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Loginはこちら【1832】[2185]北朝鮮のミサイル発射と、アメリカ トランプ大統領のツイッターについて思ったこと
「諸悪の根源、ローマ教会、キリスト教」とマスメディア。その陰険な手口、やりくちたるや、全くそっくりだと「2174」で私は書いた。
が、ここのところのマスメディアの余りの発狂ぶりに、しつこく文句を言う。8/29(火)早朝、北朝鮮のミサイル発射大騒ぎ。そのわずか二日後、8/31(木)民放テレビ(TBSだったと思う)朝7時のニュースだ。トランプ大統領が「アメリカはこの25年間、北朝鮮にお金をゆすり取られ続けてきた…。」とツイッターで暴露した。その映像が流れたのだ。本当にびっくりした。
(もちろん私だけでなく、日本中でかなりの視聴者が見ていただろう。)
ところがだ。「そんなの嘘だ。トランプ大統領の作り話だ。」とかの反論さえも全くなし。完全無視、素通りだ。全く議論がない。
隣の韓国でも、こんな重大なニュースなのに、何の反応もない。日米韓、重要な関係国ではないのか?
「属国、日本論」副島先生の(1997年5月初版)、2005年6月五月書房改訂版の15ページ、1.「属国日本を検証する」の中の「なぜ真実を隠ぺいするのか。」から16ページの最後の2行、…韓半島情勢や台湾海峡情勢に接するにつけ アメリカ軍が頼もしいと思う。しかし、もしこれらの情勢自体が大きな視点から見れば作られて演出されたものであったとしたら…。と思う。とはっきり何と20年以上前に指摘。そして21ページのアメリカと北朝鮮の八百長交渉の一覧表だ。もちろん、表向きは対立しながらも、根気よく他国にばれないように、裏ではしっかり協調している。まるで昔のプロレス中継そのものだ。
そして22ページ、サブタイトル「北朝鮮核疑惑と韓半島情勢」から24ページ4行目から、アメリカが北朝鮮のミサイル脅威を日本政府に伝えて驚かせたのには、二つの理由がある。北朝鮮の核疑惑騒ぎは、1993年3月にIAEA(国際原子力機関)が、北朝鮮が核兵器用プルトニウム抽出に成功したらしいと報告した時に始まる…。さらに同24ページ15行目に…北朝鮮は大きくはアメリカの管理下に入ったのである。…北朝鮮を瓦解させないようにさせているのはアメリカである。…そして決定打が次の25ページ一行目から9行目の中のW.S.J(ウォール ストリート ジャーナル)紙、1994年10月24日付.「米朝合意は北朝鮮の金体制が崩壊すべきだった時期に、アメリカが資金を提供して、これを支えたと歴史に記録されるだろう。」…。
随分と長々と 副島先生の本から引用したが、先ほどの24ページの年代別一覧表に戻るが、トランプ大統領が「25年間アメリカは北朝鮮にお金をゆすり取られてきた…」は、その年数がぴったり合致している。その25年前とは、まさに1992年1月のIAEAとの保障措置協定調印から始まっていた。まさにこれ、ぴったり25年だ。
翌1993年3月北朝鮮がNPT脱退を表明。そして同年6月米朝協議第一ラウンド開始だ。要するに、この25年間 日本は「つんぼ桟敷」だ。もちろん日本のテレビ、新聞なんか戦時下の報道管制よろしく きっちり統制されて、重大な真実を国民に知らせようなんて、これっぽちもない。
それが延々と今現在まで続いていると言うことだ。それでも副島先生だけが孤軍奮闘だ。1997年出版、つまり今からなんと20年も前に「属国、日本論」で本当の真実を国民に伝えようとしたのは驚きだ。しかし、この大功績を全く無視の日本のマスメディア及び、出版界、言論界は陰険極まりない。その根底には、副島先生の功績に対しての激しい妬み 嫉みがあるからだ。これこそ、ローマ教会、キリスト教のクソ坊主の性根とそっくりだ。
ねじけた根性はは筋金入りだ。そもそも連中は日本の一般国民の事なんか虫けら同然だと思っているのだ。ほんの数日前は「北朝鮮がミサイルを飛ばしたぞ!日本中の土人ども、怖がれ、ビックリしろ!避難しろ!」と喚き散らしていたではないか。安倍大政翼賛メディアの大本営発表をだ。北朝鮮がミサイルを発射したのだから、てっきり日本国内に配備されている迎撃ミサイルで迎え撃ったものと思いきや、命中しないのが十分わかっているもんだから、発射ボタンなど押せるわけがない。(パック3なんかじゃなくて、ハッタリ迎撃ミサイルだ。)
日本政府は役立たずの迎撃ミサイルをアメリカに交換しろ(リコール)とは口が裂けても言えるはずがない。全く卑屈の極みだ。奴隷根性丸出しだ。先般エアバックのタカタはアメリカに言いがかりをつけられて、大金を巻き上げられたのにだ。挙句の果てに、潰された。25年間アメリカが北朝鮮を援助していたことを当然トランプは「俺のせいじゃないぞ!」(なぜなら大統領になったばっかりだ。当たり前だ。)と先手を打って釘を刺したのだ。そして返す刀で25年にさかのぼって(国家反逆罪)に該当する「責任者どもめ、これから俺がバシバシしょっ引いてやるからな。覚悟しろ!」だ。好戦派ヒラリー達や、ワシントンの腐れ官僚ども、そしてフェイクニュースのマスメディアどもに向かっての反撃だ。さすが強者トランプ、見事だ。あっぱれだ。そもそもトランプ大統領は覇権国、アメリカの代表だから、弱者であるところの北朝鮮を怖がるわけがない。まともな海軍、空軍が無い北朝鮮とアメリカが軍事的に対等のわけがない。
だから「ゆすり取られた…」とツイートしたのはトランプ流の皮肉だと思う。「どの国も民族も人種も平等です」なんて偽善的ヨタ話(きれいごと)を、ずーとたれ流して来た、日本(アメリカも)のマスメディア。したり顔の評論家どもはこのたびの突然のミサイル発射で どうしていいか分からずオロオロだ。アメリカの手先ばっかりやりすぎて。頭の中がピーマンそのものだ。何が専門家だ。全くの役立たずだ。さすがに、今更 民族、人種差別をあからさまには言えないだろう。せいぜいバカの一つ覚えの「中国を目の敵にして、腐して罵ること」だけだ。
8/29(火)の北朝鮮ミサイル発射騒ぎの時、日本のVI指数(市場の恐怖度を数字で表示する)が少し上昇して すぐ下落。アメリカのVIX指数(これも同じ)も、ちっとも動いてなかった。(バノン辞任の時は少し上昇したが)
要するに紛争当事国のはずなのに、アメリカは北朝鮮なんか歯牙にもかけていないということだ。(韓国人も、それほど騒いでない)日本だけが、大本営発表に踊らされて右往左往だ。あのハプスブルグ家の家訓に「戦争はよその国にやらせろ」があった。アメリカ帝国は長年、中東、極東アジアなどで、いわゆる「離間の計」「民族や国家などの分断作戦」近隣同士をお互い憎しみ、争わせ、紛争、戦争を演出してきた。
世界支配を続けようと、覇権国アメリカは日夜あの手この手で努力してきたのだ。だけどあのローマ帝国末期よろしく、アメリカ帝国も経済的にガタガタになってきた。諸行無常だ。もう隠しようがないぐらいだ。本当は米国債を紙屑にするとか しないとかでオタオタの段階だ。
去年の副島先生の予言 見事的中で「トランプ大統領誕生」。世界中(日本も)マスメディアはヒラリー当選確実とずーっと喚いていた。だが大変な番狂わせだ。だから去年の副島先生の本「トランプ大統領とアメリカの真実…トランプ大統領で決まり!」は、世界的な大業績だったのだ。これも副島先生から教わっていたが、アメリカの軍事強硬派は ヒラリー女大統領を頭目に、第三次世界大戦を画策し遂行しようとしていた。
「ウォー ブースト エコノミー」つまり、戦争刺激経済で米国の経済的破綻を突破するつもりだったのだ。IS、イスラム国も軍事強硬派のヒラリー一派が作ったのも、アメリカの国民は見抜いたのだ。だからトランプ大統領が選ばれたのだ。
どんでん返しを喰らったものだから、恒例のマスメディアと新アメリカ大統領の100日ハネムーンもへったくれもなかった。アメリカのマスメディアのほとんどが、トランプ大統領に向けて砲列を並べている。だからしょっぱなから今の今までずーとトランプ大統領攻撃の連続だ。
公平、公正な報道もへったくれもない。だけどアメリカの国民の多くは賢明で、日本土人みたいに洗脳されていないので、ちゃんとヒラリーの凶悪犯罪性を見抜いていた。それが「ロック ハー アップ!」(ヒラリーを逮捕、投獄せよ!)の怒号だ。(副島先生の去年の本)なのだ。
このアメリカ人の必死の叫びを、あの今を時めく評論家の池上彰氏は絶対に知悉していたはずなのだ。何故かというと、去年のアメリカ大統領選の終盤に、彼はアメリカ共和党の党大会の現場に、実況中継で出演。衛星放送で日本のテレビに映っていたからだ。その時のコメント中の顔が引きつっていたのを、今でも覚えている。彼はその時、それでもヒラリー優勢で当選だと言い募っていたのだ。もちろん、ロック ハー アップの怒号の怒号が飛び交う、その中でだ。つまり、箝口令が出てたのだろう。これこそ、不誠実極まりない態度だ。これが日本の奴隷マスメディアの限界だと言ってしまえば、それまでだが。日本国民に対する、マスメディアの背信行為以外の何者でもない。副島先生がずーと孤軍奮闘してきた相手は、絶対に真実(核心)を隠ぺいする、この風潮に対してだ。
副島先生の鳴らし続けてきた警鐘が「アジア人同士戦わず、騙されるな、用心しろ、警戒せよ」だ。このことが今こそ、とても大切だ。我々日本土人が少しでも長年のアメリカの軛(くびき)から脱出できるか。それとも、このままずーっと卑屈な属国奴隷を続けるのか。ここでもニーチェの思想が生きる。デュオニュソス的なるもの。…何も哲学だのとそんなに難しく考える必要はないのだ。人生、各自できるだけ楽しく健康で生きる方がいいに決まっているではないか。苦行僧ではあるまいし、自分の体に鞭を打ち続ける、または打たれ続けて、それでどうなるものでもない。アホらしい。奴隷なんてクソくらえだ。どうしてもやりたい奴が、自分で勝手にやればいいのだ。と、思う。
前回と同じく、自分勝手にあれこれ文句の言いたい放題となってしまいました。
【1831】[2184]今こそ姥捨山の復活を 6
業界用語で『便こね』という言葉がある。ボケ老人は、自分のオムツをいじって、そこいらじゅうクソまみれにする事が珍しくない(その後始末をするのは、介護士である。後始末をするだけでは無い、後始末する為には、暴れ回る老人を、取り押さえなければならない。だから、介護士は、生傷が絶えない。だからといって、労災など下りない。そんなの当たり前、である。そして殆どのボケ老人の家族は「うちのお母さんは暴力なんて振るわない、介護士が虐待しているから、そういうことをするんだ」という発想をする)。自分のクソを食べるボケ老人を「あんな汚い事してて、よく病気にならないわね」と介護士仲間みんなが言うので「何言ってんのよ、みんな同じだよ。結婚してる人は、日常的に、あそこ舐めたりしてんでしょう、でも病気にならないじゃない」と言ったら、みんなニヤニヤして黙った(笑)。
『俗ニーチエについて付記』続き
2161『俗ニーチエについて』で、副島先生は「この手の悪賢い女(専業主婦だけでなく、共働き女性も入れた結婚している女全部の事か?)は、男と競争して、自分の力で生きようなどとは、金輪際思わない(私も、男と競争する気など、全くない。何度でも言うが、人間の原型は女であるというのが事実だ、と知る私に、男と競争する、イコ―ル男は女より上だから勝ちたい、なんていう前提は無い。以前、私の嫌いなある女が、私は負けず嫌いだ、と言うのを聞き、そういうことを言うヤツは、そう言った時点で、既に負けている。本当に自信があるヤツは、勝ち負けになどこだわらない、と自分で言って、本当にそうだと気付き、以後、自分が、勝ち負けにこだわりそうになると、自分のこの言葉を思い出すようにしている)。自分の力で生きる、という考えで、必ず苦しい人生になる労働者の女達=職業ウ―マン達を腹の底から見下している。副島の妻がそうである」と書いている。2178で私は言ったが、共働き夫婦が主流の昨今、小数派の専業主婦には「私は無職ですから」「暇な主婦ですから」と、後ろめた気な人が多いように見える。と言って、共働き女=仕事しながら結婚して子供産んでる女が一番エライ、といった風潮も、間違っている。はっきり言って、私は専業主婦だろうが共働きだろうが、どちらのタイプの女も、全く尊敬していない。「結婚制度になんの疑問も感じないでいられる人種」と、どちらも捉えている。「朱鷺が絶滅すると騒ぐのは人間だけ、当の朱鷺に、私は絶滅したくない、なんて欲は無い(笑)」「少児化問題など存在しない」と、以前私はチラツと書いたが、この辺については『俗ニーチエについて付記』の中では、これ以上言わない。
【1830】[2183]9月17日に副島隆彦の金融セミナーがあります
副島隆彦です。今日は、2017年8月29日(火)です。
私の次の金融セミナーのお知らせです。小(しょう)資産家、投資家の皆さん、来てください。これが申し込みの画面です。
http://kokucheese.com/event/index/484995/
先週26日の横須賀での講演会は、会場に入れないぐらいたくさんの人に来ていただきました。有難うございます。
私は、世界が次の転換期に入りつつあることを実感している。いつまでも、このまま奇怪な勢力に日本を好きなようにさせておいてはいけない。
今朝5時58分に、また北朝鮮がミサイルを発射実験した。
日本上空を通過して襟裳岬から東に約1180キロの太平洋上へ落下した。
テレビは、朝からずっと大騒ぎして、国民を怖がらせて煽っている。
北朝鮮に対しては、米・中・ロの3大国が話し合って、うまく処理(国際社会による強制執行)すればいい。日本に何かできるわけではない。
このこともあってか、安全資産である金(きん)相場が高騰し始めた。昨年11月9日以来の1322ドルをつけた。
為替も1ドル108円代で、円高が進んでいる。ビットコインやフィンテックの話もします。
私は、直近の状況を解説しながら、小(しょう)資産家、投資家の皆さんに、今後の世界情勢と日本経済の見通しを9月17日の金融セミナーで、力いっぱい話します。
私の次なる予言も飛び出すでしょう。
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「副島隆彦(そえじまたかひこ)の“予言者”金融セミナー 第14回」
*会場:浜離宮(はまりきゅう)朝日ホール
東京都中央区築地5-3-2 朝日新聞東京本社・新館2階
*日時:2017年9月17日(日)
*開場・受付/10:00~ 終了/17:00 (予定)
*受講料:15,000円(税込)/全指定席
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興味がある人は、以下から申し込んでください。
http://kokucheese.com/event/index/484995/
副島隆彦
【1829】[2182]『俗ニーチエについて』おまけ
適菜収氏の『新編はじめてのニーチエ(平成24年講談社プラスα新書刊)』を、先日読んだ(私は小女時代から、キリストの誕生を起点にした西洋の暦である西暦が嫌いで、なるべく元号を使うようにしてきた)。子供の頃から、欧米のものに対して「ああそうか、向こうは、キリスト教抜きには考えられない世界なんだな」と違和感を感じていたので、副島先生の『隠されたヨ―ロツパの血の歴史』の「ロ―マ教会が諸悪の根源」「カトリツクがこの地上で最悪の集団だったのだ」との指摘に、やっぱりそうか、と思いつつ、根本で、日本人で、キリスト教信者でもない私に、キリスト教など関係ないと嘲笑っていた。が、そういう私も、キリスト教に(かなり)支配されていた一人だった、と気付いて衝撃を受けた。適菜氏によると『ニーチエの最大の敵はキリスト教と、キリスト教的な考え方の全て』『日本人も含めて殆どの人がキリスト教の世界に住んでいる』『私たちは無意識のうちに、キリスト教的な考え方、行動パタ―ンに巻き込まれている』、民主主義、社会主義、平等主義等も、キリスト教が生み出したイデオロギー、と。そして、ニーチエが「この2千年もの間、私たちがキリスト教徒であった事に対して、つぐないをしなければならない時代がやって来るはずだ(『権力への意志』)」と書いていたと知り、驚愕した。正に今日の、狂気のイスラム教主義者のテロに脅える欧米の事じゃないか、と。
適菜氏の「ニーチエは、『神は死んだ』と言いました。気の早い人はそれをもって『ニーチエは無神論者だ』などと言いますが、違いますよ。いないものは死にませんから」には大笑いした。適菜氏は「結局ニーチエは、楽しい世の中にしたかったのではないか?という事です」と書いている。にもかかわらず、どんなに頭が良くても、あまり楽しくなれなかったから、ニーチエは悲劇的な最後を遂げたのかな、などと思った。
【1828】[2181]シャーロッツビルの衝突事件と バノン主席戦略官の 辞任の問題を全体概観(アウトルック)する。
副島隆彦です。今日は、2017年8月24日(木)です。
トランプ政権の主席戦略官(チーフ・ストラテジスト)のスティーヴ・バノンが、8月18日に、トランプから解任されてホワイトハウスを去った。しかし、辞任の形をとって、今後も、バノンは、政権の外から(すなわち在野から)トランプを支える、と言った。
スティーヴ・バノン
この事件のことで、私、副島隆彦は、この一週間、深刻に考えていた。日本で私たちが「バノン解任(辞任)」を知ったのは19日だ。
あれから一週間が経(た)った。私は、アメリカ政治思想の研究者であり、トランプ政権のことなら、おそらく日本で一番深く知っている、と豪語している。だから、日本国内の新聞記者や、有識者程度の書いている物など、初めから歯牙にも掛けない。彼らは、私の文を読んで真剣に私から学べばいいのだ。
私は、アメリカのテレビのニューズ報道と、評論記事を20本ぐらい読んだ。
それで、ようやく大きく分かったことを書く。ここから、専門家たちも、日本政府のアメリカ分析、情報収集の係官たちも真剣に学びなさい。それが、日本国(民)の利益、=ナショナル・インタレスト だからだ。
以下に、私の頭の中に結実した「シャーロッツビルの衝突からバノン辞任まで」の全体像を、まず書くべき項目をポイントフォームで並べる。
1.バノン自身が不注意だった。バノンが、不用意に発言したことを公表されて、「アメリカン・プロスペクト」(左翼誌)に嵌(は)められた。
2.バノンの、ポピュリスト=アイソレイショニスト=リバータリアン的 「アメリカのための戦い、戦争」は正しい。 エスタブリッシュメント(支配階級)との戦いは徹底的にやるべきだ。
3.だが、アイソレイショニスト(なるべく外国のことに関わるな主義。外国に軍隊を出さない主義 × 孤立主義 )の場合、いくら国内問題が優先だとしても、世界との整合性で問題が出て齟齬(そご)が起きる。
4.バノンだけが、「(北朝鮮が核を棄てるならば)在韓米軍を撤退させてもいい」と言ったのではない。キッシンジャー博士だ。北朝鮮の核兵器問題は、どうしても軍事的な解決に向かう。
5.リー将軍の銅像を引き倒した、リベラル過激派の勝利では無い。あの行動は、アメリカの本物の白人庶民たちを、重低音のところで怒らせた。「(衝突した)両方に責任がある」のトランプ発言が正しい。
リー将軍の銅像が撤去される
6.「リー将軍は、人種差別主義者だ、奴隷制度の擁護者だ」をスローガンに、英雄の銅像というヘリテイジ(国民の遺産)にまで手を掛けたら、本物のアメリカ国民は怒る。黒人やヒスパニックでも長年白人社会に同化して、しっかりとした暮らしをしている者たち(リバータリアンの黒人やヒスパニック層)も、堅実な白人層と同じように怒る。
7.南軍旗(ザ・コンデフェデレイション・フラッグ、テキサス州旗は一つ星で、この一種)まで議会の決議で、廃止、引き釣り下ろすことになる、と 本物の白人層アメリカ国民の激しい怒りに火がつく。
南軍旗(13の星は南部13州を示す)
8.現在の第5次KKK =ネオナチの集団の、「ヘイル(ハイル)・トランプ!」を、認めてはいけない。彼ら、貧乏下層白人の人種差別は、トランプ派の国民運動から排除し、叩きのめさなければいけない。
ネオナチ集団
9.トランプのバノン切りには、議会民主党(共和党とも)との裏取引、密約がある。これが一番、きたない。だが、これが現実政治だ。これで、トランプは、債務上限(デット・シーリング、予算通過の課題 )と、税制改革で、9月中の米議会の大荒れは、回避された。
10.トランプのバノン切りには、議会民主党とのゾッとするような裏取引、密約が確かに存在する。これが一番きたない。だが、これが現実政治だ。これで、トランプは、債務上限(デット・シーリング、予算通過の課題 )と、税制改革で、9月中の米議会の大荒れは回避された。
11.トランプは、中国の習近平と同じで、「(軍人たちよ)お前たちは、自分の仕事をしろGet work ! (死ぬのを覚悟で戦え)」演説をした(8月23日)。アフガニスタンへの増派(公表2千人、実際は一万人)を決定した。
12.バノンが、戦略家として提起した最も重要な、世界史規模で大きな問題は、中国とのことだ。 「アメリカは、中国の世界覇権(ワールド・ヘジェモニー)を許すのか。本当にこのまま認めてしまうのか」だ。 バノンは、このことで、大きな置き土産をした。「中国との闘いの、北朝鮮はその前座に過ぎない」と。
13.だが、それでも、今のアメリカで、最大の問題は、やはりヒラリーを裁判に掛けることだ。 ヒラリーたちMoonie= 統一教会の勢力を、世界中で追い詰めなければなければいけ ない、ということだ。バノンは、世界戦略家(ワールド・ストラテジスト)を気取って、足 下の最大の問題を見損なった。バノンの能力の足りなさの故に責任がある。
ヒラリー・クリントン
今なおバノンの勢力を実は怖れているヒラリー派民主党勢力は、トランプのバノン切りで、 決して安心できない。有頂天になれない。
副島隆彦です。以上が、この問題の全体概観(アウトルック)である。これらを、今からひとつずつ検討してゆく。まずバノン辞任の新聞を載せる。
(転載貼り付け始め)
●「バノン氏、政権外から支援 「トランプ氏敵と戦争」」
2017年8月19日 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170819/k00/00e/030/300000c
18日に米大統領首席戦略官を退任したバノン氏は、極右思想を掲げるニュースサイト「ブライトバート」の会長職に即日復帰。ブルームバーグ通信の取材に「トランプのため戦争をする」と宣言し、「敵は議会やメディア、大企業にいる」と述べた。
トランプ氏の最側近として政策理念や中長期戦略を担当したバノン氏は今後、自身のメディアを通じた言論活動で政権を支援する構えだが、その過激な言動が政権の波乱要因になる危険性もはらむ。
移民排斥などトランプ政権の過激な政策を主導してきたバノン氏を巡っては、保守穏健派も取り込んだ本格政権形成の妨げになるとして、更迭論が高まっていた。退任に追い込まれた形のバノン氏が「反トランプ」に転じるのではとの観測が広がっていることに関し、バノン氏はブルームバーグの取材に
「誤解のないようにはっきりさせたい。私はホワイトハウスを去りトランプのため、彼の敵と戦争する」と強調した。 一方で、バノン氏は保守系ウィークリー・スタンダード誌の取材に「自由の身になった私は再び武器に手をかけている。相手を破壊する」と宣言。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。事実の概要を載せた。それでは、前記の 4.から7.までを検討する。
アメリカのトランプ支持者の中のポピュリストたちアメリカの真面目な国民の各層が、バノン辞任(解任)で激しく動揺した。それに対して、エスタブリッシュ(支配階級)のアメリカ人たちは、喜んだ。
そして、その他に、頭の悪い偽善的なリベラル派である、アメリカ民主党支持の中の半分ぐらいの頑迷な連中は、バノン解任で、トランプ政権に打撃があり、トランプ政権内部の分裂だから、これを驚喜して喜んだ。 だがこの見方は単純だ。
自分たちが、敵を包囲していたら、どうも、その外側から自分たちの方が大きく、国民から包囲されていることに気づいていない。囲碁(いご)の恐ろしさを分かっていない。
記事をもうひとつ、BBC (英国国営放送局) の記事が、出来が良かったので、その重要な部分だけを載せる。一番後(うしろ)に全文を改めて載せる。
(転載貼り付け始め)
●「 ホワイトハウスのバノン戦略官、解任 右派メディアに戻り「トランプのために戦う」」 BBC
Steve Bannon fired as Trump White House’s top strategist
2017年8/19(土) BBC
(冒頭部分 略) 大統領自身も激怒
リベラル系雑誌「アメリカン・プロスペクト」に今週掲載されたバノン氏のインタビューが、トランプ大統領を激怒させたという報道がある。
この記事の発言で、バノン氏は、「北朝鮮問題の軍事解決はあり得ない」と述べるなど、トランプ氏のこれまでの姿勢を否定するような発言をした。さらにバノン氏は、「米国は、中国と経済戦争を戦っている」と述べ、「私は、政権内の対中国穏健派を追い出すつもりだ」などと同誌に話している。
バノン氏は、同誌の記事が発表されると、「自分は記者とオフレコで雑談していたつもりだった。発言が記事に使われるとは思っていなかった」と弁明したという。
バノン氏はこれまでにも、「米国の貿易赤字を減らすため中国など諸外国に追加関税を課すべきだ」と主張。またイスラム教徒が国民の多数を占める一部の国について、米国への入国禁止措置を推進してきた。
(8月12日のヴァージニア州の)シャーロッツビルでの衝突について、そのきっかけとなった南部連合の像の撤去について、バノン氏は、米紙ニューヨーク・タイムズに敵意を顕わにして、「左派は、何もかも人種差別だ と言いたがっている」と批判。「もっとやれ、もっと銅像を引き倒せ。そうしたら革命が来るぞ。どんどんやってほしい 」などと挑発的に発言していた。
(転載貼り付け終わり)
このように、南北戦争(1961-64)の南軍(南部13州。ザ・コンフェデレイション)の総大将(最高司令官)だったリー将軍が、黒人奴隷制度の支持者であった(そうでない、との反論も多数あり)ことを理由にして、南部の諸州に、今も500体ぐらいある、リー将軍や、その他の南軍の悲劇の英雄の軍人たちの、銅像(スタチュー)をロープに掛けて引き倒す、ということを、リベラル過激派たちは、実際にやった。私は、一瞬、テレビでその引き釣り倒される映像をテレビで見た。
これをやったら、終わりだ。アメリカ国内は戦争になる。私の尊敬する 評論家のパット・ブキャナンが、「アメリカは第二次南北戦争(内乱。内戦。シビル・ウォー)に突入した。さあ、あなたはどっちの側に付くのか?」と意見表明した。
パット・ブキャナン
黒人差別の 奴隷制度支持者の、人種差別主義者である、南軍の将軍たちの銅像を各州で、どんどん州議会の決議で、撤去しつつある。さらには、今も南部の各州で議事堂の前に翻っている南軍旗(13州の13個の星が、クロスしてある青の旗)を、議事堂や市役所の前から撤去する、というのはやり過ぎだ。静かに分からないように銅像たちを撤去した州もある。
これらの銅像は、アメリカ国の重要な歴史遺産(ヘリテイジ)である。自分たちの過去を否定することだ。 たとえば上野山の西郷隆盛の銅像が、引き倒される、というになったら、日本人はどう考えるか? おそらく激しい争いになる。敗戦の時に、日本の明治の元勲たちや軍人たちの銅像は、静かに徐々に撤去されたから問題は無かった。
しかし歴史遺産の銅像を引き倒すというのは、やり過ぎである。リベラル派の過激派が、黒人の活動家やイスラム教徒の過激派や、ヒスパニックの違法移民の不良のような連中と一緒になって、こんなことをしているのだ。「お前は、人種差別主義者か?」と、公開の場で問い詰められたら、議員たちは脅える。
それをハーヴァード大学の歴史学者のような、頭の悪いリベラル派がやっている。 「人種差別や黒人奴隷制を認めてきた者たちを、これまで英雄として賛美してきたのは間違いだ」で、リー将軍の銅像の引き倒しを、支持していた。なんということか。
それに反対して、ヴァージニア州(南軍の首都だった都市リッチモンドがある。何と、南軍の首都は、北軍のワシントンから200キロぐらいしか離れていないのだ。こういう事実を日本人は知らない) のシャーロッツビル のリー将軍の銅像を守れ、と集まった、危険な右翼人間たちである第5次KKKは、見るからに極端な、馬鹿そうな過激派である。日本のネトウヨのような連中だ。
8月12日のシャーロッツビルの集会には、 “ Heil Trump ! ” 「ハイル・トランプ!」とナチスのヒットラー賛美の感じでトランプ支持を演出していた。中には、本物のマシンガンを携行して野戦服もどきを着た、ミリシア Militia ( だが、このコトバは合衆国憲法の中に有る)と呼ばれる右翼民兵の集団もいた。
シャーッロッツヴィルでの衝突
この者たちに賛同したらいけない。それを、8月12日、13日、14日の トランプは発言で、「両方とも悪い(ケンカ両成敗)」という発言で、トランプが、彼ら極右の人種差別主義の、白人優越主義( White supremacy ホワイト・シュープレマシー)を唱える、ホワイト・シュープレマシスト(白人優先主義者)=第5次KKK たちへの一定の理解を示した。
KKK(クー・クラックス・クラン、クランズメン)も、第三次KKKまでは、本気の南部のアメリカ白人たちの切実で正直な主張を代表していた。だから正義だった。その一つが、徹底したローマカトリック教会への怒りだ。 この地上で最大の偽善者であるPope ローマ法王 を糾弾する Non- Papism ノン・パピズムの立場をはっきりと表明していた。
KKK
トランプが極右たちに理解を示した、と、いうことで、大企業の経営者たちで、トランプの経済人諮問会議のメンバーたちが、一斉に辞任した。メルク・ファーマという巨大製薬会社の会長とか、だ。トランプは、即座に、「(この野郎。)メルクは、国民のために、もっと薬価を下げろよな」と威嚇的な反撃をツウイッターでした。
Fake News フェイク・ニューズ である NYTims(ニューヨークタイムズ紙)や、Wopo (ワシントンポスト紙)や、CNNたちを、トランプは、ずっと、このウソつきメディアどもめ、と ずっと、ずっと叩き続けている。大統領ともあろう者が、主要メディアと、ずっと、言論戦で、毎日、最先頭で激しく争って闘っている。これがすばらしいことである。
本当に、これが凄(すご)いことで、世界中で、毎日、トランプ・ツウイッターを見ている人は、フォロワー登録している者たちだけで、3千6百万人だ。しかし、フォロワー以外にも見ているから、その3倍はいるから、実に1億人が見ている。
https://twitter.com/realdonaldtrump
を、皆さんも見に行って下さい。この英文の中身が、しっかりした解説なしで分かるようになれば、最先端の世界の動きが分かる。あなたは政治知識人になれる。
本当に、ニューヨーク・タイムズ紙などの、フェイク・ニューズ「ウソつきメディア」たちは、やがて要(い)らなくなる。人々に嫌われて経営が成り立たなくなり、破綻、倒産して、消えてなる。本当にそうなればいいのだ。日本も同じだ。
まさにトランプが、毎日、言っているとおりだ。「今にも潰れそうなニューヨーク・タイムズが・・」 「税金を全く払っていないアマゾン・ジェフベゾス(が持っている)ワシントンポストが、・・・」と。
「お前は人種差別主義者なのか」と、脅されたら、誰もが言い訳、反撃できないのだから、そういうおかしな言葉で、攻撃される、場所(アリーナ)での政治的な争いが起きる場所を、初めから慎重に避けなければいけない。それなのに、今回のシャーロッツビルでの両派の衝突のような事件は必ず起きる。それは十分に想定されたことだ。
「リー将軍の銅像を守れ」の極右(きょくう。エクストリーム・ライト)たちの集会に、頑迷な急進リベラル派が、デモで押しかけて殴りかかった。これをカウンター・デモンストレイションと言う。他人の集会に襲撃を掛けてきたのだ。真ん中に警察が割って入って、両方を押しとどめていた。
リー将軍の銅像を守る警察
この急進リベラル派からの襲撃に対して、頭の悪い白人の、いかにも貧乏そうな、職もない社会適応性もない20歳の青年が、カッとなって自分の車で突っ込んだ。
こういう、「俺さまは、白人さまだ。お前たち有色人種や、外国人とは違う」、「自分は、もっと恵まれた暮らしが出来るはずなのだ。あいつらが私の職を奪っている」という鬱積した不満から、リベラル派の中に突っ込んで、女性一人をひき殺して捕まった。母子家庭で育った軍隊からも不適応(ミスフィッツ)ですぐに追い出された若者だった。こういう貧乏下層不満分子白人ほど、小さい頃から、黒人やヒスパニックと同じ住居区で暮らしているので、人種差別を公言するようになる。
アメリカのリベラル派は、現在、大きく二つに割れている。真面目に物事を考え、堅実に生きてる人たちがいる。バーニー・サンダーズ議員を大統領選挙で支持した。だから、ものすごくヒラリーを嫌った。穏やかでまともなリベラル派の若者たちだ。
バーニー・サンダース
それに対して、あくまでヒラリー派に属して、統一教会(ムーニー)がたくさん潜り込んできて(日本の自民党のように。全くそっくりだ )、この危険な宗教団体に内部から乗っとられている。それがアメリカ民主党の本部を選挙している。人格の下劣な、鉄面皮のヒラリー派リベラル派である。彼らは、グローバリスト(世界をアメリカがこれからも管理してゆくべきだ主義。戦争をどんどんやっていいと言う。)だ。
私、副島隆彦は、バーニー・サンダーズを熱烈に応援した、真面目なリベラル派の働く女性や、貧しい学生たちの味方である。彼らはいくら何でも、共和党の、あのドぎたない経営者ビジネスマン)上がりのトランプを応援できない。が、それでも、ヒラリーはあんまりだ、と分かっている。
ヒラリーは、大戦争を始める、と知っている。自分たちの夫や、恋人、息子が戦争に取られる(徴兵令。ドラフト draft 「無理やり引っ張ってゆく」という意味)と分かっている。だからヒラリーが大嫌いだ。
それに対して、フェイク(にせ者)で偽善者で、今でもヒラリー派リベラル派であるジャーナリトたちは、「バノンたち、オルト・ライト(新式の保守。右翼ネット言論)は、KKKであり、ネオナチだ」と、鬼の首を取ったように、ここぞとばかり、シャーロッツビルの衝突と、バノンの辞任を引っかけて、一緒くたにして、「オルト・ライトのブライトバート Britebart の バノンが、人種差別主義者の本性を現わした」と書いた。日本でもこれに追随する新聞記事が、たくさん出た。
バノンは、「あんなKKKやネオナチたちは、叩きつぶしてやる。俺たちの国民運動とは全く別だ」と強く批判した。それでも一緒くたにされてしまう。
ここからが、重要な問題だ。ところがこの極右の「リー将軍の銅像を守れ。引き倒されてたまるか」の運動の、まわりに、今、じわーっとアメリカの白人たちの多くの共感がにじみ出るように、アメリカ社会に出ている。
だから、「トランプがケンカ両成敗、どっちも間違っている、と言ったのは、大きな過ちだ」と、したり顔で、「自分は、人種差別はしません。自分は温厚な人間です」と、トランプを批判した、議員や大企業経営者たちの方が、分が悪くなりつつある。
いつものとおりの、自分の利益しか考えない、偽善人間として、アメリカ人の多くから冷たい目で見られてはじめている。 「英雄たちの銅像の引き倒しまでは、いくら何でもいかんよ」と、アメリカ国民たちが思い始めた。だから、トランプの穏やかに、両方を批判した態度が正しかったのだ。だから、今回もトランプの勝ちだ。
その前の、6月、7月の闘いであった、あのロシア疑惑。ロシア政府が、アメリカ大統領選挙に干渉(collusion, コルージョン、colluded コルーデッド。 腐敗、疑惑、癒着、共同謀議 )した、という、民主党からの攻撃は、何の証拠も出ることがなかった。
ただの、嫌がらせの、自分たちヒラリー防御派の、自分たちが凶悪な犯罪者であることの隠蔽(いんぺい)のためのキャンペーンであることがバレてしまった。みんなシラケた。だからここでもトランプの勝ちだった。
ヒラリー勢力は、自分たちが今も乗っ取って「女の時代」をまだ推進している(だから、日本に、小池百合子政権を作らせる計画でずっと、着々と計画通り、動いてきたのだ。ところが、本家の本丸で、ヒラリーが負けてしまった)
している民主党の党本部(DNC, ディー・エヌ・シー 民主党全国委員会 )の職員たちの中の、真面目な者たち30人ぐらいの人殺しまでやった。彼らを「組織からの脱落分子」として、本当に“.消して”しまった。
民主党本部の職員だった セス・リッチ氏の殺害がその代表例だ。 彼らを口封じで殺した。彼らが真実を、FBIや、ウィキリークスの弁護士に車で伝えに行く途中で、これを阻止して、何と首都ワシントンの中で公然と次々に殺したのだ。
本当に、心底、悪いやつらだ。デビー・ワッサーマン・シュルツという。この女が、DNCの前の委員長で、バーニーサンダースを追い落とすきたない工作をしていたことが露見して、それで糾弾されて辞任した。
デビー・ワッサーマン・シュルツ
ところが、フロリダ州のマイアミ地区から今度の選挙で当選して、いけしゃーしゃーと、堂々と居直って、今も下院議員をやっている。 稲田朋美のような女だ。ヒラリーたちは、凶悪犯の犯罪者たちだ。今の地球上で、最悪の悪魔の宗教集団 death cult 「 死のカルト集団」の構成員たちだ。
冒頭の項目の 1.から3.について。 ここでは、前の方に引用した、BBCの記事の中の、以下の部分が大事だ。
「リベラル系雑誌「アメリカン・プロスペクト」に今週掲載されたバノン氏のインタビューが、トランプ大統領を激怒させたという。・・・・バノン氏は、同誌の記事が発表されると、「自分は記者とオフレコで雑談していたつもりだった。発言が記事に使われるとは思っていなかった」と弁明した。
副島隆彦です。やはり、バノン自身が甘かったのだ。リベラル左翼雑誌の記者にまんまと騙されて、不用意にしゃべったことが、そのまま記事にされたのだ。政府の高官である自分の立場を弁(わきま)えずに、ぺろぺろと本音を気軽にしゃべってしまった、ステイーヴ・バノンの軽率さだ。
このために、バノンは、ホワイトハウスを去らなければいけなかったのだ。私、副島隆彦は、こういうことは冷酷に判定する。
私自身も、これまでに、大事な公的な場所で不用意に発言して大失敗して、あとで後悔したことが何回かある。「言わなければ良かった」と、あとになって反省しても遅い。 私は、バノンと全く似たような。人民主義者(じんみんしゅぎしゃ。ポピュリスト)の性格をしている人間だから、彼の言動がまるで自分のこととのように、手に取るように分かる。
それでも政治的な大失敗であり、自分への打撃となる。ヒラリー系の悪魔の宗教団体に取り憑かれている敵どもは、こういう穢(きたな)い手を使ってでも、味方勢力を陥(おとしい)れに来る。ここではバノンが大失敗したのだ。あとになって、いくら大げさに、強がりで、吼えてみてももう遅かった。
前記のBBCの記事に、以下の部分が挟(はさ)まっている。 これがここが重要だ。
(転載貼り付け始め)
この記事の発言で、バノン氏は、「北朝鮮問題の軍事解決はあり得ない」と述べるなど、トランプ氏のこれまでの姿勢を否定するような発言をした。さらにバノン氏は、「米国は、中国と経済戦争を戦っているのだ」 と述べ、「私は、政権内の対(たい)中国穏健派(ちゅうごくおんけんは)を追い出すつもりだ」などと同誌に話している。
バノン氏はこれまでにも、「米国の貿易赤字を減らすため中国など諸外国に追加関税を課すべきだ」と主張。またイスラム教徒が国民の多数を占める一部の国について、米国への入国禁止措置を推進してきた。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。このバノンの発言は、このあとも、ずっと重要だ。戦略家であるバノンは、アメリカが、今後も世界一の繁栄(はんえい。プロスペリティ)を続けるためには、中国を、今のうちに叩きのめしておかなければいけない、と、信念としても、思っている。
だが、これは、今のトランプ大統領の関心事と、目先の世界政治の緊要(きんよう)からは、かけ離れている。 トランプは、「バノンよ。そういうわけにはあ行かないのだ。
私は、中国の習近平と話し合って、北朝鮮の核保有を止めさせて、あの体制を変更しなければいけないのだ」 と、 「中国との貿易交渉=経済戦争(エコノミック・ウォー) を優先させることはできない」と何度もはっきり言ったはずだ。それでも。バノンが、引き下がらなかった。だからクビを斬られた。
来年(2018年)の4月頃に、アメリカは、北朝鮮の核関連施設に、一斉の爆撃をする、そして、中国軍(15万人から20万人の兵力)が北朝鮮に侵攻して平壌(ピョンヤン)の体制を作り替えるだろう。これは、副島隆彦が4月に行った予言である。
8月23日に、トランプは、〇〇基地での演説で、「私は方針を変えた。アメリカは軍隊を外に派遣して軍事面からも国力を維持しなければいけない。皆さんは、軍人としての勤めを果して戦ってください。あのタリバーンどもを殺しなさい」と演説した。
これで、トランプは、選挙公約であった、アイソレイショニズム、すなわち、「アメリカは、もう国内に帰ろう。諸外国のことにはあまり関わりたくない。軍隊もどんどん国内に撤退させる。お金がかかって仕方が無い。もうそういう余裕が、アメリカには無いのだ」を放り投げた、ということだ。
アフガニスタンには、今の6千人?に加えて、2千人の増派としているが、本当は一万人ぐらいを送るだろう。 この決断があっても、トランプ支持者たちはトランプから離反しないだろう。
4.の 「北朝鮮と取引(交渉)して、核兵器を廃棄する、ことと引き替えに、韓国にいる米軍3万人ぐらいを、撤退させてもいい」というバノンの、迂闊(うかつ)な発言は、決して彼だけのものではない。キッシンジャー博士が、この政策の理論を作っている。今日はここには、それを紹介できない。
それよりも、バノンが、「中国との経済戦争(エコノミック・ウォー)の方が大事だ。北朝鮮(の問題)は、その前座(ぜんざ)に過ぎない」と言ったらしい、ことの重要性である。
「敵を取り間違えるな」論というのは、歴史的な、大きな政治学の論文では必ず出てくる。
第2次大戦(WWⅡ)のときも、「ドイツが主要な敵なのではない。ロシア(ソビエト)こそがアメリカの敵なのだ。それなのにロシアと手を組んで、ドイツや日本を挟み撃ちにする、というには間違っている」という理論である。
これは、そのまま、項目 12.の問題である。
12.バノンが、戦略家として提起した最も重要な、世界史規模で大きな問題は、中国とのことだ。 「アメリカは、中国の世界覇権(ワールド・ヘジェモニー)を許すのか。このまま本当に認めてしまうのか」だ。
この重要な問題を、これから、私たち日本人もアメリカ国民と共に、真剣に考えなければ済まない。 この「中国が次の世界覇権国=世界帝国 になる、そして、他の国々は、その属国=従属国=子分の国になる、ことを、許すのか」の問題では、私、副島隆彦は、残炎ながら(笑)、すでに、「どうせ中国が、もっともっと大きくなって、世界を支配するのだ。
これは、好き/ 嫌いや、善 / 悪や、 正しい / 間違い や、ものごとの 優 / 劣 の問題ではなく、すでに、そのように進んでゆく、と冷静に未来予測をすれば、決まっていることである」と、10年前から、はっきりと予測(予言)している。すでにそのための本を10冊ぐらい書いている。 だから、私は、スティーヴ・バノンたちアメリカの素朴な民衆の愛国派とは、ここでは始めから考えが合わない。
そして、最後の 項目 13.である。
13. だが、それでも、今のアメリカで、最大の問題は、やはりヒラリーを裁判に掛けることだ。 ヒラリーたちMoonie= 統一教会の勢力を、世界中で追い詰めなければなければいけない、ということだ。
バノンは、世界戦略家(ワールド・ストラテジスト)を気取って、足下の最大の問題を見損なった。バノンの能力の足りなさの故に責任がある。 今なおバノンの勢力を実は怖れているヒラリー派民主党勢力は、トランプのバノン切りで、決して安心できない。有頂天になれない。
副島隆彦です。最後の結論として、私が、13.を置いたことを理解できる人だけ、理解してくれればいい。バノンは、戦略家(ストラテジスト)として一番大事なことを忘れている。
今のアメリカ政治で、そして、日本を含めて、最大の問題、第一番目の緊要な問題 (プライマリー・アジェンダ primary agenda )は、ヒラリーを捕まえて裁判にかけて、議会でも裁判にかけて、そして投獄することだ。
この問題を、二の次 (セカンダリー。 secondary 二義的。ファーストではない)とすることは、政府にいて政策を実行する者(ポリシー・エククキューター policy executor )としては失策である。
トランプは、急いで軟弱分子のジェフ・セッションズ司法長官(セクレタリー・オブ・ジャスティス 。アメリカでは、検事総長=けんじそうちょう=を兼ねる)のクビを他に人にすげ替えて、ヒラリー・クライム(犯罪)の捜査を推し進めなければいけない。
ここに、全てのアメリカ政治の最大の重心が掛かっているのだ。ここが戦いの天王山だ。間違ってはならない。敵の所在と、敵の大将が誰かを見損なった者は大敗北するのである。
私は、「ポピュリスト勢力の代表である、バノンが、もしトランプとケンカして、ホワイトハウスを去ったら、トランプ政権は長く保(も)たないだろう。片肺(かたはい)飛行になる」と、4月頃から周囲に公言していた。 それでも、
上記の総合的な分析と全体概観(アウトルック)の文を書いて、私は、日本の国家戦略家である頭の中で、「それでも、トランプは、まだまだ闘える」と結論を出した。
副島隆彦拝
(以下に資料としての新聞記事 の 転載貼り付け始め)
●「バノン氏:米大統領のために戦う-議会やメディアの敵に対し」
Bannon Says He’s ‘Going to War for Trump’ After White House Exit
2017年8月19日 ブルームバーグ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170819-06294984-bloom_st-bus_all
トランプ政権の首席戦略官を退いたスティーブ・バノン氏は保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」に18日に戻った後、米大統領のために「戦いを始める」と述べ、同サイトの主張に反対する人たちへの闘争を強めると言明した。
バノン氏は同日、ブルームバーグ・ニュースに対し、「混乱があるなら明確にしたい。私はホワイトハウスを去り、トランプ氏のために議会やメディア、米国株式会社にいる同氏の敵に対する戦いを始める」と語った。首席戦略官の退任発表後、バノン氏が公的に発言したのは初めて。ブライトバートの声明によると、同氏は会長に復帰した。
バノン氏に近い関係者1人は同氏退任について、バージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義者の暴力行為に対するトランプ大統領の発言への批判とは関係ないと指摘。同関係者によると、バノン氏は今月7日に辞表を提出し、14日付で辞任の予定だったが、暴力行為後の混乱で発表が遅れていた。
同氏の退任でケリー大統領首席補佐官の立場は強化。また、政策をめぐってバノン氏としばしば対立したマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)やコーン国家経済会議(NEC)委員長ら、トランプ政権内でライバルだった人物を強めることになる。
●「バノン氏、政権外から支援 「トランプ氏敵と戦争」」
2017年8月19日 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170819/k00/00e/030/300000c
18日に米大統領首席戦略官を退任したバノン氏は、極右思想を掲げるニュースサイト「ブライトバート」の会長職に即日復帰。ブルームバーグ通信の取材に「トランプのために戦争をする」と宣言し、「敵は議会やメディア、大企業にいる」と述べた。
トランプ氏の最側近として政策理念や中長期戦略を担当したバノン氏は今後、自身のメディアを通じた言論活動で政権を支援する構えだが、その過激な言動が政権の波乱要因になる危険性もはらむ。
移民排斥などトランプ政権の過激な政策を主導してきたバノン氏を巡っては、保守穏健派も取り込んだ本格政権形成の妨げになるとして、更迭論が高まっていた。退任に追い込まれた形のバノン氏が「反トランプ」に転じるのではとの観測が広がっていることに関し、バノン氏はブルームバーグの取材に、「誤解のないようにはっきりさせたい。私はホワイトハウスを去り、トランプのために、彼の敵たちと戦争をする」と強調した。
一方で、バノン氏は保守系ウィークリー・スタンダード誌の取材に、「自由の身になった私は再び武器に手をかけている。相手を破壊する」と宣言
。政権内でこれまで対立してきたクシュナー上級顧問やマクマスター補佐官(国家安全保障問題担当)らを含め、バノン氏が「既得権益(ベステッド・インタレスト)層」と批判する勢力に対して、大規模な批判キャンペーンを展開することを示唆した。トランプ氏支援を表明したバノン氏だが、今後の同氏の言動やブライトバートの報道が、さらなる政権の混乱を招くおそれがある。
またバノン氏はウイークリー・スタンダード誌に、「我々が誕生のために戦い、勝利した『トランプ政権』はすでになくなっている」とも語り、「大統領を穏健路線に導こうとする動きが強まるだろう」と指摘した。
米国第一主義( 副島隆彦注記。割り込み加筆。アメリカ・ファースト! は、「アメリカの利益第一」という意味ではない。アメリカの国内問題を優先する主義である。割り込み終わり) の下、移民排斥や経済面での 孤立主義(副島隆彦、さらに割り込み加筆。アイソレイショニズム。 × 孤立主義 は誤訳。 国内問題優先主義 )など保守強硬の政策理念を共有してきたトランプ氏が転向した、と判断すれば、トランプ氏への攻撃も辞さない姿勢を示したものとみられる。
バノン氏は退任後、ブライトバートの編集会議にも出席。ブライトバートは18日配信の記事で「トランプ支持者たちは忍耐強く見守ってきたが、我々はドナルド・トランプが変節するか否か、近く知ることになる」と警告した。
●「 ホワイトハウスのバノン戦略官、解任 右派メディアに戻り「トランプのために戦う」BBC 」
Steve Bannon fired as Trump White House’s top strategist
2017年8/19(土) BBC
ホワイトハウスのバノン戦略官、解任 右派メディア戻り「トランプのために戦う」 解任や辞任の相次ぐドナルド・トランプ米大統領のホワイトハウスから、スティーブ・バノン首席戦略官(63)が去ることが決まった。大統領報道官が8月18日、発表した。
サラ・ハッカビー・サンダース大統領報道官は声明で、「ジョン・ケリー首席補佐官とスティ―ブ・バノンは本日(18日)、お互いに今日がスティーブの最終日になると合意した」、「彼の尽力に感謝する」と発表した。消息筋によると、政権はバノン氏に、自ら望む形で退任する猶予を与えたという。
海軍士官、投資銀行、ハリウッド・プロデューサーを経てバノン氏は、右派メディア「ブライトバート」を運営し、昨年の大統領選ではトランプ氏を強力に支持。昨年8月にトランプ陣営の選対責任者となり、「アメリカ第一」のメッセージ展開を推進した。今回の解任後は、再びブライトバートに戻る方針という。
ブライトバートは、バノン氏の復帰をただちに発表。編集長は「戦争」とツイートしたが、バノン氏はトランプ氏を支持し続けると発表した。
バノン氏はブルームバーグ・テレビに対して、「自分はホワイトハウスを去り、トランプのために、トランプの敵と戦争を始める。キャピトルヒル(連邦議会)やメディアや、アメリカの経済界にいる、トランプの敵たちとだ」と話した。
移民受け入れや人種対立などについて強硬策を進言してきたバノン氏は、トランプ氏の長女イバンカさんやイバンカさんの夫、ジャレッド・クシュナー氏のほか、トランプ政権内でも穏健派とされる幹部と対立を繰り返していたと言われている。
米バージニア州シャーロッツビルの衝突(8月12日)について、「 双方に非がある」と発言したトランプ氏は、その際、バノン氏の去就について「様子を見よう」などあいまいな発言を重ねていた。 シャーロッツビル衝突に対するトランプ氏の反応を受けて、大統領の諮問会議に参加する複数の企業経営者が相次ぎ辞任。トランプ氏は製造業評議会と戦略・政策フォーラムを解散した。
これとは別に、著名投資家カール・アイカーン氏が、8月18日、規制改革に関する大統領特別顧問を辞任すると発表した。自分の投資先に有利な助言をするのではないかと、その任用が問題視されていた。
大統領自身も激怒
リベラル系雑誌「アメリカン・プロスペクト」に今週掲載されたバノン氏のインタビューが、トランプ大統領を激怒させたとの報道がある。
この記事の発言で、バノン氏は、「北朝鮮問題の軍事解決はあり得ない」と述べるなど、トランプ氏のこれまでの姿勢を否定するような発言をした。さらにバノン氏は、「米国は、中国と経済戦争(エコノミック・ウォー)を戦っている」と述べ、「私は政権内の対(たい)中国穏健派 を追い出すつもりだ」などと同誌に話している。
バノン氏は、同誌の記事が発表されると、「自分は記者とオフレコで雑談していたつもりだった。発言が記事に使われるとは思っていなかった」と弁明したという。
バノン氏はこれまでにも、「米国の貿易赤字を減らすため中国など諸外国に追加関税を課すべきだ」と主張。またイスラム教徒が国民の多数を占める一部の国について、米国への入国禁止措置を推進してきた。
シャーロッツビルの衝突について、そのきっかけとなった南部連合の像の撤去について、バノン氏は、米紙ニューヨーク・タイムズに敵意を顕わにして、「左派が何もかも人種差別だと言いたがっている」と批判。「もっとやれ、もっと銅像を引き倒せ。そうしたら革命が来る。どんどんやってほしい」などと挑発的に発言していた。
今年初めにトランプ氏がバノン氏を国家安全保障会議(NSC)の常任メンバーに加えたことが、きわめて異例な措置だと注目されたものの、4月初めにNSCから外された。これは、H・R・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の影響力が政権内で拡大していることの表れだと受け止められた。
バノン氏はマクマスター補佐官のほか、ゲイリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長とも、対立を重ねていたとされる。コーン氏はかつてバノン氏が務めていた米投資銀行ゴールドマン・サックスの元社長で、経済戦争や対立的関係を推進するバノン氏と異なり、国際協調とグローバリズムを重視するとみられている。
バノン氏がホワイトハウスを通じて実現しようとした世界観に、特に強力に対立したのが、コーン氏とイバンカさん、クシュナー氏だと言われている。
<トランプ政権を去った人たち>
2017年7月31日――アンソニー・スカラムーチ広報部長
・7月28日――ラインス・プリーバス首席補佐官
・7月21日――ショーン・スパイサー報道官
・5月30日――マイク・ダブキ広報部長
・2月14日――マイケル・フリン補佐官(国家安全保障問題担当)
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
【1827】[2180]公共事業で揺れる人間関係を描いた「ひかりのたび」
六城雅敦です。今日は8月23日です。昨日澤田サンダー脚本・初監督の映画「ひかりのたび」を観てきたので、それの簡単な感想をかきます。
この映画は副島先生が長い感想を寄せられています。
(はりつけ始め)大きな泥臭いお金の話を正直にしないで作られて来た、これまでの社会派映画の限界が、この映画で明らかになった。人間の営み(人生)のあらゆる場面に、こういう交渉ごとと掛け引きがある。企業で働き続ける人間にも企業(経営者)や上司、同僚との日々の掛け引きがある。幼い頃から、そういう親の姿を見ながら、子供は自分の人生環境を運命(与件(よけん)。既に与えられてしまったもの)として引き受けながら生きてゆく。(はりつけ終り)
このようにパンフレットに記されているので難しい映画かな?と構えてしまいそうですが、実際は田舎らしくゆったりと時が流れる映画です。
例えるならば黒澤明の「生きる」に近いかも知れません。大資本による大きな社会問題ではなく、あえて身近な地域問題として過疎地の公共事業を描いた映画です。
出稼ぎ労働者の外国人も困惑の種となります。
脇を固める役者さんがとても自然で渋く、さすがプロなのだなあと思いました。
舞台は群馬県中之条町です。どんなところかというと群馬県のど真ん中で吾妻線という電車が走っています。
上越線・渋川からずっと山間部川沿いを走り、草津温泉、万座温泉へ行く路線ですが、東京からは新幹線を使っても二時間半はかかります。
利根川の上流に位置するので、悪名高き無駄な公共事業「八ツ場ダム」が建設されている場所です。
ずっとダム建設ですったもんだがあった土地で、30年前からずっと「水没するぞ、水没するぞ」と言われていた地区です。
だから観光業が発展することなく、昔からの温泉宿が路線沿いに点在するだけという場所です。
車でも行ったことがありますが、初冬でも山間部は降雪で凍結することもありますから、気軽に夏タイヤで行くと冷や汗をかくことになります。
市街地をはずれると山しか見えません。
東京から越してきた不動産ブローカーの父と娘の話です。
この父は大規模開発に先駆けて土地買収を行う先遣隊の役目であって、目的が達すればまた別の土地へ移り、再び土地をまとめ上げるという仕事を生業としています。だから父はよそ者であり、嫌われ役です。
売りたい事情、売りたくない理由、売らざろう得ない事情が元町長、若夫婦、息子を失った女にはそれぞれあります。
「土地取引はね、人それぞれの計り知れない心の内が見えてくるのだよ」
こんな台詞をブローカーの父(高川裕也)が吐きます。
やがて反対派であった人徳のある元町長も譲渡書に捺印するのでした。
土地ブローカーに屈服したからでしょうか?いえ、違います。
反対を続けても、やがて巡り巡ると土地とは手放すハメになるのです。また寿命もあり、いつまでも反対運動が続くわけにはいきません。 一抜け二抜けと承諾するものが現れてしまうのは当然です。
大規模開発や巨大公共事業に反対運動は無力となる現実です。
なぜならば個人の利害など大多数の声しか通らない世界では全く顧みられないから。
それと不動産ブローカーの父親はいちおう不動産の看板を出していますが、日中は何をしているかというとひたすら車にのって町内を走り回っているだけです。そして裏金をばらまくだけ。
こうして人心のゆれうごきをずっと待つのが仕事です。賛成反対のどちらにも顔が利く状態にしておくという商売のようです。
この映画は澤田サンダー監督の実体験もあるそうです。
土建王国・群馬県は今後も変わらないし、全国でも同じ状況なのでしょう。
土木業からの上納金が福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三、福田康夫といった首相を生んだ背景にあるというのは言わずもがな。
レストランでアルバイトをする主人公(志田彩良)の先輩が「あ~あずーっとこんなとこで働き続けるなんて考えてもいなかった」とぼやく場面があります。
「ひかり」を感じていないやさぐれたアルバイトの先輩と「ひかり」を見いだそうと懸命な主人公なのでした。
この映画を観て思うことは、自分自身が「私の故郷はどこか」と自問しています。東京都市圏に住む人々の大部分が根無し草です。
ここが故郷だと18歳で宣言できることは、いちばんしっかりした生き方なのではないでしょうか。
映画公式サイト:http://hikarinotabi.com/#home
【1826】[2179]8月26日に横須賀での講演会の会場の案内
副島隆彦です。 今日は、2017年8月20日 です。
下↓ でお知らせしました、来る8月26日の 横須賀市 での私の講演会の会場 への アクセスが、分かりにくいとのご指摘をいただきましたので、再度、お知らせします。
主催:立憲主義を守る横須賀市民の会 代表 一柳 洋
http://www.werk-yokosuka.jp/access
ヴェルク横須賀のアクセス
会場のヴェルク横須賀へのアクセスについては、上記地図を参考にして下さい。
またヴェルク横須賀地図で検索すると周辺地図を含んだ、案内が出てきます。
会場電話は 046(822)0202です。
電車利用の方は、京浜急行、横須賀中央下車。徒歩6分です。
お車の方は、会場駐車場が狭いので、近隣民間駐車場をご利用下さい(ネット検索してください)。
問い合わせ先、一柳 洋(いちやな ぎひろし)umihiro@bc.mbn.or.jp
です。よろしく お願いします。
副島隆彦 拝
【1825】[2178]今こそ姥捨山の復活を 5
癌は、放っておくと死に至る病、というのは大嘘だ。高齢者は、癌になっても死なない。この恐ろしい事実は、業界の人間なら、皆知っている。私は職場の介護施設で、癌にも関わらず、平気で何年も生きていた人を、何人も見ている。体が鈍い高齢者は不死身なのだ、癌になったって死ねない(こういう高齢者の死因は癌などではなく、ただの老衰だ。でも正直に老衰などと言っても、家族が納得しない、世間が納得しないから、医者は、肺炎などと適当な病名を付ける)。だから80過ぎた高齢者が手術を受けたばっかりに、手術の負担に耐えられず、寝たきり老人になって、介護施設に来る羽目になる、というのが珍しくない。「寝たきり老人」という言葉の実体を、業界外の人は知らない。意識もなく、体だけが生きている状態(ドデ―ンと寝っ転がった、カチカチに固まって変形した体。これが、介護側がいくら工夫しても、どんどん進行していく)に、経管栄養なるものを、日々、鼻チユ―ブか、胃ろうから流されて生かされる。
『俗ニーチエについて 付記』続き
2161『俗ニーチエについて』で副島先生は「女の中の頭の良い悪賢い者達は、たいてい本心は他人を突き放している。他人はどうせ自分の思い通りにはならない、という事を受け入れている(そして、この悪賢い女達は、極めて上手に男を一人自分の奴隷にして、この男に寄生して、楽をして一生を終える」と言っているが、結婚している者でも、共働きが主流で、完全な専業主婦の方が、今は珍しかろう。大抵の男は「共働きじゃなきゃやってけない」と言う。「今は女も、結婚すればなんとかなる、というご時世じゃないでしょ、どこにも逃げ場は無いよ」と言うと、女はみんな黙る。その意味では、副島先生の、この考え方は古い。
【1824】[2177]来週末(26日)横須賀で私の講演会があります。来て下さい。
副島隆彦です。今日は、2017年8月17日です。
この件は、 下 ↓の 方で、私たちの会員の一柳洋(いちやなぎひろし)前横須賀市議が、広報して宣伝した件です。 私からもさらに、ご参加をお願いします。
以下に画像で貼り付けますチラシ (hand out ハンド・アウトと言います)の 通り、神奈川県 横須賀市で、私の講演です。 南関東地方にお住まいで時間がある人は、来て下さい。横須賀市民でなくてもどなたでも参加できます。 当日券、当日参加でもいいのではないか、と私は勝手に考えます。それでも、一応、主催者にご連絡下さい。 質問の時間をたくさん取って、参加者からの質問に、私が知っている限り、何でも答えます。
日 時:8月26日(土)午後2時~5時(開場1:30pm)
場 所:ヴェルク横須賀6階大ホール
講 師:副島隆彦さん
参加費:1200円
主催者の代表の 一柳洋(いちやなぎひろし)氏は、私たちの学問道場の長年の会員で、私の同志のひとりです。ですから、私は安心してお引き受けします。
以下の講演内容は、一柳氏が、勝手に、私に投げてきた、講演内容で、私にこのような内容で話せと、要求しているものです。 私は、そんな、何でもかんでも、そっちの思うように話せるわけが無いでは無いか。と思いましたが、総合言論人で、政治問題なら、たいていのことは、何でも知っているよ、と日頃、豪語していますから、私は与えられた課題があったら、うしろには退(ひ)きません。
当日、どういう話をするか、は、私は、今から、考えます。
(主催者からの要望)
講演内容
1部で、属国日本について、サンフランシスコ講和条約では、日本は独立していないこと、その裏で結ばされた日米安保体制とは、いかなる苛烈な支配体制なのか、を話して貰います。
なお米第7艦隊の根拠地、横須賀(軍事租界)での講演会なので、先の大戦で帝国海軍の和平派と称する者がアメリカに屈するよう、愚劣な作戦指導をしたこと。
海上自衛隊は完全にアメリカ海軍の指揮下にある事(始めから米海軍の補完部隊として再建を許された)。
米海軍横須賀基地がアメリカにとって如何(アジア支配のため)に重要な基地か、についても話が進みます。
またメディアが北朝鮮とトランプの「口撃」の応酬を、煽るかたちで報道しているところから、北朝鮮が米海軍横須賀基地(東洋の真珠湾)に、ミサイルを撃ち込むことなど、ありえるのか。も話して貰います。
横須賀ではアメリカの属国「日本」を信じたくない人が多くいます。だからアメリカに育てられた小泉進次郎議員(世襲4代目)が得票率で84%もとる、日本最悪な選挙区です。
公表されている、米軍への思いやり予算など、むしろかわいいもので、属国として如何に貢がされているのか。政府、メディアが触れないことを、説明して下さい。
政府とメディアに騙されないが開催趣旨です。
第2部では安倍政権のカルトぶり。統一教会が如何に日本の政治を支配しているか、お話しし下さい。
小池都知事と統一教会の関係もお願いします。
(主宰者の 要望、終わり)
副島隆彦です。 だいたいは、この内容で話します。でも、おそらく、実際には、大きく脱線するでしょう。その方が、おもしれーや、という人は、どうぞ来て下さい。
副島隆彦拝
【1823】[2176]『ニーチェに学ぶ 「奴隷をやめて反逆せよ」 まず知識・思想から』を読む
副島隆彦先生の新刊『ニーチェに学ぶ 奴隷をやめて反逆せよ!』(成甲書房刊)が発売されて二ヶ月がたった。副島先生がニーチェ本を構想中ということを知ったのは、東日本大震災の翌年の2012年の春にあった、『学問道場 福島原発難民ツアー』の時のことだ。
バス座席でたまたま私の前の座席が、小笠原豊樹編集長だった。後ろからのぞくと「ニーチェ・ブルクハルト・・・」という草稿がちらりとみえた。ニーチェについても書かれているのだなあ、と思い福島の飯館村(いいたてむら―放射能が最も検出された村―といっても原発事故からすでに一年経過していたので、側溝にたまった汚染土でも100マイクロシーベルト・パー・アワー以下だったが)の役場で休憩をとっていた時に、
「副島先生はいま何本原稿を書かれているんですか?」
とたずねてみると、
「八本書いています。」と答えが返ってきた。あの時はびっくりした。
あれから五年が経ち、ついに本ができたんだなあ、と感慨深いものがあります。
この五年の間にあの福島原発事故に関連して、東電の国有化があっただけでなく、今年は東芝が「倒産危機」のさなかにある。
日本のサラリーマンたちは震撼(しんかん)した。
東芝は2006年にアメリカの原発機器大手会社、ウェスチングハウス社(WH社 正式略称WEC)を買収してから、この十年余で一兆円にのぼるといわれる損失額がある、といわれている。東芝はウェスチングハウス(WH)社が経営破綻した2017月4月までに、2300億の粉飾を行ったとされているが、本当はその数倍の損失額だ、とされている(小西康之著『東芝 原子力敗戦』 文藝春秋社 2017年6月刊より)。
この「倒産」劇の本当の責任者・戦犯は経産省の今井尚哉(資源エネルギー庁次長 安倍内閣の現首相秘書官)や国際協力銀行(JBIC)の前田匡史(まえだ ただし)たちだ。かれらは、東日本大震災の直後に日本の「原発パッケージ輸出」を再開させた張本人たちであり、アメリカの手先である。
(この前田匡史という男については、SNSI論文集『放射能のタブー』KKベストセラーズ2011年刊に古村治彦さんが前田匡史氏を「第二の竹中平蔵」として正体をあばいている。また、今井尚哉氏はアベノミクスのシナリオライターであり、今もって首相のブレインである。)
今井尚哉ら経産官僚が描いた「原発パッケージ輸出」の絵に従ったのが、東電や東芝、
三菱重工業、日立製作所であり、なかでも「国策企業」の側面の強い東芝がWH社買収というババをひいた。
ここで、なぜ東芝がWH社買収に走ったかについて、相田英男さんが『今日のぼやき』(1960)で解説されているので引用する。
(今日のぼやき 広報 1960より引用開始)
スリーマイル島原発事故の後、80年代以降ではアメリカの原発の建設はストップしたのですが、WEC(ウェスチングハウス社の正式略称)はその後も新規な技術を組み合わせた改良型の軽水炉の開発を、政府予算の補助等を受けながら地道に継続していたのです。それがAP600というもので、1992年にアメリカの原子力規制委員会(NRC)から型式が承認され、1998年にNRCから最終設計承認(FDA)を取得しました。要するに政府から「図面上はきちんとした軽水炉ができた、安全ですよ」、と認められたということです。WECは更に、電気出力を600メガワットから1000メガワットに増加したAP1000の開発も実施して、2006年にFDAを取得しました。ちょうど東芝がWECを買収した時期ですね。
このAP1000という原子炉は安全性も高く、軽水炉の弱点だった電源が失われた際のメルトダウンが起きないとWECが主張したので、非常に注目されていました。日本や中国のコピー原子炉でなくて、本家本元のWECの技術者達が、20年の時間を掛けて熟成させた原子炉のため「それは素晴らしいだろう、ぜひ使いたい」、という国や電力会社が大勢現れたのです。
(引用終わり)
田中進二郎です。以上の相田英男氏の解説でもわかるように、経産官僚や東芝にWEC(ウェスチングハウス社)に対する期待があったことはわかる。しかし、東芝は原発事業とは別に、2005年ごろからパソコン事業で組み立てメーカーにパソコン部品を実際の4~8倍の値段で売りつけて、それを収益として計上するという粉飾に手を染めていたことが分かっている。(これによる利益水増しは654億円―2013年度だという。)
また、上記の『東芝 原子力敗戦』のなかで、著者・小西康之氏は「東芝が買収した時点でウェスチングハウス社は死に体だった」と書いている。それは、WECがスリーマイル島原発事故以来、30年間米国内の原発を新設せず、現場の仕事から遠ざかっていたためであり、東芝がWECを買収した6600億円という金額の半分以下の価値しかもともと、WECにはなかったのだ、という(上書P44)。
このあと、十年にわたり、不正な会計処理が西田厚聰社長(任期2005~2009年)、佐々木則夫社長(2009~2013年)、田中久雄社長(2013~2016年)の三社長の指令のもと行われていった。小西康之氏によると、東芝19万の社員のうち「粉飾」に関わった人間は2000人余であるという。
ここまで副島隆彦先生のニーチェ本とは外れた「東芝倒産危機」の話をしてきた。
しかし、このことが無関係な話だとは私田中は思わない。
『ニーチェに学ぶ 奴隷をやめて反逆せよ!』は完全に奴隷化したサラリーマンばかりになりつつある日本人に向けて出された一撃であり、単なる思想書ではないはずだ。
実際、副島先生は東日本大震災以後、GE(ジェネラル・エレクトリック社)やウェスチングハウス社を批判せず、東電や政府だけ批判して事足れりとする広瀬隆氏ら反原発論者たちの姿勢に抗議されていた。おそらく今回の東芝の倒産危機についても予知されていたであろう。経産省は「国策企業」の東芝をつぶしておきながら、自分たちはアベノミクスのブレインのままで居座るつもりだ。彼らはアメリカのコンサルタント会社・デロイトトーマツと深く通じていて、本当は東芝にアメリカの原発会社の負債を肩代わりさせるために、旗振り役を演じた。そして頃合いを見計らって、東芝の失敗に話をすりかえていったのだろう。
東芝の現場社員はかわいそうだが、日本のサラリーマン全体があまり変わらないように見える。責任感と判断力とやる気をなくしていっている。また小西康之氏は『東芝 原子力敗戦』の巻末で、東芝の社内でみんなが粉飾に手を染めていったのは、ナチス・ドイツでユダヤ人を強制収容所送りにした親衛隊員たちと同じだ、という。親衛隊中佐として、ユダヤ人移送を指揮したアドルフ・アイヒマンについて、ユダヤ人女性の哲学者・ハンナ・アレントが「完全な無思想性が、アイヒマンをあの時代の最大の犯罪者にした最大の要因である。」と語った。(『イエルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告』 みすず書房刊)これが、ナチス党員を悪魔とみなすユダヤ人社会に物議をかもした。
ハンナ・アレントはハイデッガーの女弟子であり、愛人だった。だからハイデッガーからもニーチェ哲学を学んでいた。ニーチェは、リヒャルト・ワーグナーと取り巻きたちが反・ユダヤ主義の色合いを濃くしていくことに嫌悪して、ワーグナーと袂(たもと)を別った。
副島隆彦先生の『二ーチェに学ぶ…』を読んですぐに、サラリーマン奴隷をやめることは至難であるにせよ、二読三読するとヒントが隠されていることが分かる。
田中進二郎拝