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Loginはこちら【1343】[1625]サッカーはいろいろと、わからないことだらけだったこと。
副島先生。
学問道場のみなさん。
ご無沙汰しておりました。
わたしも仕事が立て込んで徹夜続きだったので、サッカーを見逃すことなくながら見することができました。
メッシ=トム・クルーズは、ほんとにそう思いました。
決勝戦ではもうメッシー、なんて言わずに、トム!と呼んで応援してました。
ほんとに、アルゼンチンに勝たせてあげたかった。
副島先生に洗脳されたわけではないでしょうが、オランダ人とか、ドイツ人の顔がものすごーく、イジワルでイヤラシイ顔に見えてしょうがなかった。
特に、ロッベンが嫌なヤローだ!と思って、ロッベンの僚友のカイトという人は、ブレードランナーでハリソン・フォードの適役をやった、ルトガー・ハウアーに似てると思ったけど、ルトガー・ハウアーよりもイジワルそうな顔をしていた。
カイトの顔を見て、ルトガー・ハウアーを思い出して、そして、ルトガー・ハウアーもやっぱりオランダ出身だったことを思い出して、あ、やっぱり出身地が同じだと、雰囲気似るのねー、と思って面白かった。
でも、ルトガー・ハウアーはあんなにイジワルそうな顔じゃない。
さて、サッカーの話題に戻ると、前から噂には聞いていたけど、あの、あからさまな白人至上主義の審判は、なんとかならんのか。と思ったこと。
それに、白人の嫌っている有色人種にも、ランクがあって、中米が一番、いじめたくて、南米はそれよりもマシなんだな、アジア人に対する差別と、中米、南米の混血のひとたちに対する差別は、まったく質が違うんだなあ、というのが肌でわかった。
もう、中米の人たちなんかは、ほんとに賎民みたいな扱いなんだな、と思って、そういうことの背景が、知りたいと思いました。
それから、これが結構不思議だったのですが、ブラジルが準決勝でボロ負けして、あれは八百長なんじゃ、ないの?
と思ったものですが、最後には敵のドイツを応援するブラジル人の群衆心理がわからなかった。
きのう、たまたま総集編を目にして初めて知ったのですが、ブラジルのGKをやったジュリオ・セザールという人が、2010年に自分のせいで負けたと、レポーターから国民から、ものすごく非難されて人生終わったみたいになったということで、あー、日本て、1次リーグでボロ負けしても、暖かくファンが迎えてあげる国民性、それはそれで「甘やかしすぎ!」などの批判も聞こえてくるのですが、傷ついた人をさらに叩くのって、水に落ちた犬を叩く、ってことばがあるように、やっぱり品のない行動だと思うのですね。
わたしは日本人の集団主義とか、ナイーブさとか、自立してないこととか、好きじゃないことが多いのですが、負けたひとにちゃんと優しくできるところは褒めてもいいかなと思いました。
これが東京で、日本を負かした韓国がドイツと決勝戦をやったと仮定したら、日本人はどっちを応援するかなと。
2002年の日韓共催大会の頃だったら、韓国を応援しただろうと思うけど、昨今の世相だと、どうなんだろう。
わたしは韓国を応援したいと思うけど、みんないま現在でも、韓国に「大韓民国(テーハミングク)!」て応援してあげられるかな~と、ちょっと不安になりました。
【1342】[1624]ワールドカップ決勝戦を見ての感想、 と最新の世界問題
副島隆彦です。 今日は、2014年7月14日(月)です。
私は、さっきまでワールドカップ決勝戦をテレビで見ていて、いろいろ考えました。まとめて、色々書きます。
まず、このサッカーの試合のことから。ドイツが勝ってしまった。がっかり。アルゼンチンのほうがずっと実力があったのに。アルゼンチンの選手たちの技術力の高さは、ひとりひとりが際(きわ)立っているように見えた。それに対して、ドイツは全員のっぽで身長192センチぐらいありそうなのが揃(そろ)っていた。
ひとりだけ、ドイツ人選手なのに、チビがいたが、それが、主砲のクローゼからアレと思った時に替わった、ゲッツェ だった。こいつが、抜け目なくスルスルと、アルゼンチンの鉄壁の防御の目を掻(か)い潜(くぐ)って得点してしまった。 これでドイツの勝ちとなった。
集団戦の、ドイツ人らしい頭脳戦で勝った。それでも それほど、ずば抜けた選手はいない。ヨーロッパ白人サッカーでは、世界レベルのすごい人たちなのだろうが。
シュバインシュタイガーというMF(ボランチか)が、顔面に血を流すぐらいの、激しい競り合いで、アルゼンチン・ボールの邪魔をした。ドイツの突撃隊のようなやつだ。フリードリッヒ大王の精鋭巨人軍(竹槍のノッポ部隊)だ。
アルゼンチンの防御の激しさもすばらしい。ガンガン頭をぶつけあって、転んで痛みに耐えても突撃してゆく。スライディング・タックルで相手を蹴(け)り転ばせる。
アルゼンチンのFD(先鋒)のふたりのアグエロと、メッシは、あんなに背が低いのに、よく世界のサッカーの頂点にいるものだ。172センチぐらいしかないのではないか。英雄メッシのあの、飄々(ひょうひょう)とした、寸胴(ずんどう)で短足な感じで、よくもあんな長身のドイツ人たちの4人掛かりでの包囲網を何とも感じずに、ボールを運べるものだ。メッシは俳優のトム・クルーズに似ている。あまり感情を表に出さない、いつも上品に、上向きの顔で、ボーッとした感じもそっくりだ。
メッシは、天才マラドーナの再来だと言われるが、なんだか、アルゼンチン人のサポーターサイドからすぐにブーイングが起きるから、国内では色々と言われているのだろう。それでも顔色一つ変えずにずっと試合をしている。自分は、国家を超えて、人類のレベルなんだ、という感じだ。まだ27歳だそうだ。
それよりも、私が気に入ったのは、 いかにも原住民に血が入っているアエグロとマスケーラが、ものすごい突撃をするものだから、あの長身のドイツ人たちでも勝てなくて、ひっくり返って呻(うめ)いて痛そうにしている。スポーツ試合も偶(たま)に見ると面白い。
世界レベルのプロ(ウ)pro の選手たちだから、無理をして体をグキと痛めたら選手人生に響くから、あまり激しい競り合いはやらないはずなのに、決勝戦ともなると気迫で、ドスコイ勝負でぶつかり合う。殴り合い、蹴り合いの感じだ。
さすがに世界レベルの試合となると、日本国内で、ころころ小さい日本人選手たちが走り回っているのとは違う。これが、私、副島隆彦が言う、world values ワールド・ヴァリューズだ。 日本ごときに国内の言論や、感覚や、基準では、世界は動かない。世界は、日本など全く相手にしていない。あと5年したら身長192センチクラスの中国人の選手たちがアジア大会でどんどん伸(の)して来るだろう。
アルゼンチンのGK の ロメロがよく球を跳ね返していた。あの南米原住民の顔で、日本の無精髭を伸ばした、兄ちゃん、あんちゃんたちにもそっくりなのがいて面白かった。それに比べれば、ドイツのGKのノイヤーというのは嫌(いや)なヤツだ。メッシと並んで最優秀選手に成ったようだ。
私は、3日前の、アルゼンチン・オランダ戦もたまたま見た。こっちのほうが面白かった。オランダのハリー・ロッベンが、何度かシュートを決めかかったのだが、アルゼンチンの防御DFチームとGKのロメロが強かった。この壁を崩せなかった。
延長戦のあとのPK戦で、プロウの技の冴えで、アルゼンチンが勝った。
アルゼンチンは、このあと、ワールドカップが終わったら、国家としてデフォールトしそうである。アルゼンチン政府が、一週間ぐらい前に、「或る国(アメリカ合衆国のこと)が、デフォールト(破産)の手続きを邪魔するので、我が国の再建策がうまく行かない」と、抗議していた。
このワールドカップのあと、続々と、ブラジル(リオデジャネイロ)に世界の指導者たちが集まるようだ。 インドの新首相のモディも行く。すでにロシアのプーチンは、アルゼンチンのフェルナンデス(女、クリスティーヌ)大統領と会談して、「マルビナス島(英語名、フォークランド諸島)の領有権、帰属を巡り」合意していた。
アルゼンチンの国家破産(銀行取引停止)の難問は、隣国の大国、ブラジルがどうせ救(たす)けなければ済まないのだ。 それでも、こうやってワールド・カップの最終日に合わせて世界の首脳が集まるということは、「皆で、助けよう」ということだろう。ただし、ここには、アメリカ合衆国がいない。もう中南米諸国(ラテンアメリカ)を資金面から救援する力が北アメリカにはない。
私は、サッカーのこと(野球のことも)など何も知らないし試合も見ない。それでも、90年代には、たとえば、フランスの選手だったら、ロナウドたちのような物凄く強い、頑強そうな、しかし頭はハゲポッポで、厳(いか)つくて、北アフリカの 、マグレブ人(人種)と呼ばれる、北アフリカ黒人の血が混ざった選手たちのことを思い出す。
あの頃のフランスは強かった。 まるでアルジェリア人(カルタゴ人、フェニキア、ムーア人、オセロのような黒人)ですか、という選手たちがいた。
ヨーロッパ純系白人(優先)主義は、そろそろやめた方がいい。どうせサッカー(英語では、わざとフットボールという)は世界の下層民衆、労働者階級のスポーツなのだから、人種融合(ゆうごう)主義(congregationalism コングリゲイショナリズム)がいい。
それに対して、たとえば、クロアチアという旧ユーゴスラビア(スラビアとは、スロバニ(キ)アで、スラブ人という意味だ)の国のサッカー選手は、身長が全員190センチ以上で、紅毛碧眼(こうもうへきがん)つまり、金髪で青い目をしていて、自分たちが、ドイツ人(ゲルマン人)よりももっと北ゲルマン人の純系白人です、みたいな、チビコロの国がある。あそこは、今のウクライナ政府と同じで、「自分たちは、きれいな白人で、有色人種ではない」を強調する、イヤな国だ。
私たち日本人は、東アジアの モンゴル・インディアン(インド人。インド人 Indianの本当の意味は、、白人ではない有色人種という意味である。このモンゴロイード(モンゴル種)インディアン=東洋人(オリエンタル・インド人)である。このことを、隠したり、誤魔化したりしてはならない。自分たちが、まるで、名誉白人である、などという奇妙な、劣等感(れっとうかん)の裏返しの、おかしな理屈は捨てるべきだ。
反中国・嫌韓(けんかん)の人種差別を、同じ東アジア人種でありながら、盛んに扇動して、煽った本を書いた者たちは、私は、絶対に許さん。ずべて証拠として集めて、そのうち、この人種差別主義者(レイシスト)の、奇っ怪な扇動者(デマゴーグ)たちを徹底的に成敗(せいばい)してくれる。
世界民衆の、このワールドカップに見える、人種融合主義の、世界人類の団結を、日本国内の、中国への反感、中国が攻めてくるから防衛しなければ、の一点の国民の不安感を根拠、利点にして、荒れ狂う愚劣な言論活動との、正面からの闘いを私はする。桜井よしこ(台湾華僑の娘)、黄文雄(こうぶんゆう。亡命台湾人を名乗る反共主義者)、呉善花(オソンファ。韓国人のくせに反韓国を煽動する奇っ怪な女)、室谷克実(むろたにかつみ。「悪韓論(あっかんろん)」で韓国人は、劣等民族で、悪韓(あっかん)だと、呪詛する愚か者) たちとの、言論戦を私はする。
政治問題は、私の専門のフィールドだ。私は、サッカーボールは上手に蹴(け)れないが、政治思想の球なら、三段突飛ケリの回し蹴りで、お前たちの脳天を、真後ろから当てて、前のめりにつんのめらせてみせる。それぐらいの特殊技は、持っている。 如何せん。政治思想、学問、知識の分野では、こんな東アジアの地域(リージョン、 region)では、とても世界選手権に出れないので、残念だ。
アルゼンチンにも、ひとつだけ欠点があって、あのサッカー選手たちも、自分ことをスペイン系白人だと思い込んでいる点だ。だから、ひとりも黒人選手が居なかった。アルゼンチン人は自分の国をヨーロッパ白人の国だと強固に思い込んでる。
私はアルゼンチン人の知識人(大学教授)とこのことで、15年前に大喧嘩(けんか)をしたことがある。アルゼンチンのパンパ(北米ならプレーリーの大平原)のインディオ=インディアンは、ほとんど全滅した。白人入植者たちによって撃ち殺されたりして駆逐された。それでも、南米諸国は、メキシコのメスチーゾ始めとして、ラティノスと呼ばれる混血人間たちだ。
隣の大国、ブラジルは、今も貧乏だ、貧乏だ、と言われるが、目下、急激に、成長している。日本の1964年の東京オリンピックの頃のような高度成長経済の熱気の中にある。外国からの報道陣は、ブラジルはまだまだ貧民街(大都市の周囲の丘陵地帯の一面に掘っ立て小屋が立っている)が多いと、すぐに悪口の報道をするが、どんどんこれらの貧困遅滞も住宅の質が改善しつつある。 この成長経済の熱気を、ブラジルが南米全体を主導して起こしている。
ブラジル人は、アフリカからの黒人奴隷とポルトガル白人と、それから原住民のインディオとの混血である。完全な融合民族である。だから強いのだ。これからの世界をひっぱってゆく国は、(中国とインドと共に)ブラジルである。映画「スターシップ・トルーパーズ」の原作のハインラインというブラジル人作家が、これからの世界が向かう政治思想(ポリティカル・ソート)として、ものすごく重要なのだ。
ブラジル人こそは、融合人種のサイボーグ人間だ。ブラジルのサッカー選手たちをじっと見ていると、そのことがよく分かる。彼らは、あまりに、ひとりひとりは商業主義で、自分のためのお金を世界中のサッカーチームにそれぞれ所属して忙しいものだから、団結心がない。
たとえばオペラ音楽(楽劇)の発祥のイタリアのオーケストラ(交響楽団)が早くに衰退して、個人技になってしまって、遅れてきたドイツ人やロシア人がすばらしいオーケストラの集団楽器演奏の花を咲かせたことと似ている。
ブラジルに集まって、明日、あさって、14,15日で、「BRICS(ブリックス)開発銀行」の 話をする。 どこに、その事務局を置くかで、おそらく中国の上海に決まりだろうが(どうせ中国が半分の資金を出すから)、インドも欲しいと頑張るようだ。この「ブッリックス世界開発銀行」というのは、今のワシントンに有る、世界銀行(ワールドバンク)に取って替わるための、新世界銀行(ニュー・ワールドバンク)である。
世界には、そんな動きがあるのか、と驚く人は、私、副島隆彦の本をまじめに読まない人だ。読め。これまでに何回も書いている。
この世界銀行と兄弟組織の IMF(国際通貨基金)に相当する準備基金の国際組織も同時に作りつつある。 世界は、確実に変わりつつ有るのだ。日本国民は、つんぼ桟敷(さじき)に置かれて、言論やニューズが激しく国内で、規制、統制されていて、国民がバカになっているから、世界基準(これがワールド・ヴァリューズだ)での知識を持たせてもらえなくされている。
「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿(みざる、さんえん)のお猿さんにされている。日本のバカ官僚のワルたちと、自民党のタカ派と、それをアメリカが背後から命令するからだ。
安倍晋三の 右翼内閣(ザ・カルト・オブ・ヤスクニ集団) は、早く終わってしまえ。そして、それよりは少しだけはマシな石破茂(いしばしげる)のちっとは穏やかな世界言うことを少しは聞く、内閣(政府)にするべきだ。
集団的自衛権(しゅうだんてきじえいけん)の容認の閣議決定(7月1日)というのは、東シナ海で軍事衝突(ぐんじしょうとつ。ミリタリー・コンフラグレイション。 まだ戦争ではない。)が起きることを想定して定めている有事法制で間に合うのに、それを、さらに踏み越えて、日本が軍事国家への道を、歩もうとすることである。
集団的自衛権を、政府(内閣の閣議で決める)が、歴代の法制局長官たちの政府の見解としてきた、「国際社会=国連憲章では、集団的自衛権(国連憲章51条)は、認めている。しかし、その行使の容認は、日本国憲法が許さない。その自衛権の行使は、憲法の規定を越えるから違憲である、とする。
この法務省官僚たちの歴代の答弁を、政権政治家たちの集まりである政府=内閣の意思として、今回、はっきりと、「官僚決定が 政府見解=政府の意思 を名乗るな」として、ひっくり返したものだ。そのための手続きを、自分たち安倍政権(自民党政府)は、この度(たび)、はっきりと決議しました。
従って、これまでの歴代内閣法制局長官(東大法学部出の法務省官僚の集まり)が守ってきた(先例拘束として)ことを破棄したものだ。
だから、私、副島隆彦は、ここでは、「憲法改正の手続きをしっかり取るべきで、それをしないで、解釈で憲法を変える(解釈改憲、かいしゃくかいけん。憲法が、軍事衝突の準備までしていい、と解釈すること)は許されない」と、答弁した、公明党=創価学会の勢力の考えだと、それでは次の手続きとして、憲法改正を議論しましょう、という、ふうに、相手の思う壺に入るので、そういう態度と、思考はしない、相手の手(策略)に乗らない、という一歩引いた態度を、私、副島隆彦は取っている。
実は、この集団的安全保障の行使の容認の問題は、フィリピンが中心だ。フィリピンのベニグノ・“ノイノイ”・アキノ大統領を中心にして東アジアの海洋での中国を封じ込めるためのアメリカ政府(オバマ政権)の意思決定に基づくものだ。
フィリピン海軍が、中国海軍とぶつかる(軍事衝突。戦争=ウォーフェア warfare =ではない。その2歩手前)ことを想定して、アメリカを総大将とする、鶴翼(かくよく)の構えのうち、その右翼 を、日本、韓国、台湾に堅めさせ、左翼を、ベトナム、マレーシア、インドネシアに堅めさせようとする、アメリカの 東アジア版の、 NATO(ネイトー、北大西洋条約機構)の構築の動きである。だが、そんなにうまくはゆかない。東アジアの華僑の勢力が、親中国政府で動くから、この中国包囲網を突き崩して来る。
実は、今の世界の政治の焦点の中心は、誰あろう、インドネシアである。
インドネシアの政治が世界の中心だ。 先週の7月9日に、大統領選挙があった。それで、ジョコウィ(ジョコ・ウイウイ)という清潔で国民思いの立派な人物(オバマとそっくり)が、45%の得票(投票率72%?)をして当選したようなのだ。
ところが、いかにも悪人顔の、プラボウォという軍人あがりのワルが、その選挙結果を認めない、と騒いでいる。 このインドネシアの戦後政治の長い悲劇を、多くのインドネシア人を虐殺してきた、元戒厳令司令官=首都戦略軍司令官とかいう恐ろしい経歴のプラボウォに表れる、インドネシア国軍、右翼たちが、どうも、クーデターを掛けて、軍事国家になりそうな気配である。それでインドネシアが緊張状態にある。
人口2.4億人のインドネシア(天然資源がものすごく豊富)はBRICSに続く、準経済成長大国であり、トルコ(人口9千万人)やナイジェリア(アフリカでは。1人口.4億人)や、ブラジル(2億人)と共に目下、激しく成長している国である。
このインドネシアの政治が安定して、成長経済が続けば、世界がこの辺りを中心に発展する。 もし、ジョコウィが大統領に就任できず、暗黒の軍事国家への後戻りが有るようだと、インドネシアは、再び歴史の闇の中に隠れてしまう。私が、デヴィ・スカルノ夫人と対談して、かつ彼女の回想録(自伝)を読んで分かった、「インドネシアの戦後政治の悲惨」の重要性については、ぼやきの会員ページに載せた。
インドネシア政治映画の、最近の衝撃の名作である、「アクト・オブ・キリング」を見たら、インドネシア人が、1965年の9.30事件(以降の2年間)で、200万人ぐらいが、多くが針金で首を絞め殺されて河に捨てられた、そして、その多くをインドネシア国軍がおいない、その裏からアメリカのCIAが指揮した(そして、スハルト政権という傀儡政権が出来た)ことが、よくわかった。
この血塗られたインドネシア国軍の、暴力団そのもののワルさを、もし、日本の右翼勢力が、それと自分たちは、同じぐらいの暴力団体質の人間で、座るときには、足を開いて座る、という生来の右翼、暴力団人間だと、自民党の幹部になっている者たちまでが、自覚するようだと、日本の政治も血塗られた裏側を持っている、ということになる。
インドネシアやインドは、サッカーが強くなることはないだろうが、このインド系の肌が褐色で浅黒い人たちは、そのまま、地球をぐるりと回って、おそらくブラジルや、コロンビアや、パラグアイ、エクアドル、ベネズエラ、ペルーなどの、混血有色人種と全く共通の世界感覚を持っている。このことが重要だ。
インドネシア人は、インド人の一種である。そして、500年間(それこそ、日本の平戸にポルトガル人たちが1540年頃に出現したのと同じ時だ)の残酷な支配をした、ポルトガルそのあとオランダの支配を受けて、その間に、確かにオランダ人と混血している。
それは、アルゼンチンに、スペイン系だけでなく、貧乏な食い詰めのドイツ人やイタリア人が入植して混血している事実に現れている。その他に、ナチス・ドイツの将校だった者たちも大量に、バチカンの手引で、南米過酷に逃亡して生きた。
だから、オランダ人が確実に微(かす)かに混血しているインドネシア人は、世界性としても、ブラジル人や、北アフリカ人(マグレブ人。セム系。南イタリア人もアラブ人との混血だ)と、世界共通の感覚を、今、持っているのだ。彼らの方が日本人よりも、政治センスや、世界共通の感覚を持っている。このことを分かることは重要だ。
今の日本人は、70年代までの高度成長経済で豊かになったものだから、どうしても、思い上がっている。だから、「私たち日本人は肌の白い白人と同じ、先進国で、奇麗な国で、優秀な名誉白人種なのよ」 と、密かに思ってる。
それで、今も世界中にいる、白人たちの中の、ヨーロッパ白人優越主義者=人種差別主義者 ( これには、「プロウ・ホワイト・オーストラリアン」=白豪=はくごう=主義のオーストラリアを含む。ところが今のオーストラリアは国民の12%が中国系にいつの間にかなっている。)は、批判されるべきだ、ということになる。
世界は、今、確実に、そのように、西洋白人種(コーカソイード)と黒人種とインド人種の混ざった サイボーグのような褐色の人種の世界になりつつ有るのだ。そのことが、ワールドカップを観ていたら、実によく分かった。
こんな、日本のような、衰退国家にしがみついて、私の弟子たちの一部でさえ、自給1300円のコンビニ店員であるような、おそろしい停滞(ていたい)国家で、インフラだけは異常に整備され、公務員というふざけた人種(何だかんだで1千万人いる)だけが、「自分の生活は大丈夫」のような、ひねくれ者の国に生きていると、本当に、自分の感覚のほうが、おかしくなる。
世界は、BRICSの 貧乏人口大国を中心に、どんどん伸び上がっている。どこの貧乏国も、指導者がしっかりしていれば、成長経済を地で行っている。
中国は、地価が暴落しているから、もうすぐ、崩壊する(暴動が各地で起きる)と、書き続ける、バカな耄碌(もうろく)ジジイの長谷川慶太郎を筆頭に、今年、2014年が、「中国崩壊論」 が、賞味期限の切れる、最後の年だと、思い知るがいい。今年中に中国が崩壊しなかったら、こつらの負けだ。
ところが、こいつらは、生来、ズルい性格をした、悪い人間たちだから、また、別のコトバを考えついて、「中国悪漢(あっかん)論」とかでも書いて、自分たちの予測のハズレを糊塗(こと。ウソで塗り固める)するのだろう。中国は崩壊などしない。まずまず元気で、日本など無視して、どんどん太平洋に出張ってくるよ。
どうするんだ。その時。本当に、中国と 戦って、戦争をする気があるのか、お前たちは。アホめが。そのくせ、「そのとき、果たして、アメリカが助けに来てくれるだろうか 」などど、いつまでも、自己疑問文の、「昔の左翼リベラル派の十八番(おはこ)だった、自己宛(あ)て疑問文を、書き続けて、取り澄(す)まして生きているがいい。他に考えることもないし、中国、北朝鮮、韓国を貶(けな)すこと、見下げること、脅威に感じること以外に、自分のうまくゆかない人生の捌(は)け口は無いのだから。心底、バカなやつら。
こんな貧乏たれ、の衰退国家の日本など尻目(しりめ)にして、ブラジル人、インドネシア人、アルジェリア人 のような南米褐色混血人種を中心にして、世界は進んでゆく。 日本の若い人は、元気な人は、自分のうつ病を治したかったら、外国に出稼ぎで出ることを本気で考えるべきだ。
ただし間違っても、アメリカ合衆国や、イギリスのような、これまでの世界覇権国(世界帝国)にだけは、どうせ、ビジネス・チャンスなど、何も残っていないから、行かないように。エリート大学留学も、アメリカの人騙(だま)しの一種の、学校屋(がっこうや)という商売だから、だまされたらいけない。
ワールドカップ決勝戦の会場には、ドイツのメルケル首相(この女が、今や、ヨーロッパの団結の女帝だ)も来ていて、ジルマ・ルセフ大統領の横に居た。メルケルは、天然ガスのロシア経由での輸入の話もあるので、プーチンと真剣に話し合って、アメリカの言うことなど聞かないで、ヨーロッパの生き残りを賭ける。 もう、アメリカの軍事力も限界だと、よく分かっている。
ブラジルの大統領のジルマ・ルセフは、苦労の多い自分の大統領の職を必死で続けている。この女も、ブラジル解放運動の左翼ゲリラ上がりで2年間、刑務所に居た女だから根性があるだろう。ドイツが勝った瞬間で、さすがにメルケルの様子をカメラが写した。
世界向けの報道だ。ワールドカップの最中は、世界中で、ゲリラたちや、中東のならず者の武装集団たち(ジハーディスト。サウジアラビアやCIA、イスラエルのモサドの資金で雇われている)でも、サッカーの試合を見ているだろう。 インターネットの中継でも見れるだろう。だから、私も見た。
今日からブラジルに世界各国の指導者たちが集まって会議を開く。これは、アメリカ主導ではない。ヨーロッパの没落、衰退、気取り屋白人国家どもの主催でもない。浅黒い肌をした、有色人種たちの主導する世界会議だ。これからの世界は、こうやって、決まってゆく。
だから、2016年のオリンピックまでは、急激に成長する新興国を助けるために、またブラジルが主催国だ。ところが、その次の2020年は、日本(東京)にやらせろ、このままでは、日本が危ない。先進国の一角が、アジアで崩れるのは、まずい、という高所(こうしょ)からの戦略判断で、日本にオリンピックをやらせることにしたのだ。
貧乏国に追いつかれて、自分たちが貧乏に転落しそうになっている 先進国同盟からの反撃だ。だが、成長の止まった国に、高層ビルや、道路、橋のインフラを整備するだけで、日本に成長経済が戻るのか。おそらく無理だ。狙いは、せめて、東京の、それも中心地の海側のところだけでも、外国への玄関として、カネをつぎ込んで、立派そうにしろ、ということだ。
日本の地方と田舎は、もう、草ぼうぼうで見捨てられている。全国、すべての地方都市が、シャッター通りのガラガラだ。商店街の店は閉まったまま、二階で老人夫婦が寝ているのだろう。この商店主階級の 100万人を、これから、破産させて、消してしまおうというのが、竹中(パソナカ)平蔵の、「300万社の中小企業の廃業率を10%に上げて、100万社を消そう」という「国家復興戦略」である。 こんな干からびた商店主たちでも、法人で会社の代表取締役社長なのである。すべては、騙しだ。
サッカーも、「民衆にはパンとサーカスを与えよ。そして、上手に騙せ」の一種だから、私は、生来、こういうスポーツ競技は好きではない。それでも、世界民衆が、そこに集まって、ワオワオワオとやっているのだから、その 各国の下層民衆の顔を見るのはいいことだろうと、テレビを深夜に見ていた。私も、元気を出さねば。
ここからあとは、私が、弟子たちと苦労して出版しました、 7月1日発売の『 フリーメイソン =ユニテリアン教会 が 明治日本を動かした 』( 成甲書房 刊)の宣伝をします。
この本は、掛け値なしに、すばらしい本ですから、買って読んで下さい。損はさせません。これまでに、副島隆彦の本を読んで、「この人は、本当のことを書いている。世界基準での真実を書いて日本国内に伝える人のようだ」と、分かっている人は、必ず、買って読んでください。自分の日々の生活で忙しいでしょうが、時間をなんとか作って、読んで下さい。
しっかり読んだら必ず、ビックリします。大きな真実に気づきます。それを、一作、一作を、私の弟子たちが、気合を込めて、書きました。この本は、日本の知識人、読者人層の、必読の書となって、これから長く、読まれてゆくでしょう。なぜなら、幕末、維新、明治時代になってからの、日本の国の作り方についての、一番、重要な、これまで秘密にされてきた事実が、これでもか、これでもか、というぐらいに、書き連ねられ、発見されているからです。
私、副島隆彦が、もっと、解説して、皆さんの 理解の呼び水、誘引となるように書こうと思うのですが、今日は、ワールドカップ(世界サッカー試合)のことを中心に書きましたので、またの機会にします。 会員ページの方にも、すぐれた論文を、どんどん発表しています。
会員で更新をしていない人は、この機会に、更新して、読んで下さい。 日本で一番 優れた知識、思想、学問の習得は、今の時代は、このような、ネット上の私塾(しじゅく)でしか、真実の勉強は出来なくなっています。 既成(きせい)の威張り腐った、制度や、教育集団になどは、もう何の新味も新奇さもないでしょう。
私たちの学問道場が、日本で最先端の政治思想、知識、学問を追究している集団です。このことを再発見していただく為にも、 前掲した 『フリーメイソン=ユニテリアン教会が 明治日本を動かした』をお読み下さい。
以下に転載するのは、 先ほど、私に届きました、編集者の吉野勝美(よしのかつみ)氏のこの本への高い評価と読書感想です。
(転載貼り付け始め)
『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』
の読後感
吉野勝美 筆
本書(『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』)の副島先生の長文の「はじめに」に、すべてが言い尽されていると思いました。
欧米の本当の近代史は、「無神論(むしんろん)」と「理神論(りしんろん)」の間に横たわる長きにわたる知識人たちの葛藤(かっとう)であること。ローマ・カトリック教団そのものが諸悪の根源であり、それと戦ったフリーメイソン=ユニテリアンたち との抗争が、日本の近代史にも反映しているということがよくわかりました。
初期の社会主義運動が、フリーメイソン会館から起こったという事実も驚きです。 佐藤優氏の帰依しているカルヴァン派の背景もよくわかりました。また、クエーカー教 とユニテリアン教会の密接な関係もよくわかりました。
これまで今イチ、わからなかったクエーカー教徒である新渡戸稲造(にとべいなぞう)の人生の謎も吉田祐二(よしだゆうじ)氏の優れた論考でよくわかりました。
さて、本書中でもっとも白眉な論考は、石井利明(いしいとしあき)氏の「福澤諭吉論」だと思います。私もこれまで、福澤諭吉にフリーメイソンの匂いを感じていて、その生き方に疑問を抱いていたのです。このたびの優れた石井利明氏の論考で、その疑いが一掃されました。
福澤諭吉は、明治維新当時の日本が、イギリス帝国からの属国支配から免れるために、アーサー・メイ・ナップ他のユニテリアンのハーバード大学の優れた教授たちを、慶応義塾に招き活用していたのですね。これを読んで、私も福澤諭吉への評価を変えました。
次に興味深かったのは、田中進二郎(たなかしんじろう)氏の「西周(にしあまね)」論です。資料の少ない分野を、田中進二郎氏はよく分析され推論されたと思います。幕府が開いた蛮書調所(ばんしょしらべしょ)に関わっていた西周が、その後のオランダ留学中に、ユニテリアン人脈を通してデモクラシーを学んだという発見は極めて重要です。
西周とグラバーとの関係も一歩突っ込んで推論されています。「万国公法(ばんこくこうほう)」が、それまでの熱狂的な尊王攘夷派の思想を大きく変えて、開国派に変えていったという叙述も優れています。また、西周(にしあまね)と山本覚馬(やまもとかくま)との関係も初めて知りました。副島先生が、逸早く才能を発見された田中進二郎氏のこれからの軌跡が楽しみです。
それから、六城雅敦(ろくじょうつねまさ)氏の「森鷗外」論が秀逸でした。私もかねがね森鷗外という文学者にあまり親しみを感じませんでした。その理由が、この論考を読んで納得できました。鷗外はダブル・スタンダードの人物だったのですね。
大叔父である西周から幼児から習いながらも、西を嫌った鷗外は、ユニテリアンからの影響も多く、ニーチェ思想に通暁していた。軍医としての鷗外は、東大医学部閥の悪習に染まり、「脚気(かっけ)伝染病説」に固執し、念願だった爵位獲得に失敗した。自分の出世のためには、山縣有朋(やまがたありとも)に追随するなど、鷗外の意外な世俗的な一面を知って、実に出色(しゅっしょく)の論考でした。
あまり世間には知られていない“長州ファイブ”の一人、「山尾庸三(やまおようぞう)」という「日本工学の父」になった技術者についての、下條竜夫(げじょうたつお)氏の論考も秀逸でした。
合理的なクリスチャンである、プリーストリーというスコットランド人の神学者の存在と、ユニテリアン思想の関係についての指摘は実に鋭いと思いました。マセソン社の便宜でイギリス留学をし、造船技術を学び取り、「日本の工学の父」と尊称された山尾庸三の足跡がよくわかりました。
下條氏の略歴を見ると、早稲田大学理工学部卒とあり、チューリッヒ大学にも学び、理学博士とのこと。このような優れた異分野の人材までが参加されている「学問道場」の裾野の広さを感じました。
その他、いつもながらの安定した論述をされている中田安彦(なかたやすひこ)氏の「後藤新平(ごとうしんぺい)」論、古村治彦氏の「尾崎行雄(おざきゆきお)」論、紅一点でありながら、同性ならではのユニークな女性論「津田梅子(つだうめこ)」論を展開されている足助友子(あすけゆうこ)さんの鋭い分析力と着眼点に感心しました。
津田梅子の、これまで言われて来た“つだつだしい女性 ”というイメージから、「愛と献身に生きる」素晴らしい女性像というイメージに転換させられました。
最後に、付章 として設けられた鴨川光(かもがわひろし)氏による、項目の翻訳文も勉強になりました。本書の重要なキーワードになっている「フリーメイソン」と「ユニテリアン」などの正しい語義がこれではっきりとわかりました。
その他も一読して傑出していると分かる論考がありましたが、言及は今回はこれで終わらせていただきます。
学問道場(SNSI副島国家戦略研究所)各位のますますのご研鑽とご健康をお祈り申し上げます。
平成26年(2014年)7月13日
吉野勝美
副島隆彦先生
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。このようなありがたい書評をいただきました。皆さんも、ご自分の読書眼力で、この本を読み破って、自分はこの点に鋭く気付いた、などのご意見や感想を、ここの重たい掲示板に、投稿でお寄せ下さい。
自分なりの研究もしている、という人は、私、副島隆彦宛てに、書いてきて下さい。 私は、急いで、能力のある若い人間たちを育てなければいけないのです。それが私、副島隆彦の人生に残された任務であり使命です。
さて、最後の最後にお知らせです。 来週の末 (7月26日、土曜日)に開かれます、私の金融セミナーへのお誘いです。
経営者や小金持ちの人で、金融や経済の先読みのことで、私、副島隆彦の最新の考えを直(じか)に聞きたいという人、および、自分は親の財産を相続するのだが、相続税や贈与税の強化で、不安を感じている若い人たちも、ご参加下さい。以下の概要ですので、要領に従ってお申し込み下さい。まだ席に空があるそうです。
学問道場の定例会である 講演会は、10月末に開催する予定です。詳細が決まりましたら、お知らせしますので、お待ちください。
副島隆彦拝
(講演会のお知らせ)
「 副島隆彦(そえじまたかひこ)の“予言者”金融セミナー 」 第8回
*日時:2014年7月26日(土)
*会場:ヤクルトホール 東京都港区東新橋1-1-19 ヤクルト本社ビル
開場・受付:10:00~
第1部:11:00~12:30 休 憩 :12:30~14:00
第2部:14:00~15:30 休 憩 :15:30~16:00
第3部:16:00~17:30(終了予定)
*受講料:15,000円(税込み)
*主催:ブレイントラスト企画(成甲書房内)
第8回金融セミナーへご参加を希望されます場合は、
お電話 03-3292-8401
FAX 050-3156-3040
メール seminar@seikoshobo.co.jp
で、お申し込みください。
副島隆彦拝
【1341】[1623]フリーメイソン研究の二冊の最新刊の本について
秘密結社フリーメイソンの世界史的役割を明らかにした最新刊二冊
投稿者:田中 進二郎
投稿日:2014年7月14日
7月初めに成甲書房から、『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』がリリースされました。最初は大書店の副島先生の本のコーナーだけに置いてありました。が、十日ほどたった現在は、関西私鉄などの駅の中にある書店の店頭でも平積みされています。
この本の人気に火がつくのはまさにこれから、というところでしょうか。
共同執筆者の一人(西周 にし あまね の章を担当)として、自分の塾の教え子に十冊ほど配布したところ、彼ら(中学生たち)は学校に持っていって、「読書タイム」に皆で読んでいる、とのことです。
「難しい。」と言いつつも、彼らはがんばって読もう、と思っているらしいです。
この『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』の発刊とほぼ、機を同じくして、フリーメイソン(リー)の歴史的役割を考察したもう一冊の研究書が出されています。
書名は『ロシアを動かした秘密結社 ― フリーメーソンと革命家の系譜』 植田樹(うえだ しげる 1940年生まれ)著 彩流社 2014年5月刊 です。タイトルも似ています。
フリーメイソンリーが、17世紀後半のロマノフ王朝、すなわち、ピョートル1世(在位1689~1725年)の治世から1917年のロシア革命に至るまで、ロシアに大きな影響をふるっていたことを、フリーメイソンリーおよびその他の分派の秘密結社の研究によって、明らかにした本です。
ピョートル大帝については、西欧化を推進させるため、貴族たちのアジア的な髭(ひげ)を強制的に剃らせたりしたということが知られている。高校の世界史の教科書(山川出版社)にも、その絵が載っている。著者植田樹氏は次のように書いている。引用します。
(『ロシアを動かした秘密結社』より引用開始)
ピョートル大帝にとってフリーメイソンとは西ヨーロッパ文明そのものだった。彼はロシアの近代化=西ヨーロッパ化にまい進した。アジア的な後れたロシアを短期間に近代化するには、西ヨーロッパの文物の大胆な導入と模倣が一番の近道だと考えた。彼は何よりも富国強兵をめざした。それは同じく脱亜入欧による近代化と富国強兵を目指した日本の明治維新より約200年も前だった。
ピョートル大帝は1697年、総勢数百人の大使節団を西ヨーロッパに派遣した。(中略)ピョートル自身は低い身分の随員の下士官に身をやつし、偽名でこの使節団に加わった。彼はこのとき25歳だった。
フリーメイソンの一人、ドイツの著名な数学者であり法学者でもあった、ゴッドフリード・ライプニッツ(1646~1715年)は、西ヨーロッパにおける合理主義や啓蒙思想の先駆者だった。その彼は東方の後進国ロシアを啓蒙し、西欧化することに強い関心を抱いたのだ。(中略)彼はピョートルのこの視察旅行を利用して若い皇帝を感化することを考えた。
ピョートル帝はブランデンブルク大選挙侯国に立ち寄ったあと、1689年イギリスに渡った。そして、イングランドのオラニエ公ウィリアム3世(1650~1702年)に会った。(彼はイギリス名誉革命の後にオランダから国王として迎えられた人物である。-田中注)
ウィリアム3世もまた熱心なフリーメイソンであった。そこから、このときにピョートル帝がフリーメイソンになった、という説もある。 (田中注-このあと、ウィリアム3世はピョートル帝とともに、オランダにわたり、旅案内役までしたそうである。Wikipedia[ウィリアム3世]の項を参照した。)
(中略)
ヨーロッパの上流社会で発展したフリーメイソンは団員を「兄弟」と呼んで、国籍や民族を越えた友愛と相互扶助の精神で連帯していた。それはフリーメイソンの「コスモポリタニズム(国際主義)」と呼ばれたが、根底では王族や貴族たちの国境を越えた家族的結びつきの延長線上の感覚だった。 -p48~51より
(引用終わり)
田中進二郎です。以上のように、ロマノフ朝のピョートル大帝は、秘密結社フリーメイソンリーのネットワークから、西欧の何たるかを学んだのだ。ピョートルの視察旅行は、このあと、ロシアの保守派の大貴族たちの反乱が起こったので、終わりになる。帰国したピョートルは反乱鎮圧後、直ちに西欧化政策を断行した。貴族たちの髭もこのときに剃られたのである。
さらに、ロシア正教会こそが、保守反動の牙城、アジア的因習の巣窟であるとして、主教にフリーメイソンの人物(フェオファン・プロコポヴィチ)を任じた。
このような開明的な政策の陰には、反対派に対するピョートル大帝の秋霜烈日な弾圧もあった。イワン雷帝(4世 1530~1584年)や日本の織田信長のような残忍な側面も残していたのだ。だから、ピョートルはヨーロッパの皇帝の肩書きである「イムペラートル」と東方的な「ツァーリ」を併用したのだ。
それから約一世紀を隔てて、啓蒙専制君主として知られるエカテリーナ2世の治世(在位1762~1796年)が到来する。ドイツ人であるエカテリーナ2世をクーデターで皇帝に担ぎあげたのもフリーメイソンたちであった。エカテリーナ2世即位まもないころのロシアの宮廷には、プロイセン国王フリードリヒ2世(大王)の威光が強く働いていたようだ。
啓蒙専制君主の彼はまた、プロイセンのフリーメイソンリーの総長でもあった。(前掲書 p63)
これよりさきに、フリードリヒ二世は七年戦争(1756年~63年)でハプスブルグ=オーストリア、フランス、ロシアに囲まれ、苦戦を強いられた。
フリードリヒ二世は、プロイセン王国を包囲する三人の女性による同盟(ペティコート同盟というものがあった)を打破するために、ロシアの宮廷内のフリーメイソンたちに女帝エリザベータを殺害させたのではないか、と私田中は考える。
だからその後、ロシアの皇帝には、フリードリヒ二世に心酔するドイツ人皇帝ピョートル3世が即位している。が、彼はフリーメイソンではなく、ただフリーメイソンの総長の地位を得ようとしていただけだった。そのように植田樹氏は指摘している。だから、再びフリーメイソンは宮廷クーデターで、皇帝を抹殺したのだ。こうして、エカテリーナ2世の治世が始まった。
このような具合に、ロシアの近代史はロシア革命に至るまで、実に多様に、連綿と、秘密結社フリーメイソンリーに動かされてきたということが、『ロシアを動かした秘密結社』を読めば納得できる。
また、ロシア革命のくだりでは、19世紀後半からテロも辞さないロシア社会主義の活動家、革命家たちが、いかにフリーメイソンリーの会員規約を研究し、模倣したかの考証がなされている。
ロシアの社会主義者は、フリーメイソンリーの結社精神から、個人主義を取り払い、秘密主義・集団主義の組織論を作り上げた。そして、ロシア革命ではフリーメイソン政権であった、ケレンスキー臨時政府が、ロマノフ朝最後の皇帝ニコライ二世を廃位させるのを待っていたかのように、彼らが主導権を奪い取った・・・。
新刊『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』を読まれた方は、こちらの本も読まれてみてはいかがでしょうか?
田中進二郎拝
【1340】[1622]投稿をお休みします
私事を申し上げ大変恐縮ですが、10/26(日)にTOEIC試験があり来月8/25(月)より申し込み受付開始となります。
以前にお話した古村治彦様の翻訳なさった本と並行して’フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした’の読破と重たい掲示板にその2冊について投稿させていただき一段落したとこで、試験勉強を本格的に始めるためにも原書
での読書(かなり読破だけでも時間を要するので)のため、しばらくの間重たい掲示板への投稿をお休みさせていただきます。
【1339】[1621]shoji@zenkeijikyo.or.jp
’フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした’
早速、購入しただ今読んでおります。
読破していませんが、今まで歴史教科書で嘘を教えられていたかと思うと官僚、政治家は尊敬はおろか信用には値しないとつくづく感じています。
【1338】[1620]shoji@zenkeijikyo.or.jp
副島隆彦先生ならびに翻訳者の古村治彦様遅くなりました。
でも、まだ読破済ではありませんが、鄧小平の章まで読み終えたので
書かせていただくことにしました。
近所に在日中国人の友人がおりますが、今でも中華人民共和国の建国者として天安門には毛沢東の写真が掲げられていても功労者は鄧小平だと言っていました。
確かに格差社会で社会主義は平等という矛盾も生まれた中であの方が
おらりなければ中国の発展はなかったことは自分でも納得できました。
話は変わりますが、最近、某団体のホームページを見て政治家の靖国参拝と閣議での集団的自衛権に異議を申し立てる主張をしていました。
靖国問題と集団的自衛権の問題は一体だと自分でも感じています。
国のために不幸にして犠牲になられた方々のための施設は環境省管轄(国が管理する)千鳥ヶ淵戦没者墓苑が一切の人種や宗教、軍人、
軍属、民間人をも問わないで慰霊するのであるとの主張が当然かと
私も思います。
沖縄県民の方で以前はアメリカと戦争をして多くの人々を犠牲にしながら、今度はアメリカと組んで戦争をするつもりなのかと言う言葉も聞きました。
戦争を起こす本人は戦場には直接行かずに戦場に生かされるのは常に底辺の人々ばかりだと。
【1337】[1619]Re:集団的自衛権
会員番号5693、福島県在住の本多です。自営業者です。
今回の「集団的自衛権の解釈見直し閣議決定」を私なりに考えてみました。
(1)デモクラシー(民政政治)の手続きを無視した。
デモクラシー国家では、その手続きを重要視します。一部の国会議員のなかには、日本はもうデモクラシー国家ではなくなった と喝破した人がいました。
海外のデモクラシー国家のメディアでは、「日本は憲法をクーデターで乗っ取った」という趣旨の報道がされております。
どんなに時間がかかろうが、煩雑だろうが、憲法改正という手続きをとらなかったことで世界に対しての反響は大きく、その反動も大きいと思います。(かえって、日本国の抑止力が減少したともいえます。)
(2)行政権力が憲法の解釈変更を行なう摩訶不思議な現象。
三権分立というのは、義務教育で習いますが、その精神は学びません。また、憲法は法律ではありません。たしか、橋爪大三郎氏が動画で「(憲法は)国民から権力者への命令書」といっておりますから、命令を受けた行政権力がその命令の解釈を勝手に変えるという愚挙に憤ります。
(3)最終判断は誰がする?
行政権力が暴走しているわけですから、三権分立からいえば、司法が判断するのでしょう。解釈変更した時点で裁判所に提訴すればいいのか、それとも、次の国会で、例えば自衛隊法改正が成立したら提訴すればいいのか、私も悩みます。多分、後者ではないかなと推察しております。
ただ、最高裁は、過去に米国からの指示で高裁審理を飛ばし、最高裁で米国通りの判決をだしました。有名な「砂川裁判」(日米地位協定入門、p239)で、米国の過去の文書が解禁されてわかったことです。だから、司法も100%信用できない哀しい状況であります。
(蛇足)日本人は「日米地位協定入門」を読まれることをお勧めします。
(4)権力の監視を行なうメディアが、ポチ公に。
行政の各部署にある記者クラブは廃止したほうがいいと思う。サラリーマン・メディアは、ある場所(記者クラブ)にいけば、情報(ネタ)が貰えるものと思っている節があります。事業を行なっている者からすると、どこにでもネタは落ちているし、いいも悪いも自分で判断しないといけない状況になります。
あと、紙媒体やラジオ系メディアはそうでもないのですが、映像のマスメディアは、視聴者受けする映像や、はしゃぎすぎる映像を作る傾向があります。
頑張っているのは、フリーの方々ですね。
(5)「妄想」私が安倍首相だったら・・・
昨年末、私(安倍首相)が靖国参拝をしました。私は新道政治連盟国会議員懇談会の会長をしておりますから、昨年は一度、行きたかった。その後、米国からの反応は凄まじく、また米国のメディアから「ABE is over」(安倍は終わった)と報道され、苦境に陥りました。
今年のはじめ、米国政府高官から、「日米(軍事)ガイドラインの見直し(年末)に向けて、集団的自衛権を有効にせよ」という恫喝(要望)がきました。私が推測するに、米国の債務事情から、世界の軍事戦略を見直し、「リ・バランス戦略」が打ち出されましたが、米国軍隊の代わりを周辺同盟国が負担する というもののようです。
私は、その内容を、日本国民に伝えることはできないと考えました。本当は、「日本は米国から、集団的自衛権を有効にせよと言われております。検討した結果、憲法改正手続きしかありません。しかし、時間がありませんので、米国の指示通りの「集団的自衛権の解釈見直し閣議決定」で行きたいと考えております。国民の皆様、ご理解をお願いします。」といったら、生涯、物言えない者になってしまう可能性があるのです。だって、彼らは(特にアーミテージは)ヤクザよりも怖いですから。
私は、ともかく、国会会期中に、「集団的自衛権の解釈見直し閣議決定」を行ないたいと決意しておりましたが、公明党が難色を示したため恫喝(政教分離の憲法に反する活動をしていると締め上げるぞ)して、会期後に、首尾よく達成することができました。
問題は、沢山ある関連する法律の改正問題です。次の国会で行なう予定ですが、私は真実を国会議場で述べることはできません。墓場までもっていく所存ですが、本当に正しい選択だったかは、いまでも考えます。何も言わないことで、国民に迷妄を与え、米国に対して鎧袖一触できなかったを悔やみます。
アーメン。
失礼があったらお許しください。特に(5)は、私の創作(フィクション)であります。
【1336】[1618]集団的自衛権について
会員番号7004番 五代儀(いよぎ)謙太郎です。国立学校の事務官をしています。集団的自衛権行使を憲法解釈で行うのはやむを得ないと思います。現行憲法の改正又は廃止には時間がかかります。政府として国に必要なことはやらなければなりません。また、手足を縛って喧嘩ができない状態で喧嘩をしないのと、手足は自由でいつでも喧嘩ができる状態でも、喧嘩をする必要があるかどうか自主的に判断して決めるのは違います。集団的自衛権行使が容認されたらすぐにも戦を始めるのでしょうか。我々を含めて日本人はそれほど愚かでしょうか。
【1335】[1616]集団的自衛権
会員番号7505 沖縄在住の田端です
集団的自衛権問題について、会員の皆様はどう思っているのでしょうか?どんな考えをお持ちなのでしょうか?重たい掲示板に意見が寄せられていないのが少々不満になり、まずは私、去年の4月沖縄に移住したばかりの“新米おばぁ”が思い切って投稿しました。「今、声をあげないで、何時あげるの?」そんな思いで、信頼する知識人の意見や本などから学んだことを参考に、おばぁの考えをまとめてみました。
<集団的自衛権行使容認についての考察>
来年は敗戦から70年目。これを前に日本は今、重大な岐路に立たされている。
安倍政権が「集団的自衛権の解釈改憲」で自衛隊の戦争参加を企てているのだ。
保守派の憲法学者でさえ、安倍政権のこの暴挙を、憲法違反!憲法破壊!と批判している。しかし、安倍首相は解釈改憲の閣議決定に突き進んでいる。
何故なのか?
かって日本は、およそ300年にも渡る鎖国が続いた江戸時代の末期、欧米列強の圧力で明治維新が起こり、天皇を中心とする新政府が成立した。
近代国家の道を歩み始めた日本は、西洋に追い付け追い越せと「富国強兵・殖産興業」が推進され、アジアの列強としての地位を占めるまでになった。
しかし、その後の国の在り方は「天皇制軍国主義」へと変貌、昭和に入るとアジア各国への侵略戦争を起こし、ついには太平洋戦争にと突入した。
そして敗戦・・・。
完膚なきまでに叩きのめされた日本は、ポツダム宣言を受諾し、アメリカの占領下の元で戦後の再建に乗り出した。象徴天皇制、主権在民、戦争放棄などを謳ったいわゆる「平和憲法」も制定された。その後1951年にサンフランシスコ講和条約を締結し独立した。(沖縄は1972年まで完全占領下のまま)
アメリカが押し付けた憲法とは云え、戦争放棄と平和を前面に打ち出した憲法は圧倒的国民の支持を得て成立したのだ。国民は民主国家の一員として新たな道を歩みはじめた。
政治面では日米安保条約を結び、日米同盟を基軸とした外交政策を取りながら、経済大国へと変貌を遂げた。しかし実態は、外交も経済もアメリカ一辺倒の傾向が強く、特に外交面においては、まさに島隆彦先生が名づけた「属国ニッポン」である。
集団的自衛権行使容認の背景には、アメリカからの強い要請があるといわれている。今や財政難で国力が弱まり、単独覇権国家としての力を急速に失っているアメリカ。そのアメリカの対中政策や東アジア戦略で、日本に軍事的役割を肩代わりせるために、集団的自衛権行使容認を強く求めているというのだ。
アメリカに逆らうことは出来ない日本・・・。
しかし、自衛隊の存在は、これまで何度かの解釈変更によって軍隊化してきた実態はあるものの、集団的自衛権は憲法違反に当たるとして、自民党歴代政権でも歯止めをかけてきた。
その理由は、集団的自衛権行使は事実上の戦闘行為になるため、武力行使による戦争放棄を定めた「憲法9条」に抵触するからだ。しかも平和憲法を作ったのはアメリカ。憲法9条の改憲は、アメリカの対日基本政策の否定に繋がりかねないし、対外的にはかっての軍国主義国家復活と受け止められる恐れがある。
この矛盾を解決しながら集団的自衛権行使容認するには、結局は、解釈改憲が一番妥当!と云うことになったのだ。
そのために第二次安倍政権は、秘密保護法制定、国家安全保障会議の創設、武器輸出拡大と着々と事を進めてきた。そしてついには集団的自衛権行使も容認しようとしている。背景にはもう一つ、安倍首相自身の苦い体験もあると思われる。
安倍首相は、政治家一家の三代目であるが、若いころは、ひ弱で非エリートのイメージが強かった。そのために彼は、早くから集団的自衛権行使容認と憲法改正を掲げ、保守本流の政治家としての地位を築いてきた。ところが第一次安倍政権を投げ出した退陣の仕方は、無責任で頼りないイメージを国民に植え付けた。「安倍はもう終わった!」とも言われた。
しかし、政権交代をした民主党の体たらくで自民党も安倍も復活した。
実は、アメリカの大統領に比べ日本の総理大臣は、圧倒的に強い権限を持っている。政策も予算も、その殆どが議会に決定権があるのがアメリカ。逆に日本は、政策も予算も時の政権が決められる仕組みになっているのだ。
安倍首相は、第一次政権を経験したからこそ、今、この強大な権限をフルに行使している。優秀な政治家や官僚をブレーンにすると、むしろ首相の権限は半減する。よって、第二次政権では自分の考えに賛同してくれる仲間や有識者で回りを固め、強大な権限を駆使しながら首相としてのリーダーシップを発揮しているのだろう。そして何より衆参ねじれ国会を解消したのが最大の力になっている。
今や怖いもの知らずの安倍首相、その表情は高揚感に満ち溢れている。
戸惑っているのは安倍さんを支持した有権者?
安倍首相の取り巻きの中に「日本はアングロサクソンに付いていけば100年は安泰!」と唱え続ける元外交官の岡崎行彦がいる。彼は以前からアメリカ従属論を露骨に叫ぶので敬遠されていたが、ここにきて表舞台に復活、今回の集団的自衛権行使容認の理論的役目を担っている。
そして、彼ら対米従属派を操っているのが、アメリカの「ジャパンハンドラー」と云われる面々である。マフィヤ面相のアミテージや学者のマイケル・グリーンなどが対日政策を担っている。しかし彼らは所謂外交の利権屋団体でもある。
今や金融資本主義に汚染されているアメリカ。大統領も議会も学者もメディアも金融業界に買収されている?との噂もある。事実、国の政策の多くは、金融界などが送り込んだロビイストによって作られ、強欲な一握りの大金持ちと大多数の貧困者との格差社会が拡大している。
外交政策までもがジャパンハンドラ―のような利権屋集団に牛耳られているのが実態である。小泉首相時代の郵政民営化もアメリカの押し付け、最近はまた、年金の株式運用を目論んでいる。アメリカ従属主義から抜け出せない限り逆らうことは出来ない。
アメリカに逆らったらどうなるか・・・は過去の例を見れば一目瞭然である。
そんなアメリカの後押しと安倍首相のかねてからの思いが一致し「戦争をしない国から戦争をする国への一大転換」が、欺瞞に満ちた解釈改憲だけで行われようとしているのだ。まさに暴挙暴政!これを許すと、いずれ国民にツケが回ってくるのは必然であろう。権力の暴走を止めるためにあるのが憲法である。
憲法破壊に繋がる集団的自衛権の行使容認を許してはならない。
来年2015年は第二次世界大戦終結70周年、日本は敗戦から70年目を迎える。この間、憲法9条によって戦争に巻き込まれることなく平和を享受してきた日本であるが、来年は敗戦国として「負の時代」がクローズアップされることは間違いない。天皇制軍国主義国家として戦争に突き進み、中国や朝鮮、アジア各国を侵略したことが再び蒸し返されるであろう。
ましてや日本は、戦争責任の受け止め方の曖昧さが今も批判されている。集団的自衛権の行使が容認されると尚更に批判が強まることが予想される。
これらを踏まえての国会審議をすべきだし、安倍首相に覚悟を問うべきである。
さて、その問いに安倍首相はどう答えるのか・・・。
【1334】[1615]「インドネシア 1965年9・30クーデター事件」について考えたこと
「インドネシア1965年9・30事件の謎について考えたこと」
投稿者 田中進二郎
今日は2014年6月8日 です。
ちょうど一ヶ月前の「今日のぼやき」(会員ページ 1447)に副島先生の、「『デヴィ・スカルノ回想記』からみるインドネシア戦後史の悲惨」という文章があります。
これに関連した映画『アクト・オブ・キリング』(The Act of Killing)が現在上映されています。副島先生も見られたそうです。この映画が公開になる前に、特別試写会でデヴィ夫人が、インドネシアで1965年のクーデターのあとに起こったことを話しています。この映画を私も見ました。また、デヴィ夫人の以下の文を読みました。
この大虐殺には日本も関与していた─映画『アクト・オブ・キリング』デヴィ夫人によるトーク全文 より前半部分を引用します。少し長くなります。
(引用開始)
60年代にインドネシアで行われた100万人規模の大虐殺。その実行者たちにカメラを向け、虐殺の模様を映画化するために彼らに殺人を演じさせたドキュメンタリー『アクト・オブ・キリング』が4月12日(土)よりロードショー。公開にあたり、3月25日にシネマート六本木で行われた特別試写会で、元インドネシア・スカルノ大統領夫人のデヴィ夫人、そしてジョシュア・オッペンハイマー監督が登壇した。デヴィ夫人は1962年、当時のインドネシア大統領スカルノと結婚し、第三夫人となった。1965年9月30日に、後に「9.30 事件」と呼ばれる軍事クーデターが勃発。夫スカルノは失脚し大統領職を追われ、デヴィ夫人自身も命からがら亡命した。今作は、その「9.30 事件」によって起こった100万とも200万とも言われる虐殺を描いている。試写会当日、映画評論家の町山智浩(まちやま ともひろ)さんの司会により、デヴィ夫人は自らが体験したクーデターの現場の模様や、アメリカや日本が当時の政権を支持することでクーデターや虐殺に関与していたことを生々しく語った。
「デヴィ夫人によるトーク」
デヴィ夫人: スカルノ大統領は別に共産主義者ではありませんし、共産国とそんなに親しくしていたわけではありません。あの当時(この映画の背景となっている1965年9月30日にインドネシアで発生した軍事クーデター「9・30事件」)、アメリカとソ連のパワーが世界を牛耳っていた時に、スカルノ大統領は中立国として、アジアやアフリカ、ラテンアメリカの勢力を結集して第三勢力というものをつくろうと頑張っていた為に、ホワイトハウスから大変睨まれましておりました。太平洋にある国々でアメリカの基地を拒絶したのはスカルノ大統領だけです。それらのことがありまして、ペンタゴン(アメリカの国防総省)からスカルノ大統領は憎まれておりました。アメリカを敵に回すということはどういうことかというのは、皆さま私が説明しなくてもお分かりになっていただけるかと思います。
1965年の10月1日未明にスカルノ大統領の護衛隊の一部が6人の将軍を殺害するという事件が起きてしまいました。(この事件は)その6人の将軍たちが、10月10日の建国の日にクーデターを起こそうとしているとして、その前にその将軍たちをとらえてしまおう、ということだったんですが、実際には、とらえただけではなく殺戮があったんです。建国の日には、大統領官邸の前にインドネシアの全ての武器、全兵隊が集まり、その前で立ってスピーチをする予定だったものですから、そこで暗殺をするというのは一番簡単なことだったわけなんです。エジプトのアンワル大統領(アンワル・アッ=サーダート)も軍隊の行進の最中に暗殺されたということは皆さまもご存知かと思いますが、そういったことが行われようとしていたということなんです。
7番目に偉かった将軍がスハルト将軍で、10月1日の朝早くに、インドネシアの放送局を占領しまして、「昨夜、共産党によるクーデターがあった」「将軍たちが殺害された」と言って、すぐに共産党のせいにしました。そして赤狩りと称するものを正当化して、国民の怒りを毎日毎日あおって、1965年の暮れから1966年、1967年にかけまして、100万人とも200万人ともいわれるインドネシアの人たち、共産党とされた人、ないしはまったく無関係のスカルノ信仰者であるというだけで罪を着せられて殺されたといった事件が起こりました。この度、この映画で初めてそれが事実であるということが証明されて、私は大変嬉しく思っておりまして、ジョシュア・オッペンハイマー監督には、その偉業を本当に心から心から感謝してやみません。何十年間と汚名を着たまんまでいたスカルノ大統領ですが、この映画で真実が世界的に広まる、ということにおいて、私は本当に嬉しくて、心より感謝をしております。
「当時日本の佐藤首相はポケットマネー600万円を、
殺戮を繰り返していた人に資金として与えていた」
町山:クーデターが起こった時、どちらにおられましたか?
デヴィ夫人:私はジャカルタにおりました。大統領もジャカルタにおりました。(スハルト将軍は)大変頭の良い方で、それがクーデターだとなったというのは結果的なもののわけで、要するに、その当時のインドネシアの情勢を完全に彼が握ってしまったということなんですね。そして当時の空軍、海軍の指導者たちにも国民から疑いの眼を向けられるようにしたりしました(*スハルトは陸軍大臣兼陸軍参謀総長)。その当時のアメリカ、日本はスハルト将軍を支援しています。佐藤(栄作)首相の時代だったのですが、佐藤首相はご自分のポケットマネーを600万円、その当時の斉藤鎮男大使に渡して、その暴徒たち、殺戮を繰り返していた人に対して資金を与えているんですね。そういう方が後にノーベル平和賞を受けた、ということに、私は大変な憤慨をしております。
(以下略 引用終わり)
http://www.webdice.jp/dice/detail/4161/ (以下こちらをご覧ください)
田中進二郎です。デヴィ夫人の以上の話を読み、私は佐藤栄作首相(当時)や、インドネシア大使斉藤静男(当時)という人物が、クーデター計画に加担していたことにショックを受けた。しかし、「スカルノ大統領が共産国とそんなに親しくしていたわけではありません。」というところは、「それは違うのでは?」と思いました。
映画『アクト・オブ・キリング』では、虐殺して回った民軍は、パンチャシラ青年団といい、インドネシア全土に現在も300万人の団員がいるという。オレンジ色の迷彩服を着て、集会を開く。この映画の主人公も、この団員であり、約1000人の華人や共産党員(PKI)を自らの手で殺したというチンピラヤクザである。 「パンチャシラ」―(インドネシアの建国五原則)の掛け声のもと、9・30事件のあと、スハルトの命令に従い、金で大量虐殺を実行した集団である。彼らは、1998年にスハルト独裁体制が終焉したあとも「国民的英雄」とされてきた。政府軍が手がけるとまずいという汚い仕事(暗殺)を、民兵に代わりにやらせる。インドネシア政治研究家の本名純(ほんな じゅん)氏によると、「国家暴力のアウトソーシング」だということだ。だから、完全に組織されている。
本名純氏の『民主化のパラドックス―インドネシアにみるアジア政治の深層』という本によると、このパンチャシラ青年団というのは、1954年に陸軍のナスティオン将軍によって組織された。ナスティオン将軍は、インドネシア独立当時(1945年)の国民軍を再び民兵として組織していった、ということである。
これは、インドネシア共産党の躍進をスカルノ大統領が応援し、自分の権力基盤を固めようしたことに対する、軍部の対抗策だったのである。
ナスティオン将軍は1965年の9月30日のクーデターの際に、邸宅を襲撃されたがかろうじて脱出に成功している。PKI寄りの左派軍人が起こしたとされるクーデターで、まっさきに命を狙われたのだ。
デヴィ夫人の自伝『デヴィ・スカルノ回想記』(p149~151)には、PKI派のクーデター部隊があっけなくスハルト将軍率いる国軍に鎮圧されたあと、デヴィ夫人はナスティオン将軍の妻と極秘で連絡を取り合い、情勢を把握しようとした、と書かれている。このときには、すでにイスラム団体や学生団体が国中で反スカルノ・デモを展開していた。ナスティオン将軍を、スカルノ大統領と軍の間のキャスティング・ボートになってもらおうと、デヴィ夫人は必死でスカルノ大統領の説得にあたった。が、彼女の願いは大統領には聞き入れられなかった。スカルノ大統領にとっては、1950年代に軍が彼にたてついたこと、その裏にいつも、アメリカのCIAがいたことが脳裏から離れなかったのだろう。
千野境子(ちの けいこ)著『インドネシア9・30クーデターの謎を読み解く―スカルノ、スハルト、CIA,毛沢東の影』という本では、クーデターの直前に、CIAがインドネシア共産党とスカルノ大統領を追い詰めていくために、偽造文書を作成したことが書かれている。この偽造文書は、「近くインドネシア国軍が武力で共産党を弾圧することが、『将軍評議会』において決まった。」という内容のものだったという。この文書をスカルノ大統領や、PKI議長のアイディッドが目にして、PKI側は先にクーデターを仕掛けることになったのだ、と千野氏は指摘している。
(同書 第四章「アメリカの工作」を参照した。)
1950年代からのCIAの次々と行われる工作に対して、「共産主義者ではなかった」スカルノ大統領も、PKIのクーデターを容認したのであろう。しかし、軍事行動に打ってでたPKIは、その動きをもつかんでいたスハルト将軍に逆にパクリとやられてしまったのだ、と私は考える。このあとは、アメリカCIAにとっては、やりたい放題だったろう。新聞紙、テレビなどメディアを総動員して、共産党員は吸血鬼か悪魔であるかのように、宣伝した。「残虐な共産党員」という映像をCIAは9・30事件の時までにすでに製作していたからである。デヴィ夫人が『回想録』の中で書いている。「こんなものは今までインドネシアのメディアにはなかったものですから、おそらくアメリカによって、準備されていたのでしょう。」と。
ここから、インドネシア全土で「赤狩り」虐殺が始まり、共産国以外では最大勢力(350万人の党員を擁していたという)インドネシア共産党は壊滅した。アイディッドPKI議長も逃亡後、銃殺された。また、このアイディッドを後ろから「武力革命をせよ」とけしかけていたのは、ほかならぬ毛沢東であった。毛沢東は大躍進運動に失敗し、劉少奇(りゅうしょうき)や鄧小平らが中国共産党を現実路線に移行させていくのを、黙って許すことはしなかった。PKIが壊滅していく中、「盟友」だったはずの中国は動かなかった。国連(United
Nations 連合国)もまた動かなかったけれども。9・30事件から二ヶ月もたたない十一月に中国では文化大革命が始まるのである。毛沢東はアジアへの「革命の輸出」に失敗したとみてとると、次は中国国内の現実路線の政治家たちを追い落とすことに本格的に動きだしたのである。毛沢東にとっては、PKIの党員や、インドネシアにいる華人たちの運命や、
ましてや、インドネシアの農民たちがどうなろうとどうでもよかっただろう。もう用済みだ、と考えていただろう。文革の始まる前に、『毛沢東語録』(the Red Book)をなんと5億冊も印刷させている。(このことは新刊『野望の中国近現代史―帝国は復活する』オーヴィル・シェル、ジョン・デルリー著 古村治彦 訳 のp281 にありました。)
これは中国とインドネシアの関係に今でも影響を及ぼしているという。つまり、スカルノ大統領の時のように、中国を政治の世界で全面的に信頼してはいかん!という教訓が後々のインドネシアの政治家たちに引き継がれている、ということである。
大変長々と書いてしまいました。恐縮です。
●参考文献
『デヴィ・スカルノ回想記―栄光、無念、悔恨』 (草思社 2010年刊)
千野境子著『インドネシア 9・30クーデターの謎を解く』(草思社 2013年刊)
本名純著『民主化のパラドックス―インドネシアにみるアジア政治の深層』(岩波書店 2013年刊)
オーヴィル・シェル、ジョン・デルリー著 古村治彦訳『野望の中国現代史―帝国は復活する』(ビジネス社 2014年6月刊)
追記:映画『アクト・オブ・キリング』はまだ上映されているようです。
田中進二郎 拝