日本政界●情報メモ
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Loginはこちら【79】「民主党の豹変:極東戦争を防ぎ、国民の命を守るためだった?」
「新ベンチャー革命」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010年6月24日 No.145
「民主党の豹変:極東戦争を防ぎ、国民の命を守るためだった?」
1.菅民主党政権への批判は見当違い
米戦争屋傀儡の自民党従米政権に嫌気が刺して、政権交代を切望してきた国民(主に民主支持者)は、対米独立に挑戦しようとした小沢・鳩山政権に強く期待し、熱烈に支持してきました。筆者もその一人です。ところが、政権交代後、戦争屋率いる悪徳ペンタゴン日本人に執拗に攻撃されて、6月2日、遂に精根尽きた小沢・鳩山W辞任の後、6月4日、間髪入れず菅政権が誕生、早、約3週間経ちます。7月11日には参院選が行われます。各党、すでに選挙モードに突入しています。
ところが、小沢・鳩山辞任後の菅政権は、民主支持国民の期待を裏切り、政権交代前の自民党となんら変わらず、小泉政権の再来と指摘する人もいるほどです。菅政権の正体が明らかになるにつれて、政権交代時に民主党を支持していた政治ブロガーやネット愛好者の菅政権への批判は高まる一方となっています。次期参院選では、真剣に民主党を支持してきた国民ほど、民主離れして、亀井氏率いる国民新党に傾斜すると思われます。その意味で国民新党の躍進は、予想以上に大きいような気がします。
確かに、菅政権が今のまま続けば、政権交代の意味はまったく失われます。しかしながら、菅政権を安易に批判するのはちょっと待って下さい。
2.民主党の変節は、菅政権ではなく、鳩山政権末期に起きた
菅政権になって、民主党の政治が、政権交代直後に比べて、180度、変節しているのは確かですが、筆者の観察によれば、民主党が変節したのは、菅政権誕生前の5月4日の連休中、鳩山首相の沖縄訪問時だと思われます(注1)。鳩山首相が、沖縄駐留の米海兵隊が抑止力だとか、なんとかと、沖縄県民に向って、つぶやいた時点が決定的な民主変節ポイントだとみなせます。要するに、この時点で、民主は米戦争屋率いる悪徳ペンタゴン連中との戦争に負けたのです。
現在の菅政権の路線は、5月連休に白旗を挙げた鳩山首相の意向に沿っています。すなわち、今の民主は悪徳ペンタゴン従属政党に豹変しています、少なくとも、見掛け上は・・・。しかしながら、真に変節したかどうか、現段階では不透明です。悪徳ペンタゴン連中は、彼らの天敵・小沢氏が民主党内で要職に就いてなくても、党内にて健在であるかぎり、民主が心底、悪徳ペンタゴン従属党になったかどうか、懐疑的でしょう。
いずれにしても、民主が君子豹変したのは事実ですが、変節ポイントがどの時点だったかによって、変節後の民主に対する見方は大きく異なってきます。
民主の変節ポイントが5月連休中であるという筆者の見方に立てば、現在の菅政権は、小沢・鳩山コンビ政権末期に起きた民主全体の変節路線に粛々と従っているに過ぎません。菅首相およびその取り巻き閣僚が小沢・鳩山コンビを裏切っていると批判するのは早計です。
3.なぜ、民主は豹変したのか
それでは、民主はなぜ、5月連休に党全体として豹変したのか、筆者の見方では、韓国哨戒艦艇・天安沈没事件(3月26日発生)の真相が、鳩山政権に内密に伝えられたからだと推測します。この事件の成り行き如何で、極東戦争が引き起こされる危険を民主幹部が肌身で察知したからでしょう。天安事件真相発覚以降、民主は党として、米国戦争屋(悪徳ペンタゴンの首魁)に逆らえない状況(有事)にあると判断しているのです。その結果が、民主の対戦争屋無抵抗主義の採用となったということです。消費税引き上げもおそらく米戦争屋の要求です。
民主は米国戦争屋から、言う事を聞かないと、極東戦争を起こすと強く恫喝された可能性が高いのです。
この状況は、人質を取って立てこもった凶悪犯に、言う事を聞かないと人質の命はないと脅かされた警察が、凶悪犯を刺激しないよう、言う事を聞くポーズを取っている状況に近いでしょう。
4.民主は今後、どうするのか
いずれにしても、7月参院選が終わるまで、現在の路線(悪徳ペンタゴンに従うポーズ)で突っ走るのは確かです。民主変節に怒り、国民の間で民主離れが起こるのは当然、織り込み済みでしょう。この流出票は、国民新党に流れてくれればよいのです。なぜなら、国民新党党首・亀井氏と小沢・鳩山コンビはツーカーですから。
政権交代後、悪徳ペンタゴン連中の執拗な攻撃を経験し、小沢・鳩山コンビは、民主党単独で、戦争屋と対峙しても勝ち目のないことを思い知ったはずです。確かに小沢・鳩山民主(内なる敵・民主党内戦争屋シンパの妨害あり)のみで戦争屋に対抗するのは到底、不可能です。絶対に独立するという国民の強い意志と応援が必須だったのですが、悪徳ペンタゴンにだまされて、日本国民の応援が極めて弱かったのです。これこそ、小沢・鳩山コンビ最大の誤算でした。残された唯一の道、それはオバマ政権がどれだけ、戦争屋弱体化に成功するかにかかっています。オバマ大統領とて、個人的には命がけです。
いずれにしても、小沢・鳩山コンビは、オバマや欧州系寡頭勢力による米戦争屋弱体化作戦に賭けるしかありません。世紀の悪徳モンスター・戦争屋退治は、不甲斐ない国民の多い日本にとって残念ながら、他力本願です。
5.極東戦争回避は、中露の努力の賜物か
今回、かろうじて極東戦争が回避されたのは、鳩山首相が戦争屋にひれ伏して無条件降伏したからでしょうか、残念ながら違います。それより中露の努力に拠るところが大きいのは確かです。とは言え、中露といえども。米戦争屋の暴発を完全に抑えることはできません。何と言っても、戦争屋自身が極東戦争を勃発させることに失敗したことが、戦争回避の最大の理由です。さらに韓国が戦争屋をかばってドロをかぶったことも奏功しています。戦争屋は、彼らの常套手段・戦争勃発ねつ造作戦に失敗して、一時、蒼くなったものの、韓国のおかげで恥をかかなくて済み、ホッと一安心、韓国に大きな借りができてしまいました。また、いつものように悪役を演じさせられてきた北朝鮮も大迷惑でしょう。しかし、これまでのように、戦争屋の中東作戦に呼応して、北朝鮮が極東で挑発行動を行って、戦争屋に協力する意欲も低下しているでしょう。今後、北朝鮮は米戦争屋よりも中国の言うことを良く聞くようになりそうです。
天安事件で大失敗した戦争屋は当分、極東でデカイ面はできなくなっています。
それにしても、したたかな戦争屋はころんでもタダでは起きない。鳩山政権を対戦争屋無抵抗主義に変節させることに成功したのです。
鳩山政権も、対戦争屋従属と引き換えに、極東戦争危機を取り除き、日本国民の命を守ったわけです。
民主党にとって、凶暴な戦争屋対策がいかに困難を極めるか、われわれ国民はもっと理解を示す必要があります。ところが肝心のマスコミは戦争屋の陣営ですから、マスコミが日米関係の真実を国民に知らせることは絶対にありません。これだけはネット情報に頼るしかありません。
それにしても腹が立つのは、このような戦争屋の言いなりになってきた悪徳ペンタゴン日本人(大手マスコミ人を含む)の罪深さです。彼らこそ、日本に巣食う悪性ガンそのものです。
注1:本ブログNo.122『普天間問題:オバマ・鳩山vs米国戦争屋・悪徳ペンタゴンの代理戦争』2010年5月5日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/13531636.html
ベンチャー革命投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm
テックベンチャー投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/8285/column-top.html
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【78】「大資本減税庶民大増税提唱の菅路線は挫折する」
植草一秀の『知られざる真実』
マスコミの伝えない政治・社会・株式の真実・真相・深層を植草一秀が斬る
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2010年6月23日 (水)
「大資本減税庶民大増税提唱の菅路線は挫折する」
6月24日の参院選公示を控え、日本記者クラブ主催の9党首討論会が開かれた。
菅首相が消費税率の10%への引き上げ方針を示唆したことを背景に、消費税問題が参院選の重要争点として浮上している。
日本の財政事情が悪化していることは事実である。しかし、日本の場合、国内の所得支出バランスと実物投資の差額から生じる国内資金余剰が巨額であり、財政赤字をすべて賄ったうえでなお巨額の資金余剰が残り、この資金が海外流出している。
財政赤字を国内資金で賄うことのできない米国などの事情とは大きな差が存在する。
日本の国債発行金額は2008年度当初予算では25兆円だった。それが、サブプライム金融危機に伴う景気後退に対処するための補正予算編成と税収減少により、一気に53兆円に拡大した。予算規模の半分以上を国債発行で賄う現状は異常であり、財政状況の改善が重要課題であるのは事実である。
しかし、この財政収支悪化が景気悪化を背景に生じたものであることを踏まえねばならない。財政収支は不況の局面で悪化し、公共の局面で改善する。
不況では景気対策が必要となり、税収が減少すると同時に社会保障関係支出が増加するからだ。好況ではこの逆の現象が生じ、財政赤字が減少する。
不況の局面で財政赤字が増大することは景気を支える効果を併せ持つ。好況の局面で財政赤字が減少することは景気を冷やす効果を持つ。
この効果を財政の景気自動調整機能(ビルトイン・スタビライザー)と呼ぶ。
不況の局面で財政赤字が拡大することはこの意味で当然のことであり、不況の結果拡大した財政赤字を人為的に縮小させようとする政策は、財政収支が持つ景気安定化効果を消滅させてしまうことも考慮しなければならない。
財政赤字が拡大した最大の原因は、「税収の減少」にある。「税収の減少」をもたらした最大の原因は「不況の深刻化」にある。国税収入は1990年度に60兆円あった。これが2010年度には37兆円に減少した。23兆円も税収が減少したのである。
したがって、財政赤字を縮小させるための第一の方策は、税収の自然増を確保することなのである。税収の自然増は、景気回復によってもたらされる。
政府がいま最優先すべき課題は、「景気回復」である。「景気回復」が財政赤字を縮小させるために最も有効な施策である。この点を的確に指摘したのは国民新党の亀井静香氏である。
また、消費税大増税を検討する前に絶対に実行すべき課題が存在する。
政府支出の無駄排除である。政権交代実現後、「事業仕分け」が実施され、メディアに大きく取り上げられた。しかし、現状は「学芸会」の域を出ていない。「業務の抜本的な見直し」などのあいまいな決定が相次ぎ、最終的に無駄が排除される見通しはまったく立っていない。
政府支出の無駄を排除するうえで不可欠であるのが「天下り」の根絶である。民主党は「天下り根絶」を主張し続けてきたが、与党になった途端に、「天下り根絶」が「天下りあっせん根絶」にすり替えられた。
両社は「似て非なるもの」である。「あっせん」を禁止しても、「天下り」の実態を「あっせん」によるものではないと言い逃れられると、天下りは野放しにされることになる。
この意味で、鳩山前首相が公約した「衆議院任期中の消費税増税封印」の決定は正しい選択である。民主党は消費税を衆議院任期中は引き上げないことを公約として掲げ、総選挙を戦った。増税の逃げ道を封じておかなければ、無駄な歳出削減の実効性を確保することはできない。
菅首相は突然「消費税率の10%への引き上げ」を発言したが、党内での決定手続きを経て発言したものなのか。消費税率引き上げは民主党の「公約」として決定されたものなのか。
菅首相は、まずこの点を明らかにする責任がある。
昨年8月の総選挙で政権交代を実現させた主権者国民は、増税検討の前の「政府支出の無駄排除」の方針に賛成して民主党に投票した。その民主党の方針が、突然、「政府支出の無駄排除なき大増税」に転じるのなら、主権者国民は増税詐欺の被害者になる。
主要国税税目の推移を改めて提示する。
グラフに示されるように、消費税は1990年度の4.6兆円が2009年度には9.4兆円に倍増した。法人税は1990年度の18.4兆円から2009年度の5.2兆円に激減した。4分の1に激減したのだ。
このなかで、菅政権は法人税減税と消費税大増税を提案しているのだ。
政府税制調査会が2007年11月に発表した「抜本的税制改革に向けた基本的考え方」の17~18ページに以下の記述がある。
「法人実効税率とは、国・地方合わせた法人課税の表面税率のことである。我が国の法人実効税率は、国際的に見て高い水準にあり、引き下げるべきという議論がある。この問題を検討するに当たり、当調査会は、平成19 年度の税制改正に関する答申を踏まえ、課税ベースも合わせた実質的な企業の税負担、さらに社会保険料を含む企業の負担の国際比較を行った。また、企業減税による企業部門の活性化が雇用や個人の所得環境に及ぼす影響等についての調査・分析を行った。課税ベースや社会保険料負担も考慮した企業負担については、モデル企業をベースとした試算において、我が国の企業負担は現状では国際的に見て必ずしも高い水準にはないという結果も得た。」
つまり、日本の法人税率は国際比較上、高い水準にはないとの結論を日本政府の見解として示しているのだ。
にもかかわらず、菅政権は消費税大増税・法人税減税の方針を示している。
政権交代の最大の目的は、米・官・業による日本政治支配の基本構造を打破し、主権者国民による政治支配の構造を構築することにある。
この目的を達成する試金石になるのが、①普天間基地の海外移設、②官僚天下りの根絶、③企業団体献金の全面禁止、である。
ところが、菅政権は米官業による日本政治支配構造に逆戻りさせる政策方針を相次いで示し始めているのだ。
税制改革については、党内の民主的な意思決定手続きも経ずに、独裁的に消費税大増税=法人税減税の方針を明示してしまった。法人税減税は大資本を消費税大増税賛成に引き込むための施策であると考えられ、菅政権が主権者国民から大資本に基軸を移したことを意味すると受け取れる。
政府支出の無駄排除を優先しない消費税大増税、20年間に4分の1に激減した法人税をさらに減税する大資本優遇の法人税減税方針に賛成することはできない。
参院選では、民主党内小沢氏グループ候補者を個別に支援する以外、比例区では国民新党、社民党を支援するのが主権者国民の正しい選択であると考えられる。
9月代表選をもって菅政権に終止符を打ち、主権者国民の意思を尊重する民主党代表を選出して、もう一度、主権者国民政権を構築することがどうしても必要である。政府支出の無駄排除なき消費税大増税に突き進む菅民主党に対しては不支持の姿勢で臨むことが求められる。
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【77】「屋山太郎は「詐欺師」だったのか?」
2010-06-23
「屋山太郎は「詐欺師」だったのか?」
昨日は、豊島公会堂横の某所で行われた「月刊日本」主催の「植草一秀講演会」に行って来たが、狭い会場だったとはいえ、椅子が足りないほどの盛況であったが、半数は申し込みの段階で、満員ということでお断りしたらしいから、植草先生の個人的な人気というのはもちろんあるだろうが、それだけではなく、もっと根深い社会的な流動化の「うねり」のようなものを強く感じた。植草先生は、「米・官・業・政・マスコミ」の、いわゆる「悪徳ペンタゴン」による国家支配の実態を経済の観点から暴露していったわけだが、とりわけ菅直人に関して、これまでの個人的交流等を踏まえて、あまりにも急激な言動や思想の変化、つまり「菅直人の変身」の有様を語ったのが印象的だった。菅直人も、結局、「米・官・業・マスコミ・・・」の支配権力に屈服したのであり、屈服することによって「小沢一郎排除」「官僚・マスコミ迎合」「日米合意の尊重」等を交換条件に総理総裁の椅子を手に入れたということになる。植草先生の話を聞きながら、「左翼」「市民派」の出身とは言いながら、地位や権力のために「魂を売った」菅直人内閣は、おそらく自民党政権よりも自民党的になっていき、日本国民にとっては不幸なことだが、権力維持と政権維持のためには何でもやる…警察も闇の力も行使する…という「小泉政権の再来」ということになっていくのだろうと思った。さて、話は変わるが、「岩手日報」の捏造社説問題だが、元はといえば、捏造騒動の原点は「産経新聞」と「屋山太郎」の問題であったわけだから、「岩手日報」の捏造社説を許してはならないのは当然だが、「岩手日報」だけを批判するのは公平ではないだろう。羊頭狗肉を売る詐欺本『小沢君、水沢にかえりたまえ』の巻頭に、本文の趣旨とは百八十度も違うようなトンデモ解説を書いて平然としている屋山太郎の厚顔無恥の詐欺師ぶりが、いかにも「官房機密費」まみれの「新聞記者あがりの政治評論家」を彷彿とさせて、面白い。詐欺のお先棒を担いで平然としていられるとは、「新聞記者あがりの政治評論家」って、そこまで卑しく、卑屈に、しかも居丈高になれるものなのか。屋山太郎は解説で、江藤淳の代表作を『閉ざされた言語空間』だと書いているが、むろん誰でも知っているように 江藤先生の代表作は『夏目漱石』論や『漱石とその時代』等、いわゆる漱石論であって、『閉ざされた言語空間』は政治思想関係の著書としては貴重なものだろうが、江藤先生にとっては一種の「余技」の産物に過ぎない。そんなことも知らずに江藤淳を語り、江藤淳の本の解説を書き、「江藤淳は小沢一郎に期待し過ぎた」とか「江藤淳も小沢一郎に騙されていた」等と、死者に鞭打つようなトンチンカンな批評を付け加えるとは、これまた、いかにも「官房機密費」まみれの「新聞記者あがりの政治評論家」にふさわしい不遜な所業と言うべきか。江藤先生は、すでに学生時代に「三田文学」に発表した『夏目漱石』論で、次のように書いている。「しかしぼくらが漱石を偉大という時、それは決して右のような理由によってではない。彼は問題を解決しなかったから偉大なのであり、一生を通じて彼の精神を苦しめていた問題に結局忠実だったから偉大なのである。(中略)彼が「明暗」に「救済」の結末を書いたとしたら、それは最後のどたん場で自らの問題を放棄したことになる。(中略)そして生半可な救済の可能性を夢想するには、漱石はあまりに聡明な頭脳を持ちすぎていたのである。」僕は、「彼は問題を解決しなかったから偉大なのであり…」と書きうるような鋭い人間観察力と鑑識眼を持つ「江藤青年」が、後年、政治家・小沢一郎に対して行った論評において、他人から「期待しすぎた」とか「騙されていた」とかいうような解説がされるとは思わなかっただろう。むろん、江藤淳には「小沢一郎」という政治家の人間的本質が見えていたのだ。「見える人には見えるだろう」(小林秀雄)とでも言うほかはない。おそらく江藤淳は、自分よりも若い「政治家・小沢一郎」を論じるのに、漱石を論じるような姿勢で臨んでいたのである。だからこそ、批評家生命を賭けて、「小沢一郎絶賛」の文章を書き、残してくれたのである。ところで、屋山太郎は、「そもそも小沢氏が『理想とする日本の姿』とは何か。それは全く見えない。」「能弁に保守思想を語るが、小沢氏は保守政治家ではない。」「しっかりとした国家観と歴史観を持った保守政治家だと考える人は多かったが、それは全くの間違いである。」「権力志向ゆえに、トップに上りつめること自体が彼の目的だからだ」「つまり、何があろうと曲げないという信念がない。」…と、「語るに落ちる」ともいうべき批判を展開しているわけだが、これは江藤淳の小沢一郎評価とまったく関係ない内容のものである。これらの文を読むまでもなく、批評力の欠如、思想性の不在を感じないわけにはいかないが、では、屋山太郎の理想とする保守とは何であり、保守思想とはどんな思想であり、また保守政治家とは誰なのか、と問いたい。まともに答えられるはずがない。この程度の粗雑で、稚拙な「小沢一郎批判」を書くぐらいなら、見苦しい詐欺師的振る舞いはやめて、自分で「小沢一郎批判」の本を書けばいいではないか。何故、江藤先生の貴重な「小沢一郎論」の解説として、江藤論文を汚す形で、下品な「小沢一郎批判」を書き連ねねばならないのか。僕は、この解説文を読んで、屋山太郎が「保守」だと初めて知ったが、こんな下司野郎が保守だというのなら、即刻、僕などは保守をやめてもいい。江藤淳先生や小林秀雄の「保守」はラディカリズムとしての保守であり、屋山太郎のような世俗的な、世渡り上手な「処世術的保守」ではない。僕は、小沢一郎的「保守思想」は、江藤先生や小林秀雄の保守思想に近いと考える。
(転載貼り付け終了)
【76】「官報談合、この「官とメディア」の問題は相当に根が深い」
「日々坦々」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010/06/23(水) 12:09
「官報談合、この「官とメディア」の問題は相当に根が深い」
週刊ポストの上杉氏の官房機密費追及記事を取り上げようと思っていたが、今週の週刊朝日の佐藤優氏の≪外交機密費を受け取った新聞記者たち≫は今までの論点とは違う、官僚によるメディア支配とその手口という衝撃的な記事だった。
(週刊朝日7/2号)
リード文
≪官の利益のために世論を誘導する―霞が関がメディアを篭絡(ろうらく)するために使うのは「官房機密費」だけじゃない。外務省もまた「外交機密費」を大いに活用していたのだ。手口は巧妙だ。官僚と記者が育む「黒い友情」の実態を、”伏魔殿”の裏の裏まで知り尽くす男、作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏(50)が語った。≫
この中では官僚がどのように新聞記者を手なずけ、手下にしていくのか。官僚の支配下に置かれた新聞記者によってその後なにが起こっているのか、が見えてくる。
佐藤氏も手を染めたという「白紙領収書」問題は、実際に5・6回、200枚以上の白紙領収書を作成したことを告白し、その時は、はっきりと有印公文書偽造で明らかに犯罪であることを認識していたと語っていることには驚くと同時に、外務省の中で組織として常態化、慢性化していたことがよくわかる。
渡しがお小遣いをもらっているわけではないからまあ、こういうことはやってもいい範囲だ」と思ってきたことを佐藤氏は述懐している。
こうしてつくられた白紙の領収書は、海外視察で、首相や外務大臣に同行してきた記者達に配られ、そこにいい加減な数字を書き込んで経費として精算し、お金を受け取る、というなんともミミッちいことを
していたというのだ。
これは90年代なかばで各社が経費節減で厳しくなり、この「白紙領収書」を渡す慣行もなくなったということだ。
その後には外務省のマスコミ対策は変化し、外務省の記者クラブ「霞クラブ」の特定の記者にターゲットを絞り工作し、そこに「機密費」が使われているということだ。
「機密費」から接待を受けた記者は次第にその弱みから、外務省よりの記事を書き、また頼まれたレポートなどもアルバイトで書いていた、ということだ。
各国大使館に配布される「政局レポート」という報告書は「公文書」のかたちで省外秘になっていて、「これは霞クラブの記者に内々に執筆してもらったものです。厳に当省出身の幹部職員のみに回覧してください」という注意事項があり、佐藤氏も度々目にしたとのこと。
こういう協力的な記者を外務省では「与党」と名づけ、それに反して抵抗してくる記者を「野党」として分類している。外務省がまず狙うのは、この「野党」の記者ということだ。
正義感が強く、国民の「知る権利」に応えるという意識が高い”誠実”な記者で、そういう記者には、外務省も誠実なふりをして対応し、徐々に手懐(てなず)けていき最終的には「与党」の記者を増やしていくというのだ。
その徐々にというのが大変巧妙で、佐藤氏も言っているが、「スパイ」が協力者を作るときの典型的な方法だとということで、妙に納得した。
*****政治ブログ***********
「野党」に区分けされた正義感あふれ外務省にも公然と批判してくる誠実な記者を、まずは誠実なふりして対応し「野党」から「建設的野党」になっていただいて、ある程度、関係が深くなったところで”悪魔の囁き”をする。
「あなたのような政局動向に通じている記者の見解を、ぜひ外務省の幹部、あるいは在外公館の幹部に伝えたい。匿名でリポートを書いてくれないか」
そして数十万を渡す。これももちろん「外交機密費」から出ているという。
最初はできるだけハードルを低くして攻めて行く。
「新聞の重要な記事のところに、赤で記しをつけてください」
「切り抜きをください」
「切り抜きにコメントを書いてください」
「報道についてリポートを作ってください」
「役所の中の様子を教えてください」
という”本当の狙い”に行き着く。
≪そして、だんだんモノを受け取ることに慣れさせ、その対価としてカネをもらう習慣をつけ、できるところから少しずつ深みにはめていくわけです。いったんこのリポートを書いたら、もう一生終わりです。どんな社も、記者が取材で得た政治家の懇談メモ=表に出さない前提の(オフレコ)メモを使って、官からカネをもらってリポートを書いたことが露見したらクビです。それがわかっているから、そういう記者は、”無二の親友”になる。こうして「野党」側から「与党」側に移行してくる記者な少なくないのです。≫
佐藤氏は、現在報道されている情報で、特に外交問題と検察の特捜部に関連する案件に関しては「9割」が官の側からの情報だと断定している。
そうした官僚側が取捨選択した、官僚の意向に沿ったヨイショ記事など、マスメディアは官製情報とも呼べる情報を垂れ流し、国民のためというより官僚のためのメディアに成り下がっている、といえる。
これについて我々は「暴走検察」でイヤというほど見せられてきた。
それが全省庁にあてはまっている、ということだろう。
元時事通信記者で経済関連記者クラブに所属していた相場英雄氏が、『Business Media 誠 』の中で、政治部記者と官房機密費について次のように書いている。(参照)
≪筆者が接した「ごく一部の政治部ベテラン記者たち(他社を含む)」の中には、有力政治家からもらった高額な宝飾品を誇示したり、はたまた住宅購入に当たり、派閥領袖(りょうしゅう)から頭金の支援を仰いでいたことを嬉々として明かしてくれた人物さえ存在した。こうした人は1人や2人ではなかった。他の同僚、また他社の記者からも同様の話を多数聞いたことがある。政治部の中でも、特に自民党の大派閥担当、あるいは政局取材に強みを持つ記者ほどこの傾向が顕著だったと鮮明に記憶している。要するに、担当した政治家やその秘書、あるいは派閥との結びつきがどれだけ強いかが、記者に対する暗黙の評価対象になっていたからだ。 現在問題となっている官房機密費に関して、筆者は野中氏が指摘した「官房長官の引き継ぎ簿」を実際に目にしたわけではない。誰がいくら、いつ受領したかなど詳細に関しても知り得る立場にない。 ただ先に触れたように筆者が接した「ごく一部の政治部ベテラン記者たち」の事象に当てはめれば、一連の官房機密費問題に対して抱く心証は「さもありなん」であり、「クロ」なのだ。≫
官房機密費や外交機密費なども含め、この「官とメディア」の問題は、相当に根が深い。
これからも追及の手を緩めることはできない。
最後までお読みいただきありがとうございます
(転載貼り付け終了)
【75】「主権者との契約違反を示す菅首相の深刻なぶれ」
「植草一秀の『知られざる真実』」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010年6月22日 (火)
「主権者との契約違反を示す菅首相の深刻なぶれ」
菅直人首相が就任早々、深刻な「ぶれ」を示し始めた。
民主党は昨年8月30日の総選挙で消費税増税について、衆議院の任期4年間は消費税増税を行わないことを明示した。鳩山前首相は論議を行う必要もないとしたが、その後、論議については全面的に封印するものでないと軌道修正した。
他方、在日米軍のあり方の見直し、天下りの根絶、企業団体献金の全面禁止、取り調べ過程の全面可視化、などを政権公約として掲げて総選挙を戦った。
マニフェスト選挙で主権者国民は、マニフェストに掲げられた政権公約を政党と主権者国民との間の約束=契約とみなして投票に臨む。主権者国民はマニフェストに基づいて政権選択を行うことによって、望ましい政策運営を確実に確保することができるようになる。
主権者は国民である。政治は主権者の意思に基づいて運営されなければならない。国政選挙に際して主権者国民がマニフェストに基づいて投票を行い、主権者国民の選択のよって政権を担う政党がマニフェストに掲げた施策を確実に実行する。
こうしたプロセスを通じて、主権者国民の意思が現実の政治に反映されることになる。これがマニフェスト選挙の持つ意義である。
このプロセスが十分に意義を発揮するには、いくつかの条件が不可欠である。
①政党が実現可能性も含めて十分な検討を行ったうえで公約を示すこと
②公約に掲げた政策を必ず実行すること
③主権者国民が政党の公約をよく理解して投票すること
④政党は公約を安易に変更しないこと
⑤公約を変更する場合には、十分な検討を加えるとともに、主権者国民に納得のできる説明をすること
これらの条件が十分に満たされることが不可欠である。
政党が選挙の際に掲げた公約を守らないことは一種の「詐欺行為」である。主権者国民に対する「背任」と言ってもよい。
公約違反を繰り返す政党は「詐欺政党」として、主権者国民からやがて相手にされなくなる。これは自業自得だが、政党にとって政権公約は命綱である。このことを肝に銘じなければ政党が主権者国民からの信頼を勝ち取ることはない。
昨年の総選挙から10ヵ月も経過していない。鳩山政権は表看板になった普天間基地移設問題で、重大な公約違反を示した。
マニフェストには「見直し」の表現が用いられたが、首相は「最低でも県外」と明言した。首相=党代表の言葉は「公約」と受け止められて当然である。
5月14日には、同意を得る必要のある三者=連立与党、主権者国民(地元住民)、米国について、主権者国民の同意を優先することを改めて明言した。
ところが、5月28日の決着は、連立与党、主権者国民の意思を無視した、米国の要求通りの決着だった。この重大な公約違反が鳩山政権総辞職の主因になった。
後継政権である菅直人政権は、前政権の公約違反を是正するところから出発する責務を負っていた。これが民主主義のルールである。
ところが、菅直人政権は、主権者国民との約束、マニフェストを安易に、一方的に変更することを無造作に実行し始めた。
菅直人首相は市民運動出身者で、二世議員でもない。庶民目線で、既成の権力構造に対して大胆に切り込んでいってくれるのではないかとの期待が大きい。こうしたイメージも作用して、政権発足時の高い政権支持率が示されたのだと考えられる。
しかし、菅首相が高い支持率に対する慢心から、主権者国民との約束=契約である政権公約に対して無責任な行動を示すなら、主権者国民は間違いなく菅政権に対して厳しい鉄槌を下すことになるだろう。
菅新首相は普天間基地移設問題について、主権者国民の意思を無視した日米合意をそのまま踏襲することを宣言した。総選挙の際に民主党が示した約束=公約を破棄することを全面的に支持する姿勢を明示したのである。
この姿勢が許されるはずがない。沖縄の切り捨てである。9ヵ月間の沖縄県民の期待、日本国民の期待に対して、後ろ足で砂をかける行為である。
菅直人首相は突然、消費税大増税の方針を明示した。2012年度中にも消費税が10%に引き上げられることも示唆された。
そもそも、民主党内での民主的な意思決定手続きを経て菅首相は消費税大増税方針を明示したのか。菅首相は民主党のこれまでの執行部による意思決定を「独裁的」と批判してきたのではないか。
主権者国民との関係において、消費税問題は最重要政策課題である。安易な公約提示は許されないし、まして、政権担当中の無責任な公約変更は「詐欺行為」と批判されて当然のことがらである。
民主党は天下り根絶を訴え続けてきたが、天下りを根絶するには「あっせん」を禁止してもまったく意味はない。かつて自民党の天下り禁止が「あっせん禁止」だったとき、民主党は「あっせん禁止」では実効性がないと強く批判してきた。
天下りを根絶するには、「退職直前10年間に関与した業界、企業、団体には、退職後10年以内には就職できない」といったような客観的な再就職規制を法制化することが不可欠である。こうした意味での「天下り根絶」策も大幅に後退している。
菅首相が最重要視している「政治とカネ」問題について、民主党は「企業団体献金の全面禁止」を政権公約に掲げている。2009年には国会に法案も提出した。
ところが、その後、進展が見られない。民主党は「えせ国民会議」である21世紀臨調に諮問し、「えせ国民会議」である21世紀臨調は「政党本部に対する企業献金」を温存させる「ザル規制」を提示した。
この案に沿って「ザル規制」を設置するなら、これも重大な公約違反である。
法務省が検討を進めてきた取り調べ過程の可視化についての検討は、勉強会が全面可視化に反対の姿勢を示している。取り調べ可視化に反対している法務省に検討させれば、このような結論が示されるのは勉強会を開催するから明らかだ。
日本の警察・検察・裁判所制度、刑事訴訟制度、法の運用は、前近代的である。現代国家である大前提は、この側面の制度が近代化されることである。
現状は、政治権力が好き勝手に一般市民をどうにでも取り扱える「暗黒社会」そのものである。政治権力の恣意により、無実潔白の人間を犯罪者に仕立て上げることが可能であり、他方でれっきとした犯罪者を無罪放免できる仕組みが温存されているのである。
この点についての政権公約も破棄されかかっている。
菅新首相が無責任で背徳的な消費税大増税方針を示したことを受けて、一部世論調査が支持率急低下を示し始めた。菅直人首相はあわてて発言の軌道修正を始めた。支持率の動きに連動して発言が変動すること自体が、主権者国民の不信を増幅させる。
菅首相は、もう一度、昨年8月の総選挙の際の主権者国民との約束=契約をじっくりと読みなおすべきである。同時に、本年5月末までの鳩山前首相の発言もしっかりと把握すべきである。これらが集積されて主権者国民との契約が形成されている。
契約違反の公約修正に手を染める前に、主権者国民との約束=契約の確実な実行に全精力を注ぐべきである。
前原国交相の提示した新高速道路料金制度について、小沢一郎前民主党幹事長が批判したのも、その内容が主権者国民との約束に反するからだった。
前原国交相は八ッ場ダムの工事中止についても、無責任な対応を続けている。他人を批判する前に、自分の行動の無責任さを恥じるべきである。
主権者国民は民主党を二つに分けて、支持・不支持を決めなければならない。参院選では主権者国民に不誠実な民主党新派に厳しい主権者国民の声を届けなければならない。
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【74】「佐藤優氏の重要発言。外交機密費について」
「渡瀬夏彦の「沖縄 チムワサワサ 日記」」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010年06月22日
「佐藤優氏の重要発言。外交機密費について」
昨日に引き続き、佐藤優氏の重要発言について、である。
今朝コンビニの週刊誌コーナーでたまたまその記事を目にしてしまったがゆえの、二日連続の「佐藤優シリーズ」である。
本日発売(東京などで)の「週刊朝日」に、佐藤優氏の発言が4ページにわたって掲載されているのである。
もうご覧になった方もあるかもしれない(県内の皆さんは、もう少しお待ちください)。
見出しとリード文だけでも、ご紹介しておこう。
*
元外務省主任分析官 佐藤優が語る
外交機密費を受け取った新聞記者たち
「官房機密費」どころじゃない!
官の利益のために世論を誘導する――霞が関がメディアを籠絡(ろうらく)するために使うのは「官房機密費」だけじゃない。外務省もまた「外交機密費」を大いに活用していたのだ。手口は巧妙だ。官僚と記者が育む「黒い友情」の実態を、"伏魔殿"の裏の裏まで知り尽くす男、作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏(50)が語った。
(以上)
*
わたしは快哉を叫んだ。
佐藤氏は、語弊をおそれずにいえば、自らの「罪」を語っているのである。
つまり、自分の経験を踏まえた上で、外務官僚がどのようにしてマスコミの記者たちを手なずけて、情報操作のために働かせる状況をつくり出すのか。
内部事情を知り尽くした人の発言だけに、意味がある。
おそらくは、佐藤氏のこの国における「官僚支配」の強化に対する危機感が、そうさせているのだろう。
受け取った新聞記者が特定できるような話し方をしていないところは、大人の対応というべきか。
「普天間問題」に関しても、外務官僚のリークする情報ばかり垂れ流し、「対米追従・沖縄切り捨て」こそが正しい路線であるかのごとく世論誘導してきた大手メディア記者たちの罪は、わたしのような素人の目にさえ明らかであった。だが、外務官僚出身の、しかも情報業務の専門家だった佐藤氏が、こうして官僚たちの傲慢な所業を明らかにしてくれることによって、官とメディアが一体となった「罪」が、動かしがたい事実として認知されることになる。だから、佐藤氏には、ありがとうと申し上げたい。
この話、山口一臣編集長の編集後記によれば、《もともとは佐藤優さんが朝日新聞労組の集会で記者を相手に披露した内容を改めて聞き直したもの》とのこと。
皆さんも、ぜひご一読を。
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【73】「今、何故、「大相撲賭博騒動」が起きているのか?」
「毒蛇山荘日記」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010-06-22
「今、何故、「大相撲賭博騒動」が起きているのか?」
最近、ほとんどテレビを見ていないので、テレビを中心にマスコミでホットな話題になっているらしい、いわゆる「大相撲」を舞台にした「野球賭博騒動」なるものについて、つい先日まで僕はまったく無関心で、無知であったが、このところ立て続けに、大学の某研究会やその後の飲み会の席で、あるいは僕が教えている某カルチャーセンターの生徒たちとの、講義後の茶話会の席で、この話題の詳細を興奮気味に話すのを聞かされているうちに、なるほど、これは単なる「大相撲」の不祥事というレベルを超えており、かなり政治的な深刻な問題と関連しているなと思わないわけにはいかなかった。むろん、まともな日本人で、大相撲や芸能界が、暴力団や闇の世界と何らかの形で繋がっているということを否定する人はほとんどいない。大相撲や芸能界と暴力団や闇の世界との関係は、われわれ日本人にとって暗黙の了解事項であり、それをわざわざ取り上げて大騒ぎする人はあまりいない。たとえば、「速度制限50」という法律を守る人は皆無だろう。パチンコや競馬は、あるいはマージャンは堂々たる賭博だろう。大相撲の力士たちが野球賭博をしていたことを、「善良な市民」ぶって批判・罵倒する人たち、たとえば「やく・みつる」という漫画家は、「賭けマージャン」など一回もやったことはないのだろうか。さて、今、降って沸いたかのように、突然、マスコミが大騒ぎし始めた「大相撲賭博騒動」だが、その背景には、何かが隠されていることは間違いない。僕は、例の「小沢事件」の前後から、タイミングを合わせるかのように大相撲を舞台に起き続けている「朝青龍引退劇」から今回の「賭博騒動」までを観察していて、これは自然発生的な不祥事でも偶発的な不祥事でもなく、明らかに作為的に仕組まれたものであり、言い換えれば、大相撲は何者かに狙われていると考えないわけにはいかない。昨年の衆議院議員選挙の前後に加熱・沸騰した「酒井法子騒動」を想起するまでもなく、今、また参議院選挙を目前にしたこの時期に「大相撲賭博騒動」がマスコミを中心に起きているわけだが、その背後で何かが、あるいは何者かが、参院選挙を目前に動き出している、と思われる。そう言えば、あまりにも突然に引退に追いこめられた「朝青龍引退劇」においてもそうだったが、大相撲理事会か顧問には、元警察官僚と元司法官僚がいて、理事会を牛耳っているはずだ。
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【72】「佐藤優氏の「国際ニュース分析官」@現代ビジネスに注目」
「渡瀬夏彦の「沖縄 チムワサワサ 日記」」から貼り付けます。
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2010年06月21日
「佐藤優氏の「国際ニュース分析官」@現代ビジネスに注目」
佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)は、新聞・雑誌・WEBサイト等に、何十本もの連載を抱えている超売れっ子である。現在の日本で、おそらく一番忙しい書き手であろう。
以前も書いた気がするが、同級生自慢を割り引いても、政治状況等に対する独特の「分析」は注目に値する。しかし、とてもじゃないが、彼の発表するすべての論考やエッセイをチェックすることはできない。
その佐藤氏が「現代ビジネス」という講談社のWEBサイトに、「国際ニュース分析官」という連載を持っている(ほぼ2週間に1回のペースで更新)。以前、佐藤氏自身が脱稿直後に内容をメールで伝えてきてくれたこともあるが、普天間問題に言及することも多いので、このところ、わたしも進んでチェックするようにしている。
しかし最新記事の更新は、当ブログへの読者からのメッセージによって知らされた。
6月17日の記事更新を18日の朝に教えてくださったのは、佐藤氏の熱心な読者と思われるハンドルネーム「直」さんだ。ありがとうございました。
当ブログでの紹介が少し遅くなったが、この記事である。
→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/723
タイトルは、
「沖縄式交渉術」が分からなければ菅直人政権でも「普天間問題」は解決しない。
東京の政治エリートは楽観し過ぎている。
まだの方は、ぜひご覧ください。
明治維新当時のいわゆる「琉球処分」について、「小説琉球処分」の著者、大城立裕氏の言葉を紹介しながら、とてもわかりやすく解説し、教訓を示した上で、現在のエリート中央官僚の勘違いぶりを鋭く批判している。このところわたしが大いに気になっていた官房機密費と政府の送り込む沖縄工作員の関係についても触れられていた。沖縄タイムス中部支社編集部長の渡辺豪氏流にいえば、わたしたちはやはり、自ら沖縄県内全域への、とくに名護市周辺への「根回し警報」を発しつづけたほうがよさそうである。
さて、菅首相が初めて沖縄を訪問するのは、あさって6月23日。沖縄戦における組織的戦闘が終結した日とされる「慰霊の日」である(6月22日説もあるが)。
くしくも50年前の6月23日は、改定「日米安保条約」が、発効した日でもある。
この日、沖縄で、もしも菅首相がのん気に「沖縄県民への感謝」など述べるようでは、県民から大きな反感を買うだけだ。注意したほうがいい。
沖縄県民は「感謝」なんか望んでいない。
感謝なんかいらないから、まず踏んづけているその足をどけてくれよ、という話なのだから。
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【71】「政治の劣化」
「池田香代子ブログ」から貼り付けます。
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2010年06月18日00:00 カテゴリ社会・世界情勢
「政治の劣化」
日本と韓国韓国海軍のコルベット「天安」沈没問題については、5月10日、22日、24日、29日と4回もとりあげました。またしても、なのですが、今回はちょっと違った視点から。
この問題は、国連安保理にもちこまれたところで、暗礁に乗り上げたかっこうです。安保理そのものが記録もとらない非公式のかたちで、もしもこれがほんとうに深刻な国際問題なら、こんなことはありえません。拳をふりあげた韓国の体面を重んじて、とりあえす安保理でとりあげたことにした、というのが実情でしょう。
アメリカの原子力潜水艦と衝突・大破、原潜も沈没、というシナリオはないとしても、北朝鮮の魚雷攻撃という合同調査団の結論には、いまなお異論が続出しています。中国とロシアは、この論争に巻き込まれたくなさそうですし、北朝鮮は異例の記者会見ででっちあげと主張し、独自の調査団を派遣したいと言って、韓国に断られています。
「独立系メディア『今日のコラム』」というサイトにいろんな異論がまとまっていますが(こちら)、たとえば韓国系アメリカ人物理学者ソ・ジェジョンさんの疑義は説得的です(こちら)。けっきょく、「天安」はなんらかの表沙汰にするわけにはいかない後ろめたい行動中に座礁などの事故を起こしたか、やはり公表することがはばかられるほどのドジを踏んだか、あるいはその両方が重なって沈没した、というところではないでしょうか。調査団の報告書が、事故発生時からの記述しかないのが、それを裏付けているように思います。
海難事故調査では、事故にいたる艦船の動きを、位置・方向・速度など、事細かに跡づけます。おととし、海自のイージス艦「あたご」が千葉の漁船清徳丸とぶつかって沈没させ、吉清(きっせい)治夫さんと哲大(てつひろ)さん親子が亡くなった事故では、連日の報道が2隻の動きを詳細に伝えていたように、事故直前の船の動きをしめすデータは事故原因の究明にきわめて重要です。なのに、調査団報告には、それがそっくりないのです。これでは、報告を信じろというほうが無理です。「天安」には、事故までの動きを公表できないなんらかの事情があると見るしかありません。
なのに、李明博大統領は報告書を踏まえて、戦争記念館のようなおごそかな場所で、いかめしくも沈痛な演説をし、北朝鮮を強く非難しました。なにしろ休戦状態の朝鮮半島です。どうなることかと気を揉んでいたら、なんのことはない、直後の統一地方選挙に向けたキャンペーンだったらしいではありませんか。ところが選挙は、北との軍事的緊張を煽り、「断乎決断」の姿勢を見せて断然有利と見られていた与党のボロ負けでした。韓国の市民は選挙キャンペーンに乗せられなかったのです。戦争などするものではない、という健全で理性的な判断が、李大統領に「ノー」をつきつけた。おみごとです。そもそも「天安」沈没が大統領の選挙目当ての陰謀だった、などと言うつもりは毛頭ありませんが、事故ないし事件を政治利用して政局を政権有利に運ぼうとしたところは、911事件とよく似ています。「天安」沈没「事件」は、韓国の失敗した911だった、私はそう考えています。
韓国の市民社会が成熟度を示したのにひきかえ、日本はこの事故を北朝鮮の脅威と決めつけて、米海兵隊基地を辺野古に新設するという決定に利用しました。その行動のす早かったこと。鳩山さんなどは、まさに飛びついた、という感じでした。いやでもなんでも辺野古と言わざるを得ないところに追い詰められてしまったので、「北の脅威」はそれを正当化する恰好の口実に見えたのでしょう。それだけ、ご自身内心では辺野古案に納得していないし、忸怩たるものがあったのではないでしょうか。そして、閣僚たちがこの事故を何度も引き合いに出しては「北朝鮮のしわざ」とアナウンスすることで、既成事実化してしまいました。メディアも世論も押し黙っています。まるで、政府の判断に納得したかのように。新しい海兵隊基地を、自分のふところを痛めずに手に入れたいアメリカは、日本の政治家や市民社会のこのていたらくに、きっと陰でほくそ笑んでいることでしょう。
韓国では、政治家が突発事故を政治利用しようとしたのを、市民の成熟がはねかえしました。政治の劣化を、市民が選挙をつうじて却下したのです。それにたいして日本の社会は、北朝鮮のしわざという政治家の見方をまかり通らせてしまいました。政治の劣化をはねつける市民力が見あたりません。市民はその政治リテラシーにふさわしい政治しかもちえません。もうすぐ参議院選挙だというのに、うすら寒くなります。
今のところ私は、今回に限っては北朝鮮は濡れ衣を着せられたと考えていますので、北朝鮮としてはとんだ災難ということになるわけです。そんな北朝鮮が南アのサッカー世界大会で、強豪ブラジルから1点をあげました。北朝鮮チームにたいして、また鄭大世(チョンテセ)さんら、Jリーグで活躍する北朝鮮ナショナルチームの選手たちにたいして、おしなべて日本のメディアも人びとも純粋にあたたかい声援を送っているのはいい眺めだなあ、と思っています。ここには、スポーツを介して市民社会の成熟が見られる、と思いたいものです。
(転載貼り付け終了)
【70】「整いました!菅内閣とかけて「空きカン内閣」と解く。そのこころは「中身は空っぽだが、蹴飛ばすと大きな音を立てて遠くまで飛ぶ」(週刊ポスト)」
「日々坦々」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010/06/22(火) 03:45
「整いました!菅内閣とかけて「空きカン内閣」と解く。そのこころは「中身は空っぽだが、蹴飛ばすと大きな音を立てて遠くまで飛ぶ」(週刊ポスト)」
今週の週刊ポストは特別定価で400円である。
が、その10倍くらいの価値がある。
読み応えがある記事ばかりである。
絶対に保存版もので売り切れ確実だから、いち早く入手したい。
この一冊で、菅政権の本質がよくわかり、小沢さんの今後を占うことができ、官房機密費・追及第5弾まである。
まずは恒例のタイトルまわりを紹介する。
菅政権と小沢氏関連で6本の必須記事がある。
総力特集《新聞・テレビでは絶対わからない「空カン内閣」の真実》として5本+コラム1本だ。
①【「権力の宿命」小沢一郎と田中角栄】
職を追われ、疑惑を指弾されながら「数の力」で隠然たるちからを誇示する―「政治的父子」の2人が辿る轍(わだち)は運命的に酷似してゆく。
リード
《政権党の幹事長という権力の絶頂から「一兵卒」に失脚した小沢一郎氏の姿は、政治の師と仰いだ田中角栄・元首相の転落軌跡と重なって見える。菅直人・首相は「静かにしていただきたい」と語って脱小沢路線を進め、政権交代の原動力だった小沢氏のマニフェストを霞が関と手を組んで作り変え始めた。
小沢氏は“終わった”のか。それとも田中氏に倣って「闇将軍」となるのか。あるいは―。
②【新小沢一郎よ、水沢へ帰りたまえ】
佐野眞一が特別寄稿!人を残せない― それがリトル角栄の“限界”だ
《遡ること13年前、文芸評論家の江藤淳氏は、新進党党首時代の小沢一郎氏に向けて「水沢に帰りたまえ」て誌(しる)した。その政治手法が反発を招き離党が相次いでいた小沢氏に、内外情勢を見極め他日を期すための準備期間を作れ、と諭したのだ。そして今、佐野眞一氏がその言葉を反芻する。
③【菅官邸がリークした「衆参ダブル選」謀略情報は“小沢隠し”の権力ごっこだ】
《左翼学生のセクト活動じゃないんだから…
④【海江田・原口・細野「新小沢派」サンフレッチェ(三本の矢)結成!?暴力装置「一新会には「9月反攻」の野望】
《今も地方組織の3分の2は「小沢続投支持」という現実》
⑤いまさら「支持率調査は信用できない」と言い出した【大新聞「アホバカ報道」出るわ出るわ】
《―「顔を代えても有権者は引っかからない」(6月3日朝刊)と書いた朝日新聞が、1週刊後にはしゃあしゃあと「人事の評価が内閣支持率を押し上げた」(6月10日朝刊)だってさ。
⑥なんと「マニフェストやめます」閣議決定まで!
【“空きカン(中身カラッポ)内閣”に官僚が詰めた「消費税10%」の毒入りジュース】
≪菅首相といえば、短気を表わす「イラ菅」や、責任をとらない「ズル菅」などの異名で知られている。しかし、霞が関官僚の間では、最近、「空き缶」なるあだ名が広まりつつある。そのココロは、「中身は空っぽだが、蹴飛ばすと大きな音を立てて遠くまで飛ぶ」(財務官僚)というのだ。首相はじめ新内閣の閣僚たちが声高に叫ぶ「消費税増税」の主張を聞くと、悲しいかな、この政権が官僚たちの”拡声器”に堕した様が浮かび上がる。≫
ここで財務官僚はどのように菅さんを取り込んで言ったかが非常に興味深かった。
キーワードは「座敷牢」と「恥かかせ」
*****政治ブログ***********
菅さんのまわりに財務省から送り込んだスタッフで固め、人にあまりあわせずに情報を遮断する。
一種の洗脳行為である。これが「座敷牢」というものだそうだ。
「恥かかせ」については、よく他ブログでも取り上げられているが、1/26の参院予算委員会で、麻生内閣の経済財政担当相が菅さんに論戦を望んだ時に、「乗数効果」について聞かれると、そお意味すらも理解できずトンチンカンな答弁を繰り返し、審議が4回もストップした。
これは本来、大臣答弁は役人が事前に質問者から質問内容を聞き取り作成する。
「財務官僚は事前の大臣レクなどで菅氏が乗数効果について勘違いしていることを知っていた。それを本人に忠告しないで、逆に、”菅は乗数効果を知らない。論戦吹っかけたら勝てますよ”という情報を林さんなど財務省とパイプが太い政治家に伝えた。大臣に恥をかかせるために財務省が仕掛けた罠だった」と中堅官僚が語っている≫
プライドの高い菅氏にとって、この恥かき事件が官僚の軍門に下る決定打になった。
―それでも新聞・テレビは完全無視―
田原総一郎氏「最初は角栄氏から渡された」ほか新証言・証拠文書がまだまだ止まらない
【官房機密費「極秘文書」で15億円配布のカラクリを解明する】
この問題はまた改めて取り上げる。
「衆参ダブル選挙」の画策も「脱小沢」がキーワードになっていた、ということだ。大義なき政権は日本をダメにし、社会は次第に精神的に蝕まれていく。やはり完全に小沢恐怖症に陥っていて、かなり重症といえるようである。
そういえば菅さんの財務相時には”覇気”が消え、目が曇り、存在感もなく、精神がどちらかに行ってしまっているような印象意がいまでもはっきりとある。
今週号の週刊ポストから、あのなつかしい渡辺乾介氏のテイストを感じた。
本ブログ3/21エントリー≪「小沢の政治理念に取って代わるものが反小沢にはない」(渡辺乾介著作より)≫でも同じことを書いていた。
≪週刊ポスト3/26号の記事は、全体の構成と部分的記事は渡辺乾介氏がかかわっていたのではないかと推測している・・・。そんな懐かしい”臭い”を感じた。≫
今週の週刊ポストは、記事的には、先週の週刊朝日に掲載された渡辺乾介氏のインタビュー記事の詳細と続編という内容になっていて、完全に渡辺氏が関与していると確信した。
今後も日本を一新するためにも、鋭い論説をお願いしたい。
最後までお読みいただきありがとうございます
(転載貼り付け終了)