重たい掲示板
書き込みの連番がリニューアルによりリセットされております。
旧サイトの書き込みの連番は[●●]で表示されております。ご了承ください
書き込みの連番がリニューアルによりリセットされております。旧サイトの書き込みの連番は[●●]で表示されております。ご了承ください
※ログイン後に投稿フォームが表示されます。
Loginはこちら【2087】[2467]投票用紙に自分の意見を書こう。
学問道場の皆様初めまして。
私は会員番号5524 北野晶夫と申します。
耳順の貧乏読書人です。会員歴は十年以上となります。
先生の本はかなり読んでいるほうだと思います。(理解の程度は別として)
さて今回は「投票用紙に自分の意見を書こう」という運動を提案したいと思います。
「安倍やめろ」でも「消費税反対」でも「保育園落ちた日本死ね」でもなんでもいいんです。
もちろん正規の候補者の名前を書いても、自分の名前を書いてもかまいません。
とにかく「投票用紙に自分の意見を書く」という政治ムーブメントを起こせないかと考えました。
このことを思いついたのはTVで1968年の世界的な民衆運動、「ベトナム反戦」「パリ5月革命」「安保闘争」などの映像を見て、何かおかしいと思ったからです。
人間は集団となると感情が激し、理性的でなくなり、騙されやすくなるとおもいましたし、この人たちは投票には行ったのだろうか?という疑問も湧いてきました。
一応、議会制民主主義の国であれば選挙は行われているはずですが、さまざまな要因で代表民主制が機能しなくなっていることは明白です。
しかし、民主主義の国であれば何らかの形で国民はその政治的意見を発信していかなければなりません。
先ほど述べたようにデモや集会は、あまり有効でなく危険性があると思いますし、SNSはまだ直接行政には届きにくいと考えます。マスコミも経済理論に縛られますので偏向しやすいと思います。
そこで、全国民を対象として行われる選挙で国民の意見を直接吸い上げるという方法を考えました。現在のIT技術をもってすれば投票用紙の集計統計データ化など簡単ではないかと思ったのです。
もちろん、最初は投票率を上げ、無効票を増やすことによって政治への不信感を表明することから始めることとなるでしょう。
投票率が60%を超え、しかもその投票のうち30%が無効票ということになれば、ある程度世論に訴え、まともな政府であれば何らかの対応を迫られるのではないでしょうか?
しかし、ここまで書いてきて、自分が40才まで無知で洗脳されていて一回も選挙に行かなかったことを思い出しました。今の若者も同じなのでしょうか?
やはり野蛮な原住民は恐慌や戦争のように痛い目に合わなければ政治参加などしようと思わないのでしょうか?
もし今の私に充分なお金と暇があれば選挙に立候補して「投票用紙に自分の意見を書こう」と訴えるんですが・・・「NHKをぶっ壊せ」みたいに(笑)
最近、齢のせいか夜中に目が覚めて勝手な妄想で眠れなくなってしまうので、とりあえず文章にしてみようと思い投稿しました。眠くなってきたのでここで終わりにします。読んでいただきありがとうございました。
北野晶夫拝
【2086】[2466]日本が、アメリカから買わされる 欠陥戦闘機 の 金額が初めて、書かれている。
副島隆彦です。 今日は、2019年12月12日(木)です。
私は、自分の恒例の 中国本を書き上げて(12月2日)、東京から家に帰って来て、
ニューズウイーク誌( = ” Weekly CIA ” ) を開いたら、「ノーベル経済学者のクルーグマン教授 が、自分を含めて、アメリカ経済学者が、世界経済 を 見誤った」という記事が有った。 私は、オーと驚いた。 この英文の フォーリン・ポリシー誌に載った 原文の英文の記事をすぐに見つけて、それらをずっと読んでいた。
アメリカ経済学( 理論経済学、計量経済学=エコノメトリックス、旧来、「近代経済学」と言われたもの)が、どれぐらいヒドい学問(サイエンス)だったかが、満天下に、はっきりしつつある。 私は、「経済学の・・・インチキ」という本を書こうとして、2カ月前から、藻掻(もが)き苦しんでいた。
そこへ、クルーグマンの 自己批判、と、彼が、経済学者や、経済ジャーナリスト(評論家)たちから、すでに、激しい、批判の嵐を、この数年の間に受けていた、ことを、ようやく知った。クルーグマン(およびその仲間たち)は、すでに、アメリカの言論界から、棄てられていた。「グローバリズムの進展による、アメリカ国内の労働者の高い失業 の現実を、クルーグマン(たち)は、大きく見誤った。これは、経済学自身の 大失敗 である」と、書いている。
” What Economists (Including Me) Got Wrong About Globalization
The models that scholars used to measure the impact of exports from
developing countries in the 1990s underestimated the effect on jobs
and inequality.
By Paul Krugman
この事態を、いち早く知っていたであろう、日本の ”追随(エピゴーン)”経済学者たち が、今や、全員、黙りこくって、事態の深刻さに、自分たち自身で怯(おび)えている。クルーグマン自身が ブルームバーグ通信社に、語った「私たち経済学者が、どんなに間違ったか」の文も、すぐに手に入れる。
私は、自分の これから出る 中国本 「全体主義(トータリタリアニズム)の中国がアメリカを打ち倒す ーー ディストピアに向かう世界」(ビジネス社刊、12月21日刊 ) の ことも すぐに宣伝します。
全体主義の中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界
日本が、アメリカから買わされる 明らかに欠陥商品である、最新鋭のF35戦闘機のことは、日本国民にずっと秘密にされてきた。 ヒドい話だ。国民は何も、知らされていないうちに、安倍晋三は、トランプから、脅迫されるままに、大量に買わされていた。
前の、私の金融本、「米中激突 恐慌」(祥伝社、11月初 刊)で、「日本は、アメリカから兵器を大量に買わされる。その総額5兆円 」では、はっきりしなかった内容が、今度の、中国本では、はっきりと書いた。 すると、一昨日(12月12日)の 日経新聞の 記事で、日本が買わされる アメリカの戦闘機の 内容が、ようやく、きちんと発表されていた。全体の事実の 一部だけが、明確に、書かれていた。以下に載せる通りです。
以下に、「 F35戦闘機 を合計147機、一機当り、100億円」の記事を載せます。この詳細については、中国本の中に、書いたので、後日、報告します。
(転載貼り付け始め)
「 F35取得、国内組み立て継続へ 政府、米の完成品輸入を転換 」
2019/12/10 日経新聞
政府は最新鋭ステルス戦闘機「F35」の取得について、2019年度以降も国内での最終組み立てを続ける方針を固めた。米国から完成品を輸入する方針を転換する。
完成品輸入の方が費用が抑えられるとみていたが、国内での工程を見直して単価が下がったため、継続しても問題がないと判断した。近く調達方法の変更を閣議了解する。
画像 <javascript:void(0)> ステルス戦闘機F35A
「 F35は18年末に計147機体制とすることを閣議了解した、この際に、費用が抑えられる完成品輸入への切り替えを決めた。方針転換を受け、政府は配備が完了するまで国内組み立てを継続する見通しだ。
F35は米ロッキード・マーチン社が製造する戦闘機で、日本はA型と短距離離陸、垂直着陸できるB型を調達する。航空自衛隊三沢基地(青森県)などにA型が既に配備されている。最終的にA型105機、B型42機の147機になる計画を立てていた。1機の価格は約100億円とされる。
政府は2011年度に、F35Aの導入を決定した後、米国から対外有償軍事援助(FMS)で部品を調達し、三菱重工業 が最終組み立てと検査を担ってきた。
費用が完成品に比べ高いため、19年度契約分から完成品を輸入する方針に切り替えた。これを受け、国内での組み立て工程や工具の見直しが進み、費用を抑えた。防衛省の試算では、完成品輸入は、1機当たり94.2億円かかるのに対し、国内組み立ては93.7億円になった。F35は空自の主力戦闘機に位置付けられる。
F35の調達は対日貿易赤字に不満を示すトランプ米大統領に向けたアピールにもなる。5月の来日時には安倍晋三首相がF35Bを搭載予定の護衛艦「かが」を案内し、F35の大量購入の意思を直接伝えた。
完成品輸入に切り替えなくても米国が多額の調達費を確保できることから、日米両政府間で方針転換への折り合いはついているという。
(転載貼り付け終わり )
これらの詳細は、日を追って、説明します。私は、ずっと不愉快に、年末を過ごしています。体調は戻った。 副島隆彦拝
【2085】[2465]藤森かよこ女史の「馬鹿ブス貧乏のために」本の出版、おめでとうございます。
副島隆彦です。 今日は、2019年12月6日(金)です。
私たちの仲間の、藤森かよこさん(最近まで、大学教授をしていました)が、書いた
「馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたへ 愛を込めて書いたので読んでください。」(KKベストセラーズ刊、この11月末 発売)が、大変、売れています。アマゾンのフェミニズムで、1位です。きっとこの先もずっと1位を続けるでしょう。もっともっと売れるでしょう。
この本は、多くの人の共感を得て、賛同を得ています。私たちの学問道場でも、全力で応援しています。
もう、20年近くなります。私たちの学問道場が立ち上がって、すぐに、藤森さんから、連絡があって、シカゴ大学に、研究留学(大学用語で、sabbatical leave サバティカル・リーヴと言う)でしたか、NYの大学でしたか、メールが来ました。私は、返事を差し上げて、「本物のフェミニズムのために、闘い抜いてください」と書いた。
当時、何を書いて返事したか。うろ覚えを、思い出しながら書く。女たちは、被差別民(ひさべつみん)だ。男中心の、長い人類史の中で、ずっと、虐げられてきた。 ヴォーボアール女史( ジャン・ポール・サルトルの長年の連れ合い、同志)が、「第2の性」( 女は、男のあとに続く、第2番目の性(セックス、ジェンダー)だ)と書いてから、すでに70年が経つ。
女たちは、ずっと虐(しいた)げられてきた。それに対して、女たちの闘いが、始まった。それは、イギリスやフランス、アメリカで、 suffragette サフラジェット と呼ばれた女たちで、1870年代から始まり1914年(第1次大戦勃発)までだ。女の女権拡張論者で、婦人の参政権、選挙権( suffrage サフリッジ )を要求する激しい闘いだった。中産階級の上層の女たちが、主力だった。
このサフラジェットの中の戦闘的な活動家は、イギリスのロンドンの郊外の エプソム競馬場(ダービー・レイス)で、イギリスの貴族と大金持ちたち(支配者、権力者)たちが、一同に集まって観ている、試合の最中(さなか)に、レース場に走り込んで、馬に蹴り殺された者もいる。蹴られて瀕死で、横たわっていた。それらは当時の新聞記事の写真で今も残っている。 サフラジェットの英雄として、ロンドン中で悔やまれて大きな葬儀になった。エミリー・ディヴィソンという女性だ(1913年6月4日、決行。4日後に死)。
ディズニーの50年前の大ヒット映画「メ(ア)リー・ポピンズ」の中に出てくる、家庭教師(チューター)として雇われる、貧しい階級から這い上がって、教師階級になった主人公を、雇った、バンクス家のバンクス人が、「お母さんは、これからサフラジェットの会合に出てきます。いい子たちにしていなさい」という場面や、バンクスフィ人が、サフラジェットの歌を、歌うシーンが出てくる。私は、これに、何かピンと来て、感動して、これは一体何なのだろうと、強く、惹き付けられた。その時が、私と差サフラジェットの出会いだ。
このサフラジェットたち Suffragettes のように、激しく闘え、と、私は、藤森さんを励ました。サフラジェットの闘いは、日本にも伝播(でんぱ)して、平塚雷鳥(ひらつからいてふ)の青鞜(せいとう、ブルー・ストッキング派)となり、与謝野晶子(よさのあきこ。日本浪曼派)、伊藤野枝(いとうのえ。大杉栄と共に、甘粕(あまかす)憲兵大尉に殺された。幸徳秋水=こうとくしゅうすい=の同志 )、市川房枝(いちかわふさえ)たちもいた。
藤森さんは、私と交信したときは、まだ仮名だった。この話は、あとで本にした『副島隆彦の人生道場』(成甲書房、2008年刊)に、収録されている。馬鹿ブス貧乏の女たち こそは、フェミニズム運動の中心勢力だ。だが、大方(おおかた)の女たち自身が、この運動を嫌った。敬遠して近寄らなかった。
フェミニズムを大学で教えた女教授たちは人気がなかった。私は、日本の1990年代のフェミニズムの女性研究者(彼女らは、学問分類上は、社会学=ソシオロジー=にはいる)を個人的に知っている。 難しいことばっかり書いて、そして、孤立して、やがて相手にされなくなった。 男の左翼や、急進リベラル派とも話が合わない。女たちには女たちの世界がある。
藤森さんが、こうして、希有な思想家であり、男の思想家たちよりも優れている、アイン・ランド女史の、日本における、研究者の代表だ。「日本アイン・ランド研究会」も主宰している。 女の思想家で、もうひとり、凄いのは、ハンナ・アーレントだ。この女性は、ドイツ人で、大思想家のマルティン・ハイデガーの教え子で、密かに愛人だった人だ。アメリカに渡って、のちにネオコン派になる主要人物たちを励まして成長させた、女性思想家だ。 今のイスラエル国を建国をした、ベングリオンが率いた戦闘的なイルグーン団にも参加していた。それぐらい過激な、根源的な女思想家だ。
私は、藤森さんが、こうして、「馬鹿ブス貧乏な女たちへ」本を書いて、これから、本格的に日本の女性運動を、再興していただきたい。もう今は、すべてが、焼け野が原のようで、何もなくなった。日本には、まともな社会運動も、激しい根源的な政治運動も、なーんにもない。
なーんにもないところから、花が咲く。自然災害を含めた、人間たちの過去の営為の果(は)ての、焼け跡の廃墟の瓦礫(がれき)の下から、次の花が咲く。それが、私たちだ。私たちの学問道場は、日本の 焼け野が原の、瓦礫の下から咲く次の花だ。
それが、生命の連続だ。ニーチェが言った、永遠に回帰する( ewige Wiederkunft エーヴィゲ・ヴィーダークンフト 永劫回帰、英語なら return to forever リターン・トゥ・フォーエヴァー )とは、新しい生命が、毎年、次々と生まれて続いてゆくということだ。花が咲き、実が成り、作物が出来る。ギリシアの思想だ。
ニーチェが、アメリカの思想家のエマーソンと深い付き合いがあった、と 下 ↓ で、田中進二郎くんが書いている。エマーソンも、ニーチェも、家系からユニテリアン派のキリスト教に所属していた。ユニテリアン=フリーメイソン(その後、悪の支配者たちに、乗っ取られる、その前の)が、どれぐらい激しい、真実追究派の人々であったことか。ミケランジェロも、初期のそれだった。
日本では、慶応義塾の創設者の福澤諭吉がそうだ。 同志社大学の創設者の新島襄(にいじまじょう)もそうだ。新島は、カルヴァン派なのではない。 同志社大学は、自分たちの本当の正体を隠して、今は、カルヴァン派だということにしている。
慶応義塾大学は、福澤の死(1901年)後、福澤の一族を、上手に追い出した、福澤の下男、鞄持ちから這い上がった、小泉信吉、信三(こいずみしんきち、しんぞう)親子が、乗っ取った。この時から、慶應大学(卒業生は、これに義塾を付ける)は、内務官僚(特高警察)と裏で繋がる、悪い大学に転落した。以後、ろくな人材が出て来なくなった。
ユニテリアンは、イエスを、ひとりの人間の男である、とする。神 God であり、天 ( Heaven ヘヴン、天帝ゼウスのこと)の子だとはする。だが、ユニテリアンは、三位一体(さんみいったい、トリニティ)を 嫌うので、エイスを 神格だとはしない。イエスという優れた人間の生き方から学ぶ、という宗教だ。自分とイエスの交信だけを信じる。そして、イエスという人物の伝記である聖書、を読むことだけをする。ユニテリアンは、最低限度の教会組織なのだが、指導者や、長老、世話役がいない。
カルヴァン派=プレズビタリアン= には、まだ、プレズビターという長老(司教 の格)がいる。だから、組織として、大きく生き残った。キリスト教の儀式(リチュアル)には、必ず、司教(しきょう、ビショップ)がいないといけない。ただのセレモニーとは違う。
ユニテリアン Uniterian は、昔から、コングリゲイショナリスト Congregationalist と名乗って、会衆(かいしゅう)派 あるいは、組合教会(くみあいきょうかい)と自称した。長老を持たないで、組織がしっかりしないので、ほとんど小さな宗派となった。ここから、社会改良の社会主義者になって行った者も多い。
ヨーロッパの他の近代思想家たちの、ほとんども、ニュートンから、パスカル、デカルト、ガリレオ、ホッブズ、ライプニッツ、みーんな、みーんな、隠れてユニテリアン(Deism デイズム、理神論、りしんろん ) だった。トルストイも、ギリシア正教に破門されて、ずっとそのまま、だったということは、ユニテリアンだ。 理神論は、エイシイズム( atheism 無神論 むしんろん、神の存在の否定 )の、一歩手前だ。ユニテリアンを、さらに急進的にしたのが、カール・マルクスの社会主義思想 だ。
エマーソンのセルフ・ヘルプ(自分を自分で助けよ の思想。self reliance 自己への信頼 ) の、自己啓発の思想も、ユニテリアンから始まったのだと、大きく分かって、私たちは本当に嬉しい。
エマーソンたち、アメリカのユニテリアンの自由思想家(アメリカの自然の中で生きた、ヘンリー・デイヴィッド・ソローや、ウォルト・ホイットマンたちもこの系譜 )たちが唱えた、自己啓発の思想が大事だ。「自分だけを信じなさい。今の自分の生き方でいいんだ、これでいいんだ、と強く、自分に言い聞かせること」だ。
新島襄がお金を出して、ペンシルバニアに送った内村鑑三(うちむらかんぞう。無教会派)こそは、エマーソン思想の、日本への継受者だった。内村鑑三は、基督者(きりすとしゃ、クリスチャン)だと、名乗って、日本の当時のアメリカ思想への傾倒の波に乗って、日本で大きなキリスト教の運動を牽いた。 その分、ずっと、中国に拝跪して拝んだ漢籍と東洋思想は棄てられた。日本(人)は、ハイカラさんが多くて、常に、その時々の、世界のより大きな勢力に付く、性質をしている。 内村鑑三は、アメリカのプロテスタント系のキリスト教徒として、深く、日本独自のキリスト教を研究した。だが、同時に、内村鑑三は、ユニテリアン思想に対しても、恐るべき高度な理解を示した。
お釈迦さま(ゴータマ・シッダルダー)が、80歳で、クーシナガール(最後は、自分の故郷で死のうと戻ろうとしして、下痢をして死んだ、途中の村 )で死んだときの、最期のコトバもそうだった。「私の教えなどよりも、自分を信じなさい。自分だけを信じて、強く生きなさい」だった。
こうして、藤森かよこが、馬鹿ブス貧乏が、生き延びる道を必死で説くことから、新しい時代の新しい運動、闘いが、日本でもこれから始まる。藤森本は、その嚆矢(こうし)となった。
藤森かよこ さん。おめでとう。 よくやりました。 副島隆彦 拝
【2084】[2464]藤森かよこさんの『馬鹿ブス貧乏』をおすすめする(2)
藤森かよこさんの『馬鹿ブス貧乏』をおすすめする(2)
この書はいろいろな角度から読むことができる。
●自己啓発本としての本書(つづき)
19世紀アメリカの思想家ラルフ・ウォルドー・エマーソン(1803-82)の言葉に
「真理は自分の内にあり、
付和雷同せず、常に自己をよりどころとして生きよ」(『自己信頼』(self-reliance 1841年)
というのがある。 元祖・自己啓発本である。 1841年エマーソンはボストンのフリーメイソン寺院で講演を行い、彼の言論活動のスタートを切った。ボストンがフリーメイソン=ユニテリアン教会のメッカであったことは、学問道場研究員の石井利明さんが、明らかにしているとおりである。ヨーロッパでは、1848年にカール・マルクスが『共産党宣言』を、フリーメイソン会館で発表している。
フリーメイソン=ユニテリアン教会が当時西洋で最先端だった。
エマーソンは、日本の啓蒙思想家に多大な影響を与えた。内村鑑三、植村正久、徳富蘇峰ら明治プロテスタントによって、わが国に紹介された。内村鑑三は、 エマソンの”Representative Men”『代表的人間像 』(1850年刊)に倣(なら)って 『代表的日本人』を著している(1894年)。
エマーソンは、謙虚な心で自分が本当に望むことをするなら、
人間はもっと自由に幸福になれる──という。この言葉は、著名な自己啓発書や成功哲学書でも、たびたび引用されている。
藤森さんの『馬鹿ブス貧乏』にもこの信念が底流に流れている。この発展形は、逆説的になるが、以下のようになる。
(支配階級というのは)負ける自分、不幸な自分、弱く惨めな自分、孤独で孤立した自分、・・・・など想像できない。負けないように仕組まれた仕組みの上に乗っているので、それは当然だ。(『馬鹿ブス貧乏』p160)
支配階級と被支配階級の違いは、「94歳にして足腰が丈夫で、リッチで、健康で、陽気で、明るい自分は、当たり前であり、実現して当然の規定のこと」と思い込めるかどうかにかかっている。( 同上 p162)
ということなのだ。エマーソン的な「謙虚な心」というのは超人思想にもなりうる。本当は、エマーソンとドイツ人思想家・フリードリヒ・ニーチェの間に、深い交流があったということが、最近の研究で明らかになっている。このことは、『アメリカのニーチェ』(ジェニファー・ラトナー・ローゼンハーゲン著 岸正樹訳 法政大学出版局 2019年刊)でも、特記されている。
ニーチェは、エマーソンの本を多量に読んでいた。自己啓発思想も取り込んでいたのである。
ニーチェは晩年に『権力への意志』を著した。これは超人(ユーバーメンシェン・英語でsuper manスーパーマン)思想とされている。ドストエフスキーの小説『悪霊』(1872年)の中にも、アメリカ的超人像を体現するキリーロフという人物が登場する。
エマーソン、ニーチェ、ドストエフスキーは19世紀後半に、同時代人として影響しあっていた。このあたりのことは、副島隆彦先生の著書『ニーチェに学ぶ 奴隷をやめて反逆せよーまず知識・思想から』(成甲書房 2017年刊)でも、詳しく解説されている。
ただし、『権力への意志』は、ニーチェが発狂したのちに、妹のエリーザベト・フェルスター・ニーチェが改ざんして、反ユダヤ主義、民族主義の書物にしてしまった。「ニーチェをナチに売り渡した」のが、妹のエリーザベトだった。
兄フリードリヒ(ニーチェ)は、妹の反ユダヤ主義運動をずっと、嫌悪していた。夫のフェルスターのドイツ民族至上主義にかぶれている妹を、兄ニーチェは手紙で「やめろ、やめろ」とたしなめていた。
妹・エリーザベトには、ある種の女性に特有の、底知れない狡猾(こうかつ)さがあった。
天才の妻や家族には、このような女性が必ずいるものだ。
( 『エリーザベト・ニーチェ ー ニーチェをナチに売り渡した女』ベン・マッキンタイヤー著 藤川芳朗訳 2011年刊)
話を戻すと、藤森かよこさんの『馬鹿ブス貧乏』には、エマーソンとニーチェのどちらの側面もある。
「謙虚であることー自分が馬鹿であることを自覚すること」と「超人であることー自分が支配者、権力者であるのは当然のことであり、 負ける自分、不幸な自分、弱く惨めな自分、孤独で孤立した自分など想像もしないこと 」が、表裏一体となっている。これは、リバータリアニズムの創始者の一人・アイン・ランドを研究されてきた藤森かよこならではの教えだと思う。藤森先生自身があえて、「馬鹿」の一員として、お書きになっているので、嫌みがない。
私・田中進二郎は『馬鹿ブス貧乏』を読んだ後、ふと気になって、藤森かよこ講演会『アメリカにおけるアイン・ランド受容がつきつける日本のRanderたちへの課題』(2012年3月福島県での講演)のDVDを見直してみた。
すると、アイン・ランドの紹介の話の中に、『馬鹿ブス貧乏』で扱われているトピックがいくつも出てきている。更年期障害や、依存症の問題などもすでに語られている。つまり、藤森先生は、すでに七、八年前から『馬鹿ブス貧乏』に出てくる話のもとを蓄積されていたことに、改めて驚きました。
最後にこの本を作るために協力された方々の、なみなみでない熱意のほどを感じました。老若男女を問わず、読んで非常にためになる好著であると思います。
Amazonのブックレビューも非常に、心のこもったものばかりで、藤森先生の人徳の大きさを感じます。こちら↓もご覧ください。
【2083】[2463]最新刊藤森かよこさんの『馬鹿ブス貧乏』をおすすめする(1)
藤森かよこさんの『馬鹿ブス貧乏』をおすすめします
↓の六城雅敦さんの書評もありますが、私が以下に書くのは感想文のようなものです。主観を交えて書きます。
●『馬鹿ブス貧乏』の読み方はいろいろある
この本は非常に広い視野に立って書かれているので、いろいろな角度から読める本だと思うんですね。フェミニズム部門に分類されていますが、↓の六城さんもお書きになっているように男性が読むと得をすることがいっぱい書いてある。それを発見して自分の武器にできるか、ということが
「男の器量」だと思います。これまでフェミニズム本を男性が読もうと思ったか、というと読まなかった。
田嶋陽子さんの「社会主義くささ」が、どうしようもなく男性から嫌われていた、と思う。(こんなこというとぶっとばされるかもしれないけど)フェミニズムというのは、日本では「馬鹿とブス」がやってるものなのだという固定観念が定着してしまった。だからもう社会党系の支持率なんて、話にならない。もはや馬鹿ブスを超えて、ゴーストだ。
上野千鶴子さんのフェミニズムの場合、男性社会へのカウンター・アタック
としてのフェミニズムの側面が強過ぎてしまって、男性が読んだら萎(な)えてしまうんですよね。やっと脱がしたと思ったら、鉄の貞操帯を履いてた、みたいなところがあるでしょう (よく読んでないから知らんけど)。
両方とも世界の支配階級が作り出した日本社会の仕掛けだ。
片や「馬鹿ブス貧乏」な女性が、母親原理から平和主義のファンタジーを
訴える。みんな母親から生まれたのだから、反論できないのだろう、というわけだ。もう片方はアマゾネスみたいな女戦士が東大の教壇から、批判の矢を次々と放つ、というやり方だ。
詳しく読んでないから、責任持ちませんが、一般男性の眼からみたらその程度の扱いだろう、と思う。女性からみたら、どう映っていたのだろう?
本当に「馬鹿ブス貧乏」の女たちは、上のフェミニズム運動に魅力を感じていたのだろうか?彼女たちは、大量消費社会のなかであてがわれたものを享受したというだけだったのではなかろうか?
その光も「最貧困女子」(鈴木大介著 2014年刊)には、届かない。
日本社会の最貧困女子というのは、細井和久蔵の『女工哀史』(1925年刊)で描いているように、とてつもない待遇を受けている。百年前と変わらない。
ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』(×ああ無情 〇悲惨な人々)の中に出てくるような女性は、現代日本にもいるだろう。ただただ可視化されていないだけだ。
藤森かよこさんの『馬鹿ブス貧乏』は、この階層の女子にまで光を当てている。深い海底に一条の光が差し込むようなイメージを、私はこの本に対して抱いている。これは、本来の意味での啓蒙書だ。「馬鹿の頭を啓く」が啓蒙のもともとの意味だ。養老孟司さんのように、『バカの壁』と言っていてはいけないのだ。その壁を刺し貫くほどの知性を持たなければならないのだ。
藤森さんのフェミニズムは、海底で反射した光が水面にまで戻ってくる。男性の読者は、その光をすくえばいい。それでも十分勉強になる。
自分も「馬鹿」の一員だ、と謙虚な気持ちで読むと、心が軽くなる。
●自己啓発本としての『馬鹿ブス貧乏』
先日、中曽根康弘・元首相が亡くなった。101歳だった。残念だ。これで日本国民の手で、中曽根首相の罪を裁く機会は永遠に失われてしまった。1985年の日航機墜落事故は、自衛隊または、米軍のミサイルが尾翼に当たって墜落したらしい、ということは、すでに多くの国民が知っている。さらに、事故の生存者たちが、翌日の朝までに焼き殺されたというのも真実だろう。これについての科学的検証も行われている。大きな悪事は必ずバレるのが、21世紀だ。
しかし、昨年の100歳のときの中曽根康弘氏の映像をみると、とてもまだまだ亡くなるようには見えなかった。矍鑠(かくしゃく)としている、とまではいかないが、顔の肌つやなどは、とても寿命を感じさせなかった。だから、死去したことは意外だった。「世界皇帝」のデーヴィッド・ロックフェラーも、100歳を過ぎても権力を手放さなかった。支配階級というのは、どうしてそこまで強くて健康的なのか?その秘密についても、藤森さんの『馬鹿ブス貧乏』で触れられている。
(引用開始)
ー(支配階級というのは)負ける自分、不幸な自分、弱く惨めな自分、孤独で孤立した自分、・・・・など想像できない。負けないように仕組まれた仕組みの上に乗っているので、それは当然だ。(p160)
ー支配階級との違いは、「94歳にして足腰が丈夫で、リッチで、健康で、陽気で、明るい自分は、当たり前であり、実現して当然の規定のこと」と思い込めるかどうかにかかっている。(p162)
(引用終わり)
これまでの自己啓発本は、だから、被支配者である一般ピーポーが、支配階級を補完する勢力として生きていくにはどうすればいいか、という処世術みたいなものだったのだ。
自己啓発本をいくら読んでも、自分の身に付かない、というのは被支配者の片割れが、さらに弱い被支配者に説教しているのだから、当然だ。自己の内面が弱いままで、頭や体を鍛えたってダメだということだ。((以下つづく)
【2082】[2462]「馬鹿でブスで貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。」を早速読んでみた
まず自分は馬鹿であることを自覚しよう、それが幸せへの第一歩なのだ
「馬鹿でブスで貧乏」という女の三重苦、いわゆる低スペック女子への福音となる待望の本が現れた。
読了後の感想は、
男である私(六城)が読んでも、まったく同感であるし、逆に本書でいう馬鹿ブス貧乏でありながらも芯の強い女性は理想像とも見えるのだ。
「妻のトリセツ」を読んで中年女の思考がわかった気になるのも良いが、それで納得し受容できるほど度量のない男性諸氏にもお勧めの本といえる。
フェミニズムの恩恵(といってもまだまだ途上だが)を受けている現代の女性でも、まだまだ精進が足らんという励ましが全編にわたってこれでもかと、微に入り細に入りくどいほど書き込まれている。
書名の通り<愛をこめて書いた>という題に偽りはない。
馬鹿だからブスだから貧乏なのだという著者の主張に眉をひそめる方々が大部分だろう。
だがいくら心地よい自己啓発本が世には氾濫していても、人口の8割がたは著者の言うところの馬鹿ブス貧乏であるという現実だ。
この本の要諦であり結論は
『死ぬ瞬間に、あなたが自分の人生を肯定できるかどうかがポイントだ。何をするにしても中途半端でブスで馬鹿で貧乏だったけれども、この人生ゲームを捨てずに逃げずによくやってきたね!健気だったね!と自分の頭をナデナデできるかがポイントだ。』(まえがきより)
人口に膾炙(かいしゃ)されているファンタジー(幻想)と現実を混同してはならない。バカは踊らされるだけということにバカは気づかない。
テレビ番組のセレブの生活も、SNSで垂れ流される虚飾の世界もすべてはファンタジーでしかない。現実逃避のために用意されているのだから、息抜きとして楽しめばよいと著者はまず指摘している。
この本は自己啓発書ではない、いうなれば世のほとんどの人(馬鹿でブスで貧乏人)への啓蒙書だ。
人は見かけよりも中身だとか清貧という道徳観に縛られず、もろもろの道徳や貞操観念は人生のいろどり程度として認識すべきという実践の書である。
馬鹿で貧乏でブスはもっと地に足をつけた生き方を目指し、経済的損失をなるべく回避した生き方を模索すること。
馬鹿正直や馬鹿真面目を装いつつも、世の中は欺瞞に満ち、ほとんどが馬鹿とキチガイと悪人(詐欺師)ばかりだと思っておけばサバイバルして行ける。
本書は、そんな自信を馬鹿でブスで貧乏な我々に与えてくれるのだ。
このように書くと、フェミニズムを前面に置いたエッセイだと勘違いしてしまうが、本文は中盤(中年期)に大きなどんでん返しが訪れる。
税と社会保険だけではなく、社会の支配構造にも気づけよと、ご丁寧に参考図書を列挙して藤森せんせーは懇切丁寧に解説してくれるのだ。
貧乏大衆に過ぎない馬鹿でブスなあなたもオバサンになったら、それくらいは気づかないと無駄な気苦労をしょい込んでしまいますよという警告だ。
その中年期も閉経を迎えると、賢く容姿も愛嬌も備えた完璧な女性ほど更年期の症状は悪くなる傾向が強いのだから、馬鹿でブスでも一つはよいことはあるものだ。
また女性とは元来子供を15人ほど生み育てるぐらいの生命力がある生き物だ。だからこそ閉経後でも燃え尽きるパワフルさはだれにもあると藤森せんせーは指摘されている。
現代において女性が男性よりも長命なのは、内包するエネルギー(フロイトのいうリビドー:libido)がもともとから女性のほうがあるからだという藤森せんせーの説には納得するしかない。
そして女性は閉経を経てもなお長い期間、オバサンとして生き永らえねばならない。この期間が馬鹿で貧乏であっても教養を深める最後のチャンスだ。
体力も気力もガタガタになってゆく老年期にむけて、残された時間を少しでも読書に振り向ける習慣を作ることが説く。
『ともかく、老年期に入る前に、やれるだけのことを実践し、やりたいことは、できる限りすべて経験しておこう。空っぽになるまで、消費しつくすまで、中年期を存分に生きてください。できることなら、中年期の終わりに、力尽きて死ぬのが理想的だ。
ほんとうは老年期があなたに来ないほうがいい。なんとなれば、高スペックの頭が良くてお金のある人でも、日本の現代と近未来における老年期を充実させて生きることは難しいから。』
しかし悲観することも、恐れることもない。なぜなら馬鹿ブス貧乏であるから失うものもない。
そして誰もがお婆さんとしての容姿に帰着して行く。
孤独に耐え、警戒心を怠らない生き方だった馬鹿ブス貧乏なら、老後も充実して送ることができるのだと藤森せんせーは説く。
そして健康に注意し、独学でよいので小学生中学生から学びなおす心構えが肝要という。
老人世代のおひとりさまへの指南書は、本書でたくさん紹介されている。
孤独死への対処にまであるのだから、これほど至れり尽くせりの内容はない。女子高生から後期高齢者までどの層にもお勧めだ。
馬鹿でブスで貧乏の我々が必携必読の、サバイバル・バイブルなのである。
【2081】[2461]「人類は宇宙(月)に行けない」記事2発
【2080】[2460]私は、ひどい風邪で寝ていました。もうすぐ元気なります。
副島隆彦です。 今日は、2019年11月19日(火)です。
私は、先月末から、風邪をひいて、持病の気管支炎を悪化させて、初期の肺炎のようになって、ずっと、寝ていました。ようやく10日後に、医者にいって点滴をしてもらった。少し良くなった。風邪は治って、声が出るようになった。
ところが、今度は、風邪のひきはじめの日から同時に起きた、座骨神経痛(ざこつしんけいつう)が、出て、それも、風邪の治りと一緒に、一旦は治まったのだが、また、再発した。座骨神経痛などという古くさい病名が、今の使われているのか、私には分からない。
明日、医者に行って、私が嫌ったはずの、神経ブロック注射(ペイン・クリニック)を、してもらう。医者が、初診で、すぐ注射してくれるか、分からない。座骨神経痛など、これまで私はなったことがない。病気は、老人になると、つぎつぎと未経験の病気が襲ってくるようだ。歳を取って、少しずつ体が壊れてゆく、ということだ。
座骨神経痛だって自分の職業病だ。ずっと椅子に座って仕事をしているから、こうなる。大腿部(だいたいぶ)の、大きな筋肉が、一本、固まっていて、座った状態から、立ち上がると、腰から足に掛けて、痛みが走る。 ここに炎症があるから元気が出ない。
自分の新刊書の 「 米中(べいちゅう)激突 恐慌 」(祥伝社刊、11月始め)を出して、それから、ここに、何も書いていない。ドイツ銀行 Deutsche Bank は、まだ、破綻(はたん)しない。破綻処理は、始まらない。
「ドイツ銀行は破綻する」の噂と、記事は、どんどん、今も出ている。それらを以下に、たくさん貼り付けようと思うが、今日は、私にその気力が無い。
ドイツ銀行の破綻処理は、来年、1月か2月まで、ドイツ政府(メルケル政権)が、引き延ばしているのだろう。 最後は政治が決めるのだ。 市場原理がどうの、マーケット・メカニズムが働くとか言っても、もう、今の世界の、先進国の、金融制度、金融市場は、崩壊に向かっている。最後は、政治(政府、権力者たち)が決める。
アメリカは、NYの株価が、28,000ドル台(11月15日)に乗せて最高値を更新している。トランプ大統領は、こういう男だ。 底が浅い。「株価さえ、つり上げておけば、アメリカ経済は大丈夫だ。景気はいいんだ、と国民を信じ込ませる(ダマせる)」という、それだけの男だ。バカな野郎だ。
事実、株価さえつり上げておけば、アメリカのサラリーマンたちは、401K(よんまるいち・ケイ)で、自分が積んでいる年金を使って、株式の銘柄を指定できる。 退職老人たちの、年金も、株さえつり上げておけば、年金運用のファンドマネージャーたちが、利益を出せるので、年金をちゃんと払える。
アメリカ国民の8割が貧しい人々まで株を買っている(日本は、5%ぐらいの国民しか株はやらない)。アメリカ国民にいい思いをさせて、年末のクリスマスまでは、いい思いをさせよう、という作戦である。年明けに暴落が来る。こういう、見え透いたどうしようもない 政治を今のアメリカは、やる。
FRB(中央銀行)と、その執行機関の、ニューヨーク連銀(れんぎん)が、銀行間の相互の信用不安と流動性(りゅうどうせい)の不足で、今にも壊れそうな、ニューヨークの銀行間(インターバンク)の短期資金市場に、無制限に資金を供給しはじめた( レポ市場 repurchase market と言う )。
このジャブジャブ・マネー(緩和マネー)が、あらゆる危険な金融博奕(デリバティブ取引)にも流れ出して、使われる。荒っぽい博奕打ち(ベンチャー・キャピタリスト)どもが、ほとんど無利子の資金を資金を借り出して、レバレッジ(投資倍率)100倍とかの地獄の相場を張る。 こういう危険を承知で、今のアメリカは、麻薬療法で、生き延びている。裏に隠してある、政府の財政赤字の、巨額の山積み、おそらく60兆ドル(6000兆円)が、そのうち破裂する。
日本の株式も、225種の優良銘柄は、すべて4割以上は、外人、外国資本が、買っている。だから、日経平均も、24,448円 の去年の最高値を、今にも超しそうだ。
だが、日本の投資家たちは、皆、脅(おび)えている。一体、いつ次の暴落が来るのか、と。戦々兢々(せんせんきょうきょう)としている。
セミプロから上、プロの投資家たちは、すべて、先物の売り(あるいは、プット・オプションのプットを買う)を仕掛けている。だから、今はじっと我慢している。NYの最大手のヘッジ・ファンドたち(代表、ブリッジ・ウオーターのレイ・ダリオ) も「トランプは、こんなに、株価をつり上げて、一体どうする気だ。正気なのか」と。日本のプロの投資家たちも、思っている。
トランプというのは、だから、私が、ずっと書いて来たとおり「アメリカ帝国の 墓堀り人、 grave digger グレイブ・ディガー である」なのだ。彼が、来年の11月の大統領選挙で、再選されて次の4年間をやる、その最後の年である、2024年に、世界は、大恐慌に突入するだろう。それは、WWⅡ(第2次世界大戦)の終わり(1945年)から80年目である。
世界は、80年周期で、動いている。日本の歴史を見て見れば分かる。80年の周期(波)は、40年で折り返す。幕末明治(1865年)から、40年で、日露戦争(1904,5年)だ。それから、40年で、日本の敗戦(昭和20年、1945年)だ。それから40年で、にほんのバブル経済の頂点(1985年)だ。それから40年が、2025年だ。
今は、そのどん底への道の40年目を、日本はヒドい不景気のまま、ひた走っている。そして、2024、5年 に、この世界経済の、80年周期の 人類史の波(波動)の 運命に従って、日本も、先進国の財政崩壊(フィナンシャル・カタストロフィー)のあと世界恐慌(ワールド・デプレッション)に突入する。 このように世界は、そしてその一部である日本は、動いているのである。
ドイツ銀行の破綻処理は、 まさに、イギリスのBrexit (ブレグジット)、EUからの離脱、脱退と、ピタリと軌(き)を一(いつ)にしている。ドイツ銀行の危機が騒がれた、まさしく2016年の6月に、イギリスでブレグジットする、と国民投票で決まった。イギリスは、「ヨーロッパの疫病神から、逃げろや、逃げろ」なのである。あれから、3年ずっとイギリスは、国内が国論の分裂で、荒れまくった。
今は、「6600万人の貧乏国」と、呼ばれている。 12月12日に、イギリスの総選挙(ジェネラル・エレクション)があると決まった。それで、ブレグジットが決まる。
EUは、「来年の1月31日まで、待ってやる」と、期限すなわち我慢の限界を、再延長をした。だから12月12日に、ボリス・ジョンソン首相が、勝って、英保守党が、過半数を得票するだろう。ナイジェル・ファラージュが率いる「ブレグジット(離脱)党」も、保守党に協力して、対立候補を立てない、とジョンソンに約束した。
英労働党(レイバー)は、ジェリー・コービンという温厚で、頑強な、左翼の党首が、やや後退するだろうが、労働党としては、大敗北ということにはならない。こうしてイギリスは、ヨーロッパ同盟 から出て行く。
その本当の理由は、イギリスはEUの為におカネを払いたくないからだ、と、私、副島隆彦だけが、はっきりと書いて来た。まずドイツの、ドイツ銀行の破綻の際の、救援資金( 公的資金の投入だ。50兆円ぐらい)を出したくない。だからブレグジットだったのだ。
そのあとも、ヨーロッパの EU加盟27カ国の中の弱小国が、次々と、金融危機を起こし、財政破綻して行く。イギリスとアメリカは、英米同盟(アングロ・アメリカン・アライアンス)で、ここから逃げる。トランプは、「アメリカは、1ドルも払わない(助けない)」と公言している。そういう男だ。
ヨーロッパの面倒は、“ 唯一のヨーロッパの機関車 ” であるドイツが見なければ済まない。先日、フランスのマクロン大統領が、北京に、習近平に急に会い行ったのは、メルケルの意向を受けて、「ドイツ銀行が、危なくなったら、支援をよろしく」の約束の取り付けだったようだ。国家副主席の王岐山(おうきざん)が、自分のファンドを使って、ドイツ銀行への中国からの支援を続けている。最後は、政治が決めるのだ。
経済が、自由競争(フリー・コンペティション)と市場原理(マーケット・プリンシプル)で動いている、というのは、金融市場においては、もうウソだ。経済理論とか経済学なんか、もう死んでいる。 最後は、政治が決断して、決めるのである。経済法則ではない。
韓国が、どんどんアメリカから離れている。韓国は、今や、同じ民族の北朝鮮と、実質的には、べったりとくっついている。 世界政治の、表面上は、両国は、嫌い合って、ケンカを続けているように見せかけている。だが、裏側の実情は、どんどん合体、国家統一、民族統一に向かっている。
アメリカのエスパー国防長官や、米軍のトップたちが訪韓して(11月15日に、勢揃いとなった)、どんなに圧力を掛けても、GSOMIA(ジーソミア)とかいう、訳(わけ)の分からない、天から振ってきたような、「日韓軍事情報・・・(共有)・・協定」という、本当は、日韓の両国から米軍が、脱北者やら、日本の軍事スパイ衛星(2つ持っている) からの情報を、吸い上げる、ということだけの内容なのに。これの「軍事情報の知らせ合いの韓国による撤回、を撤回せよ」と、いくら強引に、韓国政府に、強引に要求しても、もう、韓国政府は聞かない。(11月23日に、韓国政府は、形上だけ「協定を継続する」とした。しかし実質は、拒否だ)
このまま行けば、米韓の合同軍事演習(ジョント・ドリル)は、規模縮小どころか、実質、中止だ。 そして、在韓米軍(ざいかんべいぐん)の、韓国からの撤退という事態になるだろう。これで東アジアの政治構造が大きく変る。韓国は、北朝鮮と一緒になって、中国に付いてゆく。 朝鮮半島に、中国の影響力が、どんどん強くなっている。この動きは、もう避けられない。
韓国の若者たちは、自分たちは、北朝鮮軍と戦って、死ぬのだ、そのように徴兵令(ドラフト)で、鍛えられてきた。だが、もう死ななくてもいいようになった。だから韓国人の気持ちは、大きく変っている。
今では、親米保守(しんべいほしゅ)のままの韓国人は、おそらく1割にまで激減している。 私は、ずっと朴槿恵(パク・クネ)前大統領が、好きで応援していたが、もう、そういう彼女を支持する韓国内の勢力は、1割にまで減った。
一昨年(2017年)の6月に、北朝鮮の山岳地帯の核施設を、米軍が、攻撃して、破壊するべきだったのだ。それをトランプと、トランプを支援する、アメリカ国民が、一気に、やる気をなくして、北朝鮮爆撃を中止した。そして、金正恩(キムジョンウン)への垂らし込みの、話し合い路線に転じた。
あれが、アメリカの力の最大限での、終わりの始まりだった。アメリカ帝国の衰退、敗北は、あの時から、始まったのだ。だから、トランプは、帝国の墓堀り人なのである。 アメリカは、「もう、帰るぞ、帰るぞ。外国や、世界のことなんか、知ったことか。アメリカは、もう貧乏なんだ。自分の国を立て直さないと、いけないだ。アメリカは、もう、外国にいる軍隊を撤退させる」だ。
「米軍に撤退してもらいたくなかったら、これまでの駐留費の、5倍を払え」と、はっきりと言い出した。 それで、日本の保守派の人たちも、考え込んでいる。「アメリカって、そんなに余裕がないのか。たった、一年に1兆円に増やした(今は、本当は、日本政府は、国家予算から、年に6400億円出している)思いやり予算を、欲しいのか」と、呆(あき)れている。
北朝鮮の金正恩が言うことが、どんどん強くなっている。この2年間、アメリカと対等の交渉をしてきたのだから、北朝鮮の勝ちだ。 いくら、経済封鎖、輸出入禁止(エンバーゴー)で、北朝鮮を締め上げても、もう全く効き目は、ないようだ。
北朝鮮には、中国との長い国境線と、それから今も国交のある旧東ヨーロッパの国々から、船でどんどん物資が入っているようである。 トランプは、金正恩と交渉どころではなくなっている。このあと、どうやって、宥(なだ)め賺(すか)して、猫なで声で、おとなしくさせるか、ぐらいしか手がない。トランプの、「私の友人のキム委員長へ」という、ツウイターの、あの卑屈な書き方に、よく表われている。
相手が、ピストル(核兵器)を持って構えている、と分かる、と、大男のアメリカ人、というのは、こんなに卑屈になるのだ。ピストルのことを、イークオライザー(平等、対等装置)と言って、どんなにか弱い女性でも、距離10メートル以内で、必死で拳銃を構えたら、大男を撃ち殺せる。
哀(あわ)れなのは、日本だ。屈従して、ヘイコラして、アメリカに完全に屈服したまま、言われたとおりに、カネをいくらでも差し出す。本当に、哀れで惨めな国だ。
アメリカと中国の、貿易戦争(ITハイテク戦争。遂には、金融戦争 になった) は、次の会談は、 12月中ももう無理で、何とか来年の早い時期に、カナダの バンクーバー辺りで、行うしかないだろう。「もうすぐ部分合意に達しつつある」と、トランプの経済政策の助言者のカドローNEC議長が、メデイアに言っている。が、中国は、ちっとも譲歩していない。
中国は、「農産物ぐらいは買ってあげよう。それ以外は、すべてアメリカが、制裁関税を撤回して、元に戻せ」と強固である。中国は、ちっとも弱くない。
「弱ったなー、どうしようか」と、考え込んでいるのは、トランプの方だ。「習近平よ、また、フロリダのマール・ア・ラーゴまで、来てくれよ」と、言ったって、OKするはずがない。
「トランプ、お前の方こそ、北京まで来なさい。そうしたら、少しは譲歩してあげよう。だが、これまでの2500億ドル分の関税と、追加の1600億ドル分と、ファーウエイ社への取引禁止の全面撤回しなさい、は譲らない」と、バーンと言ったはずだ。困っているのはアメリカの方だ。
日本は、調子に乗って、アメリカの尻馬に乗って、韓国イジメ、韓国叩き(半導体用の材料の輸出禁止。貿易戦争の猿まね) をやったものの、敗北した。韓国の方が強い。すると、今度は、アメリカが、日本政府に、「韓国に対する、日本からの締め付けを、すぐにヤメロ。余計なことをするな」と、叱られ始めた。安倍政権はアメリカから糾弾されている。これが、今の政治と経済の、両方の動きだ。 最後は、政治が決めるのだ。
私は、病気で、自分の体の具合が悪くて、なかなか、このように気楽に書けなくなっている。もっとしっかりと、綿密に書きたいのだが、体力が付いてこない。もう少ししたら、元気になります。 皆さんも、ご自分の体を、なによりも大事にしてください。日本が、そして世界がどうなろうが、まず自分が、元気で生き延びることが、一番、大事です。 副島隆彦拝
【2079】[2459]以下に載せる 田中宇(たなかさかい)氏の政治と経済の文章が、大変、優れている。
副島隆彦です。今日は、2019年10月29日(火)です。
現在の世界情勢について、日本から発信している 情報と分析の 文章で、一番、優れているものは、以下に載せる 田中宇(たなかさかい)氏の、文だ。 私は、いつも、田中氏の
「国際ニュース解説」の文に、驚嘆して、その多くに賛同している。
元 共同通信で、世界政治情報の報道の技術を学んで、独立して、こうして、ネット時代に、精力的に、もう20年以上も、独力で、正確、確実かつ、これほどの高度の優れた評論文を、粘り強く発表しているのは、田中宇(たなかさかい。私たちの間での、略称 宇(うー)たん)氏だけである。
最新の彼の 文章のほんの一部を以下に転載して、載せます。皆さんの、彼のサイトに、読みに行って下さい。副島隆彦が、強力に、文句なしで、強くお勧めします。
(転載貼り付け始め)
田中宇の国際ニュース解説 無料版 2019年10月28日
http://tanakanews.com/
●最近の田中宇プラス(購読料は半年3000円)
隠れ金融危機の悪化 http://tanakanews.com/191025frb.php
米軍シリア撤退は米露トルコの国際政治プロレス
http://tanakanews.com/191017syria.php
米連銀のQE再開 http://tanakanews.com/191014qe4.php
ーーーーーーーーーーーーーー
★人類の暗い未来への諸対策
ーーーーーーーーーーーーーー
この記事は「隠れ金融危機の悪化」の続きです。
http://tanakanews.com/191025frb.php
前回の記事に書いたように、世界経済は今後いずれ巨大な金融バブルが崩壊し、
リーマン危機より深刻な金融危機と大恐慌になっていく。現在は巨大なバブルが
崩壊する前の膨張した状態だが、マスコミも金融界も崩壊寸前のバブルのことを
ほとんど語らないので、多くの人がそれを知らない。
バブルがいつ崩壊するか不明だが、来年(2020年)から金融危機や大不況になるという予測が以前から出回っている。
トランプ米大統領は、来秋の大統領選まで株価の高値を持たせて好景気を演出し、再選につなげようとしているので、来秋までは全力でバブルを維持するだろうが、その後で金融危機になる可能性があり、それが2020年崩壊説につながっているのかもしれない。
前回の記事に書いたように、バブル崩壊はすでに9月から米銀行界のレポ市場(短期融資市場)の凍結のかたちで表れており、今後崩壊感が払拭される可能性は低く、いずれ崩壊が債券市場へと拡大し、本格的な金融危機になっていく可能性が高い。
http://www.zerohedge.com/markets/bofa-we-are-irrationally-bullish-2019-liquidity-crisis-coming-2020
BofA: We Are “Irrationally” Bullish On 2019, But A Liquidity Crisis Is Coming In 2020
http://www.focus-economics.com/blog/the-next-financial-crisis-how-when-it-will-happen-according-to-26-experts
How & When Will The Next Financial Crisis Happen? 26 Experts Weigh In
今後いずれ金融バブルが崩壊すると、世界の中央銀行や政府に事態を延命・蘇生する余力がない(すでにリーマン後の延命策で使い果たしている)ので、金融システムの崩壊と実体経済の不況が世界的にずっと続く。
崩壊や不況は10-20年続くかもしれない。最近チリやエクアドル、アルゼンチンといった、経済の民営化を徹底して進めてきた中南米の諸国で、経済社会の崩壊や反政府デモ、暴動などがひどくなっているが、これは米国中心の世界の経済金融システムの崩壊の始まりとして、システムの周縁にある対米従属的な新興市場諸国が先に崩れているものだ。
この傾向はずっと続く。新興市場諸国でも、非米的な諸国は比較的崩壊していない(レバノンやイラクなど中東諸国での反政府デモの拡大は、米国からイランなどへの覇権意向と関連しており、中南米と事情が違う)。
http://www.strategic-culture.org/news/2019/10/23/burn-neoliberalism-burn/
Burn, Neoliberalism, Burn – Pepe Escobar
http://tanakanews.com/190429multipol.php
多極化の目的は世界の安定化と経済成長
世界不況が20年も続くのは信じられないかもしれない。だがよく考えると、たとえば日本は90年代のバブル崩壊から30年蘇生せず、超低成長が続いている。
マイナス成長を粉飾してプラス成長に見せかけるのは難しくない。日本は事実上30年間の不況である。くそな専門家たちがそう言わず、人々が専門家を軽信しているだけだ。20年間の世界不況が起きても、人々がそう感じるかどうかは疑問だ。人類の不感症をよそに、20-30年間の世界不況がこれから起こりうる。
http://tanakanews.com/170608bubble.php
米金融覇権の粉飾と限界
http://tanakanews.com/151115economy.htm
ひどくなる経済粉飾
IMF世銀は先日の年次総会で、これから全世界が同時に不況になっていくという予測を発表した。リーマン危機後のような不況になるという。ナショナル・ジオグラフィックは、これからの30年間で世界的に食糧難がひどくなり、最大で50億人の人々が、十分な食料と水を得られない状況になるという予測を発表している。
IMF世銀もナショナル・ジオグラフィックも、エスタブ系(引用者注。エスタブリッシュメント。それぞれの国の支配階級の人たちのこと)の勢力だ。
「陰謀論者や左翼のたわごと」ではない。(最近はエスタブ系の方が「たわごと」ばかり発しているが)
http://www.zerohedge.com/economics/imf-forecasts-synchronized-global-slowdown-weakest-growth-lehman
IMF Forecasts “Synchronized Global Slowdown” – Weakest Growth ‘Since Lehman’
http://www.zerohedge.com/health/national-geographic-warns-billions-face-shortages-food-and-clean-water-over-next-30-years
National Geographic Warns Billions “Face Shortages Of Food And Clean Water” Over Next 30 Years
金融資産の多くを持っているのは大金持ちの層だが、これからの金融崩壊で最も打撃を受けるのは、金持ちでなく貧乏人だ。金融崩壊は政府の財政破綻や企業の倒産を引き起こす。社会福祉や公的年金の機構がつぶれ、それに頼って生きてきた人々の生活が破綻する。
企業の連鎖倒産によって失業が急増し、中産階級の人々も生活難に陥って貧困層に転落する。賢い大金持ちは金融崩壊をうまくヘッジするだろうから、世の中の貧富格差はどの国でも今よりさらに急拡大していく。そんな状態が何年も、何十年も続く。
http://bit.ly/347gb4c
Goodbye Middle Class: The Percentage Of Wealth Owned By The Top 10% Just Got Even BIGGER
(以下、略)
この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/191028ubimmt.htm
●最近の田中宇プラス(購読料は半年3000円)
◆隠れ金融危機の悪化
http://tanakanews.com/191025frb.php
【2019年10月25日】米国で9月後半から大手銀行が米国債の担保と引き替えで
も中小銀行に融資したくない「レポ市場の凍結」がおきている。いったん連銀
が介入するとみんな連銀から借りたがり、凍結に拍車がかかった。
(副島隆彦の引用者。割り込み加筆。 レポ市場、レポ取引 とは、repurchase agreement リパーチェス・アグリーメント の日本語略称。「買い戻し特約付きの銀行間の1日、2日の超短期の資金の貸し借り市場」のこと。 インターバンク interbank 銀行間だけでの 資金の融通のし合いの、短期の金融市場だ。
日本では、「無担保翌日ものコール市場取引の市場」。たった2日のオーヴァー・ナイトの資金融通だ。この料率が、「マイナス0.125%」とかで、今は、そのまま短期資金の政策金利と同じになった。私、副島隆彦が、40年前に銀行員をしていた頃に、この銀行間のコール市場が出来た。その前は、短資(たんし)会社が、銀行間の間で、超短期の資金の融通を仲介していた。
この無担保の、銀行間での、余裕資金の 預け合い、貸し借りにも、 自己保有の同じ国債を、数回、使い回して、見せガネのように担保に出す、という手口で、資金を調達する、苦境に陥っている銀行がある。これが、「シャドウ・バンキンぐ・システム」の中で、さらに悪用されると、ダークプールでのデリヴァティブ取引になってしまう。 それで、銀行間で、信用不安が起きて、危なそうな中小銀行に大手の銀行が、この短資市場で、貸さなくなる動きがこの9月にNYで起きた。信用不安が起きたのだ。
資金の円滑の動きが鈍って、凍り付いたら、大変なので、NY連銀(れんぎん。FEBの実働部隊)が、仕方なく、この市場に自分の資金を放出して、介入した。それが「親方日の丸」のおっぱいから、チュウチュウお乳を吸うような、民間銀行の体質を生む。 このNY連銀の資金の放出は、そのまま、「中央銀行の緩和マネーの実施、すなわち、ジャブジャブ・マネーであり、これを、田中宇氏は、パウエルFRB議長の「QE4(キュウ・イー4)の実施」の決断だと考えた。卓見である。この事態を、田中宇氏は、重く見ている。引用者、割り込み解説終わり )
米銀行界は相互信用が失われたままの大変な危機だ。金利低下で銀行の利益は減る一方で、信用失墜は今後もずっと続く。最終的には世界の銀行の半分がつぶれる。マスコミなど権威筋は危機をほとんど報じず、事態を過小評価した後、黙っている。「隠れ金融危機」がどんどん悪化している。
◆米軍シリア撤退は米露トルコの国際政治プロレス
http://tanakanews.com/191017syria.php
【2019年10月17日】クルドは米軍産の傀儡でなくロシアが守ってやれる非米的
な勢力になり、米軍に代わって露イランがクルドを守るようになる。米国はト
ランプの希望どおり、シリアの覇権をロシア側に委譲する。トルコはいずれロ
シアの仲裁でシリア政府と和解する。
トルコ軍はクルド地域以外の北シリアにしばらく進駐し、ISIS残党の面倒を見る。このような覇権移転をやるために、トルコは米露と談合しつつ北シリアに侵攻した。米軍のシリア撤退の騒動は、米露トルコが「戦争」を演じつつ、実は米覇権放棄や多極化のシナリオに沿って動いている「国際政治プロレス」だ。
◆米連銀のQE再開
http://tanakanews.com/191014qe4.php
【2019年10月14日】9月中旬に米連銀(FRB)がレポ市場に介入した直後か
ら、民間銀行がどんどん群がってきて連銀依存が急拡大し、民間銀行どうしで
融資したがらなくなる事態が起きた。連銀のレポ市場介入は逆効果だった。
銀行界の連銀依存が急拡大したので、連銀は介入を拡大せざるを得なくなり、今回の事実上のQE再開に踏み切らざるを得なくなった。今後、依存症からの離
脱に失敗した人が依存症に逆戻りした時の事態の破綻のひどさと同じことが、
米金融界に起きる。
今回始まったQE4はおそらく、トランプが再選される来秋の大統領選挙を越えて続く。QEの資金で来年まで株や債券のバブルが維持されるが、中長期的には暴落に至る。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。このように、田中宇氏の、文章は、硬質(こうしつ)で、高雅(こが)で、大変、優れている。ここまで、政治と経済の 両輪(りょうりん)を、鋭く、的確に描いて、さらに、深く洞察して、私たち日本人に「なるほどー。そうだったのか」と分からせてくれる 言論人は日本には他にいない。私たちは、田中宇(うー)氏という世界基準の頭脳を持てて、本当に幸運だ。
それでも、田中氏の文は、普通の読書能力の人々には、ちょっと難しいのではないだろうか。だから、そのために、私、副島隆彦が、田中宇(うー)たん よりも、やや下品で、日本人の実感に近寄った、浪花節(なにわぶし)の文章を書いている。私たちは、これからも、また、宇(う)ーたんを、私たちの学問道場の定例会にお招きして、彼と連帯して、彼と言論界で強く共闘してゆきたい。
副島隆彦拝
【2078】[2458]『人類の月面着陸はなかったろう』関連の最新暴露映像
↑『宇宙詐欺』(約12分の動画)
今年5月にジュリアン・アサンジのWikiLeaksが暴露した映像につづき、
NASAの宇宙飛行が、特撮である証拠を集めたものが出てきました。
映画『マトリックス』と撮影技術が一緒だったようです。
科学はすでに悪魔教に支配されているのだ、とよく分かります。
あいつぐ大型台風を、「地球温暖化」「海水温の上昇」だけを理由にしている
気象庁やNHKも、悪魔教にすでに完全におかされているのでしょう。
気象操作をやっている連中も、NASAも同じであろう、と思います。
昨日10/26の千葉県を襲った集中豪雨も、雨雲レーダーの雨雲が房総半島と同じ
形をしているんですね。それでも自然災害とか、天変地異とかと呼べるのか?
これはやはり、米軍と気象庁の合同作戦だろう、と思います。