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Loginはこちら【1247】[1439]腰椎椎間板ヘルニアについて
会員番号6532の谷澤克洋と申します。初めて投稿させていただきます。
私は田舎の中規模病院で主に脊椎の手術を担当している医学部卒後21年の名もない46歳の整形外科医です。
今回の腰痛論議に対し、手術をする医者の立場から異論がありました。
副島先生にメールをさしあげましたところ、丁寧なご返事をいただき掲示板に載せるようとのこと
ですので、そのまま副島先生のご返事とわたしのメールを貼りつけます。
谷澤克洋 医師へ
副島隆彦から
私宛ての初めてのメールをありがとうございます。
谷澤医師が、現役の整形外科医としての 20年以上の経験の重みをを持って、
以下のことを、私に平易に、簡潔に書いてきてくださって、本当に有難うございます。
私は、この腰痛、頚痛問題での 、これから、新たに、学問道場を部隊にして
巻き起こるであろう、大きな国民的な議論を、大切に見守り、発展させてゆこうと思います。
どうぞ、谷澤医師は、以下でお書きのことを、このまま重たい掲示板に、ご自分でお載せください。
そして、議論の輪を専門医としての立場からも、作ってください。
私は、患者としての立場、医師としての立場の両方を平等に冷酷に見つめたいと思います。
この腰痛、頚痛問題においては、それ以外の傍観者や、タダの冷やかし人間は、ナシです。
認めません。なぜなら私たち自身が、腰痛持ち、頚痛持ちとしての国民そのものだからです。
私は、精神病や、ガンや、感染症(伝染病)などのもっと難しい分野(私は、このようにはっきりと
言います)の医学や病気の問題については、素人である医学者以外が、あれこれ行っても、
鎧袖一触(がいしゅういっしょく)にされるだろうと、分かっています。 しかし、腰痛、頚痛に
関しては、そういう複雑問題は無い、素人国民でも、必ず、患者としての自分として、医師たちと
対等に渡り合える、と 考えています。
ですから、患者、医師の両方が、この土俵(リンク)では、
対等です。そのように、私、副島隆彦が 行司(ぎょうじ、レフリー)となって、仕切ろうと思います。
私の知識人、総合人間学(そうごうにんげんがく)の専門家としての自信と、まわりが私に対して持つ
信頼、信用を基(もと、元、もと)にしてこのように 言います。
ただし、私が、今、自説として、昨日、公表しました文に、書き加えるとしましたら、それは、
例えば、下肢(かし)の 膝(ひざ)の 半月板(はんげつばん?)が、摩耗(まもう)し、すり減って起こる 痛み
に対しては、トリガーポイント・注射は、無力だろうと、考えます。このような、主に高年齢婦人に現れる
膝の痛み のような 下肢の 疼痛(とうつう)などの派生する議論を、うまく、整理しなければいけないと、
素人考えながら、今の段階で、考えています。
谷澤医師。 貴兄のその誠実で真剣な、20数年の整形外科医としての人生を懸けて、どうぞ、重たい掲示板に
このまま、ご自身の主張を公表なさってください。 それが私たちの望むところです。
今、私が書いていますこの文も、一緒に乗せてください。 もし、掲示板への 掲載の操作の仕方が分からない
ということでありましたら、私が、行います。 共に、大きな国民的な議論を巻き起こしましょう。
今後とも「副島隆彦の学問道場」をよろしくお願いします。
副島隆彦拝
—–Original Message—–
From: tanizawa
Sent: Wednesday, November 06, 2013 9:17 PM
To: GZE03120@nifty.ne.jp
Subject: 腰椎椎間板ヘルニアについて
副島先生、初めてメールさせていただきました。会員番号6532の谷澤克洋と申します。
学問道場では様々な知識を学ばせていただき大変ありがたく思っております。
私は田舎の中規模病院で主に脊椎の手術を担当している医学部卒後21年の名もない46
歳の整形外科医です。
今回は私の仕事である脊椎疾患治療に関する内容で少し異論がありましたのでメール
させていただきました。
臨床現場の意見として私の考えていることをかきました。参考になるようでしたら幸
いです。
脊柱管狭窄症まで含めてしまうと長くなるので、腰痛、主として腰椎椎間板ヘルニア
に限った内容にさせて下さい。
●腰椎椎間板ヘルニアについて(後の内容の理解のため)
腰椎椎間板ヘルニアは副島先生の理解で概ね正しいと思いますが、スポーツなどの高
エネルギーで椎間板が破断する場合と経年変化でそれ程大きな力がかからなくても破れて
中身(髄核)がはみ出す場合があります。またヘルニアが出た直後の急性の時期と
出たヘルニアがなかなか治らない慢性の時期があります。
腰椎椎間板ヘルニアの主な症状は椎間板破断による腰痛、ヘルニアが神経を圧迫する
ことによる神経支配部位の痛み並びに神経麻痺です。
腰椎では下肢を支配する神経が圧迫されますので下肢の痛みがでます(これは下肢の
筋肉の病気ではなく、腰の部分で神経が圧迫され支配領域に痛みを覚えるということです)。
脊椎の医者であれば患者さんの下肢の痛みを訴える部位から何番
目の椎間板に問題があるかMRIを見なくてもわかります。
例えば最も多い第4腰椎と第5腰椎での椎間板ヘルニアでは坐骨神経痛(臀部からふく
らはぎ外側後面)といわれる痛み、悪くする下腿~足に麻痺を生じます。
●まともな脊椎外科医の腰椎椎間板ヘルニアの診療
1) まず手術以外の治療を試みる
急性の腰椎椎間板ヘルニアでは脱出した髄核が生体反応で吸収縮小する可能性(早け
れば数週間で)があります。またヘルニアが出ていても炎症反応が
軽減し症状が無くなる場合があります。そのためまずは手術以外の治療(鎮痛)を
行って、簡単にいえば痛みをごまかしている間になんとか治まって
くれないかなというスタンスです。病院では投薬(痛み止め)、トリガーポイントブ
ロック、様々な神経ブロックを行っています。
副島先生のおっしゃるようにトリガーポイントブロックは大病院の立派な医者はしま
せん。私は痛み止めとしてある程度効果があると考え実行しています。
ただ効果は持続しません、もちろん根本的問題を解決することはできません。あくま
でごまかしているうちに…のスタンスです。
あと神経ブロックはそれ程危険ではありません。わたしはおそらく千回以上施行して
いると思いますが神経に問題を起こしたことはありません。
私見ですが腰痛だけであればトリガーポイントブロックでもよいと思いますが、下肢
神経の痛みには神経ブロックが効果的です。
2) 腰痛(腰部から臀部の痛み)だけでは手術はしない
腰痛には様々な原因がありますが、主として腰椎自体の変性及び変形、もしくは腰椎
と腰椎のつなぎ目(椎間関節や椎間板)の変性変形が原因と
私は考えています(それらにより不安定性や炎症が生じるため)。椎間板ヘルニアが
原因である腰痛は、特殊な例を除いて手術しなくても治ります。
筋筋膜性腰痛については私が医者になった頃は教科書的な知識でしたが、変形による
姿勢異常のための筋肉疲労以外私は原因が説明できないと考えています。
腰痛のメカニズムについては現代の医学でも完全な根拠はありません。経験上もしく
は間接的な所見上推察されるというだけです。
3) 腰椎椎間板ヘルニアで手術に至るケース(腰部脊柱管狭窄症では少し異なります)
統計はとったことはありませんが手術するのはヘルニアと診断した患者さんのうち20
人中1人位の割合ではないかと思います。
手術に至る患者さんには3パターンあると思います。
第一に、痛すぎてたまらない、手術でもなんでもいいから早く痛み(前述のように腰
痛だけでなく下肢痛)をとってもらいたい場合。
急性の場合歩けないほどの痛みがあることがあります。
第二に様々な治療をしたが治らない、これでは仕事ができない。手術をしてでも早く
治して仕事に復帰しなければならないといった社会的事情がある場合。
第三に神経麻痺が重度の場合。長く放置すると麻痺が永続的になり歩行に障害が残り
ます。この場合のみ脊椎外科医は積極的に手術を勧めます。
この三つにあてはまらない患者さんは、自身の判断で症状が許容内であれば手術はし
ません。
4) 腰椎椎間板ヘルニアの手術
細かいことはあえて書きません。診断さえ間違いなければ(これがポイント、すなわ
ち本当に患者さんの症状の大部分がそのヘルニアに由来するものであれば)
満足いく結果になるでしょう。現代のヘルニア手術は体にあたえるダメージも小さ
く、上記の条件を踏まえた上で手術を行えば良い治療であると断言できます。
●腰痛、腰椎椎間板ヘルニアに対する医療の問題点
1) 腰椎の経年変化による変形は治せない
大きくざっくりといえばやはり年寄りの変形は治らない。そのための腰痛は治らな
い、鎮痛などのごまかししかない。だから医者に行っても治らないと言われる。
2) 医者の問題
MRIなどの画像でヘルニアや狭窄症があるからといって、その部分が患者の現在の症
状(腰痛や下肢痛)を引き起こしているとは限らない。
症状と画像所見が一致して診断がつくのですが、その基本的なことができない整形外
科医は残念ながら多いです。他の医者でヘルニアや脊柱管狭窄と診断された
患者が私のところに来られて、どうしてそのような診断となるのか解らないケースは
よくあります。
医者が自分のエゴ(手術件数を増やしたい、研究のため等)により手術をしなくても
よい、もしくは手術をしても治らないケースであるのに手術をすることがある。
偉そうに書いている私も含めて、常にこのことは自戒していかななければいけませ
ん。
3) 鍼灸、整体師の問題
副島先生のおっしゃる通り、大部分の医者は鍼灸や整体師を蔑んでいると思います。
私は整形外科医では珍しく否定はしません。患者さんに行っていいですか?
と聞かれたらどうぞ行ってくださいと答えます。医者よりも患者さんを気持ちよくで
きる整体師さんはたくさんいると思います。学会で聞いてきた偉いと言われる先生
と製薬会社のきわめて疑わしい話の受け売りで効きもしない薬を出している医者より
はよっぽど患者さんの役に立っている場合もあると思います。
ただ鍼灸師や整体師は上で述べたような正確な診断は出来ません。施術ができるだけ
です。かれらがなまかじりの知識で診断らしいことを患者さんに説明すことは問題で
す。
4) 筋肉のこと
筋肉のことは確かにあまり分かっていません。わたしも推測すらできません。ただ腰
椎疾患の神経圧迫で生じる、経験上十分に確信を持って診断できる定型的な下肢痛は
神経が原因であって筋肉の痛みではないと思います。この根拠は、診断が正しくかつ
正確な手術で神経の圧迫を取り除けば、必ず下肢痛も治るからです。
ではなぜトリガーポイントブロックが効くのか?これも推測の域をでない根拠しかな
いはずです。
やはりまだまだ医学は経験則が中心、サイエンス出来るのは一部の領域だと思いま
す。
以上メールでは少し長くなってしまいましたが、思うところを書きました。医者は自
分の考えで患者さんの体にメスを入れるという独裁者にもなります。
政治と同じで善なる独裁者は最高のことをなしうるが、悪意の独裁者は罪人です。負
け犬の遠吠えですが、私は現在の無名の雇われ医者であることは良い医療を実践でき
る最高の環境だと考えています。無名有力を目指したいと思います。谷澤克洋 拝
【1246】[1438]筋肉の異常を捉える。
会員番号2953番の澤田正典です。今日は平成25年11月6日です。坐骨神経痛や腰痛、肩こりといった症状は、ほとんどが筋肉異常が原因となって発生しているようです。気導術を学習すると誰でも痛みから解放されるようになりますので、ご存知の方も多いとは思いますが、一応、気道術学会のご紹介をさせていただきます。東京五反田にある東京本部では、超プロによる施術が受けられます。(ちなみに、私自身も気導術による腰痛や肩こりの解消が得意です。ただしアマチュアですが。)
日本気導術学会ホームページ
http://www.kidojutu.com/
腰痛の場合は、お腹側の筋肉に原因がある場合が多いです。猫背になりやすい方は、腹筋が縮んで固くなっている。腹筋につられて胸の筋肉や大腰筋、太ももの内転筋も引っ張られて、最初は一箇所の筋肉異常であったものが、次第に体全体に伝播していきます。すると、症状としては腰痛や肩こりとして現れたりします。こういうタイプの方は、ラジオ体操で体を大きく後ろにそらせる運動が苦手です。また、交通事故の後遺症などにより、太ももの内側にある内転筋や、ふくらはぎの筋肉などが硬直した場合も、症状は腰痛として現れることがあります。この状態で医者にかかればヘルニアと診断されます。副島先生の場合、書き仕事でいらっしゃいますから、腱鞘炎に関連する筋肉がおそらく、ガチガチになっていたのではないか。腱鞘炎の場合、肩甲骨付近にある筋肉などが重要な役割を果たしています。
腰痛等の本当の原因となっている、実際に異常硬直を起こしている筋肉の部位には、普段は全く症状が自覚されない場合が多いのです。そこから遠い、一見無関係とも思えるようなところに、腰痛等の症状が出るのです。もちろん、体全体はひとつにつながっていますから、実際は関連があるのですが。
坐骨神経痛の場合は、太ももの裏側の筋肉を手の指先で触診してみてください。椅子に座ったままで、少しゆっくりと、力を加えながら、大腿骨付近にある太ももの裏側の筋肉を触診します。すると、硬くなったまま伸縮ができなくなっている筋肉が見つかって、触ると痛みを感じると思います。
気導力(国産の「気」療法のうちのひとつ。)を加えると、筋肉の硬直をその場で解消できます。不思議ですが、筋肉は正常化されます。それゆえ、治療法として確立しているのですが、例えばお風呂の中で血行を良くしながら、硬直を起こしている筋肉を自分で揉むだけでも、もしくは、湯たんぽやカイロなどでその部位に温熱を加えて血行の改善を促すだけでも、自力で改善が図れる場合があります。低温やけどには十分に注意する必要がありますが。
とにかく、自分自身の腰痛や肩こりといった痛みの症状の原因となっている筋肉硬直を、体の中のどこかから見つけ出すことが大切です。これが見つけられないと、良い結果につながりにくい。
体の筋肉のケアは、どうやら健康の秘訣であるようです。もしよろしかったら、副島先生も皆様も、一度、気導術による治療もご体験ください。筋肉と痛みの症状の関係を正確に把握しながら、興味深い体験を得られるでしょう。注射器は使わない、手わざだけの治療スタイルです。(「気」は使います。)
澤田正典 拝
【1245】[1437]腰痛
私も過去にヘルニアになりました。
手術はしないで二年くらいかけて整体だけで日常生活が送れるようになりました。今回の記事には興味があります。是非、続報を期待しています。
【1244】[1436]守谷健二説 「倭国(わこく) と 日本国が並立して400年ぐらい存在した」についても。
副島隆彦です。
まず、私は、今日のぼやきの方に、「1409」番として、「 腰痛(ようつう)と首、肩の痛みは治るようである。 「トリガーポイント・ブロック注射」という治療法を紹介する。 副島隆彦記 2013年11月6日」を書きました。お読みください。ご自分の治療の体験記なども、どんどん皆さん、書いてください。
次に、私は、この重たい掲示板に、最近、15本に渡って 「 日本書紀と天武の正統性の問題15 投稿者:守谷健二 投稿日:2013-10-25」
を投稿してくださった、会員の守谷健二氏の、文章に、私の考えを書かなければいけないと、ずっと思っていたので、書きます。しかし、考えを書くとなると、私も、日本史の古代史 の 「西暦668年に初めて、『近江令(おうみりょう)』という法律に表れた、「日本」というコトバの問題」など、膨大な量の文を書かなければいけません。
私は、守谷氏が、「倭国( どうも、西暦237年の卑弥呼(ヒメミコ)が、『親魏倭王(しんぎわおう)』 の称号を、魏の皇帝からもらったころには存在した) と、それが、西暦672年の 壬申の乱(じんしんのらん)で、天智(てんち)天皇が死去して、ずぐに、大海人皇子(おうあまのおうじ)=天武(てんむ)天皇が乱に勝利して即位するまでの、間の 400年余のことを、ずっと、真実の日本史の古代は、こうだったのだ、を、私なりに書かなければいけないことになります。
私は、守谷氏が、「倭国と 日本国(おそらくヤマト王権=朝廷)が、400年間余、並立して、存在している」という 独自の説を立てていることに、鋭く注目します。 確かに、3世紀から7世紀まで、北九州と韓半島の南一体に、倭国(わこく)という国が存在して、それは、機内=奈良盆地を中心とする ヤマト(大和)王権とは、別物だったのだ、それが、白村江の戦い(663年)で、3万人の倭人の兵士が敗北して、それで、倭国が消滅して、大和王権に統合されたのだ、と考えるのが、ものすごく説得力があると、分かります。
しかし、守谷さん。それでは、4世紀、5世紀の「倭の五王」として、はっきりしている、仁徳(にんとく)や、允恭(いんぎょう)、雄略(ゆうりゃく)などの、難波(なにわ)、河内に、大きな前方後円墳を作った 河内王権(かわちおうけん)の王たちまでは、はっきりと中華帝国に、朝貢(ちょうこう)して、化外(けがい)の民としての、属国の外側かどうかは分かりませんが、支配被支配の関係にあった、事実などが、証明できなくなります。
守谷さん。 あなたが、以下に、私が、再録する文は、ものすごく説得力が有ります。 皇極=斉明天皇(女帝)の動きや、倭姫(やまとひめ)のところなどは、私はあなたの文を読んで、ハッと息を呑みました。 すばらしい創見です。
だが、守谷さん。日本書紀を、あなたなりに、その真実を読み破った、という書き方だけでは、ここの読み手たちを、説得する事はできません。
「古代史を専門とする日本史学者のだれそれが、このように書いている」という書き方が、どうしても必要なのです。このことをどうか、分かってください。
私は、くだらない権威や、日本の学者の世界にひれ伏せということを言っているのではありません。 コトバのもつ、共同了解性として、 「有名な、◯◯という学者が、このように書いている。しかし、私は、そうは思わない。なぜならば、文献や、証拠として、たとえば、中国の24正史のひとつの『旧唐書(くとうしょ)』にこのようにはっきりと書かれている」 という書き方をしていただきたい。
このことをどうか、分かってください。 その上で、学問道場の「日本史掲示板」というものを立ち上げてでも、興味のある人と、議論と論究の輪を広げてゆきたい。私、副島隆彦も参加します。
守谷さんは、以下のように、すばらしいことを書いています。
[1415]日本書紀と天武の正統性の問題13
投稿者:守谷健二
投稿日:2013-10-21 12:10:57
1413の続きです。
大宝三(703)年の粟田真人(あわだのまひと)を大使とする遣唐使の派遣。これが日本統一王朝の第一回目の遣唐使である。粟田真人は天武(てんむ)の方針 (すなわち、日本列島では、開闢(かいびゃく)以来、大和王朝しか君臨した王朝はなく、その王である天皇が代々途切れることなく即位し統治してきた) で作られた歴史を携えて唐の都長安を訪れ、日本国の由来を報告した。これには唐の史官たちは吃驚(ビックリ)したであろう。
僅か40年前に倭国と戦争していたのだ。倭国王は、長安で捕虜生活を送っていたのである。日本列島の記録は十分すぎるほどあった。それなのに日本国の使者たちは、奇妙な歴史を語るのであった。
『旧唐書(くとうしょ)』日本国伝より
日本国は倭国の別種なり。 その国日辺にあるを以て、故に日本を以て名となす。あるいはいう、倭国自らその名の雅(みやび、が)ならざるを悪(にく)み、改めて日本となすと。
あるいはいう、日本国は旧(もと)小国、倭国の地を併せたりと。その人、入朝する者、多く自ら矜大(きょうだい)、実を以て対(こた)えず。故に中国是れを疑う。また言う、その国の堺、東西南北各々数千里あり、西界南界は皆な大海に至り、東界北界は大山ありて限りをなし、山外は即ち毛人(もうじん、けのひと)の国なりと。
非常に簡潔で明快な文章である。唐の史官と日本国の遣唐使の遣り取りが目に浮かぶようではないか。
しかし、日本史学者たちは、この『旧唐書』の倭国伝、日本国伝の並記は、編者の不体裁な誤りである、と決め付け、否定し無視してきた。日本史学は、その上に構築されてきたのである。
副島隆彦です。このように 守谷さんは、はっきりと自分の主張をしています。
この他に、多くのすばらしいことを、1~15に至るまでの文章で書いてくださいました。文学作品を読むような美しさでした。そして、最後に、がっかりされて、次のように落胆の辞を書きました。
[1422]日本書紀と天武の正統性の問題
投稿者:守谷健二
投稿日:2013-10-23 11:03:05
1415の続きです。
学問道場と名乗っていますが、あまりにも反響の無さにガッカリしています。日本にとりかなり重要なことを書いているつもりなのですが、書き方が悪いのか、注目理解されないのでしょうか。
十年前に、今私が書いている文章を見たら、私自身でもこの男は何を妄想しているのだ、と考えたと思う。それ程教科書で習った日本史の常識とかけ離れていることは自覚している。しかし、私の判断の根拠としているのは『日本書紀』『万葉集』『懐風藻』『古事記』『旧唐書』であり、総て第一資料と呼ばれるものばかりである。後世のインチキ学者の孫引きで組み立てた説ではないのだ。私の説に、文句があるなら第一資料を根拠に言って欲しい。日々の生活に追われる身では、パソコンに向えるのは二時間が限度だ、かなり切羽詰った気持ちで書いている、遺言のつもりで書いている。学歴の無い者が、偉そうなこと言っても誰も相手にしないのが日本の社会だ。だからこそ、この学問道場を発見したのは、喜びである。道場なのだから、目先のことだけに囚われず、お互いに鍛えるために忌憚の無い論を戦わせようではないか。お互いこの場を育て上げようとする覚悟がなければ、学問道場など名前だけのものに堕っしてしまうだろう。
目先のことは切羽詰って何より重要である、その判断を誤らないためにこそ根源を知ること、歴史を学ぶことが大事なのだと思う。
しかし、日本史学はあまりにもインチキが多いのだ、特に古代史に於いては。江戸時代以前の皇国史観と、江戸時代の皇国史観と、明治以降の皇国史観の違いを述べよ、出題されてキッチリと答えられる史学者がいるとは思えない。解る人がいれば、この掲示板に書いてほしい。これが日本史を理解する根源的な問の一つであるから。
今回は、あまりにも反応の無さに、愚痴を述べました。学問道場の発展を心から願っているものです。
副島隆彦です。 守谷氏の落胆は、理解できます。そう気落ちなさらないで、貴兄の文に、注目して読んでいる人もいると、考えなおしてください。私は、この間に、貴兄に2回メールを差し上げたはずです。 それには、貴兄からのお返事がありませんでした。
私は、先週から、『闇に葬られた歴史』(PHP研究所刊)という日本史についての評論本を書きました。その、第5章で、「天皇とは、北極星のことである」論(斉川眞=さいかわまこと=説)について。 第6章で、岡田英弘(おかだひでひろ)教授の『日本史の誕生』
について、日本の建国は、中国の華僑たちによって、668年に行われた」説。
倭国はこの時、消えた論。第7章で、 「聖徳太子は蘇我入鹿(そがのいるか)である」(関裕二=せきゆうじ=説)を支持する。それから、藤枝晃(ふじえだあきら)京都大学教授の地道な「ペリオ蒐集敦煌写本選影(しゅうしゅうしゃほんせんえい)」(1965年)の研究が、聖徳太子の創作、捏造を、学問的に成し遂げたこと。 これらのことを書きました。
私、副島隆彦は、この世の大きな真実を、暴き立てることにおいて、一歩もあとには引きません。 守谷健二氏の、これからの投稿、論文発表を、期待します。そこに、大きな真実が書かれているならば、かならずや人々の魂に訴えかけるでしょう。そしてそれは、日本国を動かします。
副島隆彦拝
【1243】[1435]「腰痛は脳がストレスから逃げるために、血管を収縮させて起こる筋肉痙攣である。」について
前田和寿です。
私はまだまだ若いので体の痛みなどはありませんが、腰痛や肩こり、胃潰瘍、花粉症に至るまで体の多くの痛みや症状は「脳」が原因であることは少しずつ知られるよ、うになっています。
『サーノ博士のヒーリング・バックペイン―腰痛・肩こりの原因と治療』ジョン・E・サーノ著(春秋社):
http://amzn.to/1dLFbi0
この本も腰痛についての新しい見方を提供してくれています。
原因はすごく簡単です。
「脳」(自分の意識化とは別に動く)はストレスを受けると、そのストレスから逃れるために体に痛みを起こさせます。そうすることで、私たちの意識は痛みへ移行して、脳はストレスから逃れられます。
たったこれだけのことのようです。
痛みを出す方法は血管を収縮(細く)する事で血液を通りにくくして、筋肉に痙攣(けいれん)を起こすことです。正座をした時に血管が圧迫されて足にしびれが起きるようなものだと思います。
腰痛や肩こりだけでなく、花粉症なども脳が原因だと言われています。
実際、私は山育ちで、今も山に住んでいます。周りは杉の木だらけですが、花粉症になった事がありませんでした。しかし、2年前、急に花粉症になりました。仕事で営業成績が伸びずストレスを感じていた事が原因でした。その時に、「脳」の仕業だと知りました。
次の年からは何ともありません。
病院に行ったわけでも薬を飲んだわけでもありません。2年前と昨年と今年で花粉の量は変わりません。それでも花粉症になりませんでした。それで私はやっぱり「脳」のストレスだと思いました。
痛みを逃がす方法は簡単で、自分で脳に語りかけるだけだそうです。
「お前が痛みを出しているのを俺は知ってるぞ。」と声に出して、自分の脳に向かって言い続ければいいだけみたいです。
科学的ではないので効果があるかわかりませんが、私は花粉症が消えました。もちろん、ストレスの根本原因である営業成績が改善したから治ったのだと思います。
でも、そう簡単にストレスの根本原因を解決できる人はいないので、副島先生が推薦されている「トリガーポイントブロック注射」で定期的に痛みを取り除くと良いかもしれません。でも、おそらく脳はまた違う所に痛みを出して来る可能性があります。注意しておくべきです。
私は医者ではありませんが、友達はみんな地元の医者です。幼馴染だから彼ら医者たちの性格は良く分かっています。彼らには専門外を勉強する時間がありません。勤務医は夜勤や「待機」でやる気が出ないのだと思います。すごく大変な仕事です。ずっと脳が寝不足なのでしょう。
これからは古来からの東洋医学・漢方系の考え方も勉強しないといけませんね。
前田和寿
【1242】[1434]これって預金封鎖の兆候では?
今日投資関係の広告のメールで以下の内容を受け取りました。
*以前買ってた事がある情報で今は買ってないんですけど。
<メール内容一部切り取り貼付け>
Donna Vieira, Senior VP of US mega-bank JP Morgan Chase, just sent a letter to thousands of business account owners, saying:
* Effective November 17, 2013, you will no
longer be able to send international wire
transfers. This includes recurring ones,
you’ve already scheduled after this date.
* Total cash transactions (including branch
deposits and withdrawals, ATM withdrawals,
and money orders) will henceforth be
limited to $50,000 per statement cycle.
HSBC (America) and other US banks are doing the same.
<張付け終わり>
簡単に私が訳すと、=====
米国の大手金融機関であるJPモーガンチェースの上級副社長のドナ・ヴィエイラが今しがた多数の商業口座の持ち主宛に手紙を送りました。その内容は
* 2013年11月17日より、海外送金はできなくなります。それにはこの日以降に既にセットされた繰返し自動送金も含まれます。
* 現金取引総額(支店での預け入れ、引き出し、ATMでの引き出し、現金小切手)も同時に1ヶ月5万ドル迄となります。
HSBC(米国)とその他米銀も同様に行われます。
=====こんな意味合いでしょう。
これって副島先生言ってる預金封鎖じゃないの?
最近(1−2ヶ月前)にもこれに似た情報を見た事があるけど、どこの銀行が何時から海外送金をできなくするかを忘れました。でもこういう情報が届くってことは何となく怪しい(危険)と感じます。
それと最近香港でよく見かける記事は彼の有名な香港一のお金持ちの 李嘉誠(り かせい)氏が傘下のショッピングセンターの売却や上海の住宅をかなり値下げして売却処分しているとの情報があります。
何かがそう遠くない時期に起るってことのお告げかもしれないですね。
まあ既に何かは起きているので有ってこの先起きる事はその次のステップと言うのが正しいのでしょう。
*注意とお願い。この情報は未だ事実か確認できておりませんのでどなたか直接銀行からメールを受けられた方がおられましたらお知らせ下さい。
【1241】[1433]佐藤 優さん(元外務省主任分析官)の思考(2)
佐藤 優著「人に強くなる極意」より
ここで少し視点を変えて、国家レベルの話にも少し触れてみましょう。最近は中国や韓国との領土問題(尖閣諸島をめぐる領土問題は存在しないというのが日本政府の立場ですが、客観的には問題が存在します)、北朝鮮のミサイル発射問題など、北東アジアの緊張が注目されています。
ただし、僕たちが本当にびびるべき相手は韓国でも中国でも、まして北朝鮮でもありません。特に北朝鮮に関しては、国力を考えればほとんど恐れるに足りない国であることは明白です。ただし会話の窓口だけはしっつかりと確保しておかなければなりません。交渉の余地さえあるなら、どんな状況であれ北朝鮮は他国へ攻め込むなどという無謀なことはしないでしょう。
あとは中国ですが、いまなぜ問題が起きているかというと、実はこれまで中国は大陸国家で海洋には関心を示さなかった。それが最近になって海洋資源などに
興味を示して海洋国家になろうとしているからなんです。
実際、中国海軍のここ10年の増強ぶりには目を見張るものがあります。ウクライナから旧ソ連製空母を購入したり、国産の空母の建造にも着手しています。
そんな中国の動きに対して警戒する向きもありますが、ただしまだまだ海洋国家
としては新参者です。
実はそういう意味でも、日本が一番びびらなければいけない相手は米国なんです。米国こそは、戦前から日本と覇を競った海洋国家でした。太平洋を挟んだ日本と米国という二大海洋国家は、いずれ衝突する運命にあったわけです。
その結果は皆さんよくご存知のとおり。圧倒的な米国の国力、軍事力の前に日本は完膚なきまでに叩かれた。そして現在でこそ同盟国ということになるのですが、お互い海洋国家であるという点では戦前と一緒です。
ですから、日本は米国に対してもっとナーバスにならなければいけないんです。その本質からして、日本がびびるべき相手は米国であると。
安部総理がTTP加盟をいち早く宣言したのは、非常に賢明な判断でした。TTPというのは日米の関係を考えた時には入らざるを得なのです。
一見、関税障壁を撤廃するというTPPは自由貿易の象徴であるかのようですが、本質は全く違う。米国の狙いは、中国の台頭をもはや一国では抑えることは難しいため、日米軍事同盟、米豪軍事同盟、米ニュージーランド軍事同盟をひとまとめにして、それをかぶせる経済体制をつくりたい。これがTTPの本質であり狙いなわけです。
ですからTTPとは自由貿易ではなく、ブロック経済の復活というのがその本質です。経済協力の体をなしながら、本質は同盟なのです。ですからこの枠組みから日本が外れることはまずありません。
もし別なシナリオがあるとしたら、中国と経済・軍事同盟を結ぶか、あるいは核を保有して独自に他国とのパワーバランスを保つ。いずれにしても現実的には
ありえない話です。TPP自体にはいろいろ不安な部分はあるかもしれませんが、
そういう大きな国際的枠組みと米国との関係を考えれば、到底逃れることのできないものだというのが僕の結論です。
びびるべき相手は、戦後70年たってもやはり米国なのです。その現実から目をそらしてはいけません。
自分の力より圧倒的に大きなもの、自分の限界を超えているものに対して虚勢を張ることは危険です。
(本論P68~P71)
皆さんはどう思われますか?
私は「ううーん、そうかなー!?」
【1240】[1432]今日は、4つのことを手早くお伝えします。
副島隆彦です。 今日は、2013年11月3日です。
私たちの学問道場の10月26日の定例会(自力での講演会)が多くの人に集まっていただいて、台風の心配の中、無事終わりました。
この定例会では、外務省の幹部職員であり、国際情報局長(日本の国家情報官。今は、官邸あるいは内閣府に、日本版NSCとかで、取り上げられようとしている)勤めイラン大使もした孫崎享(まごさきうける)氏にお越しいただいて大変ありがとうございました。
孫崎氏が、私たちのために、いや、日本国民のために、外務省の内側のことを、平易に、かつグサリとお話くださいました。特に歴代の外務省の事務次官(外交官僚のトップ)たちのそれぞれの人物評は、すばらしいものでした。急いでDVDにしますので、お待ちください。
私は、いろいろのことを書かなければいけないのですが、目先の自分の文献あさりに追いまくられて、思うようになりません。 1.「2ちゃんねる」の主宰者の西村博之(にしむらひろゆき)君への、警察からの言論弾圧、思想・表現の自由への政府からの締め付け、圧迫に対して、西村くんを、もっと本気で応援したいと、副島隆彦は考えています。それをなかなか書けない。
2.それから、UNICEF(ゆにせふ)もそうだが、日本赤十字を批判しなければいけない。私は、3年前の大地震・東北大津波(おおつなみ)の時に、日本赤十字(日赤)には、一兆円以上の、いや2兆円ぐらいの、寄付金(ドーネイション)が、日本国内だけでなく、世界中から集まった。その会計帳簿を日赤は、一切明らかにしない。全くの非公開だ。それで、イギリスの国際赤十字から、疑問視されて叱(しから)れられている。
日本国内で、日赤を、言論の標的として批判することは、タブーとなっている。私たちの学問道場には、タブーはない。 私たちは、どんな権威や、権力組織に対しても、言論の自由で挑みかかる。遠慮はしない。 日赤が、宮様団体( みやさまだんたい。一番上の名誉総裁とかに、皇族の女子たちが就く)だからといって、そして、そこに、国税庁や警察庁からの多くの天下り官僚たちがひしめいているからといって、書かないわけにはゆかないことは、書く。
その集まった2兆円とかは、単なる、善意の、被災者、避難者たちへの「かわいそう。救けたい」のお金だけではない。これ幸いと、この場合には、税務調査は、一切、行われない、不問に付される、と分かっていて、一億円(100万ドル)とかを、投げ捨てるために寄付した企業や、金持ちの個人とかがたくさんいるのだ。世の中の、こういう本当に穢(きたな)い側面も、私、副島隆彦が、どんどん書いて、大きな真実を日本国民にしら知らせないと、今以上に、日本国民の知能の低下が進む。 今の日本人は、国際基準(world values ワールド・ヴァリューズ)からして、大変な迷妄と低能(ていのう)状態に置かれている。
3. この重たい掲示板の 3つぐらい下 ↓の投稿文に、須藤よしなお君が、カレン・ヒュードという、勇敢な、元世界銀行の上級顧問(評議員。シニア・カウンシラー)をしていたアメリカ人女性の ユーチューブの 動画での、発言を載せている。この動画は、非常に重要ですから、何回も、繰り返し、見てください。早口の英語で話していますが、何回か聞いていれば、その真実の発言の内容が分かります。
私、副島隆彦が、いつも本で書いていることと全く同じことを話しています。日本語の字幕もしっかり正確なものがついていますから、親切です。 世界中に、真実の言論のために闘っている知識人たちがいるのです。
よしなお君の文でも、「世界銀行の元上級顧問カレン・ヒューズ氏が、突然ロシアのテレビに出演して、米国財政がひっ迫している内実を暴露した映像です。お時間のある方はどうぞご覧下さい。」となっています。
4.今日は、急いで、ジャスラックJASRAC(日本音楽著作権協会)という ヒドい 官僚天下り団体を、叩かなければいけません。 このJASRACが、どれぐらいヒドいことをして、音楽著作権の管理の業務と言いながら、日本国民の音楽を楽しむ権利を侵害してきたか、を私は徹底的に書きたいとずっと思っていた。作曲家の小林亜星(こばやしあせい)たちが、必死で、闘ったのに潰された。私は、小林亜星たちを今からでも、徹底的に応援したい。
日本の楽曲(がくきょく)と呼ばれる、音楽の作品を、私たちは、自由に使うことが出来ない。引用したり、カラオケで歌ったり、複製するとこは、「(著作権者、曲の制作者ではなくて)すべて、JASRACの許可をとれ」という 官僚天下り団体だ。許しがたい組織だ。作曲家・作詞家 、歌手たちも嫌がっている団体だ。すべての出版社も怒っている。
みんな、JASRACに脅されてきたから、コワイから黙っている。この横暴権利独占団体をただちに解体せよと、私は言う。 昨日、画期的な判決が出た。これを、以下に貼り付けるだけで、今日の私の文章は終わる。私、副島隆彦が、なんでもかんでもグサッとその真実の部分を解説しないと、本当のことが、皆に分かりやすく分からない、ということを、私が、よくわかっている。
しかし、今日は、この悪辣(あくらつ)団体のJASRACへの成敗(せいばい)の、重要な判決文が出たことだけ、分かってください。
副島隆彦拝
(転載貼り付け始め)
日本音楽著作権協会(にほんおんがくちょさくけんきょうかい、英語: Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers)は、日本の著作権等管理事業法を設立根拠法に、音楽著作権の集中管理事業を日本国内において営む社団法人である。英称を略し、「JASRAC(ジャスラック)」という。
●「 JASRAC訴訟 「独占状態変わる」 新規業者が期待 」
毎日新聞 2013年11月1日(金)
著作権管理業界で圧倒的な力を誇る「日本音楽著作権協会」(JASRAC)に、厳しい司法判断が示された。「他の業者の事業活動を排除している」。東京高裁は1日、公正取引委員会が独占禁止法違反には当たらないとした「無罪」の審決を覆した。業界最大手と対峙(たいじ)する新規業者側は、事実上の独占状態を変えるきっかけになると期待を示した。
利害関係人として提訴した新規参入業者のイーライセンス(東京都渋谷区)の代理人、越知保見(おち・やすみ)弁護士は都内で記者会見し「画期的な判決。公取委の審決はずさんで、裁判所が正しい判断をしたと思う」と評価した。
判決は、楽曲の放送使用料を放送局から定額徴収するJASRACの「包括契約」が業者の新規参入を妨げていると指摘した。放送局はJASRACに定額を支払えば楽曲が使い放題になるが、他の業者の楽曲を使う場合は別途使用料が生じる。越知弁護士は「(包括契約は)料理で言えば『食べ放題のビュッフェだけ』みたいなもの。我々のような(1品ずつの)アラカルトが楽しめないのはおかしい」と批判。1曲ごとに使用料が発生すると手続きが煩雑になるとも指摘されるが、「楽だからと言って、何でもしていいわけではない」と反発した。
一方、JASRACは「公取委の審決は事実認定が合理的であり、法解釈にも誤りはない。判決は到底承服できず、しかるべき対応をとる必要がある」とのコメントを出した。【川名壮志】
●「 JASRAC 「包括契約」独禁法違反の恐れ 東京高裁 」
毎日新聞 2013年11月1日(金)
JASRACをめぐる審判・訴訟の流れ
テレビやラジオで使う楽曲の著作権を管理する一般社団法人「日本音楽著作権協会」(JASRAC=ジャスラック、東京都渋谷区)が他業者の参入を妨げているか否かが争われた訴訟の判決で、東京高裁は1日、独占禁止法違反(私的独占)の恐れがあるとの判断を示した。飯村敏明裁判長は「新規参入を著しく困難にし、他業者の事業活動を排除している」と指摘。違反には当たらないとした公正取引委員会の審決を取り消した。
問題となったのは、JASRACが各放送局と結んでいる「包括契約」と呼ばれる使用料徴収方法。各放送局は前年度の放送事業収入の一定割合(1.5%)を支払えば、JASRACが著作権を管理する楽曲を何回でも放送できる仕組みになっている。一方で、別の業者が管理する楽曲を使う場合は別途、その分の使用料が発生する。
判決は「放送局が経費節減の観点からJASRAC以外の楽曲使用料を控えようとするのは自然な経営行動」と指摘。その上で、多くの放送局が実際に新規参入業者の楽曲を回避しているとして、「包括契約は、他の楽曲管理業者の事業活動を排除する効果があり、私的独占に該当しないとした公取委の審決は誤り」と結論付けた。
判決が確定した場合、公取委は判決の指摘を踏まえた上で、独禁法違反に当たるかどうか審決で改めて判断を示すことになる。
JASRACの楽曲管理を巡っては、公取委が2009年2月、独禁法違反と認定し、徴収方法を改めるよう求める排除措置命令を出した。しかし、JASRACの審判請求を受け、公取委は12年6月の審判で命令を取り消し、刑事裁判の「無罪」に当たる審決を出した。これを不服として、新規参入業者のイーライセンス(渋谷区)が利害関係人として高裁に提訴し、審決取り消しを求めていた。文化庁によると、12年度の管理業者別の楽曲使用料徴収額のシェアは、JASRACが98.03%、イ社が0.76%。【川名壮志】
◇公取委審取り消し、高裁が1審
公取委の審決取り消しを求めた今回の訴訟は、独禁法の規定に基づき、東京高裁が1審になった。
公取委は判決に不服があれば、最高裁に上告して判断を仰ぐことができる。上告を断念して判決が確定した場合は、高裁判決の趣旨に従った審決を公取委が改めて出すことになる。また、権利を害される恐れがある第三者として訴訟に参加していたJASRACが上告することも可能だ。【古関俊樹】
● JASRACの使用料徴収方式 「新規参入を排除」 東京高裁
産経新聞 2013年11月2日(土)
テレビなどで使う音楽の使用料徴収方法をめぐり、公正取引委員会が独禁法違反で社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)に出した排除措置命令を無効とした審決は違法として、著作権管理会社のイーライセンスが取り消しを求めた訴訟の判決が1日、東京高裁(飯村敏明裁判長)であった。
飯村裁判長は、管理する楽曲を一定額で使い放題にするJASRACの「包括徴収」方式は、他の業者の参入を排除するとして、審決を取り消した。公取委は「上告も視野に対応を検討する」としている。
この訴訟は独禁法の規定で高裁が1審。公取委は昨年、違反事実そのものが認められないと判断、刑事裁判の「無罪」に当たる審決を18年ぶりに出していた。
飯村裁判長は、包括徴収方式は楽曲の使用割合を反映せずに一定額を徴収するため「テレビ局などがイー社への楽曲利用料の支払いを経費の追加負担と考え、イー社管理の楽曲の利用を避けた」と指摘。同方式が「イー社の事業活動の継続や新規参入を著しく困難にしたと認められ、他の事業者の事業活動を排除する効果を持つ」と判断した。
ただ、独禁法違反の有無については確定的な判断をしておらず、排除効果以外の争点は「公取委が改めて判断すべきだ」とした。
公取委は平成21年、JASRACに、楽曲の使用割合を反映する徴収方式に改めるよう求める排除措置命令を出したが、昨年6月の審決で「他の事業を妨げていない」と判断を覆した。
● 「 JASRAC「無罪」審決取り消し=独禁法違反めぐり―「新規参入を阻害」東京高裁 」
時事通信 2013年11月1日(金) 14時55分配信
放送分野の音楽使用料の徴収方法をめぐり、公正取引委員会が独禁法違反で社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)に出した排除措置命令を無効とした審決は違法として、著作権管理事業者のイーライセンス(東京)が取り消しを求めた訴訟の判決が1日、東京高裁であった。飯村敏明裁判長は「JASRACの徴収方法は他の事業者の活動や新規参入を阻害している」と述べ、審決を取り消した。
公取委の審判では違反事実そのものが認められないと判断され、1994年以来18年ぶりに刑事裁判の「無罪」に当たる審決が出されていた。今回の訴訟は独禁法の規定により高裁が一審。
飯村裁判長は判決で、「音楽の使用頻度にかかわらず、放送局から一定額を集める『包括徴収』をJASRACが採用しているため、放送局は経費を考慮して他の事業者が管理する曲の使用を回避している」と指摘した。その上で「包括徴収が、イーライセンスの事業活動の継続や新規参入を著しく困難にした」と判断し、「排除措置命令を取り消した審決には誤りがある」と結論付けた。
● 「 JASRAC、独禁法違反を否定した公取委審決「取消」判決に不服のコメント 」
Impress Watch 2013年 11月1日(金)
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)は11月1日、JASRACが放送事業者と結んでいる包括契約は独占禁止法違反にはあたらないとする公正取引委員会の審決に対して、東京高等裁判所が審決を取り消す判決を言い渡したことについて、判決を不服とするコメントを発表した。
公正取引委員会では2009年2月、放送事業者が使用曲数にかかわらず事業収入の一定率をJASRACに支払う包括的利用許諾契約について、JASRAC以外の著作権管理事業者の参入を阻害しており、独占禁止法違反にあたるとして排除措置命令を出した。
JASRACではこの排除措置命令を不服として、公正取引委員会に対して審判を請求。2012年6月に、JASRACの行為には他の事業者の活動を排除する効果は認められないとして、排除措置命令を取り消す審決を出した。
この審決に対して、株式会社イーライセンスが公正取引委員会に対して、審決の取り消しを求めて提訴した訴訟で、東京高等裁判所が1日、審決の認定は実質的証拠に基づかないもので、その判断にも誤りがあるとして、審決を取り消す判決を言い渡した。
JASRACでは、「訴訟の結果により権利を害される第三者」としてこの訴訟に参加し、イーライセンスには原告適格が認められないことや、審決の事実認定は合理的であり、法解釈にも誤りはないため、審決には取り消し理由がないことを主張してきたと説明。「本日の判決はこれらの主張をいずれも否定したもので、到底承服することができないため、判決文を精査した上でしかるべき対応をとる必要があると考えています」とコメントしている。【INTERNET Watch,三柳 英樹】
【関連記事】
「JASRACの包括契約は独禁法違反」公取委が排除措置命令(2009/02/27)
JASRAC、公取委の排除命令に「承服できない」~審判請求へ(2009/02/27)
・JASRAC排除措置命令、公正取引委員会で審判手続きがスタート(2009/07/27)
・JASRAC排除措置命令、公取委が取り消しへ(2012/02/03)
・公正取引委員会、JASRACに“無罪”審決、排除措置命令を取り消す(2012/06/14)
● 「 著作権法違反:音楽違法配信、容疑で鹿児島の中3告訴 ブログに700件以上−−JASRAC 」
毎日新聞 2013年10月24日 西部朝刊
日本音楽著作権協会(JASRAC)は、同協会が管理する楽曲を自分のブログに載せて著作権を侵害したとして、鹿児島市の中学3年の男子生徒を著作権法違反容疑(公衆送信権侵害)で鹿児島県警に告訴した。告訴は7日付。
同協会によると、男子生徒は自分のパソコンを使ってJ−POPなどの音楽ファイルをダウンロードし、自身のブログから誰でも入手できるようにしていたという。音楽や動画ファイルは約700件以上とみられる。
男子生徒は今年3、4月、プロバイダーからデータ量超過で警告を受け、一旦はデータを消去したが、再びブログに載せることを繰り返したため告訴に踏み切ったという。県警は男子生徒から事情を聴いている。
同協会は「中学生を刑事告訴するのは全国でも極めて珍しい。少年の行為は著作権者に大きな損害を与え、音楽文化を衰退させるもので、見過ごせない」などとしている。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
【1239】[1431]CSISと日経新聞の共催シンポジウムにて。
こんばんは、加地です。
少し遅くなりましたが、10月29日(火)に帝国ホテルで開催されたシンポジウムに出席したときの内容の概略を記載させていただきます。
まず、アメリカ側からの主要なパネリストは
・ジョゼフ・ナイ
・ジョン・ハムレ
・リチャード・アーミテージ
・マイケル・グリーン
・カート・キャンベル
・ジェームズ・スタインバーグ
・カート・トン
日本側からは
・野田聖子
・北岡伸一
・岩屋毅
・長島昭久
など。
石破茂は公務により欠席。
講演は一部、二部、三部と二つの特別講演に分けられて行なわれました。
私が彼らの講演を聴いていて思ったのは、ナイ、ハムレ、アーミテージ、グリーン、スタインバーグ、キャンベルなど全員が中国に対してあまり批判的な発言をせず、中国は今後、世界各国に対して友好的な関係を築き発展していって欲しいといったニュアンスの発言が多かったように感じるということです。
やはり、アメリカ本国のG2派の人々は、アメリカの次の世界覇権国を中国に指定して、覇権国になった中国で幅をきかせる算段をネオコン系の人間たちにも強制している風に思えますね。
諸属国の権力者層に認めて貰えなければ、世界覇権国は成り立たないものでありますからして、「世界各国に対して友好的な関係を築き」という発言(確か、スタインバーグの発言だったかと思います)からも予測できるように、中国には今後 周辺諸国家と友好国=同盟国=属国の関係を築いていって貰いたいとアメリカの上層部は考えているようです。そしてその上から自分らが院政を敷くぞ、とでも考えているのでしょうか。
あくまで私の勝手な予測ですので、アメリカの上層部が本当にこう考えているかは知りませんがね。
権力者という人種は一種、脳のネジが飛んでいるような思考をするようですので、私のような平凡な男には考えが及びませんな。
それと、カート・トン臨時大使は特別講演の中で、日本の諸々の文化や世界の中でこれまで日本が果たしてきた役割と立場を誉めていました。
そして今後は、政治や軍事のみでなくビジネスや文化の面でもアメリカと日本は益々の協力同盟関係を結び、それを強化すべきだ、と主張していました。
これは要するに、属国としての貢ぎ金をしっかりと払い、そしてあらゆる面でアメリカに従え、ということでしょうね。
北岡伸一氏も、ジェームズ・スタインバーグとカート・キャンベルと同じように、今後の米中間の関係については、多民族問題や公害問題を上手く解決して米中で平和的に発展してゆくべきだ、と思い切りG2派の考えであると思われる発言をしていました。
残りは、個人的に欠伸が出るようなグダグダ話がダラダラと続いていたという感じでした。
何やら、大学の念仏授業に出席していた頃を思い出し少しだけ懐かしくなりましたね。(と言っても、私が誰かに何かを話して伝えるときは、聞く側が私の話を念仏だと言うでしょうから、ぶっちゃけ念仏授業をしている人々と何ら変わらんのですがね。笑)
まあ、CSIS日経の共催シンポジウムと言っても、我々一般人にも聴かせる公開シンポジウムですから、国家機密レベルの重要な事柄は一切話されませんでした。
シンポジウムの参加費も無料でしたし、パネリストたちの顔触れやその発言からも察せるように、これは日本国民を一種洗脳するためのシンポジウムではないかなと私は思いました。
媚米派=アメリカ信者を生み出すための一つの手法なのではないかと思えますね。
ああそれと、アーミテージの身長が低かった(見た感じ、うちの婆さまと同じくらいの背丈だったので、恐らく166cm前後かと)ことと、ジョゼフ・ナイの左の人差し指と中指の第一関節より上が欠けていたことが少し面白かったですね。
ナイ氏は学者なのに指を詰めたのでしょうか。
東南アジア系と南米系の麻薬カルテルの元締めをしているアーミテージの指は、左右すべて揃っていて詰められている指はありませんでした。
これもまた、摩訶不思議という奴ですね。わら
最後に、ネオコン系もG2派と同じように平和共存路線で今後の対中政策を進めてゆくものと現段階では考えられますが、第二次日中戦争を煽動する輩がまだいるにはいるようですのでその点は煽られないように注意すべきだと個人的に思います。
それでは、失礼します。
加地龍太 拝
【1238】[1430]佐藤 優さん「元外務省主任分析官」の思考(1)
佐藤 優著「人に強くなる極意」より
国家の礎は領土だ。自国の領土をきちんと実効支配していない国家は一人前とはいえない。日本は韓国により竹島(島根県)を、ロシアにより北方領土(北海道の歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島)を不法占拠された状態だ。北方領土交渉については、安部晋三首相とロシアのプーチン大統領は波長が合い、また急速に台頭する中国を牽制するという日露両国の戦略的利益が合致している。上手に交渉すれば、歯舞群島、色丹島は近い将来日本に返還され、国後島、択捉島についても何らかの妥協が成立するかもしれない。
竹島について、韓国は一切妥協する意思がなく、領土問題の存在すら認めない。近い将来に、竹島問題が解決する可能性はないだろう。しかし、ロシア、韓国が、日本の領土を追加的に奪取する危険はない。
これに対して、中国が尖閣諸島(沖縄県)を武力を用いてでも奪取する危険性は現実に存在する。中国が潜在的脅威だという見方は甘い。日本にとって、中国
は潜在化した現実的な脅威である。このような状況で、今後日本の防衛力は強化
され防衛予算も増える。消費増税の目的について、財政健全化や社会保障と税の
一体改革に焦点が当たっているが、同じくらい重要なのは、必要かつ十分な防衛費を確保することだと私は見ている。
2014年、日本版NSC(国家安全保障会議)が創設される。新聞やテレビなどでは、NSCが情報収集・分析や危機管理に従事する機関であるかのように報道されているが、それは大いなる誤解だ。NSCは日本が戦争を行うか否かを政治的に判断するための機関なのだ。憲法の文言がひと言も変化しなくても、国際情勢の変化に対応して、日本の国の姿は変化しているのである。
こういう大きな時代状況の変化について、「私とは関係ないことだ」と思ってはならない。大きな与件の変化は、一人ひとりの日常生活に必ず影響を与える。
(まえがき P4~P5)
皆さんはどう思われますか?
私は「ううーん、そうかなー!?」