< アメリカ政治情報メモ >

かたせ2号 投稿日:2024/12/15 21:09

【37】2024年12月8日のシリア・アサド政権崩壊に至る経緯は、かなり奇妙だ。どのような要因説明も矛盾を含んでおり、ほとんどのプレーヤーは、自分たちが表明した原則や利益に反して行動している。

かたせ2号です。

2024年12月8日のシリア・アサド政権崩壊に至る経緯は、かなり奇妙だ。どのような要因説明も矛盾を含んでおり、ほとんどのプレーヤーは、自分たちが表明した原則や利益に反して行動している、の件について。

表題の、2024年12月8日のアサド政権の崩壊が、あまりに唐突すぎる、とは思っていましたが、
Arnaud Bertrandさんが、事実を列挙して、以下のように結んでいて、
ワタシなりに、「納得」がいきました。やはり、なにかがおかしい。

Arnaud Bertrandさんの結論コメントは以下の通りです。
「現段階では、最も単純な説明は次のようなものだろう。
・アメリカは長年の敵対勢力の崩壊を歓迎した。
・イスラエルやトルコのような近隣諸国は領土を獲得する機会を得たと考えた。
・シリアの反政府勢力の指導者たちは、縮小したシリアの国内管理と引き換えに主権と領土を失うことを喜んで受け入れるように見える。
・それでも、これらの出来事(アサド政権崩壊)の前例のないスピードと、各プレーヤーの連携のさまは、我々がこの非常に奇妙なパズルのいくつかの重要なピースを見逃していることを示唆している。

Arnaud Bertrandさんのポストを引用するので、詳細を知りたい方は以下を参照ください。

@RnaudBertrand
https://x.com/RnaudBertrand/status/1867406620483031465
午後0:10 · 2024年12月13日(JST)

<引用開始>
シリアで起きていることは、おそらく私が出会った地政学的出来事の中で最も支離滅裂なもので、調べれば調べるほど混乱してくる。
(事実を列挙した)以下のリストを見てほしい:

(1)まず第一に、アサド政権の崩壊の速さは、いまだにほとんど意味をなしていない。残忍な内戦でロシアとイランの支援を受け、13年間も複数の敵から持ちこたえることに成功した後、アサド政権はほとんど流血もなく、わずか11日間で突然崩壊した。

(2)西側諸国が称賛しているシリアの「解放者」は、西側諸国の公式テロリストリストに載っているイスラム主義グループである。シリアの新指導者アル・ジュラニには、アルカイダのシリア支部を創設した「特別指定世界テロリスト」として、いまだ1000万ドルの懸賞金がかけられている。

(3)バイデンはこれを「長い間苦しんできたシリアの人々がより良い未来を築くための歴史的な機会」と呼んだが、一方で彼の政権はシリアの3分の1を占領し、油田を支配し、破壊的な制裁を維持し、領土を爆撃し続けている……それによって、このより良い未来は明らかに大きく損なわれている。

(4)アサド首相は即座に反体制派との協力に合意し、反体制派は彼を受け入れた。

(5)アル・ジュラニは、長年にわたって市民に対する自爆テロや宗派間の虐殺を指揮してきたにもかかわらず、今では突然「多様性に友好的」な立場をとっている。

(6)ロシアは、シリアとはソ連時代にさかのぼる同盟関係にあり、アサド政権を守るために何十億ドルもの資金を投入し、タルタスに唯一の地中海海軍基地を置いているにもかかわらず、本質的にはすべてをすっぽかし、同盟国を陥落させた。

(7)シリアの新しい指導者たちは、イスラエルが自国領土を侵略し、アメリカが自国を爆撃し占領していることについて、奇妙なほど沈黙を保っている。彼らは、海軍や空軍を含む戦略的資産がアメリカとイスラエルの空襲で破壊されたことについては何も言わない。

(8)米国はシリアの3分の1(ほとんどの油田を含む)の占領を維持し、それが「ISISの永続的な敗北を確実にする」ために必要だと主張している。トランプ大統領は2019年に「我々はシリアでISISを敗北させた」と宣言したにもかかわらず(それ以来、米国は繰り返し確認している)。西側メディアは、シリアの「解放」を祝う一方で、この進行中の占領をほとんど無視している。

(9)ハマスはイスラエルとの戦争の最中でありながら、時間を割いてシリアの反体制派を祝福した。アサドは彼ら(とイラン)の長年の同盟国であり、シリアの陥落は彼ら自身の戦略的立場を著しく弱めるものであるにもかかわらず。

(10)アメリカはシリアの囚人の解放を祝う一方で、自国の強制収容所(
https://newyorker.com/magazine/2024/03/18/the-open-air-prison-for-isis-supporters-and-victims)を運営し、何万人もの囚人-その半数は子どもたち-を裁判なしで無期限に拘束している。しかし、どうやらそれは抑圧にはあたらないようだ。

(11)チュルキエは、クルド人主導のシリア民主軍(SDF)と、明らかにアメリカの承認を得て戦っている。一方、SDFはアサドと戦っている(アメリカはそれを望んでいる)。

(12)普段は地域の利益を守ることに熱心なイランは、突然、何十億もの投資と「抵抗の枢軸」の重要な戦略的同盟国を放棄し、数時間以内に人員と市民を避難させた。

Arnaud Bertrandです。以上で事実の列挙を終わります。

まさに現代の地政学史上、最も奇妙な章のひとつである。
どのような説明も矛盾を含んでおり、ほとんどのプレーヤーは、自分たちが表明した原則や利益に反して行動している。

現段階では、最も単純な説明は次のようなものだろう。
アメリカは長年の敵対勢力の崩壊を歓迎し、イスラエルやトルコのような近隣諸国は領土を獲得する機会を得たと考え、反政府勢力の指導者たちは、縮小したシリアの国内管理と引き換えに主権と領土を失うことを喜んで受け入れるように見える。
それでも、これらの出来事(アサド政権崩壊)の前例のないスピードと、各プレーヤーの連携のさまは、我々がこの非常に奇妙なパズルのいくつかの重要なピースを見逃していることを示唆している。
<引用終わり>

以上

かたせ2号 投稿日:2024/12/12 06:21

【36】「アホの」ドナルド・トランプにはやはり、統一教会が「悪魔教団」であるという認識がいまだにないようだ。許さん!

「アホの」ドナルド・トランプにはやはり、統一教会が「悪魔教団」であるという認識がいまだにないようだ。許さん!、の件について

かたせ2号です。

1. 前フリ
面白い話でもないので、わけのわからない前フリをしておきます。

ワタシは先日、Xで以下のポストをたまたま発見しました。

被爆地・広島では、
2024年12月8日に、「広島こわい映画祭」が無事に終了したようだ。
https://x.com/hirokowa_movie/status/1866015120645898353
(引用開始)
「広島こわい映画祭2024、全日程が無事に終了しました。
最優秀賞(グランプリ)は美濃良偲監督『瑕疵709』、実行委員会賞は伊藤啓太監督『さんすうのもんだい』が受賞しました。おめでとうございます。」
(引用終わり)

かたせ2号です。
それはおめでとうございます。
ところで、同じ、2024年12月8日に、同じ日本で、
「『世界』こわい映画祭」が開催の幕を開けたようです。

2. 本論
ポーラ・ホワイト牧師、(トランプ次期大統領 宗教特別顧問)が、ICRF-Japan(国際宗教自由連合)という団体の東京大会に参加して、以下の動画を発信した。

記事名:「特別メッセージ
ポーラ・ホワイト牧師、(トランプ次期大統領 宗教特別顧問)
2024年12月8日 ICRF-Japan東京大会」(JST)
https://youtu.be/EX7ikCdK5u0?si=CPG9L1vCDFw6nO6x

かたせ2号です。
上のコメントを抜粋したポストを引用します。
No pain No gaiさんのポスト。
午後4:05 · 2024年12月9日(JST)
https://x.com/nopain_nogain05/status/1866016350591959429
(引用開始)
【速報】
トランプ次期大統領の宗教顧問にあたる人物が、
日本政府・メディアによる旧統一教会弾圧を懸念する声明を公開!
—————————
“(米国国務省の特使と国際信仰の自由室による)報告書では安倍元首相の暗殺以降、日本統一教会が日本における不寛容、差別、迫害のキャンペーンの犠牲者になっていると述べています。”
“2023年の報告書は、統一教会が刑法に違反していないにもかかわらず、日本政府が教会の解散を請求したことはこれまでの規範から逸脱していると述べています。”
“私たち米国人は、(日本の)メディア、政府、法務省の一部が情報を秘匿し、国民に事実を知らせていないことを懸念しています。”
—————————
日本政府・メディアによる統一教会弾圧に対しては、
今までも米国保守派からの懸念表明が続いていたが、
今回は遂に、トランプ次期大統領宗教顧問による懸念表明に至った。
かたや旧統一教会関連団体UPFに、事件後も継続してビデオメッセージを贈り続けるトランプ次期大統領。
日本政府がトランプ次期大統領本人から、旧統一教会弾圧を非難されてしまう日もそう遠くないのではないか。
(引用終わり)

かたせ2号です。
ちなみに、このトランプ次期大統領 宗教特別顧問が大会に参加したICRF-JAPANについて調べると、
このような情報が出てきた。

鈴木エイトさんのポスト。
午前11:24 · 2024年12月8日(JST)
https://x.com/cult_and_fraud/status/1865583148048015684
(引用開始)
ICRF-Japanの講演会へ取材に来たら、なぜか統一教会関係者が仕切っていて入場を拒否された。ICRFは国際宗教自由連合で統一教会とは別組織の筈だが…。
ICRF-Japan(日本委員会)の事務局担当者は、他のメディアはOKだが鈴木エイトだけダメとのこと。説明に矛盾があり、説明を求めたが明確な回答は得られなかった。しかもメディア対応をしていたのは統一教会本部の広報局長
(引用終わり)

かたせ2号です。

結論として思うのは、ドナルド・トランプは、長年、統一教会の手によって育てられ、力を得たのではないでしょうか?
世界中の人々がこの案件について、何のコメントもできないのを逆手にとっての、
統一教会の示威行為が、2024年12月8日(JST)の
ポーラ・ホワイト牧師(トランプ次期大統領 宗教特別顧問)のコメント動画だった、

そのようにワタシは解釈します。

黒い太陽がまぶしすぎて誰も直視できないのを逆手にとって。。。

さあ、「『世界』こわい映画祭」の開催だ!!!

以上

かたせ2号 投稿日:2024/12/11 19:53

【35】「WW3が開始されたなら、必ず、核戦争に突入する」という命題は間違いかもしれない

「WW3が開始されたなら、必ず、核戦争に突入する」という命題は間違いかもしれない、の件

かたせ2号です。

これまでの常識というか、世界政治における危機感の通常の発露
として、「WW3が開始されたなら、必ず、核戦争に突入する」
という命題が当然のように、通用してきた。

しかし、ワタシは思うのだが、
2024年12月の現状認識としては、
「WW3がすでに軍事的に開始されているが、核戦争には突入していない」が
正解なのではないか?

それに対応するのが、以下の時系列の事実ではないのか?

1.
BBCサイトから
記事名「ウクライナ、英国製長距離ミサイルでロシア国内を初攻撃」
2024年11月21日
https://www.bbc.com/japanese/articles/cjw0pegw3lno

(引用開始)
ウクライナが2024年11月20日、イギリスから供与された長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」をロシア国内の標的に向けて初めて発射したことが、BBCの取材でわかった。
戦争で荒廃したウクライナはこれまで、他国から供与された長距離ミサイルの使用を自国内に限定されていた。
この攻撃の前日には、ウクライナは米製長距離ミサイルを初めてロシア国内に撃ち込んだ。アメリカのジョー・バイデン大統領は先に、ウクライナが米製ミサイルを使ってロシアを攻撃することを許可していた。
(引用終わり)

かたせ2号です。
本来なら、これがきっかけになって、核戦争は起きたはずなんです。
でも、実際にはまだ起きていません。ロシアが以下の対応をとったからです。
西側が防御しえないICBMを、ロシアがウクライナにぶち込んだものの、
核弾頭をつけなかった。

https://x.com/MIC2005/status/1859630350865195512
午前1:10 · 2024年11月22日
(引用開始)
ウクライナ側のこの報道映像が本物だとすると、本当に今回のロシアのICBMは爆発物の弾頭未装着(ダミーのペイロードのみ)で、質量爆弾としてしか破壊能力は発揮していないようだ。 「いつでも”本物”を打ち込んでやる」というロシア側の示威行為。 ※ 一発のICBMで欧州の各国に同時に弾頭を落とせる。
以下、動画のリンク
https://x.com/bayraktar_1love/status/1859538071554818541
(引用終わり)

かたせ2号です。
だから、上記の事実を見たままに記述するならば、
「WW3はすでに軍事的に開始されているが、核戦争にはまだ突入していない」のです。

2.
さて、現在のWW3が今後どうなるか、まだ予断は許さないのを十分承知の上で、申し上げると、
政治的メッセージの強いノーベル平和賞において、直近で「被団協」が受賞した事実。
これも案外、見逃せない。

NHKサイトから
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241211/k10014664891000.html
2024年12月11日(本日) 15時56分
記事名:ノーベル平和賞 授賞式 日本被団協 田中熙巳さん【演説全文】
(引用開始)
ノーベル平和賞の授賞式が日本時間の10日夜、ノルウェーの首都オスロで行われ、被爆者の立場から核兵器の廃絶などを訴えてきた日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会にメダルと賞状が授与されました。
演説を行った代表委員の田中熙巳さんは「核兵器をなくしていくためにどうしたらいいか、世界中のみなさんで共に話し合い、求めていただきたい」と訴えました。
(引用終わり)

3.
かたせ2号です。

そしてほぼ半世紀にわたりシリアを掌握したアサド政権が崩壊し、ネタニヤフ首相は、ドヤ顔でゴラン高原に乗り込んでいます。

CNNサイトから。
記事名「イスラエル首相、軍にシリアとの緩衝地帯の『掌握』を指示」
2024.12.09 Mon 13:26(JST)
https://www.cnn.co.jp/world/35227080.html
(引用開始)
イスラエルのネタニヤフ首相は2024年12月8日、イスラエル軍に対し、イスラエルが占領しているゴラン高原とシリアの他の地域を隔てる緩衝地帯を「掌握」するよう指示したと明らかにした。
イスラエル軍が緩衝地帯に駐留するのは、イスラエルとシリアの間の境界線が確立された1974年以降で初めてとなる
(引用終わり)

かたせ2号です。
1.の情報をあわせて考えると、まだ世界中の誰も口にはできていませんが、
やはり、おそらく、そして大変残念なことに、WW3は軍事的にも開始されているとワタシは判断します。

4.
最後に結論。
「WW3は軍事的にも開始されている。」
であるからこそ、
被爆国である日本国の国民であるワタシは
WW3が開始され、終結したが、ついに核戦争には突入しなかった
という未来図を、誠実に希求します。

(閑話休題)
上の話題とはまったく何の関係もないですが、
あの芸人が、イギリスの有名テレビ番組にて、あの一発芸で大受けするのは、嬉しかったです。
やったね! 安村!
【和訳】「はいてますよ!」とにかく明るい安村がイギリスを安心させる! | BGT 2023
https://www.youtube.com/watch?v=-pJ2o6h79iM
【和訳】「はいてますよ!」とにかく明るい安村がイギリスを安心させる! | BGT 2023

以上

かたせ2号 投稿日:2024/12/11 19:48

【34】NHKのみなさまへのお礼_ノーベル平和賞 授賞式 日本被団協 田中熙巳さん【演説全文】

NHKのみなさまへのお礼_ノーベル平和賞 授賞式 日本被団協 田中熙巳さん【演説全文】、の件。

かたせ2号です。
2024年12月11日本日の午後4時(JST)ころに、(急遽?) 以下の情報を全文掲載いただき、
ありがとうございました。
NHKのみなさまには感謝申し上げ、かつ、以下に引用、記録しておきます。
「人類が核兵器で自滅することのないように!!」
ホントにそのとおりです。

NHKのサイトから。
記事名:ノーベル平和賞 授賞式 日本被団協 田中熙巳さん【演説全文】
2024年12月11日 15時56分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241211/k10014664891000.html

(全文引用開始)
代表委員 田中熙巳さんの演説全文
国王ならびに王妃両陛下、皇太子・皇太子妃両殿下、ノルウェー・ノーベル委員会のみなさん、ご列席のみなさん、核兵器廃絶をめざしてたたかう世界の友人のみなさん、ただいま紹介いただきました日本被団協の代表委員の一人であります、田中熙巳でございます。本日は受賞者「日本被団協」を代表してごあいさつをする機会を頂きありがとうございます。

私たちは1956年8月に「原水爆被害者団体協議会」(日本被団協)を結成しました。生きながらえた原爆被害者は歴史上未曽有の非人道的な被害をふたたび繰り返すことのないようにと、二つの基本要求を掲げて運動を展開してまいりました。一つは、日本政府の「戦争の被害は国民が受忍しなければならない」との主張に抗い、原爆被害は戦争を開始し遂行した国によって償われなければならないという私たちの運動であります。二つは、核兵器は極めて非人道的な殺りく兵器であり人類とは共存させてはならない、すみやかに廃絶しなければならない、という運動であります。

この運動は「核のタブー」の形成に大きな役割を果たしたことは間違いないでしょう。しかし、今日、依然として12000発の核弾頭が地球上に存在し、4000発近くの核弾頭が即座に発射可能に配備がされているなかで、ウクライナ戦争における核超大国のロシアによる核の威嚇、また、パレスチナ自治区ガザ地区に対しイスラエルが執拗に攻撃を加える中で核兵器の使用を口にする閣僚が現れるなど、市民の犠牲に加えて「核のタブー」が壊されようとしていることに限りない悔しさと憤りを覚えます。

私は長崎原爆の被爆者の一人であります。13歳の時に爆心地から東に3キロ余り離れた自宅において被爆しました。1945年8月9日、爆撃機1機の爆音が突然聞こえるとまもなく、真っ白な光で体が包まれました。その光に驚愕し2階から階下にかけおりました。目と耳をふさいで伏せた直後に強烈な衝撃波が通り抜けて行きました。その後の記憶はなく、気がついた時には大きなガラス戸が私の体の上に覆いかぶさっていました。しかし、ガラスが一枚も割れていなかったのはこれは私の奇跡というほかありません。ほぼ無傷で助かりました。

長崎原爆の惨状をつぶさに見たのは3日後、爆心地帯に住んでいた二人の伯母の安否を尋ねるために訪れた時です。わたしと母は小高い山を迂回し、峠にたどり着き、眼下を見下ろして愕然としました。3キロ余り先の港まで、黒く焼き尽くされた廃墟が広がっていました。煉瓦造りの東洋一を誇った大きな教会・浦上天主堂は崩れ落ち、みるかげもありませんでした。麓に降りていく道筋の家はすべて焼け落ち、その周りに遺体が放置され、あるいは大けがや大やけどを負いながらなお生きている人々が、誰からの救援もなく放置されておりました。私はほとんど無感動となり、人間らしい心も閉ざし、ただひたすら目的地に向かうだけでありました。一人の伯母は爆心地から400mの自宅の焼け跡に大学生の孫とともに黒焦げの死体で転がっていました。もう一人の伯母の家は倒壊し、木材の山になっていました。祖父は全身大やけどで瀕死の状態でしゃがみこんでいました。伯母は大やけどを負い私たちの着く直前に亡くなっていて、私たちの手で野原で荼毘にふしました。ほとんど無傷だった伯父は救援を求めてその場を離れていましたが、救援先で倒れ、高熱で1週間ほどで苦しみ亡くなったそうです。

一発の原子爆弾は私の身内5人を無残な姿に変え一挙に命を奪いました。その時目にした人々の死にざまは、人間の死とはとても言えないありさまでした。誰からの手当ても受けることなく苦しんでいる人々が何十人何百人といました。たとえ戦争といえどもこんな殺し方、こんな傷つけ方をしてはいけないと、私はそのとき、強く感じたものであります。

長崎原爆は上空600メートルで爆発し、放出したエネルギーの50%は衝撃波として家屋を押しつぶし、35%は熱線として屋外の人々に大やけどを負わせ、倒壊した家屋のいたるところに火をつけました。多くの人が家屋に押しつぶされたまま焼き殺されました。残りの15%は中性子線やγ線などの放射線として人体を貫き内部から破壊し、死に至らせ、また原爆症の原因を作りました。

その年の末まで広島、長崎の死亡者の数は、広島14万人前後、長崎7万人前後とされています。原爆を被爆しけがを負い、放射線に被ばくし生存していた人は40万人あまりといえます。

生き残った被爆者たちは被爆後7年間、占領軍に沈黙を強いられました。さらに日本政府からも見放されました。被爆後の十年間、孤独と、病苦と生活苦、偏見と差別に耐え続けざるをえませんでした。

1954年3月1日のビキニ環礁でのアメリカの水爆実験によって、日本の漁船が「死の灰」を被ばく、大きな事件になりました。中でも第五福竜丸の乗組員23人が全員被ばくし、急性放射能症を発症し、捕獲したマグロはすべて投棄されることになりました。

この事件が契機となって、原水爆実験禁止、原水爆反対運動が日本に始まりました。世界でも始まりました。燎原の火のように日本中に広がったのです。3000万を超える署名が結実し、1955年8月「原水爆禁止世界大会」が広島で開かれ、翌年の1956年、第2回世界大会が長崎で開かれました。この運動に励まされて、大会に参加した原爆被害者によって1956年8月10日「日本原水爆被害者団体協議会」が結成されたのであります。結成宣言で「自らを救うとともに、私たちの体験を通して人類の危機を救おう」との決意を表明したのであります。「核兵器の廃絶と原爆被害に対する国の補償」を求めて運動に立ち上がったのであります。

運動の結果、1957年に「原子爆弾被爆者の医療に関する法律」が制定されます。しかし、その内容は、「被爆者健康手帳」を交付し、無料で健康診断を実施するという簡単なものでありました。

さらにもうひとつ、厚生大臣が原爆症と認定した疾病にかかった場合のみ、その医療費を支給するというものでありました。1968年になり、「原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律」というのを制定させました。これは、数種類の手当てを給付するということで経済的な援助を行いました。しかしそれは社会保障制度でありまして、国家補償はかたくなに拒まれたのであります。

1985年、日本被団協は「原爆被害者調査」を実施しました。この調査で、原爆被害はいのち、からだ、こころ、くらしにわたるすべての被害を加えるというものでありました。命を奪われ、身体にも心にも傷を負い、病気があることや偏見から働くこともままならない実態が明らかになりました。この調査結果は、原爆被害者の基本要求を強く裏付けるものとなりました。自分たちが体験した悲惨な苦しみを二度と、世界中の誰にも味わわせてはならないとの思いを強くいたしました。

1994年12月、この2つの法律を合体した「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」が制定されました。しかし、何十万人という死者に対する補償はまったくなく、日本政府は一貫して国家補償を拒み、放射線被害に限定した対策のみを今日まで続けております。もう一度繰り返します、原爆で亡くなった死者に対する償いは、日本政府はまったくしていないという事実をお知りいただきたいというふうに思います。

これらの法律は、長い間、国籍に関わらず海外在住の原爆被爆者に対し、適用されていませんでしたが、日本で被爆し、母国に帰った韓国の被爆者や、戦後アメリカ、ブラジル、メキシコ、カナダ、このほかに移住した多くの被爆者は、被爆者特有の病気を抱えながら原爆被害への無理解に苦しみ、それぞれの国で結成された原爆被害者の会と私たちは連帯し、ある時は共同し、裁判など活動を通して国に訴え、国内とほぼ同様の援護が行われるようになってまいりました。

私たちは、核兵器のすみやかな廃絶を求めて、自国政府や核兵器保有国ほか諸国に要請運動を強めてまいりました。1977年国連NGOの主催で「被爆の実相と被爆者の実情」に関する国際シンポジウムが日本で開催されました。原爆が人間に与える被害の実相を明らかにしました。このころ、ヨーロッパで核戦争の危機が高まり、各国で数十万人の大集会が開かれました。これら集会での証言に日本被団協に対する依頼が続いたのであります。

1978年と1982年にニューヨーク国連本部で開かれた国連軍縮特別総会には、日本被団協の代表がそれぞれ40人近く参加し、総会議場での演説のほか、証言活動を展開しました。核兵器不拡散条約の再検討会議とその準備委員会で、日本被団協代表は発言機会を確保し、あわせて再検討会議の期間中に、国連本部総会議場ロビーで原爆展を開き、大きな成果を上げました。2012年、NPT再検討会議準備委員会でノルウェー政府が「核兵器の人道的影響に関する会議」の開催を提案し、2013年から3回にわたる会議で原爆被害者の証言が重く受けとめられ「核兵器禁止条約」交渉会議に発展いたしました。

2016年4月、日本被団協が提案し世界の原爆被害者が呼びかけた「核兵器の禁止・廃絶を求める国際署名」は大きく広がり、1370万を超える署名を国連に提出いたしました。その結果でもありますが、2017年7月7日に122か国の賛同をえて「核兵器禁止条約」が制定されたのであります。これは私たちにとって大変大きな喜びでありました。

さて、核兵器の保有と使用を前提とする核抑止論ではなく、核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが原爆被害者の心からの願いであります。想像してみてください。直ちに発射できる核弾頭が4000発もあるということを。広島や長崎で起こったことの数百倍、数千倍の被害が直ちに現出することがあるということ。みなさんがいつ被害者になってもおかしくない、あるいは、加害者になるかもしれない状況がございます。ですから、核兵器をなくしていくためにどうしたらいいか、世界中のみなさんで共に話し合い、求めていただきたいと思うのであります。

原爆被害者の現在の平均年齢は85歳。10年先には直接の被爆体験者としての証言ができるのは数人になるかもしれません。これからは、私たちがやってきた運動を、次の世代のみなさんが、工夫して築いていくことを期待しております。

一つ大きな参考になるものがあります。それは、日本被団協と密接に協力して被団協運動の記録や被爆者の証言、各地の被団協の活動記録などの保存に努めてきました、NPO法人の「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」の存在であります。この会は結成されてから15年近く、粘り強く活動を進めて、被爆者たちの草の根の運動、証言や各地の被爆者団体の運動の記録などをアーカイブスとして保存、管理してまいりました。これらを外に向かって活用する運動に大きく踏み出されることを期待いたします。私はこの会が行動を含んだ、実相の普及に全力を傾注する組織になってもらえるのではないかと期待しています。国内にとどまらず国際的な活動が大きく展開してくださることを強く願っています。

世界中のみなさん、「核兵器禁止条約」のさらなる普遍化と核兵器廃絶の国際条約の締結を目指し、核兵器の非人道性を感性で受け止めることのできるような原爆体験の証言の場を各国で開いてください。とりわけ、核兵器国とそれらの同盟国の市民の中にしっかりと核兵器は人類と共存できない、共存させてはならないという信念が根付くこと、自国の政府の核政策を変えさせる力になることを私たちは願っています。

人類が核兵器で自滅することのないように!!そして、核兵器も戦争もない世界の人間社会を求めて共に頑張りましょう!!ありがとうございました。
(全文引用終わり)

以上

かたせ2号 投稿日:2024/12/06 09:17

【33】妄想 2024年12月の韓国大統領(尹 錫悦(ユン・ソンニョル))によるクーデター騒ぎは、トランプによる「プロトタイプの実験」なのでは?

妄想 2024年12月の韓国大統領(尹 錫悦(ユン・ソンニョル)によるクーデター騒ぎは、トランプによる「プロトタイプの実験」なのでは?について。

かたせ2号です。

妄想(作業仮説)は表題のように表現してみましたが、真相は不明です。
以下、気になるXへの投稿を引用しておきます。
トランプが第2期の大統領就任後に、韓国の尹 錫悦大統領サイドを支持するかどうか?
その結果を見て、また考えるようにします。
不正選挙を暴くのは、どこの国でも統一教会なのかな? (;・∀・)
「もしも本当に、そうなら」ホントにコワイ!!!

1.
新生民権党 塚口洋佑さん
午前3:07 · 2024年12月6日(本日、JST)
https://x.com/shinseiminkento/status/1864733415712657739
(引用開始)
韓国のマスメディアSBSの報道でも言っている。国会突入より前に中央選挙管理委員会に軍が突入して携帯電話などの資料を押収したと。先の選挙における民主党(北朝鮮派)の不正選挙を暴こうとしているらしい。国会突入は囮だったのか? (SBSの報道動画つき)
(引用終わり)

2.
なんなんさん
午前3:46 · 2024年12月6日(本日、JST)
https://x.com/nannannus/status/1864743086791799213
(引用開始)
韓国の戒厳令が囮だったという件、この記事が詳しい。
国家情報院が昨年、2023年7月〜9月に選挙不正を発見、大統領府に緊急報告するが、裁判官が疑惑に関与している恐れがあるため、大統領府はこの事案を即座に検察に渡さず、裁判所の令状なしで捜索するため戒厳令を発令したのでは、という事らしい。
(引用終わり)

3.
2.の投稿の引用先の投稿。
午後11:53 · 2024年12月5日(昨日、JST)
https://x.com/_blue25a11/status/1864684645599858901
(引用開始) 朝鮮語の文章を日本語に機械翻訳
韓国の尹錫悦政権が中央選挙管理委員会(NEC)のサーバーを分析した結果、「コンピューター操作」による選挙不正があったことを確認したことが初めて明らかになった。
2020年4月15日の総選挙後に広まった、選挙結果を操作した「コンピューター操作」をめぐる論争は、単なる疑惑ではなく現実であることが国家によって確認され、憲政史上初の認知となった。
スカイデイリーが2024年12月5日、独占取材したところによると、国家情報院(NIS)は昨年、2023年7月から9月にかけてNECのサーバーに対する合同保安検査で、コンピューター操作による選挙不正の記録を発見した。
複数の情報筋によると、国家情報院は当時、これらの調査結果を大統領府に緊急報告したという。
事情に詳しい情報筋は「国家情報院は、NECサーバーの5%のフォレンジック分析を通じて、過去に選挙不正があったことを確認した」と語った。
しかし、文在寅政権下では国家情報院の捜査能力が大幅に低下し、即時の対応が困難となり、大統領府は事件を直ちに検察に移送しなかった。
匿名の消息筋は「国家情報院の防諜機能が事実上機能不全に陥り、大統領報告書を通じて検察に捜査を引き継ごうとしたが、大統領府はすぐに検察に引き継がなかったようだ」と述べた。
検察が捜査を行うには、裁判所から捜索令状を取得する必要がある。しかし、検察が令状を請求しても裁判所がそれを阻止する恐れがあるとの懸念があった。
現行制度では、最高裁判事や各級の裁判官が選挙管理委員会や地方選挙管理委員会の委員長を務めており、裁判官が選挙違反の疑いで関与している。これまで、選挙違反を訴える訴訟は数多く、裁判所は一貫して訴訟を却下してきた。
ただし、戒厳令が出されている間は、裁判所の令状がなくても捜索や押収を行うことができる。
別の情報筋は「(金奎鉉)国家情報院長は在任中、元情報機関長らとの会合で、確認された選挙不正について言及した」と語った。
この消息筋は、「国家情報院幹部から、国家選挙委員会のサーバーの部分的な分析により過去の選挙操作が確認されたとの報告を受けた後、金院長は直ちに大統領府に報告した」と述べ、同じ事実を裏付けた。
国家情報院は昨年、2023年10月10日、NECのコンピューターシステムへのハッキングの可能性だけに焦点を当てた合同保安点検の結果を発表し、この事実を省いていた。
一方、尹錫悦大統領による最近の戒厳令宣言は選挙不正の捜査と関係があるのではないかとの憶測もある。
これに先立ち、尹大統領は2024年12月3日夜の国民向け演説で戒厳令を宣告し、国会は2024年12月4日早朝の本会議で戒厳令解除を求める決議案を可決した。
尹大統領が戒厳令を宣言した後、2024年12月4日午前0時30分頃、戒厳軍約120人と警察官約100人が国家委員会果川事務所に進入した。これに先立ち、2024年12月3日午後10時30分、戒厳令宣言のわずか2分後には、特別捜査官とみられる約10人が国家委員会に進入した。
また、約50人の戒厳軍が選挙管理委員会冠岳事務所に突入し、京畿道水原市の選挙教育院には戒厳軍約130人と警察官約100人が移動したことも新たに判明し、国会前に選挙管理委員会が警備されたことが分かった。
当新聞社は昨年、2023年、夏に不正選挙に関する重要な情報を入手し、先月再度確認した結果、その情報が真実であることを確認しました。しかし、政府の措置と社内協議に合わせ、報道を延期しました。
(引用終わり)

4.
どらえもん2さん。
午前6:54 · 2024年12月4日 (JST)
https://x.com/matsudadoraemo1/status/1864065821099835432
(引用開始)
尹大統領のバックが統一グループ(韓国版軍産複合体)=統一教会ですからね。尹大統領の甥っ子が現在の統一教会ナンバー2ですし。統一教会のナンバー2の変遷は、こちら。朴普煕は、元々韓国陸軍第八軍で金鍾泌の秘書で、朴正熙がクーデターで大統領になった時に、金鍾泌初代KCIA局長の指示で統一教会を組織化。
(引用終わり)

以上

かたせ2号 投稿日:2024/11/28 06:18

【32】世界政治の謎がいまだに解けない (謎3選のご紹介)

世界政治の謎がいまだに解けない (謎3選のご紹介)

かたせ2号です。

トランプ再選を終えて、ワタシには、いまだに解けない謎が3つある。
たぶん、世界中にも、この謎を解けた人はいまだいない。
そしてたぶん、誰にもこの謎は解けないまま、あるいは誰もこの謎を解く気のないまま、
世界史は今後も、静かに進んでいくだろう。

(1) 調子に乗ったあまり、1980年代に、アメリカの刑務所に13ヶ月ほど収監された、統一教会の文鮮明は、なぜ、アメリカに恨みを抱くような言動を、完全に封印したのか?
(あの男が、抱いた恨みを残さず水に流すような人間でないのは、日本人のみなさんなら容易に想像がつくはず。)

(2) 2022年、統一教会の集会に、トランプが応援のビデオメッセージを送った意図は何なのか?トランプには統一教会が「悪魔教団」であるという自覚・認識はないのか?

(3)戦争をしない「珍しいアメリカ大統領」のトランプが、いまだに、「ジェノサイド」のイスラエル(シオニスト)をどういう意図で、断固支持するのか?

 

(補足)
まったく話は異なりますが、なぜ、こんなかっこうの「托卵」なんていう仕組みがあるのか、まったく、これも謎なのだ。
かっこうの托卵の動画。

以上

かたせ2号 投稿日:2024/11/22 21:44

【31】ロシアがウクライナに打ち込んだICBMは弾頭未装着だったようだ。

ロシアがウクライナに打ち込んだICBMは弾頭未装着だったようだ。

この件は、事実レベルでは、ここに落ち着きそうです。
ロシアのプーチン大統領の忍耐強さに感服します。

https://x.com/MIC2005/status/1859630350865195512
午前1:10 · 2024年11月22日
(引用開始)
ウクライナ側のこの報道映像が本物だとすると、本当に今回のロシアのICBMは爆発物の弾頭未装着(ダミーのペイロードのみ)で、質量爆弾としてしか破壊能力は発揮していないようだ。 「いつでも”本物”を打ち込んでやる」というロシア側の示威行為。 ※ 一発のICBMで欧州の各国に同時に弾頭を落とせる。
以下、動画のリンク
https://x.com/bayraktar_1love/status/1859538071554818541
(引用終わり)

3136 投稿日:2024/11/11 22:39

【30】トランプの真の敵/〇ィープ・ステートとは

反トランプ、ワクチン推奨者向けお勧め動画。

トランプさんが戦っているディープ・ステイトの全体像を図式と分かりやすい解説で紹介しています。

伊藤 投稿日:2024/07/26 17:05

【29】かたせさん、グッジョブです。

今、入院中なので、悪しからず。

伊藤睦月拝

3136 投稿日:2024/07/14 12:06

【28】トランプ前大統領銃撃事件!! 2024年7月14日

トランプ前大統領銃撃事件!!犯人の映像入手!!犯人死亡!!犯人のいた場所分かりました!!トランプ氏無事を発表!!2024年7月14日!!2024年7月14日

ピコ次郎チャンネルより投稿

危なかった! 私たちの希望を守ってくれたすべての偶然に感謝!