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Loginはこちら【1064】[1207]私の通称「ミケランジェロ本」を読んで感想をくださったフィレンツェ在住の読者からのメール
副島隆彦です。 以下に載せるのは、私が書いた 『隠されたヨーロッパ血の歴史 』(KKベストセラーズ、2012年10月刊 )への感想文です。まさしくこの本の舞台である ”ヨーロッパ500年の中心の都市”であるイタリアのフィレンツェにお住まいの女性からです。 私の本を好意的に読み、そして積極的にその意義を評価してくださって、私は嬉しく思いました。
私、副島隆彦にとって、この通称『ミケランジェロ本』は大事な本です。私は、これを書いてヨーロッパとは何者だったのかを自分なりに解明したと思いました。
やはりフィレンツェこそは、ヨーロッパの中心です。 副島隆彦拝
(転載貼り付け始め)
Sent: Tuesday, January 29, 2013 6:40 PM
To: gze03120@nifty.ne.jp
Subject: 本を読みました。 フィレンツェより
副島隆彦先生へ
2013年1月29日 フィレンツェ在住の A より
去年12月に「囲む会」のスタッフの方が、はるばるイタリアのフィレンツェまで本を送ってくださったことを感謝します。ついに先日本を読み終わりました。
私は、先生に手紙を書くほどの人間でもなく高学歴でもなく、ごく普通の現地で働いてるただの一日本人で、知識人でも、読書人すらありません。ただ、現地の生の情報を、普通の日本人よりも知っているだけで、それを十分承知した上で先生のお言葉に甘えて率直な感想や自分の知っている事などを書かせていただきます。
現地話として色々くだらない話も書きますが、長文をお許しください。
まず簡単に言うと、この本でフィレンツェのルネッサンスの真の意味、バチカンに対抗する運動があったことを知って、素晴らしい! と思いました。 興奮・感激しながら読み続けることが出来ました。( 最初は本のタイトルと説明書きを見たとき、どうやったらルネッサンスがバチカンに対抗する血みどろの戦いと結びつくのか判らなかったのです。しかし、非常に気になったので、海外発送をお願いするメールをさせていただきました。)
わかりやすい言葉で細かく説明していただいたおかげで、実は私が全くわかっていなかったルネッサンスという文化を理解できたことによって、また違う目でフィレンツェを見ることが出来るようになりました。
私はもう何年も前から、フィレンツェにいることが好きでなくなっていました。 唯一ここにいる理由はここで結婚してイタリア人の主人がここにいるから、という漠然とした理由でした。 しかし、フィレンツェという都市が、私がさんざん知ってしまった 「ただの観光客を食い物にするだけの、金儲け主義たちが集まる汚い街」 というだけではなかったのだ、ということを初めて知って、私は自分がここにいる意味、有意義さを少しでも感じ取ることが出来て、自分の苦しみは一種の喜びにも変わりました。
また、ただの「華美を賛美する為の芸術」、「似たようなことを書き続けている宗教画」が、私にとっては「意味の無い、つまらない物」から その内のいくつかが、「500年前からの時を超えた貴重なメッセージだ」 という事がわかり、これまでの自分の理解であった、お金持ちメディチ家の、金のかかるの趣味に過ぎない、という否定的な印象から、 ただの金持ちの趣味ではない、自分たちの強力な財力を生かしつつ、芸術を通してソフトに真実を暴こうとしたのだということを知りました。
そしてメディチ家は、人文主義者(じんぶんしゅぎしゃ、umanista 、初期のヒューマニスト)の運動家たちや芸術家たちを、カトリック教会の弾圧から、財力があるという立場で、うまくその存在感を利用して庇護したのだと知りました。
彼らのパトロンであるメディチ家という、このパトロンというコトバの本当の意味も私はこの本を読んで、すっきり理解できました。今まで、パトロンというと、「資金を出す人」という意味にしか取れなかったのですが、なるほど、そういうことだったのかと、やっぱり教科書の中の説明だけでは、本当の、真の意味が理解できなかった。教科書はそのようにわざと真意がわからないように書かれているのだと思いました。
私は海外生活にあこがれて、とにかくヨーロッパがいい、という強い願望があり、イタリアは(当時は)物価が安かったから、自分の貯金でしばらく生活できる、フィレンツェは他の主要都市に比べて比較的治安がいい、と留学ガイドブックに書いてあったために、たったそれだけの理由で、私はこの街を選び、半年間の語学留学をしながら、イタリアで観光を楽しみました。やがてここでの生活が快適に思うようになり、しかも当時は日本人観光客がたくさんいたので、現地で仕事を見つけることが出来ました。
その後は現地の人と恋をし結婚もして、ほぼ永住することに決まったわけです。しかし、しばらくすると、やっぱり日本での生活が恋しくなったり、自分が外国人であるがゆえに色んなハンディキャップを背負っていることを思い知りました。 イタリア人との習慣のちがい、日本とは比べ物にはならないほどの世知辛いイタリア社会に嫌気が差して、逃げ出したい気持ちでいっぱいでした。
このままイタリアで年金もらうまで、このような状況で、あと30年もしくはそれ以上を働く人生を考えると、非常につらく、重い気分になることばかりでした。はたからみれば、イタリアで自力で仕事を見つけ、働いて、結婚もして優雅なところで生活して羨ましいと思われる事もしばしばです。
しかし、実際は、意地悪で嘘つきで、見栄っ張りで、隙さえあれば容赦なく人をだまそうとする習慣のあるイタリア人たち (全員ではありませんが、結構な率で多いです。フィレンツェ人だけでしょうか?) と、常にいつ自分がひどい目にあうか分からない疑心暗鬼雰囲気があるこの国で、自分はこのまま一生を過ごすのかと思うと不安になりました。
先が全く見えず、何故この街で結婚したのだろう、やっぱり日本人は日本にいるのが一番良かったのに、外国で経験をつんで自国に帰れば今、自分がイタリアでしているよりも、もっと良い条件の仕事や、生活が出来ただろうにと、悔やみ、自分の将来を暗い重い気持ちで見ていました。
3.11の日本の大地震から以降ですが、私は色々とネットで調べ上げ(先生のサイトもその内の一つです)、地球規模で色んな政治的陰謀があるのだということを知り、世界を牛耳る大銀行家の存在や、それよりもさらに上まる地球上の真の権力者が、実はバチカンであるだろう、ということも、その後にいろんなブログ等で知りました。
それを知った時、「まさか!」と思ったものの、すぐに「いや、ありえる」と私は思いました。それはイタリア人の超偽善性、拝金主義、目に見える貧富の差、沢山あるイタリア社会の問題、民衆のおそろしいまでの快楽主義、自分さえ良ければよいという行動をとるのを当然とし、荒(すさ)んだ生き方をしている、カトリック教会の総本山がある、この国の国民を見ていて私は「何かおかしい。
教えとは全く反対に行動している人間たち、これは信仰してる宗教そのものからの影響ではないか」と常々察していた為、カトリックの歴史と、今あるイタリアを考えると、確かに2000年も前から、嘘と偽善を教えられてたらきっとこうなるよな、と納得でした。
しかし、長くこちらで暮らし、ネットでバチカンの表と裏を知ってしまっても、まさかこのルネッサンスが、今から500年前にそのバチカンに対抗する運動の中心地だったとは私は思いもよりませんでした。
副島先生がこの本でお書きの、フィレンツェの空にたくさんの怨霊がいるということも私は分かります。私には霊感はないし幽霊など見たこと無いのですが、この私ですらも、なんとなく似たような事を感じ取っていました。この街に来たばっかりの時、当時学校で知り合った日本人同士で話したことなのですが、 道端でたまに見かける、ここでの現地生活が長そうな 「肌も髪もかさかさ、ぼさぼさ、鬼ばばのような形相をしたひどく荒んだ日本女性」を見てびっくりした、という話をよく聞きました。
やっぱり、海外で、しかも日本とは比べ物にならないくらい厳しい社会で一人で暮らしてると、それに対抗するがために、もしかしたらイタリアの一番悪いところに感化してしまったがためにああなってしまうのか?と、疑問に思っていました。もし、日本に住んでいたら、ここまで恐ろしい形相にはならないだろうと思います。 実際にイタリア人の顔を見ても、年齢よりも老けて見える人が多いし、嫉妬したり、厳しい形相をした人が少なくないです。
おっとりとした顔をしていると、人からなめられる確率が高いので、いつも自分をガードしてバリアを張っているということもあると思います。こういうことにもフィレンツェの空に沢山いる怨霊の影響があるのではないか、と思いました。
話はかわりますが、ここからは私が本を読んで自分なりに考えたり、ウィキ等でネットで簡単にですが調べた事によって新たに知ったことなどを書きますので、先生はすでに知っていることであるかもしれませんが少しお付き合いください。
!
先生がこの本に書いたように、偉大なるロレンツォと思想家たちが勉強会を開いたという場所の一つである、メディチ家の別荘のあるカレッジという地域には、大学病院があるので何回もバスで別荘の前を通ったり、カステッロの別荘には無料で一般に公開されているので散策をしに、何回か訪れた事があるのですが、
(カレッジという地域にあるメディチ家の別荘)
ヴィッラ カレッジ
http://it.wikipedia.org/wiki/Careggi
(カステッロという地域にあるメディチ家の別荘)
ヴィッラ・メディチェア・ディ・カステッロ(又はヴィッラ・レアーレ・ディ・カステッロといいます)
http://it.wikipedia.org/wiki/Villa_medicea_di_Castello
WIKIを読んでいたら、このヴィッラ・メディチェア・ディ・カステッロの寝室の為に、あのボッティチェッリの「春」と「ヴィーナス誕生」が書かれたとかかれていました。 なんだ~、そういう歴史のストーリーがこの場所にあったのか、と思うとうれしくなり、親近感がわきました。 残念ながら、このヴィッラ自体は一般公開されていないので、私も中に入ったことはありません。しかしウィキ掲載の写真を見たらわかるように、美しい庭があり、散策することが可能で私も数回訪れたことがあります。
ちなみにヴィッラ・メディチェア・ディ・カステッロという別荘があるカステッロという場所は
http://it.wikipedia.org/wiki/Castello_(Firenze)
古代ローマや、古代ローマよりさらに前に存在していたエトゥルリア人が集落を作っていたところで、当時から castellum カスッテルム と呼ばれていたそうです。その名前から今もほぼ同じ名前で呼ばれているみたいですね。この場所から、街まで水を送る場所であったそうです。
カレッジやカステッロなどは GOOGLEMAPS の衛星画面などで キーワードを careggi, castello firenze といれれば、位置関係などを見ることが出来ます。 よろしければ先生のご参考になさってください。私の話がイメージしやすくなると思います。
さて、カレッジのほうのヴィッラですが、こちらは私は一回も中まで訪れたことがありませんが、たまに、バスでこの横を通ることがあります。
バス通り沿いにあるこの別荘地を、私は一体何なのか全く知らずにいたのですが、高い塀越しにヴィッラの屋根というか、上の部分が見えるのを見ながら、古い建物・外観からして恐らく数多くあるメディチ家か何かの別荘だったところだろうと想像していました。
そして何故か、「ここには何かある、何かメディチ家に関係するものがあるような気がする」と、通るたびに何かもやもやした物を感じていました。
それと、銀行家出身の貴族であるメディチ家が、全くの汚い人間で大昔から世界征服を企む集団に関わるる人だったのか、それとも悪の組織に対抗する良い人たちなのか、と、
$! BGr$J$N$ 9u$J$N$ $H$I$C$A$ A4$/$o$ $s$J$$$J!A$H!”5?Ld$K;W$C$F$! $$^$7$?! #
銀行家と言えば、大体黒い人たちの集まり、と相場は決まっているので、大体でいえば黒だろうなあ~、でも違うのかなあ~、と毎回通るたびに、何故か私の頭に何か考えさせるものがありました。 知りたい、一体なんなのか知りたい、という思いがいつもそのバス通りを通るたびにありました。
今思うと、これはかつて500年前にこのカレッジのヴィッラに集まった人たちの念(ねん)と言うのか、もしくは霊(れい)などが私に送ってきたテレパシーに似たものではないのかと思います。 私には霊感はありませんが、色々なネット情報などから情報を得て、3.11 以降は、目に見えないけど実際に存在する不思議な事を信じるようになりました。
今となってようやく、何故、私がそこを通るたびにいつも頭に浮かぶ疑問があったのか、わかった気がします。こういう疑問も、先生の本のおかげで、すっきりさせることが出来ました。
先生の本を読むまでは、まさか自分の生活と間近に関係あるとは思いませんでした。ルネッサンスは芸術だけだと思い込んでいました。だから、どうやってそれが反バチカン運動につながるのか全く分からなかったし、
メディチ家が芸術家たちのパトロンだったことの存在の意味、フレスコ画や絵画にちらほら見受けられる不思議なこと (UFOが描かれていたり ヴェッキオ宮殿 フィリッポ・リッピ
http://utukusinom.exblog.jp/13716545
フィレンツェの複数の教会の最後の晩餐のフレスコ画で、どうしてもサン・ジョバンニが女性に見えること、
http://ameblo.jp/firenzenoamakakerufune/entry-1143751
http://it.wikipedia.org/wiki/Cena_in_Emmaus_(Pontormo))など、
今まで「どうして???」 と疑問に思っても、ストーリが全くつながらず、それ以上分からなかった事も、私の中で「大体の何故 ??? が解明された」と思いました。
この本を読んでからは私はリナッシメント (イタリア語、ラテン語のルネサンス。副島隆彦注記)について、親近感をもてるようになり、サンタマリア・ノヴェッラ教会やドゥオーモ、サンロレンツォなどの教会にも見学に行き、500年前にかかれた時を超えたメッセージである
ルネッサンス文化を感動しながら、最近、見てきました。もちろん私は絵画を理解するほどの特別な知識はありませんし、全てをわかったとはいいません。だけど、大まかに言ってやっと、彼らの伝えたかった事を理解し始めたという感じでしょうか?
話は少し戻りますが、先生はエトゥルリアの文明については少しご存知でしょうか? なぜかというと、私の勘では、ウマニスタ達は、エトゥルリアの文明があの時代でかなり進んだ技術を持っていたとか、あるいは凄い力があったのではないかとか知っていたのではないかと思うのですあくまで私の想像、または推理です)。
先生はウマニスタ達が「ギリシャ時代のように」と、描写されていますが、エトゥルリアについて知ってる人が少ないのということと、エトゥルリア人がトスカーナを中心とした地域にいた、という事実、それ以外の今のイタリアの国土には当時ギリシャの植民地があったということで、ひっくるめて、「ギリシャ時代のように」と先生はおっしゃったのではないですか? といっても、15世紀の頃に、エトゥルリア人という言葉自体が認識されていなかった可能性もあります。
何故、私が、エトゥルリアの事を書いてるのかというと、前の方で書きましたが、カステッロのヴィッラのすぐ近くにはエトゥルリア時代の墓跡が残っています(これは、私はまだ見たことがないです)し、カステッロから紀元前2世紀頃に作られた水道がそこからカレッジに向かった方向で遺跡として存在するなど、とにかく、この両地域は古代の文明にゆかりのある土地だと思うので、もしかしたら、当時からこのエトゥルリア文明の事を、メディチ家をはじめとするフィレンツェ人たちは知っていたのではないか。この事を知ったことによって、紀元前の方が実は文明が優れていた、そしてその超人的な技術等をみて、(はっきりとした時期はわからなくても大体)キリスト教が誕生してからは人間は非常に無力で無知になったことを彼らは悟ったのではないか、と私は思うのです。
もちろん、フィレンツェの街全体に、紀元前の遺跡がごろごろ残ってる、といわれています。 カステッロやカレッジという場所だけの話ではありません。中心街はそれらが今でも地下を掘り起こせば沢山でてくる、という話はみんな知っています。そのせいで、フィレンツェには地下鉄がないのだ、という話もあります。地下を掘ろうとすると遺跡が出てくるので工事にストップがかかって全く進まないからだそうです。
多分、15、16世紀のルネッサンス時代や、それよりも少し前の時代に、フィレンツェに沢山ある立派なヴィッラも建築しようとされるたびに、遺跡が見つかっていたのではないかと私は想像します(地下をどれだけ掘ったかのにもよりますが)。 こういうのもあって、コンスタンティノープルから学者が来て、彼らから色んな話を聞くたびに、フィレンツェ人たちは、「ああ、そうかも!」というひらめきのようなことが度々あったのかもしれませんね。
話が非常に長くなって申し訳ありませんでした。最後に一つだけ、間違いらしきものがあったので、ご連絡をさせていただきます。p54に、ダヴィデ像が自治都市の代議会場(500人広間)もある、その建物の正面玄関の入り口の脇におくことが決まった。
と、書かれているのですが、この意味だと、ヴェッキオ宮殿の正面脇に本物のダヴィデ像を置かれている事と解釈されます。しかし、p17には、ダヴィデ像のレプリカはヴェッキオ宮殿前のダヴィデ像、これはレプリカで本物のダヴィデ像はアカデミア美術館に展示されている、と先生は書かれています。
ダヴィデ像の レプリカをどこに置くために、わざわダヴィンチやミケランジェロが集まっただろうかと考えると、私は違うのではないかと思うのですが。
確かにダヴィデ像はフィレンツェに合計3体(本物1体、レプリカ2体)あって、どれも有名な観光地で沢山の観光客が知っています。レプリカだと知らない人たちもいます。
しかし、先生はp17でレプリカであると既におっしゃってるので、もしかしたら、少し混乱されたか、書き間違いではないか、などと思いました。どうかご検討をお願いします。
本当に、素晴らしい本を書いてくださいまして有難うございました。本はこれから、友人達にまわして沢山の人に読んでもらおうと思っています。それと、日本にいる友達で、以前フィレンツェで美術作品の修復の仕事をしていた友人、その昔、語学学校で知り合った方で、今もフィレンツェに時々来るのを楽しみにしている友人ら、その他、南アフリカやイスタンブールにいるネット上の友人達などにも先生の本を薦めておきましたよ! 私自身も少しづつ身近な人から、ルネッサンスのもつ真実の意味を知ってもらえるように頑張って行きたいと思います。
有難うございました。
2013年、1月29日 フィレンツェ在住のAより
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
【1063】[1206]世界で起こっている異常気象と災害(人災)について
寺平さんが、オーストラリアの年明けからの打ち続く自然災害について、報告してくれました。(重掲1201「OZは異常気象」)。かの国では、ダムの水を貯めすぎても洪水を起こすからダメ、また不足しても、産業に支障をきたすからダメというのは異常気象のときは放水のタイミングが難しそうですね。
『オーストラリアにおける「不都合な真実」の悲惨な結末』 矢澤豊という方(オーストラリアに留学中か?)が書いたサイトの記事を読むと、オーストラリアの山火事の災害がこんなに大きくなっているのは、「ばかなグリーニー(Greenies 地球環境保護論者)たちのせいだ」と怒っているオーストラリア人の説を紹介していて、興味深かった。三年前の記事のようですが、引用します。
agora-web.jp/archives/627410.html
(引用開始)
2009年2月7日前後に、オーストラリアのヴィクトリア州で大規模な山火事(ブッシュファイア)が同時発生し、200人近くが死亡、約500人が重軽傷を負い、約2,000世帯が住まいを失うという大惨事がありました。(一部略)幸い私の周りには、身内や知り合いに直接被害を受けた人はいませんでしたが、知り合いのオーストラリア人弁護士が吐きすてるように言った次の言葉が印象に残りました。「バカなグリーニーたち(Greenies=環境保護主義者)の責任だよ。」どういうことか聞いてみると、つまり次のようなことだったのです。主に中国経済に牽引され好景気が続いたオーストラリアでは、ちょっとした不動産ブームがすすみ、ここ数年間に郊外エリアの外環部での宅地造成がすすんだ。以前からオーストラリアの内陸部に住む人たちは山火事対策として家屋周辺の森林を伐採することで延焼予防を施し、雨季には森林管理の目的で人工的に山火事を発生させ、枯れ草/枯れ木など燃えやすい燃焼材を人為的に処分するのが通常だった。しかし都市計画を牛耳る地方政府が、森林愛護や、山火事による二酸化炭素排気への反対を主張する環境保護団体の圧力により、このような計画的伐採や人工的山火事による予防策を禁止したという。それでもあえて住居周囲の木々を伐採した人は、刑事犯として罰金刑を科せられていた。それが今回の大惨事をきっかけに、 住民が蓄積してきた知恵と経験を無視し、感情論的なエコ政策を無理強いすることにより、災害被害の悪化を招いたとして、環境保護団体に非難が集中している(以下略)
(引用終わり)
田中進二郎です。
オーストラリアの自然災害は山火事にしても、洪水にしても人災の側面がかなりあるのでしょう。昔から住民が蓄積してきた知恵をないがしろにすると、大災害になってしまう。
東日本大震災でも、三陸海岸で、「ここから先は人が住んではいけない。」という言い伝えを破って、海岸近くに居を構えた人たちが多く家ごと津波に飲み込まれた。大津波に襲われる前、岩手県田老町ではコンクリートの日本一の防潮堤をつくって、世界からの視察団(2007年のスマトラ沖地震の後は、インドネシアからも来ていた)に自慢していた。(高さ10メートル)そして海岸線にそって住宅を作った。その安心が仇(あだ)となったのだ。『千年震災』(都司 嘉宣著 ダイヤモンド社)より。また都司氏は、この防潮堤の工事の過程で大きな誤りがあったのではないか、と疑いをはさんでいる。
作家の吉村昭氏(よしむら あきら)が存命であったらきっと、田老町のひとびとに警告を発していたであろう。吉村氏は生前三陸海岸をこよなく愛していたのである。
そういえば、昨年の春の福島難民キャンプツアーの折、いわき市の海岸の被災地をバスが走っているときに、副島先生が「太平洋は外洋であるから、津波や高潮などの被害を受けざるをえない。ゆくゆくは日本の各産業も、軸足を太平洋から、内海である日本海に戻していかざるをえない。それが必然的な流れである。」という『環日本海経済圏』の話を少しされていた。「戻していく」というのは江戸時代の北前船(きたまえぶね)が走っていたころに戻っていくということである。
確かに東京、名古屋、大阪の三大都市の50キロ圏内に日本の全人口の40パーセント以上が住んでいるという、今の「太平洋ベルト」の時代にもう大きな発展性なんてないのかも、と私には漠然と思える。
それより、歴史家の網野善彦氏(あみの よしひこ)がいった、日本をユーラシア大陸から見て、外から囲む弧状列島のように見る視点を持つことによって、アジアおよびロシアとの交易をさかんにすること。こちらのほうが長い長い目で見れば大事なのだろう。そして副島学問道場の綱領である「アジア人同士戦わず」も、長期的な戦略として捉えられるべきであろう。「アジア人同士戦わず」については別の機会に考えたことを述べてみたい。
(ところで以上のことはオーストラリアに住んでいる方なら、簡単に理解されるだろう。なぜなら、オーストラリアの地図は南が上になっている、というから。)
さて話が戻ってしまいますが、今年1月のオーストラリアの自然災害は、日本のマスメディアではあまり報じられていません。やっぱり「対岸の火事」みたいに思われているようです。
それより世界の気象との関連でいえば、今度は北京、天津などの華北の諸都市や長江・珠江デルタの諸都市の光化学スモッグの問題が深刻になっている、というニュースが報道されるようになってきました。スモッグの中に含まれる微粒子状物質(Particulate Matter)のPM2.5やPM10の濃度を「空気の品質インデックス」というので見てみました。これが中国でも爆発的にアクセス数を伸ばしているようですね。私も一中国人になったつもりで検索してみました。
「河南省の一部では空気品質指数が500を超える、観測不能の汚染となった。」と1月12日の人民日報が伝えた。中国中央テレビは「PM2.5の値は、いずれも700を超え、、北京市通州区では900という値を記録した。」(1月15日)と報じている。これはWHO(世界保健機関)の基準値の36倍であるという。まあ、空気品質指数700とはどれくらいなのかがはっきり知らなくとも、あのスモッグの色をみれば、有毒であることは明白だと思われます。
この2日間ほどで、北京で雨が降ったことによって、大気中のPMが地上に落ちたことによって、スモッグはいったん警戒レベルを脱したようである。北京の空気品質指数がPM2.5が200、PM10が72となっている。東にソウルはPM10が34(PM2.5のデータは見つからず)、福岡市中央区はPM2.5が69でPM10が24。広島市西区がPM2.5は39
PM10が20(これはきれいな空気ということらしい。)大阪市此花区がPM2.5が35。
名古屋市がPM2.5が48、PM10が16だった。(2月3日午前4時現在)やはり中国からの距離が大きくPMの濃度と関係しているようである。また東京ではPM2.5の濃度が高いときでも50ぐらいだそうだ。
放射能の次はスモッグの微粒子状物質が、西日本の人たちの不安になってきている様ですね。やっぱり放射能と違って、黄砂ははっきり、大気の色で感じとれますから。私も関ケ原(岐阜県)あたりを境にして、西と東で空気の色が違うなと感じることがあります。(東海道新幹線で東京から大阪へ移動すると、滋賀県に入ったとたんに空が黄色くなったなと感じます。黄砂は伊吹山や鈴鹿山脈でかなりさえぎられているのではないでしょうか・・・)
うすく放射性物質や微粒子状物質のもやがかかった国、それが日本の空気なのでしょう。
結論がうまく出せませんでした。
次は副島先生の「アジア人同士戦わず」の思想の系譜を探る、という題で書きます。
田中進二郎拝
【1062】[1205]クラウゼヴィッツとイルミナティ
長井大輔(ながいだいすけ)です。
ピーター・パレット『クラウゼヴィッツ 『戦争論』の誕生』(以下『伝記』)という本に、イルミナーティ(イリュミナート、光明会)のことについて、書かれていたので紹介します。カール・フォン・クラウゼヴィッツ(1780-1831)はプロイセン軍の将校であり、彼の著書『戦争論』で展開された戦争理論は、後世に多大な影響を与えたとされる。
『伝記』によれば、フランス革命戦争中の1795年、15歳の青年クラウゼヴィッツはオスナブリュック(ドイツ西部の都市)滞在中にイルミナーティの影響を受けたという。彼は、イルミナーティに触れたことにより、「一介の兵士としていい気になっていた私は目を開かれ、突如として思索的になり、高邁な大志を抱くようになりました(P63)」と書くほど、強烈な印象を受けた。1780年代ころ、イルミナーティはオスナブリュックに拠点を持っており、読書サークルや巡回図書館によって、自分たちの考えを広めていた。
『伝記』は、イルミナーティについて、次のように説明している。
(引用開始)
十八世紀後半に形成された「フリーメースン」や「イリュミナート」などの秘密結社は、ドイツの新しい啓蒙思潮の担い手を自認する人たちを結集させる役目を果した。こうした結社はまた、当時のドイツ諸侯国内の日常生活にまだ色濃く残っていた宗教改革ならびにこれによって誘発された対抗改革のイデオロギーに反対する人たちに、教会に代る何らかの同志グループに属しているような感じを与えた。信仰と知性の新しいよりどころを求めて孤立していた人たちは、この集まりに加わることで心をほぐした。(P64)
(引用終了)
「イルミナーティ」結社の創立者アダム・ヴァイスハウプトについては、次のように書かれています。
(引用開始)
彼(引用者註:ヴァイスハウプト)もまた、筋金入りの理想主義者たちのこの秘密組織が、知識人にも社会にも役立つ大きな力になってほしいと願わずにはいられなかった。より優れた者はより高き位置に序せられるという峻厳な自然の法則に従い、人間の知性を自由に羽ばたかせよと要求するエリートの味方になることによって、「イリュミナート」は同志らの人格を、学問を国中に広め、すべての人間をより高き頂きに導くことが出来るのではないかと彼らは考えた。(中略)人間の存在が自然の法則に完全に一致するとき、これまで人々を隷属させてきた古い宗教や政治制度は崩壊するはずだ。(P65)
(引用終了)
クラウゼヴィッツは秘密結社としてのイルミナーティには好感を持たなかったようですが、思想としてのイルミナーティは彼の人格形成に大きな影響を与えたようです。彼は、「人間は自分を知る方法を学ぶことによって、自己改革ひいては社会改革も出来るという彼らの発想」に深い感銘を受け、「人間は自分自身の思い込みを捨て、自己を解放することが出来る。これを勇気と決断力をもって実行すれば、他者に導かれなくても、自分の知的能力を自分で自由に羽ばたかせることができること」を学んだそうです(P66)。
長井大輔 拝
【1061】[1204]ご卒業おめでとうございます。
高校の卒業式は今日あたりがピークでしょうか?
高校生の会員さん、おめでとうございます。社会に出て、あるいは上の学校に進まれる方、ここからが本物の勉強です。
高校三年生の保護者の皆様、おめでとうございます。
※投資関係の仕事をしている都合、失礼ながら名乗ることが出来ません。
【1060】[1203]春闘[
金融プチバブルをつくっても、いずれ、はじける。
消費的支出を増やしても、国は、豊かにならない。
国家は労働の果実を略奪し、さらに、成熟によるデフレの恩恵をも破壊する。
春闘始まる。
「春闘」は、総理の所信表明演説にある、
「額に汗して働けば必ず報われ」るかどうかを、検証する機会だ。
オーストリア学派の論理が妥当かどうか、
「物価上昇率」と「ベースアップ」(和製英語)の関係を確認することで考えてみたい。
「物価上昇率」と対比すべきは、「ベースアップ」だ。 「定期昇給」では無い。
「定期昇給」0%とは、
あなたの1年間の、労働における知識技能の向上、経験をつんだ事による、
労働による社会への貢献が、「報われたのが」0%だ、という事を意味するのではないか。
以下、上記を考える為のキーワードの参考資料を貼り付けます。
メディアは、今こそ「ベースアップ」と「定期昇給」の違いを、分かりやすく国民に説明するべきだ。
必要最小限の説明や、誤解を招く事実の提示が、行為として道徳原則に適うとしても、
その意図するところ、目的が、「国家による国民への詐欺行為の加担」であれば、
道徳原則に反していると言えるのではないだろうか。
●日本経済新聞「春季労使交渉が開始 経団連と連合、賃上げ巡り応酬」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL290FM_Z20C13A1000000/
「(経団連側は)危機的な経営状況にある企業は定期昇給(定昇)の凍結、
延期を協議せざるを得ないと指摘した。」
「経団連は賃金体系全体を引き上げるベースアップについて
「実施する余地はない」との姿勢を示している。
●NHKニュース「春闘スタート賃金引き上げで隔たり」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130129/k10015134621000.html
「経団連側は、厳しい経営環境が続いているとして、
基本給を一律に引き上げるベースアップについては実施の余地はなく,
定期昇給についても、延期や凍結を協議せざるをえない場合もあるという方針を示しました。」
●Wikipedia「ベースアップ」
http://ja.wikipedia.org/wiki/ベースアップ
「賃金の上昇額や率を計測する概念には、他に定期昇給(定昇と略すことが多い)があるが、
賃金交渉の実務上は、ベースアップと定期昇給は区別される。」
「1年間の給与の伸びは、ベースアップ部分と定期昇給部分に分解できる。」
「ベースアップ額はすべての労働者の名目賃金を底上げするものであり、
インフレなどの貨幣的な要因の他、資本装備率の向上などによる
企業全体の生産性向上を反映したものである。
一方、定期昇給額は特定年齢層の従業員が
1年勤続を積みますことで得られる賃金の伸びに対応するものだから、
その年齢層の教育訓練がもたらした労働生産性向上部分に相当する。」
「ベースアップにあるもう一つの機能は、
インフレ率に応じて名目賃金を調整するという働きである。
たとえば、インフレ率が3%であり、名目の売上額が3%増加している状況で、
名目賃金が従来通りならば、実質賃金は3%目減りしてしまう。このとき、
名目賃金を3%上昇させてはじめて、実質的な労働条件は以前と等しくなるのだから、
従前同様の人材を確保するためには、いずれ名目賃金の底上げが必要となってくる。」
●copyrght(c).金融政策と展開.all rights reserved「インデクセーション」
http://kinyouseisakutotenkai.rash.jp/kinyou/22.html
「インデクセーションとは物価スライド制、価値修正、物価指数化制度などとも言われます。
賃金、金利、社会保障費、企業資産、債権、債務などを物価指標の動きにスライドさせ、
インフレに伴う所得や資産の減価や分配の歪みを是正する制度で、
インフレそのものを抑える政策ではなく、
インフレにともなう苦痛を和らげる役割を果す政策と言えます。」
●kotobank 「物価スライド制賃金」
http://kotobank.jp/word/物価スライド制賃金
「今や日本でも春闘による賃上げに加えて物価スライド制を導入することが,
実質賃金を維持し向上させるうえで重要になってきているといってよい」
●星人事労務コンサルティング「カテゴリー別用語集」
http://hoshi-consulting.com/page_word5_1.html
「エスカレーター条項:escalator clause/li>
労働協約で、賃金を消費者物価指数や売上高などの変動に応じて自動的に調整することを決める条項。」
●PDF『インデクセーションの累型と効果』松水征夫
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/metadb/up/kiyo/AN00126877/SeikeiRonso_25-5_1.pdf
【1059】[1202]牛肉規制緩和について
2005年以降、BSE問題で、米国、カナダ産牛肉は月齢20ヶ月以下に限定して輸入していたのが、今年2月より30か月齢まで輸入拡大するようです。
〈転載開始〉
牛肉輸入緩和、2月から
2013年1月22日(火)2時2分配信 共同通信
政府は、牛海綿状脳症(BSE)対策として実施している牛肉輸入規制を2月初旬にも緩和する方針を決めた。関係者が21日、明らかにした。現行規制で牛の月齢が「20カ月以下」に限り認めている米国とカナダからの輸入について「30カ月以下」に拡大、現在は輸入を認めていないフランスとオランダからの輸入も同じ基準で認める。輸入に際しこれまで求めてきた脳や脊髄など特定危険部位の除去も、今後は求めない。
〈転載終わり〉
内閣府食品安全委員会のホームページによると、「牛海綿状脳症(BSE)対策の見直しに係る食品健康影響評価の概要」の中で、牛の感染状況は、「評価対象の5カ国(日本、米国、カナダ、フランス、オランダ)では、2004年9月以降これまでの8年間に生まれた牛にBSE感染牛は確認されていない。」とあります。ところが、別のニュースソースによると、昨年米国でBSE感染牛がみつかったと報告されています。
〈転載開始〉
農業情報研究所>狂牛病 >ニュース:2012年4月25日
アメリカで6年来初めてのBSE 非常に稀な非定型BSEというが徹底的検証が必要
アメリカ・カリフォルニアの乳牛の狂牛病(BSE)感染が確認された。この乳牛は4月18日、レンダリング前の死亡牛が保管されるBaker Commodities Inc. の施設(カリフォルニア・ハンフォード)に持ち込まれ、ルーチンの検査でBSEが発見された。
~中略~ 非定型BSE自体、なお謎に包まれた病気である。その発生のメカニズムも、ひとへの伝達についても解っていないことが多い。「古典的BSEやその人間版である変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)よりも感染性と病原性が強い上に、MM2型と呼ばれる人の稀なCJDに非常に似た症候や脳損傷のパターンを持つことを示唆する」研究さえある。イギリスの伝達性海綿状脳症委員会(SEAC)は、このBSEは自然発生したものらしいと言いながら、他の可能性も排除はできない、経口伝達は確認できていないが、その可能性も排除はできないと言っている。
だが、米国がやめてしまったような(米国 狂牛病サーベイランス計画縮小へ 米国の狂牛病は「歴史」の闇に,06.7.21)アクティブ検査でこのようなBSEの発見は可能、人間の感染の発見はもっと難しいが、このような場合にも、現在の飼料規制や特定危険部位の除去等の対策で動物と人間は護ることが出来だろうとも言う。逆に言えば、古典的BSEが減り、撲滅されたとしても、なお飼料規制や特定危険部位除去やサーベイランスの徹底など、厳重な警戒が必要ということである。
~中略~アメリカ産牛肉の輸入規制緩和のリスクを評価中の食品安全委員会、今回は発見されたケースの仔細な検証に加え、非定型BSEのリスクやアメリカのBSE対策の改めての徹底的検討を迫られよう。それなしに輸入規制緩和を認めるようなことがあれば、日本国民は決して納得しないだろう。現段階で明白なことは、今度のケースが何時どこで生まれ、どこで育てられたかも分からないように(少なくとも発表がない)、これらを迅速かつ正確につきとめる個体識別システム、すなわちBSE対策の基本中の基本がアメリカには欠けていることである。
なお、2011年にOIEに報告された世界のBSEのケースは、イギリス7例、スペイン6例、ポルトガル5例、フランスとアイルランドが各3例、スイス2例、カナダ・オランダ・ポーランドが各1例の計29例だった。うち、オランダの1例とスイスの2例の計3例が非定型とされている。2012年(今年)はポーランド、スイス、イギリスの各1例が報告されているが、ポーランドとスイスのケースが非定型とされている。今後、非定型BSEへの注意を強める必要がある。
〈転載終わり〉
また、先程の内閣府食品安全委員会のホームページによると、「飼料規制等のリスク管理措置」の欄に、「飼料規制はBSE発生抑制に
大きな効果があった」と書かれています。飼料規制とは(釈迦に説法ですが)BSEが大発生するまでは、牛に共食いをさせていた、牛の解体処理の残りの部分を飼料としていた~それを禁止したということです。禁止されたあと、どうなっているのか?
〈転載開始〉
牛や鳥の生産者は、いまだに飼料に食肉処理プロセスから出た動物の血液や内臓など体の一部を混ぜることでタンパク質成分を水増ししている。狂牛病(BSE=Bovine Spongiform Encephalopathy)の発生以来、血液や内臓、屑肉などをそのまま牛の飼料に混ぜることは違法になったが、牛の血液や内臓を鶏や豚の餌に混ぜることは依然として違法でない。さらに、安上がりなタンパク、カロリー源として重宝されているフェザーミールと呼ばれる、鶏舎に溜まった鳥の羽やこぼれたトウモロコシなどのゴミを集めて牛の餌にすることも合法だ。そのため、BSEに感染した牛から出たプリオンが鶏の消化器官を経由して牛の飼料中に戻る可能性は否定できない。
~「食の終焉」 ポール.ロバーツ著、P321より~
〈転載終わり〉
今回の規制緩和の前段階と思われるこんな措置のニュースがありました。
〈転載開始〉
ブラジル産牛肉を輸入停止
2012年12月9日(日)0時13分配信 共同通信
政府は8日、ブラジルで初の牛海綿状脳症(BSE)の発生例が確認されたとして、同国からの牛肉製品の輸入を停止したと発表した。国際獣疫事務局から8日入った連絡によると、BSE感染が判明したのは2010年12月に13歳で死んだ雌牛1頭。ブラジルからの11年の牛肉輸入量は約1400トンで、全世界からの輸入量の0・3%にとどまる。ブラジルは口蹄疫の発生国であるため生鮮牛肉の輸入はこれまでも認めていない。
〈転載終わり〉
2003年当時、BSE問題に対して、日本政府は米国産牛肉の輸入規制を行う一方で、オーストラリア産とブラジル産の牛肉を増やしてきました。それが、最近ブラジル産牛肉の輸入を禁止していますが、記事を読めばわかるように、2010年に13歳で死んだ牛の話です。
前述した2012年の米国感染牛の話とで、理屈が噛み合いません。
〈転載開始〉
国際獣疫事務局、日本など5カ国にブラジル産牛肉の輸入禁止解除を要請
2013/01/10 15:56
国際獣疫事務局(OIE)は、日本や中国、南アフリカ、サウジアラビア、ヨルダンの加盟5カ国に対し、先月にブラジル産食肉牛のBSE(牛海綿状脳症)感染が発覚したのを受けて同国産牛肉の輸入禁止措置を講じたのは行き過ぎだとして、輸入禁止を撤回するよう要請した。中南米専門の通信社メルコプレスが8日に伝えた。
〈転載終わり)
日本国内では、全頭検査とトレーサビリティー(固体識別管理法)で、牛肉の質が維持されてきました。しかし、輸入牛肉は各国の規制で事情が異なり、国内の厳格な規制に慣れてしまっている一般庶民がそうと気づかず輸入牛肉を飲食して問題が起きねばいいが。。と思っています。外食産業の中や、加工食品の中に(例えばカレー粉やすなっく菓子など)入ってくるでしょうから。
思い出すのは、2011年夏の生ユッケ事件。あの生ユッケの材料が米国産輸入牛肉である事がわかったとたん、当局の問題姿勢の腰が砕け、本当は「どの段階で、病原性大腸菌に汚染されたか」を調べるべきなのに、うやむやのうちに飲食店だけ潰れ、生ユッケ禁止なんてことになってしまった。。米国産食肉について、上記「食の終焉」の他、「ファストフードが世界を食いつくす(エリック.シュローサー著)」等によれば、夏場であれば牛の50%以上が病原性大腸菌陽性であり、食肉処理場において機械処理するために、1頭の感染がその日処理する数千頭に拡散してしまうようです。。
暗い話になってしまいましたが、ちょっといい話もあります。
〈転載開始〉
オランダの食品安全プログラムを実施しているのは、農政当局ではなく、公衆衛生当局だ。ここでは、きびしい規制が食肉生産のすべての側面に及ぶ。動物性廃棄物を飼料に混ぜることを禁止し、成長促進剤としてのホルモンの投与を禁止し、輸送中の牛のストレスを緩和させ(それによって糞便中の細菌の数を減らし)、汚染肉を差し押さえる。。。。
(転載終わり)
規制緩和後のお勧めはオランダ牛肉でしょうか~ちなみにEUは、米国産牛は残留ホルモンが問題であるとして輸入禁止措置を続行しているはずです。
【1058】[1201]OZ(オージー)は異常気象
はじめまして会員番号7617番の寺平浩です。
こちらはゴールドコースト、オーストラリアからですが、先週末から昨日までサイクロンと大雨で大変でした。
只今29日火曜日、仕事場では停電が明日の朝まで続きそうなので働くことができません。なのでこの時間と重掲を利用して最近のOZ(オーストラリアのこと)をQLD州(QUEENSLAND STATE)から語ろうと思います。
今日はホットな洪水の話ですがこの話をするには2011年まで遡ります。2010年末に始まった大雨は大方の予想に反し2011年初のQLD州各地の洪水を発生させました。特にひどかったのが首都ブリスベンでブリスベン川周辺の町および都市部が水浸しになり1ヶ月程はビジネス活動に影響を与えました。
この問題、ブリスベン川に限って言いますと天災だけでなく人災でもあることが後に明らかにされつつあります。当時のQLD州プレミア、アンナ=ブライはウィバンホー ダムの放流が遅れた為に下流地域の洪水の被害が拡大された可能性をわからないということで逃げの一手をうっていたが、のちの報道では同ダムの最大貯水量は210%とされており190%程になったところで流入量と同量を放流し始めている。その時期がロッキヤーバレー地区を流れ降ってきた洪水と一致している。そして今回と前回の大きな違いはこのダムを運営している民間会社の迅速な対応(事前の放流)だろう。それはそのはず2011年の件で被害者の方々から集団訴訟も検討されている為、今日正午にブリスベンのブリスベン川(言いにくい)の水位はピークを迎えたが大きく下回っただろう。
しかし反対の側面から見るとおもしろい。
1974年の水害の教訓からブリスベン北西に築かれたウィバンホーダムは水利も兼ねている為、干害の続いたこの地域で大雨に備えて空にしておくこともできない。しかし貯めておきすぎると大雨の際に洪水貯水の余裕がなくなる。
現在、OZ全土は異常気象の真っ只中でTASMANIA、VICTRIA and NEW SOUTH WALES州では未だに干害が続き山火事がいたるところで起きているが今回のQLD州水害がやってきて、なんとNEW SOUTH WALES州(首都シドニー)では火に続き水そして風と自然災害が止まらないとはなんという皮肉だろうか。
ということで今日のオーストラリアの庶民ニュースは終わります。
Hiro Teradaira
【1057】[1200] 円安への市場操作 は、政府がやっても犯罪である。
副島隆彦です。
以下のウオールストリート・ジャーナル(WSJ)の最新の記事をしっかり、何度も目を皿のようにして読んでください。そのあと、一度でいいから、声に出して読みなさい。
そうしたら、どんな人にも現在進行中の異常な政府行動の大きな真実が分かる。
ダヴォス会議( 世界の超財界人たちの会議。さらに裏の山奥で、秘密の ビルダーバーグ会議の別動隊を開く)で、竹中平蔵が、「円安は・・95円が妥当」と公言している。 その前に、安倍晋三首相が「日本から衛星中継 を通じてダボス会議出席者に対し」、円安と 日銀による 株式、債券市場への直接介入政策への支持 を訴えている。
円安への市場介入は、たとえ政府によるものであっても、相場操縦罪(そうばそうじゅうざい)で犯罪である。 同じく 株式市場や 債券市場への、 ETF(イー・ティー・エフ)とかを咬(か)ませた形であれ、政府資金の投入も、商品取引法(しょうひんとりひきほう)違反の相場操縦罪である。
日本国債( 同じく米国債)への 日銀の資金の 直接(に限りなく近い、脱法=だっぽう=での)の購入も、日銀法、財政法違反の 犯罪である。
従がって、犯罪を自ら公言する、竹中平蔵 と 安倍晋三を ただちに日本の捜査機関(警察)は、逮捕して取り調べなければいけない。 そして、検察官(国家の代理人)は、起訴(インダイトメント indictment )しなければいけない。
円安への政府による市場操作(犯罪)( 日本政府が公言して、50兆円も米国債を断続的に五月雨(さみだれ)で買えば、為替市場で、巨大な円売り・ドル買いが起きるから2円ぐらいの人為的、人工的な円安になるに決まっている)
は、日本国の 自傷(じしょう)行為、自損行為である。 自分の顔や腕にカミソリで傷をつけることと同じだ。自分の国の国力を自ら削ぎ落し、外国からの信用を意図的になくそうとする、国家破壊行為である。
だから、竹中平蔵 と安倍晋三を、相場操縦罪の罪で、ただちに逮捕すべきなのである。 「政府は犯罪を犯しても捕まらないんだよねー」じゃない! この馬鹿野郎どもの、アメリカの奴隷国民の、アメリカに洗脳されつくした、クルクルパーになりつくしたアホ人間ども。 何が、この地上の正義、この世の正しさ (ジャスティス justice)であるかを、私、副島隆彦が教えてやる。
売国奴どもによる、これ以上の日本国家破壊を許すわけにはゆかない。
以下の記事をよーく読んだら、竹中平蔵という 和歌山の部落民あがり(下駄屋の息子)が、安倍晋三までも操(あやつ)っていることが、はっきりと分かる。
麻生太郎 (難読症 なんどくしょう =ディスレクシア dyslexia= の低能。漫画しか読めない。実はそういう人はたくさんいる ) と、亡国のイージスの飯島勲(いいじまいさお。在日の最高幹部)も、それから、使い捨てにされた石原慎太郎 (橋シタ徹は、一回お休み)たちは、 「竹中のやろう、勝手なことばかりやりやがって」と怒っていて、同格の争いかと思ったら、すでに、ずっと下のブツブツ組だ。
竹中平蔵が、日本の最高司令官だ。このダヴォス会議のお墨付き(評議会委員。日本代表)の 傀儡(かいらい)人間に、 日本国内で必死に抵抗できているのは、財務省(大蔵官僚)たちだけだ。 それもどうもこの20年アメリカの売国奴を、やり過ぎて武藤敏郎(むとうとしろう)たちが、アメリカに直接、なきついて勢力として生き残ろうとしているだけだ。
日銀は、栄えある三井・住友=ロスチャイルドの最後の意地(人事を取られることへの最後の反撃)を見せるか、で風前の灯だ。
とにかく、竹中と安倍を、相場操縦罪で逮捕せよ。それが、どう考えてみても、正しい人間の正常な判断だ。 違うのか。
副島隆彦拝
(転載貼り付け始め)
「 円相場は一段安の余地ある-竹中平蔵氏インタビュー 」
2013年1月28日 WSJ
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324829004578268490278507924.html
安倍晋三首相の経済アドバイザーを務める慶応大学教授の竹中平蔵氏は、円相場は依然として一段と下落する余地があり、多くの人々は1ドル=95 円まで下落すると予想していると述べる一方で、日本政府が円安誘導のため金融政策を緩和しようとしているとの海外で高まる批判を退けた。
竹中氏は、経済問題で安倍氏に長年助言しており、日銀の次期総裁候補の1人としても取りざたされている。竹中氏は、円相場の最近の下落は過剰な 強さからの修正の結果であり、日銀の最近の金融緩和措置は円安誘導のためではなくデフレ脱却を狙って講じるものだと語った。
竹中氏は26日、ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで語ったもので、「この訂正局面は始まったばかりであり、円があまりに大幅 に下落したというのは公正な言い方ではない」と述べ、円相場が過去何年間か上昇してきた点を指摘した。
同氏によれば、過去5、6年間で円は対ドル で40%上昇、韓国ウォンに対しては50%も上昇した。その後対ドルで15%、対ウォンで20%下落したにすぎないという。
スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラム年次総会(通称ダボス会議)会場でインタビューに応じた竹中氏は「円相場がどこで落ち着く か、あまり特定の考えはないが、多くの人々は現段階で1ドル=95円近辺が妥当だと考えている」と語った。ドルは先週末25日に91円20銭と 2010年6月以来の高値に上昇した。ニューヨークでは90円93銭で取引を終了した。
竹中氏は現在、安倍政権下の日本経済再生本部の「産業競争力会議」メンバー。同氏は、安倍政権が円安誘導のため、日銀に圧力を掛けて2%のインフレ目標を採用させたとの海外の批判に反論した。
同氏は「日銀の政策の眼目はデフレ阻止のためであり、為替レートの目標設定ではない」と述べ、インフレ目標の導入で日本は米国、ユーロ圏、その他多くの諸国と同列に並んだにすぎないと語った。
日銀が先週、2%のインフレ目標を設定し、来年から資産の無期限購入を開始することを決定したが、ダボスでは外国政策立案者たちの注目を集め た。一部ではこれが通貨戦争、つまり各国による競争的な通貨切り下げの引き金になると懸念されているが、日本政府当局者は日銀の措置を弁護してい る。
ドイツのメルケル首相は先週、ダボス会議で、「現時点で全く懸念なしに日本に目を向けているとは言いたくない」と述べ、「ドイツでは、中央銀行というものは悪い政策決定、競争の欠如の後始末をするためにあるのではないと信じられている」と述べた。
これに対し、安倍首相は日本から衛星中継 を通じてダボス会議出席者に対し、日銀の独立性は依然として「揺らぐことはない」と保証すると述べ、日銀には政策実現のための諸措置を選択する自由があると語った。
竹中氏は同首相の発言に同調し、「わたしの見解はまず、市場から日本国債を購入するよう努めることだ。それがプラスの効果を生むと思う。しかし、それが十分でない場合、目標を達成するため、外債購入など他の措置を検討することもできる」と語った。
同氏はさらに、必要ならば、4月に任期切れとなる日銀の白川方明総裁の後継者になる新総裁は政策をシフトさせることもできるだろうと指摘。「政府と中央銀行は既に、インフレ目標設定方式についての枠組みで合意済みだ。新しい総裁がこの目標を達成できないならば、遅かれ早かれ彼ら(日銀と 政府)は動くだろう。したがって、この意味で、誰が総裁になるかあまり重要ではない。枠組みが既に合意済みだからだ」と語った。
竹中氏は、国内総生産(GDP)比で200%以上という膨大な政府債務に対する政府の返済能力にとってインフレ加速はリスクではないと述べ、「インフレが加速すれば、税収も同時に増加し、債務返済がもっと容易になる」と説明した。
同氏は、もっと重要な任務は日本の債務元本を返済していくことだと述べ、「安倍首相は柔軟な財政政策という言葉を使っている。短期的、つまり1年ないし2年で成長をスタートさせる果敢な財政政策が必要で、その後、債務を削減するため緊縮的な財政政策を運営することが必要だ」と語った。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
【1056】[1199]中国人民元に関して
中国人民元に関して
昨年の金融セミナーの際に人民元の件で気になった事があり自分で香港と中国の
銀行へ直接確認して来た事を紹介します。
昨日の金融セミナーの際に隣りの女性と話をした際やはり彼女も誤解してたので
この点を紹介しておいた方がいいかと思い列記します。
(この情報は最近の状況で数年前とは相当異なっているようです)
1.香港と中国本土は銀行の口座の扱いが異なる。
共同名義は香港のみ可能で本土ではできない。
2.人民元は中国本土の通貨と国外の2つがある。(預金通貨として)
香港でもつ口座の人民元は本土へ送って入金しても外貨と同じ扱い。
3.中国本土の人民元は中国人でも外国人でも外貨との交換は米ドル5万ドル相当
までが1年間の上限。(1$=6.224元だと)311、200元/年間迄
つまり日本円で453万円程度が上限です。それ以上は購入できません。
だから1億円とかを中国本土の元に替える事は1年間では無理です。
香港(非香港居住者のみ)や日本の銀行であれば無制限です。
4.香港のHSBCであれ他の銀行であれ同じでこれは外貨としての人民元である。
5.外貨の人民元は送金の限度額は1日8万元です。それ以上はできません。
日本のミズホ銀行では送金や現金化は一切できない様です。(今日現在)
中国本土への外貨元は1日8万元まではインターネットでも送金できるが中国
本土から外国へはインターネットでの送金はできません。窓口へ行くしかあり
ません。しかし窓口へ行けば無制限に元の銀行へは送り返せます。HSBC間。
6.人民元の金利は本土では国内元も外貨元も同じ利息です。
7.香港での人民元の通常利息は1%未満ですが窓口で確認すれば各種のキャンペ
ーン等の特別利率が銀行毎にあります。
以上が私が確認して知っている事ですが、自分でよく確認ください。銀行毎に条件
が異なる事が非常に多いのが人民元です。
【1055】[1197]『メルトダウン 金融溶解』
アベノミクスの評価に対して視線が偏らないように、
オーストリア学派によるアベノミクスの意見を聞いてみたいです。
しかし、見当たりません。。
●現代ビジネス ニュースの深層
浜田宏一教授が圧勝した野口悠紀夫氏との議論!
アベノミクス実現で「1ドル=120円、日経平均1万6000円」も見えてくる
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34650
●DAIAMONDonline
「インフレ目標批判のFAQ無効論を検証する」
http://diamond.jp/articles/-/29974
●JBPRESS「資本主義の危機と経済思想の新潮流
オーストリア学派に妙な親近感を覚える理由」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34281
DAIAMONDonlineのインフレ目標批判のFAQ無効論を検証する。
という記事の中に、人工減少デフレ論「デフレの正体」を個別品目の問題で、
本来のデフレではないとして、俗論として切り捨てる記載があった。
ミクロ経済現象であり、マクロ経済現象ではないとするものだ。
ならば、私はここでいうミクロ経済現象にこそ、いま着目するべきだと思う。
人口減少による需要減を補うべく、
各企業は、生産設備の縮小、人件費削減、新規事業の拡大、
付加価値創造による高額商品の販売などに努めている。
人口減による需要の低下により、競争が激化して、
主要販売商品の価格競争は厳しいものになっている。
人口減による影響、波及効果は上記の点で存在してる。
主力商品を購入する購買層と、高付加価値商品を買う購買層とでは所得が異なる。
いま、注目すべきはこの価格競争が激化している商品を購入している低・中所得者層の現象だ。
物価上昇率の数値の増減のみでは、この様な企業の活動や庶民の生活は見えない。
「サラリーマンは気楽でいいよな~」という批判の影で、
企業の従業員のなかにも、「実質過労死」や「プレッシャーに耐えかねての自殺」など、
総務課などの努力?によって、表面化されていない厳しい現実もあるのではないだろうか。
経済指標と引き換えに、政策のしわ寄せがどこにいくのかは見えにくい。
また、中国輸入デフレ論の否定でつかわれている、
他の中国から輸入をしている海外の国がデフレでは無い、という例の提示は、
日本とその国では、比較の為の前提条件が違うのではないかと、私は疑問をもつ。
※すでに皆さまが読んだと思われる文章ですが、
下記貼り付けさせていただきます。
あまり長文を貼り付けるのも何なので、
引用は少ししか貼り付けませんが、
私が個人的に参考になった要点は他にもたくさんあるので、
もっともっと貼り付けしたかったです。
2009年の翻訳本をいまいちど読んで、
アベノミクスについて考えてみたいと思います。
『メルトダウン 金融溶解』トーマス・ウッズ
監訳・解説=副島隆彦 訳=古村治彦 序文ロン・ポール
(以下すべて引用)
「現在の経済危機を理解するために読むべき本は、
この本以外にはない。私は喜んでこの本を推薦し、皆さんにご紹介する。」
序文=ロン・ポール
「ノーベル経済学賞を受賞したF・A・ハイエクは、
市場ではなく、政府の作った機関である中央銀行が社会全体の富を増やすための近道を進もうとして、
結局は、好景気の期間を短くし、不景気がすぐにやってくるようにしてしまう道筋を私たちに示している。
社会全体の富を急に増やす方法など存在しない。中央政府のいかなる試みも、
経済の大不況を招く結果に終わってしまう。今まさに起こっていることがそうである。
連邦準備制度が、経済の実態とはかけ離れたレベルにまで金利を引き下げたために、
長期間にわたっては持続できないことが明らかだった産業部門(金融、不動産)に資本が流れ、
無駄に浪費される結果となった。
ハイエクは、ノーベル経済学賞受賞者のうちでも、今の私たちが耳を傾けるべき経済学者である。」
「新しく作り出された通貨を最初に受け取るのは、
政治的に優遇されている者たちである。
例えば、政府と取引がある銀行や企業がそれに当たる。
政府はそれらの銀行や企業との取引を通じて金を使う。
これらの恵まれた金の受け手は、
インフレーションによって物価が上昇する前に新しく作り出された通貨を受け取る。
そのときには、経済全体でどれくらいの通貨が新しく作り出されるか分からないので、
物価も変動しにくい。
新しく作り出された通貨が経済全体に行きわたると、物価はすべての分野で上昇するようになる。
しかし、このプロセスが進んでも、インフレーションが起きる前に金を受け取っていた恵まれた企業は、
物価上昇前の価格で原材料を購入していたので、それで利益を得る。
それはまるで、自分たちの製品の買い手たちから少しづつ収奪しているようなものだ。
一般の人々が新しく作り出された通貨を、
収入の増加分、もしくは借り入れコストの減少分の形で受け取るときには、
物価は上昇をはじめてしばらく経っており、
収入の増加分がなかったときに、高い物価のモノを購入していた。
普通の人々の手元に新しく作り出された通貨がいきつく前に、通貨の価値は減少してしまっている。」
「政府は、資金を無から作り出すことはできない。
銀行の救済策を実行するには、政府は、どこからかお金を借りてくるか、
紙幣を印刷するか、もしくは国民から金を奪わねばならない。
増税すれば政府の歳入はいくらかは増えるだろう。これは即効性もある。
金を借りてくるとなると、もう少し長い時間がかかるであろう。
政府の借入が増えると、富(実需)を作り出している部門に資金が回らなくなる。
資金不足によって破産しなければならない企業が増える。
銀行を救済する資金を得ようとして、他の企業を犠牲にしてしまうことになる。」
「ピーター・シフは次のように批判している。
「政府は『物価の安定』などと言っているが、実際は、年間二~三%の物価上昇を容認している。
物価上昇によって、政府は国民が物価下落で得られるはずの利益を奪っている。
また物価の安定という騙しを行ない、それによって、国民から票を買う。
そのために国民から富を奪っている。
簡単に言うと、有権者の生活水準を犠牲にしながら、
自分たちが再選されるように仕向けているのだ」」