「108」 サブプラム危機から世界恐慌へ(37) 2008年1月の記事を載せます。 2009.6.3
副島隆彦です。 今日は、2009年6月3日です。
2008年1月の記事を載せます。 副島隆彦記
(転載貼り付け始め)
●「イラク・アフガン戦費が93兆円。ヴェトナム戦争を超過、戦費が財政圧迫要因に」
2008年1月28日 ワシントン 時事通信
ブッシュ米大統領が4日議会に提出した2009財政年度予算教書で、 イラク・アフガニスタン戦費が累計で8691億ドル(約93兆円)に達することが明らかになった。米議会予算局(CBO)によると、イラク、アフガン戦争のために既に拠出されたり、予算として支出されることが決まった歳出の総額は6910億ドルで、既にベトナム戦争の費用(インフレ調整済みで約6000億ドル)を超えた。
これに加え、大統領は、08年度と09年度の補正予算で計1781億ドルを追加要求する予定で戦費が大きな財政圧迫要因となっている。
http://jp.reuters.com/article/domesticEquities/
idJPnJT810965720080128
イラク戦争継続で軍事予算700億ドルを要求。09年度米予算
ttp://jp.reuters.com/article/domesticEquities/
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● 日経新聞 2008年1月27日
仏ソシエテ巨額損失、不正取引持ち高は8兆円近くに 仏銀大手ソシエテ・ジェネラルの巨額損失問題について同行は27日、元ディーラーによる不正取引の持ち高(ポジション)が、20日時点で500億ユーロ(約7兆8000億円)に達していたと発表した。これは同行の時価総額(約360億ユーロ=約5兆6000億円)を上回る規模。
● 「サブプライム:日米欧の金融グループの損失、13兆円超す」
2008年1月24日 毎日新聞
米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に絡み、日米欧の主要金融グループが昨年末までに計上した関連損失が 総額約13兆円超に達していることが、23日分かった。 損失額は主要金融グループの年間の最終利益の合計(約30兆円)のほぼ4割に膨らんだ。
欧米の大手行などが保有するサブプライム関連の証券化商品の残高は 「全体で60兆~80兆円にのぼる」(アナリスト)と見られている。損失処理の進ちょく具合は各金融機関ごとに保有額に対して3~8割とばらつきがあり、米シティグループなどは、08年1~3月期以降も巨額の追加損失計上を迫られる可能性が高い。サブプライム不安は簡単に収まりそうにない。
22日にまでに07年12月期(一部07年11月期)決算が出そろった米金融大手7社の損失額は757億ドル(約8兆円)と日米欧の主要金融グループの損失全体の6割を占めた。個別では、米シティグループが286億ドル(約3兆円)で最大で、次いで米証券大手メリルリンチの225億ドル(約2.4兆円)だった。
スイスUBSと米モルガン・スタンレーも損失が1兆円を超えている。昨夏にサブプライム問題が表面化して以来、欧米の金融機関の損失が急激に膨らんだのは、米住宅バブル崩壊によってローンの焦げ付きが急増し、 サブプライム関連の証券化商品の買い手が付かなくなったためだ。市場価値の暴落に歯止めがかからず、 証券化商品の在庫を大量に抱えたシティなどが巨額の評価損計上を迫られた。
欧米金融グループは損失処理と同時に中東の政府系ファンドなどからの大規模な資本支援も受けたが、問題収束に向けた打ち止め感は出ていない。11月末までにモルガン・スタンレーが保有残高の約8割の損失処理を行った一方、シティの損失処理は約3割強にとどまるなど、各グループで損失処理の進ちょく状況に大きな差があることも市場の不信を呼んでいる。
特にシティは「モルガン・スタンレー並みにするには、260億ドル(約2.8兆円)の追加損失処理が必要」(米アナリスト)とされ、損失拡大が懸念されている。【斉藤望】
● 「投資家ソロス氏:現在の金融市場危機は60年で最悪-FT紙」
Soros Sees Worst Market Crisis in 60 Years: FT Link
2008年1月22日 ブルームバーグ
米投資家ジョージ・ソロス氏は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)への寄稿で、金融市場の現在の危機は過去60年で最悪との見方を示した。同氏の寄稿は22日、FT紙ウェブサイトに掲載された。
ソロス氏は、現在の金融市場危機は米住宅市場のバブルによって加速したが、ある意味では、第2次世界大戦後4-10年間隔で繰り返されてきたこれまでの危機と似ているとする一方で、実は大きな違いがあると指摘した。同氏によれば、現在の危機はドルを基軸通貨とした与信拡大の時代の終えんを意味する。
これまでの周期的な危機は大きな流れの中でのブームと破裂だったが、現在の危機は60年余り続いた「スーパーブーム」の終着点だと同氏は解説している。
●「日興株が上場廃止 来週シティの子会社に 」
共同通信 2008年1月22日
外資系企業が株式交換で日本企業を買収する「三角合併」の手法で、米シティグループの完全子会社となる日興コーディアルグループの株式は22日、 東京証券取引所で最後の取引が行われた。最終株価は前日比157円安の1364円だった。
上場廃止は23日付。29日にシティの完全子会社となる。 米サブプライム住宅ローン問題で低迷するシティ株との交換を敬遠する投資家の売りなどで値を下げた。
●「米国 サブプライム問題で倒産した住宅金融会社の副社長、妻を殺害して自殺」
東京新聞 、共同通信 2008年1月20日
サブプライム住宅ローン問題で倒産に追い込まれた米メリーランド州の 住宅金融会社の副社長(59)が、妻を殺した後に自殺した。AP通信が19日、報じた。捜査当局は夫婦関係の問題が動機で、倒産による心中ではないとしている。
副社長はデラウェア州とニュージャージー州境を流れる川の橋から投身自殺。現場近くの車の中に、 妻(37)を殺害したことをほのめかす遺書があり、自宅で妻が頭部を強打されて死んでいるのが見つかった。 副社長の会社は住宅を抵当に住宅ローンを組む金融会社で、2006年には社員約1000人、貸付額約55億ドル(約5900億円)の業績だったが、サブプライム問題で破たんし、整理途中だった。
●「3邦銀が米大手と出資協議 総額1兆円規模と英紙」
2008年1月16日 共同通信、産経新聞
英紙タイムズ(電子版)は16日、米サブプライム住宅ローン問題で巨額損失を出している複数の米金融大手に対し、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの3金融大手が総額で100億ドル(約1兆600億円)規模の資金を用意して、出資に向け準備協議を始めたもようだと報じた。
アジアや中東などの政府系ファンドが行う欧米金融機関への「出資競争」に日本のメガバンクも参入。サブプライムローン問題のアジアへの本格的な波及を抑えるため、中心的役割を果たす狙いがあるとしている。
みずほコーポレート銀行は15日、米大手証券メリルリンチに約12億ドルを出資することで合意。ほかに米銀最大手シティグループ、証券大手リーマン・ブラザーズやベアー・スターンズなどが交渉先として取りざたされている。
同紙は、日本の大手銀行はバブル経済崩壊後、膨大な不良債権を抱え経営が悪化したが、公的資金注入で立ち直ったと紹介。投資家は資金のより効率的な活用を求めており、米金融大手への関心が高まっていると指摘している。
●「シティ増資、出資者にサウジ王子と中国の銀行 」
2008年1月12日 読売新聞
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は11日、米大手銀行のシティグループが計画中の最大100億ドル(約1兆800億円)の出資者に、サウジアラビアのアルワリード・ビンタラール王子と、中国の政策銀行「国家開発銀行」が含まれると報じた。
シティの受け入れ規模は総額80億~100億ドルになる見通しで、このうち約20億ドルを国家開発銀行が出資するという。 一方、アルワリード王子は世界的に著名な投資家で、シティの大株主。
今回の出資額はまだ不明だが、1991年には、シティの前身であるシティコープが南米向け融資の焦げ付きなどで経営難に陥った際、救済のため6億ドルを出資したことがある。 シティは低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題による損失で傷んだ財務基盤を立て直すため、昨年11月に、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ投資庁から75億ドルの出資受け入れを表明している。資本増強に向けた今回の動きは、それに続く措置となる。
● 2008年1月12日
損害保険ジャパンは11日、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連で340億円の損失が発生したと発表した。 サブプライム関連では、あいおい損害保険が252億円の損失を計上しており、損保業界で影響が広がってきた。
2008年3月期の連結業績予想も下方修正。経常利益は昨年11月時点の1000億円から800億円に、純利益は同630億円から500億円にそれぞれ修正した。 損保ジャパンは、サブプライムローンを組み込んだ債券の1つである債務担保証券(CDO)に対し保険の形で元利払いを保証している。
CDOの利払いが滞ると損保ジャパンが保険金を支払う仕組み。保証対象の債券の総額は2400億円。
●「米国株、ダウは百余年ぶり最悪の年明け-景気後退を懸念」
U.S. Stocks Fall After Job Growth Misses Forecast;
2008年1月4日 ブルームバーグ
米株式相場は大幅下落。S&P500種株価指数の年初から3日間の下げ率は2000年以来で最大となった。米労働省が4日発表した12月雇用統計と米供給管理協会(ISM)が2日発表した同月の製造業景況指数はいずれも景気の弱さを示す結果となり、米経済がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念がさらに強まった。
S&P500種株価指数は前日比35.53ポイント(2.5%)下げて1411.63。年初から3日間の下落率は3.9%と、2000年に記録した同4.6%以来で最大。ダウ工業株30種平均は256.54ドル(2%)安の12800.18ドルとなった。年初来3日間の下落率としては1904年以来で最大。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対10。
金利先物市場動向によると、1月30日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標が0.5ポイント引き下げられる確率は68%と、前日の34%から上昇。一方、0.25ポイント引き下げられる確率は32%に低下した。
●「イラク・アフガン戦費が93兆円。ヴェトナム戦争を超過。戦費が財政圧迫要因に」
2008年1月4日 時事通信、ワシントン
ブッシュ米大統領が4日議会に提出した2009財政年度予算教書で、イラク・アフガニスタン戦費が累計で8691億ドル(約93兆円)に達することが明らかになった。
米議会予算局(CBO)によると、イラク、アフガン戦争のために既に拠出されたり、予算として 支出されることが決まった歳出の総額は6910億ドルで、既にベトナム戦争の費用(インフレ調整済みで約6000億ドル)を超えた。これに加え、大統領は、08年度と09年度の補正予算で計1781億ドルを追加要求する予定で、戦費が大きな財政圧迫要因となっている。
ttp://jp.reuters.com/article/domesticEquities/
idJPnJT81096572008012
「イラク戦争継続で軍事予算700億ドルを要求。09年度米予算 」
● 「 3メガ銀、信用デリバティブが急増 」
日経新聞 2008年1月3日
みずほフィナンシャルグループなど3メガバンクで貸し倒れリスクを軽減するための信用デリバティブ取引が急増している。2007年9月末の想定元本は合計で30兆6000億円と前年同期の2.2倍に拡大。
特定の企業や業種に集中したリスクを分散するための手法として定着していることが背景にある。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に伴うリスクを減らすため取引がさらに膨らむ可能性がある。
信用デリバティブは倒産などで融資先が返済できなくなった際に、支払いを保証する取引。保険に似た仕組みで、保証を受ける側は事前に手数料を払う。取引は1990年代後半から始まったが、この1―2年で急増した。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
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