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アルルの男・ヒロシです。
鳩山由紀夫元首相がクリミアを訪問したことが日本を騒がせている。鳩山元首相は、日本の反米系右翼団体「一水会」のメンバーと行動を共にしているようだが、毎度のことだが鳩山氏の行動は、読めない。あえて言えば、より大きな地政学上の地殻変動の中で起こっている「ノイズ」といえばいいかもしれない。
ネイト・シルバーではないが「シグナル」と「ノイズ」を見分けることが重要で、鳩山のクリミア訪問は大きな世界の動きからすれば「ノイズ」。それを良いか悪いか話しているネトウヨもネトサヨもノイズを追いかけているのではないか。
そして、本当に重要なのは、今朝の「日経新聞」に出ていたこのニュース。
(貼り付け開始)
中国主導のアジア投資銀に英参加 G7で初
日本経済新聞(2015年3月13日)
【北京=大越匡洋】英国財務省は12日、中国主導で今年末に発足するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加する方針を発表した。主要7カ国(G7)で参加するのは英国が初めてだ。国際金融機関として信認が高まり、カナダやオーストラリア、韓国なども追随する可能性がある。AIIBの構想に距離を置いてきた米国や日本の対応が今後の焦点となる。
これまでにAIIBには東南アジアなど27カ国が参加を表明していた。最終的に1千億ドルとしている資本金の大半を中国が負担し、初代総裁のポストも中国が握る見通しだ。
すでに英国は日米などG7各国にも参加の意向を伝えたもようだ。ロンドンを中国の通貨・人民元を使った金融取引の中心的な市場に育てる考えだ。AIIBを後押しし、中国との関係強化をテコに人民元取引の増大や中国・アジア市場での影響力の拡大を狙う。
オズボーン英財務相は12日の声明で「英国が西側主要国で初めてAIIBの創設メンバーになることをうれしく思う。英国とアジアの連携強化は英国企業が世界で最も成長著しい市場でビジネスと投資の機会を得るための長期的な経済計画の柱だ」と強調した。
英国は今月中にAIIBの設立協議に加わり、「AIIBの組織運営の透明性の向上などに重要な役割を果たしたい」(英財務省)としている。中国財政省は「英国の決定を歓迎する。ほかの参加国と協議したうえで、英国は早ければ3月末にAIIBの創設メンバーとなる」との声明を発表した。
米国と日本は両国が中心となって運営してきたアジア開発銀行(ADB)と役割が重なるほか、組織運営に不透明さが残るなどとして、AIIBへの参加に慎重だった。米国が主導してきた国際金融秩序への挑戦と受け止める警戒感もある。英国の参加をきっかけに、米中間の国際金融の枠組みを巡る主導権争いが一段と激しくなりそうだ。
(貼り付け終わり)
このニュース非常に重要である。なぜなら2015年に始まる世界新秩序への移行を示唆するものであるからだ。世界秩序を握るのは金融の仕組みを作る人達。
ここで重要なのは、G7のイギリスが中国主導のアジアインフラ投資銀行に参加するということ。これはアメリカ主導のTPPに対する強烈な打撃である。日本が主導してきたRCEPの流れにも打撃である。もっと言えばAPECをてこにしたアメリカのアジア外交に対する強力な横槍となる。
そこで13日付のフィナンシャルタイムズは「アメリカ側の不快感」を一面トップ記事で取り上げている。(US attacks UK’s ‘constant accommodation’ with China)
イギリス側でAIIBの担当をしているのは財務長官のジョージ・オズボーンである。ビルダーバーグ会議メンバーだ。アメリカ側はルー財務長官が担当窓口。
アメリカは、属国である日本に管理を任せているアジア開発銀行(ADB)を利用しようと考えていたフシがあり、そこに対抗勢力としてAIIBが出てきた形になる。中国と新興国主導のAIIBは透明性に欠けるということで、豪州やニュージーランドのような旧イギリスのANZUS諸国の加入を牽制していた。
イギリスは旧植民地の香港を抱えていることや、シンガポールや香港の財界に深く根を張っていることもあり、中国やアジアに食い込みたかった。だから中国の人権政策や香港政策にあまり厳しい口出しをしないで中国を懐柔しようとしてきた。
去年からイギリスはロンドン・シティにおける人民元取引の取り扱い拡大に賭けている感じがあって、今回のAIIBへの出資も、中国やBRICSの投資案件にロスチャイルド系の欧州、アジア企業を絡ませたいということだろうし、イギリスの金融マンの金融ノウハウを中国に提供していくことで、中国をアジアにおける覇権国にのし上げていく、その中でHSBCなどの金融機関や、ジャーディン・マセソンなどのような商社、あるいは香港のケズウィック財閥などを通じて商圏を拡大、維持したいのだろう。
中国と旧大英帝国圏の結び付きを強めることになり、これはアメリカの利害とぶつかる。旧覇権国が現在の覇権国を牽制して新覇権国を育成するという路線だ。
この点でアメリカのTPP構想はイギリスにとって邪魔だったのではないか、
つまり、アメリカが日本を操り、イギリスが中国をパートナーとしてコントロールする。
アメリカ政府はイギリスのAIIB出資に怒っているようだが、ウォール街はゴールドマン・サックスなどのユダヤ系金融機関はロンドン・シティともつながっているので、結局はこのイギリスのシナリオに乗るのではないか。
アジアにおける日中冷戦の片方の立役者がアメリカ、もう片方の立役者がイギリスということである。
考えてみると、アメリカのアジア回帰を阻害したのが中東におけるイスラム国の台頭だが、あのジハーディ・ジョンも含めてイギリスの影が見え隠れする。
アメリカのネオコン放送局のFOXやウォール・ストリート・ジャーナルは、ルパート・マードックのニューズ・コーポレーションであり、マードックはユダヤ系のロスチャイルドグループの人間をニューズ社の取締役に迎えていたことがある。マードック自身はユダヤ系ではないようだが、ロスチャイルド・グループとのつながりは重要だ。
ニューズ・コーポレーションは今は手放したがユダヤ系ネオコンのビル・クリストルの雑誌「ウィークリー・スタンダード」などの親イスラエルメディアを保有していた。フォックスニュースもまたネオコンの報道機関といっていい。
アメリカの戦争ムードを過剰にあおっているのがフォックスニュースであり、最近もイスラム国に処刑されたヨルダン人パイロットの処刑動画をネットで公開したりと、好戦意識を何かと煽り立てるのが好きなメディアだ。
ともかくアメリカの外交政策を中東に貼り付けることで、結局アメリカのアジアへの関与が弱くなる。ここにイギリスが中国に関与するチャンスが生まれる。そのために、ネオコン系メディアを煽り立てて米共和党のタカ派の眼をを中東やウクライナでの戦争に向かわせているのだろう。アメリカのネオコン派にイギリスのロスチャイルドの手が入っていることは知っておいた方がいい。
IMFと世銀はアメリカ主導であり、中国がこの既存の秩序の中で影響力拡大できないので業を煮やして独自にAIIBやBRICS開発銀行を設立していることは否めない。アジアにおいてはAIIBのライバルは日本人が歴代総裁を務めるフィリピンに本部があるアジア開発銀行(ADB)だ。
イギリスと言えば、つい最近もHSBCのスイスのプライベートバンクでの脱税指南の問題が取り沙汰された。この脱税を指南されてきた顧客のリストの漏洩元は、IMFの専務理事の名前をとって「ラガルデリスト」と呼ばれているが、このリストはスイスのHSBCの銀行員である。今年になって、このリストの名前が欧米のメディアで詳しく報道されたが、例えばサンタンデール銀行の元頭取のエミリオ・ボティン(しかも故人)など欧州系富豪の名前ばかりだった。アメリカ系の名前は出さないことになっているのかもしれない。
イギリスにとってHSBC(香港上海銀行)は旗艦とも言える国際金融機関だ。ここにアメリカの横槍が脱税幇助の追及という形で入ってきた。このことにイギリスは内心、アメリカに対して穏やかならざる気分ではないだろう。
旧大英帝国圏のAIIBへの参加は少し前までは様子見という報道が多かったのに、結局、イギリスは参加することになった。アメリカにいつまでも付き従うよりも、「ブリティッシュコモンウェルス」に対するネットワークを再構築したほうがいいということになったのだろう。なぜならTPPはイギリスに対する「シマ荒らし」という側面もあるからだ。
日本はアメリカにべったり、中国はイギリスをうまく利用してアメリカにさらに肉薄することになる。イギリスが中国をコントロールしきれなくなったときが、大波乱の幕開けではないだろうか。
中国への「抱きつき」という、イギリス政府というか、ロンドン・シティの起死回生の秘策が吉と出るか凶と出るか。イギリスは中国主導のAIIBやBRICS開発投資銀行への参加を通じて、自国の外交力にレバレッジをかける。
イギリスは極東から遥か遠く離れている。「戦争」になっても火の粉は飛んできにくいという判断なのだろう。
日本は黙ったままであれば、米英の「冷戦」のコマとして中国にぶつけられるために使われるだけだ。
アメリカ以外の人脈を疎かにしてきたことの弊害だろう。
現在もマイケル・グリーンは来日中で、自民党・清和会の勉強会で講師などを務めているようだ。安保法制の法案も実際はグリーンが下書きを書いていることだろう。
安倍に対する対抗勢力となる二階俊博は、自身の二階派の政治家の西川公也前農水大臣と、中川昭一の未亡人の中川郁子農水政務官に対するスキャンダルを仕掛けられたことで、9月の総裁選への意欲を失いかけているようだ。
株価を公的資金(年金基金)をつかって買い上げていることで日経平均は19000円台を突破している。
ところが、中国主導のAIIBへ、イギリスが参加を表明することで、大西洋の盤石な同盟の米英同盟にゆらぎが見えている。
これはアメリカが、中国に対して世界銀行とIMFの議決権拡大を渋り続けていたためだ。イラン政策を巡っても米議会はネオコン系新人議員のトム・コットン上院議員を中心にした、イラン指導部への書簡を送ったことが、議会の大統領の外交権を阻害したとして問題視されている。コットン上院議員は、ネオコンのビル・クリストルから家族ぐるみの支援を受けていると言われている。
中国の国際金融機関への影響力拡大を渋り続けていたのがアメリカ政府と米議会であり、これに業を煮やしたイギリスロスチャイルド系が独自に中国と話をつけて、AIIBへの出資を決めたようだ。
すでにAIIBにはASEAN、中東の一部、シンガポール、インド、ニュージーランドなどが参加表明をしており、イギリスが参加していくことで、豪州も参加する可能性が出てくる。
そうなるとTPPやADBをつかったアメリカのAPEC主導の外交戦略(アジアン・ピヴォット)は大幅な変更を強いられる可能性もある。アメリカがアジアに回帰する前に、イギリスがアジアに回帰する形となったわけだ。
ただ、もとよりイギリスはアメリカのネオコン派のように凶暴に軍事力を使って、アジアを対立させようとはしていない。イギリスの思惑はビジネスの拡大である。
<参考記事>
日米、アジアの開発金融 中国主導に警戒感
英が参加、先進国の追随焦点
2015/3/14付
日本経済新聞 朝刊
中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に英国が参加を表明したことを受け、日米両国は他の先進国が追随することに警戒感を強めている。日米主導のアジア開発銀行(ADB)は融資枠を拡大させてインフラ支援を強化するが、AIIBに参加する先進国がさらに増えれば、アジアの開発金融の主導権が移る端緒になる可能性もある。(1面参照)
「とんでもない」。日本の財務省幹部は13日、英国によるAIIBへの参加表明を受け、思わず声を荒らげた。主要7カ国(G7)でAIIBに参加するのは英国が初めてになる。
英財務省は声明で「組織運営の透明性向上に役割を発揮する」と表明した。日米はAIIBへの参加に慎重な姿勢を示す最大の理由として不透明な意思決定などを挙げていただけに、英国の声明に、はしごを外された格好だ。
英国からは事前に参加方針が伝えられたが、日米は翻意させることができなかった。資源やモノの貿易で中国への依存度が増す各国は日米の慰留を素通りする。
「案件審査で環境への影響を考慮できるのか」。麻生太郎財務相は昨年9月、インドのモディ首相との会談でAIIBが国際基準に沿った審査体制が不十分な点を指摘し、参加を思いとどまるように訴えた。ところがわずか2カ月後、インドはAIIB創設の覚書に署名した。財務相会談を通じて参加を思いとどまらせようとしてきたオーストラリアも「止めるのは難しい」と、日本の財務省幹部は警戒感を隠さない。カナダや韓国も参加を検討する。
AIIBの創設は日米が招いた結果でもある。中国はADBの出資比率を上げるように訴えてきたが、影響力の維持を狙う最大出資国の日米は増資に反対を貫いてきた。2017年から実施する自己資本の改革でも、増資は棚上げした。ADB総裁は1966年の創設以降、9代続けて日本の財務省と日銀の出身者。不満を募らせた中国は独自の銀行創設に動いた。
英国のような先進国が参加すれば、AIIBが発行する債券は高格付けを得やすくなり、資金調達コストを抑えられる。これまで日本の財務省幹部は「AIIBは新興国が中心で資金調達コストが高く、採算が合う案件は限られる」として、最上位の格付けを持つADBの優位性は揺るがないとみていた。
「AIIBがなぜ問題なのかは改めて言うまでもない」。麻生氏は13日の閣議後の記者会見で、参加に慎重な姿勢を改めて示した。
だが主要国がAIIBへの参加を検討する事態を目の当たりにすると、日米がアジアの開発金融の主導権を保つことが一段と難しくなっているように映る。
【1442】[1761]時計から見るイスラーム思想史②定時法と不定時法、及びキリスト教『ヨハネ福音書について』
松村享(まつむらきょう)です。
今日は、2015/03/13です。
『時計から見るイスラーム思想史』と題して、投稿させていただいております。
前回は序文でした。
今回は2回目の投稿です。
時間についての説明と、キリスト教『ヨハネ福音書』について、投稿します。
○定時法と不定時法、及びキリスト教『ヨハネ福音書』について
ここで『定時法』と『不定時法』について説明する。
参照テキストは
『時計の社会史』(角山栄著 中公新書 1984年 )と
『中世の産業革命』(ジャン・ギャンペル著 岩波書店 1978年)の二つである。
『時間』は永遠であり、Godに属するものだった。だから伝統的に『不定時法』で、時を測っていた。
『不定時法』とは、なにか。
陽の出ている時間を、12で割るのだ。だが陽の出ている時間は、季節によって、あるいは地域によって異なる。
それを12で割るのだから、1時間の長さが、季節によって、地域によってバラバラだ。
30分だったり80分だったりする。
農業が基盤の社会であれば、太陽光が重要なわけだから『不定時法』の方が都合が良い。陽の光はGodの恩寵、というのが、生活の実感である。恩寵にあわせて生活していた、ということだ。
別に農業でなくとも、普通に生活していれば、むしろこちらの方が、人間の自然には適合しているかもしれない。
たとえば、私が高校生の頃、毎朝行われる0時限目の授業は、強制参加だった。冬場など、まにあうためには暗いうちに家を出なければならない。
私は『こんなの自然に反している』と考えていた。考えていた、というより、性にあわなかった。嫌だったのだ。それで、だいたい遅刻して登校した。陽のあたる道を、もはや時間など気にせず歩くのが、好きだった。朝焼けの空や、2月の少女の白い吐息など、私は詩を練りながら一人、ぶらぶら歩いていた。
皆が定時法にしたがって授業に参加しているところ、私は不定時法の観念で、ぶらぶらしていたのだ。
だから、定時法とは、1日を厳密に24で分けることである。
季節が変わろうが、陽が出てようがいまいが、6時40分は、6時40分である。
『陽の光はGodの恩寵』などと悠長なことを言っていれば、電車に乗り遅れてしまう。
目の前の『陽のあたっている現実』ではなく、その裏に隠された自然の法則を学びとり、生活に利用する。これは『抽象する』ということだ。
『抽象』して自然の法則を、見つけ出す。現実ではなく、抽象を生活に利用する。
これが、定時法である。
地球の自転(定時法)など、私は『現実』として見たことはない。ただ『抽象』された数字、時計の数字として、知っているだけである。
目の前の現実よりも、頭脳活動たる『抽象』を優先する態度が、キリスト教には初めからある。
目の前の現実よりも、抽象する人間の能力、これがGodと密接につながっているのだ、現実や肉体は汚らしい、原罪にまみれている、抽象とか精神とかが重要だ、という思想伝統が、キリスト教には最初から埋めこまれている。
新約4つの福音書の1つ、ヨハネ福音書は『はじめにロゴスあり』から始まる。この宣言は、キリスト教圏=ヨーロッパを理解するうえで、非常に重要である。『はじめに現実がある』とは、決していわないのである。
ウェブページ『イエスの実像:聖書とキリスト教と宗教』の、臨夜海馬(イザヤ・トド)という方によれば、ヨハネ福音書は4つの福音書のうち、いちばん最後に書かれたものであり、先行する3つの福音書と比べ、神学理論が高度であることに特徴がある、とのことだ。
どうやら、ユダヤが覇権国ローマに滅ぼされた後(ユダヤ戦争 西暦66年~74年)、寄り集まった異端のユダヤ人共同体が、ヨハネ福音書の原点らしい。
そしてフリードリヒ・ニーチェ(1844~1900)が、このヨハネ福音書に激しい攻撃を仕掛けている。なお、ニーチェにいわせれば、キリスト教もユダヤ教も同じものである。
引用はじめーーーーー『道徳の系譜』p56~57(ニーチェ著 岩波書店 1940年)
ユダヤ人はローマに対して何を感じたか。
諸君はそれを殆ど無数の兆候から察知することができる。
しかしそれには『ヨハネの黙示録』を、あの本心に復讐を蔵するあらゆる書き誌された爆発のうちで最も乱脈な爆発をもう一度思い返してみるだけで十分であろう。
(なお諸君は、ほかならぬこの憎悪の書の標題に愛の使徒の名を冠し、
あの惚れ込んで夢中になった福音をこの使徒に帰したキリスト教的本能の持つ論理の深慮遠謀を見縊(くび)ってはならないー。
いかに多くの文献的贋造がこの目的のために必要とされたにしても、そのうちにはなお一片の真理が潜んでいるのだからだ。)
ーーーーー引用終わり
読みづらい翻訳ではあるが、まとめると、抽象の優位を強調する『はじめにロゴスあり』は、弱者(ユダヤ)による強者(ローマ)への対抗手段である、ということだろう。
だからユダヤ人は、学問をなにより大事にしてきた。頭を使わないと、すぐに周辺民族に殺されそうになるのが、ユダヤ人の歴史である。
この思想伝統に帰っていったのが、近代のキリスト教・プロテスタントだというのが、重要な理解だ。
ニーチェと同じく、ヴェルナー・ゾンバルト(1863~1941)もまた、プロテスタントとユダヤ教は同じものだと主張した。近代において生まれたプロテスタントは、腐敗極まりないカトリックに反旗を翻し『はじめにロゴスあり』に帰っていったのだ。その延長上が我々の21世紀といえる。
『はじめにロゴスあり』の行き着いた最果てが『ratio:合理』である。
このようなユーラシア大陸の、生存を賭けた切実さをわからなければ、近代ヨーロッパ人の思考が、我々にはわからない。だが、この切実さほど、我々日本人にとって、わかりづらいものもない。『ratio:合理』も、ただの言葉、知識として通り過ぎてゆく。『ratio:合理』とは、生存を賭けた者の切実さであり、恐ろしさである。
そしてイスラームにおいて、天才数学者アル・フワーリズミー(780?~845?)が、この思想伝統を受け継いでゆく。(続)
松村享拝
【1441】[1760]時計から見るイスラーム思想史①
松村享(まつむらきょう)です。
今日は2015/03/05です。
私は現在、ルネサンス関連の論文を書いています。
ですが、いつのまにやら、イスラーム関連の記述が大きくなってきました。
イタリア・フィレンツェのルネサンスという現象は、イスラーム抜きには語れないのです。
それで今回から、イスラーム思想史を掲載していきたいと思います。
原稿の分量からして、10回の投稿、連載の予定です。
話は、みなさんの部屋にも置いてある『時計』から始まります。
○『時計から見るイスラーム思想史』序文
『時計の社会史』のp16(角山栄著 中公新書 1984年 )によると、我々が使っている時間は『定時法』と呼ばれる。
『定時法』は、1日を厳格に24で割る。現代人にとっては、あまりに当たり前の話である。
だが、この『当たり前』の中に、重要な事実が隠れているのだ。
かつて定時法は、当たり前ではなかった。
定時法の機械時計は、金融業の発達にともなって現れた。一秒一秒を明確に均一に区切るのは、利子のためである。
引用開始ーーーーー『時計の社会史』p17~p18(角山栄著 中公新書 1984年 )
新しい時間概念(※引用者より。『定時法』のこと)が新旧勢力の決定的対立をもたらしたのは、利子をめぐる問題である。
※中略
キリスト教の時間は神学的時間で、神とともに始まり神によって支配されている時間である。時間が神のものである以上、時間を売って利子をとる行為は神を冒涜するものである。
こうして徴利禁止法が十三世紀に神学者、教会法学者によって体系づけられた。
ーーーーー引用終わり
松村享です。
13世紀、ローマ・カトリックは『定時法=利子』を阻止しようとした。
だが定時法の勢いは止まらなかったのだ。
ヨーロッパ、とくにイタリアは高度成長期だったからである。
13世紀~14世紀のイタリアは、モンゴル・ネットワーク、そしてエジプト・ネットワークに従属する、金持ちの属国国家群だった。
このことは、私松村享が、こちら重たい掲示板1708・1709・1715にて『フィレンツェ・ルネサンスは、イスラーム覇者バイバルスから見なければならない』と題して、素描した。
さて、私がここから追いかけるのは、イスラーム思想史である。なぜならば、イスラームにおいて、定時法を可能とする数学、天文学は格段に進化したからだ。
舞台は、バグダードである。
9世紀バグダードに『神学の下女・数学』を創始したと観察される人物アル・フワーリズミー(780?~845?)がいる。
『失われた歴史 イスラームの科学・思想・芸術が近代文明をつくった』p142(マイケル・ハミルトン・モーガン著 平凡社 2010年)によると 、
フワーリズミーは、数学を物質的なものから引き離し、純粋に抽象的なものへと移行させた。
彼のラテン名が、アル・ゴリトミで、現代でも『アルゴリズム』という、数学コードを表す単語として使用されている。
フワーリズミー出現後、数学、天文学は、格段に進化した。つまり、定時法は格段に進化した。
それから100年、10世紀バグダードは、大恐慌に陥る。
それはそのまま、世界史の誕生を実現したイスラーム・アッバース朝(750~1258)の墜落の過程と重なる。
ユーラシア大交易ネットワークを実現したイスラーム・アッバース朝(750~1258)という王朝があった。稀有の大帝国である。
宮崎正勝氏によれば、世界史の誕生を実現した王朝である。アッバース朝は、バグダードを拠点とする。
このアッバース朝の墜落の過程で、バグダードが、銀行街になっている。
ウォール街化したのだ。ここに、金融ユダヤ人が大いに絡んでくるのである。
バグダードから南方90km地点、ここがバビロンである。バビロンに、タルムード(ユダヤ教の聖典)を介して、ユダヤ人の中央政府をつくりあげた人物、サアディア・ベン・ヨーゼフ(882~942)がいた。
snsi研究員・鴨川光氏によると、サアディアは、近代(modern)の源流に位置する学者である。サアディアの時代に、世界の中心バグダードは、大恐慌に突入し、同時にウォール街化した。金融業の発達である。ここが『定時法覇権』の原点だ。
みなさん、我々の日常は10世紀バグダードの延長上にある。
なにも創価学会だとかキリスト教だけが『宗教religion』というわけではない。
いま、パソコン画面の端に現れている時間、数字の羅列がそのまま、我々の宗教である。(続)
松村享拝
【1440】[1759]私の 金融セミナー(講演会)のお知らせ
副島隆彦です。 続けて書きます。
明々後日、3月1日に、私が5時間ずっと金融・経済の話をする 「副島隆彦の”予言者”金融セミナー」講演会が有ります。東京の 有楽町の マリオンの 有楽町朝日ホール です。かつて朝日新聞社があったところです。 と言っても40歳から下の人は知らないだろう。
私は、今の日本の金融市場は異常事態だと思います。こんな人工的な狂乱の株価のつり上げをいつまでやる気だろうか、とじっと見ています。 一日あたり、3000億円ぐらい GPIFのお金を突っ込めば、いくらなんでも、株価は上がるでしょう。
私の友人の弁護士が私に言いました。「アベノミックスがやっていることは、危険ドラッグ だ。覚せい剤と麻薬の飲み過ぎで、やがて昏倒(こんとう、ぶっ倒れる)するだろう」と。私も同じ意見だ。
今の株式相場は、日本もアメリカも、博奕(ばくち)打ちたちが集まった賭場(とば、鉄火場ともう言う) の 博奕場(ばくちば)の、胴元(どうもと。資金を貸すヤクザの親分、賭場の主宰者) が、自分で、博奕をやっていることに等しい。 なぜ、日本政府という、金融市場の管理者、当局、監視者が、自分で、博奕の札 を張れるのか。おかしいと、自分たち自身で思わないのか?
英語では、、この 賭博場の胴元(主宰者)を、house ハウス という。それに対して、 regulator レギュレーター と言って、バクチ市場の監視者、管理当局がいる。
ところが、このハウス(胴元)と一体化したレギュレーター(当局)が、自分で金儲けをしようとして、バクチ betting の賭け札を張ることをしている。だから、今の日本政府と、アメリカ政府のやっていることは、
Regulator / House Own Betting
「レギュレーター・ハウス・オウン・ベッティング 」
である。即(すなわ)ち八百長(やおちょう)賭博(とばく)である。私が、このように書くこと対して反論がある人はいないだろう。 恥を知れ。 もうすぐ 天罰(=市場の復讐)が落ちるだろう。
私は、誰にも遠慮しないで、自分の思いの丈を、洗いざらい、明々後日(しあさって)、3月1日の 金融セミナーで、徹底的に話します。 今、インテリ層に人気の、トマ・ピケティ Thomas Piketty の、 「21世紀の資本(論)」についても、その重要性についてかなりのところまで説明するつもりです。
この先の、日本と世界の金融と経済の動きについて、私の予測(予言)を聞きたい人は、どうぞお集まりください。
朝日ホールは全部で630席ありますが、あとまだ50席ぐらい余裕があるそうですから、当日の会場払いでいいですから、ご参加ください。全席、自由席だそうです。
当日払いの受付は午前10時20分から、開演は午前11時から、午後5時まで、私が、ずっと話し続けます(お昼休みは当然有ります)。 概要は以下のとおりです。
『 副島隆彦の“予言者”金融セミナー 第9回 』
日時 : 2015年3月1日(日)
場所 : 東京、有楽町朝日ホール
開演 : 11時
終了 : 17時(予定)
受講料 : 15,000円(全自由席)
申し込み先 http://kokucheese.com/event/index/259057/
問い合わせ アールシステム ブレイントラスト企画
03-6261-5465( 平日:10-18時、2月28日は臨時営業します )
副島隆彦拝
【1439】[1758] 官製相場(かんせいそうば) による 株式の最高値が続いている。
副島隆彦です。今日は、2015年2月26日です。
株式市場で最高値更新が続いている。 ニューヨークの昨日の終値は、史上最高値の 1万8224ドル になった。 2万ドルを目指す気だ。 東京市場も、 さっきの記事で、東証平均株価は、1万8700円になろうとしている。こちらも2万円を目指している。
このように、ふたつの株式市場が、全くの相似形(そうじけい)で動いている。いや、動かされている。 官製相場(かんせいそうば)が続いている。
官製相場というコトバは、私が昨年の11月に出した『官製相場の暴落が始まる』(祥伝社刊)で使って、流行らせたコトバだ。今や、日本の金融や経済の世界で生きている人間で、この 官製相場 を自分の口からポツリ、ポツリと呟(つぶや)かない者はいない。
官製相場とは、政府、金融当局 自身による 、やってはいけない、お手盛りの、権力者たちが自分で手を汚して、なりふり構わず、やっている市場の価格釣り上げによる 市場操作(しじょうそうさ)である。
それは、民事法( みんじほう、私法、しほう)に違反する 法律違反であるだけでなく、さらには、刑事法(けいじほう)に違反する、相場操縦罪(そうばそうじゅうざい)という犯罪である。
このことを、自分の胸にしっかり手を置いて、 GPIF(ジー・ピー・アイ・エフ)や、日銀FTF(イー・ティー・エフ)で、価格の操作をやっている者たち自身が、自分のやっていることの 犯罪者としての罪の深さを自覚すべきだ。
私、副島隆彦だけは、この日本国にあって、本当のことを包み隠さずに、書く。書いて国民に知らせる。 一体、私たちのこの国で何が起きているのか、何という異変が、「まるで正常なこと」のようにして起きているかを、書いて知らせてきた。 犯罪者どもは、逮捕されて、処罰されるべきである。
「 副島先生よー、こんなに長いこと(もう20年も)、株価がずっと低いままだったんだから、上がって当然だよ」 と、自らのボロボロのポートフォリオ(資産項目)を見つめながら、長年の大損を握りしめたまま、自分もまた、政府による犯罪に加担しているのだ。 恥を知れ、と私は言う。
どこが自由市場だ。どこに 健全な市場(マーケット)での、生き生きとした自由競争による、自由な人間たちの金儲けのための、立派な振る舞いが有る、と言えるのか。
以下の載せる新聞記事は、今年の始めのものだ。ロイター(イギリスの通信社)の日本人の記者たちが正直に書いた記事だ。この記事を ゆっくりと、しっかりと、丁寧に、よーく読んで、賢くなってください。 真実に裏打ちされたコトバだけが、人々の胸に迫る。本当のことを堂々と、怖(おそ)れることなく、書く者たちだけが人々の尊敬を勝ち得るのだ。
以下の記事の終わりの方に、明瞭に次のように書かれている。
「 「官製相場」が行き過ぎて、実体経済(じったいけいざい)とかい離す るような相場が形成されれば、いずれ、株高と低金利のどちらかが修正され る形で大きく変動することになるため、警戒が必要だ 」
「 「官製相場」は円債(えんさい)市場(引用者注。 日本国債の売り買 いの市場のこと) も同じだ。10年債利回りは過去最低水準の 0.3% 台 に低下。日本経済もしくは日本企業の業績が改善するとすれば、 低過 ぎる長期金利はいずれ正当化できなくなる 」
と書かれている。 だから、やがて、こういう事態になるのだ。すべての市場参加者は、ゆめゆめ これらの重たいコトバを忘れるなかれ。
(転載貼り付け始め)
●「初日からボラタイルな「官製相場(かんせいそうば)」、2015年の展開暗示か」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KE0FW20150105
2015年1月5日 ロイター
新年初日の東京市場は、動きの激しいボラタイルな(引用者注。激しい乱高下の値動き、のこと)展開となった。
ギリシャの政情不安など海外の不透明感が強いにもかかわらず、特段の材料が ないまま日本株はマイナス圏から急反転。日銀のETF(上場投資信託)購入を期待した買いが入るなど「官製相場(かんせいそうば)」への期待が株価を押し上げた 格好で、ドル/円 も切り返した。緩和マネー主導で大きく振れる今年の相場展開を暗示しているようだとの声も出ている。
日銀ETF買いへの思惑
大発会のマーケットには、その年の相場の特徴がしばしば表れることがある。日経平均が 3万8915円(終値ベース)の史上最高値を付けた1989年12月29日。翌年の大発会となった1990年1月4日は200円安で始まり、 年間では1万5000円下落。バブル崩壊の予兆となった。
昨年初日の日経平均は、その前年末に9連騰と急上昇した反動が出て、380円安で始まった。昨年の値幅自体は4100円と、それほど大きい わけではなかったが、前年末の終値水準から下に2400円、上に1700円と上下に振れる荒れた相場展開を示唆するスタートとなった。
今年の大発会(だいはっかい)は、終値では42円安と小幅安だったが、一時はマイナス200円安まで下落。その後、一時90円高の水準まで一気に切り返すボ ラタイルな展開となった。特段の買い材料は見られず、上海総合指数が 一時3%超の急伸を見せたが、コマツなどの株価はマ イナスで、中国関連株がにぎわったわけではない。
相場を反転させた材料は、日銀によるETF買いへの期待だ。前場終値がマイナス圏だったことで、午後に入って買いが入るのではないかとの思 惑が強まった。
「昨年の大納会(だいのうかい、12月30日)は、日銀のETF買いが見送られたことが大幅安の一因となった。大発会は逆に日銀のETF買いが入ると期待 されるとの見方から、短期筋による押し目買いが入ったようだ」(日本アジア証券グローバル・マーケティング部次長の清水三津雄氏)という。
インパクト強まる日銀や公的年金の買い
日銀は昨年10月31日に決定した追加金融緩和策で、ETFを2015年に3兆円購入することを決定した。東京株式市場の年間営業日を 250日として、1日当たり「必ず」120億円買うことになる計算だ。
昨年10月31日以降、ETFの買い入れ規模は、それまでの147億円から374─380億円に拡大。そのペースであれば、ほぼ3日に1度 は買い入れる必要がある。
東証1部売買代金は2兆円を割り込む水準に減少しており、取引時間中にまと
まって出てくる買いの額としては、マーケットに与えるインパクト は十分だ。さらに中央銀行が株式を購入するというアナウンスメント効果は小さくない。
また年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や共済年金など「公的年金」が国内株を増やすポートフォリオへの変更を進めていることか ら、年間1.7─3.5兆円の資金が流入するとの試算もある。
「いいか悪いかは別にして、日銀やGPIFの買いが日本株相場を下支える要因になることは間違いない。しかし、日銀の追加緩和などを材料に ヘッジファンドなどが仕掛けることが予想される。今年も『官製相場(かんせいそうば)』が続くとみられるが、ボラタイルな相場展開は続くことになりそうだ」と三 菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は指摘する。
株高と債券高の共存いつまで
実際、現物株と先物を合わせた昨年の日本株の買い主体を見ると、12月15日の週までの累計では、外国人が2278億円と2013年の13 兆6771億円から大きく減らしているのに対し、公的年金の売買を仲介する信託銀行は2兆7469億円と大きく買い越している。
現在、日本株を最も保有しているのはGPIFだが、ETF購入を進める日銀は近く日本生命を抜いて第2位の「大株主」となる見通しだ。「違 和感はあるにせよ、GPIFと日銀の動向に神経質になるのはやむを得ない」(国内証券)というのが市場の本音だろう。
「官製相場」は円債市場も同じだ。10年債利回りは過去最低水準の0.3%台に低下。日本経済もしくは日本企業の業績が改善するとすれば、 低過ぎる長期金利はいずれ正当化できなくなる。
一方、低い長期金利の方が「正しい」とすれば、今から10年後でさえ、景気や物価は上向いてない状態と言うことであり、株高の方が修正を迫られることになる。「官製相場」が行き過ぎて、実体経済とかい離するような相場が形成されれば、いずれ、株高と低金利のどちらかが修正される形で大きく変動することになるため、警戒が必要だ。 (伊賀大記 編集:田巻一彦)
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。 以下に、今日のNY と 東京の株価の最新の記事も貼っておきます。
(転載貼り付け始め)
●「米国株、ダウ15ドル高で連日最高値 ナスダックは11営業日ぶり小反落 」
2015年2月26日 日経新聞
2月25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら続伸した。終値は前日比15ドル38セント(0.1%)高の1万8224ドル57セントと、連日で過去最高値を更新した。
米連邦準備理事会(FRB)が利上げを急がないとの見方を背景とした買いがやや優勢だった。一方で、目先の利益を確定する目的の売りが相場の重荷となり、ダウ平均はもみ合う場面が目立った。
●「 東証前引け、反発 先高観強く1万8700円に迫る、2部指数反落 」
2015年2月26日 日経新聞
2月26日午前の東京株式市場で日経平均株価は反発した。前引けは前日比103円12銭(0.55%)高の1万8688円32銭と、24日につけた2000年4月以来の高値を上回った。
企業業績の拡大を手掛かりとした投資家の物色意欲が強く、1万8700円に迫る場面もあった。JPX日経インデックス400 と 東証株価指数(TOPIX)も反発した。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
【1438】[1757]以下の共同通信の記事内容はおかしい
SNSI・副島隆彦を囲む会の研究員の古村治彦です。
この重たい掲示板にアルルの男・ヒロシ(中田安彦)研究員が「[1756]安倍晋三が米議会で演説する件」として2015年2月23日に掲載した記事の中で、私が「おかしい」と思った部分があり、それを書いておきたいと思います。それは、中田研究員が貼りつけた共同通信の記事です。それを下に転載貼りつけします。
(転載貼りつけはじめ)
(貼り付け開始)
安倍首相、米議会演説へ 池田勇人氏以来54年ぶり
共同通信 2015年2月22日
日米両政府は、安倍晋三首相が4月下旬からの大型連休中の訪米時に米議会で演説を実施する方針を固めた。日本政府関係者が21日明らかにした。1961年に池田勇人首相が下院で演説して以来54年ぶりとなる。日本の首相としては前例がない上下両院合同会議での演説へ最終調整している。先の大戦への反省を踏まえ、戦後一貫して「平和の道を歩んできた」との見解を示し、未来志向の関係を呼び掛ける考えだ。
首相の祖父、岸信介首相も57年に演説している。
安倍首相は演説で、TPPなど経済分野を含めた幅広い両国関係の深化が相互の国益にかなうとアピールするとみられる。
2015/02/22 02:00 【共同通信】
(貼り付け終わり)
この記事は何処が安倍首相を招請したか書いてないが、共同通信の英語版には次のようにある。
(引用開始)
According to the government official, U.S. Deputy Secretary of State Antony Blinken proposed, when he called on the prime minister’s office on Feb. 13 during a trip to Japan, that Abe address Congress, and he agreed.
Abe also expressed hope to make address Congress during a meeting in Tokyo on Monday with a bipartisan group of U.S. lawmakers led by Rep. Diana DeGette, a Colorado Democrat.
(引用終わり)
(転載貼りつけ終わり)
古村治彦です。
私が「おかしい」と思ったのは、英語版の方です。前半部を翻訳しますと、「ある政府高官によると、米国務副長官アントニー・ブリンケンが、2015年2月13日の訪日中に首相官邸を訪問し、安倍首相に対して、アメリカ連邦議会(Congress)での演説を提案し、安倍首相も同意した」となります。
①アメリカは三権分立(Separation of Power)が徹底している国です。「分立」とありますが、「緊張感を持って、自分の縄張りを犯されないように見張りあっている」状態です。この中で、行政府の国務省の一職員であるブリンケンが、連邦議会のことで何かを言うことありえませんし、あってはいけないことです。これは大変な越権行為です。「公務員が連邦議会のことで云々した」となると、これは大変なことです。それは、アメリカの国家体制である三権分立をないがしろにする行為だからです。
②ブリンケンには、国務省派遣で連邦上院外交委員会のスタッフ(その時の委員長は現在のジョー・バイデン副大統領)という経歴もあります。ですから、議会とのパイプがあって、「安倍首相の連邦議会での演説」について、提案があったということも考えられます。しかし、それはあくまで非公式であり、表に出てはいけない話です。それを「米国務副長官のアントニー・ブリンケン」が議会演説を提案した、と共同通信に漏らした「the government official」は、実は大変なことをしでかしているのです。
③ブリンケンが安倍首相を訪問したのが2015年2月13日です。その後、2015年2月16日に米議会の超党派議員団が安倍首相と会談しています。英語の記事の後半部にある通り、「安倍首相は月曜日(16日)に、コロラド州選出で民主党所属のダイアナ・デゲット連邦下院議員率いるアメリカの超党派の連邦議員たちと東京で会談し、その中で、連邦議会での演説を希望した」ということです。その時の様子を日経新聞は次のように伝えています。
(新聞記事転載貼りつけはじめ)
●「首相、米議会演説に意欲 春で調整の訪米時に」
日本経済新聞電子版 2015年2月17日
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDE16H05_W5A210C1PP8000/
安倍晋三首相は16日、米議会の超党派議員団と首相官邸で会談し、春の大型連休中で調整している自身の米国訪問時の米議会での演説に意欲を示した。デゲット下院議員が「首相が米議会で演説できるようにしたい」と話し、首相は「できればありがたい」と応じたという。同席者が明らかにした。
日本の首相による米議会での演説が実現すれば1961年の池田勇人首相以来54年ぶりとなる。首相の祖父の岸信介首相も演説したことがある。
首相は議員団との会談で、戦後70年について「戦火を交えた両国は戦後和解して強固な同盟国となり、ともに世界の平和と繁栄に貢献してきた。今後も幅広い分野で緊密に連携したい」と強調した。米側は「首相の訪米の成功を期待している」と語った。
(新聞記事転載貼りつけ終わり)
古村治彦です。
④超党派議員団は、安倍首相に対して「演説ができるようにしたい」と述べて、安倍首相が「できればありがたい」と応じています。これはまだ正式な招待という訳ではありません。もちろん内々には根回しが済んでいるということもあるでしょうが、正式な招待のためには、連邦下院議長のジョン・ベイナーの親書なり、招待状がなければなりません。また、超党派議員団は別の機会では安倍首相の歴史認識が日米関係にとって懸念となっていると語ったとも伝えられています。以下の記事をお読みください
(記事転載貼りつけはじめ)
●「日本を訪問中の米議員団、安倍首相の歴史観を危惧「第二次世界大戦をめぐる問題で、日本が逆行しているとみなされないようにすべき」―米紙」
Record China 2月19日(木)10時37分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150219-00000029-rcdc-cn
日本を訪問中の米議員団、安倍首相の歴史観を危惧「第二次世界大戦をめぐる問題で、日本が逆行しているとみなされないようにすべき」―米紙
18日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、日本を訪問中の米国の議員団が、安倍晋三首相の歴史観が日米関係にとって懸念になっていると述べたと報じた。写真は安倍晋三首相。
2015年2月18日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、日本を訪問中の米国の議員団が、安倍晋三首相の歴史観が日米関係にとって懸念になっていると述べたと報じた。
ウォール・ストリート・ジャーナルが17日に報じたところによると、日本を訪問中の米国の超党派の議員団が、安倍晋三首相の第二次世界大戦に対する歴史観が日米関係にとって大きな懸念になっていると述べた。ダイアナ・デゲット下院議員(民主)は、記者団に対して、「第二次世界大戦終戦70年にあたり、慰安婦問題をはじめ、第二次世界大戦に関連したその他の問題で日本は逆行しているとみなされないようにすることが重要である」と述べた。また、安倍首相の「歴史修正主義」は、日本の近隣諸国との関係を傷つけるものだとの見方を示した。
日系のマーク・タカノ議員(民主)は、非常に二極化された米国の政治的環境から見ても、安倍首相の歴史観は超党派の議員の反発を起こす危険性があると警告した。また、ジェームズ・センセンブレナー議員(共和)は、安倍首相と韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の首脳会議がまだ行われていないことに対して懸念を示し、北朝鮮が脅威となる可能性に対して日本、韓国、米国が協力することの重要性について述べたという。(翻訳・編集/蘆田)
(記事転載貼りつけ終わり)
古村治彦です。
⑤このような状況では、安倍首相の連邦議会での演説が確実に行われるという保証はありません。三権分立の話に戻ると、共同通信の英語版記事では、「2月13日にブリンケンが機械演説を提案し、安倍首相が同意した」とあり、「2月16日に超党派議員団との会見で、安倍首相が議会演説を希望した」とあります。ブリンケンが提案することもおかしいですし、議会演説に関しては、何も正式には決定していないことが分かります。
⑥以下の投稿から私が考えたことは、「首相官邸側の高官が共同通信をはじめとするマスコミを使って、議会演説を既成事実化しよう」としているのだということです。3月3日にアメリカ連邦議会で演説するイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、オバマ大統領ともバイデン副大統領とも会談できません。「それに比べて、安倍首相はオバマ大統領とも会談でき、議会でも演説できる」という最大限の厚遇で迎えられるのだ」ということに官邸側はしたいのでしょう。しかし、そこで、「ブリンケン米国務副長官からの議会演説の提案」という内容を話してしまいました。これは大きなミスです。
ここまで書いてきたことは、些細なことだと思われるかもしれませんが、「三権分立」をないがしろにすることは、アメリカにとっては国家体制の根幹を揺るがす大問題です。共同通信の記事にある通りにブリンケンが発言したとすると、議会で問題にして、オバマ政権に対する攻撃材料にしようとする議員が出ないとも限りません。小さなことなのですが、実は大変なことなのです。
(終わり)
【1437】[1756]安倍晋三が米議会で演説する件
アルルの男・ヒロシです。多分重要な記事だと思います。
(貼り付け開始)
安倍首相、米議会演説へ 池田勇人氏以来54年ぶり
共同通信 2015年2月22日
日米両政府は、安倍晋三首相が4月下旬からの大型連休中の訪米時に米議会で演説を実施する方針を固めた。日本政府関係者が21日明らかにした。1961年に池田勇人首相が下院で演説して以来54年ぶりとなる。日本の首相としては前例がない上下両院合同会議での演説へ最終調整している。先の大戦への反省を踏まえ、戦後一貫して「平和の道を歩んできた」との見解を示し、未来志向の関係を呼び掛ける考えだ。
首相の祖父、岸信介首相も57年に演説している。
安倍首相は演説で、TPPなど経済分野を含めた幅広い両国関係の深化が相互の国益にかなうとアピールするとみられる。
2015/02/22 02:00 【共同通信】
(貼り付け終わり)
この記事は何処が安倍首相を招請したか書いてないが、共同通信の英語版には次のようにある。
(引用開始)
According to the government official, U.S. Deputy Secretary of State Antony Blinken proposed, when he called on the prime minister’s office on Feb. 13 during a trip to Japan, that Abe address Congress, and he agreed.
Abe also expressed hope to make address Congress during a meeting in Tokyo on Monday with a bipartisan group of U.S. lawmakers led by Rep. Diana DeGette, a Colorado Democrat.
(引用終わり)
この記事では、2月13日にホワイトハウスのスタッフであるトム・ブリンケン国務副長官から「連休中の訪米の際の議会演説」の提案があり、ついで、超党派の米議員団の訪日がありコロラド民主党のデゲット下院議員に安倍が演説をしたいという希望を伝えたとある。
ブリンケンは元大統領国家安全保障担当副補佐官だったので、これはホワイトハウスと国務省の意思ということのようだ。ブリンケンは元はトム・ダシュル上院議員のスタッフだった男だ。
ということは何を意味するかというと、「アメリカは日本における自民党長期政権」を認めたということだ。野党はおまけということになります。
55年体制のような日本にとって得もあった自民党一党支配体制ではない、いやらしい自民党の一党独裁体制になる。
自民党は改憲案で「基本的人権」を制限する条項を幾つか設けている。
このことから、ブルームバーグのコラムなどでは安倍自民党をトルコのエルドアン大統領やロシアのプーチン大統領、ハンガリーのオルバン首相のような「オートクラット」だとする向きもある。
Is Japan Asia’s Next Autocracy?
81 FEB 20, 2015 9:00 AM EST
By Noah Smith
http://www.bloombergview.com/articles/2015-02-20/japan-s-constitutional-change-is-move-toward-autocracy
オートクラシーとは、autocrat(オートクラット)による専制統治。対立がない自動決定による統治のことである。
それでもアメリカは安倍政権を積極的に支持するという方向にかじを切ったようだ。
やはりヒラリー・クリントン次期大統領への移行準備がすでに始まっているということか。
【1436】[1755]読売だけで、カジノ(公営ギャンブル、賭博場)の 日本での解禁 の発表があった。法案もまだ出ないのに。
副島隆彦です。 今日は、2015日2月22日です。
日本での カジノ(賭博場、ギャンブル場)の解禁、許可、建設が、突然、読売新聞だけで 19日に 行われた。 法案が国会に提出される前に、こうして以下の記事のとおり、2箇所の場所だけが公表された。 安倍政権としては、2020年の東京オリンピックに 向けて、同時開催のように賭博場を日本でも始めさせる、という計画だ。
日本で、カジノに反対してきたのは、PTA(ピーティーエイ)のような学校教育団体と、警察だった。警察は、自分たち多くの警察官の再就職先としてパチンコ、ゲーム産業を「保護」して来たので、カジノが出来ると、それらの遊技場が、さらに衰退する、ということで歴史的に反対してきた。競馬や競輪、オートレース、モーターボート(競艇)業界なども反対だったろう。
このカジノ法案には、民主党の議員たちもひとりも反対しないと、もう5年も前から根回しされていた。これから、誰が「カジノ反対」と言い出すかが、焦点である。
以下の読売新聞の記事のとおり、横浜市の山下ふ頭 の再開発地区(約50ヘクタール)と、大阪市の、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)(150ヘクタール)の2箇所だそうだ。
この大阪の積出港の先端(せんたん)の埋立地に、私は10年前に行ったことが有る。輸出入品の保税地区になっていた。 ここに出来る、ということは、元々が、父親以来の暴力団体質の、松井一郎大阪府知事と菅義偉(すがよしひで)官房長官の 連携で進められた話だ。 松井一郎は、「もう(維新の党をやめて)自民党に戻りたいよ」と言っている男である。
東京ではなくて、横浜の山下公園から斜め先に見える埋立地に出来る、ということは、 こちらも菅義偉官房長官の 自分の選挙区であり、ここには確か藤井組という大きな港湾、荷役(にえき)の元締めもやってきた建設会社があって、菅義偉長官の盟友で、後援会長のはずだ。
今の横浜市は寂(さび)れている。新幹線も止まらないし、昔のライナー(今は、大型観光クルーザー船 )も来なくなった。このままでは港・横浜は自滅だ、ということで、こういう計画に、5年前からなっていたのだろう。
今回の カジノの最初の2つ(おそらく国際・外国人カジノ場。残り、次々と出来るのは日本国民用)が、横浜と大阪に決まった、ということで、負け組は、私、副島隆彦の判断では、大手の遊戯機器の業者のセガ・サミーの会長と、彼が、有頂天で進めた、東京のお台場を候補地にすべく10年前から動いてきた、石原慎太郎と、彼の後援企業である 鹿島建設(ここが現代の最高の政商だ)と、フジサンケイ・グループの日枝久(ひえだひさし)会長だ。彼らの負けだ。
セガサミーの会長の家の、ドアに、銃弾が打ち込まれたそうだ。そういう「ガラス割り」一回で、今の日本では、権力者・支配層内部の争いの決着はつく。
舛添要一(ますぞえよういち)東京都知事は、「そんな、賭博場なんか東京に作らないでくれ。オリンピックで手一杯だ 」で、「他所(よそ)に行ってくれ」と言っていたはずだ。
私は、カジノ関係や、パチンコ業界の日本の業者たちの歴史をずっと、調べてきた。その資料の束がある。だから、そのうちまとめて今日のぼやきの会員ページに書きます。 日本を東西に二分する地である、岐阜県に秘密があるのです。
博奕(ばくち)好きも、他の性癖(せいへき)と同じで、一生続く病気であり、どうせ治らないから、気をつけて、まわり(家族、親戚、友人)に迷惑を掛けるのを最小限度に抑える努力をしながらやってください、としか、私は、言いようがありません。
(転載貼り付け始め)
●「カジノ候補地、横浜市と大阪市に…政府方針」
2015年2月19日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150218-OYT1T50154.html
政府は、カジノを中核とした統合型リゾート(IR)について、2020年の東京五輪・パラリンピックまでに横浜市と大阪市の2か所で開業を目指す方針を固めた。
IRの候補地には、全国20か所以上が名乗りを上げてきたが、五輪までに開業できるのは、再開発計画などで適地のある横浜と大阪と判断した。
横浜市は、再開発計画が進む山下ふ頭(約50ヘクタール)が 誘致先となる。大阪市は、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)が 本命視されている。橋下徹大阪市長が誘致に熱心で、関西国際空港にも近く、広大な未利用地(約150ヘクタール)を抱える。
IRを巡っては、超党派の「国際観光産業振興議員連盟」が一昨年の臨時国会にIRに関する制度の骨格を定めた法案(カジノ解禁法案)を提出し、継続審議となっていたが、衆院解散に伴い廃案となった。
同議連が今国会に解禁法案を再提出するが、ギャンブル依存症への懸念などから、公明党や野党に慎重な声が強く、成立は見通せない状況だ。
●「セガサミーHD会長宅で発砲か 銃弾・薬莢見つかる」
2015年1月14日 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASH1G3GDGH1GUTIL00F.html
14日午前8時半ごろ、東京都板橋区双葉町にあるゲーム・パチンコ機器大手「セガサミーホールディングス」の里見治会長兼社長(72)方で、「夜中に『ドン』という音がした」と、警備員から警視庁板橋署に通報があった。里見会長宅周辺からは銃弾や薬莢(やっきょう)が見つかったといい、署が発砲事件として調べている。けが人はいなかった。
署によると、警備員は「午前3時半ごろに発砲音のような音を聞いた」と説明。朝になって銃弾のようなものを見つけた。通報を受けて駆けつけた署員が調べたところ、門の照明1個が割れ、近くに薬莢1個や未使用の銃弾3発が落ちていたという。これまでに里見会長から脅迫などの相談が寄せられたことはなかった、と署は説明している。
同社広報部は「事実関係を確認中なので、詳細はコメントできない」としている。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
【1435】[1754]懺悔します
みなさんこんにちは。相田です。
さて、ネタバレになってしまうのですが、あえて書かせて頂きます。ぼやき1504,1506を読まれた方はお気づきでしょうが、あの記事はズバリ、西村肇先生による武谷三男論になっています。会員の方限定の情報ですが、あそこでの西村先生の評価が、正確な、そして真実の武谷三男であり、坂田昌一の姿です。
私が重掲で書いた一例の武谷、坂田の話は、あそこで西村先生がおっしゃった典型的なダメな解説の方に入ります。それでも、一般的に語られる武谷、坂田像の標準レベルの理解ではあるとはおもいますけど…。
それに西村先生が語られるような、あの時代の真実をえぐるとも言える内容は、武谷から直接話を聞けるインサイダーの立場でないと、とても書けないと思います。名古屋大学理学部の坂田の弟子筋の方々も、ここまで深く、且つ、きちんと距離を置いて対象化した武谷、坂田の姿は、恐らく語れないのではないでしょうか。
そもそも私が、武谷、坂田の存在を知ったのが、10年前の幻の副島・西村対談を読んだ時なので、色々と言える筋合いは全くありません。ただ、まさかこのタイミングで、この話がぼやきに出てくるとは、全く想像しませんでした。
1504,1506を読んだ最初は「しまった…、自分の一連の投稿を止めとけば良かったかな?」とおもいました。それでも今は、話の前振りとしての意味はあったかな、と考えています。いきなり素粒子物理と哲学の結び付きについて、西村先生にあのレベルで展開されては、ついて行くのが大変ですから…。
本来ならば自分も、最初にきちんとした武谷三男論を書くべきとは思いますが、はっきり言って今の私には無理な相談です。ヘーゲル、マルクス、エンゲルス、レーニンをきちんと読み込んで、素粒子物理学を理解しないと、本来の武谷論には進めないという‥…。なんという人なのでしょうか‥‥‥ 。
私が今からいくら頑張っても、西村先生の理解度に追いつく前に、多分寿命が尽きると思います。日本は偉大な思想家を持っていたと、改めて思います。ただし、このままでは武谷は、誰からも真実を理解されないまま、いずれ忘れ去られるのでしょうが‥‥‥。
ちなみに私の前の重掲の投稿中にあった、間違いをいくつか修正します。
[1677]
× 広重徹 「戦後日本の科学者運動」 → ◯「戦後日本の科学運動」
[1731]
× 森山欣司 → ◯ 森山欽司
× 田島英男 「ある物理学者の生涯」→◯「ある原子物理学者の生涯」
× 熊谷大三郎(くまがやだいざぶろう)→ ◯ 熊谷太三郎(くまがやたざぶろう)
広重の本を私は何度も読み返しているのですが、投稿するまでタイトルの間違いに気付かないままでした。全く間抜けです。
相田英男 拝
【1434】[1753]副島隆彦 の 金融セミナー(講演会)の お知らせです。
副島隆彦です。 今日は、2015年2月17日です。
私は、年末からずっと、書いてきた2冊の本を、今さっき書き上げた。今から、それぞれの出版社にゲラへの私の赤ペンがびっしり入った原稿を届けに行く。
いやあ、書くのに苦労した。夜も寝ないで書いた、なかなかの本ができた、と自慢してもあまり意味は無い。
今、アマゾンを開いてみてみたら、2冊とも「発売予定、予約可能」で出ていた。
一冊は、 『 余剰(よじょう)の時代 (ベスト新書) 新書 - 2015/3/7 発売。 副島 隆彦 (著)』 です。
この本の帯(おび)には、次のように書いてある。 「人類最大の解けない問題、それは、余剰(サープラス、surplus )。 最後に余ったのは、“人間”。 つまりあなたのことだ」 と。すごい本だと、自分でも思う。
2冊めは、『 日本に 恐ろしい 大きな戦争(ラージ・ウォー)が迫り来る 単行本 - 2015/3/19 発売 副島 隆彦 (著) 講談社 』 である。 帯には、たしか「副島隆彦のアメリカ政治の最新情報。 冷徹な近(きん)未来予測 ! 」 となるはずである。乞うご期待です。
さて、私は、今日から頭を切り替えて、急いで、金融・経済の分析に、全力で立ち向かう。『官製(かんせい)相場の暴落が始まる』(祥伝社、2014年11月刊 ) の 後を継ぐ、次の私の金融本だ。 官製相場というコトバは、巷(ちまた)でも話される流行語となった。
それでです。 さ来週の3月1日(日)に、 私が、5時間、ぶっ通しで、ずっと演説をする、「副島隆彦の“予言者”金融セミナー」が東京の有楽町の朝日ホールで開かれます。
皆さん、まだ席が空いていますから、どうぞいらしてください。
ここでは、私は、本当のことを、本にも書けない、この世の真実を、洗いざらい徹底的に大声で、ずっと話し続ける覚悟です。 ムズカしい本を読むのは、どうも 苦手だ、という人は、どうぞ、この講演会に来てください。金融、投資、資産防衛のことの質問でしたら、どんなことでもお答えします。
私の金融セミナー(講演会)は、どうしても、小(しょう)資産家、企業経営者、投資家の皆さん相手となります。 少し講演料も高いです。それでも、「私、副島隆彦は、これまで、皆さんに、損をさせるようなことは、話して(書いて)来なかった」と、堂々と自信を持って言えます。
ですから、私が渾身(こんしん)のちからを振り絞って、「今年は、これからこうなる。その次はこうなる。こういう事が起きる。 だから、こういうことをしなさい。このように考えるといいですよ」と話しますから、是非、参加してください。 詳細は以下のとおりです。
『 副島隆彦の“予言者”金融セミナー 第9回 』
日時 : 2015年3月1日(日)
場所 : 東京、有楽町朝日ホール
開演 : 11時
終了 : 17時(予定)
受講料 : 15,000円(全自由席)
申し込み先 http://kokucheese.com/event/index/259057/
問い合わせ アールシステム ブレイントラスト企画
03-6261-5465(平日:10~18時)
以上です。 梅も咲いて、桜ももうすぐで、やがて春が来ます。
副島隆彦拝