重たい掲示板

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田中進二郎 投稿日:2013/03/30 11:49

【1096】[1239]プーチン・ロシアとイギリスの関係

プーチン・ロシアとイギリスの関係
副題:『元クレムリンのゴッド・ファーザー』ベレゾフスキーの死をめぐって    
田中進二郎

「キプロス預金封鎖とロシア」というタイトルで重たい掲示板(1233)に投稿しました。
元KGBによってボリス・ベレゾフスキー氏は暗殺されたのだろう、と書きました。
が、公式の見解では、「ロシア人富豪(オルガーリヒ)ベレゾフスキー氏は首吊りで死亡」=英警察(ロイター通信など)となっています。

さらにあの佐藤優(さとう まさる)氏が、『ベレゾフスキー氏は自殺だろう』という見解を出されました。(「佐藤優の眼光紙背」3/28付)
「えっ、そうなん?」と思いましたが、なにしろあの佐藤優氏が言ってるんだから謙虚に耳を傾ける必要があります。
以下「佐藤優の眼光紙背」(ブログより、文の冒頭から引用します。)

(引用開始)

 3月23日、英国ロンドン郊外(アスコット)の自宅で、亡命ロシア人の政商ボリス・ベレゾフスキー氏(67歳)の遺体が見つかった。
英メディアによると、ベレゾフスキー氏のボディーガードが浴室で遺体を見つけた。同氏は、英国で2006年、放射性物質「ポロニウム210」を盛られて亡くなったロシアの元情報将校、アレクサンドル・リトビネンコ氏の後見人。英警察が調べたところ、ベレゾフスキー氏の自宅からは、放射性物質などは検出されなかった。 ベレゾフスキー氏は昨年、親プーチン政権の富豪アブラモビッチ氏との法廷闘争に敗れ、巨額の債務を抱えた。また、ここ数年、複数の過去の経済事件を巡ってロシア検察当局などから捜査を受け、横領罪などで本人不在のまま実刑や財産没収の判決が言い渡されていたと伝えられている。 同氏の弁護士はロシアメディアに、借金を巡って絶望した末に自殺したとの見方を示した。一方で、同氏の友人は自殺説を強く否定している。ロシア国営テレビは、プーチン大統領のペスコフ報道官の話として、ベレゾフスキー氏が2カ月ほど前、プーチン氏に許しを請い、ロシアへの帰国許可を求める書簡を送ってきていたことを明かした。(3月24日『朝日新聞デジタル』)
英警察は、3月25日、<首をつって死亡したとの検死結果を発表した。他人と争った形跡はなかった。今後も毒物などの検査は続けるという。>(3月27日朝日新聞デジタル)。英露関係は良くない。特に英国のインテリジェンス機関には、KGB(ソ連国家保安委員会)出身のプーチン露大統領に対する忌避反応が強い。それだから、英国は、ベレゾフスキー氏の死因について、自殺の可能性が強いとしつつも、暗殺の含みを残して、プーチン政権に対する不信感を国際的に煽るであろう。
(引用中断。先を読みたい方は↓をどうぞ)

田中進二郎です。対ロシアのインテリジェンスである佐藤優氏のコメントとしては意外だと、拍子抜けされる方も多いのではないだろうか。
けれども、「待てよ」とここで立ち止まってみる。ソ連邦崩壊後のロシアをもっともよく知る日本人の一人であろう佐藤氏が、この事件について真実をそのまま伝えることが可能なのであろうか、と。
私は不可能であろう、と考える。彼がベレゾフスキー(とプーチンあるいはイギリスの諜報部の関係)について事実を全部語ったとしたら、それは危険なことにちがいない。

ここで佐藤氏の読者は一面的な理解、すなわち『佐藤優は自殺説だそうだ、くだらねえ』
と思う大多数の「興味本位」の人間と、批判的にものを読むことができる読者の二派に分かれる。
ロシアには、政治権力を理解し、それを伝達するために知識人たちが「二枚舌」
を用いるという伝統がある。それは私が思うにはドストエフスキーのころからあるのだろう。いやもう少し前かな。
政治に直接かかわっている佐藤氏の見解は時には裏読みする必要がある。

(以下『佐藤優の眼光紙背』より引用続き)

 筆者(佐藤氏)は、ベレゾフスキー氏と1996年に一度だけ会ったことがある。当時、ロシアではオリガルヒヤ(寡占資本家)と呼ばれる8人の政商が絶大な権力を握っていた。クレムリンの深い情報をとるためには、寡占資本家との人脈が不可欠だった。筆者は、チェチェン情勢が北方領土交渉にも大きな影響を与えると考え、安全保障会議副書記として、この問題に深く関与しているベレゾフスキー氏の考えを知りたいと思った。あるときベレゾフスキー氏に親しい改革派の政治家に連れられ、筆者はモスクワのパブレツキー駅のすぐそばにある同氏の宮殿を訪れた。外見は黄土色の古い建物だが、内側はクレムリンの大統領執務室のような造りになっていた。ベレゾフスキーは当時、泥沼化したチェチェン問題をマフィアや中東の人脈を用いながらチェチェン独立派の主張を最大限に尊重し、折り合いをつけて軟着陸させるというシナリオを筆者に話した。

その後の事態の推移はこのときベレゾフスキー氏が語った通りになった。 このときできたチェチェン絡みの人脈が、後にベレゾフスキーがロシアから追われる理由になった。プーチン氏は寡占資本家の支援を得て大統領になった。プーチン大統領の対チェチェン政策は、モスクワの統制に服さないチェチェン人を徹底的に殲滅するという方針だった。チェチェン独立派と折り合いをつけるというベレゾフスキー路線は、プーチン政権によって全否定された。

(引用中断)

田中進二郎です。
↑にあるオルガルヒヤと呼ばれる8人の政商とは

ボリス・ベレゾフスキー(1946~2013 ユダヤ系)
ミハイル・ホドルコフスキー(1963~ ユダヤ系)
ウラジーミル・グシンスキー(1952~ ユダヤ系)
ミハイル・フリードマン(1964~ ユダヤ系)
ピョートル・アヴェン(ユダヤ系)
ウラジーミル・ポターニン(1961~ 非ユダヤ人)
アレキサンドル・スモレンスキー(1954~ ユダヤ系)
8人目あたりは不明だが、ロマン・アブラモヴィッチであろうか? 

上記8人または7人によって、ロシアの富の半分をしめるといわれた。またポターニン以外はユダヤ系ロシア人である。プーチンが大統領に就いた2000年当時彼らのほとんどが30代から40代であることにも驚かされる。

(『新興大国 権力者図鑑』副島隆彦 責任編集 中田安彦著 第2章 ロシアとオルガリヒ P35~ と『プーチン 最後の聖戦』 北野幸伯(きたの よしのり)著を参考にしました。)

(以下佐藤優の「眼光紙背」より引用続き)

さらに大統領に就任後、半年くらい経ったところでプーチン氏は政治に介入する寡占資本家に対しては徹底的に弾圧を加えた。プーチン大統領は、ベレゾフスキー氏の盟友だったアブラモビッチ氏を取り込み、ベレゾフスキー氏を破産に追い込んだ。 チェチェン問題を扱ったロシアの国策映画『認識番号』(2004年12月公開、邦題は『大統領のカウントダウン』で2006年3月に公開された)に、チェチェン独立派、アラブのテロ組織を背後で操って、モスクワで人質事件を起こし、ロシアの政権に打撃を与えようとするロンドン在住のポクロフスキーという寡占資本家が出てくるが、明らかにベレゾフスキー氏をモデルにしている。この映画のスポンサーは、アブラモビッチ氏がつとめた。より正確に言えば、反ベレゾフスキー映画のスポンサーになり、旗幟を鮮明にしなくては、アブラモビッチ氏も弾圧される可能性があったということであろう。 

ベレゾフスキー氏が暗殺された可能性を完全に否定することはできない。しかし、カウンターインテリジェンス能力の高い英国で、ロシアの公権力が暗殺に関与するのはリスクが高すぎる。

さらに、武器商人やチェチェンやロシアのマフィアと錯綜した利害関係を持っていたので、その関係者による暗殺の可能性もある(筆者は2006年、英国で猛毒の放射性物質「ポロニウム210」を盛られて殺害されたリトビネンコ氏は、この種の抗争に巻き込まれたと見ている。また、ロシアのFSB[連邦保安庁]やGRU[軍諜報総局]の下級職員には、武器商人に取り込まれている者がいる)。

 ベレゾフスキー氏はドストエフスキーの小説の登場人物のような自己破壊衝動を持っていた。過去にもスノーモービルの暴走で瀕死の重傷を負ったことがあり、一時期は女子学生との恋愛に情熱を注ぎ、仕事を放り出したこともある。盟友であるアブラモビッチ氏に裏切られ、財産を失うのみならず、巨額の借財を抱えることになったベレゾフスキー氏が自己破壊衝動によって自殺すること自体に筆者は意外性を感じない。(2013年3月27日脱稿)

(引用終わり)

田中進二郎です。
佐藤優氏は「ロシアの公権力が、英国で暗殺に関与するにはリスクが高すぎる」と指摘している。だがFSB(ソ連時代のKGBの後身)が直接手を下さなくても、英国の諜報部(MI6)が実行した可能性はある、と私は思う。
ところでイギリスとロシアのつながりの深さは、実は副島先生と佐藤優氏の対談本『暴走する国家、恐慌化する世界』でも語られているのである。この関係はロシア革命の時から続いている、という点でお二人の意見が一致しています。
「LTCM事件の裏で動いたソロスとロスチャイルド」(p89~94を見てください)

ここを読むと、プーチン大統領の誕生の裏に、ベレゾフスキーのほかに、ロスチャイルドとロックフェラーの二股(ふたまた)をかけたソロスがいたという可能性を考えることができます。
多くの人はプーチン=反ロスチャイルドと思っているでしょう。前回から何度も引用した『プーチン 最後の聖戦』の北野氏もそうです。しかしイギリスの裏はそうじゃないんだ。
そういうことをお二人は語っていると私は考えます。

『ジョージ・ソロスの資本主義改革論:オープンソサイエティを求めて』や
『リトビネンコ暗殺』などが、ソロス財団によって作られたロックフェラーよりの物語であり、プーチン像、である。ソロスは、当時無名に近かったプーチンがいきなり首相に躍りでてきたのは、不可解以外のなにものでもない。と語っている。プーチンを引き上げたのはベレゾフスキーがバックについていたから、とだけ書かれている。
しかし裏ではソロスとプーチン(モスクワ)とロスチャイルド(ロンドン)がつながっているのだろう。

だから、今回のキプロス預金封鎖もプーチン・ロシアで存続が許されている新興財閥オルガリヒたちの資産が狙われたのは、ロックフェラーによる攻撃と見ることも可能になる。ナット(ナサニエル・フィリップ・ロスチャイルド:ロンドン家)の人脈(ロマン・アブラモヴィッチと、オレグ・デリパスカ)への奇襲攻撃とみなすことができよう。

ところで、ベレゾフスキーはすでに、イギリス政府にとっても、うっとうしい存在になってきていた。亡命先のロンドンで漁色の限りを尽くしてきたベレゾフスキーが故国ロシアに帰らしてくれという、嘆願の手紙を書いていた。その内容はイギリス政府はイラク、リビアでいかなる陰謀と悪業を実行したかをすべて、プーチンに教えるからどうか赦してくれというものであったらしい。プーチンはおそらくこの手紙を諜報機関を通して、イギリス政府に流したと想像される。元KGBの連中にとっては、キプロス預金封鎖の報復予告になる。イギリスの諜報部と共謀がなされたであろう。こうしてベレゾフスキーは殺害された、と私はみる。

(副島先生の「新興大国 権力者図鑑」と「暴走する国家 恐慌化する世界」と「ロスチャイルド 200年の栄光と挫折」を読んで、こういう一本の線が現れてきました。)
田中進二郎拝 

大城義和 投稿日:2013/03/30 05:48

【1095】[1238]世界像という問題提起

大城義和です。世界像という問題提起。それは、イメージによる、私=i=像という関連性のアルゴリズムのようなもの。例えば、世界というものが、病であるという、感覚や感性で、認識する、あるいは、視るという、行為、または、現象について。結局、自分=私、サブジェクトである人間というものは、脳=頭脳=コンピューターを、メタファーとするなら、つまりは、CPUによる、世界像の共同幻想を、主観や願望により、解釈してゆくという仮定があるとする。私=i=像というものが、存在するならば、ですから、頭脳という、機能が意志決定の最適化を、感覚と感性により、イメージ処理してゆく、それは、つまりは、世界像であるし、サブジェクトである私主体であり、オブジェクト=客体との、関連性のアルゴリズムが、動学的な流れの、マシン的な、テクノロジー的俯瞰である、ということは、像、そして、世界像という問題提起が、存在するという事。私という、個は、パーソナルは、バーチャル=仮想の私としても、思考する事が出来る為、実は、人間が生きてゆく、瞬間は、全て頭脳の計算により、世界=客体を、主体=パーソナル=個に置換してゆく、作業を意味する。ここで、イメージを、解析してみたい。世界はダイナミックに動いてゆくし、スタティックに動いてもいる、けれども、これら世界像は、頭脳の計算処理であるのであるから、そして、頭脳というのは、感覚と感性に、変換思考すべきで、とらえるべきであり、例えば、BRICSであるとか、世界覇権が、アメリカから中国に移行してゆくとかも、人間の頭脳が、脳というハードウェア、ソフトウェアにより、像=イメージのパーソナル・コンピューター=PC的な、アーキテクチャ・ネットワークの、構築や解体や最構築や最構成を、意志決定の最適化により、世界像が設計されてゆくパースペクティブな表象=形態=走行と、リンクするものである。コンピューターというものは、好き嫌いでは計算処理しない、人間の意志決定の最適化も、機械的正確性を持って、答えを算出してゆく、それは、人間の頭脳というものを、推し進めて思考する際の感覚や感性に、近似する。像は、有限であるかもしれないし、無限であるかもしれない、しかし、感覚や感性による、世界像の認識・解釈は、主観や願望ではなく、ストラクチャ的な、意思決定の最適化とも言える。だから、世界帝国・中国の誕生という認識は、私=i=像の、パーソナルによる、構造解析と、一致してゆく、故に、感覚や感性は、コンピューターやテクノロジーと同様に、主観や願望ではなく、構造=ストラクチャと関連性を持ってゆくものだ。しかし、人間は生物であるから、気持ちや気分、精神を、持っているため、常に意志決定の最適化は、正確性を持つとは、限らない、つまり、意志決定の最適化は、アルゴリズム=有限の中で、実行される。我々、人類、人間は、いかなる場合でも、危機感を持って、冷静に冷酷に、構造を俯瞰すべきである。

大城義和拝

会員番号1113番 鈴木勝彦 投稿日:2013/03/28 23:45

【1094】[1237]BRICsの”B”のブラジルもいよいよ動き出した、という感じです。

BRICsの”B”のブラジルもいよいよ動き出した、という感じです。

[ダーバン(南アフリカ) 26日 ロイター] 
ブラジルと中国は26日、相互に自国通貨10 件を融通し合う通貨スワップ協定を締結した。期間3年の同協定の下、年間最大300億ドル相当の自国通貨を融通し合う。

ポルトガル語のニュースを読むと、2008年のリーマンショック後に米国と同じく同額のスワップ協定を結んでいるそうです。
ただ、(米国との協定は危機回避の目的なので、今回の商業目的の中国との協定とは中身が)違う、と言っています。

Acordo entre Brasil e China foca transações comerciais, Estado de Minasより抜粋
Esta linha é diferente da firmada pelo Brasil com os Estados Unidos em 2008, que também envolvia um swap de US$ 30 bilhões, anunciada pelo BC brasileiro em 29 de outubro daquele ano. Na ocasião, o mundo mergulhava na pior crise internacional desde a Grande Depressão dos anos 1930. Os recursos daquele contrato firmado com o Federal Reserve (Fed) tinha como objetivo prover liquidez ao País, caso fosse necessário, para se proteger das turbulências nos mercados internacionais.
(http://www.em.com.br/app/noticia/economia/2013/03/26/internas_economia,363046/acordo-entre-brasil-e-china-foca-transacoes-comerciais.shtml)

日経でも、
中国、ブラジルと通貨交換協定
2013/3/26 22:50
【北京=大越匡洋】中国人民銀行(中央銀行)は26日、ブラジル中央銀行との間で自国通貨を相互に融通し合う通貨交換(スワップ)協定を結んだと発表した。期間は3年間で上限は1900億元(約2兆8500億円)。中央銀行を通じて人民元を調達する仕組みを整え、ブラジルの企業が中国企業との取引で元建て決済に応じやすくする狙いがある。
と、ブラジルの新聞と同じことを報道しています。

やはり、もうドルもユーロも信頼できない、ということでしょう。
確か、ブラジル人のスーパーモデルが最初に「ドルでギャラはもらいたくない」と2007年頃(後で否定した様ですが)言い出しました。
ブラジルの南部は白人ばかりのアルゼンチンに近いのですが、金髪系が多いのでちょっと黒髪が多いアルゼンチンとは違い、北ヨーロッパの雰囲気もあります。
そんな地域の出身である同モデルは見かけは金髪碧眼でも中身は純粋のブラジル人、為替レートに敏感なのは中層以上のブラジル人として何十年も前から常識です。
ブラジルの中国とのスワップ協定も根っこはこのスーパーモデルと同じ考え方ですね。

名乗るのが遅くなりましたが、会員番号1113番の鈴木勝彦です。
副島先生、学問道場の皆様、いつも本当にお世話になっております。

私は、90年までのバブルが終わる直前に就職し、それ以降転職3回うち一回はあの有名になった六本木の防衛商社で全社員解雇にあったり、これまでそれなりの山あり谷ありでした。
同社では東京地検の取り調べ(?と、いう程ではなかったですが。)も何回か受けましたし、アーミテージと会社の人が肩を組んでいる写真を見せてもらったり、中々面白い経験も積ませてもらいました。
その前にいたゼネコンはホテル買収で高杉良の小説にもなりました。(なんか、谷ばっかりみたいですが、、、)
まあ、何とかここまで20年弱社会人生活を送ってきましたが、もう他人の指示に従って仕事をするのは十分かなという感じで居ります。

私の最初の結婚が学生時代に南米で知り合ったポルトガル人で、今の家内がブラジル人です。
と云う訳で、かれこれ20年強人生の半分位ずっとポルトガル語に接してきているので、ブラジルに次のチャンスを見つけてみようとも考えています。

ブラジルというのは、昔からアメリカにいじめられてきたので、グローバリズムをその言葉ができる前から身に染みて判っています。
彼らは、私たちがイメージする様な楽天的な社交家がすごく多いです。
そんな中で、周囲のちょっと曖昧で能天気な気質に流されない(?)人たちも結構居て、そんな人たちは逆に日本人にもあり得ないくらい几帳面で真面目、意志が強い上に皆、体力があります。
今のブラジルの動きを見ていると、改めてそういう人たちが中心となって国を支えているんだなと感じます。
たとえば、マンテガ財務相の通貨戦争発言など、筋金入りの発言は、もう、国家として自立しており、うらやましいです。
(今回の南アのBRICS会議でも色々活躍されているようです「マンテガ財務相」ですぐヒットします)

この国の動きを見ていると、国のトップが自分たちの国家を世界の中でどういう方向にもっていこうかとそれなりに考えているのが判り、来るべき時代を感じさせます。
一般的な日本人の固定観念で「ブラジルはねえ、、、」という軽い軽蔑も彼らは痒くもありません、きっと。
実際外貨準備高も2011年時点で世界6位、台湾の次です(中国、日本、サウジ、ロシア、台湾の順で)。
もう、あの国はやりたい事をやりたいように自分で始めている、という感じです。うらやましい。
国家として、日本の国は、何を私たち国民にしてくれているのか?
日々の日本の頓珍漢なニュースを見ているとブラジルはもう見上げる国なのではないか?とも思ってしまいます。

とはいえ、実際、ブラジルの貧富の差、教育の差は本当にひどいので困ったものです。
ただ、それも裏返すとどん底まで行っている人たちのあけっぴろげな三つの本能(睡眠/休息、食欲、性欲)に正直な社会や、喜怒哀楽がストレートに表現される理由だとも思います。
とにかく、食べて、寝て、楽しんで、誰に迷惑をかけているの???、といった生まれながらの開き直りが、ある意味、ホントに気持ちの良いところです。
(ただ、身近にブラジル人が居る経験からして、普通の日本人からすると自分勝手なところに辟易してしまうことも多々ありますが、、、「もう、ブラジル人は!!!」って感じです。)

インフラ、医療、官僚主義、とマイナス面はまだまだ沢山あります。
それでも日本で定年延長してもらって年金をもらえるまで指折り数えるのはもう我慢出来なくなってきています。
それなら年金をもらえる前に事故や犯罪(これも多いんです!)でブラジルの土になってしまったとしても、それはそれで良いのかなとも思っています。

さて、副島先生には「ぼやき」の最初の最初から本当にお世話になっています。
もしかすると、リバータリアンの考え方に繋がるのかもしれませんが、もう、自分でやってゆくのが一番だと日々確信しつつあります。

中国とイスラエルの喧嘩について話された講演、また、モノラインの重役が自殺したとちょろっと講演で話された件など、強烈に心に残っています。
そういえば、一回だけ立川の会の部屋で車座で自己紹介などをした会で、一回だけ先生に握手をして頂きました。
先生の書かれる内容は激しいかもしれませんが、何事にも真摯な印象を持っていましたので、分厚い手でちょっとびっくりしました。忘れられません。
あれ、これは副島教ってやつでしょうか?
そう言われても痒くもありませんが、、、

最後に、以前友人から聞いた小話があります。

Tシャツに短パン草履姿で無精ひげのブラジル人がリオのビーチのカフェで午前中からビールを飲んでいました。

それを見た通りがかりの日本人が言いました、「なんでこんな朝っぱらからダラダラしているんだ?」「働かなくちゃダメじゃないか?」

急に話しかけられ疎ましげに見上げるブラジル人を気に留めず日本人は続けます。

「日本人はなあ、小学校から朝8時から3時まで勉強して(ブラジルの小学校は午前午後の二部制)、夜遅くまで受験勉強をして、それで有名大学に入るんだ」

「ふうんん、それで?」とブラジル人、

日本人は「有名大学に入ったらな、有名な会社に入れるんだ、給料も良いんだぞ。」と。

ブラジル人は少し興味を惹かれ「それは良いね、で、そのお金で何をするの?」

日本人は「毎日夜遅くまで一生懸命働いてな、お金が溜まったらな、大きな家を買ってな、それで海外旅行してな、ビーチでビールを飲みながらゆっくり日々を過ごすのさ!」と自慢げに。

ブラジル人はちょっと考え、「ああ、それじゃあ、いま俺がしている事と同じじゃん?」

この小話のブラジル人はビーチで午前中からビールを飲んで居る位なので、どう考えても下層ブラジル人です。
当然彼の日々の生活はちょっとみじめなものもあるはずです。
でもこの小話には考えさせられますね。

以上、長くなってしまいましたが、引き続きよろしくお願いいたします。

鈴木勝彦

松尾雄治 投稿日:2013/03/28 20:10

【1093】[1236]中国、商品先物を拡充 価格変動リスク避けやすく

(貼り付け始め)
中国、商品先物を拡充 価格変動リスク避けやすく

2013/3/26 1:46

 【大連=進藤英樹】中国の3つの商品先物取引所が上場品目を増やしている。大連では22日に鋼材生産に使う原料炭先物の取引を開始。上海では道路の舗装が主な用途の石油ピッチの上場を準備している。中国企業の間では価格変動リスクを回避しやすくするための先物市場の整備を求める声が強まっていた。中国は石炭やコメなど数多くの商品で消費量が世界最大。国際価格の形成にも影響を与えそうだ。

 原料炭先物の上場は世界で初めて。原料炭はコークスに加工した後、鉄鉱石とともに高炉に投入して鋼材の材料である銑鉄にする。大連商品取引所(遼寧省)は2011年4月に世界で初めてコークス先物を上場した。原料炭とコークスをともに扱うことで、石炭・鉄鋼関連企業による先物取引の拡大を促す。

 上場初日は、取引の中心である9月物が取引開始直後から値を下げた。終値は1トンあたり1267元(約1万9000円)で、基準値の1340元に比べ5.4%下落。「先行きの需要が鈍るとの見方が広がった」(中国の魯証先物のトウ莉アナリスト)。大連商取は鶏卵、木材、鉄鉱石の上場も申請している。

 鄭州商品取引所(河南省)は昨年12月にガラス、菜種油、菜種油ミールの3品目を上場。今年はコメの品目拡大が見込まれている。すでに上場済みの長粒米の早生(わせ)に加え長粒米の晩生(おくて)と、短粒米の承認を待っている。昨年5月に銀先物を上場した上海先物取引所は、今年は石油ピッチの上場を目指している。

 上場品目拡大の背景にあるのは08年の金融危機後に拡大した現物市場の価格変動だ。

 例えば中国山西省の原料炭の1トンあたりの現物価格は11年から12年にかけて500元超下落したあと今年2月にかけて200元上昇した。「変動リスクを回避したい企業の要望が増えている」と陳偉・大連商品取引所工業品事業部総監は指摘する。

 中国は、現物取引の規模を反映し、先物市場も世界有数の売買高を誇る。12年の世界の商品取引所の売買高ランキングで、大連商取は前年比2.8倍の5億2100万枚で1位となった。前年の7位から、中国勢として2年ぶりに首位に返り咲いた。主力の大豆関連を中心に取引が活発化したためだ。

(貼り付け終わり)

副島隆彦を囲む会・須藤 投稿日:2013/03/28 16:38

【1092】[1235]立食形式のパーティ「会員交流会 自由におしゃべり」5月18日(土)開催のお知らせ。

副島隆彦を囲む会・須藤です。
5月18日(土)に、「会員交流会 自由におしゃべり」を開催します。
参加者は会員限定・100名様までです。

この交流会は、「副島隆彦を囲む会」会員で希望者に集まっていただき、立食パーティのかたちでパーティ用の会場で、気軽に交流していただきたいと思い企画しました。
定例会(自力講演会)とは違った形式で、会員一人一人が思う存分お話しできる機会となります。どうぞ是非ご参加下さい。

副島隆彦先生も、もちろん最初から最後まで参加されます。
開催場所は東京・「渋谷」駅近くのパーティ会場で、簡単なイタリア料理と、ソフトドリンクの飲み放題があります。イスも充分ご用意しております。

参加費(特別会費)は
「一名様分:9,000円」
になります。

5時間以上の会場使用料金の他にお食事代も含めますと、お一人様あたり七千円ほどの原価がかかるため、上記の金額に設定しました。
会員限定ではございますが、会員の同伴があればご友人方も、ご参加いただけます。

「会員交流会 自由におしゃべり」のご参加お申込みはコチラ↓
http://www.soejima.to/cgi-bin/kouen2/kouryu.html

【会場について/交通手段】
・東京・渋谷駅周辺
最寄駅 JR線・東横線・東京メトロ「渋谷」駅から徒歩10分
※会場の詳しいご案内は、お申込みをいただいた方だけに、別途お知らせします。

「会員交流会 自由におしゃべり」

開催日 2013年5月18日(土曜日)
会場 東京・渋谷
最寄駅
●JR線・東横線・東京メトロ「渋谷」駅から徒歩10分

【当日の予定】

開場 13:30
開会 14:00
閉会 18:30

※お手荷物・貴重品等はお客様ご自身で管理をお願い致します。
お問い合わせ先:
「副島隆彦を囲む会」
〒190-0012 東京都立川市曙町1-24-11 橋本ビル5F
Tel.042-529-3573 Fax.042-529-3746
メールアドレス:snsi@mwb.biglobe.ne.jp

「会員交流会 自由におしゃべり」のご参加お申込みはコチラ↓
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森田裕之 投稿日:2013/03/27 07:49

【1091】[1234]続・桜井君のメール

ドイツ在住の桜井君のメールを貼り付けます。

貼り付けー

森田君、

キプロス不安で、ユーロ圏は大きく動揺しています。こんなちっぽけな親指で潰せる蚤のような地中海の島国で、お金持ちの人を除くと、一般には今までは観光以外には興味がほとんどなかったのに、異常なまでにバルブ化した(資金洗浄と租税回避地として)金融部門を抱えた国が2004年にユーロ圏に加入したのは、一体どうしてなのか、当時の政治家(ドイツでは社民党の政権時代)にこんな事が分からなかったのかと不思議です。租税対策で、資金の逃げ場をスイスやルクセンブルクへ探すことは、以前は当たり前(?)の脱税手段でしたが、ロシアやウクライナの闇金がキプロス島へ逃亡していたことは、一般にはあまり知られていなかったのです。そんな国が2012年にはユーロ圏の議長国を勤めたのですから、開いた口がふさがりません。

それでも週末に合意したユーロ圏債権国との救済策は、そもそもの問題の根本原因である銀行部門の縮小、再建を骨組みとした内容で、小口銀行預金者の犠牲が回避できた(その代わりにロシア系大口資産家は、大損を強いられた)点では、満足のゆく解決案であったと評価されています。金融市場もその安心感で、懸念されていた大きな動揺は回避されたと思ったのに、ユーロ圏財務相会合の議長を務める(新米の)オランダ財務相ディセルブルムが ”公的資金(納税者の負担で)の投入やメンバー国の救済網の発動前に危機の原因である銀行経営者(資本家)とその投資家(株主、債権保有者、預金者)が、その責任を取らされたことは将来(名指しで、ルクセンブルクやアイルランドやスロバキア等金融市場国にとって)金融危機救済のお手本になろう”等と妄言した事で、金融市場(株取引所)に動揺を引き起こし、あっという間に欧州の株式市場が軒並み反落へ転じたのをみると、いかに投資機関が神経質であるかがよく分かるのです。

キプロス危機で分かった教訓(?)は、10万ユーロ以下の小規模預金者は責任負担の義務から免れたものの、最初のキプロス救済提案(キプロス議会で否決された案)では、ユーロ圏メンバー国財務相は、これら小口預金者の預金課税をも意図していたわけで、スペイン、ポルトガルやギリシャ等重債務国の銀行顧客は、いざとなれば資産の没収もありうると警戒心を高めるでしょう(世論調査では、政治家の言葉は信用できないという意見が激増、ドイツでも ”預金は大丈夫”と公言したメルケルさんの言葉等いざとなれば信用できないとの声も)。さらに今回の予防措置として取られる資本流通規制(ユーロ圏内での資本流通自由化に反した規制)は、そもそもユーロ導入の精神に反する事で、今までに前例はありません。(反ユーロ派には、将来ユーロには二種類あり、キプロスや将来の債務危機国で規制される、銀行窓口で自由に引き出したり、他の口座に振り込んだり出来ないユーロと北グループでの規制されない自由なユーロの二種類になると冗談を言う人もいます。)

また今回はっきりしたことは、ユーロ圏メンバー国内での(醜い)ドイツの覇権的な地位でした。過去においてもドイツの支配的な役割には慣れていましたが、今回のキプロス救済では、ショイウブル独財務相と IMF がほとんど二人だけで事を運び、他国の財務相はただ見物人の役を演じていたとも批判する声が聞こえます。つまり、ユーロ圏内での(南欧)重債務国と(北欧)債権国との溝が深まったことが露骨されたのです。

キプロスは100億ユーロの救済金で、国家債務の健全化(このお金は金融機関の救済には使ってはいけない)が可能となるわけですが、 これで国家の負う借金はGDP の140%となり、ユーロ圏ではギリシャについで二番目の重債務国となり、将来ビジネスモデルであった金融業務の撲滅で観光事業のみでの経済力となると、深刻な不況は不可避であり、はたして債務の償却が出来るのか不安です。こうなると、再度ユーロ圏の救済網の支援を必要とするのは、時間の問題でしょう。ユーロ圏財務相との合意には、今後資本税課税や法人税の増税が条件となっており、そのような事態では、ロシヤやウクライナや英国の富裕層にとって、キプロス島の魅力はなくなり、将来経済成長はどこに期待できるのかまったく不明です。(キプロス領域でのガス田や石油田事業への期待は、メディアで報道されている程のものではないらしい。)

今回のキプロス危機とその救済をめぐる茶番劇は、人と物の交流の自由を目的とした欧州統一貨幣ユーロは、いかに未熟なプロジェクトであり、欧州統合どころかユーロ圏内での差別の拡大が表面化し、統合とはまったく逆の方向(南と北の二分化)へ動いていることをはっきり示しています。悲しいユーロ(欧州)の将来といえます。

以上動揺するユーロの将来像。 桜井美之

田中進二郎 投稿日:2013/03/25 03:47

【1090】[1233]キプロス預金封鎖とロシア

キプロス預金封鎖について(ロシアとの関連)    田中進二郎
重たい掲示板(1229)副島先生の『ついにユーロ加盟国キプロスで預金封鎖が始まった』という記事と、↓の森田裕之さんの『ヨーロッパ在住の友人(桜井氏)からの手紙』を読んで、ロシアとキプロスの関係について気になったことを書きます。

産経ニュース(3/23付)
sankei.jp.msn.com/economy/…/fnc13032321340006-n1.htm
キプロス、預金課税導入へ再調整。高額預金限定で

mainichi.jp > トップ > ニュース
預金課税にロシア反発

などなど、ロシア政府とキプロス政府の間の交渉はまだ進んでいない。
キプロスの銀行の預金総額が684億ユーロ(1ユーロは123円)のうち、3分の1強にあたる270億ユーロがロシア人の資産であるという。(Moody’sの調べ)
また課税徴収される総額のうち40パーセントをロシア人が支払うことになるという。ヨーロッパ中央銀行(ECB)がキプロス政府に要求している課税額は58億ユーロであるから、、ざっと概算でロシア人の損失額は22、23億ユーロ(2800億円以上)になるだろう。

さらに2011年償還期限4.5年のクレジット(借款)25億ドルをロシア政府がキプロス政府に提供している。これをキプロス政府は期限を5年先送りするよう求めている。

またキプロス国民の3分の2はロシア・マネーによる救済を望んでおり、ECB(ヨーロッパ中央銀行)やメルケル首相やキプロス政府を三つの敵だと抗議しているようです。
以下副島先生の重たい掲示板(1229)より引用します。

(引用開始)
 キプロス政府は、主にロシアの ”オリガリヒ(新興財閥、経営者たち)”を狙い撃ちにして、彼らがロシアから持ち出してキプロスの銀行に、タックスヘイブン(租税回避地)の低課税国の誘因に引かれて預けてある資金への強制課税を目論んだ。ロシアの”アルミ王”のロマン・アブラモビッチ、とオレグ・デリパスカの資金の凍結が隠された目的である。これらの人物像は、私たちが書いて出版した『新興大国 権力者図鑑』(日本文芸社、2011年9月刊)に余(あま)すことなく出ています。勉強になりますから今からでも買って読んでください。 
(引用終わり)

ロマン・アブラモヴィッチについてはサッカーチームのチェルシーのオーナーであることから「預金封鎖」の被害者として、報道も多くされている。サッカーファンならよく知っているだろう。上のところに「アルミ王」と先生が書かれているのは、オレグ・テリパスカ(ロシアのアルミ最大手、ルースキーアルミ会長)を指していると思われます。
(以下 北野幸伯(きたの よしのり)著『プーチン最後の聖戦』集英社インターナショナルを参考にします。P31~60)

ロマン・アブラモヴィッチはボリス・ベレゾフスキーの弟子とされる。(二人ともユダヤ系ロシア人である。)ベレゾフスキーは
シベリアの油田の開発会社「シブネフチ」(国有)を買収し、1997年に民営化した。1995年1月、国営放送局「ソ連中央テレビ1チャンネル」を基盤に、「ロシア公共テレビ(ORT オーエルテー)」が作られる。彼はORT株49パーセントを保有した。そしてエリチィン大統領の時代には、『クレムリンのゴッドファーザー』として君臨した。ベレゾフスキーがプリマコフ首相(KGBあがり、プーチンの先輩にあたる)に攻められ窮地に陥ったときに、プーチンは彼に接近したという。(1999年2月)その後、プリマコフはエリチィンによって解任され、プーチンが首相に就く。(同年8月)第二次チェチェン戦争によって、プーチン首相の支持率は上がり、ベレゾフスキーは「プーチンを支える」政党「統一」を立ち上げる。翌2000年三月の大統領選挙でプーチンは共産党のジュガーノフを破って当選した。

ところでなぜこんなことを書いているかという、種明かしをすると、ベレゾフスキーが亡命先のロシア郊外の自宅浴室で死亡しているのが発見されたのである。(きのう3月23日)
たったの一週間のうちに、ロマン・アブラモヴィッチは資産をキプロス政府に没収され、ベレゾフスキーは不可解な死を遂げる。おかしくないか?フレドリック・フォーサイスのスパイ小説のようなことが起こっている。

話を続けます。ベレゾフスキーらロシア新興財閥(オルガリヒ)はその後、プーチンに屈服させられていく。その中でも最大の注目を集めたのは、2003年のユコス事件だろう。
「ロシアの石油王」ホドルコフスキーが自社のユコス(石油最王手)を、ぺレゾフスキーとアブラモビッチの石油会社シブネフチと合併させて、アメリカの米国務省の仲介でアメリカの石油メジャーのシェブロンテキサコとエクソンモービルに売却してしまおうという計画が発覚したのである。

これに対して、KGBと司法権力率いるプーチン大統領は攻勢にでて、ホドルコフスキーを逮捕(2003年10月)するとともに、ユコスを買収して、国営石油大手のロスネフチと合併した。
またシブネフチは国営天然ガス最大手ガスプロムと合併させられる。(ガスプロムネフチと改称される。)イラク戦争の年にこういうことが起こっていた。
(『プーチン 最後の聖戦』p124~p138より)
ベレゾフスキーは保有していたORT株を1億7500万ドルでロマン・アブラノビッチに売却した。アブラノビッチはすでにプーチンの軍門に下っていたのだ。
おそらく彼は政治の世界に首を突っ込まないことを条件に、プーチンに許されたのだろう。そう考えると、彼がサッカーチームのチェルシーのオーナーとしてスタジアムで咆えているわけもわかる。

『クレムリンのゴッドファーザー』と呼ばれたベレゾフスキーはまず、プーチンに裏切られ、秘蔵っ子のアブラノビッチに裏切られ、最後に亡命先のロンドンでは20年下の美人の奥さんに離婚されて、風呂場で死んだ(暗殺でしょう)、という実に哀れな末路であった。

しかし、財産のほとんどを失っていたといわれるベレゾフスキーがこのタイミングで殺されなければならない理由はなにか、と考えてみる。
そしてこれはKGBの報復の予告ではないか、と私には思えるのだ。

そしてそのことに触れているのが、金のベテラン・ディーラーのジム・シンクレア氏(72歳)である。キプロス政府はKGBの資産まで没収するというへまをやってしまったようだ。

austrianeconomics.blog.fc2.com/blog-entry-25.html
(↑より引用開始)
ジム: これ(キプロスの預金封鎖)に関係している人たちはみんな怖がるべきです。記事は目覚ましの合図として役に立ったと思います。キプロスに関しては大きな計算ミスがあったんです。状況は素早く大惨事になっていっています。彼らはキプロスにお金を置いているロシアの会社の後ろにいる存在を本質的に見抜けていなかったんです。そしてロシアの元KGBのお金を没収するということがどんな事態に繋がるのか。

IMFで最前線に立ってこの惨事を生み出した人たちは、この”キプロス解決法”が彼らの目前でこのように爆発するとは、全く思っていなかった。
これはすぐにPRの悪夢となってしまったんです。なぜならそれは”税金”ではなく、”没収”ですから。銀行の債務をカバーするために、彼らはKGBのお金を盗んだんです。この時点まで銀行預金者たちはこのとても重大な西洋の、ということはイコール国際的な経済崩壊のシステムの一部でした。

今日まで、心理的には銀行にお金を入れておけばあまり心配しなくて済んだわけです。しかし、店頭市場のデリバティブの崩壊がこんなにもダメージをもたらしてしまった後では、今日まであった、経済的世界を一つに繋ぎ止めるのに必要不可欠とする方策が完全に変化することを意味します。

EK: この大失敗の余波と、チェスの駒の動きはどうなると思いますか?

ジム: ロシア人のお金を取り上げるのはとてもバカなことです。自分が相手にしている人たちの文化を理解しなくてはいけません。キプロスの政府のリーダー達は、プーチン自身を含む元ロシアKGB諜報員たちの報復から身を守るのに十分な能力はありません。
キプロス政府のリーダー達は、自分たちの命を守るため、急いでペダルを後ろに漕ごうとしています。もう一度言います。彼らは自分たちの命を守ろうとしてるんです。「報復は冷めてから出されるのが一番いい」と言いますよね?これは悪事が行われてすぐには報復はされないことを意味します。しかし時間を置いて報復はやって来ます。

ロシア経済のリーダー的存在たちからお金を取り上げるということは、元KGBメンバーからお金を取り上げるということです。元KGBからお金を取り上げるということは非常に危険なことです。キプロスのリーダー達は、世界一危険なお金を没収することをサポートしたということです。このリーダー達は自分たちの銀行預金の心配より、自分たちの命の心配をしているでしょう。

つけ加えると、これはIMFとECBの歴史の中で、一番大きな失敗だと思います。ロシアの会社とビジネスをすると、毎回キプロスの銀行とビジネスをします。お金は出て行く、入ってくる、しかし全てのお金がキプロスを通るんです。
(以下略 引用終わり)

田中進二郎です。ジム・シンクレア氏の3月21日の掲載文によると、フランス当局によるIMFのラガルド専務理事宅が家宅捜索されたのも、この動きと関係があるだろうと読んでいました。パンドラの箱を開けてしまったのではないでしょうか。

森田裕之 投稿日:2013/03/21 18:57

【1089】[1232]在ドイツの友人からのメール

 私の同級生でドイツの田舎のRecklinghousenという所に住んでいる桜井君からのメールを貼り付けます、富士電機ーシーメンスー同時通訳の経歴があり、一人息子のHaiko(男の子)君は、漫画家で何冊か出版されています。

貼り付けー

森田君、

今年のお花見は、狂った天候(日本海側の寒気と太平洋側の暖気が日本上空でせりある気象条件で)のために2週間も早く開花しているとの事。10年以上も前に、妻と息子を連れてお花見に行きましたが、3月末から4月のはじめのことでした。

さて、ユーロ圏 GDP の0.2%という小人のキプロス島がクシャミをしてだけで、これほどの騒動の起きるユーロ圏とはまったく悲しい話です。ユーロ圏リーダ国のキプロス救済案を蹴っ飛ばしてロシアに救済を求めるプラン
B など傲慢なユーロ圏指導者の恥を世界に発信してしまいました。メルケル首相とショイブル財務相の率いるリスクマネージメントの甘さが表面化した醜態で、この秋に連邦選挙を控えたドイツでは、野党が選挙戦の好材料を発見した形です。他方、内心待ってましたばかりにチャンスを狙っているのは、ロシアのプーチンでしょう。中東(シリア)の内戦で、地中海に面したロシア海軍の拠点(Tartus)を失ったロシアにとって、財政救済の代償に、キプロスに新たな海軍基地を設置できることは、大きな魅力なのです。それに加えて、キプロス海域には、膨大なガス田(6000億ユーロ相当の規模)があることもロシア国営コンツェルンの
Gazprom にとっては、油田ガス田開発権の獲得は大きな魅力です。この膨大なガス田開発権は、現在 Noble Energy (米)、ENI
(伊)と Kogas (韓国)が保持してますが、ロシアもその開発に参加したいという経済的な意味もあるのです。金融市場的にもキプロスは、租税回避地や資金洗浄(マネーロンダリング)の意味でもバカに出来ない存在です。キプロス系銀行は、高利回りと杜撰な経営監査、さらに国際的にも低い法人税(10%)で、海外投資家や企業に大きな魅力を持ち、旧ソ連崩壊後今日までに370億ユーロ程度のロシア系資産(脱税目的での逃亡資金を加えると更なる額)がキプロス島の金融機関に蓄積されており、これらの資産からの収益はロシアへ逆流するという資金のターンテーブルの役割も演じ、ロシアへ投入される外国投資の四分の一はキプロスマネーとの説もあるくらい。倒産直前にあるキプロス系銀行への関心も高く、Popular
Bank (Laiki Bank)をロシア資本が買収する話もあり、プーチンが本気に乗り出せば、キプロス島の当面している財政問題など一気に解決してしまうのです。ロシアは2011年に25億ユーロ相当の借款(期限5年で、4.5%の利子)を提供してキプロスの経済危機を救済した前歴があり、今回のモスクワでの交渉では、この借款の期限延期と新規の借款も話の内容であったということです。ユーロ圏諸国は、ロシアとの交渉の結果を待つのみという柵の外からの見物人(傍観者)としての存在しかなく、それよりも
”預金には(国が)手を出さない”(銀行預金は、銀行破産時に10万ユーロまで保証されている)という鉄則がかくもやすやすと崩壊したことによる金融市場や一般投資家の信用が失われたことがもっと大きな問題で、政治家は口先で
”貯金は絶対に安全だ”という神話を守るのに懸命です。キプロス不安で、ユーロが崩壊するとは思われませんが、一度失われた投資家の信用をもとに戻せるか否かが当面のキーポイントでしょう。キプロスとロシアをめぐる成り行きを見守る以外に手はありません。このような国際金融市場での信用不安で、円高が進むとなると日本株相場や経済回復への影響もあるでしょう。

以上欧州からの近況。               桜井美之

福田 博之 投稿日:2013/03/20 21:47

【1088】[1231]「アジア人どうし戦わず」を蝕むもの(修正)

先の投稿、
F14の(GO CAT GO)ではなく、
F35(ライトニン ホプキンス) に修正申し上げます。

福田 博之 投稿日:2013/03/20 07:35

【1087】[1230]「アジア人同士戦わず」を蝕むもの

「火縄虫」

火縄虫 恫喝砲に 跳ぶ霞
ひなわむし どうかつほうに とぶかすみ

焼野へと 鳩の見ぬうち 火縄虫
やけのへと はとのみぬうち ひなわむし

火縄虫 トゲの山超え 薔薇の蜜
ひなわむし とげのやまこえ ばらのみつ

火縄虫 墓石へ傘は 花水木
ひなわむし ぼせきへかさは はなみずき

「火縄虫」とは、季節を限定しない詠者独自の表現です。
「火取虫」ですと、夏の季語となる様です。
夏に限定したくない場合でも使える虫の枕詞として、
勝手ながら「火縄」を使いました。
自然観察によるものではなく、観念的な句です。

蚊の様なもの。
ミミズの様なもの。
コガネムシの様なもの。
アメリカシロヒトリの様なもの。

色々な力に弱いもの。
平和を蝕む強いもの。
戦争を喰い物にするもの。
影でコソコソするもの。

「沖縄県」
「軍事大国」「CIA」「巨大資本」
「ISD条項」「ラチェット規定」
「法の支配」「対話と圧力」
「日米地位協定」「日米安保条約」「日米原子力協定」
「ネオコン」「戦争経済」「軍需産業」
「オスプレイ」「F14」
「密約」「保身」
「ニューヨークの州花」
「We are the 99%の声」
「アーリントン墓地」

などの言葉を思い浮かべながら、
それぞれの虫を、自由に当てはめてみて欲しいと思います。

すでに詠んでいた、
「TPP バスに飛び乗る 火縄虫 夏を待たずに 参加表明」
を、少し練ったので下記に投稿します。
あくまでも、「平成25年春のうた」です。

鳥が舞い バスに飛び乗る 火縄虫
梅雨も待たずに 鳴く声凍みる

とりがまい ばすにとびのる ひなわむし
つゆもまたずに なくこえしみる

米の国(こめのくに)

お米(コメ)の国(くに)は ベイの国(くに)
塀(へい)ではなくて ベイの国(くに)

米蔵(こめぐら)高(たか)く 舞(ま)う鳥(とり)は
鷲(イーグル)なのか 鷹(タカ)なのか

とんぼ返(がえ)りの 黒(くろ)い影(かげ)
空飛(そらと)ぶ虫(むし)か 鳥(ちょう)なのか

バスの灯(ひ)に寄(よ)る 乗客(じょうきゃく)は
火縄(ひなわ)を嗅(か)いで 擦(す)る虫(むし)か

鳥(とり)の真似(まね)して 鳴(な)こうにも
羽音(はおと)が耳(みみ)に 障(さわ)るだけ

遠(とお)くの陸(おか)で 雨降(あめふ)れば
地(ち)が固(かた)まるか 黴(カビ)るのか

季節(きせつ)はずれの 憑(つ)きもの映(うつ)す
お上(かみ)は 禍難(かなん)の 空模様(そらもよう)