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吉見おさむ 投稿日:2011/09/27 22:10

【657】[730]福島本部活動日誌です24

以下に、MLに投稿した内容を転載します。

(転載始め)

2011年9月4日の日誌です。

今日は晴天のまま豪雨になるなど、勘弁して欲しい天気でした。

パトカーの通る頻度が、かなり減りました。少なくとも、深夜の午前2時にパトカーが通ることは滅多になくなりました。

石井魚店に油揚げが置いてありました。好きな食材ではないのですが、ちょっとしたものを作るのには重宝するので嬉しいです。
かなり品揃えが元に戻ってきました。以前は郡山の豆腐屋が閉じていたので入荷できなかったそうなのですが、営業を再開したようです。

調理場の排水溝を、もう少しだけ掃除しました。
机の上を、もう少しだけ片付けました。ただ、見た目はほとんど変わりません。
8月25日に草刈りをしたところが、すでにかなり草が生えてきてしまっていました。

今日の夕食は、相当に失敗しました。でも今日の分は食べ切りました。
実験的にネギと生姜を一緒にフードプロセッサーで細かくしてみたのですが、すっごく不味いものができました。
これを油揚げの上に乗せると、・・・ちょっと勘弁して下さい、と言いたくなるほど酷い食物ができました。
仕方ないので、残っている肉と一緒に焼いて、上から焼肉のたれをかけて誤魔化そうとしました。
誤魔化せませんでした。不味かったです。
仕方ないので、鍋に水を張って、酷い食物と冷蔵庫内の駄目になりそうな食材で出汁を取りました。
その後に、出来た出汁でカレーを作りました。本当は市販のルーではなくて、スパイスだけで作りたかったのですが、仕方ありません。
Kさんから頂いたスパイス類が良かったからか、偏って美味しいカレーが出来上がりました。

(転載終わり)

(転載始め)

2011年9月5日の日誌です。

午前8時45分にIさんが来ました。ガイガーカウンターを、一つ貸しました。
ノンアルコールビールと柿の種とペットボトルのお茶を差し上げました。
Iさんは午前9時5分にどこか目的地に出発しました。
次に植えるのは、菜の花なのでしょうか。その時は宜しくお願いします。
・・・その前に、ヒマワリの処分はどうしましょう。

燃えるごみは今日は出しませんでした。ここ3日間、ごみの量が減りました。
あと1週間くらい持ってほしいです。

もう少し大広間を整理しました。
ついでに掃除機もかけたのですが、失敗気味だったので、明日かけなおします。

カレーが大量に残っています。
その余波で、ご飯と、付け合せの焼いた茄子などの野菜なども残ってしまっています。
最近は福島県産の(おそらく他県に出荷できない)野菜を石井魚店で買って食べ過ぎているので、そろそろ控えます。
ただ、スーパーの4割ほどの価格で売っているものなので、控えない方がいいかもしれません。

(転載終わり)

(転載始め)

2011年9月6日の日誌です。

午前3時にパトカーが通り過ぎていきました。

午前7時41分、最寄のガソリンスタンドでパトカーが4台、給油をしていました。

午後2時に、Nさんたち3人が来ました。
事務所に上がらなかったので、中を案内するまでいきませんでした。
ペットボトルのお茶と豆を差し上げました。

午後6時10分に大型のバスが通りました。今でも日に2台はバスが通ります。

もう既に、かなり寒いです。日中に33度まで行っているのは嘘のようです。

明日は親知らずを抜きますので、なるべく安静にしていたのですが、逆に体調を崩しました。
大丈夫でしょうか・・・。

(転載終わり)

(転載始め)

2011年9月7日の日誌です。

朝にプラスチックごみを出すのを忘れました。2袋あったので、失敗しました。

2箇所のトイレを掃除しました。
大広間を『自分に向いているように、少しだけ』配置換えしました。
2回と大広間と奥の部屋に掃除機をかけました。

午後1時半、歯医者に行きました。
午後3時半までかけて、親知らずを抜く治療でした。
治療後に説明を受けたとおり、麻酔が切れた後痛いのと、体がダメージを受けて弱っている感じです。
明日の午前11時に、もう一度行かなければなりません。

明日、F先生が来る予定なので、石井魚店で食料を購入しました。
石井魚店の店長さんと結構話してしまいました。
恐ろしく安い野菜は、福島産だからではなく、市場の流通量が多いときに買っているからだそうです。

親知らずを抜いた反対側の歯が痛くて、寝られません。
布団で3時間くらい無駄に過ごしました。

(転載終わり)

この頃は33度位に日中はなっていたのです・・・・・・。
最近の早朝は、10度を下回ります。
東京は温和で暮らしやすい気候なのだと実感しています。

石井裕之 投稿日:2011/09/26 23:12

【656】[729]フフホト通信(中国内蒙古)

中国内蒙古の石井です。
23日から副島先生が内蒙古入りされております。フフホト、バオトウ、オルオスという、内蒙古の重要な街を一緒に見学しています。
今回ご覧になられた情報も、11月に書店に並ぶ本の中に織り込まれるそうです。ご期待下さい。
さて、その副島先生からの緊急提言です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110926-00000005-jct-bus_all
↑上をご覧下さい。
金が大暴落しております。ここで金を買うべし!とのことです。
先生も明日、フフホトにて金を買いに行きます。
私も一緒に買うつもりです。
以上、ご報告まで。

西槙 投稿日:2011/09/25 20:56

【655】[728]福島県南相馬市の近況

福島県の南相馬市在住の西槙です。

緊急時避難区域となっている、南相馬の近況をお伝えします。
こちらは日差しも和らぎ、大分涼しくなってきました。

現在、市内の話題は、「除染処理の進め方」が中心となっています。
既に、役所や市民により、高圧洗浄機などによる、学校や公園など、公共施設の除染は行われています。

近所の公園の除染の様子。
http://goo.gl/GTBqV(9月11日)
こうなりました。 http://goo.gl/vBFqY(9月24日)
自治体レベルでは、コストのかからない土の上下入れ替え式で除染が進められています。

9月3日には、東大の児玉龍彦博士らによる「放射能と除染に関するシンポジウム」が開催され、私も行ってきました。
http://goo.gl/TizLd
Youtubeに上がっていた動画⇒http://youtu.be/3TvT1j3DuI4

児玉博士は、始めに内部被爆の恐ろしさについて、
「熱い炭に手をかざす(外部被爆)のと、それを口に入れる(内部被爆)の違い」という表現で煽っていました。
放射性セシウム137の人体への影響についても、
「セシウム137が尿中に6ベクレル/Lとなる土壌汚染地区に住み続けると、膀胱がんになる可能性が増す」と説明していました。しかし、南相馬や福島第一原発周辺の汚染度に、それが当てはまるあるのか?への言及がなく、よく分りませんでした。

この日の中心テーマである、土壌の除染方法については、
「市内70平方kmの地表面を削り、ドラム缶のようなタンクに入れ、海岸に巨大な貯蔵施設にを建設し貯蔵する」といった案を説明していました。
この施設は、概算で六ヶ所村にある貯蔵設備の5倍ほどの規模になる見込みだそうで、とてつもないモノになりそうです。聞いていて馬鹿らしくなりました。

どの程度の汚染度まで、民間の居住地の本格的な除染が必要かの線引きは、これからの市民をまじえた学者や役所との話し合いで決まるので、この決定により、除染作業の規模が大きく変わってきます。

その他、除染と並行で、市の復興案も進められています。
大まかなプランは、東京の大手コンサル会社(南相馬では、当初、大和総研と進めてましたが、市長とソリが合わず日本総研に変更となったとか。一線級の社員は、被災規模の大きい、宮城や岩手に配属されているらしい。)が市から依頼を受け、進めているようです。

復興プランの内容は、住居の高台への移動、更地になった海端へのクリーンエネルギー発電所の建設、といった基本骨子、これは隣の相馬市も同じで、それに各市町村毎の地域の特色や市民の要望が付け加えられるといった感じです。
http://www.city.minamisoma.lg.jp/shinsai2/zigyouzireinokenkyu.jsp

また、双葉郡の8町村では、今後、原発交付金がなくなるのを見越し、合併話が進んでいます。
放射能ガレキの中間貯蔵施設の建設場所は、新聞によると、
原発立地地域の大熊町にある産廃処理施設(クリーンセンターふたば。第一原発の南西にある)になるだろうと出ていました。

以下町の様子です。

http://goo.gl/KWDrP
休耕となった田んぼには、雑草が生い茂り、セイタカアワダチソウなどが生い茂っています。

http://goo.gl/T98FT
http://goo.gl/8kFff
http://goo.gl/22iNH
海岸の津波被災地では、瓦礫が素材ごとに洗浄され、分別され、積み上げられています。
更地となった場所には、ススキなどが生い茂っています。
木材はバイオ燃料として再利用すると復興案には書いてありました。

東北電力の火力発電所(1,2号機)の復旧も少しずつですが、進んでいます。
1,2号機が修復された後、太陽光発電所が新設されるらしいです。(ただし、この計画は2010年度からありました。)
http://goo.gl/aHQQG(7月17日)
http://goo.gl/5xHdv(8月27日)

他に、お盆には、除染と休耕地の有効利用を兼ねて植えられたひまわりが咲いていました。
http://goo.gl/GKa20
http://goo.gl/s7AAB

以下の動画は、最近Youtubeにアップされた、相馬市原釜卸売市場の津波被災時のものです。
津波はじわじわとゆっくり迫ってくるようですが、10分間で状況が一気に変わります。
大きな地震の後は、海から遠くの高台に一気に逃げるのが一番です。
http://youtu.be/S0K8xpCzO7s

以上

ジョー(下條) 投稿日:2011/09/22 18:23

【654】[727]アイソトープ診断につかう放射性物質は、一回あたり、6億ベクレルである

最近、福島第一原発の事故により放射能や放射性物質が話題になることが多くなりました。下に引用するのも、放射性物質が話題になっていなければ、新聞にのることもなかったニュースです。

<引用開始>
「甲府病院、小児も成人も千メガベクレル投与 技師会調査」
 甲府市立甲府病院で子どもが放射性検査薬で過剰被曝(ひばく)した問題で、日本放射線技師会は15日、技師会が指針としている放射性物質(放射性同位元素)の量を大幅に超える千メガベクレルが腎臓の検査で、成人、小児問わず一律で投与されていた、と発表した。

 技師会が13日に同病院の副院長や放射線部長らから聞き取った結果として、明らかにした。

 今回問題となった腎臓の検査については、同病院のマニュアルには、成人でも技師会の指針とする投与量の2倍の600メガベクレルと記載されている。
asahi.comより

「基準の40倍投与の子どもも 市立甲府病院、過剰投与で」
 甲府市立甲府病院が放射性物質テクネチウムの入った検査薬を子どもに過剰投与していた問題で、日本核医学会の推奨基準の約40倍の量を投与された例のあったことが4日、病院などへの取材で分かった。

 また、成人の基準は最大185メガベクレルなのに、独断で投与量を決めていた放射線部の男性技師長補佐(54)が作成した病院内の検査マニュアルには、500メガベクレルと記載されていたことも判明。

 病院側は1日の記者会見で「15歳以下の145人のうち84人に基準の2倍を超える量を投与し、うち41人が10倍以上だった」と内訳を説明していた。

2011/09/04 23:10 【共同通信】
<引用終了>

治療現場では、どれくらいの放射性物質が自分に与えられたのか、自分は内部被曝しているのではないかと、ものすごく気にする患者がでてきているのだと思います。

さて、上にでてきた「600メガベクレル」、恐ろしいほど大きな値です。メガは百万ですから、その600倍は6億!。

これを見て自分で調べてみました。

アイソトープ診断では様々な手法がありますが、標準的な骨シンチグラフィーと呼ばれる手法で、740メガベクレル、心筋シンチグラフィーで100メガベクレルが診断前に投与されます。

最近、肉や飲料水に放射性物質が含まれていると話題になりますが、そのとき、一般的に許容量とされているのが500ベクレル/kgです。この740メガベクレルはこの500ベクレルのおよそ100万倍!!(6ケタ)です。

放射線治療になるとさらに10倍以上、大きくなるようです。

私も、これほどの高濃度の放射性物質を投与しているとは全然知りませんでしたから、びっくりしました。多分、放射性物質の半減期が短いのでしょうが、それでも診断するのだから1時間程度はあるでしょう。すると、放射性ヨウ素(半減期8日)とくらべても2ケタ程度しか違いがありません。

500ベクレルでさえ危ないとすれば、「放射線(アイソトープ)診断というのは、ほんとうはものすごく危険な診断なのだ、治療なら我慢するが、ただの診断でこんなに内部被曝させられたのではたまらない」という話になります。

ところが、現場でそんな話はありません。下に示したのは町田市民病院のホームページです。

<引用開始>
アイソトープ検査Q&AQ 放射線は心配ないの?体に影響は?
A ごく微量の放射線量のため、直接的な影響は無いと言われています。心配ありません。
Q 検査に苦痛は?
A ほとんどの検査が、注射をして時間をおいてからベッドに寝て撮影をします。寝ている姿勢が大丈夫であれば苦痛はありません。
Q 薬の副作用は?
A ほとんど無いと言われています。過去の調査データでは、10万人に2~3人と非常に少なく、いずれも症状は軽微で、またその中でも使用薬品が直接影響したものではなかった例もあるとのことです。安全性は高いと言って良いでしょう。
Q 前処置や食事の制限などは?
A ほとんどありませんが、検査項目によっては食事を抜いていただいたり、前日に下剤を飲んでいただく検査があります。予約時に検査案内票とともに、詳しくご説明します。
アイソトープ検査に関するお問い合わせ検査に関する質問などがございましたら、遠慮なく放射線科受付までご連絡ください。

町田市民病院 放射線科
<引用終了>

「ごく微量の放射線量のため、直接的な影響は無い、薬の副作用は、ほとんど無く、過去の調査データでは、10万人に2~3人にしか影響がなかった」とはっきり書いてあります。

下の下仲さんの投稿ですが、児玉龍彦氏は東大アイソトープセンターのセンター長だそうです。どういう立場かよくわかりませんが、東大病院の現場の医師の方は困っているのではないでしょうか?アイソトープ検査の患者に、「おまえのところのボスは内部被曝は危ないといっているぞ、私を殺すつもりか!!」といわれたら、返すことばがありません。

下條竜夫拝

下仲もとゆき 投稿日:2011/09/21 19:29

【653】[726]児玉龍彦氏に対する私の考え

下仲もとゆきです。

東京大学アイソトープ総合センター長である児玉龍彦(こだまたつひこ)氏に対する私の考えを文章にしました。

*************************

3.11の震災以後、東京大学の児玉龍彦(こだまたつひこ)教授は、京都大学の小出裕章(こいでひろあき)助教と並んで、インターネット上でヒーローになりました。
なぜでしょうか。
共に非現実的で極端なことを言ったからです。

児玉龍彦氏の肩書きは東京大学アイソトープ総合センター長です。その児玉氏による、2011年7月27日に行われた衆議院厚生労働委員会での意見陳述がYouTubeにアップロードされ、インターネット上で8月に話題になりました。
http://www.youtube.com/watch?gl=US&feature=player_embedded&v=eubj2tmb86M

「アイソトープ(isotope)」とは聞き慣れない言葉ですが、「同位体」と訳されていて、「原子核の中性子の数が違うもの」を指す言葉です。その中で「放射線をピーピー出す原子」は「ラジオ・アイソトープ(radio isotope)」と呼ばれています。
自然界にある大半の物質は安定して存在しています。時間がどれだけ経っても、別の元素に変わることはありません。ところが一部の元素には不安定な物質が存在します。それがラジオ・アイソトープです。たとえば水素Hであれば、軽水素、重水素、三重水素の3つの同位体(アイソトープ)があります。このうちラジオ・アイソトープと呼ばれる放射性物質は三重水素です。ウラン238やセシウム137、ヨウ素131などが有名です。ラジオ・アイソトープは放射線を出して、別の元素に変化します。その方が安定するからです。
児玉氏は「人間の身体の中にアイソトープを打ち込むのが私の仕事」と述べています。通常の医薬品であれば、マウスを使ってその効き目を実験します。万が一死んでしまっては困るので、人間を使っての実験は許されていません。しかし、ラジオ・アイソトープは例外的に人間に対して使うことが認められています。微量であれば健康被害がない上、体内に入れたときにどこにいるかがはっきりとわかるからです。ラジオ・アイソトープは多くの医療機関で病気の検査や治療に使われています(アイソトープ | 町田市民病院 : http://www.machida-city-hospital-tokyo.jp/department/radiology/isotope.html )。もちろん研究室でも薬の効き目を調べるために、マウスなどの動物に対してラジオ・アイソトープをガンガン打ち込んでいます。アイソトープ総合センター長である児玉氏は、放射性(=放射線をピーピー出す)物質を扱うプロフェッショナルだと私は理解しました。

7月27日に児玉氏が「私は国に満身の怒りを表明します」と国会議員に対して述べたこの映像は、Twitterやblogなどでものすごいスピードで拡散され、YouTubeで100万回以上再生されました(なぜか今は削除されている)。この意見陳述を文字起こししたものが、幻冬舎新書から『内部被曝の真実』というタイトルで出ました。
http://www.amazon.co.jp/内部被曝の真実-幻冬舎新書-児玉龍彦/dp/4344982290/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1316576887&sr=1-1

児玉氏は、「国が何もしないので、自分たちの判断で南相馬市に行って除染活動をしている。国会は何をしているのだ」と怒りをあらわにしています。科学者が公(おおやけ)の場で、自分の意見を述べるのは珍しいことです。だから児玉氏の16分少々の演説は新鮮味がありました。

児玉氏はただちに除染をしなければ、高い線量の放射線が土壌や植物から出続け、人間の細胞中にあるDNAが傷つけられ、大勢の人がガンになってしまうと言っています。もちろん、大量の放射線をあびればDNAはバラバラになって死んでしまいます。1999年の東海村での臨界事故では、硝酸ウラニルを製造中にウランの核分裂反応が起きてしまい、目の前で被曝した大内久さん(16~20シーベルト被曝)と篠原理人さん(6~10シーベルト被曝)の2名が亡くなりました。共に作業をしていた横川豊さん(1~4.5シーベルト被曝)は一時白血球がゼロになり危ない状態でしたが、その後回復し退院されました。
「被曝した」とされている人の大半はすぐには死亡していません。ですから、どの程度の放射線量をあびるとガンなどの病気になるのかは議論のあるところです。細胞は傷ついても修復する機能を持っています。トータルで同じ線量をあびたとしても、短い時間で放射線をあびるほど再生が追いつかなくなり、細胞が死ぬスピードが上回る可能性が高まります。福島第一原発の作業員が胸ポケットに線量計を入れているように、実際の積算値を測定するのが一番正確な値になります。私が8月に福島に行ったときには、福島第一原発から20キロ地点の検問所の近くには、いつからの積算値かはわかりませんが、「0.27ミリシーベルト」と空気中の線量の積算値を示すガイガーカウンターが設置されていました。これは積算値ですから正確な数値です。

私は被曝しても問題ない放射線量は、100ミリシーベルトまでだと考えています。なぜならば、それが世界標準だからです。どこの国でも、100ミリシーベルトを切る数値を基準にしているところはほとんどありません。

日本政府は東日本大震災による原発事故のあと、20ミリシーベルトという数字を基準にして、福島第一原発周辺の地域に避難勧告を出しました。
なぜ100ミリシーベルトではなく、20ミリシーベルトを基準にしたのでしょうか。世界標準の100ミリシーベルトを基準にすると、原子力安全委員会や原子力安全・保安院の存在意義がないことが明らかになるからです。それを恐れて、20ミリシーベルトを基準にしたのでしょう。 自分たちの立場を守るために、本来逃げなくてもいい人たちを強制移住させました。これは許しがたいことです。

話を児玉龍彦氏に戻します。

児玉氏がただちに除染しろと言っている基準は何ミリシーベルトなのでしょうか。実は児玉氏は、何ミリシーベルトを基準にするかという議論には乗っていません。児玉氏は国会議員の質疑に対して、こう答えています。

《何ミリシーベルトだったら安全ですかっていう議論は、わたくし現実味がないと思う》
《線量議論の問題を言うよりも、元来自然界にないセシウム137というのが膨大にまかれてガンマーカウンターで簡単にわかるような量に散らばっている。しかもそれが広島原爆の20倍の量、撒かれている事態に対して国土を守る立場から是非積極的な対応をお願いしたいというのが基本的なお願いです。》
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65754196.html

このように児玉氏は、基準を議論することには意味がないと述べています。
たしかに、ホットスポットと呼ばれる局所的に線量の高いところの数値をもってして、その土地の線量だとすれば、高い数値の地域ばかりになります。これをやっているのが「週刊現代」などの週刊誌です。特集で各地のホットスポット探しをやり、それを大々的に書いてきました。しかし、たいていのところではホットスポットのような高い線量は出ません。福島第一原発から60キロメートル離れている飯舘村(いいたてむら)で、空気中の放射線の3月の原発事故の最高値は44マイクロシーベルト(毎時)です。8月に私が行ったときには、ガイガーカウンターを地面に置いて測定しても4マイクロシーベルトと、10分の1以下に下がっていました。それでも他の飯舘村に行った人の報告によると、置く場所によっては高い数値が出るようです。
ですから、児玉氏の言うとおり、どの線量を除染や避難の基準にするかということに意味はないという主張はわかります。どの数値をその地域の測定値とするかでもめて、議論の前提にはならないからです(ちなみに、ホットスポットの数値で議論をするのが武田邦彦(たけだくにひこ)氏)。
児玉氏は「しかもそれが広島原爆の20倍の量、撒かれている」と述べていますが、原子力発電所の事故と原子爆弾を比較することはナンセンスです。必ずこの後に、「ヒロシマでは14万人が亡くなった。だからフクシマでも何万人も死ぬんだ」と話が続きますが、そうではありません。過去にこの掲示板で下條氏が指摘しているとおり、計算の仕方が間違っています。広島の原子爆弾では8月6日に14万人、長崎では8月9日に7万人以上が亡くなりました。衝撃波(音速より速い爆風)によって、人間の体が溶けてしまったからです。地面に人間の形が残ってしまうくらいの強い熱と、衝撃波によって大勢の人々が即死しました。しかし、放射線が原因で死亡した人が何万人もいるという話は聞いたことがありません。原子爆弾の恐怖と、放射線の影響が混ざって理解されてしまっているのでしょう。人間は熱や圧力には弱いですが、放射線には弱いとはいえません。児玉氏の言う「広島原爆の20倍の量」とはいかにもミスリード(誤った結論に導く)です。

それでもここまでは、まだ何とかわかる話です。

私が問題だと思ったのは、次の発言です。

《第三番目、国策として土壌汚染を除染する技術を、民間の力を結集して下さい。これは例えば東レとかクリタだとかさまざまな化学メーカー。千代田テクノルとかアトックスというような放射線除去メーカー、それから竹中工務店などさまざまなところは、放射線の除染に対してさまざまなノウハウを持っています。こういうものを結集して、ただちに現地に除染研究センターを作って、実際に何十兆円という国費をかかるのを、今のままだと利権がらみの公共事業になりかねない危惧を私はすごくもっております。》
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65754131.html

《この数値が安全この数値がどうということではなしに、行政の仕組みが一生懸命測定をしてその測定に最新鋭の機械を投じて、除染に最新鋭の技術をもってそのために全力でやってる自治体が、一番戻るのに安心だと思います。》
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65754196.html

《それでですからわたくしが申し上げたいのは、放射線総量の全体量をいかに減らすか。これは要するに数十兆円かかるものであり、世界最新鋭の測定技術と最新鋭の除染技術を直ちに始めないと、国の政策として全くおかしなことになるんです。》
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65754196.html

児玉氏はなんと、放射線の測定と除染のために、国に数十兆のお金を出せと要求しているのです。国家予算並みの規模の額を除染活動のために要求しています。児玉氏のこの主張には呆(あき)れました。国に自分たちの活動の必要性を認めさせられれば、お金がいくらでも取れると思っているのです。

「シーベルトを0にせよ」と言い放った小出裕章氏と同じ、科学者の一番良くないところが出たなと感じました。すなわち、言っていることの現実性のなさです。たしかに、老人(社会保障:年金50兆円、医療30兆円、介護・福祉20兆円)に100兆円、アメリカ(米国債、駐留軍等)に30~50兆円、公務員(国家8兆円、地方22兆円)に30兆円のお金を毎年使っていることを考えれば、数十兆円という額は非現実的とはいえないかもしれません。リーダーシップを発揮するという意味では、全体の額を示すのは必要なことです。しかし、一人の科学者が言うことではないと思います。理科系の予算の配分権を持っている文部科学省の役人に、こうした話をずっとしてきたのでしょう。それが通ってきたから、児玉氏は国会でも堂々と述べることができたのだと思います。

そもそも、気になるところに水をまいて線量を下げる除染をすることに意味があるのかどうかさえわかりません。NHKのドキュメントによると、ボランティアで福島に行き、放射線を少なくするために丸一日かけて雨どいを洗ったりしている人がいるそうです。水を流したり植物を刈り取ったりして、「放射能が半分になった」と喜んでいました。
その人には申し訳ないですが、半分になったからといって、何がどう変わるというのでしょうか。放射線量を半分にしなくても、元々健康被害はないでしょう。作業をしても、刈り取った草は放射性物質を含んでいるので、燃やすに燃やせません。結局、庭の隅に行き場のなくなった何十ものゴミ袋が並ぶことになります。捨てられないゴミ袋が庭に大量に並んでいるのは気分の悪いものです。自己満足でやっていると批判されても仕方がないでしょう。

チェルノブイリの原発事故後のデータでは、大人のガンが増えたというきちんとした証拠はありません。子供についても、甲状腺ガン以外は、増えたというきちんとしたデータはありません。

『チェルノブイリ診療記』(新潮文庫)という本を出している、長野県松本市長の菅谷昭(すげのやあきら)氏という医師がいます。(すげのや昭 公式ホームページ: http://www.sugenoya.com/ )菅谷氏はチェルノブイリの事故後にベラルーシに行って甲状腺ガンの治療を行いました。WHO(世界保健機関)、IAEA(国際原子力機関)、EU(欧州連合)の三者が共同声明を出しており、「チェルノブイリの事故と因果関係がある疾患は、小児性甲状腺ガンのみである」と公式に発表しているそうです。ウクライナやベラルーシでは1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故のあと、現在までの25年間で甲状腺肥大を起こした小児性甲状腺ガン患者が6,000人、そのうち甲状腺ガンでは15人しか亡くなっていません。死亡率0.25%です。
『チェルノブイリ診療記』を読めば、チェルノブイリの事故によって何千人、何万人もの子共たちが亡くなっているわけではないことがわかります。小児性甲状腺ガンだと診断された6,000人には、元々ガンだった人が含まれているかもしれません。特別に放射線をあびなくても、人間はガンになります。それにこの数字は病院に診察に来る人が増えた状況で計られたものです。普段であれば別の原因で死んだことにされる人が、原発事故が原因で死んだことにされている可能性があります。他の国と比べてガンの発生率が高くなったとは言えないのです。

それにもかかわらず、「とにかく測定と除染をせよ」「シーベルトを0にせよ」などという極端な主張をする者がインターネット上で人気が出てしまいます。週刊誌もその後を追って、扇動的な記事を書き散らします。たしかに児玉氏の「洗い落とせば問題は解決する」という主張は非常にわかりやすいです。「南無阿弥陀佛と唱えれば極楽浄土に行ける」という浄土宗の念仏信仰と似た単純明快さを感じます。わかりやすい主張のほうが、熱烈な支持者が生まれやすいです。しかし宗教はともかく児玉氏や小出氏の主張に関しては、チェルノブイリのデータが出ている以上、過去の事実から目をそむけていると言わざるをえません。

児玉龍彦氏は東大のアイソトープセンターで働いており、治療・診断行為として日常的に人間に対して放射性物質を打ち込んでいる人です。普段自分が扱っている放射性物質の量を基準にして、福島第一原発からまき散らされた量を考えているのでしょう。意図的に人体に打ち込んでいる放射性物質の量は、体内のどこにいるのかがわかればいいだけなので、本当に微量のはずです。児玉氏は自分の日々の経験から、今回の原発事故では「多くの地域が高濃度で汚染されてしまった」「ただちに除染しなければならない」と勝手に信じこんでしまったのだと推測します。専門家が自分の専門分野にとらわれてしまい、現実性のない判断をしてしまいました。

私は理科系の人間です。私も児玉龍彦氏と同じように、理科系の人間がおちってしまう間違った判断をしてしまうことがあります。児玉氏を反面教師として、このたび学びを得ました。愚かな判断をしてしまいがちな私に対して、いつも正しい判断を示してくれる副島隆彦先生に感謝しています。
児玉氏が「数十兆円出せ」と言っていることは、小出裕章氏の「シーベルトを0にせよ」というヒステリーに近い非科学的な主張でない分だけはまともです。しかしそんなお金が出るわけがなく、非現実的な主張をしているという意味で大差はないと判断します。

今回、児玉龍彦氏に対する私の考えを書いていて思ったことは、「過剰な潔癖症を他人に強いているオジサン」だということです。それを女性がまともに受け止めてしまって、「放射線で汚染されてしまった私は結婚できないのではないか」「何かのときに、福島県出身だということがわかったら断られるのではないか」と不安になっています。除染を強く主張したことによる反動です。この点は児玉龍彦氏が責められるべきことです。(了)

泉浩樹 投稿日:2011/09/20 00:28

【652】[725]福島 小松果樹園からの連絡 2

会員の泉浩樹です。
昨日に引き続き 福島県の果樹生産者 「小松果樹園」からの連絡を 報告いたします。

前回の「[689]福島 小松果樹園からの連絡」 [682]「ぶどう」生産者:小松農園 から3週間が経ちました。

小松果樹園では ブドウの「あずましずく」が8月一杯を持って収穫終了のあと、「ピオーネ」が収穫されています。
その「ピオーネ」は今週末までの出荷となりました。
「ふじみのり」は今月一杯出荷できそうです。

以下、小松果樹園からの伝言です。

(転載貼付け始め)
いつもお世話になります。
今の現状ですが、ほぼ毎日は”たけんぼ”(地元JAが経営する直販所)にて少量ではありますが売れている状況です。
ネットの方は、こないだの重たい掲示板に載せてもらってから、注文数が2件となっています。

これからの生産は、ピオーネは今週ぐらいでなくなる見込みです。ふじみのりは、今月下旬頃まであります。

柿は10月下旬ごろから、値段はまだきまっていません、後で連絡します。りんごは、11月中頃からです。

よろしくお願いします。
(転載貼付けおわり)



__ブドウの果実の表面には白い粉が付いています。農薬ではありません。これはブルーム(bloom, 果粉)と呼ばれるもので、果実の表面から分泌されるロウ物質です。食べても問題ありません。ブルームが付いている果物は新鮮なものとみなされ、市場価値があります。__

*ぶどう・りんご 生産者:小松果樹園 小松秀幸*
Fax: (0248) 76-3523
Tel: (0248) 76-3516 / 090-8787-3455

ぶどう収穫予定:「ピオーネ、ふじみのり」 9月2週目頃から収穫発送」
4kg1箱、宅配便 関東圏で/送料込み4,000くらいです。(発送先により送料はちがいます)

*「ぶどう本品代金 送料」の振り込み用紙を同梱さし上げます。
「贈り物」は発注された方に 請求書を郵送さしあげます。

*「りんご」は秋に入りましたらご紹介致します。

************************************************************
「味、糖度」の乗った一番良い品質状態での収穫出荷になります。
到着日指定の無い場合は 順次出荷となります。
*FAX記入事項:(送り主/受け取り主)とも・①郵便番号、②住所、③氏名、④自宅電話/携帯電話番号、⑤希望の到着日、時間帯、⑥希望箱数 をご明記下さい。
*尚、FAXの送信前に 各 記入事項を お確かめ願います。 *(間違いがあった場合 2度手間、3度手間になります)
*また、「ご贈答」等でお使いの場合は「送料が加算」の上のご請求となります。
「ご請求先を別に明記」願います。 郵送にて「ご請求書」を送付いたします。
*「学問道場」の紹介で と一筆お書きいただきたく お願い申し上げます。
************************************************************

p/s:「学問道場」では 福島県を応援するために 農産物の生産者の紹介を行っており、当方の利益になるものではありません。
皆様の理解と行為が 福島県、宮城県、岩手県の復興となります。
被災地への 何かの支援をお考えでしたら 被災地の農工業の生産物を「ご自分の環境のなかで」積極的にお取り入れください。
大きな意味では 「日本」の再生に繋がるものと 考えます。

(昨日、愛知県で 福島県産の「打ち上げ花火」が市民からのクレームにより 打ち上げを除外されました。)http://www.google.co.jp/search?q=福島県産の「打ち上げ花火」が市民からのクレーム&ie=utf-8&oe=utf-8&aq=t&rls=org.mozilla:ja-JP-mac:official&hl=ja&client=firefox-a

ありがとうございます。

泉浩樹 拝

泉浩樹 投稿日:2011/09/19 01:03

【651】[724]「長田果樹園」 訂正 ”送料込み”の 振り込み用紙が同梱されます。

会員の泉浩樹です。
昨日の投稿に不備がありました。お詫びを申し上げます。

*「送料のみ着払い対応」を訂正し「送料別」と訂正致します。(購入された K様からご指摘を頂きました)

* 生産者:長田(おさだ)果樹園 長田和男 さん (和なし・りんご)
Fax: (0247) 26-2799.
Tel : (0247) 26-7571 (収穫時には出れません)

9月初旬から長田果樹園さんでは「なし」の収穫が続いております。
_大変「良い出来」だと長田さんは言っておられます。_

*なし「豊水」の収穫が始まりました。 
「豊水」(ほうすい)収穫出荷予定 : 9/20頃~10/初旬まで 
価格(送料べつ):10kg=¥4,000_ (希望価格より「学問道場」紹介の方には-¥1.000_お安くして頂きました)
         5kg=¥2,500_  
*「なし本品代金 送料」の振り込み用紙を同梱さし上げます。
 「贈り物」は発注された方に 請求書を郵送さしあげます。

*「和 なし」:「幸水」(こうすい)は お陰様で 収穫出荷が 9/15におわりました。 

*「りんご」は秋に入りましたらご紹介致します。残暑のなか 極めて良好な生育をしております。

p/s:「学問道場」では 福島県を応援するために 農産物の生産者の紹介を行っており、当方の利益になるものではありません。
   皆様の理解と行為が 福島県、宮城県、岩手県の復興となります。
   被災地への 何かの支援をお考えでしたら 被災地の農工業の生産物を「ご自分の環境のなかで」積極的にお取り入れください。
   大きな意味では 「日本」の再生に繋がるものと 考えます。

ありがとうございます。
 
泉浩樹 拝

泉浩樹 投稿日:2011/09/18 02:03

【650】[723]長田果樹園 和なし「豊水」販売

長田果樹園より 下記 伝言を預かりました。

学問道場のみなさま
⟪この度は当園「なし」(幸水)販売に ご協力いただき ありがとうございました。(幸水)の販売は9月15日で御陰様で終わりました。 ありがとうございました。
次の品種(豊水)の販売は9月20日~10月初旬迄になります。 よろしく御願い申し上げます。⟫


*(幸水)のお味は如何でしたでしょうか。
みなさまには、福島県の事情をご理解して頂き たいへん有り難く思っております。
放射能という目に見えないものの、風評というものに福島県は苦しんでおります。
この先、私たちの暮らしがどうなるのか全く持ってわかりません。
私達は健康にも問題が無く、日常を過ごして居ります。
みなさまの応援がとても心づよく、ありがたいものです。

*梨(和なし)・りんご 生産者:長田(おさだ)果樹園 長田和男
Fax: (0247) 26-2799.
Tel : (0247) 26-7571 (収穫時には出れません)

9月初旬から 収穫が始まります。
「和 なし」:「幸水」(こうすい)収穫出荷が おわりました。
「豊水」(ほうすい)収穫出荷予定 : 9/20頃~10/初旬まで
価格:両品種とも10kg=¥4,000_ (希望価格よりお安くして頂きました)
5kg=¥2,500_  「なし本品代金」の振り込み用紙を同梱します。
送料別:「送料のみ着払い対応」が助かります。(送り先により送料が違うため)
「贈り物」は請求書を発注された方に 請求書を郵送さしあげます。
*「りんご」は秋に入りましたらご紹介致します。

泉浩樹 拝

山口@福岡 投稿日:2011/09/17 22:16

【649】[722]有力クオンツ・ファンドの幕引き

こんばんわ 山口@福岡です。
日本経済新聞電子版より
(転載開始)
米ゴールドマン、傘下ファンド閉鎖 運用成績低迷で
2011/9/16 11:42
 【ニューヨーク=川上穣】米金融大手ゴールドマン・サックスが傘下のヘッジファ
ンド「グローバル・アルファ」を10月末までに閉鎖することが明らかになった。米
ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)が15日報じた。運用成績の低迷で顧
客の解約が相次いでおり、ファンドの解散を決めたようだ。

 同ファンドの運用資産は約10億ドル(約770億円)。欧州の債務問題などで市場の
値動きが不安定になるなか、今年の運用成績は1割を超えるマイナスを記録してい
た。

 同ファンドは統計学的な手法を駆使し、コンピューターが自動売買する「クオンツ
型」を採用する。2007年時点で約120億ドルの資金を運用し、ゴールドマン傘下の代
表的なファンドとして知られてきた。
(転載終了)

参集先:http://www.nikkei.com/news/headline/related-
article/tc/g=96958A9C9381959FE3E4E2E3E78DE3E4E2EBE0E2E3E39790E0E2E2E
2;bm=96958A9C9F81959CE3E5E2E3E38DE3E5E2EBE0E2E3E3E2E2E2E2
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長井大輔 投稿日:2011/09/17 18:11

【648】[720]9月5日・6日に福島県相馬市・新地町に行ってきた

 長井大輔(ながいだいすけ)です。今日は2011年9月17日です。

 9月5日、6日に福島県新地町(しんちまち)・相馬市(そうまし)に行ってきました。これは私の福島報告文5です。

http://www.flickr.com/photos/66408459@N07/6154709443/in/photostream
【地図】福島県相馬市・新地町

 朝9:00に自宅のある埼玉県を出発して、関越道(かんえつどう)・外環(がいかん)を経由して東北道で福島県に向かった。福島西IC(インターチェンジ)で降りて、国道115号線(中村街道)で福島市から相馬市に向かい、15:00(午後3:00)ころ、相馬市の私の親戚が入居している応急仮設住宅(おうきゅうかせつじゅうたく)に着いた。

http://www.flickr.com/photos/66408459@N07/6147515794/in/photostream
【写真01】仮設住宅(福島県相馬市)

 仮設住宅は相馬市の山側、阿武隈高地(あぶくまこうち)の麓(ふもと)にある、相馬中核工業団地の広大な空(あ)き地につくられていた。相馬市の原釜(はらがま)地区や南相馬市の住民が、入居している。

 仮設住宅は、三つの部屋と台所・トイレ・風呂からなる。テレビ(パナソニックのヴィエラ)、オーヴンレンジ(マイクロウウェイヴ)、冷蔵庫、ガスコンロ、洗濯機、その他(空調か)からなる「6点セット」と呼ばれる家財道具も付属し、退去時には6点セットを私有することができる。アンテナは地上ディジタルのみで、BSディジタルやCSは見ることができない。入居期間は2年以内。

 16:00から相馬市の隣にある新地町(しんちまち)に行った。新地町を通るJR常磐線は海から500mしか離れておらず、JR新地駅は大津波(おおつなみ)によって、その駅舎が流された。今回行ってみると、線路は綺麗(きれい)に撤去され、津波の被害を受けた駅舎も、電車の残骸(ざんがい)も片づけられていた。

 新地町には、釣師(つるし)という漁師町(りょうしまち)があった。しかし、大津波によって、釣師は跡形(あとかた)なく消えてしまった。私は新地町に住んでいたことがあるので、町のことはよく知っているのだが、現場に立っても、どこに何があったのか、思い出すことができない。本当に何もなくなってしまった。

http://www.flickr.com/photos/66408459@N07/6154706311/in/photostream
【写真02】福島県新地町釣師

 19:00ころ、仮設住宅にもどり、夕飯を食べる。21:00ころ、酒に酔(よ)って、寝ていると、地震が起きた。ものすごく揺れたように感じたが、震度3だった。プレハブだから、余計に揺れるのだろう。

 翌9月6日は、午前11:00に仮設住宅を出て、相馬市の原釜(はらがま)地区に行った。原釜は海沿いの漁師町で、4部落(ぶらく)が大津波によって潰滅(かいめつ)した。私は4月に4回ほど、原釜を見に行ったが、その時は、どの部落も瓦礫(がれき)の山で、自衛隊が細々(ほそぼそ)とその処理をしていた。

http://www.flickr.com/photos/66408459@N07/6147515938/in/photostream
【写真03】相馬市原釜地区尾浜(おばま)

 今回、行ってみると、自衛隊はすでに撤退しており、瓦礫は綺麗(きれい)に処理され、どこも更地(さらち)になっていた。瓦礫の処理も終わったためか、土建会社のダンプカーや重機(じゅうき)もあまり見かけなかった。前回は、全壊した家屋(かおく)から家財道具を整理する住民の姿を見かけたが、今回は誰もいなかった。更地には、草がぽやぽやと生(は)え始め、古代遺跡のような風景になりつつある。

http://www.flickr.com/photos/66408459@N07/6147528064/in/photostream
【写真04】相馬市松川(まつかわ)の漁船

 原釜地区の隣にある、岩の子(いわのこ)地区や、磯部(いそべ)地区にも行ってみた。これらもそれぞれ、小さいながらも独立した漁師町だった。岩の子は松川浦の入り江(いりえ)にある地区なので、その分被害が軽いように見えたが、太平洋に直(じか)に接する磯部地区は、津波の直撃を受けた。今回初めて、現場に行ってみたが、まだ瓦礫は片づいておらず、山形・群馬・新潟ナンバーのダンプカーがひっきりなしに往来(おうらい)して、瓦礫を運搬(うんぱん)していた。

 これで、今回の私の現場視察は終わった。帰り道は、相馬からJR亘理駅(わたり、宮城県亘理町)まで車で行き、亘理から電車で仙台駅まで行った。仙台からは23:55(午後11時55分)発の夜行バスに乗り、埼玉に帰った。常磐線は、亘理駅と久ノ浜駅(ひさのはま、福島県いわき市)の間で不通となっている。亘理駅と原ノ町駅(はらのまち、福島県南相馬市)の間は、代行バスが走っている。常磐線の不通区間が開通するには、3年以上かかるという。

 現地で聞いた話をまとめると、次のとおり。一度、緊急時避難区域(福島第一原発から30km)に指定された南相馬市の住民は、放射能への関心が高いが、原発から約50km離れた相馬市の住民は、放射線量が低いこともあってか、関心が低い。南相馬市の住民には、東京電力から多少賠償金(ばいしょうきん)が出ているが、大津波で被害を受けた新地町や相馬市の住民には、日本政府や地方政府からお金が出ていない。義捐金(ぎえんきん)もまだ、配分されていない。南相馬市から相馬市へ避難している人は「放射線量は低いが、安全かどうか分からん。でも行くとこがないからここにいる」と言っていた。

 日時がはっきりしないが、地震直後、南相馬市は断水(だんすい)した。そのため、野馬追祭場地(のまおいさいじょうち)に自衛隊の給水(きゅうすい)部隊がやってきた。しかし、福島第一原発(1F)で爆発事故発生との報(しら)せが入ると、住民に何も言わずに撤退した。一日で撤退した。自衛隊の撤退をきっかけにして、住民が騒ぎ出し、南相馬市住民の大量避難が始まった。その話をしていた人は「国は信用できない」「戦争になっても守ってもらえない」と言っていた。

 漁(りょう)のできない船方(ふながだ、漁師のこと)連中は、日当¥10000で船を出して、海底の瓦礫処理をしている。常磐道は2014年に全線開通の予定だったが、常磐富岡IC(じょうばんとみおか、福島県富岡町)と山元IC(やまもと、宮城県山元町)の間がまだ工事中だった。8月に南相馬市に行ったときは、まだ工事は再開されていなかったが、相馬市では今回、工事が再開されていた。また、福島・相馬間では阿武隈東道路(あぶくまひがしどうろ)の工事も進んでいる。これができれば、国道115号線の急カーヴ・急勾配(こうばい)の連続する悪路(あくろ)を通らなくて済むようになる。

 新地・相馬の視察の結果をまとめると、3月11日に地震・津波から半年経(た)って、瓦礫の撤去と更地化、仮設住宅の建設と被災民の入居は完了した。いまだ復旧・復興の段階には、到達していない。大津波のことを考えると、海岸沿い(海っ端、うみっぱだ)にそのまま、住宅を建てるのは困難だ。実際、津波の被災者も「海の近くには住みたくない。夜中、寝ている時に津波に襲われたりしたら困る」と言っている。宮城県山元町は、常磐線と海岸地区を丸ごと、内陸に移転する計画を出している。msn産経ニュースから関連記事を転載する。

(転載貼り付け開始)
 常磐線を内陸移設 山元町「0.5~2キロ」案提示 宮城 2011.8.29 02:12
 
山元町は28日、東日本大震災の津波で流されたJR常磐線の再建に向け、町内の全ルート約11キロを0・5~2キロ内陸側に移し、一部は国道6号の西側を通る線形にするという具体的な内陸移設案を初めて明らかにした。

 これに伴って、山下(やました)駅と坂元(さかもと)駅もそれぞれ約1・5キロ内陸側に移し、従来のJR常磐線の町内ルートはほとんどを県道相馬亘理線に流用、残りを町道として活用するとしている。

 内陸移設案は同日の「第3回山元町震災復興有識者会議」で、町が示した復興まちづくり土地利用構想案で明らかになった。復興に向け土地利用をどうするかは町が年内策定を目指す復興計画の最重要懸案。

 町は防潮堤(ぼうちょうてい)、防災林、浸水(しんすい)を前提にした農地、道路などの多重防御で町民を津波から守る基本方針をすでに決めている。構想案では津波の浸水深を基準に土地利用の具体的なゾーンニングを示した。

 それによると、浸水深が3メートルを超えた海岸から約1キロの地域については、建築基準法に基づく災害危険区域の第1種として、住宅の新増改築を禁止して、内陸部への移転を促す。

 浸水深2~3メートルを同第2種、同1~2メートルを同第3種として、住宅の新増改築には盛土や鉄筋コンクリートの基礎などで津波被害を床上浸水程度に抑える構造にすることが条件になる。

 町の内陸移設案はJR常磐線の津波被害を最小限にとどめ、沿岸住民の移転の受け皿を利便性のある新駅周辺とし、市街化で復興の核にする考え。

 斎藤俊夫(さいとうとしお)町長は、「この案はJRの基本スタンスと一致している」として9月2日からの住民説明会で理解を求めることにしている。
(転載貼りつけ終了)

映像編はこちら http://www.youtube.com/watch?v=lCtJdU6w8YE

長井大輔 拝