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Loginはこちら【727】[814]福島本部活動日誌です46
以下に、MLに投稿した内容を転載します。
(転載始め)
2011年11月29日の日誌です。
歯の詰め物がまた取れてしまったので、歯医者に行きました。
次は麻酔を使うそうで、またしばらく通うことになりました。
午前11時、古道体育館に行きました。
東電の職員が2人警備をしていて、中になかなか入れませんでした。
一旦諦めて川の方に行ってみたら、大家さんと奥さんにお会いして、少しだけお話しました。
もう一度体育館に行ってみました。
古道こども園の入り口や窓が全開になっていました。
体育館の脇の入り口には職員が10人弱ほど集まっていました。
もう少し近づいて撮影したかったのですが、アイミーブが通路に置いてあり、通れませんでした。
古道小学校では崖崩れの箇所で撤去作業が行われていました。
灯油を30リットル補給しました。
電気代のお知らせが来て、47.071円でした。
以前より2万円安くなったとはいえ、先月より12500円も上がってしまい、かなり嫌でした。
東北電力の「原発が近くにあって御免なさい」金を、郵便局で換金してきました。
35,700円でした。小型金庫に入れてあります。
Kさんから食料品が届きました。
K先生から石油ファンヒータが届きました。
大変有難く頂戴します。
午後1時から午後4時まで、台所と建物裏と脇のコンクリート部分にブラシをかけました。
寒くなっているので、掃除していて大変冷たいです。
体が冷え切ったので、終わった後に急いでシャワーを浴びました。
それでも、2ヶ月ぶりに普通の事務所清掃サイクルに戻れてホッとしました。
昼食は、Nさんから頂いたどら焼を一個ほど食べました。
食べながら掃除をしたので、余り行儀の良いものではありませんでした(汗)。
午後6時、シャワーで体を温めてから、作業員の帰った後の古道体育館に行ってみました。
体育館の裏側には、いつの間にか倉庫のようなプレハブが建っていました。
体育館脇には、「関係者以外ハここからの入域ヲ禁ズ」と書かれた張り紙が貼ってありました。
体育館の脇の入り口は、画用紙のような、あるいは新聞紙のような、水分を多く含んだ紙のようなものが、濡れて置いてありました。
消毒液の匂いがしました。
夕食は、ご飯、ラーメン、パン、鮭の残り、牛肉の残り、麻婆豆腐の残り、鍋の残り、でした。
体に悪そうな炭水化物系を自棄食いして大量に食べたはずなのに、一向に減らなくておかしいです。
そもそも私は余り食べませんので、私の自棄食いなんて言ってもたかが知れています。
(転載終わり)
(転載始め)
2011年11月30日の日誌です。
今日は体育館に作業員が来ていなかったです。
Hさんからお電話を頂きました。Iさんとお越しになるようです。
一日飲んだくれていて、ルジェ・カシスを空にしました。
夕食は、駄目になった麻婆豆腐の残りにラーメンとお湯を入れたもの、でした。
夕食を作る際に、K先生から頂いた石油コンロを使ってみたのですが、慣れないことはするものではありませんでした。
火をつけるだけで1時間かかりました。その他、色々とわやくちゃになってしまいました。
商品としては、灯油と乾電池だけで使えるので災害に強く、火加減も沸騰したままで止まるなど、優れたものだと思います。
なお、麻婆豆腐とラーメンは相性がかなり悪かったです。
今日は書くことがなくて困りました。
(転載終わり)
(転載始め)
2011年12月1日の日誌です。
燃えるごみを出しました。やっと出せました。
ガスコンロの網を発見しました。流しの下にありました。
部屋の中は暖房をかけているのに、・・・9度です。とても寒いです。
以前にPさん一家がいらした時は、20度までならば灯油ストーブをつけることで上げられたのですが、一人では難しいです。
それでもこたつに入れば暖かく寝られるので、大変改善されました。
2階に掃除機を半分だけかけました。
実は寒すぎたので、途中で断念しました。
ほんの少し掃除をするだけでこの有様でしたので、みっともない格好をすることを承知の上で、服装などを抜本的に考え直し中です。
二週間賞味期限切れの納豆などは、食べに食べて減らしているはずなのですが、一向に減りません。
ラーメンに納豆をかけて食べるなど、自分でも下手物食いが極まったと思うのですが、食べてしまえば一緒だと思うことにしています。
(転載終わり)
(転載始め)
2011年12月2日の日誌です。
缶とペットボトルのごみを捨てました。
朝に古道体育館の駐車場に車が停まっていました。
行ってみると、放射線量を調査するためと思われるラジコンヘリが出されていました。(注:なお、12月下旬も、作業員の格好は、この様に青っぽい作業服が多いです。それか、白い防護服を着て、原発に向かうかです。)
古道体育館の裏に、仮設トイレが移っていました。
体育館内には防護服を着た人がいました。
(←この写真では見辛くてわからないかもしれません)
古道小学校の崖崩れ現場では、崖の上に残っていた木が切られて無くなっていました。
下の校庭では切られた木が処理されて整理されていました。
電気代47071円を振り込みに行きました。
布団やソファーを干そうかと思ったのですが、この気温では干しても余り意味がないと思い、止めておきました。
布団乾燥機を使ってみます。
午後0時半、竹原信一前阿久根市長と西山千嘉子前川内村議会議員が来ました。
羊羹とお茶をお出ししました。
午後2時に288号線を、朝に見たラジコンヘリを積んだバンが帰っていきました。
ラジコンヘリを積んだバンは品川ナンバーで、他にも袖ヶ浦ナンバーや足立ナンバーのバンが5台ほど連なっていました。
灯油を30リットル補給しました。
ガソリンスタンドのおばさんに、林檎を2個差し上げました。ついでに小銭の両替もしてあげました。
夕食は9日前の鍋を減らしました。ですが、まだ残っています。
(転載終わり)
【726】[813]福島本部活動日誌です45
以下に、MLに投稿した内容を転載します。
(転載始め)
2011年11月26日の日誌です。
なんか今日は先生の言っていたことが少しだけ分かった気になりました。本当に分かってるかは微妙です。
古道体育館に行きました。内部の写真を撮影しました。
洗濯をしました。ソファーを干しました。
午後4時、Pさんご夫妻が、お子さんを二人連れてきました。
お風呂に入って頂きました。
夕食として、ご飯、鍋、南瓜のスープ、鮭の刺身、をNさんが用意してくださいました。
Pさんに船引に買出しに連れて行って貰いました。
TSUTAYAで本を二冊、ダイユーエイトで半額の牛肉などを購入しました。
お二人で、事務所の地図の上に、昨日Bさんから頂いた寄せ書きを飾って頂きました。
大変有難うございました。
夕食後、P夫妻と飲んだくれていました。
お子さん2人の世話をしながらだったので、滅茶苦茶偉いなぁ・・・と思いました。
Pさんは、
「自分の国は左、右、中道に力が無く、中道左派、中道右派に力がある。」
「日本とは、右と左の定義がかなり違うかもしれない。自分の国では70年代までファシズムの時代だったので、「共産主義者」というのはむしろヒーローのイメージがあった。今の若い人間たちはまた違うが。」
と言っていました。
また、日本の政治について、
「党の代表選がそのまま総理大臣を選ぶのと同じになるのはおかしくないか?また、日本人はおかしいと思うことはないのか?自分は高卒だけど、自分たちの代表を自分達で選んだからといってそれで全ての問題が解決する訳ではないが、自分達の一番上の代表を選ぶ時には直接選ぶべきじゃないのか?」
「ヨーロッパ人から見るとアメリカ人は『ああ、洗脳されていて可哀想な人たち』というイメージで、逆に可哀想というか、自分としては、そこまで言わなくても、と同情してしまう」
「NHKの放送は、最初に見たとき、穏やかな口調の北朝鮮の放送だと直感で言ってしまったら、周りに怒られた」
「日本人には良い所が一杯なのに勿体無い。ヨーロッパのように厳しくストライキやデモをするのは合わないとは思うが、それでももう一寸主張するべきじゃないだろうか。自分の頭を使って自分の考えを持つべきだ。・・・というのは、変なガイジンなのだろうか。」
とも言っていました。
都路ではディスカッションバーやディスカッションカフェをやったらどうだろうか、とも言われました。
何はともあれ議論をするのを売りにするところのようです。
・・・出来たにしても、私は話を聞いてばかりになってしまいそうなので、あまり役に立ちそうにありません。
もしやるなら、誰か応援を頼むことになりそうです。
なかなか日誌が書けなかったので、深夜に外風呂に入りました。
風呂の中は暖かいのですが、風呂の縁は凍りかけていました。
流石にお湯が冷めるのが早かったです。
(転載終わり)
(転載始め)
2011年11月27日の日誌です。
11月26日の朝に古道体育館に行っていましたが、写真を転載するのを忘れていましたので、ここで書いておきます。
体育館の玄関付近には、倉庫用のプレハブが2つ建っていました。
体育館前の駐車場には、数字の書かれたガムテープ片が、一定間隔で貼られていました。
内部は、夏に使われていた扇風機などは、脇にどかされていました。
体育館の脇の出入り口は、一時帰宅の出入り口でもあるので、やや厳し目にビニールがかけられ、ガムテープで固定されていました。(ただし、ここからの一時帰宅はもうないのかもしれませんが。)
体育館の一部は、「森の水」の入っていたダンボールで敷居がされていました。
また、Bさんの寄せ書きは福島の地図の上に展示してあります。
昨日、Pさんは他にも
「自分の国では1988年にカラーテレビになって感動した」
「PIIGSは、いつか金融崩れがくる、だって余り国全体で働いていなかったし、という国民全体での共通合意のようなものがあった」
「「いつ』崩れるのかが興味があった。それに、農村の自給自足をしている農家には、結局関係無い事だった」
と言っていました。
朝食は、残っているものを中心にNさんが用意してくださいました。
ご飯、鍋、鶏肉の照り焼き、鮭の焼き魚にイクラを添えたもの、・・・だったと思いますが、昨日の酒が残っていて良く覚えていません。
午前11時、Tさんが来ました。
Pさん一家が大広間を掃除して下さいました。布団も干してくださいました。
正午にPさん一家は帰りました。
大変お世話になりました。
Tさんに、お茶、ノンアルコールビール、鍋、南瓜のスープの残り、をお出ししました。
外風呂も用意しました。
Tさんは2時半に帰りました。
午後2時、大家さんと奥さんが汚水の排水管で外れているところを修理に来ました。
本当は来るはずだった、大家さんの知り合いの東電関係の配管工の人がいつまでも来ないから、自分達でやってしまおう、と思ったそうです。
応急補修の形ではありましたが、汚水の漏れはほとんど無くなりました。
もう少ししたら、ちゃんと補修すると言っていました。
amazonから大量の荷物が届きました。
長いLANケーブル、布団乾燥機、毛布3枚、電気こたつ、でした。
特に電気こたつは、これを使いながら、冬を越す準備を抜本的に考え直します。
またamazonでロシュフォール10を、お客様用、あるいは贈答用に注文しました。
減らないワインを買う位なら、減るビールを買う方が良いと判断しました。
・・・このビールだけは飲めるので、自分で飲んでしまわないように気をつけます。
・・・・・・・・・まあ、高いので、飲むことは貧乏性の私には無いとは思います。
LANケーブルを直接繋いで使ってから、殆ど問題は起きていません。
ただし、時折短時間ですが、モデムのADSLのランプが点滅していて、繋がっていないことがありました。
Rさんが気にしていた「かわうちの湯」についての写真は、内部を撮った
しか見つかりませんでした。
(転載終わり)
(転載始め)
2011年11月28日の日誌です。
朝・・・というよりは昼に起きて、昨日Tさんに自動車のバッテリーが上がらないようにする処置を教えて貰った事を思い出しました。
一週間に一度、自動車のエンジンをかけて10分そのままにしておく、というものでした。
本当は走った方がいいらしいのですが、流石に止めておきます。
また、燃えるごみを出すのを忘れました。最近のごみ出しは失敗ばかりです。
新聞が集金に来ました。2905円でした。
午後3時半、以前事務所にいらしたKさんからお電話があり、食料品の差し入れをされると言って下さいました。
大変恐縮です。
夕食は、ご飯、鮭を焼いたものの残り、牛肉を焼いてからYさんから頂いた焼き鳥のタレを投げ込んだもの、麻婆豆腐の残り、でした。
鍋が減りませんし、麻婆豆腐はまだまだ残っています・・・。
午後4時40分、体育館に行ってみました。
体育館の玄関付近には作業員が6、7人いて、写真を撮りづらかったです。
公民館脇のプレハブは、中が覗けるようになっていました。中の物資はかなり少なくなっていました。
体育館の裏側に回って中を撮影しました。
中は、灯油ストーブ、ビニールで覆われたパイプ椅子、事務用の机と事務用品、ビニールハウスの様なもの、が新たに置いてありました。
午後6時には体育館の電灯が消えていました。
コタツで寝るようになって、やっと普通に寝られるようになりました。
これまでは朝起きると体が氷の様で、辛かったです。
これでやっと、体力が回復させられそうです。
更に、寝るときに部屋を暗くしてから
「ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD」
(http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0011FM33A)
(http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00186BHPC)
(http://www.amazon.co.jp/gp/product/B003GF6R80)
のシリーズをかけると快眠出来ます。
ロシュフォール10の注文は、クレジットカードの少ない月内使用額の限度を超えてしまい、一旦キャンセルになってしまいました。
灯油ストーブなど出費がかさみ続けたことが重なって、こうなってしまいました・・・。
ネットを有線にしてから、回線が速いような気がします。
外風呂に入りました。
出る時寒くて、なかなか出られません。
(転載終わり)
Pさま、これが先生の言うところのworld valuesかぁ・・・と感心しながらお話を伺っておりました。
Kさま、頂戴しましたたくさんの食料は、少しずつ大切に頂きます。
【725】[812]野村に資本注入計画
松尾雄治です。
Facta Online 2012年1月版より転載します。
(貼り付け始め)
野村救済に「資本注入」計画
1月に格下げなら土俵際。三菱UFJか三井住友との資本提携を模索。銀行免許をもらう奥の手も。
Facta Online 2012年1月号
「野村證券は日銀に取引口座がある証券会社です。資金繰りに困るわけないでしょう」――野村證券の持ち株会社、野村ホールディングス(HD)執行役員(リスク担当)、柏木茂介は、必死で欧州の金融当局や格付け会社に説明を続けてきた。
野村が資金繰りに窮しているとの噂はこの夏、欧州のインサイダーたちの間で燎原の火のごとく広がった。火元は英国の金融監督当局である金融サービス機構(FSA)。3年前のリーマン・ショック以降、金融機関の資金繰り破綻にことのほか神経質で、主だった日系金融機関の現地法人や支店に対しても資金繰り状況を定期的に報告させていた。11年に入ってから、資金の市場依存度が高い野村に警戒感を強め、日本の金融当局に指導を打診するほどだった。
英FSAの動きに気づいた欧米格付け会社は、野村にヒアリングを開始した。現在の野村の格付けは米格付け会社ムーディーズ・インべスターズ・サービスでBaa2。取引相手の信用リスクに神経を尖らせている欧州資金市場では、格付けが1段階下がっただけでデリバティブ(金融派生商品)取引はかなり困難になり、2段階下げだと投資銀行業務がほぼ麻痺し、国際取引から完全撤退を余儀なくされる。
日銀は特融に慎重姿勢
焦った野村は「日銀口座」まで持ち出して格付け会社に説明した。確かに銀行でも破綻した日本振興銀行に日銀は口座を開かせなかったから、それは日銀が野村を「信用」しているお墨付きだし、いざというときの資金供給のチャネルでもある。
だが、これが仇となる。柏木の説明を受けた格付けアナリストが内々に日銀関係者に問い合わせると、「担保の範囲内でならいくらでも」と答えたものの、無担保でも貸し出す日銀特別融資(特融)は「簡単に発動できるわけがない」と繰り返した。
ムーディーズが野村の格付けを11月9日に格下げ方向で見直すと発表したのも、同月1日発表の7~9月期連結決算が460億円の赤字に転落しながら、日銀を含む当局が「万一の時は救済する」とのサインを出し切れなかったからでもある。
野村の窮状は株価に端的に表れている。9月6日に大和証券グループ本社を下回り、低迷の一途で時価総額は1兆円を割り込んだまま。野村が主幹事のオリンパスの不正会計が表面化した11月上旬には、つられてストップ安。慌てて野村證券副社長兼COO(最高執行責任者)の柴田拓美が、兜クラブのキャップ級記者を個別に呼んで「風評被害だ」とばかりに説明に努めた。
実は英FSAの強い懸念を受けた日本の金融庁は、11年夏から強力な野村監視体制を組んでいる。事実上の「金融庁管理会社」とのボヤキが野村社内からも漏れる。「とにかく手元資金を厚くしろ」との指示のもと、野村は傘下の野村プリンシパル・ファイナンスを通じて投資していた外食大手すかいらーく株を米ファンドに売却、2600億円の現金を確保した。野村不動産や野村総合研究所の売却先探しも躍起で、香港のファンド関係者の間では「買い叩ける」との見方も広がった。手元を厚くして市場の信認を得たい、格下げを回避したい、との必死の工作だ。
野村は当局の指導もあって、メーンバンクづくりにも動いた。すかいらーく売却前の11年夏にはグループCEO(最高経営責任者)の渡部賢一が、三菱東京UFJ銀行頭取の永易克典を訪ね、資金繰り支援を要請。クレジット・ライン(資金貸出枠)の設定で合意したもようだ。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)では、傘下の三菱証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)が巨額赤字を繰り返し計上してきただけに、野村の国内部門は垂涎の的で、できればこの機に買収したいとの思惑。野村にとっても三菱UFJはいざというときの駆け込み寺。両社の企画部門は頻繁に会合を設け、相手の腹を探りあっている。
ただ、MUFGは米投資銀行モルガン・スタンレーを11年春に連結対象にしたこともあって「旧リーマン部門は不要。海外を売却してから」と三菱・野村の資本提携に高いハードルを課している。
そこへ、MUFGの動きを察知した三井住友FG(SMFG)がちょっかいを出した。野村へクレジット・ライン契約を打診し、出資を含む交渉に入った。三井住友にしてみると、日興証券は買収してみたものの、海外拠点網はお寒いかぎり。野村、大和と違って証券部門は黒字を維持しているが、収益源にまで育てるには海外網も持つ野村は手に入れたい代物だ。そのうえ「万一、三菱にとられたら、二度と差は埋められない」と危機感を募らせている。
野村サイドにもMUFGとの交渉を有利にしたいとの思惑があり、三菱側に三井住友からのアプローチを隠さず、両てんびんにかけている。
内部の立て直しでそれどころではないみずほFGを除いた2メガバンクの野村争奪戦は、しかし意外に盛り上がりに乏しい。2メガとも、欧州危機が一段と深刻化した10月以降、野村の欧州での資産は劣化したとみており、不良債権の山ではないかと警戒し始めているからだ。日本の金融当局は英FSAの野村への検査をベースに「悪化を織り込んでも債務超過にはならない」と伝えている模様だが、両メガとも「もう少し欧州情勢が落ち着くまでは」と慎重になり、いざという時に間に合わなくなる恐れが出ている。
劣後債「特約」にドッキリ
実は、英FSAが指摘した懸念は野村の資金繰りだけではない。日本政府に野村のきちんとした救済手法がないことを問題視、米リーマン・ブラザーズの破綻が世界的な金融システム不安につながった例を引きながら「巨大証券が万一破綻したら大変」と制度対応を求めている。
米国ではリーマン危機直後、大手投資銀行ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーとも銀行持ち株会社に移行しており、いざとなれば「銀行」として救済が可能。日本では野村と大和が証券会社のままで、“伝家の宝刀”である預金保険法102条に基づく公的資金注入で救済することができない。
欧州危機の深刻化に金融当局も「野村が万一の時は」と野村HDに銀行免許を出すことを検討したが、不動産会社やプリンシパルを抱えたままでは「難しい」と諦めたという。そこで野村は、銀行免許もとれるよう野村不動産の売却に動き、プリンシパルも全て投資株を売却して事実上機能停止した。いざというとき銀行免許を取得できる道筋はできつつある。さらに、新しい自己資本比率規制(バーゼル3)下でも自己資本に算入できる劣後債1700億円を主に個人向けに売り出し、12月12日から募集に入った。金融庁が破綻認定し公的資金が注入されたら元利の支払いをやめる特約付き。「そこまでやるか」と市場は目をむいた。
欧州危機で野村には多くの安全ネットが張られた。1月末ごろにはムーディーズの格下げ判断の時期が来る。後手に回らぬ戦略は打ち出せるだろうか。(敬称略)
(貼り付け終わり)
松尾 雄治 拝
【724】[811]鉄と海と山の話
会員番号1149番の茂木です。
以前、山岳と海洋とを繋ぐ河川を中心にその流域を一つの纏まりとして考える「流域思想」について書いたこと( [297] )がありますが、最近この考え方に関連する本、“鉄は魔法つかい”畠山重篤著(小学館)を読みました。感想をブログ
http://celadon.ivory.ne.jp
に書きましたので、記事を転載させていただきます。ご意見などいただければ嬉しく思います。
—————————————-
鉄と海と山の話(12/12/2011)
“鉄は魔法つかい”畠山重篤著(小学館)という素晴らしい本を読んだ。まずは新聞の書評を紹介しよう。
(引用開始)
古来、漁師の間には、豊かな漁場と近接した森を示す「魚付林(うおつきりん)」という言葉があった。沈めた錨(いかり)の周りに魚が集まることも知られていた。だが、カギを握るのが「鉄」と分ったのは最近のこと。森から運ばれた土の中の鉄分が植物性プランクトンをはぐくみ、豊かな海を支える。
宮城県気仙沼市でカキ養殖を営む著者が、この事実に30年がかりでたどり着くまでをつづった。多くの研究者の協力や助言を得ながら解明に取り組む熱意に引き込まれる。
「森は海の恋人」を掲げて植林を始めた1989年当時、科学的根拠は乏しかった。研究費を工面してくれた母は大津波の犠牲となり、設備も損壊した。絶望の底で得た「それでも三陸の海は死んでいない」という確信が、出版につながったという。
(引用終了)
<毎日新聞 11/6/2011>
ということで、復興に努力しておられる畠山さんを支援する意味でも、是非本書を購入いただきたい。ただし、本屋によっては絵本の棚に分類されているから見つけにくいかもしれない。
この本の内容構造は多層である。以下、それぞれの層について見てゆきたい。
1. 復興
この本の「あとがき」が書かれたのは、東関東大震災からおよそ1ヵ月後の2011年4月、初版発行は同年6月6日である。この本には著者の大災害からの復興への祈りが込められている。
2. 絵本としての魅力
この本には、以前にも著者とコンビを組んだことがあるという、スギヤマカナヨさんの絵やイラストがたくさん載っている。文章と絵とのハーモニーは楽しく、描かれたイラスト図は内容の理解を助けてくれる。
3. 鉄に纏わる科学知識
フルボ酸のはたらき、深層大循環、血液と鉄分、オーストラリアのしま状鉄鉱石、鉄炭団子、ムギネ酸、アムール川とスプリングブルームとの関係、巨大魚付林など、鉄に関する地球規模の知識を得ることができる。
4. 流域思想
畠山さんの「森は海の恋人」活動については、以前「牡蠣の見あげる森」の項でも紹介したことがある。そのとき“流域思想”というキーワードを使った。これは、山岳と海洋とを繋ぐ河川を中心にその流域を一つの纏まりとして考える思想で、これからの食やエネルギーを考える上で重要なコンセプトである。詳しくは「流域思想」、「流域思想 II」などの項を参照していただきたい。
5. 境界学問
境界学問とは、ある現象について、専門領域を超えて統合的に分析・研究する学問のことである。この本には、生物学や化学は勿論のこと、気象学や海洋学、地質学といった様々な学問が融合する様が描かれている。以前「エッジ・エフェクト」の項で文化の融合について述べたけれど、学問領域においても同じことが云えるわけだ。エッジ・エフェクトは、パラダイム・シフト(その時代や分野において当然のことと考えられていた認識が、革命的かつ非連続に変化すること)を惹起する。パラダイム・シフトについては「パラダイム・シフト」、「パラダイム・シフト II」の項を参照いただきたい。
6. ハブの役割
上記の新聞書評に「多くの研究者の協力や助言を得ながら解明に取り組む熱意に引き込まれる」とあるけれど、畠山さんは、大切なことがあれば、北海道から東京、京都、山口、沖縄、さらにはオーストラリアへまですぐに飛んでいく。以前「ハブ(Hub)の役割」の項で、知人や友人の数(次数)が多い人が果たす社会的役割について書いたけれど、情熱の人・畠山さんは間違いなく、東北復興を担う「元気なリーダー」のお一人である。
【723】[810]アメリカに操られた、 ヨーロッパの財政統合・金融統制へのシナリオ
SNSI研究員の根尾知史です。
はたして、ユーロは、ヨーロッパ経済は、
これからどうなって行くのでしょうか。
欧米のメディアも、今ごろになって、ユーロを崩壊
(解散)させてしまうことの「コスト(損失)」が
膨大すぎるから、何としてもユーロの分裂・解体は
防がなければならない、と言い始めました。
先月まではあれほど、ユーロの崩壊も避けられないと、
さんざん「ユーロ危機」煽っていた、その同じ舌の根
も乾かぬうちにです。
日本のマスコミは論外ですが、欧米の一流金融紙や
英BBCなどの国営放送でも、やはり大きくはアメリカ
に操られて、踊らされて、「国際世論を扇動する役割」
をさせられているのです。
ユーロ危機やヨーロッパ諸国の財政危機を集中的に
報道させることで、アメリカ自身が自国で抱える巨額の
財政赤字や、米国債がデフォルト(債務不履行、金利や
返済の不払い)間近である実態から、しばらく世界の
注目をそらすということはできるでしょう。
だから、日本国内で金融評論家や経済学者を名乗る
「扇動家(アジテーター、agitator)」たちが、
アメリカの世界規模での情報戦略の術策にはまって、
なんでもかんでも「破綻だ、破綻だ!」とオオカミ少年を
やらされて、騒ぎ立てて、不安を煽って、それで本や
雑誌が何万部も売れればいい、というものではありません。
そうではなくて、実際は、アメリカのロックフェラー
国際資本勢力の後ろ楯を受けた、ドイツのメルケル
首相と、フランスのサルコジ大統領、新しいイタリアの
マリオ・モンティ首相(官僚出身)、そして、
欧州中央銀行(ECB)のドン、マリオ・ドラギ総裁と
彼がひきいるヨーロッパの「国際官僚(テクノクラット)」
たちが、欧州の政治家とタッグを組んで、アメリカが
ヨーロッパで抱え込んでしまった巨額の損失が表面化
するのを、どうにか抑え込んでしまおうという動きが
画策されているのです。
だから、統一通貨のユーロを利用する17ヵ国ばかり
ではなく、EU(欧州連合)に加盟する27ヵ国
(イギリスを除くと26ヵ国)で、無理やりの財政統合、
金融・税制の統一化を、強引に押し進めることに
決まりつつあるのです。
ヨーロッパのEU加盟27ヵ国が、財政統合すると
それはまるで、アメリカ合衆国の50州が、統一通貨
である米ドル(USD)を介して財政統合されて
いるのとおなじような状態になる、という構想が
あるようです。
以下に、そのことを解説した記事を、抜粋でご紹介します。
(転載貼り付け始め)
●「米国各州と欧州各国の統合の違い」 Capital―経済コラム
ウォール・ストリート・ジャーナル 日本版 2011年 12月 15日
http://jp.wsj.com/Economy/Global-Economy/node_360939
欧州は一段と完全な財政統合に傾いている。少なくとも、ドイツは
そう表現し、「Stabilitätsunion(安定統合)」と呼んでいる。
(中 略)
ドイツの視点では、ユーロを救済できる唯一の長期的解決策は、
規定されている財政規律に向け各国財政に対する共同体としての
統制を強化することだ。
米国では財政統合が確立している。ドイツからギリシャへの資金
提供の場合のような騒ぎを伴わずに、米政府を通しコネティカット州
の納税者が納めた税金はカリフォルニア州の失業保険に向けられる。
また、労働者は米国の50州を自由に行き来できる。欧州諸国間と
異なり、米国の州ごとのインフレ率の違いは持続しない。
米国の州はほぼ全部、多くの場合州憲法によって、年間の財政均衡が
既に義務付けられている。
しかし、欧州の場合は各国が単一通貨を共有している。それぞれの
国が、明白な連邦政府による援助といったものはなく、独自で
借り入れを行う。米地方債市場は総額2兆9000億ドル(約230兆円)
規模に達する。
このことが、エコノミストが熟考してきた疑問につながる。
ギリシャの状況を受けてイタリアの借り入れコストが押し上げ
られるのであれば、米イリノイ州や米自治領のプエルトリコ
(米国の他州と比較して経済規模に対する債務比率が最も高い)
の信用力を巡る市場の疑いが強まると、カリフォルニア州に
同じことが起こり得るだろうか。
(中 略)
その答えは意外だ。以下のシナリオを考えてみよう。イリノイ州は、
高水準の債務や機能しない政治のために、地方債に対し既に他州
よりも高い金利を払い、債務返済の深刻な問題に陥っている。
(中 略)
欧州に目を向けると、答えは明白なようだ。過剰債務を抱えた国が、
同様に過剰債務を抱えた諸国の借り入れ金利を押し上げる。
しかし、国際通貨基金(IMF)の新たな作業リポートによると、
こうした現象は米国ではみられていない。
・・・1つの州の借り入れコストの上昇は通常、他州の借り入れ
コストの低下につながっていることが分かった。
これは欧州で非常に歴然とした波及パターンとは正反対の状況だ。
(中 略)
・・・おそらく(米国の)地方債市場は非課税のミューチュアル
・ファンドがほとんどだ。発行体の1つが不安定に見えても、
投資家は市場を離れるのではなく、資金を他に移す。
もしくは、不安なニュースが出てきても個人投資家は税制面での
優遇措置を望んで自分の住む州の債券を維持することから、
問題が州を越えて素早く広がることはない。
(中 略)
コロンビア大学のアンドリュー・アング氏は欧州からの興味深い
教訓に注目している。同氏の研究はIMFチームのものと類似している。
同氏は、米国の50州はユーロ圏加盟17カ国よりも経済的統合が
ずっと進んでいるとみている。したがって米国の州が発行する
地方債は、たとえば、原油高、デフレ圧力、米国債格下げといった
米経済全体に吹き付ける逆風に対する反応が大きいと考えられる
(また、実際多くのエコノミストがそうみなしている)。
一方、それほど統合されていない欧州経済のなかでの各国の国債は、
それぞれの国の状況に一層大きく反応する。
(中 略)
なぜ欧州と米国のケースはそれほど異なるのか。アング氏は2つの
矛盾する仮説を示す。
カリフォルニア州の債務問題がいかに混乱していようとも、
「ドル連合」の崩壊を懸念する向きはいないだろう。もしくは、
投資家は米政府が破綻の危機に直面した州の救済に乗り出すと
確信しているだろう。
しかし、(欧州の場合に)ドイツが同じことをするかどうかは
確信が持てない。
(以後、略)
(転載貼り付け終わり)
だから、ヨーロッパはこれから、どんどん財政・金融制度
を統合させられて、ユーロ(EUR)を統一通貨とする、
「ユナイテッド・ステイツ・オヴ・ヨーロッパ(ヨーロッパ
合衆国)」をめざす方向性にあるのだと考えられます。
これによって、税制度も効率化し、ユーロが流通する
するヨーロッパ諸国に、いっせいに「統一増税」を
実施するのつもりなのでしょう。
こうしてヨーロッパ全土の諸国民から、資産を巻き上げて、
「大きすぎて潰せない(トゥービッグ・トゥーフェイル)」
を口実に、巨額の含み損、不良資産を抱えるヨーロッパの
大手銀行をヨーロッパ統一の「公的資金」で救済するのです。
アメリカの中央銀行である「FRB(米連邦準備制度・銀行)」
にあたるのが、「ECB(欧州中央銀行)」になります。
ECBが、EU(欧州連合)加盟の27ヵ国から統一増税で
巻き上げた「税金」が、「公的資金」の半分を占めるでしょう。
残りの半分は、EU(欧州連合、つまり、ユナイテッド・
ステイツ・オヴ・ヨーロッパ=ヨーロッパ合衆国)が
発行する「ユーロ共同債(ユーロ・ボンド、Euro bond)」に
よる外国からの借金が、ヨーロッパ共通の「公的資金」です。
こうして無理やりあつめた「公的資金」を注入して、
ヨーロッパの潰れそうな大手銀行や金融機関を、国営化
したり、合併統合させて、ゾンビ企業として生き長らえ
させるのでしょう。
欧州統一の中央銀行(ECB)の「公的資金」で、ギリシャや
アイルランドやスペインの国債を買い支えて、デフォルト
(債務不履行)するのを抑え込むのです。
だから、これらのヨーロッパ諸国の国債を保証している
ハイテク保険商品である「CDS(クレジット・
デフォルト・スワップ)」を販売していたアメリカの
銀行たちも、補償金の支払いを迫られて、倒産の危機に
直面するという、リーマン・ブラザーズの失態を
無理やり回避させられるのです。
米ロックフェラー金融資本と欧英ロスチャイルドとの
フィクサーをつとめる、ヘッジファンド界のドン、
ジョージ・ソロス(1930- )も、そうしたアメリカに
よるヨーロッパの債務危機への対応戦略の一端を、
以下のようなパフォーマンスで担っているようです。
(転載張り付け始め)
●「ソロス氏のファンド、破綻したMFグローバルの欧州国債購入―20億ドル相当」
HEARD ON THE STREET
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2011年12月9日
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Finance/node_357851
著名投資家ジョージ・ソロス氏一族のファンドは、
経営破綻した米金融会社MFグローバルが保有していた
約20億ドル相当の欧州国債を買い取った。関係筋が明らかにした。
これらの国債への投資損が同社の経営破綻の一要因になっていた。
同社はジョン・コーザイン前最高経営責任者(CEO)の指示により、
トレーディング収益を上げるため、イタリアを中心に欧州の様々な
国の短期国債を買い、保有額は63億ドルまで積み上がっていた。
夏にかけ、これらの国債投資をめぐり、投資家、監督当局、
格付け会社の間で懸念が強まり、同社は10月31日、連邦破産法
11条の適用申請に追い込まれた。
MFグローバルは63億ドル相当のうち15億ドル相当を破産申請
前に売却し、48億ドル相当が残った。こうした残りは、
ロンドンでのMFグローバルの破産管財人KPMGに引き継がれた。
(中 略)
ソロス氏の会社は今年、投資の一部を安全な流動資産に移して
いたため、今回約20億ドルを支払うことができた。
同筋によると、同氏とソロス・ファンド・マネジメントの
投資チームの購入額は当時の時価より低かった。取引には
JPモルガン・チェースも参加。ほかにも大手投資家がいた
という。JPモルガンの広報担当はコメントを控えた。
ソロス氏のファンドは取得した国債の半分以上を今も保有
しているという。
ソロス・ファンド・マネジメントは、ソロス氏、一族、同氏の
慈善事業の資金260億ドルを運用している。最近イタリアを
はじめとする欧州国債の相場が持ち直していることから、
その後の5週間で利益を得た可能性がある。
(中 略)
ソロス氏のイタリア国債購入は大きな意味を持つ。
世界有数とされる賢い投資家が、少なくとも今回購入した
国債が償還を迎える2012年12月までは、イタリア国債が
デフォルトしないと見込んでいることを示すためだ。
同氏の動きはユーロ圏の危機拡大が回避されることに
賭けるようなものである。
(中 略)
第2四半期の投資が期待外れに終わったことから、
ソロス氏は外部投資家に10億ドルを返還して会社を
「ファミリーオフィス」に変えることを決めた。
そのため、多くのヘッジファンドが直面している
当局の監視強化を避けることが可能だ。
(転載張り付け終わり)
たとえ目論みどおりにユーロ危機を沈静化できても、
私がこれまで何度も書いてきたとおり、「ヨーロッパ人
の税金」と「他国からの借金」で充当される「公的資金」
を、銀行を救済するために大量に注ぎ込んだあとの
ヨーロッパには、「失われた10年、20年」が
待ち構えています。
日本政府が、1990年のバブル崩壊で不良債権を
抱えた日本の銀行に「公的資金(日本国民の税金)」
を注入して救済したあとに、日本経済を襲った
「失われた20年」が、これからヨーロッパでも
始まるのです。
いっぽうのアメリカには、「失われた●●年」という
ような悠長なことを言っている余裕はありません。
来年早々には、ヨーロッパの数倍の規模で米国債が
デフォルト(債務不履行)するという「債務危機」や
「米ドル危機」が、ふたたび勃発するでしょう。
だから副島隆彦先生が書かれるとおり「戦争(刺激)
経済(ウォー・ブースト・エコノミー)」で、
世界のどこかで無理やり戦争を引き起こすという
戦略で、来年から新たな戦火が拡大していくのでしょう。
ヨーロッパは、表面的にはこの「戦争(刺激)経済」
戦略は採りません。
上品ぶった老獪なヨーロッパ人たちは、増税と借金と、
アメリカが引き起こす戦争への密かな荷担をするしか
ないので、日本と同じようにじわじわと衰退して行く
しかないのです。
ユーロの見通しは非常に難しく、一概にいいか悪いか、
という判断はできません。
私が以前から書き続けているとおり、ユーロという
ヨーロッパ統一の通貨をいまから解散して、改めて
それぞれの国の通貨に戻すことは、そのためのコストや
労力、生じてくる様々な損失やそのリスクを考えると、
現実的ではありません。
ヨーロッパは、ギリシャやアイルランドやスペインが
債務危機だと言っても、その借り入れ先は、主にドイツ
とフランスであり、つまりおなじ通貨圏のなかにおける
「内輪」の貸し借りです。
いっぽうのアメリカは、中国と日本、サウジアラビアなど
から、その借り入れ額の半分近くを借り入れています。
しかし、それでも足りない財政資金を、アメリカの中央銀行
(FRB、米連邦準備銀行)に米国債を買い戻させるという
「禁じ手」の架空の借金政策でまかなっています。
そのための資金源が、一昨年から続けている「QE(量的
緩和政策、キューイー、クオンティテイティヴ・イージング)」
です。何のことはない、担保のない「米ドルの増刷」です。
米国債の発行総額に対する、外国への販売比率が減少
しているように見えるのは、自国内で米国債をさらに
買い上げているからです。
しかしそれでも、中国やサウジアラビア、日本などの
外国からの借入が巨額であり、ヨーロッパのように
ユーロ経済圏の「内輪」での借金ではありません。
だから、いまヨーロッパ諸国がやっているように、
債務の返済や利払いができなくなった時点で借り換え
をして返済期間を延長させるとか、契約条件を変更
したり、契約そのものをなかったことにしたり、
ということができません。
したがって、「債務不履行(デフォルト、財政破算)」
が実現する可能性は、アメリカのほうがより高くて
明確なのです。
だからこそアメリカは、イランで新しい戦争を起こして、
経済が破綻しそうな状況を、戦争の混乱でうやむやの、
めちゃくちゃにしてしまおうと目論んでいるのです。
ニューヨークのワールドトレードセンターへの旅客機
追突テロ、「9・11(セプテンバー・イレヴン)」くらい
の規模と衝撃で、世界中の人々を震え上がらせるような
突拍子もない襲撃や爆撃、テロ事件を仕掛けてくると
警戒しておくべきです。
そのあとの急激な武力衝突(つまり、戦争)から、
世界各国に恐怖をあたえて、金融危機や国際経済
システムが崩壊しそうな現在の危機を、無理やり
「戦時緊急統制令」のような強硬手段で抑え込んで
帳消しにしてしまうのです。
「緊急時だからしょうがない」という、私たちが
「3・11」の東北東日本大震災と、福島原発事故の
混乱と恐怖のなかで何度も言い聞かされたあの言葉
(口実、正当化)で、欧米人をいっせいに扇動する
のでしょう。
だからいまでも、欧米のメディアは、フクシマは
まだまだ放射能汚染が深刻で「危険だ危険だ」という
報道を、自国民に流し続けています。
「戦時緊急統制令」で、緊急の「増税」や「銀行の
業務一時停止」、「預金引き出し制限(預金封鎖)」
を強行しようとしているのです。
あやゆる金融取引やお金の流れを規制して監視する、
第二次世界大戦時のような、恐ろしい「戦時統制経済」の
国家総動員体制にまで、強引に持っていくのです。
そのとき、ユーロや米ドルや日本円がどうなるのか。
やはり基本は、複数の地域や分野などあらゆる形に
広く分散して、まさかのための保全の体制を
各自整えておく、ということに尽きるのでしょう。
根尾知史拝
【722】[809]ギリシャとローマから世界的な<官僚統治>の時代が始まった
SNSI研究員の根尾知史です。
11月16日(水)に、イタリアの新首相としてマリオ・モンティ
(Mario Monti、1943- )という、欧州委員会の委員を10年近く
務めた、もとヨーロッパ高級官僚だった人物が就任しました。
マリオ・モンティ伊新首相は、1972年に、アメリカ財界の
帝王である、デイヴィッド・ロックフェラーによって設立された
「日米欧三極委員会(トライラテラル・コミッション)」の
ヨーロッパ委員長もつとめたことがあり、さらに、欧米の金融・
財界人と政治家や官僚など国家権力者たちが一同に会する
「ビルダーバーグ会議」の主要メンバーでもああります。
さらには、ゴールドマン・サックスの国際顧問もつとめる、
米ロック・フェラー陣営の人物なのです。
いっぽう、ギリシアにもの新しい首相も、イタリアと同じく
「官僚上がり」の人材である、ルーカス・ディミトリオス・
パパデモス(Lucas Demetrios Papademos、1947年- )が、
11月11日(金)に就任しています。
パパデモスは、欧州中央銀行(ECB、ヨーロピアン・
セントラル・バンク)の副総裁を約8年務めていました。
そしてパパデモスも、同じくロックフェラーの「日米欧
三極委員会(トライラテラル・コミッション)」の会員を
現在も務めているのです。
このパパデモス新首相はMIT(マサチューセッツ工科大学)、
イタリアのモンティ新首相はイェール大学と、いずれも
アメリカ留学経験がある完全な「親米派」です。
これはまさに象徴的なできごとです。暫定的とは言え、
選挙で国民から選ばれた国家のリーダーを追い出して、
官僚(テクノクラット)が、その地位を乗っ取ったのです。
ギリシャのあとにイタリアまでが官僚支配の手に落ちました。
まさに、官僚支配による金融統制体制が、ヨーロッパでも
日本でも、中国はもちろん世界の国々を、ものすごい勢い
で覆いつくして行く、その明確な予兆なのです。
「スーパーマリオ」ことマリオ・モンティ伊首相が、
これからの政策について語った以下の記事は、短いですが
非常に恐ろしい、これからの官僚支配による経済統制
政策が始まることを示唆するものです。
官僚統制、官僚主導による徹底したイタリア国民資産
収奪によって、財政危機に苦しむ国家財政を再生させる
ための管理・統制経済の方向に舵を切ったことを示す、
強力な発言であることに、注目しなければなりません。
(転載張り付け始め)
●「【NewsBrief】モンティ次期伊首相16日に施政方針を説明」
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2011年 11月 16日
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_344434
【ローマ】イタリアの首相に間もなく就任するマリオ・モンティ
氏は15日、就任後の政策についてナポリターノ大統領に16日午前
に提示することを明らかにした。
欧州委員会の不公正取引を監視するなどの担当委員を務めたモンティ
氏はこの日、閣僚候補者のリストや、既に「青写真はできている」
と本人が語る今後の政策については明かにさなかった。
モンティ氏は同日、与野党指導者、労働組合や財界幹部、青年団体
などの幹部らと会談、意見交換した。会談後にモンティ氏は関係者
の「全員」が、イタリア社会全体のためになるのなら「部分的には
犠牲を受け入れる」姿勢を示したと語った。
また、一連の会談で、労働組合や左派政党が推す富裕層を対象に
した課税を取り上げたことを示唆した。富裕層に対する課税は、
中低所得層が大きく影響を受ける各種財政支出削減策の交換条件と
みられている。多くのエコノミストは、モンティ氏が労働者に大きく
影響する年金制度改革に早急に手を付けるとみている。
(転載張り付け終わり)
イギリス最大の経済紙「フィナンシャル・タイムズ
(Financial Times)」の記事を読んでいても、マリオ・
モンティ首相やパパデモス首相のことを、「EUの権力に
近いリーダーたちにより率いられる新しい技術官僚政権
(new technocratic governments headed by leaders
close to European Union authorities)」とか、
「専門技術官僚首相(technocratic prime minister)」
などという言い方で表現しています。
「官僚」は通常、英語で「ビューロクラット(beaurocrat)」
ですが、海外の記事では「テクノクラット(technocrat)」
という言葉で表現されています。
「テクノクラット(技術官僚)」とは、もともと
「テクノクラシー(技術の専門家たちによる統治=
governance by technical experts)」という比較的
新しい政治用語から生まれた言葉です。
「テクノクラシー」とは、1930年代にさかんに
なった社会主義の思想のひとつで、企業経営から
国家運営にも導入され、経営者ではなく作業の現場に
従事する専門の技術を身に付けた「専門技術者」で
ある「労働者」たちによって、企業や国家を直接に
統治・経営して行こうという理想をかかげて提唱
された政治体制の名称です。
そして、その国の経済全体を国有化して、国家によって
すべての経済活動を所有し、国家による経済管理・運営
を行って行こうという「国家社会主義」の政治体制の
根本思想ともなりました。
この「テクノクラシー」こそが、当時アメリカの
フランクリン・ルーズベルト大統領による社会主義的
経済政策である「ニューディール政策」や、ドイツの
ヒトラーやイタリアのムッソリーニによって実践された
「ファシズム(Fascism、全体主義)」、さらには、
その対極にある「共産主義(コミュニズム)」の思想
までも産み出した、恐ろしい政治・経済思想なのです。
これが、「専門技術のエキスパート」である「テクノクラット」
たちによる科学的で合理的な統治をめざす統治体制である
「テクノクラシー」と呼ばれるようになりました。
現在のギリシアのパパデモスや、イタリアの(スーパー)
マリオ・モンティたちは、元々が経済学者であり、かつ、
その専門知識を活かして、EU(欧州連合)の経済統合や運営
の技術指導や行政実務を行ってきたエキスパート(専門家)
なのであり、まさに「テクノクラット(”専門”事務官僚)」
なのです。
いっぽう、「官僚」を一般的にあらわす英語である「ビューロウ
クラット(bureaucrat)」の「ビューロウ(bureau)」とは、
「机」とか「オフィス」をあらわすフランス語で、つまり、
「ビューロクラット」とは「事務屋」という意味です。
したがって、おなじ「官僚」でも「テクノクラット」のほうが
より専門的な技術や知識を身に付けた「エキスパート(専門家)
官僚」なのであり、「ビューロクラット」は専門性の有無に
かかわらず、大きな組織のなかのいち歯車として事務作業を
こなす「”一般”事務官僚」という違いがあるということです。
いずれにしても、国民の選挙で選ばれた代議士(国民の代表者)
としての政治家による国家の財政再建ではなく、「国民の顔色を
気にしない」官僚の主導による<統制経済政策>が、これから
断行されて行く、ということなのです。
以下の日本語訳された英「フィナンシャル・タイムズ」紙の
記事からも、国民の選挙を行わずに選ばれた、ギリシャと
イタリアの首相について、警戒をうながす文章になっています。
(転載張り付け始め)
●「社説:ギリシャとイタリアに必要な真の指導力」
Financial Times 2011年11月11日
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/29143
通常であれば、ギリシャ新首相のルカス・パパデモス氏は
権力の座に就いていないだろう。
欧州中央銀行(ECB)前副総裁のパパデモス氏は選挙で
選ばれたわけではなく、信用を失った政治家同士が2週間
交渉した末に任命された。
イタリアも似たような過程をたどっている。
11月第3週までには、シルビオ・ベルルスコーニ氏が首相を
辞任して、イル・カバリエーレ(騎士の意、ベルルスコーニ氏
の呼称)が彼特有の流儀で避けてきた改革を断行できる
無所属の実務家に道を譲り、数カ月間に及ぶ政治麻痺が終わる
と期待されている。
有力候補として浮上しているのが、欧州連合(EU)の競争政策
担当委員を務めたマリオ・モンティ氏だ。
非常時の解決策としての暫定政権
選挙で選ばれていない実務家の任命は決して理想的ではないと
言えば、分かりきったことを指摘することになる。しかし、
システムが機能不全に陥っている時には、非常時の解決策が必要だ。
ギリシャ、イタリア両国では、有権者が自国の腐敗した政治家を
極端に敬遠しているため、成長を取り戻すのに必要な痛みを伴う
改革を実行するうえで、差し迫った障害を克服できるのは部外者
だけのように思える。
だが、どちらの国の場合も、旧来の政界エリート層から成る
連立政権を実務家が率いれば、根深い問題を奇跡的に解決できる
と思ったら、命取りになるだろう。
信用を失った政権が代わることに安堵感があるものの、いまだに
一部の人が国内の危機に関して欧州(あるいはドイツ)に押し付け
られた解決策と見なすものへの不満がある。
パパデモス、モンティ両氏がEUの元高官だという事実は、そうした
意識を強めている。
(中 略)
イタリアでは、暫定政府への国民の支持がかなり強いのは確かだ。
また、これまでの実務型政府の経験は概ね、有益だった。だが、
過去の前例は、有権者がいつまでも実務家を容認しないことも
示している。
実務能力だけでは不十分
両国の暫定政府は、有権者が多大な犠牲を求められるプロセスから
締め出されていると感じないよう、選挙に向けた明確な日程表を
定めなければならない。
また、新首相は国民の支持なくしては何も達成できないことを認識
しなければならない。彼らは議会で改革法案を通すのに苦労する
かもしれない。解決策は、真のリーダーシップを発揮することだ。
管理者としての能力だけでは十分ではない。
(転載張り付け終わり)
世界共通の官僚たちの「性格、思考回路」は、自分
たちの「利権」確保、自己保身、現状維持を追求する
ことです。
だから、彼ら「官僚」が国家財政の監督者として、
政権そのものを乗っ取ったということは、ガッチリと
上からの監視を強化するフリをしながら、財政破綻や
国債の債務不履行(デフォルト)、ユーロ統合通貨の
崩壊(解散)とか、EU支配の現体制を壊してしまう
ような改革は決して行わないでしょう。
そうではなくて、官僚支配者たちのもとでガチガチに
管理された形での「不良債権処理」を、これから10年
でも20年でもかけて実行して行くのです。
1990年代に日本の官僚たちがやったのと同じことを、
これからヨーロッパの統一官僚たちもやるのです。
だから、「増税」や「銀行の整理・統合」、「貸し渋り」
などの嵐が、これからヨーロッパ中で吹き荒れて、日本と
同じように「失われた20年」が、欧州各国でずっと
続いて行くのです。
そして、やはり日本やアメリカと同じく「大きすぎて潰せない」
銀行たちを「公的資金」というなの税金資金を注入して
救済するので、ヨーロッパ人たちはこれからますます重税に
苦しむことになります。
こうして、一般のヨーロッパ国民たちに大量の「救済資金」
を負担させて、ギリシャを起点とする欧州債務危機が
ヨーロッパ全体に拡大し金融崩壊を起こすことを、無理矢理
にでも押さえ込もうとしているのです。
その代わりに、押さえ込まれた財政赤字のツケは、欧州各国の
国民の資産への重課税による資金収奪や、将来受け取れるはず
だった社会保障や年金からどんどん切り崩すことで、債務返済の
キャッシュフローを強引に確保したり、さらには、複雑な
金融工学のスキームを使って、不良資産、不良債権の「飛ばし」
処理をすることで、巨額の損失を最後まで隠し続けて、
帳簿をごまかしてしまおうという魂胆なのです。
こんな冷徹で国民感情を逆なでする強行策を実行できるのは、
「国民から選ばれたわけではない官僚」、つまり、国民の顔色や
人気(選挙の票)を気にする必要のない、「官僚上がり」の
経済専門エキスパートの政策実務家である「テクノクラット」
にふさわしい役割なのです。
ギリシャやイタリアの「官僚上がり」の新首相である
パパデモスやマリオ・モンティ、さらには、欧州中央銀行
(ECB)総裁という、まさにヨーロッパ統一の官僚機構
の大親分である、マリオ・ドラギ総裁(1947- )の顔が、
イギリスの国営放送局、BBCのニュースに大写しに
なるのを見ました。
彼らの表情は冷たく、一点を見つめており、一切の感情や
気持ちの動きを表に出さない、冷酷なターミネーターの
ような人物に、三人とも見えました。
先に書いた「テクノクラシー(専門技術官僚による統治
体制)」は、一見すると、理想的で専門家による科学的で
合理的な政治・経済運営が期待できそうに思えます。
だから、パパデモス新首相もマリオ・モンティ新首相も、
とりあえず、ギリシャとイタリアそれぞれの国民からは
行き詰まった国家財政と経済情勢を解決してくれる救世主
として歓迎を受けています。
しかし、この経済の専門家(エキスパート)であるとされる
「テクノクラット」たちが、その理論的な専門知識のフリを
しながら、実際は、強引で冷酷な国家財政の「清算」処理を
これから執り行う、というのが本当の真実なのです。
あれこれの経済理論が、本当に、実践のこの大混乱した
国際財政や国際金融情勢への対応策として、まったく
役に立たないということは、サブプライム問題発生から
「リーマンショック」を経て、すっかりバレています。
この11月1日に、ヨーロッパ中央銀行(ECB)総裁に
新たに就任した、先述のマリオ・ドラギ総裁も、ECBが
ギリシャなど債務危機の国の国債を公的資金(ヨーロッパ人
の税金)で買い取るという「禁じ手」を使うことは、
“equivalent to temporarily suspending the freedom of
the press and speech to avoid uncertainty in the markets”
「市場が不安定になるのを避けるために、言論や出版の自由を
一時的に廃止してしまうのと同じくらいの事態である」
と、はっきり自覚していることを述べていました。
マリオ・ドラギ欧州中央銀行総裁は、イタリア人ですが、
やはりアメリカ留学組で、ギリシャのパパデモス首相と
おなじMIT(マサチューセッツ工科大学)で経済学の
博士号を修得しています。
マリオ・ドラギ総裁は、現在も、アメリカのブルッキングス
・インスティテュートや、ハーバード大学のケネディ行政
大学院(ケネディ・スクール)などにも、「理事(trustee)」
や「評議員、特別研究員(フェロー、fellow)」として
席を置いています。
ドラギ総裁の本性が一番よく分かるのは、アメリカ金融資本
の牙城の投資銀行ゴールドマン・サックス社の、国際部門
(ゴールドマン・サックス・インターナショナル)の副会長
や役員などの重役を、2002年から2005年まで
務めていたというその経歴です。
注目すべきは、この時期にちょうど、ギリシャ政府が、
自国の財政赤字を隠蔽するために、ゴールドマン・サックス
から招致された政府顧問の指導を受けながら、財政赤字の
飛ばしを行っていたという、最近もどこかで聞いた
「損失飛ばし」のスキームが実行されていた事実です。
ギリシャ政府の「財政赤字飛ばし」は、2007年に
発覚し、ヨーロッパの金融危機の引き金となりました。
この騒動に、どうやらマリオ・ドラギ現総裁が関与していた
のではないかという疑惑が、今でもあるのです。
本人は否定していますが、もしこれが真実なら、まさに
「マッチ・ポンプ」です。
マリオ・ドラギ欧州中央銀行総裁が、ゴールドマン
・サックスの役員時代に仕組まれた、ギリシャの債務
飛ばし問題で発火した欧州金融危機を、今度は、
自らヨーロッパ統合の中央銀行トップとなって、
その火消し役に回っているのです。
これは、重大なスキャンダルです。
今後、欧米のメディアが、この疑惑をどのように
取り上げるかによっては、大きな事件となって、
現在の欧州中央銀行総裁の地位を辞任するという
騒動にもなりえます。
しかし、アメリカ金融資本の後ろだてがある
ドラギ総裁は、きっと守られるのでしょう。
もともとヨーロッパの政界、金融界では、このマリオ
・ドラギが欧州中央銀行(ECB)の総裁になることは
あり得ないだろう、と見られていたのです。
なぜか今年に入ってから、英「フィナンシャル・
タイムズ」紙や、英「エコノミスト」誌が、急に、
ドラギ氏がふさわしい、と言うような記事を書き
始めて、とんとん拍子にそのサヤに収まりました。
マリオ・ドラギの中央銀行総裁の任期は、何もなければ
2019年の10月までという長期に渡ります。
限りなく裏のある人物なのです。
現在の、ヨーロッパの金融危機と、ユーロ救済を
目指したEU加盟国の財政統合強化の動きは、こうして、
アメリカの後ろ盾のもとに進行しているのです。
いま私たちの目の前で進行する、経済の専門技術官僚
(テクノクラット)による<統制経済政策>の恐ろしい本質を、
テクノクラット自らが皮肉を込めるように語っているのが、
恐ろしく印象的です。
根尾知史拝
【721】[806]破綻の可能性のある欧州の銀行について
副島先生の本の中でオランダのRabo Bankが今後破綻する欧州の10大銀行の中に入っていたことに驚愕しています。
Global Finance誌で2011年度世界で最も安全な銀行のベスト10の中の第6位に入っているRabo Bankが危なくなる可能性は一体何が引き金なのでしょうか。そもそもこのようなランク付け自体当てにならないものなのでしょうか。
http://www.rabodirect.com.au/binaries/Safest Banks 2011_tcm55-106230.pdf
【720】[805]月の石など大量紛失 NASA、ずさん管理(笑)発覚
Yahoo!ニュースの見出しにも出たので、ネットをご覧になる方であれば見逃さないでしょうが、一応貼り付けておきます。
見事なまでのずさんな管理です。
アメリカ国民は、「人類初の月面着陸」という天文学的な費用をつぎ込んだ大偉業の成果をこんな形で汚したNASAに対して、怒りの声を上げるべきでしょう。
図書館の本でもこんなことにはならないはずなのに、これだけの貴重な?「証拠資料」をガラクタの如く行方不明にしてしまうとは・・・
(転載開始)
月の石など大量紛失 NASA、ずさん管理発覚
2011.12.10 08:40 [宇宙]
1971年、月面着陸し星条旗に敬礼するアポロ15号のジェームズ・アーウィン宇宙飛行士(AP)
アポロ宇宙船が持ち帰った月の石など貴重な地球外物質の試料517点を、米航空宇宙局(NASA)が紛失していたことが9日までに分かった。研究者に貸し出したまま行方不明になったケースが多く、NASA監察官は「研究や教育に重要で、将来の世代に受け継がれる貴重な財産」を軽視するずさんな管理を問題視した。
8日付の監察官の報告書によると、517点は月の石や土壌のほか、隕石や彗星のちりなど。1970~2010年の間に紛失した。
報告書はNASA側の貸出記録の不備を指摘。貸出先の情報が誤っていたり、研究者の移転や死亡に合わせて更新されるべき情報がそのままになっていたりしたという。
試料が実際に研究に使われたのかの確認や、返還の督促も不十分で、月で採取された試料を35年間借りながら一度も研究に使わなかった事例もあったと紹介。貸出記録を改善し、毎年所在を確認するよう勧告した。(共同)
(転載終了)
【719】[804]第42回東京モーターショー
桑原義明と申します。今日は、東京モーターショーについて少し書いてみます(後ほど削除する可能性があります)。
ここ数年、全くと言っていいほど興味が無かった(私の中で魅力が薄れていた)モーターショーであったが
24年ぶりに千葉の幕張から東京(今回は有明で以前は晴海など)に会場が戻ったということで
どんな様子なのか、ちょっと気になったので出かけてみることにした。
この「モーターショー」という名称に対して、私はつねづね非常に不機嫌でならなかった。
なぜなら、「モーター」というのは、電気で磁石を回転させて回るものがモーターなのであり
炭化水素(石油)を主たる燃料として使用する内燃機関(オットーサイクルなど)の展示会なのだから
「東京(千葉)内燃機関自動車展示会」などに名称を改めるべきだろう、というのがその理由だった。
今回は、日産のリーフ(葉っぱ?)や、先発モデルである三菱のアイ・ミーブなどの市販車が出てきたことにより
名称が「モーターショー」でも違和感がなくなりつつあるのも事実だ。
日産は、100%電気自動車であるリーフを市場投入(昔から出来レースと噂される日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞)
してきたことからも、そう遠くない将来には、スマートグリッドが実現されるであろうことも容易に想像がつく。
おそらく「ゼロ・エミッション」というのは、CO2削減=原発推進=夜間の余剰電力(オール電化推進)
すなわち「余り物から生み出された(出てきた)技術」ということなのだろう。
そこから見えてくるものは、自動車も家電製品の一部になりつつあるのかな・・・というものを感じた。
100%はならないが、家電量販店で自動車を購入や、家(スマートハウス)と自動車をセットでハウスメーカーから購入という選択肢だ。
ホンダも、売れる商品を造れるのであれば、あらゆる業界、業態と組んで商品開発をする用意がある、というような姿勢からしても
くるまは、単なる「移動する為の手段」ではなくなりつつある、のかもしれない。
ちなみにであるが、ベンツという車の定義は、『人が安全に移動する為の手段である』らしい。というのを以前耳にしたことがある。
それを聞いて、あっ、ベンツという車は、ドライバーズ・カー、ではないのだ(ゲスト・カーである)というのをその当時感じた。
やっぱり車を、自分で運転(操縦)していて楽しいのは、ラテン系の車たち(アルファロメオなどの)だろう。
トヨタの社長(章男氏)が、今回のモーターショーのプレス説明時、
「私はガソリンの匂い(臭い?)、エンジン音が大好きなのでこうした車(86)も無くしたくない。楽しくなければ車じゃない!」
と、熱く語ったようである。
が、はっきり言おう。
私は、数多くのAE86(カローラレビン、スプリンタートレノ)も乗ったことがあるが、トヨタの車でいちばん楽しかった車は、
クラウンやセルシオではなく、KP61(後輪駆動のスターレット)だった。と断言いたします!!
これ以上書くと、どこからともなく雷が落ちてきそう、なのでやめておきます・・・。
が、今回のモーターショー(国産メーカー)で私がいちばん注目しているのが、マツダです。
それも、圧縮比が14対1のディーゼルエンジンです(細かい説明は、やめておきます)。
ヨーロッパでは、乗用車の新車の販売第数のうち、ディーゼル車が約50%を占めているほどなのに
なぜ、日本においてディーゼル車が普及しないのか?という理由の一つが、税金の体系が挙げられよう。
ディーゼル車の燃料である軽油が売れても、国(霞ヶ関)は喜ばない。
なぜなら、1リットルあたり、32円10銭 の軽油引取税は、地方(都道府県)に落ちるからだ。
国は、1リットルあたり、53円80銭 が手に入る(これに消費税もかけられるので2重課税)
ガソリンが売れないと、上納金(国税)が上がってこないから困る。要は、利権が絡んでいる(邪魔している)のだ。
最初に、少し書いてみます。ということでしたので、この辺で終了します。
が、3時間程しか会場にいれなかった(日曜だったので6時に終了)のには、少し時間不足でした。
桑原義明拝
【718】[803]イランが決定的な間違いをした。 欧米は、中東を戦場にすることで、金融危機(世界恐慌突入)を阻止する気だ。
副島隆彦です。 イランが決定的な間違いを犯したようだ。イランの愚か者たちが仕掛けた首都テヘランの英国大使館への襲撃、一時占拠の事件である。11月29日のことだ。
これで、来年の2,3月あたりに、イスラエルと米軍の共同での イランの核施設数カ所への おそらく戦術核(ストラテジック・ニュークレア・ボム、超小型の核爆弾)でのバンカーバスターでの攻撃を実行するだろう。 イランへの制裁行動は、“国際社会が容認した”という大義名分を、このようにして、イランは欧米に着々と作られている。
来年の2月に、イタリア国債(世界中の強欲投資家たちの、損切り・投売りが続いて暴落を繰り返している)の大きな償還・借り換えの期限が来る。その前に、さらなるヨーロッパ金融崩れを食い止めようとして、ヨーロッパ諸国とアメリカ合衆国は、もう逃げられなくなった 国家債務危機、ヨーロッパ各国国債連鎖暴落、大銀行の連続破綻を阻止するたために、やっぱり、 私が、10年来、主張してきた “戦争刺激経済 war economy
ウォー・エコノミー“ War boosts economy ! に打って出る決定をしたようである。
(転載貼り付け始め)
●「 群衆が英大使館襲撃=包括制裁に抗議-イラン 」
AFP=時事通信 2011年11月30日 午前1時3分
【カイロ 時事】 イランからの報道によると、首都テヘランにある英大使館に29日、デモ隊約20人が乱入し、英国旗を燃やし、大使館内を荒らした。デモは1年前に暗殺された核科学者2人を悼むために学生が企画したとされ、イラン国営テレビは「学生を中心とした数百人が英国の反イラン的な政策に抗議した」と伝えた。
国営テレビが伝えた映像では、群衆が大使館の窓に向かって投石した。火炎瓶も投げ付けられ、額に入れられたエリザベス女王の写真を手にした暴徒もいた。女性を含む群衆は「英国に死を」と連呼し、英大使の即時出国を要求した。警官隊も付近に展開したが、大使館襲撃を阻止しなかったもようだ。(2011/11/30-01:03)
● 「イラン政府は重大な結果を見ることになる」 ~英首相が報復措置を示唆、緊張高まる イラン英国大使館襲撃で」
毎日新聞 2011年11月30日 12時35分
http://mainichi.jp/select/world/news/20111130k0000e030066000c.html
【テヘラン鵜塚健、ロンドン笠原敏彦、ワシントン白戸圭一】 イランのイスラム体制派民兵組織「バシジ」に属する学生らが11月29日午後、 在イラン英国大使館を襲撃した事件で、イラン警察は29日夜、大使館を占拠していた学生らを退去させた。
英国のキャメロン首相は29日に発表した声明で「イラン政府は重大な結果を見ることになる」と述べ、イランに対する報復措置を示唆した。 オバマ米大統領も「容認できない」と非難しており、イランの核兵器開発疑惑に端を発する欧米とイランの緊張は一層高まっている。
バシジはイラン体制派「革命防衛隊」傘下の民兵組織。警察は催涙ガスなどで襲撃を鎮圧したが、学生らは約8時間、大使館の一部を占拠した。 革命防衛隊系ファルス通信によると、テヘラン北部の別の英国施設にも29日午後、学生ら約200人が侵入し、英国人職員6人を一時拘束したが、警察が排除し、学生ら12人を逮捕した。
目撃者の話や国営メディアの映像によると、英国大使館前には29日、警官隊が配置され、群衆を押し返していた。 だが、大使館への乱入を徹底して防ぐ様子はなく、学生らは壁をよじ登り、イラン国旗を振るなどした。今年3月に反政府デモに参加し、警察に拘束された男性(45)は「イランの警官はデモの際にはもっと強硬だ。バシジの大使館侵入を許したようにしか見えない」と話した。
襲撃に加わった学生らは声明を発表し、「イスラム革命の理念に基づき行動し、いかなる(政治的)組織にも指示を受けていない」と主張、「(イラン政府に)英国大使の即時追放と対英関係断絶を求める」と訴えた。一方、イラン外務省は29日、「(襲撃は)許せない行為であり遺憾」との声明を発表した。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。 以上の記事から分かる通り、この 「イラン革命防衛隊」の学生組織(ハシジ)が実行犯だ。わずか20名で大使館襲撃、占拠の行動している。
この動きは、背後にアフマドネジャド大統領(現職)がいて、彼は、過去に何度もニューヨークの国連総会での演説のふりをして(機会をとらえて)、CFR(シー・エフ・アール。米外交評議会)の幹部たちと会っている。アフマドネジャドは、アメリカの軍事狂暴派ともつながっている。
だから、今度の、愚か極まりないイランでの事件は、英国政府(やっぱり、過去の帝国主義者、植民地支配主義者の栄光が忘れられない残忍な連中だ。表面だけはい自分たちは、温和で上品な人間たちを徹底的に装う。それがヨーロッパ近代人 modern man だ。内部に狂気を秘めている。
ヨーロッパ人たちは500年前に、いち早く modern モダンを達成したので、同時に人類の狂気を身につけた。)の中の軍事狂暴派は、アメリカと深く仕組んで、このあと、イラン制裁を加速させ、国連安保理(あんぽり)の決議をとる動きに出て、イランへの空爆(軍事行動、懲罰行動)を実行するだろう。
大使館への襲撃と占拠は、絶対に許してはならない 国際法のルールだ。宣戦布告にも等しい。アフマドネジャドたちは、決定的に、敵の術中に嵌(はま)った。
それに対して、イランの本当に温厚で堅実な ハメネイ(元大統領。イラン僧侶の高僧アヤトラ級。日本の小沢一郎派のような )派の勢力は、抑えこまれている。違法なことは一切しないハメネイたちは、現在、深刻な状況に追い込まれているだろう。
この点で、アルル君と考えが一致した。 帝国(覇権国)側が仕掛けている、なんとしても戦争を避けること、こそは、国家(民族)指導者がなによりもまず心がけなければいけない外交の基本だ。絶対に、イスラエルとアメリカに、戦争突入のきっかけと口実を与えてはいけなかったのだ。
私は、3年前に出した対談本の「小沢革命政権で日本を救え」(日本文芸社刊)で、対談相手の佐藤優(さとうまさる)氏に、「あと5年ぐらいで、イスラエルとイランが核兵器を一発ずつ撃ち合うでしょう」と予言をしたら、佐藤氏がぎょっとしたことを覚えてる。
副島隆彦の冷酷な未来予測は、人間たちが好むと好まざるとに関わらす、起きるべきことを起きると予測(予言)する。私には、長い人類の恥多き過去の事実の集積である「歴史に学ぶ知恵」があるから未来予測が出来る。
ただし、イランの核兵器がきちんと完成しているのか、標的に当たるほどの弾道ミサイルになっているのか、どうかが、分からない。イスラエルにとっては、先制攻撃(プリエンプティヴ・アタック)して、イランの、ナタンツやコムの周辺の核施設を破壊するすることは自分たちの国家の存亡(国家のプライマリー・アジェンダ)に関わる。
さて、イラン国内の数カ所を急襲したあと、イスラエルの爆撃機は、どこに脱出するか。来た道をそのまま帰ると、かならずイランの追尾型(ガイデッド)ミサイルで撃墜される。ということは、ペルシャ湾 the Gulf ザ・ガルフ に 浮かべている米空母に降りたり、空中給油機の支援が必要になる。
あるいはバーレーンやオマーン国の空港に降りるしかない。遂に、アルジャジーラ放送局 が公然と変質を始めた。経営陣であるオマーンの王族がアメリカ(ヒラリー)に屈服したようだ。リビヤ、シリア報道は大嘘だ。
イスラエル 国民わずか600万人(このうちユダヤ人は、350万人から400万人、あとは同じセム族系のアラブ人など)で、周囲を 合計10億人ほどのアラブ人国家 ( the Arabs ジ・アラブズ) とり囲まれている。
そしてさらにその周りを世界中で合計で17億人(今も増えつつある)と言われるイスラム教徒 Moslem、Muslim の国々に取り囲まれている。 アメリカ合衆国に 700万人のユダヤ系市民(国民)がいる。しかし、さらに真実は、どうも2千万人ぐらいの closet Jew 隠れユダヤ人 (自分をユダヤ系とは認めないが、混血していることは認めている)がいる。だからアメリカ政治を彼らが動かせる。 ヨーロッパ諸国も支配層は同じような感じだ。彼らが金融財界を形成している。
英国政府は待ってましたとばかりに直ちに反撃に出た。
(転載貼り付け始め)
●「 ”襲撃に報復。緊迫した事態に” 在英イラン大使館の即時閉鎖 と外交官全員の退去命令…英国 」
毎日新聞 2011年12月1日 1時01分
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20111201k0000m030104000c.html
【ロンドン笠原敏彦】 英政府は11月30日、テヘランの英国大使館襲撃事件への報復措置として、駐英イラン代理大使に対し、 在英イラン大使館の即時閉鎖と外交官全員の48時間以内の国外退去を命じた。
英政府はまた、テヘランの英大使館を閉鎖し、 外交官全員を国外退去させた。両国大使館の閉鎖に伴い、英・イラン関係は「最低レベル」に縮小され、緊迫した事態になった。
ヘイグ英外相が議会で明らかにした。外相は、襲撃事件の中心となった民兵組織「バシジ」を「イラン体制の一翼が動かす組織」だと指摘し、「襲撃が体制の同意なしに行われたと考えるのは空想だ」とイランを厳しく糾弾。 「事件が外交官の保護を定めたウィーン条約違反であることは世界の誰にとっても明白である」と述べた。
ヘイグ外相は、サレヒ・イラン外相に電話し「最も強い言葉」で抗議したという。 一方で、ヘイグ外相は今回の措置について「外交関係の完全な断絶ではない。両国の関係を最低レベルに低下させる行動だ」と説明。 外交関係を維持するのが「好ましい」理由として、イラン核開発や人権問題などで両国の代表が交渉する必要性を挙げた。
ヘイグ外相によると、30日に始まる欧州連合(EU)外相会議は、襲撃事件や核開発問題でイランへの「追加措置」を検討する。 英国とイランは79年2月にイランでイスラム革命が起きて以来、関係悪化と修復を繰り返してきた。 米国はイスラム革命後の79年11月の米国大使館占拠人質事件を受け、80年4月からイランとの国交を断絶している。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。 ヒラリーが、リビアのカダフィを始末(しまつ)したあと、今度は、ミャンマーを懐柔して、中国に対する大きな包囲網づくりと、ASEAN(アセアン諸国連行)
に背後から楔を打ち込む、地政学(geopolitics ジオポリティックス Geopolitik ゲオポリティ―ク)の動きに出ている。
中国とロシアは、安保理で、拒否権を使って、イラクへの制裁爆撃に抗議し反対するだろう。が、ここは、大きくて恐ろしい世界政治の駆け引きがあって、 「自分たち(の国境線、国防線 )に直接、関わらないのなら黙認してもいい。世界秩序を乱そうとする者は制裁を受けるべきだ」と判断するかもしれない。
中国は、東シナ海での軍事紛争 を一番嫌がる。戦争などしている暇はない。今は、経済成長と国内開発で手一杯だ、と考えている。東シナ海での戦争を、アメリカが仕掛けるう戦略としての、 韓国、日本、台湾(の軍事礼賛派、戦争好き人間たち、挑発者 warmonger ウォーモンガー、jingoist ジンゴウイスト )をけしかけて中国の 東側(東海!)が混乱するのを恐れる。
だから、中国は、「分かった、分かった。ヨーロッパ諸国を助けるために資金を出す(ただし、もっと暴落してから、イタリア国債やフランス国債を買うだろう)」という態度に出ている。中国のほうが、いまのところ一枚上手位である。 中国が、困窮を始めた欧と米の挑発に乗らなければ、中国の勝ちだ。 私、副島隆彦が、ずっと引いてきた図式のとおりとなる。
私が一ヶ月に書いた、自分の親友達とのやりとりのメールがある。こういうのは、私でもあまり公開したくない。それでも、私は、この時はさすがに腹に据えかねた。 のちのちの記録ために、ここに、それとなく貼り付けておきます。こういう私が私的に書いているメールの文がすでに2千本ぐらいはあるはずです。私が死んでから公開してほしいと、弟子たちに頼んでおきます。
(倉庫からの持ち出し、始め)
> From: GZE03120@nifty.ne.jp
> To: ************
> Subject: Re: 日経の記事
> Date: Thu, 3 Nov 2011 03:42:41 0900
>
> **くんへ
>
> 副島隆彦から
>
> 私の最新の考えを書きます。君は、「自分は文学部歴史学科出身だから、歴史も分かる」 と 言うが、 私、副島隆彦は、リビアのカダフィが、10月2日にひどい殺され方(市中引き回しの上で、なぶり殺し) をした死体の写真と、この5日間( 初七日、しょなぬか までする)と、ずっと向き合って、拝みながら、「アメリカの恐ろしさ」をずっと 考えていて、人類史(人間の歴史) の 恐ろしさを、 ずっと 考えていました。
> 日本人も、 66年前に、ひどい 皆殺し のような 集団殺戮の 目にあって、最後に、アメリカに 土下座して、 命乞いをして、 そして、今の属国・日本がある。 今も、 お金をアメリカに 一回あたり 5兆円とか 差し出しながら生き延びている。 これが私たちの 厳しい現実だ。
> へらへら、 笑って、 「安住(あずみ)という 財務大臣になった男は、見るからに馬鹿だなあ。(円高介入で) またアメリカに7.5兆円も貢いだよ。米国債を 買わされただけだ 」 と 言っていればいいことではない。
野田首相のような 連中をあやつる、日本の財務官僚どもにしても、 必死でアメリカ帝国に、 貢ぎ物を捧げることで、ようやく 日本国は生き延びている、という真実があります。そうしないと彼らだってやられる。アメリカの言うことを聞かないと、政治家として失脚させられる。日本の大臣たちはすべて脅されているのです。このことを日本国民に教えるには、私だけだ。
だから、アメリカにべったりで生きている 日本の 支配層・富裕層 (本当の保守)という人 たちだって、 本当は、「アメリカに逆らったら、何をされるか分からない。おそろしいんだ。小沢一郎は 反抗的になって、日本の(徐々の)独立なんか 言うが、これは 日本にとっては、許されないことなんだ」 と 本当は分かっているのです。
彼らが本物の大人たち(日本の支配階級の 幕閣、お奉行様たち) だから、 アメリカのおそろしさを自分たち自身が、日常的に、対米交渉の場で脅(おど)されてたりしているから、肌身で 知っている人たちなのだ。そうだろう。
>
> これで、リビアの石油は、すべて、影の真の占領軍である アメリカ (だから、トリポリに、占領者のヒラリーが18日=カダフィを殺す2日前) 飛んでいった) と、そして、 その手先となって、 「今にも、自分の国の三大銀行が潰れそうな」フランスと、 イギリスが、 「公式発表でも2万回の NATO軍 の空爆」 で、リビアを、自分たちの財産にしてしまった。これが冷厳な事実だ。
仏英は、アメリカの手先に成り下がることで、自分の国の財政破綻の危機をこうやって、リビアの豊かな 石油を手に入れたことで、 分前が大きいから、これで一息つけるのだろう。
> その横の、エジプトだって、ムバラクを“豪華な裁判”にかけて、それで、軍政のまま、 アメリカの家来を続ける気だ。 このあと、じわじわと、 シリアを奪い取り、 そして、本命のイラン に 襲いかかる準備をしている。次は、イランへの 核施設破壊の 空爆攻撃だ。 イスラエルが絶対にやると 宣言しているから、アメリカもやる。
> それが、「戦争をすることで、ぼろぼろの金融・経済をなんとかする」という 戦争経済(war economy ウォー・エコニミー)だ。
「中東の諸国の 民主化革命、独裁制の 打倒」 の 今年の2月からの動きは、すべて、イスラエルと アメリカのネオコンの 凶暴な合作 での 動きだ。 自分たち 帝国主義(インペリアリスト)諸国は、旧 植民地共をやっぱり 餌食にする。そうすることで、 今の自分たちの金融危機、財政破綻 を、乗り切ろうとするのだ。
そこまで、世界は 恐ろしい現実で、動いている。 「死肉、腐肉(ふにく)を漁(あさ)ることこそは、残忍な 肉食獣(プレダターpredator ) の本質だ。
> 人間(人類) は、猿(エイプ、ape 高等猿類) の頃から、このプレダターの一種だ。 トルコは震えあがって動けない。 中国 と インドと ロシアも、「自分たちが打撃を受けないのなら」 ということで、冷酷に計算して、 中東での戦争には、 知らん顔をしている。 次々に、 米、英、仏に 奪い取られてゆく 中東の小国の資源を じっと 横から見ている。 「民衆というのは、いつも哀れなものだ」 という慨嘆しか、私、副島隆彦には浮かばない。
**くん。 君を含めて、 目先の仕事としの、 金融相場の 動きのことしか 頭に ない人たちには、 私のこの、厳しい、ひとりで歯噛みをする、日本の自称国家戦略家 としての 苦しさ は、分かってもらえないだろう。
>
> ***書店の **編集長のような、冷酷な 体制派・保守派の人間は、 「カダフィの殺され方を見て、一番、ぞっとしたのは北朝鮮の 金正日だろうなあ」 と、 ニヤニヤ笑いながら答える。そういう真正保守人間 (どんなに卑屈でも、アメリカの家来をやり続けつしか、日本は生き延びれないんだよ、と考える現実主義の人間たち) を、私は あと数十人、自分のそばに抱えている。
**くん。なぜ、中国の 上海閥=太子党 の 連中が、「アメリカの 国債を、中国は買い続ける」 と 言っているか。 君は、其の大きな背後(の真の理由) を知っているか。 君の頭では、 「上海閥=太子党は、 自分たちが ドル建ての巨額の資金を 国外に隠し持っているから、ドルが下がると困るからだ」 で 君は、押している。
そうではないんだ。 アメリカに向かって、中国は、 「極東=東アジアでは、戦争は起こさないでくれ。日本や韓国を使って、けしかけて、中国に戦争を仕掛けてくるのを、お願いだから、やめてくれ。その代わりに、米国債を買い続けるよ。戦争だけは勘弁してよ」 ということ、なのです。 分かりますか。 この一点が分からなければ、ただの 金融屋だ。
> 「政治(外交、軍事を含む) と 経済(実体経済の他に、金融を含む) は互いに貸借を取って、バランスしあうのだ」という 副島隆彦が気づいて、築いた、この理論と、 「帝国ー属国」理論の 恐ろしいまでの貫徹を 使わなければ、今の大きな世界史の現実も、見えない。このことを、君に 教えておきます。 副島隆彦の 歴史学を 甘く見ないように。
副島隆彦は、カダフィの死体の写真を5日間、拝みながら、このように考えた。
私は、以上のこのような文を、 学問道場に書けなくて(載せられなくて。いくら、私でも 会員たちを 震え上がらせるのは 好まない。 今日のぼやきに、カダフィの死体の写真を載せることができない。困っている。 弟子たちと相談しようと思う。まだ30代の半ばである彼らでは、私の相談相手にはならない。
私は、企業の 経営者たちと同じで、いつも孤独だ。58歳にもなると、大企業でも役員クラスだから、人に相談して決める、ということができなくなっています。
頼りになる友人も癌で倒れたり、とか、どんどん友人も少なくなってゆきます。 どんな人にとっても、人生は厳しい。 副島隆彦拝
(貼り付け終わり)
副島隆彦です。以上が、私が、11月3日に書いた本心です。もうほとぼりが覚めたからいいか、ということで載せます。私の最新刊の『金・ドル体制の終わり』(祥伝社刊)を10月26日に描き上げて、その直後の気の緩みの時に書いた文です。
こういう文は私は滅多に公開しない。以下は、最新の重要な 新聞記事 3本です。 ここからいろいろとピンときて学ぶことが出来る人は、学問道場の有段者(先進生)ということになります。
副島隆彦拝
(転載貼り付け始め)
●「ジム・ロジャーズ氏、将来の投資先「ミャンマー・北朝鮮に関心」」
2011年12月2日 日経
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819685E2E0E2E2998DE2E0E3E0E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
著名米国人投資家のジム・ロジャーズ氏は2日、在住するシンガポールで日系メディアと会見し、中国に続く将来の投資先としてミャンマーや北朝鮮 への強い関心を示した。
クリントン米国務長官のミャンマー訪問を受け、対米関係の改
善が期待されるなか、ロジャーズ氏は「ミャンマーは今後 20~30年、非常にエキサイティングな場所になる。中国が1978年に(改革開放に向け)大きく変化したのと同様だ」とし、「(米国の経済制裁 が解かれるなどして)投資が可能になれば、ミャンマーに多大な資金を投じたい」と語った。
ミャンマーを魅力的とみるのは「中国、インド、タイという成長国に囲まれ、多大な資源を持ち、教育水準が高く規律正しい人口を抱える」一方で、 「(資産価格が)非常に安い」ため。産業別では「まず中印の需要が大きい資源部門。さらに観光関連、教育関連など」と、幅広い分野に期待を示し た。
北朝鮮も開放に向け「変化の兆しが見える」とし、「ミャンマーより難しいが、(将来性を)楽観視している」と述べた。もし南北統一が実現すれば 「北の資源と安い労働力、南の資本・経営能力を組み合わせて最強国の1つになりうる」と予想。ただ「北朝鮮の開放で韓国は恩恵を受ける」としなが らも、「知識がない」として韓国投資への関心はみせなかった。
同氏が強気の投資を続けてきた商品市場については「上げ相場は99年から続いており、まだ数年続く」と予想。「通常は8~9年で新規開発への投 資が始まり、供給が増え(て上昇サイクルが終わ)るものだが、今回は2008年のリーマン・ショックで投資が中断したため、上げ相場が通常より長 く続く」と解説した。
アフリカ、南米については「地域全体として、商品市場の上げ相場が続く限りは強気だ」とし、「中国が多大な資本を投下しており、豊かになれば市 場の開放が進む」との見方を示した。一方中東は「社会的混乱が多すぎ、戦争もあり得る」として「投資していないし、関心もない」と述べた。
●「米シティ:日本のバックリーCEO辞任へ、金融庁は行政処分発令」
2011年12月2日 ブルームバーグ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LVIS800D9L3501.html
米シティグループ傘下のシティバンク銀行のダレン・バックリーCEO(最高経営責任者)が辞任する見通しであることが2日までに明らかになっ た。金融庁は早ければ12月末までに同行に対し、行政処分を発令する見込みで、その責任を取ることになる。事情に詳しい2人の関係者が明らかにし た。
シティバンク銀はバックリー氏(45)の後任として、大手邦銀などで現在、主要ポストを務める日本人を起用することで検討に入った。今後、金融 庁とも協議の上、年明けにも候補者を絞り込みたい考えだ。日本人が就任すれば、CEO制を導入した2004年以降で初めてとなる。
金融庁は投資信託などの販売に関する説明体制に不備があるなどとして、同行に対する一部業務停止命令を含む行政処分について最終調整している。 同行は法令順守体制(コンプライアンス)と内部管理体制の強化を進めており、リテールビジネスに精通した日本人をトップに据えることで、ガバナン ス(企業統治)も向上させたい考えだ。
バックリー氏への取材を試みたが、コメントは得られなかった。シティグループの根本美香広報担当は同氏の辞任や日本人CEOの起用についてコメ ントを控えた。
<日本>
日本で業務を営む銀行の外国人経営幹部をめぐっては、昨年新生銀行で4人の執行役が退任している。2期連続で赤字を続けていた新生銀に対し、当 時の亀井静香金融相(現国民新党代表)が「外国人役員はべらぼうな報酬をもらっている」などと、1億円以上の報酬総額を批判したこともあった。
バックリーCEOは金融業界で20年以上ビジネスに携わり、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、東京などで勤務経験がある。08年にシティ バンク銀のCEOに就任し、10年1月に日本のシティグループ全体の統括責任者に就いていた。関係者によれば、バックリー氏は退任後もシティグ ループにはとどまる見通し。
シティが今回処分を受ければ3回目となる。顧客に関する管理体制の不備など重大な法令違反があったとして04年に丸の内支店、名古屋、大阪、福 岡の各出張所の認可取り消しやプライベート・バンキング業務からの事実上の撤退に追い込まれた。09年にもリテール金融部門での金融商品の販売を 1カ月間禁じる一部業務停止処分を受けていた。
<営業自粛の中、8割の大幅減益>
同行では一部銀行業務の自粛に入ったことが10月までに明らかになっている。6月下旬にリテール部門の従業員に、電話での投信や外貨預金の購入 を勧誘する行為を自粛するよう通達を出した。両替などのサービスは行っているが、金融商品の販売は顧客側から依頼があった場合に限っているとい う。自粛は今後も当面は続けていく見通しだ。
シティは今年2月からの金融庁検査で、投信販売に関して顧客へのリスクの説明が不十分だったなどと指摘され、現在リテール業務を積極的に自粛す る代わりにコンプライアンスを総点検し、改善に向けた研修を行うなど内部管理の強化を進めている。検査は7月までに終了。関係者によれば、顧客の 年齢や職業から許容リスクを算定するプロファイルも不十分だったと指摘されているという。
シティバンク銀の従業員は1790人。リテール部門は32支店で営業している。一部業務の自粛などが収益を圧迫し、同行が11月14日に発表し た4~9月(上半期)の純利益は22億円(前年同期は98億円)と78%と大幅な減益だった。
●「ガイトナー米財務長官:金融規制改革法への抵抗勢力と今後も闘う」
2011年12月1日 ブルームバーグ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LVK2KR1A1I4H01.html
ガイトナー米財務長官は1日、金融規制改革法(ドッド・フランク法)を弱めれば米国の消費者に打撃を与えると述べ、改革を守るために闘うと言明 した。
ガイトナー長官はワシントンで、「今回の危機が大きな打撃を及ぼし、数百万人の米国民が今なお職探しに苦労し、自宅待機を余儀なくされ、欧州危 機にさらされてさえいる。それにもかかわらず、国民を新たな危機から守るために極めて重要な改革を遅らせ、弱めようとする決意の固い試みが見られ る」と批判した。
長官は改革について、「合理的で不可欠だ」と主張。「それらを守るために闘っていく」と語った。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝