重たい掲示板

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田中三郎 投稿日:2014/08/16 20:31

【1351】[1637]中国人と韓国人を贔屓にするのでしょうか?

なぜ、副島さんは、中国人と韓国人を贔屓にするのでしょうか?
中国人には、靖国参拝で酷い内政干渉され、韓国人には慰安婦問題で組織だってさせていたとか、まことに聞くに堪えないことばかり言われ挙句の果てには、天皇陛下があやまらなければ、許さないとかいっている。一日本人として情けない限りです。将来は中国は世界の覇権国になる国だから、忍耐するべきであると副島さんは言うが限度があると思います。

7721 中西 投稿日:2014/08/16 04:45

【1350】[1636]ジョン・ル・カレについて

私の大好きな作家、ジョン・ル・カレについて勝手ながら書きます。唐突に、すみ
ません。
ル・カレと言えば、イギリスのスパイ小説の巨匠として有名です。ただ実際は、ミ
ステリーの枠に入りきらない巨大な作家です。
彼の大きな特徴として、「長い」「複雑でわかりにくい、読みにくい」というのが
厳然とあって、一筋縄でいかない作家でもあります
(本人自体、スパイに近いような仕事をしていたため、あれほど克明な小説を書け
たようです。現在83歳でますます揚々と書いてます)
ここ数年は、反米(反CIA)・反グローバル企業の立場を明確に示してきており、そ
のせいか最近はあまり宣伝もされないように感じていましたので、あえて今日書く
次第です。

以下が、主な代表作です。

・「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」「スクールボーイ閣下」「スマ
  イリーと仲間たち」

 世の中で、スマイリー三部作(スマイリーとは主人公の名前)として一番有名な
 ものです。未だに一部のミステリーファンからは、これを上回るものは書けてい
 ないと呼ばれているものです。(頭が古い)
 内容は、イギリスの諜報部員とソ連の諜報部員との戦いです。かなり読みにくい
 です。
 数年前、「ティンカー~」の映画<邦題名 裏切りのサーカス>を見ましたが、こ
 んなにわかりやすい筋だったのかと感心した次第です。ちなみにこの映画は傑作
 です。
 私個人としては、「スマイリーと仲間たち」が一番好きです。

・「リトル・ドラマー・ガール」

 私の大好きな作品です。イスラエルにさらわれてスパイとして調教されたイギリ
 スの2流女優と、パレスチナゲリラの若手ボスとの壮絶な戦いを描いたものです。
 読むとわかりますが、一見イスラエル側にたった小説ですが、読後感はパレスチ
 ナ側により強い共感を覚えるすばらしい作品です。

・「パーフェクト・スパイ」

 ル・カレが全精力を注ぎこんだ大傑作です。人はなぜ2重スパイになるのかとい
 うのを、克明に書いています。ただしこれは、全作品の中でも一番読みにくい小
 説なので、初心者はこれから読むのはやめた方がいいです。
 私の一番好きなシーンは、失踪した主人公の妻が、かつての上司(愛人)に延々
 と訊問されるシーンです。じわじわっとした迫真感に圧倒されます。

・「ナイロビの蜂」

 巨大グローバル製薬会社のアフリカでの悪事<結核菌をばらまいている>を描い
 ています。おそらくル・カレは、HIVの代わりに結核菌を書いたのでしょう。現に
 巻末の著者レビューでは、「現実はこの小説よりはるかにひどい」と言ってます。
 小説として非常に面白く、大好きな作品です。ル・カレを最初に読むには、これが
 一番いいかもしれません。

・「サラマンダーは炎のなかに」

 アメリカの大悪事を描いています。ただ、正直なところ寓意が強すぎて、小説とし
 てはあまり成功していないような気がしています。私が、ル・カレの意図を読み
 とれなかっただけかもしれませんが。

・「誰よりも狙われた男」

 ル・カレが77歳の時に書いた傑作です。つい最近読み終えたばかりですが、久しぶ
 りに絶好調の作品に出会えてうれしくて、重掲にこの一文を書いてしまいました。
 結局は一番悪い奴(CIA)が勝ってしまう小説ですが。

上記の他にも、「寒い国から帰ってきたスパイ」「ミッション・ソング」等の傑作が
あります。

尚、私がル・カレが好きなのは、決してその主義主張に影響されている訳ではなくて、
すごい骨太の小説をずっと書き続けているからになります。
もしまだ読んでいない方は是非。
雑文、失礼いたしました。

副島隆彦 投稿日:2014/08/12 18:18

【1349】[1635]プーチンの訪日(招待)を、安倍は断念せよとアーミテージが圧力、脅迫。

副島隆彦です。

以下に載せる、昨日の日経新聞の、ディック・アーミテージ( 日本をアゴで使う極悪人) へのインタヴュー形式をとった、安倍首相への、 「プーチンを日本に呼ぶな。平和条約の話を進めるな。それはアメリカと西欧(G7体制)への反逆である」 とする、恫喝(どうかつ)、脅迫の 記事が載った。これは重要だ。このように圧力をかけることを、「日本に賢明な決定を望む」と 言うらしい。

目下の日本政府と外務省の苦慮の様子が、手に取るように分かります。

このアーミテージへのインタヴューのうしろの方で、日本操(あやつ)り対策班(=ジャパン・ハンドラー図) の頭目(とうもく)である、アーミテージが、「 (アメリカは、日本には)多国籍軍など集団安全保障への参加を期待していない」と、はっきり言っていて、笑ってしまう。 

 アメリカは、国際社会を理解しないで、勝手に暴走する日本右翼たち(安倍晋三以下)の勝手な行動( 自分たちが扇動して、あやつっているくせに)が迷惑なのだ。

(転載貼り付け始め)

◯「アーミテージ元米国務副長官、プーチン氏訪日「賢明な決定を」 」

2014年8月11日 日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM06H1U_R10C14A8FF8000/?n_cid=TPRN0005

 知日派として知られるアーミテージ元米国務副長官は日本経済新聞とのインタビューで、ウクライナ情勢がこのまま悪化を続けるなら、今秋と 見込まれているロシアのプーチン大統領の日本訪問について安倍晋三政権に「賢明な決定」を期待すると表明した。訪日を巡り日本側に慎重な判断 を促す発言だ。

 ウクライナ情勢に絡み欧米とロシアの制裁の応酬が激しくなる一方で、ロシアは農産物の輸入を禁止するリストから日本を外した。ロシア側に は日本との関係を維持し、主要7カ国(G7)を分断する思惑も浮かぶ。

 アーミテージ氏は安倍首相の対ロ外交に関して「ロシアのエネルギーを巡りプーチン氏との間で上手な外交を展開しているのは理解している。 日本のエネルギーの安定は米国にも恩恵をもたらす」と語った。

 そのうえで「首相はウクライナ情勢を巡る国際的な合意から外れないようロシアに慎重な立場で接している。日本はまだプーチン氏の訪日を決めていない」と述べ、欧米の追加制裁の効果を見極める必要があるとの認識を示した。

 プーチン氏にはウクライナ情勢の安定への取り組みを促すとともに「プーチン氏がウクライナ情勢の悪化を放置するなら、日本に賢明な決定を望みたい」と訴えた。

 プーチン氏の訪日が延期になった場合に北方領土問題が行き詰まるとの懸念に対しては「1945年から行き詰まったままだ。プーチン氏が訪日しても妥協したいかどうかは分からない」と主張した。

 他国の首脳と比べ安倍首相とプーチン氏の相性が合うとの見方について尋ねると「首相から聞いたことはない。日米関係は、ほかのいかなる関係より良好で、重要だ」と力説した。

 安倍政権の安全保障法制の見直しに関して米側が国連決議に基づく多国籍軍など集団安全保障への参加を期待しているとの観測に対しては「その期待はない」と否定的な考えを示した。

 そのうえで「例えば海で米艦船や航空機が攻撃を受けた時に日本が助けに来ることができるなら、それは 期待したい」と語った。

 アーミテージ氏は拉致被害者ら日本人の安否を巡る再調査に北朝鮮が応じたことを受け「首相は長年、人権問題として取り組んでおり、進展を望んでいる」と述べた。

 米政府が拉致問題が先行し、核やミサイルの問題が置き去りになるのを懸念しているとの見方を一蹴。「日米で十分、意思 疎通をしており、米側は日朝で何が話し合われているかも理解している」と強調した。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。次の載せる、 5月21日に ロシアと中国の間で結ばれた、
「2018年から30年間、年に380億立方メートルの天然ガスを、4000億ドル(=40兆円)で、ロシアが中国に供給(輸出)する」という 契約は、ものすごく重要だ。 

これは、LNG(液化天然ガス)に換算すると、100万BTU(ビー・ティー・ユー英国熱量単位)あたり、9.4ドルである。ロシアが、中国に譲歩して、ウクライナ問題での 米、EUからの経済制裁にに対して、大きな防禦の姿勢にはいって、「ユーラシア同盟」の戦略に入ったことを示している。 プーチンの頭脳は、冴えている。

 このエネルギー代金(燃料費)契約を中心に、これからの世界各国の それぞれの エネルギー(燃料代、電気代)国家戦略が、決まってしまった。 これからの世界の 政治の動きにとっても、ものすごく重要な契約の締結だった。 プーチンと 習近平は、新しい世界秩序への舵(かじ)を切った、と言える。

(転載貼り付け始め)

◯「ロシアのガスプロム、中国への天然ガス供給契約に調印」

2014年5月22日 ロイター

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0E10SH20140521

 ロシアと中国は21日、ガスプロムによる中国への天然ガス供給で合意し、契約に調印した。長年続いた中ロ両国の交渉がようやく実を結んだ。

 契約によると、ロシア側は2018年から30年間にわたり毎年380億立方メートルの天然ガスを供給する。総契約額は4000億ドルを上回ったとみられる。

 ガスはシベリアのガス田から中国の沿岸部近辺に続く新規パイプラインを通じて供給される。

 契約はガスプロムと中国石油天然ガス集団(CNPC)との間で交わされ、中国訪問中のプーチン・ロシア大統領と中国の習近平国家主席はこれに立ち会った。

 プーチン大統領は今回の契約について「旧ソビエト連邦時代を含め、ガス部門で最大規模の契約となった」とし、「ロシアのガス部門にとり歴史的な出 来事となった」と述べた。

 ガスプロムは価格面での合意内容を明かしていないが、プーチン大統領は中国への供給価格について、市場価格に連動する欧州向け価格に類似した方式 で設定されると述べた。

 中ロ両国の交渉は10年以上にわたり価格面で折り合わずに平行線をたどってきた。ウクライナ情勢をめぐり欧州諸国がロシア産ガスへの依存度を引き下げようするなか、アジアでの新たな協力関係構築を目指すプーチン大統領にとって は成功を収めた格好となったが、通商上の成功かどうかは価格などの条件に左右される。

 交渉では、中国がガス代金の一部を前払いし、ロシア側のインフラ費用の調達を支援するかが焦点だったが、ガスプロムのアレクセイ・ミレル最高経営 責任者(CEO)によると、この点での合意はまだないという。

 ただロシアのノバク・エネルギー相は上海で行った記者会見で、中国が最大250億ドルのガス代を前払いする可能性があることを明らかにした。

 プーチン大統領は、今回締結した契約の一環として、中国がロシア側のインフラ開発などを支援するために約200億ドルを支払うことを明らかにした。

 同大統領はまた、ロシアは天然ガス探査と中国に続くパイプラインの建設に550億ドルを投資すると表明。中国国内部分のパイプライン建設は、CNPCが請け負う。

 業界筋によると、ロシアは中国に対し1000立方メートル当たり約350ドルで天然ガスを供給することで合意したもよう。西欧諸国への供給価格は 長期契約の下で350─380ドルとなっている。

 交渉に関与した企業の関係者は、ガスプロムは1000立方メートル当たり350ドル以下での供給には反対したとしている。

 また関係筋によると、中国はトルクメニスタンからの天然ガス供給に支払っている100万BTU(英国熱量単位)当たり約9ドルより高い価格でロシ ア産ガスを輸入することを提案。これに対し、ロシア側が提示した最低価格は100万BTU当たり約9.67ドルだったとしている。

 アナリストの間では、今回の契約に至る交渉では政治的な要因が作用したとの見方が出ている。

 ノムラのアジア原油調査部門責任者のゴードン・クワン氏は、「欧州連合(EU)の対ロシア制裁によりロシアが打撃を受ける可能性があることを踏まえると、ガスプロムは高い価格で契約を結ぶことができる立場にはない」と述べた。

 契約締結の発表を受けガスプロムの株価は一時約2%上昇したが、その後は上げ幅を縮小し、前日終値比0.85%高でこの日の取引を終えた。

今回の契約は、拡大しつつあるアジアの液化天然ガス(LNG)市場でガスプロムが存在感を拡大させるきっかけになる可能性もある。

 ガスプロムはロシア極東のウラジオストクに液化天然ガス(LNG)基地を建設する計画だが、今のところ、アジア地域の需要に応えられるだけの天然 ガスを基地に供給するインフラが整っていない。

 ただ中国向けのパイプライン建設で状況が変わり、中国東部沿岸のほか、日本や韓国向けのLNG輸出にウラジオストクに建設予定のLNG基地が活用できる可能性も出てきた。

 ガスプロムの中国への供給契約締結を受け、ロシア株価が上昇。ドル建てのRTS指数.IRTSは1.4%、ルーブル建てのMICEX株価指数は 1.0%高で終了した。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 最後に載せる記事は、11月に行われる上海でのAPEC(エイペック)の会議で、このままでは、日本の安倍首相だけが、習近平と首脳会談が出来なくなる、という問題だ。日本の首相である自分だけが、中国から相手にされない、という赤っ恥を世界に晒(さら)したくないものだから、福田康夫(ふくだやすお)元首相( この人は、本当に賢慮の人だ。力はないが)が持つ 分厚い、堅い 中国とのパイプを使って、何とか、「安倍・習近平会談を実現して下さい」と、中国に頼み込んでいる、みじめな姿を表している。

それが、以下の新聞記事では、なんだか、立場が反対のように書いている。健気(けなげ)な、番犬記者たちの努力だ。

 昨日 (8日)だったか、もうすぐ辞めさせられることが決まっている、宏池会(こうちかい)系の 若い岸田外相が、 ミャンマーの首都ネピドーでのASEAN(アセアン)外相会議のあと、会議場の通路で、 中国の王毅(おうき、ワンキー)外相(=外交部長。日本大使もした。日本語をしゃべる)に、みっともないことに何と通路でだ。岸田は、会議場を出たところに通路で、王毅を、追いかけていって、縋(すが)りつくようにして、「お願いしますよ。お願いしますよ」と、安倍・習近平会談の実現を哀願(あいがん)していた。中国の王毅(おおき)外相は、みっともない奴だなあ、と迷惑そうな顔をしていた。 これが、日本が置かれている 世界での真の姿だ。

 こんな事になるなら、初めから、あんな愚かな、中国たたき、韓国たたきなどという、身の丈知らずの、世界から見た時の自分の実像に自覚のない、馬鹿な行動を取らななければよかったのだ。 虚勢なんか張っていられる立場かよ。 日本国民の大半を騙(だま)して、日本国内だけはなんとか、威張っていられると思っているのが、安倍晋三たち右翼(タカ派)自民党の 愚かさだ。 まさしく 右翼たち特有の 学力不足=生来の低能 。

(転載貼り付け終わり)

◯「習主席も打開策を模索=福田元首相と異例の極秘会談-国内の反日感情意識
か・中国」

2014年8月3日 時事通信

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201408/2014080300075&g=pol

 複数の消息筋によると、中国の習近平国家主席が7月27日に北京入りした福田康夫元首相と極秘裏に会談していた。

 習主席が受け入れたのは、北京 でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を11月に控え、緊張を続ける日中関係に懸念を強め、打開策を模索したい意向があるからだ。し かし安倍晋三首相の対中姿勢に反発する中、尖閣諸島や歴史問題で妥協はあり得ず、APECでの首脳会談実現が厳しい現実に変わりはない。

 習主席は2013年1月に山口那津男(やまぐちなつお)公明党代表と会談したが、日中関係筋は今回の福田氏の訪中や会談について「極秘で進められた」と明かす。

 小泉純一郎首相(当時)の靖国神社参拝で日中関係が悪化した05年9月に経団連の奥田碩(おくだひろし)会長(当時)らが極秘に北京入りし、胡錦濤国家主席(当 時)と会談したケースがあるが、中国最高指導者は外国要人と会談すれば、国営新華社通信や中央テレビなどが大きく報じるのが通例。今回は極めて異 例で、「非公表」を前提に会談を受け入れた。

 習主席は7月7日、日中全面戦争の発端となった盧溝橋事件77年の記念日に「侵略の歴史を美化している」などと安倍首相を批判。こうした中で日 本要人と会談していたことが分かると、反日感情が根強い国民から批判を受けることなどを意識し、「極秘」扱いにしたとみられる。

 ただ習主席は中南米諸国歴訪を終え、7月29日に最高指導部メンバーだった周永康前党中央政法委員会書記に対する立件を決定した。その直前に福田氏との会談に応じたことは、日中関係の改善に本気になっている表れと言える。8月上旬に河北省の避暑地・北戴河で長老も交えて内外の重要問題を 討議する非公式会議でも日中関係がテーマになる可能性が高い。

 一方、福田氏の周辺関係者は「福田氏は現在の日中関係を心配している」と指摘。中国海南島でアジア問題などを討議する「ボアオ・アジアフォーラ ム」理事長を務める福田氏は、独自のパイプを使って習主席との会談を調整したが、今回の会談の結果が安倍首相の対中政策にどう反映されるか不透明 な部分も多い。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝

副島隆彦 投稿日:2014/08/01 09:40

【1348】[1634]マ機撃墜の真実。 それから、あーあ残念、プーチンは日本には来ないようだ。やっぱり安倍晋三ではダメだ。

副島隆彦です。今日は、 2014年8月1日(金)です。

 アルル君から、「先生は、重たい掲示板に書かないで、広報ページに書いて下さい」と言われているのだが、今は、あっちには、今日、1日、発売の『 税金官僚から 痛めつけられた 有名人たち』(光文社刊) の 宣伝が載っているので、こちらに書きます。

 次回からは、広報ページに書きます。 そしてもっと大事な情報と知識は、会員ページに書きます。タダで見に来る横柄(おうへい)な連中に読ませるのは勿体(もったい)無い。

 ほら、やっぱり、ウクライナの極右のごろつき政権(キエフ政権、ポロシェンコ大統領たち)が、マレーシア機MH17便を、同空軍のジェット戦闘機で撃ち落とした(7月17日)だったではないか。遂に、国際的に、すなわち 満天下に 明らかになった。以下の情報とニューズが世界中に流れた途端に、29日から、シラけた空気が世界に漂った。

 そして、途端に、世界中の主要なメディア(新聞、テレビ、雑誌)が、「親ロシア勢力(ドネツクとルガンクスの自治州政府)が 地対空のブーク(SM11)ミサイルで撃ち落とした」を言わなくなった。ぱったり途絶えて、何も書かなくなった。世界全体で、口をつぐんだ、という感じだ。 全く本当に嫌(いや)なヤツらだ。反吐(へど)が出そうだ、とはこのことだ。あれほど、「ロシア(プーチン)が支援する親ロ勢力が撃ち落とした可能性が高い」と書き続けたのに、そのことの誤報(ごほう)言い訳や、訂正の一個も出さない。

日本のNHK( 安倍晋三と菅義偉(すがよしひ)の忠犬ハチ公の、三井物産上がりのくせに、極右の籾井(もみい)!)始め、どこの新聞、テレビも真実を報道しようとしない。7月22日から、世界共通で権力者層を流れる情報で、知っていたくせに。

欧米白人どもの主要メディアというのは、本当に威張り腐った、いやなやつらだ。

(転載貼り付け始め)

●「ウクライナのスホイ25のパイロット マレーシア機撃墜を認める」
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_07_29/275232268/

2014年7月29日  ロシアの声

ドイツ紙 Wahrheit für Deutschland (バーヴァルハイト・ヒュール・ドイチェランド)は、マレーシア航空のボーイング777型機 を撃墜したとみられるウクライナのスホイ25のパイロットから話を聞くことに 成功したと する記事を掲載した。

Wahrheit für Deutschlandはドイツの主要紙ではないが、同紙は、スホイ25のパイロットが、マレーシア機を撃墜するために、同機に搭載されている砲を使用したと主張している。

Wahrheit für Deutschland によると、スホイ25は、ロシア参謀本部が提出した 画像に写っていたという。パイロットの名前は明らかにされていないが、このパイロットは、自身が操縦し ていたスホイ25に搭載されている砲で、マレーシア機が撃墜されたことを認めたという。

なお、パイロットがマレーシア機の撃墜を認めたのと同時に、明確な穴があいて いるマレーシア機の破片の写真が公開された。複数の専門家たちはこの穴について、地対空ミサイルシステム「ブーク」では、このような穴はできないとの見方 を示している。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。この記事は、「・・・という」という伝聞表現( 法律学では、間接証拠。直接の当事者の証言ではない、ということ)で、ドイツの二流新聞(もしかしたら、もう紙媒体(かみばいたい)は発行していないネット新聞かも)の記事を引用の形で「ロシアの声(ヴォイス・オブ・ロシア)」が、報道したものだ。 

だから、まだ事件の当事者からの直接証拠(ダイレクト・エヴィデンス)は出ていない。だが、どうやら、これで決まりのようだ。 カナダのモントリオールに ICAO(アイカオ、国際民間航空機関)があるが、オランダ当局からの要請で、ブラックボックスは、イギリス 南部ファーンバラにある 英国運輸省の航空事故調査部門(AAIB)に、持ち込まれた。 

 事故機の フライトレコーダー=ブラックボックス=その中のヴォイス・レコーダー の 中身の 機長と ウクライナ航空局の管制官とのやりとりが、いつ、公表されるか、だ。 こいつら、遂に、公表しないのではないか。何が、国際事故調査機関だ。やっぱり腐ったやつらだ。アメリカとイギリス政府の圧力を受けて、調査結果を公表しないのだ。 もし撃墜されたマレーシアのMH17機の機長が、「あ、前方方向から、ジェット戦闘機が当機に接近 (そのあと交信途絶)」 という声が録音されていたら、それで決まりだ。

 このようにマレーシア機MH17便 の撃墜事件の真実が明らかになっているのに、このことを一切報道しようとしない欧米白人主要メディアども、恥を知れ。

あの、21日までは、ギャーギャーとロシア非難をして、「ロシアが背後から親ロ勢力にやらせた」と騒いでいた、イギリスのキャメロン首相という、アンパンマンのような顔をした、全くいけ好かない奴は、その後、ぱったり発言が途絶えて、何も言わなくなった。「事件にロシアが加担した直接の証拠はない」という態度に、22日から、急に態度を変えたオバマ政権は、その前の、「ロシア政府が関与した証拠はたくさんある」と言っていたことへの、その後の弁明が無い。

 そして、そのあとは、パレスチナ人たちのガザ地区(ストリップ)へのイスラエル軍の爆撃と侵攻の話題に、世界メディアは急に話題を切り替えていった。

 私は、日本の安倍政権の、マレーシア機撃墜事故の直後の7月18日からの対応をずっと見守っていた。「お、日本の新設の 国家安全保障会議(日本版NSA)もなかなか、やるなあ。さっさと20日には、真実を知ってしまったようだ。自衛隊の情報本部からの、日本の自力のスパイ衛星からの証拠映像が入ったのだろう」と思って、固唾(かたず)を飲んで、安倍政権の発表を見守っていた。

 安倍政権は、その後も、10日以上、このマレーシア機撃墜事故でロシア政府を批判する声明を一切出さなかった。私は、「おう、日本もたいしたものだ」と、私は、見守っていた。 ところが、急に、昨日、この偉大な外交政策が、ダメになった。がっかりだ。

 なぜなら、この10月には、プーチンが来日して、本気で、日ロの平和条約(=講和条約。それは戦争終結条約ということだ) の話をすることになっていたのだ。そのために、サハリンの天然ガスを、パイプラインで、日本本土まで引いて、その代金を、おそらく30年間で4000億ドル(40兆円)を日本が払う、というぐらいの大きなお金の話をする(それ以外に、極東地区のロシア人の親分たちにも、日本政府が裏ガネを掴(つか)ませて、説得する)ということになっていた。 そして、北方4島の領土返還のうち、「2島の海洋面積半分の返還」で、話をつけることになっていた。

 そのために、50兆円の米国債買いで、財政赤字どころか、ガヴァメント・シャットダウンで、政府のお金がくなっていた アメリカ政府の、公務員・軍人どもへの給料を、2年分を日本が出す、ということで、オバマ政権が機器から脱出したのだ。だから、「日本とロシアの 平和条約、領土問題の解決に、アメリカは、もうこれ以上、反対しない」という約束をオバマから取り付けたのだ。

 このことを、私は、去年(2013年)、「この1月に、日本政府がアメリカに50兆円払った」と、前々著の『浮かれバブル景気から 衰退させられる日本』(徳間書店刊、2013年4月刊 )で、暴露して書いた。

 そして今年の2月に、安倍首相は、ロシアの黒海東岸のソチの冬季オリンピックの開会式に行って、こそこそッ 
とプーチンと話して(日ロの首脳会談)、「私を信用して下さい。今度こそ、日ロで国境紛争を解決しましょう。日本に来てください」。 プーチン「ダー(分かった。信用するよ)」となった。

 ところが、急に、昨日、30日になって、 「もう(プーチンよ)来ないでくれ。どうしても、アメリカが、反対して、許さないと言っているので」 と、急激に 腰砕けになりつつある。

 本当に、安倍晋三というのは、やっぱり、だらしない、根性なしの、ボンボン(お坊ちゃま)上がりの、抜け作の、出来損ないのフニャフニャ野郎だ。ただの民族右翼のくせに、国家指導者なんか気取るな、馬鹿。

 私は、日本政府が、この10日間、ロシア政府をずっと非難声明を出さないで、じっと我慢に我慢で、欧米の白人=西側・自由主義諸国か?= からの圧力に抗して、真実を求める国際世論に配慮して、「今度こそ本気で、平和条約=領土問題を、安倍はやる気だな」と、期待していた。

 ところが、やっぱり、ダメだ。こいつら右翼自民党では、ダメなんだ。 何の力もないのだ。アメリカが、「逆らう気か。アメリカの言うことを聞かないのか」の脅(おど)しにまたしても屈した。精一杯の抵抗を示して、日本独自の、誇り高い自主独立の、自力外交 というのが、今度もまた、出来なかった。

 国と国が平和条約を結ぶということは、戦争状態をやめましょう(もう70年前のことだ)、という 国家間で、どうしてもやらなければならない、政府の重大な仕事だ。国家としての悲願なのだ。 ロシアとの関係では、69年も経つのに、まだ出来ていない。それは、誰が政権を担当しようとも、首相の仕事として必ずやらなければいけない一番重要な仕事だ。それを、やっぱり、アホの安倍晋三は出来なかった。安倍は、自分に向かって、今、一番、恥じている。ボクちゃんではやっぱり駄目なのね、と。

 お前たちは、口ではいくら、「アメリカと、ゼロ戦と 聯合艦隊で 戦った英霊(えいれい)たちに報いる」と、いくら言っても、アメリカに屈従する、金玉なしの、奴隷右翼どもだ。恥を知れ。 欧米白人列強(れっきょう)が植民地にしたアジア人民を解放する、と 五族協和の ための あの聖戦を、いう資格が、お前たち、バカ右翼には、無い。

 本当に戦って死んでいった、勇敢な日本軍人(戦艦とともに死んでいった山口多聞海軍中将たち。今村均大将も偉かった)たちの後継者ではない。 

 本当の愛国とか、民族自立を言うだけの、アタマと知能が、お前たちアメリカ追随のバカ右翼には無いのだ。ロシアの独裁者プーチンを呼んで、対等に話しあうだけの人間的な度量も器量ない。

 ヒトラーとスターリンから一目置かれた、松岡洋祐(まつおかようすけ)外相 ほどの、世界政治のプレーヤーになるだけの 迫力がない。ダメだ、お前たちでは。もともとが、学力不足(=低能)の右翼、暴力団たちだから、役不足だ。

 思えば、今から、もう58年も前になる、1956年10月19日の、「日ソ講和のための共同声明」が、はるかに偲(しの)ばれる。あの時、鳩山一郎(はとやまいちろう)首相は、盟友の農水大臣の河野一郎(こうのいちろう)をモスクワにやって、漁業交渉のフリをして、なんとか日露の国交回復と、講和条約(平和条約)を実現しようとした。 鳩山政権は、国民の熱い支持を受けた、全方位外交(アメリカ一辺倒ではない、すべての国との協調外交)の政権だった。

 あの時の、鳩山一郎(このあと脳出血した)と河野一郎(若いのに不思議に急逝した)は、そして、その後を継いだ、石橋湛山(いしばしたんざん。首相になってたった2ヶ月で病気で辞任)たちは、本当に偉かった。本当の日本の指導者たちだった。 全部、アメリカに 謀略政治で、やられたのだ。アメリカの言うことを聞かない民族指導者(ナショナリスト)は潰せ、ということだ。違うのか。

 そもそも、自主憲法制定 (憲法改正) を言い出したのは、初代自民党(合同した保守の)総裁の鳩山一郎だ。お前たちバカ右翼ではない。歴史の偽造までするなよ。

(転載貼り付け始め)

●「プーチン氏来日、延期論強まる G7の対ロ制裁強化警告で」

2014年7月31日 共同通信
http://www.47news.jp/CN/201407/CN2014073101001517.html

 日本政府内で7月31日、秋に見込まれるロシアのプーチン大統領来日の延期はやむを得ないとの見方が一段と強まった。ウクライナでのマレーシア航空 機撃墜を受け、先進7カ国(G7)の一員としてさらなる対ロ制裁強化の可能性を警告する共同声明を出したためだ。欧米との協調を乱せば、日米関係 に亀裂が生じるとの懸念が背景にある。

 安倍晋三首相は、2月の日ロ首脳会談で合意した秋のプーチン氏来日を延期するかどうか、近く最終決断する見通し。延期を決めた場合、プーチン氏と の間で積み上げてきた個人的信頼関係が損なわれる可能性は高く、難しい判断を迫られる。

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副島隆彦です。このような次第だ。何(なに)をか謂(い)わん哉(や)、だ。 だらしないやつらだ。安倍晋三。やっぱり、お前の爺さん(岸信介)同様、お前たち、「大日本会(だいにっぽんかい)右翼」というのは、許しがたい腰抜け野郎どもだ。民族と国民の利益というものを、高いところから考えることが出来ない。 

 お前たちが官僚たちと組んで、1962年の「第一次頂上作戦」(別名、「仁義無き戦い」)で叩き潰(つぶ)した児玉誉士夫(こだまよしお)の系統の青年思想研究会(青思研、せいしけん)右翼の方がずっとまともな愛国右翼勢力だったよ。

 安倍。早く、石破茂(いしばしげる)と替われ。 何。石破を、いじめて、幹事長を辞めさせて、冷や飯を食わせる、というのか。「安保担当大臣(あんぽたんとうだいじん)?」だと。一体、そんなのが有るのか。ふざけた「無任所国務大臣」を乱造するのはいい加減、やめろ。交渉相手の諸外国に対して失礼だ。 

 いいだろう。石破、閣外に出て、倒閣運動を始めろ。全国の心ある、温厚な、ハト派の大地主(素封家、そほうか)や経営者層の、賢慮の自民党員が、君を支えるよ。

 私は、外務省高官上がりの、本当は、自分たちが、本当の愛国者として外務省の主流派であって、あんな「勉強の出来ない、アメリカべったりの下品な人間たちが日本外務省を乗っ取ってしまった」と歯噛(はが)みしている孫崎享(まごさきうける)氏の、ブロクを今、開いて読んだ。全く、孫崎氏に同感である。
 
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孫崎享(まごさきうける)氏の 

2014年7月30日の 「晴耕雨読」ブロクから

プーチン訪日:人気取り用に招待したプーチン訪日問題、安倍政権股裂き状態。

米国反対。 

露は「招待したんだろう。招待しろ」。

28日、産経新聞 「ラブロフ外相は28日、プーチン大統領の今秋の日本訪問で、依然可能性残っている見方を示しウクライナ危機で欧米とは一線画せと呼び掛け」。

出来るはずない。

29日、毎日新聞 「ウクライナ、日本の対露追加制裁で露外務省が非難声明。日本政府は対露関係発展に尽力すると言明してきたが、米国追随の枠組みから脱する能力の無さを隠すためだった」。

ロシアよ。安倍政権に「米国追随の枠組みから脱する能力」なんてありませんよ。

火遊びしても叱られるとすぐ止めます。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 本当だよ。安倍晋三たち、バカ右翼が、火遊びをして、アメちゃん にすぐに叱られると、すぐにシュンとなる構図が、この孫崎氏の文によく表れている。

 このあとは、急に、世界は、以下のような事態になっている。イスラエルのガサ侵攻(「ガザ戦争」と呼ばれ始めた)に対して、南米諸国が、民間人への多数の殺傷に講義して、自国のイスラエル大使を召喚する動きに出ている。

マレーシア機を空軍機(スホイ25)で撃ち落とした真犯人である、今のウクライナの極右政権の首相の ヤツェーニクは、23日に、「あ、バレちゃったよ。まずいな。これじゃ自分たちが世界から袋叩きだ。さっさと逃げなきゃ」と 辞任してしまった。大統領のデブのポロシェンコは、18日の事故直後から、目を真っ赤にして、うつむき加減に、「親ロ勢力の分離主義者がやった」と言っていた。 今は、もうテレビに出て来もしない。

これから、マレーシア政府と国民、それから、同じく奇っ怪な右翼政権のオランダの、国民の方が怒り出す番だ。

 ヤツェーニクは、アメリカの国務省の現職の国務次官補である、ビクトリア・ヌーランドという 凶暴な、破壊活動主義者(本物のテロリスト)の子飼いであり、子分だ。この世界を戦争に叩き込もうとする謀略人間の狂った宗教団体のメンバー(ムーニー)である、女を、オバマも、ケリー国務長官も、首を切ることができないで、野放しにしている。 アメリカは ツグミ(スラッシュ)たちにいいように、内部から食い荒らされている、今やボロボロの帝国だ。

(転載貼り付け始め)

 ◯ 「イスラエルに中南米が反発、大使召還する国も」

2014年7月31日  WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304180804580062982304238518

 ボリビアのモラレス大統領は30日、イスラエルを「テロリスト国家」と呼び、イスラエル人が同国を訪問するには査証が必要になると発表した。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に中南米諸国で非難の声が高まっている。

 政治アナリストらによると、中南米諸国は広範にわたる外交政策で他地域以上に協調しており、協議のために駐イスラエル大使を呼び戻したり、厳しい口調の声明を出したりしている。

 モラレス大統領は30日、ボリビアの都市コチャバンバでの演説で、「イスラエルは人命尊重の原則や、国際社会の中で調和し平和に暮らす基本的権利を保証していない」と批判した。大統領による批判や、イスラエル人に査証申請を義務付けるとの決定に対し、イスラエル側はすぐには反応を示さな かった。

 ベネズエラ・カラカスで29日に行われた南米南部共同市場(メルコスール)の会合では、加盟5カ国のうちブラジルとアルゼンチン、ウルグアイ、ベネズエラの4カ国の大統領が共同声明を発表。

 ガザ地区での軍事攻撃の停止を求めるとともに、イスラエルに対し住民や食糧、人道的援助の自由な行 き来を容認するよう呼びかけた。「イスラエル軍によるガザ地区での行き過ぎた武力行使を断固として非難する。こうした武力行使は大抵の場合、子供 や女性を含む市民に被害を与えている」と述べた。

 同日、エルサルバドルとチリ、ペルーの3カ国はそれぞれの大使を自国に召還した。中南米で最も影響力の大きいブラジルは先週、エクアドルも7月 17日に同様の措置を取っている。

 大規模なユダヤ人社会を抱えるウルグアイとアルゼンチンは引き続き大使をイスラエルにとどまらせている。左派の ベネズエラは何年も前にイスラエルとの関係を絶っている。ベネズエラは米国の中東政策に激しく反対しており、中南米諸国の中で最も厳しくイスラエ ルを批判している。

 米ワシントンにあるシンクタンク、インターアメリカン・ダイアログのマイケル・シフター代表は、「中南米はガザ戦争に対する態度を明確にしており、その点で他の地域と一線を画している」と語る。

 イスラエル外務省は30日、声明を発表し、「エルサルバドルとペルー、チリの各国政府が協議のため大使を呼び戻すという早急な決定をしたことに 深い失望」を表明。「こうした措置は、世界中の多くの国がテロリスト集団と認識している(イスラム原理主義組織)ハマスへの激励になる」と主張した。

 ブラジル政府が駐イスラエル大使を召還したことを受けて、イスラエル外務省のイガル・パルモール報道官はブラジルを「外交上の小人」と呼んだ。 この侮辱はブラジルの大手各紙でトップニュースになった。イスラエルはこれまでのところ、メルコスールの共同声明には反応していない。

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副島隆彦です。このあとは、会員ページ用に書く。ただで何でも読めると思って、ここに来るな。 私は、日本国の自立のために、有能な若い言論人、知識人を育てるのにお金がかかる。学問道場の会員になってください。

 このあとは、どうせ、ドイツのメルケルは、プーチンと組んで、ドイツ第四帝国(クアトロ・ライヒ の 女帝。「ドイツが、だらしない今のヨーロッパ人の面倒はすべて見るわ」という感じ )で、ロシア帝国との協調をする。

 ドイツは、第二次大戦の、1942年7月からのモスクワ、レニングラード(今のサンクト・ペテルブルグ)、スターリングラード(今の、ウクライナを通り越したボルゴグラード)の攻防戦で敗北して、痛い目にあっているから、今度は、ロシアと協調する。だから、ヨーロピアン・カウンシル(EU外相会議と訳すようだ)での、「ロシアへの追加的な制裁措置」というのは、口ばっかりで、やる気はない。 だから、安倍たちは、あと、3日、我慢していればよかったのに。そうしたら、世界の空気が変わったのに。

 イギリスの、あの、小泉純一郎とそっくりのスタンドプレー屋のキャメロンなんか、相手にしないで、中国は、「お前なんかいいから。ただの、コモンズ(commons、平民)だから、それよりも、国家元首(ソブリン)のエリザベス女王と会わせろ」 と無理やり、李克強(りこっきょう)首相が、嫌そうな顔をしていたエリザベス女王に会った。

 そうしないと、ロンドンのシティのポンドの金融市場で、人民元建ての債券を発行してやらない、という態度に出ている。イギリスなんか落ち目の国なのだ。フランスのオランドは、もともと全く、威張る気がなくて、パリのシャンゼリゼの大通りの高級店もガラガラで客がいないから、フランス人も威張れない。その他、もろもろは、あとは、会員ページに書きます。

 だから、欧米諸国に追随して、「ロシアへの追加の経済制裁」というのを、あと3日、じっと我慢して、それに加わらなければ、プーチンを日本に呼べたのに、バカの安倍と菅義偉が我慢が出来なくて腰砕けになった。日本国内は、その 強面(こわもて)の暴力団風味で、自分が一喝すれば、すべて押さえ込める、と豪語しているのだろう。が、世界は、お前たちなんか相手にしない。

 菅義偉(すがよしひで)は、法政大学夜間部出で、横浜のニコヨン、沖仲仕あがりだ。だから下からの叩き上げだから、ドスが効いていて、根性は有る。が、NHKの国谷裕子=くにやひろこ=の番組に出て、「集団的自衛権問題」で、彼女を怒鳴るようでは、たいした度量はない。首相の器ではない。自分に逆らう者を脅しあげて屈服させる程度の、やくざ者の迫力だけだ。本当の本当は、主人殺しが得意な、根草(ねぐさ)忍者出身だ。だから世界レベルの政治は出来ないし、首相にはなれない。盟友の甘利はどうかなあ、こいつもコワイ人間だが、やはり病気だろうから、もうすぐ引っ込むだろう。

 それから、外務官僚上がりの、国家戦略家気取りの谷内正太郎(やちしょうたろう)に言っておく。
70歳を越して、国家安全保障会議の事務方のトップになった。 この谷内(やち)が敷いている日本の自前の国家戦略のつもりの、「自由と繁栄の弧(プロスペラス・クレセント)戦略」 =その実、「中国包囲網」 は、 松岡洋祐(まつおかようすけ)の、大東亜共栄圏(だいとうはきょうけいけん。 The Great East Asia Co-prosperity Sphere ,ザ・グレイト・イーストエイシア・コウプロスペリティ・スフィア) から、勉強した、日本独自の戦略だと、自分では信じ込んで、それで、あまり頭の良くない安倍晋三たちを 上手に騙して、自分が国家戦略家を気取っているのだろうが、谷内よ。お前程度のアタマでは、やっぱり世界政治は無理だよ。日本国内の官僚どもの上にたって、威勢よくやっているがいい。世界政治は、お前の頭の中身(主観、思い込み)などとは無関係に、もっと大きな動きをしてゆく。

 本気で、あの頃の、松岡洋右の苦悩から学べ。 このことを、私は、自著の『靖国問題と 中国包囲網』(ビジネス社、2014年3月刊)で書いたから、今からでも読みなさい。

こういうわけで、安倍には、プーチンとの世紀の会談で、北方領土解決での日ロの平和条約は、無理だった。まことに残念だったね、安倍クン 。

副島隆彦拝

アルルの男・ヒロシ 投稿日:2014/07/23 09:42

【1347】[1630]米国の「ハフィントン・ポスト」(リベラル系)のトップページには、「NO SMOKING GUN」とデカデカと見出し

米国の「ハフィントン・ポスト」(リベラル系)のトップページには、「NO SMOKING GUN」とデカデカと見出しが掲げられています。

米国は「ロシア側が関与している証拠がある」と数日前は明言していましたが、どうもロシア軍の記者会見の内容に反論できないことを気づいたようです。

そのハフィントン・ポストの記事はAP通信の記事の転載です。

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U.S. Officials: No Evidence Of Direct Russian Link To Malaysia Plane Crash

AP | By KEN DILANIAN Posted: 07/22/2014 5:08 pm EDT | Updated: 07/22/2014 7:59 pm EDT

WASHINGTON (AP) - Senior U.S. intelligence officials said Tuesday that Russia was responsible for “creating the conditions” that led to the shooting down of Malaysia Airlines Flight 17, but they offered no evidence of direct Russian government involvement.

The intelligence officials were cautious in their assessment, noting that while the Russians have been arming separatists in eastern Ukraine, the U.S. had no direct evidence that the missile used to shoot down the passenger jet came from Russia.

The officials briefed reporters Tuesday under ground rules that their names not be used in discussing intelligence related to last week’s air disaster, which killed 298 people.

The plane was likely shot down by an SA-11 surface-to-air missile fired by Russian-backed separatists in eastern Ukraine, the intelligence officials said, citing intercepts, satellite photos and social media postings by separatists, some of which have been authenticated by U.S. experts.

But the officials said they did not know who fired the missile or whether any Russian operatives were present at the missile launch. They were not certain that the missile crew was trained in Russia, although they described a stepped-up campaign in recent weeks by Russia to arm and train the rebels, which they say has continued even after the downing of the commercial jetliner.

In terms of who fired the missile, “we don’t know a name, we don’t know a rank and we’re not even 100 percent sure of a nationality,” one official said, adding at another point, “There is not going to be a Perry Mason moment here.”

White House deputy national security adviser Ben Rhodes said the U.S. was still working to determine whether the missile launch had a “direct link” to Russia, including whether there were Russians on the ground during the attack and the degree to which Russians may have trained the separatists to launch such a strike.

“We do think President Putin and the Russian government bears responsibility for the support they provided to these separatists, the arms they provided to these separatists, the training they provided as well and the general unstable environment in eastern Ukraine,” Rhodes said in an interview with CNN.

He added that heavy weaponry continues to flow into Ukraine from Russia following the downing of the plane.

The intelligence officials said the most likely explanation for the downing was that the rebels made a mistake. Separatists previously had shot down 12 Ukrainian military airplanes, the officials said.

The officials made clear they were relying in part on social media postings and videos made public in recent days by the Ukrainian government, even though they have not been able to authenticate all of it. For example, they cited a video of a missile launcher said to have been crossing the Russian border after the launch, appearing to be missing a missile.

But later, under questioning, the officials acknowledged they had not yet verified that the video was exactly what it purported to be.

Despite the fuzziness of some details, however, the intelligence officials said the case that the separatists were responsible for shooting down the plane was solid. Other scenarios - such as that the Ukrainian military shot down the plane - are implausible, they said. No Ukrainian surface-to-air missile system was in range.

From satellites, sensors and other intelligence gathering, officials said, they know where the missile originated - in separatist-held territory - and what its flight path was. But if they possess satellite or other imagery of the missile being fired, they did not release it Tuesday. A graphic they made public depicts their estimation of the missile’s flight path with a green line. The jet’s flight path was available from air traffic control data.

In the weeks before the plane was shot down, Russia had stepped up its arming and training of the separatists after the Ukrainian government won a string of battlefield victories. The working theory is that the SA-11 missile came from Russia, although the U.S. doesn’t have proof of that, the officials said.

U.S. Ambassador to the U.N. Samantha Powers said last week that “because of the technical complexity of the SA-11, it is unlikely that the separatists could effectively operate the system without assistance from knowledgeable personnel. Thus, we cannot rule out technical assistance from Russian personnel in operating the systems,” she said.

Asked about evidence, one of the senior U.S. intelligence officials said it was conceivable that Russian paramilitary troops are operating in eastern Ukraine, but that there was no direct link from them to the missile launch.

Asked why civilian airline companies were not warned about a possible threat, the officials said they did not know the rebels possessed SA-11 missiles until after the Malaysian airliner was shot down.

http://www.huffingtonpost.com/2014/07/22/malaysia-plane-crash_n_5611113.html?page_version=legacy&view=print&comm_ref=false
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ロシア軍は21日に欧米側が投げつけた批判に対して、独自の情報網のからの調査結果として次のように反論しています。

FTの記事です。

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Last updated: July 21, 2014 10:56 pm
Russia challenges US accusations on MH17

By Kathrin Hille in MoscowAuthor alerts

Russia staged a dramatic challenge to increasingly confident western accusations that separatist rebels it supports in eastern Ukraine shot down a Malaysian Airlines’ plane as the Kremlin sought to avoid blame for the deaths of almost 300 innocent civilians.

The defence ministry in Moscow said Russian aviation monitoring services registered a Ukrainian military aircraft sweeping up towards Flight MH17 immediately before the Boeing disappeared from the radar. It also said that two Buk-M1 anti-aircraft batteries belonging to the Ukrainian military had been moved closer to the crash site by the morning of July 17th but had disappeared 24 hours later.

Moscow delivered its version of events just a day before EU foreign ministers are to decide whether to impose additional sanctions on Russia for its failure to allow investigators unfettered access to the crash site and its refusal in recent weeks to de-escalate the conflict in eastern Ukraine.

The mounting evidence implicating Russia in the disaster put forward by the US and Ukraine in recent days has galvanised European opinion against Moscow. Some analysts have warned that, depending on how the investigation plays out, Russian president Vladimir Putin risks becoming an international pariah.

Josh Earnest, White House spokesman, said that there was mounting evidence to show that pro-Russian separatists were responsible for the crash. “Russian claims to the contrary are getting both more desperate and much harder to believe,” he said.

The Russian defence ministry said it would pass its material on to the Malaysian government on Monday and would also share any future information on the crash. At the same time, it called on the US to make available the evidence for its claim that MH17 was shot down by the rebels.

Lt Gen Andrei Kartapolov, head of the General Staff’s Main Operations Department, said Russia assumed that the US has pictures from a special satellite tasked with collecting data on rocket launches that traversed southeastern Ukraine between 5.06pm and 5.21pm Moscow time on July 17. “If the US has pictures from this satellite, it would be nice of them to share them with the international community,” Mr Kartapolov said.

The challenge is reminiscent of similar demands Moscow made after Soviet armed forces shot down Korean civilian airliners in 1978 and 1983. “Sharing such data always risks compromising your own intelligence sources and infrastructure,” said a foreign defence official in Moscow. “You don’t want to put on the table for Russia what exactly you have and what exactly you know.”

The Russian defence ministry released on Monday what it said was a video of Russian aviation radar from July 17. It featured three moving dots accounting for MH17 and two other civilian aircraft in Ukrainian airspace on routes between Europe and Asia at the time. A fourth dot appeared when MH17 was about 51 kilometres from the Russian border, and almost overlapped with MH17.

Lt Gen Igor Makushev, chief of the Air Force’s Main Staff, said the Russian military could not identify this aircraft but assumed it was an Su-25 fighter aircraft that had quickly climbed to a height of 10,000 metres and approached the Malaysian Boeing.

“Ukrainian officials have claimed that there were no Ukrainian military aircraft in the area of the crash that day,” he said. “That is obviously not true.”

He added that, according to the radar data, the Boeing abruptly lost speed exactly at the time the unidentified aircraft approached it.

Lt Gen Kartapolov also showed satellite pictures of what he identified as two Ukrainian Buk-M1 air defence batteries in Zaroshchenskoe, about 25 kilometres southwest of the Grabovo crash site, on Thursday morning - only hours before the Boeing was downed. On another picture allegedly showing the same area the next morning, the site was empty.

“The question arises: Why did they move them there, and why did they move them away the next day?” he said.

The Russian military also said MH17 deviated from the northern boundary of its approved flight corridor by 14 kilometres, and added that any crash investigation needed to look into whether this was caused by a navigation error or by commands from Ukrainian air traffic control.

Jonathan Eyal, international director of the Royal United Services Institute, a military think-tank, said Washington would now have to debate “how much intelligence can be revealed without compromising capabilities?”

Earlier this year, Nato hired commercial satellites to provide proof of Russian troop build-ups on the Ukraine border in order to get around the problem. Still, Mr Eyal said: “Either way, the Russians have made an error with this. They cannot counter all of the evidence. All that is left for them to do is throw dust in people’s faces.”

Additional reporting by Sam Jones in London

http://www.ft.com/intl/cms/s/0/6aa7441c-10ec-11e4-b116-00144feabdc0.html?siteedition=intl#axzz38F638jMM
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FTの記事でロシア軍のカータポロフという軍人が云うように、米国としてはロシア軍から「衛星写真をお持ちのはずですからお出しください」と言われて反論できんかったとことになるわけです。

ロシア側が出している証拠に反論できない時点で米欧とウクライナ政府側は土俵際に押し返されたのだと思われます。

副島隆彦 投稿日:2014/07/20 03:22

【1346】[1629]マレーシア機の撃墜は、プーチン失脚を狙って、第3次世界大戦を勃発させようとする危険な勢力の動きだ。

副島隆彦です。  緊急に書きます。今、2014年7月20日の午前1時35分です。

 7月17日の午後5時20分(日本では午後10時20分)の、マレーシア航空機のウクライナ東部上空での撃墜は、ロシアのプーチンの失脚を狙った、アメリカ合衆国 の一番凶暴な戦争計画勢力による世界規模での謀略(コンスピラシー)である。  

プーチンが失脚させられたら、世界は第三次世界大戦 に突入する準備段階に入るだろう。

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●「 マレーシア機墜落、国連事務総長が原因究明の徹底調査求める 」

2014年 7月17日  ロイター

 国連の潘基文(パンギムン)事務総長は、17日、ウクライナ東部上空を飛行中に墜落したマレーシア航空の旅客機について、原因究明のための「徹底的に透明性が確保された国際調査」を実施するよう求めた。「国連の専門機関である国際民間航空機関(ICAO)と共に、報道を注視している。徹底的に透明性が確保された国際調査が必要なのは明らかだ」と述べた。

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副島隆彦です。世界情勢は急激に緊迫してきた。すべてが戦争に向かって準備が進みつつある。 ウクライナ(キエフ)政府は、凶暴なネオナチの右翼勢力によって作られている政府である。それをアメリカとヨーロッパの右翼勢力が後押ししている。

 アメリカは、自分たちが劣勢である今のウクライナでの情勢を一挙に挽回して、ロシアを国際社会で孤立させる計画を開始したようだ。 それには、「アメリカの言うことを聞かない」マレーシアを巻き込むのが良い、と判断して実行に移した。 

 マレーシアは、東アジア諸国へのアメリカ政府 の圧力である、TPP に最も強く反対している国である。マレーシア政府が反対するからTPPがうまく行かないのだ。 マレーシアの航空機事故が相次ぐ(100日前にも不可思議な形で起きている)ことで、この国を国際紛争の中に叩(たた)きこむことでマレーシアを弱体化させる計画だ。 

 東アジアの 対・中国 の軍事包囲網は、フィリピン(ベニグノ・”ノイノイ”アキノ大統領)を中心に作られつつある。 その右側が、日本、韓国、台湾だ。左側が、ベトナム、インドネシア、マレーシア、タイ、オーストラリアだ。

 日本の 安倍政権による集団的自衛権行使の容認の閣議決定(7月1日)とは、日本の武力行使の準備と、兵器の日本製の電子部品を海外に輸出できるようにしたことだ。

 アメリカの NY の株価の17,000ドルの高値での維持を、どこからの資金で行っているか、だ。このあと起きるしかない、米株式の下落は、米ドルの世界的な信用崩壊につながる。 だから、この高値を維持するためには、どうしても戦争経済(ウォー・エコノミー)をやるしかない。アメリカは最早(もはや)戦争なしでは保(も)たない。 

 日本の株価の15,000円の維持も同様で、ここには、GPIF(ジー・ピー・アイ・エフ)を通して、公務員の共済年金の資金までも、遂に6月分から、使われだした。

 ウクライナ政府と戦っている東部諸州の 親ロシア勢力( Russian backed scisstionists、ラッシャン・バックト・シセショニスト、分離独立主義者) の中に、特殊な勢力が潜り込んでいて、以下に載せる記事のとおり、ロシア政府が持っている 「地対空ミサイル「BUK」(ブーク)一式」 を勝手に動かして来て、これで、マレーシア機を撃墜したようだ。あるいは、ウクライナ空軍の戦闘機による、追尾型のミサイルでエンジンに当てて撃墜したようだ。プーチン自身が、40分前にこの同じ航路を、大統領専用機で飛んだ、とされる。プーチン暗殺を狙った攻撃だとも言える。

 プーチンの指導力をそぎ落とそうとする、世界規模での大きな政治謀略(コンスピラシー)がここには見られる。

 今のイラクの北部を支配している ISIS(アイ・エス・アイ・エス、「イスラム国」)という、兵力わずか合計1万人ぐらい の 全員、人殺し専門のプロの戦闘集団も、サウジアラビアとイスラエルとアメリカの特殊部隊によって訓練されて、投入された殺し屋部隊だ。 ワッハーブ派という暴力思想を持つサウジ政府と合体しているイスラム原理主義集団が、サラフィー(セラフィスト)というアラブ人あるいはイスラム教徒の若者たちを、世界中から募集、勧誘して、集団生活で軍事訓練をして、投入している。

 クルド人の自治政府は、このISISの動きと協調している(「首都」モスルで共存している)から、このことで、イランと、トルコ(エルドアン政権)に打撃を与えている。

 たとえば、日本の海上保安庁と海上自衛隊の中にも、凶暴な宗教団体の構成員たちが潜り込んでいて、彼らが、戦闘を暴発させる形で、やがて中国艦船との軍事衝突を行うだろう。それで日本も戦争に引き釣りこまれてゆく。同じく中国海軍の中にも、おかしな戦争扇動勢力が入っていて(北京の政府の統制が効かなくなる)、彼らが軍事衝突を起こす。

 まず、フィリピン海軍( アーミテージたち米軍の軍事顧問団が観戦将校として乗り込んでいる)が中国海軍とぶつかるだろう。このようにして私たちの極東(ファー・イースト、東アジア)でも、きな臭い戦争の臭いがしてきた。

 一気に、世界は戦争体制に突入しそうな気配が出てきた。世界の火薬庫(かやくこ、アーセナル)は、私が、ずっと書いてきたとおり2つしかない。それは、中東(ミドル・イースト)と極東(ファー・イースト)である。

 国が戦争をせざるを得ないのは、経済の運営がうまくゆかないからだ。政治(軍事)と、経済(エコノミー)は常に、「互いに貸借を取り合ってバランスする」というのが、一貫した、私、副島隆彦の理論だ。

 金融、経済で追い詰められた、アメリカとヨーロッパ(EU)が、巨額の隠れ損失を抱えたまま(政府部門と民間の金融機関の両方で)、どうにもならなくなっている。だから、自分たちの「帳簿を燃やしてしまう」ための戦争を始めるしかなくなりつつある。 世界全体と世界民衆にとっては、極めて迷惑な話だ。

 エジプトと、タイで、去年から今年に、クーデターが相次いで成功して、デモクラシーは押しつぶされた。
これらの軍事政権の後押しをしているのはアメリカだ。この動きと全く同じものが、日本でも起きたのであって、それが、2009年に出来た鳩山・小沢政権を、たった半年で違法な攻撃で瓦解させた。

 警察庁、検察庁そして最高裁判所の長官たち、“法の番人”を使って、彼らが違法行為を行い、「法律という刃物」を彼ら官僚組織(オール霞ヶ関、今はチーム安倍 )に振るわせて、政治謀略を仕掛けて、小沢一郎を犯罪者扱いして追い詰めた。あれは実質クーデターである。 警察庁長官だった漆間巌(うるまいわお。そのあと内閣官房副長官)、検察庁の検事総長だった樋渡利秋(ひわたりとしあき)、そして、最大の頭目は、最高裁長官の 竹崎博允(たけざきひろのぶ)だ。 この竹崎(たけざき)が、最大のワルで、小沢一郎潰(つぶ)しの最高責任者だ。

 あの検察審査会(けんさつしんさかい) は、私がずっと書いてきたとおり、最高裁の事務総局に所属する司法部(行政部ではない)の国家公務員たちである。竹崎博允が、一番上から指揮して、小沢攻撃を行ったのだ。国民の指弾(しだん)受けていない、この男だけは、私たちは、断じて許してはならない。

 今の世界の焦点は実は、インドネシアだ。 インドネシアの大統領選挙で、清潔で立派な人物であるジョコ・ウイドド氏が、7月9日に、54%を得票して当選している。ところが、今も決まらず、軍事クーデターの脅威が、インドネシアを覆(おお)っている。 

 2.4億人の大きな人口を持つ准BRICS(ブリックス、新興5大国)であるインドネシアの動きが、世界の成長勢力、平和勢力の生き残りの鍵である。インドネシアが民主政治(デモクラシー)で生き残れて新興国成長モデルを続けることができれば、世界にとっての希望となる。

 反対に、インドネシアまでが、再び軍事クーデターによって民主政治が押しつぶされて、この国が、「再び歴史の闇に隠れる」ようだと、先行きが暗い。

 もしインドネシアが民主政で何とか維持できたら、東アジアでの中国包囲網(コンテイニング・チャイナ)もうまくゆかないから、ヒラリーたちが、苛(いら)立って、次に何かを仕掛けてくるだろう。 

 インドネシアで、ジョコ・ウイドドが、無事、22日の選挙判定で、勝利すれば、インドネシアは、さすがに、人口2.4億人の大国だ、ということになる。アメリカの言いなりにならない、堂々たる准BRICSの国(トルコと同格)だ。

 それに対して、タイ、エジプトと全く同じクラスの 小国 なのが、我らが日本 だ。残念ながら、世界基準(ワールド・ヴァリューズ)での見方では、こうなる。この世界からの目を、日本人が、勝手に無視して、「日本は、今も大国(a power 、パウア )だ 」 と虚勢を張っても世界では通用しない。

大国と小国(どこかの大国の属国、家来の国)の違いは、自分たちの運命を自分たちで決められるか、否かである。
だから、インドネシアが、ようやく目覚ましい経済成長によって、世界の表面に出てきて、自分たちの国の方向を、外国の指図と影響ではなく、自分たちの判断で決めることが出来る国であることが、今度のジョコウィ(ジョコ・ウイドド)の登場ではっきりする。それが出来なければ、アメリカの飢えた戦争勢力の謀略に掛かって、東アジア(極東)も、もうすぐ戦争の地帯となってゆく。

 アメリカでは、ヒラリーを押し上げている凶暴な勢力が、第三次世界大戦も辞さず、の動きに出ている。 オバマとバイデンは、まだ、それを食い止めようとして動いている。アメリカ国内もふたつの勢力に割れている。

 ヒラリー(その代理人が、今も公然と日本国内で動き回っている マイケル・グリーンである)に呼応する、日本国内の戦争翼賛のマスメディア(テレビ、新聞)、と極右の言論人たちの動きが見られる。 

 いよいよ世界は、そして、日本も、危険な状態に突入してゆきつつある。 私たちは、身を引き締めて、自分たちに襲い掛かりつつある、これからの不安な事態に備えなければならない。

 このあとの事態の推移を、新しい情報が入り次第、私、副島隆彦は、会員ページで報告します。

副島隆彦拝

(転載貼り付け始め。 以下が、最新の、一番、よくまとまっている新聞記事だ。 朝日新聞の記者がヨーロッパから現地に飛んで、早速、世界規模の謀略政治に、どっぷりと、半ば無自覚に浸かっていることをよく示している)

●「 マレー機撃墜に使用? ミサイルの写真公開 ウクライナ 」
朝日新聞 ジュネーブ=松尾一郎、キエフ=喜田尚
2014年7月19日13時09分

ウクライナ内務省のホームページに掲載された、トレーラーで運ばれる地対空ミサイル「BUK」とされる写真
 マレーシア航空機がウクライナ東部上空で撃墜されたとみられる事件で、ウクライナ内務省は、使用された可能性のある地対空ミサイル「BUK」(ブーク)一式を、親ロシア派が18日早朝にトレーラーに載せてロシア領に向けて運搬しているのを確認した、と写真付きで発表した。
 ゲラシェンコ内務省顧問は、自身のフェイスブックで、「BUKはロシア領に移動された。たぶん破壊されるだろう」と書き込んだ。

 ロシア国営ノーボスチ通信によると、ロシア国防省は「いかなる武器も持ち込まれていない。ひそかに国境を越えることも不可能だ」と反論している。
 これに対し、ウクライナ保安局(SBU)は18日、親ロシア派武装勢力の戦闘員とロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の要員らとの間のものとする通信内容を動画サイト「ユーチューブ」で公表した。
 動画によると、今回、使われたとみられるBUKやそれを操作するための要員は、マレーシア航空機が撃墜された17日、未明のうちにロシアから国境を越えて親ロシア派地域に入ってきたという。

●「 マレーシア機墜落、「撃墜」とウクライナ当局 親ロ派は関与否定」
2014年 07月 18日 07:56(日本では) 
 グラボベ(ウクライナ)17日 ロイター

 マレーシア航空の旅客機が17日、ウクライナ東部上空で墜落し、乗客280人と乗員15人の295人全員が死亡した。米当局は「空中で爆発した」として、地対空ミサイルによるものとの見方を示した。
 ウクライナ当局は、親ロシア派武装勢力がロシアの軍事諜報当局者の支援を受け、ソ連時代に開発されたSA11地対空ミサイルにより撃墜されたと非難。

 一方で親ロシア分離独立派の「ドネツク人民共和国」の指導者は関与を否定、ウクライナ空軍のジェット戦闘機が撃墜したと指摘した。ただ親ロシア派は、地対空ミサイルを入手したことを認めており、14日にはウクライナ空軍の輸送機を撃墜した。

 国連の潘基文事務総長は、原因究明のため「徹底的かつ透明性が確保された国際調査」を求めた。墜落したのはアムステルダム発クアラルンプール行きのボーイング777型マレーシア航空17便で、ドネツク市近郊に墜落した。ロイターの記者は、ロシアとの国境から約40キロ離れたグラボベの村で、墜落した機体の残骸と遺体を確認した。
 ポロシェンコ大統領は、今回の事件は「事故ではなく、テロリストの攻撃によるもの」と断定した上で、親ロシア派武装勢力に対する軍事行動を強化すると言明した。
 マレーシア航空は、「機体が最後に確認された地点はウクライナ上空だった」と明らかにした。17便にはオランダ人154人、オーストラリア人27人、マレーシア人23人が搭乗していた。

 ロシアのプーチン大統領は「悲劇だ」と述べたが、原因については言及しなかった。
 バイデン米副大統領は「空中で爆発した」と述べ、米当局者は地対空ミサイルがおそらく原因だとしたが、その理由は示していない。

 マレーシア機は高度3万3000フィートを飛行中に機影がレーダーから消えた。この高度は、親ロシア派がウクライナ軍のヘリコプターなどを狙って通常使用しているミサイルでは届かない。しかしSA11ならば撃墜可能。
 ロシアのメディアによると、親ロシア派は少なくともSA11を1発取得し、14日にウクライナ軍のアントノフAn26型輸送機を撃墜したという。ウクライナ当局も、輸送機撃墜と、16日にはスホーイSu25型ジェット戦闘機が撃墜されたと認めている。
 親ロシア武装勢力の一派は、1337GMT(日本時間午後9時37分)に、An26型機を撃墜したとソーシャルメディアで公表した。これについてウクライナ当局側のコメントは得られていない。マレーシア機が、この時間帯にウクライナ東部を飛行していた可能性もある。

 米国のオバマ大統領はロシアのプーチン大統領とウクライナ問題をめぐり電話会談を行っていたが、会談の終盤でプーチン氏がロシアとウクライナとの国境近くに墜落した旅客機の一報を伝えた。
 アーネスト報道官によると、オバマ大統領はスタッフから撃墜に関して報告を受けた後、ウクライナ当局と引き続き緊密に連絡を取り合うよう高官に指示した。
 また、ウクライナの航空当局は、墜落機が管制塔のレーダーから消えるまで、同機は問題なく通常通り航行していたと述べた。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝

清野 眞一 投稿日:2014/07/17 10:29

【1345】[1628]『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』を推薦する

この度出版された『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』の購読をひろく呼びかけるために、以下の書評を貼り付けます、

(転載貼付開始)

読書室
副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所著『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』 成甲書房 本体価格 1800円

 ついに明らかにされた幕末・明治のフリーメイソンの活動実態と表裏一体である
 ユニテリアン教会の教義思想の核心と世界規模での最先端の政治思想の“真実”

 この本は、副島隆彦氏を指導者とする副島隆彦国家戦略研究所の第7論文集である。
 常日頃からの誹謗中傷の嵐に耐えながら、副島氏は弟子たちと着実に前進しつつ、この様な充実した論文集を発刊したことを大いに喜びたい。そしてこの本は副島氏の主著の一つである『属国・日本論』の「第三部 属国日本の近代史」を直接的に補完するものだ。
 周知のように江戸末期に黒船で来航し開国を強要したぺリーらによって、日本は開国された。その後、折から勃発したアメリカの南北戦争で政治的影響力を低下したアメリカに対して、反比例するかのように影響力を急速に増大させ実質的に日本を主導するようになったのは、オルコック・パークス・アーネスト・サトウらのイギリス勢力であった。
 薩摩や長州等と闘う中で彼らを変え、倒幕勢力としつつ戦略を授けて武器を売りつけ、背後から動かしたのは前面に出たイギリスの武器商人らと黒子に徹した彼らであった。
 この本は、そのイギリスとは別に世界最大の秘密結社であるフリーメイソン=ユニテリアンが、幕末・明治の日本にどれほど強い影響を与えたかを解明した本である。
 具体的には、幕末・維新、そして明治の日本の指導者たち十一人の「偉人伝」を読み解いてゆく事で、明治の元勲たちの中にフリーメイソン=ユニテリアンの思想がどのように入り込んだかを、正確に歴史資料に基づいて立証している本である。
 この選ばれた幕末・明治のイレブンを紹介順に列挙すると、日本の自立自尊のためにフリーメイソンと共に闘った福澤諭吉、ユニテリアン思想を日本に導入した新島襄、オランダ軍人に操られた榎本武揚、日本人初のフリーメイソンとなった西周、自由民権運動の父・実はフリーメイソンであった板垣退助、「牽制の神様」かつユニテリアン人脈の尾崎行雄、西周が従兄弟叔父の森鴎外、ジャディーン=マセソン商会が育てた日本工学の父・山尾庸三、日本初・国際“超”高級官僚としての新渡戸稲造、「日本のセシル・ローズ」である後藤新平、開国期の女子教育に献身した「津田津田しい」津田梅子の十一人、その他にオランダ人フルベッキのユニテリアン思想の日本受容を準備した横井小楠がいる。
 紙面の関係で当然の事柄として全員には触れられないので、ここでは残念ながら明治期の啓蒙思想家の両雄でもある福澤諭吉と西周に限って紹介したい。
 幕末に開塾した慶應義塾が大学になる際、諭吉の強い意思により教壇に立った外国人教師の多くはハーヴァート大学から来たユニテリアン教会に属する宣教師たちだった。
 また汎神論者スピノザが準備したフリーメイソンのオランダからの影響も見逃せない。横井小楠や西周・森鴎外・榎本武揚たちは蕃所調所を通してフルベッキと出会ったのだ。
 当時の日本はロシアとイギリスの確執の最中にあり、まさにイギリスから遠隔操作されていた手駒であった。その日本の政治的な代表者が伊藤博文である。
 確かに慶応義塾にはイギリス国教会からの教師もいたが、彼らと福澤との間には信頼関係というよりは相互利用し合うことを目的とした付き合いしかなかった。なぜなら福澤には、明治政府をしてイギリスのくびきから解き放たれるには、アメリカのユニテリアン思想の助けを借りて自立自尊する道の他ありえないとの大戦略があったからである。
 ユニテリアン思想とは何か。端的には、理神論という名前の「神の否定」思想である。彼らは神を信仰せず、理性を合理を最高のものとする。彼らはカソリックの馬鹿げた三位一体説、信仰への盲従強要や神父らの商工業者への蔑視を嫌い、自らの理性信仰を「神の摂理」と称してきた。ミケランジェロ・モーツアルト・ニュートンらが理神論たちである。
 福澤諭吉は、この立場を受け入れて二人の息子を米国留学させ“日本の独立自尊”を更に追求していった。そして全く意外にも、“ワルの頂点”である伊藤博文もまた追求していたのだ。まさに「事実は小説よりも奇なり」ではないか。伊藤博文が朝鮮併合に強く反対して、山県有朋に暗殺されたのはその遠因がここにあったのかも知れないのである。
 その意味では、福澤が無謀な政治的な闘いに引き込まれずに、思想家・教育家として生涯を全うしたのは、賢い選択であった。福澤は部分的ではあれ、着実に日本が自立していくために、知識・思想・学問の分野で伊藤らと生死を掛けて闘い続けたのである。
 この事に関連して述べておくと、以前から開明的な諭吉とアジア蔑視の諭吉と二人の福澤諭吉が云々されてきたが、近年平山洋氏の福澤諭吉全集の各版本精査の尽力により、これらアジア蔑視の無署名論考については弟子の石河幹明氏のものであることが明らかになった(詳しくは、『福澤諭吉の真実』(平山洋氏・文春新書)をご覧下さい)。
 続いて西周について紹介する。彼は、幕末期に津和野藩の選抜メンバーとして江戸留学中に脱藩した。その後蕃書調所に出入りすると共に当時江戸で英語塾を開いていたジョン万次郎の所で勉学に励んでいた。学友には榎本武揚と大鳥圭介がいる。この時、幕府がオランダ留学生を派遣するに当たって選抜され、二年間オランダに行っている。彼は反カトリックのオランダの自由主義者の牙城であったライデン大学に学び、J・S・ミルやコントらを研究した。この間、英国留学中の五代友厚ら薩摩藩士と密会した事もある。
 ミルと言えば、『代議制統治論』で知られているようにデモクラシーの元祖である。こうした流れの中で、西周は留学中にフリーメイソン入会日本人第一号になったのである。
 そして帰国してからは、日本の古い身分制度の破壊のため、社会革命をめざした。彼がめざしたのは思想界の革命である。幼少期に朱子学を学び青年期に荻生俎徠で開眼した西周は、日本の知識人の教養の土台とである儒学を基礎として西洋の学術大系を理解させるべく欧州語の哲学・思想用語の日本語訳を、日本社会に確実に定着させていったのである。
 その手始めとして『万国公法』の中国語訳本にレ点を入れ刊行した事で、当時の知識人達に注目され西周の名は一躍有名となった。彼はこの本を徳川慶喜に献上もした。彼によって有名になった蕃書調所は、その後東京大学に発展していった。
 この開明思想の鼓吹者として西周は、徳川慶喜に呼ばれて京都に私塾を開き、その塾生の中に松平容保会津藩主に従って上洛した山本覚馬もいた。西に大いに学んだ山本がその後、京都府政のために尽力したのは、周知の事実である。彼を導いたのは西の思想である。
 西周はまさに思想界に革命を起こした。現在に至っても私たちが恩恵を受けている主な訳語を列挙すれば、哲学・観念・概念・主観・客観・理性・悟性・感性・総合・帰納法・演繹法など、枚挙するに暇がない。これらの訳語の恩恵は、日本一国のみならず現代中国の哲学・思想界にすら大きな影響を及ぼしているのであり、彼の残した業績の偉大さは誰にも否定できないものがある。西周については、こうした面をぜひ補強しておきたい。
 このように明治期日本の思想界からユニテリアンから学んだ福澤諭吉と西周の二人を除いたら、どんなに貧しくみすぼらしいかを、読者にはぜひとも想像していただきたい。
 また付章として、ブリタ理科大百科事典に掲載されている「フリーメイソンリー」「ユニテリアン」「理神論」の項目についての翻訳がついている。これらの解説は、まさに世界標準からの実に簡潔でありながらも本質を突いた貴重な記述である。精読を期待する。
 最後に、副島隆彦氏によるフリーメイソン・福澤諭吉・伊藤博文についての重要な指摘を「はじめに」から一つ、「おわりに」から二つを引用しておこう。
「はじめに」では、「このローマン・カトリックから毛虫のように嫌われ続けたフリーメイソン=ユニテリアン思想は、これまで、日本の出版界が『おどろおどろしい闇の支配者たち』だとか、『裏に隠れた悪魔の集団』などという愚か極まりない理解を日本国内に蔓延させた。(中略)その真の元凶は、やはりロール・カトリック教団そのものである。彼らは、この世の諸悪の根源である。実は、フリーメイソン=イルミナティの思想が、ローマ・カトリック教団の中にまでじわじわと潜り込んでゆき、自分たちの巨大な偽善を暴いて突き崩しに来るのがイヤでイヤでたまらないのだ。(中略)だが、ところがである。どうもきっかり20世紀に入ったあたりで、本当にフリーメイソンリーとイルミナティは、世界を頂点のところで支配する超権力者たちの、秘密の集団によって乗っ取られて大きく変質をとげたようである。(中略)日本の明治時代を生き生きと作った指導者たちがフリーメイソン=ユニテリアンに加入していた頃までは腐敗していない」と従来の日本のフリーメイソン観を一新する視点を明確に打ち出したのである。
 そして「おわりに」では、「日本が誇る大知識人である福澤諭吉と、明治の最高権力者のワルの頂点である伊藤博文には共通の考えがあった。それは、『日本はインドや中国やエジプトやトルコのように外債(外国からの借金)を理由に西洋人に騙されて西洋列強(とりわけ大英帝国)の悲惨な支配下に置かれないように、急いで欧米の(当時)最先端の政治思想と諸学問(理工系の科学技術だけでなく)を輸入し(翻訳し)、身につけなければならない』と、共に切迫した気持ちで考えたことだ」と福澤と伊藤との共通認識を指摘した後、「福澤は、伊藤博文らに謀られて追いつめられ決起した西郷隆盛の自刃のあと立憲運動として起きた自由民権運動が、同じく狡猾な伊藤によって、自由民権運動の最大のヒーローとなった土佐の板垣退助が早くも1881年には、洋行の資金で籠絡されててっぺんから切り崩されていく様をずっと苦々しく見つめていた。板垣が伊藤の子分になり下がって自由民権運動を内部から壊したのだ。だから福澤は、終始一貫して、伊藤博文ら買弁権力者たちに一歩も譲らなかった。知識、思想、学問の方が現実の政治権力より上に立つべきだと、生涯この説を通した」と明治期日本を貫く、その対立構図を指摘したのである。
 この本によって、私たちは明治期日本の二十年代・三十年代の全体像が理解できる。そして今後、この本の続刊として『明治偉人伝のウソ』が企画されているという。
 今後、日本の近現代史を主体的に理解するためにも、孝明天皇、徳川慶喜、明治天皇、大室虎之祐、山内容堂、小松帯刀、坂本龍馬、木戸孝允、伊藤博文、西郷隆盛、大久保利通らにも鋭いメスが入らねばならない、と私たちは確信する。
 その意味において発刊を大いに期待して筆を置く。2014年7月15日 清野 眞一

(転載貼付終了)

7721 中西 投稿日:2014/07/16 17:07

【1344】[1626]サッカー

僕は長年のサッカーファンなので、今回はいい試合が多く見れたので満足です。
(オランダファンです)
以下、箇条書きで。

・アナウンサーは、アフリカ系の選手だと必ず「身体能力が高い」と言うけど、これって人種差別発言の感じがする。ヨーロッパ のでかい選手にはこういう表現はしないので。

・まあ今はフランス・ベルギー・オランダ(ドイツもいる)あたりは黒人選手が非常に多いね。

・ヨーロッパでも確かにサッカーは非常に人気高いけど、フランスあたりだとインテリ層は少し斜めに見てる感じらしいね。

・どっちみち、差別はなくならないんで、ヨーロッパもどんどん色黒の人を出してほしいです。
 
副島先生の「シュバインシュタイガーはドイツの突撃隊のようなやつだ」には笑えました。
本当にそうですね。昔のアメリカの戦争映画で、ナチの看守で必ずシュバインシュタイガーみたいな奴がいましたね。

川本 真都 投稿日:2014/07/15 14:34

【1343】[1625]サッカーはいろいろと、わからないことだらけだったこと。

副島先生。
学問道場のみなさん。
ご無沙汰しておりました。
わたしも仕事が立て込んで徹夜続きだったので、サッカーを見逃すことなくながら見することができました。
メッシ=トム・クルーズは、ほんとにそう思いました。
決勝戦ではもうメッシー、なんて言わずに、トム!と呼んで応援してました。
ほんとに、アルゼンチンに勝たせてあげたかった。
副島先生に洗脳されたわけではないでしょうが、オランダ人とか、ドイツ人の顔がものすごーく、イジワルでイヤラシイ顔に見えてしょうがなかった。
特に、ロッベンが嫌なヤローだ!と思って、ロッベンの僚友のカイトという人は、ブレードランナーでハリソン・フォードの適役をやった、ルトガー・ハウアーに似てると思ったけど、ルトガー・ハウアーよりもイジワルそうな顔をしていた。
カイトの顔を見て、ルトガー・ハウアーを思い出して、そして、ルトガー・ハウアーもやっぱりオランダ出身だったことを思い出して、あ、やっぱり出身地が同じだと、雰囲気似るのねー、と思って面白かった。
でも、ルトガー・ハウアーはあんなにイジワルそうな顔じゃない。

さて、サッカーの話題に戻ると、前から噂には聞いていたけど、あの、あからさまな白人至上主義の審判は、なんとかならんのか。と思ったこと。
それに、白人の嫌っている有色人種にも、ランクがあって、中米が一番、いじめたくて、南米はそれよりもマシなんだな、アジア人に対する差別と、中米、南米の混血のひとたちに対する差別は、まったく質が違うんだなあ、というのが肌でわかった。
もう、中米の人たちなんかは、ほんとに賎民みたいな扱いなんだな、と思って、そういうことの背景が、知りたいと思いました。

それから、これが結構不思議だったのですが、ブラジルが準決勝でボロ負けして、あれは八百長なんじゃ、ないの?
と思ったものですが、最後には敵のドイツを応援するブラジル人の群衆心理がわからなかった。

きのう、たまたま総集編を目にして初めて知ったのですが、ブラジルのGKをやったジュリオ・セザールという人が、2010年に自分のせいで負けたと、レポーターから国民から、ものすごく非難されて人生終わったみたいになったということで、あー、日本て、1次リーグでボロ負けしても、暖かくファンが迎えてあげる国民性、それはそれで「甘やかしすぎ!」などの批判も聞こえてくるのですが、傷ついた人をさらに叩くのって、水に落ちた犬を叩く、ってことばがあるように、やっぱり品のない行動だと思うのですね。

わたしは日本人の集団主義とか、ナイーブさとか、自立してないこととか、好きじゃないことが多いのですが、負けたひとにちゃんと優しくできるところは褒めてもいいかなと思いました。

これが東京で、日本を負かした韓国がドイツと決勝戦をやったと仮定したら、日本人はどっちを応援するかなと。
2002年の日韓共催大会の頃だったら、韓国を応援しただろうと思うけど、昨今の世相だと、どうなんだろう。
わたしは韓国を応援したいと思うけど、みんないま現在でも、韓国に「大韓民国(テーハミングク)!」て応援してあげられるかな~と、ちょっと不安になりました。

副島隆彦 投稿日:2014/07/14 12:09

【1342】[1624]ワールドカップ決勝戦を見ての感想、 と最新の世界問題

副島隆彦です。 今日は、2014年7月14日(月)です。

 私は、さっきまでワールドカップ決勝戦をテレビで見ていて、いろいろ考えました。まとめて、色々書きます。

 まず、このサッカーの試合のことから。ドイツが勝ってしまった。がっかり。アルゼンチンのほうがずっと実力があったのに。アルゼンチンの選手たちの技術力の高さは、ひとりひとりが際(きわ)立っているように見えた。それに対して、ドイツは全員のっぽで身長192センチぐらいありそうなのが揃(そろ)っていた。

 ひとりだけ、ドイツ人選手なのに、チビがいたが、それが、主砲のクローゼからアレと思った時に替わった、ゲッツェ だった。こいつが、抜け目なくスルスルと、アルゼンチンの鉄壁の防御の目を掻(か)い潜(くぐ)って得点してしまった。 これでドイツの勝ちとなった。 

 集団戦の、ドイツ人らしい頭脳戦で勝った。それでも それほど、ずば抜けた選手はいない。ヨーロッパ白人サッカーでは、世界レベルのすごい人たちなのだろうが。

 シュバインシュタイガーというMF(ボランチか)が、顔面に血を流すぐらいの、激しい競り合いで、アルゼンチン・ボールの邪魔をした。ドイツの突撃隊のようなやつだ。フリードリッヒ大王の精鋭巨人軍(竹槍のノッポ部隊)だ。
アルゼンチンの防御の激しさもすばらしい。ガンガン頭をぶつけあって、転んで痛みに耐えても突撃してゆく。スライディング・タックルで相手を蹴(け)り転ばせる。

 アルゼンチンのFD(先鋒)のふたりのアグエロと、メッシは、あんなに背が低いのに、よく世界のサッカーの頂点にいるものだ。172センチぐらいしかないのではないか。英雄メッシのあの、飄々(ひょうひょう)とした、寸胴(ずんどう)で短足な感じで、よくもあんな長身のドイツ人たちの4人掛かりでの包囲網を何とも感じずに、ボールを運べるものだ。メッシは俳優のトム・クルーズに似ている。あまり感情を表に出さない、いつも上品に、上向きの顔で、ボーッとした感じもそっくりだ。

 メッシは、天才マラドーナの再来だと言われるが、なんだか、アルゼンチン人のサポーターサイドからすぐにブーイングが起きるから、国内では色々と言われているのだろう。それでも顔色一つ変えずにずっと試合をしている。自分は、国家を超えて、人類のレベルなんだ、という感じだ。まだ27歳だそうだ。

 それよりも、私が気に入ったのは、 いかにも原住民に血が入っているアエグロとマスケーラが、ものすごい突撃をするものだから、あの長身のドイツ人たちでも勝てなくて、ひっくり返って呻(うめ)いて痛そうにしている。スポーツ試合も偶(たま)に見ると面白い。

 世界レベルのプロ(ウ)pro  の選手たちだから、無理をして体をグキと痛めたら選手人生に響くから、あまり激しい競り合いはやらないはずなのに、決勝戦ともなると気迫で、ドスコイ勝負でぶつかり合う。殴り合い、蹴り合いの感じだ。

 さすがに世界レベルの試合となると、日本国内で、ころころ小さい日本人選手たちが走り回っているのとは違う。これが、私、副島隆彦が言う、world values ワールド・ヴァリューズだ。 日本ごときに国内の言論や、感覚や、基準では、世界は動かない。世界は、日本など全く相手にしていない。あと5年したら身長192センチクラスの中国人の選手たちがアジア大会でどんどん伸(の)して来るだろう。

 アルゼンチンのGK の ロメロがよく球を跳ね返していた。あの南米原住民の顔で、日本の無精髭を伸ばした、兄ちゃん、あんちゃんたちにもそっくりなのがいて面白かった。それに比べれば、ドイツのGKのノイヤーというのは嫌(いや)なヤツだ。メッシと並んで最優秀選手に成ったようだ。

 私は、3日前の、アルゼンチン・オランダ戦もたまたま見た。こっちのほうが面白かった。オランダのハリー・ロッベンが、何度かシュートを決めかかったのだが、アルゼンチンの防御DFチームとGKのロメロが強かった。この壁を崩せなかった。

 延長戦のあとのPK戦で、プロウの技の冴えで、アルゼンチンが勝った。
アルゼンチンは、このあと、ワールドカップが終わったら、国家としてデフォールトしそうである。アルゼンチン政府が、一週間ぐらい前に、「或る国(アメリカ合衆国のこと)が、デフォールト(破産)の手続きを邪魔するので、我が国の再建策がうまく行かない」と、抗議していた。

 このワールドカップのあと、続々と、ブラジル(リオデジャネイロ)に世界の指導者たちが集まるようだ。 インドの新首相のモディも行く。すでにロシアのプーチンは、アルゼンチンのフェルナンデス(女、クリスティーヌ)大統領と会談して、「マルビナス島(英語名、フォークランド諸島)の領有権、帰属を巡り」合意していた。

 アルゼンチンの国家破産(銀行取引停止)の難問は、隣国の大国、ブラジルがどうせ救(たす)けなければ済まないのだ。 それでも、こうやってワールド・カップの最終日に合わせて世界の首脳が集まるということは、「皆で、助けよう」ということだろう。ただし、ここには、アメリカ合衆国がいない。もう中南米諸国(ラテンアメリカ)を資金面から救援する力が北アメリカにはない。

 私は、サッカーのこと(野球のことも)など何も知らないし試合も見ない。それでも、90年代には、たとえば、フランスの選手だったら、ロナウドたちのような物凄く強い、頑強そうな、しかし頭はハゲポッポで、厳(いか)つくて、北アフリカの 、マグレブ人(人種)と呼ばれる、北アフリカ黒人の血が混ざった選手たちのことを思い出す。

 あの頃のフランスは強かった。 まるでアルジェリア人(カルタゴ人、フェニキア、ムーア人、オセロのような黒人)ですか、という選手たちがいた。
ヨーロッパ純系白人(優先)主義は、そろそろやめた方がいい。どうせサッカー(英語では、わざとフットボールという)は世界の下層民衆、労働者階級のスポーツなのだから、人種融合(ゆうごう)主義(congregationalism コングリゲイショナリズム)がいい。

 それに対して、たとえば、クロアチアという旧ユーゴスラビア(スラビアとは、スロバニ(キ)アで、スラブ人という意味だ)の国のサッカー選手は、身長が全員190センチ以上で、紅毛碧眼(こうもうへきがん)つまり、金髪で青い目をしていて、自分たちが、ドイツ人(ゲルマン人)よりももっと北ゲルマン人の純系白人です、みたいな、チビコロの国がある。あそこは、今のウクライナ政府と同じで、「自分たちは、きれいな白人で、有色人種ではない」を強調する、イヤな国だ。

 私たち日本人は、東アジアの モンゴル・インディアン(インド人。インド人 Indianの本当の意味は、、白人ではない有色人種という意味である。このモンゴロイード(モンゴル種)インディアン=東洋人(オリエンタル・インド人)である。このことを、隠したり、誤魔化したりしてはならない。自分たちが、まるで、名誉白人である、などという奇妙な、劣等感(れっとうかん)の裏返しの、おかしな理屈は捨てるべきだ。

 反中国・嫌韓(けんかん)の人種差別を、同じ東アジア人種でありながら、盛んに扇動して、煽った本を書いた者たちは、私は、絶対に許さん。ずべて証拠として集めて、そのうち、この人種差別主義者(レイシスト)の、奇っ怪な扇動者(デマゴーグ)たちを徹底的に成敗(せいばい)してくれる。 

 世界民衆の、このワールドカップに見える、人種融合主義の、世界人類の団結を、日本国内の、中国への反感、中国が攻めてくるから防衛しなければ、の一点の国民の不安感を根拠、利点にして、荒れ狂う愚劣な言論活動との、正面からの闘いを私はする。桜井よしこ(台湾華僑の娘)、黄文雄(こうぶんゆう。亡命台湾人を名乗る反共主義者)、呉善花(オソンファ。韓国人のくせに反韓国を煽動する奇っ怪な女)、室谷克実(むろたにかつみ。「悪韓論(あっかんろん)」で韓国人は、劣等民族で、悪韓(あっかん)だと、呪詛する愚か者) たちとの、言論戦を私はする。

 政治問題は、私の専門のフィールドだ。私は、サッカーボールは上手に蹴(け)れないが、政治思想の球なら、三段突飛ケリの回し蹴りで、お前たちの脳天を、真後ろから当てて、前のめりにつんのめらせてみせる。それぐらいの特殊技は、持っている。 如何せん。政治思想、学問、知識の分野では、こんな東アジアの地域(リージョン、 region)では、とても世界選手権に出れないので、残念だ。

 アルゼンチンにも、ひとつだけ欠点があって、あのサッカー選手たちも、自分ことをスペイン系白人だと思い込んでいる点だ。だから、ひとりも黒人選手が居なかった。アルゼンチン人は自分の国をヨーロッパ白人の国だと強固に思い込んでる。

 私はアルゼンチン人の知識人(大学教授)とこのことで、15年前に大喧嘩(けんか)をしたことがある。アルゼンチンのパンパ(北米ならプレーリーの大平原)のインディオ=インディアンは、ほとんど全滅した。白人入植者たちによって撃ち殺されたりして駆逐された。それでも、南米諸国は、メキシコのメスチーゾ始めとして、ラティノスと呼ばれる混血人間たちだ。
 
 隣の大国、ブラジルは、今も貧乏だ、貧乏だ、と言われるが、目下、急激に、成長している。日本の1964年の東京オリンピックの頃のような高度成長経済の熱気の中にある。外国からの報道陣は、ブラジルはまだまだ貧民街(大都市の周囲の丘陵地帯の一面に掘っ立て小屋が立っている)が多いと、すぐに悪口の報道をするが、どんどんこれらの貧困遅滞も住宅の質が改善しつつある。 この成長経済の熱気を、ブラジルが南米全体を主導して起こしている。

 
 ブラジル人は、アフリカからの黒人奴隷とポルトガル白人と、それから原住民のインディオとの混血である。完全な融合民族である。だから強いのだ。これからの世界をひっぱってゆく国は、(中国とインドと共に)ブラジルである。映画「スターシップ・トルーパーズ」の原作のハインラインというブラジル人作家が、これからの世界が向かう政治思想(ポリティカル・ソート)として、ものすごく重要なのだ。

 ブラジル人こそは、融合人種のサイボーグ人間だ。ブラジルのサッカー選手たちをじっと見ていると、そのことがよく分かる。彼らは、あまりに、ひとりひとりは商業主義で、自分のためのお金を世界中のサッカーチームにそれぞれ所属して忙しいものだから、団結心がない。

 たとえばオペラ音楽(楽劇)の発祥のイタリアのオーケストラ(交響楽団)が早くに衰退して、個人技になってしまって、遅れてきたドイツ人やロシア人がすばらしいオーケストラの集団楽器演奏の花を咲かせたことと似ている。
 
 ブラジルに集まって、明日、あさって、14,15日で、「BRICS(ブリックス)開発銀行」の 話をする。 どこに、その事務局を置くかで、おそらく中国の上海に決まりだろうが(どうせ中国が半分の資金を出すから)、インドも欲しいと頑張るようだ。この「ブッリックス世界開発銀行」というのは、今のワシントンに有る、世界銀行(ワールドバンク)に取って替わるための、新世界銀行(ニュー・ワールドバンク)である。

 世界には、そんな動きがあるのか、と驚く人は、私、副島隆彦の本をまじめに読まない人だ。読め。これまでに何回も書いている。
 
 この世界銀行と兄弟組織の IMF(国際通貨基金)に相当する準備基金の国際組織も同時に作りつつある。 世界は、確実に変わりつつ有るのだ。日本国民は、つんぼ桟敷(さじき)に置かれて、言論やニューズが激しく国内で、規制、統制されていて、国民がバカになっているから、世界基準(これがワールド・ヴァリューズだ)での知識を持たせてもらえなくされている。

 「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿(みざる、さんえん)のお猿さんにされている。日本のバカ官僚のワルたちと、自民党のタカ派と、それをアメリカが背後から命令するからだ。

 安倍晋三の 右翼内閣(ザ・カルト・オブ・ヤスクニ集団) は、早く終わってしまえ。そして、それよりは少しだけはマシな石破茂(いしばしげる)のちっとは穏やかな世界言うことを少しは聞く、内閣(政府)にするべきだ。

 集団的自衛権(しゅうだんてきじえいけん)の容認の閣議決定(7月1日)というのは、東シナ海で軍事衝突(ぐんじしょうとつ。ミリタリー・コンフラグレイション。 まだ戦争ではない。)が起きることを想定して定めている有事法制で間に合うのに、それを、さらに踏み越えて、日本が軍事国家への道を、歩もうとすることである。

 集団的自衛権を、政府(内閣の閣議で決める)が、歴代の法制局長官たちの政府の見解としてきた、「国際社会=国連憲章では、集団的自衛権(国連憲章51条)は、認めている。しかし、その行使の容認は、日本国憲法が許さない。その自衛権の行使は、憲法の規定を越えるから違憲である、とする。

 この法務省官僚たちの歴代の答弁を、政権政治家たちの集まりである政府=内閣の意思として、今回、はっきりと、「官僚決定が 政府見解=政府の意思 を名乗るな」として、ひっくり返したものだ。そのための手続きを、自分たち安倍政権(自民党政府)は、この度(たび)、はっきりと決議しました。

 従って、これまでの歴代内閣法制局長官(東大法学部出の法務省官僚の集まり)が守ってきた(先例拘束として)ことを破棄したものだ。
 
 だから、私、副島隆彦は、ここでは、「憲法改正の手続きをしっかり取るべきで、それをしないで、解釈で憲法を変える(解釈改憲、かいしゃくかいけん。憲法が、軍事衝突の準備までしていい、と解釈すること)は許されない」と、答弁した、公明党=創価学会の勢力の考えだと、それでは次の手続きとして、憲法改正を議論しましょう、という、ふうに、相手の思う壺に入るので、そういう態度と、思考はしない、相手の手(策略)に乗らない、という一歩引いた態度を、私、副島隆彦は取っている。

 実は、この集団的安全保障の行使の容認の問題は、フィリピンが中心だ。フィリピンのベニグノ・“ノイノイ”・アキノ大統領を中心にして東アジアの海洋での中国を封じ込めるためのアメリカ政府(オバマ政権)の意思決定に基づくものだ。

 フィリピン海軍が、中国海軍とぶつかる(軍事衝突。戦争=ウォーフェア warfare =ではない。その2歩手前)ことを想定して、アメリカを総大将とする、鶴翼(かくよく)の構えのうち、その右翼 を、日本、韓国、台湾に堅めさせ、左翼を、ベトナム、マレーシア、インドネシアに堅めさせようとする、アメリカの 東アジア版の、 NATO(ネイトー、北大西洋条約機構)の構築の動きである。だが、そんなにうまくはゆかない。東アジアの華僑の勢力が、親中国政府で動くから、この中国包囲網を突き崩して来る。

 実は、今の世界の政治の焦点の中心は、誰あろう、インドネシアである。 

 インドネシアの政治が世界の中心だ。 先週の7月9日に、大統領選挙があった。それで、ジョコウィ(ジョコ・ウイウイ)という清潔で国民思いの立派な人物(オバマとそっくり)が、45%の得票(投票率72%?)をして当選したようなのだ。

 ところが、いかにも悪人顔の、プラボウォという軍人あがりのワルが、その選挙結果を認めない、と騒いでいる。 このインドネシアの戦後政治の長い悲劇を、多くのインドネシア人を虐殺してきた、元戒厳令司令官=首都戦略軍司令官とかいう恐ろしい経歴のプラボウォに表れる、インドネシア国軍、右翼たちが、どうも、クーデターを掛けて、軍事国家になりそうな気配である。それでインドネシアが緊張状態にある。

  人口2.4億人のインドネシア(天然資源がものすごく豊富)はBRICSに続く、準経済成長大国であり、トルコ(人口9千万人)やナイジェリア(アフリカでは。1人口.4億人)や、ブラジル(2億人)と共に目下、激しく成長している国である。

 このインドネシアの政治が安定して、成長経済が続けば、世界がこの辺りを中心に発展する。 もし、ジョコウィが大統領に就任できず、暗黒の軍事国家への後戻りが有るようだと、インドネシアは、再び歴史の闇の中に隠れてしまう。私が、デヴィ・スカルノ夫人と対談して、かつ彼女の回想録(自伝)を読んで分かった、「インドネシアの戦後政治の悲惨」の重要性については、ぼやきの会員ページに載せた。
 
 インドネシア政治映画の、最近の衝撃の名作である、「アクト・オブ・キリング」を見たら、インドネシア人が、1965年の9.30事件(以降の2年間)で、200万人ぐらいが、多くが針金で首を絞め殺されて河に捨てられた、そして、その多くをインドネシア国軍がおいない、その裏からアメリカのCIAが指揮した(そして、スハルト政権という傀儡政権が出来た)ことが、よくわかった。

  この血塗られたインドネシア国軍の、暴力団そのもののワルさを、もし、日本の右翼勢力が、それと自分たちは、同じぐらいの暴力団体質の人間で、座るときには、足を開いて座る、という生来の右翼、暴力団人間だと、自民党の幹部になっている者たちまでが、自覚するようだと、日本の政治も血塗られた裏側を持っている、ということになる。

 インドネシアやインドは、サッカーが強くなることはないだろうが、このインド系の肌が褐色で浅黒い人たちは、そのまま、地球をぐるりと回って、おそらくブラジルや、コロンビアや、パラグアイ、エクアドル、ベネズエラ、ペルーなどの、混血有色人種と全く共通の世界感覚を持っている。このことが重要だ。

 インドネシア人は、インド人の一種である。そして、500年間(それこそ、日本の平戸にポルトガル人たちが1540年頃に出現したのと同じ時だ)の残酷な支配をした、ポルトガルそのあとオランダの支配を受けて、その間に、確かにオランダ人と混血している。

 それは、アルゼンチンに、スペイン系だけでなく、貧乏な食い詰めのドイツ人やイタリア人が入植して混血している事実に現れている。その他に、ナチス・ドイツの将校だった者たちも大量に、バチカンの手引で、南米過酷に逃亡して生きた。 

 だから、オランダ人が確実に微(かす)かに混血しているインドネシア人は、世界性としても、ブラジル人や、北アフリカ人(マグレブ人。セム系。南イタリア人もアラブ人との混血だ)と、世界共通の感覚を、今、持っているのだ。彼らの方が日本人よりも、政治センスや、世界共通の感覚を持っている。このことを分かることは重要だ。

今の日本人は、70年代までの高度成長経済で豊かになったものだから、どうしても、思い上がっている。だから、「私たち日本人は肌の白い白人と同じ、先進国で、奇麗な国で、優秀な名誉白人種なのよ」 と、密かに思ってる。

 それで、今も世界中にいる、白人たちの中の、ヨーロッパ白人優越主義者=人種差別主義者 ( これには、「プロウ・ホワイト・オーストラリアン」=白豪=はくごう=主義のオーストラリアを含む。ところが今のオーストラリアは国民の12%が中国系にいつの間にかなっている。)は、批判されるべきだ、ということになる。

 世界は、今、確実に、そのように、西洋白人種(コーカソイード)と黒人種とインド人種の混ざった サイボーグのような褐色の人種の世界になりつつ有るのだ。そのことが、ワールドカップを観ていたら、実によく分かった。

 こんな、日本のような、衰退国家にしがみついて、私の弟子たちの一部でさえ、自給1300円のコンビニ店員であるような、おそろしい停滞(ていたい)国家で、インフラだけは異常に整備され、公務員というふざけた人種(何だかんだで1千万人いる)だけが、「自分の生活は大丈夫」のような、ひねくれ者の国に生きていると、本当に、自分の感覚のほうが、おかしくなる。

 世界は、BRICSの 貧乏人口大国を中心に、どんどん伸び上がっている。どこの貧乏国も、指導者がしっかりしていれば、成長経済を地で行っている。
 
 中国は、地価が暴落しているから、もうすぐ、崩壊する(暴動が各地で起きる)と、書き続ける、バカな耄碌(もうろく)ジジイの長谷川慶太郎を筆頭に、今年、2014年が、「中国崩壊論」 が、賞味期限の切れる、最後の年だと、思い知るがいい。今年中に中国が崩壊しなかったら、こつらの負けだ。

ところが、こいつらは、生来、ズルい性格をした、悪い人間たちだから、また、別のコトバを考えついて、「中国悪漢(あっかん)論」とかでも書いて、自分たちの予測のハズレを糊塗(こと。ウソで塗り固める)するのだろう。中国は崩壊などしない。まずまず元気で、日本など無視して、どんどん太平洋に出張ってくるよ。

 どうするんだ。その時。本当に、中国と 戦って、戦争をする気があるのか、お前たちは。アホめが。そのくせ、「そのとき、果たして、アメリカが助けに来てくれるだろうか 」などど、いつまでも、自己疑問文の、「昔の左翼リベラル派の十八番(おはこ)だった、自己宛(あ)て疑問文を、書き続けて、取り澄(す)まして生きているがいい。他に考えることもないし、中国、北朝鮮、韓国を貶(けな)すこと、見下げること、脅威に感じること以外に、自分のうまくゆかない人生の捌(は)け口は無いのだから。心底、バカなやつら。 

 こんな貧乏たれ、の衰退国家の日本など尻目(しりめ)にして、ブラジル人、インドネシア人、アルジェリア人 のような南米褐色混血人種を中心にして、世界は進んでゆく。 日本の若い人は、元気な人は、自分のうつ病を治したかったら、外国に出稼ぎで出ることを本気で考えるべきだ。

 ただし間違っても、アメリカ合衆国や、イギリスのような、これまでの世界覇権国(世界帝国)にだけは、どうせ、ビジネス・チャンスなど、何も残っていないから、行かないように。エリート大学留学も、アメリカの人騙(だま)しの一種の、学校屋(がっこうや)という商売だから、だまされたらいけない。

 ワールドカップ決勝戦の会場には、ドイツのメルケル首相(この女が、今や、ヨーロッパの団結の女帝だ)も来ていて、ジルマ・ルセフ大統領の横に居た。メルケルは、天然ガスのロシア経由での輸入の話もあるので、プーチンと真剣に話し合って、アメリカの言うことなど聞かないで、ヨーロッパの生き残りを賭ける。 もう、アメリカの軍事力も限界だと、よく分かっている。

 ブラジルの大統領のジルマ・ルセフは、苦労の多い自分の大統領の職を必死で続けている。この女も、ブラジル解放運動の左翼ゲリラ上がりで2年間、刑務所に居た女だから根性があるだろう。ドイツが勝った瞬間で、さすがにメルケルの様子をカメラが写した。

 世界向けの報道だ。ワールドカップの最中は、世界中で、ゲリラたちや、中東のならず者の武装集団たち(ジハーディスト。サウジアラビアやCIA、イスラエルのモサドの資金で雇われている)でも、サッカーの試合を見ているだろう。 インターネットの中継でも見れるだろう。だから、私も見た。

 今日からブラジルに世界各国の指導者たちが集まって会議を開く。これは、アメリカ主導ではない。ヨーロッパの没落、衰退、気取り屋白人国家どもの主催でもない。浅黒い肌をした、有色人種たちの主導する世界会議だ。これからの世界は、こうやって、決まってゆく。 

 だから、2016年のオリンピックまでは、急激に成長する新興国を助けるために、またブラジルが主催国だ。ところが、その次の2020年は、日本(東京)にやらせろ、このままでは、日本が危ない。先進国の一角が、アジアで崩れるのは、まずい、という高所(こうしょ)からの戦略判断で、日本にオリンピックをやらせることにしたのだ。 

 貧乏国に追いつかれて、自分たちが貧乏に転落しそうになっている 先進国同盟からの反撃だ。だが、成長の止まった国に、高層ビルや、道路、橋のインフラを整備するだけで、日本に成長経済が戻るのか。おそらく無理だ。狙いは、せめて、東京の、それも中心地の海側のところだけでも、外国への玄関として、カネをつぎ込んで、立派そうにしろ、ということだ。

 日本の地方と田舎は、もう、草ぼうぼうで見捨てられている。全国、すべての地方都市が、シャッター通りのガラガラだ。商店街の店は閉まったまま、二階で老人夫婦が寝ているのだろう。この商店主階級の 100万人を、これから、破産させて、消してしまおうというのが、竹中(パソナカ)平蔵の、「300万社の中小企業の廃業率を10%に上げて、100万社を消そう」という「国家復興戦略」である。 こんな干からびた商店主たちでも、法人で会社の代表取締役社長なのである。すべては、騙しだ。

 サッカーも、「民衆にはパンとサーカスを与えよ。そして、上手に騙せ」の一種だから、私は、生来、こういうスポーツ競技は好きではない。それでも、世界民衆が、そこに集まって、ワオワオワオとやっているのだから、その 各国の下層民衆の顔を見るのはいいことだろうと、テレビを深夜に見ていた。私も、元気を出さねば。

 ここからあとは、私が、弟子たちと苦労して出版しました、 7月1日発売の『 フリーメイソン =ユニテリアン教会 が 明治日本を動かした 』( 成甲書房 刊)の宣伝をします。

 この本は、掛け値なしに、すばらしい本ですから、買って読んで下さい。損はさせません。これまでに、副島隆彦の本を読んで、「この人は、本当のことを書いている。世界基準での真実を書いて日本国内に伝える人のようだ」と、分かっている人は、必ず、買って読んでください。自分の日々の生活で忙しいでしょうが、時間をなんとか作って、読んで下さい。

 しっかり読んだら必ず、ビックリします。大きな真実に気づきます。それを、一作、一作を、私の弟子たちが、気合を込めて、書きました。この本は、日本の知識人、読者人層の、必読の書となって、これから長く、読まれてゆくでしょう。なぜなら、幕末、維新、明治時代になってからの、日本の国の作り方についての、一番、重要な、これまで秘密にされてきた事実が、これでもか、これでもか、というぐらいに、書き連ねられ、発見されているからです。

 私、副島隆彦が、もっと、解説して、皆さんの 理解の呼び水、誘引となるように書こうと思うのですが、今日は、ワールドカップ(世界サッカー試合)のことを中心に書きましたので、またの機会にします。 会員ページの方にも、すぐれた論文を、どんどん発表しています。  

 会員で更新をしていない人は、この機会に、更新して、読んで下さい。 日本で一番 優れた知識、思想、学問の習得は、今の時代は、このような、ネット上の私塾(しじゅく)でしか、真実の勉強は出来なくなっています。 既成(きせい)の威張り腐った、制度や、教育集団になどは、もう何の新味も新奇さもないでしょう。

 私たちの学問道場が、日本で最先端の政治思想、知識、学問を追究している集団です。このことを再発見していただく為にも、 前掲した 『フリーメイソン=ユニテリアン教会が 明治日本を動かした』をお読み下さい。 

 以下に転載するのは、 先ほど、私に届きました、編集者の吉野勝美(よしのかつみ)氏のこの本への高い評価と読書感想です。

(転載貼り付け始め)

『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』
の読後感

吉野勝美 筆

 本書(『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』)の副島先生の長文の「はじめに」に、すべてが言い尽されていると思いました。

 欧米の本当の近代史は、「無神論(むしんろん)」と「理神論(りしんろん)」の間に横たわる長きにわたる知識人たちの葛藤(かっとう)であること。ローマ・カトリック教団そのものが諸悪の根源であり、それと戦ったフリーメイソン=ユニテリアンたち との抗争が、日本の近代史にも反映しているということがよくわかりました。

 初期の社会主義運動が、フリーメイソン会館から起こったという事実も驚きです。 佐藤優氏の帰依しているカルヴァン派の背景もよくわかりました。また、クエーカー教 とユニテリアン教会の密接な関係もよくわかりました。

 これまで今イチ、わからなかったクエーカー教徒である新渡戸稲造(にとべいなぞう)の人生の謎も吉田祐二(よしだゆうじ)氏の優れた論考でよくわかりました。

 さて、本書中でもっとも白眉な論考は、石井利明(いしいとしあき)氏の「福澤諭吉論」だと思います。私もこれまで、福澤諭吉にフリーメイソンの匂いを感じていて、その生き方に疑問を抱いていたのです。このたびの優れた石井利明氏の論考で、その疑いが一掃されました。

 福澤諭吉は、明治維新当時の日本が、イギリス帝国からの属国支配から免れるために、アーサー・メイ・ナップ他のユニテリアンのハーバード大学の優れた教授たちを、慶応義塾に招き活用していたのですね。これを読んで、私も福澤諭吉への評価を変えました。

 次に興味深かったのは、田中進二郎(たなかしんじろう)氏の「西周(にしあまね)」論です。資料の少ない分野を、田中進二郎氏はよく分析され推論されたと思います。幕府が開いた蛮書調所(ばんしょしらべしょ)に関わっていた西周が、その後のオランダ留学中に、ユニテリアン人脈を通してデモクラシーを学んだという発見は極めて重要です。

 西周とグラバーとの関係も一歩突っ込んで推論されています。「万国公法(ばんこくこうほう)」が、それまでの熱狂的な尊王攘夷派の思想を大きく変えて、開国派に変えていったという叙述も優れています。また、西周(にしあまね)と山本覚馬(やまもとかくま)との関係も初めて知りました。副島先生が、逸早く才能を発見された田中進二郎氏のこれからの軌跡が楽しみです。

 それから、六城雅敦(ろくじょうつねまさ)氏の「森鷗外」論が秀逸でした。私もかねがね森鷗外という文学者にあまり親しみを感じませんでした。その理由が、この論考を読んで納得できました。鷗外はダブル・スタンダードの人物だったのですね。 

 大叔父である西周から幼児から習いながらも、西を嫌った鷗外は、ユニテリアンからの影響も多く、ニーチェ思想に通暁していた。軍医としての鷗外は、東大医学部閥の悪習に染まり、「脚気(かっけ)伝染病説」に固執し、念願だった爵位獲得に失敗した。自分の出世のためには、山縣有朋(やまがたありとも)に追随するなど、鷗外の意外な世俗的な一面を知って、実に出色(しゅっしょく)の論考でした。

 あまり世間には知られていない“長州ファイブ”の一人、「山尾庸三(やまおようぞう)」という「日本工学の父」になった技術者についての、下條竜夫(げじょうたつお)氏の論考も秀逸でした。 

 合理的なクリスチャンである、プリーストリーというスコットランド人の神学者の存在と、ユニテリアン思想の関係についての指摘は実に鋭いと思いました。マセソン社の便宜でイギリス留学をし、造船技術を学び取り、「日本の工学の父」と尊称された山尾庸三の足跡がよくわかりました。

 下條氏の略歴を見ると、早稲田大学理工学部卒とあり、チューリッヒ大学にも学び、理学博士とのこと。このような優れた異分野の人材までが参加されている「学問道場」の裾野の広さを感じました。

 その他、いつもながらの安定した論述をされている中田安彦(なかたやすひこ)氏の「後藤新平(ごとうしんぺい)」論、古村治彦氏の「尾崎行雄(おざきゆきお)」論、紅一点でありながら、同性ならではのユニークな女性論「津田梅子(つだうめこ)」論を展開されている足助友子(あすけゆうこ)さんの鋭い分析力と着眼点に感心しました。 

 津田梅子の、これまで言われて来た“つだつだしい女性 ”というイメージから、「愛と献身に生きる」素晴らしい女性像というイメージに転換させられました。

 最後に、付章 として設けられた鴨川光(かもがわひろし)氏による、項目の翻訳文も勉強になりました。本書の重要なキーワードになっている「フリーメイソン」と「ユニテリアン」などの正しい語義がこれではっきりとわかりました。
その他も一読して傑出していると分かる論考がありましたが、言及は今回はこれで終わらせていただきます。

学問道場(SNSI副島国家戦略研究所)各位のますますのご研鑽とご健康をお祈り申し上げます。

平成26年(2014年)7月13日

吉野勝美

副島隆彦先生

(転載貼り付け終わり)

 副島隆彦です。このようなありがたい書評をいただきました。皆さんも、ご自分の読書眼力で、この本を読み破って、自分はこの点に鋭く気付いた、などのご意見や感想を、ここの重たい掲示板に、投稿でお寄せ下さい。 

 自分なりの研究もしている、という人は、私、副島隆彦宛てに、書いてきて下さい。 私は、急いで、能力のある若い人間たちを育てなければいけないのです。それが私、副島隆彦の人生に残された任務であり使命です。

 さて、最後の最後にお知らせです。 来週の末 (7月26日、土曜日)に開かれます、私の金融セミナーへのお誘いです。

 経営者や小金持ちの人で、金融や経済の先読みのことで、私、副島隆彦の最新の考えを直(じか)に聞きたいという人、および、自分は親の財産を相続するのだが、相続税や贈与税の強化で、不安を感じている若い人たちも、ご参加下さい。以下の概要ですので、要領に従ってお申し込み下さい。まだ席に空があるそうです。

 学問道場の定例会である 講演会は、10月末に開催する予定です。詳細が決まりましたら、お知らせしますので、お待ちください。

副島隆彦拝

(講演会のお知らせ)

「 副島隆彦(そえじまたかひこ)の“予言者”金融セミナー 」 第8回

*日時:2014年7月26日(土)
*会場:ヤクルトホール 東京都港区東新橋1-1-19 ヤクルト本社ビル

開場・受付:10:00~ 
第1部:11:00~12:30 休 憩 :12:30~14:00
第2部:14:00~15:30 休 憩 :15:30~16:00
第3部:16:00~17:30(終了予定)

*受講料:15,000円(税込み)
*主催:ブレイントラスト企画(成甲書房内)

第8回金融セミナーへご参加を希望されます場合は、
お電話 03-3292-8401
FAX 050-3156-3040
メール seminar@seikoshobo.co.jp   
で、お申し込みください。
 

副島隆彦拝