「1941」 副島先生最新刊『目の前に迫り来る大暴落』(徳間書店)が7月1日に発売 2021年6月21日

 SNSI・副島隆彦の学問道場研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)です。今日は2021年6月21日です。

目の前に迫り来る大暴落

 2021年7月1日に発売になる、副島隆彦先生の最新刊『目の前に迫り来る大暴落』(徳間書店)を紹介します。以下にまえがき、目次、あとがきを掲載します。是非手に取ってお読みください。

 アメリカではガソリン価格をはじめとする物価の急騰によってインフレ圧力が高まっている。今年の5月には消費者物価指数(CPI、Consumer Price Index)が5%上昇した。以下のグラフをご覧ください。物価上昇について、以下に記事を貼り付けます。

アメリカの消費者物価指数の推移(1990-2021年)

(貼り付けはじめ)
●「米 4月消費者物価 12年7か月ぶりの高水準 インフレ圧力強まる」
   2021年5月13日   NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210513/k10013027321000.html

 金融市場で注目されたアメリカの先月の消費者物価は、前の年の同じ月と比べた上昇幅が4.2%と、12年7か月ぶりの高い水準を記録し、景気の回復に伴ってインフレ圧力が一段と強まっています。
 アメリカ労働省が12日発表した先月の消費者物価は前の年の同じ月と比べて4.2%上昇し、2008年9月以来、12年7か月ぶりの高い水準となりました。新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいた前年からの反動もありますが、前の月と比べても0.8%伸び、市場の予想を大きく上回りました。

項目別では、ガソリンが前年比で49.6%と大幅に伸びたほか、航空運賃が9.6%、家賃は2.1%、それぞれ上昇しました。アメリカでは、ワクチン接種の広がりや政府の経済対策を背景に景気が回復に向かい、幅広いモノやサービスの需要が高まっていて、これを反映してインフレ圧力が一段と強まった形です。
 金融市場では、FRB=連邦準備制度理事会が目安とする2%程度の物価上昇率を上回る状況が続けば大規模な金融緩和策が転換を迎えるという見方があり、今回の統計も注目されました。FRBのパウエル議長は、足元の物価上昇は一時的な現象だという認識を示していますが、アメリカの物価動向には当面、市場の関心の高い状況が続きそうです。

(貼り付け終わり)

古村治彦です。本日、2021年6月21日の東証の平均株価は、アメリカの利上げを警戒して、1000円以上の値下げを記録した。以下に今日の値動きのグラフを貼り付ける。

  2021年6月21日午前の日経平均株価の動き

以下に、ここ1カ月間のアメリカのダウ平均株価の推移のグラフを貼り付ける。既に下落傾向が出ている。

ここ1カ月間のダウ平均株価の推移

 『目の前に迫り来る大暴落』を是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

   まえがき    副島隆彦 

 金融商品はみんな紙クズになる

 本書は、タイトルの通り『目の前に迫り来る(金融の)大暴落』を予測して、その理由を説明する本だ。
 いよいよ株式と債券市場の暴落が、私たちの目の前に迫ってきた。この本が出た時、もしすでに暴落していたら、私はなんと言っていいか分かりません。それはそれで構かまいません。
 その次の暴落が来ますから(笑)。

 暴落が見えてきた。株は、ニューヨーク市場が3万4000ドルで、日経平均は3万円みたいな、大きな値上がりをしている。さらに株価はあと1回は上がりそうだ。「それなのに、なんでお前は暴落が来ると言うんだよ」と聞かれたら、私は何と答えるか。私はここで突っ張る。とても起こりそうもない「もうすぐ大暴落が来る」を、私は何がなんでも書いて、世の中に警告を発する。

 私は、「コロナワクチンの接種が進んで景気は回復に向かっている」と嘘(うそ)寒いことを言うのが大嫌いだ。景気は冷えきっている。多くの人々が、とくに飲食業の人たちは、職を失って、営業規制、「店を開くな」で商売を駄目にされて失業している。こんな悲惨な日本の現場で、それでも景気が回復している、などと言えるのか。だから、そんなことを言う(書く)人々に対して、私は反撃する。

「あなたみたいな、行け行けドンドンの人は、あっちに行ってください。私は相手にしません。自分たちだけ裏金を貰って、それを使って儲かってよかったですね。お仕合わせにどうぞ。このまま投資を続けて、そして、きっとまた騙(だま)されて大損をするでしょう。私の知ったことではありません」と言う。初めから、こういう捨て台詞を私は言う。

 本当はもう危ないんだ。金融市場は本当に危ない。今の金融市場はもうバブルだ。すでに世界はバブル経済 bubble economy に突入している。

 ヘンなコロナウイルス対策費や「コロナ給付金」でたくさんおカネが政府から下りるものだからバブルだ。と皆、知っている。分かっている。それなのに、「危険だ。ヘンな金融商品を買うのはやめなさい」と注意を促し警告を発する人がいない。

 少しはいる。しかしほんの少数の有識者だ。この希少の人たちはオズオズと、目立たないように「もうバブルだから危ない。ドルも株も債券も崩れますよ」と、コソコソと金融予測の文を書いている。
 しかし遠慮しながら実に小さく書いている。自分が所属する金融業界に公然と楯(たて)つくことはできないからだ。私はできる。

 いや。このバブルは崩れないかもしれない。このままもっともっと株は上がるかも。どうも、すぐにはハイパー・インフレイションは襲いかかって来そうにない。こんなに政府がお札(紙幣)と、債券(国債)を、ジャブジャブに刷り散らして、市場に撒いているのだから。

 新型コロナ対策で、また、アメリカ政府とFRBは、4月に、3回目で2500億ドル(25兆円)をstimulus packages(スティミュラス・パッケイジ、景気刺激策 )と称して国民全員に配った。これで米国民みんながひとり2500ドル(28万円)ずつもらった。企業や法人は数十万ドル(何千万円)だ。

 4回目が7月4日( fourth of July 独立記念日)に向けて、また2000億ドル(22兆円)とか出るだろう。国民は、政府から来るおカネを握り占めて、喜んでいる。
 英語でもCorona subsidy (コロナ給付金、コロナ・サブシディ)と言う。これで株やビットコインを買う。「キープ・フィスカル・レストレイント!」 ”Keep Fiscal Restraint! ”即ち「財政規律を守れ!」も何もあったものではない。

 去年までのトランプ政権の時には、1回目1500億ドル(15兆円)、2回目2000
億ドル(20兆円)を国民全員に配った。それを引き継いで、バイデン政権(この影の薄い大統領は本当にいるのか?)は、「トランプの政策は人気があった。だから私たちもこれを踏襲する」と宣言して、さらに続けてジャブジャブ・マネーをやっている。これで景気の腰折れを防いでいる。

 国民に配ったおカネの威力で、景気を持続させている。いったい、いつまでこんな「タダでおカネを国民に配れば、それで景気を維持できる」という、人騙しの、国民を麻薬漬けにする政策をやる気なのか。私には正気の沙汰とは思えない。

 そしてアメリカは今年の年末には5回目をやるだろう。日本のコロナ対策費も左に載せる。

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 目の前に迫り来る大暴落──[目次]

まえがき─2
金融商品はみんな紙クズになる─2

第1章 フェイクマネーに騙されるな
 株式市場でいよいよ暴落が始まった─16
 世界権力者たちはお札の大増発で金融危機を乗り切るつもり─18
 日本にコロナの死者はいないと断言する─21
 アルケゴス・ショックで野村證券がやられた─24
 上場していきなり12兆円の評価額となったコインベース─28
 〝デジタル・ゴールド〟がもてはやされはじめたが─33
 ビットコインはバブル化したあと崩れた─34
 テスラの株価とビットコインの価格は同じ形をしている─38
 テスラは中国の王岐山に救われた─48
 あっという間にトヨタの株式時価総額を抜いたテスラ─50
 「ビットコインは中国の金融兵器になる」─58
 ビッグテックが軍事技術に転用される─64
 世界大企業番付に今の経済の異常さが表れている─69
 金属の値段はどうなってゆくか─74
 金は1万円を超える!─77

第2章 コロナバブルは世界不況脱出の秘策か
 コロナ給付金でデフレ不況を脱出するという政策の愚かさ─88
 日本は世界一のデフレ国家のまま衰退しつつある─93
 2024年にハイパーインフレが襲い来る─96
 貨幣の秘密を暴いていたケインズとハイエク─109

第3章 インフレに脅える金融市場
 ヨーロッパ各国の金利が上がり始めた─118
 コロナで刷り散らした大借金は政府に隠されている─127
 長期金利がたった1%上がるだけで連邦政府は巨額の利払いに─132
 コロナはもうお役御免になりつつある─138
 コロナ騒動はトランプを落選させるために仕組まれた─140
 ハイイールド債は「ハイリスク・ノーリターン」商品だ─144

第4章 世界経済の余命はあと3年
 アルケゴス・ショックは金融大崩壊の前兆─154
 新手のデリバティブでもやり口は同じ─158
 SPAC(特別目的買取会社)は裏口上場の手口─165
 大地銀連合に動くソフトバンク・インベストメント─172
 デジタル人民元で中国は基軸通貨を狙う─174
 金融市場は客に損をさせて儲ける悪いやつらばかり─183
 インプライド金利を見ればあと3年で金融大爆発が起きる─188
 金持ちたちはすでに日本から逃げ出した─192
 ビットコインまで中国人が裏で握っている?─194
 金利が上がったらドル体制は一気に終わる─199

第5章 お金のことをバフェットに学ぶ
 ウォーレン・バフェットの信奉者たちへの最後の言葉─208
 バフェットの30年間の投資活動は正しかった─216
 バークシャー・ハサウェイもビックテックと一緒に没落する─228
 ビッグテックはやがて公共財産化される─232
 世界を支配しているエリートのワルたちに天罰が落ちる─239

第6章 アルケゴス・ショックから金融崩れが始まった
 アルケゴス・ショックが金融市場を震撼させた─248
 株式と債券の暴落が同時に起きる─259
 野村は破綻への坂道を下り始めた─261
 史上最大の金融詐欺師マドフが獄中で死去─268

あとがき─273

【特別付録】暴落したら買うべき株16銘柄─276

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 あとがき   副島隆彦

 この本で私が一番打ち込んだのは、次の課題だ。

 「困った時には政府はいくらでも赤字国債を発行し中央銀行にお金(紙幣)を発行させることができる」という経済政策 に、史上初めて気づいたのは、マネタリズム(お金中心の経済学)や貨幣数量説の提唱者(創立者)のアーヴィング・フィッシャー(P108で説明)ではなくて、それと大きく対立した2人の大(だい)経済学者の、ジョン・メイナード・ケインズ卿と、フリードリヒ・ハイエクであった。

 1930年の2人の往復書簡に、その証拠らしきものを私は発見した。この2人は、各々自分の『貨幣論』( お金について)で追求していた。

 貨幣(お金)そのものについて考えることを経済学者たちは嫌う。経済学者たちは、自分たちの神棚に飾っている「おカネそのもの」を研究することをタブー視している。
 貨幣論は景気循環論(サイクル仮説)と並んで、経済学の鬼っ子なのである。神そのものについて暴き立てるように論究することを、僧侶や聖職者が嫌がるのと同じだ。このことを本書第2章で書いた。

 こんなに際限なく、即ち、「糸目をつけず、どれだけでも出す」(黒田東彦日銀総裁発表。2020年4月27日)のコロナ経済対策費の「無制限緩和」(文字どおり、限度なしのジャブジャブ・マネー)をやっていたら、一体、国家とか社会はどういうことになるのだろう。

 私はたったひとりで恐れている。他の人たちは、こんな大きな問題で、いちいち悩む人はいない。「そういう難しい大きなことは、上(うえ)の方の偉い人たちが考えてくれればいいんだよ」で知らん顔である。

 国民ほぼ全員が申請してもらった(最低限度)のコロナ給付金の10万円が、口止め料であり、示談金であり、「これでお前ももう共犯者だからな」の黙らせ金(がね)であることに気づいている人は少ない。

 私は、たったひとりででも問い続ける。
こんなことを政府がやっていたら、やっぱり最後は、株式と債券市場の大暴落による金融市場の崩壊と、激しいインフレと、そして政府の財政破綻になるだろう。
 私は、たったひとりで孤立しながら、この自説にこだわり続ける。このことを考え続けて書き続けたので、頭痛で頭がわれるように痛い。しかし私はこの苦しみをやめるわけにはゆかない。

 本書の完成まで、3カ月間我慢強く、「私が日本国を守る」という、誇大妄想狂(こだいもうそうきょう。delusions of grandeur  デルージョンズ・オブ・グランジャー ) につき合ってくれた徳間書店の力石幸一氏に感謝申し上げる。
 
               2021年6月       副島隆彦 

(貼り付け終わり)

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