国債の暴落(長期金利の高騰の予測)が起きそうなことで、アベノミクスの化けの皮が剥がれて、アベノミクス推進派の、権力ベッタリ妄信、自分はいつも体制派、という愚劣な人間たちが、顔色(がんしょく)を亡くして、狼狽(うろた)えまくっている。

 今度の、日本の金融市場での動きは、アメリカが、徹底的に日本の株と国債を売ろうとしていることだ。ここには深い計略が見られる。主にゴールドマンサックス系のヘッジファンドたちからの先物での売りがひどかった。 シカゴマーカンタイル取引所(CME、シー・エム・イー)のレオ・メラメッドが率いる、ロボット・トレーディングの暴発的な脅威が迫っている。 

 安倍政権が出来る前からアメリカ側と深く根回しすることで、50兆円を貢ぐこと(これで、一回あたり5兆円の米国債を買うことを10回繰り返して、このドル買いは一回あたり2円の円安を引き起こす。

 だから、1ドル80円だったのが100円になった)で、日本の円安(政府による円の相場操縦による、公然たる、違法な「切り上げ」)と株高をアメリカに邪魔しないでくれ、という賄賂(わいろ)攻勢で、オバマ政権を買収した。怒ったオバマたちは、日本との密約を全部反故(ほご)にして、日本を売り崩すという手法に出た。

 アメリカはヨーロッパよりも先に、日本を先に犠牲者にするという計画を実行している。アメリカは、ヨーロッパの金融市場を先に崩すよりも、同じ白人同盟だからヨーロッパとアメリカが生き残るために、日本を先に食い物にして犠牲の山羊(ホロコースト)にする戦略を始めた。日本は今、危機に陥っている。

 4月4日以来の「黒田バズーカ砲」、「黒田大砲」の異次元金融緩和、の効き目はこれで消えた。5月23日に株が1400円暴落した日の午後、日銀黒田は、急に3兆円の日本国債の買い支えをやった。

 これで、黒田日銀は日本国債の暴落(長期金利の上昇)を阻止することこそは、超金融緩和策(日銀による国債の無制限の買い上げ)を採る真の理由だったことがはっきりした。株式の暴落よりも、日本にとって恐ろしいのは日本国債の暴落による金融崩壊の危険だ。5月だけで、日銀は10兆円ぐらい国債の買い支えをやった。

 だから「日銀による直接引き受け」で、日銀の資産勘定の国債買い残が水ぶくれにふえている。日銀は、「国債買い上げ専門機関」に成り下がった。これと同時に、日銀ETF(イー・ティー・エフ)といういかがわしい手法を、使って中央銀行が株式市場の下落を阻止するために、個別の企業の株式を、ETFという脱法の「容れ物」を作って、株式暴落を阻止するという、おかしなことをやっている。

 株式を買うか、国債を買うか、このふたつを毎日に交互に、日銀は、自らが振り子のようになってやっている。「政府の財政政策(ファイナンシャル・ポリシー)の失敗を、中央銀行という政府から独立した金融政策(マネタリー・ポリシー)を実行する機関に、押し付けて、政府が金融政策で国家経営の失敗を回避して、過剰な資金放出をすることは財政法と経済学の理論からして許されないことだ」とするドイツのメルケル首相らの批判を浴びている。

 日銀は、やがて、「弾切れ状態」になっていて、国債の一挙的な買い上げや、株式の買い上げをするだけの資金を失って、もうこれ以上買えないという事態が迫っている。

 日本国債を盛んに大量に売っているのは、日本の全国の民間銀行だ。国債をこれ以上、保有していたら自分が危ない、と分かっている。国債暴落が起きると自分が大損をして地方銀行の雄である自社が経営危機に陥る。

 このことの恐怖心が彼ら民間銀行の経営陣を支配している。東京三菱やみずほなどのメガバンクでも、もうこれ以上の、やがてボロクスになりそうな日本国債の買い取り、保有は危険だと分かって、投げ捨てたくて仕方がない。

 それを日銀が、「ボロクズ国債買い取り専門機関」になっていることを、奇貨(きか)として、日銀が、自分たちが持ち込むオンボロ国債を、どれだけでも日銀は買い取ってくれるのだから、今ぞとばかりに、国債の投げ売りをしている。それは、中古(既発債)の国債市場でのことだ。だから民間銀行や年金基金(信託銀行や生保)が、今、手持ちの国債を投げ捨てるように売り払っている。

 「新規の国債発行、毎月10兆円のうち7兆円を日銀が買い続ける」と黒田日銀総裁は宣言したのだから、やり続けるしかない。こんなことは本来なら、日銀法、財政法違反の違法行為である。そして、やがて「いくら日銀券=お札、紙幣を無制限に印刷して使える」と豪語しても、いくらなんでも、そういう無軌道が無限に許されることはないから、日銀の資金が枯渇して、株と国債を買い支えることができなくなる。

 日本国債の暴落の日が近づいている。 これは株式の暴落よりも恐ろしいことだ。日本は、そのとき国家破産する。金融崩壊といってもいい。

 その時に備えて、今のうちから、日本国の資産家、小金持ち層は、私、副島隆彦が唱導してきた「逃がせ、隠せ、個人資産」を実行に移さなければいけない。

 アベノミクスの終わりは安倍政権の終わりだ。そしてそのあとを、麻生太郎財務大臣=日本財務省 が引き継ぐだろう。来年4月からの消費税の8%への増税は、国債暴落を阻止するためにも、絶対にやると彼らは決めている。

 安倍晋三は、7月21日の参議院選挙で、連立相手の公明党と合わせて、なんとか過半数の122議席をかろうじて確保して、このあと、安倍首相はお払い箱にされる(安倍辞任)。安倍晋三の最大の弱点は、アメリカのオバマ政権にひどく嫌われている、ということだ。アメリカは安倍たち、「カルト・オブ・ヤスクニ」に怒っている。

 日本の景気回復の可能性はもうなくなった。このままデフレ経済がずるずると続く。GDPデフレーターは、5月もマイナス0.5の下落だ。アベノミクストとリフレ派の公約で、悲願である14年末までにインフレ率(消費者物価上昇率)2%を達成することはできない。

 野口悠紀雄氏が力説するとおり、「金融政策は、加熱した景気を引き締めるために、金利を挙げたり通貨量を減らしたりして、景気を調節することは出来る。しかし、その逆は出来ない。金融政策で、デフレからの脱出の、景気を加熱させることは絶対に出来ない 」のである。 

 日本はいよいよ厳しいところに追い詰められてきた。この半年の間、安倍首相と共に浮かれ騒いで、「株価は1万7000円、1万8000円になる。日本は景気回復する」と声高に言って来た(そういう本を乱発してきた)金融評論家の人々は、「またしても大損した投資家たちからの憎しみを浴びながら、腹を切って死ぬべきだ」と私は言いたい。

 しかし、彼らは、根(ね)が詐欺師(コン・マン)だから、何が起きようと、平気の平左で、カエルのツラに小便である。その代表は、武者陵司(むしゃりょうじ)氏であろう。

 私、副島隆彦は、5年前、リーマン・ショックの直後、ドイツ証券日本の高層ビルに呼ばれて、そこには武者陵司氏が待ち構えていて、100人ぐらいの大手の金融機関のファンドマネージャーたちの前で話した。私は、彼らに、「あなた達は、鬼だ。人間の肉をたべる残酷な金融鬼(きんゆうおに)たちだ」と言い放った。そして、そのあとで武者氏が、「副島さん。バブルはまた来るだろうか」と質問したから、私は、「好景気のバブル経済はまた起きるでしょう。しかし、それは武者さん、あなたが死んだあとでしょう」と 答えた。

 武者陵司は、最近、「株式はこれから4万円になる」というような書名の本を出した。それは、きっと皮肉なことに、まさしく5月23日の大暴落があった日だったろう。「武者は逆神(ぎゃくしん)だ。こいつの言うことの丁度、反対がいつも当たる」と昔から言われてきた。今回も全くそのとおりになった。

 彼ら今度のアベノミクスというミニ・バブルを煽った金融評論家には、浮かれ騒ぎの結末の人々の大失敗の責任問題が残る。またしても、だまされて、浮かれバブルに乗せられて、ぞろぞろ遅れて、日本株を買わされた、欲ボケの個人投資家(日本の小金持ち層)たちの悲鳴が聞こえる。

 またしても自分は裏切られたと、感じる人々の、安倍政権への不満と怒りがそこらじゅうに湧き起っている。 だがそれでも、私は敢えて言う。騙される方も悪いのだ。

 私はこの半年間の異常な株の値上がり(昨年の11月からの半年で80%の上昇)について、は「だまされるな。どうせ、またひどい目に遭わされますよ」とずっと警告を発してきた。私は自分の主張が正しかったことがこれではっきりした。

 このあと、また日本の株価が17,000円まで上がるというようなことは、ほぼ無くなった。アメリカの株価(ニューヨークのダウ平均株価も、16,000ドルという、ヤラセとインチキの限りを尽くした空吹かしは、終わった。先進国として、成長し尽くした国家は、もうそれ以上、成長する、ということは無いのだ。

 ヨーロッパも日本も同じだ。それは、大人になって成長は止まった人間の身長を、3センチ無理やり伸ばす、ということは絶対に出来ない、ということと同じだ。このことが分からないアホたちとは、まともな議論は出来ない。

 このあとは、株価1万1000円ぐらいの低空飛行のまま、自民党政権は7月21日の参議院選挙を何とか乗り切っていく。つい最近まで自民党が圧勝すると言われていた。しかし圧勝はなくなって、僅少の差で公明党と合わせて過半数(定数240のうちの122議席)をとるのがやっとという風向きになりつつある。

 だが参議院で過半数を取りさえすれば、自民党はますます、いよいよ税金取り官僚(財務省、その子分の金融庁、国税庁。アメリカの子分でもある)の言いなりになって、直ちにいろんな種類の金融や税金の法律をどんどん改正して、迫り来る信用不安、金融恐慌に対処するために一気に金融統制、統制経済を敷いてゆくと私は厳しく見ている。

 世界経済の実態を見れば、もう既に大恐慌に突入しているのだ。しかし、それを「いや、恐慌などにはなっていません」ということにする、金融・経済の統制法を、日本でも30や50本は一気に通していくと思う。あとは軍事国家にしていくための予備自衛官制度やら、自衛隊が大砲やミサイルを撃ちやすくする法制とか、一気につくり変えていくだろう。

 国民は金融で統制された状態(預金がおろしにくく成る。投資用の海外送金はすでに実質禁止だ。マイナンバー制で国民全員のお金の動きはすべて国税庁にコンピューターで管理され把握される)にあるのに、政府は「恐慌にはなっていません」というフリをする。

 これがこれから先は、日常化、常態化する。株価が1万円割れという事態になれば、そのあとは自民党の責任どころか日本国家の衰退が決定づけられることになる。安倍晋三たちの計画で、「円安と株高の無理やりの演出」にアメリカを巻き込んだことで、アメリカに米国債買いで、新たに100兆円ぐらいを差し出した。

 にもかかわらず、アメリカは、日本を自分の食い物、餌だと思っているから、さらに大切な日本国民の郵便貯金の資金まで米国債を買わされることで、奪い取る計画が実行されつつある。

 西室泰三(にしむろたいぞう。もと東芝の会長)というデイヴィッド・ロックフェラー(やがて6月で98歳)の直臣(じきしん)の悪党が、小沢一郎と仲がよかった斎藤次郎(さいとうじろう。通称、デンスケ)と 坂篤郎(さかあつお)を、日本郵政ホールディングズから、追い落として、社長の座についた。

 円・ドルの為替相場は1ドル100円を割って90円まで戻ると私は見ている。5月中旬までの頂点で103円をつけた円安相場から、今は正しく、本来の円高基調(トレンド)に戻った。だから90円ぐらいまでは為替は戻る。

 すべては米ドルの実力の無さから引き起こされるドル暴落という世界史的な必然の、不可避の動きの一部である。日本円の仕組まれた円安(ドル高)などは、正常な趨勢として、すぐに元のドル安円高の流れに戻される。いよいよ、米ドルが、70円を割り、60円、40円と下落してゆく、「ドル覇権の崩壊」に向かっている。

 何よりも一番怖いのは、やはり国債暴落だ。日本政府が積み上げているすでに1000兆円(本当はあれこれで1340兆円)の国債の残高があって、1% 金利(利回り、国債の利息の支払い)が上昇すると、「1000の1%は10」だから、10兆円の国家支出の負担となる。これがさらに1%あがって国債利回りが2%になると、さらに10兆円の負担が増える。

 こうして長期金利が2%、3%台に上がってゆくと、いや5%、7%になってゆくと、日本政府はその利払いに耐えられなくなる。このことが日本国債の暴落の恐怖だ。

 財務省が毎月発行する新規の国債を、引き受ける金融機関が無くなる日が近づいている。そのとき日本国家のデフォールト(債務不履行)、国家破産となる。この恐怖のシナリオが本当に現実のものになりそうである。あと1年もかからないだろう。

 私は、先週、『「 統制が始まる  急いで金(きん)を買いなさい 」(祥伝社 2013年6月16日発売)という本を書きあげましたので、来週から本屋に並ぶでしょうから、買って読んでください。 

 この4月、5月の アメリカ政府(その尖兵がゴールドマン・サックス)が金(きん)の先物市場(COMEX,コメックス)とNYSEに上場しているスパイダー・ゴールドシェア、という裏の有る金(と交換する)証券(きんしょうけん)会社を使って、売り崩しの激しい攻撃を掛けた。

 しかし、金(きん)は、世界中で、新興大国(ブリックス)の中国、インド、ブラジル、インドネシアを始め、現物(げんぶつ)買い向かい、の大きな波が起きて、アメリカは金の売り崩し(金価格の歴史的な暴落)の策動にみごとに失敗した。

 欧米の堅実で冷静な小金持ち(資産家)たちは、カナダ・メイプルリーフやウイーン・フィルハーモニーなどの金貨(ゴールド・ブリオン・コイン)を買いに走った。

 だから、今からでも、迫り来る金融統制に備えて、金(きん、ゴールド)の地金を私たちは買うべきだ。金地金(きんじがね)の個人向けの販売、買い取りが、やがて1年以内に、政府によって統制され、実質的に売買できなくなる危険が迫っている。

 今のうちに金をかって、5年、10年後に、今の金融崩壊の嵐が去るのをまって、かつジャブ・ジャブマネーと化している、ドル、ユーロ、円との 戦いに勝って、金が大きく値上がりする。金は、私の予測では、数年後には、一グラム2万円ぐらいには平気でなるだろう(今は一グラム4800円ぐらいだ)。

 今日は、これぐらいにしておきます。このあと、数日おきに、私は、どんどん金融のことを書いて発表して行きます。お待ちください。 

副島隆彦拝

 追記。来たる7月28日に、私の恒例の「金融セミナー」を開きます。
これからの経済の動きについて知りたい人は、この「副島隆彦の“予言者”金融セミナー 第6回」に来てください。1日たっぷりと金融と経済の話をします。
申し込みは、電話かFAX、メールで受付ています。

「副島隆彦の“予言者”金融セミナー 第6回」
●開催日:2013年7月28日(日)
●開演:11時(開場・受付10時)・途中休憩有
●終了:17時30分(予定)
●受講料:15,000円(税込)/全指定席
●会場:東商ホール(東京商工会議所ビル4階)
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-2-2
●アクセス:JR有楽町駅・・・5分
地下鉄千代田線二重橋前駅・・・2分
 地下鉄都営三田線日比谷駅・・・2分

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副島隆彦拝