「107」 サブプライム危機から世界恐慌へ(36) 2007年12月の記事を載せます。2009.6.3

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副島隆彦です。 今日は、2009年6月3日です。

 続けて、2007年12月の記事をまとめて載せます。副島隆彦記

(転載貼り付け始め)

●「米シティ 日本事業の売却検討か サブプライム損失の恐れ 」

 2007年12月29日 毎日新聞

 28日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、米銀最大手シティグループが日本の消費者金融事業など最大計120億ドル(約1兆3600億円)の資産を売却する可能性があると報じた。

 シティはサブプライム住宅ローン問題に関する損失が拡大。11月にアラブ首長国連邦(UAE)の 政府系投資機関、アブダビ投資庁(ADIA)の出資受け入れを表明したが、さらに巨額の損失が 発生する恐れが指摘されており、一層の資本増強に迫られるとの見方が広がっている。

 日本の消費者金融事業のほか、学生向けローン事業など不採算事業を中心に売却を検討しているという。 また同紙は、英銀大手HSBCホールディングスも、自動車ローン事業を売却する可能性を伝えた。

●「米国株:大幅反落、パキスタン元首相暗殺などを嫌気  」

2007年12月28日 ニューヨーク、ダウ・ジョーンズ

 27日の米国株式相場は大幅反落。弱めの米経済指標、金融大手の評価損計上が拡大するとのアナリスト予想、パキスタン元首相暗殺のニュースなどを受け、売りが加速した。ダウ工業株30種平均は5営業日ぶり、ナスダック総合指数は7営業日ぶりの反落となった。

 ダウ平均の終値は前日比192ドル08セント(1.42%)安の1万3359ドル61セント。ナスダック総合指数は同47.62(1.75%)安の2676.79、S&P500種指数は同21.39ポイント(1.43%)安の1476.27で引けた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の出来高は概算で9億8400万株。

 パキスタンの首都イスラマバード近郊でベナジル・ブット元首相が暗殺されたと伝えられたのを受け、寄り付き前から先物が売られた。バンク・オブ・アメリカのチーフエコノミスト、ミッキー・レビー氏は「これでネガティブなムードとなったことは確かだ」と述べた。

 キャンター・フィッツジェラルドの米国市場ストラテジスト、マーク・パド氏は「地域情勢の不安定化は原油高につながり、米連邦準備制度理事会(FRB)にとってさらなる重荷となる」と述べた。

 この日発表された米経済指標は景気の先行きに対する懸念が強まる内容だった。11月の耐久財受注は前月比0.1%の増加にとどまり、市場予想をかなり下回った。また、12月22日までの週の新規失業保険申請件数は1000件増の34万9000件と今年3番目の高水準となり、労働市場の悪化を示唆する最新例となった。

 コンファレンスボードの12月の消費者信頼感指数は88.6と、2年ぶりの低水準だった11月の87.8からは改善した。しかし雇用市場に対する消費者の態度は悪化した。

 また、信用市場に対する不安も再び広がり、金融株が売られた。ゴールドマン・サックスのアナリストは、金融大手3社の評価損予想を大幅に引き上げた。それによると、ゴールドマンは、シティグループ(NYSE:C)、メリルリンチ(NYSE:MER)、JPモルガン・チェース(NYSE:JPM)が10-12月期に計上する見込みの評価損を合わせて336億ドルとみている。

 シティグループは89セント(2.92%)安の29.56ドル、メリルは1.34ドル(2.46%)安の53.20ドル、JPモルガンは1.30ドル(2.89%)安の43.64ドル。

 また格付け会社のフィッチ・レーティングスはMBIA(NYSE:MBI)、アムバック・ファイナンシャル・グループ(NYSE:ABK)などの債券保証引受会社が保証する205の住宅ローン担保証券(RMBS)を格下げの方向で見直すとした。MBIAは6セント(0.27%)安の22.27ドル、アムバックは1ドル(3.32%)安の29.14ドル。

  学生向け融資最大手のSLM(通称サリーメイ)は2.48ドル(11.21%)安の19.65ドル。同社は前日の取引終了後、普通株と強制転換優先株の公募により25億ドルを調達すると発表した。

● 2007年12月27日

 須田慎一郎 ・・・ 先日、東証の斉藤社長と話をしたときに、「ゴールドマンサックスは世界マーケットを支配を目的としているから」とポロッというんですよ。そういう認識は正しいと思いますね。何も謀略史観でいっているわけではなくて、勝負するリングが世界に広がった以上、そこのチャンピオンになることは世界制覇をするということにつながる。

 それから、これは日本でほとんど報道されませんが、米中経済協議というものがあります。中国の株式市場は外資規制がありますけれども、外資が買える枠を倍にするということを、アメリカが中国に飲ませてるんですね。おまけに、中国の4大銀行すべて株式を公開して、ニューヨークにも上場しています。

 さらに4大銀行に続く十大銀行も、次々と株式公開に踏み切っている。それらすべての主幹事証券会社がアメリカ系なんですね。

 須田・・・いよいよアメリカ金融資本が、中国と一体化、あるいは中国にアクセスすることによって覇権を握る方向にいくのかな、という気がします。その中で、日本のマーケットはどう位置づけられているのか。そして日本人はどう生き残っていくのかを考えないといけない。

● 「米サブプライム基金断念 「損失先送り」と不信感 」

朝日新聞 2007年12月23日

 米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題への対策として、米3大銀行が設立を目指した「サブプライム支援基金」構想が頓挫した。サブプライムショックによる市場の混乱を鎮めることを狙ったが、逆に、効果が不透明な「損失先送り」と不信感を広げた。

 基金構想は、シティグループやバンク・オブ・アメリカなど米3大銀行が中心となって10月に発表した。当初の規模は800億ドル(約9兆1000億円)で、サブプライム問題で資金繰り難に直面したシティなどが事実上傘下に抱える運用会社(SIV)を救済する計画だった。

 だが、発表直後から「基金設立でも証券化商品の信用は戻らない」など足元の米金融界で批判が続出。証券化商品の下落が続けば、数年後には基金で購入した商品についても損失の処理が必要になるためだ。

 欧米日の約20の金融機関に対し、協調融資の形で協力を呼びかけたものの、損失拡大を懸念する欧州金融機関は当初から及び腰。約50億ドル(約5500億円)の融資枠の設定を求められた三菱UFJ、みずほ、三井住友の3メガバンクには「巨額の融資の割に条件があいまい」という戸惑いの声が当初からあった。

 米大手銀の焦りもうかがえたが、結局、邦銀勢は「株主に説明できない」と断る方針に傾いた。損失への懸念から、自行の株価が急落したことが背中を押した。 解決の決め手が見つからないサブプライム危機は、基金構想の頓挫でますます混迷の度を深めそうだ。

●「 日本とヨーロッパの銀行が出資を敢然と拒否した結果、アメリカが、「サブプライム基金」(別名:Super Fund ,Super SIV) の設立を断念 」

2007年12月 21日

(副島隆彦注記。 サブプライム危機を、一服させた、昨年11月には、以下のような記事が出ていた。それを、2008年の1月初め(3日)から始まった、NYの大下落相場が、襲った。そして、サブプライム危機の再燃が、言われて、「シティの9-12月期の損失、2.5兆円(235億ドル)」の発表が、1月14日にあって、それで、世界中が、連日暴落となった。

 インドもひどいようだ。ブラジルもひどい。今度は、中国(香港も)も下げている。 日経平均は、1月22日で、13000円を割って、12000円台に突入したようだ。NYも、12000ドルを割るだろう。 副島隆彦注記。2008年1月22日記)

●「モルガン、東京のシティバンク銀本店ビル購入 」

2007年12月19日  日本経済新聞

 米モルガン・スタンレーが傘下の不動産ファンドを通じ、米シティグループが保有する東京・天王洲の 大型オフィスビル「シティグループセンター」を約480億円で購入したことが18日わかった。 シティは保有資産の圧縮をめざして昨年から同ビルの売却を検討。日本の不動産市況の先行きを依然として強気にみるモルガンへの売却を決めた。

 同ビルは22階建てで、シティが1992年に建設した。シティバンク銀行が本店を置き、同銀行の個人金融部門などが入居している。シティは売却後もモルガンからオフィスを賃借し、同ビルで営業を続ける見込み。

● 「住宅ローン担保証券(RMBS)に対する「逆張り」で4480億円の利益…サブプライム問題を予見 – 米ゴールドマンサックス」

時事通信 2007年12月14日

 2007年12月14日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、米国の低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題が 深刻化する前の段階で、リスクの高い住宅ローン担保証券(RMBS)の 下落を予測する「逆張り」投資を行った米証券大手ゴールドマン・サックスの一部トレーダーらが、11月末までの1年間で40億ドル(約4480億円)近い予想外の巨額の利益を上げたと報じた。

 サブプライム住宅ローンの焦げ付きに端を発した金融危機は、 ウォール街(米金融街)の大半の金融機関に深刻な打撃を与えており、 ゴールドマン自身もRMBS関連で15億-20億ドルの損失を被った。

 しかし、同社が逆張り投資で稼ぎ出した利益は、こうした損失を埋め合わせて なお余りあるもので、同社は来週発表する決算で過去最高益を計上する見通しだ、と同紙は指摘している。

● 「 米ワシントン・ミューチュアルが減配・人員削減へ、優先株発行で資本も増強」

2007年12月10日 ニューヨーク、ロイター

 米最大の貯蓄金融機関である ワシントン・ミューチュアル は10日、配当の73%引き下げと全従業員の11%に相当する3150人の人員削減計画、25億ドルの資本増強策を発表した。同社は住宅ローン関連損失が2008年に拡大すると見込んでいる。

 住宅ローン需要の急激な減少を受けて、住宅ローン業務で2600人、法人支援業務で550人を削減するほか、336の住宅ローンオフィスのうち190を閉鎖、信用度の低い借り手(サブプライム)向けの融資を停止する。同社は住宅ローン業務スタッフの22%削減とサブプライムローンからの撤退により、来年には約5億ドルの営業経費が削減できると予想している。

 配当については、直近四半期の1株当たり0.56ドルから0.15ドルに削減する。減配前の率で計算すると、株価の下落もあって配当利回りはほぼ12%に達していた。格付け会社イーガン・ジョーンズ・レーティングスのマネジングディレクター、ショーン・イーガン氏は「全米を襲っている住宅ローン津波の新たな犠牲者だ」と指摘した。

 インサイド・モーゲージ・ファイナンスによると、ワシントン・ミューチュアルは2007年1─9月で全米第6位の住宅ローン会社。10日の発表を受けて同社株は時間外取引で8%下落した。ワシントン・ミューチュアルはまた、市場の低迷が来年にはさらに悪化し、米国全体の住宅ローン組成が40%減少して1兆5000億ドル規模になるとの見通しを示した。

 10日午後には格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが長期債務格付けを「A3」から「Baa2」に2段階引き下げ、同社の格付けはジャンク(投機的)等級に近付いた。同社はまた、25億ドル相当の転換優先株を発行する。

 第4・四半期決算については、住宅ローン部門ののれん代償却費(非現金)16億ドルの計上により、最終赤字を計上する見通しを示した。さらにローンの焦げ付きや支払いの延滞を受け、第4・四半期に従来見通しの2倍の15億─16億ドルの貸倒引当金を積む方針を示した。貸倒引当金は第1・四半期には20億ドル程度に拡大する見込みという。

 ただ同社は第4・四半期の償却費計上で、自己資本比率や流動性が痛んだりすることはないとしている。ケリー・キリンジャー最高経営責任者(CEO)はこれらの措置によってリテールバンキングを中心に、さまざまなイニシアチブの追求が可能になると説明した。

● 「PIMCOのグロス氏:米国はゼロ成長に向かっている-CNBC 」
Pimco’s Gross Tells CNBC U.S. Is `Getting Close’ to Recession

2007年12月11日 ブルームバーグ

 債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の投資責任者ビル・グロス氏は 11日、米経済専門局CNBCとのインタビューで、米経済はリセッション(景気後退)に近い状態になりつつあるとの見方を示した。同氏は米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ発表後に語った。

 FOMCはこの日、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25ポイント引き下げ4.25%とした。グロス氏は「米経済はゼロ成長へと向かっている」とした上で、「必ずしもリセッションではないが、それに近い状態になりつつある。問題は、米金融当局内で意見が分かれていることだと思う。当局者の半分は事態が分かっているが、残りの半分は分かっていない」と語った。

 同氏は、「当局者は景気が」FF金利や「FF金利先物で動いていると考えているが、景気は実は」LIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)や「5、10、 30年のスワップレートによって動いている」と解説。LIBORを押し下げ、景気に金融緩和を浸透させるには公定歩合をFF金利に近づける必要があると指摘した。

 グロス氏は「市場は凍りついてはいないが、いろいろな面で流動性がなくなっている。年末が近づくにつれて、流動性はさらに低下するだろう」として、「多くの人が公定歩合の50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げを望んだのは、年末の流動性を補うためだ」と説明した。

 さらに、「12月31日と来年1月に近づくにつれて、問題が生じるだろう。見守るしかない」が、「当局はFF金利やFF金利ではなくLIBORを押し下げる必要があるのに、そのチャンスを逃した」と語った。

● 「米FRBが3回のオペで410億ドル供給、2001年9月以来の規模 」

 ニューヨーク 2007年11月1日 ロイター

 米連邦準備理事会(FRB)傘下のニューヨーク連銀は1日、3回のオペを通じ410億ドルの資金を供給した。1日の供給額としては、同時多発テロがあった2001年9月以来の規模となる。

 FRBは前日、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準を0.25%ポイント引き下げ4.50%とした。きょう1日のオペは、利下げを受けたFF金利を目標水準に近づける試みを反映している可能性がある。

 FF金利は、FRBの誘導目標である4.50%を上回る4.625%で推移している。 FRBの報道官は、オペの総額に言及しなかったが、1日の供給額としては2001年9月19日に実施した503億5000万ドルに次ぐ規模と述べた。 3回のオペでは、14日物レポで80億ドル、7日物レポで210億ドル、翌日物レポで120億ドルを供給した。

● 「FOMC:政策金利0.25ポイント下げ-物価・成長リスク「ほぼ均衡」
Fed Lowers Rate by a Quarter Point to 4.5 Percent

2007年10月31日 ブルームバーグ

 米連邦準備制度理事会(FRB)は31日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げ4.5%に設定することを決めた。

 さらに声明で、「今回の措置に伴い、インフレ加速と成長下振れのリスクはほぼ均衡する」と指摘。新たな金利水準で経済の先行きを見守る姿勢を示した。政策金利の引き下げ決定は9対1。ホーニグ・カンザスシティー連銀総裁は金利の据え置きを主張して、議長提案に反対票を投じた。

  FOMCの利下げは9月18日の前回定例会合(50bp下げ)に続き2回連続。新たなFF金利誘導目標4.50%は、グリーンスパン前議長が退任当日の 2006年1月31日のFOMCで決めた水準と一致する。バーナンキ議長は就任後に決定した利上げをすべて解消したことになる。

  この日のFOMC声明は「第3四半期の経済成長の足取りはしっかりしており、金融市場での圧迫はいくらか緩和された」と現状を楽観しながらも、「景気拡大のペースは短期的には減速する可能性が高く、これは一部、住宅部門の調整本格化を反映するものだ」と指摘。

 「9月に委員会が取った措置と合わせ、今回の措置は金融市場の波乱が景気全般に与えうる悪影響の一部を抑止し、経済が長期的に緩やかに成長するのを促すのが目的」と表明。9月と合わせ75bpの利下げは景気後退回避へ向けた先制的な措置であることを強調した。

成長減速に身構え     米商務省がこの日に発表した7-9月期(第3四半期)の実質国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比年率3.9%成長に加速した。FOMC声明も前期までの高い成長を踏まえ、「第3四半期の経済成長の足取りはしっかりしている」と追認したが、住宅部門の調整進行などに伴い「短期的には成長ペースが鈍化する」と慎重にみている。

  実際、第3四半期にも住宅投資は実質GDPに対し1.05ポイントのマイナス寄与となり、前期の0.65ポイントのマイナス寄与から、マイナス幅を拡大している。今期は個人消費が減速すると見られ、ブルームバーグが10日までにエコノミスト71 人を対象にまとめた今期の実質GDP予測中央値は1.8%増に鈍化する。

  前日公表された8月のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数(全米20都市)は前年同月比で4.4%低下と、2001年の調査開始以来で最大の低下幅を記録。今後、逆資産効果による個人消費抑制も懸念される。

 製造業も今春に踊り場から回復したのもつかの間、金融市場の混乱と住宅市場の不振を背景に勢いが落ちてきた。シカゴ購買部協会がこの日に発表した10月のシカゴ地区の米製造業景況指数(季節調整済み)は49.7と、9月(54.2)から低下。2月以来8カ月ぶりに再び拡大と縮小の分岐点である50を割り込んできた。

 FTNファイナンシャルのアナリスト、リンゼー・ピエグザ氏は「今後はさらに悪化するだろう。金融市場だけでなく住宅市場からの悪影響もあり、経済活動の勢いは衰えている」と述べた。

当面は成長と物価の両にらみ    一方、ニューヨーク原油先物相場はこの日、バレル当たり94.80ドルの最高値を記録。ドル相場も対ユーロで最安値を更新するなど、インフレ要因が増えてきた。

 FOMC声明は「今年に入り、コアインフレの数値は小幅に改善してきた」と現状を評価しつつ、「最近みられるエネルギーと商品価格の上昇を中心に、インフレへの上昇圧力が再燃すると考えられる」と指摘。「委員会はこうした展開に鑑み、インフレリスクが一部に残ると判断し、慎重にインフレの動向を見守っていく」と、インフレ警戒を怠らないことを強調している。

  ハイ・フリークエンシー・エコノミックスのイアン・シェファードソン主任エコノミストは「これから発表される経済統計が成長の下振れリスク拡大を示さなければ、FOMCメンバーは仕事を終えたと考えている。原油や商品相場が上昇しており、インフレ懸念は払しょくできない」と話した。

  JPモルガン・チェースの上席米国エコノミスト、ジェームズ・グラスマン氏はFOMC声明について、「FOMCは何も約束したわけではない。市場に対して『落ち着きなさい。データを判断する必要がある』と伝えようとしている。

 景気に問題がなければ一段の利下げはしないだろう」と指摘した上で、「先行きはかなり不透明だ。利下げ打ち止めだとは断言できないだろう。危険はまだ多い」と楽観を戒めた。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝

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