近代医学・医療掲示板


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伊藤 投稿日:2025/01/21 10:12

【203】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(16)最初の検査入院(2)

伊東睦月です。続き。

⑦入院してから間もなく、病院内にある「患者図書室」の司書さんと知り合いになった。この図書室は、入院患者の読み終わった本を寄付してもらうことで成り立っている。小説類とがん関係本が多い。藤河るり氏の漫画本もあった。(漫画は原則おいてないが、例外もあった)

⑧寄付本が中心のため、古い本が多く、近刊書やベストセラー、子供向けの本があまりない。スタッフに聞くと、そういった本は市立図書館にリクエストしているが、なかなか回ってこないそうだ。そうだろう。

⑨そこで、外出許可が出たとき、自宅に残っていた、ヨシタケシンスケの絵本や、図鑑、一般向け気象本など適当にみつくろって、持って言ったら、大変喜ばれた。

⑩後日のことだが、がんで入院している小学5年生の男の子が、さっそく気象本を借りていったという。夏休みの自由研究にするそうだ。入院していると窓から雲しか見れない。毎日眺める雲の変化を観察日記にまとめるそうだ。ヨシタケシンスケの絵本も子供から大人まで大変人気があるそうだ。市立図書館にリクエストを出しても、数か月待ちなんです。そうですか。まにあってよかったですね、とは口にはださなかったが、少しうれしくなった。それから、売店(コンビニ)で買った小説本(西村京太郎とか、東野圭吾とか、ミステリーが多かった)を読み終わると図書館に寄付した。

2 ホテル並みに設備が充実していた。

2-(1)入院したのは、4人部屋だった。2人部屋とか個室だと、一泊8千~2万円の差額ベッド代がかかるので、大部屋一択だった。(意外と個室が人気で、順番待ちらしい。みんな余裕ありますなあ)

2-(2)コロナ前は6人部屋だったと思う。居住スペースは、カーテンで仕切られていてかなりスペースに余裕があった。藤河本に書いてあるとおりだった。

2-(3)同室の隣人の声が丸聞こえなのには閉口したが、医師や家族とのやりとりも聞こえてなかなか感慨深かった。出会い頭に挨拶をすることはあったが、それ以外お互い話さない。むしろ、患者ロビー(デールーム)で会う、他の病室の患者さん(大抵、年上のご婦人)とよく話した。

2-(4)同室の人たちは、2日~7日くらいで入れ替わった。手術をした人は、手術室から、集中治療室に移され、そのまま戻って来ない。抗ガン剤治療をした人は、いったん戻ってきて、3日ほどで退院した。あとは、通院で治療を続けるようだ。私のように、1か月も同じ部屋にいるのはこの病棟では珍しいらしい。いつの間にか空気みたいになっていた。

小休止

伊藤睦月筆

 

 

伊藤 投稿日:2025/01/21 09:22

【202】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(15)最初の検査入院(1)

伊藤睦月です。前回の続き。

1 がん専門病院に入院したときに、気づいたことをいくつか。

1-(1)周りは、がん患者ばかりだった。

①あたりまえと言われるかもしれないが、病院内は

がん患者、すぐにそれとわかるような人達が、たむろしていた。

②最初の総合病院も、「地域がん相談センター」を設置しているくらいだから、受診しているがん患者はいるはずだが、あまり目立たなかった。

③特に毛糸の帽子をかぶっている人が目立った。抗ガン剤の副作用で、頭髪が抜けている。近藤本で、抗がん剤を使用すれば、おしまい、と思っていたが、「意外と生きてるじゃん」と正直思った。少し気が楽になった。

④患者は、大半は私より年上、70歳は過ぎている印象。後日の観察では、私と同年代も意外といた。がん治療を受けると、見た目老けるらしい。車いすに乗っている人が目立った。

⑤30,40の現役世代もいた。家族が付き添っていて、明るくふるまっている。

小休止。伊藤睦月筆

⑥10歳前後の子供もいた。体に点滴の針を刺して、台車を動かしながら、売店でお菓子を選んでいる。毛糸の帽子を見ると、さすがに胸が詰まった。

 

 

 

 

 

 

伊藤 投稿日:2025/01/19 09:23

【201】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(14)転院

伊藤睦月です。

1 がん専門総合病院に転院して、最初の診察。今までの経過について、主治医による、確認の問診の後、胸部・腹部レントゲン、造影剤を入れてのCTスキャン、病院専属の糖尿病専門医の診察、問診の後、再度主治医との診察、面談があった。これまで、医師はすべて女性だった。

2 主治医の説明はおおむね以下の通り。

(1)伊藤さんの胃には、胃がんはみつからなかった。

(2)リンパの腫れは見られる。

(3)最初の病院は、スキルル胃がんのリンパ転移、という診断だったが、逆に悪性リンパ腫が胃に転移したのではないか、と考えられる。

(4)そのため、胃部ではなく、リンパ腺の組織を採って、検査したい。

(5)一週間ほど入院してもらうことになる。

(6)但し、検査の担当科は、泌尿器科になる。採取個所が、大動脈あたり、腎臓付近なので、当科(消化器外科)では、器具を下腹膜に通していくので、遠回りになる。泌尿器科の方がショートカットでき、リスクが少ない。

以上のことを、畳みかけるように、話された。

3 私は、結局は、入院検査に同意したが、それに際して、次のようなことを話した。

(1)転院を希望した理由は最初の病院の説明に不安を感じたから。

(2)セカンドオピニオンでは、追加検査ができない、と聞いたので、転院を決意した。

(3)まず、私の「がん」の正体をみきわめたい。そのために、徹底的に検査してもらいたい。

(4)そのうえで、治療法のベストチョイスを提案してもらいたい。

 伊藤睦月です。近藤医師の本には、検査はしてはいけない、と書いてあったが、ここまでくれば、検査を徹底してもらいたかった。がんの、種類、程度、発症場所、転移状況、など徹底して知りたかった。職場にカミングアウトした結果、来年度の、嘱託契約が更新されなくなり、私の生活設計も狂ってしまった。検査を徹底することによって、治療の確度を上げることもあるが、手術や抗がん剤投与を、できるだけ先延ばししたかった。近藤本を信じるなら、治療に移れば、オシマイ、と思っていた。

(5)主治医は、意志が固そうな、やり投げのメダリストのような風貌(愛想はなかった。しかし、かえって信頼できそう)の女性、だったが、私の訴えをいちいちうなずきながら聞き、そうですね。最近は抗がん剤も細分化されているから、最も適切なものを選ばないといけません。そのためにも、しっかり検査しましょう、と言った。傍らには、部屋付きの女性看護師が2人。一人は私の顔をみていちいちうなずいてばかりいた。もう一人はパソコンに向かってひたすら、キーボードをたたいていた。

(6)その日のうちに、泌尿器科の外来に回され、医師の診察を受けた。医師は男性で、頑丈そうなガタイで、声は大きくて、ガハハ、という感じ。入院日を決めた。仕事のスケジュールの都合で、6週間後になった。こんなに引き延して大丈夫か。余命4か月の3か月は使ってるぞ。

(7)その医師は、血糖値が高すぎる、(ヘモグロビンA1Cが、11あった。7以下もしくは、食後血糖値を200以下にしないと手術ができないらしい)血糖値コントロールが必要。検査入院自体は長くて1週間だそうだ。糖尿病の管理については、かかりつけ医の指示に従うよういわれた。

(8)引き続き、入院予約手続き、オリエンテーションを済ませた。その日のうちに、かかりつけ医を受診。がん専門病院の方針で行くことを確認し、インスリンの投与量が倍増した。

(9)6週間後、入院した。血糖値コントロールに4週間かかり、検査手術後1週間で退院した。8月に入っていた。余命4か月は過ぎていた。しかし、医師、看護師だれも、そのことを、話題にすらしなかった。

小休止、伊藤睦月筆

 

 

伊藤 投稿日:2025/01/18 08:50

【200】訂正

伊藤睦月です。下記2014年寛解→2024年、でした。

伊藤睦月拝

伊藤 投稿日:2025/01/18 08:46

【199】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(13):準備(5)近藤誠医師の本を読んでみる(その3)

伊藤睦月です。続き。

1 近藤医師のほかに、代替医療・民間医療(食事、温熱、サプリ)勧める医師や元患者の体験記をいくつか読んだ。

2 医師の本で共通していたのは、

(1)標準治療が効かない、患者の求めに応じて、治療を続け、その呵責に耐えられなくなって、病院等をやめ、ほかの治療を勧めることにしたこと。

(2)がんは、「治る」「克服できる」「向き合う」「つきあう」と考えているらしい。

3 元患者の体験記に共通しているものとして、

(1)最初は標準治療(切除手術、抗がん剤)を受け入れていること。

(2)術後のアフターとしての、追加手術や抗がん剤を拒否していること。

(3)医者が患者だった場合は、トラブルはない(という風に書かれている)が、医者でない場合は、ひと悶着あって、けんか別れになっていること。

そして、両者に共通しているのは、2010年~2017年に本になっている。いずれも、最初の治療から10年以上、生存していること。であった。つまり、2000年~2007年の医療で施術されている。(偶然かもしれない)

4 伊藤睦月です。この時期は野球監督が手術を受けた時期。切開手術が主流だった時期で、その後の治療技術の発展があるのではないか、と思った(今では少し考えが変わっている)

5 また、この10年間で、保険適用となる抗がん剤の酒類も、10以上増えており、期待できるのでは。

6 免疫療法が一部保険適用(プラシーボ)となり始めており、(発明者がノーベル賞受賞したのが契機)、自己負担も当初、数百万だったのが、百万を切るようになって、近い将来、種類と負担軽減が進行していくのではないか。

(そうであれば、慌てて治療しなくてもよいのでは・・・)

7 近藤医師の本のほかに、参考になったのは、藤河るり『元気になるシカ!』というマンガエッセイである。

8 この本は、2014年に子宮がんを発症、全摘手術、アフター抗がん剤投与、経過観察で、2014年時点で発病せず、「寛解」(がんでは、治癒したとはいわないらし)したいう。2015年にその経過や思い等を4コマ漫画風につづった、初版が出て、続編と続き、現在では、SNSで状況を発信している。奈良県出身だからか、自らをシカのキャラになぞらえいる。

9 この本が気に入った理由は、

(1)2014年手術という、現状では、治療法、治療器具、医薬品など、最新の情報であること。実際この本の通りだった。(今では、開腹はあまりしないようだ)

(2)漫画なので、写真や文章単体よりも、かえって印象に残り、わかりやすい。

(3)漫画家らしい、きめ細かい観察、微妙な感情表現も、シカキャラのおかげで重くならない。

最初電子書籍で買い、入院中に紙の本も買った。現状では一番のオススメ。

寄り道した。がん専門病院の外来の様子は、次回から。

伊藤睦月筆

 

伊藤 投稿日:2025/01/17 10:34

【198】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(12):準備(4)近藤誠医師の本を読んでみる(その2)

伊藤睦月です。前回の続き

8 近藤医師は、「早期発見、早期治療」に懐疑的だ。早くがんが見つかれば、早く治るものではない。むしろ藪蛇だと言う。

9 また、余命4か月というのは根拠がない、昔はステージ4は余命3か月と言っていたけど、死ななくなったので、4か月としているだけ。

10 5年生存率も統計学的に意味のある数字ではない。治療5年後に半分が生き残っている確率を指しているだけ。

11 標準治療も全部だめ。手術は身体的負担が重すぎる。(だから、乳がん保存術を提唱し、今では標準となっている。ほかのがん手術は命を縮めるだけ)

12 抗がん剤は猛毒なのでもってのほか。自殺行為だ。

13 放射線は、部位によっては有効(ん?点が甘いぞ)しかし、日本の放射線照射スキルで、自分(近藤)ほどのレベルはいないので、危険。

などと、がん検査、標準治療をめった切りにしておいて、近藤のいうことをうのみにするな。統計データで判断せよ。最後は自分で決めろ。

14 伊藤睦月です。近藤センセイ、無理っす。がんと宣告されて動揺しているところに、専門家がたたみかけてくる、素人が抵抗できるものか。

15 だから、結局は検査しない、治療しない、黙って逃げ出す。こういうことができる人が何人いるのか。近藤医師の意見はすべて正しいが、ただ、無理っす。(近藤医師は、自覚症状が出るとアウトだから、「放置」する前に、ホスピスと事前契約しておきなさい、という。ごもっともだが、そんな病院、どこにあるの?教えていただく前に、近藤先生は旅立たれてしまった・・・・(2022年心不全で永眠)

16 生前の近藤医師と親交があった、和田秀樹医師(老人医療の専門家、我々世代には、受験の神様、で有名)は、経験上、老衰でなくなる老人の3分の1は死後、がんが見つかる。だから、がんにあまり神経質にならない方がよい。自分(和田)は高血圧、高血糖のコントロールはしているが、がんと宣告されたら何もしない、と自著(『どうせ死ぬんだから』だったと思う)で主張している。これも正論だが、無理っす。

17 和田医師は自分で処方箋が書けるからよいけど、我々はできない。医者から、検査・治療を勧められたら、抵抗するのはむつかしいと思う。

18 それじゃ、病院を変えればよいのだが、自由診療ならともかく、保険診療医に頼らざるを得ない現状では、無理っす。

19 自由診療と言えば、「免疫療法」や「代替療法」があるが、近藤医師は全否定する。統計的に有意な結果が出てないからだ。

20 丸山ワクチンも同じ理由で、完全否定。「インチキ」と断定する。長年、丸山ワクチンを使用し続けている、インタヴュアーを前に、そこまで言う?と驚愕したが、「近藤先生のオピニオンだから」と平然と受けながす、この人もなかなかの人物だと思う。しかし、自分には無理っす。「自分で考える」なんて、このレベルの人しか無理なのではないか。

21 「免疫療法」といえば、近藤医師は、保険適用の「プラシーボ」の危険性を警告する。この薬を使い続けている、と公言している(自由診療で年間数百万かかる)森永卓郎氏はどうするんだろう。

22 自由診療で標準治療と免疫療法の併用を勧める医師に対しては、「詐欺師」「裏切者」とまで非難する。私の地元の「免疫療法」の病院はみんなそうなんだけれど。どうせ私には無縁の話だが。

23 ということで、結局、「自分で考え、自分で決めろ」ということらしい。じゃ、そうしますわ、と考えて、外来に向かった。それについては、次回にします。

以上、伊藤睦月筆

 

 

伊藤 投稿日:2025/01/16 14:31

【197】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(11):準備(3)近藤誠医師の本を読んでみる(その1)

伊藤睦月です。

1 ネットで病院のHPをいくつか見た後、近藤誠医師(1948-2022)の本を読んでみた。アマゾンの電子書籍で「がん患者よ近藤誠を疑え」を購入した。これを読んだ私の感想を書く。退院後、紙の本も購入したが、あえて、参照しない。当時の私が、この本のどこを読み、どう受け取り、考え、決断したかを書く。誤読したならそれをそのまま、記した方が、良いと考えている。

2 『がん患者よ近藤誠を疑え』(日本文芸社)という、タイトルが気に入った。「疑え」とは、なんて素敵な言葉だろう。昔、副島先生も「すべてを疑え、まず副島隆彦を疑え」とよく言われていたな。近藤医師の本は、これまで十数冊出ていて、この本の初版は、2016年。少し前だが、まあいいだろう。

3 この本は、大腸がん患者で切除手術後、アフターの抗がん剤療法を拒否して、丸山ワクチンを十年以上続けている、というジャーナリストによるインタヴュー記事がベースとなっている。これも読みやすく、素人にもよいのではないか。

4 以上のようなことを考えて、読み始めた。私の理解内容は大体以下のとおり。

4-(1)大前提として、がんは治らない、と認識。他の医師は「治る」ということを前提にしているが、間違い。

4-(2)がんには治るがんと治らないがんがある。

4-(3)治らないがんは、転移するがん。どんなことをしても、転移し、進行する。治療するだけ無駄。寿命を縮めるだけ。

4-(4)治るがんは、がんもどき。転移しないし、何も悪さしないし、治療しなくてもなんら支障がない。

4-(5)本物のがんかそうでないかは、事前にはわからない。自覚症状が出れば、がん。自覚症状が出ないのに検査でわかるがんは、がんもどきの可能性が高い。

4-(6)だから、「がんは治療するな」、放置療法を勧めるゆえん。

 伊藤睦月です。「がんは治らない」という基本認識を明言しているところが、近藤理論の特色。他の医師は「治る」という前提で話をする。もしくは、そう断定せずににおわせて説得する。逆に「治療しないとがんが再発しますよ」と言って、抗がん剤治療を勧める。(実際、他の患者にそう説得しているのを見聞した。大部屋だとよく聞こえるのです。

5 以上のことから、大事なことは「検査をするな」「検査をして疑いが出れば、説得される」

6 もし、検査して治療を勧められたら、「黙って去れ、連絡を取るな。うっかり反論すると逆に説得される」

確かにそんなやりとりを聞いたことがある。私には穏やかだった先生がああも高圧的な口ぶりになるのか。

もちろん、主治医は、良かれともって、使命感を持って情熱的に説得しているのだろう。だから余計きついし、断りにくい、私だったらずるずる説得されるだろうな。

7 近藤医師は、放射線治療のベテランだったそうだ。しかし、放射線をいくら浴びせても、転移してしまう患者に遭遇。しかし、患者の方から、もっと強力な治療を希望してくる。それに耐えられなくなって、患者にあなたはもう治らない、もう治療は無駄だからやめて、残り少ない人生を過ごした方がよい、と通告(告白か)。するとその患者は、怒るどころか、「やっと本当のことを言ってくれた。ありがとう」と言って安らかに旅立ったそうだ。それから、近藤医師は、周囲の反対を押し切って、すべて正確に伝えることにしたそうだ。1980年代のこと。今では近藤方式が標準になっている。彼は筋金入りのドクターだと思った。

小休止、伊藤睦月筆 

 

 

 

 

伊藤 投稿日:2025/01/15 09:10

【196】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(10):準備(2)蔵書の整理を学問道場にお願いする。

伊藤睦月です。前回の続き

1 後心残りは、蔵書たちのこと。

1-(1)学問道場に参加するようになってから、20年、関連の和洋の学術書や一般書、もちろん副島先生、小室直樹、山本七平の著書など、200冊あまり。一時期は2000冊を越え、自宅の床が落ちそうになったこともあった。

1-(2)独居生活の際、200冊に絞って、持ってきたが(ほかはブックオフ送りになった。購入時は1冊数千円~万単位だった本も、ブックオフに係ると全部で数万円にしかならなかった。それでも、余命4か月には多すぎる。

1-(3)そこで、ダメもとで、学問道場にメールして、私の病状報告とともに、蔵書の引き取りを打診した。20年ぶりのメールで少し不安だったが、断られたり、無視されたら、そのときは、ブックオフに送ろう。

2 副島先生からメールをいただく。

2-(1)返事は、翌日には来た。古村さんからだ。20年前のスタッフさんは、いないようだ。副島先生に転送されており、引き取りを快諾された。

ただ、事務所スペースの関係で、分量の目安を知らせてほしいとのこと。すぐに知らせた。また、副島先生の意向で、会員復活となった。会員番号も当時のまま。私のために作ってくださっていた、「辣腕公務員掲示板」もそのまま。数日中に蔵書(ゆうパックの中サイズで7箱)を発送した。

2-(2)副島先生から、長文のメールをいただいた。何度も何度も読んだ。先生から「10月に福岡の講演会で会おう」と言ってくださったが、4月時点で余命4か月。会えるかなあ。、間に合うかなあ。という思いしかなかった。

2-(3)後日、10月時点で私はまだ生きていたが、検査手術の翌日だったので動けず、結局はお会いできなかった。でも、「副島激推し」としては、これで十分だ。「私淑」のだいご味を味わっている。

2-(4)その後の蔵書だが、現在、私のワンルームマンションは本であふれている。寝るスペース確保がやっとだ。その後、ふじむら掲示板への投稿をする資料として、購入していたら、整理前よりもあふれかえってしまった。誰から頼まれたわけでもない。自業自得だ。これでは、当分処分できそうにないな。やれやれ。

以上、準備の話でもう少し書きます。

伊藤睦月筆

 

 

 

伊藤 投稿日:2025/01/14 16:45

【195】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(9):準備(1)「終活」をする。

伊藤睦月です。

1 がん専門病院への外来の前に、しておくことがあった。いわゆる終活。入院・手術となれば、万が一のこともあるし、その後の抗がん剤治療もある。転院してもがんのあるなしの判断は変わらないだろう。いつの間にかそう思い込んでいた。

2 終活、とっても子供たちに残す財産はない。葬式代程度の生命保険があるくらい。むしろマイナスの方が多いかもしれない。だからと言って、何も言わずに死んでしまっては申し訳ない。

3 そこで、死んでからの初手続きについて、メモを作った。前年に実母と実弟が亡くなって、各種手続きを行ったので、その時の記憶をもとにメモを作った。

4 項目としては、

(1)マイナンバーカードの、パスワード

(2)スマホのピンコード

(3)預金口座の暗証番号(残高確認。正規手続きをしようとするとかなりややこしい)

※金融機関に死亡届を出すとその瞬間、預金が凍結される(マイナンバー登録している口座はすべて)支払いのめどがついてから、届けるのが賢い。

(4)サブスクの暗証番号

(5)公共料金の顧客番号

(6)生命保険等の顧客番号(これとマイナンバーがあれば、証書がなくても請求できる)

(7)葬儀社の指定(小さなお葬式、家族葬プランを、オプションの指定)

※葬儀は、いわゆる葬儀屋に払うものとは別に火葬屋に払うものがある。通常の「葬儀費用」とは、葬儀屋に払う費用のこと。それ以外に火葬場に払うものがある。地域によって、違う。例えば東京では、火葬場は民営で、骨つぼとか指定(つまり彼らから購入しなければならない)してあったりする。葬儀屋にあれこれ聞いたら良い。葬儀屋の支払いはクレジット払いができるが、火葬場は現金払いが原則。意外と盲点。お金に余裕がないなら、なりふり構わず聞くしかない。

(8)それ以外の注意事項

(9)一般論的には、市販のガイドブックに大体書いてあるので、1冊は読んでおくこと。

(10)相続放棄の手続きのポイント(アトランダム)

①まず、所管地方裁判所に、「期間延期申請」をする。(これは、ガイドブックには載っていない)

②通常、死亡後3か月だが、「被相続人の債務調査」という理由で、3か月なら無条件に延長できる。それ以上なら具体的な理由が必要みたいだ。

③その間、遺産等整理をして、負債が資産を上回れば、放棄の手続きをすればよい。なければそのままにして期間が過ぎるのを待つ。

④手続きは司法書士や弁護士に頼めばやってくれるが、有料。裁判所職員に相談すれば、無料でいろいろ教えてくれる。申請書には、書き方の注意点まで書いてある。

⑤これに限らず、役所系は、手続き完了まで、1か月くらい、かかるので、すぐに相談に行く。

(12)その他。

⑥年金関係(社会保険事務所)も同様。早めに動く。

⑦役所関係の手続きは、まず、葬式が終わったら、市区役所の窓口にすぐに行くこと。受付部署を含め、いろいろアドバイスしてくれる。ぼんやりしている暇はない。

⑧相続放棄の可能性があるなら、早めに相談するのがよい。司法書士や弁護士に依頼するかどうかは、自分で調べてから、判断すること。

⑨例えば、相続財産になるものとならないものがある。(金額の多寡ではない)うっかり受け取ると相続したものとみなされ、放棄できない場合がある。

⑩きょうだいなど、相続人が複数あると、一人だけ放棄すると、他の相続人が被ることになるので、そこは、関係者全員で手続きが必要。そういう細かい話も、裁判所職員に相談する。裁判所の彼らは教えたくてうずうずしている人が多い。下手(したて)に出てうまく教えてもらうとよい。

⑪ あ、それから、郵便局への転送届。用紙は窓口にある。窓口で手続きするのは、本人でないとできないので(亡くなっているのでできない)、本人名義で、指定の住所に、郵送で依頼するのが、コツ(葬儀屋からおしえてもらった。弁護士などがやっているそうだ。彼らは正規だと思う)請求書など、1年間は、指定の住所に届く。ガッツな悪知恵。

以上、アトランダムに書いた。特にスマホのピンコードは盲点。恥ずかしい動画の視聴がばれるかもしれないが、どうせ死んだ後だ。かまうものか。

もちろん、お金に余裕のある人は、弁護士任せにするとよいが、一応勉強はしておいた方がよい。後見人とかが絡んでいる場合は、素人では間違えやすいので、専門家に任せるのが、吉。いずれにしても、やることが多い。嘆き悲しむのは、手続きがすべて終わってからでよい。1周忌が目途。

以上、伊藤睦月筆

 

 

伊藤 投稿日:2025/01/14 11:53

【194】副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(8)予習(2):「セカンドピニオン」より「転院」を選ぶ

伊藤睦月です。前回の続き

1 がん専門病院のホームページを読んでみる。

1-(1)最初の病院でがんの診断を受けた時点で、職場にカミングアウトした。この先不定期に休みそうだし、入院したら、いつ退院になるかもわからない。

1-(2)2023年から1年更新の嘱託契約になっていたので、来年の更新は無理、と判断して、早めにカミングアウトした。(今となっては、早まったか、と思うが、がんでないとわかる前に、後任がみつかってしまった。もう遅い、汗)

1-(3)職場や関係先にカミングアウトすると、実は、家族や知人ががん患者だった、と教えてくれた人が結構いた。

1-(4)そういった人の中に、地域の国立がん専門総合病院の受診を勧めてくれた人がいた。なんでも、知人の奥さんが、地元の病院で、がんと診断され、がん専門病院で検査したら、がんでないと判明したという。ダメもとで、セカンドオピニオンを受けてみたら、と言われた。少しその気になって、その病院のホームページを読んでみた。

2 がん専門病院への転院を決意する。

2-(1)がん専門病院というだけあって、最初の病院よりも充実していた。

①がん治療は、抗ガン剤が、主流。手術はよほど初期で根治の見込みがないとやらない。患者の身体への負担軽減が主な理由。

②最初の抗がん剤が効かないときは、他の抗がん剤、放射線治療を検討する。

③抗がん剤の副作用は避けられないが、副作用軽減を最優先で処置する。

④がんの種類によって、チーム(主治医、副主治医、研修医、関連医科、看護師、検査技師、療法士、栄養士など)」を作り、患者の情報を共有しながら、治療を進めていく。

(糖尿病を放置されることはないようだ。入院して分かったが、研修医まかせではほとんどなかった)

⑤ニューズウィークの世界のがん病院ランキングにも入っているそうだ。(海外に弱い私には刺さった)

⑤一番刺さったは、胃がんの年間手術件数が数十件あることだ。最初の病院はゼロだった。

⑥手術は結局は経験がものをいう。この病院は専属の医師が中心。最初の病院は、掛け持ちのようだった。こちらは、がんは「不治の病」と思っているから、あとは医師や病院を信頼できるかどうかだ。病院システムの面では、信頼できそうだ。医師とは相性が多分にある。

2-(2)セカンドオピニオンより転院。

①さらに、セカンドオピニオンだと、最初の病院からのデータのみを元に判断する。そして、元の病院に戻されるのが原則。

②がん専門病院で追加の検査をしたくても、原則できない。「転院」してその病院の「患者」になるしかない。

③制度の建前はどうあれ、最初の病院への不信、不安感から始まっているので、セカンドオピニオンの後、また、あの病院の医師たちと対峙するのは、申し訳ないが、遠慮したい。

④また、組織検査はその病院でやるのではなく、検査機関に依頼して、そこのスタッフが判断するようだ。ならば、がんのあるなしの判断は、変わらないのではないか。

⑤結局、セカンドオピニオンは、がんのあるなしでなく、治療法に関する、オプション呈示にとどまるのではないか。私が知りたいのは、がんであるかないか、その進行具合なのだ。そうなると「転院」するしかない、と思った。

2-(3)転院手続きを進めてもらう。

①消化器外科の外来の冒頭、手術日程を提案する、消化器外科の医師に、がん専門病院への転院を申し出たら、あっさりOKになった。

②むしろ、態度が変わった。慌ただしくなった。なんでもその病院への転院手続きは、患者でなく、病院側がしないといけないそうだ。

③入院後に知ったことだが、その病院は、前の病院のデータに自由にアクセスできるそうだ。いわば、がん治療のラスボスなので、転院元の病院は最大限協力の義務があるらしい。

④一方で、その病院でもダメ、となれば、自由診療の病院は別として、ホスピスを紹介されるようだ。

⑤待合室で、30分ほど待っていたら、外来日程が3週間後に決まった。手術を急ぐ、という割には、えらいゆっくりしているな、と正直思った。

小休止、以上伊藤睦月筆