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副島隆彦 投稿日:2017/02/20 14:21

【1747】[2093]魚市場は、築地のまま。それと東京のお台場でカジノをやる。

副島隆彦です。今日は、2017年2月20日(月)です。

私のこの文章の すぐ下の、相田英男氏が、日本の原発問題で最高度で、最新の知識と情報を持っている人です。 彼の文章を、私は、どのように読んでものすごく勉強したかを、今度、書きます。 

 今度の緊急の、「東芝(とうしば)潰(つぶ)れる」問題への相田氏の分析と提言を、皆さん、しっかり読んで下さい。

 私、副島隆彦 は、3週間前から、気づいていたのだが、書かないままにしてきた。ようやく書く。それは、東京の築地の 中央卸売市場(魚と野菜の両方の卸売りの市場)の移転は消えてなくなったようだ、という情報だ。

 東京湾の先の方の、戦後に埋め立てられて出来た、豊洲(とよす)への移転は、もう無くなったようだ。 小池百合子・東京都知事たちは、すでに1年ぐらい前から、この「移転なし。築地のまま」の路線で動いていたのだ。

 この話は、噂となって、築地や晴海一帯の、業者たちの間で囁(ささや)かれていた。だが、新聞、テレビが、全く報道しない。「築地のまま。豊洲への移転なし」は、日本の権力者たちの上の方では、すでに決まっていたことだ。だから、わざとらしく「基準値の79倍のベンゼンが、豊洲の地下から出た」という、日本国民脅(おど)かし、脅(おど)しの、くだらない国民脅迫を、ずっと国民扇動ニューズで、テレビ、新聞が、やってきた。

 「豊洲は土壌が汚染されている」という、根拠の無い、偽りの扇動話は、その隣(となり)というか、そこよりも外側の「お台場での東京カジノの開催」と連携した動きだ。 これは、アメリカからの命令だ。

 「横浜の山下埠頭(やましたふとう、あの横浜港の氷川丸の隣)なんかで、やりたくない。東京でやらせろ」という、アメリカとオーストラリアのカジノ(博奕、ばくち)業者の、最大手たちが、安倍晋三に、ごり押しして、それで昨年の12月に、大慌てで、IR(アイアール)法=総合リゾート法 を、安倍政権は、国会をごり押しで通過させた。以下の新聞記事のとおりだ。

 小池百合子を支える勢力は、奇っ怪な宗教団体の勢力だ。 これは安倍晋三首相と深く連携している。小池都知事と、安倍首相は、森喜朗(文教族ドン、日本の最大暴力団のトップ)が、オリンピック利権を握っているのが、煙たくて、煙たくて、長年、目の上のたんこぶだった。この森喜朗(もりよしろう)を追い落として、自分たちの単独の、日本会議を表(おもて)団体とする勢力によって、オリンピック利権も握りしめたいと、ずっと、この方針で動いている。  

 内田茂(うちだしげる)という東京都の自民党と公明党の両方が長年、支えてきた、東京都政治のドン をも、追い落として、自民党都連(石原慎太郎の息子が代表)までも、叩きつぶして、引退に追い込んで、自民党都連をも、小池と安倍の宗教勢力の支配下に置きたい。

 築地からの魚市場の豊洲への移転も、この2年間ずっと、この利権の奪い合いの、激しい、蹴(け)たぐり合いの表(あらわ)れだ。 私は、一昨日、ようやく、「豊洲への移転なし。築地のまま」の証拠の記事を、たったひとつだけ手に入れた。以下の 光文社の「女性自身」誌の記事だ。そこの末尾に、

 築地の仲卸(なかおろし)業者の発言、「・・・・赤字が出続ける豊洲より、食の安全が守られる築地を、小池さんは選 んでくれると思う。都議選前に移転を白紙撤回して、築地の再整備、改修という 方向性をぜひ示してほしいですね! 」となっている。

 私、副島隆彦は、東京で出版社とかを動き回るときは、築地の勝鬨(かちどき)橋の脇にある、築地の市場の横を通ることが多いので、タクシーの運転手たちに、それとなく聞いた。すると、「豊洲への移転はないんだって?」と持ちかけると、「どうも、そのようだね」と彼らは答えた。 

 今から3週間前にはっきりしたようだ。 小池と安倍というのは、本当に、国民のカネ、人のカネだと、思って、すでに600億円ぐらい掛っている豊洲の生鮮市場の建設費を全部ナシにしてしまう気だ。これまでの建設費を、ドブに捨ててしまうことになる。

 その責任を、石原慎太郎に押しつけて、小池は「自分は、そのような都民の食の安全を守れない、豊洲への移転には、初めから関わっていない(自分は、キレイで清潔だ)」と、責任問題から逃げられることをずっと初めから計画して画策してきた、ということだ。

 その途中での、森喜朗との利権争いと、自民党の東京都連を痛めつけての、自分たちの奇妙な宗教勢力への議会勢力の塗り替えを、今、必死でやっている。 ヒラリーが当選して、米大統領になっていたら、自分たちもその一部として、小池と安倍で、憲法改正=改憲(かいけん)、戦争が出来る態勢(体制)としての、自分たちの勢力堅めをしようとしていた。今も、この戦争勢力作りとして、着着と動いている。

(転載貼り付け始め)

●「小池都知事 豊洲移転に年100億の赤字試算、都議選前に中止か」

2017年2月3日 女性自身誌
http://jisin.jp/serial/社会スポーツ/POL/27515

「豊洲市場建設にかけた総費用と、築地改修の費用の計算、さらに今後の市場のあり方の見通しを考えていくのが極めて重要だと考えています。(豊洲市場のライフサイクル・コストや損益などの)数字はさまざまな分析をした試算です。目安として念頭に置き、未来を見据えた判断が必要だと考えています」

1月27日の定例記者会見で、小池百合子都知事(64)は、表情を引き締めてこう語った。小池都知事は就任後1カ月の昨年8月31日に、「築地市場の豊洲新市場への移転を延期します」と宣言。それ以来、記者団から「移転」か「中止」かの判断に ついて会見のたびにたずねられ、コメントしてきた。

「 歴代市場長5人が(豊洲の地下空間に)盛り土をしないとの変更を『知らなかった』とは“無責任体制”と言わざるをえない。食の安全をないがしろにした市場は、そもそもありえない」(9月23日)

「(環境基準を超えた)ベンゼン(=発がん性物質)、ヒ素が出たとの報告を受け、大変驚いています」(9月30日)

今年1月14日、最新の地下水調査で環境基準の79倍ものベンゼンが検出されたことを受け、「 いい数値が出ないだろうという不安を超える数値が出てきて、驚いている」とコメントし追加調査を決定した。

1月20日の会見では、「専門家会議の科学的な評価を踏まえて、総合的な結論をする」とこれまでどおり明言を避けたものの、質疑応答では、「安全性が数値で確認されても、『本当に大丈夫?』という消費者の心理もある。私も消費者の1人だと思っており、しっかり考えていきたい 」と一歩踏み込んだ印象の発言もあった。
 
築地市場の仲卸(なかおろし)業の「小峰屋」の和知幹夫さんは次のように話す。

「やっぱり“小池さん以前”はお役所仕事だったんだね。発がん性物質ベンゼンが 79倍出ているうえに、年間100億円も赤字も出る場所での営業なんて、私たち業者はコワくて行けないよ。お客さんにも安心して来場してもらわなければいけないんだから。赤字が出続ける豊洲より、食の安全が守られる築地を、小池さんは選んでくれると思う。都議選前に移転を白紙撤回して、築地の再整備、改修という 方向性をぜひ示してほしいですね!」

 こうなってくると、もはや都知事の口からいつ“重大発表”がなされるかという時期だけが気になるところ。

「早ければ6月にも『中止』の意思を示す可能性もある」と分析するのは、築地市場移転問題を10年前から取材し続けているジャーナリスト、池上正樹さんだ。 池上さんはこう続ける。

「3、4月の地下水の追加調査結果や専門家会議の提言などの内容で『移転NO!』 という世論が盛り上がれば、その追い風に乗って東京都議会議員選挙(7月2日投開票)の前に都知事が意思を表明するというシナリオは、ありうると思います」

次々に“驚くべき数字”が報告される築地市場の豊洲移転問題--。小池都知事の 最終判断が待たれる。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。上記のように、汚れた政治家たちが、国民そっちのけで、自分たちの利権と権力を維持するために、おかしな方向に、大規模公共事業を持って行きつつある。
「発がん物質のベンゼンが、基準値の79倍で出た」という、何の問題も無い、どうでもいいようなことで、国民を脅して(特に、すぐに、健康のことで騒ぐ女たちを)、騙して、こんなヒドいことになって行く。

 さっさと豊洲に、中央市場を、なんで移さないのだ、と、国民は、みんな不思議な感じで、見ていた。そうしたら、こういう 小池勢力(うしろに奇っ怪な宗教勢力あり)が暗躍して、こういうことをずっと画策していたのだ。

これと、カジノ解禁(かいきん)問題が絡んでいる。
 ついに、「カジノは、東京のお台場でやる。横浜の山下埠頭ではない」と、急激に、変更になった。 これは、アメリカからの圧力で決まったことである。

 昨年11月17日に、安倍晋三が、NYのトランプ・タワーに、11月9日の大統領選に勝利したトランプに、スリスリしてすり寄って、恥も外聞も無く会いに行ったときに、この「東京でカジノをやらせろ」を、強引に約束させられたのだ。「わかりました。すぐに法律を通します」と。

 安倍は帰ってきたら、強引を通り越す、異常な行動に出て、無理やり、カジノ法案を、一気に強行採決で、国会通過させた。まわりの自民党、公明党の大物議員たちもオロオロしてしていた。これに野党もどう反対していいか、分からない慌てぶりだった。

 ほとんど新聞に、ちらとしか公表せない形で、国民が騒ぐ時間を与えずに、そそくさに、この法律を通してしまった。まだ、「基本法」だけだ、ということになっている。

(転載貼り付け始め)

●「カジノ解禁法案、衆院内閣委で可決 自民が採決強行」

2016年12月2日 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASJD156JTJD1UTFK00B.html

 カジノを含む統合型リゾート(副島隆彦注記。IR、アイ・アール。インテグレテイテッド・リゾート)の整備を政府に促す議員立法「カジノ解 禁法案」が、12月2日午後の衆院内閣委員会で自民党、日本維新の会などの賛成多数で可決した。

 自民が採決を強行した。民進党は採決に抗議して棄権。共産党は反対 した。公明党は党議拘束をかけず、議員個人の判断に委ねる「自主投票」で委員3人の賛否が分かれた。

 自民は12月6日の衆院本会議で法案を通過させたうえで、会期末の12月14日までに参院で可決、成立をめざす。法案は超党派議連に所属する自民、旧維新の党、旧次 世代の党の議員8人が提出。議員立法は与野党合意が原則だが、合意がないまま先月11月30日に審議入り。

 ギャンブル依存症などへの懸念が指摘される中、衆院で の委員会審議は2日間だけだった。環太平洋経済連携協定(TPP)承認案や年金制度改革法案に続く採決強行に、民進などは強く反発している。

 民進は12月2日、委員会開催前の内閣委理事会で、関係閣僚の出席や地方公聴会の実施など2年前に与野党で合意していた審議のルールが守られていない点を指摘し、採決や委員会開催に反対した。

●「カジノ法、賛成多数で可決・成立」

2016年12月15日 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK14H7C_U6A211C1000000/

 カジノを中心とする統合型リゾート(IR)整備推進法(カジノ法)は、12月15日未 明の衆院本会議で自民党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。政府・与党はこれに先立ち、14日までの会期を17日まで再延長することを決めた。

 野党4党は内閣不信任決議案を提出したが、与党などの反対多数で否決された。カジノ法は、カジノに宿泊施設や会議場を併設したIRの整備を促す内容で、基本法という位置づけ。運営業者の選定基準やギャンブル依存症対策については、1年以内に政府が整備する実施法案に盛り込む。自民、公明両党は年明け以降、法整備に向けた協議を始める方針だ。

 国会審議では、自民党が参院審議を踏まえ、独自に法案を修正。ギャンブル依存症対策の強化や、施行後5年以内に法律を見直す規定などを盛り込んだ。12月14日夕 の参院本会議で修正案を可決し、衆院に回付した。マネーロンダリング(資金洗浄)防止を促す付帯決議も新たに加えた。公明党は自主投票で臨み、山口那津男代表や井上義久幹事長らが反対した。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。このようにカジノ法案は、超特急で、大慌てで、安倍晋三が、ごり押しして国会を通してしまった。
「首相である私が、アメリカのトランプ次期政権と(11月17日に、トランプ・タワーで)約束してきたのですから、どうしても通します」ということで、属国(ぞっこく)日本の哀れな指導者として、安倍晋三が、突っ走った。

 トランプ・タワーで、安倍に、「カジノ法案を通しなさい」と、直接、言い渡したのは、ジャレット・クシュナー(36歳。トランプの娘、イヴァンカの夫。大統領上級補佐官になった)である。クシュナーは、NYの正統派のユダヤ人で、父親譲りのNYの不動産業と情報産業を、これから自分が支配する気である。

 クシュナーは、義理の父である トランプのことを、“ daddy ”「ダディ」と呼んでいる。今も、大統領執務室で、トランプへの強い助言者として、ダディと呼んでいるだろう。

 このクシュナーが、シェルダン・アデルソン ( Sheldon Adelson 1933年生、84歳)という、ラスベガスの大物のカジノ業者の意向を受けて、このむくつけき、賭博業者の代理人として、「東京でカジノを開きたいから、急いで法律を通してくれ」と、強要した。

 安倍晋三は、一も二も無く、頷(うなづ)いた。これが、「親分子分の関係の堅めの杯(さかづき)」についてまわる代償(だいしょう)だ。

 アデルソンは、ラスベガス・サンズ Las Vegas Sands という大手のカジノ業者として、スティーブ・ウイン Steve Wynn (1942生)と争っている。すでに、日本全国の、競馬協会の、場外馬券売り場は、外に大きな看板があって、あそこに、 Wyns 「ウインズ」と出ている。 ウインズと日本競馬協会(JAR ジェイエイアール)は組んでやっている、というよりもすでに下請けになっている。 これとの競争で、アデルソンのラスベガス・サンズが、「これ以上、我慢しない。どうしても、東京でカジノをやる」と、安倍晋三にごり押ししたのだ。

 これで、横浜の山下埠頭に作る予定だった、カジノ・ホテルの計画が、無くなった、か、日本国民の博奕好き人間たち(ギャンブル依存症人間たち)が、一日、数万円のお金をすって貧乏になるための スマートボール場のような、小型のカジノ場にする、計画に変わるのだろう。「とにかく東京にカジノを作れ」と、アメリカのトランプの支援者で、大口の寄付をした、アデルソンの要望を、緊急事態で、日本は、言うことを聞く。

 だから、お台場の、フジテレビのすぐ横の、今もヒルトンと、インターコンチネンタルホテルがあるところの、ホテルの上の階で、カジノを開かせろ、ということになった。

 ついでに、その横にあって、日本人は誰も行かない「船の博物館」というのがあるから、あれを壊して、もっと大きな海辺の高級大型ホテルを作って、そこの最上階か、地下をカジノ場にしろ、ということだろう。

 さらには、豊洲の中央市場予定地だった所も、オリンピックが終わったら、カジノホール付きの大型ホテルを作れ、ということになるのではないか。世界基準の大型カジノ場でないと、世界中の博奕打ち(ギャンブラー)たちが、集まれない、ということだ。

 そして、同時並行で、日本全国に、「日本国民も自由に行ける、 アミューズメント・パークのようなカジノ場」ということで、10箇所ぐらいを解禁にするのだろう。その時に、横浜港の脇、と大阪港の先端の夢洲(ゆめしま。松井府知事の利権)という埠頭と、和歌山(二階俊博の地盤))と、それから、四国に一箇所(愛媛県だろう。塩崎恭久がいるから)、九州は、長崎のハウステンボスでもう決まりだ。これと沖縄だ。

 北海道にも一箇所。東北は、仙台市のはずれの、松島あたりか。このようにして、カジノ(賭博場、ギャンブル場)を日本国内に作ってゆくことが決まったのだ。 冒頭に書いた豊洲の土地が、これに深く関係している。

 シェルダン・アデルソンのラスベガス・サンズは、シンガポールの、マリーナベイ・サンズという、てっぺんに船が3本の大型ホテルの上に乗っている形のホテルの地下の大ホールで、カジノ場を2011年末からやっている。ウインズと競うようにして、サンズは、マカオにも大きなカジノ場を、2002年から作って大もうけしている。

 このアデルソンとジャレット・クシュナーが組んでいる、ということは、妻のイヴァンカも、このカジノ利権に噛んでいる、ということだ。だから、イヴァンカが、父親のトランプに、

 「ダディ。お父さんは、日本の安倍首相の言うことを、そのまま、聞いていればいいのよ。安倍首相は、頭のいい人よ」と、父親に助言した、という、おかしな報道が、1月になってからあった。あれが、これらのカジノ利権を含んだ、日本利権に、このイヴァンカとクシュナー夫婦が絡んだ、ということだ。日本でカジノを開いても、年間、2千億円ぐらいの利益しか出ないだろうが、それでも大きい。

 アメリカの国内インフラ整備のために、安倍晋三が、2月10日の首脳会談のために、貢ぎ金の4500億ドル(51兆円)のリストを持って行った。その際に、その中でも、目玉である、テキサス州の ダラスからヒューストンに、日本の新幹線を、通勤新線として、もってゆく、という計画は、本決まりだ。

 これは、ハワード・ベイカーという、20年前に、駐日本のアメリカ大使をしていた、テキサス州の大物政治家( だけど、身長は、150センチしか無い。チビの世耕弘成=経産相=もびっくりの体躯だ)が、リック・ペリー(エネルギー庁長官になった。テキサス州知事あがり)と組んでやる。このベイカー元大使(元上院議員)がずっと、JR東海の名誉会長の、葛西隆之(かさいよしゆき)のワルと、動いていた。これには、日本から2兆円ぐらいが、つぎ込まれる。アメリカは、カネを出さない。そんなカネなんかない。みんな日本からの貢ぎ金だ。この話は、そのうち書く。 

 日本のパチンコ業者(アゼルが筆頭)たちも、パチンコ業 が頭打ちで、全国で閉店、廃業しているパチンコ店がたくさん出ている。だから、前述した、カジノ場付きのアミューズメント・パークの中に、食い込んで、スロットルマシーンや、スマートボールで、新たな利益を出したいと願っている。 長年、カジノ解禁に反対してきた、警察利権団体とPTAの連合体も、もう、ひと言も声をあげない。

 アデルソンは、東京でカジノをやる祭に、オーストラリアの、大手のカジノ業者である、ジェームズ・パッカーと組んで、二人の共同の資金で、始めるようだ。このジェームズ・パッカーというオーストラリア人の実業家が、父親の キャリー・パッカーの時代から、シドニーの、オペラハウスの隣にある、シドニー・カジノ・ホテル と、シドニー競馬 を経営してきた人物だ。

 パッカー一族は、あのニューズ・コーポレーションの ルパート・マードックと、オーストラリアで最大の競争相手だ。もうひとり、オーストラリアには、アラン・ボンドという名うての 豪腕の経営者がいたが、詐欺罪で捕まってから脱落している。

 こういうことも、そのうち、私は、「トランプを取り巻く、どぎたない、お仲間の、泥臭い、しかし能力のある実業家たち」として、まとめて書く。世界は、いまのまま泥臭(くさ)いまま、この人間という綺麗事(きれいごと)では済まない、薄汚れた生き物の世界として、続いて行く。  副島隆彦 記

相田英男 投稿日:2017/02/19 06:44

【1746】[2092]間違い訂正

× 郵政公社 → ○ 郵貯銀行

× ABBI → ○ AIIB

こういうのはオルタナティブ ファクツ とは言えないですね。
(他にもあったらすみません)

相田英男 拝

相田英男 投稿日:2017/02/18 18:28

【1745】[2091]T芝の無残さはポチ国日本の未来の姿だ

相田です。

T芝が揉めている。私も詳しくは知らないが、ウェスティングハウスの米国AP1000の建設で大赤字をこいたのが理由らしい。後からなら何でも言えるのだが、WH側に建設を全部お任せしたのがマズかったよな、としみじみ思う。アメリカの原発は80年代以降は全く建設されていない。とすると、アメリカで原発を作った経験のある技術者、土建屋達はほとんどリタイアしており、WH自体とWHが集めた連中は皆、原発の建設に関してはど素人だった訳だ。ど素人達に強く出れなかったことが、敗因だったのだろう。

日本では柏崎や浜岡でABWR(改良型沸騰水型原発)の建設を経験したオッサン達が、ギリギリ現役で残っている。彼等を集めてプロジェクトチームとしてアメリカに送り込んで、WHを指導させれば、赤字が出ても最小限で済んだだろう。いや、T芝も多分、ある程度はベテラン達を連れて行きアドバイスを与えたのだろうが、WH側が真面目に聞かなかったのだろうな、おそらくは。

とはいえ、作るのは全くの新設計の第3世代プラス型の原発だ。今迄誰も作った実績が無い装置だ。まっさらな初号機の建設には「想定外」の事象が発生する事を見込むのが、当たり前だ。にもかかわらず、WHはモジュール構造等の新構造を取り入れることで、十分にコストが下げられます等と、立派なデマカセを振りまいて、T芝が騙された、というか 、WHを強く説得出来なかった、ということだろう。

フィンランドでアレバが建設しているEPR(欧州型加圧水型原子炉)でも、建設経験の不足のため大赤字になることが、2005年あたりでは 広く認識されていた。T芝もこのことを重々承知の筈だったが、アレバと同じ失敗にまんまとハマってしまった。経済評論家連中はWH買収がそもそもの間違いだ、と今更の如く連呼しているが、あの当時のT芝はWHを買収せざるを得ないように、追い込まれていたのだ。私はこれまでにしつこく主張しているが、T芝をWH買収に追い込んだのは、T芝の実質親会社であるGE(ゼネラル・エレクトリック)社なのだ。GE命令でT芝はWHを買収させられれたのだ。

あの時にT芝がWHを買わない選択肢は無かった。何故ならば、そうでなかったならば、三菱重工がWHを買収していたからだ。GEは三菱には絶対に買収させたく無かった。だから東芝に「命令して」WHを買わせたのだ。何度でもこのことを繰り返すぞ、私は。

この経緯について私は、以前に「エコ洗脳本」 の寄稿の中で詳しく書いた。会員の方はぼやきの過去ログの中から今でも読める。

重電メーカーの中で、もっともアメリカ(GE)の言うことに素直に従ったのが東芝だった。三菱は一番言うことを聞かなかった。だからGEから攻撃されてWHを奪われた。今でも、古い原発の蒸気発生器修理のトラブルで訴えられたり、MRJの納期を遅らされたり、とかの、嫌がらせを受けて大変だ。日立は前はGEの意向に従っていたが、途中で嫌になり徐々に距離を置き始めている。そのため火力発電事業を三菱と日立は合併させた。

そして、最後までGEに従い続けたのがT芝だ。WH買収以外にも、N室T蔵さんが郵政公社の初代社長になりアメリカに郵貯の金を貢いだり等の、至れり尽くせりをアメリカに繰り返した。そしてその結果が、今の状況なのだ。

福島事故の影響が誤算だったと、色々書かれているが、震災が起こらなくても、GEの当初からのシナリオに、AP1000が難しくなったらT芝を見捨てるパターンが想定されていたと、私は思う。今回それが早めに来ただけの事では無いのか?

安部ポチ政権と自民党議員の皆さんよ、これだけアメリカにに尽くしてきたT芝の無残な姿を見て、一体どの様に思うのだ?これでもアメリカ様にヘイコラとヨイショし続けて行くつもりなのか!?日本の国自体がボロボロにされるまで、このままヨイショし続けるしかないのかね、政治家と役人の方々??

白人達からみると、日本は中国という巨大市場を活性化させるための、導火線というか、触媒、というかスターター、みたいな物にすぎなかったのだ。中国が自力で経済発展できるまでの咬ませ犬だったのだ。そしてもはや利用価値の亡くなった日本は、ボロボロになるまで毟られるだけなのだ。

こうなったらT芝は、中国と交渉してAP1000の技術ライセンスと特許を無料で公開する条件で、ABBIとかから融資を受けたたらどうか?中国はAP1000のライセンスを欲しくて仕方ない筈だ。5000億円位の金なら中国はポンと出すだろう。そしたら半導体事業も残したままT芝は立て直せるのではないかね?それでもアメリカ様に付いて行くかね?相手がヤクザなDV男で散々暴力を振るわれても、これからも我慢します、てなことかね?

相田英男 拝

8067浅川京華 投稿日:2017/02/13 23:40

【1744】[2090]戦争放棄は素晴らしいか?

最初に、森本様、会員専用掲示板の方で、お礼をありがとうございます。では、本題に移る。答えは「別に素晴らしくはない。素晴らしい所か、とてつもなく恐ろしい事である」。昔、浅田彰氏が、日本の憲法九じょう(じょうの漢字が出ないので、これで失礼)について「戦争をするくらいなら、他国に攻め込まれても、無抵抗のまま殺されよう、という憲法」と述べていたが、九じょうについては、この考え方が、最も妥当と思う(ちなみに私は、正しい、という言葉は、滅多に使わない。正しい事など存在しない、すべては比較的でしかない、こちらとあちらを比べたら、どっちがマシか、でしかない、というのが、私の価値観、世界観である)。そして私は、こういう憲法九じょうを支持する。戦争に正当防衛など存在しない。戦争責任などと言うが、戦争とはもともと、責任など取れるようなものではない、一度やったら、取り返しのつかないものである、という事くらい、歴史を見れば分かる。だから私は、自発的にはもとより、他国が日本に攻め込んできたとしても、戦争をすべきではない、その時は、総自決した方が良いと思う。それが平和を愛する素晴らしい行為だから、ではない。無抵抗のまま殺されるなど、とてつもなく恐ろしい事である。私だって、そんな事は、出来れば避けたい。が、加害者になるより、その方がマシだと、冷静に考えて思うからだ。戦争をして生き残って、その後、又、戦争責任を取れ、補償しろと言われて、何が嬉しいか?

8067浅川京華 投稿日:2017/02/12 21:42

【1743】[2089]今こそ大政奉還を 3

天皇退位問題について発言している会員は、私と森本さんの二人だけのようですが、特例法が通ったら、日本の誤った道への大きな一歩だと思うので、私はこの事について、執拗に発言する。その前に「今こそ大政奉還を 2」で、現在残っている世界の王室は、日本の皇室以外すべて、女子の継承を認めていると言ったが、これを「世界のほとんどの王室は」と訂正する(多分中東の王室などは、女王など認めていないだろう)。本題に移る。47才で突然死した高円宮という人がいた。昭和天皇寄りの人間が皇室周辺を占めていて、今上天皇は見下されている、という印象を、私は昔から強く持っているが、その中で高円宮は、数少ない今上天皇崇拝者だった。現皇太子夫妻とも親しかった。高円宮が今上天皇について「歴代の天皇の中でも、あれだけの人はいない」という旨の発言をしたこともある。その高円宮が、40代で急死したのは、つくづく惜しかった。今も生きていたら、今回の問題についても、今上天皇を支持し、今上天皇の意志に反した動きを、表立って批判しただろう、と考えていて、ふと思った。高円宮はスポ―ツマンで、スカツシユをやっている最中に突然死した。若くて丈夫な人が、やり慣れているはずのスポ―ツ中に突然死する、というのは、あり得ない事ではないから、私も当時、その死の報を、意外に思っただけだった。しかし、今上天皇は、進歩的(古い表現だが)と昔から言われていた(つまり、危険視されている存在だった)。その崇拝者の若い皇族が突然死するなど、考えてみれば不自然だ。あれは暗殺だったんじゃないか?私は今まで聞いた事はないが、暗殺だという噂が、あるいは、当時からあるんじゃないか?と。

副島隆彦 投稿日:2017/02/10 05:38

【1742】[2087]安倍は、アメリカに51兆円も、貢ぎ金をもってゆく。何ということだ。

副島隆彦です。今日は、2017年2月10日です。

 安倍晋三首相が、トランプ大統領に、取り入るために、明日11日(アメリカでは10日)に、持って行く日本からの資金は、なんと4500億ドル(51兆円)だそうだ。 

 これを、日本国民の年金の積立金(GPIF、ジー・ピー・アイ・エフ と言う)から、持ち出すようだ。 いくらなんでも、大抵のことには驚かない、私であってもビックリだ。

 トランプが、娘のイヴァンカまで連れて、フロリダ州の「トランプ・ゴルフ場」まで、ゴルフをしに行く。どうも、イヴァンカというのは夫のジャレットと共に、相当に貪欲な女のようだ。この理由は次回、書く。

安倍は、トランプのお供というか、自ら進んで子分になりに、べったりと付いて、キャディ(元々は、young lad ヤング・ラッド、と言う意味で、貧しい少年たちの仕事だった)をやりにゆく。 日本は、アメリカに51兆円も、一気に貢(みつ)ぐのだ。

(転載貼り付け始め)

「 安倍首相のアメリカへの貢(みつ)ぎ金(がね)  一晩で51兆円 ! 」

2017/02/09   大井幸子(おおいさちこ)氏 の 文 
http://www.globalstream-news.com/ohi-report/post-18456/

 2月10日の日米首脳会談に世界が注目している「トランプへの土産」がある。米国への経済協力の原案は既に日本の新聞でも報道されているが、特に目を引くのが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による米国インフラ事業への投資である。

 この原案では米で数十万人の雇用創出につなげるという効果を謳っている。総額4500億ドル(約51兆円)の土産の見返りに、安倍首相はフロリダのトランプ御殿(別荘)に招待され、ゴルフも共にする。一晩の会談で51兆円を持って来てくれる日本とは何と気前が良いのだろう。

関連記事
日経新聞 2017年2月2日 
「公的年金、米インフラに投資 首脳会談で提案へ 政府、雇用創出へ包括策」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS01H5E_R00C17A2MM8000/

FT紙(英フィナンシャル・タイムズ紙) 2017年2月7日  
”Shinzo Abe drums up business pledges to woo Trump”,
https://www.ft.com/content/cdae8542-ed22-11e6-930f-061b01e23655

 私の米国の友人は「米国にとっては良いかもしれないが、日本の将来にとっては良くないでしょう」と心配のメールをくれた。

私の日本人の友人は、「GPIFから、アメリカにカネをつぎ込むとは、日本にもいよいよカネがないとしか思えない。国民に将来支払われる年金が、米国のインフラに投資されて回収できなくても文句も言えないだろう。今でさえ年金受給額が減っているというのに、日本の若者がかわいそうだ」と悲嘆に暮れていた。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 上記の文は、 大井幸子氏という、アメリカのNYの金融業界で、10年以上の長い期間、金融トレイダーとして働いて、実践での経験を積んだ女性で、帰国後、独立して金融コンサルタント会社を開いている。 私、副島隆彦の古くからの(小室直樹先生の小室ゼミ。もう30年前 )友人である。 大井女史は、多くの貴重な、金融情報を発信している。 以下に行って読んで下さい。

http://www.globalstream-news.com/ohi-report/post-18456/

副島隆彦です。 日本の政府がやっている 日本国民の 大切な、今や、命の次に大切な、いろいろの 年金の 運用組織( GPIF, ガヴァメント・ペンション・インヴェズトメント・ファンド)から、安倍が、勝手に持ち出して、アメリカの このように湯水のごとく、「くれてやる」、「差し上げる」、「召し上げられる」、「這(は)いつくばって奉納(ほうのう)する」のが、こんなに巨額でいいのか。

 いくら、「安倍ちゃん、頑張って」の安倍支持派の 国民でも、少しは青ざめたらどうだ。

 「いくらなんでも、ここまで、アメリカの属国をやるとは! これじゃ、もう、奴隷じゃないか」 と、 日本の右翼たちは怒らないのか。 これだけ貢がされても、それでもなお、、チャンコロ、ロスケ(ロシア)、朝鮮人、からの攻撃がコワイから、アメリカさまの 軍事力に守ってもらわなければいけないから、だから、言われたとおりに、お金を差し出す、というのか。 

 日本国民の 地獄の暮らしの 実態、実情 が、すでに、あちこちに、ボロボロと露見しつつある。 

 私、副島隆彦が生きている、出版業界、書店、出版社も、すでに、地獄の状態になっている。どんどん潰(つぶ)れつつある。私クラスの一番、本が売れる書き手、作家でも、自分が食べるのが精一杯になってきた。本当だ。「まさか、そんな」は、通用しないのだ。

 みんな、自分の足下を見てみるがいい。 まさしく、ひとりひとりが、赤貧洗(せきひんあら)うが如(ごと)し、になってきている。 私は、大げさに、誇張で書いているのではない。 

 すでに決意した餓死者( 職と収入口をあきらめて、食を、自ら断つ、ことでの衰弱死をする者)たちが、どんどん出ている。 福祉が、どうの弱者救済が、どうの、の段階では無い。健康な日本国民までが、死につつあるのだ。51兆円も、トランプに、お土産で、持参する、安倍晋三、という、こういう“ザ・カルト・オブ・靖国(やすくに)”の男を、日本国民は、一体、いつまで、のさばらせて、首相をやらせておくつもりか。

 国民の方が、先に死んでしまう。いくら、トヨタ以下の、日本の優秀な輸出大企業3000社の、経営者、社員、技術者、労働者たちが、いくら、必死に働いて、死ぬほど苦労して、貿易で利益を出して、外貨を稼いで、それが税金になって、日本国民を食べさせている、と言っても、もう限界だ。こんなにアメリカに、毎回、毎回、年金のカネまで、ふんだくられるようになっては。もうスッカラカンにされ、何も無くなる。

 日本で、貧者たちの、飢えた若者たち、年金がどんどん減額になっている老人たちも、による 暴動が起きないのが、不思議だ。 このままだと、暴動が起きるだろう。

 私、副島隆彦の 予言(近=きん=未来予測)は、当たるからな。 私の脳に、ビリビリと、こういうオラクル(oracle 託宣、神託)がどうしてもやってくる。 

副島隆彦 拝

関本克良 投稿日:2017/02/08 06:15

【1741】[2086]ネット右翼??

迷惑メールが届いています。「ネット右翼??」と言われる人びとの活動でしょうか。私は日本軍性奴隷制度(日本軍慰安婦制度)の問題の研究もしているので、その関係で2014年に国連人権委員会に日本友和会の国連代表として参加していたときに、ジュネーブでたくさんの「右翼??」と呼ばれる方々と出会って、ネット上でいろいろと私の宣伝をしてくれていますが、まあ「ご苦労さん」というところです。

彼等と会話して驚いたのは、会話が通じないということでした、、、本当に会話が通じない、隣の国の人は人間ではないというような話しかしない。この人たちは大丈夫だろうかと、この人たちのために、心配している。

この問題では、日韓合意がされた時点である意味、研究意欲を失いかけている。というのが、日韓政府の政治の駆け引きのため、日韓の「取引材料」として処理された印象が強い。政府がその程度のことしかしないのなら、真剣に研究するのが馬鹿らしくなっている。

なぜこの問題を研究したのかは、日本の世界戦略のためにアジアとの和解が重要だと考えたからであり、東アジアの共同体構想の実現が必要だと考えるからです。根本にはドル基軸通貨の円高問題があり、アジア地域通貨の実現が必要だと考えるからです。かなり遠回りの運動方針ですが、、、

余談が長くなりました。まあ、こういう人間です。

性奴隷問題について

多くの日本軍「慰安婦」が騙されて誘拐されている【事実】
https://fellowship-of-reconciliation.jimdo.com/

長崎地裁判決(1936年)

「安太郎は上海において帝国海軍軍人を相手とする海軍慰安所なる淫売屋を共同にて経営することになし 同所に女を送らねばならなぬが 女を雇うについては売淫の事を隠して女給として雇うがよいと申したり」

「安太郎ハ上海二於テ帝國海軍軍人ヲ相手トスル海軍慰安所ナル淫賣屋ヲ 藤田稔ト共同ニテ經營スルコトニ爲シ 同所二女ヲ送ラネハナラヌカ女ヲ雇フニ付テハ賣淫ノ事ヲ秘シ女給トシテ雇フカ良イト申シタリ」

参考までに。

国際法と国家の法的責任に関する考察 : 日本軍「慰安婦」問題と被害者の損害賠償請求権を焦点として
http://opac.tenri-u.ac.jp/opac/repository/metadata/3239/GKH022907.pdf

以上です。

関本克良 投稿日:2017/02/06 03:05

【1740】[2082]法と「正しさ」について

初めて投稿いたします。私立大学の専任教員をしておりますが、学士は中国研究、法学修士、学術博士を取得しました。

中国の社会福祉を研究していますが「福祉」とは何かの研究から、人権研究を進めたのですが、現在の「人権」概念がなかり根拠のないものであると考えています。権利とは何かについても重要ですが、まずは、権利(主観的法)を客観的に規定する客観法としての法について書いていきます。

参考文献は、法哲学者の水波朗(1922年10月3日(大正11年) – 2003年(平成15年)7月31日)九州大学名誉教授、元久留米大学教授、専門は法哲学)の著作です。

私は、自然法について論じる際に、ホッブズが人間の自然状態(人間の本性)を「戦争状態」と定義していることに批判的な意見をもっています。

ホッブズは『リバイアサン』などで、人間の本性=戦争状態であることから、自己の生存のためにあらゆる手段をとることが「自由」として認められ、これが「自然権」であるとしています。このあたりが、自由=権利、自由権的基本権こそが、権利の本質であるように語られる論拠になっているように理解しています。

人権の概念がよく分からないのは、ホッブズが人間を「戦争状態」と定義したことによって、どうしても人間の本性である「戦争(生存競争)」と「人権(特に社会権)」とが整合性をもてないことにあると考えています。基本的に、権利の本質が「自由」であることにも疑問をもっています。

水波は「自由」とは「法が禁止していない範囲の自由」であるとして、法が禁止しない範囲とは、法規範の外にある範囲となるために、自由という権利は法的には存在しないと言っています。つまり、自由という権利はないと。既存の法学からすればかなり破壊的な意見で、こうした論文を書こうとしてもどこも受け付けてくれそうにありません。

ホッブズが人間を「戦争状態」と言ったことも論駁しなければならないのですが、自然法を考える際には、法とは何かをまず考えなければなりません。

水波の自然法論は、一般的にトマス主義自然法と呼ばれますが、トマス・アクイナスがとった伝統的な立場をとるようです。水波門下では、人間の自然状態は補完性原理であり、共同善をその目的とするようです。なぜ、補完性となるのかというと人間の本性は「家族関係」であり、家族関係は決して「戦争」ではなく、補完性(隣人の不足分を補い合う関係)であると考えています。私は補完性原理のほうが、人間本性の定義として正しいと考えます。

ホッブズがどうして人間本性を「戦争状態」としたのかは不明ですが、ホッブズは、人間の定義において、肉体と霊魂の二元論をとったデカルトの影響を受けて、ホッブズが人間を「過度に肉体的な存在」として捉えたことにあると考えています。

ここから、ホッブズ以降の哲学者が、人間に対する学問を快楽主義(功利主義)、経験主義に向かわせ、経済学では効用学説がおこり、法学では人定法主義(法実証主義)がおこった、その源流はホッブズにあると考えています。

私は、ホッブズの人間本性論=戦争状態の批判が現代社会科学において大変重要であると考えています。功利主義に対しても批判的な意見をもちますが、同じ意味でホッブズの影響が大きいと考えています。つまり、人間=肉体とし、生命=最高善、死=最高悪とする快楽と苦痛のみを基準とする哲学に対する批判が必要ではないかと。

トマスアクイナスは、水波の意見に従えば、人間とは肉体と霊魂の完全なる結合であるとして、この両者は不可分であると考えるようです。デカルト以降の哲学では、どうも両者が分離しており、肉体(経験主義)と霊魂(理性論・観念論)が分離して、イギリス経験論とドイツ観念論の流れを形成したと理解しています。つまり、ホッブズは、デカルトの肉体的な哲学のみを採用したと。

もう一つというか、最も重要な点のみを書きます。それは、「正しさ」とは何かについての自然法論の意見です。

トマスアクイナスはアリストテレスからアイデアを得て、自然法を確立したようですが、最も重要なことは、アリストテレスが「正」と「正義」を分けた点にあるようです。ここでは「正=事物の本質」が決まらなければ「正義(正しさ)」が生まれないと考えます。私は学生にはよくこういいます。ここにペットボトルがある、ペットボトルの本質は「液体を入れる」ことであると、これがペットボトルの本質(正)である。ペットボトルの本質(正)が決まれば初めて、ペットボトルにとって、液体を入れることは「正しい」と言えるのだ、と。

ここから、事物の正(本質)が特定されなければ、その事物にとって「正しさ」が決まらないのだということに気づきました。この点が、自然法の最も重要な点のようです。

トマスアクイナスは、これを受けて「法」と「法律」を分けています。つまり、「法」とは「事物の本質」であり、「法」が決まれば初めて「法律(正しさ、~すべき、当為)」が生まれるのであると。この思考方法は演繹になるので、哲学や倫理について論じるには、演繹法がやはり重要ではないかと思っています。

余談ですが、王陽明の陽明学の「致良知」も演繹であり、朱熹の「格物致知」が帰納の思考法ではないかと、王陽明は事物の本質が各物によって異なるという、帰納的思考(正義の相対化)を批判したのではないかと、直感的に考えています。

思いつくまま書かせて頂きました。
論理の細部に間違いもあるかと存じますが、宜しくご批判ください。

「副島隆彦の学問道場」事務所 投稿日:2017/02/04 13:53

【1739】[2081]2/1~2/2に発生したアクセス障害につきまして

「副島隆彦の学問道場」事務所の須藤と申します。
2/1明け方から2/2夕刻頃にかけまして、「学問道場」サイトにアクセス出来ない状態が続いておりました。
常日頃「学問道場」を閲覧していただいております皆様には、
ご心配、ご不便をおかけしてしまい、深くお詫び申し上げます。
障害の原因は、サーバー会社に問い合わせましたが、まだ分かっておりません。
障害の発生していた間、取り急ぎ「学問道場」全体のデータのバックアップと、別の予備サーバーへの移転を試みておりました。

本サイトはひとまず復旧しましたが、今後の対策として、サーバーの強化、等を考えております。
「学問道場」閲覧に障害が起こらぬよう、全力を尽くして参ります。
色々、至らぬことが多く、この度は本当に申し訳ございませんでした。

副島隆彦 投稿日:2017/01/25 09:59

【1738】[2080]トランプ政権にとって、一番大事なこと。

副島隆彦です。 今日は、2017年1月25日です。

 私は、トランプ新政権が、これから何をやって、どういう方向に進み、どういう政治思想で動くのかを、ずっと観察、凝視している。 私はもうすぐ、トランプ政権がどうなるか、どう生き延びるか、への大きな予言、予測を、大きな理論の提起とともに行うだろう。

 私が、注目しているのは、中国とトランプの厳しい外交交渉だ。ロシアのプーチンとは、どうせトランプはすぐにでも会って、米ロの協調体制で動く。 これに、習近平も入ったら、歴史的な、「世界の3巨頭会談 (アメリカ、ロシア、中国、の3大国=3帝国の協調体制)」になる。 それに対して、怒りと憎しみを込めて、この3帝会談の、足をひっぱる、愚劣で醜い勢力の動きも活発になり、彼らもまた世界的な連携をするだろう。ここでこれからの世界の大きな対立構造が決まってくる。

つい、最近まで、「西側(にしがわ。ザ・エスト the West )と呼んで、「俺たち、世界最強の、西側(にしがわ)自由主義陣営、欧米の反共産主義陣営(じんえい)。先進国同盟。ここに日本も所属している」と豪語してきたのに、なんという急激な様(さま)変わりだろう。 今や、欧州同盟EUは、分裂、弱体化に向かう、元気のない 500年間続いた、ヨーロッパ白人さまたち (今は、観光地)に過ぎない。 

 ”EU貴族さまたち”のヨーロッパには、世界を引っ張ってゆく力はない(まだ力があるのはドイツだけだ)。 日本も惨(みじ)めな、「大不況のまま20年」の「落ちこぼれ先進国」だ。 世界中の新興国が、どんどん追いついてきている。 

 だから、私が、じっと鋭く重要視しているのは、「アメリカの 対 中国の貿易赤字(トレイド・デフィシット。経常=けいじょう=赤字)がいくらあるか」である。

(転載貼り付け始め)

  米貿易収支(米商務省) の 統計

U.S. International Trade in Goods and Services

http://www.census.gov/foreign-trade/Press-Release/current_press_release/ft900.pdf

(この資料 ↑ のP17 にある)

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。この貿易統計の表からいろいろのことが分かる。 アメリカの、対(たい)中国の 貿易赤字は、一体どれぐらい巨額に膨らんでいるのか? 誰も、明確に議論しようとしない。お金(かね)のことでの、大きな真実を見つめようとしない。一体、どれほどの膨大な、対中国の貿易(経常、けいじょう)赤字をアメリカは、抱えているのか、を、誰も正面から見つめようとしない。アメリカのあの、頭がいいはずの(笑い)一流経済学者たちや、大新聞の記事に書かれたことがない。私の目に触れない。

 これからのトランプ政権にとっての一番、重要な政策は、「米国内に新しい雇用を生み出す。各産業分野の、巨大工場を国内に新しくどんどん、たくさん作って(3年以内に)、ものすごい数で失業している、アメリカ国民をここに雇用をさせる。それから、エネルギーを確保するためにアメリカ周辺の天然ガス、石油を掘りまくる」である。

 ということは、FRBのイエレン議長ババアがこの4年間、ずっと言い続けた、「アメリカの失業率は、5%を切って完全雇用を達成しつつある」は、真っ赤なウソだった、ということだ。イエレンたちは、今から、トランプによって、容赦なく、首を切られる。

トランプの「アメリカに新たな2千万人ぐらいの雇用(国民の就業、就職)を生み出す」という政策大方針は、アメリカ国民の強い願いと合致している。だから、トランプとしては、なによりも、これをやり遂げることだ。このことを、大きな正論(せいろん。正義の言論。 Just opinion ジャスト・オピニオン)として、大きく報道しなければいけないのだ。これを、メディアども(テレビ、新聞)は、やろうとしない。「トランプ憎(にく)し」で、今も、「反トランプ派のデモがすごい」ばっかり報道している。

 あんな、ホモ、おかま、ゲイ、レスビアンどものLBGT(エル・ビー・ジー・ティー)の、「私たちは、より進んだ、進化した人間たちなのよ」の気取り屋どもや、「違法移民(イリーガル・アライバル、illegal alival )
である俺さまを人種差別するのか」の 暴力団の移民ヒスパニック、それと黒人過激派 たち数千人の 破壊活動のデモ なんか、これまでアメリカの主流派メディアは、相手にしないで、報道してこなかった。急に自分たち自身が、ニューヨーカーのホモおかま人間と同類になりつつある。あるいは、その正体をさらし始めたのか。

このホモおかまゲイ、レズビアンと、環境保護派(菜食主義者)と、暴力団化した過激派たちを、「社会的弱者ほど威張っていい」の人間たちを、私、副島隆彦による あの世界(欧米)政治思想の巨大分類の図表では、3’(さん、ダッシュ)の「アニマル・ライツ」animal rights と 呼ぶのである。分かるかな? あ、そうか、とわかったら、あなたは、「副島ワールドの入り口から、半分は、中心のシンデレラ城まで近づいた」ということだ。

 腐り果てた、アメリカのメディアども(それに追随する日本のメディア=テレビ、新聞も)は、トランプへの 憎悪を顕(あらわ)にして、トランプに敗北した自分たちの惨めさと、怨念(おんねん)を剥き出しにしている。

 私がずっと今も調べている、アメリカの貿易赤字は、上に載せた、公式のアメリカ政府の発表の統計数値からも分かる。 アメリカは、一年間に、7010億ドル(2015年)すなわち、79兆円の 貿易赤字を抱えている。この金額は、この20年ぐらい、ずっと増え続けて、ここ数年は同じぐらいだ。 そして、このうち対(たい)中国での ネットの貿易赤字(輸入と輸出の差額)は、3393億ドルだ。 これを今の為替の113円でかけると、34兆円である。

アメリカの外国貿易の、赤字の丁度半分を、中国が生み出している、ということだ。

 年間34兆円を、対(たい)中国で、赤字としてアメリカ合衆国は抱えている。この金額(数字)は、単年度(たんねんど)であり、毎年、毎年、これだけの赤字を、ネット、差し引き、正味の 実需(じつじゅ)実体(じったい)の赤字としてアメリカは抱えている。膨大な金額だと、と言わざるを得ない。これだけに、ダダ漏れの、赤字垂れ流しをやっていたら、出血多量で死んでしまう。

 どうして、誰もこの議論をしないのだ? どうして、この金額を誰も書かないのか? 私、副島隆彦は、どの記事でもみたことがない。
 そんなに中国が嫌いなのか。真実の数字を見たくないのか。アメリカ人にしてみれば、これほどの中国産品の、大洪水のような、アメリカへの怒濤(どとう)の流入は、コワくて正視できないことだ、として、「触らぬ神に祟(たた)りなし」で、誰も書かない。

 ちなみに、日本の 対(たい)アメリカの、今(2015年)の黒字(アメリカから見れば、赤字)は、年に7兆円(623億ドル)である。 ドイツは、日本よりも多くて、対米で8兆円の黒字を貿易収支で生み出している。

今、「国境線に壁を作る」で、騒がれているメキシコは、560億ドルだから、6.3兆ドルだ。 

この問題の秘密は、メキシコ国境沿いに、ものすごい数の工場が、メキシコ側で、作られて操業していて(日系企業もたくさんある)そこの経営者たちは、毎日、アメリカ側から、メキシコに国境線を越えて通っている。そして、「メキシコ製」になった工業製品を、アメリカに無関税(関税なし。これがNAFTA、ナフタだ)で持ち込んでいる。その金額が、正味、差し引きで、6.3兆円なのだ。このことにアメリカ国民が怒っている。

 だから対中国の 毎年、毎年、単年度(たんねんど)で、34兆円もの巨額の貿易赤字を出して、それがたまりに溜まっている。これが、累積=るいせき=額の貿易赤字だ。これが10年なら340兆ドルだ。
 この巨額の貿易赤字(これは経常=けいじょう=赤字、カレント・デフィシット current deficits とほぼ同じ)は、累積したものが、資本収支(しほんしゅうし)と国際収支(こくさいしゅうし)の形で、ものすごい金額になっている。

 だから、トランプは、習近平と、サシで、この「この巨額の貿易赤字を、まず、半分に減らす」外交交渉をせざるを得ないのだ。 この貿易赤字の額の垂れ流し状態こそは、アメリカ国の最大の懸案であり、外交交渉の中心だ。これを、他の議論にすり替えたり、ゴマ化したり、とぼけたりしても無駄だ。

 中国は、「人民元が、今の倍(元高)になっていい。今の元安(げんやす)は、中国が望んだものではない。1ドル=4元 になってもいい。今の1ドル=6.9元は、中国が作ったものではない」「中国は、この10年図と、アメリカから強要され続けたとおり、元高に向かって努力してきた。それを何だよ。何がドル高政策、強いドルがいいだ。馬鹿」と考えている。 

 だから、トランプの真意は、「もうこれ以上の、ドル高=強いドル はいらない。アメリカは、実需=貿易を伸ばして、アメリカ国民を食べさせなければいけない。もうこれまでのような、腐った、博奕(ばくち)打ちどもの、金融バクチ、金融取引で、もうけを出す、という考えは、捨てる。実物経済(タンジブル・エコノミー)、実体経済(リアル・ウェルス・エコノミー)重視だ」となる。

 だから、これからは日本円との関係でも、ドル安、円高(えんだか)になってゆくのだ。1ドル100円 割れになってゆく。どうせこうなる。だから、中国とのトランプの激しい交渉で、大きくは、トランプは経営者、ビジネスマン、だから、「分かった。分かった。中国よ、貿易赤字が半分に減るなら、それなら、台湾は、渡す。 それから、西太平洋(ウエスト・パック)の支配権、管理権も、中国に渡そう」という 、大きな交渉になるだろう。第二列島線( 第一列島線=日本列島 の線 は、すでに突破された)まで、中国の支配下にはいってゆく時代が来たのだ。 

 この第二列島線の内側に、当然、日本も韓国も、台湾も、フィリピンも入ってしまう。ちがいますか?

 この厳しい現実を、見たくない、見たくない、何が何でも、見たくない、という人たちは、今のまま、自分の 愚かな、足りない、世界が見えない、ちいさな脳(思考力)のまま生きているがいい。私の知ったことか。

ああ、時間が無くなった。
 以下に載せるのは、トランプが、次の FBI長官を、あの、ジェイムズ・コーミー(コウミー)長官に、続投させる、というNYタイムズの記事だ。 遂に出た。これで、今から着着と、ヒラリーを逮捕、裁判にかけて(米議会が)有罪として投獄する手続きが始まる。

(転載貼り付け始め)

Trump Is Said to Keep James Comey as F.B.I. Director JAN. 24, 2017 NYT

https://www.nytimes.com/2017/01/24/us/politics/trump-comey-fbi-director-.html

  The F.B.I. director, James B. Comey, told his top agents from around the country that he had been asked by President Trump to stay on the job running the federal government’s top law enforcement agency, according to people familiar with the matter.

A decision to retain Mr. Comey would spare the president another potentially bruising confirmation battle. It also would keep Mr. Comey at the center of the F.B.I.’s investigation into several Trump associates and their potential ties with the Russian government. (以下、略)

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。このように事態は、進んでゆくのだ。

 さて、以下の記事は、アメリカの重要な映画監督である、オリバー・ストーン監督の、最新作「スノーデン」 “SNODEN” についてのインタビュー記事だ。日本でも、あさって、1月27日から公開されるそうだ。 もう多くは書けなくなった。

 以下のオリバー・ストーン監督への、朝日新聞のインタヴュー記事は、この末尾にあるとおり、「「聞き手・藤えりか」となっていて、この女性がインタヴューしたことが分かる。
 そのために、記事の文体が、どうもなよなよした、女性的な文になって、粗野な本物のアメリカ白人男である(彼の精神と神経は極めて繊細。ずば抜けた頭をしている)ストーン監督らしくないので、私は、これが気になったので、文体(ぶんたい)を、私、副島隆彦が勝手に書き換えた。元の新聞記事を読みたい人は、以下のURLをクリックして再度、読んで下さい。 副島隆彦 記

(転載貼り付け始め)

●「(インタビュー)トランプ政権への期待 映画監督、オリバー・ストーンさん」

2017年1月24日 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/DA3S12761842.html

 過激な言動で物議を醸(かも)すドナルド・トランプ氏が超大国のトップに就いた。政権批判の映画を世に出し続けてきた米アカデミー賞監督が「トランプ大統領は・・・・で、素晴らしい」と高い「評価」をしている。オリバー・ストーン監督に、真意を聞いた。

 ――あなたは、米大統領選の結果はショックだった、と米メディアに語っていましたが、ツイッターで「トランプを良い方向にとらえよう」と書きました。

 「ヒラリー・クリントン氏が勝ったら危険だな、と、私は感じていた。彼女は本来の意味でのリベラルではない。ヒラリーは、米国による新世界秩序を欲し、そのためには他国の体制を変えるのがよい、と信じている女だ。ロシアを敵視し、非常に攻撃的だ。彼女が大統領になっていたら、世界中で戦争や爆撃が増え、アメリカは軍事費の浪費に陥っていただろう。第3次大戦の可能性さえあった」

 「米国はこうした政策を変える必要がある。トランプは『アメリカ・ ファースト(副島隆彦注記。アメリカは国内問題を優先すべきだ。外国への関与は、セカンダリー=2のつぎ=だ、という思想)』を掲げるから(副島隆彦注記。トランプは、アイソレイショニストだから)、他国の悪をやっつけに行こう、などとは言わない。(このことで)妙なことになったと考える人たちがいるだろう。が、この結果、トランプの登場は、アメリカはこれまでのグローバリズム(世界支配主義)の政策を大きく変えるべきだ、と考える人たちに近づいた」

 ――あなたは、トランプ政権下で、米国の介入主義(インターベンショニズム。外国の政治に干渉すること)は終わりを迎えると?

 「そうだ。米軍を外国から撤退させて、他国への介入主義が弱まり、米国は自国の経済を動かし機能させ、インフラを改善させる、とトランプは言っている。これならすばらしいことだ。これまで米国は、自国経済、自分の国内問題にまじめに対処せずに、国民の多くが貧困層になった。自国民を大事にして来なかった。ある面では自由放任主義だ。そうなのか、と思えば、別の面では(副島隆彦注記。役人たちによる)いろいろの規制が過剰にある。トランプは、そう指摘しており、この点でも私は彼に賛成だ」

 ー トランプ氏は、ちょっと普通の人の頭では理解できないことを、はっきり言いますよね。

 「 一気にものすごい量で(失業している人たちのために)雇用を増やす、なんて、どうやって成し遂げられるのか、私にはわからない。だが、彼のこの政策宣言が、ものすごい誇張だとしても、私たち米国民は、そこからよい部分を見つけなければ。少なくとも今の米国に必要な、斬新なスタイルだ」

 「トランプは、イラク戦争(副島隆彦注記。2003年から2012年まで)は、膨大な資産の無駄だった、と明確に語っている。正しい意見だ。 第2次大戦以降、すべての戦争がそうだった。ベトナム戦争(副島隆彦注記。1967年から1975年)は、とてつもない無駄だった。ところが、大手メディアは明らかにトランプのやろうとしていることを妨害したがっている。( 副島隆彦注記。アメリカの大手メディは、グローバリストの手先だ) 私は彼らには反対だ。トランプが、プラスの変化を起こせるように皆で応援すべきだ」

 ――あなたのいうトランプ政権によるプラスの変化とは?

 「例えば ロシアや中国、中東、とりわけIS(過激派組織「イスラム国」)への新政策だ。トランプは、テロと戦うために、ロシアのプーチン大統領と協調する、と発言しており、これは正しい考えだ」

 ―― ロシアが米国にサイバー攻撃した、とされる(副島隆彦注記。自分たちが辞任する直前までの執拗な、CIAの副長官たちの)発表に対して、監督は疑義を呈していますね。

 「 米国の情報機関について、私は極めて懐疑的だ。米中央情報局(CIA)は 、長年、多くの間違いを犯してきた。キューバのピッグス湾事件(1963年)やベトナム戦争、イラクの大量破壊兵器問題などだ。米国は、世界をコントロール(支配)したがり、他国 の主権( 副島隆彦注記。 sovreignty ソブリーンティ)を認めたがらず、多くの国家(の政府)を転覆させてきた。この国家情報機関のやってきたことを、はっきりと批判し、貶(けな)しているトランプに、私は賛成だ。

 だが、そうした問題は、米国の社会では広く語られない( 副島隆彦注記。アメリカ国民の多くは、アメリカの国家情報機関が、世界中で、他国で行ってきた違法な破壊活動や、指導者殺しや、政権転覆に対して、「我れ関せず」で知らん顔をする )。 トランプのCIAなどへの厳しい発言は、これまでの米国のリーダー層が取ってきた態度とは反対の立場となるからだ」

 ―― リベラル派が多いハリウッドは反トランプ氏が目立ちます。

 「そのリベラルと呼ばれてきた人たちが、ものすごい他国への介入主義者(インターベンショニズム、interventionism )と化しているんだよ。ずっと自分はリベラルだ、と言われてきた(そして本人もそう思っている)ヒラリー・クリントンをみればわかる。米民主党(デモクラット)は、中道右派となってしまっていて、左派(レフト left 、左翼、急進リベラル派)を真に代表していない。

 ――監督。あなたが、米政府による個人情報の大量監視を暴露したCIAの元職員のエドワード・スノーデン氏を描いた新作の映画「スノーデン」を撮ったのはなぜですか。

(副島隆彦注記。 この映画「スノーデン」 “SNODEN”は、日本でも、1月27日から公開される。上映映画館は、極めて限られているだろう)

 「私は、いつも時代に合わせて映画をつくってきた。2013年に、スノーデンのアメリカの情報機関がやってきた違法な活動を暴露したことを知り、衝撃を受けた。米国は監視国家だ、という疑いが真実であり、証拠を伴った確信のものとなった。スノーデンの弁護士の招きで、私はモスクワに行って、以来、彼とは9回会って話を聞いた」

 「この映画は、スノーデンの証言に基づいてつくった。彼が、2009年に、(副島隆彦注記。日本の東京の)横田(よこた)基地内で(1年半)勤務していた時、日本国民を監視したがった米国 が、日本側に協力(するよう求められた、が)を断られた。しかし米国は監視を実行した、とする場面も。私は描いた。スノーデンは、米国は、日本が米国の利益に背いて同盟国でなくなった場合に備えて、日本のインフラに悪意のあるソフトウェアを仕込んだ、とも述懐している。これは他国に対する戦争行為だ。

 これは、あくまで彼が私に語った話であり、確認をとろうにも、私が、米国家安全保障局(NSA、エヌ・エス・エイ)側に連絡しても、彼らと話すことは認められなかった。

 私は経験上、スノーデンは事実を話していると思う。 米情報機関はこの映画の内容を否定するだろう。米大手メディアもこの問題には取り合わない。だが、本当は、彼らは、そういう態度をやめるべきで、まじめにこのことをジャーナリストとして考えるべきだ」

 ――米議会は昨年(2016年)、スノーデン氏が、ロシアの情報機関と接触しているとの報告書を出しました。

 「あの米議会の報告書はまったくのたわ言だ。スノーデンには、そういうことをする動機が見当たらない。彼は、米国の情報活動が、米国の安全保障に役立つ形で改善されることを願っている。彼はまずジャーナリストたちに情報を提供した。そして、今も表に出て、理想主義的な発言を続けている。この態度は、いわゆるスパイがやることではないでしょう」

 「スノーデンがモスクワに着いた時(2013年6月)、そこを経由するだけであって、ロシアに滞在するためではなかった。モスクワの空港で、ロシアの情報機関の職員から『私たちに出せる情報はないか』と言われ、『ノー』と答えたそうだ。彼はロシアから出国したがった。南米諸国(副島隆彦注記。おそらくパラグアイとか、ボリビアとか)から受け入れの申し出があった。しかし自分に米政府の手がおよび、自分の安全が確保できそうになかった。結果として、ロシアが最も安全だとなったのだ」

 ――大統領に就任したら、トランプ氏は、CIAの影響で、反ロシアに態度を変えるかもしれないと懸念されていますね。

 「彼がそうなる可能性はある。でもトランプ氏はビジネスマンだ。貿易を好む限り、ビジネスマンは戦争をよしとしない」

 ――トランプ政権下でスノーデン氏はどうなるでしょう。

 「トランプは、スノーデンを非難した(副島隆彦注記。情報機関の職員が国家情報をたくさん持ち出したことで)。しかし、大統領に就任後、米国の情報機関がいかに堕落しているかを調べて、知れば、違った感情を持つようになるのではないか。

 ニクソン元大統領は(1971年に)訪中した。レーガン元大統領は(1986年に)ゴルバチョフ旧ソ連書記 長と会談した。トランプ大統領も変わり得る。彼が情報機関の本質を知るにつれ、内部告発者(ホイッスルブロウアー)寄りになっていく可能性はある。

 (ジュリアン・アサンジの)ウィキリークスに情報を提供したマニング上等兵(副島隆彦注記。25年の懲役刑だった)も、最近、(オバマ大統領の辞任前の一斉の恩赦=アムネスティ=で)減刑された。スノーデン氏にもいずれ寛大な措置がなされることを願っている」

 ――あなたは、映画「スノーデン」の制作にあたっては、米国内からは出資が一切得られなかったそうですね。

 「米国のどの映画スタジオからも断られた。資金集めは大変だった。彼らの多くは政府と関係があり、政府の何かの怒りを買うことを恐れて自己規制したのだと思う。この映画の制作にはとても困難を伴った。それでも、なんとか配給(はいきゅう)会社は見つかったが、小さな会社だ」

 ――かつて、監督は、映画「JFK」などで、米大手スタジオ「ワーナー・ブラザース」とよく連携していましたね。

 「今回は、ワーナーにも断られた。米国がテロとの戦いを宣告した2001年以降、米国に批判的な映画をつくるのが難しくなった。そうした映画がどんどん減っている。米軍が過剰に支持・称賛されたり、CIAがヒーローに仕立てられたりする映画やテレビ・シリーズが目立つ。非常に腹立たしいことだ」

 ――今回は、どうやって資金を集めたのですか。

 「少額資金をかき集めながら悪戦苦闘した。フランスとドイツからの出資が支えとなった。欧州議会が、「EU加盟国にスノーデン氏の保護を求める決議」をするなど、欧州は彼に耳を傾けている。2度の大戦を経た欧州は、国家による監視を好まない。その危険性も理解している。英国は例外だが(笑)」

 ――そうした状況下、あなたは今後も映画制作を続けられますか。

 「先のことはわからない。今は私は、プーチン・ロシア大統領についてのドキュメンタリー映画を仕上げている。だが、商業映画としてはこの『スノーデン』が私の最後の作品になるかもしれないね。米国では映画制作への協力を得にくくなっている。仮につくるとしても、たぶん国外で制作することになるだろう」

 ――トランプ氏は、彼を批判した俳優メリル・ストリープをツイッターで罵倒しました。今後、米映画業界は萎縮(いしゅく)していくのでしょうか。

 「そうなるかもね。ただ、私はハリウッドの政治とは一線を画している。時に嫌われることもあるが、これまで同様、私は発言し続ける」  

(聞き手・藤えりか)

 Oliver Stone 1946年生まれ。従軍したベトナム戦争を題材 にした「プラトーン(副島隆彦注記。本当は、platoon で、プラツーン。一個小隊、14人ぐらい)」 、「7月4日に生まれて」でアカデミー監督賞。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦 拝