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前田和寿 投稿日:2014/03/03 13:52

【1291】[1537]プーチン大統領が握るヨーロッパの天然ガス

前田和寿です、

ウクライナがヨーロッパ世界に与えている衝撃は予想以上です。

副島先生が以前から指摘しているように、EU諸国が使う天然ガスの4分の1はロシアから来ています。そのパイプラインはほぼウクライナ経由。プーチン大統領が握っている綱はヨーロッパ人の生活に直結しています。おとなしくクリミア半島(Crimea クライミア)だけは手渡すかもしれません。

引用先:http://www.businessinsider.com/ukraine-hopes-russia-will-not-change-gas-price-2014-2

わふまなふ 投稿日:2014/03/03 02:29

【1290】[1536]高い確率で予想される日中の軍事衝突に対して慎重になるための論理について

はじめまして。初めて投稿させていただきます。
わふまなふと申します。職業はIT技術者・SE(システムエンジニア)をしています。年齢は32歳です。東京都在住です。

この度は、去る1月31日に投稿された副島先生の投稿、「 [1525]安倍の靖国参拝問題から、その後の世界の動きを洞察、予言する。」及び、3月1日に開催されました『キャロライン・ケネディ駐日大使着任が 日本政治中枢に与えている衝撃』に大きく感銘を受けたため、それにお応えする気持ちで筆を取った次第です。

未熟者ですが、何卒よろしくお願いいたします。

■はじめに
私は、去る1月31日に投稿された「 [1525]安倍の靖国参拝問題から、その後の世界の動きを洞察、予言する。」に大きく感銘を受けました。
そこで、僭越ですが、私も未来予測を書いてみようと思いました。
 なお、恐縮ではありますが、私も、今回は詳細な根拠やデータは挙げずに、「断言、断定、予言」の文体で書かせていただきたいと思います。

■まずは、尖閣諸島事変、東シナ海事変についてからです。
結論から言いますと、発生する可能性が極めて高いと思います。
日本国の空気・民意の大部分が日中軍事衝突を積極的にであれ、消極的にであれ、ほとんど容認してしまっているように感じます。
曰く、
「軍人同士(海上自衛隊と中国人民解放軍海軍)が衝突するだけなら構わない。」
「抑制的に軍事衝突することによって、内閣の支持率が上がり、穏やかな軍備拡張によって雇用が増え、福祉も改善し、景気が良くなるなら…いい。」
「今やらないと、今後はもうできないかもしれない。(中国が台頭し、且つ米国の覇権が衰微するので。)」

気持ちは良くわかります。私は安倍晋三首相以下、右傾化する日本国の空気に同情的です。
しかし、やはりここはもっと慎重にならなければいけないと思います。
以下で、少しシミュレーションしてみたいと思います。

・シミュレーション1.
×月×日、×時×分×秒。尖閣諸島周辺、あるいは東シナ海周辺で、日中の軍事衝突が発生しました。
さて、軍事衝突をしてその後、どのように中国と外交交渉しますか?その交渉の落とし所はどこですか?
そして、いつまで事態を継続して、いつ事態を収束しますか?

・シミュレーション2.
もし、軍事衝突がエスカレートしたらどうなりますか?
もし、東京や北京でテロ(テロル)が発生したらどうなりますか?中国の過激派、北朝鮮の過激派、日本の過激派、アメリカのネオコンの過激派が実行する可能性についてはどう思われますか?
もし、私達の身の回りでテロ(テロル)が発生したらどうしますか?

その時でもまだ、私達は、穏やかな軍備拡張によって雇用が増え、福祉も改善し、景気が良くなるならいいといえるでしょうか?

それでもいいという方もいらっしゃると思います。
それは嫌ですという方もいらっしゃると思います。
しかし、私が皆様に申し伝えたいのは、日中の軍事衝突を積極的にであれ、消極的にであれ、また、意識的にであれ、無意識的にであれ、容認するという方は、上述のような場合をきちんと想定しておいていただきたいということです。

■次に、これらの国際的緊張の本質についてです。
これは私の創見ではなく、国際関係論の中でよく指摘されることですが、
国際的緊張の本質は、実は国内問題なのです。

なんらかの難しい国内問題があって、その問題を解決することの代わり・代替策として、国際的な緊張を高めるという選択肢が選ばれるということが多いのです。
今回もこのパターンに該当すると思います。

では、日中の緊張の高まりの本質にあたる、国内問題とは何でしょうか?
それは、景気(雇用、賃金、労務問題、税制、金融政策)、福祉(健康、育児、介護、年金)、防災、原発、規制緩和・・・先の東京都知事選挙で主要争点となったことがそうです。
日本国内は問題・課題が山積ではないですか。

そして、それは中国でも同じなのです。韓国でも。アメリカでもそうです。
財政問題、金融問題、ブラック企業問題、格差問題、少子高齢化…
これらの解決困難な国内問題があるからこそ、時の政権は統制を強めて、経済を回復し、自らの支持率を維持するために、あえて国際的緊張を高めるのです。
これは、もはや国家運営・共同体運営のお約束・マニュアル・常套手段のようなものです。

ですから、私達は本来であれば、国内問題にこそ目を向けるべきなのです。

・・・ですが、ただ、確かにこの度の右傾化は、その日本の国内問題の解決が、日本一国の範囲だけでは解決ができないことから生じたものでありました。
 そもそもの文脈を辿れば、第二次大戦後、戦後レジーム(サンフランシスコ講和条約、日米安全保障条約)を受け入れ、
米ソ冷戦下をアメリカ合衆国の下で、朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争を経ながら高度経済成長からバブル経済へ。(ロックフェラーセンターを買収したのでした。)
しかしそして、東西冷戦終結し、その後すぐに、バブルは崩壊します。
そして、アメリカ一強時代へ。湾岸戦争、失われた10年、9.11テロ、イラク戦争、アフガン紛争。
そして、リーマンショック、3.11東日本大震災です。
 そもそもの問題は衰微するアメリカの覇権、及びそれにより利害が変化した日米同盟にあるのでした。
端的にいえば、アメリカが日本を保護する理由がなくなったということです。(それどころか、TPPによって、日本の国益に干渉し始めています。)
 このような流れの中で、3.11東日本大震災と、あの福島第一原発の事故が発生して、日本のナショナリズムが高揚し、金融緩和(アベノミクス)、財政出動、排外主義(反中、反韓、反米)、軍備拡張・・・になって行くのは大局的な視点から見れば、ごくごく自然なことです。
 つまり、そういう意味では、日本の種々の国内問題は確かに、進化/深化した国際化/グローバリゼーション=パックス・アメリカーナ、及び新型大国間関係(G2)の帰結なのです。ですから、そういう意味では国際的緊張の高まり及び日本の右傾化は正しいのです。問題の本質は国際関係の方にあるのですから。
 しかし、その右傾化が正しいのも、今述べたような国際情勢に合致する限りにおいてです。政治は生き物です。国際政治も生き物です。国際情勢は常に変化します。
 私が申し上げたいのは、基本的には、現在の国際的緊張の高まり及び右傾化は、国内問題を解決するためだということです。
つまり、国際関係よりも、国内問題の解決こそがより重要だということです。
優先順位は国内問題の方が上なのです。
 国内問題がまずあって、それが、国内だけで解決できない問題だから、国際問題が前面に出てきているのです。
そのことを忘れてはいけないと思います。
 ですから、私達は、現在は右傾化するという道を歩んではいますけれども、今までと同じように、いつもどおりに冷静に舵取りをして、安易に軍事衝突を容認するというようなことは慎まれた方がよろしいように思われるのです。

■若年層・若者について、お伝えしたいことがあります。
最初に自己紹介させていただいた通り、私は現在32歳なのですが、若年層のひとりとして、皆様にお伝えしたいことがあります。

今、若年層の生活はますます厳しくなっています。もちろん世代にかかわらず大半の方々が同じような状況に置かれているということはわかっておりますが(特に、児童、女性、高齢層など)、今回は若年層の話をさせてください。
ようやく3.11東日本大震災以降、ブラック企業問題をはじめとして、
奨学金(お金がないと大学を卒業できない)や、就職活動(仕事が見つからない、見つかるけど低賃金労働)、結婚活動(相手が見つからない、見つかるけど結婚資金がない)、待機児童(子供を生んでも預ける保育所がない)、年金(生涯収支がほとんどゼロ、又はマイナス)、などの問題が注目されるようにはなってきました。
政府もようやく対策をとり2014年度予算に盛り込まれたそうですが、まだ予断は許さない状況です。実感として、不満・不公平感が和らいでいるわけではありません。

しかし、若年層支援に対する多くの団塊世代、高齢層の方々の意見は以下のようなものです。
「甘やかしてはいけない」
「私達の若い頃は現在とは比べ物にならないほど貧しかった」
「あなたたちは貧しい、貧しいというが、戦時中を知っているのか?」

結論から申し上げれば、このような意見が、若者を軍事衝突に向かわせています。
人々曰く、
「中国が反日を口実にして若者の暴走を許しているのだから、日本も、若者の雇用対策を口実にして、若者に軍隊で働いてもらえばいいではないか。」
「日本が軍事のノウハウを得て、新しい国際秩序の中で普通の国として生きていくためには、避けることのできないプロセスです。」

私達は戦争や軍事衝突を知りませんでした。ですが、これからそれを知ろうとしています。
これで、もう、「あなたたちは貧しい、貧しいというが、戦時中を知っているのか?」と、言われることもなくなります。
おそらく、先行世代からすれば、これは愛のムチなのだと思います。
私達若年層は先行世代の愛(のムチ)によって、軍事衝突へ向かわされています。
 さて、ところで、最終的に若者達はこの愛のムチに感謝するでしょうか?
私が危惧するのは、若者の反動です。
特に、現在の団塊世代、高齢層が、若年層の問題に対して、
「不満や不公平感があるなら、自分達で奪え。私達もそうしてきたのだから。」
というように考えている点がとても気がかりです。
若者はこの要請に対して、「わかりました」と了承せざるをえない状況です。
私は日本人は、前述のようなストーリー(物語)を本気で実現しようとしていると思います。
私はこの脚本に一定の共感は感じます。確かに親と子の関係は乗り越え、乗り越えられるもので、一面では、人類の歴史は親子闘争の歴史であったと思います。
ですけれども、それでは、やはり「いつか来た道」なのです。
第二次世界大戦前夜に起きたことを、そして、その後に辿った道を、もう一度繰り返すだけだと思います。

■最後に
最後に、恐縮ですが、簡単ではありますが、私の推奨案を付言させていただきたいと思います。

まず、なによりも、このたびの国際的緊張に対しては、引き続き、冷静且つ毅然と対応し、そして、軍事衝突については、あくまでも国際協調関係(戦後レジームのことですが、、但し変わりつつあります)を第一として、(今後予想される)新しい国際秩序における日本の誇りある地位を前提として慎重に対応するのが望ましいと思います。
(※安易な軍事衝突は戒められるべきであり、あくまでも今後予定されている新しい国際秩序の中で、今までよりも日本に有利な立場を得るという目的のために、あえて、穏やかに右傾化してみせていく。というのがもっとも賢明で、あるべき姿勢なのだと思います。)
 そして、日本は、今一度東アジアの中で、世界の中での自身の地位を選びとるべきなのです。
 7、80年ほど前に一度は踏み誤った道を今度こそ、自分達の手で、しっかりと掴み取るべきなのです。
 先を見据えて、未来を見据えて、中国と対峙して、アメリカと対峙して、世界と対峙して、その時に日本は、この国のために一命を捧げ、犠牲になった御霊(みたま)に真に報いることができるのだと信じています。

わふまなふ拝

副島隆彦 投稿日:2014/03/01 21:27

【1289】[1535]ウクライナ情勢 の最新の 報道

副島隆彦です。 私は、今日の定例会=講演会 から帰ってきて、今 夜9時過ぎです。 以下の記事は、午後8時のものが最新です。  刻一刻と世界は動いてゆきます。

日本、極東(東アジア)だけで世界が出来ているわけではないので、極東(ファーイースト)だけで何かが決まるわけでありませんン。世界はどんどん動いてゆきます。 私たちは、ウクライナに行ったこともないし、どういう国だか分からないけど、このあとしばらくは、ソチ・オリンピックが終わったあとは、世界の話題の中心は、ウクライナです。

そのうち 日本が中心になることもあるでしょうから、私たちは、今のウクライナをじっと凝視(ぎょうし)することで、私たち 日本(人)のこれからの運命をよく考えましょう。副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

(1)「 クリミアは民間機に関しては空域がほぼ完全に封鎖された状態になった 」

デイリースポーツ
http://www.daily.co.jp/society/main/2014/03/01/0006745221.shtml

 ウクライナ南部クリミア自治共和国の中心都市シンフェロポリの空港で、
航空機の離着陸が全面的に停止したことが1日、分かった。

 ウクライナで親欧米の 新政権が発足したことに伴い、空港を支配下に置いていた親ロシアの武装部隊が 占拠し、空域を封鎖したとみられる。運航再開のめどは立っていない。これにより クリミアは民間機に関しては空域がほぼ完全に封鎖された状態になった。

(2) 「 NHKのウクライナ取材陣、ロシア軍のBTR系装甲車部隊十数台とすれ違う 」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140301/k10015629811000.html

 欧米寄りの暫定政権が発足したウクライナでは、ロシア系住民が多い南部のクリミアで暫定政権に反対する武装グループが空港を管理下に置き、
緊迫した状況が続いており、暫定政権のトゥルチノフ大統領代行は、ロシアが挑発を行っているとして、やめるよう求めました。

政権が崩壊したウクライナでは、欧米寄りの暫定政権が発足しましたが、 ロシア系住民が人口の60%以上を占める南部のクリミア自治共和国では、暫定政権に対する反発が強まっています。

(3) 【緊急速報】 ウクライナにロシア陸軍の戦車大隊が侵攻開始
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news/1393644490/

ソースCNN ロシア戦車大隊がウクライナに侵攻開始 2014/3/1
https://pbs.twimg.com/media/BhmYyTYCQAANFeA.png

ウクライナ上空を、クリミア南部に向けて飛ぶ、ロシア軍武装ヘリの大群
http://www.youtube.com/watch?v=2TVyPiHVZ1A
http://www.youtube.com/watch?v=LYFh2lABg48

(3)の2    

「クリミア政府、ロシアに治安支援要請=ウクライナ軍、ロシア兵拘束」

時事通信 2014年3月1日(土) 18時29分 配信

 【モスクワ時事】   軍事的緊張が高まっているウクライナ南部クリミア自治共和国の親ロシア派、アクショノフ首相は1日、全軍と治安部隊を指揮下に置くと宣言するとともに、ロシアのプーチン大統領に治安回復に向けた支援を要請した。

 自治権拡大をめぐる住民投票も3月30日に前倒し実施する。ロシア政府は支援に応じる構えで、クリミア半島情勢は一段と緊迫しそうだ。

 親欧州連合(EU)派のウクライナ新政権のテニュフ国防相は1日の閣議で、ロシアがクリミア半島に約6000人の兵力を追加派遣したと非難。半島南部フェオドシヤで、ウクライナ軍部隊が武装したロシア軍人らを拘束したことを明らかにした。ロシア軍人らはウクライナ海兵隊基地に侵入しようとして捕まったという。

 アクショノフ首相は「内務省、非常事態省、陸軍、海軍、税務当局、国境警備隊を掌握する。従わない指揮官はクリミアを去るべきだ」と述べており、クリミア自治共和国による事実上の「軍」創設の動きとみられる。ロシア大統領府は、治安回復に向けた支援要請を「無視しない」との立場を明らかにした。

 アクショノフ首相はまた、自治権拡大の是非を問う住民投票を3月30日に行うと発表した。自治共和国議会は先に、繰り上げ大統領選に合わせて5月25日に行うと決めていたが、これを前倒しした。ウクライナ新政権への揺さぶりを強める狙いとみられる。 

(4)「 オバマ大統領「いかなる軍事介入にも代償」 サミット欠席も-ウクライナ情勢 」

【ワシントン=小雲規生】オバマ米大統領は2月28日、ホワイトハウスでウクライナ情勢について声明を発表し、 ロシアに対して「ウクライナに対するいかなる軍事介入も代償を伴う」と警告した。

 オバマ氏は、 ウクライナ国内でロシア軍が活動していると報じられていることに「深い懸念」を表明。 ウクライナの主権と領土的統一の侵害は極めて撹乱的な行為で、ウクライナやロシア、欧州の利益に反し、国際法にも違反すると強調した。

またオバマ氏はウクライナの状況は「極めて流動的だ」と指摘。米国はウクライナ暫定政府の努力を支援し、ウクライナの主権と領土的統一、民主的な未来のために立ち上がるとした。

(5)2014年 3月1日(土)9時50分  産経新聞 

 ロイター通信は声明発表後、政府高官の話として、ロシアがウクライナに軍事介入した場合、 米国は欧州各国とともに、6月にロシアのソチで開催が予定されている主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)の欠席を検討することになると報じた。

 これに先立ち、ケリー米国務長官はロシアのラブロフ外相と電話会談し、ロシアの現在の対応は「誤解を招きかねない」と警告した。 ラブロフ氏は、ロシアはウクライナの主権を侵しておらず、侵すつもりもないと述べたという。ケリー氏が同日、 コロンビアのオルギン外相との会談後の共同記者会見で明らかにした。

 ケリー氏は会見で、ロシアによる軍事介入は「極めて重大な誤り」になるとの考えを改めて強調し、慎重な対応を求めた。 さらに「問題は現在起こっていることが一線を越えた事態にあたるのかどうかだ」とも話し、 米国として慎重に状況を見極めているとの姿勢を示した。 両氏は22、23、27日にも電話会談している。

(6「クリミア政府、ロシアに治安支援要請=ウクライナ軍、ロシア兵拘束」

時事通信 3月1日(土)18時29分配信

 【モスクワ時事】軍事的緊張が高まっているウクライナ南部クリミア自治共和国の親ロシア派、アクショノフ首相は1日、全軍と治安部隊を指揮下に置くと宣言するとともに、ロシアのプーチン大統領に治安回復に向けた支援を要請した。

 自治権拡大をめぐる住民投票も3月30日に前倒し実施する。ロシア政府は支援に応じる構えで、クリミア半島情勢は一段と緊迫しそうだ。

 親欧州連合(EU)派のウクライナ新政権のテニュフ国防相は1日の閣議で、ロシアがクリミア半島に約6000人の兵力を追加派遣したと非難。半島南部フェオドシヤで、ウクライナ軍部隊が武装したロシア軍人らを拘束したことを明らかにした。

 ロシア軍人らはウクライナ海兵隊基地に侵入しようとして捕まったという。アクショノフ首相は「内務省、非常事態省、陸軍、海軍、税務当局、国境警備隊を掌握する。従わない指揮官はクリミアを去るべきだ」と述べており、クリミア自治共和国による事実上の「軍」創設の動きとみられる。

 ロシア大統領府は、治安回復に向けた支援要請を「無視しない」との立場を明らかにした。アクショノフ首相はまた、自治権拡大の是非を問う住民投票を3月30日に行うと発表した。自治共和国議会は先に、繰り上げ大統領選に合わせて5月25日に行うと決めていたが、これを前倒しした。ウクライナ新政権への揺さぶりを強める狙いとみられる。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝 

新巻き鮭 投稿日:2014/02/28 10:47

【1288】[1534]音声配信が好き

はじめて投稿させて頂きます。
安陪首相の靖国参拝の音声配信を大変興味深く拝聴しました。
私は目が弱いため今回のような音声配信があるととても助かります。
可能であれば田中宇氏の記事についているような音声読み上げ機能が学問道場のレポートにもあると良いと思います。
そしてiphoneやタブレットでも聞けるようになると嬉しいです!
御検討を宜しくお願い致します。

副島隆彦 投稿日:2014/02/20 05:56

【1287】[1532] 来週末、3月1日(土)に私たちの定例会=講演会があります。お集まりください。 

副島隆彦です。 今日は、2014年2月20日です。

大雪の困難もやがて去り、もうすぐ春が来ます。
私たち学問道場は、どんな困難が私たちの日本に迫ってきても、元気よく、知識人階級、読者人階級としての清廉(せいれん)さと、現実を慎重に深謀遠望(しんりょえんぼう)する知恵、知能の力で対応して、己(おのれ)の知恵の足りなさのせいで追い詰められてしまうことなく、賢く生き延びてゆきます。

さて、来週の末の、3月1日に、私たちの学問道場の会員との交流の場でもある 定例会(講演会)が迫ってきました。 以下の要領で開かれます。どうぞ皆さま、この集まりにご参集ください。再度、ご案内申し上げます。

会員の人でなくても、一日会員として参加できますので、お時間のある人はどうぞご参加ください。そして私たち学問道場がどのような人間たちの集まりであるかをご自分の目で、しっかりと確認してください。その上で、会員になって、私たちの言論、知識の運動を応援してください。  定例会は以下の要領です。

定例会(講演会)開催のお知らせ!

『キャロライン・ケネディ駐日大使着任が 日本政治中枢に与えている衝撃』

講師:副島隆彦/古村治彦
開催日:2014年3月1日(土)
会場:(財)全電通労働会館 全電通ホール、東京の神田の聖橋=ひじりばし=の近く
開場  12:30
開演  13:00
終了  16:30
主催:副島隆彦を囲む会

・3月1日定例会へのお申し込みは、コチラ↓
http://soejima.to/cgi-bin/kouen/kouen.html

副島隆彦です。 この定例会では、私たちの研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)君が、つい最近、出版しました「ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側 」(PHP研究所刊)の説明をしながら、最新のアメリカの大学知識人たちの先端の研究の内容を、分かり易く説明するでしょう。 そして日本が今、置かれている厳しい状況についての、「世界から見る目」をお伝えするでしょう。

ここからあとは、当日、私、副島隆彦 が、どのような話をするかを、そのアウトラインを、問題の問いかけ、の形で、少し書いてみようと思います。3月1日に皆さまとお会いできますことを楽しみにしています。

1.安倍政権はいつまで保(も)つか? 6月までか、あるいは、秋にプーチンを東京に呼び寄せて、日本とロシアの平和条約(=戦争終結条約。北方4島の問題の解決へ向けて)の話し合いを実現させて、ホームランを打って、それで来年まで長続きさせるか?

それにしては、安倍晋三は、すでに靖国参拝問題で、中国、韓国からでなく、アメリカを相当に怒らせている。ヨーロッパ各国の首脳たちも、どうやら安倍晋三を見限ったようである。 だから 政権(=内閣)が、どこまでもつか。その話をしなければいけません。

2.安倍首相の側近を自認(じにん)する、 本田悦朗(ほんだえつろう)氏(内閣官房参与=ないかくかんぼうさんよ=)と、衛藤晟一(えとうせいいち、首相補佐官)が、以下に載せる 昨日(19日)の新聞記事の通り、馬鹿丸だしの、 裸踊りを演じています。曰(いわ)く、

「 本田氏はウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、第2次大戦中の神風特攻隊の「自己犠牲」について語りながら、涙ぐんだ。・・・・A More-Muscular Japan, Personified .・・・」

同じく昨日19日に、衛藤晟一(えとうせいいち)議員は、
「 「むしろ我々が失望だ。米国はちゃんと中国にものが言えないようになっている。中国への言い訳として(失望と)言ったにすぎない。・・・・同盟関係の日本をアメリカはなぜ大事にしないのか」

と述べた、とある。 アメリカに向かって「もう一度、ゼロ戦で神風特攻隊で日本人は戦うぞ」と、ケンカを売っているに等しい、この日本政府の中枢の状態と様相は、世界から見たら既に尋常(じんじょう)ではない。

アメリカのウォールストリート・ジャーナル(WSJ)という新聞は、日本で言えば、日本経済新聞であり、経営者、投資家たちが読む日刊紙である。このWSJ のアメリカ人の記者の前で、いいかと思って、何の自己防御もなく、7歳の少年のように、「・・・・本田氏は大学教授でもあるが、その言わんとすることを強調するため 神風特攻隊が米空母に体当たりするさまを頭の高さに上げた左手を落として表現 した」という活劇(かつげき)を演じている。  自分が嗤(わら)われていることに自覚がない。

3.以下のWSJの記事の中に出てくる、NHK会長になった 籾井勝人(もみいかつと)会長(この人は、菅義偉=すがよしひで=官房長官の忠実な子分。菅氏が、NHKの人事権を掌握したということ)が、「慰安婦は、どこの国(ヨーロッパの戦場にも)いた」という発言で、報道の中立性を冒(おか)していると批判されている。

この人物と並んで、百田直樹(ひゃくたなおき)というテレビの放送作家(シナリオライター)が、急に設(しつら)えられたように人気が出て、「永遠のゼロ」という小説、そして映画で、ゼロ戦による太平洋戦争の末期の神風特攻隊(かみかぜとっこうたい)を賛美した。それで若い世代にも共感を呼んでいる。それが右翼化する日本の傾向だ。

この百田氏も、NHKの経営委員になったのだが、「 (昭和20年、1945年3月の東京大空襲(=無差別爆撃=)で、13万人の日本人を、アメリカ軍は焼き殺した。その謝罪をしていない)という実感のこもった発言をしている。それで、このご両人はいつまで首が保(も)つかである。

4.ただし、安倍政権が倒れたあとでも、日本国内の“安倍勢力”は、このまま残ってゆくわけだから、日本は、戦争への道をひた走ることになる。一体、どこと戦うのか?

政治(ポリテックス)すなわち、一国の国民政治は 政治力学(せいじりきがく)であり、政治勢力(せいじせいりょく)の動きですから、個人の意見や正義感などを吹き飛ばしながら、このあともジリジリと動いてゆく。一体、日本は、尖閣諸島(せんかくしょとう)の周辺で、いつ中国の公船(こうせん)と軍事衝突( ぐんじしょうとつ、 militaric conflagration ミリタリック・コンフラグレイション)を 起こすか?

5.しかし軍事衝突は、そのまま戦争(warfare ウォーフェア)ではない。この考えの重要性を定例会で、私は、しっかりと説明することで、軍事衝突=事変(じへん)=事件との違いを十分に日本国民が分かり、それに備える、心構えをする、今のうちから準備をする、狼狽(うろた)えない、ということをお話ししようと思います。

6.それでは、安倍首相たちが、「不戦(ふせん)の誓いを新たにする為に(私たちは)靖国に参拝するのだ」と強弁(きょうべん)する際の、彼らの強い信念、論拠である「中国脅威論(ちゅうごくきょうろん)」についても、私たちは考慮しなければいけない。

以下のWSJの記事にもある通り、安倍首相を強く支持する人々は、「・・中国は、2、3年 で、いざ戦争となれば日本を打ち負かせる力を持つのではないかと恐れている」ということを日本の軍事強化、軍国主義化の正当化の理由としている。

中国脅威論は、突き詰めて書くと、以下の3つから成る、と私、副島隆彦は考える。

(1) 中国人は気持ちの悪い民族で、信用できない論。
(2) 恐ろしい統制社会(国民の自由がない)共産主義国である中国は崩壊するか、そうでなければ打ち倒されるべきである。
(3)中国が軍事的に強大化しつつあるので、それに対抗して、日本も軍事的に対抗して、自国の安全を守るしかない。中国が攻めて来るから、自衛のため の戦争をすることも考えなければいけない。

この 3つが、中国脅威論  (中国は日本にとって危険な国だ論)の構成要素だろう。この考えで安倍政権  を支持している日本国民は多い。

それでも、「安倍さん。アメリカとケンカしてくれよ、とまでは、私たちはお願いしていないよ」という国民も多い。 ここのところで今の日本国民の考え(あるいは魂、たましい)は揺れ動いている。このあと、私たちはどこへ向かうのか。あるいは、無自覚(ボーッとしている)うちに、どこへ連れて行かれるのか。

6.この他に、先の1月22日の、スイスのダヴォスでの会議( 世界の超財界人たちの集まり)で、安倍首相は、あのジョージ・ソロスから、「日本の安倍は、もう、世界基準のリフォーマー(改革者の指導者)ではない」と、見限られたようだという、情報も出ている。

アジア諸国だけでなく、ヨーロッパ各国の首脳たちも、日本の政治の暴走あるいは、その傾向に 強い懸念を表明している。

これらのことも、定例会で話さなければいけないと、思います。 学問道場の会員の皆さん。忙しい生活時間を繰り合わせて下さいまして、どうぞ私たちの定例会に結集してください。

副島隆彦拝

( 新聞記事の転載貼り付け始め )

●「 ナショナリスト本田悦朗(ほんだえつろう)氏がアベノミクスで目指す目標 」

2014年2月19日 WSJ
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304445404579391953576198282.html

本田悦朗氏は、安倍晋三首相の経済再生計画で中心的な役割を担う顧問(内閣官房参与)だが、戦時中の話を熱く語るナショナリストでもある。

本田氏はウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、第2次大戦中の神風特攻隊の「自己犠牲」について語りながら、涙ぐんだ。
A More-Muscular Japan, Personified .

原文(英語)
.Japanese Prime Minister Shinzo Abe follows a Shinto priest to pay his respects at
Tokyo’s Yasukuni Shrine honoring the country’s war dead in December.
.
TOKYO- Etsuro Honda is a prominent adviser to Japanese Prime Minister Shinzo Abe on his program of economic revival, but he is also an ardent
nationalist who gets emotional about his country’s wartime past.・・・・・(以下、略)

昨年12月の安倍首相による靖国神社参拝については、特攻隊員など戦争で死んだ数百万の兵士たちを追悼するために、首相が参拝したことを喜んでいるとし、「誰かがこれをしなければならなかった」と語った。その上で、「私は首相の勇気を高く評価する」と述べた。

14人のA級戦犯も合祀されている靖国神社への首相参拝は、日本の隣国であり、かつての日本の軍事侵略の犠牲となった中国と韓国の怒りを買った。

この参拝によって、東アジアでは大胆な経済再生計画によって安倍首相がどこに向かおうとしているのかという厄介な疑問が浮上した。安倍氏は、経 済政策と同時に軍事力強化のため平和憲法を改正することを目標に掲げており、中国は安倍首相を軍国主義者だとしている。

日本の力を誇示するかのような安倍首相の動きに対する東アジアの反応は複雑だ。フィリピンやベトナムなど中国の台頭に反発する国は、中国との勢 力均衡上、より強い日本を歓迎している。実際、日本は両国に巡視船を提供しているのだ。

安倍首相の経済分野での政策を練るブレインの1人である本田氏は、「アベノミクス」の背後にナショナリスト的な目標があることを隠そうとしな い。同氏は、日本が力強い経済を必要としているのは、賃金上昇と生活向上のほかに、より強力な軍隊を持って中国に対峙できるようにするためだと 語った。同氏は中国に「深刻な脅威を感じている」としている。

急速に軍事力を増強し、経済的に拡大する中国に対する日本人の恐怖は根深く、この不安は「失われた20年」によって増幅されている。1990年 代初めにバブルがはじけた時、日本のGDPは中国のそれより約10倍も大きかった。しかし、今ではその半分強でしかない。

日本は中国のような核兵器を持ってはいないが、その通常兵力は強力な抑止力になっている。そしてもちろん日本はアジアにおける米国の主要な防衛 同盟国だ。

しかし、多くの日本人は東アジアにおける米国の力の持続性に不安を抱いており、毎年軍事費を2桁の伸びで拡大している中国は、2、3年 (5―10年という人もいる)で、いざ戦争となれば日本を打ち負かせる力を持つのではないかと恐れている。両国は東シナ海の諸島の領有権をめぐり 激しく対立し、そこで武力衝突が偶発的に起きる恐れもある。

本田氏のナショナリスト的な感情は中国に対するものにとどまらない。同氏にとっては、中国の脅威から日本を守れるような経済力をつけるだけでは 十分でなく、日本が世界の舞台で主体的行動を取れる活力があり、後見人としての米国にも頼らない、周辺国とのしがらみに左右されない国になること を望んでいる。

これも同氏が首相の靖国参拝を支持する理由だ。同氏は「日本の首相が靖国参拝を避けている限り、国際社会での日本の立場は非常に弱い」とし、「われわれは重荷を背負った日本を見たくはない。自立した国としての日本を見たい」と語った。

本田氏は大学教授でもあるが、その言わんとすることを強調するため神風特攻隊が米空母に体当たりするさまを頭の高さに上げた左手を落として表現した。
同氏は「日本の平和と繁栄は彼らの犠牲の上にある」と、目を真っ赤にさせながら言い、「だから安倍首相は靖国へ行かなければならなかったの だ」と語った。

安倍首相は周囲に率直な物言いの側近を集めており、その多くは日本政治の右派だ。彼らは新聞の見出しになり議論を巻き起こす一方、重要な問題に ついて首相の考えを知る手がかりを提供している。

人事に政治的な力が働いたとされるNHKの籾井勝人(もみいかつと)会長は先月の就任会見で、戦中の「従軍慰安婦」に関する発言で物議を醸した。この問題は韓国 との関係において依然火種になっている。しかし、同会長は、大騒ぎすることではないといった調子で、「このような女性は世界のどこの戦場にもいる」と 述べたのだ。

本田氏の主張は、日本は日本が望むように歴史を解釈し、それを表現する権利を持たなければならないというものだ。同氏はそれが「純粋に日本人の 精神と魂に関わる問題だ」と述べた。

●「 衛藤首相補佐官が「米に失望」投稿 靖国参拝反応巡り 」

2014/2/19  日経新聞

衛藤晟一(えとうせいいち)首相補佐官が、安倍晋三首相の靖国神社参拝に「失望」を表明した米国への批判を動画サイト「ユーチューブ」に投稿していたことが19日、分かった。

「むしろ我々が失望だ。米国はちゃんと中国にものが言えないようになっている。中国への言い訳として(失望と)言ったにすぎない」と指摘。「同盟関係の日本をなぜ大事にしないのか」と述べた。

昨秋に訪米し、ラッセル国務次官補らに「首相はいずれ参拝する。ぜひ理解をお願いしたい」と伝えた経緯も紹介。中国に関しては「いくら(日本側が)抑制的に努力しても中国の膨張政策はやむことはない。これ以上、抑制的にやると日本にとってよくない」と強調した。

菅義偉(すがよしひで)官房長官は19日午前の記者会見で衛藤氏の発言について「あくまで個人的見解だ。日本政府の見解ではない」と語った。その後、菅氏は衛藤氏に電話し、発言を慎重にするよう求めた。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 会員の皆さん。どうか 定例会に来てください。お願いします。 私たちがささやかな研究団体、言論集団として ここに結集することが、日本の将来を憂い、私たちが危ない道に引きづられてゆかなくすることのアンカー(歯止め)です。

副島隆彦拝

会員アキラ 投稿日:2014/02/11 18:05

【1286】[1530]副島先生への質問

副島先生へ送ったメールの転載を投稿します。
不備等があれば、ご指摘下さい。
宜しくお願い致します。

質問内容

大前研一氏のECBは国債を買っていない記事について

副島 隆彦様

会員の○○と申します。
ヤフーのニュース等を見ていたら下記記事を見つけました。
週刊ポスト2014年2月14日号の記事のようです。私の読み
違いでなければ件名の内容だと思うのですが。夜も遅いの
で短文の挨拶文で申し訳ありません。また、お忙しいでし
ょうから簡単なお返事で結構ですのでお教え頂けたらと思
います。
 お願い致します。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140209-00000014-pseven-bus_all

(転載貼り付け始め)

日本が円安と共にコントロール不能のインフレに陥る可能性も
NEWS ポストセブン 2月9日(日)16時6分配信

アベノミクスは本当に効果を発揮したのか。日本だけが給油しながらアクセルを踏み続けるような状態を続けているので、今年は日本経済にとってかなりつらい年になると大前研一氏は分析している。

* * *
2014年に入り、日本経済の「潮目」が変わった。私は年初からその空気の変化を感じて発言してきたが、結論から先に言えば、今年はかなり“つらい年”になると思う。

新聞・テレビなどは株価が大幅に下落した1月半ば頃からようやくその変化を報じ始めたが、予兆はすでに昨年末に現われていた。これほど円安になっているにもかかわらず、輸出数量が増えていないのである。その理由を克明に調べていくと、アベノミクスは本当に景気上昇・経済再生の効果があったのかどうか、甚(はなは)だ疑わしくなってくるのだ。

安倍政権は景気を上向かせるために、いわば車にガソリンを注ぎ続けながらアクセル全開でブレーキを踏まずに突っ走ってきた。その象徴が、一般会計の総額で過去最大の95兆8800億円に膨れ上がった2014年度予算案だ。さらに、もし4月からの消費税引き上げで景気の腰折れ懸念が広がれば、補正予算を組むのは時間の問題である。

振り返れば、EUではギリシャの財政問題に端を発した欧州債務危機の時に、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が「必要があれば、どこの国の国債でも無制限に買う」と言ったから、危機が遠のいて小康状態が続いている。ところが、ECBがどれくらい国債を買ったのか調べてみたら、なんと「ゼロ」だった。

黒田総裁と異なり、ドラギ総裁は“口先”だけで、実際には全く買っていなかったのである。国債を買っていないEUと買いまくっている日本。それが現在のユーロ高の最大の理由である。

要するに、EUはガソリンを入れてアクセルを踏むことはしなかったのだ。アメリカも少なくともアクセルを踏むのはやめて、ブレーキを踏むかもしれないという状況になっている。そんな中で、日本だけが給油しながらアクセルを踏み続けている。このままでは、さらなる円安とともに、コントロール不能のインフレに陥る危険性が高まる一方だ。

賢い企業や個人は、すでに昨年までの円高局面で資産を海外に移している。それが今年はさらに加速するだろう。円安が進んだ今では、もはや遅きに失した感もあるが、とにかくインフレ危機への備えを急ぐに越したことはないのである。

※週刊ポスト2014年2月14日号

(転載貼り付け終わり)

以下、副島先生からの回答

○○さまへ

副島隆彦から

メールをありがとうございます。
私は、昨日は、大雪の中で、東京の新橋で、何とか金融セミナーを開催して無事終わりました。
ただし、会場の外で滑って転んで足をねん挫したご婦人がいて、その方にとっては不幸なことでした。
こんな真冬の時期に講演会を決めて、そのせいでまことに申し訳ないことをしたと主催者として反省しています。

○○さまが送ってくださった、週刊ポストの 大前研一氏の 経済予測ですが、大筋ではこれでいいのだと思います。 大前氏は、今の安倍政権に批判的な立場を取っていて、きっと 政権や体制メディアからは嫌われていると思います。

ですが、大前氏の、「ところが、ECBがどれくらい国債を買ったのか調べてみたら、なんと「ゼロ」だった。」というたった一行の文で、何かが分かることはありません。 大前氏には、独自の 調査機関はありません。
私、副島隆彦 と同じで、今は、組織も何もない、ただの評論家です。
大前氏の会社、 大前アットマークは、もう、ぼろぼろで、10人の社員も食べさせることは出来ないはずです。 経営コンサル上がりの 彼ですが、泥臭い、本当に厳しい 経営の才能まではなかったのです。私には、このことはよく分かります。
なぜなら、私、副島隆彦の本と、彼の本で、今、どっちが売れているか、と言えば、私の方だからです。

ということは、私は、この収入で自分の家族を養っているのが、精一杯です。だから、大前氏が、いくら本を出しても、彼も自分の家族の文だけでやっとのはずなのです。 ですから、○○さまも、 もっと、冷酷に、物事を考えるようになってください。もっと 経営者の厳しい目で、世の中を見てください。

できれば、○○さまご自身が、この記事を、私の文も含めて、重たい掲示板に、転載投稿してください。

今後とも 「副島隆彦の学問道場」 をよろしくお願いします。

副島隆彦拝

薄桜鬼 投稿日:2014/02/08 05:23

【1285】[1529]安倍首相靖国参拝問題についての体験的感想

はじめまして、
私は、中国在住の「学問道場」会員です。
私は、副島先生の「日本を何とかしなければ」というお考えに共鳴し、副島先生の著作と学問道場での学びを通じ、「我々は、日本人として、今、何を、どのようになすべきか」について考察を試みている者です。

この度、重たい掲示板と会員ページに掲載された安倍首相靖国参拝問題関連の一連の壮大な評論文は、中国現地での当時の実体験を通し私が抱いた感情と疑問に、論理的な根拠と解答を与えてくれました。
評論文を御拝読し、眼から鱗が落ちるとは正にこの事だと感じましたので、そのことについて書かせていただきたく筆を執った次第です。

昨年末の安倍首相の靖国神社参拝の当日の夜、夕食の休憩時間に、私は部下の若い日本人スタッフと一緒に、中国の工場の近くの小さな食堂で、食事をしていました。
当然、周りには現地ワーカーがたくさんいて、食事をしています。
工場では、現地の管理者や幹部とは常に業務で接していますが、現場の生産ラインの一般ワーカーと、我々日本人幹部は、あまり直接接触することはありません。
したがって、管理者クラス以上になると、我々日本人のことを理解していますが、一般ワーカーの人たちは、日本人についてはほとんど何も知りません。
ただ、日本顧客の製品を製造しており、工場にも日本人がいることは知っていますので、食堂で、日本語を話していると、「聞いたことない言葉を話しているな」「へえ~これが日本人だ」というような好奇の眼で見られます。ワーカーは20歳前後の若い人たちが多く、その視線は単純に好奇の眼であり、無邪気なものです。
その日も、私は部下の現地採用の若い日本人と日本語で話しながらラーメンを食べていたのですが、突然、後方のテレビから、当然中国語で「安倍首相靖国神社参拝問題」というアナウンサーの声が聞こえてきました。ドキッとして、後ろを見ると、テレビの画面に安倍首相と靖国神社の写真がクローズアップされており、安倍首相が靖国神社を参拝したことについての特集番組が始まっていました。(もちろん批判的な論調です。)
その瞬間に、周りのワーカーもいっせいにテレビに集中し、次の瞬間に、皆の視線が、我々に向けられました。その視線は、正確に表現するのは難しいのですが、いつもの好奇のものではなく、未知のものを見るような驚きを湛えたものに変わっていました。
その時、私が感じた正直な想いは「一国の総理ともあろう人が、また軽率なことをやってくれた」という苦々しいものであると同時に、自分でもうまく説明できない、本当に情けなく悔しく辛い感情が込み上げてきました。

こう言うと、反感を抱かれる方もいらっしゃるとは思いますが、現地では本当に切実な問題となります。
普段は、特に労務上で大きな問題はないのですが、いったんこういう政治的な問題が起こると、それをきっかけにして、わざと労働争議等の問題を起こすような者が出てくる心配が生まれます。めったなことでは、そこまでの問題は起こりませんが、以前の反日デモの際には、近隣の工場でもデモ隊に投石されたり、デモ隊と工場内のワーカーが連携を取って全面ストライキに発展してしまったような工場も出ました。
我々が一番怖いのは、ストライキが発生して生産が止まることです。生産が止まるとお客様への納期が守れず、お客様に多大な損害を与えてしまうからです。
したがって、以前の反日デモの時の記憶があるので、今回の参拝問題では、非常に神経を尖らせました。なにしろ一万人近いワーカーがいると、万が一何か問題があった時に、制御しきれるかどうか不安を感じるものです。
そのため、現地の中国人管理者や中国人幹部が一生懸命に現場管理、現場指導を強化し、仕事に集中させ、余計なことをする者が出ないようにいつもよりも数倍の気を配って対応してくれました。
現場では、生産を完遂するという共通の目的のために、中国人と日本人が一致団結して協力し業務にあたっているのです。
憂さ晴らしや悪戯だと思いますが、「小日本」(日本の蔑称)などの落書きは数件ありましたが、結果としては特に問題は起こりませんでした。

話を食堂に戻します。
テレビを見て、私はすぐに上述したような問題の発生の懸念と対処方法について考えていましたので、少し沈鬱な表情になり、食事も余り取らず食堂を出ました。
部下の若い日本人は、私の表情を見て勘違いをし、「いやあ、また中国がうるさく言ってますね」と話しかけてきました。中国で仕事をしていると正直、嫌なこともありますし、自分にスキルが無いと部下に相手にされないこともあります。彼は、経験もまだ浅いので、そういったストレスから、やや反中的な感情が芽生えていたのだと思います。そして、私もそういった感情を共有していると勘違いしたようでした。
そこで、私は彼に言ったのですが、「何か勘違いしていないか?私が問題視しているのは首相の行動であって、中国の反応ではない。首相がこのような行動を取れば、このような反応が起こるのは目に見えているのだから、もし、首相が我々現地企業のことを真剣に気遣ってくれているのなら、そのような行動は取らない。それに対して、中国の反応が過剰だと言うのは見当違いだ。日本が過去に戦争、占領したことは事実だし、その過程で、いくら否定しようとも、戦争なのだから多少なりとは許されない行為があったはずだ。そうであれば、社会における個人と同じで、一度何か過ちを犯した人は、それから逃げることは出来ないし、未来永劫その過去を背負って生きなければならない。批判されても、過去の事実は変えられないので、じっと耐えるしかない。それでも、更生したことを人に認められたいのであれば、自分はただひたすら、周囲からあの人は変わったなと思われるような態度と行為を取り続けるしかない。それでも批判され続けることのほうが多いかもしれないけれど、立派な行いを地道に続けていれば、いつかは誰かが理解してくれる日が来るかもしれない。現実とは、そういう厳しいものであって、それが、戦争をし、しかも負けた国となれば、その後の歩みが非常に厳しい道のりになることは当然のことだ。何世代にもわたって批判され続けるだろう。それでも、日本が立派な国であるためには、ただひたすらに過去を払拭するための努力を続け、ひたすらに立派な行いを続けるしかない。君は、中国に来て、中国のおかげで仕事が出来て、中国のおかけで給料がもらえているのに、さっきのような感想しか感じることが出来ないのなら、さっさと日本に帰ったほうが良い。中国語が少し話せると言うだけで、中国に来て、のほほんと過ごすだけならば、日本にいたって出来ることだから、わざわざ中国に来る必要はない。我々は海外に出た以上、場所がどこであれ、現地の人から見れば、日本人を代表しているのであり、日本人として、もっと真剣に現地とお互い歩み寄り、お互いの良いところを引き出すような思考をする努力と訓練が必要であり、日本人として恥じない思考と行動の努力と訓練が必要だ。それが出来ないのなら、日本の恥になるだけだから日本へ帰れ。」
というような事を言いました。
厳しい内容だったので、彼はショックを受けたようで黙って下を向いていました。
彼については、再度後述します。

以上の体験談に加えて、補足しますと、中国側が特に問題視しているのは、靖国神社に戦犯が祀られている点です。
私の中国の知人や友人も、「靖国神社には、なぜ戦犯が祀ってあるの?戦犯が祀られていなければ、別に問題も起きないのに、なんで?」という素朴な疑問を持っています。

以上の体験で私が抱いた、自分でもうまく説明出来ない、本当に情けなく悔しく辛い感情について、また、知人や友人の素朴な疑問について、副島先生は、今回の一連の評論文で明確に解明してくださったと感じました。

特に象徴的・総括的な内容の部分を以下に転載させていただきますと、

(転載始め)
[1514]安倍の靖国参拝問題が大きな火種に。日本は世界中を敵に回してはいけない。

 ここで、端的(たんてき)に言うと、United Nations (ユナイテッド・ネイションズ=連合諸国、連合国側) の総意に、日本は従わなければいけないのだ、ということだ。世界を敵に回してはいけない。この 連合諸国=が第二次世界大戦の間にできて、それが、そのまま、戦後も、そして今も 世界体制( The U.N. ×「国際連合」は愚かな、意図的な訳語だ。正しくは United 連合 Nations 諸国 、連合諸国だ  )なのだ。現在のこの世界体制を敵に回して、安倍晋三たちは、勇ましい、頓馬(トンマ)な闘いをやっている。 世界とはどういうところか、が分かっていない。 世界の厳しさも分かっていない。 甘やかされた坊や みたいな連中だ。

「ヤルタ=ポツダム体制の打破」、「東京裁判史観の克服」、「戦後レジームの打破」を掛け声にしている、愚か者の集団だ。 その甘えきった態度が、どれぐらい自分たちの愚かさを、今、世界中に、満天下に晒(さら)しているかを、分かっていない。 安倍晋三たちは、いいかと思って世界の舞台で裸踊りをしているのだ。

それでアメリカに楯突いてみせれば、それで、自分たちが英雄気取りだ。アメリカ(オバマ政権)が怒っているのは、今の日本の極右政権が、世界の戦後秩序=世界体制 を 、半ば無自覚に破壊しようとしている、甘ったれた連中だということを、日本側が分からないことだ。 安倍たちは、アメリカを敵に回しているのではない。世界を敵に回しているんだ。 世界を敵に回すと、本当に、恐ろしいことになるのだ (世界は、いったん決めたら、本当に国際的強制執行をする)。

 東条英機(とうじょうひでき)首相(大将)たち、7人戦争指導者を、死刑にして首を吊ったのは、アメリカの軍事法廷(ミリタリー・トリビューナル)というだけでなく、世界体制なのだ。その東条たちを、合祀(ごうし)して祀(まつ)っている(1978年から)靖国神社は、世界基準での The Tomb of Unknown Soldiers ザ・ツーム・オブ・アンノウン・ソルジャーズ 無名戦士の墓 ではない。東条たちは、戦争指導者たちであって無名戦士ではない。

 自分たち、世界体制が東条たちの首を吊ったのに、そこに、どうやって、外国の元首たちが、花輪を持って、哀悼の参詣をすることができるだろうか。世界中の国々の無名戦士の墓に、外国の元首(大統領、首相、国王)は、お参りするのだ。 このことを、日本人は、分かっていないのだ。誰も説明する者がいない。皆、愚かな日本国内の境域と、テレビ新聞の洗脳で、国民は、世界基準の知識、世界で通用している当たり前の思考、思想を、を全く教えられず、めくら(=盲目)にされたままだからだ。
(転載終わり)

まさに、総括し、論理的に説明していただくと、そういうことなのです。

一国の総理ともあろう御方が、世界とはどういうところか、が分かっておらず、世界の厳しさも分かっていない、甘やかされた坊やみたいな連中であり、その甘えきった態度が、どれぐらい自分たちの愚かさを、今、世界中に、満天下に晒(さら)しているかを分からずに、世界の舞台で裸踊りをしているのだという事実なのです。
我々庶民が現地でこつこつと積み上げた現地の人との信頼関係を、軽率な行為が、一瞬でぶち壊しにするのです。
日本人として、もっと祖国に誇りを持っていたいのに、一国の最高責任者が裸踊りも同然の状態なのです。
本当に情けなく悔しく辛い感情が湧きあがって来て当然だということを、自分で納得できたので、おかげさまで、気持が久しぶりに本当に晴れ晴れしました。(ただし、状況は変わっていないので、問題はそのままですが。)

また、知人や友人の素朴な疑問は、国際政治学的観点から解説いただくと、まさにそういうことだと思います。
世界体制が戦犯の首を吊ったのに、そこに、なぜ、元首が、花輪を持って、哀悼の参詣をすることができるだろうか。元首(大統領、首相、国王)がお参りするのは、世界中の国々の無名戦士の墓であるはずだ。
これが海外での通常の思考であり、どんな経緯や言い分があろうとも、結果的に海外から不信感を持たれるという結果になっているのは、まぎれもない事実です。

そして、大きな問題は、最近になればなるほど、明らかに日本の実際の国力すら、どんどん弱くなっているということです。
首相が踊ってはしゃいでいるだけなら、まだ良いのですが、そのうち、踊ることも出来ないくらいに国が弱体化するのではないかと本当に心配になります。
といいますのは、中国にいると本当に実感するのですが、日本のモノづくり産業、特に電機産業の凋落ぶりは著しく、多くの工場で閑古鳥が鳴いており、閉鎖もあいついでいます。
1980年代、1990年代には、SONYや松下などの電機関連企業は、その最先端の技術と高品質とデザインで中国でも大変尊敬を集めていました。
中国に技術指導に来る日本社員の仕事に対する情熱や誠実さ、モノづくりに対する姿勢や思想は、大変多くの中国の管理者や技術者を育成することに貢献したし、現地社員からも尊敬を集めていました。
さらには、優れた企業家であるSONYや松下の創業者は鄧小平から直々に招待され会談し、中国の産業政策に助言したことは、中年以上の中国人であれば多くの人が知っている事実です。
かつては、それほど、日本の電機産業は中国現地から尊敬を受けていました。
今でも、私が、日本のモノづくり企業の歴史やモノづくり思想について、話をすると、中国人スタッフは、本当に真剣な眼差しで聞いています。
しかし、世界の産業構造の大きな変化と生産分業化の急速な進行に対応しきれず、日本の電機産業をはじめとする多くのモノづくり産業が業績の悪化にあえいでいます。
日本の政府として、産業構造の再構築を促すような政策も行わず、生産を支援する政策も行わず、国力の根源である産業が弱体化するに任せている様には、非常に大きな不安を感じます。
このように、過去には確かに、日本も中国から尊敬される面も持っていたのです。
非常に立派な企業と企業家の貢献により、日本も中国から尊敬を受けていたのです。
やはり自分の行いを正し、自分の行いが本当に立派であれば、相手も分かってくれるということだと思います。
しかし、そのように貴重な日本の国力の根源である産業をも、現在、どんどん自ら破壊しているような気がしてなりません。
日本国内では、アベノミクスで景気が良くなったと浮かれているとのことですが、これは目先の数年だけ浮かれさせられて、その後は地獄が待っていることは、副島先生が看破されています。

そして、副島先生著作の「安部晋三の奇怪な変節と「ザ・カルト・オブ・ヤスクニ」から引用させてください:

(転載始め)
「安部晋三の奇怪な変節と「ザ・カルト・オブ・ヤスクニ」

このように、小泉がはじめた数年前からの靖国参拝の政争化の狂騒は、日本の対外的・外交的関係としても、絶対にやるべきではなかった。私たちは、アジア諸国の怒りと不安を本当に掻き立てたのだ、と知らなければ済まない。

首相の靖国参拝問題(小泉の狂騒)はまさしく、子供の火遊びであり、児戯であった。それがどれくらい今の日本を結果的に追い詰めたかを、率先して音頭を取った人々は深く反省しなければならない。

ただひたすら、アメリカに対して、忍従の構えで、這い蹲り、土下座して、ただただ政府資金と国内大企業群(への株式乗っ取り支配)と、国民の資金を差し出すだけであった。
このような私たち日本側からのアメリカへの世界一忠実な属国としての屈辱的な対応が、中国や韓国やアジア諸国から見たら、あまりもの屈辱に見えた。だから、「日本は、あんなにもアメリカの言いなりの国なのか。あれでは奴隷国家だ」と、中国の指導者たちは思った。それで、「今の日本なんか、相手にもならない。戦前の強大だった日本とはどうもちがうようだぞ」ということになった。それで、日本は、今の中国の指導者たちから、低く扱われ、すっかり舐められるようになったのだ。そして、東アジアにおけるメインプレーヤー(交渉大国)の地位を、この「2006年のヤスクニ火遊び」を契機として、ものの見事にあっさりと失ったのである。
(転載終わり)

昨年末の安倍首相靖国参拝時の中国現地での実体験で、私の中に湧きあがった情けなさ、苦々しさ、悔しさ、悲しさ、不安、という感情の根源は、まさにこれらの記述が総括してくださったことであると思います。
絶対にやるべきではないことを、やっているということを本当に分かってほしいし、如何に日本を追い詰めているかを、本当に自覚し、本当に反省してほしいと痛切に思います。
そして、かつては尊敬されていた面も多々あったのに、それをどんどん自ら破壊し、自らをどんどん弱体化させ、自らどんどん馬鹿にされる方向に突っ走っています。本当に情けない気持ちでいっぱいになるし、本当に悔しく、悲しく、不安を感じさせる状況です。

最後に、例の彼の数日後の話をします。
彼は、個人的にキツイ目に会ったので、少し反中的な感情が芽生えただけで、もともと明るい性格で、公正なものの見方を出来る人間です。
そして、サッカー観戦が大好きなのですが、数日後に非常に嬉しそうな顔をして私のところに来ました。彼が言うには、「もともと中国のサポーターは自国のチーム以外を良く言ったりはしないのですが、最近、中国では、日本チームが、そのフェアでストイックな姿勢と高い技術で尊敬を集めるようになっています。」とても嬉しそうでした。
私から言われたことを数日間、彼なりに、考えて咀嚼した結果だと思ったので、
「やはり自分の行いを正し、自分の行いが本当に立派であれば、相手も分かってくれるということ。我々も日本の武士の代表として頑張ろうな。」と言うと、
「はい!自分も、これからもっと頑張ります!」と晴れやかな表情で言ってくれました。

今回の副島先生の安倍首相靖国参拝問題関連評論文が、私の体験的感情に対して、明晰な論理的思考の道筋をつけてくださったということ、
一国の総理の靖国参拝を契機として、国際的最前線の現場で起こったささやかな人間模様とドラマを参考までに皆さまにお伝えしたかったことから、
以上、長々と書き連ねさせていただきました。
もし、副島先生の著作や論文の引用について、私の曲解がございましたら、ご指摘・ご指導を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

ありがとうございます。

薄桜鬼 拝

副島隆彦 投稿日:2014/01/31 17:10

【1284】[1525]安倍の靖国参拝問題から、その後の世界の動きを洞察、予言する。

副島隆彦です。 今日は、2014年1月31日です。

 安倍首相の靖国参拝(昨12月26日)問題の発生のあとの世界規模の大きな政治のこれからの動きを、箇条書きで、私の考え(=未来予測)を書いておきます。今日は、細かいあれこれの傍証(ぼうしょう)の記事は載せません。 断言、断定、予言の言い切り文体で書きます。日本の国家戦略家(ナショナル・ストラテジスト)を自称する者としての自負心で書きます。

1.安倍晋三の 靖国参拝は、正しい。あれでアメリカ政府の怒り( アメリカの強い説得の制止を振り切って強行した)を買ったが、安倍晋三が、「首相として靖国に行かなければ、それが痛恨の極みだった」とまで当日、言ったのだから。

 安倍晋三(自民党政権のタカ派路線)を支持しているのは、おそらく7割の日本国民だ。そのうちの、4割は、安倍の靖国参拝に対して、「アメリカを怒らせている。そこまでやってくれと、日本国民としてはお願いしていない」と、安倍から少し離れた。だから強固な安倍支持はあとの3割(30%)だろう。

 しかし、だからと言ってこの4割の国民が安倍支持を公然とやめたわけでない。今も国民は音無(おとな)しの構えだ。靖国問題では国民の多くは、大きな真実を知らされていない。それは、私、副島隆彦がこれまでに、ここの重たい掲示板に書いた内容だ。

2.「どうして靖国に参拝したらいけないのか」の疑問を多くの国民は抱いたままだ。
「なぜ戦争で死んだ軍人兵士をお参りしていけないのか」と、安倍を強固に支持の3割の国民も、アメリカに対して疑問を抱いたままだ。だから感情、気分、気持ち、民族ロマンティシズム、情緒としては、安倍首相の靖国参拝は正しい。

 日本国民の多くに、反アメリカ感情、反米(はんべい)感情の鬱積(うっせき)が見られる。この日本人の反米感情の薄っすらとした噴出(ふんしゅつ)は正しい。 この反米感情の日本国内での堆積、蓄積を、アメリカやヨーロッパの指導者層 (すなわち 欧米白人文明の側)は、気にして恐れている。外側世界(=国際社会)から見れば、日本国内は、安倍首相の元で団結しているように見える。 日本国内には、安倍政権への反対勢力は事実上存在しない。自民党内にも、倒閣運動(内閣を壊そうという動き。政局=せいきょく=と言う)は見られない。

3.だから安倍晋三の靖国参拝は正しかったのだ。ただしそれは国民感情としての、情緒、気分、感覚のところでの正しさだ。それは、「戦争中には、アメリカ「も」残虐なことをたくさんした。広島、長崎への原爆投下をアメリカは今も謝罪しない」という日本国民の重低音での怒りと不満だ。

 しかし、これらの情緒、感情、気分を土台とする日本国民の、反アメリカ、反世界(=反白人文明)の理屈は、理屈=理論にならないものだ。世界で通用する理論的(ロジカル)な、理論的(セオレティカル)なものではない。だから、安倍晋三の靖国参拝は、世界基準(ワールド・ヴァリューズ、世界普遍価値観)からは、許されないことであり、間違いである。そのことを、私、副島隆彦がこれまでに論証して説明してきた。

4.個人の自由としては、安倍晋三が靖国参拝するのは自由である。しかし、「個人としての参拝」は、日本国の代表者(=首相)としては許されない。

 それは、第二次大戦(1939年9月のドイツのヒトラー政権のポーランド侵攻から始まった)のさ中に出来た、カイロ会談、ヤルタ会談で成立した 連合国側= The United Nations (ザ・ユナイテッド・ネイションズ)の誕生(成立)と、ポツダム会議(そして宣言)、日本のその受諾、そして日本の敗戦後の1951年のサンフランシスコ講和条約(日本が48か国と結んだ平和条約。=戦争終結条約)の時の、条約内容(約束ごと)に違反するからだ。 

 この連合諸国の体制 (=The United Nations 連合諸国 ×「国際連合」)という体制が、現在の世界秩序であり、世界体制である。これに逆らった行動は、日本はしてはならないし、出来ない。そのように条約文で出来ている。

 昭和天皇(裕仁=ひろひと=天皇)は。このことを重々(じゅうじゅう)知っていた。だから、昭和天皇は、日本は世界の大勢を敵に回しては いけないと、言った。そのことを私はこの「重たい掲示板」で、この1月になってから詳しく説明した。

5.アメリカは今も安倍政権に怒っている。しかしアメリカはもっと悪賢く、狡猾である。オバマ政権は、日本をさらに大きく外側から騙(だま)してくる。

 私、副島隆彦は、はっきりと予測(予言)する。もうすぐ、あと数週間もせずに、ジョー・バイデン副大統領が、次の大統領に立候補を表明するだろう。だろう、とさえ書かない。する。このジョー・バイデンをオバマは、強く支持している。「ジョー。僕が、今度は、君の副大統領になろう」 とまでオバマは冗談で言っている。彼らが闘う相手であるヒラリーはすでに実質的に立候補表明した。

 2016年11月の大統領選挙では、バイデンが当選して、次の2017年からの4年間(一期だけ)は、バイデンが大統領になる。民主党の政権が続くということだ。反対党の共和党からは、誰も満足に立候補しようする者さえ出てこない。共和党は初めから大統領選挙を投げている。だから、次はバイデンだと、副島隆彦ははっきり予測、予言しておきます。

6.だから、おとといの1月28日のアメリカ議会での、大統領の The State of Union (ザ・ステイト・オブ・ユニオン、一般教書(いっぱんきょうしょ)演説。「国民の団結」とも訳せる)で、これは、日本の首相の国会開催での所信表明演説に相当するが、ここで、オバマは、評判のあまり良くない演説をわざとやった。 

 オバマの真意は、ヒラリーの大統領選への立候補を、包囲して封じ込める、である。ヒラリーは、民主党内の軍事狂暴派(民主党タカ派)である。 これを、古村治彦研究員が、「人道主義的干渉主義者 (Humanitarian Interventionist ヒューマニテリアン・インターヴェンショニスト)」の勢力というコトバで「アメリカ政治の秘密」(PHP刊、2012年5月)で詳しく説明して日本に紹介した。 

 オバマとバイデンは、共和党系であるに決まっている軍人たちと、それと軍需産業(ミリタリー・インダストリー)の支持を、大きくその外側から取ってしまおうという戦略に出ている。だから、同じ民主党のタカ派のヒラリーを封じ込めるために、公務員や軍人の給料の値上げのような話ばかりを、一般教書演説でやった。あとは、軍需産業の業界への配慮が必要だ。

7.オバマと言うよりも、すでにバイデンが、「中東(アラブ世界)よりも、極東(東アジア)での 戦争の脅威を生み出し方がいい」と考えている。バイデンは、「中東のイランと、アジアの中国とで、どちらをアメリカの仮想敵国として、これからのアメリカの外交政策を作るか、と考えたら、それは、中国だ」と 判断している。

 アメリカの仮想敵国(ヴァーチャル・エネミー)を、新たに中国にする、とオバマは決断したようである。中国と、あんなにG2(ジー・ツー)で仲よくして、3月にも中国に行って習近平と会談する、と決めているとしてもだ。 オバマとバイデンの狙いは何か。それは、中国と日本が軍事でぶつかることだ。

 今も生き残っているネオコン派(元々は民主党の過激派だったが、今は共和党)は、なんとしてもイラン爆撃(小型の戦略核兵器を使ったもの)を、イスラエルと共にやりたい。ネオコンは徹底的にイスラエル寄りである。
だからネオコン派は、中東・アラブをアメリカの正面の敵にしたい。しかし、CFR(外交問題協議会。アメリカの財界、大企業の集まり)派であるバイデンは、イラン爆撃と、中東での新たな戦争を望まない。イスラエルの意思にアメリカが引きづり回されるのは御免だ、と思っている。それよりは、中国との緊張関係を作った方がいい、と考えている。

 これには、ジョン・ケリー国務長官もチャック・ヘーゲル国防長官の同じ考えだ。「アメリカは、外国への爆撃はしない。軍隊の派遣もしない(介入主義への反対)。アメリカはお金がもう無いのだ」という強固な意志でオバマ政権は団結して動いている。

8.だから、オバマとバイデンは、中国との対話を押し進めながら、その一方で、日本が、勝手に、暴走して、中国と、尖閣諸島で、軍事衝突(ミリタリー・コンフリクション)を起こすことを、アメリカにとって、これ幸いのことだと考える。だから安倍政権が、さらに暴走して、中国と軍事的に紛争を起こすことは願ってもないことだ。

 日中は、戦争(ウォー)にはならないが、その前哨戦である軍事衝突を起こすことまでを想定して、それに、仲介者、調停者(ミーディエイター)としてアメリカが登場することを考えている。

 これが、CFR(シー・エフ・アール)の、offshore balancing オフショワ・バランシング 戦略である。アメリカのこの大戦略理論も、古村治彦研究員が、先の本で、日本に詳しく紹介している。今のアメリカ(オバマ政権)は、外国への爆撃と米軍の出兵を避けたい。国内に大きな財政赤字問題を抱えている。

 自分の軍隊を戦線に投入しないで実質的に勝つことこそが、「孫氏の兵法」である。だから、海の外(オフショア)に遠くの方のアメリカ本国に居たまま、外国どうしの軍事紛争が起きることを予期し、それらを対立、拮抗させて、出来れば両方からの依頼を受ける形で、調停、和解の役目を買って出る、という戦略である。そうすればアメリカは、自分の軍隊を損耗(そんもう)することがないし、軍事出費がかさむことがない。

 ここで大事なことは、日中で軍事衝突が起きれば、アメリカの兵器(ミサイル防衛網、戦闘機、輸送ヘリなど)を日本が、大量にアメリカから買うだろう、ということだ。それで、オバマとバイデンは、軍需産業界の支持を取り付けることが出来る。そうすることでヒラリー派を日干しに出来る。このハト派戦略で、世界が大きな戦争に突入することを阻止できる。 

 バイデンは、今、72歳だから大統領になると74歳で、終わるときは78歳の高齢だ。しかしこの男は、「どんな汚れ仕事も、俺はやるよ」と闘志満々だ。

9.だから、尖閣諸島 や竹島で、軍事衝突が起きることまでを、アメリカは、期待し、予想し、誘い込むように戦略を立てている。そして、今年中にも、尖閣での日中の軍事衝突が起きる危険がある。 中国は、このアメリカの戦略を見抜いているが、だからと言って、日本と同じで、中国海軍の中の一番、危険な部分が勝手に暴走することを、北京の共産党の指導部が止められるかどうかは、分からない。日本の海上保安庁や海上自衛隊には、十分に危険な人間たちが潜り込んでいる。

 だから、安倍政権は、日本国民の7割の盲目的な「安倍さんは正しい」の支持を背景にして(国内の反対派はすべて抑え込まれている。勢力にならない。声にならない)、尖閣での軍事衝突に、引きづりこまれてゆくだろう。

今の日本で安倍政権と対立して、深く現状を憂慮しているのは、日本の財界人たちの集まりである経団連(けいだんれん)である。彼ら大企業経営者の集まりは、今の会長の米倉弘昌(よねくらひろまさ)を筆頭にして、「安倍さん。世界に向かってあんまり危ないことをしないでくれ」と苦言を呈している。「私たち大企業は、世界中で、工場を作って、現地の人たちをたくさん従業員たちとして雇って、それで商売をしているのだ。世界が何を考えているかを、私たちは現場のあれこれの苦労で、知っているのだ。安倍さん、あんまり勝手なことしないでくれ」と言っている。

 彼ら、日本の財界団体は、一人一人はサラリーマン社員からのたたき上げだ。それでも能力があって、組織内で苦労を重ねて、人望があるから財界人にまで成れた人たちだ。だから世界の現実を知っている。今の経団連の本当のお親分は、トヨタの会長もし経団連の会長もした奥田ひろし氏だ。彼たち財界人が団結して、安倍晋三たちの暴走を食い止めようとしている。

10.7年前の安倍政権の第一次(2006年9月からの1年間)の時に、「中国包囲網」という戦略を組んだのは、ワルの外交官である、谷内正太郎(やちしょうたろう)だ。このたび、国家安全保障局( 「日本版NSC」 )の局長という日本の国家情報のトップに就任して、その正体を露わした。

 谷内は、7年前に「自由と繁栄の弧(こ)」という戦略をぶち上げた。これは、中東世界までを包み込む、大きなアーチ型の地政学(ちせいがく)的な戦略図式である。

 「日本の努力で、平和と安定を、遠く中東世界にまで及ぼす」とは、よくも言ったりである。 この「自由と繁栄の弧(アーチ)」とは、まさしく、日本による 中国包囲網(ちゅうごくほういもう)のことである。外務官僚の谷内が、無い知恵を絞って、このような大風呂敷を敷いた。そのあとの2008年から一年の麻生太郎内閣でも、この「自由と繁栄の弧」を吹き鳴らした。

 そして、一昨年、2012年の12月からの安倍政権が、アーミテージたちのよって仕組まれたままに成立したら、この時とばかり満を持して、谷内を中心にして各省の幹部である官僚の”同志たち”が安倍の元に結集して、官僚組織(オール霞ヶ関)が一体となって、この「中国包囲網」という日本の独自の外交戦略の大綱を実行に移した。

 この谷内正太郎の、「自由と繁栄の弧」は、1930年に出来た、かつての「大東亜共栄圏(だいとうあきょうえいけん The Great East-Asia Co-prosperity Sphere ザ・グレイト・イースト・エイシア・コプロスペリティ・スフィア)の 再来である。果たしてこの日本の隠された外交戦略を、現在の世界体制( 諸国連合 ×「国連」 The U.N.)が見抜いているか、そして許すか? 

11. 谷内と安倍は、周囲の雑音も、アメリカらの懐疑の目もなんのその、で、今も着々とこの「自由と繁栄の弧」づくりに専念し、実行している。

 そのために、安倍は、この1年2か月で30か国にも出かけた。ベトナムにも、ミャンマーにも、インドにも、そしてトルコやモンゴルにも出かけて、(その前に大臣たちを遣ってから)「日本が、新幹線(高速鉄道)と原発を、タダで上げますから、日本との同盟を大事にしてください」とこれらの各国の首脳を誑(たら)し込むことに精を出した。

 一番最近は、インドにダメ押しに行った。1月22日のスイスのダボス会議(世界経済フォーラム。世界の超(ちょう)財界人たちの会議。ビルダーバーグ会議の表側 )で、靖国参拝問題で安倍は世界の“針(はり)の莚(むしろ)”に座らされて、ヨーロッパ首脳たちからの、「日本は戦争を始める気か」と疑惑の目で見られた。それなのに、帰ってきたらすぐに予定通りインドに行った。

12.だから、この谷内の「自由と繁栄の弧」戦略で、7年前から、コツコツと、中国包囲網を築いて来た。そのもう一つの大きな北側の「弧(こ)」が、ロシアの取り込みによる、ロシアと日本とでの“中国 挟(はさ)み撃ち“戦略だ。

 これが、私が、これまでに何回か報告した、サハリン(北樺太、からふと)の天然ガスのロシアからの、海底パイプラインを引いての日本への直接の購入の商談だ。プーチンは、この話に乗ってきた。だから、中央アジアのカザフスタンや、今もロシアの家来であるモンゴルでの、日本の日立や東芝による原発作り(産出するウランとのバーター=物々交換方式=)にも反対しなくなっている。 

 サハリン(かつての北樺太で見つかった油田地帯)の天然ガスの日本への販売を起爆剤にして、その代金でシベリア大開発を何としてもやりたいプーチンとしては、日本と組んで、「中国包囲網」の話に乗るのは、損なことではない。だから、北方四島の「海の面積半分での2島返還」での話し合いも進めて、日ロの平和条約(=戦争終結条約)に持ち込むつもりだ。

13. ところが、年末から急に起きた、安倍晋三の靖国参拝で、ロシアのプーチンもユーロッパ首脳たちの顔色を窺(うかが)っている。ロシアは今、日本批判を全くしない。ソチのオリンピックを無事、テロ事件なしで乗り切りたいの一心だから、外国のトラブルに巻きこまれたくない。

 ウクライナ問題だけで十分だ、と思っている。ウクライナ人の中のヨーロッパ寄りの「自分たちウクライナ人=キエフ公国=は純粋白人種であり、モスクワ公国の時のルース=ロシア人たちが、モンゴル人(タタールの頸木=くびき=、韃靼人、蒙古人)に卑屈に屈服したのとは違うのだ」で 騒いでいるので手一杯だ。ロシア人自身も、出来ることなら自分たちもヨーロッパ白人文明の一一部だと自分たちのことを思いたい。

 それでも自分たちロシアは、第二次大戦の時の連合国側=連合諸国(=×国際連合)5大国(ファイブ・パーマネントメンバーズ。常任理事国)の重要な一員である。日本のような敗戦国とは違うのだと、と当然に思ってる。ロシアは、今は、中国とも長い国境線での貿易を仲良くやっている。

 それでも、中国人が、どんどんロシア側に経済進出( 浸出=しんしゅつ=、浸みだして来るようにどんどん出てくる)ことを嫌がっている。 靖国問題が一段落しないと、サハリンの天然ガス輸出と北方領土問題(平和条約締結)も動けない状態だ。

14.韓国の パク・クネ 大統領は、去年の就任以来、安倍晋三と反目し合っている。日本国内に、韓国叩き、嫌韓(けんかん)、韓国嫌い、韓国蔑視の大きなキャンペーンが、計画的に去年から週刊誌を中心に作られた。今は、靖国参拝問題が起きたので、それどころではなくなった。弱い者いじめの韓国(人)叩きなど、まともな人間がすることではない。

 それでも深い長い歴史の中にある互いの民族排外主義(ショービニズム)の感情の噴出であるから、これを簡単に止めることは出来ない。パク・クネのアメリカやヨーロッパ諸国への「言いつけ」、「告げ口」外交は、功を奏した。日本は、日韓併合(1910年から1945年、朝鮮半島の植民地化)や、戦争中のあれこれの所業での悪者になった。世界中に日本国がやった過去の行いの非人道は今も批判されている。

 事実であることは認めなければいけない。ところが日本国内では、世界中では語られてる日本(人)による残虐な行為の数々は語られない。日本のヤクザ者たちが、ドスを腹巻に巻いて、何万人も日本軍よりももっと前方で残虐な破壊活動とかをしたのだ。ところが、「自分の民族を貶(おとし)めるようなことは言いたくない」という、情緒、感情、気分に基づく態度を日本人の多くは取る。 「自分たちは間違っていない。悪いのは自分たちだけではない」という安倍晋三支持層の日本人の頑(かたく)なな態度は、このあと、これからますます、日本を窮地に追い込むだろう。世界をどんどん敵に回してゆくことになる。

 韓国は、日本との竹島(韓国名、独島、ドクト)問題で態度を硬化させている。それで、アメリカが音頭を取っての米・日・韓の 三国での軍事同盟の邪魔をしている。いつでも暴発しそうな北朝鮮に対抗する軍事協定を作ることに反対して、韓国はアメリカを困らしているようにさえ見える。韓国は、アメリカが買え、と言っている、TMD(ミサイル防衛網)を買わない、と言った。

 サードも買わない。そして、在韓米軍(2万人ぐらい)の撤退問題も先送りにしている。朝鮮戦争の時の国連軍(こくれんぐん)の最高司令官の地位を、アメリカ軍人から韓国軍人が引き継ぐ交渉も、ほったらかしにしている。

 韓国は、アメリカ軍の韓国からの撤退を望んでいない。韓国駐留のアメリカ軍師団は、今はもうソウル市の北方 (板門店、パンムンジョンの近く)には居なくて、南の釜山(プサン)にいるはずだ。このアメリカ陸軍の旧第5軍(マッカーサー元帥が率いてきた)は、逆に、韓国の人質になっている、という感じだ。

14. バイデンは、12月3日(日本)、4,5日(中国)、6日(韓国)に来た時に、「自分は、中国と韓国と日本の、国境紛争の 仲介、仲裁の訳はしない」と、はっきりと言っている。 勝手に争えばいい、という腹(はら)だ。アメリカは、困った、困った、「この地域(リージョン)の平和を乱すな」という振りをしているが、その実、バイデンは、今の極東の 事態を楽しんでいる。あの口を、ニーと横に開いて笑う、あの顔にそう書いている。

 バイデンとヘーゲルは、米軍の戦争への のめり込みを避けて、オフショア・バランシング戦略で、米軍をどんどん撤退させる戦略で動く。米軍を戦争に投入する気はない。これは、介入主義に反対する現実主義(リアリズム)政治学の立場であり、自国平和主義だ。だから、何かあったら、米軍を、まずその家族たちからさっさと韓国からも、そして、沖縄からも飛行機に乗せて撤退させる作戦である。だから、韓国としては、米軍を逃がさないで、韓国に居させたままにする、という戦略になる。

 パク・クネが率いる韓国は、深く中国と連携している。サムスンも中国およびその後背(こうはい)のユーラシアの大きな市場で生き延びようとしている。韓国の対・大国(日本を入れて4つだ。中国、ロシア、日本、アメリカ)を相手の生き残り戦略のは、今から冴えてくる。 まるで韓流ドラマの歴史ものを見ているようだ。

 それが分からないで、ただ単に、感情、気分、気持ち、情緒だけで、韓国嫌いで自分の頭が一杯の日本人は、うまく騙(うまく)されるだろう。周りの動きを冷静に見れなくなって、傲慢(ごうまん)な態度で、相手を見下しているだけなら、やはり、歴史のあれこれの教訓からしても、知恵の足りない方が負けだ。

私、副島隆彦の態度は、すでに書いたが、「竹島は韓国にこころよく差し上げるべきだ。そして、あの海域を仲良く2国で共同開発すべきだ」論だ。このことは今日は書かない。

15.セオドア・ルーズベルトという男が出現したのは、1901年からだ。マッキンレー大統領が暗殺されて、副大統領から成り上がった。アメリカ合衆国が、それまでの素晴らしい“デモクラシーの元祖”の国だったのがどんどん汚(よご)れ出したのは、このローズベルト(イギリス英語と、古都ボストン読みならローズベルトだ)の時からだ。

 この時から、アメリカは世界を支配する悪い国に変身していった。背後に石油財閥となって表れたロックフェラー家の暗躍が始まっている。ルーズベルト大統領が、1904、5年の日本とロシアの日露戦争( The Russo- Japanese War )を、上手に仲介、仲裁して両国にポーツマス条約を結ばせた。 そしてアメリカが漁夫の利を得た。

 すべては深く仕組まれているのである。この後、ロシア帝国(ロマノフ王朝)は滅んだ。全く同じ時期に、オスマン・トルコ帝国(アラブ・中東全体を支配していた)も滅んだ。ヨーロッパの帝国だったオーストリア=ハンガリー2重帝国も滅んだ(1914年)。この頃、第一次世界大戦が勃発している。中国の大清帝国(満州人の清朝)も滅んだ。

 そして、何と世界を支配した大英帝国(ザ・コモンウエルス・オブ・ザ・ネイションズ)までもこの時期に滅んでいる。4つの帝国が、全く同じ時期に、バタバタと倒壊、滅亡したのである。そしてこの地上にアメリカ帝国だけが残った。こういう歴史の大きな真実を知り、過去から真剣に学ばないないようなら、この先の世界ゲームにおいて、私たち日本(人)は負けだ。

15.安倍晋三の靖国参拝は正しい。正しい反米感情の吐露だ。「ヤルタ=ポツダム体制の打破」、「戦後レジームからの脱却(だっきゃく)」、「東京裁判史観の否定」を、自分たちの内心の信念とし、執念にまでして胸に刻んている者たちの、強い感情の現れた。その意味において安倍の行動は、正しい。

 そしてそのせいでボロを出してしまった。押し黙って、本心を語らず、もっと狡猾に動くべきだったのだ。「靖国参拝をあれほどするなと、私たちはきつく言っただろ」と、自分を首相にした策略の最高責任者である、リチャード・アーミテージからさえも、” It’s over . = Abe is over .” と愛想(あいそ)尽かしをされてしまった。もっと上手にアメリカの裏をかいていたら、叔父の佐藤栄作並みの5年間の長期政権を作れただろうに。それももう無くなった。この5月まで持(も)てば大したものだ。

「お腹(なか)を壊して、また政権放り投げ」というのだけは、勘弁してほしい。私も自分の本にあれこれ書いて出す必要があるので。

 それと、安倍が言い訳する、「非戦(戦争をしない)の誓いを新たにするために、私は靖国に参拝した」という明らかに弁解のウソじみた言葉は、世界(中)は、理解しないし、どうせ説得されないから、やめた方がいい。 日本(人)でだけ通用する「死んだら、どんな人も、みな神になるのだから、皆で、拝めばいい」というのも、世界では通用しない。

16. 私、副島隆彦が大いに気に入らない、あと一点のことを、最後に書いておく。 それは、だから、安倍信三たちは、第二次大戦の連合(諸)国=連合国側が、そのあと作った、今の世界体制、世界秩序(ヤルタ=ポツダム体制)が、私たちは気に入らない。そこから脱却したい。これを壊したい」と、 正直に言うべきだ、ということだ。

 右翼、愛国者であるなら、そのように世界に向かって、正直に言ってほしい。

 それを言わないで、「戦争の起きない、平和を願う気持ちを新たにしたいから、自分たちは、靖国に参拝するのだ」という、歯の浮くようなウソを言うから、私はお前たち、今の日本右翼 「ザ・カルト・オブ・靖国」勢力が嫌いなのだ。人間はまずおのれに向かって正直でなければいけない。

16.世界に向かって正直さがない。「日本は、もう一度、戦争をやって、今度こそ、アメリカに勝って見せる」と、きっぱりと言うだけの人物、保守言論人がひとりもいない。このことを私、副島隆彦は残念に思う。だから、日本国民の中の、素朴な人々の「靖国に東条英機大将まで祀(まつ)って、何が悪いのだ。戦争で死んだだけでなく、アメリカの勝手な軍事裁判で死刑にされて、絞首刑にされたのだ。だから、14柱のA級戦犯たちも、その霊、御霊(みたま)に私たちが参拝に行って、何が悪い」と、はっきりと言うべきだ。そうすれば、安倍支持派の3割の国民の、鬱積した感情が晴れ晴れとなる。

 私は、彼らがそのように正直に、日本人の真心(まごころ)を赤心(せきしん)を、はっきりと言うなら、安倍信三は正しい、と考える。「非戦の誓いを新たにするために参拝した」というウソは、世界中にではなく、同族でありなんでも肌で感じて互いに分かる同じ日本人に対するウソにもなる。だから、それはやめてくれ。

 安倍晋三は、自分の内面と、その燃え上がるような情念と、自分のお祖父さんの岸信介(戦争開始時の商工大臣でA級戦犯) の亡霊、怨霊の無念に報いたいの一心だろうから、その、おのれの執念と主観においては正しい。しかし、その正しさにはどうしても限界がある。世界では通用しない。そこにあるのは、世界の大きさを知らない、恐るべき幼稚さであり知能の低さだ。 

 ここまで来ると、安倍晋三の己の主観での正しさは、やはり、感情、情緒、気分での正しさだ。生来の深い知恵の無い、人生の苦労を知らない、ボンボン息子のこういう人間を、指導者に頂(いただい)たくかない国民の悲劇である。鍛えた頭脳と、苦労を重ねた体験を持つ、本当に知恵のある人間を自分たちの指導者に持てない国民は哀(あわ)れである。その末路は今のうちから、もう見えてきた、と私は言うしかない。  (了)

副島隆彦拝

追記。
来週末の 2月9日(日)に、金融セミナーがあります。金融・経済の話に興味がある人は来てください。
日が迫っているので、受講料は「当日払い」で受け付けるそうです。席に限りがありますから、予約を電話か、FAX、メール で行ってください。

「副島隆彦(そえじまたかひこ)の“予言者”金融セミナー 第7回」
日時:2014年2月9日(日)
開始:10時(受付)、11時(開演) 途中、休憩あり。
終了:17:30(予定)
場所:ヤクルトホール(ヤクルト本社ビル、新橋駅)
受講料:15,000円/全指定席

申し込み・問い合わせ先
ブレイントラスト企画(成甲書房内)
東京都千代田区神田神保町1-42
TEL:03-3292-8401(平日10~18時)
FAX:050-3156-3040
メール:seminar@seikoshobo.co.jp

(了)

守谷健二 投稿日:2014/01/24 14:04

【1283】[1524]柿本人麻呂の正体を暴く14

 1522の続きです。
 『古今和歌集』の仮名序と真名序の柿本人麻呂と『万葉集』の成立事情を、後世の研究者が、誤りとしなければならなかった訳。

「仮名序」は、「奈良の御時に、正三位の柿本人麻呂が居た」と記す。しかし『万葉集』の中では、柿本人麻呂は奈良遷都以前に死んでいたことになっている。
   柿本朝臣人麻呂、石見国に在りて臨死(みまか)らむとする時、自ら傷みて作る歌。
 鴨山の 岩根し枕ける われをかも 知らにと妹が 待ちつつあらむ(223)

   柿本朝臣人麻呂の死(みまか)りし時、妻依羅(よさみ)娘子の作る歌二首
 今日今日と わが待つ君は 石川の 貝(一に云う、谷)に交りて ありといはずやも(224)

 直(ただ)の逢ひは 逢ひかつましじ 石川に 雲立ち渡れ 見つつ偲はむ(225)

上の歌群が、奈良遷都(710年)以後の歌の前に配置されていることから、人麻呂は、奈良遷都以前に官位六位以下の下級地方官吏で死亡したと後世の研究者たちは決め付けてきた。その通説からすれば、『古今集』の仮名序が、「奈良の御時に、正三位の柿本人麻呂が居た」と言うのは、誤りとせざるを得ない。通説では、奈良の御時には、柿本人麻呂は既に亡くなっているのだから。それで、後世の学者たちは「奈良の御時」は、文武朝(697~707)のことである、として、仮名序の作者の誤りとしてきた。
しかし、仮名序を書いたのは紀貫之である、当時を代表する学者で歌人であった。紀貫之ほどの人物が、勅撰集の序文に誤りを書き残すなど云う愚劣な失策を行ったのだろうか。
私は『万葉集』の(207)柿本朝臣人麻呂、妻死りし後、泣血哀慟して作る歌、から(227)或る本の歌に曰く、までを丁寧に読むことで、人麻呂は石見国の鴨山などで死んではいない。石川の貝(一に云う、谷)は、石川郎女であることを発見したのである。柿本人麻呂とは、大伴安麻呂の号(ペンネーム)であることを論証してきた。その大伴安麻呂は、和銅七年(714)に、正三位大納言兼大将軍で薨去している。安麻呂は、奈良遷都後も生きていた。紀貫之は、人麻呂の正体を知っていた、と言うだけのことではないのか。『古今和歌集』が撰呈されたのは、大伴家持が亡くなって僅か百二十年後である。紀貫之が、柿本人麻呂の正体を知っていたとして、何不思議があろうか。しかし、後世の学者たちは、『万葉集』の題詞と歌から人麻呂の生涯を推測するしかなかった。貫之に伝えられていた伝承が、途絶えてしまったのだろう。貫之の書いた「仮名序」の誤りとするしかなかった。
『万葉集』は、大伴家三代(安麻呂、旅人、家持)に受け継がれた私家歌集である。
   次回は、真名序に付いて書きます。
   

副島隆彦 投稿日:2014/01/22 15:07

【1282】[1523] 金(きん)を暴落させてきた英米の不正操作をドイツが公表、反撃した。

副島隆彦です。  今日は、2014年1月22日です。

 世界の金融・経済で、急激に隠(かく)れた大きな動きが起きています。

だが日本国内では誰も騒がない。おかしい。奇妙な静けさが続いている。しかしこの胎動(たいどう)はやがて表面に出る。 

 この1月16日にフランクフルト(ドイツの金融の中心都市)で、ドイツの金融監督庁 Bafin(バフィン) のElke Koenig エールケ・ケーニヒ長官(女性)が、「 金(きん)の取引市場 での不正操作 Metals Rigging が、何年も前から行われている。現在、各国の規制当局が調査中である」と発表した。このドイツの金融庁長官の発言は重要である。

 欧米の金と銀の市場で、通貨(カレンシー、外国為替)の他に、価格の不正操作=相場操縦(そうばそうじゅう)罪である犯罪行為 が行われてきたという発表は、これから大きなスキャンダルになる。

 ロイターの記事では、17日に、
“ How London’s gold and silver price benchmarks are ‘fixed’ ”
となっており、ブルームバーグの記事では、
”Metals, Currency Rigging Is Worse Than Libor, Bafin Says ”
となっている。

 この金(きん)の市場での不正操作(マニピュレーション)には、アメリカのFRB(ニューヨーク連銀=れんぎん=がその実体)自身が深く関わっている。私、副島隆彦は、そのことを、近著の 「帝国の逆襲  金(きん)とドル 最後の闘い」(祥伝社刊、2013年11月)で、この中の P177 以下で、「ネイキット・ショート naked short ”裸(はだか)の空(から)売り” という違法行為を、アメリカのFRBが仕組んで行っている。これはアメリカの政府自身による、金(きん)を大暴落させる違法行為(=相場操縦罪)である」と書いて詳しく説明した。 その事実が満天下に今、露見しようとしている。

 以下に載せる記事たちに書かかれている。 もう2年半前の、2011年9月6日に、NY金(きん)が、1923ドル(日本では1グラム4755円。 小売なら1グラム5000円寸前)の史上最高値を付けたあと、金の暴落を、FRB が中心となって仕掛けた(このあと日本では、2013年4月10日に小売で5339円の史上最高値を付けた。そのあと仕組まれた急落を続けた)。 

 それ以来の金(きん)の苦境である。アメリカ政府は、ドルと米国債の暴落(=信用崩壊)を阻止するためだったら、何でもやる。違法行為でも金融犯罪でもやる。今のアメリカはそういう”手負(てお)い狼(おおかみ)”の国だ。自分のエサになるものだったら周囲の全てを食い殺す。 このことを、私は、昨年から、“ドルを防衛するための 金殺(きんごろ)し”と名付けた。この”金殺し”が、今も続いてる。

 やはりドイツ政府が意を決してアメリカの不正行為に対する、敢然たる戦いを開始した。さすがドイツ人である。これで、これまでのように不正行為を、アメリカの金融当局自身がやる、ということが出来なくなった。金融監督庁という規制当局は、金融の機制当局(レギュレーション・オーソリティ)であるが、大きくは、金融当局=財務省と中央銀行の下に付いている。 

 即ち、彼らはグル(ープ)であるから、やっていることは権力犯罪(パワー・クライム)である。 アメリカの金融当局自身が、市場で不正操作、違法行為をやったら、一体、誰がそれを処罰するのだ? このことを指して、 英語では、 ”Who governs ? ” 「フー・ガヴァーンズ」 という。取り締まる権限(=権力)を持つ者の不正を誰が取り締まるのか、の問題だ。

 だから、金(きん)価格は、これからじわじわと上がってゆく。この事態を私は歓迎する。

 このNYとロンドンで仕組まれて行われてきた金価格の市場操作への新興国(中国とインド、ブラジルたち)からの反撃がこれから始まる。 金の現物(げんぶつ)買いの動きが世界中で出てくる。従って、金を買うなら今のうちだ。あと少しで金の買場(かいば)は無くなる。 そして来年(2015年)からは、いよいよ金融統制(きんゆうとうせい)が始まり、金を買えなくさせられるだろう。

 この「金(きん)市場での不正操作」のニューズを日本で、唯一、報道したのは田中宇(たなかさかい)氏である。私たち学問道場は、昨年の10月に、立川の事務所に田中氏に来ていただいて討論して、「真実の言論をする者として連帯して闘い続けましょう」と合意した。

 田中氏の以下の文章を皆さんもよく読んで下さい。

(転載貼り付け始め)

 田中宇(たなか)の国際ニュース解説  無料版  2014年1月20日
http://tanakanews.com/

★金地金不正操作めぐるドイツの復讐

 ロンドンやニューヨークなどで行われている金地金の国際市場と、世界的な
為替市場において、米欧の大手銀行が、談合による相場の不正操作を、何年
(何十年?)も前から続けていた疑いが濃くなり、EUや英米の政府当局が
捜査を行っている。

http://uk.reuters.com/article/2014/01/17/uk-gold-fix-idUKBREA0G19J20140117
How London’s gold and silver price benchmarks are ‘fixed’

 1月16日、ドイツ政府の連邦金融監督庁(Bafin)のケーニヒ長官がフラ
ンクフルトで行った講演で「金地金(きんじがね)と為替の国際市場に対する
相場の不正操作は特にひどい。 (すでに捜査が一段落した)LIBOR(ロ
ンドンで定められている世界的な銀行間金利)に対する相場の操作は、銀行間の
指標に対する不正操作でしかないが、金地金(きんじがね)や為替に対する操作
は、世界のあらゆる金融取引に影響を与えているからだ」という趣旨のことを述
べた。

http://www.bloomberg.com/news/2014-01-16/metals-currency-rigging-worse-than-libor-bafin-s-koenig-says.html

Metals, Currency Rigging Is Worse Than Libor, Bafin Says

 欧米当局が、為替や金相場に対する金融界による不正操作について捜査して
いるという話は、昨年から指摘されていたが、捜査の実施を金融当局者を認め
たのは、今回のケーニヒが初めてだ。独金融監督庁によると、EUの独占禁止
当局や米英スイスの捜査当局が、為替と金相場の不正操作について調べている。
(以下略)

http://tanakanews.com/

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 田中宇氏が以上に載せている、これらの世界の一流紙の英文記事を
自分でしっかり読める人は読んで下さい。

私は、来週末に、恒例の金融セミナーを開きます。ここで、この金価格をめぐる世界的な不正操作と、その破綻(はたん)、失敗、そして力強く金が再び上昇してゆく話をします。席はまだ空いているそうですから、時間とお金のある人は来てください。

(転載貼り付け始め)

「副島隆彦(そえじまたかひこ)の“予言者”金融セミナー 第7回」
日時:2014年2月9日(日)
開始:10時(受付)、11時(開演) 途中、休憩あり。
終了:17:30(予定)
場所:ヤクルトホール(ヤクルト本社ビル、新橋駅)
受講料:15,000円/全指定席

お申し込み・問い合わせ先
ブレイントラスト企画(成甲書房内)
東京都千代田区神田神保町1-42
TEL:03-3292-8401(平日10-18時)
FAX:050-3156-3040
メール:seminar@seikoshobo.co.jp

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 それから、3月に入ったら、すぐに私たちの学問道場の定例会(=講演会)が以下の要領で開かれます。こちらは金融の話はあまりしませんが、会員向けに真剣に、世界の政治の最先端の動きを話します。学問道場の会員でない人でも、当日会員という制度がありますので、いらして下さい。

(転載貼り付け始め)

学問道場の定例会(講演会) 開催のお知らせ!
『キャロライン・ケネディ駐日大使着任が
日本政治中枢に与えている衝撃(仮題)』
講師:副島隆彦/古村治彦
開催日:2014年3月1日(土)
会場:(財)全電通労働会館 全電通ホール
開場  12:30
開演  13:00
終了  16:30
主催:副島隆彦を囲む会

・3月1日定例会へのお申し込みは、コチラ↓
http://soejima.to/cgi-bin/kouen/kouen.html

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 このようにして私たちは、この国で、最先端の、真実の言論と知識と情報と学問を皆さんに伝えます。 大きな真実が、日本国民に広まることを阻止するために動いている邪悪な者たちからの妨害を打ち破って、何ものも恐れることなく、私たちは前進して行きます。皆さん、学問道場に結集して下さい。  

副島隆彦拝