重たい掲示板

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森田裕之 投稿日:2013/03/27 07:49

【1091】[1234]続・桜井君のメール

ドイツ在住の桜井君のメールを貼り付けます。

貼り付けー

森田君、

キプロス不安で、ユーロ圏は大きく動揺しています。こんなちっぽけな親指で潰せる蚤のような地中海の島国で、お金持ちの人を除くと、一般には今までは観光以外には興味がほとんどなかったのに、異常なまでにバルブ化した(資金洗浄と租税回避地として)金融部門を抱えた国が2004年にユーロ圏に加入したのは、一体どうしてなのか、当時の政治家(ドイツでは社民党の政権時代)にこんな事が分からなかったのかと不思議です。租税対策で、資金の逃げ場をスイスやルクセンブルクへ探すことは、以前は当たり前(?)の脱税手段でしたが、ロシアやウクライナの闇金がキプロス島へ逃亡していたことは、一般にはあまり知られていなかったのです。そんな国が2012年にはユーロ圏の議長国を勤めたのですから、開いた口がふさがりません。

それでも週末に合意したユーロ圏債権国との救済策は、そもそもの問題の根本原因である銀行部門の縮小、再建を骨組みとした内容で、小口銀行預金者の犠牲が回避できた(その代わりにロシア系大口資産家は、大損を強いられた)点では、満足のゆく解決案であったと評価されています。金融市場もその安心感で、懸念されていた大きな動揺は回避されたと思ったのに、ユーロ圏財務相会合の議長を務める(新米の)オランダ財務相ディセルブルムが ”公的資金(納税者の負担で)の投入やメンバー国の救済網の発動前に危機の原因である銀行経営者(資本家)とその投資家(株主、債権保有者、預金者)が、その責任を取らされたことは将来(名指しで、ルクセンブルクやアイルランドやスロバキア等金融市場国にとって)金融危機救済のお手本になろう”等と妄言した事で、金融市場(株取引所)に動揺を引き起こし、あっという間に欧州の株式市場が軒並み反落へ転じたのをみると、いかに投資機関が神経質であるかがよく分かるのです。

キプロス危機で分かった教訓(?)は、10万ユーロ以下の小規模預金者は責任負担の義務から免れたものの、最初のキプロス救済提案(キプロス議会で否決された案)では、ユーロ圏メンバー国財務相は、これら小口預金者の預金課税をも意図していたわけで、スペイン、ポルトガルやギリシャ等重債務国の銀行顧客は、いざとなれば資産の没収もありうると警戒心を高めるでしょう(世論調査では、政治家の言葉は信用できないという意見が激増、ドイツでも ”預金は大丈夫”と公言したメルケルさんの言葉等いざとなれば信用できないとの声も)。さらに今回の予防措置として取られる資本流通規制(ユーロ圏内での資本流通自由化に反した規制)は、そもそもユーロ導入の精神に反する事で、今までに前例はありません。(反ユーロ派には、将来ユーロには二種類あり、キプロスや将来の債務危機国で規制される、銀行窓口で自由に引き出したり、他の口座に振り込んだり出来ないユーロと北グループでの規制されない自由なユーロの二種類になると冗談を言う人もいます。)

また今回はっきりしたことは、ユーロ圏メンバー国内での(醜い)ドイツの覇権的な地位でした。過去においてもドイツの支配的な役割には慣れていましたが、今回のキプロス救済では、ショイウブル独財務相と IMF がほとんど二人だけで事を運び、他国の財務相はただ見物人の役を演じていたとも批判する声が聞こえます。つまり、ユーロ圏内での(南欧)重債務国と(北欧)債権国との溝が深まったことが露骨されたのです。

キプロスは100億ユーロの救済金で、国家債務の健全化(このお金は金融機関の救済には使ってはいけない)が可能となるわけですが、 これで国家の負う借金はGDP の140%となり、ユーロ圏ではギリシャについで二番目の重債務国となり、将来ビジネスモデルであった金融業務の撲滅で観光事業のみでの経済力となると、深刻な不況は不可避であり、はたして債務の償却が出来るのか不安です。こうなると、再度ユーロ圏の救済網の支援を必要とするのは、時間の問題でしょう。ユーロ圏財務相との合意には、今後資本税課税や法人税の増税が条件となっており、そのような事態では、ロシヤやウクライナや英国の富裕層にとって、キプロス島の魅力はなくなり、将来経済成長はどこに期待できるのかまったく不明です。(キプロス領域でのガス田や石油田事業への期待は、メディアで報道されている程のものではないらしい。)

今回のキプロス危機とその救済をめぐる茶番劇は、人と物の交流の自由を目的とした欧州統一貨幣ユーロは、いかに未熟なプロジェクトであり、欧州統合どころかユーロ圏内での差別の拡大が表面化し、統合とはまったく逆の方向(南と北の二分化)へ動いていることをはっきり示しています。悲しいユーロ(欧州)の将来といえます。

以上動揺するユーロの将来像。 桜井美之

田中進二郎 投稿日:2013/03/25 03:47

【1090】[1233]キプロス預金封鎖とロシア

キプロス預金封鎖について(ロシアとの関連)    田中進二郎
重たい掲示板(1229)副島先生の『ついにユーロ加盟国キプロスで預金封鎖が始まった』という記事と、↓の森田裕之さんの『ヨーロッパ在住の友人(桜井氏)からの手紙』を読んで、ロシアとキプロスの関係について気になったことを書きます。

産経ニュース(3/23付)
sankei.jp.msn.com/economy/…/fnc13032321340006-n1.htm
キプロス、預金課税導入へ再調整。高額預金限定で

mainichi.jp > トップ > ニュース
預金課税にロシア反発

などなど、ロシア政府とキプロス政府の間の交渉はまだ進んでいない。
キプロスの銀行の預金総額が684億ユーロ(1ユーロは123円)のうち、3分の1強にあたる270億ユーロがロシア人の資産であるという。(Moody’sの調べ)
また課税徴収される総額のうち40パーセントをロシア人が支払うことになるという。ヨーロッパ中央銀行(ECB)がキプロス政府に要求している課税額は58億ユーロであるから、、ざっと概算でロシア人の損失額は22、23億ユーロ(2800億円以上)になるだろう。

さらに2011年償還期限4.5年のクレジット(借款)25億ドルをロシア政府がキプロス政府に提供している。これをキプロス政府は期限を5年先送りするよう求めている。

またキプロス国民の3分の2はロシア・マネーによる救済を望んでおり、ECB(ヨーロッパ中央銀行)やメルケル首相やキプロス政府を三つの敵だと抗議しているようです。
以下副島先生の重たい掲示板(1229)より引用します。

(引用開始)
 キプロス政府は、主にロシアの ”オリガリヒ(新興財閥、経営者たち)”を狙い撃ちにして、彼らがロシアから持ち出してキプロスの銀行に、タックスヘイブン(租税回避地)の低課税国の誘因に引かれて預けてある資金への強制課税を目論んだ。ロシアの”アルミ王”のロマン・アブラモビッチ、とオレグ・デリパスカの資金の凍結が隠された目的である。これらの人物像は、私たちが書いて出版した『新興大国 権力者図鑑』(日本文芸社、2011年9月刊)に余(あま)すことなく出ています。勉強になりますから今からでも買って読んでください。 
(引用終わり)

ロマン・アブラモヴィッチについてはサッカーチームのチェルシーのオーナーであることから「預金封鎖」の被害者として、報道も多くされている。サッカーファンならよく知っているだろう。上のところに「アルミ王」と先生が書かれているのは、オレグ・テリパスカ(ロシアのアルミ最大手、ルースキーアルミ会長)を指していると思われます。
(以下 北野幸伯(きたの よしのり)著『プーチン最後の聖戦』集英社インターナショナルを参考にします。P31~60)

ロマン・アブラモヴィッチはボリス・ベレゾフスキーの弟子とされる。(二人ともユダヤ系ロシア人である。)ベレゾフスキーは
シベリアの油田の開発会社「シブネフチ」(国有)を買収し、1997年に民営化した。1995年1月、国営放送局「ソ連中央テレビ1チャンネル」を基盤に、「ロシア公共テレビ(ORT オーエルテー)」が作られる。彼はORT株49パーセントを保有した。そしてエリチィン大統領の時代には、『クレムリンのゴッドファーザー』として君臨した。ベレゾフスキーがプリマコフ首相(KGBあがり、プーチンの先輩にあたる)に攻められ窮地に陥ったときに、プーチンは彼に接近したという。(1999年2月)その後、プリマコフはエリチィンによって解任され、プーチンが首相に就く。(同年8月)第二次チェチェン戦争によって、プーチン首相の支持率は上がり、ベレゾフスキーは「プーチンを支える」政党「統一」を立ち上げる。翌2000年三月の大統領選挙でプーチンは共産党のジュガーノフを破って当選した。

ところでなぜこんなことを書いているかという、種明かしをすると、ベレゾフスキーが亡命先のロシア郊外の自宅浴室で死亡しているのが発見されたのである。(きのう3月23日)
たったの一週間のうちに、ロマン・アブラモヴィッチは資産をキプロス政府に没収され、ベレゾフスキーは不可解な死を遂げる。おかしくないか?フレドリック・フォーサイスのスパイ小説のようなことが起こっている。

話を続けます。ベレゾフスキーらロシア新興財閥(オルガリヒ)はその後、プーチンに屈服させられていく。その中でも最大の注目を集めたのは、2003年のユコス事件だろう。
「ロシアの石油王」ホドルコフスキーが自社のユコス(石油最王手)を、ぺレゾフスキーとアブラモビッチの石油会社シブネフチと合併させて、アメリカの米国務省の仲介でアメリカの石油メジャーのシェブロンテキサコとエクソンモービルに売却してしまおうという計画が発覚したのである。

これに対して、KGBと司法権力率いるプーチン大統領は攻勢にでて、ホドルコフスキーを逮捕(2003年10月)するとともに、ユコスを買収して、国営石油大手のロスネフチと合併した。
またシブネフチは国営天然ガス最大手ガスプロムと合併させられる。(ガスプロムネフチと改称される。)イラク戦争の年にこういうことが起こっていた。
(『プーチン 最後の聖戦』p124~p138より)
ベレゾフスキーは保有していたORT株を1億7500万ドルでロマン・アブラノビッチに売却した。アブラノビッチはすでにプーチンの軍門に下っていたのだ。
おそらく彼は政治の世界に首を突っ込まないことを条件に、プーチンに許されたのだろう。そう考えると、彼がサッカーチームのチェルシーのオーナーとしてスタジアムで咆えているわけもわかる。

『クレムリンのゴッドファーザー』と呼ばれたベレゾフスキーはまず、プーチンに裏切られ、秘蔵っ子のアブラノビッチに裏切られ、最後に亡命先のロンドンでは20年下の美人の奥さんに離婚されて、風呂場で死んだ(暗殺でしょう)、という実に哀れな末路であった。

しかし、財産のほとんどを失っていたといわれるベレゾフスキーがこのタイミングで殺されなければならない理由はなにか、と考えてみる。
そしてこれはKGBの報復の予告ではないか、と私には思えるのだ。

そしてそのことに触れているのが、金のベテラン・ディーラーのジム・シンクレア氏(72歳)である。キプロス政府はKGBの資産まで没収するというへまをやってしまったようだ。

austrianeconomics.blog.fc2.com/blog-entry-25.html
(↑より引用開始)
ジム: これ(キプロスの預金封鎖)に関係している人たちはみんな怖がるべきです。記事は目覚ましの合図として役に立ったと思います。キプロスに関しては大きな計算ミスがあったんです。状況は素早く大惨事になっていっています。彼らはキプロスにお金を置いているロシアの会社の後ろにいる存在を本質的に見抜けていなかったんです。そしてロシアの元KGBのお金を没収するということがどんな事態に繋がるのか。

IMFで最前線に立ってこの惨事を生み出した人たちは、この”キプロス解決法”が彼らの目前でこのように爆発するとは、全く思っていなかった。
これはすぐにPRの悪夢となってしまったんです。なぜならそれは”税金”ではなく、”没収”ですから。銀行の債務をカバーするために、彼らはKGBのお金を盗んだんです。この時点まで銀行預金者たちはこのとても重大な西洋の、ということはイコール国際的な経済崩壊のシステムの一部でした。

今日まで、心理的には銀行にお金を入れておけばあまり心配しなくて済んだわけです。しかし、店頭市場のデリバティブの崩壊がこんなにもダメージをもたらしてしまった後では、今日まであった、経済的世界を一つに繋ぎ止めるのに必要不可欠とする方策が完全に変化することを意味します。

EK: この大失敗の余波と、チェスの駒の動きはどうなると思いますか?

ジム: ロシア人のお金を取り上げるのはとてもバカなことです。自分が相手にしている人たちの文化を理解しなくてはいけません。キプロスの政府のリーダー達は、プーチン自身を含む元ロシアKGB諜報員たちの報復から身を守るのに十分な能力はありません。
キプロス政府のリーダー達は、自分たちの命を守るため、急いでペダルを後ろに漕ごうとしています。もう一度言います。彼らは自分たちの命を守ろうとしてるんです。「報復は冷めてから出されるのが一番いい」と言いますよね?これは悪事が行われてすぐには報復はされないことを意味します。しかし時間を置いて報復はやって来ます。

ロシア経済のリーダー的存在たちからお金を取り上げるということは、元KGBメンバーからお金を取り上げるということです。元KGBからお金を取り上げるということは非常に危険なことです。キプロスのリーダー達は、世界一危険なお金を没収することをサポートしたということです。このリーダー達は自分たちの銀行預金の心配より、自分たちの命の心配をしているでしょう。

つけ加えると、これはIMFとECBの歴史の中で、一番大きな失敗だと思います。ロシアの会社とビジネスをすると、毎回キプロスの銀行とビジネスをします。お金は出て行く、入ってくる、しかし全てのお金がキプロスを通るんです。
(以下略 引用終わり)

田中進二郎です。ジム・シンクレア氏の3月21日の掲載文によると、フランス当局によるIMFのラガルド専務理事宅が家宅捜索されたのも、この動きと関係があるだろうと読んでいました。パンドラの箱を開けてしまったのではないでしょうか。

森田裕之 投稿日:2013/03/21 18:57

【1089】[1232]在ドイツの友人からのメール

 私の同級生でドイツの田舎のRecklinghousenという所に住んでいる桜井君からのメールを貼り付けます、富士電機ーシーメンスー同時通訳の経歴があり、一人息子のHaiko(男の子)君は、漫画家で何冊か出版されています。

貼り付けー

森田君、

今年のお花見は、狂った天候(日本海側の寒気と太平洋側の暖気が日本上空でせりある気象条件で)のために2週間も早く開花しているとの事。10年以上も前に、妻と息子を連れてお花見に行きましたが、3月末から4月のはじめのことでした。

さて、ユーロ圏 GDP の0.2%という小人のキプロス島がクシャミをしてだけで、これほどの騒動の起きるユーロ圏とはまったく悲しい話です。ユーロ圏リーダ国のキプロス救済案を蹴っ飛ばしてロシアに救済を求めるプラン
B など傲慢なユーロ圏指導者の恥を世界に発信してしまいました。メルケル首相とショイブル財務相の率いるリスクマネージメントの甘さが表面化した醜態で、この秋に連邦選挙を控えたドイツでは、野党が選挙戦の好材料を発見した形です。他方、内心待ってましたばかりにチャンスを狙っているのは、ロシアのプーチンでしょう。中東(シリア)の内戦で、地中海に面したロシア海軍の拠点(Tartus)を失ったロシアにとって、財政救済の代償に、キプロスに新たな海軍基地を設置できることは、大きな魅力なのです。それに加えて、キプロス海域には、膨大なガス田(6000億ユーロ相当の規模)があることもロシア国営コンツェルンの
Gazprom にとっては、油田ガス田開発権の獲得は大きな魅力です。この膨大なガス田開発権は、現在 Noble Energy (米)、ENI
(伊)と Kogas (韓国)が保持してますが、ロシアもその開発に参加したいという経済的な意味もあるのです。金融市場的にもキプロスは、租税回避地や資金洗浄(マネーロンダリング)の意味でもバカに出来ない存在です。キプロス系銀行は、高利回りと杜撰な経営監査、さらに国際的にも低い法人税(10%)で、海外投資家や企業に大きな魅力を持ち、旧ソ連崩壊後今日までに370億ユーロ程度のロシア系資産(脱税目的での逃亡資金を加えると更なる額)がキプロス島の金融機関に蓄積されており、これらの資産からの収益はロシアへ逆流するという資金のターンテーブルの役割も演じ、ロシアへ投入される外国投資の四分の一はキプロスマネーとの説もあるくらい。倒産直前にあるキプロス系銀行への関心も高く、Popular
Bank (Laiki Bank)をロシア資本が買収する話もあり、プーチンが本気に乗り出せば、キプロス島の当面している財政問題など一気に解決してしまうのです。ロシアは2011年に25億ユーロ相当の借款(期限5年で、4.5%の利子)を提供してキプロスの経済危機を救済した前歴があり、今回のモスクワでの交渉では、この借款の期限延期と新規の借款も話の内容であったということです。ユーロ圏諸国は、ロシアとの交渉の結果を待つのみという柵の外からの見物人(傍観者)としての存在しかなく、それよりも
”預金には(国が)手を出さない”(銀行預金は、銀行破産時に10万ユーロまで保証されている)という鉄則がかくもやすやすと崩壊したことによる金融市場や一般投資家の信用が失われたことがもっと大きな問題で、政治家は口先で
”貯金は絶対に安全だ”という神話を守るのに懸命です。キプロス不安で、ユーロが崩壊するとは思われませんが、一度失われた投資家の信用をもとに戻せるか否かが当面のキーポイントでしょう。キプロスとロシアをめぐる成り行きを見守る以外に手はありません。このような国際金融市場での信用不安で、円高が進むとなると日本株相場や経済回復への影響もあるでしょう。

以上欧州からの近況。               桜井美之

福田 博之 投稿日:2013/03/20 21:47

【1088】[1231]「アジア人どうし戦わず」を蝕むもの(修正)

先の投稿、
F14の(GO CAT GO)ではなく、
F35(ライトニン ホプキンス) に修正申し上げます。

福田 博之 投稿日:2013/03/20 07:35

【1087】[1230]「アジア人同士戦わず」を蝕むもの

「火縄虫」

火縄虫 恫喝砲に 跳ぶ霞
ひなわむし どうかつほうに とぶかすみ

焼野へと 鳩の見ぬうち 火縄虫
やけのへと はとのみぬうち ひなわむし

火縄虫 トゲの山超え 薔薇の蜜
ひなわむし とげのやまこえ ばらのみつ

火縄虫 墓石へ傘は 花水木
ひなわむし ぼせきへかさは はなみずき

「火縄虫」とは、季節を限定しない詠者独自の表現です。
「火取虫」ですと、夏の季語となる様です。
夏に限定したくない場合でも使える虫の枕詞として、
勝手ながら「火縄」を使いました。
自然観察によるものではなく、観念的な句です。

蚊の様なもの。
ミミズの様なもの。
コガネムシの様なもの。
アメリカシロヒトリの様なもの。

色々な力に弱いもの。
平和を蝕む強いもの。
戦争を喰い物にするもの。
影でコソコソするもの。

「沖縄県」
「軍事大国」「CIA」「巨大資本」
「ISD条項」「ラチェット規定」
「法の支配」「対話と圧力」
「日米地位協定」「日米安保条約」「日米原子力協定」
「ネオコン」「戦争経済」「軍需産業」
「オスプレイ」「F14」
「密約」「保身」
「ニューヨークの州花」
「We are the 99%の声」
「アーリントン墓地」

などの言葉を思い浮かべながら、
それぞれの虫を、自由に当てはめてみて欲しいと思います。

すでに詠んでいた、
「TPP バスに飛び乗る 火縄虫 夏を待たずに 参加表明」
を、少し練ったので下記に投稿します。
あくまでも、「平成25年春のうた」です。

鳥が舞い バスに飛び乗る 火縄虫
梅雨も待たずに 鳴く声凍みる

とりがまい ばすにとびのる ひなわむし
つゆもまたずに なくこえしみる

米の国(こめのくに)

お米(コメ)の国(くに)は ベイの国(くに)
塀(へい)ではなくて ベイの国(くに)

米蔵(こめぐら)高(たか)く 舞(ま)う鳥(とり)は
鷲(イーグル)なのか 鷹(タカ)なのか

とんぼ返(がえ)りの 黒(くろ)い影(かげ)
空飛(そらと)ぶ虫(むし)か 鳥(ちょう)なのか

バスの灯(ひ)に寄(よ)る 乗客(じょうきゃく)は
火縄(ひなわ)を嗅(か)いで 擦(す)る虫(むし)か

鳥(とり)の真似(まね)して 鳴(な)こうにも
羽音(はおと)が耳(みみ)に 障(さわ)るだけ

遠(とお)くの陸(おか)で 雨降(あめふ)れば
地(ち)が固(かた)まるか 黴(カビ)るのか

季節(きせつ)はずれの 憑(つ)きもの映(うつ)す
お上(かみ)は 禍難(かなん)の 空模様(そらもよう)

副島隆彦 投稿日:2013/03/19 09:51

【1086】[1229]ついにユーロ加盟国 キプロスで預金封鎖(よきんふうさ)が始まった。

副島隆彦です。  以下に載せる記事のとおり、地中海のキプロス国(ギリシア系とトルコ系の人々からなる)で預金封鎖(よきんふうさ)が始まった。以下の記事にある通り「 キプロス、預金課税で混乱=銀行引き出し凍結 」である。

 今年の秋を待つまでもなく、ヨーロッパ国家債務(ソブリン)危機は再発するだろう。 ヨーロッパ危機は、ポルトガル、スペイン、イタリアが中心となる。キプロスは、EU27か国の加盟国で、さらにその中のユーロ通貨圏(ゾーン)に入っている17か国の一国である。

 キプロス国内のすべての銀行預金からの一律( 預金額に応じて3%から 12%)での 緊急の課税という手段で、国の財政破たんを回避しようとする法律の、緊急での議会議決が有って(現在、再審議中)、国民には寝耳に水で、18日(月)の朝から、それを実施しようとしていた。

 キプロス政府は、危機に陥っている自国の財政再建のために、EU委員会とECBヨーロッパ中央銀行の承認と後押しを受けて、今回の、不意打ちの、ファシズム的な電撃の政策を実施した。 この強制政策の秘密情報に事前に接近できなくて、(権力者層からつんぼ桟敷にされて、)銀行からの預金引き出しに失敗した人たちの 怒りが巻き起こっている。

 キプロス政府は、主にロシアの ”オリガリヒ(新興財閥、経営者たち)”を狙い撃ちにして、彼らがロシアから持ち出してキプロスの銀行に、タックスヘイブン(租税回避地)の低課税国の誘因に引かれて預けてある資金への強制課税を目論んだ。ロシアの”アルミ王”のロマン・アブラモビッチ、とオレグ・デリパスカの資金の凍結が隠された目的である。 

 これらの人物像は、私たちが書いて出版した『新興大国 権力者図鑑』(日本文芸社、2011年9月刊)に余(あま)すことなく出ています。勉強になりますから今からでも買って読んでください。 

 キプロスの預金封鎖 =銀行の引き出し規制、預金凍結は、近い将来の日本でも起きるだろう。現在、日本の金融当局は、アメリカに追従して、言いなりになって、 迫りくる世界金融恐慌(世界きんゆうきょうこう)を、「そんなものは起きていない」という振(ふ)りをするために、徹底した金融統制、銀行の引き出し規制(まさしく預金封鎖だ) を行う準備を、着々とやっている。

 気持ちが悪いぐらいに、不愉快極まりないぐらいに、財務省、金融庁、国税庁の 彼ら、「お金警察官」による 日本国民への統制、規制、生活干渉が、あらゆる手段を使って、日に日に、厳しくなっている。

 副島隆彦の本の読者の皆さん。迫りくる危機の事態に、それぞれがしっかり厳しい自覚を持って、早め早めに対応、対処してください。甘い考えをしている人は痛い目に遭う。「安倍首相よ、ウソでもいいから、アベノミクスで、円安と株安、地価の上昇(もうすぐ25日に、大ウソの発表をするだろう)で、景気回復の夢を見せてくれ、少しは国民に、良い目を見せてくれ。やっぱり自民党に戻ってよかったね」 と 馬鹿な期待と願望をしてる人たちは、騙(だま)されて、絶望の底に突き落とされるだろう。

 しっかりした頭の人たちは、今のうちから、余分の(有れば、だが)銀行預金を下ろして現金で手元で保持するか実物資産(じつぶつしさん、タンジブル・アセット)にどんどん代えて(変えて)ください。

 私は、昨日、フーフー言いながら、私の新刊書の 『 浮かれバブル景気 から 衰退させられる日本』(徳間書店刊) を書き上げた。3月28日ぐらいから都市部の大手の書店には並ぶだろう。乞うご期待。

副島隆彦拝

(新聞記事、転載貼り付け始め) 

●「 キプロス、預金課税で混乱=銀行引き出し凍結 」

2013年3月18日 時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013031800072

 ユーロ圏の金融支援と引き換えに銀行預金への課税を行うキプロスで、混乱が
広がっている。国民が激しく反発しているほか、議会での関連法案可決 も危ぶ
まれ、目標の19日朝までの徴収は不透明だ。

 現地からの報道によると、同国中央銀行は取り付け騒ぎなどを防ぐため、「一
時的かつ当面」、銀行の国内外での預金引き出しや振り込みなどの取引 を停止
するよう指示を出した。また、政府は祝日明けとなる19日に、混乱回避のため
銀行を臨時休業させることを検討。議会採決に時間がかかれば、 休業延長もあ
るとしている。

●「 焦点:キプロス支援、預金者負担は「危険な前例」に

2013年3月18日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE92H01C20130318

 ユーロ圏財務相会合がまとめたキプロス金融支援策に、銀行預金への課徴金という異例の措置が盛り込まれたことについて、市場関係者の間では「危険 な前
例」になりかねないとの懸念が浮上している。

 ユーロ圏財務相会合は15日夕方からの徹夜の協議の末、100億ユーロ
(130億ドル)のキプロス支援策を決定。預金者から最大約10%の課徴金
を徴収する。

 欧州中央銀行(ECB)は、必要な場合無制限の国債買い入れを実施する意向を示しているが、市場では、将来別の加盟国の支援が必要になった場合、 再び預金者が負担を強いられるのではないかとの懸念が浮上。

 キプロスは金融支援がなければ、デフォルトするとみられ、ユーロ圏に対する投資家の信認が再び揺らぎかねない事態となっている。

 ニューエッジ・ストラテジーのアンナリーザ・ピアッツァ氏は「前例のない極端な措置だ。ユーロ圏周辺国が多少パニックに陥るだろう。資本流出の可 能性も否定できない」と指摘。「目先、周辺国の(国債利回り)スプレッドに一定の影響が出る。ユーロ安進行の可能性も否定できない」と述べた。

<議会審議の行方は不透明>

 金融支援策の発表を受け、キプロスでは現金自動預払機(ATM)から預金を引き出す動きが広がり、ATMの資金は多くのケースで数時間で枯渇し た。
大半の預金者は16日午前以降、預金を引き出せない状態で、今後混乱が広がる可能性もある。

 ユーロ圏当局は、キプロスからの資金流出の兆候がないか監視する意向を示しているが、資金流出があった場合の具体的な対応策は示していない。ECBのアスムセン専務理事は16日、「我々にとってキプロスはシステム上重要だ。経済規模は小さいが、混乱が生じれば、昨年大きく進んだユーロ 圏の安定が脅かされる恐れがある」と述べた。

 キプロスでは18日が銀行休業日となり、即座の反応は限られる見通し。議会が金融支援策を承認すれば、19日に課徴金が適用される。

 ただ、議会が支援策を承認するかは不透明。承認できない場合は、デフォルトへの懸念が強まるとみられる。議会では17日に支援策をめぐる審議が予定されていたが、事前の調整が必要として、18日に延期された。

 アナスタシアディス大統領は議会に支援策承認を求めているが、絶対多数を握る政党はなく、すでに3党が支援策を支持しない意向を示している。

 JPモルガンのアナリスト、アレックス・ホワイト氏は「与党が自信を持って期待できる賛成票は(56議席中)26─28票程度だろう。野党は26 票前後の反対票を確保できるとみているのではないか」とし「非常に僅差で、現段階では予想がつかない」と述べた。

<スペインが試金石に>

 これまでのところ、キプロス以外の欧州諸国では目立った混乱はみられない。
バンク・オブ・キプロスBOC.CY は、英国のウェブサイトで、キプロスの銀行の海外支店には課徴金は適用されないと説明。スペイン中銀も、スペ インからの資本流出の兆しはないとしている。

 バークレイズは「過去の支援プログラムで、今回と同じ措置がとられていれば、預金流出や国債下落が他の周辺国に波及していたかもしれないが、それ に比べれば、影響はかなり限られるだろう」と指摘。「ギリシャを含め、周辺国の預金流出の可能性は低いとみている」と述べた。

ただ、市場には不安が広がっている。

 チェコの元経済相で、現在はゴールドマン・サックスの国際アドバイザーを務めるウラジミール・ドロウヒー氏はロイターに「ドイツなど欧州北部の有 権者が一定の負担を求めるのは理解できる。ただ、事実上預金の1割を没収するというのは、危険な前例だ」と指摘。「混乱が深まれば、5割没収と いった話にもなりかねない」と述べた。

キプロスの混乱が他国に波及するかは、スペインが試金石になるだろう。

 欧州中央銀行(ECB)の最新統計によると、1月のスペインの預金残高は横ばいで安定。スペインは昨年、国内銀行向けに400億ユーロの金融支援 を受けており、銀行の資金は潤沢だ。スペイン政府も市場から問題なく資金を調達できており、支援申請が必要な状況ではない。

 ただ、一般の預金者の間に不安が広がる可能性は否定できない。
ザンクトガレン大学(スイス)のシモン・エベネット教授は「キプロスの救済条件を特殊な例とみることはできない。ユーロ圏の重債務国や海外預金者 に送ら
れたメッセージは明白だ。リーマンのケースとは違うが、システミックリスクへ
の懸念が無視されているのは明らかだ」と述べた。

 欧州議会のシャロン・ボウルズ経済・金融問題委員長も「預金保証制度が台無しになる」と批判した。キプロスの銀行預金の多くは、ロシア人や英国人の預金。これまでのところ英国、ロシア政府から抗議の声は出ていない。

 ただ、デンマークのサクソバンクのラルス・セイア・クリステンセン最高経営責任者(CEO)は自身のブログで「金融支援発表の会見では、1回限り の措置と説明していたが、別の国で同様の措置を導入する可能性は否定しなかった。1回やれば、またやる可能性がある」との見方を示した。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝

大川晴美 投稿日:2013/03/17 23:25

【1085】[1228]あるイギリス人から聞いたこと

大川です。外国人の友人と話していて、時々、ものすごくビックリすることがあります。それは何気ない会話の中で、何気なく発せられたひとことだったりします。

仕事仲間のイギリス人男性のWさんとTさん、私の3人で、我々の意見に反対するグループを説得する方法を検討していたときのことです。いろいろな意見が出尽くした頃、Wさんは何気なく、「まずこれでやってみよう。Divide and Ruleだね」、と、つぶやきました。

私は一瞬、耳を疑いました。Divide and Rule(またはDivide and Conquer)とは、たしか、昔イギリスが植民地政策として採用した分割統治のことではなかったか?支配者側のイギリスは自分たちに民衆の反感が向かわないよう、民衆内部の分断と対立を仕組む・・・そんな冷酷な方法を、意見が異なるグループとはいえ、同じ仕事仲間の日本人に用いるというのだろうか?Wさんはとても温和な人だというのに。

あれこれ考えた結果、とりあえず到達した仮説は次のとおりです。
Divide and Ruleは古代ローマまでさかのぼる統治方法であるが、政治や外交だけの概念ではなく、必ずしも卑劣な手段を使うわけでもない。欧米人が日常の人間関係の中で、自分の主張をうまく通すための戦略として自然に身につけている思考様式でもあるのではないか。日本人も、敵対するグループを仲間割れさせるくらいは、仕事や人間関係でやっているだろう。しかし、戦略として自覚しているケースは少ないかもしれない。

もちろん、この一件だけで一般化してはいけませんが、国際政治では、日本がアジアの近隣諸国と敵対することで有利になる国やグループがあるだろうし、中東でも同様だと思います。原発放射能問題にも当てはまるかもしれません。その時に、これはDivide and Rule戦略かもしれない、と少しでも疑ってみることが、分断される側に立ったときに非常に強力な思考方法になるはずです。そして、日本人が能動的に、正しい方法でDivide and Rule戦略を活用することも、この厳しい国際社会で生き残るためには検討に値すると考えます。

福田 博之 投稿日:2013/03/17 20:36

【1084】[1227]総理一任

「TPP バスに飛び乗る 火縄虫 夏を待たずに 参加表明」

一部の人間の合理的選択が、多くの人にとって不合理だとしたら、
説得力に乏しい「ロゴス」を用いて、あとは「パトス」に訴えるということでしょうか。
タテマエが「国益」で、本音は「耐えがたきを耐え」となるのでしょうか。

「属国であるということ」が、読むべき空気。
最初から参加ありきなら、長老に一任して、落としどころを探すだけ。

「ルールを作る側」という、早期参加の正当性は、説得力があるのでしょうか。
中国の国家資本主義と対峙して、どのように中国の成長を取り込んでいけるのでしょうか。
中国へはまた別のアプローチをするのでしょうか。

(以下すべて引用。)

『それでも中国は巨大な成長を続ける』副島隆彦 
まえがき
「果たして、中国からの撤退など簡単にできることか? できるはずがない。
今も成長し続ける巨大な中国市場を無視して、日本国が生きていく道はない。」

『その言い方が人を怒らせる』加藤重広 
第三章 ロゴスとパトスを使いこなす

論理を意味する英語のロジック(logic)は、古代ギリシャ語のロゴス(logos)と語源
が同じである。ロゴスは、「理法」と訳すこともあるが、「論理」であるとともに、「理
性・真理」であり、「言語」、特に「神のことば」でもある。神のことばは真実を語る論理
であり、理性のことばだと考えると、ロゴスのなかにいくつもの意味がとけ込んでいるの
も当然だと思えてくる。唯一神的な世界では、神こそが理性であって真理であって、神の
ことばこそが論理として正しいことを伝えると考える。しかし、日本のような多神教的な
世界では、唯一の真理を表すことばという発想は出てきにくい。八百万の神々は、それぞ
れに合理性と正しさを持っているかもしれないが、すべての神々の言う真理が矛盾なく成
立するとは限らない。唯一の≪真理=論理=言語≫であるロゴスが世界を支配する西欧世
界に対して、日本をはじめとする汎神的な世界では個々の≪真理≫が世界の中で調整され
て均衡して安定を得ていると言えるだろう。

私たちは、自分たちがどう感じているかを人に伝えようとすると、それがことばで思い通りに表
現できなくてもどかしく思う。これは、ロゴスに対して、気持ちや感情を表すパトスとい
う言い方で象徴することができるものだ。

第四章 読むべき空気と読まざるべき空気

「場の空気」は、特定の集団や地域や文化ごとに決まっている常識のような
ものであり、その決まりを知らない者にはわからないことが多い。

「人が作り出す空気」とは、いわば聞き手が望んでいることや想定していることの総体である。

ことばにして口に出すのはロゴスだけだが、そこからパトスを推測して読み取れ、と言い換えていいか
もしれない。この場合、ロゴスは建前に、パトスは本音に近い。

終章 時代の求めることばのありかた

かつて、日本の共同体がムラ社会のあり方を基本にしていたころには、いちいちロゴス
として説明しなくとも、みんなが納得しているというパトスのレベルの一体感さえあれば、
物事はつつがなく動いていったのかもしれない。いまでもよく「(最終的に)一任する」
という決定方法が日本ではよくとられるが、実はロゴスのレベルで考えてもうまくいかな
い場合や、単純に結論が得られない場合には、パトスとしてみんなが受け入れられるかた
ちにすることで、落としどころを得るのが日本人にとっては丸く収まるからだろう。

南相馬の西槙 投稿日:2013/03/10 19:24

【1083】[1226]南相馬の近況

震災から2年が経とうとしています。
震災当初は1万人まで減った市の人口も、5万人近くまで回復してきました。
他地域からの被災者も滞在しているので、もう少し多い実感です。
雪の多い会津にあった大熊町の仮設住宅は、分解されて市内に運び込まれ再築されています。
http://1.bp.blogspot.com/-47LaACqHh8U/UTsT6YsO1uI/AAAAAAAAAbs/p-LKxQclspc/s1600/IMGP0724.JPG
ただ、若い人はまだ戻ってきてません。震災前はコンビニなどで働いていた中国人の出稼ぎ労働者も戻りません。

津波による損傷が酷かった市内の火力発電所はすっかり復旧し、2月からは試験運転が始まっています。
http://1.bp.blogspot.com/-vVVCXUeLSk0/UTsT7ONJAdI/AAAAAAAAAb4/DrUyNfqLyic/s1600/IMGP1024.JPG
同じく津波で被災した真野川河口の漁港も復旧しました。
http://3.bp.blogspot.com/-6VsTVFXDW-Y/UTsT7TyZnvI/AAAAAAAAAb8/V18Yyc90iIQ/s1600/IMGP1034.JPG
町中では新しい飲食店なども開店し、少しだけ復興ムードが出てきています。

もともと潰れるべきだった工務店や建設会社までが、
社員への給与補償や、除染などの復興関連事業でゾンビのように息を吹き返してます。
休眠状態のまま、賠償金だけもらっているような会社もあるようです。

農業の方は、市内での稲作が今年も耕作中止となりました。今の状況では、風評で作っても売れないだろうという理由です。
それと、現在、農地から宅地への転用が被災者の住宅建設目的の場合のみ、認められやすくなっており、
跡継ぎもいない老齢の農家は、農地を宅地化して売り払う動きが多くある事情もあるんだろうと思います。

昨年は人手が入らなかった田んぼや畑で、外来種のセイタカアワダチソウという植物が在来の植物を駆逐し生い茂っている様子をよく見かけました。
この黄色い花を咲かせる植物は、根から微量の毒をだし、他の種の植物を根絶やしにし、最終的には自分の毒で自家中毒となり枯れてしまいます。
そういった毒のため、田んぼの土が使い物にならなくなってしまうそうです。
http://2.bp.blogspot.com/-q0Fn0sMjPtI/UTsa0kTadiI/AAAAAAAAAcU/Gf2sGgP1bIs/s1600/IMGP0378.JPG

最近の新聞折り込みの求人チラシです。
こちらの生活感覚がいくらか伝わるでしょうか。
http://1.bp.blogspot.com/-q8VsUNzHMW8/UTxeDzS979I/AAAAAAAAAck/g2kTG8h7ul8/s1600/IMGP1095.JPG
http://4.bp.blogspot.com/-GOacx5E9ies/UTxeD37qA-I/AAAAAAAAAco/868LnPtFFUE/s1600/IMGP1094.JPG

<除染事業について>
市内の幾つかの仮置き場がようやく決まり、来年度から本格的に除染事業が始まるようです。
南相馬市の除染事業は提案コンペで竹中工務店が請け負うことになりました。結局、予算規模は400億円程になったようです。
埃よりも小さい物質を地面から取り除くという公共事業をどこまで本気でやろうというのか、私は半信半疑です。

<住宅事情について>
相変わらず市内では賃貸物件が足らず、被災者の生活再建や復旧・復興事業の足かせとなっています。
少ない空き部屋を被災者と復興事業者で取り合っている状況です。

物件が足りない理由として、借上げ制度による物件の差し押さえ状態があります。
借り上げ契約だと、どんなオンボロな物件でも最低6万円の補償金が県から貸主へ支払われ、
借主は家賃負担がないので、一度借りると元の家に帰還しても借りっぱなしのままでいるようです。

この補償金を当て込んでか、一棟7千万円から一億円ほど建築費のかかる集合住宅が、市内のあちこちで建設中です。
復興補助金が200万円ほど出るものの、元が取れるかは疑問です。

警戒区域の帰還困難の被災者がそろそろ帰還をあきらめて、中古住宅を購入したり、
土地を買って新築するケースも増えています。

少し前は、大工や、特に内装の請負人員が足らず、購入の契約をしても引き渡しまで3年待ちと言われてましたが、
今は全国規模の工務店では人員を増強して、早く引き渡しできるようになったと聞きました。

<隣の小高区や浪江町の状況>
市の南部の小高区では、水道工事で掘り起こした土を置いておく仮置き場が昨年終盤にようやく決まったので、
復旧はまだまだこれからです。
国指導のがれきの撤去作業が2月1日から始まりました。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG3104F_R00C13A2CC0000/
http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=201301303

小高区や隣の浪江町の賠償は、住民の帰還できない警戒区域指定から5年間を経過すると住宅については全損扱いになり、
全額賠償される事になっています。(5年間に満たない場合は年数で比例した分が支払われる)

しかし実際は、人の手が入らずに1年半放置された住宅は、相当損傷が進み、大がかりな改修をしなくては住めなくなってしまっているそうです。
小高の住人の話では、水道管が鉄管の場合は、錆びて使い物にならなくなっており、
屋内の家財や畳は、雨漏りやカビで損傷して、またネズミが繁殖して家の中が荒らされていて柱がかじられるなどの被害もあるそうです。
その人は相当不満が高まっているようでした。
また、野生のイノシシと家畜の豚の合いの子のイノブタ(猪の凶暴性と豚の繁殖力と食欲を併せ持つ)により屋内が荒らされるケースもあると聞きました。

近況は以上です。

岡末雄(会員番号6720) 投稿日:2013/03/04 12:41

【1082】[1225]第4回投稿(私の基本戦略[序文])の投稿遅延について

会員番号6720の岡 末雄です。
[1214]第3回目投稿で「私の基本戦略―日本人民が日本国民となり、真に自由であることを追求していくために」の序文の投稿を予告しておりましたが、3週間余を経過した現在でも脱稿に至っておりません。私が長年在籍した地方公務員の世界でも、事案によりましては許されざる咎です。ましてや、多士済々の学問道場の会員の皆様の心中におかれましては。
 今回は3つのやんぬるかなの言い訳をもって、会員の皆様に対する「私の基本戦略」序文投稿遅延の弁明といたしたいと思います。

言い訳その1
 平成22年3月末日をもって福岡県職員を定年退職し、公的年金満額支給の65歳を限りとする再任用職員(一兵卒)の職にありましたが、故あって2年2か月を残し、この2月8日辞表を叩き付けました。(叩き付けると言っても、もはや若造ではありませんから徐に丁重に職を辞しました。驚いた管理職の上役は、当然のごとく上役預かりとされましたが、一日たりとも出勤する気はありません。故ありの退職ですから。
 翌2月9日から晴れて“毎日が日曜日”の身分となり、昨年3月10日発表の維新八策に対抗すべく、「私の基本戦略」(当然ながら維新八策を多くにおいて拒否するものです。)として、事に触れ折に触れて考察して来た提言を、「重たい掲示板」に投稿することを決意し、満を持して2月13日に第1回目を投稿した次第です。
 辞表提出とその余勢を駆って投稿を開始したものの、ハッと虚空を見上げると、己には妻と身体障害者の娘と孫娘を食べさせて行く義務があることに再びハッと気付きました。急遽再就職口を探した結果、私でも務まりそうな職がありましたので、早速応募したところ、選考試験に論文(作文)がありました。合否はともかく論文で人後に落ちては沽券に拘わると思い、受験勉強を開始しました。
 これが、投稿遅延の第1の言い訳です。

言い訳その2
 投稿する以上、何かepochmakingな発表をして注目を浴びることが得策と考えていたところ、次の重大事に気付きました。すなはち、2015年が終戦70年、2045年が終戦100年!
よって、「私の基本戦略」の発射台は2015年8月15日、設定目標年を2045年末と決めました。投稿遅れを棚に上げて、急がずともよいとする私の勝手な言い訳ではあります。

言い訳その3
 2月13日に、初めての投稿・第2回目投稿・第3回目投稿をしたところ、ある会員の方から2月15日に返信メールを頂きました。その方とは、現在も(現在と言ってもまだ2週間余ですが)間断なくメール交換をさせて頂いております。その方のメール内容に幾度となく眼を通していると、私の中に重大なかつ思いもよらなかった心境の変化というよりも心境の激変が生じました。[1211]初めての投稿で触れて置きましたが、天上天下唯我独尊・天の邪鬼を自他共に認めてきた私に、次のような疑問が湧いて来たのです。「序文に限らず現在考えている戦略23策について、原稿を提示し忌憚のない意見を貰って、意見調整・修正加筆のうえで投稿すべきではないか!」と。
己の信念に自信あり、余人の意見聴くに足らずと実践してきた私には、まさに驚天動地の心境でした。その方の承諾を得ましたので、今後、かかる重要な検討作業が加わります
 投稿遅延の3っ目にして決定的な理由(言い訳)です。

 未だ全容を明らかにしていませんが、「私の基本戦略」は、苦悩・苦悶・苦闘して来た60年余の私の信念・信条の集大成となるものです。
 副島先生の著書「The road to hell is paved with good intentions」との出会い以後、先生の山よりも高く海よりも深い造詣に接し、多くを学ばせて頂いたことが、その根底に有ることは論を待ちません。
同時に、素晴らしい博学多識の方の協力を得て、揺るぎない戦略に仕上がることを確信しています。
 因みに、「私の基本戦略」は、昨年7月5日付け日本経済新聞電子版にあった「維新八策」改訂案(衆議員選挙用にと、あちらからこちらからと政策を切り取ってきて、まるで山羊の小便のようにダラダラダラと総花的に美辞麗句を並べたもの・・維新の会支持者の方、ごめんなさい。)とは、ひと味違うスッキリしたものとなるでしょう。

 平成25年3月4日 早朝東雲の時刻  岡末雄 拝