「2068」 副島先生の最新刊『米銀行破綻の連鎖から世界大恐慌の道筋が見えた』(徳間書店)が発売になる 2023年6月26日

 SNSI・副島隆彦の学問道場研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)です。今日は2023年6月26日です。

 本日は、副島隆彦先生の最新刊『米銀行破綻の連鎖から世界大恐慌の道筋が見えた』(徳間書店)をご紹介します。発売日は2023年7月1日です。


米銀行破綻の連鎖から世界大恐慌の道筋が見えた

 以下に、まえがき、目次、あとがきを貼り付けます。参考にして是非手に取ってお読みください。

※「重たい掲示板」の副島先生の書き込みもお読みください。
「[3559]私の最新刊本 と ウクライナ戦争の最新の戦況。投稿者:副島隆彦 投稿日:2023-06-21 10:52:21」↓
https://www.snsi.jp/bbs/page/1/

(貼り付けはじめ)
まえがき

副島隆彦

アメリカ地方銀行の取り付け騒ぎは終わらない

 アメリカで、中堅の地方銀行(リージョナル・バンク)の破綻(はたん)が5月にも相次いだ。この動きはさらに続く。9月には再び、銀行の取(と)り付(つ)け騒ぎ(バンク・ラニング bank running)が起きる。

 それは今年の3月10日に起きた取り付け(バンク・ラン)よりも大規模なものだ。

 アメリカの金融がガラガラと崩れつつある。

 私は、「世界大恐慌(ワールド・グレイト・デプレッション)が迫り来る」と、「株式(ストック)と債券(ボンド)の大暴落が起きる」と書き続けて、もう25年が経(た)つ。いまさら私は何を言い、何を書けばいいのか。ひとりで呆(あき)れ返(かえ)っている。私はホラ吹き人間だったのか?
「アメリカは強い。アメリカは強大だ。アメリカさまにしっかり付(つ)いていれば、これからも日本は大丈夫だ」と言い続け、信じ続けた者たち、即ち、お前たちだ! この馬鹿やろうたちは一体、これからどうするつもりだ。
 今さら私に何の助言を求めるというのか。
 私、副島隆彦は、憮然(ぶぜん)として、ひとりで不愉快極まりない思いで事態を見つめている。5月の連休も、自分のこの金融本を書く気が起きないまま過ぎ去った。
「先生の次の金融本は、いつ出ますか?」と、自分のおカネ(投資)のことしか考えない人々が、安心、安全のお札(ふだ)がわりに私の新刊本を待つ。たいして真面目(まじめ)に読みもしないくせに。

 これからの世界の金融、経済の動きについて、私はもうグダグダと書かない。徹底的に分かり易く、サラサラと、書く。私の文章を読んだ人が、誰でもすっと分かるように1行ずつ、ではっきりと書く。1行ずつ、文章は平易であるべきだ、の極意(ごくい)を、私は、大(だい)作家のひとり谷崎潤一郎(たにざきじゅんいちろう)の文体[ぶんたい](スタイル)から学んだ。
 誰がいつまでも訳(わけ)の分からない、バカみたいに難かしい金融本、経済(学?)本なんか書いていられるか。金融、経済の専門家という連中は皆(みんな)、滅びた、死んだ。お前たちの高級文章なんか誰にも相手にされない。読んで貰(もら)えない。書いていることが、ウソで人騙(ひとだま)しだからだ。

 米の中堅銀行(各州を代表する有力な地銀[ちぎん]である)の経営破綻は、4月にいったん治(おさ)まった。危機が一旦(いったん)は、収束(しゅうそく)したように見える。しかし、皆さんもご存知のとおり、その後もぐずぐずとぐずついて、再びアメリカの銀行たちの取り付け騒ぎ(バンク・ラニング)が起きると言われている。次の連鎖破綻(はたん)は、8行までならいいが、10行を超すと金融恐慌(マネタリー・クライシス)になる。日本でも昭和2(1927)年3月に起きた(写真のとおり)。米政府(財務省)とFRB(連邦準備制度理事会)が助けきれなくなる。

2024年から「ドル覇権の崩壊」が始まる
 
最近は「脱(だつ)ドル化」という言葉がよく言われる。アメリカのドルの信用が世界中で低下している。それでも、まだ世界の貿易の決済の54パーセントは、米ドルでやっている。これが、50パーセントを割ると、アメリカの世界からの信頼が決定的に落ちる。このことの別名が「ドル覇権(はけん)の崩壊」だ。私は、ドル覇権(ヘジェモニー)(米ドルによる世界支配)が終わることを、15年前(2007年)から書き続けている。
「副島の予言はハズレ」と言われてずっと不愉快だった。それで、それから、どうなったか。何が今、起きつつあるのか。まだ「副島ハズレ」と、私の本に向かって書評(ブック・レビュー)を書けるのか。

 アメリカのドルによる世界支配が、本当に崩れつつある。この考えに反対する人はもうほとんどいなくなった。日本人は、従順奴隷[じゅうじゅんどれい]という意味だ)だから、風向き(日和[ひより])に合わせて、何とでも、平気で自分の考えを変える。今やドル支配(覇権[はけん])の終焉(しゅうえん)は、いつ起きるか、の議論になっている。
「いやあ、まだあと20年は続く(即ち2043年まで)」と主張し続けた専門家たちが、アメリカにもずっといた。私は、そんなに長くはかからない、と書いて来た。来年2024年から、ドル覇権はガラガラと崩れるだろう。
 たとえ米ドルの弱体化(ドルの暴落)が起きても、アメリカの世界支配は、簡単には終わらなくて、ずっと続くと思っている人々が日本の保守派の大半だ。今もそうだ。しかし、そんなことはもう無いよ。あと数年で終わりだ。

金とドルの戦いでドルは大暴落

 金(きん)は、これからまだまだ上がる。1グラム2万円、いや3万円までゆく。今(5月12日)金(きん)の小売(こうり)価格で、1グラム=9800円まで行った(P203の表を参照)。アメリカ政府(財務省)とFRB(米[べい]中央銀行)とゴールドマンサックスが組んで、違法そのものの、金(きん)ETF(イーティーエフ)(金(きん)証券。ペイパー・マネーの先物取引。差金決済[さきんけっさい])で、レバレッジ(投資倍率)を何と500倍どころか、今や1000倍ぐらいをかけて、金(きん)を売りクズしている。
 わずか1割(10パーセント)の担保(保証金)も差し出さずに、全くタダで「政府さま(お上[かみ])がやる取引だぞ」と〝裸の空(から)売り(ネイキッド・ショート・セリング)〟を仕掛けている。
 アメリカ政府(財務省とFRB)は、もう現物(げんぶつ)の金(きん)をほとんど持っていない。「アメリカはニューヨーク連銀(れんぎん)が8300トンの金(きん)を保有している」というのはウソである。
 もう、ケンタッキー州のフォートノックス(米陸軍の基地である)のニューヨーク連銀(れんぎん)の金庫(巨大な横穴[よこあな]の洞窟)に、金の地金(じがね)(ingot インゴット)はほとんど無い。有るはずなのに無い。使ってしまって外国に流れた。
 アメリカ政府がいくらドルの空(から)売りをやっても、もうダメだ。金(きん)が米ドルを、ブチ壊して大上昇してゆく。金(きん)とドルの戦いで、ドルの大敗(おおま)けが迫っている。だからドルは大(だい)暴落する。

三菱マテリアルのウェブサイトから

 この金融本では、私はさらに、これからの金融の動きを予言をする。どこまででも分かり易く書く。
 日経新聞と週刊ダイヤモンドと週刊東洋経済という一流金融雑誌が、毎号、毎号書いているような難しいことを私は書きたくない。ああいう難しい文章を読んで、何か分(わ)かったふりをしている投資家や金融業界の人間たちが大嫌いだ。私は、本当に分かりやすい言葉でお金(かね)の動きを説明する。これが出来なければ、私の負けだ。私はすでにこの25年間に70冊以上の、金融本を書いてきた。あいつら(金融評論家たち)に妥協して、私も難しいことを知ったかぶりをしてワザと書いてきた。それがもうイヤになった。
 恐れいったことに、この金融雑誌たちが、平気で、「世界恐慌が迫り来る」という特集記事を書くようになった。恐慌になる、大暴落が起きる、と書いたら、その業界人は、業界追放ではなかったのか。お前たちは、いつ、自分たちのルールを変えたのだ。この恥知らずどもめが。

米政府は無限にお札を刷って自滅してゆく

 3月10日に、シリコンバレー・バンク(SVB)が経営破綻した。それで、アメリカに新しい金融危機が勃発した。それ以来アメリカは震(ふる)えている。誰もがこのことに気づいている。しかし、日本のアメリカの手先(てさき)どもが、今も団結して、日本国民を洗脳して、騙(だま)し続けているから、誰も公然と真実を言う(書く)者がいない。私、副島隆彦だけが、なんとか、かんとか書いてきた。

シリコンバレー・バンクの取り付け騒ぎ

ファーストリパブリック・バンクの取り付け騒ぎ

 私は、SVBの破綻の翌々日の3月13日に、自分のホームページにはっきり書いて予言した。次のアメリカの中堅銀行たちが破綻の連鎖をするのは7月だ、と。遅くとも9月までに次の米(べい)金融危機が起きると。だが、米(べい)政府とFRBは、自分たちがやることは違法(いほう)であり、さらに犯罪(刑事違法[けいじいほう])であることを知りながら、「もう、こうなったら」で無限にお札を刷って、市中(しちゅう)という名前の、危ない民間銀行たちに、10トン・トラックの現金輸送車で運び込む。こうなったら、何でもやる。「政府がやることはすべて合法(ごうほう)である」という近代(モダーン)ヨーロッパで生まれた、「国家は悪(あく)(evil[イーヴォ])をなさず」(ハ?)の、おかしな法理論で突破する気だ。

 そして、その揚げ句に、(法律上の根拠がなく)刷り散らかし過ぎた米ドル札(さつ)と国債(こくさい)(国の借金証書)が原因で、ドルの信用が一気に、世界中で消滅して、それでドルの大(だい)暴落が起きるのだ。
 即ち、「ドル覇権の崩壊」 “ The(ザ) Collapse(コラプス) of(オブ) the(ジ) US(ユーエス) Dollar(ダラー) Hegemony(ヘジェモニー) ” である。
 めでたし、めでたし。
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米銀行破綻の連鎖から世界大恐慌の道筋が見えた──[目次]

まえがき

アメリカ地方銀行の取り付け騒ぎは終わらない─2
2024年から「ドル覇権の崩壊」が始まる─5
金とドルの戦いでドルは大暴落─7
米政府は無限にお札を刷って自滅してゆく─9

第1章 世界大恐慌への道筋が見えた
SVBの経営破綻から金融危機が始まった─18
やっぱり2024年に世界大恐慌に突入する─22
政府による銀行救済にも限度がある─31
米国債の高値掴みで損失を出した─37
ハイリスク・ハイリターン債とは高危険債だ─40
ニューヨークのジャンク債市場こそが金融核爆弾─42
債券市場から大恐慌が始まる─44
パウエルFRB議長が自らの誤りを認めた─46
米政府もFRBもお手上げの事態になる─51
アメリカの連鎖破綻がヨーロッパに飛び火した─56

第2章 これから米地銀の破綻が連鎖する
これから全米で160行の中堅銀行が潰れる─66
米の有力地銀が次々と破綻する─72
日本でもAT1債を仕組み債で売っていた─86
国債の売り崩しをやっていた連中が敗北した─92
ついにNY株がピークアウトした─102
世界中で債券価格が暴落を始めたのはなぜか─106
金利が上がることほどいやなことはない─119

第3章 いよいよアメリカのドル覇権が崩壊する
ジリアン・テットが金利リスクの恐ろしさを指摘─124
インフレとはエネルギー(石油、ガス)の価格が上がっているだけのこと─158
ペトロ人民元がアメリカのドル覇権に挑戦する─165
世界の主要な港でドル決済がどんどんされなくなっている─167
日本でも脱ドル化が進んでいる─173
ドルの大暴落への対応がリデノミネーション─178
アメリカは没落してドルは大暴落する─182

第4章 金は1グラム=1万円をもうすぐ超える
金価格が暴騰し始めた─186
国内の金は1円の円安で、1グラム60円上がる─190
金は減価償却がないから売ったら消費税10%が返ってくる─195
国が召し上げるのは売値の3割と覚えておく─198
金の売買の証拠を見せられたら黙って払いなさい─201
金(きん)を小分けにしたければ日本マテリアルに頼みなさい─205
「ばかの金」で金(きん)をあやつる─206
金(きん)証券の先物市場はぶっ壊れてゆく─208
世界の中央銀行が競って金を買い漁っている─214
金は上海黄金市場で取引されるようになる─226
預金封鎖がすでに準備されている─231
1ドル=1円にこれからなってゆく─235
日本円は新札切り替え時にリデノミネーションをやる─237

第5章 黒田日銀総裁は日本を救った
黒田は勝利宣言をして引退の花道を飾った─242
日本国債暴落にかけたゴロツキ投資家たちが総敗北した─248
黒田日銀は米国債を売って日本国債を買った─249
日本のインフレ目標2%達成は黒田の大業績だ─260
アメリカの経済学は死んだ─264
日本が裏金でアメリカに貢いでいる残高は1800兆円─268

あとがき─280
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あとがき

 アメリカの次の銀行の連鎖倒産は9月だろう。遅くても10月だ。
 この本では「(これから)潰れる危ない米有力地銀(ちぎん)トップ14行のリスト」を、私は独自に作って載せた(本書P20とP64)。これがこの本の最大の売り物だろう。我れながら苦労して作った最先端の金融情報である。
 併せて、全米トップ45の銀行のリストも載せた。私が金融・経済の近(きん)未来予測を本に書き続けて25年になる。
 全米で潰れる(破綻処理)中堅銀行は60行と噂(うわさ)されている。
 私が自力で調査し作成した「危ない米銀行」をじっと見ていたら、これらは、全米50州の各々(それぞれ)の州を代表する銀行たちであることが分かって驚いた。その州の州民(日本でなら県民)にとっては、一(いち)大事で大騒ぎになっているだろう。このことが、日本にいる私には全く伝わらない。
 やはり、情熱、知識、ニューズは大きく統制(コントロール)されているようである。日本の金融メディアの欠点、欠陥、節穴(ふしあな)を補(おぎな)うために、私の本が存在する。私は、さらに意気揚々(ようよう)と、世界大恐慌(ワールド・グレイト・デプレッション)に向かう世界に、日本の持ち場からカッサンドラの預言(よげん)をあげ続ける。

 この本も徳間書店学芸編集部の力石幸一氏との地獄の共同作業の中から生まれた。記して感謝します。

2023年6月
副島隆彦 

ホームページ「副島隆彦の学問道場」 https://www.snsi.jp
ここで私は前途のある、優秀だが貧しい若者たちを育てています。
会員になってご支援ください。

(貼り付け終わり)
(終わり)

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