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Loginはこちら【1967】[2339]『自由人物理:波動論、量子力学原論』について
今日のぼやきに相田さんが西村肇先生の『自由人物理:波動論、量子力学原論』について書いている。この本は私も「ランダウの『力学』や『物理学辞典』を横に置いて引きながら、正月と夏休みに読んだ。本当に勉強になった。
一言でいうと、この本は副島先生の『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち 』の物理学版である。『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち 』を読めば、世界の思想の現在の状況が頭に入る。同様に、『自由人物理』を通読することで、物理を学んだ人なら誰でも、日本でトップクラスの物理通になれる。そういう本だ。
ニュートン力学から始まって、相対論的量子力学まで説明してある。その中に物理の基本概念がどのようにして導入されてきたかが、数式ではなく、ことば中心で丁寧に説明してある。我々は教科書は読んでも、原典まで通読することはほとんどない。だから、基本概念が導入されてきたときの背景がピンとこない。それが手稲に説明されている。ここがすごいところだ。
最後は西村先生の量子化学理論と物理学者としての自分の業績で締めくくっている。スピンのところの理解は、昔、長沼伸一郎という人が書いた『物理数学の直感的方法』(長沼伸一郎著、ブルーバックス)に相当する。あともう少しで、本当に直感的にスピンを理解できるところまで来ている。
さて、印象に残ったところを、相田さんにならって私も下に書き出しておきます。
1)力学の中に解析力学という一部門がある。大抵、力学の教科書の最後の方にくっついていて、「ニュートン力学以外でも、こういう解き方もあります」という形で紹介されている。
西村先生は、この解析力学をニュートン力学の上に置き、創始者であるラグランジェとハミルトンを非常に高く評価している。ランダウの『力学』でも、最初が解析力学になっていて、ずっと不思議だったのだが、今回『自由人物理』を読んで「あーそうなのか」と納得した。
解析力学こそが力学の王様であり、ニュートン力学はむしろそこからの派生であるとの見方である。
2)この本は、やはり、量子力学とはいかにして発展してきたかというところがすばらしい。今まで称賛されることの多かったハイゼンベルグ、ボーアを低く置き、アインシュタイン(光量子仮説)とドブロイ(物質波)を高く評価している。
このような見方を初めて知った。現在の量子力学の教科書はすべてプランクの量子仮説から始まって、不確定性関係(ハイゼンベルグ)、原子モ
デル(ボーア)とつながっていき例外はない(本当にない)。この指摘は、今後の量子力学を学ぶものにとって重要な事実だ。
3)特に、「原子の中の物質波を定在波で考えることで原子構造が説明できる」というのが朝永振一郎の考えであるという発見に感動した。私は量子化学を授業で教えているが、この「定在波だけが原子内で存在するからn=1,2,3と増えていく」という考えは間違いだろうとずっと思っていた。この考えが、ドブロイのものではなく、朝永振一郎のアイデアであると聞いて納得した。
4)この本の基調をしめているのは、『言葉で考える物理』だ。私は、数学は得意ではないので、いつも言葉で考えて物理をやっている。だからこの考え方が非常に気に入った。
5)繰り返しになるが、この本をきちんと通読できれば、物理を大学で学んだ人なら誰でも日本でトップクラスの物理通になれる。だから非常に重要な本だ。
下條竜夫拝
【1966】[2338]8月22日「今日のぼやき」の感想
会員の小林と申します。昨日副島先生に「今日のぼやき」の感想をメールさせて頂いたところ、早速ご返信を頂きましたので、以下の投稿にて私からの返信に代えさせて頂きます。
私は以下のような内容をメールさせて頂きました。
(貼り付け始め)
8月22日の仮定法に関する「今日のぼやき」拝読致しました。感想を送らせて頂きたいと思います。
これはフォレストのいう文法書からの引用ですが、例えば日本語だと「君が大人
になったらわかるだろう」(大人になる可能性はあるから、これは直説法)とい
う文章と、「君が子供だったら許してもらえるだろうけどなあ」(これはおそらく大人に対して言っているので仮定)というように「~なら」「~だったら」という表現で直説法も仮定法も両方表現できてしまいますが、英語でははっきりと時制で区別されています。それが日本人と西洋人の思考回路の違いであって、日本人が仮定法を理解する上での大きな妨げになっているという先生の主張は非常に納得いくものがありました。
また、これはビートルズの「If I fell」という歌の歌詞からの引用ですが、
If I fell in love with you, would you promise to be true?
という仮定法の表現があります。 「恋に落ちる」 の フォール・イン・ラヴ の fall が、過去形のfell (フェル) になっています。このとき、 主節(うしろの方の文)の、助動詞も、will ではなくて、wouldになっています。 この ビートルズの歌の歌詞(リリック)の英文の 意味、訳文は、次のようになります。
「僕が君と恋に落ちる、ことはないだろうけど、仮に、まあ、あったとしたら、君は僕に誠実でいてくれるだろうか。いや、いてくれないだろうなあ 」
というように、このwouldという言葉には一言で皮肉や不安などの様々な感情が入っているというご指摘も、まさにその通りだと思いました。
(貼り付け終わり)
すると、副島先生からは仮定法という言葉自体を廃止すべきだということや、不定詞という言葉自体がおかしいという旨のメールを頂きました。以下に、その返信をさせて頂きます。
>ただ、 もう、×仮定法 という コトバを、日本の英文法学は、廃止にすべ>きなのです。 おそらく conditional を、明治の終わりゴロに、バカは、
>仮定法 と 訳したのでしょう。 これが、大間違いの原因だ。
私もconditionalには0から3まであって、仮定法(正確にいうと叙想法)と直説法がまぜこぜに説明されていることに疑問を感じていました。これはおそらくイギリスの英文法学者の怠慢であり、そのいい加減な理論を出発点にしている日本の英文法理論が訳の分からない造語ばかりなのも無理のない話と思います。
>私は、すでに、いろいろ書いていますが、 例えば infinitive インフィニ>ティヴを、「不定詞」などと、訳した。 まるで、住所不定無職 の よう>>だ。これは、 インフィニット で、 無限詞 とか、汎用詞 とでもやくす>べきで、あるいは、「動詞の語幹」 とか、日本語との関係で、理解すべきこ>とだった。
確かにこの「不定詞」という言葉も非常に腑に落ちにくい言葉と思います。(「動名詞」はなかなか良いネーミングだと思いますが。)infinitiveとは本来動詞defineから派生したdefinitive(限定語:境界がはっきりしているから限定というニュアンス)の対義語にあたるものであって、境界がはっきりしない、つまり無限のニュアンスを表すものであって、無限詞とでもいった方が正しいのでしょう。しかし、不定詞のtoがスコラ哲学の普遍論争の影響を受けているということは存じ上げておりませんでした。
本当に、短いメールの中に知性のきらめきといったものが感じられ、大変勉強になりました。
【1965】[2337]「今日のぼやき」 の広報ページの私の最新の文を、読みに行ってください。
副島隆彦です。 今日は、2018年8月27日(月)です。
7月からの猛暑の夏(それとヘンな台風たち)が、ようやく、日ごとに過ぎ去って行きつつあります。
私は、「今日のぼやき」の広報ページに、 自分の最新の文章を載せています。それを、読みに行ってください。 真剣に、一時間ぐらい掛けて、読みなさい。
オレは、副島から、政治や、経済の最新情報を、ドロボーできさえすれば、それでいいんだよ、へへへ、 の人でも、 私の文章への、畏敬(いけい)の念があれば、 今日のぼやきの 文を、読み行きなさい。
日本人(=日本国民 。 The Japanese ザ・ジャパニーズ この The ザ は、「種類全体を 表す the 」で、 日本人全部のことを表す。英文法学で、そう言う )の、英語の勉強についての、深刻で、切実で、重要なことを、私が、説明しています。
私が、今から、22年前(1995年)に書いて、出版して、ベストセラーになった、本の内容を、私が、22年ぶりに、「どうしても、私、副島隆彦は、
日本人に、このことを、教える」 と、再訪(さいほう)、繰り返し、執念深く、再説明する ことを、堅く、激しく、誓っているからだ。
それが、国民知識人を、自称する、私の 生来持った、激しい情熱だ。
(転載貼り付け始め)
今日のぼやき 「1768」番
『英文法の謎を解く』再訪 「仮定法の文」 の巨大な謎 。 ×「かもしれない」という卑怯で愚劣な日本語のコトバを、廃語(はいご)にすべきだ論 (第1回・全2回) 2018年8月22日
副島隆彦です。今日は2018年8月22日です。今日は英語の勉強をします。
本気で、英語、英文 について、考えたい人は、きっと、収穫が大きいですから、私の、この文を、真剣に読んでください。 私、副島隆彦に、とっての、 20歳代、30代歳の 知能、才能の、投入があります。 私は、以下の文を、今、本気で、 私の読者たちに 読んで、考えてもらいたい。
第1巻目が 出版されたのは、1995年だから、もう22年前だ。この年に私が書いた『英文法の謎を解く』という本があります。全部で3巻本です。「続」と、完結編」があります。
これは、筑摩書房の ちくま新書 から出しました。これの「英文法の謎を解く」の第1巻目の、123ページからの第8章「仮定法はなぜむずかしいか」という章について、今日は、徹底的に、話します。
それから、卑怯者、自分の責任を回避する、ずる賢い人間が、日常で、よく使う、「・・かもしれない」 という オカシナ 日本語を、そろそろ、国民を上げて、使わないようにしよう。廃語(はいご。 obsolete word アブソリート・ワード)にせよ、という、私、副島隆彦の主張を、これに付け加えます。
・・・・
(転載貼り付け終わり )
、上気の文をしっかり、読んでください。 出来れば、私に感想のメールをください。
副島隆彦 拝
【1964】[2336]今、世界で何か起きているか。これからどうなるか。
副島隆彦です。 今日は、2018年8月15日(水。敗戦記念日)です。あ、もう16日になったよ。
世界の動きが、急に、慌ただしくなった。この秋の動きが、分かってきた。
トランプ大統領が、諸外国(米国以外のすべて)を虐(いじ)めて、お金をぶったくって、アメリカに、持って帰る動きが続いている。あるいは、資金がアメリカに流入(リパトリエイション。還流)するように、強引な外交をやるものだから。
世界中を怒らせている。 トランプにしてみれば、国内優先、自国民優先で、デブの白人労働者階級 を、喜ばせて、彼らに仕事が来るようにしてあげることが、何よりも大事で、最優先だ。これは、当然のことで、これが、「アメリカ・ファースト!」だ。
副島隆彦が、いくら、このコトバを、「日本のテレビ、新聞の バカども! ×「アメリカ第1主義」
などと、いつまでも誤訳し続けるな。アメリカ・ファースト! = アイソレイショニズム は、〇「アメリカ国内優先(ゆうせん)主義」と訳せ 」と、テレビ、新聞の記者たちに、言っても、まだ、やろうとしない。ようやく、はっと気づいて、「自国優先」と、訳し出した記者どもがいる。
「そうだよなあ。「私が、一番」という日本語は、自分が一番、かわいい、という意味だ。他の人のことよりも、自分の利益が優先する、という意味だもんなあ。アメリカ・ファースト! は、国内優先、自国民を優先する、 という意味だよなあ」 と、 ようやく、分かりつつある。誤訳を訂正せよ。
アメリカの白人の下層階級の 半分ぐらいは失業している。それが、アメリカの真実だ。世界帝国なのに。こういう連中は、労働者だから、従来は民主党支持だったのだ。これを、トランプ支持に変えて、この11月6日の、中間選挙(ミッドターム・エレクション)で、red wave (レッド・ウエイブ、赤い波。この赤とは、米共和党のこと。米民主党がブルー=青 )を起こして、トランプ共和党が、勝たなければいけないからだ。 下院議員で、235議席は、最低でも取らなければいけない。そうしたら、民主党は200議席だ。今も、これぐらいだ。
そうやって、トランプが、勝つ。 そのあとは、もう、12月のクリスマス商戦だ。 アメリカ人は、自分の子供に、最低でも300ドルとかの贈り物をできないと、親として立つ瀬が無い国民だ。だから、トランプは、クリスマスまでは、何とか景気をもたせて、「景気、いいだろ。いいだろ。オレの努力なんだぞ」と、ツウィッターで、今も、書き続けている。
トランプが、貿易戦争(通商交渉)を、各個撃破で、個別に、2国間交渉に、引き釣り出して、ギュウギュウーと、 high tarrifs ハイ・タリフ 高い関税で、アメリカへの輸出品へ 25%とかで、で、締め上げる。 日本も、先週から、茂木敏光=もてぎとしみつ= と、 チビの世耕 が、首に縄をかけられて、ワシントンに、連れてゆかれて、アメリカとの2国間の通商交渉が始まった。
アメリカへの輸入品に、25%のハイ・タリフ(高関税)を、掛けると、実際に、これだけで、アメリカ財務省は、年間、2000億ドル(22兆円)ぐらい、が、政府のぽっぽ に 入る。これで、国家予算
を組める。この外国製品から、巻き上げるカネは、実需のある、生きたカネ、本当に食べられるカネ だ。 日本から、ぶったくる、ウラ借金の、帳尻合わせのための、コンクリ(石膏)で出来た、カネではない。 税金、関税を どんどん掛ければ、政府の懐(ふところ)は、本当に、潤(うるお)うのだ。
これを、トランプは、なりふり構わず、やっている。 それを、米議会も、国民の、支持している。
すべては、「国内優先、自国民優先」だ。これが、アメリカ・ファースト! だ。
こうやって、トランプが、諸外国を、ぶったくって、大統領自ら、カネ稼ぎをやって。それで、来年の1月になったら、ガラガラと、株価を落とすだろう。それが、目に見えている。そして次は、2年後の、次の大統領選挙(2020年11月)に向かって、自分の再選のために、闘う。
しかし。もうすぐ、9月に入ったら、どうも金融・経済が、世界的におかしくなりつつある。トルコ・リラの4割急落、と トルコ国債が、9%への利回り上昇、急騰 で、これは、つまり、国債暴落だ。国債暴落が、世界中の後進国ですでに、始まっている。アルゼンチンは、政策金利=短期金利 が、年率なんと45%になっており、すでに、破綻国家だ。 ほかにもこういう国が、続出している。
トルコの動きが、ヨーロッパの銀行に、波及して行く。 ヨーロッパの銀行が、トルコやらに、多く貸し込んでいる。ユーロ危機が起きそうだ。 メルケル首相は、今も危険な状態にある ヨーロッパ1、の筆頭銀行の ドイツ銀行の破綻を、なんとか回避しようと、必死だ。 トランプは、ヨーロッパ危機までなら、知らん顔を出来る。「オレの知ったことか」と。「ヨーロッパ人ども、苦しめ」と。
ところが、日本国債10年物 が、0.17%とかになっていて、アメリカの大物投資家(ヘッジファンド)たちが、ゾッとなって、肝を冷やし始めている。日本国債が、0.2%まで、なると、おかしな動きが起きる。こんなに、低金利に見えても、先進国である日本の国債急落(=長期金利の上昇)は、大国アメリカの経済破綻に直結し、世界恐慌を引き起こしかねないのだ。 なぜか?
国債=長期金利のところに、大きな、打撃、ひずみが、起きつつある。 隠している先進国3つの、巨額の 累積発行国債の 秘密が、真実が、水が壁の割れ目から染み出すように、露呈するからだ。これが、これからの世界危機、世界恐慌への道だ。
日銀の黒田は、今年もまた、今年の分の 30兆円(3000億ドル)を、裏(ウラ)発行の日本国債を担保とする形で、「食えないマネー」uneatable money である 実体のない日本円30兆円分を、アメリカ財務省に差し出したようだ。アメリカは、これらをかき集めて、自国の巨大な隠れ累積赤字の、計算上だけの帳尻合わせ、をする。 アメリカ財政は、火の車なのだ。日本が供出する年、30兆円のうちの5兆円(500億ドル)は、北朝鮮の核兵器対策 のための、米軍への強制支援金だ。安倍が、トランプに、「いいか、払えよ。米軍が、日本をまもってやっているんだぞ」の 恐喝、カツアゲのカネだ。
それで、黒田が、死んだような顔をしている。それで、QE(緩和マネー)を、まだまだ、やらされる。やりたくないのだが、やるしかない。 日銀という、金のなる木、お財布ケータイを、アメリカに使われ放題だ。 普通の日本国民の生活の、お金がない、苦しみは、このことを、原因としている。
アメリカは、日本に、こんなヒドいことをしているのだ。この大きな真実に、私以外の知識人は、誰も気づかない。 阿波踊りのアホの、総踊りだ。
「日本も、アメリカ合衆国に続いて、そろそろデフレ からインフレ基調に転じた」と、ウソを公然と言って、出口戦略(でぐち。エグジット・ストラテジー)に、無理やりでも、黒田は、そのポーズだけでも、取りたいのに、出来ない。なぜなら、日本のQE(緩和マネー。じゃぶじゃぶマネー)は、国内の景気対策としての、金融政策ではなくて、その実態、真実は、アメリカへの貢ぎ金、上納金、強制拠出金だからだ。この「今年も、さっさと 払え」のアメリカの命令に、安倍政権は、ひと言も逆らえない。
このことが、日本の財務官僚のトップたち、10人ぐらいの、真実を知っている者たち、責任者たちの、死ぬほどの苦しみになっている。
トランプは、「オレが、こうやって、また諸外国から、資金を、取り上げてきてやったぞ。だから、21兆ドル(2400兆円)ある アメリカ連邦政府の 累積債務の 利払いが、ようやく出来るようになったゾ」と、ツウイッターに、正直に、8月5日に、ペロリと書いた。 「1年間分の、単年度の、国家の財政赤字の、その利払い分だけでも、その資金の、2兆ドル(220兆円)だけでもオレが、稼いで来てやる」だ。
それと、司法省を使った、CIAの産業スパイとの連動の、世界中の外国の大企業、ぶったくり、の脅しでの、資金奪い取りだ。 トヨタ、東芝、神戸製鋼所、タカタ「安全バッグ(エアーバッグ)」、ホンダ、 そして、今は、日立や みずほ銀行が狙われている。ドイツのBMWの「排ガス規制違反」や、スイスの銀行とかもだ。ひとつの企業から、最低、1兆円(100億ドル)を脅し上げて、米司法省ビジネスで奪い取る。
これらの、生臭い、本当の、政治の裏側の、一番、大きな動きを、私、副島隆彦以外は、誰も、書かない。知らない。 アメリカ政府は、60兆ドル(6600兆円)の累積の財政赤字を、抱えているのだ。上記の公然化している21兆ドルの連邦財政赤字の他に、である。
これに比べれば、今、騒がれている 新興国のドル建ての債券 の合計が、3.4兆ドル(400兆円)あって、これが、新興国の各国の財政を圧迫している、と書いている。そして、流出した資金が、どんどん、アメリカに還流している、と。これには、中国からの資金流出も、含まれる。
ところが、こんな、新興国の財政赤字、国債残高のひどさ、など、どうということはない。そんなもの、世界の財政赤字、未償還の、返せなくなった 国債残高の、よくて、1割だ。
本当に、ヒドいのは、先進国に、隠されている財政赤字、大借金だ。9割は、先進国に決まっている。アメリカと、ヨーロッパEUと、日本だ。アメリカが、全体の6割の、隠れ、巨額の財政赤字を、抱えている。だから、60兆ドル、いや、70兆ドルになりつつある。
日本は、すでに、アメリカに、裏で、極秘に、1400兆円から、1600兆円の資金を、脅迫されて、この40年間で、貢いでいる。 黒田のあの、死んだような顔を見ていたら、分かるだろ。
今年もまた、30兆円の年貢の取り立て、ですか、と。 だから、その支払いの時に、112円の円安になったのだ。ドル転=円売り・ドル買いして、アメリカの財務省に差し出すからだ。日本は、アメリカの
奴隷である。 だから、日本国民が、本当に、追い詰められてきた。 普通のサラリーマン層でも、もう、生活が成り立たなくなっている。
日本人が、毎月、給料天引き(所得税の源泉徴収)されている うちの半分ぐらいは、アメリカに、持って行かれているのだ。 どうして、この「帝国ー属国」関係の真実に、日本人は、そろそろ、怒りださないのだ。 アメリカの犬、売国奴、の 安倍政権を、打倒して、さらに、アメリカ、この野郎、と、皆で、騒がないといけないのだ。
私、副島隆彦が、この1500兆円(14兆ドル)の、アメリカへの、「食えないカネ」
「コンクリートで出来たカネ」の 朝貢(ちょうこう)、差し出しを、ずっと書いてきた。
この大きな真実を抜きで、金融や、経済の専門家、エコノミストぶるな。 私、副島隆彦と本気で、この大きな真実を巡(めぐ)って、対決できると思っているのか。誰でもいいから、出て来い。
ついに、ドイツのメルケルが、本気で、トランプに怒り出して、トランプが、「アメリカが、ドイツを、ロシアの侵略から守ってやっている。感謝せよ。もっとドイツは、国防予算を、GDPの 4%まで、増やせ」 と、脅しあげるものだから。
メルケルは、ドイツ第4帝国(クワトロ・ライヒ Quatro Reich ) の意地に掛けて、動き出した。 「よくも、トランプ、言ったわね。ドイツを、怒らせて、軍備増強しろ、などど、言って、本当に、ドイツが、軍事大国 に戻ったら、どうなるか、見せてあげるわよ。これまで敗戦後、ずっと我慢して、諸国に遠慮してきたけど。
ドイツ人は、口では何も言わないけどね。 国民は団結しているのよ。アメリカにバレないように、じわじわと、しっかりと動くからね」と、なりつつある。
それに対して、イギリスと、フランスは、いつものとおりのお高くとまって、上品に気取った、貴族様の態度のままだ。英仏は、もう、実態は、貧乏国のくせ に。バカにされながらも、アメリカにしっかりくっついてゆくようだ。
ドイツは、他の弱小の、ヨーロッパ諸国を率いて、 ロシアのプーチンと、組む。そして、中国の習近平とも組む。 そうやって、ユーラシア同盟が、出来て行く。 トルコもシリアも、イラク、イランの中東の北部一帯は、プーチンのロシアとの団結に、傾いている。 こうやって、ユーラシア大陸に、世界覇権(ワールド・ヘジェモニー)が、移って行くのである。北アメリカが、世界の中心である時代が、終わりつつある。アメリカ帝国の没落が、起きている。
あんなに、余裕なく、トランプが、世界中を虐めて、資金をぼったくると、いよいよ、大人げない。 トランプは、やはり、アメリカの没落の、墓堀り人(grave digger 、グレイブ・ディガー)である。私、副島隆彦は、すでに、何冊もの本で、この「ユーラシアの時代が来る」と書いてきた。それは、あと、数年のことだ。
アメリカが、諸外国をぶったくって、資金を奪い取っても、どうせ、その跳ね返り(ブローバック)が、アメリカを襲う。厳重に隠されている、巨額の、その米国債発行残高(かくれの財政赤字)の60兆ドル の 重荷が、露見し、崩れだす。
自国の財政赤字を、形だけ、収(おさ)めるために、無限に発行して、発行し過ぎて、今や、紙切れになりつつある ドル札と、米国債(TB。トレジャリー・ビル)を、今、アメリカは、必死で、長期債 30年ものを、 50年もの、80年もの、そして、なんと100年ものに、洗い替え、
ロールオヴァー、しつつある。金利支払い分まで、返せないから、元本(がんぽん)に組み込んで、膨らんだまま、100年債に切り替えつつある。こうすれば、文句ないだろう、という魂胆だ。
こうやって、日本向けの、1995年のプラザ合意のときに、そのあと、発行した、30年もの米国債の償還期限(リデンプション)が、次々と、来つつあって、それらを、本当に、100年債に、切り替えつつあるようだ。 この ボロ隠しが、すこしでも、露出、露呈すると、国家財政の危機が、満天下に、バレてしまう。
この違法な、実体のない、通貨と国債の過剰発行で、その一部が、株式市場に流れて、それで、株高を作って、それで、新興国にも過剰資金が流れて、世界の景気を良くして、「アメリカは景気がいい、景気がいい。」と、やってきた。が、それがいつまでも続くことはない。ある日、アメリカは、信用をなくして、ドル暴落と、米国債暴落(長期金利の暴騰)が、一気に起きることが、だんだん、はっきりしてきた。
トランプは、国内政治では、自分の主敵である、ヒラリー派の Moonie ムーニー=統一教会の、狂気の 腹の底からの反共(はんきょう)人間たちが、今も結集し、巣くっている、FBI=司法省とCIA=国務省 の 現役高官たちを、叩き潰す、辞任に追い込む、仕事で、大変だ。それでも、11月の選挙のあと、共和党が勝ったら、いよいよ、頭目のヒラリーを、米議会が、召喚状(サピーナ)して、議会裁判に掛けて、有罪で、投獄する、という 動きになっている。
緊急で書く。ロシアが、600億ドル(6兆円)の最後の手持ちの、米国債を、NYの市場で、売り払ったらしい。これにNYの金融市場が、脅(おび)え出している。 それを、ヘッジするはずの、かつ、ロシアへの反撃、報復として、 金(きん)の先物市場(フューチャー・マーケットで、 またしても、FRBと、ゴールドマンサックスが、組んで、違法行為をやった。
金ETF (スパイダー・ゴールド)を使った、 金の”裸の空売り” ネイキッド・ショート・セリング”だ。 それで、金の先物市場が、金が、下落した。1オンス=1200ドルの大台を、割った。私、副島隆彦が、ずっと書いてきた、 アメリカ政府による、名物、”金(きん)殺し”だ。
まあ、いいだろう、アメリカが、こういう市場操作を、やると、そのうち、天罰が起きる。先物で、積み上げた、カラ売りの残高 が、どこかで、急激に、踏み上げをくらって、金の価格 は、暴騰するだろう。
それと、中国が、米国債の売りを、チラつかせた。 中国が、米国債を、突如、NY市場で売ると、それは、アメリカの終わり、である。 債券市場の 大暴落、すなわち、アメリカ経済の、大恐慌への突入となる。 トランプは、中国を、貿易戦争(通商交渉)で、痛めつけているが、それに対して、中国が本当に、米国債の売却を、仕掛けたら、アメリカの負け、だ。 いや、「この、やろー」で、第3次世界大戦 だろう。 ・・・・・・
こういうことが、世界と、日本の目の前の動きだ。
それで、私は、個人的なことだが、昨日、尿道が詰まって、痛くて、痛くて、大騒ぎで、尿漏れも激しく起こして、昨日、 東京の病院に 血相を変えて駆け込んだ。この3月に、前立腺(ぜんりつせん)肥大の削り取りの手術をしてもらったからだ。 そうしたら、「どうして、もっと早く、来なかったのですか」と、叱られたあと、手術を執刀してくれた、若い30代の女医さんが、私のペニスの尿道に、金属の棒を、直径1ミリのものから、順番に、突っ込んで、最後は、直径1センチぐらいの金属棒を「ズズズ」と、突っ込んでくれて。
そして、「はい。通りました。カテーテルは、入れなくていいでしょう」と、にっこり笑ってくれた。これで、私の悲劇は、一瞬で、喜劇になってしまった。ことなきを得た。尿道狭窄(にょうどうきょうさく)症と言うのだろうが。 私の人生の 赤っ恥ものの、みっともない危機のひとつだった。ああ、よかった。歳を取ると、人間は、体、健康の問題で、いろんな 恥を晒(さら)さなくてはいけなくなるものなのだ。 みんな、きっと、自分のいろいろな、体の問題を抱えているんだろう。歳を取って、老人になるとは、こういうことだ。
私が、去年書いた、『老人一年生』(幻冬舎新書)を買って読みなさい。いろいろ、すごいことが書いてありますから。「老人は、痛いんだよ。それを、50代までの若い人たちは、絶対に、気づいてくれない。だから、老人=高齢者たちだけで、ボソボソと知識、情報を共有する」から始まって。
それでだ。私が、急いで、以下に 長々と載せる文は、私の弟子の中の 優秀な人間が、訳してくれた、世界戦略家の、ヘンリー・キッシンジャーに ついて論じた英文だ。重要な、戦略が書いてある。これは、CIAの 理論部門が運営している、 ストラットフォー Stratofor という研究所が、出していて、そこの頭のいい、女の戦略家が、書いた文だ。
翻訳文は、私が、後日、あれこれ、手直ししますから、とにかく、以下の文を、読みなさい。
副島隆彦拝
(転載貼り付け始め)
●‘Trump, Kissinger and the Search for a New World Order“
「トランプとキッシンジャー、新しい世界秩序の探求」
By Reva Goujon(レヴァ・グージョン)
VP of Global Analysis, Stratfor(ストラットフォー、国際分析副総長(Vice President))
On Geopolitics 地政学
Stratfor Jun 22, 2018 | 07:00 GMT
ストラットフォー(Stratfor) 2018年6月22日
https://worldview.stratfor.com/article/trump-kissinger-and-search-new-world-order
Highlights
概要
・The United States’ return to aloofness, China’s rise, Europe’s fragmentation and the growing strategic alignment between Moscow and Beijing are all destabilizing the international system.
アメリカは、(国外のことに)無関心な態度に戻った。そして、中国がさらに勃興し、ヨーロッパは分裂し、モスクワと北京との戦略的な協力関係はますます強化されている。すべては、国際関係を不安定なものにしている。
・Basing the world order on Westphalian principles is necessary to reinject enough flexibility and pragmatism into the global system amid a new, competitive era of great power politics, according to veteran diplomat Henry Kissinger.
ベテラン外交官のヘンリー・キッシンジャーによると、新しい競合する国際(グローバル)システムに、柔軟性と実用性を持たせるためには、「ウエストファリア(ヴェストファーレン)条約」(訳者注:近代の国際法の始まりとなった、ヨーロッパの宗教大戦(三十年戦争)を終結させた、ヨーロッパ諸国による平和条約。1648年締結)の原則を、基本とすることが必要である。
・The potential for a U.S.-China understanding on the fate of the Korean Peninsula will serve as a critical testing ground for this emerging world order.
朝鮮半島の運命について、アメリカと中国が理解をしあえるかどうかの可能性(見込み)が、いま新たに出現しつつある新しい世界秩序の実験場となるだろう。
Donald Trump is nothing if not unpredictable as president. But when it comes to foreign policy, that just might be his greatest foreign policy asset.
ドナルド・トランプは、まったくもって予測不可能な大統領である。しかし、外交の話となると、それはまさにトランプにとって、最も有効な外交の資質となる可能性がある。
After all, America’s ability to swing between aloofness and overreaction are embedded in its DNA thanks to its inherently strong geopolitical foundation.
結局、アメリカが、無関心と過剰な反応を交互に使い分けられる能力は、生来の強力な地政学の基盤に基づいた、その遺伝子のなかに埋め込まれているのだ。
A mercurial spirit in the White House might make some big waves, but can also - at least in some circumstances - be harnessed into an opportunity.
ホワイトハウスの機知に富んで柔軟な(変わりやすい)精神は、荒波を引き起こすこともあるが、少なくともいくつかの環境においては、機会を生み出すことにも使われうるだろう。
A grand strategist like Dr. Henry Kissinger, who has been known to advise Trump on occasion, likely detects such an opportunity in a Trump presidency.
キッシンジャーのような戦略家の大御所は、トランプにも時折アドバイスをしていることで知られるが、トランプ大統領政権のなかにそのような機会を見出しているようだ。
Kissinger, now 95 but lucid as ever, has made himself available to several presidents and candidates to help shape foreign policy and engage in quiet shuttle diplomacy.
キッシンジャーは、現在95歳であるが頭脳明晰であり、多数の大統領と大統領候補に対して外交政策の立案を手伝い、また、密かに(他国の要人との)定期往復外交を行うことで仕えてきた。
His guidance, delivered in long, gravelly monologues, centers on his quest to shape a new world order that has a chance at coping with centurial challenges.
キッシンジャーの、しゃがれ声で長々と独白される外交指導は、世紀の国際的な課題とうまく渡り合えるような「新しい世界秩序」を構築するという、彼の探求を中心としている。
As the man who split the Sino-Soviet axis during the Cold War and gave rise to the phrase “Nixon Goes to China,” Kissinger spends much of his time dwelling on the rise of China.
冷戦期には中ソ関係を引き裂き、「ニクソン中国へ行く」というキャッチフレーズを生み出した人物として、キシンジャーは、その人生の大部分を、中国を勃興させることに費やしてきた。
Now, the veteran diplomat is trying to help craft a new order in a rapidly changing environment - starting with a solution to one of the United States’ biggest headaches of the day, North Korea.
現在、ベテラン外交官は、急激に変化を続ける環境の中で、新しい秩序を構築しようと尽力している。― それは、今日のアメリカにとって最大の頭痛の種である北朝鮮問題への解決策に始まる。
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The Big Picture
概要、全体像、大局
An emerging great power competition among the United States, China and Russia will define the international system in the coming years.
これからの数年間で、アメリカとロシア、中国のあいだで展開される覇権争いが、国際システムを決定するだろう。
As that competition intensifies, the Korean Peninsula, wedged between empires, will inevitably come into play. While many countries find U.S.
この覇権争いがさらに加速すると、朝鮮半島が、帝国のあいだにくさびを打ち込む形で、必然的に作用し始める。
President Donald Trump’s tactics deeply polarizing, his overtures to North Korea are based on a deeper strategy that could usher in a balance of power with China in northeast Asia.
ドナルド・トランプ大統領の戦術は深く分裂しているが、彼の北朝鮮への提案は、北東アジアにおける中国との「力の均衡(バランス・オブ・パワー)」を先導しようとする、より深い戦略に基づいている。
(See 2018 Third-Quarter Forecast See Coping With a Nuclear North Korea)
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On a Collision Course
衝突の避けられない針路にあって
In his most recent book, World Order (2014), the veteran diplomat questions history to explain when, and under what circumstances, previous attempts to foster world order succeeded and failed.
キッシンジャーの最新の著作「世界秩序(ワールド・オーダー)」において、ベテラン外交官は、世界秩序を形成しようとするこれまでの試みの中で、どのようなタイミングで、またどような環境において、成功したり失敗してきたのか説明するように、歴史に問いかけている。
In Kissinger’s view, the foundational template for world order was the Westphalian balance of power that emerged at the end of the Thirty Years’ War in 1648.
キッシンジャーの見解では、世界秩序のひな型は、1648年に「30年戦争」が終結した際に出現した「ウエストファリア型の勢力均衡(バランス・オブ・パワー)」であった。
It was under this model that a system of peer powers, none powerful enough to defeat the rest, embraced the notion of sovereignty and shared a sense of legitimacy to maintain a relative and flexible equilibrium on the continent.
それは、他国を打ち負かしてしまうほど強力ではない、お互いに同格の覇権国どうしによる国際システムである。ヨーロッパ大陸における、相対的で柔軟な均衡を維持することが正当であるという意識(観念、感覚)を分かち合い、「国家の主権(統治権、支配権、sovereignty)」という考え方を抱擁するモデルに基づいていた。
If any one power tried to achieve hegemony or a second-tier power tried to force its way into the ranks of major powers through destabilizing actions, the unspoken rules of the order would effectively induce pragmatic alliances to counter the emerging threat.
もしある一カ国が、単独の覇権を獲得しようとしたり、二流の準覇権国が、秩序を乱すような行動で主要覇権国のランクに強引に入り込もうとした場合は、世界秩序の暗黙のルールによって、新興してきた脅威に対抗するための実質的な同盟が発動される。
Kissinger acknowledges the powerful (and perhaps unavoidable) forces that ultimately caused the Westphalian order to fray in the 19th century, including the rise of nationalism, the unification of Germany, Britain’s aloofness and Russia’s probing on the Continent.
キッシンジャーは、このウエストファリアの国際秩序を、最終的には崩壊させてしまうほどの強力で(おそらく避けられない)力があったことも認識している。それは、ナショナリズムであり、ドイツの統一であり、またイギリスの無関心、それから、ロシアによるヨーロッパ大陸のあら捜しであった。
At the same time, he deeply laments the 20th century carnage that resulted from a series of miscalculations by state leaders who failed to read their geopolitical surroundings accurately.
同時に、キッシンジャーは、20世紀の(戦争による)大量虐殺は、国家の指導者たちが、自分たちの地政学的な環境を読み間違った、計算間違いによる結果であったのだと、深く嘆いている。
As many of his writings and testimonies imply, Kissinger is not a man for retirement; the mission of this bold nonagenarian is the prevention of global tragedy through the construction of a new balance of power.
キッシンジャーの多くの執筆や証言が示しているように、キッシンジャーはリタイアした人間ではない。この大胆で勇敢な90代の老人の使命は、新しい力の均衡を築くことによって、地球規模の悲劇を防ぐことである。
In surveying the world today, the stresses on the post-Cold War global order are easy to pinpoint.
今日の世界を調査(測量)してみると、冷戦後の世界秩序における緊張関係が、容易に指摘される。
The United States remains inherently powerful but is no longer unrivaled. China is rapidly rising as a peer competitor to the United States while a weaker and wary Russia, enticed by the prospect of weakening the U.S.-led order, has strategically aligned itself (for now) with Beijing.
アメリカは、これまでどおり強力であるがもう無敵ではない。中国が、アメリカと同格のライバルとして急激に勃興している。より力は弱いが、抜け目なく慎重なロシアは、「アメリカによる世界秩序」を弱体化させようという目論見に誘われて、(今のところは)中国の北京政府と戦略的に連携している。
Squeezed between these two poles, Europe finds itself too divided to play the role of an effective mediator, while regional giants like Japan, Turkey and India are still trying to find their footing in the fluid space among these great powers.
これら(米中の)二極の板挟みとなって、ヨーロッパ諸国は分断されており、効果的な仲介者としての役割を担えずにいる。いっぽうで、日本やトルコ、インドなどの地域大国は、これら(米中露)の覇権大国のあいだの流動的な空間に、いまでも自分たちの立ち位置を見つけようとしている。
In other words, the world is in a growing state of disequilibrium. China and the United States, two countries on opposite ends of the earth, each with their own claim to historical exceptionalism, together form the center of gravity in the present international system.
言い方を変えると、世界は拡大する不均衡の中にいるのだ。中国とアメリカという、地球の正反対に位置する二つの国家は、「歴史的な例外主義」をそれぞれに主張しながら、現在の国際システムの中心を形成している。
After being the center of its own world for centuries, China was thrust into a Western-led order even though it took no part in writing the rules of the system. In time, as Kissinger warns, China will expect to revise the rules of the contemporary order to better suit its needs.
自らの世界における中心として何世紀も君臨してきたあと、中国は西洋諸国が先導する国際秩序にねじ込まれた。中国は、その国際システムを決定する役割もはたしていないのにだ。キッシンジャーが警告するように、やがて中国が、現代のニーズに見合うような、いまの時代にふさわしい国際ルールに改定することを期待されるようになるだろう。
Regardless of whether Trump is in the White House or Xi Jinping remains president for life, China’s global drive for economic security is on a collision course with an American imperative to maintain global dominance.
トランプがホワイトハウスにとどまろうと、習近平が終身の国家主席を続けようとそうでなかろうと、経済的な安全を確保しようとする中国の進撃は、国際的な経済の独占を維持することを責務と考えるアメリカとの衝突が、避けられない。
And unless the United States can find a way to both coexist and balance against a rising China, this century could bear witness to a new - and perhaps much more intense - tragedy in great power politics.
そして、もしアメリカが、勃興する中国と共存して勢力のバランスをとる方法を見出せなければ、今世紀はまた、世界覇権をめぐる政治のなかで、新たな、そしておそらくずっと悲惨な悲劇を目撃することになるだろう。
The North Korean Litmus Test
北朝鮮という、リトマス試験紙
The fate of the Korean Peninsula is Exhibit A in this emerging world order. Wedged between empires, Korea is no stranger to falling prey to bigger powers.
朝鮮半島の運命が、新たに出現しつつある世界秩序の実証となるのだ。(米中という)二つの帝国のはざまにくぎ付けにされて、韓国は、いよいよ大国の餌食となりつつある。
If Korea is to attain a semblance of balance among its more powerful neighbors, it must find a path to unification, even if such a path has been riddled with pitfalls for the better part of seven decades.
もし韓国が、より強力な近隣諸国とのバランスを維持しているという体面を保ちたいならば、(朝鮮半島の)統一の道を探さなければならない。それがたとえ過去70年間のもっと良かった時期でさえも、障害だらけの道のりであったとしてでもである。
The first attempt at reunification ended in a draw among the great powers when Kim Il Sung exploited the deep paranoia of the Soviets and their Chinese allies in 1950, obtaining their endorsement to invade the south.
最初の朝鮮半島統一の企ては、大国どうしの引き分けに終わった。金日成が、ソビエトと、彼らの同盟国である中国とのあいだの、相互の疑心暗鬼(被害妄想)をうまく利用して、1950年に、南部(韓国)に侵攻するという承認を取り付けている。
But in another demonstration of American unpredictability, the United States rapidly shifted from ambivalence to decisiveness in its Cold War calculations to push the North Koreans all the way to the Yalu River on the Chinese border, putting unification under American tutelage within Washington’s grasp.
しかし、アメリカの予測不可能さを見せつける他の事例として、アメリカは、ためらい迷いがちだった態度から急転して、冷戦の戦略的な計算から、中国との国境にある鴨緑江(おうりょくこう)に北朝鮮人を押しやるという断固とした決断をした。これによって、朝鮮半島の統一をワシントン政府の管轄下に収めたのだ。
But as Kissinger explains, the same necessity that drove the Chinese in 1593 to repel an invading force (then Japanese) from the Yalu border compelled Mao Zedong to respond to the U.S. incursion.
キッシンジャー元国務長官が解説するように、1953年当時、中国を侵略していた日本占領軍を、鴨緑江(おうりょくこう)の国境から撤退させるために、毛沢東が、やむをえずアメリカの侵入に応じたのとおなじような必要性が、現在の北朝鮮問題にもあるのだ。
Not wishing to get in over its head with China at a time when the Soviet Union was a priority, the United States exercised strategic restraint to scale back its forces on the peninsula and respect a buffer line on the 38th parallel.
ソビエト連邦が(アメリカにとって)最優先課題だった時に、中国を飛び越えて首を突っ込むことを望まなかったアメリカは、戦略的な抑制を実行した。朝鮮半島における米軍の規模を縮小し、北緯38度の緩衝線に配慮(順守)した。
Will China and the United States once again succeed in reaching an understanding on Korea to manage their great power competition? Both have an interest in neutralizing North Korea’s nuclear arsenal.
中国とアメリカは、もう一度、お互いの覇権争いをうまくまとめるために、朝鮮についての合意に達することができるだろうか。米中両国とも、北朝鮮の核兵器庫を無力化させることで利益を得ることができる。
Both know from history why an American military intervention in Korea could easily draw China into a war that both would rather avoid. And both are well-positioned through security, economic and political means to influence a Korean path to reunification.
どちらも、アメリカによる朝鮮半島への軍事介入が、どうして中国を簡単に戦争へ引きずり込んでしまうのか、歴史から理解している。そして、両国とも、朝鮮の統一への道のりに影響を与えることができる防衛や経済、政治的な手段を十分に持つ立場にあるのだ。
While the Korean Peninsula will remain a theater of competition for the United States and China in the long run, it also has the potential to reflect an emerging balance of power between Washington and Beijing in northeast Asia.
朝鮮半島が、これからも長期にわたり、アメリカと中国の対立の舞台となるだろう。しかし同時に、この場所が、ワシントンと北京の、北東アジアにおける「力の均衡(バランス・オブ・パワー)」が、どのように展開するかという将来性(可能性)を示してくれることにもなる。
The president’s unconventional outreach to North Korea fits neatly into this strategic paradigm. His seemingly brash move to call off the June 12 summit with North Korean leader Kim Jong Un just days ahead of time seemingly forced Pyongyang to cede the unpredictability card to the U.S. president (at least for now, anyway).
トランプ大統領の、北朝鮮に対する型破りな取り組みは、この戦略的なパラダイム(枠踏み)に適合する。トランプによる、7月12日の北朝鮮との会談を中止するという、無作法で性急な宣言が、平壌政府に、予測不能なことを米大統領に対しての外交のカードにすることを止めさせたように見える(今のところだが)。
Commentators who were up in arms over the utter lack of detail on denuclearization, as well as the absence of any discussion on human rights in the final statement, should bear in mind that the traditional, decades-old approach to containing a nuclear rogue like North Korea has failed spectacularly.
(米朝会談において)非核化についてまったく詳細を欠いており、また、最終的な宣言で人権についての話し合いも欠如していたことに憤慨している批評家(コメンテーター)たちは、北朝鮮のような、「核を保有するならず者国家」に対する、伝統的で数十年も前の時代遅れの核封じ込めのアプローチ方法が、これまで見事に失敗してきたことを思い出すべきである。
If Washington had commenced the top-level dialogue with denuclearization technicalities, much less human rights, the conversation would have immediately hit a wall.
Instead, the Singapore summit demonstrated political will on both sides to break through their stalemate - not much more and not much less.
もしアメリカのワシントン政府が、人権問題はともかく、北朝鮮の非核化について、技術的な高官どうしの対話・協議を始めていたら、すぐに壁に突き当たっていただろう。その代わり、シンガポール会談は、硬直化して(詰んで)いた現状を打開するという、米朝両方の政治的な意思を示したことにはなる。それ以上でも、それ以下でもないが。
And while the specter of collapse will naturally loom over future negotiations between two radical, short-tempered leaders on the prickly issue of denuclearization, the strategic foundation underlining their dialogue is undeniable. In fact, it’s what gives these negotiations real legs.
米朝合意が崩壊するという恐れ(亡霊)は、どちらもともに過激で気の短い、アメリカと北朝鮮のリーダーたちによるこれからの交渉で、やっかいで傷つきやすい非核化の問題のなかで、必然的に立ち現れてくるだろう。しかし、彼らの対話の戦略的な基盤として不可欠だ。実際のところ、この事実が、これらの交渉を後押ししている。
Trump may be the most radical president in modern U.S. history. And radical tactics will, by design, make the traditionalists among us squirm. Agile alliance-making, after all, is a prerequisite to balance-of-power politics, and the president’s hawkish economic agenda threatens to polarize many of the allies that it needs in this great power competition.
トランプは、近代のアメリカの歴史上、最も過激な大統領だろう。過激な戦術というのは、アメリカ国内の伝統(保守)主義者を当惑させるものだ。結局、機敏に同盟を組んで行くことが、「力の均衡(バランス・オブ・パワーという現実主義=リアリストの)」政治には、必要条件である。だから、トランプ大統領の強硬な(タカ派の)経済協議が、多くの同盟諸国を恐れさせ、分裂・対立させているが、この世界的な覇権争いでは、機敏に同盟を組むことが、必要な要素なのだ
But that does not mean that every move the president makes is entirely bereft of strategy. And with the aid of an old foreign policy hand like Kissinger, a Korean settlement could serve as one of many blueprints in the construction of a new world order.
しかし、トランプ大統領のすべての動きが、完全に戦略を失ったものであるということではない。キッシンジャーのように、古参の外交政策の指導者の助力で、朝鮮半島での調停(合意)は、「新しい世界秩序」を構築するための数ある「設計図(青写真)」の一つとして、役割を果たすのだろう
Biography
Reva Goujon is Stratfor’s Vice President of Global Analysis. Ms. Goujon joined Stratfor in 2004 and leads a team of analysts around the world. She plays an integral role in applying a forward-looking, strategic lens to Stratfor’s coverage of global events.
She also regularly delivers speeches to corporate and political audiences in the United States and abroad. Her consultations with strategy teams of companies across the globe cover a range industries, including energy, finance, defense, technology, commercial real estate and agriculture.
Ms. Goujon is known for her ability to watch the map move and explain how powerful underlying forces, from demographics to technology, are reshaping the global order.
Ms. Goujon has been featured in and cited by numerous newspapers and broadcasts, including Bloomberg, the Wall Street Journal, CNN, AP, NPR, Time Magazine, Al Jazeera, FOX News, Haaretz, The New York Times, RT, The Hindustan Times, Agencia Estado, Xinhua, Veja and Business Week.
Ms. Goujon is a member of the Council on Foreign Relations. She has a bachelor’s degree in political science from the University of Texas and a master’s degree from the Security Studies program of the School of Foreign Service at Georgetown University in Washington, D.C.
You can follow her on Twitter @RevaGoujon
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
【1963】[2335]この夏、京都で。
【京都駅・ミラーと風穴】
東京から遊びに来る友人を車で京都駅に迎えに行くような時、烏丸通を南下して京都駅に向かいます。烏丸通りが東本願寺に差し掛かるとあたかも、お東さんの権威を示すように烏丸通りは(お東さんに遠慮するように)カーブして東に約50メートルほどずれます。
東本願寺を過ぎると通りはまたカーブして西にずれ、元の位置に戻る。
すると突然、正面に京都駅ビルのファサードが現れる。京都駅の壁面はミラーガラスで出来ていて、ここに京都タワーが映り込むように設計されている。京都タワー(山田守設計 1964年竣工)も京都駅ビル(原広司設計 1997年竣工)もその建設が決まると、一大反対運動が起こり(京都の伝統が壊されるとか・・・)、それぞれ何十万人もの建設反対署名が集められたはずですが、今ではすっかり京都の風景となり、親しまれています。
さらに、烏丸通のちょうど正面にあたる部分には巾15メートル位の縦長の開口部があり私は勝手に「風穴」と呼んでいます。この「風穴」を透かして駅の南側の空が見えます。これは建築学的にも、おそらくは風水の思想にも叶った設計で、特に車で京都駅に向かって南下する人は、もしここに「風穴」がないと本当に鬱陶しい建物と感じてしまいます。
私は京都駅のミラーに映る駅の北側の風景(京都タワーの虚像)と「風穴」を透かして見える駅の南側の空気が同時に見えるという演出(建築のポストモダン的装飾と言いたい)がとても気に入っています。
恐らく設計者は、車で烏丸通を南下して京都駅に向かう人に駅ビルがどのように見えるかを十分に計算している。
京都タワーが竣工した年は東京オリンピックが行われた同じ年、1964年です。(オリンピックは10月10日から10月24日まで開催。一方、タワーデパートは10月1日に開業したが、タワーの営業開始は12月28日となった)
またこの年、東海道新幹線が10月1日に開通している。京都駅を通過する新幹線の車体ともよくマッチしたデザインと構造(モノコック構造)であり、東京タワーのような鉄骨を用いたトラス構造ではなく、応力外皮構造が採用され、この方式で建てられたタワーとしては当時も今も世界一の高さの建物である。応力外皮構造(モノコック構造)とはエビやカニのように外皮が構造物を支えている構造をいう。
ここで、注目すべきことはオリンピックに合わせて色々なものが作られたが、新幹線をはじめとして、このころから世界一と言えるものが、日本で作られる様になったことです。
というのも、私の小中学校時代(1953年~1962年)に授業やホームルームでの担任の先生の話、そして校外学習で見学に行った時、バスガイドさんの説明や大工場のベルトコンベアの前で話をしてくれた工場長さんの説明。それらには必ず共通の言葉が挿入されていた。「このダムは東洋一の規模のダムです」「この煙突は東洋一の高さです」「東洋一長い橋」「東洋一速い汽車」「東洋一大きな港」私たち生徒は少なからず誇らしい気持ちになって、「日本はすごいなぁー」という感想をもって聞いていた。しかし、ちょっと考えてみれば分かることだが、「東洋一の○○」とは「世界一ではない」ということだ。
世界一は白人たちの国、欧米にある。だから、日本は二流国であり、白人には叶わないのだと言う言外の意味があり、巧妙に潜在意識の中に埋め込まれた古い皮質が私たちの中にあることを知らなければならない。広い意味での洗脳と言っていい。
低学年のころ、若い女の先生が担任で、「日本は東洋のスイスになります」と言う話をよく聞かされた。ここでも「東洋の」という言葉が使われていて、理想とするものは西洋にある、という洗脳が行われていることに気付くべきだろう。今思い出して考えてみると、この先生が自分で勉強してそういう結論に達したわけではなく、学習指導要領か教育委員会の指導の下に生徒たちに話したに過ぎないと思うし、おそらくこの先生はスイスが国民皆兵の国で徴兵制度があることなど知らなかっただろうと思う。これも日本を永久に武装解除しようとしたころのマッカーサーが言ったことだろうが、当のマッカーサーはとっくに罷免されたのに、どういう経過(あるいは日教組経由かも知れない)で10年も経ってからこういう話が出てくるのかと不思議だが、そのアメリカはこの頃(1955)にはもう日本の再軍備を目指していたのに。でも生徒たちはアルプスの牧場の少女と羊の美しいイメージと共に平和な国スイスと刷り込まれたし、アンケートでも取れば好きな国の一番はスイスだったろう。
【門川はん、いけずやわぁ】
今出川通と東大路通の交差点、すなわち百万遍の交差点の南東角は京都大学のキャンパスの石垣があり、ここはちょうど立て看板を立て掛けて置くのに都合のいい場所で、もう半世紀以上に亘って立て看板が立ち、京都の風景の一部となっていました。
七月の中頃、ここを車で通った時、立て看が一枚も無かったので、何か風景が物足りなかった。つい一週間前にはここに「門川はん、いけずやわぁ」という立て看が立っているのを見たのだが・・・。
「門川はん」とはあの和服の市長の門川大作京都市長のことであり、「いけず」というのは昨年秋だかに、京都市景観条例が出来、立て看撤去の法的根拠を作り、この春ごろから、京大に対して立て看を撤去するように圧力を掛けている、その「意地悪」を批判したものである。「シン・ゴリラ」なる立て看もあったが、これは京大の山極総長がゴリラ研究の第一人者であることを絡めて、揶揄(からか)ったものだろう。そして、大学当局が遂に立て看を撤去すると、翌日にはまた新しい立て看が出来るというイタチゴッコを繰り返している。
アフリカでゴリラと仲が良かった山極さんも、学生の気持ちは分かるとしながらも、大学総長という立場上、「男はつらいよ。ゴリラはいいなぁ」と思っているだろう。
1960年代の最盛期には、石垣に立てかける場所が無くなり、石垣の上に二段重ね、三段重ねで立て看が林立していた。
あの独特の文字で「自己否定」「大学解体」「日帝粉砕」という文字が躍っていた立派な立て看。立て看が無くなるのは寂しいと思っている京都市民は本当は多い。
「立て看がアカンのやったらタテタタミならええやろ」と下宿からタタミ一畳を持ち出した奴がいて、石垣に立て掛けて置いたところ、夜中にタタミが放火されるという事件が起き、これは大学当局がわざとやった放火だと噂され、翌日には新しいタタミが一枚持ち出され、それには「燃料②」と大書されていた。
さらに、立て看がダメなら、立て缶ならいいよねと、コーヒーやジュースの空き缶を200本位縦に並べベニヤ板に貼り付けたのを置いたり、七夕の頃には立て短冊なら許してねとベニヤ板の短冊に「造反有理」などと書いて、樹木に吊るすという様な抵抗を学生たちは続けている。
あんなに堂々と立派に威張って自己主張していた立て看が権力に押し潰されそうになって、生き残るためにメタモルフォーゼ(変態)して短冊になってしまった。
お前、こんなに貶められて、縮小しちゃって、「造反有理」と叫び続ける元気がまだあるのか。 ・・・・・偉い。
一か月ほど前には京都造形大学のカフェに京大の立て看を展示し、トークショーを開くなどのタテカンフェスが行われ、立て看もアート化という新局面に。さらに七月末には「立て看文化を守れ」デモが京都の街中で行われ、警察官を沢山護衛に従えてデモ隊が練り歩いたりしている。
立て看を見ていると、もう50年も経ったんだという深い感慨が湧いてくる。一体あの大学闘争は何だったのかという問いが浮かぶ。
50年前の1968年春、パリで起きた学生労働者たちの「禁止することを禁止する」というスローガンを掲げた反体制運動「5月革命」をきっかけに、世界中の多くの大学で学生たちの反乱が起きた。
アメリカのコロンビア大学の闘争では学生が記録したクロニクルをもとに1970年に映画化され『いちご白書』として公開された。
日本でもほとんどの大学でバリケードが出来た。当初は大学の学費値上げ反対闘争や学生食堂の運営権など身近な問題がきっかけであり、多くの一般学生が参加して、大学当局との大衆団交が行われ、それなりの成果も得られた。
しかし、この運動の本当の意味はこんなところにあったわけではなく、全共闘運動の歴史的意味は正しく評価されないまま混乱と困惑の中で失われてしまった。それはバリケード封鎖が長引き、新左翼学生の行動が過激化し、ついには殺人事件が起こるようになり、一般学生の支持を失い、自滅的に収斂していく中でその意味さえ蒸発してしまった感じだった。
多くの一般学生はそれほど政治的関心が高いわけではなくノンポリ学生であり、かつ心情左派と呼ばれていた。共産党系の民青は一般学生の間では全く人気がなく、新左翼の学生には共感を持っていた。そして、有名な企業に就職して、幸せな家庭を築くというような平凡な夢は小市民的幸せを求める奴ということで軽蔑の対象でさえあった。
では、この運動は何だったのか。それは自分の「加害者性に気づけ」という運動だったように思う。個々の学生は自分の思索の深さの程度に応じて、このことを理解し(理解しなくても)若者の鋭い感性で新左翼の主張に共鳴していた。
当時の学生たちの親世代は、太平洋戦争で酷い目にあい、空襲や敗戦後の新円の切り替えで財産のほとんどを失った戦争の被害者であったが、朝鮮戦争やベトナム戦争の特需で、少しづつ豊かになり、いま自分たちは親の仕送りで曲がりなりにも大学生活を送っている。しかし、それは戦争で犠牲になった人の死の上に築かれた幸せではないのか。喫茶店で議論しながら飲むコーヒーは第三世界の人々の不正に強いられた労働で搾取された結果ではないのかという問いであり、自分たちはそのような権力者の側に付くことを拒否する運動であった。そしてそれは「自己否定」という言葉に結晶する。自己とはモダンの思想を受け入れている自分自身のことであり、若者たちはポストモダンを模索していたのではなかったか。
しかし、ポストモダンの思想に行きつく前に、運動は自滅し、「全共闘世代」に属する人々に大きな影響を残したにも関わらず、不燃焼のまま終わってしまったのだろうか。
時代はすでに70年代の高度経済成長期に入っていた。私の子供の頃(1950年代)には、周りの大人たちの日常会話の中に、「ヤンキー・ゴー・ホーム」という言葉が普通に飛び交っていた。経済的に豊かになるにしたがって、こんなことを言う人は(沖縄の人々を除いて)もういなくなった。
経済成長に浮かれた世の中に説得されて(母親に泣き付かれたりして・・・)大人の選択をしてしまった(あんなに軽蔑していた小市民的幸せを選択してしまった)苦い経験を、忸怩(じくじ)たる思いを、うまく纏めて荒井由実は『いちご白書をもう一度』(1975年)というこの時代を象徴する曲を発表した。
どんな解説を読むよりも大学闘争の顛末を見事に伝えるこの曲は全共闘世代の気持ちをたちまち掴みヒットした。
この歌詞の中の『いちご白書』とはもちろん一義的には映画『いちご白書』のことを言っているが、本当は大学闘争で追及したことの本質を意味していると理解するべきだろう。
2018年8月14日投稿
【1962】[2334]米、中の 貿易戦争(通商交渉)の大きな動きの、底を見ること。 私は、歴史の勉強に打ち込む。
副島隆彦です。 今日は、2018年8月3日(金)です。
私は、この1か月、ずっと、『傷だらけの人生』という 新書版の本を書くことに熱中していました。 この 「傷だらけの人生」は、ベストセラーズ新書から、9月に発売になる。そのとき宣伝します。 自分では、初めての 実用書(ハウツー本)を書いてみようと思った。
自分の自伝のような本ではない。そんなものは書きたくない。私は、「世の中に、たくさんある、様々な騙(だま)し、詐欺に、引っかからないで、生き延びる知恵 を 身につけよう」 という本だ。 あまりうまくいかなかった、が、私にとっては、この ウソだらけ、ダマしだらけの、世の中で、何とか、それらの罠(わな)に、嵌(は)まらないで、陥(おとしい)れられないで、大損をすることなく、大失敗だけは、することなく、生きることが出来るか、という 本だ。
私にとっても、他の人たちにとっても、今の、追い詰められて、生きるだけでも、本当に苦しい日本で、どうやって、自分の活路を開いて行くのかを、私なりに真剣に考えた。
それと併せて、「生命保険 は、ヒドい。ダマシしだ」という本も書き進めている。
それから、「副島隆彦の 3200年の世界史 の通史(つうし)」の本も、ずっと、まだ、書いている。イスラエル=パレスティナ を、世界の真ん中において、その両側に、エジプト帝国 と バビロニア帝国(それぞれ5000年の歴史がある)がある。 イスラエル=パレスティナは、小国であり、一度も、帝国(地域大国、覇権国)になったことがない。世界史上の10個の帝国によって、占領、支配され属国となった。 ユダヤ人は、自分たちの起源、発生は、エジプト人であるのに、自分たちで、自分たちを、作った、発明した民族である、という本だ。
「パレスティナ人などいない。あいつらは、エジプト人だ。エジプトに帰れ」
と、 イスラエル=ユダヤ人たちが、テレビで叫んでいるのを、私は、最近も、BBCのニューズ報道とかで、よく見る。
私、副島隆彦は、あなたたちユダヤ人自身も、真実は、エジプトから、やってきた、開拓農民、屯田兵(とんでんへい)、満蒙(まんもう)開拓団だったのだ。 それを、自分で、自分を、発明(インヴェンション)してしまって、YHWH ヤハウエという 神聖体を、自分たちで作って、それに忠実に従う 自分たち、という 新しい民族の 作出を、自分たちの意思で、やってしまった特異な人々だ。
日本史だけでなく、世界史(=人類史)の5千年もまた、「帝国-属国」関係として、存在した。
このことを、世界史(=人類史)大きな理解の重要な一部として、私は、証明して、描ききることを、今、やっている。
ここでは、私は、ベネディクト・アンダーソン著の 大作 (1) 「想像の共同体」(日本語訳 NTT 出版、 1987年初訳)“ Imagined Community ,1983 “ 「イマジンド・コミューニティ」という本を重視する。
そして、この大著「想像の共同体」に触発されて書かれたのが、(2) 「ユダヤ人の 発明 」 “ The Invention of the Jewish People , 2008 ” 「ザ・インヴェンション・オブ・ザ・ジューイッシュ・ピーポー」である。(2)「ユダヤ人の発明」は、(1)の「想像(された)の共同体」を、自分に先駆のする本として高く評価している。 この(2)「ユダヤ人のはつめい」本そこは、巨大な真実を大きく暴き立てた、世界規模での 歴史学、政治学での重要な本だ。私、副島隆彦は、この本を、自分の思想と学問の研鑽(けんさん)のために、ずっと使っている。
この「(ユダヤ人による)ユダヤ人の 発明」 は、 ショロモー・サンド という、テルアビブ大学の歴史学教授として、イスラエルの大都市、テルアビブで、教え続けている「人類史の大きな真実を抉(えぐ)り出した」優れた歴史学者だ。Sholomo Sand ショロモー・サンドは、1946年生まれだから、現在、72歳だ。
この 本は、去年、2017年に、ちくま学芸文庫 から、出版された。その際、翻訳者と編集部が、何を、勘違いしたか、大きな誤解を、誤解のまま、押し通すつもりで、やった。 日本語訳を 「ユダヤ人の起源」とした。そして、サブタイトルを、「歴史はどのように創作されたのか」 と、実に、安易に、いい加減にやってしまった。本当は、「ユダヤ人は、自分たちをどのように創作したか」である。
原書の書名が、「ザ・インベンション・オブ・ザ・ジューイッシュ・ピーポー」となっているのだから、そのまま、忠実に、 「ユダヤ人の発明」 か 「ユダヤ人(ユダヤ民族)は発明された 」 とするべきなのだ。 そうすると、ユダヤ人、や、この民族の 発明とは、一体何なのですか、となる。
ところが、ちくま書房の翻訳者たちは、 原書のどこにも、 「ザ・オリジン・オブ・ザ・ジューイッシュ・ピーポー」と書いてないのに、日本語翻訳では、「ユダヤ人の起源( origin オリジン)」とした。 このことの、学問的な誤り、と 真実を覆い隠そうとする、その愚鈍で、怯懦(きょうだ)な精神は、強く、批判されるべきだ。 ×「ユダヤ人の起源」ではない。○「ユダヤ人の発明」だ。 書名を、今からでも、訂正せよ。
ショロモー・サンドが、自ら、ユダヤ人であり、テルアビブ大学で、長年教え続けた歴史学者でありながら、大きく暴き立てた真実は、「我々、ユダヤ人は、自分たちで自分たちを 発明した、(世界に例のない、恐るべき秘密を持った)民族である」ということを、はっきりと、この分厚い本で書いた。
「(民族の)歴史が創作された」のではない。そんな、生やさしいことではない。ユダヤ人は、ユダヤ人自身を、自分たちで、自分たちのために、発明した。自分で自分を創作したのだ。 このことの 重要性を、日本人の知識層 に、大きく知らしめないといけない。このように思って、私は、自分の「真実の世界史の本」を、今も書いている。
3冊目は、読書人たちの間で、静かに評判を取った、 (3) 「サピエンス全史」(河出書房新社 、上下2巻、2016年刊 ) の原書である、 “ Sapiens , 2014 “ である。世界的なベストセラーの本である。 私は、この本については、詳しい書評を、「今日のぼやき」でやった。
著者の ユヴァル・ノア・ハラリ Yuval Noa Harari は、1976年生まれだから、現在42歳 だ。まだ、こんなに若い人だ。首都のエルサレムの北にある ヘブライ大学の 歴史学教授だ。ハラリは、写真から見て、ガリガリに痩せ細った、骸骨のような顔の、激しいヴェジタリアン(菜食主義者)で、「動物たち、とりわけ、牛、豚、ニワトリが、年間に 何千万頭も、人間の食用として、トサツ=殺されている」と、この本の中で、訴えている。
私は、ハラリ教授の、最新刊の “Homo Deus “ 「ホモ・デウス」が、もう出たようだが、まだ、読んでいない。 ゼウス、デウス に 着目することは、ものすごく重要だ。
ギリシアの「オリュンポスの12神」の筆頭の神々の中の大王である ゼウス、デウスこそは、 人類の 最高の 天帝(てんてい)である。 中国人が言う、天帝(ティエンダイ)も、実は、ゼウスである。 紀元後、184年辺りに、後漢(ごかん)帝国が、崩れ始めた頃の、「三国志」の始まりの頃に、 五斗米道(ごとべいどう)と 太平道(たいへいどう) の乱があった。
この時に、アリウス派のキリスト教の 宣教師(牧師、パスター。シェパード )たちが、中国にまで、やって来ていた。彼らが、中国人に、「天」 the heaven ヘブン と 天帝 Deus, Zeus 、ゼウス、デウス を教えている。
アリウス派は、「イエスは、人間だ。ただの普通の男だ。ただし、この人の教えが大変優れているので、私たちは、この人の言行に習う」と考えた。
イエス・キリストは、「主よ、主よ。我を、 救けたまえ 」と言うとき、この主は、英語の聖書 では、Lord ロード と 訳しているが、元は、「ゼウス、デウス よ 、・・・」である。ギリシア語である。 新約聖書(イエスというアホな男の物語)は、な初めの本は、なんとローマで、ギリシア語で、書かれたのだ。紀元後60年とか、80年、100年である。ヘブライ語ではない。
日本の戦国時代(室町時代の後半部、1550年ごろ、から1600年までの、たったの50年間 ) にやってきた、ローマン・カトリックの、多くは、イエズス会の宣教師(ミッショナリー。神父。パードレ=ファーザー)たちは、 日本人の信者たちに、「我らが主ゼウスさま、ゼウスさま」と教えている。 イエスさまとは、言っていない。 ここにも秘密が隠されている。 そして、隠れキリシタンたちが、決死の密入国をしたパードレたちから習った ハライソ (天国)は、パラダイス paradise だ。
このローマンカトリックの、主に、イエズス会(ジ・ハウス・オブ・ジーザス)の伴天連(バテレン。パードレ、神父)たちは、本当に、悪い人間たちだ。人類の諸悪の根源である。
私は、ニーチエ とモーツアルト と ミケルアンジェロを、研究してきて、この巨大な真実に、50歳で到達した。
ローマン・カトリックと CIAの 凶暴な、堅い信念の反共(はんきょう)人間たちが、が、後述する 統一教会 Moonie ムーニー、安倍晋三たち を作ったのだ。
共産主義(コミュニズム)は、政治思想としては、大体、地球上で死んでいる。それなのに、、そのアンチ・テーゼである、自分たちの 反共(はんきょう)主義 は、死なない。 テーゼ(命題、措定 )の方が、死んだのに、自分たち、アンチ・テーゼ(反措定)が、死なない。
私が、最近、調べてようやく分かったが、旧約聖書もまた、何と、一番始めは、ギリシア語で、書かれている。 紀元後200年ぐらいに、成立している。 ヘブライ語ではない。断じて、古代ヘブライ語ではない! ギリシア語で書かれたのだ。 この時代の、世界中の 知識人言語、優等言語( リンガ・フランカ)は、ギリシア語だ。
ローマ人が、ローマ帝国を作って、世界中を席巻していたのに。それでも、ローマ人は、ずっとギリシア語(ギリシア文化)に頭が上がらなかった。ローマ帝国の時代にも、 支配言語、官僚言語、知識人言語は、ギリシア語だったのだ。 このあと、紀元後の300年代から、東ローマ(=ビザンチン)帝国が中心の時代になって、再び、ギリシア語による支配 に回帰した。
ヘブライ語など、もっと、ずっとあとで出来た言語だ。ヘブライ語が出来たのは、紀元後、200年代だろう。それなのに、「自分たちユダヤ民族は、古ーくから有る、古ーい民族だ」と、大きなウソを付かないことには、やっていられない、という おかしな人間たちなのだ。 こういう秘密を、私は、自分の世界史の本で、徹底的に、大きな真実を暴き立てる。
私は、2008年に、読んだ新聞記事に、自分がヒドく驚いたことを、今も覚えている。その新聞記事は、前述したテルアビブ大学のショロモー・サンド教授が、本を出した、と書いてあって、そのあとに、
「古代の ペリシテ人 は、今のパレスティナ人であり、農民として、ずっと、この地にいたのだ。今もいる。彼らはエジプトからやってきた。そして、ユダヤ人というのも、エジプトからやってきた農民たちである、と証明した 」という記事を読んで、度肝(どぎも)を抜かれた。
ということは、ユダヤ人も、パレスティナ人と同じ、全く同じ、エジプトからの、開拓農民の、遊牧民である。自分たち自身が、エジプトからの移民、開拓農民であり、ペリシテ人そのものなのである。
ところが、他のペリシテ人たちを、「自分たちは、彼らとは、全く、違う。あんな連中と、同じにしないでくれ。自分たちは、ヤハウエ神を信じるのだ」 と、 自分たちは、全く、別物だ、と言い出した。
真実は、このヤハウエ神というのは、これが、アーメンの起源 なのだ(エジプトで、紀元前1300頃に、激しい、アマルナ革命があった)が、これが、そのまま、アメン神官の一団である。
彼ら自身が、 自分たちを、ヤハウエ YHWH だ、と名乗った。その裏に、エロヒム神という隠れた神 が付いて いる。
アメン神官たちは、生身の人間たちだ。10人ぐらいだろう。この神官たちが、ヤハウエそのものであり、ゾロゾロと、モーセたちに守られながら、付いてきた。 嫉妬深い神とされる。「自分たち以外のカム(神)を、拝んだら、天罰が起きるぞ。焼き殺してやる」と。 このアメン神官団を世話しながら、モーセたちは、遊牧民(ノウマド)として、例の「ユダヤ12部族(支族)」のうちの、レビ族が、聖櫃(せいひつ)担ぎで、ベニヤミン族が、荷物担ぎ だ。 そのように決まっていた。
*「出エジプト記」のモーセのイメージ
そして、この時期に、自分たちはユダヤ人になった。ユダヤ人を名乗った。本当は、自分たちも、エジプトから移民してきた、他のペリシテ人(今のパレスティナ人)と全く同じエジプト人のくせに。 自分たちを、ユダヤ人Jews だ、と言い出した。 自分たちで、自分たちを、インヴェンション(発明)したのである。 自分たちを、特別な人間たち、特別な民族だ、と 言い出した。だから、紀元前1200年頃に。モーセが指導者として、エジプトを出た頃から。すなわち今から3200年前に。
そして、 自分たちよりも少し早くやってきて、カナンの地(パレスティナ=イスラエル)に、すでに、定住していた、ペリシテ人たちの町を、次々と、襲撃して回った。彼らの土地を奪い、殺して回った。 全く同じ民族なのに。同じ、エジプトから来た農民たちなのに。
今もある エズレル(イスラエル)平原 のあたり一帯の、
先に来ていて、バアル神(太陽崇拝、豊穣神)を素朴に信じていて、普通の人々である ペリシテ人(今のパレスティナ人。やや愚鈍)たちに、戦争を仕掛けて、土地を奪っていった。それが、モーセのあとの、200年間で、 それが、士師(しし)の時代だ。このあと、紀元前1000年ぐらいから、エルサレムを中心( 至聖所 を作った。今の岩のドームの場所) にして、王国( 「列王記」)になった。
それから、10以上の、たくさんの帝国に、次々と、踏み荒らされた。今に至る。ある時期は、イスラエル人(ユダヤ人)は、全く、そこらにいなかった、時期もかなりある。 100年間、ぐらい、ユダヤ人が、エルサレムにいない、時期がある。その時は、彼らは、ちゃっかり、ただのペリシテ人に、戻っていたのだ。そうやって、生き延びた。 それが、イスラエル国の 真の歴史、3200年 だ。
それが、モーセのあと、後継ぎの ヨシュア からあとの、モーセ五書の中で、このあと、紀元前1000年までの、200年間が、士師(しし)の時代だ。 士師とは、シェファルド 、シェパード shepherd で、羊の群れを連れている人間のことだ。羊飼いのことだ。 遊牧民(ノウマド)時代のユダヤ人が、創作される途中の、人間たちだ。 今のトランプも、こういう、民族の移動、と指導を引き受けている、シェパードだ。 幌馬車(ほろばしゃ)隊の隊長だ。
まだ、預言者(よげんしゃ)とかは、出てこない。 紀元前1000年頃に、サウルと ダビデを、ユダヤの王だと、次々と認定した、サムエルが、最後の士師(シェパード)で、かつ、最初の預言者(プロウフェト)だ。
自分たちも、エジプト人なのに。エジプトの 新王国 第19王朝 の王(ファラオ)ラムセス2世 (在位 紀元前1301-1234)から、「お前たちは、エジプトの新しい領土となった、北の方の、豊かな土地であるカナーンに、どんどん、移住しろ。開拓農民となってゆけ」「ひとり300万円とかの支度金を出す」で、移住していった者たちだ。日系ブラジル人と同じような、移民だ。
それが、まさしく、紀元前1250年の モーセ Moses が 率いた、 出エジプトだ。ダス・エグゾダス Exodos 『出エジプト記』 だけが、本当にすばらしい。この本は、あまりウソがない。
聖書の中では、ユダヤ人は、エジプトから出たり入ったりで、忙しいが、すべて、ウソだ。初めから、エジプトからの移民として、移動していった。この事実だけだ。行ったり帰ったりは、していない。イエスとその家族もそうだ。すべての赤ん坊が殺されるので、などと、エジプトになんか行っていない。
ユダヤ人の始祖とされる アブラハム は、いない。こんな人はいない。 創作だ。でっち上げだ。アブラハムのモデルは、紀元前1700年ぐらいの、メソポタミアの南の、バビロニア(今のイラクの南部。バビロン)の大王だった、ハンムラピ王だ。『目には目を、歯には歯を」の法律を作った王だ。そのハンムラピ王 を、 アブラハム、という人物に、自分たちで勝手に作った、創作した。
アブラハムという、でっち上げた人物を 自分たちの始祖としたのだ。作り話だ。このモーセ五書の第一巻である「天地創造」の後半の、 アブラハムの登場からは、紀元後200年代に出現した、ユダヤ人のラビたちによる、作り話である。 紀元後200年代に、Rabbies ラビたちが、生まれて、ギリシア語で、旧約聖書(その冒頭の五冊がモーセ五書)を編纂した。そして、この時に、ユダヤ人、というのが、創作された。
第一巻の「天地創造 記」の中の、作り話の、始めの、アダムとイヴ(エヴァ)、その子供たちのカインとアベル( カインがアベルを殺した)、それから、ノア の箱船のノア。 そして、大洪水のあとの干上がった大地に降り立ったノアが作った、3人の息子である、 ヤペテ (このヤペテが、ヨーロッパ白人の始祖とされる)と、セム(これが、今のユダヤ人とアラブ人) と ハム(北アフリカ黒人の、ベルベル族や、ヌビア族の始祖) だ、とする。
ここまでの 話には、私は何の違和感もない。神話 (Myth ミス) としては、上出来である。素晴らしい出来だ。ここらあたりには、私は、異論はない。
だが、このあとの、アブラハムから、イサク、ヤコブ そして、その12人の息子たち(これが、ユダヤ12氏族となる) そして、その11番目の子であるヨセフ (ここで、急に、モダンな名前になる) が、エジプトに渡って、ファラオ(エジプト王)に継ぐ高官になった、だと。
そして、自分を殺そうとした 兄弟たちが、エジプトにパレスティナから、頼ってやって来たときに、大事にした。 そして、12氏族 が、エジプトに住んだ、と。インチキ話を作って、それで、無理矢理、それから、350年後の、モーセの 「出エジプト記」に繋(つな)ぐのである。 この インチキ、歴史の偽造 、ねつ造(ホウクス Hoax )を、ラビたちは、やった。
この ヤコブの 12人の息子たちは、 ハラン Harran という、今のシリアの 第2の都市アレッポ(IS戦争で、今は、完全に廃墟だ) の 東の、水がたくさんある、稲作も出来るぐらいの アッシュール湖、のそばの大都市で生まれている。 それが、なぜ、どうやって、エジプトに、移り住んでいった、という ウソ話に、 することが出来るのか。
何が何でも、ユダヤ民族は、太古にエジプトに移住していて、それが、それが、モーセに率いられて、「出エジプト」して、イスラエルの地に、帰ったのだ、と、 なんとか、無理矢理、辻褄(つじつま)を合わせなければ いけない、ということで、紀元後200年代に、ラビたちが、インチキ話を、でっち上げたのだ。
だから、今の、ずうずうしくて、あつかましい限りの、人の言うことを聞かない、人の迷惑を全く、気にしない、嫌われ者の、ユダヤ人という選民思想(チョウズン・ピーポー)の民族が出来上がった。彼らが使ったのはギリシア語だ。それで、一番初めの旧約聖書 が出来た。
その前に、伝承がずっと、その前の1千4百年間、有った、だから、それらを文書に纏(まと)めたのだ、と強弁するだろうが、それも怪しい。 彼らは、自分で自分を創作した、無から作り出した、のだ。 そうやってユダヤ人 (ユダヤ民族)が、作り出された。まさしく発明だ。
フランケンシュタイン博士が、怪物 フランケンシュタインを作ったのと、同じだ。
自分たちで、自分たちを創作して、発明した、ユダヤ人(紀元後200年ぐらいに、ユダヤ人は、創作され、誕生、発生した)は、紀元後200年代から、出現した、 ラビ Rabbi ( 英語ではラーバイ。 宗教指導者 律法の解釈者たち。お坊さまだ)たちが、「エスサレム・タルムード」と「バビロニア・タルムード」の成立と同じ時に、旧約聖書(モーセ五書 Tohra トーラ)が、その冒頭)も、 作った。創作したのだ。
それらは、ギリシア語で書かれた。決して、古代ヘブライ語ではない! 当時の、世界の中心言語、優等言語、支配者言語は、ギリシア語だからだ。官僚と、学者と、知識人たちは、ギリシア語で書いた。
だから、このラビニック・ジュダイズム Rabbinic Judaism 以後の研究しか、今の、世界中の ジュダイズム Judaism ( ユダヤ教。ユダヤ思想とも訳せる。同じことだ) 学者たちは、やらない、と決めている。 その前には、無いからだ。
だから、ユダヤ教は、キリスト教よりも、遅れて出来た。 これは、現在の、ほとんどのユダヤ学者たちが認めている。
イエスが生きた、紀元前後( 紀元後30年に、イエスは処刑死) の ローマ帝国による支配の頃も、ローマ人の官僚や、軍人の将校たちは、ギリシア語で文書をかいた。ローマ語ではない。 私は、ラテン語、という 言葉が、いつから使われたのかを、調べている。ローマ語でいいのに。
その前の、アレキサンダー大王による、ペルシャ帝国全体の の支配 (BC333年の イッソスの戦いで勝った。ダレイオス3世に )で、ギリシア語、ヘレネスの言葉、 ギリシア人の優位が、確立していた。 このヘレニズム の ギシシア白人たちの、植民都市が、 中央アジアから、インドにまで作られた。
だから、ガンダーラ(カンダハール川の流域。今のパキスタンの北部一帯。バーミヤンからペシャワール、イスラマバードも)で、大乗仏教に、変じて、お釈迦様(ゴータマ・ブッダ)の像(=仏像。「ブッダズ・イメッジ) は、髪が、ギリシア美術の クリクリ毛の、 パンチパーマのような、頭をしているのだ。 私は、この 「このパンチパーマの 人は、誰ですか? 」と、 「隠された歴史 そもそも
仏教とは なにものか? 」(PHP 刊 、2012年) の冒頭で書いた。
アレキサンダー大王よりも、160年前の、紀元前490年と、480年の 2回、ペルシア(・ギリシア)戦争(と表記するべき)で、ダリウス1世が、ギリシアに攻め込んだ。 が、何とか、ギリシア人たちは、世界覇権国(ヘジェモニック・ステイト)であるペルシア帝国からの攻撃を、撃退できた。しかし、真実は、デロス同盟は、どうも、ペルシア帝国に服属したようだ。
イスラエル=パレスティナ は、私が、数えたら、なんと12個の 歴史上の帝国(大国)に 占領され、服従して、生き延びた国、 小さな国、小国だ。 一回も帝国(エムパイア)になったことがない。
このことが、重要な真実だ。
人類の歴史(=世界史)は、副島隆彦が、ずっと唱導して、研究してきた「帝国 ー 属国」関係で出来ている。
ペルシア戦争のあとの、ペロポネソス戦争の頃から、アテネは、自らが、周囲の小都市を集めて、(小)帝国になったようだ。
このあと、30年もしないで、紀元前450年ぐらいに、賢帝(けんてい)ペリクレスと、それより21歳下の、ソクラテスの時代が来る。
我慢に我慢の、寛容の精神をした、ペリクレス が、アテネの デモクラシーを実現した。だが、本当は、ペリクレスは、独裁官(どくさいかん。ディクタトーレ)であった。 人類の理想の、優れた指導者に率いられた、古代デモクラシーが完成した。それがアテネだ。 だだし、ほんの数十年間 の話だ。
アテネこそは、人類の歴史の頂点とされ、欧米白人たちが、今でも、自分たちの原点として、鼻高々で、威張る理由だ。 もうひとつの人類の 初のデモクラシーは、 ローマ人から見たら、むくつけき蛮族であって、ゲルマン諸族の、 紀元前後からの、ゲルマン民会(ゲマインデ)の、「チュートン森 (トイトブルグの森)から生まれた、デモクラシー」(モンテスキューの「法の精神」で書かれた)だ。
もしかしたら、イエス自身は、アラム語(アラマイト)だけでなく、さらには、シリック(古代シリア語 Cyric とする説が出ている)だけではなく、 イエスは、まさしく、ギリシア語を話した教養人だったろう。 アラム語(アラマイト)が、当時、古代世界の、エジプトから、ずっとぐるりと、メソポタミアまで広く使われて、話されていたという。 今のアラビア語のような、大きな広がりを持ってたのだ。
だから、大事なのは、ギリシア語なのだ。紀元前500年代から、紀元後500年代まで、実に、一千年間、エジプトでも 地中海でも、どこでも中東世界全体 の、支配階級は、ギリシア語を話していたようだ。 文献、文書は、ギリシア語で書かれている。 一体、人類の歴史の大きな真実は、どこにあるのか?
ギリシア語も、フェニキア文字のアルファベットである。だから、フェニキア人(ポエニ人、カルタゴも、ベネチアも)が、一番、古い、言語の民族だ。紀元前1200年代(13世紀)から、あの辺に、居るようだ。 元々のユダヤ人、というのも、どうも、始めは、フェニキア人 という海洋性の民族で、「海の民」そのもので、ある。フェニキアとは、今の、レバノン(人)(首都ベイルート)である。
ヘブライ語は、あとから出来た。これも、フェニキア文字だ。だから、ギリシア語も、 アラビア語も、ラテン語(ローマ語)も、のちのロシア語(スラブ語)などのキリル文字も、元々は、フェニキア語から派生したのだ。
アラビア語は、それよりも、ずっとあとの、紀元後622年 のイスラム教の成立(ヘジュラ元年)ときの、クルアーン(コーラン)の成立と共に、成立したのだ、と、考えればいい。アラブ人というのも、この時、クルアーン(コーラン)の成立と同じ時に出現した、生まれたのだ、と、考えればいいのだ。 その前には、アラブ人はいない。・・・・
私は、ずっと、こういうことばかり、書いている。 こうやって、日本の思想家である副島隆彦は、この炎暑と台風が、交互に押し寄せる、今の時期を、生きている。
誰かが、日本にも大きな真実を、世界基準では、すでに明らかになっていることを。 私が、簡潔に書いて、伝えなければならない。これが、私の使命で有り、運命だ。
以下の載せる記事は、昨日の WSJ (ウオールストリート・ジャーナル)紙のものである。WSJは、金融・経済の日刊紙であり、日本の日経新聞のような経営者や投資家が読む新聞だ。
この記事に、もの凄く、重要なことが、書かれている。それは、 次の米大統領選(2020年)での、民主党の 候補は誰かが、書かれているわけではないが、私、副島隆彦はピンと来た。 鋭く読む能力のある人は、分かりなさい。いや、誰も、まだ、分からないだろうなあ。
(転載貼り付け始め)
「米中貿易戦争、解決のキーマンは王岐山(おうきざん)副主席か」
2018年8月2日 WSJ By Chun Han Wong
王氏は米国に舞台裏でメッセージを伝達する役割を果たしている
貿易をめぐる米中の緊張が高まった今年5月、中国の王岐山(おうきざん)国家副主席は米実業家らとの会談の場で、中国の産業政策に対する米国の批判に反論した。中国の歴史に関する米国の無知について詳しく説明したのだ。 (略)
米国は7月6日、340億ドル(約3兆7800億円相当)の中国産品への追加関税を発動し、貿易戦争をエスカレートさせた。その数日後、王氏はシカゴ市のラーム・エマニュエル市長、 テスラ のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)と個別に会談した。
エマニュエル氏との会談は王氏の要請によるもの。エマニュエル氏の報道官によれば、会談で王氏は、米中関係の現状は中国側が望んでいるものではないとしながらも、「中国は自国経済を強化するというビジョンを思いとどまることはない」と述べた。・・・・
(転載貼り付け終わり。あとで、この記事の全文を、再度、掲載する )
副島隆彦です。 ようやく 中国の一番の大物の人物が、表に出てきた。真打ち登場、である。
「(習)近平 (チンピン。呼び捨てだ)よ、まあ、私が、アメリカのトランプ との交渉、駆け引きの仕事を引き受ける から、見ていなさい」という感じだ。私、副島隆彦 の研ぎ澄まされた眼力から分かることは、王岐山は、いきなり、アメリカの最深部の急所に、手を突っ込んだ。
王岐山が、これから、トランプと、激しい、政治ドラマを、たくさん作ってゆく。だが、この勝負は、表面には、あまり出ないだろう。 国家副主席の 王岐山(おうきざん、 ワンキーシャン 70歳。習近平より5歳上 )が、ついに出てきた。 そして、トランプに向かって、大きな、くせ玉を、これからたくさん投げる。中国も、簡単には負けない。 トランプは、内心、ゾッとしただろう。
米中の 貿易戦争、通商交渉では、緒戦(しょせん。スカーミッシュ)では、中国の完敗だ。トランプの大勝利だ。 今も進撃を続けている。 中国側で、防御戦の、先陣を引き受けた、劉鶴(りゅうかく。リャウホウ)は、早くも、5月に、対米交渉で ボロボロになった。 そのあと、7月から、王岐山が動き出した。
中国は、群議技術含めた、あらゆ分野の 先端技術を、すでに、世界中から、ドロボウして、もう、自分のものにしてしまった。ほとんど盗んだ。だから、アメリカに対しても、決して下手(したて)には出ない。
王岐山は、 一帯一路(いったいいちろ)の 戦略のまま、大きく、アフリカ諸国、南米諸国、そして、アジア諸国の華僑圏 から、遠回りにして、アメリカを包囲するだろう。トランプに「もっとカネを払え」と、虐(いじ)められているヨーロッパ諸国も、中国に、こっそり付くだろう。 ロシアと、トルコ、イランも、中国に付く。 だから、中国が、トランプの電撃、攻撃を、ガチッと受け止めてからが、本当の闘いだ。 これは、持久戦(じきゅうせん)である。 トランプが、ああいう人だから。
だから、トランプは、緒戦で、電撃作戦(でんげきさくせん。ブリッツクリーグ)で、ナポレオンのような、あるいは、ヒトラーがやったような手口で、激しい攻撃を仕掛ける。そして、相手が真っ青になり、脅しあげておいてから、“デイール(交渉、駆け引き)の天才 ” として、落としどころを探る。
裏から手を回す。 トランプは、商売人であるから、ベロリと舌なめずりして、そして、どれだけでも、態度を変える。
この手口は、今では、もう、世界中で読まれている。トランプの虚仮威(こけおど)し、や恫喝(どうかつ)と、同時の、裏から手を回しての、相手を交渉に引き釣り込む、というやり口は、もう満天下に、バレている。
それでも、 私、副島隆彦が、今のトランプを支持しなければならない。 それは、アメリカの国内政治で、今も、米民主党の中に、強力に、根付いて、巣くっている、Moonie ムーニー、統一教会の勢力 、すなわち、反共(はんきょう)の精神に満ちた、反共、反(はん)共産主義だけを自分たちの教義(ドグマ)にしている、狂った精神をした者たちの、大群、大軍との闘いを、今も、厳しくやっているからだ。
アメリカのリベラル派の中に、ヒラリー・クリントン派の形で、 この Moonie ムーニーの大勢力 が、居る。
それは、アメリカの政治ニューズを見ていると分かるとおり、FBI(司法省の下部組織)、とCIA(国務省の下部組織 国家情報部、国家スパイ組織 )の 中に、それぞれ、数百人の幹部たちが、この 反共主義の、ムーニーの強固な、強烈な宗教心をもったものたちが。今も厳然として、いるからだ。
そして、アメリカの メディア(テレビ、新聞)である。この連中にも、Moonie が、たくさんいる。
彼ら、宗教的な 反共主義の 恐ろしい狂信に満ちた、ヨーロッパにもいる、大勢力との闘い、戦い において、 トランプが、決して、優勢だ、という判断を、出すことは、まだ、できないのだ。
この Moonie 勢力 は、日本にも強力に存在している。厳然として、私たちの日本国が、抱えている。それが、まさしく、安倍晋三と昭恵夫人を頭目とする、日本の統一教会の組織だ。彼らが、日本の政治権力を握っている。 恐るべきことだ。 今、現在も、安倍政権の形で、現出(げんしゅつ)している。私たちは、この勢力の奴隷のようにされて生きている。 誰も、このことを、怖くて言わない。
本当は、金持ち、と資産家、でなければ、自民党支持者になってはいけない。金持ちたちだけが、自民層(保守党)支持であるべきだ。 ところが、反共の燃え上がるような、頭の芯からの狂信が、あれば、自分は、貧乏人(一般庶民)でも、自民党の支持者で、ある資格がある、と 勘違いさせるために、 この気色の悪い、反共の宗教団体が、磁石(じしゃく)となって、いろいろの隠れ蓑を、使って、 安倍晋三自民党 の 500万人ぐらいの大勢力を、この国に、作っている。彼らは、この国に、癌(がん)細胞だ。
その隠れ蓑(かくれみの)が、 日本会議や、笹川財団 や、幸福の科学(=幸福実現党)である。
この他に、出版社の、ディズカヴァー・トゥエンティワンなどの、気色の悪い、 イエズス会(上智大学など。ローマン・カトリックの中の大派閥。今の極悪人、フランシスコ法王は、公然とイエズズ会だ)
が、出資、応援している。
この 狂信の宗教団体、信念の反共人間たち、によって、乗っ取られている日本の国家体制を、何とかしなければいけない。この 狂った勢力を何とかしないことには、日本国内で、政治言論とか、社会評論とか、は、成り立たない。
有識者、言論人は、このことを、分かっているくせに、、ものすごく怖(こわ)いものだから、すっとぼけて、逃げる。あるいは、当てこすりの、いい加減な言論や、新聞記事にして、この日本国の 根本の問題を、すり抜けて、他の何ごとかに、変えて、代えて、それで、ゴマ化している。あるいは、自分自身が、安部派=統一教会 に 尻尾を振って、寄ってゆく。 おいしいご飯を食べたいからだ。冷や飯食いは、イヤだからだ。 私、副島隆彦は、こういう 大きな真実しか書かないで、生きて来た。
私が、毎日、死ぬほど、不愉快極まりないのは、やはり、この問題だ。この問題から、目を離して、他のことに逃げることは、私は、自分が、日本国民のために、大きな真実を伝え続ける、という仕事をしてきて、自分への裏切りとなる。 私は、この Moonie 統一教会 勢力との闘いを、すべての自分の言論、思想研究の中心に置いている。
安倍晋三は、 自分は、明確に、明らかに、ヒラリー派=ムーニー の勢力に、付属するはずなのに。何と、トランプが、大統領に当選した(11月9日)、の、わずか8日後、2016年11月17日 には、おカネ(50億円)を持って、トランプ・タワーに、行って、トランプに、べったりとしがみついた。恥も外聞も無い、恐るべき技(わざ)を使う者たちなのだ。
今や、自民党内の、ハト派や、良識のある人々、真の温厚な能力のある経営者たち が、安倍勢力の、恫喝、脅しに、屈して、 黙りこくらされている。 この他にも、古色蒼然の本物の 民族右翼、さらには、日本の広域暴力団が、そのまま政治家集団になった組織である竹下派に、担がれている、石破茂(いしばしげる)さえも、 どうにもならない。 日本の危機である。
他の国のことを、あれこれ言えるような、状態ではない。 日本こそは、暴力団よりもヒドい、特殊な狂気の宗教団体を、頂点に置いている、見るも無惨な国なのだ。このことを、皆、腹の底から、自覚せよ。日本は、大きな危険の中にいるのだ。
韓国も、北朝鮮も (すなわち、文在寅も 金正恩も)、―私は、はっきり書く ー この愚かな朝鮮族、韓国人たちも、日本と同じく、統一教会によって、政治が乗っ取られている国である。目も当てられないぐらいの、惨状である。文在寅(ムンジェイン)と金正恩(キムジョンウン)は、ふたりで一本のナイフを、しっかり握り合って、「統一」という名のウエディング・ケーキを切る、結婚式のような 儀式を あのとき、世界に向かってやってみせた。あれは、統一教会の「合同結婚式」そのものであり、これと全く同じ精神構造をしているから出来ることだ。
こういう 大きな事実を、鋭く、真っ正面から、見つめる能力がないなら、他に、何の、政治言論が成り立つというのか。
私、副島隆彦のこの書き方が、異常だとか、ものすごい偏向(へんこう)だとか、気が触れたのか、と 思う人は、 それは、私、副島隆彦の本をこれまで、真剣に読んで来なかった人だ。
私が、どれぐらい本気で、これらの大きな真実を、ずっと、書いてきたか。そのことの信用と、大きな支持が、私にあるから、私は、こうやって、苦悩のドン底からでも、こうして、書いて、公表できている。大きな真実を、分かりたくない者は、 この 学問道場には、近寄るべきでない。 私は、本気だ。
(最後に、上記の新聞記事を、再掲載する)
「米中貿易戦争、解決のキーマンは 王岐山(おうきざん) 副主席か」
2018年8月2日 WSJ (ウオールストリート・ジャーナル紙)
By Chun Han Wong
https://jp.wsj.com/articles/SB11443694453778813656304584383691732929568
王氏は米国に舞台裏でメッセージを伝達する役割を果たしている
貿易をめぐる米中の緊張が高まった今年5月、中国の王岐山(おうきざん)国家副主席は米実業家らとの会談の場で、中国の産業政策に対する米国の批判に反論した。中国の歴史に関する米国の無知について詳しく説明したのだ。
この会談の内容を知る関係者によれば、王氏は貧困から抜け出そうとする中国の苦闘を理解しない米国の姿勢をたしなめた。米国が中国の苦闘を理解すれば、中国共産党とその政策についても理解が進むだろうと話したという。王氏は、孫武の兵法書「孫子の兵法」の「敵を知り、己を知れ」の格言を引用し、自らのメッセージを強調した。
↑一番左が、王岐山(おうきざん)
習近平国家主席の腹心である王氏は短期間政界から退いた後、今年3月にそれまで儀礼的役割だった国家副主席の座に就いた。
舞台裏でメッセージ伝達
王氏は副主席として、訪中する米国人らに舞台裏でメッセージを伝達する役割を果たしている。習主席の経済アドバイザーである劉鶴(りゅうかく)副首相が、貿易紛争をめぐる米国との交渉を主導している。一方、王氏は、外圧に屈することなく自らの発展の道を進む中国の決意を伝えている。
王氏が政治の最前線に復帰したことは、過去半年間で習氏が中国の政治的序列をいかに変えたかを物語っている。この間に習氏は、自らを政策立案のトップに据え、周囲に同志や子飼いを配置してきた。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は、今年3月、国家主席と副主席の任期制限を撤廃した。 習氏と王氏は、無期限に現職にとどまることができるようになった。
米国は7月6日、340億ドル(約3兆7800億円相当)の中国産品への追加関税を発動し、貿易戦争をエスカレートさせた。その数日後、王氏はシカゴ市のラーム・エマニュエル市長、 テスラ のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)と個別に会談した。
エマニュエル氏との会談は王氏の要請によるもの。エマニュエル氏の報道官によれば、会談で王氏は、「米中関係の現状は中国側が望んでいるものではない」としながらも、「中国は自国経済を強化するビジョンを思いとどまることはない」と述べた。
上海に電気自動車(EV)工場を建設する計画を発表するため中国を訪れていたマスク氏は、ツイッターで、王氏と面会したことを明らかにし、「歴史や哲学に関する非常に興味深い話し合いをした」と書いた。
米国で一目置かれる存在
一部の米当局者や企業経営者は中国当局者に対し、貿易摩擦解消のため王氏が訪米して交渉に当たるよう要請している。王氏は1990年代以降、銀行家や政府高官として多くの米側関係者と交流してきており、米国の金融界や政界で一目置かれる存在だ。
ただ関係者によれば、王氏は5月に北京の中南海(ちゅうなんかい)で米経済界の首脳らと会談した際、自らが対米関係を統括することは否定。習氏が望むことならば何でもするのが、国家副主席としての職務であると語った。
副主席としての王氏は、前任者をはるかに上回る名声と影響力を持って外交上の職責を果たしている。昨年10月に共産党政治局常務委員から退任したものの、今も重要会議には出席しており、党の外交政策を担う新設の中央外事工作委員会の事実上のトップに就任している。
習主席にとって、王氏を副主席として置く意味は、米国に対する洞察力を持つ貴重な人物を、実績あるトラブルシューター、かつ忠実な部下として身近に置くことにある――。これが中国政治ウォッチャーたちの見方だ。
また、潜在的ライバルとなり得る年下の幹部を、次の国家主席をうかがうポストに就かせる、のを回避するのにも役立つ。現在70歳の王氏は習氏より5歳ほど年上で、後継者になるには高齢過ぎると考えられている。
王氏は、経済政策通の銀行家および政治家としての長いキャリアに定評があるが、その後は汚職撲滅(おしょくぼくめつ)運動も指揮した。この反腐敗(はんふはい)闘争により、習氏は就任1期目の5年間で、政敵を追い払い、党員たちに忠誠を誓わせることが可能になった。王氏を知る人々は、正直者だという評判があって、子供がいない同氏が、この職務にうってつけだったと述べる。
1990年代半ばに、大手国営金融機関のトップだった王氏は、米モルガン・スタンレーと交渉し、同国初の合弁投資銀行である中国国際金融(CICC)を創設した。
1995年のCICC創設時、株主の1人が王氏に高価なゴルフクラブのセットを贈った。当時、CICCのCEOを務めていたハリソン・ヤング氏によると、「倫理・優待規則によって受け入れも拒絶もできない贈答物に相当した」ため、「董事長だった王氏は、これ見よがしにゴルフクラブを自分のオフィスの目立つところに置き、我々は、これに触ってはいけない、と職員に告げた」という。
文化大革命の頃から盟友
習氏と王氏は、少なくとも1966年から76年の文化大革命の頃から互いを知る間柄だ。2002年に習氏にインタビューしたチャン・シーミン氏によると、このとき両氏は、毛沢東の命令の下、都会から農村地帯に下放した何百万人もの若者の一部だった。
1980年代、習氏が地方の党トップだったとき、王氏は中央政府で農村政策を勉強していた。農村政策で王氏と緊密に協力していた経済学者の黄江南(こうこうなん)氏によると、王氏は北京で開催する討論会に参加するよう習氏ら地方行政官をしばしば招いていた。黄氏は1979年、党指導部に提出された経済政策論文を、王氏らと共同で執筆したこともある。
同氏によると、若い頃に出会った習氏と王氏は「強い親近感を抱き、互いの考え方を理解し、同じような政治目標を共有していた」という。
外国の賓客との会談で、王氏は、中国について、「世界における正当な場所を求める善意のパワーだ」と説明している。大学時代に歴史学を専攻した王氏は、フランスの思想家アレクシ・ド・トクヴィルの「アメリカの民主政治」から、ハーバード大の哲学者マイケル・サンデル氏の「これからの『正義』の話をしよう」に至るまで、数々の著作を渉猟してきた。中国史や世界史に言及することもしばしばだ。
王氏は今年5月、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムで国家副主席として初めて公の演説を行い、「あらゆる国には独自の歴史と文化と同様に、独自の現実がある」と主張。あらゆる国は「自国に適した開発の道を追求すべきだ」と説いた。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
【1961】[2333]GEは自ら白旗を挙げた
続けて相田です。
最初に懺悔します。「ぼやき2057」に載せて頂いた、西村先生の書評についてですが、物理学者のハミルトンが生まれた国を、いきなりイギリスと書いてしまいました。正しくはアイルランドです。西村先生が本に書かれていますが、ハミルトンはダブリン大学の先生をずっと続けて、生涯を終えました。アイルランドから離れることなく、そこで、偉大な物理学の業績を残したことが、ハミルトンの名声を高めています。政治的には極めて危ない間違いですが、単純な私の勘違いです。他意は全くありません。申し訳ありません。
さて、以下もGEの投稿です。最近になりGEの敗北を決定付ける重要な報道が、アメリカでは続いています。記事の主題は、GEデジタルという事業部の、分割と身売りについてです。GEデジタルは、ガスタービンなどの発電インフラ設備をインターネットでつないで、情報をやりとりしてサービスの付加価値を高める目的で、作られました。所謂IOT(インターネット オブ シングス、物のインターネット化)という流れの一環です。世界のIOTの主導権を握るという意気込みで、イメルト前CEO が、金融ビジネス無きGEの収益の支柱として作った事業部が、GEデジタルでした。
しかしフラナリー現CEOは、そんなイメルトの思惑など、バッサリと切って捨てるつもりです。最早、先の事など考えてはいられないという雰囲気になっています。フラナリーは、株主に少しでも利益を還元して、怒りを鎮めるだけで精一杯のようです。
でもこうなると、GEには将来の稼ぎのネタの仕込みが、全く残っていません。これからは、単なるインフラ設備会社として、今ある商品を淡々と売ってゆくだけとなります。三菱重工や日立と何ら変わらない、単なるメーカーになる訳です。
「それでも、売り上げ規模は三菱重工の数倍あるから、まだいい」とか思われるかもしれません。が、株主からは相手にされないでしょう。結局GEは、今の株主達に出来るだけ持ち金を渡して、区切りの良いところで、昔のウェスティングハウスのように、会社をバラけさすのでしょう。その時は、東芝も一緒にまとめて再編成されると、私は思います。車谷会長は、そのために銀行から来たのですね。
(以下は記事タイトル)
BUSINESS NEWSJULY 31, 2018 / 3:18 AM / 3 DAYS AGO
“GE hires bankers to mull sale of digital assets: WSJ”
Reuters
リンクは貼ってませんので、タイトルから検索願います。
相田英男 拝
【1960】[2332]サウジによるGE(ゼネラル・エレクトリック)への破滅宣告
相田英男です。
ロイターに、以下の題目の記事が載っていた。GE(ゼネラル・エレクトリック)に関するものだ。日本では報道されていない。記事の意味が理解できるマスコミ関係者が、日本には誰もいないのだろう。リンクを張っていないので、記事タイトルから検索されたい。
Exclusive: General Electric’s power unit faces threat in Saudi Arabia
Alwyn Scott, Stanley Carvalho
19, 2018 / 2:22 PM
記事の内容を簡単に説明する。サウジアラビアは自国の電力を賄うために、GE製のコンバインドサイクル(ガス・蒸気複合方式発電、拙著「東芝は何故原発で失敗したのか」を参照されたい)設備を、数多く導入している。その内のF型ガスタービン(ガス温度1400℃級)の50台以上について、整備、保守を担当する会社のコスト基準を、従来より厳密にする。そして、製造元のGE以外の会社の、F型ガスタービンへの保守作業への参画を、積極的に認めると、国営電力会社のサウジアラビア・エレクトリック・カンパニー(SEC)が発表したという。
この記事の内容は、至って地味ではある。しかしサウジのこの発表は、GEにとって極めて厳しい。事実上の、GEへの死刑宣告とも言える内容だ。
拙著に詳述したが、コンバインドサイクル用のガスタービンこそは、GEの中核事業として維持し続けなければならない、重要な製品分野だ。ジャック・ウェルチCEO時代の強烈なリストラの中で、多くの事業が切り捨てられた。その一方で、他社を圧倒する性能と事業収益を上げるべく、最重要テーマとして開発が推進されたのが、発電用ガスタービンだった。
その事業のキモは、実は、ガスタービンを作って売ることではない。ガスタービンの稼働中に、強度の熱負荷を受けて劣化する、高温部品の交換、保守等のメンテナンス作業の契約を、販売と同時に締結する。それ以降に毎年発生するメンテナンス費用を、10年以上の長期にわたって手に入れ続ける。これがガスタービンビジネスの、真の旨味である。
このような緻密な戦略に基づいて、ガスタービンのメンテナンス業務は、GEに着実な利益をもたらして来た。そのメンテナンス業務を、サウジはGEから取り上げるつもりだ。GEのタービン保守費用は、凄く高額であることが知られている。ユーザーはかねてからGEの、ブランド力をひけらかす高額なメンテナンス費用を、苦々しく思って来た。サウジもこれまでは、「アメリカ様の信用ある会社の製品ですから、仕方ありませんね」と、GEの言い値でメンテナンス費用を払っていた。しかし、ついに反旗を翻した。
GEのガスタービンはサウジ以外の国にも、沢山売られてている。サウジだけがメンテナンスをやめただけでは、大きな影響は無い。しかし他のサードパーティ会社でも、補修が出来るとなれば話は変わる。サウジ以外の国の、かなりのタービンユーザーが、GEから保守契約を乗り換えるだろう。GEがそれに対抗して、メンテナンス費用を下げても、収益がジリ貧になるだけだ。
ガスタービンが今売れなくても、時期が来れば情勢が変わり、また売れ出す可能性もある。しかし、保守サービスを他社に奪われるのはつらい。GEのビジネスモデルの根底が破綻するからだ。
このようなGEの状況については、サウジも重々承知である。その上での今回の発表だ。コングロマリットとしてのGEの存続に、致命傷を与える決定を、サウジは敢えて、このタイミングで行なった。
アメリカのこれまでの横暴と、今の状況のあまりの情けなさに、堪忍袋の尾が遂に切れたのだろう。中東の盟主として、日本と共に長年アメリカを支え続けてきた、サウジによるこの仕打ちは、インパクトがある。アメリカへの長年の怒り爆発という感じだ。
ダウ・ジョーンズの銘柄を外れはしたが、GEの最近の株価は13ドルくらいの低値(笑)で安定していた。落ち着いているように思えたが、状況は確実に、GEにとって悪化している。今回のサウジの発表で、また一歩、破滅に近づいた印象だ。
GEのニュースを追ってゆくと、J.P.モルガン チェースのアナリストで、スティーブ・ツサ(Steve Tusa)という人物のコメントをよく見かける。ツサはかねてから、「GEの株価はまだ高い、せいぜい11ドルくらいがいいとこだ」と、繰り返しコメントしている。「同じモルガン系列のアナリストなのに、セルジオ越後みたいに辛口のコメントだな」と、私は不思議に思っていた。しかし、今回のサウジの動向のような最先端の情報を、ツサは知っていたのだろう。これでは、GEの株価を上げることは無理だ。
対抗策としてGEは、シーメンスやMHPS(三菱日立パワーソリューションズ)等の、他社が製造した古いタイプのガスタービンを、最新型にアップグレードするサービスを提案するという。ユー・チューブにGEは宣伝を載せているらしい。しかし、はっきり言って私は唖然とする。こんな、東アジアの三流メーカーが考えるような、情け無い仕事を提案するなど、地に堕ちたものだ。GEは最早、昔の栄光の、あのGEではなくなった。
やっぱり、福島原発事故の責任をほっかむりしたり、東芝を罠に嵌めて潰した報いからは、逃げられないのだ。厳しい神の裁きと鉄槌が、GEに今、降り掛かりつつある。最後までしっかりと、私は顛末を見届けるつもりだ。
相田英男 拝
【1959】[2330]これからの世界政治の動きを見る目。トランプという男の本性(ほんしょう)。
副島隆彦です。今日は、2018年7月11日(木)です。
私は、ずっと、自分の「世界史の本」を書くことに熱中していました。
この 2カ月、「副島隆彦の 独学の世界史の通史(つうし)」を書いている。
「 3200年の イスラエル(=パレスティナ、カナンの地)を中心に置いて。 エジプトと メソポタミア・バビロニア それぞれの5000年の人類史の、その真ん中で、3200年の歴史(モーセの出エジプト記から)を持つ者たち(ユダヤ人) とは、何者なのか、どのようにして作られたのか、あるいは自らを作ったのか。その正体に迫る 」
という、「副島隆彦の 独学(どくがく)の 3200年の世界史通史(つうし)」(仮題)を書いていました。
それから、先日、ある優れた編集者から以下の書名(タイトル)案 の本の提案をいただいた。それは、
「アメリカが 中国に 屈服するとき、日本に何が起きるか (サブタイトル)そろそろ私たちは 日本独立を 本気で考えるべき時が来た」 という長い書名の 提案だ。
このまま、行けば、中国がますます隆盛して、中国の勝ちで、中国が、もうすぐアメリカをも追い越し、蹴落として世界を制覇するだろう、と、今では、ほとんどの日本人が不安そうに考えるようになっている。
この 「やがて中国が世界覇権国(世界帝国)になる」は、私、副島隆彦が、20年前から、ずっと主張して何十冊もの本に書いてきたことだ。 私の十八番(おはこ)である。このことは、読書人階級に属する人間たちの周知の事実だ。
もし、トランプ大統領が言ったとおり、「 在韓米軍 3万2千人を撤退させたい」ということになれば、一体、どういうことになるか。中国が、北朝鮮も、韓国も、そして、ついには、日本も、支配下に置く、という、時代が、あと十年後には到来する、と、書いて奇異(きい)に思う日本人は、もういない。
日本人のほとんどにとって、不愉快な話だ。 私も不愉快だ。 日本が、中国の、属国、朝貢国、被支配国(ひしはいこく)、従属国になってしまう、という考え自体を、どうやって、断ち切ることが出来るのか、という、日本の長期の国家戦略(ナショナル・ストラテジー)を、どうやって作るか、で、私、副島隆彦も苦心、苦衷(くちゅう)している。
敗戦後、アメリカによる日本の占領、支配、そして属国としての支配が、もう73年間も続いている。在日米軍 も、徐々に撤退、ということになると、日本は、いよいよ、独立、自立する、段階に入る。そのとき、日本独立は、日本国民の悲願だ、と本当に言えるか。
アメリカ帝国 の撤退 のすぐあとに、それに入れ替わって、中国による日本支配、が、すぐに始まるようだと、日本国、はものすごく厳しい状況に追い詰めらる。日本独立、どころの騒ぎではなくなる。次の、別の帝国による支配が始まる。 だから、アメリカ様(さま)に、何があっても、しっかりしがみついて行きます、という判断に日本国民がなる。 それが、アメリカの思う壺(つぼ)だ、で、これで、ずっとやってきた。
それ以外の人々としては、目の前の現実である 中国の隆盛(りゅうせい)に何としても、ケチをつけて、「中国崩壊論」という有りもしない虚妄を言い続けて、それで、自分自身の脳内をダマし続ける愚かな反共右翼の人間たちが残っている。
ところが、トランプという、特異な男には、こんな、考えさえも通用しない。
トランプは、何をし出すか、分からない男だ、という 恐怖感が、日本人の中にも生まれつつある。
今のままの、「アメリカは、もう、自分たちの利益のことしか考えない。アメリカ国民の生活をなんとかするだけで、精一杯だ 」という、 トランプ大統領の、なりふり構わぬ「アメリカ・ファースト!」 America First ! 「アメリカの国内問題優先(こくないもんだいゆうせん)だ。外国は、もっとアメリカにカネを払え」で突き進む。
今や、このやり方は、「トランプ・ドクトリン」と呼べるものになってしまった。
今のアメリカ政府の動きを見ていると、周囲の者、すなわちアメリカ合衆国以外の、外側の人間たちにとっては、「もう目も当てられないぐらい、アメリカの凋落(ちょうらく)は、ひどい。何という醜態(しゅうたい)だろう」、 「 アメリカはあんなに強そうにしていて、それでいて、今や、こんなにも力 がない。実際には、北朝鮮への 管理された小さな戦争(マネイジド・スモール・ウオー)ひとつ出来ない。図体(ずうたい)だけ大きくて、強そうに見せかけている軍人たちを抱えただけの、臆病者たちの国だ 」と、まわりは、本当にガッカリを通り越して、意気消沈している。
「これから先も、このあとも、しっかりとアメリカについて行くしかないのだ。 アメリカに逆(さか)らって、いいことは何もない」 と、 日本の 体制保守派の人たちは、安倍政権と一緒になって、 どこまでも、対米従属を、屈辱的と言えるほどまで、続けている。
トランプの、あの、6月12日のシンガポール米朝(べいちょう)会談での、「もう、何が何でも、どうでもいいから、上から柔らかく、金正恩(キム・ジョンウン)を押さえつけて、何が何でも、北朝鮮の核保有問題を、平和的に解決しなければ、いけないのだ 」 というトランプの、商売人根性丸出しの、 恐るべき、やり方、は、世界中の人々を悄然(しょうぜん)とさせた。
日本国民の多くが、あの時、強く感じたのは、 「ああ、アメリカは、いざとなったら、日本を守ってくれないんだ。日本は、これまでお金ばっかり、たくさん払わされて」というものだった。
この日本国民の、大(だい)失望、驚愕そして、「日本は何にも出来ない。日本には、全く手がない」という 八方塞(はっぽうふさ)がりの茫然自失だった。
あれから、丁度1か月が経(た)つ、日本人は、この虚脱感から回復していない。立ち直っていない。
それは、有識者や、知識人層だけはない。ごくふつうの国民の、少しは、国の将来や、国民のこれからの暮らしのことを、真剣に考えている層が、そのように反応した。
トランプは、「日本は、安倍晋三さえ、しっかり、自分が捕まえていさえすれば大丈夫だ。あとの国民は、首相のアベさえ、押さえ込んで、自分の言うことを聞かせおけば、どうにでもなる」 という 考えだ。
事実、日本人は、すべて、アリンコのようなもので、首相を取られたら、どうにも動けない。そういう仕組みの国にされてしまっている。このオカシナ首相の下で、私たちは、いいように、アメリカのトランプに、あやつられている。手も足も出ない、という状況だ。
北朝鮮は、さらに、今以上に、核兵器の開発を拡充している。核保有を、これからも続けて、それを、国際社会(=世界)に、居直って、既成事実として認めさせようという考えである。そのことは、もう、誰の目にも明らかだ。 このままでは、北朝鮮の完全な非核化( complete denuclearization コンプリート・ディーニュークリアライゼンション)は、出来ない。
アメリカは、あのとき、「誰が、アジア人なんかのために、アメリカの軍人兵士が、血を流すもんか。誰が、アジアでの戦争なんかするか 」 と、急激に、態度変更をした。
「自分たちにさえ核兵器が飛んで来ないのなら、それで、いい。あとは知ったことではない。あとはアジア人たちが、自分たちで勝手にやれ 」という、決断をした。 これがアメリカ白人たちの、あのときの、急激な思考転換、変心、心変わり だった。5月ぐらいから、それが起きていた。それを私を含めて、多くの人間が、読み誤った。
1968年の、ベトナムでの、テト攻勢での、ベトナム戦争が泥沼化した、あの時のことが、アメリカ国民のトラウマになっている。だから、アジアでの戦争は、もう、いやだ。やりたくない、という気持ちに、一気に崩れていった。 それをトランプが代表者(権力者)として、よく分かっていて、体現(たいげん)した。
北朝鮮は、これからも、今のままだ。この問題はこの先もずっと続く。ずるずるとこのままだ。ああ、何と不愉快なことだろう。 北朝鮮は、核兵器を持ち続ける。ICBM の開発も続けて、アメリカ大陸まで届く、1万2千キロ、正確に飛んで、ワシントンのトランプの執務室の真上を目標にして到達し、確実に爆発する、核ミサイルを、持ち続ける。
だから、問題は何も解決していない。このまま、これから先も北朝鮮の核(かく)問題は、続いて行く。
次の世界政治の日程は、9月の ウラジオストクでの、プーチン主催の 経済フォーラムに、金正恩が、招待されていて、そこで、ロシアが、北朝鮮への 天然ガスのパイプラインの 引き込みの話をするだろう。まだ、北朝鮮への 国連決議、としての 経済制裁(エコノミック・サンクション。禁輸。エンバーゴー)は、全く、解除も緩和も、されていないのに、どんどんこういう話になる。
日本の安倍首相も、このときウラジオストクで、金正恩との日朝会談を希望している、というのである。一体、どの面(つら)下げて、そういう「対話の場を作りたい。日本からの北朝鮮への経済援助の案を示したい」と言えるのか。あの、「北朝鮮に対して、最大限の圧力をかけ続ける」はどこへ行ったのだ。
中国の習近平 は、自分が、この秋に、北朝鮮を訪問する予定もあるらしい。これが、キタナラしく続いてゆく、世界の現実政治(リアール・ポリティクス)だ。
この他は、今や、シリアの西の 、現在は、イスラエルが占領していて(1968年の第3次中東戦争で)実効支配しているゴラン高原から、ほんの数キロ先まで、ついに、イラン正規軍(革命防衛隊=レヴョルーショナリー・ガード=という民兵組織のふりをしているが ) が、迫っている。 ゴラン高原を、シリアとイラン、そして、ヒズボッラーというレバノンの親イラン・シーア派の軍事組織が、奪還の、戦争を始めたら、中東が再び、戦争地帯になる。
そして、私たちの極東(きょくとう、ファーイースト。アメリカ政府の用語なら、北東=ほくとう=アジア)にも、その影響が及ぶ。 私が、ずっと書いてきたとおり、世界の火薬庫(かやくこ。アーセナル)は、中東と 極東の ふたつ しかない。 どちらからで、戦争が、順番に起きる。それが、人類(人間)という、愚か極まりない生き物が、80年に一度、ずっと、この4千年間、繰り返して来た、「人類史の自然法則」だ。 このことから、今の私たち人類も、例外ではない。
私、副島隆彦の 冷酷な目からは、アメリカの軍需・国防産業(ミリタリー・インダストリー)が、いつまで黙っているだろうか、だ。 アメリカは、小さな戦争を、10年に一度、どころか、5年に一度は世界のどこかで、しないと、保(も)たない国なのだ。 人類史の中の、すべての帝国は、必ずそういう性質をしている。アメリカの軍需産業界 は、どうやって、「大統領よ、次の戦争を、さっさと始めて下さい。 私たちの 兵器の在庫 が溜まって仕方がない」と言い出すか。
これが、私、副島隆彦が、今も抱えていて、解けない方程式だ。北朝鮮で使うはずだった、大量のミサイルは、どうするのか?
中東(ミドル・イースト)が、さっさと次の 火薬庫に、逆戻りしたように見える。
イラン軍と、シリア軍は、「S300」という、ロシアの、地対空(ちたいくう)ミサイルを、ロシアから購入して、かつ、それを 自分たちで、正確に動かして、撃てるようになった。それで、イスラエルの戦闘爆撃機を、今年の1月から、正確に打ち落とせるようになった。 イスラエルが、この事態に深刻になっている。これまでのように、イスラエルが、この地域(リージョン region )の 制空権を持つ、ということがなくなった。
この事態に、慌てふためいているネタニエフ首相は、おとといも、ロシアに飛んでいって、「プーチン、お願いだ。イラン軍を、シリアから撤退させてくれ。圧力を掛けてくれ」と、泣きつくように、懇願(こんがん)しに行った。アメリカのトランプは、イスラエルだけは、何があっても、助けなければいけない。それなのに、救援できない。
だから、このことは、前述したが、私、副島隆彦が、ずっと言い続けている「アメリカは、国内のことで、手一杯だ。外国のことなど構っていられない」という思想で動いているからだ。
この、アイソレイショニズム=ポピュリズム=リバータリアニズム で、「外国のことに関わりたくない」の 政治思想、信念 で動く。私、副島隆彦は、これらのアメリカの現代の政治思想の研究の 専門家(エキスパート)である。 私から、習わなければ、日本の 専門家、政治学者、外交研究者は、育たない。
トランプは、なんと、その イスラエルさえ、見捨てようとする。 まさしく、アイソレイショニズム=ポピュリズム=リバータリアニズム の具現(ぐげん)だ。 ここで、イスラエル(人口860万人の小国。そのうちの600万人ぐらいがユダヤ人だ。埼玉県ぐらいの大きさしかない )を、トランプが、そんなには真剣に守ろうとしない。 今のイスラエルが、アメリカに、捨てられている、今の様子は、日本と、実によく似ている。
だから、この7月16日に、トランプと、プーチンが、このことで、ヘルシンキで? 会談する。
「イラン軍を、シリアから撤退させるように、ロシアは、イラン政府に圧力をかけろ。その見返りに、アメリカは、ロシアの クリミアの領有を認める(ウクライナからの分離を支持する)」という取引き、駆け引きをしようとしている。 トランプには、世界政治=外交 では、これぐらいの手しか他にない。
アメリカは、北朝鮮、ひとつ、片づけられないのに、その10倍は大変な、イランがすでに秘密に保有している核保有の問題を、なんとかする、ことなど出来ない。 イランからイスラエルは、1300キロ(短距離核弾頭ミサイルで十分だ)しか、離れていない。
いくら、アメリカが、諸国に向かって、「イランの石油を、輸入するな。させない。イランと取引している国は、アメリカが制裁を加える」と、西側同盟国(ヨーロッパ と日本 )を脅しても、イランは、確かに、深刻に困っているが、それでも、インドと、中国に、石油を売る。 インドと中国は、いくらでもイランから買う。
北朝鮮については、中国が、本気で怒り出すまで、北朝鮮は核開発を続けるだろう。中国は、北朝鮮が、自分に、進んで屈従、屈服したことを、無上に喜んでいる。 3月26日から、突如、始めた金正恩の北京詣(もうで)で、長い2千年の( 紀元前後の、漢の帝国=王朝 のとくぐらいからの)「臣下の礼」の伝統に従って、帝国への藩国(はんこく)、藩塀国(はんへいこく)、朝貢国(ちょうこうこく)としての 従属する態度を示した。
中国は、朝鮮国が、このように、自分に臣従してくれれば、それでいい、それなら、核兵器の保有を許してやる、と、考えるほど、中国はお人好しではない。北朝鮮の核兵器は、中国にも届くし、北京をも 狙っているのだ。
トランプが、また、あの異常な性格だから、気が変わって、「北朝鮮の金正恩は、私との約束を守らないのだな。よし、それなら、私も考えを変える」と、再び、“元の木阿弥”、で、軍事対決路線に、戻るだろう。駆け引き、取引の人間の本性(ほんしょう、ほんせい)に、従って、どのようにでも、勝手に、自分の態度を変える。これが、トランプという男だ。 「君子は豹変(ひょうへん)する」などというものではない。商売人は、自分に都合が悪くなると、どれだけでも、態度を変えて、相手をダマす、だ。
だから、これから先の、極東(きょくとう)情勢は、これまでと、全く同じ、緊張したまま、政情不安のまま続いてゆく。
あのとき、トランプが、決意して、北朝鮮に、軍事攻撃を掛けて、強制的に核施設を破壊して、たたき壊していた方が、世界にとって、ずっと、よいことだったのだ。 それを、トランプは、自分の商売人の本性(ほんしょう)で、相手を、どんなことをしてでも、自分との取引に応じさせて、そして、上手に騙(だま)してしまえばいい、という、策略に出た。
あのやり方の巧妙さと、同時に、手口の穢(きたな)さが、アメリカ国内の外交の専門家たちに、もの凄く評判が悪い。
私は、これから、「トランプという男の 本性(ほんしょう)が、ようやく分かった」 を書く。私は、トランプという人間を、どうも見損なってきた。この人物は、私の想像を遥(はる)かに超えて、とんでもない人間なのだ。
このことが、これまで実感で分からなかった。この私でさえ、トランプという 巨大な人騙(ひとだま)しのウルトラ・プロフェッショナルが分からなかった。
私は、ようやく、ドナルド・トランプという人物が、どういう人間か、腹の底から分かった。この人物は、私が、2年前に書き始めて、今では日本国内で、広く語られるようになったことだが、「トランプは、根っからの商売人(しょうばいにん)だ」論などでは、もう済まない。
「トランプは、不動産業、デベロッパーで、歓楽地用の巨大建築物を作るのが専門の実業家で、根っからの経営者だ 」 という、当たり前の言い方をしてきたが、こんなものえは済まない。トランプは、アメリカの 大(だい)暴力団 mobster , gangster の、その 最高幹部なのだ。
トランプは、腹の底から商売人で、ド穢(ぎたな)い 男で、 自分と取引する、すべての人間を、ダマして、必ず、その相手から、取引されたものすべてを奪い取る人間だ。そのように獰猛(どうもう)に生きて来た。
アメリカ人は、その人が、どういう信念(ビリーフ belief )で生きているかを、お互い公表し合いながら生きている。宗教や思想信条についても公表し合っている。 だから、その人が、その人の思想、信念に忠実に発言し行動する限り、決して批判、非難されない。しかし、その人が、その人らしさを、自ら裏切って、おかしな行動に出たら、まわりは、その人を、厳しく批判し、非難する。
トランプの場合、彼の思想、信条は、「 駆け引き、取引(ディール deal )をする人間」 として、公表している。だから、すべてが、取引、駆け引きだ。 だから、この自分の信念に忠実で有る限り、誰もトランプを非難できない。取引、駆け引きの時は、フェア/ アンフェア の ルールの範囲内であれば、どんな手を使っても、許される。 ただし、「相手を完全に、初めから騙すつもり」の cheating チーチング の 域にまで達して行う、騙しは、許されない。トランプは、そのすれすれのところを生きている。
そして、アメリカ国民は、この男を自分たちの指導者に選んだ。 このことが、重要だ。
今のアメリカ国民は、余裕がなくなって、どんなことをしてもいいから、外国人たち、外国政府から、アメリカの利益を取って来てくれ、という考えで動いている。 「そして、その契約から生まれる、経費、費用は、すべて、相手に払わせる」ということを、公言するトランプを頼もしいと、思っている。
この、どんなことも、すべて取引、駆け引きである、どんなに穢(きたな)い手を使ってでも、相手に上手に勝った人間が、エライのだ、という 原理で まさしく、トランプは、動いている。このことに、私たち日本人が、急いで、はっきりと知って、そして、トランプに対して、十分に身構える必要がある。
トランプは、一円も、一ドルも、相手に渡さない。返さない。利益を分け合う、ということもしない。すべて 自分の物にする。 そういう男なのだ。 だから、まさしくトランプは、ニューヨークの 大金持ち、実業家の 強欲(ごうよく greed グリード )の思想の頂点を極めた、ユダヤ人そのものだ。
トランプは、ドイツ系の移民の3世だと分かられてる。このことは、血族の行方から証明されているが、その本性(ほんしょう) は、まさしくユダヤ人だ。
彼は、ユダヤ人と全く同じ精神構造をしている、カルヴァン派プロテスタントの、倫理観(りんりかん ethics エシックス、ethos エトス、イーソス)をしている。この生き方を、徹底的に突き詰めた、自分の思想に忠実な男だ。
カルヴァン派(ピューリタンはその別名)にプロテスタントは、ユダヤ人の生き方、ジュダイズム(ユダヤ教。これは ユダヤ思想とも訳せる)と、ほとんど同じ思想なのである。 このことを、今度、私は弟子たちとの、2005年に出した本の新装版で、13年ぶりの改訂版である、『 金儲けの精神を ユダヤ思想に学ぶ 』 (祥伝社新書刊) を、この5月に出した。買って読んでください。
ニューヨークのユダヤ人たちの、突き抜けた強欲の思想で、トランプは、生きている。「ここでは、それが当たり前なのだ。騙された相手が、悪い」 というのが、ニューヨーカーたちの生き方だ。
日本人でも、根っからの、生まれた時からの 商売人、実業家、経営者たちには、トランプの、このやり口、生き方が、よく分かるらしい。 商売人は、自分の仕事仲間たちでさえ、騙す。人を、取引で、騙すことが、当たり前の世界を生きている。
だから、このことが、外交理論とか、国政政治とかの 専門家(エキスパート)や、ジャーナリスト、言論人たちに、理解できない。 だからトランプが突飛な発言をし、交渉相手を、面食らわせるような行動に出ることに、まだ慣れないものだから、自分たちの方が、狼狽(うろた)える。
トランプは、従来の、これまでの、アメリカの政治家たちがやってきた、やり方はしない。これまでの考え方では、この男には通用しない。
これまでとは、全く違ったやり方をする。どんなキタナイ手でも使う、そして、相手を、追い詰めて、屈服させる。
トランプは、自分のすぐ身近にいる人間たちでも、絶対に信用しない。すべて、疑ってかかって、「いつこいつが、自分を裏切るか」を、冷酷に観察している。 そして、用がなくなった、と思ったら、すぐに切り捨てる。 容赦はない。
例外は、娘のイヴァンカと、その旦那の、若くして、恐ろしい男である、ジャレット・クシュナー(36歳)だけだろう。この男も、トランプと同じ、ニューヨークで、「すべての人をだます」ビジネス(商売)で、生きて来た人物だ。
この 娘夫婦以外は、トランプにとっては、使用人であり、いつかは、切り捨てる対象だ。 すべて火傷(やけど)を負って追い出されて行く。まさしく人使いの荒い 経営者のやり方だ。
「ご苦労さんだった。○ ○君は、実によい仕事をしてくれた。有能な人物だった 」と、決まり決まった、コトバを掛けて、人を 追い出す。そうしないと、残酷に非情さだけで、首を切ったら、その解雇された従業員が、必ず自分を刺しに来るからだ。
生まれながらに、優れた、すなわち、凍り付くような人間関係、仕事での取引、を生きて来た、経営者、商売人というのは、こういう人たちだ。
私は、日本国民に、このことを、今から、もっともっと、教えて、詳しく説明して、トランプという、 「すべてが駆け引きだ」の頂点を極めた恐ろしい男に、十分、用心して、注意深くなって、警戒して、これからは、対応しなければいけないのだ、と、警告を発することにする。
トランプが、どれぐらいの獰猛(どうもう)さで、自分に寄ってきて取引する人間たちや、自分のすぐ周囲にいる、すべての人間 を食い殺す人間であるか。 このことを、私は、 日本の在野の 国家戦略家(こっかせんっりゃくか)として、 日本国民に、警告を発する。
このことを日本の指導者層に向けても発信する。 日本の権力者層、指導者層、大企業経営者たちと、日本の各界(かくかい)の親分衆に対しても警戒するように、注意を促し続ける。私、副島隆彦が、このように 決意、決断して動くことが、日本国、日本国民の重大な利益だからだ。
再度、書くが、トランプは、日本だったら、安倍晋三首相ひとりの 首根っこさえ、押さえつけて、自分の言うことを、全部、逐一、聞かせていれば、それで、いいのだ、と 知っている。最近も、トランプが、安倍に、「北朝鮮の核兵器の処理のために、日本は、500億ドル(5.5兆円)払え」と言った、と報道された。
菅義偉官房長官が、それを、公式に否定した(後ろに記事を載せる) 。この日本が払うべき5百億ドル、のトランプの発言は本当にあっただろう。日本人なんか、安倍さえ、捕まえておけば、あとはアリンコの集団のようなもので、どうにでもなる、 と、トランプは分かっている。
事実、そうだ。 アベさえ押さえつければ、日本などと言う、 アジアの一国の手駒(てごま)は、自分のいいように、操(あやつ)れる、と分かっている。
先の戦争のあと、ダグラス・マッカーサー大将(4つ星将軍)が、戦争の勝利者として、日本に、進駐軍( SCAP スキャップ、という。GHQ は、その建物俗称 )としてやってきて、皇居の お堀の隣から、昭和天皇ヒロヒトさえ、自分が、いいように動かせれば、日本人は、すべて言うことを聞く、と知っていて、そのように占領政策を実施したことと、同じだ.もっと、悪い。 マッカーサーは、まだ、上品だった。知性と教養があった。
それがトランプには、ない。 ニューヨークの クイーンズ区(ワード)の外れ、という 日本の江東区、足立区、江戸川区のようなところで育った、若いときから不動産業者として抜け目のない、したたかな生き方をしてきた人物だ。
(以下は、新聞記事の、転載貼り付け始め )
○「 5兆円拠出報道を否定=菅官房長官 」
時事通信 2018/06/25
菅義偉官房長官は、6月25日の記者会見で、トランプ米大統領が金正恩朝鮮労働党委員長に対して、北朝鮮の非核化費用として日本に約5兆5000億円を拠出させる約束を交わしていたとの一部報道について「報道にあったような事実は全くない」と述べ、否定した。
○「 米朝交渉、食い違い鮮明=非核化プロセスで溝―ポンペオ氏訪朝 」
報道陣を前に厳(きび)しい表情を見せるポンペオ米国務長官=7日撮影、平壌
2018年7/9(月) ワシントン時事通信
北朝鮮の非核化に向けた米朝交渉で食い違いがより鮮明になっている。
完全非核化まで「制裁継続」=米国務長官
6、7の両日に訪朝し、高官協議を行ったポンペオ国務長官は「進展があった」と強調するが、北朝鮮は「米国は一方的かつ高圧的だった」(外務省報道官談話)と不満を表明。「非核化の意志が揺らぎかねない」と警告した。6月12日の米朝首脳会談から約1カ月がたっても非核化のプロセスで依然溝が埋まっていないことが浮き彫りになった。
北朝鮮の強硬姿勢について、協議を長引かせて交渉の主導権を握るための「戦術」との見方もある。ポンペオ氏は8日の東京での記者会見で、会談後の論評に注意を払うつもりはないと述べ、問題視しない構えを示した。その上で「われわれは誠実で建設的な対話を行った。今後も継続する」と述べた。
過去の交渉でも見られた時間稼ぎが有効かどうかは、トランプ大統領次第だ。11月の中間選挙までに外交成果を得たいトランプ氏は交渉に前のめりになっているが、思うような成果が得られなければ、「(圧力を強める)別の方法に戻る」とけん制もしている。
CNNテレビによると、ホワイトハウスや国務省内では、遅くとも8月末までに非核化の明確な計画が必要だという意見がある。進展がなければ、米朝交渉を優先するために中止を決めた米韓合同軍事演習の再開もあり得るという。
・ 米朝、非核化で平行線=北朝鮮「遺憾」と反発-米国務長官、訪朝終え来日
・ 米朝協議で拉致提起=ポンペオ国務長官、安倍首相と会談
・ 安倍氏の「非核化費用」発言批判=拉致提起にも不快感-北朝鮮
○「完全非核化まで制裁」 日米韓外相、対北朝鮮で結束
2018/7/8 日経新聞
日米韓3カ国の外相は8日、都内で会談し、北朝鮮の完全な非核化を実現するまで経済制裁を維持する方針を確認した。ポンペオ米国務長官は会談終了後の記者会見で、6~7日の米朝高官協議で「北朝鮮は完全な非核化を再び約束した」と表明。交渉が前進していると強調した。
日韓両国も米朝協議を後押しし、交渉が進展するよう結束を図る考えで一致した。
日米韓外相 完全非核化の結束確認
日米韓の外相会談が8日都内で開かれ、北朝鮮の完全な非核化実現に向けて結束する方針を確認した。ポンペオ米国務長官はこの間、経済制裁を続ける考えを示した。
ポンペオ氏は3外相会談で、北朝鮮の平壌で金英哲(キム・ヨンチョル)副委員長と話した内容について河野太郎外相と康京和(カン・ギョンファ)韓国外相に説明。完全で検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID)をめざす方針を共有した。核関連施設の査察や核兵器の国外搬出など、具体的な非核化プロセスでの3カ国の協力を擦り合わせた。
ポンペオ氏は朝鮮戦争で亡くなった米兵の遺骨返還について7月中旬に協議することや、北朝鮮がエンジンミサイルの試験施設を破壊する意向を示したことも報告した。日本人拉致問題を改めて提起したことも説明し「北朝鮮と話すたびに毎回取り上げている」と述べた。河野氏は謝意を示した。
ポンペオ氏は会談後の記者会見で「北朝鮮が完全な非核化を達成するまで制裁は継続する」と明言。「話し合いの進捗だけでは制裁を緩めることはできない」とも話した。制裁をテコに、北朝鮮から非核化に向けた具体的な行動を引き出したい考えだ。
ポンペオ氏、北朝鮮に反論「それが強盗なら、世界中が強盗 」
北朝鮮は米国の非核化の要求を「強盗のような要求」などと非難を強めている。ポンペオ氏は「それを強盗というなら世界中が強盗になる」と反論した。7月8日のツイッターでは6月の米朝会談前後から使っていない「最大限の圧力」の言葉を使うなど、北朝鮮からのけん制に反応するような言動もみられた。
安倍晋三首相は同日、首相官邸でポンペオ氏、康氏とそれぞれ会談した。ポンペオ氏との会談では拉致問題の早期解決に向け、日米の協力を改めて確認した。首相は「北朝鮮の核・ミサイル・拉致問題の解決は日本と地域の平和と安定に極めて重要だ。日米で連携して解決したい」と話した。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
【1958】[2328]『福沢諭吉 フリーメイソン論』は歴史捜査手法による完璧な論証である
『福沢諭吉 フリーメイソン論』を読み耽りました。
石井利明研究員が長くこの論文に腐心していたことは良くわかっています。断片的な話は本人からも聞いてはいました。
本書は「ユニテリアン≒フリーメイソン」を柱にして、幕末の中津藩の下士の家に生まれたとき(1835)から永眠(1901)までの諭吉の全生涯を、読みやすく、遺した書や記録を大胆に推測した”ブレのない”見事に人物伝である。
一日で読了し、今日も読み返しました。
いちばん驚いたのは人脈関係を網羅し、諭吉が秘匿したかった人脈まではっきりと断定していることです。思想で分類整理することはとても難儀な作業です。
読み進めるうちに明智憲三郎氏(本能寺の変 431年目の真実 (2013年)の著者)が唱える『歴史捜査』手法とよく似ているなと感じました。
人目に晒されることを意識した文章や記録からでは真相はわからないとして、実行動から動機とその背後を探る思考法です。
諭吉は窮理学(きゅうりがく:物理)に精通し、アイザック・ニュートン「プリンキピア」の日本語版を出版したことでも知られています。それは蘭学で出世した父の影響であったし、その師帆足万里(ほあしばんり:表向きは儒学者だが蘭学者)だった。こんなことも初めて知りました。
大坂の留守居役(諸藩や幕府との交渉や連絡をする藩の代表)にまで上り詰めた父、百助は切腹させられた!という笠原和夫(仁義なきシリーズを描いた脚本家)の解釈も衝撃です。蛮社の獄(1839)の3年前で、蘭癖大名への監視が強くなった頃とつじつまが合います。
門閥制度は親の敵だと言い放つ諭吉の執念は不条理な父の死(殺害)からだったのか。
当時の蘭学者がいかに迫害されていたかは「崋山・長英論集」(岩波文庫 1978年)で当時の蘭学者たちの実態がよくわかります。
渡辺崋山は三河の田原藩の重臣であり、西洋画風を取り入れた絵師でもあり、高野長英は町医者です。この二人は蘭学という共通の対象で師弟関係というかスポンサーと研究者(学者)といった関係です。
そこでは1838(天保九)年三月、江戸参府に来たオランダ商館長ニーマンとの対談の模様を記した渡辺崋山の「鴃舌小記・鴃舌或問」で「実学」という言葉を使っているだけです。
他では慎重に蘭学を「蛮学」と記しています。 実学という言葉は儒学者を馬鹿にした蘭学者同志の隠語だったのです。
この隠語を蛮社の獄のあとに堂々と実学を熊本藩内で使い始めたのが横井小楠です。
(蛇足おわり)
以降緒方洪庵の適塾時代、長崎の通詞の人脈、そしてフリーメーソンにつながる人脈による世界情勢を知り、さらに大胆にドイツ連邦成立(1815)をモデルとした諸藩公儀制を諭吉も考えていたことを深く理解できました。
英国高教会(ハイ・チャーチ:大英帝国のエスタブリッシュメントのための教会)の宣教師A.C・ショーと諭吉のきわどい関係も石井氏は鋭く解説している。巷で言われるような先進国から厚遇で迎え入れた家庭教師役などという単純な話ではない。
なんせ当時英国は日本同様、きびしい階級社会だ。その固定され集中された権力への対抗軸はユニテリアン(≒フリーメイソン)しかなかったんだよなあ。諭吉がいかに深謀遠慮であったかを本当によく理解できた。
それではアメリカからのユニテリアンは日本に根付かなかったのか!?
定例講演会でも石井氏が最後に解説されてましたが、ユダヤ思想の蔓延でアメリカ建国の原動力であったユニテリアン勢力が衰退してしまったから・・・ああ悲しい
本来であれば諭吉と中津藩・適塾らの同志達が設立した慶應義塾大学がユニテリアン(≒フリーメイソン)の啓蒙思想を体現させる教育機関であって欲しいのですが、新自由主義経済推進者である竹中平蔵が名誉教授ですから何も期待はできません。
米国ユニテリアンにより創立された同志社大学も政治力があるとも思えない。関西圏での人気は近畿大学です。
プロテスタントによる国際基督教大学が強くなっている感がありますが、キリスト教系大学は副島先生がそのうち解説してくれるでしょう。
最後に高杉晋作を長州藩が斬首刑としようとしていたという証拠が見つかったという新聞記事を掲載しておきます。
英国が育てたテロリストとして働き、病没後は伊藤博文ら長州ファイブらに引き継がれていった。攘夷派たちの怪しさは長州藩上層部もうすうす(そら恐ろしく)感じていたということでしょう。
『福沢諭吉 フリーメイソン論』は幕末明治を正確に、それも手っ取り早く理解できる力作であると、私からも強力に推奨いたします。