「2062」 映画『ギャング・オブ・アメリカ』(2021年)を評論する(第1回・全2回) 2023年6月3日

副島隆彦です。今日は2023年6月3日です。

アメリカ映画「ギャング・オブ・アメリカ(原題:Lansky)」(2021年)を、オンライン配信で見ました。その感想を話します。

「ギャング・オブ・アメリカ」のポスター

 この最新作の映画は、マイヤー・ランスキー(Meyer Lansky、1902-1983年、80歳で死)というニューヨーク・マフィアの親分を描いている。このマイヤー・ランスキーを演じたのはハーヴェイ・カイテル(Harvey Keitel、1939年―、82歳)という俳優で、「レザボア・ドックス(Reservoir Dogs)」(1992年)に出ている。そのマイヤー・ランスキーにインタビューしながら語り部役を演じているのが、サム・ワーシントン(Sam Worthington、1976年―、45歳)という俳優です。

映画中のワーシントン(左)とカイテル

実際のマイヤー・ランスキー

 泥臭いマフィア、要するに巨大シンジケート、組織暴力団の世界を描く訳ですから、全体は泥臭い映画のはずだ。私は、このマイヤー・ランスキーよりもさらに親分格であったラッキー・ルチアーノ(Charles “Lucky” Luciano、1897-1962年、64歳で死)についての映画評論を、既に2000年に書いて出している。それは、『ハリウッドで政治思想を読む』という書名の本です。その前に、『アメリカの秘密―ハリウッド政治映画を読む』という本も出していて、それはその2年前の1998年です。

ラッキー・ルチアーノ

 「モブスターズ/青春の群像((Mobsters))」(1991年)という映画も私は見ていて、これが全く同じニューヨークのマフィアたちを描いている映画です。これは1991年につくられた映画で、4人の前述したニューヨークのやくざ者たちの若い頃からをずっと描いている映画です。この4人目はフランク・コステロ(Frank Costello、1891-1973年、82歳で死)という男で、これも後にニューヨーク・マフィアの大ボスになるイタリア系の人物で、この4人を描いている。

フランク・コステロ

 急に話をし出すと、その前にこのサルヴァトーレ・マランツァーノ(Salvatore Maranzano、1886-1931年、45歳で死)というのがニューヨークのマフィアの大ボスで、彼が他のボスたちを集めた会合を開いている。このときに五大ファミリーという考えが生まれた。ここには、1人目トマソ・“トミー”・ガリアーノ(Tomasso “Tommy” Gagliano、1884-1951年、67歳で死)、2人目ジョゼフ・ボナンノ(Joseph Bonanno、1905-2002年、97歳で死)、3人目がジョゼフ・プロファチ(Joseph “Joe” Profaci、1897-1962年、64歳で死)、4人目がヴィンセント・マンガーノ(Vincent Mangano、1888-1951年、63歳で死)、そして5人目がラッキー・ルチアーノ(Charles “Lucky” Luciano、1897-1962年、64歳で死)です。

サルヴァトーレ・マランツァーノ

 ニューヨーク・マフィアの正式名称で、自分たちで名乗っているのは、コーザ・ノストラ(Cosa Nostra)といいます。これは英語ではour causeという意味で、causeというのは「理由」ですけれども、「大義」と訳しまして、「我らイタリア系アメリカ人が生きていく上での大義」という意味です。大きな存在理由という意味だけど、要するに自分たちで団結して、貧しいイタリア系移民が虐げられないように頑張って闘って生きていくという意味です。だからコーザ・ノストラは、イタリア系移民の民族自衛のための大同団結という意味です。

 これが基本ですけれども、同時に時代がThe Prohibitionと英語で言うんだけど、禁酒法の時代(1920-1933年)で、お酒を飲んではいけないという時代がアメリカ合衆国に法律でつくられて続いたんです。1920年から1933年まで続きました。要するにこのときにお酒を密輸入するわけで、北のカナダから持ってきたり、イギリスのスコットランドでつくったのを船で密輸したりする訳ですが、このときにこのマフィアたちの大きな収入源になる。

 ちょうどこのとき、だから1920年に、何とさっき出てきた4人は全員17,18歳なんですね。だからこの1920年頃から、二十(はたち)ぐらいでもうニューヨーク・マフィアの親分、ボスになっているんです。その背景があるんです。

「モブスターズ(/青春の群像)」

「コーザ・ノストラ」

 「モブスターズ」という映画と、もう一つは1973年につくられた「コーザ・ノストラ」、原タイトルは「ラッキー・ルチアーノ(Lucky Luciano)」ですが、フランチェスコ・ロージ(1922-2015年、92歳で死)監督がつくったすばらしい映画で、この「コーザ・ノストラ」が一番凄い映画です。それを日本語では「コーザ・ノストラ」という名前にした。それについては、私は前の政治映画の評論で二つともやっているということで、今度の新しい映画を評論する訳です。

 あとは、ベンジャミン・“バグジー”・シーゲル(Benjamin “Bugsy” Siegel、1906-1947年、41歳で死)を扱った「バグジー(Bugsy)」(1991年)という映画があります。これももう私の政治映画評論にあります。1991年の映画です。ほかに「ランスキー アメリカが最も恐れた男」というのも1999年にあるんだけど、これは見ていません。

ベンジャミン・“バグジー”・シーゲル

 あと大事なのは、フランシス・コッポラ(Francis Ford Coppola、1939年-、84歳)監督の大作である「ゴッドファーザーPart II(The Godfather Part II)」(1974年)で、このマイヤー・ランスキーたちが出てくるんです。この「ゴッドファーザー」の中のハイマン・ロスという名前で出てくるのがまさしくマイヤー・ランスキーそのものです。バグジー・シーゲルも出てくるし、ラッキー・ルチアーノが大親分ですから出てきます。前の親分を殺して、自分がその五大ファミリーの頂点に立つわけですね。

 そしてどうも「ゴッドファーザー」の中のヴィトー・コルレオーネという、マーロン・ブランド(Marlon Brando、1924-2004年、80歳で死)が演じた親分がもうまさしくラッキー・ルチアーノなんですよ。息子のマイケルが後を継ぐんだけど、このマイケルの生き方の中にマイヤー・ランスキーの感じが非常に濃く出ているらしい。

 そして「ゴッドファーザー」についても私はもう既に論じたので分かっているんだけど、そのおやじのヴィトーが、「俺が死んだら、すぐに裏切り者たちが出てきておまえを襲撃して殺すぞ。気をつけろ」と言って死ぬ訳ですね。それでこのマイケルが逆襲に出て、一気に勝っていく映画です。

 Part IIIになると、今度はもう一回、お父さんのマーロン・ブランドはもう死ぬんだけど、そのお父さんが若いころからの場面になるのね。まあいい映画だから、あれこれ今言い出すと私も混乱します。

 『ギャング・オブ・アメリカ』(2021年)のことをやっぱり論じなきゃいけない。この映画はあんまりできがよくないです。ただ、私がこれまで知らなかったことが描かれた。それが大事なので、もうそこだけに絞ります。

 マイヤー・ランスキーはユダヤ系ですからユダヤ系マフィアで、マフィアはイタリア系じゃなきゃいけないんです。だけどユダヤ系のマフィアで、これはニューヨークにはユダヤ人が多いので勢力を一つつくれるんだけど、あくまでイタリア系でなきゃいけない。

 もう一つはアイルランド系がいるわけで、これがケネディ家なのね。ジョン・F・ケネディのお父さんのジョセフ・ケネディ(Joseph Patrick “Joe” Kennedy Sr.、1888-1969年、81歳で死)が禁酒法時代に酒の密輸で大儲けして成り上がった男で、恐ろしい男なんです。その息子3人を大統領にすると決めた訳です。

ジョセフ・ケネディとJFK

 その手続きはしっかりしていてまあ立派なものだったと思うけども、本当のアメリカ人たちの生き方の凄まじさと恐ろしいまでの迫力がある訳で、でもそれは日本の大暴力団の山口組とか稲川会とか住吉連合なんかの親分たちの雰囲気とよく似ているんですね。それは自民党の政治家たちの中の実感のこもった人たちとも非常によく似ている。笹川良一(ささがわりょういち、1899-1995年、96歳で死)やら児玉誉士夫(こだまよしお、1911-1984年、72歳で死)やらね、あの人たちの雰囲気と全く一緒ですね。政治と大暴力団は裏でつながっていて、利権があるから利益が出る。

 あと、土方業や沖仲士業。沖仲士のことをロングショアマン(longshore man)というんだけど、今でも港湾労働者たちと、今は重機が発達してガントリークレーンでどんどんコンテナを運ぶから大きな港だけど、昔は人間が船から荷物、船荷を直接運んでいた訳で、大変な数の沖仲士たち、ロングショアマンがいたわけです。それをマフィアが束ねていた。

 あとは警備会社(セキュリティカンパニー)をつくって、暴力団自身が警備をやっている。だから経営側とつながっている訳です。それで左翼の労働組合たちと殴り合いをしたり、労働組合の幹部を殺したりとかもする。すさまじい世界なんだけど、これが世の中の基本です。

 ただ、最近のアメリカ映画を見ていると、みじめなアメリカ人の側面が大変よく描かれるようになって、マイヤー・ランスキーも死んだときにはほとんどお金が残っていなかった。13万ドルしかなかった。それが残された奥さんと子供たちに渡っている訳だけど、大した金じゃないです。でも長男坊が病気で、障害者でしたから。1500万ドルを長男坊の口座に入れたという話もある。それも本当でしょう。

 だから隠していたお金がかなりあるんだけど、でも本当はマイヤー・ランスキーは最後はもう全然お金がなかったみたい。それは子分たちに全部配って、子分たちが持って逃げちゃったというのが真実だと思う。

 マイヤー・ランスキーのことで私が初めて知ったのは、どのように死んでいったか知らなかった。その前に、バグジー・シーゲルはラスベガスをつくった男だけど、フラミンゴホテルというのをつくって、それに大変お金がかかって、更には愛人のヴァージニア・ヒル(Virginia Hill、1916-1966年、49歳で死)にお金使い過ぎちゃった。300万ドル、500万ドル、お金使い過ぎちゃった。それで女に狂ったという面もあって、1946年かな、戦後すぐですけど、ラスベガスの経営がうまくなっていってないということで、ラッキー・ルチアーノ以下のニューヨークの会議でもう殺すという決断が出た。

ヴァージニア・ヒルとバグジー・シーゲル

 マイヤー・ランスキーはそれを何回も嫌がって、殺すのだけはやめてくれと抗議したんだけど、もうそういう訳にいかないとなった。アメリカ人のマフィアのセンスで、帳簿をきちんとつけなきゃいけない。お金を勝手に盗んだり裏切ったり持ち逃げしたりすると死刑になるという掟(おきて)があるんですね。それで殺された。

 バグジーについてはもう話しませんが、マイヤー・ランスキーはユダヤ系ですから、やっぱりニューヨークを地盤にしているので、イスラエルが1947年に建国されるんですけど、そのためにお金を貢いでいるんですよ。それはイスラエルにも2つの大きな勢力があって、ダヴィド・ベン=グリオン(David Ben-Gurion、1886-1973年、87歳で死)という人が建国の父で大物なんだけど、それにもっと過激な、人殺しもいとわないような集団もいるんです。それはイルグーン団(Irgun)という組織ですね。

ベン=グリオン

 そうすると、お金もイスラエル建国のために貢いでいるし、ユダヤ系の財界人たちもいるわけだから、それに守られているんですよ。私が今回分かったのは、FBI長官のエドガー・フーヴァー(John Edgar Hoover、1895-1972年、77歳で死)は、これはおかまさんなんだけど、これが40年間、アメリカを裏で支配して、大統領たちをも脅していた。ジョン・F・ケネディもエドガー・フーヴァーたちに殺された訳ですが、フーヴァーと秘密協定があったんです。

ニクソン大統領とエドガー・フーヴァー

 だからランスキーは、脱税と、それから殺人と、いろんな犯罪容疑で指名手配されていたんだけど、戦後、1970年のことですけど、一回、イスラエルに逃げるんですね。そして2年間いるんです。ユダヤ人でイスラエルに帰国した者は自動的にイスラエル国籍がとれるというイスラエル帰還法という法律があるんですが、あなたはそれには当てはまらないと言われていまして。なぜならアメリカ連邦政府が身柄引き渡しを求めたからです。

 それでゴルダ・メイア(Golda Meir、1878-1978年、80歳で死)という女の首相が、もう仕方がない、やっぱり強制送還しなさいとなったんですね。だけど1972年に、マイヤー・ランスキーがもう既に70歳ぐらいですけど、帰っても殺されないし、3カ月半だけ刑務所に入って、それですぐ出されて、あとはマイアミに行った。で、マイアミで引退して、10年間暮らして死んだんですね。

晩年のランスキー

 この映画では、ライター(物書き)を1人雇って、そいつに本当のことをしゃべると言って語るシーンがずっとある。しかも語る場所が、毎回必ずダイナーといって安いイタリア系の飲食店、食堂です。

 だから日本語で言うファミレスですね。ダイナーでいつも会ってしゃべっていた。つまり高いところで、豪華な感じで食べない。つまりお金がなかったと同時に、もう老人だから達観していたんですね。多分、海辺の、マイアミの浜辺を歩くシーンとかはあった。豪華なホテルや邸宅も遠くのほうに見えたりします。

 だから同じフロリダ州のもっと北の、今、トランプたちがいるパームビーチのような超豪華なところではないんだけど、マイアミ市の、でもかなり高級なコンドミニアム、一番高級なコンドミニアムで住んでいたみたいです。

 FBIとしては、何だか知らないけど3億ドル、たった300億円なんだけど、そのお金を隠していると言って、ずっと探って回って監視してるわけですね。アメリカ的な警察のセンスだろうけど、マイヤー・ランスキーその人を牢屋に入れてもしようがないんだ。それよりも隠している金を取り上げるほうが警察の捜査目的にもかなうという考え方をするんですね。だからたった300億円なのに、それを探して回る。1970年の300億円、3億ドルだから、今でいえばその10倍ありますね。だから3000億円なんですよ。それを探して回る。

 そうすると、どうやら真実としても、スイスのジュネーブ、レマン湖のほとり、スイスの一番西側だけど、ここはフランス語圏で、フランスに近い、ここのプライベートバンク、秘密銀行じゃないけど、13あるんだけど、そのうちの一つの貸金庫に預けてあったんですね。最終的に、FBIはそれを押収というか、見つけ出すことはできなかった。子分たちが持って逃げたんでしょう。そういうシーンも描かれていました。

 普通なら、人をたくさん殺しているから自分も殺される運命にあるんですね。これは政治権力闘争と暴力団などに本当に必然的にある問題で、人を殺している人間は自分も殺されるんですよ。この大きな人類の法則があってね。それは憎しみを買うから、残っている人たちが復讐に来る訳ですね。そういう法則があるんだけど、マイヤー・ランスキーはうまい具合にそれを生き延びたんですね。

アメリカの政府ともつながって、うまく生き延びた。ほかの人は大体殺されていますけどね。でもアル・カポネだって糖尿病みたいにして死んだし、それから大親分だったラッキー・ルチアーノだってシシリーに帰って、最後はシシリーで死んでいますね。

 マイヤー・ランスキーが一番金もうけしたのは、実はキューバなんです。それも戦後すぐのキューバでね、まだラスベガスが開発される前のキューバです。

 ラスベガスは、TVA計画、テネシー渓谷開発で、そこに巨大なフーバーダムができて、フーバーダムから水が引かれてきたんです。だからネバダ砂漠の中にフーバーダムがあって、そこからラスベガスに水が引かれてきて、あと電気がダムでつくれるわけね。それが初めて引かれてきた時期なんです。だから砂漠の中に町がつくられた。

 そのときにネバダ州自身が賭博業、カジノをやっていいという許可の法律をつくるんです。だからニューヨークのマフィアたちがやってきたんです。そしてその経済的繁栄をつくれということで、許可するんです。だから警察の幹部やら州の政治家たち、要は連邦政府の上の政治家たちともつながっている訳で、もうちょっと言うと、フランクリン・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt、1882-1945年、63歳で死)大統領なんかもつながっているんですよ。

 あとはもうちょっと、反共産主義の嵐が起きたときの代表であるジョセフ・マッカーシー(Joseph Raymond “Joe” McCarthy、1908-1957年、46歳で死)という上院議員がいるのね。これがいわゆる反共の嵐であるところの反共時代をつくるんだけど、このことについても私はたくさん論じました。このジョゼフ・マッカーシーがつき合っていたニューヨークのマフィアの弁護士であるロイ・コーン(Roy Marcus Cohn、1927-1986年、59歳で死)という男がいてね、これは非常に重要な男だけど、ロイ・コーンについてはあまり描かれてないんですよ。このロイ・コーンに、若いころのドナルド・トランプがお世話になっていたんですね。

マッカーシー(左)とコーン

トランプとコーン

 だからね、同じニューヨークのデベロッパーですから。デベロッパーといったって、巨大なビルをつくって、ホテルをつくって、商業ビルをつくって、それからカジノをそこの一番上のほうでやるわけね。そういうビルですから、もう暴力団絡みで、私はトランプもやっぱりニューヨーク・マフィアの大親分の1人だと思います。

 大事なことはね、これは私しか言ってないんだけど、ニューヨークのユダヤマフィアの後継ぎは明らかにマイケル・ブルームバーグ(Michael Rubens Bloomberg、1942年-、81歳)ですよ。マイケル・ブルームバーグはもう超大金持ちです。イギリスにポール・ジュリアス・ロイター()という男がいてね、これはロスチャイルド家の番頭なんですけど、ロイターがつくった通信の仕組みがある。

ドナルド・トランプ、マイケル・ブルームバーグ、ジャレッド・クシュナー

 そのころはまだ電報というレベルなんで、ティッカー(ticker)というんだけどね、カチカチカチカチって紙に穴があく形の送信手段なんですが、これで金融情報を売るようになった。それを買う金融会社がたくさん出てきて、それがロイターという会社なんです。ロスチャイルド家なんです。

ティッカー

 それに対して、このブルームバーグはアメリカで、1950年代、60年代ぐらいから、ニューヨーク・マフィアの流れとつながりながら初めて通信会社をつくった訳です。だからブルームバーグが後継ぎなんだと考えると、マイヤー・ランスキーはやっぱり大変な人物なんですよ。

 大きく言えることは、やくざ者映画をみんなつくるけど、本当は政治家が絡んでいて、国家が絡んでいる訳ですね。そして役人、官僚たちも絡んでいる。ここの流れで全体を見なきゃいけない。ただの暴力団映画じゃない。そんなもので、つくってはいけないんですね。

 ただ、そこはあんまり描けないんですよ、今でも。ただ、ちらちらと漏れ伝わってくる、あるいはシーンの一瞬一瞬に出てくるんですね。人殺しをしたり、血だらけで刺し殺したりするシーンだけでなく、本当は政治家との裏の取引とか、あと警官の幹部たちを買収しなきゃいけない訳です。取り締まりを止めさせるためにはね。あるいは警察の中にスパイを潜り込ませる。この激しい争いの中で、現実の政治と経済が動いているわけです。

(つづく)

このページを印刷する