日本政界●情報メモ
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Loginはこちら【85】「「日本一新運動」の原点(1)」
「平野貞夫の『永田町漂流記』」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010年6月27日 10:24
「「日本一新運動」の原点(1)」
「日本一新の会」の発足を呼びかけたところ、想定を超える申し入れをいただいた。この感動を日本の政治に有効に活かしていきたい。
これからのご協力とご叱正をお願いする。
■「日本一新運動」の原点(1)
『日本改造計画』(小沢一郎著・1993年5月)を、改めて読んでみた。人間の「生き方」について重要な記述がある。
「人類は、人間による自然支配という西洋的価値観から、人間は自然の一部であるという東洋的価値観への転換を迫られている。東洋的価値観、とくに古代日本の縄文時代においては、人間はまったく自然と共生していた。人間が自然を支配するのではなく、自然によって生かされていた。」
この小沢氏の発想・感性が「日本一新運動」の原点である。日本の政治家で「共生」という言葉を使ったのは、私の知る限りではこれが初めてだと思う。1993年5月といえば、小沢氏は自民党幹事長を辞めて二年目、幹事長時代の苦悩の体験を生かすため、『日本改造計画』を世に出した。その思想の根っ子に、「個人の自立による真の民主主義の確立」と並んで「共生」という発想があった。
小沢氏は2006年4月、民主党代表選で「小泉政治は自由と身勝手を混同した結果、弱肉強食の格差社会という妖怪を生み出してしまいました。本当の自由とは誰もが共に生きていける『共生』の理念が前提であり、それを保証する規律と責任を伴うものであります。その『共生』のルールが公正なのであります」と述べた。
この理念は、自由党時代の『日本再興へのシナリオ』を起点に、『日本一新11基本法案』を発展させたものである。これが2007年7月の参議院選挙を勝利させた"国民の生活が第一"の真言となり、2009年8月の衆議院選挙で民主党が政権交代を実現した原点である。
菅政権になったとたんに「国民の生活が第一」という真言は消えた。そして政策も政治手法も「小泉・竹中時代」を連想させ、歴史を逆流させる事態となった。政権交代を求めた国民の生活を漂流させないため、民主党は徹底した理念と基本政策の議論が必要である。
日本一新運動は、現代情報化社会の時代性を加味して、日本一新基本政策を深化させる試みであり、皆さんもその隊列に加わって頂きたい。
▽ ▽ ▽
■日本一新の会事務局からのお礼とお願い
「日本一新の会」に多数のお申し込みを頂き、心より御礼申し上げます。
また、思いがけず多数の皆様からカンパを頂きました。当会運営の為の資金として大切に使わせて頂きます。
現状は、皆様のご協力・拡散のお蔭もあり、事務局は新規登録に追われており、うれしい悲鳴をあげております。したがいまして、カンパを頂いた方々、拡散にご協力いただきました皆様お一人おひとりにお礼をもうしあげることが適いません。この場を借りて御礼申し上げます。
当会は緊急的に立ち上げた為、専用システムもなく、セキュリティーも万全でないことから、お預かりした情報から、メールアドレス以外の個人情報(住所・氏名・電話番号等)は削除しておりますのでご安心ください。
もちろん、皆様方からお預りしたコメントは平野貞夫が全て目を通します。
今後とも、当会の発展の為に皆様のご助力を賜りたく、よろしくお願いいたします。
「メルマガ・日本一新」配信の登録・解除は、 nipponissin@gmail.com までお願いいたします。
お蔭様で上記アドレスは、入会依頼が殺到しております。
ご意見等のアドレスは、後日別に設定いたしますので、暫くは配信登録に限らせて頂きますので、 何卒ご協力をお願いいたします。
(転載貼り付け終了)
【84】「間一髪で回避された極東戦争」
「新ベンチャー革命」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010年6月26日 No.146
「間一髪で回避された極東戦争」
1.韓国哨戒艦艇・天安沈没事件犯人は北朝鮮ではないという決定的証言
2010年6月25日の朝日新聞(ソウル支局:牧野愛博)に地味だが極めて重要な記事が掲載されました。韓国国家情報院(前身はKCIA)の元世勲(ウォン・セフン)院長によれば、5月初め、北朝鮮キム・ジョンイル総書記が中国を突如、訪問した目的は、『3月26日に勃発した韓国哨戒艦艇・天安沈没事件に、北朝鮮は関与していない。北朝鮮はこのような事件を起こす意思も能力もない。ところが、米韓が北朝鮮に濡れ衣を着せようとしている。その際、中国が“盾”となって北朝鮮を守って欲しい。』と、胡錦濤主席に嘆願するためだったとのこと。ああー、やっぱりそうか・・・・。
筆者は、極東安全保障の見地から天安事件を非常に重視して、本ブログでも、これまでいくつか投稿してきました(注1~注9)。筆者は当初から、北朝鮮犯人説に極めて懐疑的だったので、上記KCIAトップの証言は筆者の見方を裏付ける重要情報です。
なお、この証言は、イ・ミョンバク韓国政権の“天安は北の魚雷に撃沈された”という公式発表と大きく矛盾する内容です。
2.KCIAトップの証言はキム・ジョンイルの緊急訪中目的を明かしている
さて、韓国政府調査団が天安沈没事件犯人を北朝鮮(魚雷攻撃)と名指ししたのは5月20日ですが、キム・ジョンイルはこの“濡れ衣”シナリオを5月初めには知っていたのです。そこで、病身の臆病キムは暗殺リスク(現実に、過去、キム訪中時、列車爆破の暗殺未遂事件が起きている)を押して、まさに命がけで中国を訪問し、事前根回したということです。暗殺恐怖症の臆病キム将軍様が命を賭けるのですから、北にとって余程の緊急事態であったと、筆者は容易に想像できました。上記KCIAトップ証言にて、臆病キム総書記の突発的訪中目的は十分、納得できました。その甲斐あって、5月20日、韓国政府による北犯人説のぶち上げに対し、中国がロシアとともに極めて、冷静に対処し、極東戦争に発展しませんでした。普通ならば、韓国政府からこれほど侮辱されたら、北はソウルに向けてミサイルを放ってもおかしくなかったはずです。中国が事前に、キム・ジョンイルに釘を刺しておいたことが奏功しています。
ところで2002年から2004年にかけて、小泉ヒーロー化のための北朝鮮拉致被害者帰国劇の演出(筆者の持論は米国戦争屋の仕掛け説)の分析(注10)を通じて、キム総書記という人物は、日本の下手な指導者よりよほど、したたかで冷静な人間ではないかと思っていましたが、案の定、そのとおりでした。
彼が狂気の独裁者であれば、とっくに第二次朝鮮戦争が起きていたでしょう。それを未然に防いだ彼はまだ、北の軍事権力を十分、掌握しているということです。
3.韓国は北のミサイル報復攻撃がないと知って、北に濡れ衣を着せた
韓国政府は5月初旬のキム訪中目的を知った上で、5月20日に、北犯人説をぶち上げたわけで、韓国政府は事前に、北からの報復がないとわかっていたということになります。そうでなければ、5月21日には、ソウルにミサイルが落ちて、それこそ火の海にされたはずです。考えただけでも空恐ろしいきわどい局面だったのです。
イ・ミョンバク・ハンナラ党は、6月2日統一地方選挙を控えて、天安事件に便乗し、北の脅威(北風)を利用するハラ積もりだったのでしょうが、能天気日本国民と違って、韓国民はハンナラ北風に乗らなかったのです。韓国民は常時、北の脅威に晒されているので、日本国民より、南北情勢を読む力が備わっているのでしょう。イ・ミョンバク政権ハンナラ党は惨敗、韓国民は、政府の北犯人説を疑っていることが見事、証明されました。とってつけたような子供だましの北魚雷証拠品の数々、こんなもの、子供でもだまされません。これにだまされるのは、お人好し日本国民くらいのものです(笑)。
4.米国オバマ政権は韓国政府の北犯人説を認めていない!
いずれにしても、上記KCIAトップの証言にて、天安事件のウラ事情がかなり明らかになりました。それに追い打ちをかけるように、6月22日、オバマ政権は、北朝鮮に対するテロ支援国家再指定を見送ることが明らかになりました。エエー! 天安事件で50人近い韓国軍人が亡くなったのに?
この報道から、米国オバマ政権は、事実上、韓国政府の北犯人説を認めていないことを意味します。
それではいったい犯人は誰? 天安事件はまさに、振り出しに戻りつつあります。韓国政府の北犯人説を無条件に支持した日本政府(当時、鳩山政権)の責任はどうなるの? 確かに、2003年、イラクに核兵器ありとするねつ造情報を唯一の根拠に、国連の反対を無視してイラク先制攻撃を強行したブッシュ政権を、即、支持した小泉政権と似た状況です。辞任直前の鳩山政権は、国民の離反に絶望、ヤケクソとなって、かつての小泉従米政権と同レベルまで堕落してしまったのです。
さて、6月9日、NHKで放映されたように(注11)、英国民はブレア首相(ブッシュのポチ・小泉首相と同じく、ブッシュのプードルと呼ばれた首相)のイラク戦争支持責任に対し、厳しい追及を行っています。日本国民とはえらい違いです、蛇足ですが・・・。
5.天安事件:米国戦争屋関与説、再浮上するか
韓国のKCIAと言えば、米国戦争屋謀略部隊CIAとの関係は深いのですが、KCIAトップが、天安事件勃発当初の、韓国軍部の見解どおり、北関与説の可能性が低いことを改めて認めているわけです。この事実から、いずれ、韓国政府は、北犯人説(魚雷攻撃)を取り下げ、ボロが出たときの逃げとして、予め用意されている座礁説(S.C.Shin説、ご丁寧にもクリントン国務長官にレターを出して、ボロが出たときのアリバイづくり的工作が行われている)に切り替える可能性があり、筆者はすでに、それも読んでいました(注8)。米国政府もその方向に傾いています。
それでは、天安の座礁説は正しいでしょうか。東大船舶工学科出身の筆者には、天安という鋼船が健全な船殻(せんこく)構造を有している限り、座礁のみで真っ二つ裂ける現象をまったく想像できません。
剛性のある船体を真っ二つに引き裂くには、青竹を手で切断するときのように、何度も上下にクネクネ、折り曲げる必要があります。ところが座礁は1回ポッキリの一方向の衝撃的静荷重の作用のみですから、船底が破壊されても、船殻中央断面の完全剪断破壊には至りません(注5)。ちなみに真っ二つに割れた遭難船が海岸浅瀬に座礁した画像を観ることがありますが、台風時などに起こる大波を受けて真っ二つになって遭難して、海岸浅瀬に座礁したものとみなせます。天安遭難時、黄海が荒天大しけだったとは聞いていません。
今回の天安事件に関して、幸いにも、韓国テレビKBSの事故直後の取材映像が厳然として存在するわけです。この映像を韓国政府が没収していることから、韓国政府が絶対に公表できない秘密があるのは間違いありません。そして、その映像には、米軍の救助活動が映っており、天安沈没現場とは別の第三ブイポイントに、天安ではない別の物体が沈没している証拠映像が存在していますが、それが何であるか、一切、発表されていません。すでに韓国中に放映された映像を没収しておいて、その点について何の説明もなしに韓国政府の一方的な北犯人説を信用しろと言っても、どだい無理な話です。
韓国政府にとって、中露を納得させるに十分な北犯人説の立証はほとんど不可能です。そこで、手のひらを返して、座礁説に切り替えれば、また別の矛盾や疑問が噴出するでしょう。いずれにしても、第三ブイ沈没物体(今は極秘に引き揚げられ、撤去されているかもしれない)の正体が何である(または何であったのか)を公表せざるを得なくなるような気がします。
注1:本ブログNo.123『韓国哨戒艇「天安」撃沈:米原潜との誤射相撃ち?』2010年5月8日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/13698185.html
注2:本ブログNo.125『素人だまし日本のマスコミ:韓国哨戒艦艇撃沈が北朝鮮の仕業?』2010年5月15日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/13961537.html
注3:本ブログNo.128『韓国哨戒艦艇撃沈事件:信じられない!今頃、北朝鮮犯人説とは』2010年5月20日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/14196900.html
注4:本ブログNo.129『韓国“天安”事件でわかった日韓両国民の“北朝鮮観”の危うさ』2010年5月21日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/14218455.html
注5:本ブログNo.129『韓国哨戒艦艇の完全剪断破壊:米原潜コロンビアの関与確認できず』2010年5月23日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/14301981.html
注6:本ブログNo.132『風雲急を告げる朝鮮半島:米国戦争屋の極東シナリオを読み解く』2010年5月27日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/14463828.html
注7:本ブログNo.133『極東戦争危機に震え上がる鳩山首相』2010年5月29日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/14536231.html
注8:本ブログNo.135『韓国哨戒艦艇「天安」事件:第二のトンキン湾作戦の失敗だった?』2010年6月1日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/14656817.html
注9:本ブログNo.142『日本にとって不幸中の幸い:極東戦争勃発ねつ造作戦失敗』2010年6月15日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/15229447.html
注10:ベンチャー革命No.263『北朝鮮拉致被害者帰国劇:郵政民営化可決の仕掛けだった?』2008年6月28日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr263.htm
注11:2010年6月9日、NHKクローズアップ現代、『イラク戦争を問う:英国・検証の波紋』
ベンチャー革命投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm
テックベンチャー投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/8285/column-top.html
(転載貼り付け終了)
【83】「日本が初の海外軍事基地を新設」
四月二十三日、フランスのAFP通信は、「日本が初の海外軍事基地を新設」と題する記事を配信しました。しかし日本のマスコミはほとんど報道しなかったのです。
それは、0九年三月からアフリカ・ソマリア沖の海賊対策で派遣されている海上自衛隊は、ソマリアに隣接するジブチにあるアメリカ基地に同居していたのですが、今回拠点となる基地をジブチに建設するとの報道です。自衛隊はついに海外に軍事基地を持つ事になりました。「四千万ドル(約三十七億円)をかけた基地は年明けにも完工」するのです。
AFPの取材に答えた海上幕僚監部所属(当時)の北川敬三二等海佐は、「国外で唯一、アフリカでは初の日本の基地となる見通し」だと語り、これを受け、ロシアやシンガポールなどの海外メディアは「日本初の海外軍事基地」に関する報道をしています。
後述するが井沢氏の調査によると、五月十一日、この重大な事実について鋭い問題意識を持つフリーランスの岩上安身記者は、記者クラブ員以外にも開放している記者会見で、岡田外務大臣に対して「これは基地ではないか」と質問していました。
すると大臣は「今、海賊対策で船だけではなくて、飛行機も出している訳です。その飛行機を整備するとか、そういうことが必要になります。そういうスペースを確保したということです。それを基地と言うかどうかは別にしてということです」「各国それぞれ飛行機を持っていますから、そういったスペースを確保しているということです。(中略)船を出している、それを上から海賊船を見るために出している飛行機ですので、お考えのような基地というものではありません」(「外務大臣会見記録」)と答えました。
井沢氏は、この答えを聞いた大手マスコミに所属する外務省記者クラブの面々も「ああスペースなんだ、基地じゃないや、じゃニュースにしなくてもいいな」と「判断」したと推論した。実際には本当にこんな推論が成り立つものかあやしいものです。私は残念ながらこの時点ではフォローしていない。ユーチューブにもこの動画は出ていないのです。
このように、大臣は「基地」ではなく「スペース」だとの強弁でこの場を乗り切ったのです。まさに官僚体質が強い岡田氏の面目躍如のとんでもない詭弁ではないでしょうか。この会見に同席していた大手マスコミに所属する外務省記者クラブの記者たちも、この答弁に問題意識もなく納得したか、関心があってもデスクに握りつぶされたかは全く定かでなく、現実に一切報道されていないのです。さすがにインターネット上では鋭い感覚を持つ何人かの人たちがこの問題を論じています。ぜひ皆さんにも読む事をお勧めします。
こうした状況の中で、井沢元彦氏 は『週刊ポスト』の七月二日号に、「拝啓 岡田外務大臣 なぜあなたは『海外初の(建設費37億円)の自衛隊基地(BASE=ベース)を「活動拠点(SPACE=スペース)と言い換えるのですか」との記事を発表しました。
もちろん自衛隊は軍隊であれとする彼の指摘は基地を持つ事を隠すなとの右翼的なものです。しかしこの事実に対して報道管制がしかれているかのような現状の中では、彼の反論は反面教師としての意義を持っています。社民党や共産党は、事ここに至るまで、一体何をしているのでしょうか。彼らはまるで音無の構えでこの事実を知らないかのようです。
通勤電車内の『週刊ポスト』のど派手な中刷り広告は、労働者民衆の目を当然にも引き付ける事でしょう。労働現場で反戦平和勢力を自負する私たちがぜひとも取り上げたい話題です。自衛隊は抑止力を持った専守防衛体制を堅持する事に特化すべきなのです。
この軍事基地を造る事はアメリカから押しつけられたものでしょうか。それとも自衛隊海外派兵の一環なのでしょうか。日本国家は一体何を企んでいるのでしょうか。
【82】「「民意」より「官意」を重んじる「菅官政権」」
2010.06/25 [Fri]
「「民意」より「官意」を重んじる「菅官政権」」
小沢一郎は、やはり、僕らの小沢一郎だ。
財務官僚の思惑どおり、翼賛的な「消費税増税」の大合唱に対し、ついにその態度を明らかにした。
しかも、山梨県の片田舎、ビールケースの上から演説したあとで・・。
「3年前の参院選も昨年の衆院選も、『すぐ増税はしない。無駄を徹底的に省き、財源を捻出(ねんしゅつ)する。それでも財源が不足する時は消費税の論議をする』というのが我々の主張だった。(そうした認識は)変わっていない」
そう、だからこそ、僕らは民主党に票を投じたのだ。
しかし、菅政権はそれを反故にし、「民意」よりも「官意」を重んじる政権であることを次第に明らかにしつつある。
今日も一票、お願いします。
今日、菅代表と谷垣総裁は、参院選第一声で、異口同音に「ギリシャのようになっていいのか」と国民を脅した。
脅して、庶民の貧しい財布から金を掠め取ろうとする行為は、道端で待ち伏せて金を脅し取る強盗とどう違うのか。
国の規模も債務の内情も違う日本とギリシャを単純に同一視して、「ギリシャのようになれば、まず年金がカットされる。次に給料がカットされる」と、露骨に有権者に恐怖を煽るような菅総理の演説をきいたとき、僕は、昨年の衆院選で高く掲げられた「国民の生活が第一」というスローガンが、ゴミのように捨て去られてしまったことを、はっきりと感じた。
政権交代の果実であったはずの、「官僚主導打破」が夢まぼろしのように消えてしまった。
これは、とりもなおさず、旧体制の復活を意味するものなのではないか。
菅首相が霞ヶ関と手を組んだのは、足を引っ張られるのが怖いからだけではない。
有力な政治家が官僚を味方につけると、政敵のスキャンダルから官邸や党内の動き、どの議員がどんな陳情を取り次いだかなど、どんどん情報が入ってくる。
次の首相を窺っていた現実主義者の菅氏は、そこまで計算して副総理の頃に霞ヶ関と組んだのではないか。
その見返りに官僚に踏まされたのが「消費税増税」の踏み絵だったというわけだ。
国民のカネで地位を買ったと批判されても仕方ない。
週刊ポスト7月2日号
戦後、はじめて実現するかのように見えた真の「民主主義」は、再び「官主主義」に後退してしまった。
しかし、はっきりと、小沢一郎氏は、「消費税増税反対」の旗幟を鮮明にした。
東京の町田市で「増税」を叫んだ菅氏と、地方の片田舎で「増税反対」を明らかにした小沢氏と、どちらが、庶民、貧乏人の味方であるのか、明らかだろう。
選挙後の小沢氏の反転攻勢を期待したい。
(転載貼り付け終了)
【81】「大企業減税庶民10兆円増税阻止が参院選争点」
「植草一秀の『知られざる真実』」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010年6月24日 (木)
「大企業減税庶民10兆円増税阻止が参院選争点」
参議院選挙が公示された。
7月11日投票に向けて17日間の選挙戦が展開される。
政権交代実現後、初めての国政選挙になるが、直前に鳩山政権から菅政権への交代があり、菅首相が消費税増税方針を示したため、参院選最大の争点として消費税問題が浮上することになった。
1996年10月20日の総選挙では、橋本政権が消費税率の2%引き上げ方針を掲げ、この問題が大きな争点になった。
比例区での得票率では自民党が32%、新進党が28%を獲得した。この年に創設された民主党は14%を獲得し、新進・民主両党の合計得票率は42%と自民党を大幅に上回った。
しかし、小選挙区制を軸とする選挙では、得票率1位の政党が圧倒的多数の議席を獲得する。自民党獲得議席は239、新進党は156、民主党は56となり、橋本政権は政権を維持して消費税増税に踏み切った。
日経平均株価は1996年6月に22,666円にまで上昇し、日本経済は順調に回復軌道に乗っていたが、消費税増税方針が閣議決定された翌日から株価は下落トレンドに転換。98年10月の12,879円に向けて大暴落した。
日本経済は深刻な不況に突入、大証券、大銀行が相次いで破たんし、日本経済は金融恐慌の淵にまで追い込まれた。
1996年10月の総選挙で、非自民勢力が結集したならば、日本の運命は異なるものになったと考えられる。政権は交代し、消費税増税は回避されていた。日本経済の回復は維持され、税収が増加して財政赤字の減少も進展したはずである。
橋本政権は消費税増税を強行実施したが、財政赤字は96年度の21兆円から99年度の37兆円へと激増してしまった。
菅首相は消費税率の10%への引き上げを示唆した。菅内閣の閣僚で政策調査会長を兼ねる政策決定責任者である玄葉光一郎氏は、
「マニフェスト発表の場で自身の言葉で言ったのだから、当然、公約になる」
と明言した。
民主党内で民主的に論議した形跡はまったくないが、消費税大増税10兆円庶民大増税が民主党の選挙公約になった。
他方、自民党、立ちあがれ日本、が消費税増税方針を明確に掲げている。
これらの勢力が衆参両院で過半数の議席を確保すれば、消費税大増税=庶民直撃10兆円大増税が実行に移される可能性が一気に高まる。
選挙前に消費税増税を掲げた勢力に議会過半数の議席を主権者国民が付与すれば、財政当局は主権者国民の「お墨付き」をいただいたと説明することになる。
世界経済は2011年に向けて、極めて大きなリスクを抱えている。
2008年から2009年にかけて、世界経済は100年に1度の「金融津波」に見舞われた。震源地の米国で財政、金融、資本増強の三位一体の政策対応がフルに動員されたため、2009年から2010年にかけて小幅改善が示されたが、問題が解消したわけではない。
詳しくは『金利・為替・株価特報』2010年6月25日号に記述するが、日本経済もなんとか戦後最悪の状況から一歩抜け出ただけの状況だ。
1996年の橋本政権、2000年~2001年の森・小泉政権は、回復初期の日本経済に超緊縮財政を実行して、日本経済を破壊した。
まったく同じ過ちに菅政権が着手し始めたのである。
『賢者は歴史に学び、愚者は歴史を繰り返す」
の言葉をかみしめる必要がある。
主権者国民が主要税目の税収推移をよく知らないと思われるので、あらためて税収推移グラフを掲載する。
国税収入は1990年度の60.1兆円から2009年度の36.9兆円に減少した。このなかで、消費税は1990年度の4.6兆円が2009年度には9.4兆円に倍増。他方、法人税は1990年度の18.4兆円から2009年度の5.2兆円に激減した。4分の1に激減した。
菅政権はこの期間に倍増した消費税収入をさらに倍増させる、9~10兆円庶民大増税を公約に掲げたのだ。他方、4分の1に激減した法人税を減税すると公約しているのだ。
大企業優遇=庶民いじめの税制改悪が公約に掲げられている。
民主党は政府支出の無駄排除をやり抜くまでは増税に移行しないと約束してきたが、この約束を破棄して、政府支出の無駄を温存したままで庶民大増税に踏み切ることを公約に掲げたのである。
この悪政を容認することはできない。
参院選では、民主党の小沢一郎氏グループの候補者を個別に支援する以外は、比例区では国民新党、社民党を中心に消費税大増税反対を明示する政党に投票するしか選択肢はない。
菅政権を選挙管理内閣に限定し、9月民主党代表選で主権者国民の意思を尊重する新しいリーダーを生み出さなければならない。
(転載貼り付け終了)
【80】「「岩手日報」は故江藤淳先生の墓前に土下座し、謝罪したのか? それとも間違いは何もないと思っているのか?」
「毒蛇山荘日記」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010-06-24
「「岩手日報」は故江藤淳先生の墓前に土下座し、謝罪したのか? それとも間違いは何もないと思っているのか?」
一地方新聞のこととはいえ、新聞社の顔ともいうべき「社説・論説」のコーナーにおいて、江藤淳先生の著書・論文の「引用」と「解釈」をめぐって、「無智・無学・無教養」を絵に書いたような、あまりにもお粗末な、記者たち(論説委員)の勉強不足を露呈してしまった、初歩的な「捏造事件」を引き起こした「岩手日報」だが、その後、「岩手日報」には抗議が殺到していると言う噂も聞かないではないが、それはともかくとして、その後、訂正記事なり謝罪記事なりを何らかの形で出したのだろうか。それよりも、僕は、江藤淳先生の墓前に土下座し、謝罪すべきだと考えるが、捏造記事の執筆者である宮沢徳雄とその記事を天下に晒した「岩手日報」の連中は、どう考えているのか。何事もなく、頬かむりして済ますつもりなのか。さて、読者からのコメントで知ったのだが、江藤先生の小沢一郎論「帰りなん、いざー小沢君に与う」を収録した『月に一度』を『小沢君、水沢へ帰りたまえ』と改題し、詐欺師・屋山太郎の解説つきで復刊した新刊本の書評が、「週刊ポスト」に載っているらしいが、筆者は佐野真一ということだが、予想通りというか、版元の思惑通りというか、「小沢一郎批判」に沿った書評になっているらしい。佐野真一は、沖縄に関しても、沖縄ブームに便乗するかのように、「沖縄を美化する作家や評論家が…」と、婉曲的に大江健三郎やその他の左翼系の沖縄論を批判するかのような、思わせぶりな内容の著書を刊行したばかりだが、『東電OL殺人事件』に象徴されるような通俗読み物ライターらしく、つまり、所詮は毒にも薬にもならないような「通俗大衆小説的メロドラマ的ナラティヴ」に依拠する物書きだから、何を書こうと別に関心もないが、今、まさに渦中にある「小沢一郎」に対して、どう書いているのかには、佐野真一の物書きとしての立ち位置を含めて、僕も関心がある。さて…。「週刊ポスト」を「立ち読み」(笑)してきたが、やはり、文学青年崩れの甘ったれた三流通俗ライターの分際で、「政治家・小沢一郎」を見下したかのような横柄な語り口で、上から目線で大法螺を吹いているではないか。笑止である。そもそも結果が分かってから「解説」や「論評」をするのは「後講釈」であって、批評ではない。こんなことを言っ(書い)ている。
「闇将軍の条件というと、いろいろありますけどね。一つは『住まい』、家屋敷や構えも、私は重要だと思う。角栄の目白御殿は、立地といい有象無象を問わず呑み込む佇まいといい、まさに闇将軍の住まいでしたよ。対して世田谷・小沢邸は立派は立派だが、どうも凡庸なんだな。人を引きつけない、来る者を選ぶ家という気がする。」「…キングメーカー角栄は、金を集め人を集める天才だった。重要なのは、金は人に配るためにあったことだ。小沢の場合はその肝心の『人』がいない。彼の地元・岩手は原敬や鈴木善幸など政治家を多数輩出した。なかでも後藤新平がいい言葉を残している。『金を残して死ぬものは下、仕事を残して死ぬものは中、人を残して死ぬものは上』だとね。」「・・・ところが小沢は裏切られるのが怖いのか、前原や枝野ら反小沢を遠ざけ、金は残せても人は残していない。つまり後藤の言葉を借りれば政治家として下か中どまりで…」
というような調子で、馬鹿も休み休み言えばいいものを、バカ丸出しの例えどおりに、水戸黄門的な政治漫談的弁舌を、批評的緊張感もなく垂れ流している。「溝に落ちた犬はたたけ」という大衆的ルサンチマンの捌け口的な「小沢一郎批判」のレベルの低さには、「佐野真一が特別寄稿」と名うっている宣伝文句が泣くというものである。「特別寄稿」という見出しを出しているにもかかわらず、こんな「文学青年崩れの甘ったれた三流通俗老い耄れライター」しか捕まらなかったのか。おまけに、最後にこなことまで言っている。
「比較的御しやすいと思った鳩山から最後の最後に予想外の怪力で抱きつかれて心中させられたあの解任劇には、それこそ玉川上水で太宰治を心中に踏み切らせた山崎富栄の悪女ぶりを思い出したなあ(笑い)」
今時、太宰治や山崎富栄を持ち出してくるとは・・・。さすが、「文学青年崩れ」の甘ったれた三流通俗老い耄れライターだけのことはあるなあ(笑い)。さて、僕が、佐野真一なる物書きの存在を知ったのは『東電OL殺人事件』であるが、そのあまりにも通俗的な「文学青年崩れ」的なロマンチシズムにうんざりしたことを覚えている。たしか「東電OL」でありながら、売春婦に身を窶し、そして渋谷の貧しい外人アパートの一室で殺されていた女性の心の闇を説明するのに、坂口安吾の『堕落論』の中の有名なフレーズ「生きよ、堕ちよ」を使っていた。太宰治に坂口安吾とくれば、誰でも手の内が見えすぎると思うはずである。以後、満州関係の『甘粕正彦・乱心の曠野』等、書店ではよく見かけたが手に取ったことはない。三島由紀夫は推理小説がきらいだったらしいが、実は僕も推理小説が嫌いなのであるが、それは「答えの分かっている問題」、つまり「結論が出てしまった問題」に興味がなかったからだ。しかるに佐野真一の書くものは、ことごとく「結論の出ている問題」を「後講釈」的に物語る類いのものばかりである。批評も思想も何もない。書くものがことごとく水戸黄門的な、陳腐なメロドラマになるはずである。要するに、ちょっとまともな物書きならば、小沢一郎を批判・罵倒するとしても、小沢一郎が実権を握っている時にやるだろう。こういう陳腐なメロドラマしか書けない通俗ライターは、小沢一郎が復権し、政界の最高実力者に返り咲いたら、今度は、一斉にゴマスリを始めるか、あるいは我関せずとばかりにひたすら沈黙を守り通すことだろうなあ・・・(笑い)。
(転載貼り付け終了)
【79】「民主党の豹変:極東戦争を防ぎ、国民の命を守るためだった?」
「新ベンチャー革命」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010年6月24日 No.145
「民主党の豹変:極東戦争を防ぎ、国民の命を守るためだった?」
1.菅民主党政権への批判は見当違い
米戦争屋傀儡の自民党従米政権に嫌気が刺して、政権交代を切望してきた国民(主に民主支持者)は、対米独立に挑戦しようとした小沢・鳩山政権に強く期待し、熱烈に支持してきました。筆者もその一人です。ところが、政権交代後、戦争屋率いる悪徳ペンタゴン日本人に執拗に攻撃されて、6月2日、遂に精根尽きた小沢・鳩山W辞任の後、6月4日、間髪入れず菅政権が誕生、早、約3週間経ちます。7月11日には参院選が行われます。各党、すでに選挙モードに突入しています。
ところが、小沢・鳩山辞任後の菅政権は、民主支持国民の期待を裏切り、政権交代前の自民党となんら変わらず、小泉政権の再来と指摘する人もいるほどです。菅政権の正体が明らかになるにつれて、政権交代時に民主党を支持していた政治ブロガーやネット愛好者の菅政権への批判は高まる一方となっています。次期参院選では、真剣に民主党を支持してきた国民ほど、民主離れして、亀井氏率いる国民新党に傾斜すると思われます。その意味で国民新党の躍進は、予想以上に大きいような気がします。
確かに、菅政権が今のまま続けば、政権交代の意味はまったく失われます。しかしながら、菅政権を安易に批判するのはちょっと待って下さい。
2.民主党の変節は、菅政権ではなく、鳩山政権末期に起きた
菅政権になって、民主党の政治が、政権交代直後に比べて、180度、変節しているのは確かですが、筆者の観察によれば、民主党が変節したのは、菅政権誕生前の5月4日の連休中、鳩山首相の沖縄訪問時だと思われます(注1)。鳩山首相が、沖縄駐留の米海兵隊が抑止力だとか、なんとかと、沖縄県民に向って、つぶやいた時点が決定的な民主変節ポイントだとみなせます。要するに、この時点で、民主は米戦争屋率いる悪徳ペンタゴン連中との戦争に負けたのです。
現在の菅政権の路線は、5月連休に白旗を挙げた鳩山首相の意向に沿っています。すなわち、今の民主は悪徳ペンタゴン従属政党に豹変しています、少なくとも、見掛け上は・・・。しかしながら、真に変節したかどうか、現段階では不透明です。悪徳ペンタゴン連中は、彼らの天敵・小沢氏が民主党内で要職に就いてなくても、党内にて健在であるかぎり、民主が心底、悪徳ペンタゴン従属党になったかどうか、懐疑的でしょう。
いずれにしても、民主が君子豹変したのは事実ですが、変節ポイントがどの時点だったかによって、変節後の民主に対する見方は大きく異なってきます。
民主の変節ポイントが5月連休中であるという筆者の見方に立てば、現在の菅政権は、小沢・鳩山コンビ政権末期に起きた民主全体の変節路線に粛々と従っているに過ぎません。菅首相およびその取り巻き閣僚が小沢・鳩山コンビを裏切っていると批判するのは早計です。
3.なぜ、民主は豹変したのか
それでは、民主はなぜ、5月連休に党全体として豹変したのか、筆者の見方では、韓国哨戒艦艇・天安沈没事件(3月26日発生)の真相が、鳩山政権に内密に伝えられたからだと推測します。この事件の成り行き如何で、極東戦争が引き起こされる危険を民主幹部が肌身で察知したからでしょう。天安事件真相発覚以降、民主は党として、米国戦争屋(悪徳ペンタゴンの首魁)に逆らえない状況(有事)にあると判断しているのです。その結果が、民主の対戦争屋無抵抗主義の採用となったということです。消費税引き上げもおそらく米戦争屋の要求です。
民主は米国戦争屋から、言う事を聞かないと、極東戦争を起こすと強く恫喝された可能性が高いのです。
この状況は、人質を取って立てこもった凶悪犯に、言う事を聞かないと人質の命はないと脅かされた警察が、凶悪犯を刺激しないよう、言う事を聞くポーズを取っている状況に近いでしょう。
4.民主は今後、どうするのか
いずれにしても、7月参院選が終わるまで、現在の路線(悪徳ペンタゴンに従うポーズ)で突っ走るのは確かです。民主変節に怒り、国民の間で民主離れが起こるのは当然、織り込み済みでしょう。この流出票は、国民新党に流れてくれればよいのです。なぜなら、国民新党党首・亀井氏と小沢・鳩山コンビはツーカーですから。
政権交代後、悪徳ペンタゴン連中の執拗な攻撃を経験し、小沢・鳩山コンビは、民主党単独で、戦争屋と対峙しても勝ち目のないことを思い知ったはずです。確かに小沢・鳩山民主(内なる敵・民主党内戦争屋シンパの妨害あり)のみで戦争屋に対抗するのは到底、不可能です。絶対に独立するという国民の強い意志と応援が必須だったのですが、悪徳ペンタゴンにだまされて、日本国民の応援が極めて弱かったのです。これこそ、小沢・鳩山コンビ最大の誤算でした。残された唯一の道、それはオバマ政権がどれだけ、戦争屋弱体化に成功するかにかかっています。オバマ大統領とて、個人的には命がけです。
いずれにしても、小沢・鳩山コンビは、オバマや欧州系寡頭勢力による米戦争屋弱体化作戦に賭けるしかありません。世紀の悪徳モンスター・戦争屋退治は、不甲斐ない国民の多い日本にとって残念ながら、他力本願です。
5.極東戦争回避は、中露の努力の賜物か
今回、かろうじて極東戦争が回避されたのは、鳩山首相が戦争屋にひれ伏して無条件降伏したからでしょうか、残念ながら違います。それより中露の努力に拠るところが大きいのは確かです。とは言え、中露といえども。米戦争屋の暴発を完全に抑えることはできません。何と言っても、戦争屋自身が極東戦争を勃発させることに失敗したことが、戦争回避の最大の理由です。さらに韓国が戦争屋をかばってドロをかぶったことも奏功しています。戦争屋は、彼らの常套手段・戦争勃発ねつ造作戦に失敗して、一時、蒼くなったものの、韓国のおかげで恥をかかなくて済み、ホッと一安心、韓国に大きな借りができてしまいました。また、いつものように悪役を演じさせられてきた北朝鮮も大迷惑でしょう。しかし、これまでのように、戦争屋の中東作戦に呼応して、北朝鮮が極東で挑発行動を行って、戦争屋に協力する意欲も低下しているでしょう。今後、北朝鮮は米戦争屋よりも中国の言うことを良く聞くようになりそうです。
天安事件で大失敗した戦争屋は当分、極東でデカイ面はできなくなっています。
それにしても、したたかな戦争屋はころんでもタダでは起きない。鳩山政権を対戦争屋無抵抗主義に変節させることに成功したのです。
鳩山政権も、対戦争屋従属と引き換えに、極東戦争危機を取り除き、日本国民の命を守ったわけです。
民主党にとって、凶暴な戦争屋対策がいかに困難を極めるか、われわれ国民はもっと理解を示す必要があります。ところが肝心のマスコミは戦争屋の陣営ですから、マスコミが日米関係の真実を国民に知らせることは絶対にありません。これだけはネット情報に頼るしかありません。
それにしても腹が立つのは、このような戦争屋の言いなりになってきた悪徳ペンタゴン日本人(大手マスコミ人を含む)の罪深さです。彼らこそ、日本に巣食う悪性ガンそのものです。
注1:本ブログNo.122『普天間問題:オバマ・鳩山vs米国戦争屋・悪徳ペンタゴンの代理戦争』2010年5月5日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/13531636.html
ベンチャー革命投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm
テックベンチャー投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/8285/column-top.html
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【78】「大資本減税庶民大増税提唱の菅路線は挫折する」
植草一秀の『知られざる真実』
マスコミの伝えない政治・社会・株式の真実・真相・深層を植草一秀が斬る
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2010年6月23日 (水)
「大資本減税庶民大増税提唱の菅路線は挫折する」
6月24日の参院選公示を控え、日本記者クラブ主催の9党首討論会が開かれた。
菅首相が消費税率の10%への引き上げ方針を示唆したことを背景に、消費税問題が参院選の重要争点として浮上している。
日本の財政事情が悪化していることは事実である。しかし、日本の場合、国内の所得支出バランスと実物投資の差額から生じる国内資金余剰が巨額であり、財政赤字をすべて賄ったうえでなお巨額の資金余剰が残り、この資金が海外流出している。
財政赤字を国内資金で賄うことのできない米国などの事情とは大きな差が存在する。
日本の国債発行金額は2008年度当初予算では25兆円だった。それが、サブプライム金融危機に伴う景気後退に対処するための補正予算編成と税収減少により、一気に53兆円に拡大した。予算規模の半分以上を国債発行で賄う現状は異常であり、財政状況の改善が重要課題であるのは事実である。
しかし、この財政収支悪化が景気悪化を背景に生じたものであることを踏まえねばならない。財政収支は不況の局面で悪化し、公共の局面で改善する。
不況では景気対策が必要となり、税収が減少すると同時に社会保障関係支出が増加するからだ。好況ではこの逆の現象が生じ、財政赤字が減少する。
不況の局面で財政赤字が増大することは景気を支える効果を併せ持つ。好況の局面で財政赤字が減少することは景気を冷やす効果を持つ。
この効果を財政の景気自動調整機能(ビルトイン・スタビライザー)と呼ぶ。
不況の局面で財政赤字が拡大することはこの意味で当然のことであり、不況の結果拡大した財政赤字を人為的に縮小させようとする政策は、財政収支が持つ景気安定化効果を消滅させてしまうことも考慮しなければならない。
財政赤字が拡大した最大の原因は、「税収の減少」にある。「税収の減少」をもたらした最大の原因は「不況の深刻化」にある。国税収入は1990年度に60兆円あった。これが2010年度には37兆円に減少した。23兆円も税収が減少したのである。
したがって、財政赤字を縮小させるための第一の方策は、税収の自然増を確保することなのである。税収の自然増は、景気回復によってもたらされる。
政府がいま最優先すべき課題は、「景気回復」である。「景気回復」が財政赤字を縮小させるために最も有効な施策である。この点を的確に指摘したのは国民新党の亀井静香氏である。
また、消費税大増税を検討する前に絶対に実行すべき課題が存在する。
政府支出の無駄排除である。政権交代実現後、「事業仕分け」が実施され、メディアに大きく取り上げられた。しかし、現状は「学芸会」の域を出ていない。「業務の抜本的な見直し」などのあいまいな決定が相次ぎ、最終的に無駄が排除される見通しはまったく立っていない。
政府支出の無駄を排除するうえで不可欠であるのが「天下り」の根絶である。民主党は「天下り根絶」を主張し続けてきたが、与党になった途端に、「天下り根絶」が「天下りあっせん根絶」にすり替えられた。
両社は「似て非なるもの」である。「あっせん」を禁止しても、「天下り」の実態を「あっせん」によるものではないと言い逃れられると、天下りは野放しにされることになる。
この意味で、鳩山前首相が公約した「衆議院任期中の消費税増税封印」の決定は正しい選択である。民主党は消費税を衆議院任期中は引き上げないことを公約として掲げ、総選挙を戦った。増税の逃げ道を封じておかなければ、無駄な歳出削減の実効性を確保することはできない。
菅首相は突然「消費税率の10%への引き上げ」を発言したが、党内での決定手続きを経て発言したものなのか。消費税率引き上げは民主党の「公約」として決定されたものなのか。
菅首相は、まずこの点を明らかにする責任がある。
昨年8月の総選挙で政権交代を実現させた主権者国民は、増税検討の前の「政府支出の無駄排除」の方針に賛成して民主党に投票した。その民主党の方針が、突然、「政府支出の無駄排除なき大増税」に転じるのなら、主権者国民は増税詐欺の被害者になる。
主要国税税目の推移を改めて提示する。
グラフに示されるように、消費税は1990年度の4.6兆円が2009年度には9.4兆円に倍増した。法人税は1990年度の18.4兆円から2009年度の5.2兆円に激減した。4分の1に激減したのだ。
このなかで、菅政権は法人税減税と消費税大増税を提案しているのだ。
政府税制調査会が2007年11月に発表した「抜本的税制改革に向けた基本的考え方」の17~18ページに以下の記述がある。
「法人実効税率とは、国・地方合わせた法人課税の表面税率のことである。我が国の法人実効税率は、国際的に見て高い水準にあり、引き下げるべきという議論がある。この問題を検討するに当たり、当調査会は、平成19 年度の税制改正に関する答申を踏まえ、課税ベースも合わせた実質的な企業の税負担、さらに社会保険料を含む企業の負担の国際比較を行った。また、企業減税による企業部門の活性化が雇用や個人の所得環境に及ぼす影響等についての調査・分析を行った。課税ベースや社会保険料負担も考慮した企業負担については、モデル企業をベースとした試算において、我が国の企業負担は現状では国際的に見て必ずしも高い水準にはないという結果も得た。」
つまり、日本の法人税率は国際比較上、高い水準にはないとの結論を日本政府の見解として示しているのだ。
にもかかわらず、菅政権は消費税大増税・法人税減税の方針を示している。
政権交代の最大の目的は、米・官・業による日本政治支配の基本構造を打破し、主権者国民による政治支配の構造を構築することにある。
この目的を達成する試金石になるのが、①普天間基地の海外移設、②官僚天下りの根絶、③企業団体献金の全面禁止、である。
ところが、菅政権は米官業による日本政治支配構造に逆戻りさせる政策方針を相次いで示し始めているのだ。
税制改革については、党内の民主的な意思決定手続きも経ずに、独裁的に消費税大増税=法人税減税の方針を明示してしまった。法人税減税は大資本を消費税大増税賛成に引き込むための施策であると考えられ、菅政権が主権者国民から大資本に基軸を移したことを意味すると受け取れる。
政府支出の無駄排除を優先しない消費税大増税、20年間に4分の1に激減した法人税をさらに減税する大資本優遇の法人税減税方針に賛成することはできない。
参院選では、民主党内小沢氏グループ候補者を個別に支援する以外、比例区では国民新党、社民党を支援するのが主権者国民の正しい選択であると考えられる。
9月代表選をもって菅政権に終止符を打ち、主権者国民の意思を尊重する民主党代表を選出して、もう一度、主権者国民政権を構築することがどうしても必要である。政府支出の無駄排除なき消費税大増税に突き進む菅民主党に対しては不支持の姿勢で臨むことが求められる。
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【77】「屋山太郎は「詐欺師」だったのか?」
2010-06-23
「屋山太郎は「詐欺師」だったのか?」
昨日は、豊島公会堂横の某所で行われた「月刊日本」主催の「植草一秀講演会」に行って来たが、狭い会場だったとはいえ、椅子が足りないほどの盛況であったが、半数は申し込みの段階で、満員ということでお断りしたらしいから、植草先生の個人的な人気というのはもちろんあるだろうが、それだけではなく、もっと根深い社会的な流動化の「うねり」のようなものを強く感じた。植草先生は、「米・官・業・政・マスコミ」の、いわゆる「悪徳ペンタゴン」による国家支配の実態を経済の観点から暴露していったわけだが、とりわけ菅直人に関して、これまでの個人的交流等を踏まえて、あまりにも急激な言動や思想の変化、つまり「菅直人の変身」の有様を語ったのが印象的だった。菅直人も、結局、「米・官・業・マスコミ・・・」の支配権力に屈服したのであり、屈服することによって「小沢一郎排除」「官僚・マスコミ迎合」「日米合意の尊重」等を交換条件に総理総裁の椅子を手に入れたということになる。植草先生の話を聞きながら、「左翼」「市民派」の出身とは言いながら、地位や権力のために「魂を売った」菅直人内閣は、おそらく自民党政権よりも自民党的になっていき、日本国民にとっては不幸なことだが、権力維持と政権維持のためには何でもやる…警察も闇の力も行使する…という「小泉政権の再来」ということになっていくのだろうと思った。さて、話は変わるが、「岩手日報」の捏造社説問題だが、元はといえば、捏造騒動の原点は「産経新聞」と「屋山太郎」の問題であったわけだから、「岩手日報」の捏造社説を許してはならないのは当然だが、「岩手日報」だけを批判するのは公平ではないだろう。羊頭狗肉を売る詐欺本『小沢君、水沢にかえりたまえ』の巻頭に、本文の趣旨とは百八十度も違うようなトンデモ解説を書いて平然としている屋山太郎の厚顔無恥の詐欺師ぶりが、いかにも「官房機密費」まみれの「新聞記者あがりの政治評論家」を彷彿とさせて、面白い。詐欺のお先棒を担いで平然としていられるとは、「新聞記者あがりの政治評論家」って、そこまで卑しく、卑屈に、しかも居丈高になれるものなのか。屋山太郎は解説で、江藤淳の代表作を『閉ざされた言語空間』だと書いているが、むろん誰でも知っているように 江藤先生の代表作は『夏目漱石』論や『漱石とその時代』等、いわゆる漱石論であって、『閉ざされた言語空間』は政治思想関係の著書としては貴重なものだろうが、江藤先生にとっては一種の「余技」の産物に過ぎない。そんなことも知らずに江藤淳を語り、江藤淳の本の解説を書き、「江藤淳は小沢一郎に期待し過ぎた」とか「江藤淳も小沢一郎に騙されていた」等と、死者に鞭打つようなトンチンカンな批評を付け加えるとは、これまた、いかにも「官房機密費」まみれの「新聞記者あがりの政治評論家」にふさわしい不遜な所業と言うべきか。江藤先生は、すでに学生時代に「三田文学」に発表した『夏目漱石』論で、次のように書いている。「しかしぼくらが漱石を偉大という時、それは決して右のような理由によってではない。彼は問題を解決しなかったから偉大なのであり、一生を通じて彼の精神を苦しめていた問題に結局忠実だったから偉大なのである。(中略)彼が「明暗」に「救済」の結末を書いたとしたら、それは最後のどたん場で自らの問題を放棄したことになる。(中略)そして生半可な救済の可能性を夢想するには、漱石はあまりに聡明な頭脳を持ちすぎていたのである。」僕は、「彼は問題を解決しなかったから偉大なのであり…」と書きうるような鋭い人間観察力と鑑識眼を持つ「江藤青年」が、後年、政治家・小沢一郎に対して行った論評において、他人から「期待しすぎた」とか「騙されていた」とかいうような解説がされるとは思わなかっただろう。むろん、江藤淳には「小沢一郎」という政治家の人間的本質が見えていたのだ。「見える人には見えるだろう」(小林秀雄)とでも言うほかはない。おそらく江藤淳は、自分よりも若い「政治家・小沢一郎」を論じるのに、漱石を論じるような姿勢で臨んでいたのである。だからこそ、批評家生命を賭けて、「小沢一郎絶賛」の文章を書き、残してくれたのである。ところで、屋山太郎は、「そもそも小沢氏が『理想とする日本の姿』とは何か。それは全く見えない。」「能弁に保守思想を語るが、小沢氏は保守政治家ではない。」「しっかりとした国家観と歴史観を持った保守政治家だと考える人は多かったが、それは全くの間違いである。」「権力志向ゆえに、トップに上りつめること自体が彼の目的だからだ」「つまり、何があろうと曲げないという信念がない。」…と、「語るに落ちる」ともいうべき批判を展開しているわけだが、これは江藤淳の小沢一郎評価とまったく関係ない内容のものである。これらの文を読むまでもなく、批評力の欠如、思想性の不在を感じないわけにはいかないが、では、屋山太郎の理想とする保守とは何であり、保守思想とはどんな思想であり、また保守政治家とは誰なのか、と問いたい。まともに答えられるはずがない。この程度の粗雑で、稚拙な「小沢一郎批判」を書くぐらいなら、見苦しい詐欺師的振る舞いはやめて、自分で「小沢一郎批判」の本を書けばいいではないか。何故、江藤先生の貴重な「小沢一郎論」の解説として、江藤論文を汚す形で、下品な「小沢一郎批判」を書き連ねねばならないのか。僕は、この解説文を読んで、屋山太郎が「保守」だと初めて知ったが、こんな下司野郎が保守だというのなら、即刻、僕などは保守をやめてもいい。江藤淳先生や小林秀雄の「保守」はラディカリズムとしての保守であり、屋山太郎のような世俗的な、世渡り上手な「処世術的保守」ではない。僕は、小沢一郎的「保守思想」は、江藤先生や小林秀雄の保守思想に近いと考える。
(転載貼り付け終了)
【76】「官報談合、この「官とメディア」の問題は相当に根が深い」
「日々坦々」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010/06/23(水) 12:09
「官報談合、この「官とメディア」の問題は相当に根が深い」
週刊ポストの上杉氏の官房機密費追及記事を取り上げようと思っていたが、今週の週刊朝日の佐藤優氏の≪外交機密費を受け取った新聞記者たち≫は今までの論点とは違う、官僚によるメディア支配とその手口という衝撃的な記事だった。
(週刊朝日7/2号)
リード文
≪官の利益のために世論を誘導する―霞が関がメディアを篭絡(ろうらく)するために使うのは「官房機密費」だけじゃない。外務省もまた「外交機密費」を大いに活用していたのだ。手口は巧妙だ。官僚と記者が育む「黒い友情」の実態を、”伏魔殿”の裏の裏まで知り尽くす男、作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏(50)が語った。≫
この中では官僚がどのように新聞記者を手なずけ、手下にしていくのか。官僚の支配下に置かれた新聞記者によってその後なにが起こっているのか、が見えてくる。
佐藤氏も手を染めたという「白紙領収書」問題は、実際に5・6回、200枚以上の白紙領収書を作成したことを告白し、その時は、はっきりと有印公文書偽造で明らかに犯罪であることを認識していたと語っていることには驚くと同時に、外務省の中で組織として常態化、慢性化していたことがよくわかる。
渡しがお小遣いをもらっているわけではないからまあ、こういうことはやってもいい範囲だ」と思ってきたことを佐藤氏は述懐している。
こうしてつくられた白紙の領収書は、海外視察で、首相や外務大臣に同行してきた記者達に配られ、そこにいい加減な数字を書き込んで経費として精算し、お金を受け取る、というなんともミミッちいことを
していたというのだ。
これは90年代なかばで各社が経費節減で厳しくなり、この「白紙領収書」を渡す慣行もなくなったということだ。
その後には外務省のマスコミ対策は変化し、外務省の記者クラブ「霞クラブ」の特定の記者にターゲットを絞り工作し、そこに「機密費」が使われているということだ。
「機密費」から接待を受けた記者は次第にその弱みから、外務省よりの記事を書き、また頼まれたレポートなどもアルバイトで書いていた、ということだ。
各国大使館に配布される「政局レポート」という報告書は「公文書」のかたちで省外秘になっていて、「これは霞クラブの記者に内々に執筆してもらったものです。厳に当省出身の幹部職員のみに回覧してください」という注意事項があり、佐藤氏も度々目にしたとのこと。
こういう協力的な記者を外務省では「与党」と名づけ、それに反して抵抗してくる記者を「野党」として分類している。外務省がまず狙うのは、この「野党」の記者ということだ。
正義感が強く、国民の「知る権利」に応えるという意識が高い”誠実”な記者で、そういう記者には、外務省も誠実なふりをして対応し、徐々に手懐(てなず)けていき最終的には「与党」の記者を増やしていくというのだ。
その徐々にというのが大変巧妙で、佐藤氏も言っているが、「スパイ」が協力者を作るときの典型的な方法だとということで、妙に納得した。
*****政治ブログ***********
「野党」に区分けされた正義感あふれ外務省にも公然と批判してくる誠実な記者を、まずは誠実なふりして対応し「野党」から「建設的野党」になっていただいて、ある程度、関係が深くなったところで”悪魔の囁き”をする。
「あなたのような政局動向に通じている記者の見解を、ぜひ外務省の幹部、あるいは在外公館の幹部に伝えたい。匿名でリポートを書いてくれないか」
そして数十万を渡す。これももちろん「外交機密費」から出ているという。
最初はできるだけハードルを低くして攻めて行く。
「新聞の重要な記事のところに、赤で記しをつけてください」
「切り抜きをください」
「切り抜きにコメントを書いてください」
「報道についてリポートを作ってください」
「役所の中の様子を教えてください」
という”本当の狙い”に行き着く。
≪そして、だんだんモノを受け取ることに慣れさせ、その対価としてカネをもらう習慣をつけ、できるところから少しずつ深みにはめていくわけです。いったんこのリポートを書いたら、もう一生終わりです。どんな社も、記者が取材で得た政治家の懇談メモ=表に出さない前提の(オフレコ)メモを使って、官からカネをもらってリポートを書いたことが露見したらクビです。それがわかっているから、そういう記者は、”無二の親友”になる。こうして「野党」側から「与党」側に移行してくる記者な少なくないのです。≫
佐藤氏は、現在報道されている情報で、特に外交問題と検察の特捜部に関連する案件に関しては「9割」が官の側からの情報だと断定している。
そうした官僚側が取捨選択した、官僚の意向に沿ったヨイショ記事など、マスメディアは官製情報とも呼べる情報を垂れ流し、国民のためというより官僚のためのメディアに成り下がっている、といえる。
これについて我々は「暴走検察」でイヤというほど見せられてきた。
それが全省庁にあてはまっている、ということだろう。
元時事通信記者で経済関連記者クラブに所属していた相場英雄氏が、『Business Media 誠 』の中で、政治部記者と官房機密費について次のように書いている。(参照)
≪筆者が接した「ごく一部の政治部ベテラン記者たち(他社を含む)」の中には、有力政治家からもらった高額な宝飾品を誇示したり、はたまた住宅購入に当たり、派閥領袖(りょうしゅう)から頭金の支援を仰いでいたことを嬉々として明かしてくれた人物さえ存在した。こうした人は1人や2人ではなかった。他の同僚、また他社の記者からも同様の話を多数聞いたことがある。政治部の中でも、特に自民党の大派閥担当、あるいは政局取材に強みを持つ記者ほどこの傾向が顕著だったと鮮明に記憶している。要するに、担当した政治家やその秘書、あるいは派閥との結びつきがどれだけ強いかが、記者に対する暗黙の評価対象になっていたからだ。 現在問題となっている官房機密費に関して、筆者は野中氏が指摘した「官房長官の引き継ぎ簿」を実際に目にしたわけではない。誰がいくら、いつ受領したかなど詳細に関しても知り得る立場にない。 ただ先に触れたように筆者が接した「ごく一部の政治部ベテラン記者たち」の事象に当てはめれば、一連の官房機密費問題に対して抱く心証は「さもありなん」であり、「クロ」なのだ。≫
官房機密費や外交機密費なども含め、この「官とメディア」の問題は、相当に根が深い。
これからも追及の手を緩めることはできない。
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(転載貼り付け終了)