理科系掲示板
※ログイン後に投稿フォームが表示されます。
Loginはこちら【52】広瀬隆が推薦したシステムも蓋を開けてみたら、この体たらくだったという話
相田です。
ロイターで、GEのガスタービン事情について、シャープな分析をしてくれるアーウィン・スコット記者の記事です。私はGEの報道については、彼の記事とトゥサのコメントを最も信頼しています。
ただし今回も、読んだ後で「う~~ん」と唸るような内容です。
H型ガスタービンというのは、今のHAモデルの先行機です。ジャック・ウェルチ時代にGEの威信を掛けて開発されたマシンです。当時の贅を尽くしたようなハイテク技術をふんだんに取り入れていました。その一つに、高温パーツの「クローズド蒸気冷却システム」というのがあり、高温パーツ内部に張り巡らせた細く曲がった通路内部に、蒸気を発生して循環させて温度下げる、という物でした。
普通の空気を流すよりも、蒸気を使う方が冷却効果が高い、という考えに基づく設計です。ただし、タービンの運転中に、高温ガス中に蒸気が少しでも漏れると、ガスが強烈に冷えて発電効率が落ちるので、蒸気漏れを防ぐシール技術が大変そうでした。また、起動してから蒸気を加熱発生して、タービン内部を循環させるまでの時間がかかるのも、欠点だったようです。
ガスタービンの最大のメリットは、停止からの起動が早いことです。今電気がいるな、というタイミングでバツンとスイッチを入れると、1時間くらいでタービンが起動して電気を作れることが、ポイントです。今の流行りの風力や太陽光発電などの、不安定な電源を使う時に、この高速起動出来るガスタービンの特徴は、非常に助かります。
ところが、H型タービンの場合は、おそらくは、起動してから蒸気冷却システムが安定して、電気を供給するまでに数時間は掛かってしまうのです。これなら、自然エネルギーと組み合わせても、あんまりメリットがないじゃないか、という事みたいです。高いメンテ費用ばかりGEに巻き上げられて。後継機のHAモデルでは、蒸気冷却から普通の空冷式に戻したので、起動が早くなったようですが。
そういえば、以前に広瀬隆大先生が「燃料電池が世界を救う」という御著書で、絶賛されていたのが、このGEのH型ガスタービンでした。それが今となっては、何とも間抜けな世界です。そうとしか言えない。
ちなみに、入念に資料を集めるスコット記者も、今回うっかり失念したようですが、H型タービンを使う発電所は、英国のバグラン・ベイ以外にも存在します。それは、千葉の富津海岸にある東京電力のプラントです。
最近のニュースで、東京電力がGEからHAタービンを3台買うとか買わないとかで、物議を醸していますが、どうも、このニュースに関係しそうな気が、私はします。もしかすると、富津のH型タービンをHA型にリプレースするのかもしれません。でも、本来なら、30年使える筈のマシンを、GEの都合で早めにリプレースする羽目になるなら、あまりに理不尽な話です。東電を問い詰めても、シラを切って、絶対答えないでしょうけど。
(引用始め)
General Electric to scrap California power plant 20 years early
GEはカリフォルニアの発電所を20年も早くスクラップにする
By Alwyn Scott
Reuters June 22, 2019
(Adds detail about GE-owned plants)
NEW YORK, June 21 (Reuters) – General Electric Co said on Friday it plans to demolish a large power plant it owns in California this year after only one-third of its useful life because the plant is no longer economically viable in a state where wind and solar supply a growing share of inexpensive electricity.
ゼネラル・エレクトリック社は金曜日に、カリフォルニアに作った大規模な発電プラントを、風力と太陽光による安価な電力供給がシェアを拡大している状態では、もはや経済的に成立しない事を理由に、耐用年数の3分の1しか経たずに、取り壊す計画を発表した。
The 750-megawatt natural-gas-fired plant, known as the Inland Empire Energy Center, uses two of GE’s H-Class turbines, developed only in the last decade, before the company’s successor gas turbine, the flagship HA model, which uses different technology.
インランド・エンパイア・エネルギーセンターとして知られる、750メガワットの天然ガス焚きプラントは、10年間に開発された、GEの2基のHクラスガスタービンを使用している。H型タービンは、その後継機であり現在は同社のフラッグシップ機となったガスタービンのHAモデルとは、異なる技術を使用している。
The closure illustrates stiff competition in the deregulated energy market as cheap wind and solar supply more electricity, squeezing out fossil fuels. Some utilities say they have no plans to build more fossil plants.
このプラントの閉鎖は、規制が緩和されたエネルギー市場において、安価な風力と太陽光がより多くの電力を供給する事で、化石燃料発電の割合を削り取るような、激しい競争の状況を反映している。複数の発電事業者は、今後は化石燃料の発電プラントを建設する計画はないと述べている。
It also highlights the stumbles of Boston-based GE with its first H-Class turbine. The complex, steam-cooled H design takes hours to start, suffered technical problems and sold poorly, experts said.
この発電所の閉鎖はまた、ボストンを拠点とするGEの、初の(高性能ガスタービンとなる)Hクラスタービンのつまずきを浮き彫りにする。この複雑な蒸気冷却システムを持つ、H型設計のタービンは、起動するのに何時間もかかり、技術的な問題を抱えており、そして殆ど売れていない、と、専門家は語った。
“We have made the decision to shut down operation of the Inland Empire Power Plant, which has been operating below capacity for several years, effective at the end of 2019,” GE told Reuters. The plant “is powered by a legacy gas turbine technology … and is uneconomical to support further.”
GEはロイターに対し、「我々は、数年前から出力を下げて稼働していたインランド・エンパイア発電所の運転を、2019年末には停止する事を決定した」と語った。この発電所は「旧式のガスタービン技術を用いており…これ以上のサポートを続けるのは、経済的ではない」と、述べた。
GE declined to comment on whether it would take a charge for shutting the plant. GE operates few power plants of its own.
GEは、プラントの閉鎖に費用がかかるかどうかについて、コメントを控えた。 GEは、自身では発電所をほとんど運転していない。
In a filing with the California Energy Commission on Thursday, GE said the plant is “not designed for the needs of the evolving California market, which requires fast-start capabilities to satisfy peak demand periods.”
木曜日にカリフォルニア州エネルギー委員会に提出した資料の中で、GEは「この発電所は、ピーク電力の需要時間に対応するための高速起動能力を必要とする、カリフォルニア市場の電力市場の発展のためには設計されていない」と述べた。
GE’s newer HA turbine can power up in under an hour, more quickly than the H to match fluctuating supplies of wind and solar power, GE said. The large market for the H turbine that GE anticipated “did not develop and has resulted in an orphan technology installation at IEEC,” the filing said.
「GEの最新のHAタービンは、風力発電と太陽光発電の電力変動に対応するために、1時間以内で起動することができる」とGEは述べた。「Hタービンのための大規模な市場は、GEが期待したように発展しておらず、結果としてHタービンは国際電気標準会議(?IEECのつもりですが自信ありません by 相田)の規準に従わない、孤立した技術の導入になっている」と、その資料には記されている。
It added that GE will no longer support or make replacement parts for the H turbine. Only one other plant uses H turbines, Baglan Bay in Wales.
その資料には、GEがもはやHタービンのためのサポートをしないか、交換部品を作ることもないであろうであろうと、付け加えられている。 他にHタービンを使用しているのは、ウェールズのバグラン・ベイ発電所(英国)だけである。
California approved the Inland Energy Center, located in Riverside County, about 75 miles (120.7 km) east of Los Angeles, in 2003 and the plant opened in 2009. Industry experts estimated it cost nearly $1 billion. Similar combined-cycle gas-power plants run for 30 years before being decommissioned, according to a recent study by S&P Global Market Intelligence.
カリフォルニア州は、2003年にロサンゼルスから東へ約75マイル(120.7 km)のリバーサイド郡にあるインランドエネルギーセンターを承認し、2009年に開業した。 産業界の専門家の予測では、その開業時には10億ドル近くの費用が掛かったという。S&P Global Market Intelligenceの最近の調査によると、同様のコンバインドサイクル用ガス発電所は、廃止されるまでに30年間は稼働する。
One of the two Inland Empire turbines was mothballed in 2017, cutting the plant’s output to about 376 megawatts, according to the filing and the California Independent System Operator, which oversees the state’s electricity grid. Closing the plant will eliminate about 23 jobs, the filing said. GE has been promoting its “H-Class” turbines amid a severe downturn in demand for fossil-fuel power plants.
GEの資料の記載と、カリフォルニア州の電力網を管理する独立系システム事業者の証言によれば、2つのインランド・エンパイアのタービンのうちの1つは、2017年に運転を停止し、プラントの出力は約376メガワットに削減された、という。工場を閉鎖することで、23人程のの雇用が削減される、とその資料は語っている。 GEは、化石燃料発電所の需要が大幅に低迷する中で、その「Hクラス」タービンの運転を推進している。
The two “H” turbines being demolished in California differ from GE’s current HA, which uses air cooling, said a former GE engineer familiar with both turbine types.
「カリフォルニアで解体されている2つの “H” タービンは、GEが現在推進するHA型とは設計が異なる。HAは空冷方式を採用している」と両方のタイプのタービンに精通している、GEの元エンジニアは語った。
Still, premature closure of a turbine marketed as “H-Class” is a negative for GE as it struggles to restore profits at its power business, the expert noted. Power, once GE’s largest division, lost $22.8 billion last year as the company grapples with slack demand for fossil-fuel plants. The company is set to lose up to $2 billion in cash this year. GE is selling the California power plant site to a company that makes battery storage, which is increasingly used to make wind and solar power available when needed, replacing the need for some fossil fuel plants.
「それでも、 “Hクラス” として販売されているガスタービンの、時期尚早の閉鎖は、電力事業での利益の回復に手間取るGEにとって、ネガティブな事件だ」と、その専門家は述べた。かつてのGE最大の事業部門だったGE-Powerは、化石燃料発電の需要の低迷に苦しんでおり、昨年は228億ドルを失った。同社は今年、最大20億ドルの現金を失うだろう。 GEはカリフォルニアの発電所の敷地を、蓄電池製造会社に売却する手続きを行なっている。これらの蓄電池は、一部の旧式の化石燃料発電所を置き換えるため建設される、風力及び太陽光発電システムに用いるため、需要が増加している。
(Reporting by Alwyn Scott Additional reporting by Scott DiSavino; editing by David Gregorio and Leslie Adler)
(引用終わり)
相田英男 拝
【51】イケメン社長がうっかり口をすべらせる
相田です。ロイターのGEについての新たな記事を引用します。
記事に出て来る「リーン生産方式」というのは、リーンスタートアップとも呼ばれる、アメリカで流行っている経営理論の一つだそうです。エリック・リースという起業家が書いた本が元になっており、新規の事業を始める時に、極力ムダを省いてスピードアップするのが特徴だそうです。
何やら立派な話みたいですが、元ネタはトヨタがやってる「カンバン方式」らしく、日本では「何をいまさら」感もあり、あまり話題にはなりません。おそらくカルプは、GEに来る前にリーン方式についてもよく研究しており、ダナハーの株価を高めるのに役に立ったのでだと思います。
カルプが問題の工場に行った、昨年の8月の時点では、CEOは前任者のフラナリーでした。グリーンビル工場というのは、ブレード破損を起こしたHAガスタービンを製造する中核工場です。そのGEの最重要工場の一つに、副社長のカルプがやって来て見たものは、旧態依然とした物作りの現場でした。投資家達から、「GEパワーの赤字はいつまで続くんだ?」とせっつかれたカルプが、うっかり内輪をバラしてしてしまったようです。
元記事には書かれていませんが、カルプが見学した丁度そのタイミングで、ブレードトラブルが勃発しており、「全くしょうがねえなあ」と、今でも頭を抱えているのでしょう。ジャック・ウェルチの時代に「シックスシグマ」とか、散々ぶち上げていたのは、一体何だったのか?こんな会社を「世界最強」と崇め奉っていた、経済マスコミ関係者達も、一体何だったのか、私にはサッパリ理解できません。
(引用始め)
GE’s CEO ‘stunned’ that factory efficiency drive only just started
GEの最高経営責任者(CEO)は、工場の効率化が始まったばかりであることに「驚いた」
Reuters May 31, 2019
By Alwyn Scott
NEW YORK (Reuters) – General Electric Co’s chief executive said on Thursday he was “really stunned” to learn that a major factory had only recently started using lean manufacturing techniques.
[ニューヨーク16日ロイター]ゼネラル・エレクトリック社の最高経営責任者(CEO)は25日、GEの大工場の一つが、リーン生産方式を採用し始めたばかりであることを知って「本当に驚いた」と述べた。
“It put me back a little bit to go to our Greenville, South Carolina, plant last summer and to have the team regale me with a really good lean production (project) that had just been implemented,” Larry Culp said at an investor conference in New York.
「昨年夏に私は、サウスカロライナ州グリーンビルの工場に行った。その工場のチームから、実際に業務効率の改善効果の高い、リーン生産プロジェクトについて、今まさに始めたばかりだ、と知らされた。その時に私は落胆し、少しだけ後ろ向きの気持ちになった」と、ニューヨークで行われた投資家との会議の席で、カルプは述べた。
“They did a very nice job. But just — it really stunned me (to) be there in the summer of 2018 and have such an important plant at GE beginning its lean journey or re-beginning its lean journey.”
「その時の彼らは、非常に素晴らしい仕事をした。しかし、私は本当に驚いた。その2018年の夏に(相田注;ガスタービンのブレードトラブルに直面した最中にもかかわらず)、GEにとって非常に重要な工場の一つで、リーンジャーニーを始めたり、仮に一時的にそれ中断していたのなら、その時にようやく再開したりすること、についてだ。
Lean techniques are widely used to reduce manufacturing costs while increasing efficiency and quality. GE’s Greenville factory makes large, gas-fired turbines that generate electricity in power plants around the world. GE’s power business has been losing money and is the top priority in Culp’s efforts to turn around the company.
リーン技術は、製造現場での効率と品質を高めながら、製造コストを削減するために、広く使われる手法である。 GEのグリーンビル工場は、世界中の発電所で電力を生み出す大型のガスタービンを製造している。 GEの電力事業は収益を失いつつあり、カルプが会社を好転させるための最優先事項となっている。
“No business consumes more of my time right now,” Culp said.
「私の時間をこれ以上消費する問題は、今のところはない」とカルプは語った。
Culp also affirmed on Thursday that GE expects negative free cash flow in the second quarter, and said GE’s power division plans to cut costs by about 20% over the next two years as it tries to become leaner.
木曜日の会議でカルプはまた、第2四半期にフリーキャッシュフローがマイナスになるとの予想を確認し、GEの電力部門は今後2年間でスリム化を図り、コストを約20%削減すると語った。
Culp said GE cut $800 million in costs at the power unit last year, and has plans to cut another $1.6 billion.
カルプは、GEは発電部門で8億ドルのコストを昨年削減し、さらに16億ドルのコスト削減を計画していると語った。
(Reporting by Alwyn Scott; Editing by Leslie Adler and Phil Berlowitz)
(引用終わり)
相田英男 拝
【50】本当にGEから買うのか、東京電力?
ー どうしたんですか、相田さん?今回の投稿は、GEのガスタービン事業についてのロイター記事の紹介でしょう?最近のおちゃらけ投稿じゃなくて、相田さん得意の技術の話じゃないですか。何で僕が呼ばれたんですか?
(相田)いや、英文記事の意訳はできたんだけど、前振りの紹介文がなかなか書きづらくてさ。それで何とか対談で埋めようかと・・・・
ー別にいいですけど、調子悪いんですか?
(相田)何か、この間の改元のお気楽騒ぎになかなか乗れなくて、いまいちな。俺的には令和っていうのは、平成よりは響きが気に入ってるんだけど。何せ平成はカクカクし過ぎてダサく思えたからな。
でも、最近タイマーズのアルバムを聞き返した時に「カプリオーレ」っていう曲があってさ。ブラームスだっけ?有名なクラシックの旋律に、キツイ内容の歌詞を付けて歌ってるやつだけど。
ー「高速~道路に~ポリスが並ぶ~、な~んだか大変だね、ごくろ~お~さん」て歌ですよね。これ以上は、今の情勢だと歌詞が書けませんけど。
(相田)あれを聴きかえすと、「前の改元の時は、こんな感じで暗い雰囲気だったよなあ」とか、思い出してさ。随分違うよな、今回はさ。何か変な話もどんどん続くし。あの、雑誌の中の映画宣伝の発言で、佐藤浩市が安倍首相の病気を揶揄したから許せん、って、盛り上がってるのは、一体何なのかな?
さっき俺もコンビニに寄って、その雑誌を立ち読みしたんだけど(笑)、佐藤浩市の発言をどう読んでも、安倍を批判してるとか、そんな風には読めなかったな、俺には。百田達が「この三流役者が、許せん」とか、怒ってるらしいけど、被害妄想も甚だしいとしか言えないよな。
何か、今の日本の右翼の奴らは、あまりにも過敏すぎるというか、精神的に脆いよな。頭が単純で悪すぎるだけじゃなくて。あれだと、左翼の連中から小馬鹿にされても仕方ないほどの、知能の低さと弱さだぜ。
ー 百田への批判文の一つで「佐藤浩市を三流役者呼ばわりするのは、橋本環奈をブスというくらいの暴言だ」というのがあったのは、僕も笑いました。
(相田)そんな感じに、軽く批判する位ならいいんだけどな。いきなり「三流役者が」とかブチ切れると、発言者の人間性を疑うよな。ただ、関係するネット記事のコメントを眺めると、殆どが佐藤浩市への批判なんだよなぁ。世の中みんな、あの発言に本気で目くじら立ててるのかね。そんなに八つ当たりしたい程、切羽詰まってるのか?
ー 副島先生が言ってましたけど、世耕なんかが、ライター達を雇って、安倍の応援コメントを沢山書かせてるんですかね?もしかしたら、AIが勝手にコメント書いて投稿してるとか?
(相田)一人の俳優のあのレベルの発言で、あそこまで批判されたら、これからの映画は、幼稚園のお遊戯会レベルの、無難な内容しか作れないぜ。一つの役に俳優が三人くらい並んで出て来さ、三人で同じセリフを喋るとかして。大勢の役者さん達に均等に機会を与えましょう、とか言ってさ。
ー 相田さん、疲れてますね・・・・
(相田)スランプ気味なんだよ、色々あって。
ー それで本題ですけど、GEのガスタービンがまた売れ始めたんですよね、ロイター記事によれば。
(相田)今朝のGE株価がいきなり3%以上も上がってたんで、何事だろうと思ったけど、そうらしい。今年の第1クオーター(四半期決算)で、6機のHA型ガスタービンを受注したんだと。三菱やシーメンスの受注よりも多かったらしい。ただ、三菱は5基、シーメンスは4基、それぞれガスタービンを受注してるんだよな。
ー GEが勝ったといっても所詮は、三菱よりも一基多いだけだという・・・
(相田)それで記事によると、GEが受注した6基のHAガスタービンの半分の3基は、どうやら東京電力が買うらしい。ロイターがGEに確認したら、そうだと認めた、と記事に書いてある。だけども日本ではそんなニュースは、全く報道されないよな。東京電力に売るという3基のHA型については、GEの四半期報告書にも書かれていなかったみたいだ。業界情報誌のマッコイパワーレポートがこの間の火曜日に出た。それをロイターの記者がよく見ると、GEのガスタービン受注数が増えてた、ということらしい。
ー ロイターがマッコイに確認したら「さあ、よくわかりません」とか、すっとぼけられたみたいですね。記事によると。
(相田)東電がこの状況で、HAガスタービンを3基も買うとなると、業界的にはトップニュースで報道すべきはずだけどな。でも日本では何も言わない。どう考えても怪しい裏があるよな、この話には。
ー そもそもGEは、HAガスタービンのブレード破損問題については、まだまだ時間がかかると言ってます。そんな時に買っちゃっていいんでしょうか、東電は?
(相田)ロイターによると、HA型の初段ブレードの耐久時間は7000時間らしいから、一年動かしたらブレードを全数交換しなくちゃならない筈だ。そんなんで、どうやってLTSA(メンテナンスのための保険)を結んだんだろう?LTSA契約の内容を是非知りたいよな。絶対に言わないだろうけど。だけど、GE側に有利な契約を結ばされて、事故が起こった時の費用が東電の持ち出しになると、電気料金がまた上がる。だから、消費者としても無視出来ない問題だよな。
おそらくは、苦境から抜け出せないGEを助けるために、奥の院のモルガン財閥が、東電に指示してガスタービンを買わせる気なんだろうな。GEのガスタービンには東芝の蒸気タービンがもれなく付いてくる。だから、東芝への助け船にもなるし。東電も、中部電力に西名古屋発電所で点検したHAガスタービンの状況とかを、聞いている筈だから、それなりの対策はするんだろうけど。
ー記事の最後に、シーメンスがガスタービン事業を分社化するとか、書かれてますね。
(相田)遂にそうするみたいだな、シーメンスは。それならGEのガスタービンも切り離してシーメンスと一緒にしろ、という過激な意見もあるらしい。独占禁止法に引っかかるから無理だけど。
でも、どうしてもGEがガスタービン事業を切り離すなら、その時には、東芝が買うというオプションが出てくる。また東芝は金が掛かるけど、経済産業省が資金援助してもいいんじゃないか、今回は。日産がルノーに分取られても、GEのガスタービン事業が日本の手に入れば、十分お釣りが来る。三菱では独禁法に引っかかるけど、東芝が買うなら問題ない。同じモルガングループだから、奥の院も絶対ダメとは言えないだろう。少なくとも中国に技術が渡るよりはマシだからな。
多分、GEでは最早、最先端のガスタービン開発に、現場の技術がついていけなくなっている。軍事分野ならどんだけ予算を掛けても許されるけど、産業機器向けの技術だと、どうしてもコスト低減に迫られる。アメリカの技術開発はソフトウエアに力を投入し過ぎて、産業用のハードウエア開発には手が回らなくなっているみたいだ。HAガスタービンのブレード問題も解決に時間がかかり過ぎるし、AP1000の建設が失敗した理由もそれだ。中国ではAP1000をちゃんと作れたからな。
3Dプリンタで 、ーGEではアディティブと呼ぶけどー 、これから色々部品を作ります、とか、GEではぶち上げてる。けども、ガスタービンの初段単結晶ブレードをアディティブで作るなんて、無理じゃんか。粉末金属を原料にするから、単結晶組織になるはずが無いだろう。アディティブでしか作れない画期的な材料なんて、おそらく存在しない。単なる株価を上げるための宣伝用の「ウソ技術」だぜ、アディティブは。昔も色々あっただろう。室温でも動作する(かもしれない)高温超伝導材料とか、バラード社の高分子型燃料電池、とかの、その場しのぎの「ウソ技術」が。所詮はアディティブも同じだ。
トゥサ尊師も予言してるけど、GEの株価はそのうちに5ドルくらいまで、また下がるだろう。GEキャピタルの隠れ損失がまた発覚したりしてさ。東芝はその時まで待って、機会があれば、GEのガスタービン事業を安く買い叩く事だな。車谷会長も今が我慢のしどころだろう。そうなったら、肉を切らせて骨を断つ、じゃないけど、ウェスティングハウス買収でやられた損失を、一発逆転で取り返せる事になる。西室氏や西田氏や、その他大勢の無念も多少は癒されるんじゃないか。
ー どっちかというと、それ、江戸の仇を長崎で取る、の方が近いんじゃないですか?
(相田)そっちで決めてよ。もう疲れたから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(引用始め)
GE books more power plant orders, beats Mitsubishi, Siemens: sources
GEは発電プラント建設の受注で三菱、シーメンスを上回る
Reuters, May 15, 2019
By Alwyn Scott
NEW YORK (Reuters) – General Electric Co won the most orders in the sharply contracting market for new gas-fired power plants in the first quarter, according to people familiar with the matter.
ニューヨーク(ロイター) – ゼネラルエレクトリック社は、この分野の関係者によると、第1四半期の新規ガス火力発電所の契約で、最も多くの受注を獲得した。
But GE faces rising competition, complicating new Chief Executive Larry Culp’s efforts to turn around the company’s ailing power unit.
一方でGEは、この分野での競争の激化に直面しており、新しい最高経営責任者(CEO)のラリー・カルプが進める、GEの電力事業部門における収益好転への努力を複雑にしている。
GE booked six orders for its advanced, HA-class turbines in the quarter, up from none a year ago, according to three people familiar with the situation and an industry report seen by Reuters on Tuesday. Rival Mitsubishi Hitachi Power Systems (MHPS) booked five orders, while Siemens AG booked four, the sources said.
この分野の専門家3人のコメントと、火曜日にロイターが確認した業界レポートによると、GEは最新の四半期に、HAクラスタービンの6つの建設受注を予約し、1年前の受注ゼロから受注数は上昇した、ライバルの三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は5件、シーメンスAGは4件の受注予約を受けた、と情報筋は述べた。
The standings highlight an intensifying battle for sales of these newest, most efficient “advanced class” generators capable of powering thousands of homes.
この順位表は、これらの最も新しく最も効率的な「アドバンスドクラス」のガスタービン(これら一機で数千軒の家庭に電力を供給できる能力を持つ)の売り上げに対する戦いが、激化していることを強調している。
Demand for gas turbines has fallen by half since 2014 as utilities rely more on wind, solar and power conservation. GE’s share is shrinking. It ranked second for advanced turbine orders in 2018 and is shutting manufacturing sites and laying off workers to reduce costs.
ガスタービンの需要は、電力会社が風力、太陽光、そして節電対策に力を注ぐようになったため、2014年から半分に落ち込んでいる。 GEのシェアは縮小している。 2018年にはアドバンスドタービンの受注数でMHPSに敗れて2位となり、コスト削減のためのタービン製造拠点の閉鎖と、労働者の解雇を進めている。
GE confirmed to Reuters it had booked three additional orders in the first quarter that were not counted in its first-quarter earnings report. The three additional units, sold to Tokyo Electric Power Co in Japan, were included in the closely watched McCoy Power Report published on Tuesday. McCoy declined to comment.
GEはロイターに対し、第1四半期の決算報告に含まれていなかった追加の3つのタービンの作製について、既に受注予約したことを確認した。日本の東京電力に売却された3つの追加ユニットの記載は、火曜日に発行された調査会社のマッコイパワーによるレポートの中に、よく見ると含まれていた。マッコイは、この件についてのコメントを控えた。
Siemens and MHPS also confirmed their tallies with Reuters.
シーメンスとMHPSも同じく、ロイターの集計結果を確認した。
GE has dominated power-plant sales for decades and has installed more than 7,500 gas turbines around the globe. But its position has weakened. Its backlog of power equipment orders is down 1.5% from a year ago, and GE faced pressure after an HA turbine broke at a plant in Texas last year, forcing GE to replace blades in dozens of plants.
GEは何十年もの間、パワープラント機器の販売を支配しており、世界中に7,500以上のガスタービンを設置している。しかし、その立場は今では弱まった。電力機器の受注残は前年同期比で1.5%減少し、昨年はテキサス州の工場でHAタービンが故障したため、GEは数十の発電プラントでブレードの交換を余儀なくされた。
Power was once GE’s largest unit, but it has been a drag on the company’s earnings. GE lost $22.8 billion last year due to a $22 billion write-down of power assets and an $872 million operating loss in its power unit.
電力機器部門は、かつてはGE最大の事業ユニットだったが、それは今や会社の収益に悪影響を及ぼすものとなった。 GEは昨年、228億ドルの損失を出した。これは、220億ドルの電力資産の評価減と、その発電機器部門の8億7200万ドルの営業損失によるものだ。
GE Power posted an $80 million profit in the first quarter of this year, after Culp restructured the unit in October to separate gas power from other types of power.
Culp warned at GE’s annual meeting last Wednesday that the relatively strong first-quarter performance was not a trend, and remaining quarters would likely be weaker.
10月にカルプがCEOに就任し、GEパワーのガス発電部門を他のタイプの発電機器部門から分離するリストラ対策を発表した後で、GE Powerは今年第1四半期に8000万ドルの利益を計上した。カルプは先週の水曜日に行われたGEの年次総会で、比較的好調な第1四半期の業績はトレンドではなく、残りの四半期ではおそらく弱まるだろうと警告した。
Siemens, meanwhile, said this week that it will spin off its oil and gas, power-plant and grid businesses along with its 59% stake in Siemens Gamesa Renewable Energy to allow them to grow without competing for capital with higher-margin Siemens businesses. It plans to list the new company publicly by September 2020.
一方でSiemensは今週、同社の石油&ガス、発電機器および電力網事業を、Siemens Gamesa Renewable Energyへの59%の持株分を加えてスピンオフして、Siemensの残りの一連の事業の利益率を高めて、お互いに競争することなく成長できるようにする、と述べた。 スピンオフした2020年9月までに上場予定である。
(Reporting by Alwyn Scott; editing by Jonathan Oatis)
(引用終わり)
相田英男 拝
【49】お呼びが掛かるだけマシなのか?
相田英男です。
不振に喘ぎ苦しむGEの下に助け船、ではないのでしょうが、ロシアからガスタービン建設の協力を依頼された、というニュースです。
ロシアではご承知のように、天然ガスはわんさか出てくるのですが、そのガスを利用してガスタービンで効率良く発電したくても、なかなか上手くいかない、助けてくれ、ということみたいです。
厄介なのは、ただガスタービンを作ってくれ、という訳ではなく、タービンの作り方、製造技術をロシアに教えてくれ、という話です。やっぱり美味しいだけではありません。トランプも、今のところロシアとの間で色々と物議を醸しているので、GEに表だってやれとは、なかなか言えないでしょうね。
タービンの技術自体は、やろうと思えば産業スパイ達がそれなりに、図面や仕様書などをアメリカから持ち出せるでしょう。しかし、大型ガスタービンを組み上げてぶん回すとなると、頭の中で考えるようには、まず上手く行きません。実機の開発経験がどうしても必要です。GE自体も技術者の世代交代から、自前で設計したHA型タービンの致命的なトラブルを見逃してしまいましたから。明らかにあのトラブルは、開発経験の不足によるものです。
でも、はっきりしたのは、ロシアにはガスタービンの巨大なビジネスチャンスが存在する事実です。インターRAOの社長さんがGEに語っているように。
日本がロシアと交渉する場合、シベリアにMHPSがガスタービンを建設するのと引き換えに、北方領土を返してもらう条件を引き出す、とかのオプションに使えますよね。状況によっては。多分、日露間の交渉には、既に上がっているのでしょうけど。
やっぱり、どっかの三流アナリストが書くみたいに、ガスタービンの事業は先が無いから、再生可能エネルギーに切り替えるべきだ、という主張は、とんでもない間違いのようです。長期的な戦略では。
(引用始め)
Russia’s Inter RAO says seeks gas turbines deal with GE by October
ロシアのInter RAOは、10月までにGEとのガスタービン製造に関する契約締結を望む、と語った。
Reuters, March 30, 2019
KRASNOYARSK, Russia (Reuters) – The chief executive of Russia’s Inter RAO said on Saturday the energy holding hoped to reach a deal with General Electric Co by October to produce powerful gas turbines in Russia, either as a joint venture or by buying a licence from GE.
[ロイター]ロシアのInter RAOの最高経営責任者は、電力の安定供給の観点から、10月までにゼネラルエレクトリック社と共同で、ロシアでの大出力のガスタービンの製造を、合弁会社か技術ライセンス購入のどちらかの形で要望している、と発表した。
Russia, which does not currently produce mid- or high-power gas-fired power turbines, recently launched a 1.9 trillion rouble ($29 billion) programme to modernise a quarter of its power generation, or 41 gigawatt of coal- and gas-based plants.
現在、中型または高出力型の発電用ガスタービンを生産していないロシアは、最近、それらタービンの出力の4分の1の、41ギガワットの石炭およびガスベースのプラントを近代化するために、1.9兆ルーブル(290億ドル)を投じたプログラムを開始した。
It is seen as a rare opportunity for Western producers amid falling global demand for gas turbines in recent years, but Moscow has said investors must only use fully localised — domestically produced — equipment as part of a local content push.
近年の世界的なガスタービン需要低下の中で苦しむ、欧米のタービンメーカーにとっては、まれな機会とみなされるが、モスクワでは、投資家は地元のコンテンツプッシュの一環として、完全に現地生産された国内設備のみを使用するべきだと、主張されている。
Inter RAO CEO Boris Kovalchuk said the modernization programme would open a large market for GE for 10 years.
Inter RAOのCEOであるBoris Kovalchukは、ロシアの発電事業の近代化プログラムは、GEに今後10年間にわたる広大な市場を解放するだろう、と語った。
“We hope to reach all the agreements with them within half a year,” Kovalchuk told reporters during a conference in the Siberian city of Krasnoyarsk.
「我々は半年以内に彼らと間で、すべての合意に達することを望んでいる」とKovalchukはシベリアの都市であるクラスノヤルスクでの会議中に、記者団に語った。
A plant jointly owned by Inter RAO, GE and Russian state conglomerate Rostec produces 77-megawatt turbines in Russia’s central region of Yaroslavl.
Inter RAO、GEおよびロシアの州のコングロマリットであるロステックが、共同で所有するある工場は、ロシアの中央部ヤロスラブリで77メガワットのタービンを建設した。
The ongoing talks between GE and Inter RAO are for the local production of 185-195 megawatt turbines. Inter RAO may purchase Rostec’s stake in the plant as part of the deal with GE, Kovalchuk added.
GEとInter RAOの間で進行中の協議は、185-195メガワットのタービンを現地生産のためのものである。インターRAOは、GEとの契約の一環として、ロステックのその工場に対する持分をインターRAOが購入する可能性がある、とKovalchukは付け加えた。
A joint venture between Siemens and Russian firm Power Machines is already producing turbines in Russia. Siemens, which owns a 65-percent stake in the venture, has pledged to raise the level of localisation in the production process.
シーメンスとロシアの工場のPower Machinesとの合弁会社では、すでにロシアでタービンを生産している。合弁会社の65%の株式を所有しているシーメンスは、製造工程における現地生産の比率を上げることを約束した。
Russian state-controlled firms — Rostec, Rosnano and Inter RAO — have been trying to create their own gas turbine production but their prototype project failed testing, sources, familiar with the matter, told Reuters a year ago.
ロシアの国営企業であるロステック、ロスナノとInter RAO は、独自のガスタービン生産を試みたが、プロトタイププロジェクトはテストに失敗したと、この問題に詳しい情報筋は、ロイターに1年前に語った。
Kovalchuk said on Saturday that the project was continuing, and that Inter RAO had passed the second turbine to the project’s operator for improvement.
($1 = 65.6700 roubles)
Kovalchukは土曜日に、プロジェクトは継続しており、Inter RAOは改善した2番目のタービンを、プロジェクトの運営者に渡したと述べた。
(1ドル= 65.6700ルーブル)
(Reporting by Anastasia Lyrchikova; Writing by Polina Devitt; Editing by Helen Popper)
相田注:Inter RAOとはロシア最大の電力事業持株会社で、ロシア電力の海外との輸出入を独占している。
(引用終わり)
相田英男 拝
【48】GEパワーは「壊れている」
相田です。
直近のスティーブ・トゥサのGEへのコメントについて、記事を引用します。
私の訳が悪いのですが、
“We believe this is a broken business that is running out of backlog needed to feed an installed base that is now declining,” he added.
という部分が、なるほどなあ、と納得しました。
やっぱりそう考えているのか・・・・・そうだよね。
(引用始め)
GE Stock Plunges Further As Top Analyst Warns GE Power Business ‘Broken’
トップアナリストがGEの発電事業は「壊れた」と警告したことで、GE株式はさらに急落した
APARNA NARAYANAN
March 6, 2019
Investor’s Business Daily
The General Electric (GE) announcement Tuesday that free cash flow from its industrial businesses will be negative in 2019 was “worse than we expected” and more pain may await holders of GE stock, according to JPMorgan. GE stock tumbled for a second straight session on Wednesday
JPモルガンによると、ゼネラルエレクトリック(GE)が火曜日に発表した、2019年の産業事業からのフリーキャッシュフローがマイナスになるという内容は、「予想以上に悪い」もので、GE株の保有者に更なる苦痛を与える可能性がある。水曜日のGE株は、2日連けての下落となった。
The firm’s analysts questioned the notion that GE Power is “not that bad” and called shares overvalued.
同社のアナリストらは、GE Powerが「それほど悪くはない」との考えに疑問を投げかけ、GEの株式は過大評価されていると述べた。
“As long as this sentiment prevails, we don’t think the stock can bottom,” widely followed JPMorgan analyst Stephen Tusa wrote in a note Wednesday. He reaffirmed a price target of 6 on GE stock ― but added that it “looks generous” after Tuesday’s news.
JPモルガンのアナリスト、スティーブン・トゥサ氏は、22日、「このセンチメントが続く限り、株価が底値を打ったとは思わない」と指摘した。彼はGEの株価の6ドルの目標を再確認した – しかし彼は、それでも火曜日のニュースの後には「寛大に見える」、と付け加えた。
On Tuesday, GE tied its grim outlook to continuing problems in its core power business. The industrial giant said cash flow challenges should ease in 2020 and 2021. GE’s industrial free cash flow shrank from $7.7 billion in 2015 to $7.1 billion in 2016 to $5.6 billion in 2017 and to $4.5 billion in 2018, before Tuesday’s shock news.
火曜日にGEは、その中核となる電力事業における継続的な問題に対しての、厳しい見通しを発表した。 GEの産業事業のフリーキャッシュフローは、2015年の77億ドルから2016年には71億ドル、2017年には56億ドル、火曜日のショックなニュース前の2018年には45億ドルに減少した。
GE Power A ‘Broken Business’
GEパワーは「壊れている」
But Tusa cast doubt on the idea that GE Power problems are fixable or isolated to the Alstom energy assets that General Electric bought in 2015.
“We believe this is a broken business that is running out of backlog needed to feed an installed base that is now declining,” he added.
しかしトゥサは、GE Powerの問題は、主に、GEが2015年に買収したアルストムのエネルギー資産に由来し、アルストムが解決出来れば困難は分離されるだろう、という考えに疑問を投げかけた。「GEの電力事業は壊れたビジネスであり、既に設定されている事業の推進に必要なサポート対応の多くが未処理のために、ベース事業自体が弱体化しつつある、と我々は考えている」と、彼は語った。
Given negative free cash flow, JPMorgan’s estimate for the 2019 EPS “anchor” has gone from a prior view for positive 50 cents to negative 50 cents.
フリーキャッシュフローがマイナスとなったことから、JPモルガンの2019年EPSの「アンカー」の推定は、以前の予想のプラス50セントからマイナス50セントに変更された。
Restructuring Not a ‘Silver Bullet’
リストラは「銀の弾丸」ではない
But citing costs, Tusa said restructuring won’t be a “silver bullet” to a General Electric fix.
しかし、費用の問題についてトゥサは、リストラはGEを修正するための「銀の弾丸」にはならないだろうと述べた。
In late February, GE agreed to sell its biopharma business to Danaher (DHR) for $21.4 billion. Culp was previously CEO of Danaher.GE stock hit a 2019 high that day, briefly topping its 200-day before pulling back.
2月の下旬に、GEはバイオ医薬品事業を214億ドルでダナハー社に売却することに合意しました。 カルプは、以前はダナハーの最高経営責任者でした。GE株はその発表の日に2019年の最高値を記録し、引戻し前には一時的にだが、株価の200日平行移動線を突破した。
(引用終わり)
相田英男 拝
【47】イケメンCEOも遂に白旗を揚げる?かな
相田です。ロイターの記事を「意訳」して引用します。
昨日、GEのCEOのカルプとスティーブ・トゥサが対談したそうです。が、のっけからカルプは、もうダメだ、という感じだったみたいです。今回の相手には、おためごかしは最早通じないと、開き直ってたんでしょうか?正直なのは良い事ですが。
昨年よりも今年の収益が悪化するだろう、と、カルプ自らが認めたため、株価は再び10ドルを割込みました。トゥサの目標の、6ドル目指して下がり続けるのでしょうか?
記事をよく見ると、HAタービンのブレードトラブルの解決の目処が、当分の間立たない、というカルプの爆弾発言が、さりげなく載っています。
やっぱりそうじゃんか。技術者のレイオフをやり過ぎて、タービンが治せなくなったんだよな。問題は技術力の低下だ。再生可能エネルギーに投資するとか言ってるのは、投資家を欺くための目くらましだろう。
まあ、これから(も)大変だわな。
(引用始め)
GE’s CEO warns of negative industrial cash flow in 2019, shares drop
Reuters March 6, 2019
By Alwyn Scott and Rachit Vats
(Reuters) – General Electric Co’s chief executive surprised investors on Tuesday by forecasting a net cash outflow from the conglomerate’s industrial businesses this year, a far more negative outlook than he offered previously, sending shares and bonds down.
【ロイター通信】 – ゼネラル・エレクトリックの最高経営責任者(CEO)が火曜日に発表した、今年の産業事業部門からのキャッシュの流出が、以前の予想よりもはるかにマイナスになるとの見通しは、投資家達を驚かせ、株式と債券の下落を招いた。
“Industrial free cash flow will be (in) negative territory,” CEO Larry Culp said in a webcast interview with JPMorgan analyst Stephen Tusa, a longtime GE bear.
CEOのラリー・カルプは、GEに対し長年にわたり否定的な発言を続ける、JPモルガンのアナリスト、ステファン・トゥサとのウェブキャストインタビューで、「産業部門のフリーキャッシュフローはマイナスの領域になるだろう」と述べた。
“I don’t want to sugarcoat that in any way,” Culp said, referring to GE’s ailing power business, which he said would lose more this year than the $2.7 billion in free cash flow it lost in 2018.
カルプは、GEの苦境に喘ぐ電力事業について、「どんな甘い見通しも持つつもりはない」と語り、今年は2018年の27億ドルのフリーキャッシュフローを下回るだろうと、見通しを述べた。
He added: “We’ll see that be a greater negative number in this year as we work through the restructuring, as we work through the runoff liabilities there and just the localization of timing around projects.”
彼は付け加えた:「我々は今年の事業リストラの過程で、より大きなマイナスのキャッシュを見るだろう。負債の流出とリストラで生じる事業への影響は、最小限に止めるつもりだが」
GE’s shares swiftly dropped below $10, which marked the biggest intraday percentage drop in more than three months, knocking more than $4 billion off the company’s market value. The shares fell as much as 7.6 percent on Tuesday and were still down 5.3 percent at $9.83 in late afternoon trading.
GEの株価は急速に10ドルを下回った。これは3ヵ月ぶりの日中最大の落ち込みの記録で、会社の市場価値を40億ドル以上奪った。火曜日の株価は7.6%も下落し、午後遅くの取引では更に5.3%下がって9.83ドルだった。
GE’s bonds also declined, with GE Capital bonds the hardest hit. A $2.25 billion issue at 4.5 percent coming due in March 2044 was down 1.65 percent.
GEの社債も下落し、GEキャピタルの債券は最も大きな打撃を受けた。 22億5000万ドル発行済みの、2044年3月に償還予定の4.5%債権の価格は1.65%下落した。
Earnings at GE’s power business collapsed in mid-2017 as sales fell and the company failed to make good on promises to increase profit margins after a $10 billion acquisition of Alstom of France.
GEの電力事業は、フランスのアルストム社をを100億ドルで買収した後、利益率を向上させるという約束を守れなかったため、売上が減少し、2017年半ばの業績が落ち込んだ。
Since then, GE has blamed its own poor management and a shift toward new wind and solar power plants for the power unit’s losses, which totaled $22 billion last year.
それ以来GEは自らの電力事業について、経営管理が不十分で、昨年の合計が220億ドルに登るそこでの損失が、新しい風力および太陽光発電所へのシフトを促したと、非難している。
The power unit is spending at least $480 million to fix thousands of turbine blades that are at risk after blades broke in 2015 and 2018, causing serious damage to power turbines and coinciding with a drop in GE’s market share.
電力事業部門は、2015年と2018年に起きたガスタービンのブレード損傷事故の後、破損のリスクを今なお抱えている何千ものタービンブレードを修理するために、少なくとも4億8000万ドルを費やしている。
GE also has poured billions of dollars into its insurance business, which includes thousands of money-losing long-term care policies written more than a decade ago. Some experts said GE may have to spend billions more to cover claims.
GEはまた、10年以上前に発行された、何千もの「金が奪われる」長期介護保険契約を含む保険事業に、数十億ドルを注いできた。一部の専門家は、保険請求をカバーするために、GEはさらに数十億ドルを費やす必要があるかもしれないと述べた。
Culp said the power business would face headwinds for “a couple of years,” would not resolve problems with breaking power turbine blades for “a while” and promised to step up restructuring in the business and elsewhere. GE declined to provide restructuring cost estimates. The company is due to publish a financial forecast on March 14.
カルプは、電力事業は「数年間」逆風に直面するだろうと述べ、「しばらく」の間は発電用タービンブレードの損傷問題を解決することはできず、電力やその他の事業でのリストラを強化する、と約束した。 GEは、事業再編費用の見積もりの公表は控えた。 同社は3月14日に財務予測を発表する予定である。
Culp’s comments on Tuesday went beyond his warning in January that investors could expect industrial free cash flow to weaken in 2019, and the cash flow would increase “substantially” in 2020 and 2021.
火曜日のカルプのコメントは、1月に彼が投資家に語った「2019年には産業部門のフリーキャッシュフローが弱まるものの、2020年と2021年のキャッシュフローは「大幅に」増加するだろう」という「警告」を超える内容だった。
Culp said on Tuesday that GE would continue to provide cash to its GE Capital unit for the foreseeable future, though probably not as much as the $4 billion it provided last year.
カルプは火曜日に、GEは当面の間、GEのキャピタルに現金を提供し続ける、と述べた。が、おそらくは昨年の40億ドルほど多くはないだろう。
GE Capital used to pay dividends to the parent company, but that stopped after losses mounted at GE’s reinsurance business in the second half of 2017.
GEキャピタルはかつて親会社に配当を支払っていたが、2017年下半期にGEの再保険事業で損失が発生した後、配当の支払いは停止した。
(引用終わり)
相田英男 拝
【46】ザ マス イズ ザ マス
相田です。
今週の始めに、GEにまた動きがあった。GEの医療機器部門(GEメディカル)の中にある、バイオファーマ(生体医薬品)技術に関する、開発機器や検査設備製造のグループを、CEOのラリー・カルプがかつて率いていた、ダナハーという精密機器会社に、売却する事が決定した。この取引によりGEは、2兆円以上の高額の売却費をダナハーから受け取るという。その費用を、来年に支払期限が迫っているほぼ同額の負債の支払いに充てることで、当面凌ぐことが出来るという。本来、GEメディカルは、事業部全体を別会社として分離して上場、売却する予定だった。フラナリーCEOの時代はそのように発表していた。
しかし、GEの事業の中でも最も利益を挙げている金の卵ともいえる部門が、メディカル部門だ。それを売却すると、その後にどうやって稼ぐのだという、もっともな批判が、アナリストから出されていた。そこで今回の取引では、メディカル事業部の中のバイオファーマに関するグループのみを分離して、MRI(核磁気共鳴)製造などの主力部隊は、GEに残すこととした。将来の金ヅルを残しながら、借金を返せますよ、偉いでしょう、という訳だ。株価は一旦は数ドル上昇したものの、また落ち着いたようだ。
ダナハーはカルプがGEに重役として昨年迎えられる前に、15年間も社長を務めた会社だ。ダナハー側にも、カルプの采配で株価を5倍に上げてくれた恩義がある。カルプに頼まれたら、無理でも嫌とはいえまい。今回の交渉を見事なM&Aだ、とか書いた、某日経新聞もあった。が私には、保険の営業にパートで雇われたオバちゃん達が、ノルマ達成のために、自分の家族に必要もない保険を、無理矢理売り付けるように思えて、あまり感心しない。カリスマ経営者と期待されて迎えられカルプであったが、やる事は所詮は、保険のオバちゃんと変わらないのか。顔は爽やかなイケメンで、髪もフサフサなカルプは、ビジュアル度の方は前任者のF氏よりも相当高いのだが。
とはいえ今回の借金を返しても、GEにはまだ10兆円近くの有利子負債が残っている。以前のトリプルA時代の格付けのGEならば、社債を大量に発行して乗り切れた。だが、今のGEの格付けは、ジャンク債レベルのトリプルBプラスまで下げられたので、社債が最早発行出来ない。事業の切り売り以外に、GEはどうやって10兆円を返してゆくのだろうか?新たな金ヅルを持っているCEOをつれてきて、カルプを首にして入れ替えたりするのだろうか?今のGEは、アクティビスト(物言う株主達)の要求を聞かざるを得ないらしいので、彼らならやりかねない気もするが・・・・
正直、私は昨年の秋にGEの没落が決定的になって以来、気持ちがハイの状態が続いている。今まで当然だと思い込まされていたことが、全くのウソだった事実が白日の下に晒された。そのことで、私の頭の中に永年あった判断の基準が、大きく崩れてしまったのだ。
GEこそは、アメリカの覇権を象徴する最強の企業であり、日本の発電・重電会社を牛耳る皇帝だった。圧倒的な資金力と最先端の経営技術を駆使する事で、最新テクノロジーを製品として具現化し、業界をリードし続けるのがGEであると、私は深く信じ込まされていた。
それが、今の体たらくとは、一体何なのだ?
史上最高の経営者と呼ばれたジャック・ウェルチが、自ら選別し、鍛え育てたエリート経営者達が、今のGEを導いているのではないのか?50兆円以上あった時価総額が、10兆円を切るまで落ちぶれるなど、アメリカ最高のエリート経営陣の采配として、許されるものでは無いだろう。
結局は、今までマスコミや新聞社が持ち上げ、賞賛し尽くしてきたGEの栄光は、全くの嘘だったのだ。ウェルチ自身の栄光も、たまたま運が良かっただけだったのだ。何が伝説の経営者だ。よくもこれまで20年以上もの間、デマを吹聴し続けてくれたものだ。GEを見習え、アメリカの企業経営者達の振る舞いと判断を見習え、日本の企業は遅れて恥ずかしいのだ、などと。
俺はもう、これからは、お前等には騙されない。
さて、今回の状況について、我らが頼れるスティーブ・トゥサの意見はというと、「ザ マス イズ ザ マス」だそうである。数学は所詮は数学、単純な数字合わせで取り繕ったところで、中身が伴っていなければ無意味だ、という事らしい。ちなみに、株価の目標価格も6ドルのまま据え置くそうだ。
「ザ マス イズ ザ マス」とは、何ともカッコいい響きである。一度言ってみたいものである。
3月5日には、J.P.モルガンのカンファレンスで、GEの状況についてカルプ自らが説明し、その際にはトゥサとの間で、直接のQ&Aのやり取りも予定されているらしい。何が起きるか、今から楽しみである。
(引用始め)
Is Larry Culp Leading General Electric In the Right Direction?
James Brumley
Investor Place, March 1, 2019
He certainly said all the right things, and, he said them in the right way … Now, just because General Electric CEO Larry Culp can make investors feel good, it doesn’t necessarily mean Culp can produce results that will drive GE stock higher.
Boiled down to its most basic form, that’s the crux of the debate surrounding General Electric stock right now, following Tuesday’s release of Larry Culp’s first letter to owners of General Electric stock.
彼の言った事と示した方向は、確かに正しいのだろう。しかし、ゼネラル・エレクトリックのCEOラリー・カルプ氏が投資家の気分を良くできたからといって、GEの株価を引き上げられるとは断言できない。火曜日のLarry CulpによるGeneral Electric株式所有者への最初の手紙の発表に続いて、最も基本的な問題点、つまり現在のGeneral Electric株式に関する状況が、議論の核心となっている。
The message was long on ideas and goals. Yet, it was short on specifics regarding how he may actually be able to lead GE out of perdition and back to its former greatness.
そのメッセージには、アイディアとゴールについて長く記されていた。それでも、彼がどのようにしてGEを現在の虐待から救い出し、かつての偉大さを取り戻すための方法についての詳細な説明は、とても短かった。
The market is patient with the company right now, but that won’t be a permanent condition.
市場は今のところ同社を辛抱強く見守っているが、それが永遠に続く訳ではないだろう。
The Math Is the Math
It was, by and large, a typical letter to shareholders, cheering the good, acknowledging the not-so-good, and painting a picture of a bright future that will focus more on the customer and improving the balance sheet.It also means little in the grand scheme of things, as most CEO missives to the market do.
手紙の内容は概して、株主に宛てての典型的なものあった。良い事を持ち上げて、それほど良くないことは認める、そして、顧客とバランスシートの改善に、より焦点を合わせることで、明るい未来の絵を描き出していた。そこで書かれている物事の壮大な計画には、市場に向けて公表される数多くのCEO文書と同様に、ほとんど意味は無い。
That doesn’t mean investors didn’t respond. They loved it, and had they not propelled GE stock up to the tune of 10% on Monday following news it was selling its biopharma unit to Danaher , they may have been willing to pour in again in a big way. Still, up more than 50% from its December low, clearly the crowd believes in GE again.
それは投資家が反応しなかったという意味ではない。彼らはそれを愛した。月曜日に、バイオファーマ部門をダナハーに売却したニュースを受けて、GEの株価を10%まで引き上げていなかったならば、彼らは再び大いに注ぎ込むつもりだったのかもしれない。それでも、12月の安値から50%以上も株価は上昇し、明らかに群衆はGEを再び信じている。
Not the whole crowd though.J.P. Morgan analyst Stephen Tusa is no stranger to being in the minority. Good thing too. His price target of $6.00 for GE stock is not only well below the stock’s current price near $10.70, it’s also the lowest target sported by Wall Street’s pros.
しかし、群衆の全てが信じている訳ではない。J.P.モルガンのアナリスト、スティーブン・トゥサ氏は、少数派であることに不慣れではない。良いことについても。彼のGEの株価目標である6.00ドルは、現在の10.70ドル近くの株価をはるかに下回ると同時に、ウォールストリートのプロが予想する中で、最も低い目標でもある。
And yet, Tusa’s view of General Electric may be the most sound, and least swayed by hollow hope.
それでも、トゥーザのゼネラル・エレクトリックに対する見方は、最も健全で、そして、希望が無い状況でも揺るがないかもしれない。
“At this stage of the game, the math is the math,” says Tusa, who believed GE’s free cash flow for the current year will be in the range of $1.5 billion to $2.0 billion. Tusa goes on to explain, however, “I can tell you right now, that $10 per share does not reflect where fundamentals currently stand.”
「ゲームのこの段階では、数学は数学に過ぎない」とトゥサは語る。同氏は、GEの今年のフリーキャッシュフローは15億ドルから20億ドルの範囲になると信じている。しかしトゥサは続けて、「1株当たり10ドルは、ファンダメンタルズの現在の状況を反映したものではないことは、直ちに言える」と説明している。
“They are giving a massive amount of benefit to a significant swing in Power, from negative $3.0 billion in free cash to probably about $1.0 billion( ) in free cash over the next three years,” continues Tusa, who adds “and they are also assuming that GE Capital is zero [in free cash flow]” when the company’s capital arm is still bleeding cash.”
「彼らは今後3年間で、マイナス30億ドルのフリーキャッシュから、おそらく約プラス10億ドルまで、電力部門の利益がV字回復する事で、大幅な利益が得られると考えている」トゥサは続けて、次のように語った。「彼らは、GEキャピタルは(フリーキャッシュフローにおいて)ゼロであると仮定している。キャピタル部門のキャッシュの流出が止められない今の状況でも」
Tusa doesn’t think the company’s Power arm will flip to profitability that quickly. He also points out “GE Capital is not a zero [in terms of cash burn]. GE Capital is a substantial negative … [with] significant drags over the next couple of years.”
トゥサは、同社の電力部門がそれほど早く収益性を向上させるとは考えていない。また、「GEキャピタルはゼロではない(キャッシュバーンの観点から)。 GEキャピタルは実質的にはネガティブであり、今後数年間はマイナス方向に大きく引張るだろう」とも、トゥサは指摘した。
(引用終わり)
相田英男 拝
【45】白々しい言い訳を真に受けて記事にするな
相田です。
ロイターの記事によると、2018年のガスタービンの受注量を集計したところ、タービン全体のシェアはGEがトップだったのですが、高効率型の最新機(ポストFクラス)の比較では、三菱のJ型がGEのHAの1.5倍の受注を取っていた、とのことです。
ガスタービンの市場全体が縮小傾向にはあります。が、台数が少ないとは言えど、新型機の受注で三菱がGEを打ち破ったのは画期的です。
昨日のダイヤモンドオンラインの記事によると、CEOのカルプが「ガスタービンの売上見込みが、当面の間立たないので、人員削減せざるを得ない」とか、言ったそうです。しかし、真実はその逆で、ガスタービンの人材を大勢解雇してしまったために、性能の低下と欠陥が生じて、結果として、三菱に負けてしまった、という事ではないでしょうか。
市場が縮小したため事業転換するというのは、負け犬の体の良い言い訳に過ぎません。経済情報誌も、外人の白々しい言い訳を鵜呑みにして、安易に記事にするのは、大概にしてほしいです。
(引用始め)
GE wins most 2018 gas turbine orders; Mitsubishi wins on new technology: report
2018年のガスタービン受注はGEがトップだが、新型機では三菱が勝利した
Reuters February 13, 2019
By Alwyn Scott
NEW YORK (Reuters) – General Electric Co booked the most orders for electricity-generating gas turbines in 2018 but fell to second place for the largest and most advanced machines, behind Mitsubishi Hitachi Power Systems, according to a closely watched report seen by Reuters and people familiar with the matter.
ゼネラルエレクトリック社は、2018年において最も多くの発電用ガスタービンを受注したが、大型で、且つ、最新のタイプのタービンの受注では、三菱日立パワーシステムズに敗れて2位に落ちたことを、ロイターおよび専門家は、最新の資料から確認した。
Demand for gas turbines has been tumbling since 2011, stoking fierce competition for deals and prompting manufacturers to slash jobs and close factories. GE is in the midst of a multi-year restructuring of its power business, which lost $808 million last year.
2011年以降のガスタービンの需要は大きく変動した。受注競争は激化し、メーカーは雇用の削減や工場の閉鎖も余儀なくされた。 GEは、電力事業の再編に見舞われ、昨年だけで8億800万ドルのリストラによる損失を計上した。
The latest rankings show Mitsubishi won 41 percent of the orders last year for turbines that can produce 100 megawatts or more, compared with 28 percent for GE and 25 percent for Siemens AG, according to McCoy Power Reports data.
McCoy Powerレポートのデータによると、昨年の100メガワット以上の大型ガスタービンの受注では、三菱(MHPS)のシェアが41%となり、28%のGEと25%のシーメンスを抑えてトップに立った。
Among newest-generation turbines, known as “post F-class,” MHPS got 49 percent of orders, compared with 34 percent for GE and 16 percent for Siemens, the data shows.
その中でも、ポストFクラスと呼ばれる最新世代のタービンの受注では、MHPSのシェアは49%と増加し、GEは34%、シーメンスは16%であった。
Orders for the most advanced turbines have dwindled along with the entire market, even though they churn out the most electricity per unit of fuel burned. GE suffered a high-profile breakdown with one of its advanced turbines in Texas last year, and warned it may spend $480 million on repairs for the global fleet.
最先端のタービンの近年の受注量は、単位あたり電力の発生に必要な燃料の消費を最大限に抑えるメリットにもかかわらず、市場全体と共に減少する傾向にある。 GEの開発した先進的なタービンでは、昨年、テキサスの発電所で大規模な故障が生じ、世界中の同型機タービンの修理には、4億8000万ドルを費やす可能性がある。
GE last year held onto its longtime top spot when all orders were counted.
昨年のすべてのタービンの受注がカウントされた時に、長年にわたって占めて来た受注シェアのトップの座を、GEは維持することができた。
The rankings show GE dominated orders for older-technology F-class turbines and that it had an overall tally of 33 percent of orders by capacity, compared with 31 percent for MHPS and 26 percent for Siemens.
このランキングによると、旧式のFクラスタービンの受注では、GEのシェアが33%とトップであり、MHPSが31%、Siemensが26%であった。
GE is “proud to the leader … as it has been every year since 2010,” spokeswoman Kirstin Carvell said. Siemens did not immediately respond to requests for comment.
Mitsubishi said in a statement on Tuesday that its ranking largely reflected orders for its new J-Series turbine, which the company said has greater than 64 percent efficiency and 99.5 percent reliability.
GE広報担当者のKirstin Carvellは、「2010年から毎年、タービン受注シェアのリーダーであることを、GEは誇りに思っている」と述べた。 シーメンスはコメントの要請に即答しなかった。三菱は火曜日の声明の中で、「そのランク付けの結果は、大きくは、我々が開発した64パーセント以上の効率と99.5パーセントの信頼性を持つ、新型のJシリーズタービンの受注を反映している」と語った
(Reporting by Alwyn Scott; Editing by Dan Grebler)
(引用終わり)
相田英男 拝
【44】経済情報誌の記事はデタラメだ
相田英男です。
ダイヤモンドオンラインで、GEについてのコメントが出ていた。内容は、新しいCEOのカルプのリストラの効果で、GEの株価が大きく上昇しているというものだ。今後は火力発電事業から、再生可能エネルギーに経営の軸足を移して、復帰を模索している。日本のメーカーも、GEを見習って、リストラと事業転換を進めるべきだ。そうしないと、世界の流れから取り残されるだろう、と警告している。
はっきり言って、この記事の内容は、頭がおかしいのか、と思う。此の期に及んでまで、アメリカの肩を持ち続ける、提灯持ちの考え方に、私は唖然とせざるを得ない。
そもそも、根本的なところの理解が、この記事は間違っている。GEの株価が最近上がったのは、新CEOのリストラの効果などではない。JPモルガン・チェースの著名なアナリストである、スティーブン・トゥサが、昨年の11月の終わりだかに、GEの株価の今後の方向性を、ネガティヴからニュートラルに変更する、とコメントしたからだ。それ以来、7ドルを下回っていたGEの株価は、上昇に転じて、最近ようやく10ドルを超えた。
要するに、スティーブン・トゥサが「GEの株価はこれから上がる」と発言したので、株価が上がった、それだけのことだ。
スティーブン・トゥサのGE株価の予測はよく当たる。本当に当たる。かつて、GE株価が14ドル位の時に、トゥサが「GEの株価目標は11ドルだ」と言ったら、本当に11ドルまで下がった。昨年秋にCEOがカルプに交代した際に、トゥサは「6ドルまで株価は下がる」と言うと、本当に7ドル以下になった。あれには私は驚いた。GEの株価を日々追っていないと、わからない話なのだが。
あまりに予測が当たるので、日本で米国株をやっている個人投資家達の一部では「トゥサ尊師」とまで呼ばれている。ただし、GEの株価のみの限定予測なのが問題だ。
最近のトゥサ尊師の御告げでは、「目標株価を6ドルのまま据え置く」と仰った記事を私は見た、たぶん。なのでこれから、GEの株価はジリジリと下がり続けるだろう。トゥサの御告げも、別に適当な思いつきではない。司法省によるGEキャピタルへの会計調査は済んだものの、証券取引委員会(SEC)の調査の結論が、まだ出ていない。こっちは多分、相当に揉めている。HAガスタービンのブレードを毎年全数交換するのに、LTSAが黒字になる筈がないからだ。それ以外にも、まだまだ爆弾がGEには隠れているだろう。トゥサはその事を、よく知っているのだ。
この数年の間に、30兆円もの株式時価総額を減らした会社に、「復活の兆しが見えてくる」などとは、随分と暖かく見守っているではないか。東芝が一連の騒ぎで計上した損失を合わせても、数兆円に過ぎないのではないか?東芝の時は、やれ崩壊だ何だ、と、散々叩いた。その一方で、東芝の10倍以上の莫大な損失を出した、外国の会社の肩を持つとは、一体どの様な判断の基準なのか?経済情報誌のコメントとして、あまりにも理解に苦しむのは、私だけであろうか?
米国株投資家達の間では、GEはもはやボロクズの爆下げ株の筆頭だ。日々真剣に情報を追っている彼らの方が、よほど真実を見抜いている。
(引用始め)
1万人削減で株価上げたGE新CEOに立ちはだかるドイツの巨人
2/12(火) 6:00配信
低迷していた米ゼネラル・エレクトリック(GE)の株価が上昇に転じている。昨年、社外出身者として初めてCEO(最高経営責任者)に就任したローレンス・カルプ氏が、大なたを振るっているためだ。
カルプ氏は1月31日、2018年10~12月期決算会見で、火力発電への逆風で不振にあえぐ電力部門のリストラを断行していることを何度も強調した。
具体的な成果として、1万2000人のリストラ計画のうち1万人(電力部門人員の15%相当)を削減したことと、生産施設の3割を統廃合したことをアピールした。
さらに、今後の市場動向についてシビアな見方を示した。顧客に引き渡される世界の発電用ガスタービンの総発電容量は2000~15年の平均約70ギガワットから25~30ギガワットに落ち込み、当面回復しないという。
カルプ氏は「新たな現実に電力事業のコスト構造を合わせなければならない」と述べた。
こうしたネガティブな発表にもかかわらず、GEの株価は同日、12%も上昇し、翌日も続伸した。
株価急伸の背景には、損失発生リスクだった金融部門の住宅ローン事業をめぐる司法省の調査が同省との和解で決着したことによる安堵感がある。そして何より、そうやってリスクを切り離そうとするカルプ氏の経営姿勢が評価されたといえる。
● 再エネでの挽回が鍵
もっとも、電力部門などのGEの主力事業が輝きを取り戻すのは容易ではない。かつて成長分野に位置付けていた医療機器部門などを分社し、一部売却も予定されており、稼ぎ頭は減っていく。
再生の鍵になるのは火力から再生可能エネルギーへのシフトだ。
GEは決算前日、送配電網や蓄電システム事業を再生可能エネルギー部門に移行、統合すると発表。発送電や蓄電を含め電力流通全体を効率化するソリューション事業を伸ばす方針を明らかにした。
だが、風力など発電量が不安定な再生可能エネルギーを活用しながら電力を安定供給する技術では独シーメンスに一日の長がある。
しかも、GEには発電機などの産業用機器のデータを集め、解析するIoT(モノのインターネット)で成長を遂げる戦略が頓挫した苦い経験がある。
そうした厳しい条件をクリアし、再生可能エネルギーを核とした電力の最適化でシェアを奪還できれば、GE復活の兆しが見えてくる。
片や、日系企業はどうか。火力発電機器でGE、シーメンスと肩を並べる三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は人員削減も工場再編も小幅にとどまり、再生可能エネルギーなどへの事業転換も打ち出せていない。GEほどの派手な構造改革は難しいにしても、早めに抜本的な策を考えなければ手遅れになりかねない。
「週刊ダイヤモンド」編集部
(引用終わり)
相田英男 拝
【43】HAガスタービンのブレード寿命は7,000時間しかない
相田英男です。
私が追うべき話題は、やはりGEの動向です。
最近GEの株価が10ドル近くまで、少しずつ戻りつつあります。
GEが抱える多くの事業の中で、資産価値の高そうな、航空機リース事業とか鉄道事業などを売却しそうだ、というニュースが流れる度に、株価が僅かずつ上がって行くようです。鉄道事業については、経営の何割かを売却する事が決まったみたいです。
こんな感じで、手持ちの事業を切売りしながら、しばらくは凌ぐのでしょう。
しかし問題は、どうやって、将来の長期的な収益を上げて行くかです。現状のリストラ計画では、金融事業とメディカル事業は売却して、残ったジェットエンジン製造と電力プラント事業に集約するとの計画です。かつては、事業の間をIoT(物のインターネット化技術)で繋いで収益の柱にすると、当時のイメルトCEOは打上げたものの、結局はデジタル事業の大部分を売却してしまいました。
やはり、本業で稼ぐには、大赤字になっている電力事業を立て直すしか道はありません。そのGEの電力事業のコア技術となるべきは、発電用ガスタービンです。しかし、目下の最大の懸念事項である、HA型ガスタービンのブレードトラブルの状況について、GEは何も言わないままです。
そのブレードトラブルについては、メディアの中ではロイターのみが、地道に取材を続けて動向を追っています。今回、新たなロイターの記事がでたので、全文を私の意訳付きで掲載します。
ロイターの記事によると、昨年9月に起きたテキサスのエクセロンのトラブルの以前にも、自社のプラントで同様のブレードの破損が起きていたそうです。タービンは一つ前のタイプでしたが、破損の原因を十分に解明しないまま、新型のHA型タービンの顧客への引き渡しが始まってしまった、とのこと。うーむ、本来なら原因がはっきりするまで、顧客に渡すのを待つべきなのでしょうけど。三菱のJ型タービンに早く追いつきたいと、焦ったんですかね?
最も衝撃的なのは、交換後のタービンブレードの使用時間を7,000時間未満にするように、GEが顧客にお願いしていることです。それ以上ブレードを使用すると、き裂(クラック)がブレードに徐々に生じて損傷が加速される、というのです。7,000時間といえば一年未満ですから、毎年タービンを止めてはブレード全数を交換しなければならない、ということですよね。HAタービンの場合は。
本来なら25,000時間(約3年前)の使用を想定している筈が、とてもそこまでは保たないそうです。でも、毎年全数を交換するなら、長期保守契約(LTSA)などそもそも必要ありません。逆に、LTSAを結んでしまうと、ブレード交換費用のかなりの割合がGEの持ち出しになり、GE側が大赤字になります。事実は、既にそうなっているのでしょう。GEの呼びかけによる極秘会議が、ロンドンのロイズ(保険会社の)の古い図書室で開かれて、そこで説明されたらしいですが。
解決には抜本的な技術改善策が必要なのですが、どうも難しいみたいですね。下町ロケットみたいには、カッコ良くは行かないようです。しかし、HAタービンのブレード修理の目処が付かないと、SEC(アメリカ証券取引委員会)が進めている、会計調査の結論がだせません。というか、そちらの内容でSECとGEの間ですごく揉めているのでしょうが、おそらくは。
今の状況では、GEのガスタービンを売って保守契約で稼ぐというビジネスモデルは、完全に破綻しています。私が、GEはこれからも、もうダメだという根拠は、この辺にあります。
(引用始め)
Reuters, January 25, 2019
By Alwyn Scott
GE urges speedy fix for power turbine blades, says blade broke in 2015: sources
GEはタービンブレードの修理を急ぐ一方で、2015年に既にブレード故障が起きた、と語る
NEW YORK (Reuters) – General Electric Co is advising some buyers of its big power turbines to switch out faulty blades sooner than expected and has disclosed that a blade broke in 2015, according to a presentation reviewed by Reuters and people briefed on the matter.
ニューヨーク(ロイター) – ゼネラル・エレクトリック社は、発電用大型ガスタービンの一部の購入者に、予定期間よりも早く故障したブレードを交換するように呼びかけている。一方で、ロイターおよび関係者への発表では、ブレードの故障は2015年に既に生じたと述べた。
The second blade break, which has not been previously reported, involved an earlier turbine model and was similar to a break last September that severely damaged a turbine in Texas and shut it down for two months of repairs.
今まで未発表だった2015年のブレードの故障は、HA型の一つ前の型式のタービンにも関係するもので、昨年9月のテキサス州のHA型タービンの深刻な損傷と似たものであった。テキサスではタービンを修理するため、2ヶ月間プラントを停止した。
The defective blade issue affects GE’s newest turbine technology, which cost billions of dollars to develop, and is among the challenges facing new Chief Executive Larry Culp as he tries to revive the profits and share price of the 127-year-old conglomerate.
このブレードの欠陥問題は、開発に数十億ドルかかるGEの最新のタービン技術に影響するもので、127年の歴史を持つコングロマリットの、利益と株価を復活させようとしている、新CEOのLarry Culpが直面する課題の1つである。
GE’s advice for fixing the problem can curb turbine use by utilities, according to the sources and utilities that use GE turbines, potentially threatening the revenue streams at the power plants.
GEのタービンを使用しているユーザーや公益事業者のコメントによれば、この問題を解決するためのGEのアドバイスは、ユーザーのタービンの使用を抑制し、結果、発電所の収入源を脅かす可能性がある。
At private meetings in Florida and London last month, GE executives said the company is offering extended warranty coverage and making spare parts available to ease concerns of insurers, lenders and utilities interested in buying turbines, according to a GE executive’s slideshow presentation and three people who attended the meetings. Some said they signed non-disclosure agreements.
先月のフロリダとロンドンで行われたプライベートな会議の場で、GEの幹部はスライド資料を用いて、タービンの購入に関心を持つ保険会社、貸し手、公益事業者達の懸念を和らげるために、タービンの保証期間の延長とスペアパーツの製造を増加すると説明した。参加した3人の関係者によると、彼らの幾人かは、会議の場で秘密保持契約に署名したと述べた。
GE told participants that turbines with at-risk blades should run for fewer than about 7,000 hours depending on individual plant circumstances, before shutting down for blade replacement, according to two people who attended the meetings. GE said it had advised customers of the change. GE’s previous guidance for blades was after 25,000 hours.
会議に出席した2人によると、GEは参加者に、危険なブレードを備えたタービンは、個々のプラントの状況を考慮して、運転時間を7,000時間未満に制限して、ブレードを交換するべきであると語った。GEの以前のブレードに関する手引書では、交換までの運転時間は25,000時間後だった。
The executives also said in the meetings that the blade that broke in 2015 at an undisclosed power plant was in a GE 9FB turbine, which has similar technology to the HA turbine that broke in Texas. The 2015 break prompted GE to work on new protective coatings and alter a heat treatment process for the parts, a second presentation showed.
GEの幹部らはまたその会議で、GEが管理する非公開の発電所で2015年に壊れたブレードは、テキサス州で壊れたHAタービンと同様の技術を持つ、一世代前の9FBタービンであると述べた。 2015年のブレードの故障を受けて、GEは新しいブレード表面の保護コーティングと、熱処理プロセスの変更に取り組むこととなった。
GE told Reuters that after the blade broke in 2015, GE did not know at first that the problem would also afflict its HA models.
GEは、2015年に9FBタービンのブレードが壊れた後、その問題がHAモデルにも影響するだろうことを、最初は考えなかったと、ロイターに語った。
“The HA components were in development before the initial 9FB issue occurred, and the HA units began to ship while the root-cause analysis was in process and before it was determined that it was a component issue that impacted the 9FB fleet and the HA,” GE said in a statement to Reuters.
「最初の9FBの問題が発生する前に、HAガスタービンは既に開発中だった。トラブルの根本原因の分析は継続していたが、9FBタイプとHAタイプの両方に影響を与える部品(ブレード)の問題である、と結論が出される前に、HAユニットは出荷を開始した。」GEはロイターへの声明で、このように述べた。
GE declined to provide more detail about the 2015 blade break or usage restrictions, saying some of the information is proprietary.
GEは、2015年のブレードの故障、または使用制限に関する詳細を報告することを拒否した。一部の情報は独自のものであると述べた。
“We are executing the plan we laid out to fix the (blade) issue,” GE said in a statement to Reuters. “The feedback from customers has been positive, and they continue to choose the HA, which remains the fastest-growing fleet of advanced technology turbines in the world today.”
「我々はブレード問題を解決するための計画を実行している」とGEはロイターへの声明で述べた。 「顧客からのフィードバックは前向きなもので、彼らは引き続きHA型タービンを選択して頂いている。HAは現在も世界で最も急成長している、先進技術を持つタービンである。」
The details from GE’s meetings come as GE is installing new blades in about 50 9FB and 52 HA turbines, according to a person familiar with the matter, fewer than the 130 estimated after the blade break in Texas prompted it to warn that other turbines are at risk for blade failure.
この会議の詳細から、GEは現在、約50機の9FBタービンと52機のHAタービンに、新しいブレードが取り付けられていることが、明らかになった。この問題に精通している人によれば、テキサス州でのブレード損傷後に、130機未満のタービンで同等のトラブルが予想されと語った。この事は、他のタービンにもブレード故障の危険があるとの警告を促している。
Reuters previously reported that GE found an oxidation problem, not a break, in 2015 and developed a fix before the failure in Texas.
ロイター通信は以前、GEは2015年に、破損(break)ではなく、酸化(oxidation )の問題を発見し、テキサス州でのトラブルの前に解決策を開発したと報告した。
Scaling back use of GE turbines reduces how much electricity they produce, a threat to revenues and profits for Exelon Corp, PSEG Power LLC, Chubu Electric Power Co Inc and others with the 400-ton GE machines that form the core of modern gas-fired power plants, according to utilities and industry experts.
電力会業界の専門家によると、GEタービンの停止による発電量の低下は、エクセロン、PSEGパワー、中部電力などの、400トンのGEの最新ガス火力発電機器を使用する電力会社の、収益を脅かすことになる。
Japan’s Chubu Electric said it learned about the blade problem with its six new GE turbines last October. It is restricting operation time at one of the two plants that use GE’s HA turbines, but expects to have “enough reserve capacity to generate sufficient electricity to meet demand during this winter,” a spokesman told Reuters. He said Chubu will tally the financial impact “depending on how long the plants would be shut down” to replace blades. It expects repairs to be completed by the end of February.
日本の中部電力は、昨年10月に6基の新しいGEタービンのブレード問題について、GEから教わったと語った。広報担当者によると、GEのHAタービンを使用している2つの発電所のうちの1つで、タービン運転時間が制限されている。しかし「この冬の需要を満たすのに十分な電力を生み出す、予備容量がある」と語った。中部電力は、ブレードを交換するための「プラントの閉鎖期間に応じ」て、財務上の影響を集計すると述べた。タービンの修理は2月末までに完了する予定である。
PSEG Power and Exelon, based in the United States, declined to comment on how restrictions would affect them.
米国を拠点とする電力会社のPSEGパワーとエクセロンは、タービンの使用制限が与える影響についてコメントを控えた。
GE is continuing to sell turbines in a slumping market for big power plants, where it has lost share to rivals Mitsubishi Hitachi Power Systems and Siemens AG. GE has said it booked orders for three large turbines last month.
GEは、低迷する大型発電所向けの市場でタービンを販売し続けているものの、競合他社である三菱日立パワーシステムズ、およびシーメンスAGにより、そのシェアを失った。 GEは先月、3つの大型タービンを受注したと発表した。
GE’s share price fell after GE revealed a blade issue in Texas on September 19, saying such “teething problems” are not uncommon with new technology and would require “minor adjustments” to fix. GE has said it would set aside $480 million for repairs and warranty claims.
GEが9月19日にテキサス州でブレードの問題を明らかにした後、GEの株価は下落した。GE は、そのような「ブレード先端がギザギザになる問題」は、新技術では珍しくなく、修理するために「細かい調整」を必要とする。 GEは、修理および保証請求のために4億8,000万ドルを確保すると発表した。
Three days after the break in Texas became known, Electricite de France SA shut down its HA turbine to replace blades. EDF did not respond to requests for comment.
テキサス州での停止が発表されてから3日後、フランスの電力会社のElectricite de France SAは、ブレードを交換するためにHAタービンを停止した。 EDFはコメント要請に応じなかった。
At the London meeting, about 100 insurance industry people gathered in the oak-paneled Old Library room of Lloyd’s of London on December 13, according to the sources, who spoke on condition of anonymity to discuss confidential information.
ある匿名の情報提供者によると、12月13日のロンドンの私的会議では、約100人の保険、産業業界の人々が、ロイズのオーク材パネルで囲まれた古い図書館の部屋に集まった。
GE power executives Marcus Scholz and Tom Dreisbach gave presentations about GE’s turbine technology. In its turbine documentation, GE has advised its power customers to inspect turbines with so-called “Generation 1” blades after 25,000 hours of use. GE said its improved blades, known as “Generation 2,” are designed to last 25,000 hours or more before being replaced.
そこでは、GEパワーの幹部のMarcus ScholzとTom Dreisbachが、GEのタービン技術について説明した。GEの説明文書では、いわゆる「第1世代」のブレードを使用したタービンの場合、25,000時間使用した後に検査するように、GEは電力会社にアドバイスしている。「第2世代」と呼ばれる改良されたブレードは、交換までに25,000時間以上使用できるように設計されている、とGEは述べた。
According to page 11 of his presentation, Dreisbach said the Generation 1 blade that broke in 2015 failed after 22,000 hours. New parts treated with a special coating were inspected by technicians after about 12,000 and 16,000 hours and “cracking (was) still observed,” the presentation said.
説明文書の11ページによると、Dreisbachは、2015年に壊れた第1世代ブレードは22,000時間後に故障したと述べた。 表面を特別なコーティング処理された新しいブレードは、約12,000および16,000時間後に技術者によって検査され、「クラッキング(き裂)が(もう既に)生じていた」と、発表では述べた。
GE inspected other turbines at about 7,000 hours and “early stages of cracking (were) observed,” the presentation said.
GEはさらに、約7,000時間運動後の他のタービンを検査した結果、「クラッキングの初期段階が、ブレードで観察された」と述べた。
(Reporting by Alwyn Scott; Additional reporting by Yuka Obayashi in Tokyo; Editing by Joe White and Edward Tobin)
(引用終わり)
相田英男 拝