世界はトランプ動乱で動いている。16日に私の金融セミナーが有ります。
副島隆彦です。 今日は、2025年3月6日(木)です。
世界情勢は、アメリカ政治の激動が続いている。トランプ大統領が、毎日、毎日、激しい新政策を発動している。アメリカ国内だけでなく世界もそれに振り回されている。
それでも「地球(世界)は回転している」。これを、ガリレオ・ガリレイの有名な言葉で、Eppur si Muove 「エプール・シ・ムオーヴェ」と言う。
ガリレオは、1633年に、自分が再度の宗教弾圧で、ローマ・カトリック教会の高僧たちによって、異端(いたん)裁判所(オーディール)の宗教裁判に掛けられて、火あぶりの刑(火刑)にされそうになった。
この時、当時の知識人たちの言葉であるローマ語(ラテン語)を使わないで、わざと当時の平民たちの言葉であるイタリア語(トスカーナ地方のフィレンツエ語)で、上記の至言を吐いた。何が有ろうと、世界はこのまま進んで行く。毎日、太陽が昇る。
毎年、毎年、春になって花が咲く。今は、日本全土で梅から桜に替わりつつある。木の実が成って、いろいろの作物が取れる。
この人間(人類)が毎年、味わう、自然の、毎年の、この地球上の何万年もの繰り返しのことを、ニーチェが、永劫回帰(えいごうかいき Ewige Wiederkunft エーヴィゲ・ヴィーダークンフト )と言ったのだ。これは古代ギリシア人の基本思想だ。
それに対して、私たち人類(人間)に、「人間は、生まれたこと自体が、罪人(つみびと)だ(原罪 original sin )」と教え、人間に卑しい屈従を強制し、坊主(僧侶)たちにひれ伏させ、恨(うら)みと僻(ひが)み根性(これを、ルサンチマンと言う)を植え付けたのが、愚劣なる キリスト教の思想だ。 ギリシアの思想はこれとは全く違う。両者は、完全に対立する思想だ。私たちは、キリスト教の悪(あく)を大きく見抜いて、古代ギリシアを賛美したニーチェの思想を大事にしなければいけない。
私が、来週の3月16日に、5時間、ガンガン話す金融セミナーが、東京の日比谷公園の南側のホールで有る。オンライン(ネット配信)でも見れます。だから、世界の激動が続いているこの時期に、私の話を聞きに来なさい。これからの私たちの生活に関わることを丁寧に話します。この宣伝をここで簡単にやります。
(ここに当日の 呼び込みのお知らせの 定型文を貼る)
副島隆彦の”予言者”金融セミナー 第29回
お申し込みは、コチラ↓↓↓
「ホール受講」または「オンライン受講」を選択し、カートに入れてください。
https://soejimayogen.cart.fc2.com/
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「副島隆彦(そえじまたかひこ)の“予言者”金融セミナー 第29回」
*会場:イイノホール&カンファレンスセンター 東京都千代田区内幸町2-1-1
*日時:2025年3月16日(日)
開場・受付/11:00~ 終了/17:30 (予定)
*受講料:15,000円(税込)/ホール(指定席) または オンライン
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副島隆彦です。以上です。
金(きん)の値段は、さっき見たら、世界値段(NYの先物市場のCOMEX )では、1オウンス(31.1グラム)=2,920ドル だった。3,000ドル手前である。これを日本国内の卸(おろし)の値段に直すと、今、1ドル=148円 の円高に動いている。
その理由は、トランプが、「中国と日本よ、自国の通貨安は許さんぞ」と 一昨日、2日、SNSで喚=わめ=いたからだ。このあとももっともっと円高(ドル安)に動く。だから、金の国内での値段(円での表示)は、少しだが下がる。
(ここに 金の小売り価格 の最新のグラフを貼る)
金(きん)は卸値(おろしね)で、1グラム=13,900円だ。小売り(リーテイル)では、これに1500円を足すから、15,400円だ。 16,000円には、まだ届かない。1円 円安(えんやす)になると 94円安くなる。金の値段は1グラム当たりでこれだけ国内の価格が減る。金(きん)が値下がりしたら買おう、と思っている者たちがいる。
今も、金(きん)1グラム=16,000円(小売り)の壁を突破していない。だが、このあと、もうすこし値下がりするのを、待って、その時こそ、自分は金を買う、と堅く決めている人々にとっては、この動き(トレンド)は、いいことだ。
副島隆彦です。さて、私の発言に注目している人々に対して、私は、世界の動きで、何を言うべきか。 2月28日のワシントンの現地で、正午(昼)の0時20分ごろだった。ゼレンスキーが、トランプと激しい言い合いになった。この事件が世界に衝撃を与えた。その後、4日になって、ゼレンスキーたちウクライナの政権が、アメリカ(トランプ)に、メールで、詫び(謝罪)を入れてきたようだ。
この2月28日に、ホワイトハウスの執務室(オーヴァル・ルーム)の隣りの貴賓レセプションの部屋で、ここは、各国首脳たちと米大統領が、くつろいで話す場所だ。ここで記者やテレビカメラの前で大喧嘩になった。
トランプは、正しく、ゼレンスキーに、怒りながら言った。「お前は、本当に、戦争をやめたい(停戦したい)と思ってるのか。お前の、その態度は、まだ戦争を続ける感じだ。それでありながら、私に、ロシアのプーチンとの停戦の協議の仲介(ちゅうかい、mediation ミーディエイション)をやらせようとしている。お前は、狡猾(こうかつ)だ」と、こういうことをトランプは言った。
その時、ゼレンスキーから、「JD(ジェイ・デー)よ、君の意見はどうだ」と、気軽にファースト・ネイムで呼ばれて、振られたJDヴァンス副大統領は、ムッとして、お前からJDなどと気安く呼ばれる立場ではない、と、怒って、ゼレンスキーに言った。
「君は、これまで、アメリカからの支援に感謝したことはあるのか。感謝していると、私たちに言ったか。君の態度は、本当に横柄(おうへい)だ。ウクライナを助けてあげているアメリカへの感謝の気持ちがない」と切り込んだ。
それでトランプが、「お前は戦争をやめる気はない。ここに何しに来たんだ。戦争を続ける気だろう。私をうまくダマして、さらにアメリカから軍事支援を貰って、そして、第3次世界大戦に、このまま持ち込むつもりで、賭け(gamble ギャンブル)をしているのか。お前の腹の底は本当に恐ろしい。
ウクライナのお前の国の国民が、今も、毎日、数百人ずつ死んでいるのだぞ。お前は、このことを何とも思わないのか。自国民が可哀そうではないのか。私に対するお前の態度は、無礼だ」と、トランプは言った。そして、まだ言い返すゼレンスキーの肩を少し突いた。「もう、やめろ。それ以上話すな」とまで言った。
このあと、予定通りなら、外交文書(協定文)の調印をするはずだった。 ウクライナのレアアースなどの希少鉱物資源5,000億ドル(70兆円分)をアメリカに引き渡す。その代わりにロシアとの停戦(cease fire シース・ファイア)の仲裁(ちゅうさい medi ation ミーディエイション) をしてもらう約束になっていた。
正式の記者会見(晴れた日は外の庭のローズガーデンでやる)もするはずだった。ゼレンスキーは、再度、ワシントンに行って、トランプに謝罪した後、この取り決めを実行しそうだ。
ただしトランプ政権が、それをすんなりと受け入れるかは、分からない。トランプは、ゼレンスキーに徹底的に厳しい態度を取るだろう。「おまえなんか、さっさと辞任しろ。別の新しいやつと取り替えてやる。私は、そいつと交渉をする」という感じだ。
トランプと怒鳴り合いをしてしまったゼレンスキー(この映像の動画は、日本のニューズでも流れた)は、いつもの黒の丸首シャツの寝間着の恰好だった。このバカは、自分が、地球上の特権人間で、こういう不良の恰好がカッコ良くて、そして自分だけはそれが許され通用すると思い込んでいた。もう通用しない。きっと、これからはちゃんとスーツを着るだろう。
彼の、もうこれまでのような神通力(じんつうりき、カリズマ)が無くなった。あの、いつも、きょとんとした顔は、普通の人間の喜怒哀楽を消滅させられた人間の顔だ。私が何度も書いて来た通り、ゼレンスキーは、10年前にイギリスに連れて行かれて、徹底的に洗脳(せんのう)された人間だ。そして計画的に送り返されて、計画的に ウクライナの指導者(大統領)に 仕立てられた人間だ。
自分たちのトップ(頭)が、こういうキチガイによって、計画的に据え付けられると、その国の国民は悲惨なことになる。これが今の、かわいそう極まりないウクライナと言う国だ。
これから、ゼレンスキー自身が、ウクライナ戦争の停戦と終結の交渉の取引材料にされてゆく。あるいは、消えていなくなる。
トランプは、このあと、プーチンと交渉して、次のように決めるだろう。
「プーチンよ、いまロシア軍が先勝している東部の4州(ルアンスク州、ドネツク州・・)とクリミア半島の領有権を、私たちは認める。しかし、それ以上西側には出るな(進撃するな)。ドニエプル川の東岸にとどまれ。そして、キエフと オデッサは、このままウクライナ国の中心として残る。南の大都市オデッサから黒海を通って地中海に出る海路で、ウクライナは貿易を続ける。
だから、ウクライナ東部の新政権は、2千万人ぐらいの国家として、NATOも加わらない、中立国として、存続する。プーチン、これでいいな」、と。
トランプは、停戦( cease fire シース・ファイア) から、和平交渉(わへいこうしょう peace talks ピーストークス)を推し進めてゆくだろう。おそらく5月までには、この話を決める。どんな戦争も、歴史上、だいたい3年半で停戦する。
3年前の2月24日からが開戦だから、今年の6月までに休戦、講和(=平和)条約(peace treaty ピース・トリ―ティ 協定の締結)となるだろう。
今のウクライナの東半分は、今もロシア語を話している者たちが大半だ。だから、私たちはロシア人に戻る、という判断を示すだろう。ウクライナ語とロシア語は、互いに方言(ダイアレクト 類似言語)だ。互いに親戚どうしもたくさんいる。
それでも、今の今でも、ゼレンスキーを堅く支持して応援している、世界中の反共右翼(リベラル派の振りまでする者たちもいる)と統一教会(Moonies ムーニー)とデープステイト側の人間たちは、日本にもまだたくさんいる。500万人ぐらいいる。
自分たちの強固な信念(ビリーフ)として、「ゼレンスキーは、よくやった。独裁者のトランプを相手に、互角に、言い合いをした。偉いものだ」と、感想を持っただろう。だが、そのあとどんどん不安になった。そして今、この者たち(こいつら)は、深刻な苦悩状態になっている。「アメリカからの軍事支援が、停止になったら、ウクライナ軍は、いつまでロシア軍と戦い続けられるか」と。
「あと数か月は大丈夫だ。155ミリ榴弾砲(りゅうだんほう)と砲弾(ほうだん)は、イギリス、エストニア、ポーランドからの製造と補給で間に合う」と、強がりで言っている。その記事は、最後の方に載せる。
ゼレンスキーは、例の会談の後、「ここ(ホワイトハウス)からただちに出て行きなさい」と指図された。蒼褪(あおざ)めたまま、ただちにロンドンに向かって、3月1日には、スターマー英首相(労働党のくせに、真実は国家裏(うら)情報長官上がり)に泣きついた。イギリス国王チャールズ3世にもすがりついて「イギリスはウクライナを支援し続ける」の発言を貰った。
それからEU=NATOの ヨーロッパの首脳たちの集まりに3月2日に行って、さらに慰(なぐさ)めてもらった。EUの首脳たちも、本当は、アメリカとの同盟関係(アライアンス)が、ブチ壊れになりそうで、ガクガクしている。全身で震えが止まらない。ゼレンスキーの側近の、長官たち(特に、駐アメリカ大使の女性)は、泣いていた。
ヨーロッパの首脳たち、といってみたって、ドイツのシュルツはすでに総選挙(2月23日)で負けて終わった。親ロシア派で、「移民をこれ以上(ドイツは100万人を受け入れた)、入れるな」の AfD(アー・エフ・デー)党が、得票20.7%を取って、躍進して第2党になった。
デープステイト(陰に隠れて表に出ない大富豪の連合体。それと、ヨーロッパ各国の今でも隠然と残っている大貴族と王族たち)に対するドイツ国民の怒りの反撃が始まった。
フランスのマクロン大統領だけが、やけに威勢よく、「こうなったら、(アメリカ抜きとなるとNATOは瓦解するが、その時は)欧州独自の軍を作る」と公然と言い出している。だが、マクロンももうすぐ終わりだ。フランス国民の、次の2027年の選挙で、国民戦線のマリーヌ・ルペンを大統領にする。ルペン女史は、この10年間、一貫して、親(pro- プロウ)ロシアであり、プーチンと仲がいい。フランス国民戦線(党)が、選挙資金をロシア政府から借りていることは公然たる事実だ。
1960年代のドゴール大統領の時代から、「フランスはモスクワの長女だ」と呼ばれていた。だからNATOの軍人トップは、ナチス・ドイツを打ち破ったあとは、当然、フランス軍人(将軍)がならないとおかしいのに、フランスはずっと固辞している。
イタリアのメローニ首相(気丈でしぶとい元気な女。イタリアマフィアの裏ボスので総帥のベルルスコーニが育てた。ムッソリーニの思想にもつながる党だ)は、プーチンと気脈を通じている。あとのヨーロッパの西側(にしがわ)の国々、と言ってもみても、あとは、チビコロ国家ばっかりだ。あ、スペインがあるが、この国はどうでもいい。
許せないのは、オランダ首相だったルッテだ。こいつが、今、NATO(北大西洋条約機構、ヨーロッパとアメリカの軍事同盟のこと)の事務総長(セクレタリ・ジェネラール)である。このルッテは、ウクライナ戦争が始まる前の、2014年7月17日に、ブーク・ミサイル(ロシア製)で、ウクライナ上空で撃ち落とされた旅客機は、ロシアの仕業(しわざ)だ、と主張し付けた張本人で、ムーニー(強固な反共右翼)だ。
このルッテが、地上に散乱して飛行機の残骸をすべて拾って集めて、オランダに持って帰って復元して、「ほら見ろ、だから、ロシアがやった」と言いづづけた。もう一機の旅客機の墜落(クラッシュ)も、明らかに、ウクライナ空軍の戦闘機が、操縦席(コップピット)を狙って機銃掃射したから墜落した(そのようにロシア政府は、正しく主張、反論し続けた)。ルッテというのはそういう男だ。
あとひとつ。ルーマニアの総選挙(昨12月1日)で、親ロシア派のカリン・ジョルジェスク党首が勝利した。
(ここにカリン・ジョルジェスクの顔写真を貼る)
11月の大統領選の投票を無効とした憲法裁判所の決定を批判する声明を発表した極右候補のジョルジェスク氏(2024年12月19日、ブカレスト)
それなのにこの国の憲法裁判所(デープステイトの手先)が、選挙の無効(再集計でも首位が確認されたのに)を言い出して、ルーマニア国内は今、政治的にぐちゃぐちゃになっている。グルジア国、そうだ、こらー。一体、日本のだれが、✖ジョージア と言い出して、勝手にこの国の呼び方を変えたのだ。元のグルジアに戻せ。グルジアGeorgia は昔からロシアの一部なのだ。あのスターリンはグルジア人だぞ。
このようにグルジアも、選挙で圧倒的に、議会の首相も親ロシア派が勝っている。それなのに、バカ女 のサロメ・ズラビシュヴィリ大統領(2024年12月29日まで)が、西側諸国を回って(今や、放浪だ)、「 西側世界(ザ・ウエスト)は、グルジアでのロシアの干渉(謀略)による、選挙不正を糾弾してください」と、あちこちの国際会議で目立つとことにしゃしゃり出てきて、懇願して回っていた。だが、もうこの女の努力も潰(つい)えた。
ヨーロッパの準大国である ポーランド(人口は3,800万人しかいないが国土は大きい。かつて、10世紀から14世紀まで、ポーランド・リトアニア王国と言って、ドイツよりも強い国だった。ウクライナの西半分まで、この大国が支配していた)も、これまで強固に 反ロシア 感情の強い国だ。この点では日本と似ている。それでも、今度の5月の選挙で、親ロシアで、トランプ勝利で、台頭している、若い政党「同盟」の、まだ38歳の、スワポミル・メンツエン が、勝ちそうだ。
このように今のヨーロッパは、どこの国も全部こんな感じだ。親ロシア派(もう外国移民を入れるな派)が、台頭している。
2月28日のトランプ・ゼレンスキー会談(なのか、怒鳴り合いなのか)で、一番、すばらしいコメント(評言)をしたのは、ロシアの外務省の国家情報部長で、美人のオバサンのザハロア報道官だ。
ザハロアは、「トランプ大統領は、(あの会談で、あれほど怒ったのに、それでも)ゼレンスキーを殴らないで、正しく自制した」と解説した。私が一番、納得したのは、このコメントだ。マリア・ザハロアは、10年ぐらい前に、各国首脳のいた晩餐会で、「カカリーナ、カリーナ、カッカラカノヤ」の、有名なカカリーナを、自分で歌いながら上手に、ミニスカートで舞い踊った。おもしろい、気合の張った女だなー、と私は感心した。今も現役でロシア政府の報道部長をやっている。
(ここにザハロアの顔写真を貼る)
マリア・ザハロワ報道官
ロシア南部ソチで行われた夕食会で、踊りを披露するマリア・ザハロワ外務省情報局長(2016年05月20日)
副島隆彦です。もういい。こういうことを、私がだらだらと、ずっと書いていられない。
はっきり結論を書かなければ。このあと、ウクライナはどうなるか。ゼレンスキーもようやくキエフに帰っただろう。そして、そこには、阿修羅(あしゅら)の巷(ちまた)となっている。キエフの政権の中枢の 戦争遂行の司令部では、今、激しい、口論、内部対立、動乱状態が起きている。
「いや、アメリカの軍事支援が無くても、私たちは、ロシアとの戦闘をこのまま続けることが出来る。徹底抗戦あるのみ」派と、「もう、ダメだ。もうこれ以上戦争を続けることは出来ない。もう停戦(シース・ファイア ceasefire )するしかない。トランプの言う通りにするしかない。前線の兵士たちは、極度に疲れ切っている。もう、これ以上戦死者を出すことは出来ない」という派とが、激しくいがみ合っている。
強硬派の「徹底抗戦あるのみ。本土決戦だ」と、主張している者たちがいる。アゾフ連隊と 大統領親衛隊という、強固に反共右翼の信念を持つ者(ウクライナの西側のガリチア地方に、強固にナチスドイツと共に戦った者たちがいる)、このガリチア右翼たちの中から、もうすぐピストル自殺する者たちが出て来る。これが歴史の必然だ。
元々のウクライナ軍人たちでも、地面に泣き崩れている者たちが出ている。前線(フロントライン)は、もう戦う気を半分無くして、自然停戦(しぜんていせん)になっているはずだ。ロシア軍の側も、「もう、突撃してこれ以上死ぬのは御免だ」と、最前線の兵士たちが動かなくなっている。だから、プーチンが、トランプと話して、停戦の段取りを、着々とやっているだろう。
ゼレンスキーは、前(2月20日)に私が書いた通り、SAS(英特殊部隊。イギリスの国家情報部でもある)に守られながら、キエフを脱出して、イギリスのどこかに家族を連れて亡命するだろう。もう、あと1か月も掛からないだろう。おそらく、3月1日に、スターマー英首相と話したときに、このことも話したはずだ。
トランプと激しく言い合った発言の中で、セレンスキーが、ぼそっと、はっきりと、1行、重要なことを言っている。 それは、
“ This is the war of Russia against UK ( ユナイテッド・キングダム) . ”
と、ゼレはっきり言った。「この戦争は、ロシアとイギリスUKの戦争なのだ」と。そして、ゼレ自身は、「私は、イギリスによって作られた操(あやつ)られ人形( puppet パペット)であり、自分は、イギリスのいう通りに動いて来たのだ」と。
この真実は、今や覆(おお)い隠すことができなくなっている。
副島隆彦です。今日は、もうこれぐらいにします。あまりにもウクライナ戦争の停戦の話ばかりになった。最後に。私は、3月2日(日)に、たまたま見た、NHKのBSチャンネルで、
映画「日本のいちばん長い日」(1967年制作。原作は、半藤一利=はんどうかずとし=)を見た。この話を書く。
この映画の制作から56年も経っているのに、歴史事件である、1945年の終戦(本当は敗戦)の8月15日の、前日の14日から、15日にかけての
皇居の中の近衛(このえ)師団と大本営(市ヶ谷の東部軍 の部隊)の中で、起きていた、気合の入った将校たちの話だ。宮城事件(きゅうじょうじけん)と言う。
昭和天皇が、「私はポツダム宣言を受けれる。これ以上、国民を苦しめるわけにはゆかない」と言って、戦争最高指導者会議の御前会議(ごぜんかいぎ)で決定した。その後のNHKでの玉音(ぎょくおん)放送の「終戦の詔勅(しょうちょく。みことのり)を、放送させない、といきり立った若い将校たちの動きだ。
最後まで、本土決戦を主張した、日本陸軍を率いる 阿南帷幾(あなみこれちか)陸軍大臣(まわりに尊敬された立派な軍人)が、腹を切って死ぬ。8月15日の午前11時だ。まさに阿南(あなみ)陸相は、「(この私の)一死(で)、(戦争に負けましたことの)大罪を謝(しゃ)す 」で、切腹自殺した。三船敏郎が演じだ。 阿南大将のことを、昭和天皇は、親しく「あなん、あなん」と呼んで、何回か食事を共にしている。
そのあと正午(12時)に、天皇の放送が流れた。日本国民は、全員で、泣き崩れた。そして、前途を悲観して、自殺した者たちが、全国にいた。ヒドイ場合は、奥さん子供を近くの神社の前で刺殺して、それから自分も自害した軍人たちがいた。
本物の右翼思想家である 影山正治(かげやままさはる)の大東熟の塾生14人も皇居前で集団自殺した。影山は、1940年に、米内光正を英、米の手先だと見抜いて暗殺を計画して失敗している。
この映画「日本のいちばんながい日」では、「戦争を継続するように陸軍は動いてください。そのための天皇の身体(玉体、ぎょくたい)を私たちが押さえます」と、極度の狂気状態になった 将校(少佐。38歳ぐらい)たちが決起して、宮中の 近衛師団の森赳(もりたけし)師団長と、副官を、師団長の部屋で14日の深夜に、刺し殺し、銃殺した。この若い軍人たちは、1936(昭和11)年の「2.26」の青年将校たちと全く同じ精神状態になった。
「まだ本土には、236万の兵がいる(民間からの徴用を入れると800万人の兵力がある)。これをもって連合軍を、本土で迎え撃つ。それが先に死んでいった者たちへの、私たちからの当然の行動だ」と、本土決戦を頑強に唱えた者たちの、哀れ極まりない行動だ。
畑中健二中佐、椎崎(しいさ
ざき)二郎中佐、上原重太郎大尉(23歳)、古賀秀正中佐たちは、このあとピストルで自決した。今の二重橋から坂下門の前の芝生でだ。白石道教中佐は殺された。この決起計画の首謀者で年長だった、中の井田(いだ)正孝中佐と竹中正彦中佐(陸大51期)と荒尾おきかつ(軍事課長)らは、その後も生きた。
彼らの決起(軍部の不穏な動き)に怒って、部隊を率いて皇居(宮城)入って鎮圧した、東部軍の田中静壱(しずいち)司令官(大将)も、その9日後(8月24日)に自決した。本当に潔い、立派な軍人は、こういう時には、自決するのだ。自決すべきなのだ。
阿南陸相は、割腹して絶命する時に、「米内(よない)を斬れ」と叫んだ。このことは、「俺たち、陸軍は、バカだった。ずっと海軍に騙されていた。海軍は、英、米と、開戦前から、深く繋(つな)がっていた」と、気づいたのだ。
だから、敗戦後の極東軍事裁判(Tokyo Tribunal トウキョウ・トリビューナル)で、絞首刑になった7人(一人だけ外交官)は、すべて陸軍だ。海軍は、誰も死刑になっていない。この事実は、もの凄く重いのだ。日本のすべての民族主義、愛国主義の 保守人士は、今では、この真実に、今では、深く到達している。
宮内庁も、そして首相官邸の中までも、荒らされた。それから宮中の吹上御所の御文庫(おぶんこ)の天皇の居所の近くまで、反乱将校たちの捜索隊が来て、玉音放送の原盤(げんばん)を求めて、中を荒らしまわった。この時、天皇はさらに一番深い対空防火壕に避難していたようだ。
この敗戦(終戦)を受け入れて、苦労した鈴木貫太郎首相(我は日本のパドリオとならん。イタリアの敗戦時の首相。笠智衆が演じた)も偉かった。他の閣僚たちには、偉いのと偉くないのとがいる。内大臣の木戸幸一(きどこういち)は、予め、敵方(英、米)と通じていた男だ。陸軍情報部の河辺虎四郎(かわべ・とらしろう)や辰巳栄一(たつみえいいち。のちの自衛隊の幹部)たちの動きも、チラとこの映画に出て来る。
彼らは、敗戦後は、総雪崩(そうなだれ)となって、英、米の従順な手先となって、世界反共(はんきょう)同盟に従う、反共右翼(はんきょううよく)となっていった。見苦しい限りである。
本当は、英米と裏で通じていた ワルの 海軍大臣 の 米内光正(よないみつまさ)のことを、この映画、真の原作者(以前は大宅壮一とされた)である 半蔵一利氏(はんどうかずとし。文藝春秋、幹部社員。長く編集長)は、分かっていない。真実に気付いていない。このことが残念だ。
文春 と 新潮社 という2大大手の立派な出版社が、戦中、戦後史の厳しい、真実判定で、アメリカ占領軍(=アメリカ帝国)の意思に引き摺られて、その後の、「海軍善玉(ぜんだま)論。海軍は、平和主義者だった」という、驚くべき、虚偽、インチキ言論を、50年間も、日本の良識ある読書人階級に植え付けた。その代表が、最大級の虚偽の戦争史である、歴史小説家の ✖阿川弘之(あがわひろゆき)の「提督(ていとく)三部作」(米内と、井上と山本五十六)である。
それと ✖司馬遼太郎の許し難い 歴史の捏造の 歴史小説の数々である。
それらの悪と弊害を、私、副島隆彦が、ようやくこの20年間で、掘り崩して、何とか、本当の真実を、この国の地底(ぢぞこ)からほり上げて、日の当たるところに出してきた。私は、隠された秘密、あちこちに散乱している事実を拾い集めて、この「どうか真実を国民に知らせてくれ」という、彼らの鬼気迫る 怨念、霊魂に導かれて、今も、真実の暴き言論を、ひとりで続けている。
ドイツには、映画「ヒトラー最期(さいご)の13日」という映画がある。これは、ドイツの映画人たち自身で作ったものと、アメリカ、ハリウッド作の「ヒトラー最期の13日」がある。ベルリンが陥落して、首相官邸まで、ソビエト・ロシア軍が迫ってくる時の、地下壕の中で、最後まで総統(ヒューラ―)ヒトラーの周囲にいた、張り詰めた緊張で、気合の入った、若い軍人たちが、最後は互いにピストルで撃ちあって、ばたりと通路に倒れるという情景が続く。
この他に、「ワルキューレ」というヒトラー暗殺計画(トム・クルーズ主演)の映画も有る。暗殺の実行の失敗で、最後は、ドイツ国防軍の大将や元帥たちまでが、計画の首謀者で最高責任者として、丸裸にされて、残虐にもピアノ線で首吊りされ、もがき苦しみながら、死んだ。すでにノルマンディー上陸作戦が起きていて、フランスから英米軍が、ドイツ本土に入って来た。
これが敗戦(戦争に負ける)ということだ。
敗戦する ウクライナでも、これらと同じことがこれから起きるだろう。私たちは、それを遠くから静かに見ているべきである。日本でも同じことが有って、最後まで聖戦貫徹の強い意志をもっている、狂っている、勇壮な人間たちは、おのれの思考を、今さら、新しい時代へと回転させることが出来ない。非業の死を遂げる。痛ましいことだが、それが人類の歴史だ。そして・・・・狡(ずる)賢い人間と、生来のワルたちは、生き延びる。
こんなことばっかり書きながら、私、副島隆彦は、3月16日に、金融セミナーを開きます。聴きに来る余裕と知能のある人は集まってください。
基本は、副島隆彦の本を読んで、金(きん。ゴールド)を早め早めに買っておいて、それが値上がりして、それで自分の大切な生活資金(資産)が増えて、喜んでいる人たちが結集する集まりです。私、副島隆彦は、ウソをつかない。ウソを書かない。自分が書いているもので、人々を騙(だま)さない。 死ぬまで真実暴(あば)き言論を続ける。 副島隆彦拝
副島隆彦の”予言者”金融セミナー 第29回
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