「1703」 『世界権力者図2018』(副島隆彦、中田安彦著、ビジネス社、2017年11月)が発売になります 古村治彦(ふるむらはるひこ)筆 2017年11月15日
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- 「1703」 『世界権力者図2018』(副島隆彦、中田安彦著、ビジネス社、2017年11月)が発売になります 古村治彦(ふるむらはるひこ)筆 2017年11月15日
SNSI・副島隆彦の学問道場研究員の古村治彦です。今日は2017年11月15日です。
本日は、2017年11月21日に発売となります『世界権力者図2018』(副島隆彦、中田安彦著、ビジネス社、2017年11月)を皆様にご紹介いたします。
本書は、『世界権力者 人物図鑑 世界と日本を動かす本当の支配者たち』(副島隆彦著、日本文芸社、2010年)から始まる「世界権力者図鑑」シリーズの最新版となります。これまでのシリーズと同じく、写真と解説文が掲載される形となっています。
第1章ではドナルド・トランプ大統領と政権、家族を中心に取り上げられています。第2章ではアメリカ以外の世界各国の最重要人物たち、第3章では中国の新たな最高指導部総「チャイナ・セヴン」が取り上げられています。
トランプの家族構成
G20の指導者たち
今年の後半は日本国内のニュースでも、世界情勢を伝えるニュースの量が特に増えた印象があります。今年の10月に中国共産党大会があり、新たな指導部が発足しました。また、11月初めにはイヴァンカ・トランプ来日、続いて、トランプ大統領夫妻の訪日から始まるアジア歴訪がありました。ニュース報道を通じて、世界の指導者たちの顔を見る機会が増えました。「この人はどんな人なんだろう?」「この人はどんな役割なんだろう?」という疑問や感想を持った方も多くおられると思います。本書『世界権力者図2018』は、そうした方に向けた本になっています。また、日本のメディアでは報道されないレアな情報や写真がたくさん掲載されているのも楽しいところです。
中国の新たな最高指導部
まえがき、目次、あとがきを掲載いたします。是非手に取ってお読みいただけますよう、宜しくお願い申し上げます。
(貼りつけはじめ)
はじめに
世界政治というと、なにか難しいことのように思える。だが国家も企業も、あらゆる組織・団体も結局はキーパーソンによって動かされている。その時代の精神を最も体現する人物が世界の最高権力者になるのだ。
2017年末現在で、世界の中心人物は、やはりアメリカ合衆国大統領のドナルド・J・トランプだろう。このド汚い大規模土建屋あがりの経営者で、テレビスターでもあったが、政治家の経験のない男が、世界最大の軍事国家でもある大国の指導者にのし上がった。このことで世界政治にとてつもない影響を現在進行の形で日々与えている。
第2次世界大戦後に成立した秩序に対抗して延々と積み重なった、アメリカの草の根大衆の「怒り」をうまく体現した人物が大統領になったのだ。トランプが出馬表明した2015年6月16日、あるいは彼が当選した2016年11月9日は、世界政治の大きな転換点であるだろう。
この変化に呼応して、世界中の指導者たちも、立ち位置を変えざるを得ない。世界のあと二つの中心は疑いもなく「中国」と「ロシア」だ。アメリカが世界単独覇権(はけん)を唱える時代は終わった。この三大国(G3)が世界を動かしていく。どこの国でも権力者というのは大衆や庶民からの支持や賞賛、あるいは嫉妬や嫌悪や激しい憎しみの対象である。これからは、娘のイヴァンカたちトランプ一族が大衆の嫉妬の視線に晒される。
前作までと同様に世界の大きな枠組みの「再編成(リアラインメント)」の主役たち122人を、グラビア写真集として、的確な説明文と真実を伝える生々しい人物写真のインパクトで伝える。これらの政治家たちは決して「闇の権力」などではない。権力ドラマを日々生きている生身の人間たちである。
2017年11月 中田安彦
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目次
はじめに 中田安彦 1
第1章│トランプ大統領とアメリカの終焉
ドナルド・トランプ
01 ● トランプ大統領の時代はずっと続く 6
イヴァンカ・トランプ
02 ● 娘が最強の側近政治 8
ジャレッド・クシュナー
03 ● ドンの娘婿クシュナーとユダヤネットワーク 10
ドナルド・トランプ・ジュニア エリック・トランプ
04 ● ロシア疑惑を切り返せるか 12
メラニア・トランプ マーラ・メープルズ イヴァナ・トランプ
05 ● 女ゴッデス神さまのようなファーストレディ 14
フレッド・トランプ
06 ● 白人移民たちが創った国の頂点に立つ 16
トランプのビジネス
07 ● ド汚いNニューヨークY実業界のドンがトランプ 18
解説 ● アメリカ合衆国と地元の有力者たち 20
マイク・ペンス
08 ● トランプが殺されたら大統領 22
スティーブン・ムニューシン ゲイリー・コーン ディナ・パウエル
09 ● やっぱり影響力を持つゴールドマン・サックス 24
スティーブ・バノン
10 ● 〝死神(ザ・デス)〞と呼ばれた民衆主義者(ポピュリスト)代表 26
スティーブン・ミラー
11 ● トランプ演説を書くゴリゴリの右翼 28
解説 ● 〝トランプ以降〞のアメリカ政治思想 30
ハーバート・マクマスター
12 ● ポピュリストと対立する軍人官僚 32
ジェームズ・マティス
13 ● 〝第2次朝鮮戦争〞に向かう〝狂マッドドッグ犬〞国防長官 34
ジョン・F・ケリー
14 ● トランプ大統領の最側近となった元海兵隊大将 36
マイク・ポンペオ ダン・コーツ マイク・ロジャース
15 ● 新CIA長官はトランプに忠実 38
レックス・ティラーソン
16 ● エネルギー外交が米外交戦略の要かなめ 40
ジョン・マケイン ニッキー・ヘイリー リンジー・グラハム マルコ・ルビオ
ヴィクトリア・ヌーランド
17 ● 反トランプの旗を掲げるネオコン派 42
ウィルバー・ロス ロバート・ライトハイザー ピーター・ナヴァロ
18 ● アメリカ通商政策の〝三悪人″ 44
サラ・ハッカビー・サンダース ホープ・ヒックス ショーン・スパイサー
アンソニー・スカラムッチ
19 ● ようやくまともに機能しはじめた広報チーム 46
ジェフ・セッションズ デイヴィッド・クラーク ジョー・アルパイオ
20 ● 「ロー・アンド・オーダー」を体現する人たち 48
ロバート・マーサー レベッカ・マーサー シェルドン・アデルソン トマス・バラック
21 ● トランプを支える泥どろ臭い財界人たち 50
ジェームズ・コミー ロバート・ムラー
22 ● フーヴァーになろうとした策士コミー 52
ルパート・マードック
23 ● FOXマードックがトランプを守る 54
チャールズ・コーク デイヴィッド・コーク
24 ● やっぱり権力を握れないリバータリアン勢力 56
解説 ● アメリカ議会のキーパーソンとトランプ政権の閣僚たち 58
デイヴィッド・ロックフェラー
25 ● ついに逝い った〝世界皇帝〞 60
スティーブン・シュワルツマン
26 ● 孫正義の親分はこの男だ 62
ジェローム・パウエル ケビン・ウォルシュ ジャネット・イエレン グレン・ハバード ジョン・テイラー
27 ● 次期FRB議長はハト派(金融緩和派) 64
エドワード・ルトワック ジョン・ハムレ マイケル・グリーン ジョセフ・ナイ リチャード・アーミテージ
28 ● 落ち目の「知ジャパン・ハンドラーズ日派」にまだすがる日本政府 66
ヒラリー・クリントン
29 ● 支持者も呆れたヒラリーの八つ当たり 68
第2章│アメリカと向き合う世界の権力者たち
ジャスティン・トルドー エンリケ・ペニャニエト
30 ● アメリカと長い国境線を持つ2国の指導者 72
ニコラ・マドゥロ ラウル・カストロ クリスティーナ・キルチネル マウリシオ・マクリ
31 ● 次の中国大救援まで衰退する南米民ポピュリスト衆主義者たち 74
エマニュエル・マクロン
32 ● フランスを立て直そうと貴公子ぶる男 76
アンゲラ・メルケル
33 ● 〝ヨマリア・テレジアーロッパ女帝〞はEUを牽引し続ける 78
テリーザ・メイ ボリス・ジョンソン ジェレミー・コービン
34 ● ブレクジット大失敗で「もうボリスに替われ」に 80
欧州極右政党の党首たち
35 ● 欧州に台頭する白ホワイト・シュプレマシー人優先勢力 82
エティエンヌ・ダヴィニオン ヴァーノン・ジョーダン ピーター・ティール
エリック・シュミット ジョン・エルカン アンリ・ド・キャストリ
36 ● ビルダーバーグ会議と欧州エリート財界人 84
ダヴィッド・ド・ロスチャイルド アレクサンドル・ド・ロスチャイルド バンジャマン・ド・ロスチャイルド
ジェイコブ・ロスチャイルド ナサニエル・フィリップ・ロスチャイルド イヴリン・ド・ロスチャイルド
37 ● 欧州ロスチャイルドファミリーの現在 86
ウラジーミル・プーチン ゲンナジー・ティムチェンコ キリル・シャマロフ
38 ● 〝イワン雷帝〞になったプーチン大統領 88
タイップ・エルドアン フェットフッラー・ギュレン
39 ● オスマン・トルコ帝国はロシア帝国に付いた 90
ムハンマド・ビン・サルマン サルマン・ビン・アブドルアジズ ムハンマド・ビン・ナエフ
40 ● 〝次のサウジ国王〞はまだちょっと経験不足 92
ハッサン・ロウハニ アリ・ハメネイ ガーセム・ソレイマーニー
41 ● 北朝鮮後4 の焦点は再び中東へ 94
ベンヤミン・ネタニヤフ
42 ● トランプ政権が重視するイスラエル 96
ロドリゴ・ドゥテルテ
43 ● 〝フィリピンのトランプ〞ドゥテルテ 98
ナレンドラ・モディ
44 ● ヒンドゥー教原理主義が台頭するインド 100
文在寅
45 ● 鈍重に構える韓国新政権 102
金正恩
46 ● 米中露が合同で〞北朝鮮処分〞を行う 104
第3章│〝次の世界覇権国〞中国の胎動
汪洋 韓正
47 ● 中国の新しい〝チャイナ・セブン〞 108
習近平
48 ● 次の世界皇帝は習近平ということだろう 110
李克強 秦宜智 胡春華 令計画
49 ● 李克強と共青団の将来は〝野党勢力″ 112
王滬寧 栗戦書 楊潔
50 ● 中国の外交戦略を動かす男たち 114
劉鶴
51 ● 中国の経済成長を今後も支える経済学者 116
陳敏爾 孫政才 蔡奇 応勇
52 ● 習近平派がまとめて台頭 118
王岐山 趙楽際
53 ● 中国人は親米派でもアメリカべったりはいない 120
金立群
54 ● 「一帯一路」構想とAIIBが突進する 122
房峰輝 李作成 韓衛国 丁来杭 沈金竜
55 ● 政界より先に嵐が吹き荒れた中国軍人事 124
おわりに 副島隆彦 126
索引
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おわりに
この「世界権力者 人物図鑑」シリーズは、2010年から始まった。前作(2013年)から4年が経過し、世界権力者の顔ぶれもだいぶ替わった。私は、このシリーズを出版する意義として、「日本人は、世界の主要な指導者たちの考えや行動を大きく理解することで、世界の全体像を掴まえる掴まえるべきだ」とした。ところが、日本人は世界情勢に興味を持たなくなっている。1年前のトランプ当選で日本人もアメリカという大国に関心を向けた。だがトランプ大統領がどういう思想の持ち主でどういう政治勢力を代表しているのかについて知ろうとしない。「北朝鮮の金正恩と同じような乱暴者」という程度の認識力しかない。アメリカに現れた最新型の政治勢力のことが理解できないのだ。日本のメディアもトランプ大統領が登場しても、全く報道姿勢は変わっていない。「この人本当に大丈夫なの」程度である。
世界は変動のさ中にある。先ごろ行われた中国共産党の5年に一度の党大会「19大(たい)」で、習近平が新しい陣容で自分の権力基盤を強固にした。ロシアでも来年、プーチンがまた大統領選挙に勝利するだろう。日本人はこの激流に飲み込まれないために、世界基準(world values ワールドヴァリューズ)の政治思想を勉強すべきだ。私は、「世界は、米中露の〝第2次ヤルタ会議体制〞に向っている」と考えている。
東アジア(かつて極東[ファーイースト]と言った)の一国である日本国の国民が、感性を研ぎ澄まして、この本に居並ぶ権力者たちの表情を凝視することで、これからの世界はどのような思想によって動かされていくのかを、大まかでいいから知るべきだ。本書が皆さんの政治知識の学習のお役に立つことを強く希望する。
2017年11月 副島隆彦
(貼りつけ終わり)
(終わり)
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