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加地龍太 投稿日:2016/03/28 00:37

【1557】[1890]いち日本庶民の心願

近頃、世界経済の中心地が西側から東洋に移ってきていることを感じて心に浮かんだ個人的願望です。

アメリカ合衆国の勃興期は、1800年代末から1900年代初期と思われます。
1776年7月4日に独立戦争を終えてアメリカは建国されましたが、政治的にも経済的にもずっとヨーロッパ各国の衛星国扱いであったことは客観的に諸事を鑑みれば誰でも分かることです。
そんな状態の中で、ヨーロッパ系資本に頼らずアメリカ国内の資本で独立的に経済を運営すべく活動したのが、丁度1800年代末?1900年代初期に活躍したジョン・D・ロックフェラー、アンドリュー・カーネギー、ジョン・ピアポント・モルガン等の民族資本派の財界人たちであります。
中でもロックフェラーのヨーロッパ系資本に対する敵愾心は顕著であり、欧州ロスチャイルド系金融機関およびその顧客たる企業群に対する無慈悲かつ徹底的な攻撃的措置は冷酷を極め、繁栄させるべき対象の筈のアメリカ国民たちからも悪魔と蔑まれたと言います。

無論、「すべてのアメリカ国民に平等の光を。(庶民たちにもリーズナブルな価格で石油ランプを提供する意)」や「神から金儲けの才を賜ったからには、出来るだけ多く稼ぎそれを仲間たちのために配る。それが私の義務なのだ。」の言葉通りの経済的貢献とフィアンソロフィスト=慈善活動家としての貢献は、アメリカ合衆国の繁栄に多いに役立ったことであり、そのこと自体は認めざるを得ないことです。
世の中の善悪の尺度は、その時代を生きている人間たちの倫理観で決まると思われます。
約100年前に勃興したアメリカ合衆国が衰退の一途を辿り、アジアの国々が勃興しているこんにち、かつてのロックフェラーやカーネギーのような人々がアジア各国から出現するのだと思いますが、アジアの経済界の英雄たちの倫理が、(西側の英雄たちがキリスト教各宗派により倫理を守ったように)儒教や仏教や神道等により守られることを願います。

私ごとき庶民は、そう心願する以外には然したる社会的貢献も出来ずにただ生きて逝くだけしかないというのも、虚しいものです。

加地龍太 拝

田中進二郎 投稿日:2016/03/27 17:46

【1556】[1889]副島隆彦先生の『信長はイエズス会に爆殺され、家康はすり替えられた』を読む①

副島隆彦先生の『信長はイエズス会に爆殺され、家康は爆殺された』を読む

・人気の明智憲三郎著『本能寺の変・431年目の真実』で踏み込まれなかった、畿内のキリシタン大名、仏教勢力とイエズス会のつながり
・秀吉の死に、キリシタン大名・高山右近、前田利家が関わっていた?
・イエズス会の主要構成メンバーは、改宗ユダヤ人(converso コンベルソ)
・インドのゴアでイエズス会のザビエルはユダヤ教徒・ヒンドゥー教徒を火あぶりにしていた。
・信長、家康の大河ドラマの英雄像は、明治大正の大ジャーナリスト・徳富蘇峰によって作られていた

副島隆彦先生の御著書『信長はイエズス会に爆殺され、家康はすり替えられた』(PHP 2016年1月刊)を2カ月ほど前に、読みました。従来の歴史書の真偽の区別がはっきりなされており、信長、秀吉、家康の三大英雄の時代の真実が分かる力作でした。
『今日のぼやき』(会員制)でも、この本についての副島先生の詳しい解説があります。

良い本というのは、その本だけを読んで終わりにならず、次々と他の書籍を調べてみようとなるものです。私田中進二郎も、副島先生の『信長はイエズスに爆殺され・・』から、明智憲三郎氏の明智本、故・小室直樹博士の『信長ー近代日本の曙と資本主義精神』、村岡素(そ)一郎著『史疑(しぎ)』、徳富蘇峰の『近世日本国民史(織田信長)』などを読み、三大英雄にどのようなウソがまかり通っているのかを調べています。

私の塾の教え子たちにも、この本を勧めたところ、頭が柔軟な子たち(中学2年生)5、6名が読了しました。その中の一人は、『本能寺の変431年目の真実』(文芸社文庫 2013年刊 以下明智本と略する) を何度も読んでいたのですが、副島先生の本と比較していくうちに、やはり信長はイエズス会に爆殺されたのは正しいのだ、と納得した、と言っていました。
彼ともうひとりの塾生と、学問道場の会員の方と四名で、副島本と明智本を比較する読書会を行いました。(京都からわざわざきていただきました。ありがとうございます。)
やはり、イエズス会の幹部(巡察使)だった宣教師・ヴァリニャー二(1539-1606)が信長に献上した、彌助(ヤスケ)という黒人小姓(インド人だっただろう)が本能寺の変の謎を解明する上で、重要だと見解が一致しました。
日本語を解する彌助が信長の小姓として仕えるふりをしながら、彼の情報をヴァリニャー二に逐一報告していただろう。本能寺の変(1582年6月2日)での唯一の生き残り、が彌助であったことは、かれがイエズス会の諜報要員として、インドのゴアで仕込まれていたことを示している。
(副島本p92-95を参照)
このことは、明智本が最初に指摘した重要なことだ。彌助は信長が斃(たお)れた本能寺から、嫡子・信忠のいる二条城に移動して、信忠が死ぬところを見届ける役割を果たしたのであろう。
その後、明智光秀の軍に投降して行方を絶った。私田中の教え子は、ヴァリニャー二はこのあと、「琵琶湖の小島に隠れていた」というが、安土城を焼く工作を実行したのではないか、と推測していた。

また、イエズス会の巡察使・オルガンティーノ(1530-1609)が、キリシタン大名・高山右近に「明智光秀を裏切って、羽柴秀吉に味方せよ。」とポルトガル語で書いた手紙を送っていたことも、明智本のp225で書かれている。
高山右近は、イエズス会の手先として働き、明智光秀を「信長殺しの主犯」として抹殺する作戦に最も忠実に動いた。右近は、「中国大返し」をしてきた秀吉軍の先鋒を勤め、光秀の本隊
を鉄砲隊で撃破した(1582年6月13日)。

秀吉は、信長の後継者としての地位を手に入れた山崎の戦いで、最大の功績を立てた高山右近に3万石のみ加増しただけだった。それは、右近が決して秀吉に忠誠心があるわけではなく、イエズス会ーローマカトリック教会につながっていることを、秀吉自身が知っていて、警戒したためだろう。

山崎の戦いの時に、もうひとり重要な人物が戦場に近いところにいて、合戦の趨勢を見守っていた。それは千利休(宗易)である。利休は、高山右近の茶の湯の師として、密接な交流があった。利休がキリシタンであったということは、今も日本ではタブーとされている。
しかし、利休の茶道が、当時畿内のキリスト教会で行われた洗礼の儀式を取り入れたものであることを確証する史料が、ローマ・バチカンの図書館に残っているという。

(引用元ー武者小路千家14代目家元 ラジオ番組の録音
http://manga.world.coocan.jp/sadou-iemoto-musyakouji.html

また利休も、山崎の戦いの後、山崎(京都府)の地を秀吉から与えられている。そして、待庵という茶室を建てている。これは、国宝として、茶道の愛好家たちの間では、聖地とされている。
 秀吉は、イエズス会と、明智光秀、細川幽斎、高山右近らキリシタン大名の動きをつかみながら、光秀を討伐し、信長の後継者としての地位を固めていったのだろう。

このほかにも当時はキリシタン大名が、ゴロゴロいた。高山右近が彼らに洗礼を施していったのは有名である。蒲生氏郷(がもう うじさと)、黒田官兵衛(如水 秀吉の軍師)
、前田利家、宇喜多秀家・・・。前田利家は表向きはキリシタンであることを隠していたが、秀吉がバテレン追放令(1587年)を出して、高山右近の高槻(大阪府)の領地を没収したあと、右近を加賀領内で保護していた。そして、金沢城の一角に菱櫓(ひしやぐら)という、京都の南蛮寺を模した建物を作らせている。「信長を爆殺した」イエズス会の南蛮寺を高山右近と前田利家が密かに作っていた、その真意はいかに?

(金沢城菱櫓と南蛮寺↓
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1793168/1802629/84392511
 
また、金沢から少し離れた七尾(ななお)には、前田利家、嫡男・利長が保護した寺院群があるが、この中に、利家と正室・まつがひそかにおがんだ十字架が日蓮宗の本行寺(ほんぎょうじ)に残されている。

 高山右近もこの寺にしばしば滞在したことが分かっている。日蓮宗・本行寺は、浅草、下関、高槻などにも点在しているが「隠れキリシタンの本山」である、ということである。
右近は高槻(大阪府北部)の領内にカトリック教会の教えを広め、仏教寺院を徹底的に破壊した、といわれている。その高槻にも本行寺が存在しているのは、耶蘇教を密かに伝えるためであったろう。
 右近はこの寺の敷地内に設けられた茶室で、南蛮渡来の耶蘇教や建築技術などを教えていたらしい。金沢市に今も残る辰巳(たつみ)用水も、右近から学んだ板屋兵四郎(いたや へいしろう)がわずか1年で正確に工事を完成させたのだという。彼らは高度な数学の知識を有していたのだ。

前田利家、利長は右近の最大の庇護者となり、二十余年にわたって右近が領内で布教するのを許していた。家康が禁教令(1612、13年)を出して、右近は内藤如安(じょあん)らとともに、フィリピンのマニラに追放された。そこで熱病にかかり没するのであるが、右近と前田利家には、さらに大きな疑惑がある。それは、朝鮮出兵を続行していた豊臣秀吉を大坂城で暗殺したのではないか?というものだ。
 これは、テレビ番組『歴史ミステリー』で取り上げられている陰謀説である。
 朝鮮出兵の停戦交渉に朝鮮側からは、沈惟敬(しんいけい)が日本にやって来る。
副島本(p91)にも、小西行長と沈惟敬の停戦交渉について書かれている。
国内では、前田利家が伏見城で沈の接待を行っていた。このあと、沈は秀吉と話し合ったが、その際に万能薬と偽ってヒ素を飲ませ、秀吉を毒殺した、ということが朝鮮の史料に記載されている、という。

(引用元ー歴史ミステリー
▲裏・歴史▼ 豊臣秀吉暗殺に新説!黒幕はあのキリシタン大名だった!?[ミステリー#84]: http://youtu.be/LNEYF5hT-W4

これを、学問道場で論じるのはどうかな、とも思うのであるが、前田利家が右近に洗礼を受け、長きにわたって指導されていたとすると、秀吉を殺そうとするイエズス会ー高山右近ー前田利家という指令系統があった、としても不思議ではない。これより前に、高山右近は師である千利休が、秀吉の怒りを買って切腹をさせられている(1591年)。

そして、秀吉の大阪城での死の2年前ー1596年には、長崎で「26聖人大殉教」が起こっている。この時、日本人の信者だけでなく、フランシスコ会士、イエズス会士たちもあわせて9名処刑されているのである。
これは、ローマ・カトリック教会を震撼(しんかん)させた出来事だった。上の歴史ミステリーの動画でも、イエズス会の書簡に「秀吉を葬り去ることを決定した」というものが存在している、と言っている。
イエズス会と、朝鮮、国内の大名の利害が一致して、秀吉暗殺計画が実行されたのではあるまいか?そして、その計画の黒子(くろこ)として動いたのは、本能寺の変の時と同様に、高山右近であっただろう。
イエズス会ーローマ・カトリック教会の周到さ、執念深さ、というものは、やはり震えあがるほど、おそるべきものである。
田中進二郎拝

清野 眞一 投稿日:2016/03/26 11:14

【1555】[1888]私も津谷論文に疑問を感じる

読書室 副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所著『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』成甲書房 本体価格 1800円

 ついに明らかにされた幕末・明治のフリーメイソンの活動実態と表裏一体であるユニテリアン教会の教義思想の核心と世界規模での最先端の政治思想の“真実”

 この本は、副島隆彦氏を指導者とする副島隆彦国家戦略研究所の第7論文集である。

 常日頃からの誹謗中傷の嵐に耐えながら、副島氏は弟子たちと着実に前進しつつ、この様な充実した論文集を発刊したことを大いに喜びたい。そしてこの本は副島氏の主著の一つである『属国・日本論』の「第三部 属国日本の近代史」を直接的に補完するものだ。

 周知のように江戸末期に黒船で来航し開国を強要したぺリーらによって、日本は開国された。その後、折から勃発したアメリカの南北戦争で政治的影響力を低下したアメリカに対して、反比例するかのように影響力を急速に増大させ実質的に日本を主導するようになったのは、オルコック・パークス・アーネスト・サトウらのイギリス勢力であった。

 薩摩や長州等と闘う中で彼らを変え倒幕勢力としつつ戦略を授けて武器を売りつけ、背後から動かしたのは、前面に立ったイギリスの武器商人らと黒子に徹した彼らであった。

 この本は、そのイギリスとは別に世界最大の秘密結社であるフリーメイソン=ユニテリアンが、幕末・明治の日本にどれほど強い影響を与えたかを詳しく解明した本である。

 具体的には、幕末・維新、そして明治の日本の指導者たち11人の「偉人伝」を読み解いてゆく事で、明治の元勲たちの中にフリーメイソン=ユニテリアンの思想がどのように入り込んだかを、歴史資料に基づいて正確無比に立証している本である。

 この選ばれた幕末・明治のイレブンを紹介順に列挙すると、日本の自立自尊のためにフリーメイソンと共に闘った福澤諭吉、ユニテリアン思想を日本に導入した新島襄、オランダ軍人に操られた榎本武揚、日本人初のフリーメイソンとなった西周、自由民権運動の父で実はフリーメイソンであった板垣退助、「牽制の神様」かつユニテリアン人脈の尾崎行雄、西周が従兄弟叔父の森鴎外、ジャディーン=マセソン商会が育てた日本工学の父・山尾庸三、日本初・国際“超”高級官僚としての新渡戸稲造、「日本のセシル・ローズ」である後藤新平、開国期の女子教育に献身した「津田津田しい」津田梅子の11人、その他にオランダ人フルベッキのユニテリアン思想の日本受容を準備した横井小楠がいる。

 紙面の関係で当然の事柄として全員には触れられないので、ここでは残念ながら明治期の啓蒙思想家の両雄でもある福澤諭吉と西周に絞って紹介してみたい。

 幕末に開塾した慶應義塾が大学になる際、諭吉の強い意思により教壇に立った外国人教師の多くは、ハーヴァート大学から来たユニテリアン教会に属する宣教師たちだった。

 また汎神論者スピノザが準備したフリーメイソンのオランダからの影響も見逃せない。横井小楠や西周・森鴎外・榎本武揚たちは蕃所調所を通してフルベッキと出会ったのだ。

 当時の日本はロシアとイギリスの確執の最中にあり、まさにイギリスから遠隔操作されていた手駒であった。その当時の日本の政治的な代表者が伊藤博文である。

 確かに慶応義塾にはイギリス国教会からの教師もいたが、彼らと福澤との間には信頼関係というよりは、相互に利用し合う事を目的とした付き合いしかなかった。なぜなら福澤には、明治政府をしてイギリスのくびきから解き放たれるには、アメリカのユニテリアン思想の助けを借りて自立自尊する道の他ありえないとの大戦略があったからである。

 ユニテリアン思想とは何か。端的には、理神論という名前の「神の否定」思想である。彼らは神を信仰せず、理性を合理を最高のものとする。彼らはカソリックの馬鹿げた三位一体説、信仰への盲従強要や神父らの商工業者への蔑視を嫌い、自らの理性信仰を「神の摂理」と称してきた。ミケランジェロ・モーツアルト・ニュートンらが理神論たちである。

 福澤諭吉は、この立場を受け入れて二人の息子を米国留学させ“日本の独立自尊”を更に追求していった。そして全く意外にも“ワルの頂点”である伊藤博文も、また追求していたのだ。まさに「事実は小説よりも奇なり」ではないか。伊藤博文が朝鮮併合に強く反対して、山県有朋に暗殺されたのはその遠因がここにあったのかも知れないのである。

 その意味では、福澤が無謀な政治的な闘いに引き込まれずに思想家・教育家として生涯を全うしたのは、賢い選択であった。福澤は部分的ではあれ、着実に日本が自立していくために、知識・思想・学問の分野で伊藤らと生死を掛けて英国と闘い続けたのである。

 この事に関連して述べておくと、以前から開明的な諭吉とアジア蔑視の諭吉と二人の福澤諭吉が云々されてきたが、近年平山洋氏の福澤諭吉全集の各版本精査の尽力により、これらアジア蔑視の無署名論考については弟子の石河幹明氏のものであることが明らかになった(詳しくは、『福澤諭吉の真実』(平山洋氏・文春新書)をご覧下さい)。

 続いて西周について紹介する。彼は、幕末期に津和野藩の選抜メンバーとして江戸留学中に脱藩した。その後蕃書調所に出入りすると共に当時江戸で英語塾を開いていたジョン万次郎の所で勉学に励んでいた。学友には榎本武揚と大鳥圭介がいる。この時、幕府がオランダ留学生を派遣するに当たって選抜され、二年間オランダに行っている。彼は反カトリックのオランダの自由主義者の牙城であったライデン大学に学び、J・S・ミルやコントらを研究した。この間、英国留学中の五代友厚ら薩摩藩士と密会した事もある。

 ミルと言えば、『代議制統治論』で知られているようにデモクラシーの元祖である。こうした流れの中で、西周は留学中にフリーメイソン入会日本人第一号になったのである。

 そして帰国してからは、日本の古い身分制度の破壊のため、社会革命をめざした。彼がめざしたのは思想界の革命である。幼少期に朱子学を学び青年期に荻生俎徠で開眼した西周は、日本の知識人の教養の土台とである儒学を基礎として西洋の学術大系を理解させるべく欧州語の哲学・思想用語の日本語訳を、日本社会に確実に定着させていったのである。

 その手始めとして『万国公法』の中国語訳本にレ点を入れ刊行した事で、当時の知識人達に注目され西周の名は一躍有名となった。彼はこの本を徳川慶喜に献上もした。彼によって有名になった蕃書調所は、その後東京大学に発展していった。

 この開明思想の鼓吹者として西周は徳川慶喜に呼ばれて京都に私塾を開き、その塾生の中に松平容保会津藩主に従って上洛した山本覚馬もいた。西に大いに学んだ山本がその後、京都府政のために尽力したのは、周知の事実である。彼を導いたのは西の思想である。

 西周はまさに思想界に革命を起こした。現在に至っても私たちが恩恵を受けている主な訳語を列挙すれば、哲学・観念・概念・主観・客観・理性・悟性・感性・総合・帰納法・演繹法など、枚挙するに暇がない。これらの訳語の恩恵は、日本一国のみならず現代中国の哲学・思想界にすら大きな影響を及ぼしているのであり、彼の残した業績の偉大さは誰にも否定できないものがある。西周については、こうした面をぜひ補強しておきたい。

 このように明治期日本の思想界からユニテリアンから学んだ福澤諭吉と西周の二人を除いたら、どんなに貧しくみすぼらしいかを、読者にはぜひとも想像していただきたい。

 また付章として、ブリタ理科大百科事典に掲載されている「フリーメイソンリー」「ユニテリアン」「理神論」の項目についての翻訳がついている。これらの解説は、まさに世界標準からの実に簡潔でありながらも本質を突いた貴重な記述である。精読を期待する。

 最後に、副島隆彦氏によるフリーメイソン・福澤諭吉・伊藤博文についての重要な指摘を「はじめに」から一つ、「おわりに」から二つを引用しておこう。

「はじめに」では、「このローマン・カトリックから毛虫のように嫌われ続けたフリーメイソン=ユニテリアン思想は、これまで、日本の出版界が『おどろおどろしい闇の支配者たち』だとか、『裏に隠れた悪魔の集団』などという愚か極まりない理解を日本国内に蔓延させた。(中略)

その真の元凶は、やはりロール・カトリック教団そのものである。彼らは、この世の諸悪の根源である。実は、フリーメイソン=イルミナティの思想が、ローマ・カトリック教団の中にまでじわじわと潜り込んでゆき、自分たちの巨大な偽善を暴いて突き崩しに来るのがイヤでイヤでたまらないのだ。(中略)だが、ところがである。

どうもきっかり20世紀に入ったあたりで、本当にフリーメイソンリーとイルミナティは、世界を頂点のところで支配する超権力者たちの、秘密の集団によって乗っ取られて大きく変質をとげたようである。(中略)日本の明治時代を生き生きと作った指導者たちがフリーメイソン=ユニテリアンに加入していた頃までは腐敗していない」

と従来の日本のフリーメイソン観を一新する視点を明確に打ち出したのである。

 そして「おわりに」では、「日本が誇る大知識人である福澤諭吉と、明治の最高権力者のワルの頂点である伊藤博文には共通の考えがあった。

 それは、『日本はインドや中国やエジプトやトルコのように外債(外国からの借金)を理由に西洋人に騙されて西洋列強(とりわけ大英帝国)の悲惨な支配下に置かれないように、急いで欧米の(当時)最先端の政治思想と諸学問(理工系の科学技術だけでなく)を輸入し(翻訳し)、身につけなければならない』と、共に切迫した気持ちで考えたことだ」

 と福澤と伊藤との共通認識を指摘した後、「福澤は、伊藤博文らに謀られて追いつめられ決起した西郷隆盛の自刃のあと立憲運動として起きた自由民権運動が、同じく狡猾な伊藤によって、自由民権運動の最大のヒーローとなった土佐の板垣退助が早くも1881年には、洋行の資金で籠絡されててっぺんから切り崩されていく様をずっと苦々しく見つめていた。

 板垣が伊藤の子分になり下がって自由民権運動を内部から壊したのだ。だから福澤は、終始一貫して、伊藤博文ら買弁権力者たちに一歩も譲らなかった。知識、思想、学問の方が現実の政治権力より上に立つべきだと、生涯この説を通した」と明治期日本を貫く、その対立構図を指摘したのである。

 この本によって、私たちは明治期日本の二十年代・三十年代の全体像が理解できる。そして今後、この本の続刊として『明治偉人伝のウソ』が企画されているという。

 今後、日本の近現代史を主体的に理解するためにも、孝明天皇、徳川慶喜、明治天皇、大室虎之祐、山内容堂、小松帯刀、坂本龍馬、木戸孝允、伊藤博文、西郷隆盛、大久保利通らにも鋭いメスが入らねばならない、と私たちは確信する。

 その意味において発刊を大いに期待して筆を置く。

石井 利明 投稿日:2016/03/25 11:11

【1554】[1887]遅れましたが、ぼやき、津谷論文に反論します

『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』で、福澤諭吉がいかに立派であったかを書いた、石井 利明です。

津谷研究員の2月発表の、ぼやき「幕末の幕臣たちの目から見た、薩英戦争(さつえいせんそう)の真実」に対して反論します。
私、石井 利明の論点は、津谷研究員が擁護(ようご)する、安川寿之輔(やすかわじゅのすけ)に対し、「21世紀から偉そうに19世紀の福澤を批判するな」、です。

まず、この論文は、有料会員しか読めないので、私なりに要点をまとめます。
(詳細は、有料会員になってお読みください)

・ アメリカは、福澤諭吉を筆頭とする幕臣たちを操(あやつ)って薩英戦争を起こし、イギリスを倒幕に誘導した。石井孝(いしいたかし)をはじめとする歴史学者は、このアメリカの謀略は隠して、イギリスの悪を言いたてることによって、日本人をうまくコントロールしてきた。

・ 福澤は日清戦争推進の黒幕の戦争屋であり、日清戦争とはアメリカの手先の福澤が中心となって起こした日本を戦争国家へと変貌させるための戦争であった。これもアメリカの意図である。

・ 福沢が日清戦争の黒幕である、という暗部については福沢礼賛(らいさん)の評論家たちはまるでなかったことのように無視している。その筆頭が、平山洋(ひらやまよう)という悪い福沢諭吉美化論者である。私(石井 利明)のネタ元も、この平山である。

・ 津谷研究員は、平山洋と論争してきた安川寿之輔(やすかわじゅのすけ)の、福沢諭吉は日清戦争に賛成だった説のほうが正しいと考え、平山をはじめとする福澤礼賛者たちに反撃をくわえる。

私の反論は、津谷研究員の、「明治維新の黒幕はアメリカの手先であった福澤諭吉である論」の諸事実に対してではなく、津谷君が福澤をアメリカの手先と決め付ける基準である。
その基準は、彼が擁護する安川寿之輔と同じ理由で間違っていると考える。

それは、平山・安川論争の論点である「福澤がアジア諸国を蔑視(べっし)していたかどうか」という安川の論に結び付けて、大東亜戦争の敗戦及び、その後の侵略した国家群に対する外交の失敗までも、なんでもかんでも、遡(さかのぼ)って福澤のせいにする事にある。

真実の福澤は、アジア蔑視者でもなければアジア解放者でもない。
当時の日本にアジアを解放する力が無いことを福澤は当然知っていた。
彼は日本国の独立自尊だけで手一杯で、日本の国益の追求以外に手を出す余裕など無かった。それは、当時の指導者なら当然の事です。

19世紀のアジアの現実を想像して欲しい。
植民地化を免れているのは、国家としては日本とタイしかない。

福澤の生涯は、1835年1月10日に始まり、1901年2月3日に終わる。まさに、19世紀を生きた人物だ。
安川論者は、福澤が19世紀に生きた人間という、もっとも単純で重要なことを無視している。

19世紀は西欧列強によるアジアの分捕り合戦の真っ最中なのだ。
福澤は、数度の海外渡航により、この現実の厳しさが骨身に染みて分かっていた。
そして、日本が植民地にされてしまうかもしれないという恐れを他の誰よりも感じていた。その恐れの中心が大英帝国であった。

津谷論文の中では、福澤は「戦争屋」であると書かれている。
この言葉の使い方も、乱暴である。
それは、戦争が19世紀と20世紀以降では、全く違った意味を持つからである。

小室直樹博士の、『痛快!憲法学』のp168-169を要約します。

近代の戦争は経済的利益を追求する為に行われる国益追及のための外交手段の一つとして認められており、従って、どこの国でも戦争を自由に行うことが出来るし、誰も、他の国の戦争を批判することが出来なかった。
これが第1次世界大戦前の20世紀初頭までの国際法の常識です。

石井 利明です。
よって19世紀を生きた福澤に、植民地にされない力を得るためなら戦争という手段に訴えることに対する躊躇(ちゅうちょ)が無いことは当然です。それどころか、多額の献金までしているのは事実です。

だからといって、福澤が日清戦争を推進した黒幕の戦争屋と決め付けることは間違っている。
日清戦争に負けたら国益どころか、日本の独立までも危うくなる。

「現在の価値観で過去の判断を評価するのは先人に対する冒涜に他ならない」という言葉を私は大切にする。
津谷研究員が正しいとする安川は、福澤の過去を断罪する為に、歴史に教訓を得ると称して、この手法を使っている。

福澤の生きた時代に反戦思想や、20世紀のようなアジア蔑視の思想は存在しない。
そして、福澤はアメリカの手先ではない、と私は考える。
私は、「手先」という言葉を、自国及び自国民の利益を省(かえり)みず、他国の利益のために動く人間という意味で使うからだ。

守谷健二 投稿日:2016/03/22 13:36

【1553】[1886]天武天皇の正統性について

柿本人麿の悲劇(その7)

 奈良朝の人々は『日本書紀』のインチキ性を十分認識していた。『日本書紀』が全力で主張する「天武の決起の正統性」を「乱」と呼び正統性を否定していた。正史を信用も尊敬もしていなかったのである。当然、天皇の万世一系神話も信じてはいなかった。

 そんな中、天皇の現人神(あらひとがみ)信仰を力強く歌い上げていたのが後に歌聖と崇められるようになった柿本人麿であった。現人神信仰の成立に果たした人麿の功績は限りなく大きいのである。人麿の正体を解明することは、天皇信仰を考えるうえで不可欠の要素である。

 前回まで「柿本朝臣人麿、妻死(みまか)りし後、泣血哀慟して作る歌二首」と「或る本の歌一首」の三首の長歌と反歌(207~216)を検討した。
 題詞には「妻死(みまか)りし後」と書かれているが、人麻呂の妻は、単に死んだのではなく、追い詰められ、死に装束に身を正し、覚悟の失踪を遂げたことを明らかにした。

 今回は、その直後に配置されている「吉備津の采女が死(みまか)りし時、柿本朝臣人麿の作れる歌一首並びに短歌(217~219)」を検討します。

 秋山の したへる妹 なよ竹の とをよる子らは いかさまに 思ひをれか
 たく縄の 長き命を 露こそば 朝(あした)に置きて 夕(ゆうべ)は 消ゆと言へ 霧こそば 夕に立ちて 朝は 失すと言へ
 梓弓(あづさゆみ) 音聞くわれも おぼに見し 事悔しきを 敷たへの 手枕(たまくら)まきて 剣刀(つるぎたち) 身に副へ寝けむ 若草の その夫(つま)の子は さぶしみか 思ひて寝(ぬ)らむ 悔しみか 思ひ恋ふらむ
 時ならず 過ぎにし子らが 朝露のごと 夕霧のごと 

 《訳》
 秋山の赤く色づくように美しい妹、なよ竹のようにやわらかくしなやかな妹は 何と思ってるのか、長い命であるものを、
 露ならば、朝に置いて夕方には消え失せると言うが、霧ならば夕べに立ち朝には消えると言うけれど、
 (梓弓)噂を聞いている私も、ちらりと見ただけだったことが後悔されるのに、
 (敷たへの)手枕を巻き交わし体を添えて寝ていただろう夫は、寂しく思って寝ているだろうか。悔しく思って恋い慕っていることであろうか。
 まだ死ぬべき時でないのに死んでしまった吉備津の采女よ!
 朝露のように、
 夕霧のように!

 
私の好きな詩の一つです。亡くなった吉備津の采女の夫に対するしみじみとした共感。まるで自分の体験のように。人麿は、突然の吉備津の采女の死は、決して他人ごとではなかった。
 人麿は、いまだに妻の死に囚われていた。妻を見殺しにしたことを引きずっていた。妻への鎮魂の旅を続けなければならなかった。この歌も、妻に奉げたレクイエム(鎮魂歌)である。 

 

会員番号4770 投稿日:2016/03/21 10:41

【1552】[1885]副島本電子書籍化

会員番号4770ですが、匿名で投稿させていただきます。

副島先生の本の頒布が停止になると掲示板に書いてあったのであわてて8冊購入いたしました。
私のホームタウンでは芳林堂が閉店になり、新店にはなりましたが蔵書の取り揃え今一つです。
副島先生は歴史、思想、経済、政治、化学、文学等々ジャンルを問わず言説持論を展開されています。

副島先生は批判を恐れず自分が正しい考える主張をしています。

人間は見たいもの欲するものしか見えないでしょうから先生の主張は暴論です。

あくまでも言論人ですから表現できる出版という形をとります。

内容の良しあしは本の売り上げに反映しますので見出しは過激になります。

お金を頂ける文章、情報を身を削って絞り出して書いていると考えます(DVDを買った際生原稿をいただきました)

副島先生は過激に主張しますが、読者は拒否反応をしないで受け止め、ゆっくり考えないといけません。副島本は劇薬です。読みなれると薬にもなります。

わたしは先生の文章の中で「土人」「洗脳」「頭が割れるくらいのショック」という言葉が好きです。

学校でまじめに勉強し、新聞やテレビを人並みにみて世の中こんなもんだろうと考えてた私ですら「自分は土人なのに」人並み以上に利口だと思ってました。

自分が土人であるという現実がわからない限り副島先生の本はトンデモ本です。

自分が土人であることを教えてくれるのが副島本なのです。

馬淵氏、リチャード・コシミズ氏あたりは副島剽窃情報のような気がします。

最近、とくにテレビ新聞の右傾化、情報遮断がひどいと感じます。

韓国、中国、北朝鮮批判は情報に名を借りた煽動洗脳にみえます。

放射能報道も同じ構造です。

過去出版の本は電子書籍化していただき1000円前後で販売していただくことを希望いたします。

庄司 豊明 投稿日:2016/03/17 16:03

【1551】[1884]貴金属業者にも格差

長年、三菱マテリアルマイゴールドプランからの会員にまでなって売買取引をしていたのに、神田の徳力本店の方がいいと思い取引先の変更見直しをしようと思いました。
三菱の会員として金の他にも銀やプラチナを取り扱うのに三菱の店頭では、金の売買取引しかせず、しかも同じ三菱ブランドで買った商品なのに買取手数料が高く、さらに他社ブランドは割り引かれる。
神田の徳力本店は金、銀、プラチナの店頭売買をするばかりでなく、インターネットや電話注文して送ってもらう商品の送料も安い。
銀は金よりも売買単価が安いせいか、金の買えないない人たちがなだれ込み買いをする人が多くなり、需給バランスら関係で値上がりし、神田の徳力本店では銀地金の在庫切れも発生しています。
マイナス金利政策で銀行に預金して、あいそをつかした人々が預金を引き出してでも買うのも当然だろう。
日本国民を政治家や官僚たちが洗脳して言うことを聞かせようとしてもアベノミクスの大失敗を象徴している出来事です。

副島隆彦 投稿日:2016/03/17 13:46

【1550】[1883]消費税の 追加上げ(10パーセントへ)は、もうない。

副島隆彦です。  今日は、2016年3月17日です。

以下の新聞記事を 読んでください。 これで、安倍首相が、「(今回は延期しますが。8%のままだ。)が、来年4月には、絶対に消費税を10%に上げます」 と、言ったのに、もう上げない、ということの 宣言文に等しい。

本当に、こういう 穢(きたな)い、みっともない手口を使う。ステグリッツという、コソコソと、新興国、途上国の肩を持つフリまでするワルの経済学者(ノーベル賞受賞)を日本に連れてきて、言わせる。 

安倍晋三が、自分で言えばいいじゃないか。この臆病者めが。

(転載貼り付け始め)

「 「スティグリッツ氏「消費増税すべきでない」 国際経済分析会合」」

2016年3月16日 日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK16H26_W6A310C1000000/

 政府は、3月16日午前、世界経済について有識者と意見交換する「国際金融経済分析会合」を初めて開いた。講師として招いたノーベル経済学賞の受賞者 である

 ジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授は、世界経済は難局にあり「2016 年はより弱くなるだろう」との見解を示した。「現在のタイ ミングでは消費税を引き上げる時期ではない」とも述べ、来年4月の消費税率10%への引き上げを見送るよう提言した。

 菅義偉官房長官は、3月16日午前の記者会見で「スティグリッツ氏から税制について、総需要を喚起するものではないとの観点から、消費税引き上げはい まのタイミングではないとの趣旨の発言があった」と説明した。

 分析会合の終了後、安倍晋三首相とスティグリッツ氏のほか、首相の経済政策
のブレーンを務める浜田宏一、本田悦朗両内閣官房参与を交え意見交換 した。

 スティグリッツ氏は首相官邸で記者団に「首相は(消費増税先送りを)恐らく、確実に検討するだろう」と述べた。

 首相は分析会合の冒頭で「伊勢志摩サミットの議長の責任を果たすため、世界
の経済・金融情勢について率直な意見交換をしたい。アベノミクスに関 して
も、どしどし意見を頂きたい」とあいさつした。

 スティグリッツ氏は分析会合で「世界経済は低迷している」との認識を表明。
「日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要 だ」と
強調し、政府に財政出動を促した。

 分析会合の座長には石原伸晃経済財政・再生相が就いた。林幹雄経済産業相や
加藤勝信一億総活躍相、菅氏や日銀の黒田東彦総裁が出席。本田、浜田 両氏も
陪席した。

 分析会合は17日に米ハーバード大学のデール・ジョルゲンソン教授と元日銀副
総裁で日本経済研究センターの岩田一政理事長を招く。22日には ノーベル経済
学賞を受賞したポール・クルーグマン氏を呼ぶ。

 首相はこれまでの国会答弁で増税の是非について「世界経済の収縮が起こって
いるか、専門的見地から分析し判断していかねばならない」と発言して いる。
首相周辺は「有識者が経済収縮のリスクを指摘するなら増税見送りの判断はあり
うる」と語る。

 サミットまで継続的に開く予定で、5月の大型連休に安倍首相が欧州を歴訪す
る際にも外遊先で現地の経済学者らを招いた分析会合を開く方向で調整 している。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 この記事を読んだら分かるでしょう。 もう消費税の値上げは、ないんだよ。 「 「有識者が経済収縮のリスクを指摘するなら増税見送りの判断はありうる」と語る」などど、もったいぶった、思わせぶりなことを権力新聞記者たちと 一緒になって、おぜん立てをする。

太鼓持ちのスティグリッツ や、クルーグマンどころか、浜田宏一の爺さん、本田悦朗(ほんだえつろう。スイス公使にして外に出したのに)たち、茶坊主(ちゃぼうず)呼び戻して儀式をやっている。

 経済学とか、理論経済学とか、アメリカ経済学とか、現代経済学 などという、学問が、もう滅んでいて、実際には何の役にも立たず、口ばっかり(数式の山のウソ)で、もう自分たちで、どうしていいか、分からなくなっている。そのことを正直に言えないで。

 この現代の大僧正(だいそうじょう)、大司教(アーチビショップ)どもは、偉そうに、偉そうに、自分たちが何か、経済政策(国家を運営する経営手法)の魔法の杖(つえ)をもっていると思っている。偉そうに。 私、副島隆彦にはもうバレている。 お前たちは、このあとは、国家統制経済=金融抑圧(きんゆうよくあつ。ファイナンシャル・サプレッション)をやるしかないのだ。

 もう 市場経済の、自由主義経済体制の、自由世界のと、偉そうなことは本心では、言えないのだ。万策(ばんさく)尽き果てたはずなのだ。ロシアや中国と、やっていることに何の差があるのか。本当のところは。国家統制経済、そののもに、どんどんなりつつある。

 前の消費税「値上げ」は、相当に日本経済に堪(こた)えた。がらがらと景気がさらに崩れた。 それでもう上げられなくなった。

 消費税というのは、何のことだか今も、日本国民は分かっていない。私、副島隆彦の金融本を読んでいる人たちは、少しは分かっている。その正体は、「「売上税(うりあげぜい)」で、「取引税(とりひきぜい)」だ、と。取引き、すなわちお金の動きがあったら、すべてそこに税金を掛ける、という税金だ。

 所得税(しょとくぜい)への2回目の、上乗せした再所得(税)課税だ。

ところが、こう書いてもほとんどに人は分からない。日本では、経済学者たちも税法学者たちも分かってうないだろう、と私が書くと、まさかそんな、と思うだろう。

 いいですか。それなら 給与、サラリーには、なぜ、消費税が掛からないのか、誰も、言えない。給与所得も所得税だ。 本当なら、給与(月給)に、掛けるべきなのだ。それをやらないのは、 それをやったら、自分たち公務員(その上級の連中が官僚) も、安(やす)月給の給与所得者だから、公務員どもが、干上がってしまうので、だから、やらないのだ。 まさか、そんな、と思うでしょうが。そういうことだ。

 このことは、インカム・タックス( income tax ,所得課税)というものの本性に関わることだ。本当は、税金というものは、所得(儲けから経費=損金 を引いたもの)に対してしか課税できない。

 それでは、なぜ、定期預金の 金利(インタレスト)やら、株のもうけ金にまで2割(20%)の税金を掛けるのか、というと、これは、キャピタル・ゲイン(資本課税 capital gain tax ) 。 

 不動産(土地、住宅)を売った時にかかる税金も キャピタル・ゲイン・タッスクだ。 この税金は、すでに一回、所得税で取っている、 残りの資金(資産)への課税だから、二重課税、二回課税だから違法だ、という考え(学説)がある。

 20%以上 (資本主義の牙城、アメリカでも25%が限度だ )の 高い、資本課税をやると、資本主義(カピタリスムス、capitalism)の体制が壊れる、という考えがある。 何のために、自由主義経済=市場経済=デモクラシー体制 をやっているのか、分からなくなる、という 根源的な議論である。

 消費税 が、一般国民に関係ない、ように見える( お店で買い物をするときだけ。切実に、イヤだなあ、と思う。あれは商品の値上げと同じだ、と感じる )。ところが、私のような自営業者扱いされる 物書き、言論人(権力者・公務員からは、著述業と呼ばれる)でも、原稿料という売り上げに、ガバガバ税金を掛けてくる。だから、200万円とかを、納税申告したときに、最後の手元に残った金から、持ってゆく。 

 どれだけ、会社経営を 赤字法人 にしても、売上税だから、経営者の最後の手元のお金に、2千万円とかを課税する。取ってゆく。だから、それで、景気が悪くなるのだ。 消費税の恐ろしさを、普通の人たちは、分からないようにしている。

 だから、8%が10%になっても、どうということはない、という、感じなる。それでも、主婦たちは、その2%の「値上げ」に怒る。前に消費税を3%上げたために、日本経済が打撃を受けて、景気の悪さに如実に表れた。だから、権力者たちは震えて、もう上げられない、と思考転換(転向)をした。

 勘定奉行である財務省官僚たちだけが、「またしても俺たちだけが、ダマされて裏切られた」と感じる。だが、もう アメリカと安倍政権に逆らうことが出来ない。天下り先を紹介してくれなくなったら、自分の老後が貧乏だ、と。こういう 逆らうのはやめよう・・・・。こういう仕組みで動いているのです。 

 税金というのは、究極では、空気税、水税、(だから、環境税 と言い出しているでしょう) ・・・・最後には、しあわせ税、愛情税(笑)、生きている喜び税、人間税、命税(いのちぜい、身代金だ)、初夜税(領主と坊主たちが取った) と、なんでも掛けられる・・・・・と権力者、支配者たちは思う。必要なら、なんにでも掛けようとする。面白いでしょう。

 だから、これからの、日本政府の課題 は、金持ち層への、キャピタル・ゲイン課税である、財産税だ。 「取れるところからしか、取れない」の必死な形相になってきた。 土地・アパート財産や、現金、預金などの金融資産へのへの課税は、所得税(インカム・タックス)ではない。キャピタル・ゲイン課税である。

何となく、税金というものの恐ろしさが、これで 分かったでしょう。

副島隆彦拝

会員の中山 投稿日:2016/03/16 13:23

【1549】[1882]福島 嘘と真実

 私も福島の原発事故発生後1年ほど副島先生の放射線被害に関する見解に懐疑的だったのですが、当サイト(たぶん掲示板)で先生自ら紹介された「福島 嘘と真実」高田純著 医療科学社 を読んで、自分の考えが単なる憶測に過ぎなかったことが分かりました。
 副島先生の主張される通り、現地に赴く以上に実感として理解する方法はないと思いますが、副島本を数冊も読まれている会員の皆様ならば、かなりの確率でこの本で理解が得られると思います。
 未読の方は是非一読することをお勧めいたします。
 私は、もともと文科系の人間で細かなところまで理解できませんが大きくはこの本が決め手でした。
 私たちを取り巻く情勢は刻々と変化してゆきます。さっと理解してそれぞれ次の課題へ進みましょう。

副島隆彦 投稿日:2016/03/16 03:25

【1548】[1881]2つ、メールをいただきました。会員はここに考え、情報を投稿してください。

副島隆彦です。 今日は、2016年3月16日です。

 私が、続けて2本、この重たい掲示板に書きましたので、それに対する ご自分の考えを 2つメールで会員からいただきました。 

 私は、学問道場の会員や、私の本の読後感想を寄せてくださった人には必ず返事をします。ですからメールをください。 そして、その内容が公共の課題である場合(私的な問題でない場合)私は、その自分のお考えを、重たい掲示板に、そのままでいいですから載せてください、とお願いします。 

 私、副島隆彦の考えとは私は違う、でも、このように自分は考える、でもいいですから会員の皆さん、ご自分の意見をどんどん書いてください。すべての言論は自由です。そう言い切るべきです。 学問道場では一切の規制は、なし、です 。評価、判定は、会員それぞれの人がすればいい。 

 私たちの会員になっている人で、ネット特有の 荒らし(troll トロウル、vandalism ヴァンダリズム)や、煽(あお)りや、自作自演=なりすまし や、炎上(えんじょう、flame フレイム)や、 スパム・メール( spam )や、憎悪犯罪(hate crime ヘイト・クライム)をする人はいない。 そういう ゆがんだ精神の人間は、もういなくなりました。

ですから、情報を持ち寄ったり、自分の考えをここに書いて他の会員たちに知らせてください。私たちのアーゴラ
( agora 言論の広場。市場の脇の集会所。古代ギリシア民主政の中心)を大事にしましょう。

(転載貼り付け始め)

From: ***********
Sent: Saturday, March 12, 2016 4:17 PM
To: 副島隆彦

会員番号****番の****と申します。
 新しく会員になってから、会員サイトの学問道場での副島先生のお話を読む事が出来まして、嬉しく思っております。
 先生のその深い知識とそれ故に余りに平凡な一主婦には難解な世界情勢についてのご説明にいささか戸惑っておりますのも事実でございます。

 つい先日以下の様な動画を見ました。中で副島先生のお名前がチラッと出ましたので、この動画の馬淵睦夫(まぶちむつお)氏をご存知かも知れないと思いお送り致します。

http://www.realinsight.tv/nishi/episode_1_vov76h4f/

お話の内容は、先生も昔から本に書かれている事の様に思いましたが、間違っておりましたら訂正致します。

 世界最終戦争がウクライナ危機を契機に既に始まっている事に、日本人としてどの様に向き合えば良いのか、先生のご見識を伺いたいと思っております。宜しくお願い申し上げます。  ****

2016/03/14 7:48、副島隆彦 <GZE03120@nifty.ne.jp> のメッセージ:
**** さまへ

> 副島隆彦から
> メールをありがとうございます。
> 学問道場の会員になって くださいましてありがとうございます。
>
> この 馬淵睦夫(まぶちむつお) という 男は、許しがたい男で、 私の考えを 本から たくさん、そのまま真似して、書いたりしゃべったりしている 恐るべき 剽窃(ひょうせつ)、盗作(とうさく)人間です。

> こんな 厚顔無恥の 恥知らずの男 (私よりも10歳ぐらい上です)が、キューバ大使とかウクライナ大使とかした 外務省幹部をした 外交官あがり らしいのです。 私は、驚いたまま、ずっとほったらかしてきました。 今もほっています。 私が、黙っていると思って、いよいよ 増長しています。

 私本の内容とそっくりのことを、よくもまあ、これだけたくさん、あんなに何冊もの本に書けるなあ、と あきれ返っています。 私の本の内容に、長年、相当に感動したらしい。それで、その内容が自分の身についてしまって、染(し)みついて、いつの間にか、自分の独創や、自分の研究の成果だと信じ込んだようです。

> 実に 目出度(めでた)い人だなあ、と思います。

> 出版業界の人間たち(編集者たち)は、本つくりのプロの職人たちですから、このことに 気づいています。 が、誰も何も言いません。業界人は自分の業界の恥部にはお互い、触れようとはしません。編集者たちは、業界の黒子(くろこ)ですから、自分の意見を公表するということをしません。  こういうことは、 自然に淘汰されることだ、と考えているようです。ここまでみっともないことをやると、馬渕睦夫は、そのうち消えるだろう、と皆、考えているのでしょう。
>

> どうか、**さんが、まず、 重たい掲示板に、この真淵 のことをまず貴女が書いて報告してください。

> 私の弟子たちで気づいた者が、真淵睦夫を叩いてくれるとありがたいとも思っていました。が、誰もそういう 生産的でないことをしません。

> このあと、私も態度を決めて、名指しで彼を叩きます。 彼以外にも、何人も 同じような 私の考えの 泥棒たちが、出ています。 私は、どのように対応したらいいのものか、ずっと考えていました。

彼が自分の本で書いていることと、 私が書いていることを、3か所ぐらい2つ並べて読んでもらえば、すぐに分かることだ。それを今はできません。彼の本を持っていないからです。

 アメリカであれば、こういうことは、ライベル(libel 、侮辱、中傷、名誉棄損、誹謗中傷)といって、必ず、ライベル・スート( libel suit 、libel court  名誉棄損の民事裁判)となって争われます。 

有名人、芸能人でなくても、普通の国民であっても、実名で自分の人格や行為が、公然と棄損(きそん)されたら、不法行為(tort law トート・ラー)を原因とする裁判所に訴えます。そして白黒つけます。馬渕睦夫が、私を訴えてくればいいのです。

 言論の自由 (フリーダム・オブ・エクスプレッションあるいは フリー・スピーチ)として日本でも憲法21条が、強く保障していますから、何を書こうが自由です。とくに権力者、公務員、公職にある者たちへの批判は、容赦なく徹底的になされるべきです。それは人格攻撃ではない。
 
 しかし、人(特定の人間、ほかの人)の名誉を棄損をしてはいけません。それは裁判になります。 損害賠償責任を負います。 私は、馬渕睦夫のような、生来品性の卑しい人間とは、裁判をやったほうがいいと、思っています。 

> 副島隆彦
>

—–Original Message—–
From: ******
Sent: Monday, March 14, 2016 3:43 PM
To: 副島隆彦

 お忙しい中、何の知識もない一介の主婦で、子供達や孫たちの為に飯炊き婆さんを週何回かしているに過ぎない私に、直々のメールを下さいまして恐縮しております。

今朝の先生からのメールを何度も読み直しました。私は馬渕睦夫(まぶいむつお)氏について、とても重たい掲示板に書くほどの知識を持ち合わせてはおりません。

 幾つか動画を聴いて少し理解できたことは、左寄りでは無く右寄りの方で、安倍さんの憲法9条改革に賛成されている方と言う程度です。この程度の浅い知識でその方の人となりも知らずに、批判めいた事を書く事は出来ません。

 それは同じ様に、副島先生に対しても言える事です。
15年以上前から先生のご本を読んでおりましたが、必ずしも先生のスタンスがどこに根ざしているのか理解できておりません。新会員になる事は、先生のご発言や著作に全て賛同しないといけないのでしょうか?

 であるならば、私は失格です。それは正しく、今日の重たい掲示板に書かれた先生の原発事故に関する記事に賛同しかねるからです。

 私の親類に故人ですが、原子力委員会の委員をしていました者がおりました。彼はチェルノブイリの事故後、空気中の放射能を避ける為に外出には帽子を被りマスクをし、井戸水は飲まずに気を付けておりました。もし、今回の事故の時に生きていたらどの様な防護をしたか、考えてしまいました。

 福島での放射能線量が今以て高く、立ち入り禁止区域になっている箇所が沢山ある事実は、ニュースでも言っております。私は家族を守る為にも、原発の再稼働には反対です。何故先生は原発稼働に賛成なのですか?

 福島の若い方々は放射能に汚染された食物を子供達の口に入れない様に、水や野菜その他を他県から取り寄せている話を聞きました。甲状腺癌(こうじょうせんがん)から子供達を守る為に、もしかして沢山の海藻を食べさせているかもしれません。私だったら、その様に致します。

 先生程の博学な方が、原発の安全性を説き、ホロコーストは無かったと言う説を唱えられるのか、私には不可解です。私は、「憲法9条は日本の為に絶対に死守すべき」と語気を強めて言われた、あの占い師の方のお顔を忘れる事が出来ません。

 色々な知識人の方のお話を聞いて理解できた事は、最終的には自分の感性を信じる事だと言う事です。人には其々守るべきものがあり、その方法は人によっても違うはずです。これなら出来そうだと言う方法を色々な方のお説の中からつまみ食いをしてはいけないのでしょうか? 先生はお嫌いの様ですが。

 そして最後ですが、私は夫から年を取ったら、心穏やかに過ごしなさいと言われております。先生のお説をパクる人達へのお怒りは如何ばかりか、と想像に難くありません。でもパクられるのは、先生のお説が正しいと言う事の証ですから、敢えて反論なさらずとも良いのでは無いかと思います。

 どうか人を非難せずに、この世界情勢を先生の深い知識で分かりやすく我々凡人に説いて下さいます事を切にお願いいたします。長々と失礼な事を書きました事、ご容赦頂きたいと思います。先生におかれましては、お怒りの余り、血圧を上げない事を祈っております。 失礼致します。   ****

Sent: Monday, March 14, 2016 9:55 PM
****さまへ

副島隆彦から
 再度のメールをありがとうございます。
**さまの お考えは、このまま 私に理解できます。 どうぞ ご自分の 考えに従って、安らかに生きてください。

 私は、私の考えを 世の中に投げて、それをより優れた考えだと、判断してくださる 人たちによって、「お金を出してでも」 買っていただけるように、日々努力している人間です。 私は、知識、思想、言論の 商売人なのです。職業としての 伝達者です。 それが、普通の人々と私の違いです。

**さまは、疑問文で、「・・・ではいけないのでしょうか」 と、問いかけの文を、私にお書きですが、私は、人に対して疑問形の文を使って威嚇(いかく)することを なるべくしないようにしています。 疑問形の文 は、自分に向かって発する自問 の形で、だいたいは 発します。 それと、 男と女は、決定的にちがう生き物のようです。

 **さまが、どのようにお考えになるかは、すべてご自由です。
ただし、次の一点、 「 福島の若い方々は放射能に汚染された食物を子供達の口に入れない様に、水や野菜その他を他県から取り寄せている話を聞きました。」 に、付きまして、必ず、ご自分の体で、ご自分の目で、現地に行って、確認してきてください。

 ご自分の親戚とか、知り合いのつてを頼って、 どうぞ現地に行ってください。 今は、事故のあった原発から 4キロぐらいのところまで誰でも平気で入れます。そこでたくさんの人が働いています。 福島人にもいろいろの考えがあります。

 福島県の 親分衆( 商工会、農協の幹部、経営者たち 公職の上級の者たち )ひとり、一億円ぐらいずつ出たそうです。 現地の人たちがひそひそと話しています。みんな知っています。

 一般の福島県人は、 この5年間で、ひとり だいたい、たった5万円を 渡されて、それでおしまいのようです。こういう はしたガネの、つかみ金で与えて、それを相手が受け取れば、もうそいつ は、東京電力や、県や国を訴えて来ないだろう、という下卑(げび)た、下品極まりない考えです。 

 国家や政府(公務員)、というのはこういうことを、平気でやります。自分たちが責任を追及されたり、いちゃもんを言われ続けるのが一番、いやだ。だから、相手を騙(だま)してしまえ。 うるさい奴には、裏金(うらがね)で渡せ。そして示談=秘密の和解に持ち込め。 こういう ワルの根性が身に染みている連中です。 現実の世の中は、このように出来ています。

今後とも「副島隆彦の学問道場」をよろしくお願いします。 副島隆彦拝

Subject: 先生の最新原稿を読んで
Date: Mon, 14 Mar 2016 11:35:45 0900
From: ************

 先生の最新原稿読みました。原発事故の後 学問道場を千人もの人が退会したと
は とても驚きました。いかにこの原発の問題が意見の分かれる大問題だったかということなんですね。

 現在私の住む北海道でも色んな観点からいまだに議論が続いています。北海道の高橋知事は、地元では大概の人は知ってますが、北海道電力とつながりが深く もっといえばズブズブの関係です。

 ですから本音では 高橋知事は泊原発(とまりげんぱつ) を再稼動したいんだろう。しかも再稼動したいのは経済上の問題とかではなく 己のスポンサー に対する気遣いだろう。

 こういう次元のひくい話 と副島さんや吉本隆明のいう実際の福島の後遺症に関する考察 とか、人類の進歩から発生した原子力と関わらざるをえないとか、 すごく難しい話がゴチャゴチャになっているのが現状だと思います。

 先生からすれば馬鹿馬鹿しい話でしょうが 現実はそんな感じと思います。ですから私達は勿論、学問道場の会員ですから先生や中田さんや古村さんの論文を思想の根っ子として大切にしながら 自分の頭で物事を考えるようにしようと思っています。

From: 副島隆彦
Sent: Monday, March 14, 2016 10:11 PM
To: ********
Subject: [ml:00715] Re: Fwd: 先生の最新原稿を読んで

****さまへ

副島隆彦から

 メールをありがとうございます。**さまの お考えは、だいたい私に理解できます。
 どうぞ ご自分のお考えを大切にして、 じっくりとお考えください。

 **さまがご自分がお住いの 、北海道の 高橋晴美(たかはしはるみ)知事が、「(原発の」再稼動をしたいのは経済上の問題 とかではなく 己(おのれ)のスポンサー((=北海道電力)に対する気遣いだろう 」 と お書きです。  権力者たちは、当然、このように
考え判断し行動します。 それは自然なことだと私は思います。

きっと自分を育ててあやつっている人間が背後にいるに決まっている高橋女史(官僚上がり。彼女の真の親分のことを北海道人は皆、知っているでしょう )が、そのように 保守派の人間として行動することは、自然なことです。そして道民の動向をよく見計(みはか)らって、泊原発の再稼働の許可への賛同もするでしょう。

 それには、 **さまを含めて北海道という、 自民党に反対する 人間が多い、日本の 古くからの 反中央、 反権力の 風土の 長い土壌があっての お考えだと思います。**さまが自分たちの道知事のことをそのように他人事(ひとごと)のように、憐れみを込めて同情しながら書いていることを、その外側にいます私は苦笑します。

 私は、シャクシャインたちアイヌ人(先住民)の 反倭人 (松前藩)との戦い とか、屯田兵(とんでんへい。国境を守る半農民、半兵士)や全国各県からの開拓農民でのこととか( 「新熊本」とかありますよね)、 私のの知っている限りの知識で、思い出します。 

 私は、3週間前に、札幌に講演でゆきました。札幌の市街には、雪はほとんどありませんでした。中国人観光客の多さに、驚きました。200万人の人口の札幌のに20万人ぐらいの中国人が来ているように見えました。

 一点、**さまが、 「 実際の福島の後遺症に関する考察とか 」 と お書きですが、福島に 原発の後遺症 の 人はいません。 このことは、**さんが、現地に自分で行って、確認して、その 後遺症の人たち がいたら、そのことを私たちに報告してください。

 一度くらいは何かのついでで、現地に寄って、行ってきてください。事故原発から、4キロぐらいのところまで自由に入れます。林の向こうが原発です。

 現地の人間たちは、皆、そこで生きています。何を遠くの方から、勝手なことを言っているのだろう、と私は、ずっと不思議です。 行って来ればいいのです。自分は貧乏だから時間も暇もないから福島になんか、いけない、というのであれば、次には、メディア(テレビ、新聞)に、自分の脳が洗脳されているのではないか、と自分で、自分に疑問を持ってください。

 今後とも「副島隆彦の学問道場」をよろしくお願いします。  副島隆彦拝

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝