「1620」番  ” Lock Her Up ! ” 「 ヒラリーを逮捕せよ、 投獄せよ !」 の嵐が アメリカ全土でわき起こっている。 2016.8.11  副島隆彦記 

  • HOME
  • 「1620」番  ” Lock Her Up ! ” 「 ヒラリーを逮捕せよ、 投獄せよ !」 の嵐が アメリカ全土でわき起こっている。 2016.8.11  副島隆彦記 

副島隆彦です。  今日は、2016年8月11日です。

 夏の暑さで、頭がボーッとします。でも、クーラーは掛けないで、出来るだけ扇風機だけで、汗だらけになりながら生きていた方が、体にいい。 

 私は、高血圧症と頸椎(けいつい)と胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)の長年の使い過ぎ(経年=けいねん=劣化)で頭痛がするようになって(60歳になるまで頭痛がなかった。仕合わせだった)、それで仕事に障害が出るようになった。大工や肉体労働者が、筋肉を使い過ぎて、筋ジストロフィーなどの指定難病になるのと同じだろう。職業病だ。

 それでも頑張って自分の仕事( それは天帝=ティエンダイ=の命令で、自分に課された任務、天命)をまっとうするつもりだ。大事なことを箇条書きで書いてゆく。詳しくは、会員ページに書いて、逐一、載せてゆく。

1.弟子たちと半年掛けて編んだ研究書、「蕃書調所(ばんしょしらべしょ) 明治を創った幕府の天才たち」 が、ようやく終わった。この本は、9月中頃には出版になる。私が、弟子たちの論文に、真っ赤っ赤になるまで、赤ペン入れ(朱筆し)た。私も疲れ果てた。

 これで、何とか一章一章が、人様(ひとさま)に買って読んでいただけるだけの、優れた内容になった、と自信を持って言える。弟子たちの才能がどんどん、開きつつある。私にとって能力のある弟子たちを、一人ずつ、一人前の物書き、言論人に育てることは、どんなに忙しくてもやらなければ済まない、それこそ天命(ティエンメイ)だ。この本を、乞うご期待だ。 本当にびっくりするぐらい重要なことが、幕末と明治初に起きていたことが書かれています。

ヒラリー0810

2.私は、「ヒラリー 対 トランプ の 闘い」をずっと、追いかけている。この7月には、実にいろいろなことが次々と起きた。私が世界の大事件を、追いかけて、自分の脳(=思考力)で咀嚼(そしゃく)するだけでも、大変だった。

 一体、この7月1日から、世界で何が起きていたか、を分かることは、この秋からの世界の激動を知るための大事な土台だ。

 私は、「ヒラリーは、どうせ、(どの道)逮捕され、投獄されるのだ」と言い切る。なぜなら「犯罪の証拠が次々と明るみに出ている」から。もう隠し通すことは出来ない。行くところまでゆく。 私は、ヒラリーは逮捕される、の理由をずっと証拠の文献と記事をたくさん挙げながら書いて行く。

 この7月に次々と起きたことについて。

3.7月1日に、ロレッタ・リンチ米司法長官(=検事総長、黒人女)が、こともあろうに、利害関係人であるビル・クリントンと密かにアリゾナ州の空港の司法長官の専用機(へー。アメリカの高官は、こんなものを持っているのだ)でコソコソと会って話した。

ロレッタリンチ

ロレッタ・リンチ米司法長官

 これで、やがてリンチは(リンチに遭う、ギャクでは済まない )自分自身が捜査妨害、証拠隠滅(いんめつ)の罪で逮捕、起訴されるだろう。コーミーFBI長官の方は、首の皮一枚で、なんとか「職務を全うした」で逃げ切れるだろう。今、ロレッタ・リンチ司法長官(検事総長)は、司法省 ( Department of Justice デパートメント・オブ・ジャスティス) の中で、長官のくせに孤立して、部下の職員たちからの、大きな猜疑心と蔑(さげす)みの注目を浴びているだろう。  針の筵(むしろ)に座らされている。

 検察官たちのトップにいる者が、自ら犯罪に荷担し、証拠の隠滅、犯罪の立証を妨害する行動を取った、ということで、この黒人女は、今、激しい非難の嵐の中にいる。 司法省も、FBIも、それから、CIAでさえが、「ヒラリーメール問題=ベンガジ事件 」の再調査に入った。 一度、終了したと、宣言した調査(これは犯罪調査。インベツティゲイション invetigation だ)を再開したのだ。  
 
 米国務省の幹部たちが、怒り狂っている。自分たちに内緒で、秘密で、長官が、クリントン・ドット・コム Clinton com という自宅サーバー、およびドメインで、無防備に、ヒラリーが、機密が重要に保護されている国務省のアカウントを使わないで、女のバカ知恵、浅知恵( 女という生き物には、男が持つ、抽象力、観念=イデア、idea = がない。男は、女が子供を産む様子をじっと見ていて観念というものを生んだのだ。そのせいで、人類は不幸になったとも言える) で、いいかと思って、自分の手下の、配下の 国務省の下部組織である、CIAの特殊部隊、暗殺部隊、工作班をいいように使っていた。 それが、今もどんどんバレている。それがベンガジ事件だ。もう逃げられない。

 これを、日本の新聞では、意味不明のまま、「公務を私用メールで使った違法行為(規則違反)」などと書いている。書いている日本人の新聞記者たちが、その意味が分かっていない。

 何が公務で、何か私用メールなのか。 国務長官だったヒラリーが発信し、交信したメールはすべて公務である。私用(プライベット)メールなど無い。24時間、公務員である。 

 国務長官だったヒラリーは、どんな内容でも、誰にメールを書いても、それは、公務である。私人の、個人用のメールでした では済まない。  自分が殺した(2011年10月20日、5年前)アンマール・カダフィの亡霊が、怨霊(おんりょう)、死霊(しれい)が、ヒラリーにびっしりと 取り憑(つ)いて離れない。

7月5日に、「証拠不十分で、ヒラリー・クリントン氏 は、刑事起訴に値しない」と、コーミーFBI長官が、孤答申(warrant ワラント、おすすめ)を出すと、即座に、ロレッタ・リンチ司法長官が、「不起訴と決定する」と発表した。

すると、即座に、ドナルド・トランプが、「ヒラリーは、不起訴だそうだ。ロレッタ・リンチと、ビル・クリントンは、アリゾナ州の飛行場で、 孫とゴルフの話をしただけ、だそうだ。 この国の 政治体制は、腐っている,
不正に操作されている 」 ” the political system is rigged. ” と ツイッターして、演説でもわめいた。

 国務長官である ヒラリーの命令で、カダフィが殺されたあと、200億ドル(2.4兆円)相当のリビアの国家資産は、強奪された。そして、それらは、秘密協定で、シリアと北イラクに作られた、IS「イスラム国」とアル・ヌスラ戦線の 創設、運営費となった。それが、7万人の IS(アイエス) の 傭兵部隊の 給料とかになった。
とうことは、ヒラリーの命令で、アメリカ合衆国がやったことは、国家犯罪(state crime ステイト・クライム)である、ということだ。 さらには、アメリカは、犯罪国家 (crime state クライム・ステイト)だということだ。

 このことが、普通は証拠が出ない。証拠がなければ犯罪は成立しない。ところが、今回は、このバカ主婦ののいばりんぼ のお陰で、証拠が、ボロボロと出てきてしまっているのだ。 だから、ヒラリーは、犯罪者として、逮捕、投獄されなければいけないのだ、という 理屈になる。 この 理屈を、誰も説明しようしないから、日本では、私、副島隆彦が、行っているのだ。

 トランプは、はっきりと言った。 ” Hillary is the founder of IS. ”  「ヒラリー・イズ・ザ・ファウンダー・オブ・IS 」 と。 「ヒラリーは、IS(アイエス)の生みの親であり、創設者だ。 ヒラリーが、あの凶暴なISを作ったのだ」 と。 だから、ヒラリーを、刑務所に入れなければいけないのだ。

4.トランプ支持者たちは、全米の、どこの会場でも、毎日、「ヒラリーを逮捕せよ、投獄せよ」と怒号している。これは国民政党である 共和党の多数意思だ。 これが、” Lock Her Up ! Lock Her Up ! “ の大きな怒号である。 「ロック・ハー・アップ ! ロック・ハー・アップ !」とは、
「ヒラリーを逮捕せよ、投獄せよ」の大合唱 ( chants チャンツ) である。 

●共和党党大会(2016/07/19)
原題:Republican National Convention “LOCK HER UP” 7-19-16

「ニューズウイーク誌の日本版」では、このように書かれている。

(転載貼り付け始め)

 Fear and Loathing in Cleveland

「 クリーブランドでの共和党大会は、恐怖と脅(おび)えに満ちていた」

Newsweek Aug. 2 2016

・・・大会2日目、予備選から撤退したニュージャージー州知事のクリス・クリスティーが登壇した。彼はトランプへの支持もそこそこに、民主党の指名獲得を確実にしているヒラリー・クリントンを糾弾した。国務長官時代の私用メール問題について「模擬(もぎ)
裁判」を始めた。会場から「有罪!」 「牢屋にぶち込め!」と声が上がった。

・・・・同じ日、 ニューハンプシャー州下院議員のアル・バルダサロがラジオ番組に出演した。大使ら4人が死亡した2012年のリビア米領事館襲撃事件(=ベンガジ事件)について、当時、国務長官だったクリントンは、「国家反逆罪で銃殺されるべきだ」と言い放った。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。党大会は、こういう感じだったのだ。

 共和党だけではない。民主党の党大会でも、バーニー・サンダーズ支持派の各州の代議員(デレゲイツ)を中心にして、 “ Hillary for ✖ President ・・・ Prison “
「ヒラリーを大統領に、ではなくて、刑務所送りにしろ」とスローガンを掲げて、騒いでいる。 それが、今のアメリカ合衆国だ。


「ヒラリーを大統領(President)へ」ではなく
「ヒラリーを刑務所(Prison)へ」と書かれたTシャツ

「そんなことを言っているのは、副島隆彦だけだ。どうせ、ヒラリーが勝つんだよ」と、甘い考えで、生きている低脳(ていのう)たちは、自分たちは、グローバリスト(地球支配主義者)の手先をやっていれば、安泰だ、と思っている。 吠(ほ)え面(づら)をかくな、と、私、副島隆彦が書いたら、「副島、お前こそ、吠え面をかくなよ」と言うだろう。

 まあ、いいだろう。世界史の大きな転換点での大きな動き(歴史のダイナミズム)というものを測り間違いを私はしない。

サンダース支持者デモ1

●サンダースの支持者たちの ヒラリーに抗議するデモ


●民主党党大会初日(2016/07/25)、サンダース支持者による抗議。
※この様子はCNN、MSNBC等で流されなかった。
引用元:BernieSanders delegates now staging a walkout at DemsInPhilly after DNC threw their votes in the trash
https://twitter.com/true_pundit/status/758076994181537792

 以下に乗せる、たかが日本の日経新聞(経団連、農協と共に、大手町に大きな共同ビル、寄り合い所帯、を建てた)でも、次のような新聞記事を書いている。よーく読んでご覧なさい。 「集まった6千人以上の(トランプ)支持者は「クリントンを投獄しろ!」と連呼した」とはっきりと書いている。

(転載貼り付け始め)

「 11月本選へ舌戦開始 米大統領選、支持拮抗 」

2016年7月31日  日経新聞

 正式に大統領候補に指名された民主党のヒラリー・クリントン前米国務長官(68)、共和党の不動産王ドナルド・トランプ氏(70)が29日、11月の本選に向けて舌戦を開始した。

トランプ氏が一時上回った支持率は再び同率となるなど、人気が拮抗している。両者は勝敗の行方を左右する激戦州を重点的に遊説し、1人でも多い選挙人の獲得を目指す。

7月29日、ペンシルベニア州で演説するクリントン氏=AP

 「真実が明らかになるまであと100日だ」。クリントン氏は29日、党全国大会を終えた東部ペンシルベニア州フィラデルフィアでの集会で、1千人以上の支持者に投票を呼びかけた。
 トランプ氏が共和党大会で、「18万人近くの犯罪歴のある不法移民が今夜もうろついている」などと訴えたことに対し「(トランプ氏は)国が衰退する暗い絵を描こうとしている。米国を破綻に導くことしかできない」とクリントン氏は強調した。
 
 クリントン氏は副大統領候補のティム・ケーン上院議員(58)とともにバスで3日間かけて遊説しながら激戦州オハイオへ向かう。同州は民主、共和の支持率が拮抗する。本選は大半の州で1票でも多く獲得した候補がその州の選挙人を総取りする仕組みで、激戦州の動向が勝敗の鍵を握る。

7月29日、コロラド州で演説するトランプ氏=AP

 トランプ氏は同日、激戦州コロラドでの集会で「我々はここで勝たなければならない」と気勢を上げた。同州はヒスパニック(中南米系)が多く、メキシコ不法移民を攻撃するトランプ氏には不利だ。予備選でもテッド・クルーズ上院議員が勝利した。
 
「昨夜の(ヒラリーの)ウソばかりの演説を見た後では、もはや紳士ではいられない」と攻撃を本格化すると宣言した。集まった6千人以上の支持者は「クリントンを投獄しろ!」と連呼した。

 米CNNテレビなどが22~24日に実施した世論調査はトランプ氏の支持率が3ポイント上回ったが、ロイター通信の25~29日の調査は逆にクリントン氏が5ポイント上回った。米政治専門サイト、リアル・クリア・ポリティクスがまとめた主要調査の平均値は、29日時点で両者が44.3%で並び、接戦となっている。
 
 調査会社ニールセンによると、指名受諾演説の視聴者はトランプ氏が3220万人で、クリントン氏の2980万人を上回った。米国の分断を象徴する異例の戦いに全米が注目している。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。

5.7月15日に起きた、トルコ・クーデターそして10時間で失敗、のことも書いておく。
私は今もトルコで起きたことをずっと調べている。 本当は何が起きていたか。公表された西側の英文の記事とかを根拠にするしかない。

 はっきりしたことは、首都アンカラで、銃撃戦で2千人ぐらいが死んでいる。警官隊(エルドアン大統領側)と軍隊(クーデター軍)で激しく撃ち合ったようだ。死者は公表された4百人ではない。 英SASのようなトルコ軍の精鋭の特殊部隊が、主力になってクーデターを実行した。空軍の司令官が実行部隊のリーダーだとされる。

 この将軍は、ピストルを突きつけられながら、アンカラのエルドアン大統領の大統領警護隊 Presidential guard =政治警察=国家秘密警察官たちに反撃されて、捕まって、そのままテレビに出て、「反乱は失敗した。投降せよ」と言わされたあと、射殺されたようだ。 空挺部隊と戦闘ヘリコプター部隊(メカナイズド・キャバルリー mechanized cavalry 空の騎兵隊)は動いていない。15日のクーデターcoup d’etat の直後の首都アンカラの様子がほとんど映像で写らない。

 イスタンブール(コンスタンチノープル)ばっかりだ。エルドアンがコンスタンチノープルに到着したのは、ここの空港(皮肉にもケマルア・タチュルク空港)が、反乱軍(クーデター側)に制圧されていなかったからだ。

 首都の エルドアンの大統領官邸警護隊=警察部隊 と 反乱軍が衝突して、反乱軍の戦車が、乗用車で突っ込んでくる警護隊をぺしゃんこにした。が、4,5台も突っ込んで来ると戦車でも止まるようだ。 そういう戦いをやったようだ。アンカラの議会にも、戦闘爆撃機が一機?二機 だけだが爆弾を投下したから、議場にいた、エルドアン派( AKP。与党、公正発展党)ではない反対党の野党の議員たちも激しく怒ったようだ。

 エルドアンが居たのは、南部のギリシア側の Marmaris マルマリス という都市のリゾート・ホテルだ。ここを精鋭のクーデター部隊が襲撃して、エルドアンを殺害する、という計画であった。数十人しか護衛を付けていなかったであろうエルドアンは、すんでの差で、ホテルから脱出して逃げ延びた。飛行場は制圧されていなかった。 このクーデターの決行の情報を、ロシアの、シリアのラタキアの空軍基地が通信傍受して(15日の午後4時頃)いち早く、ロシアが知ってそれをトルコ政府に伝えた、という記事がある。 

 だが、それよりももっと早く、プーチンはNATOの将軍たちの中に送っていたスパイから、この不穏な動きを知ったようだ。アメリカの特殊部隊(ヒラリー、ネオコン系)が背後で引いている。プーチンは、エルドアンに緊急で電話して、「殺されるぞ。危ないぞ、逃げろ」と言った。 エルドアンの護衛隊も何人か死んでいるそうだから、相当に緊迫した、銃撃戦を含めた、命懸けの逃走劇だったようだ。

トルコでは、その後、6万人の公務員や、大学教授、学校の教員たちの公職追放(解職、クビ)が行われている。
捕まった クーデター実行部隊の軍人たちは、きっと、拷問にあっている。後ろ手に縛られて、パンツ一枚で、床に多くの逮捕者が、転がされている映像が出ている。逮捕された反乱軍の軍人は、一万人ぐらいだ。幹部の、数百人の反乱軍の将校たちは、絞首刑にされるだろう。

 もう、トルコは、偽善的な「死刑廃止」のEUの基準を満たす気は無いので、もう「EUに入れてください」運動はやめるだろう。 NATO(ネイトー)からさえ、脱退しかねない。 トルコは、イスラム同胞団(ムズリム・ブラザーフッド)という穏健派のイスラム教(思想)が国民の多数派の支持を集める国にであることが、はっきりしてきた。 これは、文明史的な規模での、人類の動きだ。この500年間(16世紀から始まった)のヨーロッパ近代(モダーン)の優位制が壊れつつある。

プーチンとエルドアン160809 2016年8月9日、サンクト・ペテルブルグ で

ロシア・トルコ首脳会談

 8月9日(おととい)のサンクト・ペテルブルグのロシア・トルコ首脳会談では、エルドアンもプーチンも不愉快そうに、お互い、そんなに打ち解け合っては居なかった。 どっちが上か、ロシアの風下には立たないぞ、という感じの厳しい交渉だったようだ。 

 流石(さすが)に、一千年の歴史を持つオスマン・トルコ帝国 とロシア帝国の、駆け引きだから簡単ではない。だが、エルドアンは、記者たちの居る前で、声明文を読み上げて、その冒頭で、「クーデターが起きた直後に、プーチン大統領から、電話をもらって有り難かった」と憮然(ぶぜん)とした表情ではっきりと言った。エルドアンは、プーチンから命を助けられたのだ。 

 命の恩人の言うことを人は聞く。このあとの、天然ガスの供給ルートである、黒海横断パイプラインと、トルコ・パイプラインの工事の再開が、どれぐらい両国にとって、重要なことであるか。そしてヨーロッパまで運ばれる。このことは、私、副島隆彦の秋に出す金融本で詳しく書く。 

 ということは、西側同盟(ザ・ウエスト)が、「ナブッコ計画」以来、トルコを、ロシアから自分たちの側に取り上げて、ロシアの収入の生命線を断ち切る、という大きな戦略で動いていたのだが、西側同盟と アメリカのヒラリー派は、決定的な大失敗をした、ということだ。
 
 田中宇(たかかさかい)氏が、書くとおり、これで、シリアもトルコも、北イラクも、ロシア・プーチンの支配圏、勢力圏に入った、ということだ。アメリカはもう、手出しができなくなった。 7月15日のトルコ・クーデター失敗については、もっともっと書きたい。

6.トルコ・クーデターがあった前日の14日の、「パリ祭」(フランス人の革命記念日)の、コート・ダジュールのニースで、トラック・テロ(84人死亡、300人負傷)が起きた。これには皆びっくりした。トラックを全速で人混みの中に突っ込んで走らせると、本当に爆弾級の殺傷力を持つ、ということが分かった。

 それほどの憎しみを買っている、フランス白人たちとは、どういう国民なのかを、私たち日本人は、もう一度、あからさまに見つめなければいけない。犠牲者の追悼式で、浜辺で、国歌ラ・マルセイエーズを浜辺の群衆が一斉に歌い出した。 この歌は、「攻めてくる敵たちの血を 我らが畑に吸わせろ」という血生臭い歌である。

 フランスのイスラム教徒圏からの移民たちの3世ともなると、フランス語しか出来ないし、帰るにも、もう帰る国はない。いじめられた、差別された、に、ISのジハードの思想を、ネットで植え付けられて、自爆攻撃(スーサイダル・アッタク)に出るのだ。 

7.ヒラリー派は相当に、追い詰められている。

 だから、「トランプは、大統領になる資格を有さない、人格に問題がある人物だ」と盛んに米メディアが、総掛(そうが)かりで、トランプ潰(つぶ)しで動いている。 だが、真実は、ぼろぼろと漏れ伝わってくる。 どう考えても、ヒラリーの方に弱点が大きすぎる。

 私は、共和党大会(7月18日から21日)の様子をネットで細切れに見ていて(なぜか全部は公開されない)、アメリカで今、何が起きているか、が分かった。そのことを出版社の編集長に次のように書いた。

(貼り付け始め)

***社 **編集長へ

副島隆彦から
 
 次の 私のアメリカ大統領選ものを、年末あるいは、来年の1月20日の トランプ就任式(イノギュレイション)の直前に出せればいいと思います。米共和党 の 大会の2日目(7月19日)にトランプの演説のあとに、クリス・クリスティ・ニュージャージー州知事(現職、検事上がり)が、登壇して、「ヒラリー・クリントンの 罪状 Hillary ‘s crime list (ヒラリーズ・クライム・リスト)を、一条ずつずっと読み上げました。


クリス・クリスティがヒラリーを「起訴」した

 このとき会場全体に、“ Lock Her Up ! Lock Her Up ! 「ヒラリーを捕まえろ、投獄せよ」 の大合唱 chants が、沸き起こった。ものすごかった。 日本では、NHKが トランプ指名受諾演説 の全文を英文と日本語訳文の両方をネットに載せた。ここにも「ヒラリーは重大な犯罪行為をした」 と 数行ある。 

 私は、目下、どんどん情報と知識と、写真(画像)を集めています。事態が急激に動きそうだったら、もっと早くこの「ヒラリーを逮捕せよ、投獄せよ」本 を出したほうがいいと思います。 まさしく「 ロック・ハー・アップ! 」 「 ヒラリーを逮捕せよ、投獄せよ」 です。この流れはもう変わることはないでしょう。日本国内にはこの大きな動きは、全く伝わりません。ものすごい報道統制、歪曲報道 が行われている。

(転載貼り付け終わり)

 今、アメリカ全土で、この「ロック・ハー・アップ !」「ヒラリーを捕まえて、投獄せよ(刑務所に入れよ)」が鳴り響いている。この真実を、日本国内に誰も使えようとしない。 だから、私、副島隆彦が、思いっきり書く。


「ロック・ハー・アップ」

8.7月26日、日本で、衝撃的な事件が起きた。あの知能障害者施設での多数殺人事件だ。日経新聞 2016年7/26

http://www.nikkei.com/

◆障害者施設で入所者19人刺殺 容疑の26歳元職員逮捕

 26日午前2時45分ごろ、相模原市緑区千木良の障害者施設「津久井やまゆり園」から「ナイフを持った男が侵入した」と110番があった。神奈川県警によると、侵入した男に刺された男女19人が死亡、25人が重軽傷を負った。県警は出頭してきた同施設の元職員で自称無職の植松聖(うえまつさとし)容疑者(26)=相模原市緑区=を殺人未遂などの疑いで逮捕した。

(転載貼り付け終わり)

 副島隆彦です。私は、この植松聖(うえまつさとし)事件については、内部での発言しかしていない。今はそれをまだ公表できない。 日本は、揺れ動く社会情勢の中で、確実に世界の一部分であり、世界の空気を反映するのだ、ということがよく分かった、とだけ書いておきます。

9.共和党大会の翌週(25日から28日)が、民主党大会だった。その前日に騒動が持ち上がった。

(転載貼り付け始め)

「米民主党全国委員長が辞任へ サンダース氏妨害のメール流出で」
http://www.cnn.co.jp/usa/35086351.html

2016年7月25日 CNN


デビー・ワッサーマンシュルツ

米民主党全国委員長のデビー・ワッサーマンシュルツ氏が辞任

米大統領選へ向けた民主党全国大会の開幕を翌日に控えた7月24日、同党のデビー・ワッサーマン・シュルツ全国委員長が、大会閉幕と同時に辞任すると表明した。

 党候補の指名争いで、全国委員会のメンバーらがヒラリー・クリントン前国務長官を後押しし、ライバルだったバーニー・サンダース上院議員の妨害 を図っていたことを示すメールが流出したためだ。 民主党指導部の数人がCNNに語ったところによると、党内ではメール流出問題が党大会に影響を及ぼすことを懸念して、同氏に辞任を求める声が強まっていた。

 メールは7月22日、内部告発サイトのウィキリークスが公開した。その数は2万通近くに上った。 党全国委員会のメンバーが、サンダース氏の評判を下げる作戦について質問したり、ある弁護士が委員会に向け、サンダース陣営からのクリントン氏批判に対抗する方法を指南したりする内容のメールが含まれていた。党内の情報筋によれば、ワッサーマンシュルツ氏は辞任表明に先立ち、オバマ大統領やクリントン氏と会談した。(略)

(転載貼り付け終わり)

 副島隆彦です。 ここに貼り付ける、このデビー・ワッサーマンシュルツという女の、恐ろしい顔を皆で、じっと見るべきだ。こんなに恐ろしい鬼女(おにおんな)の顔は、そうそう見れるものではない。人をたくさん取って食らってきた人間の顔だ。この女が、日本で言えば、自民党の幹事長に相当する党の役員のトップだ。
デビー・ワッサーマンシュルツ辞任

 米民主党の全国委員会(DNC, デモクラット・ナショナル・コミティー)の委員長(chairperson ,チェアパーソン)だ。こんな恐ろしい顔をした女が、民主党の親玉をやっているのだ。アメリカ政治の真実の素顔が、白日の下に晒(さら)された。このワッサーマンシュルツたちが、ヒラリーを勝たせるために、サンダース支持者たちに、ありとあらゆる妨害行動を取っていた。

 それが2万通のメールの流出ではっきりした。それで、この“鬼女(おにおんな)“に向かって、党大会の前日の党の代議員大会で、激しい糾弾の嵐が起きて、それで、この女が辞任した。その会議の議場の様子は、一瞬だがテレビでも放送された。大騒ぎだ。

 そして、民主党大会の4日間にも、激しい、ヒラリー非難の嵐が続いた。 ヒラリーがやってきたことは、犯罪だ、という怒りが、まじめな民主党員の活動家たちの中に広がっている。彼らは、「代議員35人が walk out ウォーク・アウト (大会の会場から抗議の退場をした」と報じられたが、実際には、300人以上いた。3千人の代議員うちの300人だ。

 彼らは、このあと会場の外のプレス・テントの前に座り込んで、「真実を世界中に報道してください」と要請した。やがて大会を警備する警備員たちに排除された。彼ら、ヒラリーへの憎しみを込めた反対派は、「ヒラリー・フォー・プリズン(ヒラリーを刑務所へ)」の看板(プラカード)を掲げていた。

 これだけの騒ぎは、1968年のベトナム反戦運動の時の、だらしない民主党執行部への、学生たちからの激しい糾弾闘争で、会場が殴り合いで大荒れになった時以来だ。

Donald-Trump-accepts-Republican-Presidential-nomination2

10.「トランプは人格に問題がある。大統領にふさわしくない」という 、トランプたたき潰(つぶ)しの、攻撃が、このあと、9月、10月も続くだろう。だが、トランプと、トランプを応援している、防衛隊は強固な意志をしているから、それらの攻撃を跳ね返してゆくだろう。あと2ヶ月とちょっとだ。

 まともなアメリカ白人(トランプ支持派)と、ゆがんだ人間ども(ヒラリー派。世界をアメリカが食い物にして、これまで同様に恐喝で支配していいのだ。さらには大きな戦争もする派) との闘いだ。

 トランプが勝ったら、どういうことになるのか。 はっきりしている。 首都ワシントンを押さえて、支配して、自分たちのものにしてきた、官僚、ロビースト、薄汚い利権屋どもが、大量に失業するのである。その数2万人だろう。このことが、彼らにとっては、ものすごく嫌(いや)なことなのだ。たとえば、日本を操(あやつ)っている顔ぶれであれば、筆頭のリチャード・アーミテージ、マイケル・グリーンたちが、失職する。彼らの裏仕事(うらしごと)や、軍需産業からのリベート貰(もら)いの収入がなくなる。

 ワシントンの各省の高級官僚どもが、全員、失職する。アメリカ人は、官僚たちでも、怒鳴り合いをする。「局長よ。今まで、さんざん、威張ってくれたね。ヒラリーが次になって、このまま自分の地位は安泰だ、と言うことは、もうないんだよ。さっさとどけよ。その席には、トランプ支持の共和党員である私がが座るんだよ」「どけ、耄碌(もうろく)じじい。 moron 。 消えていなくなれ crawl away  」 と、言う。言い放つ。

 この官僚たち内部のイス争い(権力闘争)が、今、アメリカの本省(ほんしょう)の、幹部公務員たちの間で、ワシントン全体を揺るがしている。ものすごい騒ぎとなって、アメリカ政治が、激しく揺れている。 失業したら、いまどきは、アメリカの上級公務員でも、なかなか、再就職先は、簡単には見つからない。

 本省の 局長( director ディレクター 一応、長官。庁とかのトップ)クラスで、天下りで、大学の副学長とか、研究所長とか、大企業の副社長になる。だいたい年収で、50万ドル(6千万円)ぐらいの位置だ。恵まれた職に、さっと移れる者は、ごく一部だろう。よっぽど名前と顔(業績、業界とのつながりで)が売れている者たちだけだ。民間に天下(あまくだ)ってこの「大学の副学長で年収50万ドル」 になれるのは。 アメリカの実情がこれであからさまに分かる。

 だから、このヒラリー派の、グローバリスト(地球支配主義者、ネオコン系、軍産複合体(ぐんさんふくごうたい)系の、根本的に汚れた、アメリカの官僚たちが、泡(あわ)を食っている。アワアワと慌(あわ)てふためいている。おしりに火がついているのだ。だから、アメリカ民衆の反乱を体現する、ポピュリスト populist のトランプを、官僚たちが、激しく憎悪している。 

 今さら、「自分は、トランプの悪口なんか言わなかった。自分は、トランプ大統領に忠実に仕(つか)える」と、改心、変心、転向しても、アメリカ人の世界では、バレバレに互いにバレているから通用しない。

 下っ端の出世のないノンキャリのような、下積み公務員は、この猟官制度(りょうかんせいど)の下では首になることはない。下っ端は、事務作業労働者だから安全だ。

 上級職は全員、総取っ替えだ。 それが、 “元祖ポピュリスト”の、第7代 ジャクソン大統領の「ジャクソニアン・デモクラシー」以来の伝統である、猟官制度(スポルズ・システム spoils system )というものである。だから、ヒラリーが当選しなかったら、ワシントンのよごれ官僚ども、一万人の首が飛ぶ。

 ああ、気分がいいなあ。私、副島隆彦が、一番、注目しているのは、実は、このワシントンの ド官僚どもが顔を引き攣(つ)らせて、真っ青になって、右往左往している様子だ。目下、そのドタバタ劇が、ワシントン全部で、わーわーと大騒ぎで起きているのだ。だから、トランプが勝つべきなのだ。

 きたないモノをすべて、洗い流して、一掃して、ぶん投げて、アメリカの本当のデモクラシーの原理に戻るべきだ。  デモクラシーとは何か。それは、自分たちが選んだ、このリーダー(頭領、酋長、しゅうちょう)は、女問題とか、酒乱とかの癖があるが、そんなものはどうでもいい。この優れた頭脳と、勇気と、人一倍の体力のある、この男に、自分たち幌馬車隊(ほろばしゃたい)の、部族(ぶぞく、トライブ tribe )の運命を託した。

デモクラシー democracy は、古代ギリシャ、ローマやヨーロッパの中世都市国家から生まれたのではなくて、
”チュートンの森” すなわち、ゲルマン民族の、ゲルマン民会の部族(土人社会)の慣(なら)わしの中から、生まれてきたのだ。

 この自分たちのリーダー(指導者)の男を信頼して、私たちはその指導の下で、生きてゆく。この男は、自分たちのために、真っ先に、命を張って私たちを守ってくれるはずだ。それだけの忍耐力と知恵もある。だから部族(共同体)を守るための戦いになったら、この男の指揮下で、俺たちも命を賭けて戦うぞ、ということだ。 こういう 制度、精神のことを、デモクラシー(代議制民主政体)というのだ。 日本人は、アメリカ様(さま)に、敗戦で屈服したときに、このデクラシーを押し戴き、下げ渡されたはずなのだ。

 それなのに、このデモクラシーの魂、本髄(ほんずい)を習っていない、教えられていない。

 トランプは、そういう男だ。悪賢く、せちがらい、厳しい、経営者というのを長年やってきて、苦労を積んでいる、トランプだからこそ、見えている、ずば抜けた才能がある。

 トランプが、意識的に取っている、「敢えて、わざと、意図的に、計画的に、危ない発言をする」という計略の、本当の意味については、今日は書かない。

 私、副島隆彦は、トランプや、プーチンと、自分は、脳がつながっている、と感じることがよくある。だから、日本では本当に珍しい人間だ。私には、いろいろと見える、分かることがある。

 トランプが、言わなくてもいいこと(失言)を言って、揚げ足を取られて、失敗しないように、「 トランプから、ツウイッター twitter を取り上げるべきだ」と言う人がいる。私の弟子たちでもそう言った。 そうではないのだ。

 今こそ、いまだからこそ、トランプは、命懸(いのちが)けになって、本気で、今のうちに、言うべきことを言わなければいけないのだ。今、言わなかったら、言っておかなかったら、あとで、大変なことになる。そのことが、私、副島隆彦には、痛いほどよく分かる。

11.7月の党大会で、トランプが指名を獲得したとたんに、「トランプは、ロシア(プーチン)のpuppet パペット、操られ人形 だ」というキャンペーンが張られた。

 あるいは、「トランプは、映画「マンチュリアン・キャンディデット( 満州で、中国軍に捕まり、共産主義に洗脳された者が、送り返されて、大統領になる、という ジョン・フランケンハイマー監督の名画)」の ファーモンド上院議員だ」という攻撃だ。

 8月1日に、トランプが演説で、「ロシアよ、私の話を聞いているか? もし、ヒラリーが勝手に消した(削除した)3.3万通のメールを持っていたら、渡してくれ」と言った。今、ヒラリー派の連中は、トランプに、泥塗(どろぬ)り(sneer attack 、スニーア・アタック)をするしかなくなったので、何でもいいから、証拠、根拠なんか無くてもいいから、

 トランプの発言に揚げ足取りで、食らいついている。それにメディア(テレビ、新聞)が乗っている。アメリカのメディアの腐(くさ)り方、歪曲、偏向は、ものすごいものだ。日本と全く変わらない。 

「マンチュリアン・キャンディデット 」 Manchurian Candidate (朝鮮戦争の時に満州で洗脳されて送り返された者)という映画(邦題は、「影無き狙撃者」という訳の分からないもの)については、私、副島隆彦が、書いた「政治映画評論の本」を読んでください。私だけが、日本ではこの映画の本当の意味を、書いて説明している。

 マンチュリアン・キャンディデットという言葉に、ぞくっと来ない人間は、いくら何十年、アメリカで暮らしていても、ただの外国人だ。外国人(移民)として死んでゆくしかない。アメリカ人なら皆、知っている。

12.「トランプはロシアのスパイだ」という泥塗り攻撃をやってきた、張本人で、震源地の男が、3日目(8月7日)に判明した。 それは、Michael Morell マイケル・モレルという男で、彼は、まさしく、ヒラリー国務長官の下で、2011年に特殊部隊( カダフィ暗殺部隊)で動いていた責任者で、CIAの 副長官 Ex-deputy CIA Director だった男だ。

 だから翌年2012年9月に、クリス・スティーブンス Chris Stevens リビア大使が、ベンガジで殺された時に、現地で動いていた。このモレルたちが、「トランプは、ロシアのスパイだ」と書き散らして回った。それを、なんと、右翼の大物政治家のリンゼイ・グラハム上院議員が、「モレルには、FBIとCIAが、怒り狂っているそうだ」と発言してしまった。

 これでまた、ヒラリー優勢の、バカな、やらせの、「支持率調査でヒラリーが大きく、トランプに差を付けている。その差、7ポイント」というウソ記事づくりが、ぽしゃり始めている。

13.トランプは、「私が大統領になったら、プーチンと仲良くやる」というものである。「頭がずば抜けていい者どうし」で、 ただし、「アメリカの利益は一歩も譲らない。厳しく話し合う」という態度だ。 

 トランプがロシアの国家情報部から、情報をもらわなくても、アメリカの国内の国家組織の中に、たくさんのトランプ支持者がいて、情報を持ってきてくれる。ヒラリー派、ネオコン、グローバリストの悪事は、いまもどんどん明らかになりつつある。

 「グッチフォー」がどうの、ルーマニア人のマルセル・レヘル・ラザール(もう7年も刑務所にいるのに ) が、ハッカーで、シドニー・ブルメンソールとヒラリーの交信を盗み出した。こいつは、ロシアが雇った男だ、というような、馬鹿話(ばかばなし)を、日本の政治警察の中枢でも、CIA日本支部 からの受け売りで、信じ込んでいるようだ。 虚偽(フォールス)を自分たちで信じ込むと、自分たち自身が、フール fool の集団と化すから、注意した方がいい。

 ここで書いておくが、RT(エル・ティー)(V)というロシアのネット新聞がある。ロシア政府がやっているに等しいものだ。このRT(かつての「ロシア・ツディ」)のサイトに、ブルメンソールとヒラリーのメールをたくさん載せていたのに、最近、突然消えた。

 おそらく、ロシア政府が、IOC(国際オリンピック委員会、トーマス・バッハ会長)と取引をして、「RTのキャッシュのヒラリーメールを消すから、その代わりロシアの選手団を、リオ五輪に出場させてくれ」と取引したのだ。それで、270名のロシア選手ほぼ全員が、ドーピング違反の団体責任で、出場できなくなることを、すんでのところで、回避した。この腕前も、プーチンならでわだ。

 ドーピング(筋力増強剤の服用)は、どこの国もでやっているらしい。私、副島隆彦は最近ようやく、ロシア人の陸上選手女子のユリア・ステパノワが、2014年にドイツのテレビ局にロシア選手たちのドーピングの現状を内部告発した事件を、ようやく追いかけて知った。そのドイツ製のドキュメンタリーをNHKの深夜の番組で放送したかも知らない。

 私は、マリア・シャラポワのテニスの試合だけは、見たかった。残念。男どものプロ・テニスしか、日本では放送しない。なぜだ。女たちの筋肉隆々の、すばらしく健康な大根足(だいこんあし)を見るのが、今どき、一番スポーツらしい。

 あとは、くだらない。まるで チビコロ、子供のお遊戯会のような、小さな子供たちの猿まね芸の品評会で、あまり見る気にならない。 あんなまだ体がしっかり成長していない子供たちを選手にさせるな。

 ブラジルの今の、テルメという大統領代行のワルが、開会宣言をしたときに、会場からブーイングの嵐が起きた。IOCが血相を変えて、その場面だけ、慌てて短くカットしたのを見て私は嗤(わら)った。ブラジルの正当の大統領であるジルマ・ルセフ女史を出せ。

14. ジュリアン・アサンジのウィキリークスも、 エドワード・スノーデンからの情報爆弾も、今から炸裂する。次々に、アメリカの 警察やインテリジェンス機関に、送りつけられ投げ込まれる。 今頃になって、「これは、重大な 国家機密( こっかきみつ、state secrets ステイト・シークレット)である。この 22通、あるいは、110通の、ヒラリー・メールは、重大な国家機密に指定(クラシファイド)した。だから外に漏れることを厳禁する 」といくら、偉そうなことを言ったって、もう、通用しないよ。

 すでにダダ漏れ(懐かしい言葉だ)で、世界中に流れ出している。もう、止められない。

 コンピュータのCPUに書き込まれて記憶された情報文( キャッシュ cache 。現金の cash とは違います) は、いくら消しても、消すことは出来ない。必ず、キャッシュが残る。そして、それらは、ハッカー、クラッカーたちの手で、どんどん世界中に拡散される。

 だから、私、副島隆彦が、始めに書いただろう。「ヒラリーは、もう逃げられない。どのみち、ヒラリーは、牢屋(刑務所)に入るしかない」と。ヒラリーは、国務長官なのに、威張り腐って、横着に自宅にいたまま、あまり国務省(ステイト・デパートメント)に出勤もしないで、 Clinton .com 「 クリントン・ドット・コム 」というサーバーを作って、あるいは、ドメインなのか。

 それで、2011年の10月20日の、リビアのカダフィ殺しの命令も、その翌年の、リビア国家から、強奪した 200億ドル(2。4兆円)のリビアの国家資産の処理も、それの IS建設のための、資金としての供与も、全部、この 「クリントン・ドットコム 」のサーバーの中のデジタル文章 =eメール として保存されている。 

 主要各国の 国家情報機関(国家スパイ組織)は、日本を含めて、当然に、それらをすべて持っている。 ICIJ(アイ・シー・アイ・ジエイ、日本は、朝日新聞がメンバー)にも、エドワード・スノーデンが、大量に、送りつけている。

 それを、安倍政権は、「あのう、すいません。朝日新聞さま、ぼろくそにけなしてばかりで、すいませんねえ。ICIJから送ってきたヒラリー・メールを、私ども、安倍政権と警視庁外事課(がいじか)と、防衛庁の防衛本部にお裾分け願えませんか」と 貰いに行ったのだ。

 子会社の「朝日デジタルメディア社」がどんどん翻訳の作業をしている。ただし、絶対に外には出さない。だから、安倍政権が、朝日新聞の悪口を言わなくなっただろ。

15.だいたい、あの日本の「国家機密法」(2013年)というのが、何だったのか、分かっているのか。 あれは、新聞記者たちを捕まえるための法律ではない。あくまで、公務員で、政府の内部にいる者たちが、もし、国家情報を、外部に漏らしたら、「10年の懲役にする」という法律なのだ。

そうやって国家機密法を作って、公務員たちの内部研修を徹底的にやって、脅しあげて、縛り上げて、「お前たちが、もし職務に関して得た政府の情報を外に漏洩させたら( 今や、情報公開法もへったくれもない)10年の懲役だ。いいか」と、締め上げるための法律だ。

 それもこれも、アホの ヒラリーが、自宅から、「主婦感覚で」( 専業主婦、というのは、脳タリンの別名だ。自分たちでもそう言い合っている。男を一匹だまして、自分の働きアリの奴隷にして自分が楽をしているだけの “タガメ女”たちだ )、バカの極みのことをやってしまった。

 「クリントン・ドッドコム」は、そろらく、何のプロテクション(防御)も付けていない、ただのメール・アカウントだっただろう。メイン・サーバーおよび プロバイダーは、バイアコムなのか、AT&T系なのか、それが、どこにもまだ書かれていない。

 このサーバー会社から、すでに、去年の3月の時点で、国務省の、インターナル・インスペクター(監察総局、内部統制のための監察機関。軍隊の憲兵隊と同じ。恐ろしい内部調査の部署)が、押収したはずだ。 この2015年3月が、「ヒラリー・メール問題」が発覚した時期だ。 ヒラリーは、「こんなの、上から押さえつければ、大丈夫よ」と甘く見た。ここが女の浅知恵だ。それが命取りになりつつある。

 ヒラリーのような、人間を取って食う鬼女だが。頭の悪いのが、グローバリストの表の統領(とうりょう)になってくれて、本当に、世界は助かった。トランプのおかげで、人類は大戦争(WWⅢ)から数年は生き延びれる。
 だから、ヒラリーは、どうせブタ箱に入る運命なのだ。証拠がもっともっと出てきてしまう。

 おそらく、そのときの、ヒラリーのブタ箱は、5LDK の 超豪華な、一流ホテルのスイート・ルーム並の 刑務所の個人房だろう。 アメリカの刑務所は、受刑者がお金持ちであれば、どれだけでも豪華な刑務所暮らしが出来るようになっている。

 ここで、「 戦争の女王」 Queen of War クイーン・オブ・ウォーは、王女メアリー・スチュアートのように毅然と、威厳を持って、40日間とかの刑期(お務=つと=め)を終えるだろう。断頭台がないだけましだ。あるいは、その前に、病気で倒れて終わりかな。 これは、私、副島隆彦の予言だ。

16. 役人たち、というのは、法律に縛(しば)られているから、法律通りに、動こうとする。この習性を、政治家(支配者、権力者)たちが、いい加減に扱うと痛い思いをする。役人、公務員というのは、杓子定規(しゃくしじょうぎ)に法律に従う者なのだ。彼らは、違法行為は、出来ない。徹底的に隠れてやる。

 ・・・・ところが、違法行為、さらには、犯罪(刑事 罰)に関わることに、自分自身が、絡(から)まってしまったら、どうするか。この問題で、今、国務省も、FBIも、CIAも、内部が、大騒動になっているのである。 

 法律の執行者である、自分たちが汚れてしまったら、どうなるのか、ということだ。証拠は、どんどん、出てくる。今は、「果たして、そのような、どこから送りつけてきたか、分からない メールの文書など、果たして、真性(しんせい、本物、genuine ジェヌアイン)なものであろうか、などと、しかめ面で、拒否の態度を取っていればいい。もうそれでは済まなくなる。

 アメリカ国民が、怒り出す。 いよいよ、ポピュリズムの嵐がアメリカに吹き荒れる。私、副島隆彦が7月1日に出版した「トランプ本」の内容を、甘く見て、「こんなのありっこないよ」と高をくくっていると、自分たちの足下から何かが崩れてゆくだろう。

17. 以下に載せるのは、公平な立場から書かれた、共和党大会の様子だ。英国営放送のBBCのネット記事だ。 
文末は、 

 “ And Senate majority leader Mitch McConnell told CNN that he disagreed with the “Lock her up” chant and disagrees that Mrs Clinton should go to jail.” 

となっている。ミッチ・マコーネル上院議員 という米議会の重鎮の泥臭い政治家が、CNNのインタヴューに答えて、「 私は、党大会で起きた、「ヒラリーを捕まえろ」にも「ヒラリーを刑務所にぶち込め」という大合唱(チャント)にも反対だ、同意できない」と言っている、これで、この記事を閉(し)めている。

 以下の英文が、客観的でしっかりしている。アメリカの大新聞の新聞記事は、どれも怖がって、真実を書いていない。自分たちの国で起きている大事なことなのに。 以下の英文は、ゆっくりと何回か読むと、日本人なら何とか理解できます。英文を嫌(いや)がらないで、じっくりと 英単語を 一つずつ こつこつと追いかけてください。 知らない単語は、そのままにしておけばいいのです。

(転載貼り付け始め)

副島隆彦注記。 以下の英文は、BBC(英国国営放送局)のものだ。共和党大会の様子を活写している。ユーチューブの動画も誰か、ここに貼ってほしい。

“ US election:  Do ‘lock her up’ chants mark a new low? ”

「アメリカ大統領選挙、共和党大会の「ロック・ハー・アップ」、「ヒラリーを捕まえて投獄せよ」 の怒号は、選挙戦の泥仕合の最低限度を築いたか 」

22 July 2016 BBC
http://www.bbc.com/news/election-us-2016-36860740

   The chants of “Lock her up” directed at Hillary Clinton have been a nightly feature of the Republican convention in Cleveland. Is that fair enough or a new political low? Many of the speakers have focused more on the faults of Hillary Clinton than the virtues of Donald Trump. 

 New Jersey Governor Chris Christie read out a list of alleged “crimes” by Mrs Clinton, the presumptive Democratic nominee, and asked the crowd if she was guilty. His baiting of the crowd resulted in chants of “Lock her up!”

 The same slogan has been repeated each night, most recently when Mr Trump gave his big speech on Thursday. Much of the criticism from the stage, from Mr Christie and others, was about Mrs Clinton’s use of a private email account while she was serving as secretary of state.

 An FBI investigation said she was “extremely careless” but found her actions didn’t warrant criminal prosecution. Mr Christie also questioned her “selfish, awful judgement” which was to blame for various foreign policy problems in Libya, Syria and elsewhere.

  The divisive and at times ugly rhetoric – a charge directed at both sides during the campaign – is not particularly shocking to long-time political observers, but some say it is worse than ever.
 
  Norm Ornstein, a resident scholar with the American Enterprise Institute, speaking from Cleveland, said this election is the ugliest he has ever seen in the US.
“You expect a tough rhetoric against the opposition,” Mr Ornstein said.
“You don’t expect a convention hall that has its major theme as not what your nominee will do but an enormous level of bile towards the other opponent.”

 He also said he would not expect primetime speakers to encourage that “bile” but Mr Christie, former candidate Ben Carson and radio host Laura Ingraham had done that, in his view.

 ”It makes absurd the notion you’re trying to unite the government and not divide it,” he said.

 Analysis – Katty Kay, BBC News, Cleveland
I honestly don’t know if it’s because Hillary is a woman or because she’s been around as a political figure for so long or because her email server makes her look like she thinks she’s above the law but the hatred of her here is vicious and visceral.

 This has become the “lock her up” convention. Ask individual delegates about Hillary and they get a glint in their eye – she’s “evil”, a “liar”, “dangerous”.

 Chris Christie’s mock prosecution whipped up a crowd that was willing to be pulled into the fringes of political acceptability. Think what you will of Hillary Clinton as a potential president, there’s a nasty mood here when it comes to her. You see it in the slogans, the T-shirts, the buttons and the speeches.

 On the whole this convention is more subdued than any I have been to.
There’s a lack of excitement and the only thing the party really seems united about in Cleveland is the other party’s nominee. They really, really hate her. On that they can agree.

 Political commentators and journalists took note of this new tone from the convention floor.

 James Fallows, a correspondent for the Atlantic, tweeted on Wednesday:
“Seriously, we have NEVER seen this ‘lock her up!’ penal-system mania before”.
Annie Karni of Politico noted that Minnesota Senator Al Franken called the “lock her up” chants “very banana republic”.

  Tough campaign rhetoric is nothing new, Mr Ornstein said. In 1972, Democrats said Richard Nixon was a war criminal for keeping US troops in Vietnam, and in 1996, people said Bill Clinton was not qualified to be president for being an adulterer.

 However, that is “mild stuff” compared to what we are seeing at this year’s RNC, he said. Mass media consumption and social media that puts focus on shock value has only made it worse, he said.

  ”It’s created a tribal political arena… and an encouragement of the most base and extreme forces in society. You can’t say it’s a shock we’ve gotten here, but it’s a real worrisome thing.”

 But that’s not a view shared by some of the delegates in Cleveland, who believe the chants are merely an expression of the fact there is one law for the Clintons and one law for the rest.

  Kendal Jessup from Texas said Mr Christie’s speech was just right and it united the arena.

 ”Suddenly everybody is on board, because everybody in the arena can agree that Hillary is not someone who can sit in the White House,” she said.

 ”It was not too violent. It set the right tone. And it’s not because she’s a woman.”
Nancy Elliot, a Trump supporter from New Hampshire, said Mr Christie “absolutely nailed it” with his mock prosecution of Mrs Clinton.

 ”I’ve never seen a candidate with such a lack of integrity. What she did was criminal – and that’s not exaggeration, that’s a fact.”

 She added that the angry mood in the arena reflected the hostility the party faithful feel towards the Democrat. They wanted to make sure that came through loud and clear.

 ”It’s the only chance to get traction with the whole Hillary story because our media is not going to present it again once the campaign starts.”

 Not everyone is happy with the tone of the convention – Cleveland resident and undecided voter Diana Borcz said she was “really disappointed”.

 ”They’re not talking about the party and the policies but kept referring negatively to her career and her family,” she said. “There’s not enough on what Trump will actually do.”

 And Senate majority leader Mitch McConnell told CNN that he disagreed with the “Lock her up” chant and disagrees that Mrs Clinton should go to jail.

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。今日は、これまでにします。 「ヒラリーを捕まえろ、投獄せよ」は、まだまだ続きます。

 副島隆彦拝 

このページを印刷する