「1889」 副島隆彦著『日本は戦争に連れてゆかれる 狂人日記2020』(祥伝社新書、2020年)が発売 2020年8月1日

 SNSI・副島隆彦の学問道場研究員の古村治彦です。今日は2020年8月1日です。


日本は戦争に連れてゆかれる 狂人日記2020 (祥伝社新書)

 副島隆彦先生の最新刊『日本は戦争に連れてゆかれる 狂人日記2020』が本日発売です。新書なのでお求め安くなっています。まだ先生の言論に触れたことがない人には是非この本から始めて欲しいと思います。

 現在の新型コロナウイルスの感染について状況を副島先生は「コロナ馬鹿騒(ばかさわぎ)ぎ」と一言で表現しています。そして次のように書いています。

(貼り付けはじめ)

 私は本気で書く。今の日本人(の多く)は、新型コロナウイルスのせいで、すでに集団発狂常態に入っている。私はそう判断している。私から見たら、日本人(日本国民)の多くが狂っているのだ。だが彼らはそうは考えない。いつも自分たちは正常だと思い込んでいる。だから私は、彼らから狂人扱いされる。
(『日本は戦争に連れてゆかれる 狂人日記2020』、13ページ)

 昭和恐慌(1930年から)の不景気で圧(お)し潰(つぶ)されて鬱屈していた感情が、国民の間から、ドッと溢れ出た。「鬼畜米英(きちくべいえい)「撃(う)ちてし止(や)まん」「進め一億 火の玉だ」という標語が、急に出てきた。国民は一斉に、翼賛(よくさん)政治体制に流れ込んだ。網走(あばしり)や東京の府中(ふちゅう)刑務所に捕まっていた日本共産党の最高幹部たちも、言うコトバを喪(うしな)って、まったく同じようだったろう。彼らも日本人なのだから。

 日本の金持ち層(市民の上層)は、「天皇陛下萬歳(ばんざい)」「大日本帝国萬歳」「聖戦必捷(ひっしょう)」を合唱しながら、羽織袴(はおりはかま)を着けて皇居の周りをぞろぞろと提灯行列(ちょうちんぎょうれつ)で一周した。結婚式に出る正装で、町内会ごとに提灯を持って練(ね)り歩いた。
 東京が火の海となった東京大空襲(1945年3月10日)は、その3年3カ月後だ。
(25-26ページ)

 戦時中の「欲しがりません。勝つまでは」と、今の「ステイホーム」「おうちで」 は、よく似ている。自分たちの脳で考えない。上(うえ)から命令されて、何も考えないでそれに従う態度だ。こういうコトバを疑問に思わず、何かいいことだと思い込んでいる。ちょっと待てよ、おかしいな、と疑うことをしない。だから今は、あの真珠湾攻撃の直後とそっくりだ。

 「緊急事態ですから」は、「こういうご時世(じせい)ですから」と同じだ。自分がコロナウイルスに感染したらどうしよう。それを人様(他の人)にうつすことまで考える。そうやって自主規制(自粛)の思考が大手を振って歩きだした。 (44ページ)

(貼り付け終わり)

 この部分を読んで怒り出す人が多いと思います。しかし、営業しているお店に対して嫌がらせをする「自粛警察」、感染者の自宅に石を投げるといった行為が起きてしまっているのは、自分の考えや行動について落ち着いて、一歩下がって考えてみるということが足りないからです。

自分の考えや行動について考えてみる、疑ってみる、そのためには全く違う視点からの主張にも触れることが重要です。この本はまさにそのための本です。

 「第3章 新型コロナウイルスの真実」では、今回の事態は、新型コロナウイルスを使った生物兵器戦争であり、中国はそれに打ち勝った、戦争を仕掛けたアメリカにウイルスが逆に流れ込んで大変なことになっている、ということがよく分かる内容になっています。俯瞰で今回の騒動を理解したい人は是非読んで下さい。

私がこの本で最も重要な部分だと考えるのは「暗い未来を見通す」と題されている第4章です。重要な部分を少し長くなりますが以下に引用します。ここに本書の言いたいことが凝縮されていると私は考えます。

(引用貼り付けはじめ)

 私たちは騙(だま)されてはいけない。コトバだけ激しい、奇妙に歪(ゆが)んだネトウヨ(反共右翼)のコトバにも。その反対で左翼思想の亡霊を引き摺り、過去の怨念を持つ急進リベラル派(人間絶対平等主義。無条件での弱者の味方)の言論にも騙されないにしないといけない。今、私たちにとって大事なのは、清沢冽(きよさわきよし)や石橋湛山(いしばしたんざん)、嶋中雄作(しまなかゆうさく) らの穏健で温厚な、本当に穏やかな保守の思想(反共右翼ではない)から多くを学ばなければならない、ということだ。

 しかし穏健な保守といっても、私たちは言論においては、徹底的に反(はん)権力、反(はん)体制でなければならない。愚劣な権力(者)にすり寄るようなことをしてはいけない。
 私たちは、つねに慎重で注意深く、用心深くなければいけない。おかしな人間が近づいてきたら警戒しなければいけない。目先(めさき)の軽薄な判断で、放射能やコロナウイルスを、ほんの僅(わず)かでもコワイ、コワイ、キャーキャーと騒いではならない。そのとき、一気に自分の脳を搦(からめ)め捕られてしまうのだ。

(『日本は戦争に連れてゆかれる 狂人日記2020』、166-167ページ)

(引用貼り付け終わり)

 知識人の役割は「坑道のカナリア(canary in a coal mine)」のようなものだと私は考えます。坑道のカナリアとは、昔、炭鉱で働く労働者たちがかごに入れたカナリアを先頭にして坑道を進んだということに由来する言葉です。カナリアは人間よりも有毒ガスに敏感で、カナリアが騒げばその先には有毒ガスがある、ということが分かりました。

 知識人には、人々の大部分が気付かない危険を察知し、それを知らせるという役割があると思います。しかし、有毒ガスに対する人間と同様、人々の多くは危険に敏感ではありません。「その先に危険があるぞ」と叫ぶ知識人の声は、人々には理解できず、また気分を不快にさせる場合があります。
 そうした場合には、知識人の声を封殺したり、無視したりすることで、人々は危険をないものとして先に進み、気づいた時にはもう遅かったということになります。太平洋戦争がまさにそうでした。この本の第4章で取り上げられている清沢冽(きよさわきよし1895-1945年、55歳で死)はまさにその典型です。
 知識人は「預言者(prophet、プロフェット)」であり、副島先生は「自分は予言者だ」と言っていますが、それは知識人の役割を果たしているということになるのです。

 (副島隆彦割り込み、注記。2020年8月7日。古村君。私は、自分のことを預言者 prophet だとは言ってない。預言者は、神(ゴッド、ゼウス)のコトバを人々に繋ぐ人だ。 私は、自分を自称して、近(きん)未来の先のことを、早めに人々に話す、予言者(predictor プレディクター)だと、言っている。 predict プレディクト 「前もって言う」をするだけです。微妙な違いですが、違います。よく分かってください。 割り込み注記、終わり)

 副島先生の言葉は激しいもので、初めて接する人にはびっくりしたり、嫌な気持ちになったりすることもあるでしょう。しかし、この『日本は戦争に連れてゆかれる 狂人日記2020』を是非読んで、そうした表現の先にあるものに触れて欲しいと思います。以下に目次を貼り付けます。参考にして是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

日本は戦争に連れてゆかれる
目 次

第1章 翼賛体制への道――80年前と現在
私が狂人なのか、周囲が集団発狂状態なのか
日本人が戦争にのめり込んだ瞬間   
「日米交渉」の真実   
緊急事態宣言と戒厳令   
開戦から3年3カ月後、東京は丸焼けにされた   
第一次世界大戦で日本は大儲けした   
不況への転落と猟奇事件   
私たちは「歴史の法則」から逃げられない   

第2章 次の「大きな戦争(ラージ・ウオー)」と日本   
戦争の準備が着々と進行している   
戦争までの4段階、そのあとの2段階   
戦後の日本人はどう生きたか   
私たちを襲う「ショック・ドクトリン」   
今すぐ金(きん)を買いなさい   

第3章 新型コロナウイルスの真実   
3人の「皇帝」たち   
生物化学戦争を実行した米軍事強硬派   
「マインド・コントロール」と「ブレイン・ウォッシュ」   
ゲノム配列が一致しない「4%」とは   
「中国の女性科学者が亡命」という謀略報道   
初めて書く、私が福島原発事故で目撃したこと   

第4章 暗い未来を見通す   
『暗黒日記』を読む   
戦争に反対した清沢の同志たち   
人間の命、人間の値段   
5つの「正義」   
これからの生き方と死に方 

(貼り付け終わり)

(終わり)

このページを印刷する