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Loginはこちら【1433】[1752]天武天皇に正統性
朝鮮半島の戦乱と「壬申の乱」
西暦663年八月の「白村江の戦」での倭国軍の惨敗で朝鮮半島の戦乱が終わったのではない。高句麗が依然健在であった。国境を接する高句麗討伐が唐の目的であった。668年九月の高句麗滅亡まで唐と新羅は協力して高句麗討伐に当たっていたが、新羅内部に唐に対する不信感が芽生えていた。何故なら、百済王朝滅亡後、百済旧都に唐の都督を置き、その役人に百済王族を採用し、新羅の発展に対抗させ、高句麗討伐後、半島を唐の一元支配に置くことを目指していた。対高句麗戦争に於いても、激戦地には集中的に新羅軍を配置させ、あたかも新羅王朝が疲弊困憊するのを待っているかのようであった。
668年九月、高句麗が滅亡するや、忽ちに唐と新羅の対立が顕になったのである。唐と新羅は、全面戦争になった。
天智十年(671年)十一月、唐の役人・郭務宋が二千の軍勢を率いて四度目の来日を遂げている。『日本書紀』のこの記事で注目すべきは、郭務宗が予め対馬国司に使いを派遣し、今回の来日は、軍勢を多く率いているが、戦いの為のものではないと、伝えて来たことである。この来日に長安に拘留されていた倭国王を帯同していた。倭国王の送還であった。唐は、倭国との講和を望んでいた事は明らかである。
半島では、高句麗残党も新羅に協力し、唐軍は窮地に立たされていた。それに長年に亘る朝鮮半島出兵で、唐国内では厭戦気分が蔓延していた。唐は窮余の策として、倭王朝に再度の新羅討伐軍の派兵を要請して来たのではないか。しかし、すでに倭王朝は日本国(近畿大和王朝)臣下に為っていたのである。唐の要請を近江朝に丸投げせざるを得なかったのである。この九月、天智天皇は病に倒れ、十二月三日に崩御なされた。近江朝も大変な時であった。
郭務宋は、翌年五月末日まで滞在している。この五月初頭に、近江朝は美濃、尾張国で百姓の徴集を開始している。『日本書紀』は、天智天皇の山陵を築く為と記すが、徴集された百姓に武器を取らせていたとも記す。またこの徴集された百姓のシンボルカラーが赤色であった。赤色が唐のシンボルカラーであることは、当時の東アジアでは常識であった。唐以外で、赤色をシンボリに使うなど許されることではなかった。
百済滅亡にともない多くの百済人が難民となって日本に辿り着いていた。天智天皇は、彼らに琵琶湖東岸から美濃、尾張にかけて土地を与え開墾、自活を促していた。美濃、尾張国には、多くの百済人が居たのである。近江朝は、彼らを中核に軍を編成して、筑紫から半島に送る決断をしたのでは無かったか。この百姓徴集を知った時、大海人皇子(天武天皇)は「壬申の乱」の蜂起を決断した、と『日本書紀』は伝える。倭国と百済は、協力して唐・新羅と戦った仲間であった。
【1432】[1751]新しい企画として「情報交換会のサロン(仮)」の第一回目の活動報告
アルルの男・ヒロシです。先日、2月14日に新宿で上記のSNSI・学問道場イベントを開催しました。会員と非会員の相互の交流を図る情報交換の場として開催したものです。参加したのは13人で、会員が8割でした。今回の会合では参加者が読んで面白かった本を持ち寄っていただきました。13人で一人ずつ自己紹介すると3時間はあっという間に過ぎました。
参加者の方々が紹介した本のタイトルを列挙します。様々な本があります。
◯ウィトゲンシュタインのウィーン (平凡社ライブラリー) 単行本 - 2001/3
スティーヴン トゥールミン (著), アラン・S. ジャニク (著), Stephen E. Toulmin (著), Allan S. Janik (著), 藤村 龍雄 (著)
http://www.amazon.co.jp/ウィトゲンシュタインのウィーン-平凡社ライブラリー-スティーヴン-トゥールミン/dp/4582763863
◯魂主義という生き方──5つの自分革命が仕事と人生を変える 単行本(ソフトカバー) - 2014/12/12
高橋佳子 (著)
http://www.amazon.co.jp/魂主義という生き方──5つの自分革命が仕事と人生を変える-高橋佳子/dp/4879280976/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1424022809&sr=1-1&keywords=魂主義
◯全日本プロレス「崩壊」の真相 単行本 - 2014/12/15
別冊宝島編集部 (編集)
http://www.amazon.co.jp/全日本プロレス「崩壊」の真相-別冊宝島編集部/dp/4800236061/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1424022860&sr=1-1&keywords=全日本プロレス崩壊
◯ゴーマニズム宣言SPECIAL 新戦争論1 単行本 - 2015/1/28
小林 よしのり (著)
http://www.amazon.co.jp/ゴーマニズム宣言SPECIAL-新戦争論1-小林-よしのり/dp/4344027132/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1424022909&sr=1-1&keywords=新戦争論1
◯イスラム:失われた歴史 単行本 - 2010/9/18
マイケル・ハミルトン・モーガン (著), 北沢 方邦 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/失われた歴史-マイケル・ハミルトン・モーガン/dp/458274429X/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1424022963&sr=1-1&keywords=イスラム失われた歴史
◯絶望の裁判所 (講談社現代新書) 新書 - 2014/2/19
瀬木 比呂志 (著)
http://www.amazon.co.jp/絶望の裁判所-講談社現代新書-瀬木-比呂志/dp/4062882507/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1424023002&sr=1-1&keywords=絶望の裁判所
◯政治を哲学する本 ハードカバー - 1994/5
副島 隆彦 (著)
http://www.amazon.co.jp/政治を哲学する本-副島-隆彦/dp/4893463748/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1424023048&sr=1-1&keywords=政治を哲学する本
◯新版 法律学の正体 単行本 - 2002/7
副島 隆彦 (著), 山口 宏 (著)
http://www.amazon.co.jp/新版-法律学の正体-副島-隆彦/dp/4896916425/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1424023086&sr=1-1&keywords=法律学の正体
◯地方消滅 – 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書) 新書 - 2014/8/22
増田 寛也 (著)
http://www.amazon.co.jp/地方消滅-東京一極集中が招く人口急減-中公新書-増田-寛也/dp/4121022823/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1424023128&sr=1-1&keywords=地方消滅
参加者の中で多かったのは小林よしのり、佐藤優の読者であると同時に副島隆彦の読者である、という人。
次回の開催については月一回をめどに考えているが土曜日ではなく日曜日にするべきだという意見が出ました。
会員同士で本の情報を交換できる掲示板があるほうがいい、という意見が出ました。
英文記事を読む会も併催してほしいという声が出ました。
以上、ご報告です。参加していただいた皆様、ありがとうございました。
【1431】[1750]曽野綾子や渡部昇一:日本を駄目にするカトリック保守派言論人の周辺
アルルの男・ヒロシです。笹川良一系の日本財団元理事長の曽野綾子が産經新聞のコラムの中で、南アフリカのアパルトヘイトを賞賛するかのような内容のコラムを寄稿し、産經新聞がこれを載せたことが国際問題になってきている。本日、とうとうNHKも報道した。
(貼り付け開始)
曾野綾子さんのコラム 南ア大使が抗議
2月15日 13時06分
産経新聞が、作家の曾野綾子さんが寄稿した、南アフリカを例に、人種ごとに居住区を分けるほうがよいという内容のコラムを掲載したことについて、南アフリカ大使が、 人種隔離政策「アパルトヘイト」を許容するものだとする抗議文を産経新聞に送っていたことが分かりました。
産経新聞の今月11日の朝刊に掲載されたコラムで、曾野綾子さんは、介護の分野などの労働力不足を補うため移民の受け入れは避けられないとしたうえで、 アパルトヘイトが撤廃されたあとの南アフリカ共和国を例に、「居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住むほうがいいと思うようになった」と述べています。
産経新聞によりますと、このコラムに対し、南アフリカのモハウ・ペコ駐日大使から14日までに、「アパルトヘイトを許容し、美化した。行きすぎた、恥ずべき提案」としたうえで、 「肌の色やほかの基準によって他者を差別してはならない」などとする抗議文が届いたということです。
これについて産経新聞はホームページなどに、「当該記事は曾野綾子氏の常設コラムで、曾野氏ご本人の意見として掲載しました。コラムについてさまざまなご意見があるのは当然のことと考えております。
産経新聞は、一貫してアパルトヘイトはもとより人種差別などあらゆる差別は許されるものではないとの考えです」とするコメントを掲載しました。
また曾野綾子さんの「私は文章の中でアパルトヘイト政策を日本で行うよう提唱してなどいません。生活習慣の違う人間が一緒に住むことは難しいという、個人の経験を書いているだけです」というコメントも掲載しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150215/k10015469391000.html
(貼り付け終わり)
住み分けが必要であることをわざわざ南アフリカの例を引き合いに出して論じているのも問題だが、その上でなおも移民政策を推進せよという提言である。これはあまりにも無責任な発言だ。このコラムは産經新聞の編集部の段階で掲載を見送るか、曽野に申し入れて表現を訂正すべきだっただろう。曽野にしてみれば、いつもの「偽悪者」ぶりを発揮したということのようだが、この問題は英国系メディアのロイターが素早く配信しているのが気になる。
この問題は日本の外交にさらに悪影響を与える要因になる。これは政治的に正しくない発言であり、これを安倍晋三の知人である曽野が行ったということ、さらにそれを安倍晋三お気に入りのメディアである産経が不用意に載せてしまったことが、大きな意味をもつ。本来は安倍晋三の応援団のはずの保守系メディアが派手なオウンゴールを放ったということである。
まず南アフリカの住み分け=アパルトヘイトとつながるのは想像できることで、このことで安倍政権の南アフリカ政策に一つ大きな不安定要因が加わることになる。これは中国に対向するという意味でも大きなマイナスだ。中国は南アを含めたBRICSの盟主である。中国にうまく利用されそうだ。
さらにアパルトヘイトというのは現在の問題としては、南アフリカではなく、パレスチナのガザ地区のイスラエルの入植政策と大きく関わっている。イスラエルの政策は「現代のアパルトヘイト」と呼ばれ、ニューヨーク・タイムズなどの欧米メディアでもイスラエルと組む企業のボイコット運動が大きく報じられているのである。(http://www.bdsmovement.net/)
安倍政権は先のイスラエル訪問で、ガザへの入植政策は批判したが、同時にパレスチナの国際刑事裁判所(ICC)加入の動きについては批判している。これではイスラエルの国際法違反の虐殺をハマスの違法行為と同時に国際法廷でさばくということができないわけで、安倍政権の姿勢は一見、イスラエルを批判しているように見えて、イスラエルとしては歓迎すべき内容なのである。
前に書いた記事でも私が述べたように、安倍首相の今回の中東歴訪は大きく日本のイスラエルロビーによって大きく仕組まれた可能性がある。イスラエル有効議連の中山泰秀を人質事件の現地対策本部長にしたことも含めて裏に大きな動きがあるだろう。外務副大臣には人質事件の対処経験のある城内実もおり、城内の方が中山よりも適任であったというのは外交通の認めるところだ。その中山を今度は今月18日のワシントンでのテロ対策国際会議に派遣するという。
産經新聞が今朝の一面で報じたところでは、この会議で中山外務副大臣は、イスラム国対策で17億円を追加支援するというが、「テロ対処能力の向上」に当てられるというこの17億円のODAは果たして本当に安倍晋三の言う「非軍事支援」なのであろうか。
イスラエルは3月の総選挙に向けて各国の首脳を巻き込んで政治利用する動きに出ており、中山泰秀を重視する政治判断も安倍政権がこの流れに巻き込まれているということである。
さて、曽野綾子の問題については官邸記者会見でもロイターの記者が話題にしている。問題の記事は2月11日の産經新聞に掲載されたものだが、菅義偉官房長官は曽野が教育再生会議のメンバーだったのは過去のことだとし、「一昨年の十一月に教育再生会議をやめておられる方ですから、曽野さんのことにについてはコメントするは控えたい」として、火消しに入っている。
ただ、曽野綾子と安倍晋三の関係は深いだろう。過去の安倍晋三と曽野綾子の発言をいろいろ調べてみるといいだろう。同時に曽野はコラムで介護従事者のしごとを軽んじるような発言をしている。この点については野党は安倍首相の考えが曽野と違うのかどうか、国会でただした方がいい。介護従事者の報酬が低いなどの問題は国会で処遇改善法案を出すなどの議員立法提案も考えられるだろう。
ところで、曽野綾子のコラムについては、産経とよく似た主張をするが、実は発行母体は統一教会であるという「世界日報」が擁護するコラムを掲載しているのが注目される。(http://t.co/x2YQl18ajh)
世界日報といえば、かつては曽野と並び、産経の「正論」系言論人であるイエズス会の渡部昇一・上智大学名誉教授が愛読していると公言し、広告塔をやっていた新聞である。過去の渡部と統一教会の関係は深く、1985年6月のカウサ(CAUSA。アメリカ社会統一協会連合)第三回日本会議に出席、さらに、1985年8月5日の東京勝共講師団結成集会では基調講演を行っているという。統一教会の政治部門が国際勝共連合という反共主義を掲げている団体であり、こことカトリック言論人の渡部は思想で共鳴したのかもしれない。渡部の活動していた文藝春秋の『諸君!』というのも要するに岩波の『世界』のような共産主義擁護の雑誌のカウンターとして産經新聞と同じように日本の財界が米国の支援を受けて刊行したものであり、そこには当時の国際情勢が深く根を下ろしている。
統一教会=勝共連合のメンバーである久保木修己の著作(美しい国 日本の使命―久保木修己遺稿集)が安倍晋三の『美しい国』というスローガンに影響を与えていることは一目瞭然である。この久保木は、元日本統一教会会長であるといい、自らの著作の中で「そのころ、統一教会の本部は渋谷区南平台にあって、実は岸先生のお宅の隣でした。それで太田郁恵さんがその教祖の紹介もあって、岸先生宅に通うようになりました」と書いているのである。
岸信介、笹川良一と勝共連合の関わりは有名な話であり、日本の初代会長は「統一教会」の会長でもあった久保木修己。名誉会長は笹川良一だったわけであるから、統一教会は「反共」を軸に日本の保守政界ロビー工作をしていたわけである。
しかし、不思議なことに統一教会の教義では、日本は賞賛する対象ではなく「サタン」として位置づけられているのだという。共産主義である中国がサタンであるのはわかるのだがなぜ日本もそのような低い位置づけなのか。この点について「朝日ジャーナル」に寄稿した鈴木邦男氏の文章がある。これによるとこういう説明だ。
(貼り付け開始)
反共は方便、実際は共産主義
イエスが再臨する「東方の国」は韓国であり、韓国語が祖国語となって世界は一つになるという。なぜ、「東方の国」が韓国かというと、中国は共産化したからサタン側の国であり、日本は「代々、天照大神を崇拝してきた国として、さらに、全体主義国家として、…・
韓国のキリスト教を迫害した国」だから、これも「サタン側の国家」だという。また、「第二次世界大戦は、民主主義によって結託した米、英、仏の天の側国家と、全体主義によって結託した独、日、伊のサタン側国家との対戦であった」という。
これは、『原理講論』にかいてある通りである。そして、韓民族がいかに「サタン」の日本によって、侵略され、迫害され てきたかがこれでもか、これでもかと書かれている。『文春』の告発レポートでは、さらに驚くべき事実が書かれている。韓民族が選民であり、他民族に優越しており、再臨主とは、すなわち文鮮明氏のことであり、文氏によって世界は統一され、必然的に韓国は世界の中心となり、韓国語が世界の共通語となる。こう説かれているという。
http://wondrousjapanforever.blog.fc2.com/blog-entry-234.html
(貼り付け終わり)
要するに統一教会の教義は一種の韓民族の「ハン(恨)」の思想に裏付けられているということなのか。日本の保守政界に浸透することで、日本に復讐し、悔い改めさせるという狙いがあったのかもしれない。そう考えていくと、安倍政権の周辺にいる勝共連合にちかい人々が、ことさらに歴史修正主義的な発言をして日本の保守派におもねり、一方で世界における日本の国際的地位を低めているという活動の意味が見えてくるのではないか。
この中でイエズス会の渡部、カトリックの曽野の関係者である笹川良一のような日本原理主義者に浸透していくという戦術は実にしたたかであった。その毒がいま、安倍政権の外交政策の失敗という形で露呈しているのではないか、そのようにすら思ってしまうのである。
そういえば、日本をコントロールする米シンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)ももともとはイエズス会によって設立されたものである。元々はイエズス会神父、エドマンド・アロイシウス・ウォルシュ、1885年10月10日 – 1956年10月31日)によって、1919年にジョージタウン大学内に、「エドマンド A. ウォルシュ外交学院」として創設された、ということは知っておいたほうがいいだろう。イエズス会といえば「ダ・ヴィンチ・コード」に登場した、オプス・デイなどの裏の政治ネットワークもある。
CSISと現在、笹川平和財団は深く結びついている。
【1430】[1749]天武天皇の正統性
柿本人麻呂の立ち位置
天武天皇の正統性を主張する史料は『日本書紀』『古事記』『万葉集』の三点である。『万葉集』で天武天皇の即位の正統性を主張し、神の子孫である皇統の日本統治の正統性を高らかに歌い上げている。「大君は神にし座(ま)せば」のフレーズは人麻呂に始まる。つまり天皇の神聖は、人麻呂が創り上げたと云うことが出来るのだ。
注目すべきは、人麻呂の作歌の方が『日本書紀』『古事記』に先行していることである。私は「壬申の乱」と言うのは、倭国(筑紫王朝)の大皇弟であった大海人皇子(天武天皇)の近畿大和王朝(日本国)乗っ取り(横奪)事件であったことを明らかにしてきた。天武の即位には正統性がなかった。「壬申の乱」は不義の戦であった。
故に天武天皇は、何よりも正統性を欲したのである。天武による歴史編纂の詔は、自身の正統性を創造するためのものであった。『古事記』序文が云う「偽りを削り、実(まこと)を定め」ではなく「実を削り、偽りを定め」る行為であった。『万葉集』の人麻呂の歌が『日本書紀』『古事記』に先行していることは、何を意味するのだろう。歴史編纂は、天武朝の最重要事業であった。天武天皇に正統性を与えることは最優先課題であった。その課題に誰よりも早く応えていたのが柿本人麻呂であった。
通説では、人麻呂を下級官吏で石見国の鴨山で、人知れず亡くなったと云う。しかし、そんなバカなことがあるものか、天武天皇に正統性を与えることが最重要課題であったのだ。人麻呂は、その課題に率先して応えていた。下級官吏などであったはずがない。歴史編纂の中心にいたのである。人麻呂は、ありのままの歴史を謳ったのではない。人麻呂が歌った故に、それは神話になり、歴史になったのだ。
人麻呂の歌で一番重要な歌は、199番の高市皇子(天武天皇の長男)に奉げた挽歌である。この歌は『万葉集』で最も長大な歌で日本の詩歌の最高峰と讃えられている。人麻呂は、この歌で天武の決起の正統性を歌い上げている。またこの歌で注意すべきは「壬申の乱」の指揮も、その後の天武天皇・持統天皇の代で実際に政権を執ったのを高市皇子であった、と歌い上げていることである。
日本の天皇は、この時から神聖を与えられ、君臨すれど統治せずであった。人麻呂は正統性の創造者(クリエーター・オブ・レジテマシー)である。下級の地方官吏や流罪人であったはがない。政権の中枢にいた人物である。実際の主宰者であった高市皇子の片腕であった人物だ。
『古今和歌集』の「仮名序」は次のように記す。
・・・いにしへよりかく伝はるうちにも、奈良の御時よりぞ広まりける。かの御代や、歌の心を知ろしめしたりけむ。かの御時に、正三位なむ、歌の聖なりける。これは、君も人も身をあわせたりといふなるべし。・・・
仮名序のこの部分が長年研究者を悩ませてきた。何故なら『万葉集』の中では、人麻呂は奈良遷都以前に石見国で死んでいることになっている。それなのに『古今和歌集』は、奈良遷都後も人麻呂は生きており正三位の人物であった、と云うのだ。正三位は大納言の官位である。平安時代の末期には、この仮名序の理解が不可能になっていたらしい。その為「奈良の御時」は、文武天皇と読め、と云うのが定説になってきた。しかしそれはおかしい、文武天皇の在位は697~707年で、奈良遷都は710年である。奈良遷都の時には、文武天皇は亡くなっていた。
ではどのように考えれば良いのだろう。「古今和歌集」が編纂された905年頃まで、柿本人麻呂の正体を伝える秘伝、口伝が生きていたのではないか。秘伝、口伝などは、文字化されると滅びると言われている。人麻呂の正体を伝える秘伝も、『古今和歌集』の仮名序に書かれることで滅んだのではないか。
人麻呂が地方の下級官吏や流罪人であったはずがない。政権の中枢にいた、実際の政権の主宰者であった高市皇子の片腕であった人物である。天武天皇の正統性の創造主であった。
【1429】[1748]新しい企画として「情報交換会のサロン(仮)」をやります。
アルルの男・ヒロシです。
2月14日(土)から毎月、一回から多くて二回のペースで、「副島隆彦を囲む会」(SNSI)の会員の皆さんとそれ以外の読書人の皆さんの間での情報交換会を兼ねた交流会を開催したいと思います。
このイベントは、去年に開催した「ケンカ道場」とは別に(それもできるだけやりますが)もっと気楽に肩の力を抜いた形で参加できるものにしようと思います。つまり、この会に限っては、「学問道場・SNSI」の会員ではない人も参加できます。
具体的には、一ヶ月に一回程度、土曜日の夜に都内の喫茶系会議室に15人程度で集まって、いろいろな現在の政治・経済、あるいは金融動向、英米メディアの報じる世界情報、そして、いろんな趣味を持った読書好きの人たちの間で、「最近出たおすすめの本」を紹介しあって、知識学問の共有をして、「あたまのいい日本人」になろうという目的でやりたいと思います。まだ追々決めていきたいのですが具体的なメニューとしては
◎先月出た本で面白そうなものを紹介(新聞書評などを手がかりに)
◎参加者が最近読んで面白かった本を教えあう(漫画でもいい)
◎国際情報紙「The Economist」の記事を英語が読めない人も含めて一生懸命読み合う
◎ハリウッド映画の優れた「政治映画」の鑑賞会を開く
◎大使館御用達のエスニック料理を食べながら政治談義(割り勘で)
といったことを考えています。
基本的にはサロン、喫茶室での少人数の談話がメインです。去年やった「勉強会」よりもずいぶん気楽に参加できるお話会にしました。非会員の方も参加できるので、思想的に固定した集まりではなく、本当に「読書好き」「映画好き」の人が集まれる会にしたいと思います。会で話題になった本などは会員向けにはできれば紹介したい。
第一回は2月14日(土)に新宿のルノアールで開催するように部屋は手配してあります。15人程度の部屋ですからお申し込みはお早めにお願いします。(先着順で締め切りです。私のツイッターでも時間をおいて参加者募集をします)
お申し込みは以下の申し込みフォームに必要事項を書いてください。今回は試験的な開催ということで、参加費はいりません。次回以降、部屋代やお菓子代などの実費をお願いするかもしれません。それはその時にお知らせします。
https://docs.google.com/forms/d/1jdil8TKu8lnvKF6q7xYbGAGmkTRigFTWdWAdBHgQUtI/viewform
※2月5日朝に申し込みが定員に達しました。また次回の機会によろしくお願いします。
すでにお申込みの皆様には2月8日以降にメールで個別に詳細をご連絡します。
お名前やメールアドレスなどが必要なのは緊急時の連絡に必要なためです。よろしくお願いします。
どの年齢層の方でも来ていただければ嬉しいですが、若い人にもっと本を読んで欲しいので、若い人に是非来てほしいと思います。
受付は先着順ですが、締め切りになった場合はこの場所で告知します。受付完了した方にはメールやツイッターのDMで場所や集合時間をお知らせします。
=====
もともとこの「学問道場」は会員制の読者サイト(副島本の読者たち同好の士が集まる)だったのですが、活動の拠点というか重要な情報は、選挙活動の時のビラ配りとか、だれでも書き込める掲示板に集まってきて、私達もそれで勉強していたものでした。ところが掲示板に悪戯投稿が増えたせいで、掲示板そのものを会員以外には閉鎖しなければならなくなりました。それで面白い情報が入ってこなくなったのです。
また、掲示板というシステムそのものが旧世代のメディアとなってしまいました。今の若いネットユーザーはツイッターやブログ、フェイスブックといったSNSをつかって情報交換をするのが主流です。私達はあえてこの流れに逆らっていますが、同時に、インターネットでは本当の情報は得られない、実際に人が狭い部屋に集まってざっくばらんに話をしないと本音は出てこない、とも思います。
そこで少人数の勉強会を去年企画しましたが、これはちょっと難しすぎたと反省しています。もっと読書そのものに興味を持つ用な仕掛けが必要だと考え、この「サロン」の企画をやってみようと思いました。
同好会のオフ会(オフラインミーティング)に参加する気分で参加ください。SNSIからは企画を考えた私以外は当面参加しません。副島隆彦先生も来ることはありません。先生は従来通り「ケンカ道場」をペースは落としますが開催しますので、そちらに参加されます。
お待ちしております。
【1428】[1747]安倍政権が人質拘束を隠して総選挙に圧勝した話
アルルの男・ヒロシです。
今朝のネットニュースで「週刊女性」の記事からの引用として次のような驚くべき証言が掲載されていた。
(貼り付け開始)
後藤健二さん 外務省が妻にしていた「総選挙12日前の口止め工作」
女性自身 2月3日(火)0時0分配信
テロ組織『イスラム国』に人質となっていたジャーナリスト・後藤健二さん(47)の殺害が公表された。 イスラム国を訪れたこともあるジャーナリスト・常岡浩介氏が言う。
「遺体の返還はこれまで例がありません。イスラム国は、遺体に“身代金”を払うよう要求してきたこともあります」
殺害を受け、後藤さんの妻は、夫を「誇りに思う」との声明を発表した。妻は、幼児2人を抱えながら独立行政法人で働く、東大大学院修了のキャリア女性だ。12月2日に夫の拘束をイスラム国からのメールで知って以来、彼女は苦難の日々を過ごしてきた。だが、常岡さんは重大な情報を本誌に明かす。
「この12月2日という日は、衆議院総選挙の告示日でした。12月14日が投票日ですから、その12日前という状況です。じつはこのとき、外務省が後藤さんの奥さんとシリア人の現地ガイドに、厳重に“口止め”をしていたのです」
選挙直前に“日本人人質事件”が発覚すれば、選挙に影響が――。万一にも事件が表沙汰にならないよう、外務省が口止めをしていたというのだ。
「奥さんは子供を守るため、もともとメディアにさらされたくないとは思っておられましたが、外務省からの“口止め工作”について、現地ガイドがはっきりと証言しています。外務省は『後藤さんを守るためだ』と言ってきたそうですが、選挙前にこの話が出たら、安倍首相にプラスにはなりません。譲歩して助けても、助けられなくても批判されますから。でも、選挙前に拘束の事実が明らかになっていたら、日本政府はもっとまじめに助けていたかもしれませんね」
政府による後藤さんの救出活動に問題はなかったのか。これからその検証が始まるーー。
(貼り付け終わり)
この外務省が、後藤健二さんの奥さんに「人質事件について口止め」していたという証言。有り得る話である。
まさかそんなとおもうだろうが、実は安倍政権は似たような事実の隠蔽を去年の衆議院選挙の際に行っているのである。
それは海江田万里民主党前代表の選挙区で自民党から立候補した安倍派の山田美樹という通産官僚あがりの女政治家の陣営が次のような事件を起こしていたからだ。
(貼り付け開始)
山田美樹氏:運動員人身事故、近くで演説 秘書が身分隠す
毎日新聞 2014年12月27日 15時00分(最終更新 12月27日 18時28分)
◇被害男性、一時意識不明 秘書「月曜まで待って」
衆院選公示期間中の12日、東京1区の自民党、山田美樹氏(40)の運動員が選挙区内で人身事故を起こし、被害者が救急搬送される近くで山田氏ら陣営が街 頭演説を行っていたことが毎日新聞の取材で分かった。翌日に被害者の入院先を訪ねてきた秘書が、応対した親族に「(投開票後の)月曜まで待ってくれ」など と言って身分を明かさなかったことも判明。被害者側は「非常識だ」と批判しており、山田氏の事務所は取材に対し、山田氏本人に事故をすぐ報告すべきだった などと釈明している。
警視庁神田署などによると、事故は12日午後1時半ごろ、東京都千代田区神田神保町2の神保町交差点そばで発生。 道路左側に止めた車の右後部ドアを運動員の30代男性が開けたところ、後ろから来た都内の印刷関連会社に勤務する60代男性のバイクと接触した。男性は転 倒して一時意識不明となり、搬送先で外傷性くも膜下出血と診断されて2週間以上入院した。半年間の通院が必要で運転もできない状態だという。
車に乗っていた山田氏事務所の吉沢昌樹政策秘書らによると、遊説支援で山田氏と合流するため神保町へ向かい、到着直後に事故が起きた。山田氏らは救急車が 到着後に現場から約30メートルの場所で街頭演説を始め、事故処理中も続けた。終了後に選挙カーで移動し、山田氏本人に事故の報告をしたのは同日夕方だっ たという。
被害者の男性は勤務中で、勤め先の会社会長(68)は「運動員の事故も知らず、近くで演説するのはおかしい」と指摘。 「吉沢秘書らが親族を訪ねたのは事故翌日で、名刺を渡すことや身分を明かすことを『月曜(投開票翌日)まで待ってほしい』と言って拒んだと親族から聞い た。不誠実だ」と批判する。
取材に対し、山田氏の事務所は「候補者(山田氏)への事故発生の連絡が遅くなった点については厳重に注意した」と文書で回答。被害者側への対応については「捜査中で詳細について説明できないが、誠意を持って対応している。山田もお見舞いに伺った」としている。
しかし、山田氏が病院を訪れたのは、毎日新聞が取材を申し込んだ翌日(20日)だったという。事故当日の経緯や事故後の対応について、国会周辺で山田氏本人に直接聞いたところ「イレギュラーな取材は勘弁してほしい」とだけ述べた。
(貼り付け終わり)
このように山田美樹という自民党の政治家は、交通事故を隠蔽して選挙を終えている。
なぜ山田美樹が自己を隠蔽して、被害者に秘書を通じて圧力をかけたかというと、東京1区というのは安倍晋三や麻生太郎が総選挙の最終日に行う秋葉原駅がある千代田区を選挙区とするからだ。
上の毎日新聞の記事によると、山田美樹のスタッフが起こした交通事故は、演説会場である岩波ホール前であり、ツイッターでの目撃情報もあった。しかし、翌日の13日の安倍晋三との応援最終演説に差し障るということで、事故を隠蔽したのだ。
最終演説の前日に肝心の東京1区の陣営が重大な交通事故を起こしていたということがわかれば、当然に選挙運動の自粛が求められる。しかし、安倍晋三の最終演説の場所はネトウヨの聖地である「秋葉原」を外せない。
山田美樹も参加した安倍晋三秋葉原最終演説(12月13日)
そういう判断があって、山田美樹陣営の交通事故は隠蔽された。これは自民党本部ぐるみの仕業であるような気がする。その辺の事実関係も、とうの山田美樹が年末年始逃げ隠れしまくって、一切記者会見をしないので分からない。だから憶測するしか無い。
そして、週刊女性が疑惑を報じた今回の総選挙前の人質事件の隠蔽。むろん、このような圧力があるなしにかかわらず、後藤さんの奥さんはJICAの職員だから事実を暴露するようなことはないだろう。
しかし、問題は、このような安倍首相の政権維持のために山田美樹の事件を隠ぺいする体質が自民党にはある、ということだ。これは許されることではない。
このことをまずお伝えしたい。
ところでこの人質事件のもみ消し疑惑、女性自身という女性誌に掲載されているのが重要な気がする。
女性誌の三題噺は「美智子様」「明菜」「静香」だ。
皇室報道といえば女性誌だ。奥様方は美容院でこういう雑誌を読むのだ。
そういう雑誌に安倍政権批判が出た。
宮内庁はお怒りなのではないか。
【1427】[1746]素晴らしいYoutube チャンネル発見
会員#3130 の 名和公平です。
こちらの会員の皆様であれば絶対おすすめのYoutubeのチャンネルを
最近、発見しました。
ちょっとふざけた感じですが、、、内容はピカイチの感じです。
””らっきーデタラメ放送局””
【1426】[1745]安倍晋三の最悪のコメントを糾弾する
アルルの男・ヒロシです。
数日間膠着状態になっていた、イスラム国(ISIS)による人質事件が悲劇的な結末を迎えた。
私もこの動画を見ましたが、これは明らかに後藤健二氏の殺害動画だった。
知人が朝早くに電話してきたことで私はこの動画を見た。
もう動画は消されているようだ。
安倍晋三首相がコメントを出した。
これは最悪のコメントである。
(貼り付け開始)
安倍首相「強い怒り 許さない」
NHK 2月1日 7時02分
安倍首相「強い怒り 許さない」
イスラム過激派組織「イスラム国」とみられる組織に拘束された後藤健二さんを殺害したとする動画がインターネット上に投稿されたことを受けて、安倍総理大臣は、午前6時40分すぎ、総理大臣官邸で記者団に対し、「非道、卑劣極まりないテロ行為に強い怒りを覚える。テロリストたちを決して許さない」と述べました。
イスラム過激派組織「イスラム国」とみられる組織に拘束された後藤健二さんを殺害したとする動画がインターネット上に投稿されたことを受けて、総理大臣官邸には、午前5時半すぎ、菅官房長官、加藤官房副長官、世耕官房副長官らが相次いで入りました。
安倍総理大臣は、午前6時40分すぎ、記者団に対し、「湯川さんに続いて、後藤さんを殺害したとみられる動画が公開された。ご家族のご心痛を思うとことばもない。政府として全力で対応してきたが、誠に痛恨の極みだ。非道、卑劣極まりないテロ行為に強い怒りを覚える」と述べました。
そのうえで安倍総理大臣は、「テロリストたちを決して許さない。その罪を償わさせるために国際社会と連携していく。日本がテロに屈することは決してない。食糧支援、医療支援などの人道支援をさらに拡充していく。テロと戦う国際社会において、日本としての責任をき然として果たしていく」と述べました。
これに先立って、菅官房長官は、午前6時から記者会見し、「西村内閣危機管理監、谷内国家安全保障局長に対し、関係省庁と連携して、情報収集をはじめ、しっかり対応に当たるよう指示した」と述べました。
政府は、総理大臣官邸で関係閣僚会議を開いて、対応を協議することにしています。
(貼り付け終わり)
安倍晋三のコメントだけではなくこれからも次から次へと自民党の政治家が「テロに屈しない」という空虚なコメントを出し続けるだろう。
一番酷いのは「罪を償わせるために」と安倍晋三が挑発的な事を言っている点だ。
これは安倍晋三が中東訪問で発言した内容と同じだ。
この問題は基本的には「山賊や馬賊の支配地域に入っていった日本人が人質に取られた」という問題である。「テロと戦う」という言葉に騙されてはいけない。ここで不必要に相手を挑発するのは愚の骨頂だ。
日本はテロと戦う必要はない。
今後は中東地域で日本人を標的にした事件が起きやすくなるかもしれない。
「テロに毅然として対処する」とスローガンを唱えたことで安倍晋三はますます多くの中東の日本人を危険に晒したことになる。
世界は近代化は進んでいるが、全体としては前近代に向かっている。
今の中東はイスラム教の間の戦国時代だ。日本は無理にここに関わる必要はない。
この事件、田母神俊雄らの「頑張れ日本」の会員でもある湯川遥菜氏が民間軍事会社を名乗ってイスラム国支配地域に入っていったことから始まる。私はこの湯川氏を操った黒幕がいると見ている。
そして安倍政権の最大の失策はヨルダンに協力を要請したことだ。
安倍晋三はトルコのエルドアン大統領と親しいくせに、この事件では終始、イスラエルと親しいヨルダンとつながっていた。そして現地対策本部にはイスラエル・ロビーである中山泰秀外務副大臣を据えた。ここにイスラエル・ロビーの日本に対する政治工作があったのだろう。ヨルダンを巻き込んだことで、後藤氏の声明がヨルダンの飛行士との釣り合い関係になってしまい、問題を複雑化させた。このことだけで安倍晋三や菅義偉官房長官、その他谷内正太郎を始めとする日本のNSCのメンバーには重大な政治責任がある。
そして安倍晋三はイスラエルでアメリカのネオコンの凶暴なマケイン上院議員と会っていた。馬鹿な(なのか確信犯)外務省はこのマケインとの面会についても公式サイトで紹介していた。
戦前ならばこれで内閣が倒れている。安倍政権を継続させることが日本の国益にとって最も利益にならないことだ。自民党の谷垣禎一幹事長、佐藤勉国対委員長は、二階俊博総務会長と一緒になって、安倍政権倒閣を始めるべきだ。その前に予算審議といっても何も始まらない。谷垣総理で仕切りなおしだ。
今後は日本における対テロ戦争派であるネオコン派とイスラエル・ロビーの代理人と、それ以外の従来の穏健な外交路線の政治家の戦いが始まるだろう。誰が敵で誰が味方かを見誤らないようにしたい。
【1425】[1744]人質事件を巡っての妄想
先日、とあるブログを見ていたら、今回の人質事件に関して、恐らく男性と思われる方が意見を述べていました。その主旨は「日本は財政危機で、税金を使わねばならない分野は多岐にわたる。よって人質釈放のために税金を遣うことのプライオリティは低い。ましてや危険を承知で自らの意志で行った人だ。ただ無事で帰ってきて欲しいと願う人は税金がどう使われるかを気にしない人ではないか。同盟国が犠牲を出しながら断固テロと戦う態度をとっている中、日本がおとなしくテロに屈してもいいものか」というもの。
それを読んで、「では一体どういう人で、どういった条件であれば救って妥当なの?」と考えたら、妄想がむくむくと沸いてきました。以下、妄想・20xx年のありえない(かもしれない)、あくまでも私の脳内フィクションです。
<外務省広報:20xx年 4月より海外へ渡航・滞在される方へのお知らせ>
公務員以外の一般の方が自らの意志により渡航し、海外滞在中にテロ等により人質になった場合、救出条件を満たすと考えられるのは以下の方々です。
・満年齢59歳6ヶ月までの概ね健康な男女。(本年3月以前の62歳11ヶ月までとした規定は4月以降変更になりましたのでご注意ください)。ただし閉経後の女性、生活習慣病を含む持病をお持ちの方、お体の不自由な方等、並びに「副島隆彦の学問道場」会員の方には付帯条件及び免責事項がありますので、これらに該当すると思われる方は独立行政法人「いきいき海外渡航包括支援センター」の専門スタッフに個別にお問い合わせください。なお、渡航滞在中に該当年齢に達する方で滞在中の延長を希望される場合は、よく目立つ所に延長バッジを装着することが義務付けられております。これは松(61日以上6ヶ月まで)、竹(30日以上60日未満)、梅(1日~29日)の3種類、それぞれ20万円、10万円、5万円(税別)となっております。延長バッジは独立行政法人「ふれあい海外渡航センター」で取り扱っております。松竹梅それぞれ女性向きのスワロフスキーを散りばめたのデコバッジも取り扱っております。
・東証1部上場企業の方の場合は年齢制限は70歳未満、ただし代表権のある会長、社長に限ります。本年3月以前の「執行役員以上」から変更になりましたのでご注意ください。年収600万円以上のホワイトカラー・エグゼンプションに該当される会社員の方は、この分野においてもエグゼンプトされます。(妄想注:2015年現在、1075万円で検討されているが20xx年においては年収は600万円に減額設定されている)。
・渡航滞在地域はマーダーズ日本法人が定める格付けに準じての適応になります。A+++、A の国であること、加えてそれらの国々の非危険地区と考えられる都市・地域であるA’ 及びA’ の条件を満たす場合にのみ救出可能です。例えばA 国に滞在中にたまたまB’地区に足を踏み入れて事件に巻き込まれた場合、適応はできませんので予めご了承ください。同様に渡航滞在中に格付けが変更され国A 、地域A’ 以下になった場合の責任は持ちかねます。海外滞在中はこまめに格付けチェックされることをお奨めします。
・お問い合わせにつきましては、独立行政法人「セイフティ海外渡航コールセンター」までお願いします。なおフリーダイアルではありません。通話料は1分間50円となります。
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この頃、ISIS(イスラム国)では、組織の事務系分野に就職を希望する日本人が門前市をなす状態。それまでの「英検2級程度」としていた条件を「TOEIC750点以上」にし、さらに「フランス語検定2級取得」を加えるかどうかで幹部が協議中。
【1424】[1743]天武天皇の正統性について
天武天皇の正統性の喪失
現代の日本人は、何の躊躇いもなく「壬申の乱」と呼んでいる。「乱」と言うのは「世を乱す、秩序を破ること」で負の行為、悪事である。
日本の最初の正史である『日本書紀』は、わずか一ヶ月に過ぎない大海人皇子(天武天皇)の決起に始まるこの内戦(壬申の乱)にわざわざ一巻を立て天武天皇の正統性を高らかに主張し、天武軍の兵士たちを顕彰している。『日本書紀』を聖典とする立場からは、天武の決起を「乱」と云う事は許されないはずである。しかし、我々は何の躊躇いもなく「壬申の乱」と呼んでいる。
文献に最初に「壬申の乱」の文字が現れるのは、天平宝字三年(西暦751年)に上梓された『懐風藻』の大友皇子伝にである。天平三年と言うのは東大寺大仏開眼供養の在った年の前年である。
大友皇子は「壬申の年の乱に遇い天命を遂げず」と明記する。『懐風藻』は、天武天皇の正統性を真っ向から否定している。つまり『日本書紀』の歴史は「偽り」であると言っているのだ。天武の行為を「壬申の乱」と呼ぶことは、これ以降定着し現代に受け継がれている。
前にも書いたが、奈良時代末期天武の血は、皇位から強制的に排除され、天武の血の混じらない後胤(光仁天皇)が擁立され、その皇子桓武天皇によって平安時代が開かれている。奈良王朝と平安王朝は、違う王朝である。平安の王朝には「偽りの歴史(日本書紀)」を正す環境が整っていたはずだ。「偽り」を正すべきであった。しかし、「偽りの歴史」と承知しながら『日本書紀』をそのまま受け継いだのである。
ご承知のように、中国の政治思想の根幹にあるのは「革命(天道)は、是か非か」との問い掛けである。何故なら、革命は、臣下が主君を討つ行為である。秩序の根本理念である「忠」に反する行為である。どうして臣下が主君を討つことが許されるのか。この問い掛けに、儒教は「徳」で答えた。徳を失った君主は、王権を失っても仕方ないと。孟子は、徳を失った王は討ち滅ぶすべきだ、と革命を積極的に評価した。
一方天武の創った『日本書紀』の歴史は、革命の概念を完全に除去したものであった。権力者(王朝)が最も忌み嫌うのは「革命」である。平安の王朝は『日本書紀』の歴史はインチキであると承知しながら受け継いだのである。
何たる怠慢、精神的荒廃、堕落、こんなことで歴史に対する尊敬など生まれるはずがない。日本では歴史などどうでもいい国になったのである。