近代医学・医療掲示板


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伊藤 投稿日:2025/01/30 10:18

【206】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(18)ブレイク:森永卓郎氏の死について思うこと。

 伊藤睦月です。

(1)1月28日に森永卓郎氏が死亡したとの報道があった。彼の政治的バックグラウンドについては、不案内だが、実務経験に基づく、知見には刺さるものがあった。1年くらい前に、「原発不明がん」の宣告を受けたことを公表してから、「遺言」と称して、財務省批判、御巣鷹山の日航機墜落疑惑、がん闘病記などを公にしてきた。私は、財務省批判本しか読んでいない。

(2)がんに関しては、「原発不明ガン」という宣告を受けていたようだ。私も、当初、同じような診断をされていたから、他人事とは思えない。

(3)原発不明ガンとは、転移先のガンは、判明するが、原因となる臓器(原発巣)が特定できない状態をいうらしい。転移先は膵臓だったそうだ。

(4)膵臓と言えば、自分の状態について、副島先生に報告した際、副島先生は、コロナワクチン由来のすい臓がんではないかと、疑われていた。

(5)私は、当時スキルス胃がんのリンパ節転移と言われたが、検査を繰り返した結果、がんではなかった。コロナワクチンは2回打ったが、今のところ、原因ではないようだ。森永氏はどうだったのだろう。コロナワクチンは何回接種したのだろうか。

(6)また、森永氏は、免疫療法(オプシーボ)の投与を続けていたそうだ。健康保険適用外なら、年間数百万の自己負担となる。保険適用でも100万近い。私には無理だが。

(7)免疫療法については、近藤誠医師が生前、その危険性を指摘していた。

(8)免疫療法は、確かに免疫細胞を活性化させて、がん細胞を攻撃するが、同時に正常細胞をも攻撃する、という。コロナの時、「免疫暴走」という言葉を我々素人も学んだことだ。そういう意味では抗がん剤や放射線と同じ。

(9)抗がん剤や放射線は、毒性が非常に強く、その分、危険性が高い。その一方で、免疫療法は、それ自体の毒性は少ない、という。「免疫暴走」をコントロールできれば有効なのかもしれない。一方で、抗がん剤でも、がんの種類、程度によっては、有効なものも出てきているらしい。また、副作用を軽減する処置方法は出てきているようだが、根本的な解決にはならない。(近藤誠『最新がん・部位別治療事典』2020年講談社)

(10)伊藤睦月です。どのガンにどの治療法が有効で安全かは、今後の知見の積み重ねをまつしかないらしい。そんなことって、我々素人には、難しいし、専門医師の「説得」を退けるのは、正直無理だと思う。結局近藤医師のおすすめ通り、病院に行かないのが正解なのか。

それでもまだ、昔よりはましだと信じたい。

以上伊藤睦月筆(次回から、経験談、再開します)

 

 

 

伊藤 投稿日:2025/01/22 11:44

【205】訂正

伊藤睦月です。前回の投稿で、書きそこなったのですが、

1)病院に入っていたのは、すべて「ローソン」でした。

2)それから、手術直前に、手の甲に針と管を入れられた。点滴などを投入するためのものだろう。

以上です。

伊藤睦月拝

伊藤 投稿日:2025/01/22 11:16

【204】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(17)最初の検査入院(3)

伊藤睦月です。続き。

3 すべて、マニュアル化、IT化

3-(1)入院に必要な基本アイテムは、ほとんど病院内で、そろう。レンタル屋と売店(コンビニ、なぜかどこの病院だった7.だった)

3-(2)但し、爪切り、T字剃刀、ナイフ類は持ち込み禁止。(入院初日にナースに預ける)危険防止とかいっていたが、自殺防止だろう。

3-(3)髭剃りは電動のみ。その他必要な、備品、用品類は、藤河本が役に立つ。シャワーは日中予約制。テレビ(イヤホン着用)と冷蔵庫はプリペイドカード方式。ビジネスホテルと同じ。個室だと、室内にシャワーがあり、テレビもそのまま音声を流せた。消灯は、大部屋は22時だが、個室は、事実上の制限はなし。当時パリ五輪の中継が始まっていたので、看護師の見回りが終わると、みんな観ていた。私もその一人。散髪は、院内の美容室か、外泊時に行う。

3-(4)看護師等スタッフは、常にミーティングしていた印象だ。最初の病院のように、雑談風景はほとんど見なかった。朝夕の集団ミーティング、それから個別ミーティング、結構濃密な印象だ。主任看護師はいるが、日中、夕方、夜間と担当が替わった。交代前の看護師と私が話したことも、記録しているらしく、時々内容確認や、提案、助言などを言ってきた。

3-(5)入院中の治療は、特にない。かかりつけ医の処方薬を時間通りに服用する。インスリン4回(朝、昼、夕食前)メトグルコ(朝夕)ジャヌビア(朝)、降圧剤(朝)、睡眠導入剤(就寝前)、時々便秘薬(マグネシウム)

3-(6)血圧測定(朝)、血糖値測定(朝、昼、夕食前、就寝前)これを続ける。回診は毎日あるが、問診だけ。血糖値が安定するのを待っているらしい。

3-(7)3週間経って、食前血糖値が200を切り出したころ、外出許可(原則土日)をもらって、帰宅。郵便物の整理、掃除、必要用品、着替えの追加補充など。

3-(8)4週目に入り、血糖値も200を切ったので、週末に検査(手術)をすることが決まった。それから少し慌ただしくなった。

3-(9)まず、検査(手術)までの、段取り、手術内容の説明があり、手術の同意書にサインした。家族には、手術日は知らせたが、検査ということもあり、立会は断った。何度も確認された。家族が立ち会わないのは、結構珍しいらしい。

3-(10)前日に麻酔医が来て、麻酔内容と副作用の説明があり、同意書にサインした。そのほか何枚かサインした。どの同意書にも、「あなたの意志で拒否できます」と書いてあったが、普通、断れるものかね。

3-(11)手術室担当の看護師が来て、イラスト説明書(紙)、タブレットで動画で説明した。また、何かにサインした。タブレット動画は、ビジネスホテルの案内動画のようだった。最後は、担当看護師全員で、「スタッフ一同、心からお待ちしてます」と来た。苦笑いするしかなかった。

3-(12)手術当日になった。7階の病棟から、3階の手術室に看護師に案内されながら、徒歩で向かった。

3-(13)手術室手前に「家族控室」があって、3組くらいの家族が待機していた。みんな一様に暗く、しくしく泣いている人もいる。家族を呼ばなくてよかった、と心から思った。

3-(14)手術室のドアが開いた。そこには動画通りの光景が広がっていた。それにしても、「いらっしゃいませ」は勘弁してほしかった。

小休止、

以上、伊藤睦月筆

 

 

 

 

 

伊藤 投稿日:2025/01/21 10:12

【203】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(16)最初の検査入院(2)

伊東睦月です。続き。

⑦入院してから間もなく、病院内にある「患者図書室」の司書さんと知り合いになった。この図書室は、入院患者の読み終わった本を寄付してもらうことで成り立っている。小説類とがん関係本が多い。藤河るり氏の漫画本もあった。(漫画は原則おいてないが、例外もあった)

⑧寄付本が中心のため、古い本が多く、近刊書やベストセラー、子供向けの本があまりない。スタッフに聞くと、そういった本は市立図書館にリクエストしているが、なかなか回ってこないそうだ。そうだろう。

⑨そこで、外出許可が出たとき、自宅に残っていた、ヨシタケシンスケの絵本や、図鑑、一般向け気象本など適当にみつくろって、持って言ったら、大変喜ばれた。

⑩後日のことだが、がんで入院している小学5年生の男の子が、さっそく気象本を借りていったという。夏休みの自由研究にするそうだ。入院していると窓から雲しか見れない。毎日眺める雲の変化を観察日記にまとめるそうだ。ヨシタケシンスケの絵本も子供から大人まで大変人気があるそうだ。市立図書館にリクエストを出しても、数か月待ちなんです。そうですか。まにあってよかったですね、とは口にはださなかったが、少しうれしくなった。それから、売店(コンビニ)で買った小説本(西村京太郎とか、東野圭吾とか、ミステリーが多かった)を読み終わると図書館に寄付した。

2 ホテル並みに設備が充実していた。

2-(1)入院したのは、4人部屋だった。2人部屋とか個室だと、一泊8千~2万円の差額ベッド代がかかるので、大部屋一択だった。(意外と個室が人気で、順番待ちらしい。みんな余裕ありますなあ)

2-(2)コロナ前は6人部屋だったと思う。居住スペースは、カーテンで仕切られていてかなりスペースに余裕があった。藤河本に書いてあるとおりだった。

2-(3)同室の隣人の声が丸聞こえなのには閉口したが、医師や家族とのやりとりも聞こえてなかなか感慨深かった。出会い頭に挨拶をすることはあったが、それ以外お互い話さない。むしろ、患者ロビー(デールーム)で会う、他の病室の患者さん(大抵、年上のご婦人)とよく話した。

2-(4)同室の人たちは、2日~7日くらいで入れ替わった。手術をした人は、手術室から、集中治療室に移され、そのまま戻って来ない。抗ガン剤治療をした人は、いったん戻ってきて、3日ほどで退院した。あとは、通院で治療を続けるようだ。私のように、1か月も同じ部屋にいるのはこの病棟では珍しいらしい。いつの間にか空気みたいになっていた。

小休止

伊藤睦月筆

 

 

伊藤 投稿日:2025/01/21 09:22

【202】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(15)最初の検査入院(1)

伊藤睦月です。前回の続き。

1 がん専門病院に入院したときに、気づいたことをいくつか。

1-(1)周りは、がん患者ばかりだった。

①あたりまえと言われるかもしれないが、病院内は

がん患者、すぐにそれとわかるような人達が、たむろしていた。

②最初の総合病院も、「地域がん相談センター」を設置しているくらいだから、受診しているがん患者はいるはずだが、あまり目立たなかった。

③特に毛糸の帽子をかぶっている人が目立った。抗ガン剤の副作用で、頭髪が抜けている。近藤本で、抗がん剤を使用すれば、おしまい、と思っていたが、「意外と生きてるじゃん」と正直思った。少し気が楽になった。

④患者は、大半は私より年上、70歳は過ぎている印象。後日の観察では、私と同年代も意外といた。がん治療を受けると、見た目老けるらしい。車いすに乗っている人が目立った。

⑤30,40の現役世代もいた。家族が付き添っていて、明るくふるまっている。

小休止。伊藤睦月筆

⑥10歳前後の子供もいた。体に点滴の針を刺して、台車を動かしながら、売店でお菓子を選んでいる。毛糸の帽子を見ると、さすがに胸が詰まった。

 

 

 

 

 

 

伊藤 投稿日:2025/01/19 09:23

【201】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(14)転院

伊藤睦月です。

1 がん専門総合病院に転院して、最初の診察。今までの経過について、主治医による、確認の問診の後、胸部・腹部レントゲン、造影剤を入れてのCTスキャン、病院専属の糖尿病専門医の診察、問診の後、再度主治医との診察、面談があった。これまで、医師はすべて女性だった。

2 主治医の説明はおおむね以下の通り。

(1)伊藤さんの胃には、胃がんはみつからなかった。

(2)リンパの腫れは見られる。

(3)最初の病院は、スキルル胃がんのリンパ転移、という診断だったが、逆に悪性リンパ腫が胃に転移したのではないか、と考えられる。

(4)そのため、胃部ではなく、リンパ腺の組織を採って、検査したい。

(5)一週間ほど入院してもらうことになる。

(6)但し、検査の担当科は、泌尿器科になる。採取個所が、大動脈あたり、腎臓付近なので、当科(消化器外科)では、器具を下腹膜に通していくので、遠回りになる。泌尿器科の方がショートカットでき、リスクが少ない。

以上のことを、畳みかけるように、話された。

3 私は、結局は、入院検査に同意したが、それに際して、次のようなことを話した。

(1)転院を希望した理由は最初の病院の説明に不安を感じたから。

(2)セカンドオピニオンでは、追加検査ができない、と聞いたので、転院を決意した。

(3)まず、私の「がん」の正体をみきわめたい。そのために、徹底的に検査してもらいたい。

(4)そのうえで、治療法のベストチョイスを提案してもらいたい。

 伊藤睦月です。近藤医師の本には、検査はしてはいけない、と書いてあったが、ここまでくれば、検査を徹底してもらいたかった。がんの、種類、程度、発症場所、転移状況、など徹底して知りたかった。職場にカミングアウトした結果、来年度の、嘱託契約が更新されなくなり、私の生活設計も狂ってしまった。検査を徹底することによって、治療の確度を上げることもあるが、手術や抗がん剤投与を、できるだけ先延ばししたかった。近藤本を信じるなら、治療に移れば、オシマイ、と思っていた。

(5)主治医は、意志が固そうな、やり投げのメダリストのような風貌(愛想はなかった。しかし、かえって信頼できそう)の女性、だったが、私の訴えをいちいちうなずきながら聞き、そうですね。最近は抗がん剤も細分化されているから、最も適切なものを選ばないといけません。そのためにも、しっかり検査しましょう、と言った。傍らには、部屋付きの女性看護師が2人。一人は私の顔をみていちいちうなずいてばかりいた。もう一人はパソコンに向かってひたすら、キーボードをたたいていた。

(6)その日のうちに、泌尿器科の外来に回され、医師の診察を受けた。医師は男性で、頑丈そうなガタイで、声は大きくて、ガハハ、という感じ。入院日を決めた。仕事のスケジュールの都合で、6週間後になった。こんなに引き延して大丈夫か。余命4か月の3か月は使ってるぞ。

(7)その医師は、血糖値が高すぎる、(ヘモグロビンA1Cが、11あった。7以下もしくは、食後血糖値を200以下にしないと手術ができないらしい)血糖値コントロールが必要。検査入院自体は長くて1週間だそうだ。糖尿病の管理については、かかりつけ医の指示に従うよういわれた。

(8)引き続き、入院予約手続き、オリエンテーションを済ませた。その日のうちに、かかりつけ医を受診。がん専門病院の方針で行くことを確認し、インスリンの投与量が倍増した。

(9)6週間後、入院した。血糖値コントロールに4週間かかり、検査手術後1週間で退院した。8月に入っていた。余命4か月は過ぎていた。しかし、医師、看護師だれも、そのことを、話題にすらしなかった。

小休止、伊藤睦月筆

 

 

伊藤 投稿日:2025/01/18 08:50

【200】訂正

伊藤睦月です。下記2014年寛解→2024年、でした。

伊藤睦月拝

伊藤 投稿日:2025/01/18 08:46

【199】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(13):準備(5)近藤誠医師の本を読んでみる(その3)

伊藤睦月です。続き。

1 近藤医師のほかに、代替医療・民間医療(食事、温熱、サプリ)勧める医師や元患者の体験記をいくつか読んだ。

2 医師の本で共通していたのは、

(1)標準治療が効かない、患者の求めに応じて、治療を続け、その呵責に耐えられなくなって、病院等をやめ、ほかの治療を勧めることにしたこと。

(2)がんは、「治る」「克服できる」「向き合う」「つきあう」と考えているらしい。

3 元患者の体験記に共通しているものとして、

(1)最初は標準治療(切除手術、抗がん剤)を受け入れていること。

(2)術後のアフターとしての、追加手術や抗がん剤を拒否していること。

(3)医者が患者だった場合は、トラブルはない(という風に書かれている)が、医者でない場合は、ひと悶着あって、けんか別れになっていること。

そして、両者に共通しているのは、2010年~2017年に本になっている。いずれも、最初の治療から10年以上、生存していること。であった。つまり、2000年~2007年の医療で施術されている。(偶然かもしれない)

4 伊藤睦月です。この時期は野球監督が手術を受けた時期。切開手術が主流だった時期で、その後の治療技術の発展があるのではないか、と思った(今では少し考えが変わっている)

5 また、この10年間で、保険適用となる抗がん剤の酒類も、10以上増えており、期待できるのでは。

6 免疫療法が一部保険適用(プラシーボ)となり始めており、(発明者がノーベル賞受賞したのが契機)、自己負担も当初、数百万だったのが、百万を切るようになって、近い将来、種類と負担軽減が進行していくのではないか。

(そうであれば、慌てて治療しなくてもよいのでは・・・)

7 近藤医師の本のほかに、参考になったのは、藤河るり『元気になるシカ!』というマンガエッセイである。

8 この本は、2014年に子宮がんを発症、全摘手術、アフター抗がん剤投与、経過観察で、2014年時点で発病せず、「寛解」(がんでは、治癒したとはいわないらし)したいう。2015年にその経過や思い等を4コマ漫画風につづった、初版が出て、続編と続き、現在では、SNSで状況を発信している。奈良県出身だからか、自らをシカのキャラになぞらえいる。

9 この本が気に入った理由は、

(1)2014年手術という、現状では、治療法、治療器具、医薬品など、最新の情報であること。実際この本の通りだった。(今では、開腹はあまりしないようだ)

(2)漫画なので、写真や文章単体よりも、かえって印象に残り、わかりやすい。

(3)漫画家らしい、きめ細かい観察、微妙な感情表現も、シカキャラのおかげで重くならない。

最初電子書籍で買い、入院中に紙の本も買った。現状では一番のオススメ。

寄り道した。がん専門病院の外来の様子は、次回から。

伊藤睦月筆

 

伊藤 投稿日:2025/01/17 10:34

【198】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(12):準備(4)近藤誠医師の本を読んでみる(その2)

伊藤睦月です。前回の続き

8 近藤医師は、「早期発見、早期治療」に懐疑的だ。早くがんが見つかれば、早く治るものではない。むしろ藪蛇だと言う。

9 また、余命4か月というのは根拠がない、昔はステージ4は余命3か月と言っていたけど、死ななくなったので、4か月としているだけ。

10 5年生存率も統計学的に意味のある数字ではない。治療5年後に半分が生き残っている確率を指しているだけ。

11 標準治療も全部だめ。手術は身体的負担が重すぎる。(だから、乳がん保存術を提唱し、今では標準となっている。ほかのがん手術は命を縮めるだけ)

12 抗がん剤は猛毒なのでもってのほか。自殺行為だ。

13 放射線は、部位によっては有効(ん?点が甘いぞ)しかし、日本の放射線照射スキルで、自分(近藤)ほどのレベルはいないので、危険。

などと、がん検査、標準治療をめった切りにしておいて、近藤のいうことをうのみにするな。統計データで判断せよ。最後は自分で決めろ。

14 伊藤睦月です。近藤センセイ、無理っす。がんと宣告されて動揺しているところに、専門家がたたみかけてくる、素人が抵抗できるものか。

15 だから、結局は検査しない、治療しない、黙って逃げ出す。こういうことができる人が何人いるのか。近藤医師の意見はすべて正しいが、ただ、無理っす。(近藤医師は、自覚症状が出るとアウトだから、「放置」する前に、ホスピスと事前契約しておきなさい、という。ごもっともだが、そんな病院、どこにあるの?教えていただく前に、近藤先生は旅立たれてしまった・・・・(2022年心不全で永眠)

16 生前の近藤医師と親交があった、和田秀樹医師(老人医療の専門家、我々世代には、受験の神様、で有名)は、経験上、老衰でなくなる老人の3分の1は死後、がんが見つかる。だから、がんにあまり神経質にならない方がよい。自分(和田)は高血圧、高血糖のコントロールはしているが、がんと宣告されたら何もしない、と自著(『どうせ死ぬんだから』だったと思う)で主張している。これも正論だが、無理っす。

17 和田医師は自分で処方箋が書けるからよいけど、我々はできない。医者から、検査・治療を勧められたら、抵抗するのはむつかしいと思う。

18 それじゃ、病院を変えればよいのだが、自由診療ならともかく、保険診療医に頼らざるを得ない現状では、無理っす。

19 自由診療と言えば、「免疫療法」や「代替療法」があるが、近藤医師は全否定する。統計的に有意な結果が出てないからだ。

20 丸山ワクチンも同じ理由で、完全否定。「インチキ」と断定する。長年、丸山ワクチンを使用し続けている、インタヴュアーを前に、そこまで言う?と驚愕したが、「近藤先生のオピニオンだから」と平然と受けながす、この人もなかなかの人物だと思う。しかし、自分には無理っす。「自分で考える」なんて、このレベルの人しか無理なのではないか。

21 「免疫療法」といえば、近藤医師は、保険適用の「プラシーボ」の危険性を警告する。この薬を使い続けている、と公言している(自由診療で年間数百万かかる)森永卓郎氏はどうするんだろう。

22 自由診療で標準治療と免疫療法の併用を勧める医師に対しては、「詐欺師」「裏切者」とまで非難する。私の地元の「免疫療法」の病院はみんなそうなんだけれど。どうせ私には無縁の話だが。

23 ということで、結局、「自分で考え、自分で決めろ」ということらしい。じゃ、そうしますわ、と考えて、外来に向かった。それについては、次回にします。

以上、伊藤睦月筆

 

 

伊藤 投稿日:2025/01/16 14:31

【197】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(11):準備(3)近藤誠医師の本を読んでみる(その1)

伊藤睦月です。

1 ネットで病院のHPをいくつか見た後、近藤誠医師(1948-2022)の本を読んでみた。アマゾンの電子書籍で「がん患者よ近藤誠を疑え」を購入した。これを読んだ私の感想を書く。退院後、紙の本も購入したが、あえて、参照しない。当時の私が、この本のどこを読み、どう受け取り、考え、決断したかを書く。誤読したならそれをそのまま、記した方が、良いと考えている。

2 『がん患者よ近藤誠を疑え』(日本文芸社)という、タイトルが気に入った。「疑え」とは、なんて素敵な言葉だろう。昔、副島先生も「すべてを疑え、まず副島隆彦を疑え」とよく言われていたな。近藤医師の本は、これまで十数冊出ていて、この本の初版は、2016年。少し前だが、まあいいだろう。

3 この本は、大腸がん患者で切除手術後、アフターの抗がん剤療法を拒否して、丸山ワクチンを十年以上続けている、というジャーナリストによるインタヴュー記事がベースとなっている。これも読みやすく、素人にもよいのではないか。

4 以上のようなことを考えて、読み始めた。私の理解内容は大体以下のとおり。

4-(1)大前提として、がんは治らない、と認識。他の医師は「治る」ということを前提にしているが、間違い。

4-(2)がんには治るがんと治らないがんがある。

4-(3)治らないがんは、転移するがん。どんなことをしても、転移し、進行する。治療するだけ無駄。寿命を縮めるだけ。

4-(4)治るがんは、がんもどき。転移しないし、何も悪さしないし、治療しなくてもなんら支障がない。

4-(5)本物のがんかそうでないかは、事前にはわからない。自覚症状が出れば、がん。自覚症状が出ないのに検査でわかるがんは、がんもどきの可能性が高い。

4-(6)だから、「がんは治療するな」、放置療法を勧めるゆえん。

 伊藤睦月です。「がんは治らない」という基本認識を明言しているところが、近藤理論の特色。他の医師は「治る」という前提で話をする。もしくは、そう断定せずににおわせて説得する。逆に「治療しないとがんが再発しますよ」と言って、抗がん剤治療を勧める。(実際、他の患者にそう説得しているのを見聞した。大部屋だとよく聞こえるのです。

5 以上のことから、大事なことは「検査をするな」「検査をして疑いが出れば、説得される」

6 もし、検査して治療を勧められたら、「黙って去れ、連絡を取るな。うっかり反論すると逆に説得される」

確かにそんなやりとりを聞いたことがある。私には穏やかだった先生がああも高圧的な口ぶりになるのか。

もちろん、主治医は、良かれともって、使命感を持って情熱的に説得しているのだろう。だから余計きついし、断りにくい、私だったらずるずる説得されるだろうな。

7 近藤医師は、放射線治療のベテランだったそうだ。しかし、放射線をいくら浴びせても、転移してしまう患者に遭遇。しかし、患者の方から、もっと強力な治療を希望してくる。それに耐えられなくなって、患者にあなたはもう治らない、もう治療は無駄だからやめて、残り少ない人生を過ごした方がよい、と通告(告白か)。するとその患者は、怒るどころか、「やっと本当のことを言ってくれた。ありがとう」と言って安らかに旅立ったそうだ。それから、近藤医師は、周囲の反対を押し切って、すべて正確に伝えることにしたそうだ。1980年代のこと。今では近藤方式が標準になっている。彼は筋金入りのドクターだと思った。

小休止、伊藤睦月筆