重たい掲示板
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Loginはこちら【1097】[1240]今日、4月1日から 預金封鎖=金融統制体制 である。皆、甘い考えを捨てなさい。
副島隆彦です。
私は、3月31日の午前0時から、 弟子の N 君からのメールを読んで、相当に神経が高ぶった。日本はもうすぐ金融システムの統制の 緊急事態に突入するだろう。
4月1日(月)の朝から、先進国3地域であるヨーロッパ、アメリカだけでなく日本でも、実質的な金融統制体制にはいる。 銀行預金がおろしにくくなる事態 ( controlled output 、銀行引出し規制、禁止、凍結)が起き始めた、と私は判断しました。
これは実質的な「預金封鎖(よきんふうさ)」である。預金封鎖 ( financial accounts clamp down フィナンシャル・アカウント・クランプダウン)とは、1.銀行の引き出し制限 と 2.新札切替(しんさつきりかえ) である。 「クランプダウン」clamp down というコトバの恐ろしさを、これから日本人も味わうようになる。
私、副島隆彦の言うことに耳を傾ける人は、急いで、銀行に行って預金を出来る限り多く引き下ろしなさい。まだ下(おろ)せる。支払いの自動引き落とし分以外の資金は、さっさと現金にしなさい。として肌身に持ちなさい。これは人間が生きるための食料費である。
そのうち、おそらく、あと1か月、2か月(6月末になるとヨーロッパ諸国の年度末で決算期だ)で、本当に日本でも銀行預金引き出し凍結という事態になるだろう。
ですから、私の弟子たちや学問道場の会員になっている貧乏な若者たちも、出来るだけ、、銀行で数十万円でもいいですから(有れば、の話ですが)現金を身近に持ちなさい。最後は自分の食料品を買うお金があるかに掛かってくる。
現に キプロスでは、 1日、ATMで 300ユーロ( 3万6千円)しかおろせない。銀行は28日から13日ぶりに再開したが、10万ユーロ(1200万円)以上の預金は引き出し禁止のままだ。ロシアの金持ちたちが、逃がしてきた資金はほとんどが キプロス政府に没収されるだろう。「80%を強制的に徴収する」でも済まないだろう。この動きは、今後、急速にヨーロッパ全体に広がる。 いや急速に広がっている。
キプロスよりもずっと大きいオランダの財務相が、「キプロス・モデルは、わが国でも起こり得る」と発言して問題になっている。オランダも自国のGDPの10倍以上の外国からの預金が集まっているタックスヘイブン(フリーポート国)だ。自分が預かったお金は引き下ろさせない(自分のものだ)、という恐怖の原理が働く。
アメリカの金融通貨当局も 日本の金融通貨当局も、今の相当の世界中の深刻な事態に青ざめている。自分たちもそうなるのだ、と分かっている。だから金融統制体制に、世界は冷酷に移行を開始した。そのことに対応して、BRICS(5大新興国)が、後ろに載せる記事の通り、神経質に次の新しい世界銀行の設立を緊急に決めた(3月27日、南ア、のダーバンで)。 この2週間のおかしな動きで、私は、事態の急変を感じ取っていた。
今も、日本の銀行では10万円の送金にも「何への支払ですか」と聞く。100万円をおろすのも使途を聞くようになった。ということは、新年度の4月1日から、おそらく1千万円、5千万円、1億円、2億円の預金を引き下ろそうとする 資産家たちは、銀行がおろさせない、という動きに出るだろう。
まさしく預金封鎖の始まりである。私が、そう予見して居たら、まさしくそのアナウンスメントが、NHKから出た。
(転載貼り付け始め)
「 銀行窓口で新たな確認手続き導入へ 」
2013年3月31日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130331/k10013562731000.html
銀行取り引きが犯罪に利用されるのを防ぐため4月から銀行窓口で10万円を超える現金の振り込みなどを行う際には新たに本人の職業や取り引きの目的を確認する手続きが導入されることになりました。
政府は銀行取り引きが犯罪に利用されるのを防ぐために、平成2年から銀行窓口で本人かどうかを免許証やパスポートなどで確認することを求めています。
さらに来月1日からは国際的な基準に合わせて確認の手続きが強化され、一定額以上の現金を銀行窓口で扱う場合などに、銀行員が本人の確認に加えて、職業や取り引きの目的を尋ねることになります。
具体的には、銀行窓口で口座を開設する際や10万円を超える現金を振り込む場合、200万円を 超える現金を預けたり受け取ったりする際に職業などの確認が行われます。政府は、取り引きに関わる追加の情報を得ることで、疑わしい取り引きをより把握しやすくなるとしています。
全国銀行協会は「法律の改正によって窓口での確認事項が増えることになったが、理解のうえ、協力をお願いしたい」としています。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。このように事態は急激に緊迫している。 ここで盛んに、「政府は銀行取り引きが犯罪に利用されるのを防ぐために」という見え透いた口実を強調し、金融システム自体の世界的な変調と異変を覆い隠そうと必死である。 私たちは、この事態の緊急性を鋭く理解するべきである。
私は、学問道場の会員たちと、私、副島隆彦の言論に注目し敬意を払ってくれる人々を守る。甘い考えで、「安倍首相のアベノミクスで、景気回復をしてくれるのを私は期待しているよ」と言う人々(主に資産家、富裕層)は、そのまま、自分の大切な預金を、そのうち下せなくなって政府に奪い取られるがいい。
私は、全国にいるだろう富裕層500万人の少なくとも10%の50万人の、副島隆彦の本の読者を守らなくてはいけない。皆さんは、急いでご自分の預金のうちの余裕資金部分を銀行から急いで引き出して肌身に置いてください。
10万円下すのにも「何に使うのですか」と銀行員から聞かれなければ済まない、ということの異常性をまともな脳(頭)をしている人間なら本気で考えてみるとよい。
10万円、100万円でこれなら、1千万円、5千万円、1億円では銀行の窓口で、どういう対応をされるか、まともな脳をしているなら、さっさと決断しなさい。だから、既に預金封鎖(よきんふうさ)= 金融統制体制は、始まっているのだ。預金封鎖で1.預金を実質凍結したあと、2.新札切り替え(しんさつきりかえ) が、あと一年ぐらいの間に緊急で行われるだろう。
このことの真実は、すでにヨーロッパ、アメリカ発の世界金融恐慌に突入しているのに、そうではありません。何も起きていません、という振りをするための金融統制官僚たちによる世界共通の統制の開始だ。世界は、今や、世界官僚同盟( WBU , World Bureaucrats Union ワールド・ビューロクラッツ・ユニオン)による、官僚たちの密かなヨコの連携での、この“顔なし君たち”による支配体制に移行した。
1.預金引き出し制限 の、次に襲い掛かってくる、2.の「新札切り替えの強制実施」で、富裕層が、旧札で現金でため込んできた個人資産( これを「タンス預金」と言う)が大変、困ったことになる。金融庁と国税庁が、そのあぶり出しという残忍な行動に出る。これはファッシズム政治体制である。
私、副島隆彦は、 以上のことを重たい掲示板に、書くべきか、この2日間悩んだ。しかし、やっぱり書くと決めた。皆さんも、一刻も早く、甘い考えを捨てて自分のお金を肌身に置くようにしなさい。
おそらく 明日から、どんどん ヒドイことになってゆくでしょう。まだあとこれからの一か月ぐらいなら間に合う。そのうち預金がおろせなくなる。「自分は貧乏だからお金が無いから関係ない」と力なく項垂(うなだ)れる若者たちは、これからの日本は、世界はどうなり、そしてその焼け野が原のあとに、どういう新しい世界に出来てゆくかをじっと真剣に見ていなさい。
私が、以上のことを学問道場のサイトに書けば、 日本各地で、じょじょに「取り付け騒ぎ」 ( bank-run バンクランあるいは bank running バンク・ラニング))が起きるだろう。言論人の私の影響力は今はそれぐらいはある。 そのことを、 私は、昨日からずっと、気にしていた。
それでも、やはり日本国民に 迫り来る危機を いち早く知らせる、という 自分の使命(Beruf 、天命) に従って、やると決めた。先走ったことをして、騒ぎの原因となることで攻撃されることになっても、それはそれで仕方がない。私はいつも嵐の中に身をさらして生きてきた。私は、自分が丁度、10年前(2003年)に書いて、ベストセラーになった 自著の『預金封鎖』(祥伝社刊)の時の自分に立ち戻ろうと思う。
預金封鎖になったので、途端に、この数日、北朝鮮との緊迫した軍事衝突の危機を煽り出した。韓国政府へのどこかからのハッカー攻撃とかの奇妙な事件を起こし始めた。これで国民を脅(おびや)かし脅迫することで、国民が生活統制を受け入れるように強制し、金融統制をやり易くする。 すべては仕組まれている。
キプロスは、ギリシアの隣の国だ。昨年のギリシアの金融危機のつながり、連鎖なのだということに気付く人は少ない。さらにその隣はイタリアだ。キプロスには被差別民のように虐げれて暮らす北部のトルコ系の住民がいる(70年代にキプロス紛争を起こした)。おそらくこれらの地域は、ユーロ通貨が崩壊を始めたら、トルコ・リラを保持し、使い始めるだろう。
貨幣(通貨)は、信用のあるもので、自分の手元に置いていても目減りしないものを人間は持つ。トルコは、今や、インドネシア(人口2億5千万人)と並んで、準BRICSと呼ばれるべき新興大国である。トルコ・リラがこれらの南ヨーロッパの弱体化する国々で公然と使われ出すだろう。
イタリアは、総選挙のあとも政権(内閣)を作れないで、再選挙もできず、マリオ・モンティという、議員(国民の代表)でもない、米ゴールドマンサックスあがりの男がずるずると居座って、崩壊国家に向かっている。イタリアは自国が抱える巨大な財政負債に立ち向かう政治機能がすでに崩れ続けている。
スペインはもっとひどい。フランスも、オランド大統領がお手上げであり、昨年(2012年)の3月にフランスの3大銀行を破たんさせるべきだったのに、それを、「ドラギ大砲」(ヨーロッパ中央銀行の総裁になったマリオ・ドラギのジャブジャブ・マネーのユーロの無制限供給によって)が助けた。その違法行為の毒と報いが全身に回りつつある。
ドイツはオランダやデンマーク、スウエーデンなどの健全財政の北欧諸国だけで自分たちの生き残りを賭けて、貧乏な南ヨーロッパ(南欧)への救済を諦(あきら)めて、独自のドイツ・新マルク通貨圏へと撤退しつつある。先進国はどこも迫り来る預金封鎖の危機に直面している。
ですから、私の言うことに耳を傾ける人は、今から、急いでその準備をしてください。そして、私が、『個人備蓄の時代』(光文社、2012年6月刊)で書いて示したとおりの備蓄の準備を始めてください。
副島隆彦拝
(以下は、N からの 私への 情報の 記事とかです)
—–Original Message—–
Sent: Sunday, March 31, 2013 2:37 AM
To: 副島隆彦
Subject: 【訂正】 「BRICS諸国、1000億ドルの外貨準備基金設立で合意」
副島先生へ
N です。2点訂正です。
BIRICS外貨準備基金の1000億ドルは、9.5兆円です。
それから一つ目のウォール・ストリート・ジャーナル日本版の記事の日付は
3月28日付けの記事です。以上、訂正します。
—– 元のメッセージ —–
宛先: 副島隆彦 GZE03120@nifty.ne.jp
送信済み: Sun, 31 Mar 2013 02:30:06 0900 (JST)
件名: 「BRICS諸国、1000億ドルの外貨準備基金設立で合意」
副島先生へ
先ほどお電話でお伝えした、BRICS五か国が、3月26、27日の二日間、 南アフリカのダーバンで開催した、第5回 ブリックス(BRICS)首脳会議(サミット)で、BRICS自身が、IMF(国際通貨基金)などのこれまでの欧米の国際基金や国際金融機構に代わる「外貨準備基金」と「開発銀行」を設立するという記事です。
取り急ぎ、四つしか見つかりませんでしたがそのまま転載します。一つ目の記事の後半にある、 キプロスの「預金封鎖」が延長され、銀行の営業再開が3月26日と言われていたのが28日になりました。
ちょうどその前日までのタイミングで、BRICS独自の、1000億ドル(約9.5兆円)規模の「外貨準備基金」と、「BRICS全体で4.5兆ドル(427兆円)規模あるインフラ・ニーズに対応するためのBRICS主導の (今の世界銀行に取って替わる?)新らしい国際銀行」を創設する」という話し合いをしています。
このあたりは、本当に、欧米の金融崩壊がいまにも起こるという事態を想定して、BIRCSだけの金融防衛網を急いで構築しているのだ、という感じが伝わってきます。
(転載貼り付け始め)
「BRICS諸国、1000億ドルの外貨準備基金設立で合意」
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013年3月28日
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324500504578387221313967876.html
【ダーバン(南アフリカ)】 BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)諸国は27日、将来の経済危機に備え、外貨準備を共同で積み立てる
1000億ドル規模の基金を設立する方針を明らかにした。独自のメカニズムを
新たに構築することで、世界的な金融機関の改革をさらに推進する狙いとみられる。
当地で首脳会議を開いたBRICS首脳は、共同外貨準備基金は、BRICS諸国
の国際収支が危機に陥った場合、国際通貨基金(IMF)などの既存の貸し手に
代わる選択肢となると説明した。
南アフリカのズマ大統領は記者団に対し、「(共同外貨準備基金は)国際金融の安全網を強化し、現行の防衛線としての国際取り決めを補完するうえでも役立つだろう」と述べた。
BRICSの財務相や中銀関係者らは、基金の開設時期について話し合いを続けているという。27日に閉幕した2日間の首脳会議では、為替取引の円滑化によって関係を強化することが主要議題の1つだった。
さらに、南アフリカ準備銀行(中央銀行)から、中国国債を15億ドル(同中銀の外貨準備の約3%に相当)購入する計画が明らかにされた。 ブラジルと中国は26日、ブラジルレアルと人民元を米ドルへの転換を 通さずに、今後3年間、最大300億ドルまで交換する協定に署名した。これにより、人民元の国際決済機能の向上を目指す中国の動きが加速する。
ブラジルのルセフ大統領は、「一般的に世界の経済ガバナンス(統治)がより民主的なものとなれるよう、先進国と同様、BRICS諸国の相対的な影響力についても明確に反映される必要がある」 と述べた。
中国の習近平(しゅうきんぺい)国家主席は、「あらゆる国の繁栄のため、われわれは開発銀行創設を積極的に推進する必要がある。1本の木では森にはならない。BRICS 各国も自国の発展だけを求めるのではなく、あらゆる国の発展に向けて取り組むべきだ」と述べた。
(転載貼り付け終わり)
(転載貼り付け始め)
●「BRICSが1000億ドルの基金設立へー資金拠出では合意できず」
ブルームバーグ 2013年3月28日
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MKBSPE6S972V01.html
ブラジルとロシア、インド、中国、南アフリカ(BRICS)の5大新興国は、通貨危機が発生した場合に備え1000億ドル(約9.5兆円)規模の基金設立を承認した。一方、開発銀行設立のための資金拠出では合意に至らなかった。
ロシアのシルアノフ財務相は27日、南アフリカのダーバンでブルームバーグのインタビューに応じ、基金への拠出金のうちかなりの部分を中国が提供する見通しだと述べた。同財務相によると、中国が410億ドルを拠出し、ブラジルとロシア、インドがいずれも180億ドル、さらに南アフリカが50億ドルを拠出する方向で交渉が進められている。
南アフリカのズマ大統領はダーバンで行われたBRICS首脳会議(サミット)後に、「自己管理型の緊急準備金を設けることで、建設的な予防効果が見込まれ、BRICS諸国が短期流動性のひっ迫を未然に防ぐ一助になるととともに、相互支援や金融の一段の安定化をもたらすだろう」と述べた。世界の人口の43%を抱え、4兆4000億ドルの外貨準備高を持つBRICS5カ国は、台頭する経済力に見合う発言力を求めている。
BRICS首脳らは開発銀行の設立は「実現可能かつ存続可能」との意見で一致したが、設立に向けた資金拠出での詳細を決定するには至らなかった。BRICSは開発銀行の実現性を1年にわたって検討している。
中国の習近平国家主席はサミット閉会にあたって、「広範にわたってコンセンサスが得られた」と述べ、BRICS銀行設立や通貨準備金 の合意は「協力の可能性を広げるだろう。BRICSの協力は世界の経済ガバナンスの安定化に寄与する」と述べた。
原題:BRICS Approve $100 Billion Currency Fund as Bank Start-UpStalls
(転載貼り付け終わり)
(転載貼り付け始め)
●「BRICS首脳会議、開発銀行の正式交渉開始で合意 具体的な成果乏しく」
ロイター 2013年 03月 28日
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK831822420130327
南アフリカのダーバンで26─27日開かれた新興5カ国(BRICS)首脳会議は、「BRICS開発銀行」の設立に向け、正式な交渉を開始することで合意した。会議は大部分が非公開で行われたが、具体的な成果に乏しかったとみられる。
開発銀行の設立構想は1年前の首脳会議で議論しており、各国の状況が異なることを踏まえても、実現に向けた歩みは遅いといえる。議長国・南アフリカのズマ大統領は「BRICS主導の新開発銀行を設立するため、正式交渉に入ることが決まった。われわれのインフラニーズは多大であり、今後5年間で4兆5000億ドル前後に達する」と表明した。
ズマ大統領によると、開発銀行は、将来的には他の新興国・途上国との協力も目指す方針。BRICS開発銀行は、国際通貨基金(IMF)や世銀を補う存在になり得るともされているが、具体的な内容はほとんど明らかになっていない。
(転載貼り付け終わり)
(転載貼り付け始め)
「BRICS諸国の外貨準備庫 は真に迫っている」
新華社(しんかしゃ)北京 2013年3月28日
http://jp.xinhuanet.com/2013-03/28/c_132267966.htm
注目を受けていた第5回ブリックス(BRICS)サミットが南アフリカで開幕した。
外貨準備庫 の設立は、今回のサミットの重要な議題であり、実質的な進展を取得する望みが持てるとのことだ。アナリストは、BRICS外貨準備庫の設立は、その意図はBRICS諸国自身の金融セーフティネットを織り出し、共同で資本運営のリスクと金融分野での動揺に対応することにあるとみなしている。
中国商務部研究院の梅新育(ばいしんいく)研究員は、BRICS外貨準備庫の設立は、中国以外のBRICS諸国の通貨安定の助けになる見込みだと考えている。
「新興市場経済のリスクが急速に蓄積して、1994年の メキシコ危機、1997年の東アジア危機、1998年のロシア危機 に類した通貨金融危機が発生するリスクが上昇した点を考えて、この立案中の機構が設立されまた正常な運営が可能なら、その際にはリスクを防ぎ止めることに対しては有利です。」
(新華網日本語)
(転載貼り付け終わり)
最後にもうひとつ、キプロスの銀行営業再開の様子と、キプロスの銀行から海外への資金逃避を取り締まろうとするキプロス政府との攻防が書かれた記事を転載します。
(転載貼り付け始め)
「キプロス、銀行再開準備に大わらわ―資金流出規制など」
By MATINA STEVIS
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013年3月28日
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324500504578387190287405554.html
【ニコシア】 キプロス政府は、28日にほぼ2週間ぶりに同国銀行の営業を再開させるため大わらわで準備を進めている。政府は、取り付けが起きキプロスから資金が逃避するのを回避するため、一時的に厳しい資本規制を導入する。資本規制は少なくとも1週間、おそらくそれ以上続く見通しだ。中央銀行は銀行再開に備えユーロを積み上げている。
同国政府が100億ユーロ(約1兆2100億円)に上る国際金融支援の見返りに、銀行預金への全面課税を決めた16日以降、同国の銀行は休業を続けてきた。 当初の課税案が議会で否決され、今週初めに合意した新たな見返り策は、多くの預金者にはより大きな打撃となった。
政府の推定によると、預金保険 対象外の大口預金は、同国最大手のキプロス
銀行の場合は最大40%、 第2位のキプロス・ポピュラー銀行では最大で 5分の4(8割)が 削減される見通し。
一方キプロス政府当局者によると、資本規制に関する政令は同国銀行のすべての預金者に適用され、オンラインショッピングによる送金などキプロスから外国への電子決済は停止される。また、国外への現金持ち出しについても1人当たり1回の渡航で外国通貨を含め3000ユーロ(36万円)相当 の上限が課せられる。カード決済は1カ月5000ユーロ(60万円)が上限となる。
これらの措置は28日からまず1週間実施されるが、期間は預金流出状況をみながら毎週見直される。政府当局者は延長は必至とみている。 サリス財務相は26日記者団に対し、資本規制は一時的なものだとしながらも、どの程度継続されるかについては具体的に示さなかった。
ある欧州連合(EU)当局者は、資本規制は何らかに形で「数カ月間」実施されると予想している。一方、キプロス議会の委員会のシロウリス副委員長は、キプロス中央銀行に書簡を送り、金融支援の交渉が始まる前に同国から大量に資金を流出させた銀行預金口座保有者に対する調査を行うよう要請したことを明らかにした。
同副委員長によれば、海外への資金移動は違法ではないが、一部の預金者は金融支援交渉で預金の削減が実施されるとの警告を受けていた可能性がある。
ユーロ圏の高官によると、キプロス中央銀行は、当初の国際金融支援策を受け入れる方向になった15日から、特に認められたものを除き、海外への資金移動の全面禁止を開始した。例外は、医薬品など人道目的のものや、金融破綻を回避するための決済など。
ある政府当局者によれば、キプロスからの資金流出は1月から増加し始め、先週には急増した。銀行が休業していたにもかかわらず、数億ユーロが国外に流出したという。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。 人口100万人の小国キプロスの金融崩壊は、UEのヨーロッパ各国にすでに広がりを見せている。スペインでもイタリアでもフランスでも金持ち(富裕層)は、どんどん銀行預金をおろしている。いや、もう下(おろ)せなくなっている。銀行預金の引き出し規制が始まっている。それは、アメリカでも、そして日本でもすでに始まっているのである。 これは世界の金融統制体制へ突入である。
預金封鎖(よきんふうさ)である。「預金封鎖」とは、銀行引き出し凍結と 新札切り替えである。 金持ち(富裕層)は、一億円、2億円の預金を下ろせなくなる。なぜなら、銀行の窓口で、「何に使うのですか。使途を教えてください。預金者の本人確認をします。送金相手の確認もします」と、日本の銀行でも厳しい預金・送金統制がじわじわと始まっていた。
それが奇しくも4月1日、年度替わりの日にはっきりと開始される。日本でも、現在でさえ、ATMで下せるのはサラリーマンならひとり一日一回10万円である。これがやがて一日5万円となるだろう。キプロスが300ユーロ(3万6千円)なのだから。
そして、10万ユーロ(1200万円)のペイオフ(政府のよる預金保証)も怪しくなっている。なぜなら個々の民間銀行の破たんで預金の返還補償を政府がする、というのがペイオフだが、政府と中央銀行自身が破たんすると、国民全員(預金者全部)に払うということは出来なくなくなる。だからペイオフも無くなる。
(転載貼り付け始め)
「 キプロス、銀行が再開…13日ぶり、引き出せる現金制限 」
毎日新聞 2013年3月28日(木)
銀行の外で入店を待つ人々=キプロス・ニコシアで2013年3月28日、AP
【モスクワ大前仁】 財政危機に陥り、欧州連合(EU)などからの金融支援が決まったキプロスで28日正午(日本時間同日午後7時)、休業していた国内の全銀行が13日ぶりに営業を再開した。現地からの報道によると、長い行列を作った預金者は開店後に次々と入店し、預金を引き出した。
キプロス政府・中央銀行は取り付け騒ぎを警戒し、口座から引き出せる現金を1日最大300ユーロ(約3万6000円)に制限。また、預金の一部が削られる10万ユーロ以上の口座については、預金の強制削減の手続きが終わるまで、引き出しを禁じている。営業再開直後は目立った混乱が起きていない模様だ。
キプロス政府はEUから支援を取り付ける狙いで、今月16日に全ての預金に課税する方針を決めたが、国民の反対を背景に議会で否決された。そのためキプロスとEUは25日、大手2行を整理・再編し、両行の高額預金の一部を削減し、破綻処理などの費用に充てる修正案で合意。EUは4月中に支援を正式決定し、100億ユーロを融資する方針。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
【1096】[1239]プーチン・ロシアとイギリスの関係
プーチン・ロシアとイギリスの関係
副題:『元クレムリンのゴッド・ファーザー』ベレゾフスキーの死をめぐって
田中進二郎
「キプロス預金封鎖とロシア」というタイトルで重たい掲示板(1233)に投稿しました。
元KGBによってボリス・ベレゾフスキー氏は暗殺されたのだろう、と書きました。
が、公式の見解では、「ロシア人富豪(オルガーリヒ)ベレゾフスキー氏は首吊りで死亡」=英警察(ロイター通信など)となっています。
さらにあの佐藤優(さとう まさる)氏が、『ベレゾフスキー氏は自殺だろう』という見解を出されました。(「佐藤優の眼光紙背」3/28付)
「えっ、そうなん?」と思いましたが、なにしろあの佐藤優氏が言ってるんだから謙虚に耳を傾ける必要があります。
以下「佐藤優の眼光紙背」(ブログより、文の冒頭から引用します。)
(引用開始)
3月23日、英国ロンドン郊外(アスコット)の自宅で、亡命ロシア人の政商ボリス・ベレゾフスキー氏(67歳)の遺体が見つかった。
英メディアによると、ベレゾフスキー氏のボディーガードが浴室で遺体を見つけた。同氏は、英国で2006年、放射性物質「ポロニウム210」を盛られて亡くなったロシアの元情報将校、アレクサンドル・リトビネンコ氏の後見人。英警察が調べたところ、ベレゾフスキー氏の自宅からは、放射性物質などは検出されなかった。 ベレゾフスキー氏は昨年、親プーチン政権の富豪アブラモビッチ氏との法廷闘争に敗れ、巨額の債務を抱えた。また、ここ数年、複数の過去の経済事件を巡ってロシア検察当局などから捜査を受け、横領罪などで本人不在のまま実刑や財産没収の判決が言い渡されていたと伝えられている。 同氏の弁護士はロシアメディアに、借金を巡って絶望した末に自殺したとの見方を示した。一方で、同氏の友人は自殺説を強く否定している。ロシア国営テレビは、プーチン大統領のペスコフ報道官の話として、ベレゾフスキー氏が2カ月ほど前、プーチン氏に許しを請い、ロシアへの帰国許可を求める書簡を送ってきていたことを明かした。(3月24日『朝日新聞デジタル』)
英警察は、3月25日、<首をつって死亡したとの検死結果を発表した。他人と争った形跡はなかった。今後も毒物などの検査は続けるという。>(3月27日朝日新聞デジタル)。英露関係は良くない。特に英国のインテリジェンス機関には、KGB(ソ連国家保安委員会)出身のプーチン露大統領に対する忌避反応が強い。それだから、英国は、ベレゾフスキー氏の死因について、自殺の可能性が強いとしつつも、暗殺の含みを残して、プーチン政権に対する不信感を国際的に煽るであろう。
(引用中断。先を読みたい方は↓をどうぞ)
田中進二郎です。対ロシアのインテリジェンスである佐藤優氏のコメントとしては意外だと、拍子抜けされる方も多いのではないだろうか。
けれども、「待てよ」とここで立ち止まってみる。ソ連邦崩壊後のロシアをもっともよく知る日本人の一人であろう佐藤氏が、この事件について真実をそのまま伝えることが可能なのであろうか、と。
私は不可能であろう、と考える。彼がベレゾフスキー(とプーチンあるいはイギリスの諜報部の関係)について事実を全部語ったとしたら、それは危険なことにちがいない。
ここで佐藤氏の読者は一面的な理解、すなわち『佐藤優は自殺説だそうだ、くだらねえ』
と思う大多数の「興味本位」の人間と、批判的にものを読むことができる読者の二派に分かれる。
ロシアには、政治権力を理解し、それを伝達するために知識人たちが「二枚舌」
を用いるという伝統がある。それは私が思うにはドストエフスキーのころからあるのだろう。いやもう少し前かな。
政治に直接かかわっている佐藤氏の見解は時には裏読みする必要がある。
(以下『佐藤優の眼光紙背』より引用続き)
筆者(佐藤氏)は、ベレゾフスキー氏と1996年に一度だけ会ったことがある。当時、ロシアではオリガルヒヤ(寡占資本家)と呼ばれる8人の政商が絶大な権力を握っていた。クレムリンの深い情報をとるためには、寡占資本家との人脈が不可欠だった。筆者は、チェチェン情勢が北方領土交渉にも大きな影響を与えると考え、安全保障会議副書記として、この問題に深く関与しているベレゾフスキー氏の考えを知りたいと思った。あるときベレゾフスキー氏に親しい改革派の政治家に連れられ、筆者はモスクワのパブレツキー駅のすぐそばにある同氏の宮殿を訪れた。外見は黄土色の古い建物だが、内側はクレムリンの大統領執務室のような造りになっていた。ベレゾフスキーは当時、泥沼化したチェチェン問題をマフィアや中東の人脈を用いながらチェチェン独立派の主張を最大限に尊重し、折り合いをつけて軟着陸させるというシナリオを筆者に話した。
その後の事態の推移はこのときベレゾフスキー氏が語った通りになった。 このときできたチェチェン絡みの人脈が、後にベレゾフスキーがロシアから追われる理由になった。プーチン氏は寡占資本家の支援を得て大統領になった。プーチン大統領の対チェチェン政策は、モスクワの統制に服さないチェチェン人を徹底的に殲滅するという方針だった。チェチェン独立派と折り合いをつけるというベレゾフスキー路線は、プーチン政権によって全否定された。
(引用中断)
田中進二郎です。
↑にあるオルガルヒヤと呼ばれる8人の政商とは
ボリス・ベレゾフスキー(1946~2013 ユダヤ系)
ミハイル・ホドルコフスキー(1963~ ユダヤ系)
ウラジーミル・グシンスキー(1952~ ユダヤ系)
ミハイル・フリードマン(1964~ ユダヤ系)
ピョートル・アヴェン(ユダヤ系)
ウラジーミル・ポターニン(1961~ 非ユダヤ人)
アレキサンドル・スモレンスキー(1954~ ユダヤ系)
8人目あたりは不明だが、ロマン・アブラモヴィッチであろうか?
上記8人または7人によって、ロシアの富の半分をしめるといわれた。またポターニン以外はユダヤ系ロシア人である。プーチンが大統領に就いた2000年当時彼らのほとんどが30代から40代であることにも驚かされる。
(『新興大国 権力者図鑑』副島隆彦 責任編集 中田安彦著 第2章 ロシアとオルガリヒ P35~ と『プーチン 最後の聖戦』 北野幸伯(きたの よしのり)著を参考にしました。)
(以下佐藤優の「眼光紙背」より引用続き)
さらに大統領に就任後、半年くらい経ったところでプーチン氏は政治に介入する寡占資本家に対しては徹底的に弾圧を加えた。プーチン大統領は、ベレゾフスキー氏の盟友だったアブラモビッチ氏を取り込み、ベレゾフスキー氏を破産に追い込んだ。 チェチェン問題を扱ったロシアの国策映画『認識番号』(2004年12月公開、邦題は『大統領のカウントダウン』で2006年3月に公開された)に、チェチェン独立派、アラブのテロ組織を背後で操って、モスクワで人質事件を起こし、ロシアの政権に打撃を与えようとするロンドン在住のポクロフスキーという寡占資本家が出てくるが、明らかにベレゾフスキー氏をモデルにしている。この映画のスポンサーは、アブラモビッチ氏がつとめた。より正確に言えば、反ベレゾフスキー映画のスポンサーになり、旗幟を鮮明にしなくては、アブラモビッチ氏も弾圧される可能性があったということであろう。
ベレゾフスキー氏が暗殺された可能性を完全に否定することはできない。しかし、カウンターインテリジェンス能力の高い英国で、ロシアの公権力が暗殺に関与するのはリスクが高すぎる。
さらに、武器商人やチェチェンやロシアのマフィアと錯綜した利害関係を持っていたので、その関係者による暗殺の可能性もある(筆者は2006年、英国で猛毒の放射性物質「ポロニウム210」を盛られて殺害されたリトビネンコ氏は、この種の抗争に巻き込まれたと見ている。また、ロシアのFSB[連邦保安庁]やGRU[軍諜報総局]の下級職員には、武器商人に取り込まれている者がいる)。
ベレゾフスキー氏はドストエフスキーの小説の登場人物のような自己破壊衝動を持っていた。過去にもスノーモービルの暴走で瀕死の重傷を負ったことがあり、一時期は女子学生との恋愛に情熱を注ぎ、仕事を放り出したこともある。盟友であるアブラモビッチ氏に裏切られ、財産を失うのみならず、巨額の借財を抱えることになったベレゾフスキー氏が自己破壊衝動によって自殺すること自体に筆者は意外性を感じない。(2013年3月27日脱稿)
(引用終わり)
田中進二郎です。
佐藤優氏は「ロシアの公権力が、英国で暗殺に関与するにはリスクが高すぎる」と指摘している。だがFSB(ソ連時代のKGBの後身)が直接手を下さなくても、英国の諜報部(MI6)が実行した可能性はある、と私は思う。
ところでイギリスとロシアのつながりの深さは、実は副島先生と佐藤優氏の対談本『暴走する国家、恐慌化する世界』でも語られているのである。この関係はロシア革命の時から続いている、という点でお二人の意見が一致しています。
「LTCM事件の裏で動いたソロスとロスチャイルド」(p89~94を見てください)
ここを読むと、プーチン大統領の誕生の裏に、ベレゾフスキーのほかに、ロスチャイルドとロックフェラーの二股(ふたまた)をかけたソロスがいたという可能性を考えることができます。
多くの人はプーチン=反ロスチャイルドと思っているでしょう。前回から何度も引用した『プーチン 最後の聖戦』の北野氏もそうです。しかしイギリスの裏はそうじゃないんだ。
そういうことをお二人は語っていると私は考えます。
『ジョージ・ソロスの資本主義改革論:オープンソサイエティを求めて』や
『リトビネンコ暗殺』などが、ソロス財団によって作られたロックフェラーよりの物語であり、プーチン像、である。ソロスは、当時無名に近かったプーチンがいきなり首相に躍りでてきたのは、不可解以外のなにものでもない。と語っている。プーチンを引き上げたのはベレゾフスキーがバックについていたから、とだけ書かれている。
しかし裏ではソロスとプーチン(モスクワ)とロスチャイルド(ロンドン)がつながっているのだろう。
だから、今回のキプロス預金封鎖もプーチン・ロシアで存続が許されている新興財閥オルガリヒたちの資産が狙われたのは、ロックフェラーによる攻撃と見ることも可能になる。ナット(ナサニエル・フィリップ・ロスチャイルド:ロンドン家)の人脈(ロマン・アブラモヴィッチと、オレグ・デリパスカ)への奇襲攻撃とみなすことができよう。
ところで、ベレゾフスキーはすでに、イギリス政府にとっても、うっとうしい存在になってきていた。亡命先のロンドンで漁色の限りを尽くしてきたベレゾフスキーが故国ロシアに帰らしてくれという、嘆願の手紙を書いていた。その内容はイギリス政府はイラク、リビアでいかなる陰謀と悪業を実行したかをすべて、プーチンに教えるからどうか赦してくれというものであったらしい。プーチンはおそらくこの手紙を諜報機関を通して、イギリス政府に流したと想像される。元KGBの連中にとっては、キプロス預金封鎖の報復予告になる。イギリスの諜報部と共謀がなされたであろう。こうしてベレゾフスキーは殺害された、と私はみる。
(副島先生の「新興大国 権力者図鑑」と「暴走する国家 恐慌化する世界」と「ロスチャイルド 200年の栄光と挫折」を読んで、こういう一本の線が現れてきました。)
田中進二郎拝
【1095】[1238]世界像という問題提起
大城義和です。世界像という問題提起。それは、イメージによる、私=i=像という関連性のアルゴリズムのようなもの。例えば、世界というものが、病であるという、感覚や感性で、認識する、あるいは、視るという、行為、または、現象について。結局、自分=私、サブジェクトである人間というものは、脳=頭脳=コンピューターを、メタファーとするなら、つまりは、CPUによる、世界像の共同幻想を、主観や願望により、解釈してゆくという仮定があるとする。私=i=像というものが、存在するならば、ですから、頭脳という、機能が意志決定の最適化を、感覚と感性により、イメージ処理してゆく、それは、つまりは、世界像であるし、サブジェクトである私主体であり、オブジェクト=客体との、関連性のアルゴリズムが、動学的な流れの、マシン的な、テクノロジー的俯瞰である、ということは、像、そして、世界像という問題提起が、存在するという事。私という、個は、パーソナルは、バーチャル=仮想の私としても、思考する事が出来る為、実は、人間が生きてゆく、瞬間は、全て頭脳の計算により、世界=客体を、主体=パーソナル=個に置換してゆく、作業を意味する。ここで、イメージを、解析してみたい。世界はダイナミックに動いてゆくし、スタティックに動いてもいる、けれども、これら世界像は、頭脳の計算処理であるのであるから、そして、頭脳というのは、感覚と感性に、変換思考すべきで、とらえるべきであり、例えば、BRICSであるとか、世界覇権が、アメリカから中国に移行してゆくとかも、人間の頭脳が、脳というハードウェア、ソフトウェアにより、像=イメージのパーソナル・コンピューター=PC的な、アーキテクチャ・ネットワークの、構築や解体や最構築や最構成を、意志決定の最適化により、世界像が設計されてゆくパースペクティブな表象=形態=走行と、リンクするものである。コンピューターというものは、好き嫌いでは計算処理しない、人間の意志決定の最適化も、機械的正確性を持って、答えを算出してゆく、それは、人間の頭脳というものを、推し進めて思考する際の感覚や感性に、近似する。像は、有限であるかもしれないし、無限であるかもしれない、しかし、感覚や感性による、世界像の認識・解釈は、主観や願望ではなく、ストラクチャ的な、意思決定の最適化とも言える。だから、世界帝国・中国の誕生という認識は、私=i=像の、パーソナルによる、構造解析と、一致してゆく、故に、感覚や感性は、コンピューターやテクノロジーと同様に、主観や願望ではなく、構造=ストラクチャと関連性を持ってゆくものだ。しかし、人間は生物であるから、気持ちや気分、精神を、持っているため、常に意志決定の最適化は、正確性を持つとは、限らない、つまり、意志決定の最適化は、アルゴリズム=有限の中で、実行される。我々、人類、人間は、いかなる場合でも、危機感を持って、冷静に冷酷に、構造を俯瞰すべきである。
大城義和拝
【1094】[1237]BRICsの”B”のブラジルもいよいよ動き出した、という感じです。
BRICsの”B”のブラジルもいよいよ動き出した、という感じです。
[ダーバン(南アフリカ) 26日 ロイター]
ブラジルと中国は26日、相互に自国通貨10 件を融通し合う通貨スワップ協定を締結した。期間3年の同協定の下、年間最大300億ドル相当の自国通貨を融通し合う。
ポルトガル語のニュースを読むと、2008年のリーマンショック後に米国と同じく同額のスワップ協定を結んでいるそうです。
ただ、(米国との協定は危機回避の目的なので、今回の商業目的の中国との協定とは中身が)違う、と言っています。
Acordo entre Brasil e China foca transações comerciais, Estado de Minasより抜粋
Esta linha é diferente da firmada pelo Brasil com os Estados Unidos em 2008, que também envolvia um swap de US$ 30 bilhões, anunciada pelo BC brasileiro em 29 de outubro daquele ano. Na ocasião, o mundo mergulhava na pior crise internacional desde a Grande Depressão dos anos 1930. Os recursos daquele contrato firmado com o Federal Reserve (Fed) tinha como objetivo prover liquidez ao País, caso fosse necessário, para se proteger das turbulências nos mercados internacionais.
(http://www.em.com.br/app/noticia/economia/2013/03/26/internas_economia,363046/acordo-entre-brasil-e-china-foca-transacoes-comerciais.shtml)
日経でも、
中国、ブラジルと通貨交換協定
2013/3/26 22:50
【北京=大越匡洋】中国人民銀行(中央銀行)は26日、ブラジル中央銀行との間で自国通貨を相互に融通し合う通貨交換(スワップ)協定を結んだと発表した。期間は3年間で上限は1900億元(約2兆8500億円)。中央銀行を通じて人民元を調達する仕組みを整え、ブラジルの企業が中国企業との取引で元建て決済に応じやすくする狙いがある。
と、ブラジルの新聞と同じことを報道しています。
やはり、もうドルもユーロも信頼できない、ということでしょう。
確か、ブラジル人のスーパーモデルが最初に「ドルでギャラはもらいたくない」と2007年頃(後で否定した様ですが)言い出しました。
ブラジルの南部は白人ばかりのアルゼンチンに近いのですが、金髪系が多いのでちょっと黒髪が多いアルゼンチンとは違い、北ヨーロッパの雰囲気もあります。
そんな地域の出身である同モデルは見かけは金髪碧眼でも中身は純粋のブラジル人、為替レートに敏感なのは中層以上のブラジル人として何十年も前から常識です。
ブラジルの中国とのスワップ協定も根っこはこのスーパーモデルと同じ考え方ですね。
名乗るのが遅くなりましたが、会員番号1113番の鈴木勝彦です。
副島先生、学問道場の皆様、いつも本当にお世話になっております。
私は、90年までのバブルが終わる直前に就職し、それ以降転職3回うち一回はあの有名になった六本木の防衛商社で全社員解雇にあったり、これまでそれなりの山あり谷ありでした。
同社では東京地検の取り調べ(?と、いう程ではなかったですが。)も何回か受けましたし、アーミテージと会社の人が肩を組んでいる写真を見せてもらったり、中々面白い経験も積ませてもらいました。
その前にいたゼネコンはホテル買収で高杉良の小説にもなりました。(なんか、谷ばっかりみたいですが、、、)
まあ、何とかここまで20年弱社会人生活を送ってきましたが、もう他人の指示に従って仕事をするのは十分かなという感じで居ります。
私の最初の結婚が学生時代に南米で知り合ったポルトガル人で、今の家内がブラジル人です。
と云う訳で、かれこれ20年強人生の半分位ずっとポルトガル語に接してきているので、ブラジルに次のチャンスを見つけてみようとも考えています。
ブラジルというのは、昔からアメリカにいじめられてきたので、グローバリズムをその言葉ができる前から身に染みて判っています。
彼らは、私たちがイメージする様な楽天的な社交家がすごく多いです。
そんな中で、周囲のちょっと曖昧で能天気な気質に流されない(?)人たちも結構居て、そんな人たちは逆に日本人にもあり得ないくらい几帳面で真面目、意志が強い上に皆、体力があります。
今のブラジルの動きを見ていると、改めてそういう人たちが中心となって国を支えているんだなと感じます。
たとえば、マンテガ財務相の通貨戦争発言など、筋金入りの発言は、もう、国家として自立しており、うらやましいです。
(今回の南アのBRICS会議でも色々活躍されているようです「マンテガ財務相」ですぐヒットします)
この国の動きを見ていると、国のトップが自分たちの国家を世界の中でどういう方向にもっていこうかとそれなりに考えているのが判り、来るべき時代を感じさせます。
一般的な日本人の固定観念で「ブラジルはねえ、、、」という軽い軽蔑も彼らは痒くもありません、きっと。
実際外貨準備高も2011年時点で世界6位、台湾の次です(中国、日本、サウジ、ロシア、台湾の順で)。
もう、あの国はやりたい事をやりたいように自分で始めている、という感じです。うらやましい。
国家として、日本の国は、何を私たち国民にしてくれているのか?
日々の日本の頓珍漢なニュースを見ているとブラジルはもう見上げる国なのではないか?とも思ってしまいます。
とはいえ、実際、ブラジルの貧富の差、教育の差は本当にひどいので困ったものです。
ただ、それも裏返すとどん底まで行っている人たちのあけっぴろげな三つの本能(睡眠/休息、食欲、性欲)に正直な社会や、喜怒哀楽がストレートに表現される理由だとも思います。
とにかく、食べて、寝て、楽しんで、誰に迷惑をかけているの???、といった生まれながらの開き直りが、ある意味、ホントに気持ちの良いところです。
(ただ、身近にブラジル人が居る経験からして、普通の日本人からすると自分勝手なところに辟易してしまうことも多々ありますが、、、「もう、ブラジル人は!!!」って感じです。)
インフラ、医療、官僚主義、とマイナス面はまだまだ沢山あります。
それでも日本で定年延長してもらって年金をもらえるまで指折り数えるのはもう我慢出来なくなってきています。
それなら年金をもらえる前に事故や犯罪(これも多いんです!)でブラジルの土になってしまったとしても、それはそれで良いのかなとも思っています。
さて、副島先生には「ぼやき」の最初の最初から本当にお世話になっています。
もしかすると、リバータリアンの考え方に繋がるのかもしれませんが、もう、自分でやってゆくのが一番だと日々確信しつつあります。
中国とイスラエルの喧嘩について話された講演、また、モノラインの重役が自殺したとちょろっと講演で話された件など、強烈に心に残っています。
そういえば、一回だけ立川の会の部屋で車座で自己紹介などをした会で、一回だけ先生に握手をして頂きました。
先生の書かれる内容は激しいかもしれませんが、何事にも真摯な印象を持っていましたので、分厚い手でちょっとびっくりしました。忘れられません。
あれ、これは副島教ってやつでしょうか?
そう言われても痒くもありませんが、、、
最後に、以前友人から聞いた小話があります。
Tシャツに短パン草履姿で無精ひげのブラジル人がリオのビーチのカフェで午前中からビールを飲んでいました。
それを見た通りがかりの日本人が言いました、「なんでこんな朝っぱらからダラダラしているんだ?」「働かなくちゃダメじゃないか?」
急に話しかけられ疎ましげに見上げるブラジル人を気に留めず日本人は続けます。
「日本人はなあ、小学校から朝8時から3時まで勉強して(ブラジルの小学校は午前午後の二部制)、夜遅くまで受験勉強をして、それで有名大学に入るんだ」
「ふうんん、それで?」とブラジル人、
日本人は「有名大学に入ったらな、有名な会社に入れるんだ、給料も良いんだぞ。」と。
ブラジル人は少し興味を惹かれ「それは良いね、で、そのお金で何をするの?」
日本人は「毎日夜遅くまで一生懸命働いてな、お金が溜まったらな、大きな家を買ってな、それで海外旅行してな、ビーチでビールを飲みながらゆっくり日々を過ごすのさ!」と自慢げに。
ブラジル人はちょっと考え、「ああ、それじゃあ、いま俺がしている事と同じじゃん?」
この小話のブラジル人はビーチで午前中からビールを飲んで居る位なので、どう考えても下層ブラジル人です。
当然彼の日々の生活はちょっとみじめなものもあるはずです。
でもこの小話には考えさせられますね。
以上、長くなってしまいましたが、引き続きよろしくお願いいたします。
鈴木勝彦
【1093】[1236]中国、商品先物を拡充 価格変動リスク避けやすく
(貼り付け始め)
中国、商品先物を拡充 価格変動リスク避けやすく
2013/3/26 1:46
【大連=進藤英樹】中国の3つの商品先物取引所が上場品目を増やしている。大連では22日に鋼材生産に使う原料炭先物の取引を開始。上海では道路の舗装が主な用途の石油ピッチの上場を準備している。中国企業の間では価格変動リスクを回避しやすくするための先物市場の整備を求める声が強まっていた。中国は石炭やコメなど数多くの商品で消費量が世界最大。国際価格の形成にも影響を与えそうだ。
原料炭先物の上場は世界で初めて。原料炭はコークスに加工した後、鉄鉱石とともに高炉に投入して鋼材の材料である銑鉄にする。大連商品取引所(遼寧省)は2011年4月に世界で初めてコークス先物を上場した。原料炭とコークスをともに扱うことで、石炭・鉄鋼関連企業による先物取引の拡大を促す。
上場初日は、取引の中心である9月物が取引開始直後から値を下げた。終値は1トンあたり1267元(約1万9000円)で、基準値の1340元に比べ5.4%下落。「先行きの需要が鈍るとの見方が広がった」(中国の魯証先物のトウ莉アナリスト)。大連商取は鶏卵、木材、鉄鉱石の上場も申請している。
鄭州商品取引所(河南省)は昨年12月にガラス、菜種油、菜種油ミールの3品目を上場。今年はコメの品目拡大が見込まれている。すでに上場済みの長粒米の早生(わせ)に加え長粒米の晩生(おくて)と、短粒米の承認を待っている。昨年5月に銀先物を上場した上海先物取引所は、今年は石油ピッチの上場を目指している。
上場品目拡大の背景にあるのは08年の金融危機後に拡大した現物市場の価格変動だ。
例えば中国山西省の原料炭の1トンあたりの現物価格は11年から12年にかけて500元超下落したあと今年2月にかけて200元上昇した。「変動リスクを回避したい企業の要望が増えている」と陳偉・大連商品取引所工業品事業部総監は指摘する。
中国は、現物取引の規模を反映し、先物市場も世界有数の売買高を誇る。12年の世界の商品取引所の売買高ランキングで、大連商取は前年比2.8倍の5億2100万枚で1位となった。前年の7位から、中国勢として2年ぶりに首位に返り咲いた。主力の大豆関連を中心に取引が活発化したためだ。
(貼り付け終わり)
【1092】[1235]立食形式のパーティ「会員交流会 自由におしゃべり」5月18日(土)開催のお知らせ。
副島隆彦を囲む会・須藤です。
5月18日(土)に、「会員交流会 自由におしゃべり」を開催します。
参加者は会員限定・100名様までです。
この交流会は、「副島隆彦を囲む会」会員で希望者に集まっていただき、立食パーティのかたちでパーティ用の会場で、気軽に交流していただきたいと思い企画しました。
定例会(自力講演会)とは違った形式で、会員一人一人が思う存分お話しできる機会となります。どうぞ是非ご参加下さい。
副島隆彦先生も、もちろん最初から最後まで参加されます。
開催場所は東京・「渋谷」駅近くのパーティ会場で、簡単なイタリア料理と、ソフトドリンクの飲み放題があります。イスも充分ご用意しております。
参加費(特別会費)は
「一名様分:9,000円」
になります。
5時間以上の会場使用料金の他にお食事代も含めますと、お一人様あたり七千円ほどの原価がかかるため、上記の金額に設定しました。
会員限定ではございますが、会員の同伴があればご友人方も、ご参加いただけます。
・「会員交流会 自由におしゃべり」のご参加お申込みはコチラ↓
http://www.soejima.to/cgi-bin/kouen2/kouryu.html
【会場について/交通手段】
・東京・渋谷駅周辺
最寄駅 JR線・東横線・東京メトロ「渋谷」駅から徒歩10分
※会場の詳しいご案内は、お申込みをいただいた方だけに、別途お知らせします。
・「会員交流会 自由におしゃべり」
開催日 2013年5月18日(土曜日)
会場 東京・渋谷
最寄駅
●JR線・東横線・東京メトロ「渋谷」駅から徒歩10分
【当日の予定】
開場 13:30
開会 14:00
閉会 18:30
※お手荷物・貴重品等はお客様ご自身で管理をお願い致します。
お問い合わせ先:
「副島隆彦を囲む会」
〒190-0012 東京都立川市曙町1-24-11 橋本ビル5F
Tel.042-529-3573 Fax.042-529-3746
メールアドレス:snsi@mwb.biglobe.ne.jp
・「会員交流会 自由におしゃべり」のご参加お申込みはコチラ↓
http://www.soejima.to/cgi-bin/kouen2/kouryu.html
【1091】[1234]続・桜井君のメール
ドイツ在住の桜井君のメールを貼り付けます。
貼り付けー
森田君、
キプロス不安で、ユーロ圏は大きく動揺しています。こんなちっぽけな親指で潰せる蚤のような地中海の島国で、お金持ちの人を除くと、一般には今までは観光以外には興味がほとんどなかったのに、異常なまでにバルブ化した(資金洗浄と租税回避地として)金融部門を抱えた国が2004年にユーロ圏に加入したのは、一体どうしてなのか、当時の政治家(ドイツでは社民党の政権時代)にこんな事が分からなかったのかと不思議です。租税対策で、資金の逃げ場をスイスやルクセンブルクへ探すことは、以前は当たり前(?)の脱税手段でしたが、ロシアやウクライナの闇金がキプロス島へ逃亡していたことは、一般にはあまり知られていなかったのです。そんな国が2012年にはユーロ圏の議長国を勤めたのですから、開いた口がふさがりません。
それでも週末に合意したユーロ圏債権国との救済策は、そもそもの問題の根本原因である銀行部門の縮小、再建を骨組みとした内容で、小口銀行預金者の犠牲が回避できた(その代わりにロシア系大口資産家は、大損を強いられた)点では、満足のゆく解決案であったと評価されています。金融市場もその安心感で、懸念されていた大きな動揺は回避されたと思ったのに、ユーロ圏財務相会合の議長を務める(新米の)オランダ財務相ディセルブルムが ”公的資金(納税者の負担で)の投入やメンバー国の救済網の発動前に危機の原因である銀行経営者(資本家)とその投資家(株主、債権保有者、預金者)が、その責任を取らされたことは将来(名指しで、ルクセンブルクやアイルランドやスロバキア等金融市場国にとって)金融危機救済のお手本になろう”等と妄言した事で、金融市場(株取引所)に動揺を引き起こし、あっという間に欧州の株式市場が軒並み反落へ転じたのをみると、いかに投資機関が神経質であるかがよく分かるのです。
キプロス危機で分かった教訓(?)は、10万ユーロ以下の小規模預金者は責任負担の義務から免れたものの、最初のキプロス救済提案(キプロス議会で否決された案)では、ユーロ圏メンバー国財務相は、これら小口預金者の預金課税をも意図していたわけで、スペイン、ポルトガルやギリシャ等重債務国の銀行顧客は、いざとなれば資産の没収もありうると警戒心を高めるでしょう(世論調査では、政治家の言葉は信用できないという意見が激増、ドイツでも ”預金は大丈夫”と公言したメルケルさんの言葉等いざとなれば信用できないとの声も)。さらに今回の予防措置として取られる資本流通規制(ユーロ圏内での資本流通自由化に反した規制)は、そもそもユーロ導入の精神に反する事で、今までに前例はありません。(反ユーロ派には、将来ユーロには二種類あり、キプロスや将来の債務危機国で規制される、銀行窓口で自由に引き出したり、他の口座に振り込んだり出来ないユーロと北グループでの規制されない自由なユーロの二種類になると冗談を言う人もいます。)
また今回はっきりしたことは、ユーロ圏メンバー国内での(醜い)ドイツの覇権的な地位でした。過去においてもドイツの支配的な役割には慣れていましたが、今回のキプロス救済では、ショイウブル独財務相と IMF がほとんど二人だけで事を運び、他国の財務相はただ見物人の役を演じていたとも批判する声が聞こえます。つまり、ユーロ圏内での(南欧)重債務国と(北欧)債権国との溝が深まったことが露骨されたのです。
キプロスは100億ユーロの救済金で、国家債務の健全化(このお金は金融機関の救済には使ってはいけない)が可能となるわけですが、 これで国家の負う借金はGDP の140%となり、ユーロ圏ではギリシャについで二番目の重債務国となり、将来ビジネスモデルであった金融業務の撲滅で観光事業のみでの経済力となると、深刻な不況は不可避であり、はたして債務の償却が出来るのか不安です。こうなると、再度ユーロ圏の救済網の支援を必要とするのは、時間の問題でしょう。ユーロ圏財務相との合意には、今後資本税課税や法人税の増税が条件となっており、そのような事態では、ロシヤやウクライナや英国の富裕層にとって、キプロス島の魅力はなくなり、将来経済成長はどこに期待できるのかまったく不明です。(キプロス領域でのガス田や石油田事業への期待は、メディアで報道されている程のものではないらしい。)
今回のキプロス危機とその救済をめぐる茶番劇は、人と物の交流の自由を目的とした欧州統一貨幣ユーロは、いかに未熟なプロジェクトであり、欧州統合どころかユーロ圏内での差別の拡大が表面化し、統合とはまったく逆の方向(南と北の二分化)へ動いていることをはっきり示しています。悲しいユーロ(欧州)の将来といえます。
以上動揺するユーロの将来像。 桜井美之
【1090】[1233]キプロス預金封鎖とロシア
キプロス預金封鎖について(ロシアとの関連) 田中進二郎
重たい掲示板(1229)副島先生の『ついにユーロ加盟国キプロスで預金封鎖が始まった』という記事と、↓の森田裕之さんの『ヨーロッパ在住の友人(桜井氏)からの手紙』を読んで、ロシアとキプロスの関係について気になったことを書きます。
産経ニュース(3/23付)
sankei.jp.msn.com/economy/…/fnc13032321340006-n1.htm
キプロス、預金課税導入へ再調整。高額預金限定で
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預金課税にロシア反発
などなど、ロシア政府とキプロス政府の間の交渉はまだ進んでいない。
キプロスの銀行の預金総額が684億ユーロ(1ユーロは123円)のうち、3分の1強にあたる270億ユーロがロシア人の資産であるという。(Moody’sの調べ)
また課税徴収される総額のうち40パーセントをロシア人が支払うことになるという。ヨーロッパ中央銀行(ECB)がキプロス政府に要求している課税額は58億ユーロであるから、、ざっと概算でロシア人の損失額は22、23億ユーロ(2800億円以上)になるだろう。
さらに2011年償還期限4.5年のクレジット(借款)25億ドルをロシア政府がキプロス政府に提供している。これをキプロス政府は期限を5年先送りするよう求めている。
またキプロス国民の3分の2はロシア・マネーによる救済を望んでおり、ECB(ヨーロッパ中央銀行)やメルケル首相やキプロス政府を三つの敵だと抗議しているようです。
以下副島先生の重たい掲示板(1229)より引用します。
(引用開始)
キプロス政府は、主にロシアの ”オリガリヒ(新興財閥、経営者たち)”を狙い撃ちにして、彼らがロシアから持ち出してキプロスの銀行に、タックスヘイブン(租税回避地)の低課税国の誘因に引かれて預けてある資金への強制課税を目論んだ。ロシアの”アルミ王”のロマン・アブラモビッチ、とオレグ・デリパスカの資金の凍結が隠された目的である。これらの人物像は、私たちが書いて出版した『新興大国 権力者図鑑』(日本文芸社、2011年9月刊)に余(あま)すことなく出ています。勉強になりますから今からでも買って読んでください。
(引用終わり)
ロマン・アブラモヴィッチについてはサッカーチームのチェルシーのオーナーであることから「預金封鎖」の被害者として、報道も多くされている。サッカーファンならよく知っているだろう。上のところに「アルミ王」と先生が書かれているのは、オレグ・テリパスカ(ロシアのアルミ最大手、ルースキーアルミ会長)を指していると思われます。
(以下 北野幸伯(きたの よしのり)著『プーチン最後の聖戦』集英社インターナショナルを参考にします。P31~60)
ロマン・アブラモヴィッチはボリス・ベレゾフスキーの弟子とされる。(二人ともユダヤ系ロシア人である。)ベレゾフスキーは
シベリアの油田の開発会社「シブネフチ」(国有)を買収し、1997年に民営化した。1995年1月、国営放送局「ソ連中央テレビ1チャンネル」を基盤に、「ロシア公共テレビ(ORT オーエルテー)」が作られる。彼はORT株49パーセントを保有した。そしてエリチィン大統領の時代には、『クレムリンのゴッドファーザー』として君臨した。ベレゾフスキーがプリマコフ首相(KGBあがり、プーチンの先輩にあたる)に攻められ窮地に陥ったときに、プーチンは彼に接近したという。(1999年2月)その後、プリマコフはエリチィンによって解任され、プーチンが首相に就く。(同年8月)第二次チェチェン戦争によって、プーチン首相の支持率は上がり、ベレゾフスキーは「プーチンを支える」政党「統一」を立ち上げる。翌2000年三月の大統領選挙でプーチンは共産党のジュガーノフを破って当選した。
ところでなぜこんなことを書いているかという、種明かしをすると、ベレゾフスキーが亡命先のロシア郊外の自宅浴室で死亡しているのが発見されたのである。(きのう3月23日)
たったの一週間のうちに、ロマン・アブラモヴィッチは資産をキプロス政府に没収され、ベレゾフスキーは不可解な死を遂げる。おかしくないか?フレドリック・フォーサイスのスパイ小説のようなことが起こっている。
話を続けます。ベレゾフスキーらロシア新興財閥(オルガリヒ)はその後、プーチンに屈服させられていく。その中でも最大の注目を集めたのは、2003年のユコス事件だろう。
「ロシアの石油王」ホドルコフスキーが自社のユコス(石油最王手)を、ぺレゾフスキーとアブラモビッチの石油会社シブネフチと合併させて、アメリカの米国務省の仲介でアメリカの石油メジャーのシェブロンテキサコとエクソンモービルに売却してしまおうという計画が発覚したのである。
これに対して、KGBと司法権力率いるプーチン大統領は攻勢にでて、ホドルコフスキーを逮捕(2003年10月)するとともに、ユコスを買収して、国営石油大手のロスネフチと合併した。
またシブネフチは国営天然ガス最大手ガスプロムと合併させられる。(ガスプロムネフチと改称される。)イラク戦争の年にこういうことが起こっていた。
(『プーチン 最後の聖戦』p124~p138より)
ベレゾフスキーは保有していたORT株を1億7500万ドルでロマン・アブラノビッチに売却した。アブラノビッチはすでにプーチンの軍門に下っていたのだ。
おそらく彼は政治の世界に首を突っ込まないことを条件に、プーチンに許されたのだろう。そう考えると、彼がサッカーチームのチェルシーのオーナーとしてスタジアムで咆えているわけもわかる。
『クレムリンのゴッドファーザー』と呼ばれたベレゾフスキーはまず、プーチンに裏切られ、秘蔵っ子のアブラノビッチに裏切られ、最後に亡命先のロンドンでは20年下の美人の奥さんに離婚されて、風呂場で死んだ(暗殺でしょう)、という実に哀れな末路であった。
しかし、財産のほとんどを失っていたといわれるベレゾフスキーがこのタイミングで殺されなければならない理由はなにか、と考えてみる。
そしてこれはKGBの報復の予告ではないか、と私には思えるのだ。
そしてそのことに触れているのが、金のベテラン・ディーラーのジム・シンクレア氏(72歳)である。キプロス政府はKGBの資産まで没収するというへまをやってしまったようだ。
austrianeconomics.blog.fc2.com/blog-entry-25.html
(↑より引用開始)
ジム: これ(キプロスの預金封鎖)に関係している人たちはみんな怖がるべきです。記事は目覚ましの合図として役に立ったと思います。キプロスに関しては大きな計算ミスがあったんです。状況は素早く大惨事になっていっています。彼らはキプロスにお金を置いているロシアの会社の後ろにいる存在を本質的に見抜けていなかったんです。そしてロシアの元KGBのお金を没収するということがどんな事態に繋がるのか。
IMFで最前線に立ってこの惨事を生み出した人たちは、この”キプロス解決法”が彼らの目前でこのように爆発するとは、全く思っていなかった。
これはすぐにPRの悪夢となってしまったんです。なぜならそれは”税金”ではなく、”没収”ですから。銀行の債務をカバーするために、彼らはKGBのお金を盗んだんです。この時点まで銀行預金者たちはこのとても重大な西洋の、ということはイコール国際的な経済崩壊のシステムの一部でした。
今日まで、心理的には銀行にお金を入れておけばあまり心配しなくて済んだわけです。しかし、店頭市場のデリバティブの崩壊がこんなにもダメージをもたらしてしまった後では、今日まであった、経済的世界を一つに繋ぎ止めるのに必要不可欠とする方策が完全に変化することを意味します。
EK: この大失敗の余波と、チェスの駒の動きはどうなると思いますか?
ジム: ロシア人のお金を取り上げるのはとてもバカなことです。自分が相手にしている人たちの文化を理解しなくてはいけません。キプロスの政府のリーダー達は、プーチン自身を含む元ロシアKGB諜報員たちの報復から身を守るのに十分な能力はありません。
キプロス政府のリーダー達は、自分たちの命を守るため、急いでペダルを後ろに漕ごうとしています。もう一度言います。彼らは自分たちの命を守ろうとしてるんです。「報復は冷めてから出されるのが一番いい」と言いますよね?これは悪事が行われてすぐには報復はされないことを意味します。しかし時間を置いて報復はやって来ます。
ロシア経済のリーダー的存在たちからお金を取り上げるということは、元KGBメンバーからお金を取り上げるということです。元KGBからお金を取り上げるということは非常に危険なことです。キプロスのリーダー達は、世界一危険なお金を没収することをサポートしたということです。このリーダー達は自分たちの銀行預金の心配より、自分たちの命の心配をしているでしょう。
つけ加えると、これはIMFとECBの歴史の中で、一番大きな失敗だと思います。ロシアの会社とビジネスをすると、毎回キプロスの銀行とビジネスをします。お金は出て行く、入ってくる、しかし全てのお金がキプロスを通るんです。
(以下略 引用終わり)
田中進二郎です。ジム・シンクレア氏の3月21日の掲載文によると、フランス当局によるIMFのラガルド専務理事宅が家宅捜索されたのも、この動きと関係があるだろうと読んでいました。パンドラの箱を開けてしまったのではないでしょうか。
【1089】[1232]在ドイツの友人からのメール
私の同級生でドイツの田舎のRecklinghousenという所に住んでいる桜井君からのメールを貼り付けます、富士電機ーシーメンスー同時通訳の経歴があり、一人息子のHaiko(男の子)君は、漫画家で何冊か出版されています。
貼り付けー
森田君、
今年のお花見は、狂った天候(日本海側の寒気と太平洋側の暖気が日本上空でせりある気象条件で)のために2週間も早く開花しているとの事。10年以上も前に、妻と息子を連れてお花見に行きましたが、3月末から4月のはじめのことでした。
さて、ユーロ圏 GDP の0.2%という小人のキプロス島がクシャミをしてだけで、これほどの騒動の起きるユーロ圏とはまったく悲しい話です。ユーロ圏リーダ国のキプロス救済案を蹴っ飛ばしてロシアに救済を求めるプラン
B など傲慢なユーロ圏指導者の恥を世界に発信してしまいました。メルケル首相とショイブル財務相の率いるリスクマネージメントの甘さが表面化した醜態で、この秋に連邦選挙を控えたドイツでは、野党が選挙戦の好材料を発見した形です。他方、内心待ってましたばかりにチャンスを狙っているのは、ロシアのプーチンでしょう。中東(シリア)の内戦で、地中海に面したロシア海軍の拠点(Tartus)を失ったロシアにとって、財政救済の代償に、キプロスに新たな海軍基地を設置できることは、大きな魅力なのです。それに加えて、キプロス海域には、膨大なガス田(6000億ユーロ相当の規模)があることもロシア国営コンツェルンの
Gazprom にとっては、油田ガス田開発権の獲得は大きな魅力です。この膨大なガス田開発権は、現在 Noble Energy (米)、ENI
(伊)と Kogas (韓国)が保持してますが、ロシアもその開発に参加したいという経済的な意味もあるのです。金融市場的にもキプロスは、租税回避地や資金洗浄(マネーロンダリング)の意味でもバカに出来ない存在です。キプロス系銀行は、高利回りと杜撰な経営監査、さらに国際的にも低い法人税(10%)で、海外投資家や企業に大きな魅力を持ち、旧ソ連崩壊後今日までに370億ユーロ程度のロシア系資産(脱税目的での逃亡資金を加えると更なる額)がキプロス島の金融機関に蓄積されており、これらの資産からの収益はロシアへ逆流するという資金のターンテーブルの役割も演じ、ロシアへ投入される外国投資の四分の一はキプロスマネーとの説もあるくらい。倒産直前にあるキプロス系銀行への関心も高く、Popular
Bank (Laiki Bank)をロシア資本が買収する話もあり、プーチンが本気に乗り出せば、キプロス島の当面している財政問題など一気に解決してしまうのです。ロシアは2011年に25億ユーロ相当の借款(期限5年で、4.5%の利子)を提供してキプロスの経済危機を救済した前歴があり、今回のモスクワでの交渉では、この借款の期限延期と新規の借款も話の内容であったということです。ユーロ圏諸国は、ロシアとの交渉の結果を待つのみという柵の外からの見物人(傍観者)としての存在しかなく、それよりも
”預金には(国が)手を出さない”(銀行預金は、銀行破産時に10万ユーロまで保証されている)という鉄則がかくもやすやすと崩壊したことによる金融市場や一般投資家の信用が失われたことがもっと大きな問題で、政治家は口先で
”貯金は絶対に安全だ”という神話を守るのに懸命です。キプロス不安で、ユーロが崩壊するとは思われませんが、一度失われた投資家の信用をもとに戻せるか否かが当面のキーポイントでしょう。キプロスとロシアをめぐる成り行きを見守る以外に手はありません。このような国際金融市場での信用不安で、円高が進むとなると日本株相場や経済回復への影響もあるでしょう。
以上欧州からの近況。 桜井美之
【1088】[1231]「アジア人どうし戦わず」を蝕むもの(修正)
先の投稿、
F14の(GO CAT GO)ではなく、
F35(ライトニン ホプキンス) に修正申し上げます。