「2021」 副島隆彦最新刊『金融暴落は続く。今こそ金を買いなさい』(祥伝社)が発売 2022年10月22日

 SNSI・副島隆彦の学問道場研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)です。今日は2022年10月22日です。

 今回は、副島隆彦先生の最新刊『金融暴落は続く。今こそ金を買いなさい』(祥伝社)をご紹介します。発売日は2022年11月1日です。


金融暴落は続く。今こそ金を買いなさい

 2022年2月24日のウクライナ戦争勃発以降、金価格は上昇を続けている。「金価格上昇はまだ続く」ということがこの本の主題だ。どうして金価格が上昇するのかということを詳細にそして丁寧に説明している。その理由も一言で言えば「ロシアが金1グラムあたり5000ルーブルで買い取る」という決定をして、事実上の金本位制に移行したからだ。ロシアがそのための準備で金購入を年単位で進めていることは、副島先生のこれまでの金融本でも書かれている。この動きに合わせてドルが力を失う。大きく見れば、2022年は西洋近代500年の支配からの大転換点となる。「動乱の時期こそ金」は人類史が生み出した叡智だ。

田中貴金属の店頭小売価格の推移(1か月)

 以下に、まえがき、目次、あとがきを貼り付けます。是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

まえがき

 この本で書く一番大事なことは、以下の事実である。
 実は金(きん)の価格が、世界値段では、ものすごく値上がりしているという事実である。金は、実はロシアをはじめBRICs(ブリツクス)諸国では、1オ(ウ)ンス( once 31・1グラム)で、2700ドルである。これの日本円での価格は、ちょうど1グラム=1・2万円である。金はもう1グラム=1万円を超えているのだ。
 ところが、私たちが今、日本国内で金(きん)を買おうとすると、1グラム=8600円ぐらい(田中貴金属の小売値段)である。安い。100グラムの金の小さな板だったら86万円である。1グラムあたり、世界値段と3400円の差が出ている。
 いったい何が起きているのか。

 ただし私が「世界値段」と書いたのは、ロシア政府が6月に、「金1グラムを、=5000ロシアルーブルとする」と決めて固定したからである。この固定値段を、フィックスト・プライス fixed price と言う。ロシア中央銀行は、世界に向かって、金の地金(じがね)を持参した人にこの値段で買い取ると発表した。だから前述したように、日本円なら1グラムを1万2000円なのである。現在「1ルーブル=2・4円」である(図表を参照)
 だが日本人は、1キロの金の延(の)べ板(いた)を(自分の)ポケットに入れて、モスクワに飛行機で飛んでいくわけには、そう簡単にはいかない。

 今、日本の金券ショップ(古物商の認可だけ)では、金(きん)1グラム=8460円とかで買い取っている。いわゆるバッタ屋と呼ばれる「おたからや」や「大(だい)黒(こく)屋(や)」のような業者が、どんどん金を買い取っている。それらの金(きん)は、いったいどこに行くのか。興味津々(しんしん)である。
 まさか日本の暴力団とロシアのマフィアが組んで、北海道の漁民たちの漁船で、いつもはタラバガニやシャケやウニを、半分非合法で買い取っている、その船でロシアに金の地金(ゴールド・インゴット)を持ち出しているか分からない(笑)。
 このように金の値段はどんどん上がっている。アメリカは、自分のドル体制とドル紙幣を守りたいから、憎(にく)き金の価格をニューヨークやシカゴでたたき落している。貴金属の先物(さきもの)の市場で、金ETF(イーティーエフ)という仕掛けを使って、たたき落している。政府自(みずか)ら、こんなみっともないことをしている。
 アメリカ政府(NY連邦銀行が係)は、公表している8300トンの金を、もうほとんど持っていない。すっからかんなのだ。だから金が憎らしくて憎らしくて仕方がない。

 だから、この本の読者になってくれる皆さんは、金の価格は、これからもっと2倍、3倍になってゆくのだという私の考え(近未来への予言)を信じてください。
この本の第1章から、このことをガンガン書いていきます。

 ここまで書いたとおり、金(きん)は次第に世界値段のほうに近寄ってゆく。だから、日本国内でも1グラム=1万2000円になる。わざわざ金の延(の)べ板(いた)を、暴力団に頼んでロシアに持ち出さなくても(笑)、手持ちの金を黙ってじっと持っていればいいのである。
 だから、まだ金(きん)を買ったことのない人は、今からでもいいから金を買いなさい。あなたの旧(ふる)くからの友だちで、金を1グラム2000円とか、3000円で買った人たちを妬(ねた)んでばかりいないで。決心して買いなさい。もうすぐ買えなくなる。だから私はこの本の表紙に、表題(タイトル)に「今こそ金を買いなさい」と打ち込んだ。

 すでに金(きん)を買ってたくさん持っている人たちは、新たな金融制度の大変動(新円切り替えのリデノミネーション)が起きたときに、さらに金の値段も上がるのだが、そのときどのように売るかは前の本で書いた。「それは何ですか、教えてください」という人は勉強が足りない。人が儲かったことを妬(ねた)んで羨(うらや)んで嫉妬(しっと)してばかりいないで、自分で動きなさい。

副島隆彦
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目次

まえがき

1章 金は〝世界値段〟に近づいてゆく
● 金の世界値段は1グラム=1万2000円
● 値段の格差を、どう埋めてゆくか
● 米政策金利はどこまで上げられるのか
● 金利の上げ下げは政府の武器
● 危険な相場と国家自身が張る金融バクチ
● アメリカに迫り来るバブル崩壊
● 危険な債券市場に手を出すな
● 債権(ヽ)と債券(ヽ)の違い
● 年金が半分に減らされる!?
● 本当の円とドルの力を「購買力平価」で見る
● 中国人が日本のワンルームマンションを買う理由
● 私たちは、生きてゆく

2章 金融暴落は続く
● 連鎖する大暴落
● 自分で自分に借金をしている
● 2023年末、NY発の大恐慌突入
● ウクライナ開戦と同時期の金融緩和
● 〝日本売りの仕掛人〟は、なぜ負けたのか
● なぜ円安が進んだのか
● ミセス・ワタナベの勝利
● リーマン・ショックの再来
● ドルペグ制の仕組み
● 英ポンドを暴落させたジョージ・ソロス
● 米国債の秘密
● 中国が米国債を売れば、アメリカの金融市場は崩壊する
● 米国債を売らせない法律とは

3章 世界恐慌突入は2024年
● 世界経済体制が変更される
● アメリカを襲う不動産バブル
● ノンバンクがふたたび暴れる
● 14年前、リーマンは人身御供にされた
● 資本主義の原理を政治力でゆがめた
● 2024年、大恐慌突入の序曲
● 日本の不動産を買う中国人や韓国人たち

4章 賢く金を買う
● 金の値段をどう読むか
● 金の売り方と金券ショップ
● 金券ショップが買い集めた金は、どこへ行くのか
● 自分の金は倉庫業者に預けなさい
● なぜパラジウムは値上がりするのか
● プラチナの可能性
● ソフトバンク、5兆円赤字決算の原因
●「アリババへの投資を5分で決めた」は本当か
● QRコードで成長するPayPay
● 新生銀行買収と北尾吉孝
● テレビ朝日買収騒動と孫正義の黒幕
●「評価」と「再評価」は違う

5章 資源〝貧乏〟大国が台頭する
● 仮想通貨を買ってはいけない
● ロシアルーブルは強い
● 金本位制が復活する
●「85対15」の時代
● 人民元がルーブルと結合した
● SWIFTからCIPSへ

附章 安倍晋三暗殺の真実
● 統一教会への組織解散命令
● カルトとは何か
● 副島隆彦も命を狙われた
●〝安倍処分〟を世界最高度で決定した者たちの実名

あとがき
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あとがき

 この本を書き終えて、つくづく思う。
私は、この「エコノ・グローバリスト・シリーズ」25冊を毎年1冊、1998年から書いて出版し続けてきた。
四半世紀が経(た)って、まさしくエコノ・グローバリスト econo-globalists たち、すなわち「経済面の地球支配者」たちが滅びつつある。彼らの現在の通称(つうしょう)は、 the Deep State(ザ・ディープステイト) である。

 際限なく(リミツトレス)刷って世界中に垂れ流したドル紙幣が、およそ100兆ドル(1・4京[けい]円)ある。それと貸借(たいしゃく)を取っている米国債の無制限の大増刷が、もはやこれ以上は許されない時代になりつつある。
 なぜならロシアのプーチン大統領が、今年の4月から、ロシア産天然ガスはルーブル通貨でしか売らない、と宣言した。それと同じくして、金(きん)を固定価格(フイツクスド・プライス)にして、「金1グラム=5000ルーブルでロシア中央銀行が買い取る」とした。これで実物資産(タンジブル・アセット)に裏打ちされたお金しか通用しなくなる。
 欧米白人文明のG7(ジーセブン)体制に対決して、中国とロシアを先頭にした非白人の貧乏〝資源〟大国による〝新興国(ニユー)G8〟の連合が出来上がりつつある。「15(欧米):85(その他)」の世界である。
 このことを本書でずっと説明した。

 本書も祥伝社(を定年退職した)岡部康彦氏と、熱海の寓居(ぐうきよ)で寝泊まりして完成させた。記して感謝します。
 私たちは四半世紀、幾山河(いくさんが)を渡ってここまで来た。私は自分の命が尽きるときまで、このシリーズを書き続ける。

2022年11月
副島隆彦

(貼り付け終わり)

(終わり)

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