「2079」 バルテール・マーリン著『古典の真実 源氏物語は江戸時代に書かれた』(秀和システム刊)を紹介する 2023年8月22日

  • HOME
  • 「2079」 バルテール・マーリン著『古典の真実 源氏物語は江戸時代に書かれた』(秀和システム刊)を紹介する 2023年8月22日

SNSI・副島隆彦の学問道場研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)です。今日は2023年8月22日です。

今回は、バルテール・マーリン著『古典の真実 源氏物語は江戸時代に書かれた』(秀和システム刊)を紹介します。本書は8月5日に発売されました。表紙を見ていただくと分かりますが、副島隆彦先生推薦の書です。

古典の真実 源氏物語は江戸時代に書かれた

著者のバルテール・マーリン氏は筆名で、下に貼り付けた著者プロフィール(プロファイル)によると、1958年生まれの65歳、東大法学部を卒業後は一般的な就職をせずに、家産を消費しながら研究に没頭するという生活を送ってきた人物です。本書は2作目で、私たちが名前を知っている日本、そして西洋の古典の本当の著者を突き止めるという冒険的な作業を行っています。後ほど、副島先生による紹介文も掲載する予定です。

以下に、まえがき、目次、あとがき、著者プロフィールを貼り付け掲載します。参考にしていただき、是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)
まえがき

二〇〇四年六月、私は古代史の謎解きに取り組み始めた。続いて二〇〇八年の夏頃には古典誕生にまつわる真実の探求を開始した。私の古典探求は古代史探求に四年ほど遅れて始まった。その後、私は歴史の謎解きと古典の謎解きを並行して進めた。
誰もが知っているような世界的古典といえども、その成り立ちということになると、かなりあやふやな点が多い。これら世界的古典が、いつ、誰によって書かれたのか、われわれは本当のことを知っているのだろうか。そう考えて私は古典誕生過程の探求に着手した。
やがて月日は流れて二〇二二年一〇月、歴史の謎解きに関する第一作、『世界の真実』が世に出た。その間、二〇一〇年秋から二〇二〇年半ばまで丸一〇年もの間、執筆にブランクが生じた。なぜ一〇年ものブランクが生じたのか、その理由はいくつか思い当たるものの、詳しいところは思い出せない。 第一作刊行後、私は直ちに古典関係の著述を開始し、わずか五ヶ月で初稿を仕上げることができた。そこから、さらに二ヶ月間、加筆作業を行い本書は完成した。
本書は三部構成で、その第一部で日本古典を、第二部で西洋古典を取り扱う。第一部の中核をなすのが紫式部問題、第二部の中核をなすのがシェイクスピア問題である。読者は本書により東西二大文豪の正体を知ることになろう。第三部は江戸時代の古典と現代の関係を扱う。そこでは謎の浮世絵師、写楽の正体が明らかにされる。また、奥の細道や好色一代男の真の作者も明らかになる。
そもそも、われわれは紫式部、清少納言、芭蕉、マキャベリ、シェイクスピアといった超有名作家について、どれほどのことを知っているのだろうか。この本において私は彼らの実像に迫り、彼らにより書かれたとされる著作がほんとうは誰によって書かれたのかを明らかにした。
われわれは時折、「一〇〇年に一人の天才」という表現を眼にする。しかし、この地上に一〇〇年に一人のペースで出現する程度の才能を天才などと言えるだろうか。真に天才と言えるのは、この地球全体で五〇〇年に一人出現する才能のみである。 私は前著、『世界の真実』を執筆しているとき自分には、こと歴史的事実の分析能力については、この地上全体で五〇〇年に一人しか出現しない才能があるのかも知れないと考えた。もし、その直感が正しいとすると、私の前著、『世界の真実』は五〇〇年に一人の才能を持つ書き手がパワー全開で執筆した書物ということになる。
しかし、そうなると少々、困ったことになる。五〇〇年に一人の才能を持つ書き手が知恵を絞って完成した本など一般の読者はもとより第一線の研究者も容易には理解できない。現に、前著が出版されて半年が経過したにもかかわらずアカデミズム、ジャーナリズムともに何の反応も示さない。完全に黙殺されている。
けれども、数はあまり多くないものの読者から版元に宛てて「この本を書いたのは特異な才能の持ち主ではないのか」といった趣旨の問い合わせが断続的に届いているそうである。これは嬉しいことでもあるし、また心強いことでもある。
やはり、わかる人にはわかる。あの本は一定以上の知性と良心を持ち合わせた読者にアピールする力を秘めている。時間はかかるかも知れないが最終的には、あらゆる階層に、あの本の主張する内容が浸透して行くことであろう。この第二書、『古典の真実』についても同じことが言えると思う。
デビュー作、『世界の真実』は全世界の古代史・中世史を書き換えるという斬新な試みであった。読者としては、あまりに対象が広範すぎてフォローするのに困難を感じたことであろう。それに対して、この第二書は古典の成立過程という限定的な対象を扱う。したがって、読者としてはデビュー作に比べればフォローし易い。
この本では人間精神の到達点を示す古典的作品を重点的に採り上げた。そのような古典の成立過程と、その真の作者の実像に迫って行くことは著者にとって発見の喜びに満ちた経験であった。読者もまた、著者が経験したのと同じ感動を味わっていただければ幸いである。
=====
まえがき 6

第1部 日本古典誕生の謎を解く 13

第1章 紫式部の謎に迫る 19
1.最初の作者候補:源氏物語成立の謎 19
2,源氏物語の作者:下河辺長流(しもこうべちょうりゅう) 24
3.源氏物語の舞台:美男美女の架空王朝 31
4.源氏物語を襲った悲劇:三条西家における加筆 35
5.源氏物語の刊行:万葉集の編纂 44

第2章 ゆらぐ平安文学:それは江戸時代に書かれた 51
1・伊勢物語の作者:戸田茂睡(もすい) 51
2.土佐日記の作者:鵜殿余野子(うどのよのこ) 57
3.和泉式部日記の作者:油谷倭文子(ゆやしずこ) 61
4.更級日記の作者:加藤千蔭(ちかげ) 65
5.大鏡の作者:新井白石 68

第3章 枕草子の謎に迫る 73
1.枕草子と『ひとりね』:作者はどちらも柳沢淇園(きえん)か 73
2.『ひとりね』の作者:山東京伝 76
3.枕草子・紫式部日記の作者:戸田茂睡 80
4.一条朝:創作された架空の王朝 85

第4章 日本中世文学の作者:江戸時代の隠れた偉人 91
1.方丈記の作者:中根東里(とうり) 91
2.平家物語の作者:これも中根東里 97
3.徒然草の作者:藤貞幹(とうていかん) 101

第2部 西洋古典誕生の謎を解く

第5章 ゆらぐルネサンス像 111
1.ルクレティウスの再発見 111
2.ギリシア・ローマの古典はいつ書かれたのか 115
3.古典の集大成:エラスムスはギリシア人 119

第6章 ホメロス二大叙事詩の謎に迫る 125
1.ホメロス二大叙事詩の作者 125
2.イリアスにおける偽作の混入 130
3.オデュッセイアにおける偽作の混入 135

第7章 レオナルド・ダ・ヴィンチ:その実体はガリレオ・ガリレイ 141
1.謎に包まれた天才:レオナルド・ダ・ヴィンチ 141
2.ダ・ヴィンチとガリレオ:二人は同一人物 146
3.ガリレオ・ガリレイの生涯:モナ・リザのモデル 149
4.ヴィーナスの誕生とプリマヴェーラ:ゴドイの依頼によりゴヤが描いた 154

第8章 マキャベリの謎に迫る 161
1.マキャベリの生涯 161
2.君主論の作者は別人:マキャベリとグイッチャルディーニ 165
3.神曲とデカメロン:作者はマキャべリ 169

第9章 シェイクスピア問題を解決する 173
1.シェイクスピア問題とは 173
2.三人の有力候補:フランシス・ベーコン他二名 178
3.最終候補者:ジョン・ダン 184
4.ダンとシェイクスピア:二つの人生の交錯 189
5.シェイクスピア(ジョン・ダン)は諜報員だったのか 195

第10章 啓蒙思想の裏側を探る 203
1.啓蒙思想の表側:一八世紀はヴォルテールの世紀 203
2.カサノバ回想録:ボーマルシェの創作 207
3.究極のリベルタン:ボーマルシェ 212
4.啓蒙思想の裏側:マルキ・ド・サド 216

第3部 現代によみがえる江戸の古典 221

第11章 江戸文学の裏側を探る 223
1.芭蕉とは誰なのか:二人の候補者 223
2.芭蕉の正体:北村湖春(こしゅん) 227
3.江戸時代における出版統制:享保七年の町触 232
4.奥の細道の作者:幸田露伴 235
5.好色一代男の作者:上田秋成 241

第12章 写楽問題を解決する 247
1.写楽別人説:本命は写楽北斎説 247
2.写楽当人説:能役者斎藤十郎兵衛説 251
3.写楽の正体:フランス人ビゴー 256
4.写楽は二〇世紀に登場した 260

第13章 自然真営道の謎に迫る 265
1.自然真営道の発見者:狩野亨吉(かのうこうきち) 265
2.自然真営道の著者:安藤昌益ではなく平田篤胤(あつたね) 269
3.平田国学と復古神道 273
4.安藤昌益と平田篤胤:篤胤晩年の真意 277

あとがき 281
=====
あとがき

私が古典の成立過程に興味を抱き始めたのは二〇〇八年頃である。その年、源氏物語誕生千年紀にちなんで新聞や雑誌が源氏物語にまつわる記事を盛んに掲載していた。私もおのずと興味を引かれるようになり源氏物語関連の文献を読み始めた。その結果、いつ、誰が源氏物語を創作したのか突き止めることができた。
私は、源氏物語の作者探しを通じて古典の成立過程を分析するための一般的なノウハウを蓄積した。さらに、そのノウハウを応用して多数の日本古典の真の作者を突き止める方向に進んだ。一方、西に目を転じシェイクスピア問題の解決に挑戦した。そうすると紫式部に続いてシェイクスピアの実像に迫ることが出来た。
古典における真実の成立過程を探求して行くと、そこではある時代の書き手が、それよりはるか昔の人になりきり創作するという手法が多用されていた。それは洋の東西を問わない。日本では下河辺長流、戸田茂睡、新井白石といった書き手が平安時代あるいは鎌倉時代の人になりきり書物を書き遺していた。ヨーロッパではマキャベリがダンテあるいはボッカチオという同じフィレンツェ文化人になりすまして創作していた。
探索の結果、源氏物語、伊勢物語、枕草子、方丈記、徒然草、大鏡といった日本古典が、いつ誰によって書かれたのか明らかになった。ヨーロッパにおいても神曲、デカメロン、カサノバ回想録といった古典的書物が成立した真相を解明した。
美術品の成立事情に探索の対象を拡大すると今までボッティチェリの作とされていた二大傑作がゴヤの作であることが判明した。日本美術では写楽の作品の成立にフランス人が絡んでいたことを探知することができた。
これは筆者にとって二番目に刊行する本である。本書、『古典の真実』では古典がどのようにして成立したのかを探求した。そうすると最初に刊行した『世界の真実』で提示した「歴史の断層線」という概念が極めて有効であることが再確認された。
デビュー作、『世界の真実』において私は歴史的世界を舞台に大胆な思考実験を展開した。そこでは、ヨーロッパにおいては一五〇〇年付近を、東アジアにおいては一六〇〇年付近を「歴史の断層線」が走っており、それ以前は単なる伝説の世界であることを示した。二冊の本は、どちらも真実の探求を主眼とする。
政治史の世界では「歴史の断層線」の向こうは伝説の世界である。それに対応するかのように古典の世界では断層線以前に創作されたとされる古典的作品は大体において、断層線のこちら側で創作されていた。とりわけ日本では単純明快で平安時代や鎌倉時代の作品とされていた古典は全て江戸時代に出現していた。
ヨーロッパでは事情はやや複雑で、断層線以前のギリシア・ローマの古典は、断層線のわずか向こうの一五世紀に集中的に生み出されていた。エラスムス、マキャベリという断層線を跨ぐようにして生きた文人の生涯の秘密も解明できた。
さらに、レオナルド・ダ・ヴィンチの実像を追ううちにガリレオ・ガリレイという人物にたどり着いた。レオナルド・ダ・ヴィンチというのはガリレオ・ガリレイの仮象にすぎない。ガリレオの生涯は幸運と栄光に彩られたものであったが、晩年にはカトリック保守派による異端審問を受け苦難に直面した。
ガリレオが被った苦難は私にとっても他人事ではない。私は前著で歴史学の根本的刷新を訴え、この本では古典学の根本的刷新を訴えた。それは五〇〇年前にガリレオが宇宙観において天動説から地動説への転換を訴えたことを想起させる。
歴史学と古典学の両分野において学会主流がどのような反応を示すか、いまのところは未知数である。おそらく、最初のうちは黙殺するものの、そのうち沈黙を続けることができなくなり何らかの反応をせざるを得なくなる。そして、最終的には私の説を受容するという展開になると予想される。
いずれにせよ、私がガリレオのように異端審問にかけられる可能性はない。つくづく良い世の中になったと思う。言論の自由と思想の自由は真理を探究する者にとっての命綱である。
悪がはびこり狂気が渦巻くこの世界にも一筋の光明が見えてきた。それは人類を全盛期に導く光の道である。現在、人類はなんとかして全盛期へと行き着こうとして苦しみもがいている。人類を全盛期へと導くのが私の使命である。
=====
著者プロフィール
バルテール・マーリン・テン(Maalin Tenson Balteer)
1958年生まれ。東京大学法学部卒業。
2022年、名園天孫(なぞのてんそん)の筆名で「みなみ出版」から『世界の真実』を刊行し、出版界にデビューする。
障害、一度も賃労働をせず実家の財産を消費しつつ研究に没頭するという点において、チャールズ・ダーウィンを手本にする。しかし、実家がダーウィン家ほど裕福でもないのにダーウィンを気取ることには批判も見られる。
2030年までには世界のオピニオンリーダーの地位を確立すると当人は豪語する。しかし、周囲からは実現を危ぶむ声も聞かれる。
マーリン テンソン・バルテール(Maalin Tenson Balteer)の名は、ローマ式に個人名、氏族名、家族名の順に並べたもの。日本国における戸籍名(パスポート名)は非公開。バルテールはヴォルテールをもじったもの。これは著者がヴォルテールの後継者を自任することによる。テンソン・マーリンは天孫降臨に由来する。これは同時にアーサー王伝説に登場するマーリンを連想させる。

(貼り付け終わり)

(終わり)

このページを印刷する