「1610」 【橋本徹・ムッソリーニ論】橋下徹(はしもととおる)前大阪市長はなぜ危険なのか。 それは国家社会主義(こっかしゃかいしゅぎ)の思想を持っている恐ろしい男だからだ。 副島隆彦 2016年6月16日
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副島隆彦です。今日は2016年6月16日です。
今日は橋下徹という男について話します。 大阪府知事をしていて、つい最近まで大阪市長をしていた橋下徹(はしもととおる)という人物が、一体どのような人間であるかを論じます。
2016年の今だからこそ、私は彼の全体像を話すことができます。舛添要一都知事が辞任しました。元首相の森喜朗(もりよしろう)からのゾッとするような恐怖の暴力団そのものの引導(いんどう)の言い渡しがあっただろう。
「舛添くん。君も、少しは大人になって、私たちの言うことを聞く人間にならんといかんよ。そうしないとこのあとが大変だぞ」と、ドズの聞いた声で恫喝されただろう。現実の政治は暴力団の政治だ。
その都知事の後任として、大阪市長をやめて、今は1民間人の橋下徹を後継者に立てるべきだ、という声があがっている。 橋下徹の才能を高く評価している 菅義偉(すがよしひで)官房長官が動いているのだろう。
私は 差し迫った「橋下徹(はしもととおる) 登場」の 今の時期だからこそ彼の人物像と思想をしっかりと文章にしておきたいと思った。
私がこれから説明する橋下徹が どれぐらい恐ろしい政治家であるか、ということは、すでに東京の自民党本部だけではなく維新の一部にも共有されている。
彼が登場したのは、2010年だと思いますが、大変な人気があって大騒ぎになった。
大阪都(おおさかと)構想というのをぶち上げて、大阪を東京と同格の同じレベルの首都のように扱うという考え方をぶち上げた人です。橋下徹については、これまでいろんなことが、言われたきたし、彼自身がニュースの中心になってきましたから。だから誰でも知っているんだけど、じゃあ橋下徹とはどういう政治思想の流れ、属する人かということを誰も知らない。私がこのことを明確に説明します。今だからこそ、彼を全体像で捉えることができる。
私は、橋下徹はもう全盛期は終わって、政治家、すなわち国家指導者としては退場しつあると見ていました。
大阪でもかなり彼を批判する勢力が出てきてしまった。つまり、橋下徹は、私が最初から予測したとおり、東京まで攻め上がってくるはずだったのに攻め上がって来られなかった地方政治家として終わってゆく。
この後、テレビ芸能人みたいになっていくだろう。つまり、テレビとかでコメンテーターとして言いたい放題を言うことで、日本国民に影響を与える人物になるでしょう。
橋下徹を担ぎ出して、彼が大阪で大変人気があった時期には、今の安倍晋三首相だって何だって、一緒懸命、下手に出て彼を守り立てようというふりだけはしました。
大事なことは、このことをみんながわかっていないんだけど、橋下徹というのは、イタリアのムッソリーニのような男です。このことを、みんながわかっていない。一番大事なことは、このことがほんとの中心だ、橋下徹は、金持ち層を敵視している、ということです。
名望家(めいぼうか)と呼ばれる、10何代続いているような家柄の人が日本にはたくさんいる。大金持ちたちです。素封家(そほうか)といって、素封家というのは辞典を引けば載っているけど、10何代続く大きな地主の家柄です。本百姓の大百姓なんてもんじゃない、地主の家柄です。地方の大金持ちたちのことを素封家といいます。これは江戸時代から続いているような家柄です。
橋下徹は、この日本の金持ち層、代々続いている富裕層に対する激しい憎しみを持って生きていた人なんです。このことがどこにも書かれていない。それは橋下徹が部落民であるという重要な事実から始まっています。
橋下徹自身は大阪人なんだけど、東京の早稲田大学の大学院から司法試験に受かった人です。で、大阪に戻って、大阪で弁護士をしていた。それから、大阪の「そこまで言って委員会」という人気テレビ番組で、やしきたかじん という司会者、非常に柄が悪い人だけれど、泥臭い感じで、大阪で大変人気のあったテレビ司会者で、死んでしまいました( 年)が、この人が応援して支えて、橋下は大阪府知事に当選しました。
私は橋下徹のすばらしさというものを、一番最初に着目しました。それが、6年が経(た)って終わっていった。なぜなのかということの説明をします。
それは、経営者たち、資本家(キャピタスト)と言ってもいいけど、財閥系の資本家、日本の企業経営者の金持ち層に対して、橋下が決定的に重要な挑戦を挑んだんです。「人生1回で使い切り人生」とか、「クレジットカード人生」という言葉を使ったと思います。 ですから、橋下が「維新の会」という地域政党を、大阪でつくったときの最初の綱領(プログラム)である、「維新八策(いしんはっさく)」という文書に書いてあった。
これは党の結党の綱領(こうりょう。プラットフォーム platform )で、国家にしてみれば憲法みたいなものです。この 結党時の行動の基本中の基本の原則のところに、これが書かれてあったんです。やがて半年ぐらいで、それは引きずりおろされて消えてしまいました。これには証拠が残っています。例えば、産経新聞は次のように書いていました。
(貼り付け開始)
「船中八策(せんちゅうはっさく)」きょう 概要公表 維新、日本をどう洗濯?
2012年03月10日 産経新聞 大阪夕刊 社会面
国政進出意欲に他党ヒヤヒヤ
次期衆院選をにらみ、橋下徹大阪市長率いる地域政党「大阪維新の会」が策定を進める「維新八策」。維新は10日午後に全体会議を開き、その後概要を公表する見通しだ。2月にたたき台を示してから約1カ月。この間、新たな項目とともに、内部で意見が分かれるテーマも浮かんだ。「日本再生のためのグレートリセット」を理念とした“現代版・船中八策”は、いかなる針路を取るのか-。
9条は国民投票
たたき台提示以降で最も注目を集めたのは、憲法9条改正をめぐるスタンスだった。橋下氏は2月24日、改正の是非について、2年間の国民的議論を経て国民投票にかける方策を提案し、維新八策に盛り込む考えを示した。「9条について決着をつけない限り、国家安全保障についての政策議論をしても何も決まらない」という思いがあった。
「9条は、他人が本当に困っているときに自分は嫌なことはやりませんよという価値観だ」。橋下氏は9条に対して一定の考えを持ちつつ「国民が決める価値観に従いたい」と話す。
「逃げていると言われるかもしれないが、こういう問題だからこそ国民の判断に従うのも、立派な政治家のふるまいだ」。思いを封印してでも決着を優先させるという姿勢を示した。
資産課税で相違
社会保障では「一生使い切り型の人生モデル」との新機軸のもと、たたき台では年金制度での積み立て方式と富裕層の掛け捨て方式の併用、最低限所得保障を伴うベーシックインカムや「負の所得税」の導入検討を織り込んだが、さらに保険料の徴収強化を目的とした歳入庁の創設も掲げた。
最低限所得保障は年金や生活保護、失業保険制度の廃止をにらんだ方策だが、一方でばらまきにつながるとの指摘もあり、維新内部でも異論があるようだ。
同様に、たたき台に盛り込まれた資産課税についても意見が分かれる。相続税100%化につながる案が示され、所属議員から懸念の声が上がった。
「資産課税をやると、富裕層が国外へ出ていく可能性がある」。維新幹事長の松井一郎府知事も5日、「(維新八策に入れるのは)厳しいんじゃないか」と述べた。
一方、橋下氏や政策責任者の浅田均府議会議長は推進派だといわれる。維新は24日に開講する政治塾を通じて議論し、八策の詳細を詰める方針だ。
道州制やりたい
「維新八策は公約とか政策集ではなく、一致団結してやっていくための価値観集」。橋下氏はそう語るが、維新が国政進出する場合、八策が政権公約のベースとなることは間違いない。「ここまで来れば道州制まではやりたい。国会議員の集団は大阪の出先として、国でしかできないことをやってもらう」。松井氏は8日、維新の国政進出に強い意欲をにじませた。
国政政党の反応は過敏だ。9日、大阪都構想の実現につながる地方自治法の改正案を提出したみんなの党の渡辺喜美代表は「法案はみんなの党と維新の合作。アジェンダ(政策課題)が一緒だからずっと一緒にやってきている」と強調し、今月中に道州制の基本法案も提出する考えを示した。
衆院選での維新との選挙協力をにらむ公明党の山口那津男代表は、維新八策のたたき台には「いささか性急な印象を受ける」と否定的見解を示したが、維新との関係については「協力すべきところがあれば協力を検討する」と述べた。衆院選に踏み出せば間違いなく「台風の目」となる維新。政策の肝となる八策をいかに練り上げるのか。成り行きが注目される。
◇
「維新八策」専門用語の意味
【ベーシックインカム】 国が全ての国民に対し、最低限の生活を送るのに必要な一定額の現金を無条件で支給する政策。これにより年金や生活保護、失業保険は必要なくなり、行政コストも低減できる一方、財源確保の問題や、労働意欲の低下につながるといった批判もある。「負の所得税」は低所得層が税を納めず、逆に一定額を受け取る制度で、これも最低限所得保障につながる。
【年金の積み立て方式・掛け捨て方式】 現在の年金制度は、現役世代から集めた金を給付に回す賦課方式が基本だが、維新は、自ら納めた保険料を将来受け取る積み立て方式に移行し、さらに資産のある人には年金を支給しない掛け捨て方式も提唱する。破綻が懸念される年金財源の問題や世代間格差の是正が期待できるほか、掛け捨て分を資産のない高齢者への援助に充てることも考えられる。維新は同時に、徴収強化などを目的に国税庁と日本年金機構を統合した歳入庁の設置、社会保障と税の共通番号制の導入も目指している。
【地方共有税制度】 地方自治体が国に依存せず、自治体間で必要な金を融通し合う財政調整制度。中央集権の打破と地方の自立を掲げる維新は、同時に地方交付税の廃止も提唱する。
(貼り付け終わり)
副島隆彦です。上の記事にはっきりと書いてあります。「一生使い切り型の人生モデル」と。 この資産課税について、当時の維新幹事長の松井一郎府知事ですら、このあと5日に、「(維新八策に入れるのは)厳(きび)しいんじゃないか」と述べた、と書いてあります。
「相続税100%課税」 すなわち、金持ちが死んだときに、その金持ちの財産は全て国家が取り上げる、と。100%ということは無理だとしても、70%、80%ぐらいかけるという考え方だ。この考えはきわめて明確です。つまり、ある一人の人間が、一生懸命働いて蓄えた大きな資金と財産や土地や建物もほとんど国が召し上げる、税金の形で取り上げるという考え方です。
それは平等社会を目指す、という重要な概念にかかわります。すなわち、金持ちたちと貧乏人(貧困層)との差が大きく」開かないように、という理念から出てきて、平等主義(egalitarianism エガリタリアニズム )という考え方から出てきた。これは、資本家とか、資本主義(Kapitalismus カピタリスムズ )と呼ばれるものを支えている金持ち層にとって非常に大切な制度が、致命的な打撃を受けることになる。橋下徹は保守の言論人です。保守なのだけれども、その内部が大きく割れている。
橋下徹という、私よりも7~8歳下かな、今50歳ちょっとだと思いますが、彼を支えたのは、学生時代からずっと読んでいた『産経新聞』と、そのが出している『正論』という保守言論雑誌です。右翼雑誌といってもいい。この影響が非常に強くて、彼はそれでずっと勉強しながら、頭がよかったから司法試験も受かって弁護士になっていったという人です。奥さんに6人ぐらい子供を産ませて元気いっぱいの男で人並み優れた体力もあって、さわやかで、ハンサムで、言葉の使い方が非常に明晰で関西の大衆に大変受けた。今でも橋下ファンは大阪にかなりいるはずです。
橋下が一気に人気が出たのは、大阪府知事になるときの選挙のときに、労働組合をたたき潰すみたいな言葉を使った。これは非常に重要なことで、何で大阪府(おおさかふ)が運営しているバス会社の、府バスの運転手が年収1000万円も給料をもらっているんだ、という議論をしたんです。これは東京のテレビ、新聞はほとんど取り上げませんでした。なぜなら非常に危ない問題がここにはあるのです。
あるいは、中学校や、小学校もかな、学校給食(がこうきゅうしょく)をしているおばさんたちが、年収800万円とか、公務員なんですが、公務員労働組合の利権が非常に強い。これを徹底的に奪い取るという考え方を橋下は示した。ここで大阪府民と関西地区全体の人々も考え込んだ。そしてこのあと、物凄い人気が沸き起こった。
東京では、ほとんどこの議論を、メディア(テレビ、新聞)が意図的にさせませんでした。報道自体を、関西に限った。なぜなら、この公務員労働組合と、公務員なんだけど下のほうで現業職(げんぎょうしょく)と呼ばれる労働者たち なんですが、ごみ収集処理から、福祉の関係の障害者福祉施設 から、公共バスの運転手から、もっともっといろいろあります。この現業職の公務員たちの利権がものすごい。それが税金から払われることで、国民生活を圧迫しているという重要な指摘が橋下徹からあった。
私はこれは非常に大事なことだと思いました。だから、橋下は、大阪市を廃止して大阪府と統合する、そして大阪都というのをつくる大阪都構想を公約に掲げて訴えたわけです。で、受かりました。ところが動かない。大阪府の府議会の中で反橋下派との大騒動というか、わいわい大騒ぎがありました。反対派の勢力が強いに決まっているわけです。
これは、労働組合から出ている民主党や社民党のようなリベラル系の政治家たちだけでなく、自民党の中にも、例えば学校給食の利権を握っている府議(ふぎ)という連中がいるわけです。あとは、いろんな土建屋事業で公共事業をたくさん握り締めて、各県の県議(けんぎ)と同じ連中がいます。大阪は大きな都市です。彼らの利権が奪い取られるということになるんです。だから必死で橋下に反対を始めました。
真っ二つに割れて、この後、橋下は何と奇策に出て、自分が大阪市長になって大阪市を直接、廃止してやるという行動に出た。そして、前の自民党の大阪府議会議長をしていた大物実力者の政治家の息子さんですが、「やんちゃ」と言われている不良上がりの松井一郎が、今でも橋下徹の盟友、生涯の同志です。この松井がかわりに大阪府知事になって、橋下徹はさっさと大阪市長になって、大阪市を整理するという行動に出ます。
ところが、それから3年たちますが、大阪市を廃止するどころの騒ぎじゃなくて、目の前にある大阪市が抱えている大きな財政赤字と、大阪府が抱えている財政赤字であっぷあっぷ状態になりまして、実際に現実の政治をやるわけですから、それを「行政」といいますが、行政府の長ですから、府議会からの追及、批判、攻撃に対しては、この巨額の財政赤字責任をとらされるわけです。それに対して「俺は知らん。前の奴らの責任だ」と言ってもいいんだけど、言っても意味がないということで、橋下徹は追い詰められまして、力がだんだんなくなった。
国政レベルでは、維新の会は、今は国会議員団というのを組織して東京にまで影響を持って、2014年12月の選挙でしたかね、維新の会で受かったのが、20~30人います。それで大阪の地盤の8割9割を、大阪維新の会が占領した。その中の過半数は、恐らく府議あるいは市会議員上がりの連中が、維新の会の公認をもらってどんどん国会議員になっていったわけです。
民主党議員たちは2014年12月の総選挙で、最終的にたたき潰されて、ほとんど落ちてしまいました。
ここでおもしろいことは、大阪府の自民党から脱党しまして、維新の会に入って、そして国会議員をそのまま続けたという連中がいるわけです。恐らく15人ぐらいいます。それと、民主党だけでなく大阪の自民党をたたき落として国会議員になっていった、若い、元市会議員みたいな連中がいる。これが橋下徹親衛隊(しんえいたい)というか、一番支えなきゃいけない人たちだった。
ところが、この2年間ぐらいを私が政治評論家としてじっと見ていたら、彼らは何だかんだ言っても市会議員上がりで地元利権というのがあります。地元利権を支えている経営者とか地主やら、公共事業利権とか、もうちょっと言うと労働組合とも関わる利権がありまして、それを抱えている連中は、橋下徹を攻撃を始めました。
彼らが集まって内部で相当議論をやって、橋下は孤立したと思います。「そんなに言うなら俺はやめるよ」ということが、これまでに4回ぐらいありました。実際やめました。橋下というのは、本当に爽やかなやつなのです。地位の拘泥しない。しがみつかない。党首は代表とも言いますが、党首もやめると言って、やめたりしました。
今は、2016年5月時点で、「俺は大阪維新の会はもうやめる」と言って、やめたんじゃないかと思う。いつの間にか大阪市長も辞めてしまった。橋下は地位にしがみ付いて拘泥する人間ではない。 政党の代表(党首)をやめるということは政治家としては力を失うということになります。組織の決定に従わなくてもいい、ということで一匹オオカミになっています。松井一郎が何とかそこをなだめながら、今もやっています。
ところが、2年前の段階で、大阪府知事である松井が、ぼそっと、「自分は自民党に戻りたいんだ」と、「まとめて集団で戻りたい」という意向を菅官房長官と裏でつながって話し合いをしたんです。ところが、先ほど言ったように、自分たちが自民党を脱党して維新の会をつくって出てきています。ということは、その後、自民党公認で新たに受かって国会議員になっている連中がいるわけです。
この人たちと、維新の会の市会議員や府議や国会議員たちがいるわけです。自民党に戻してくれと言ったって、もう地盤がなくなっているわけで、ほかの人が座っています。彼らもどきません。もとは自分の秘書だったような人たちが自民党としての地盤をつくってしまった。これで凍りつくような状況が現実にある。
橋下徹にしてみれば、そんなくだらないことは俺は知らんという態度をとるに決まっているんです。彼の自分の頭脳だけは国家レベルで動いていますから、足元の地元のこととか、そんなことは気にもしたくないわけです。 ただ、公務員労働組合の横暴をやっつけるということで、恐らく、給料を年収で100万円ぐらいずつ削るようなことだけはしたんだと思います。
なぜなら財政赤字がひどいですから、目の前の赤字で、各市も、大阪は区がどうなっているか知りませんが区も、府の行政も停滞しているはずです。目の前にある税収お金を現実に動かして、それで予算を執行しなきゃいかんし、現実の政治という問題で足をからめ捕られまして、橋下は力をなくしているわけです。こういう背景がある。
一番最初に私が打ち立てた、橋下徹 のムッソリーニ的な主張 というのは非常に大事で、金持ちたちの財産を奪い取る、これは国家体制そのものの変更になるわけです。
私は、この時期に、東京の、そして全国の 不動産業者 やアパート経営と商業ビルの経営者たちの集まりとかに講演で呼ばれたときに。この人たちは、鉄筋アパート10軒、駅前ビル5軒みたいなものを持っている資産家、経営者たちの集まりです。そこで、私が、「大阪の橋下さんは、皆さんの財産権を否定しようとしているんだよ、わかりますか」、「一生使い切り型の人生モデル」「100%相続税課税ですよ」 と言ったら、「おお」と、どよめきが上がって、そこにエイチ・アイ・エスの澤田秀雄(さわだひでお)氏もいましたが、驚いているわけで。
つまり、1代でだろうが3代でだろうが、大金持ちに成り上がった経営者上がりの金持ちたちというのは、自分の経営権を奪い取られたり、あるいは財産に高い税金がかけられるということに対して、これをものすごく嫌がるわけです。
ですから、橋下は東京まで攻め上がれなかったのは、全国レベルというか東京次元での自民党政治との正面からの激突ということが暗にあって、それでできなかったということです。
西暦1922年に、イタリアのムッソリーニは、「ローマ進軍」という運動を起こしたのです。ローマ進軍といったって、自分の考えに賛同した人たちがイタリア全土から、大声でわめいて騒ぎながら、ローマに向かって歩いてこいという運動でした。実際は大したことはなかったんだけども、わあっ、と恐らく20~30万人の人がデモをしながらローマに向かって歩き出したわけです。
これにヴィットーリオ・エマヌエーレ2世というイタリア国王が震え上がりました。と同時に、ローマのバチカンにいるローマ法王まで震え上がっちゃって、その中身は大したことはなかったくせに、わかった、わかったということで、ムッソリーニを首相に任命しました。このとき既に、ムッソリーニは社会主義者(しゃかいしゅぎ。ソシアリズム)ではない、それを突き抜けた、国家社会主義(こっかしゃかいしゅぎ。ステイト・ソシアリズム)になっていたんです。
この後、ムッソリーニは、戦闘団ファッシという政党をつくります。「束になる」という意味がファッシです。もっと正しくは、「戦闘員たちのファッシ(戦闘者ファッシ)」が正しいんですけどね。ファッシという名前の戦闘員たちの集まりという意味です。が、ここからファシズム(fascism)という考えが生まれます。ファシズムという思想をつくったのはムッソリーニその人なんです。彼が自力で独力で作った。
この男は小学校教師上がりで、北部の貧しい労働者階級の出で、やがてイタリア社会党の機関誌の編集長になった。ずば抜けて文章力もあるし、演説する力がすごかった。IQは200あったと言われています。いつも岩のようになって動かない男です。たった1人で、10年間ぐらいの間に一気に国家指導者になっていった男です。
ムッソリーニが機関誌の編集長をしていたイタリア社会党というのは、実はイタリア共産党のことなんです。ソビエトにでき上がっていて(1917年、ボリシェビキ革命)、共産主義思想の大実験場であるソビエト・ロシアの運動に共感する人たちの集まりだった。ヨーロッパ中の知識人と労働運動の活動家たちが沸き立っていた。
機関誌の編集長だったんだけど、ムッソリーニは党の決定に従わないと言い出して、自分は、戦争反対じゃない、戦争賛成だと言い出しまして。 1914年から第1次世界大戦が起きて、ムッソリーニは、1916年に自分も兵隊で前線に行って、負傷して、大した傷じゃなかったんだろうけど、担架で病院に担ぎ込まれて、そのままローマまで帰ってき。負傷しているムッソリーニをヴィットーリオ・エマヌエーレ国王が病床に見舞い、謁見しに来ているわけですね。国王自ら病院回りをしにきている。そのとき、ムッソリーニは国民の英雄になった。
そして、ソビエト型の共産主義はだめなんだと、あんなものでは社会は豊かにならないし、国民はいいことはないんだと言って、いわゆるソビエト型社会主義から離れて、戦闘員ファッシをつくって、ローマ進軍の後、政権を担うことになった。そうすると、民族主義、国民主義というか、国家主義者(ナショナリスト)になって、戦争をするわけで、戦争をして領土を拡大して、北アフリカまで遠征軍を出して、そして豊かなイタリア人の生活を守るという思想をつくった。これが熱狂的に国民から賛同され、圧倒的に支持を受けました。イタリア共産党は弾圧されます。
これをすっかり真似したのが、ドイツのヒトラーなんですね。演説の仕方から、姿形から、態度のとり方まで全部、ヒトラーはムッソリーニの真似をしました。 ムッソリーニのローマ進軍の翌年、1923年に、ヒットラーたちならず者の暴れ者たちは、一万人が入るという、南部ミュンヘンのドイツ名物のビヤレストランで、酔った勢いもあって、「ミュンヘン一揆(いっき。プッチ)」という大きな、抗議集会を開いた。ヒットラーも、軍隊の鎮圧部隊から撃ち殺されそうになった。このあとヒットラーは英雄になって、ドイツの独裁者になていった。
ムッソリーニが偉いのは、何の勢力的な背景もなく、たった1人の男が、演説と文章の力だけではい上がって、あれよあれよ、という間に、民衆の大きな熱気に支えられて、「それでいいよ、おまえでいいよ」といって、大変なたくさんの支持者を周りに抱えたということだ。この感じが今の橋下徹にもよく似ています。
ムッソリーニが掲げたファシズムという思想は、日本の知識人階級は誰もわからないんだけども、コーポラティズムという考え方なが土台にある。コーポラティズム というのは、コルポラチオーン(コルポルシオン)という制度からから出てくるのだけど、世の中には、組織・団体というのがあって、それがいろいろ横に並んでつながり合うという思想だ。
わかりやすく言うと、企業経営者たちの団体、財界ですけどね、これと、労働者たちの団体である労働組合と、国家の行政をやっている役人たちの組織がある。それから農民たちの組織もある。宗教団体(キリスト教だけど)の勢力も宗派ごとにある。 これらが代表者を出して、会議を開いて、それぞれの自分たちの利益を主張をしながら、それでまとまって全体を動かしていくという考え方です。コーポラティズムがファシズムの土台なのです。
1918年(第一次大戦後)には、ヨーロッパ全体が疲弊していまして、経営者たちが会社経営をやる気がなくなっている。利益が上がらないから従業員たちに金が払えないという厳しい状況が出ていた。労働者たちもストライキをやってすぐ暴れようとして、賃金を払え、と。さらには金持ちたちの金を奪い取ってやるという気持ちになっているた。 国家は国家で弱体化しているんだけども、それでも外国との戦争もしなきゃいかんとか。そのころは福祉(そふくし、ソシアル・ウエルフェア)という考え方はほとんどない。だから、国家が貧しい国民を食べさせるという考え方はないんですけど、それでも、外交と国防はやらなきゃいかん。自分たち役人たちとか貴族さま、宗教家(神父たち)は威張りたい、という考え方だけはある。
それらをまとめて、それぞれの代表を出させて、国家次元で全体の会議を開く、そして物事を決めていくという考え方。これがファシズムなんです。これをムッソリーニが作った。 これは、ヨーロッパ独特というよりも、都市社会であるヨーロッパは、もう限界まで行き着いていた。アジアやアフリカや南米諸国を植民地にしていましたが、そこからいくら収奪(しゅうだつ)して搾取(さくしゅ)しても限界があった。17、18、19世紀に、世界中の植民地から、鉱物資源や農産物をたくさんいろんな形で奪い取る形で生き延びていたのがヨーロッパです。
それでももう厳しい限界状況になっていた。それを打ち破るためにファシズムという思想をムッソリーニがつくった。だからムッソリーニは大変な人物で、「イル・ドゥーチエ(我らが総統)」と呼ばれて、ヨーロッパや南米の白人たちからも大いに尊敬された大人物です。そして ムッソリーニの中に、大金持ちや財閥をたたき潰すという考え方が確実にあったんです。それが国家社会主義=ファッシズム の思想です。
それを、日本の橋下徹は遺伝子として受け継いでいる。しかし橋下はこのことに自覚は、今も自覚していないと思います。私、副島隆彦がこの世界基準(ワールド・ヴァリューズ world values )での政治思想のことを、急いで彼に教えてあげないといけない。そのように思って、私は、今、話して(書いて)公表しているのです。私、副島隆彦には最初からこのように見えていた。
大阪市や大阪府のバスの運転手が年収1000万円は許せない、600万円まで落とす、と。なぜなら、普通の労働者たちが年収400万円でようやく生きているのに、何でバスの運転手が1000万円ももらえるんだと。このものすごくすばらしい主張があった。これを言われると、日本の民主党や共産党は非常に困るんです。自分たちの足元の土台を切り崩されることになりますから。
例えば小学校、中学校の学校給食の経営をしているのは前述したとおり、県議会レベルの悪(ワル)たちで、福祉利権なんですね。例えば牛乳を小学生に飲ませるというときの、牛乳一本にしても、県議会レベルのやつらが各県で全部握っているのです。酪農家たち農家との利権もつながっている。そこで働いている給食のおばさんたちは共産党系の労働組合なんです。生協(せいきょう)という形で名乗ったりします。
そうすると、そこをつっつくことになるから、それは絶対にさせないという動きに出て、だから橋下は孤立していった。かわいそうといえばかわいそう。ただ、現実の壁をグリグリと打ち破っていくという生き方は、副島隆彦は正しいと思ったから、だから橋下はすばらしいと思ったんです。
ところが、先ほど言ったように、金持ちたちの財産を相続税で国家が奪い取る、これを正面から本気でやったら、ほんとに橋下はたたき潰されるでしょう。 その時期にもう入ったと思います。人生1回で、クレジットカード使い切り人生と言ってしまったことで、彼は重要な決定的な問題を引き起こしてしまった。労働組合を押さえつけるまでは安倍晋三たち右翼保守派も大好きだから、よかったんだけども、自分たち自民党体制の、金持ちと地主階級、経営者を大事にするという自民党の基本骨格があるのだがが、この琴線(きんせん)に触れてしまう。鋭く抵触(ていしょく)する。
あるいは、田舎の大農家というか、地主ですけどね。農家と言いながら、農業なんか何もしないで、背広を着て会議ばっかり開いている農協の幹部みたいな連中です。彼らが自民党の中にいて、農協の下のほうで、本気で農業をやっている人たちはTPP反対、 で怒っているわけですが、背広を着て会議を開いている農協幹部たちなんて、「全国地主(じぬし)組合」と名前を変えたらどうですか、と私はこれまでに度々(たびたび)書いてきました。
平等主義というのを実現しようとして全国水平社(ぜんこくすいへいしゃ)運動を始めた松本治一郎(まつもとちいちろう)という人がいて、大阪の東部の藤井寺球場のそばの、あの辺の選挙区があって、そこの選挙区に私は、選挙運動に行きましたけど、そこから部落解放運動というのが始まった。
今はもうそこは、穢(きたな)いとは言わないけど、10階建てぐらいの団地群になっていまして、市営住宅ですけども、そこの真ん中に小屋みたいなのがあって、ここから始まったと書いてありました。それが部落解放運動で、部落民たちの全国組織の始まり。今はもうみすぼらしく落ちぶれていますが。つくった人のお孫さんは、福岡1区で福岡市のど真ん中から出ている政治家でした。この松本龍(まつもとりゅう)がお孫さん。この人は民主党政権の時に、大臣になった途端にすぐ引きずりおろされました。
橋下徹の「下」というのは、ほんとは橋下は「本」ではなくて「下」だ。橋の下(した)だから、部落民だと言って、「ははは」と大阪の人たちがみんなで笑ったわけです。それが大阪の本当の姿で、奈良県もそうだけど、和歌山県もそうなんですが、江戸時代から、とにかく階級差別が激しいところで、百姓よりもっとその下に、下人、非人と部落民がいるという構造で、何百年もやってきていますから、簡単なことではなくならないようにできている。
だけど、私は、旗本という言葉を見たとき、旗本というのは、戦国大名がいる周りでのぼり旗というんだけど、旗でぐるっと周りを取り囲むんですが、後ろの方にもばたばたとはためかせるんですが、縦に長い旗ですが、その下の周りにいる連中のことを旗本です。しかし、もともとは「下」なの。それがいつの間にか旗本になった。元は、「下」なんです、旗の下。それがいつの間にか「本」という言葉にすり変ったのだ。
馬廻衆(うままわりしゅう)といって、馬に乗って300頭ぐらいで大名を守りながら、周りから鉄砲が撃ちかけられたら、大名のかわりに自分が死ぬという係で、若い侍たちが大名と一緒に逃げ回ったり移動していくわけです。これが直参(じきさん)、旗本です。 鎌倉、室町時代は、御家人(ごけにん)と言った。
「本」はもともとは「下」なんだというのは大事なことなんです。橋下徹を部落民だといって叩いた『朝日新聞』などのメディアを使った評論家たちを、橋下徹は自ら裁判に訴えたりして勝つ、とかそういうこともしています。確かに、そういう身分差別みたいな古臭いことを言っているのは愚か者たちです。橋下はこういうところが強い。それでも言論は自由だから、事実であることはすべて、隠さないで公開しないといけない。
橋下が平等主義という思想を徹底的に追求した。金持ちたちの不労所得(ふろうしょとく)、何の努力もしていないのに、金持ちの家に生まれたというだけの ばか息子、ばか娘に財産が何十億円も移転するというのはおかしいと主張したことは、非常にすぐれた見識なんです。 しかし、それでは社会が保(も)たない、という重要問題がある。
歴史学的に、世の中はいつの時代も金持ちと貧乏人がいました。これは無くならないという問題が厳然として、一方にある。ここを軽く考えると大変なことになる。副島隆彦は、思想家として、ここのところを真剣に、深刻に考えます。
私はこれまでに佐藤優(さとうまさる)氏と対談本を何冊かつくりましたが、3~4年前に、その後、佐藤優から1冊の本が送られてきて、高畠素之(たかばたけ・もととゆき)という人の本です。高畠素之が書いたムッソリーニの生涯を描いた『ムッソリーニとその思想』という本があって、この本が佐藤勝から私に送られてきました。
高畠素之というのはおもしろい男で、1886年に生まれて1928年に死んでいます。42歳で死んでいる。若いんです。同志社大学を出ていて、英語、ドイツ語が相当にできた天才的な男です。堺利彦(さかいとしひこ)という日本の社会主義運動の草分けの人、の門下生になって、社会主義理論というのを一緒懸命勉強して、わずか20歳ぐらいで、1900年ちょうどぐらいに、言論雑誌に書くわけですね。昔の秀才たちは早熟です。
ところが、高畠は、やがて北一輝(きたいっき)や大川周明(おおかわしゅうめい)という思想家たちと老壮会(ろうそうかい)という会をつくって、1918年からは、国家社会主義者(こっかしゃかいしゅぎしゃ)になっていくんです。つまり社会主義から国家社会主義が生まれたことに、遠い東アジアの日本で、付いていった。ムッソリーニと全く同じ時代です。
そして1923年には、これは右翼のどうしようもない、神懸(かみが)かった男ですが、上杉慎吉(うえすぎしんきち)と、この男は戦争翼賛体制の親分みたいな男で、社会主義者、共産主義者はみんな殺してしまえみたいなことを言った東大教授です。戦後は名前も消えてしまいましたが、この上杉慎吉の経綸学盟(けいりんがくめい)の会員になって国家社会主義の研究をやります。
高畠素之は、おそらく当時の日本で一番、頭がよかった政治知識人です。なぜなら、カール・マルクスの『資本論』 ”Das Kapital、1864” 「ダス・カピタール」 というドイツ語の本をたった1人で、一番最初に翻訳したのはこの男なんです。間違いが多かろうが何だろうが、とにかく必死で読んで訳した。本当は高畠素之が日本で最初にカール・マルクスを理解した男なんです。
その後、大月書店から、すなわち日本共産党の出版社ですが、岡崎次郎とか、もっと悪質なのは、九州大学の教授をしていた男で向坂逸郎(さきさかいつろう)が訳した、岩波書店から出た『資本論』がある。しかし、この向坂は全く訳していなくて、実は岡崎次郎が訳していた。これは後年、日本の知識人業界のスキャンダルになった。
『資本論』の訳はもう一つありますが、やっぱり最初に訳した高畠素之が重要です。
そして、もうひとり、大正から昭和の初め(1920年代)にものすごく評判のよかった、京都帝大教授になった河上肇(かわかみはじめ)というすばらしい人物がいた。この人もマルクスの『資本論』の訳を始めましたが、この人よりもやっぱり高畠のほうが早いんだと私は思います。
河上肇は、『貧乏物語』という本で大変評判が立った人で、できたばっかりの、まだ何百人しかいないただの知識人の集団ですが、労働者たちにも少しは影響を与えたんですが、日本共産党に感銘して自分の個人財産までなげうって、貧しい労働者たちを救いたい、という一心の純粋な人物です。河上も一斉取り締まり(思想弾圧)で、特高警察に捕まって、帝大教授ですから 殴られたりすることはなかったんだけど、拷問には遭っていませんが、この当時ものすごく民衆に好かれた、河上肇というすばらしい教授がいた。彼は牢屋で死んでしまいました。
そういうわけで、国家社会主義運動をつくったムッソリーニという人と、橋下徹は非常によく似ているんだということです。そして、高畠素之(たかばたけもとゆき)という人が、1920年ぐらいに日本で初めて『資本論』を訳したということの重要性がある。 私にとっては橋下という人は、この後、テレビコメンテーターみたいにして言論人で生き残っていくだろうけども、組織・団体を率いる器ではないということで、個人として生きていくべきだと思います。 彼は、「政治家はもうやめた」と平気で言って、急に前言を翻して、半年後にはまた代表に戻ったりとか、そういう、どたばた劇を何回もやりましたから、みんながあきれかえっちゃった。だからこれからも、何をするか分からない。
石原慎太郎とも一緒に党をつくったのですが、党をつくりながら、2~3カ月後には、もう仲の悪い夫婦と同じようにお互い顔を背(そむ)け合うという感じになりました。相当激しく何時間も激論したんでしょう。石原のほうが悪いわけで、あいつは悪い男で、何の理念も理想もない、ただの反共産主義者です。文学者としても3流です。ただの生き方上手です。アメリカに弱味を握られて、ヘイコラして生き延びた。
それに比べれば、橋下のほうがまだ、『正論』程度の右翼雑誌を一生懸命勉強しながら、独力ではい上がってきたんだけども、ムッソリーニ主義という人類史上で初めて生まれたファシズムの思想を、無自覚、無意識に受け継いで、体現している、非常に重要な日本の政治家ですね。で、それはほぼ終わっていっただろうと思います。私の今日の話は、これぐらいにしておきましょう。
(ここで、副島隆彦が割り込み注記します。 今は、2016年6月17日です。 私は、上記の文をここまで、自分で、急いで手直し、加筆をしながら、ここまで来ました。 この私の「今だからこそ大事な橋下徹論」を、アルル君が、昨日、この今日のぼやきに載せてくれました。私が話した通りを2週間ぐらいかけて業者が文章にしてくれたものに、アルル君が、自分なりの訂正と加筆をして、この文はできています。私はそれまで、語り下ろしただけです。自分でも、こんなに明晰(めいせき)で完成度の高い文を 語り下(おろ)せるものだと驚いています。
そして、アルル君と電話で、話していて、橋下徹のことで、一瞬、アルル君と大喧嘩になって、「先生は、橋下徹を危険だ、と言いながら評価しているのですか。矛盾している」と言われたので、「そうだ、そのとおりだ。矛盾していて当たり前だ」と私は、言いました。このあと、この文が載っている見て、手入れをしながら、私、副島隆彦は思います。
橋下徹が、やっぱり東京都知事として出てくるのではないか。そうなると、これは、ムッソリーニの「ローマ進軍(1922年)」の再来の、「東京進軍(2016年)」だ、私は今、驚きながら思っています。
アルル君は、このあと、私のこの文の真の意味を分かったのでしょう。彼はずば抜けて頭がいいですから、私、副島隆彦の政治知識人としての天才も、すぐに分かってくれた。生まの人間関係などというものはこういうものです。副島隆彦注記終わり)
橋下徹論の続きです。副島隆彦の結論を言います。なぜ日本の金持ち、資産家を守らなければいけないかという問題です。
私は、自分が本を書いてご飯を食べていて、私の本を読んでくれる人たちは、お金持ち、自営業者、経営者たち、投資家です。一冊1700円(消費税込み)の本から、私は160円を貰います。それで生活しています。
私は大企業エリートサラリーマンなんて、ただの労働者だと思っていて、あまり使っちゃいけないけども、奴隷みたいなもので、自由な人ではない、と思っている。彼らは本なんか読まない。今はもう新聞を読む時間もない。だって、会社に毎日、夜の10時まで縛られているような人たちだ。それの収入で家族は食べている。
私も九州の田舎から出てきて、東京でサラリーマンをやっていた。日本人は、みんな平等みたいなふりをしているけど、東京のサラリーマンにも2種類あるんだ、と、そのころ私が、20代の終わりのころ、アメリカ人たちに言っていました。そのころは、個人の家でもですけど、東京では景気が良かったから、パーティーみたいなものをよくやっていた。そういう場所で、私みたいに九州の田舎から出てきて、ボーナスをもらっても田舎に帰ったらお金が消えてしまうみたいな人間と、東京の子で、金持ちではなくてもきちんと家があって自動車を持っている人たちがいて、高校生の時に夏は伊豆七島に遊びに行くというような人たちだった。だから、私はアメリカ人たちに、私たち田舎者(地方出身者)は、同じ日本人だけど移民なんだ、と。私はイミグラントなんだとはっきり言っていました。半分しか理解してくれなかった。どこの国でもそういうことはあると彼らは言っていました。
そういうことを含めて、なぜ日本の金持ち層を守らなきゃいけないか。その結論は、金持ちは、特に上のほうは、10億円、100億円どころか、1000億円の資産を持っている人たちがいて、彼らは、実はもうほとんど外国に資金を逃がしています。現実に逃がしています。会社経営をやっていたり、外国とつき合いがあれば当然そうなる。外国に決済口座を持っていますから、いろいろお金の動かし方を知っている。
日本の大企業の創業者一族みたいな人たちは、ファミリー・オフィスといいますが、この一族のファミリー・オフィスがヨーロッパのスイスやオランダにあって、アメリカにもつくっています。香港やシンガポールにもカリブ諸国にもあります。
そこから外国人投資家のふりをして日本の大企業の株を買っているわけ。外国人だと、トヨタやソニーや松下ぐらいは知っているけど、その他の日本の大企業のことはどういう企業か、わからないんだそうです。いくら英語で説明文が書かれていても実感でわからない。だから外国に逃がした日本人の富裕層の資金が東京の株を買っている。まあ、こういうことは私、副島隆彦は自分の金融本とかで書いていますから、いいんだけど。
何で金持ちを守らなきゃいけないか。金持ちを守るのは不平等で、ずるいと、言われるだろう。この富裕層にたくさん税金をかけて、貧しい人たちにそのお金を回すべきであるという思想が平等主義である。 しかし、この考えは、現実には実行できない。
どうせ金持ちたちはお金を逃がします。 平等を実現するために国家社会主義的手法で、税金を金持ちからたくさん取り上げるという考え方は間違っている。そのように私、副島隆彦は断言します。
なぜなら、課税の公平(こうへい)のための「所得の再分配機能」というのが言われる。この国民のお金の「再分配する機能」というのは、金持ちから税金で取り上げて、貧しい人たちに福祉の形で回す、それで社会が豊かさを増す、という。この考えを、国家官僚がやる。 財務省とその子分である国税庁がやるわけですよ。このことを主張すること自体が、大変な大間違いなんです。ここには、ものすごい欺瞞(ぎまん)と策略(さくりゃく)がある。
なぜなら、国家官僚という顔なし君たちの、役人たちの組織が金持ちたちからの資金を全てを奪い取って、自分たちのいいように使う、というところに実際上の真実がある。だから、私、副島隆彦は、「全ての税金に反対する。税金は最小限度でなければいけない」という考え方持つわけです。 これは、アメリカのリバータリアン Libertarian たちの思想です。
「格差、格差。格差社会はいけない」と声高に言う人たちがいる。この人たちは間違っている。本当は「格差(かくさ)」という言葉を間違った訳語で、本当は、インイクオリティ inequalityという英語だから、「不平等」と訳さないといけない。この不平等が、正しい使い方だ。それを格差、格差と言えばいいかと思って使っている。
不平等 (格差)の是正、という問題を国家政策と税制で解決しようというのは大間違いなのだ。不平等は、その国に、経済成長があって社会全体が豊かになるときに、そのときに、下の貧しい人たちも一緒に上に生活水準が押し上げられていくという形で、そうやって不平等(格差)は穏やか改善されていくことができる。現実は、そして真実は、そうなのであって、それを、国家政策で無理やり、不平等を無理やりなくして平等社会を実現する、というのは、そのあと大変な悲劇を引き起こす。それが、ロシア革命、中国革命の悲惨な結果を経てきた人類全体のの、大きな学習だった。
平等社会を実行するのが役人・官僚たちだ、と。官僚というのは貧乏サラリーマンなんでね。公務員の給料は安いですから。管理職でも 50台で年収1000万円ぐらいのものだ。 公務員がもし100万円でも業者から賄賂(わいろ)を受け取ったら証拠が上がったらすぐに逮捕されますから、官僚たちというのはいつもブルブルしているわけで。だから、もっと大きな巧妙で狡猾(こうかつ)な仕組みをつくって、自分たちで悪いことばっかりしています。
特殊法人をつくったり、ばれないようにいろんな資金のプールをやります。国家官僚は家1軒しかないような、本当は貧乏人層なんだ。ただのサラリーマンですから。
組織内の命令と統制(とうせい)は厳しいですから、有能な人間でも公務員という縛りに縛られている。個人の意見の表現なんか、できやしない。ですから、野心のある若者は、40歳ぐらいでさっさと国会議員になっていこうとなっていくわけですけども。あとはインベストメント・バンカー(個人投資銀行家)になるとかいって、アメリカなんかでは、そういう行動をとる。そうなれば民間人ですから自由に動ける。
だから、金持ちたちから税金で取り上げてやると考えた橋下徹は間違いです。やってはいけないことをやっている。それはムッソリーニの再来である。ムッソリーニの時代には、そういう考え方が初めて出現したばっかりだった。かつ、税金で国を運営するという考え方も当時はあんまりなかった。税金は、大地主階級や大企業からしか取れなかった。
戦前の日本も、戦後すぐでも、経営者たちからさえ税金はろくすっぽ取っていない。やがて貧乏人、給与所得者から、も税金を取って、やがて、その税率が、どんどん上がって、サラリーマン層の首も重税で回らなくなっていった。高給取りのエリートサラリーマン層で、年収1千5百万円あると、5百万円は、税金と、税金のようなもので、引かれてゆく。 国民の生活に必要な、インフラである道路や公共施設を使う料金が、税金なのだから、その公共財産の使用代が税金だ、という考え方になっている。「福祉のための国家」(ウエルフェアステイト)と言って、福祉のために税金を払え、という今は理屈にすりかえられている。皆、これに従っている。
それがどんどんひどくなると、社会が非常に息苦しくなって、経済成長がとまってしまうわけで、税金を払うためと、住宅ローン(銀行からの借入金)返済するのと、子供の教育費の3つで締め上げられて、社会が窒息状態になっているのが米、欧、日の先進国だ。
新興国は、まだ制度が完備していないものだから、まだ、いいかげんなことができて、だから中国やインドやブラジルなんかでも、インドネシアもトルコなんかも、激しい勢いで新しい階級が伸びている。 新しい階級が蓄財しますから、違法蓄財だというけれども、資本主義が勃興して成長していく途中は、18世紀、19世紀のヨーロッパもアメリカも日本にも、それがあったわけです。
大騒ぎのときの、まだ制度ができたばっかりのときに、わいわい一生懸命、一気に金持ちができ上がっていく。この勃興期の資本主義を大事にしなければないわけで、これを平等平等、平等主義の徹底、と言ったら金持ちが死んでしまうんです。
だから、橋下徹は大きなところでは政治家としては終わりつつある。
ところが、彼が、日本の 新しい国家社会主義者として、こういう不安定な世界情勢だから、大きく復活してくる不気味さも、その一方である。 私が言えるのは、今はここまでです。
副島隆彦拝
(資料)
「 衆院定数を半減 「維新八策」最終案の全文 」
2012/9/1 日本経済新聞
日本再生のためのグレートリセット
これまでの社会システムをリセット、そして再構築
給付型公約から改革型公約ヘ
~今の日本、皆さんにリンゴを与えることはできません。リンゴのなる木の土を耕し直します~
大阪維新の会
維新が目指す国家像
大阪維新の会の理念は、個人の自由な選択と多様な価値観を認め合う社会を前提に、
・自立する個人
・自立する地域
・自立する国家
を実現することです。
そのためには、国民全員に開かれた機会の平等を出発点として自助、共助、公助の範囲と役割を明確にすること、公助から既得権を排し真の弱者支援に徹すること、そして現役世代を活性化し、世代間の協力関係を再構築することが必要です。
多様な価値観を認めれば認めるほど
・決定でき、責任を負う民主主義
・決定でき、責任を負う統治機構
を確立しなければなりません。
中央集権と複雑な規制で身動きが取れなくなった旧来の日本型国家運営モデルは、もはや機能せず、弊害の方が目立つようになっています。今の日本を覆う閉塞感を克服し、国民の希望を取り戻すには、国からの上意下達ではなく、地域や個人の創意工夫によって社会全体を活性化し、グローバルな競争力を持つ経済を再構築する必要があります。そのためには国民の総努力が必要です。
大阪維新の会の理念を実現するために、維新八策を提案する。
1.統治機構の作り直し~決定でき、責任を負う統治の仕組みへ~
【理念・実現のための大きな枠組み】
・中央集権型国家から地方分権型国家へ
・難問を先送りせず決定できる統治機構
・自治体の自立・責任・切磋琢磨(せっさたくま)
・国の役割を絞り込み、人的物的資源を集中させ外交・安全保障・マクロ経済政策など国家機能を強化する
・内政は地方・都市の自立的経営に任せる
・国の仕事は国の財布で、地方の仕事は地方の財布で
・倒産のリスクを背負う自治体運営
・国と地方の融合型行政から分離型行政へ
【基本方針】
・首相公選制(人気投票的になることを防ぐ方法を措置)
・現在の参議院廃止を視野に入れた衆議院優位の強化
・首相公選制とバランスのとれた議会制度
・国会の意思決定プロセスの抜本的見直し
・政府組織設置に関し、法律事項から政令事項へ
・道州制を見据え地方自治体の首長が議員を兼職する院を模索(国と地方の協議の場の昇華)
・条例の上書き権(憲法94条の改正)
・地方財政計画制度・地方交付税制度の廃止
・消費税の地方税化と地方間財政調整制度
・自治体破綻制度の創設
・都市間競争に対応できる多様な大都市制度=大阪都構想
・道州制が最終形
2.財政・行政・政治改革~スリムで機動的な政府へ~
【理念・実現のための大きな枠組み】
・役人が普通のビジネス感覚で仕事ができる環境の実現
・簡素、効率的な国会制度、政府組織
・首相が年に100日は海外に行ける国会運営
・持続可能な小さな政府
【基本方針】
・大阪府・市方式の徹底した行財政改革
・外郭団体、特別会計の徹底見直し
・無駄な公共事業の復活阻止
・密室の談合を排した行政プロセスの可視化
・行政のNPO化、バウチャー化→行政サービスの主体を切磋琢磨させる
・国会、政府組織の徹底したICT化
・プライマリーバランス黒字化の目標設定
・国民総背番号制の導入
・歳入庁の創設
・衆議院の議員数を240人に削減
・議員スタッフ機能の強化
・歳費その他の経費の3割削減
・企業・団体献金の禁止、政治資金規正法の抜本改革(全ての領収書を公開)
・政党交付金の3割削減
・地域政党を認める法制度
・ネットを利用した選挙活動の解禁
3.公務員制度改革~官民を超えて活躍できる政策専門家へ~
【理念・実現のための大きな枠組み】
・公務員を身分から職業へ
・倒産のリスクがない以上、人材流動化制度の強化
・省益のためでなく国民全体のために働く行政組織
・厳しくとも公の仕事を望むなら公務員に
【基本方針】
・大阪府・市の公務員制度改革(頑張ったものは報われる、能力、実績主義、職位に見合った給料)を国に広げる
・官民給与比較手法(総額比較)の抜本的改正、人事院制度の廃止
・地方公務員も含めた公務員の総人件費削減
・大阪府・市職員基本条例をさらに発展、法制化
・公務員の強固な身分保障の廃止
・内閣による人事権の一元化
・内閣による公務員採用の一元化。社会人中途採用を基本
・採用試験の抜本的見直し
・任期付を原則とする等官民の人材流動化を強化
・管理職の内外公募制
・大胆な政治任用制度(次官、局長級幹部の政治任用)
・年齢・在職年数によらない職務給制度
・任期付の場合には民間に劣らない給与・処遇
・若手時代は官庁間異動を原則
・公務員労働組合の選挙活動の総点検
・公務員の関係首長選挙活動の制限
・国家公務員制度に合わせて地方公務員制度も抜本的改革
4.教育改革~世界水準の教育復活へ~
【理念・実現のための大きな枠組み】
・自立する国家、自立する地域を担う自立する個人を育てる
・基礎学力を底上げしグローバル人材を育成
・格差を世代間で固定化させないために、世界最高水準の教育を限りなく無償で提供する
・あしき平等・画一主義から脱却し、理解ができない子どもには徹底的にサポートし、理解できる子どもはぐんぐん伸ばす、個人の能力を真に伸ばす教育ヘ
・教育行政機関主導から生徒・保護者主導へ
【基本方針】
・文科省を頂点とするピラミッド型教育行政から地方分権型教育行政へ
・教育委員会制度の廃止(首長に権限と責任を持たせ、第三者機関で監視)、教育行政制度について自治体の選択制
・生徒・保護者による公公間、公私間学校選択の保障
・選択のための学校情報開示の徹底
・公立学校長の権限の拡大・強化、校長公募など、学校マネジメントの確立
・学校を、学長・校長を長とする普通の組織にする
・国立大学長の権限拡大・強化、大学マネジメントの確立
・世界標準の英語教育と海外留学支援、最先端を行くICT教育環境
・教育バウチャー(クーポン)制度の導入=教育機会を拡大するとともに教育機関の切磋琢磨を促す
・校長・教頭等の人材確保のための適正な給与、教諭の定期昇給は一定在職年数まで
・教員を雑務から解放し教育に専念させる
・教員は幅広い学部出身者と社会人から実力重視で採用
・障害者教育の充実
・大学入試改革を通じた教育改革
・高度人材養成機関としての大学院の質向上と選抜性強化
・大阪府・市の教育関連条例をさらに発展、法制化
・教職員労働組合の活動の総点検
5.社会保障制度改革~真の弱者支援に徹し持続可能な制度へ~
【理念・実現のための大きな枠組み】
・真の弱者を徹底的に支援
・自立する個人を増やすことにより支える側を増やす
・個人のチャレンジを促進し、切磋琢磨をサポートする社会保障
・若年層を含む現役世代を活性化させる社会保障
・負の所得税(努力に応じた所得)・ベーシックインカム(最低生活保障)的な考え方を導入=課税後所得の一定額を最低生活保障とみなす=この部分は新たな財源による給付ではない
・持続可能な制度
・世代間・世代内不公平の解消
・受益と負担の明確化
・供給サイドヘの税投入よりも受益サイドヘの直接の税投入を重視(社会保障のバウチャー化)
→供給サイドを切磋琢磨させ社会保障の充実を通じて新規事業・雇用を創出
【基本方針】
・自助、共助、公助の役割分担を明確化
・社会保障給付費の合理化・効率化
・(給付費の効率化には限界があるので)高負担社会に備え積立方式を導入
・生活保護世帯と低所得世帯の不公平の是正
・(1)努力に応じた、(2)現物支給中心の、最低生活保障制度を創設
・所得と資産の合算で最低生活保障
・所得と資産のある個人への社会保障給付制限
・(受益と負担の関係を明らかにするため)提供サービスをフルコストで計算
・社会保険への過度な税投入を是正、保険料の減免で対応
[年金]
・年金一元化、賦課方式から積み立て方式(+過去債務清算)に長期的に移行
・年金清算事業団方式による過去債務整理
・高齢者はフローの所得と資産でまずは生活維持(自助)
・国民総背番号制で所得・資産(フロー・ストック)を完全把握
・歳入庁の創設
[生活保護]
・高齢者・障害者サポートと現役世代サポートの区分け
・現物支給中心の生活保護費
・支給基準の見直し
・現役世代は就労支援を含む自立支援策の実践の義務化
・有期制(一定期間で再審査)
・医療扶助の自己負担制の導入
・被保護者を担当する登録医制度
・受給認定は国の責任で
[医療保険・介護保険]
・医療保険の一元化
・公的保険の範囲を見直し混合診療を完全解禁
・高コスト体質、補助金依存体質の改善
・公的医療保険給付の重症患者への重点化(軽症患者の自己負担増)
6.経済政策・雇用政策・税制~未来への希望の再構築~
~経済政策~
【理念、基本方針】
・実経済政策・金融政策(マクロ経済政策)・社会保障改革・財政再建策のパッケージ
・実経済政策は競争力強化
・国・自治体・都市の競争力強化
・競争力を重視する自由経済
・競争力強化のためのインフラ整備
・産業の淘汰を真正面から受け止める産業構造の転換
・グローバル化する知識経済に適応できる産業構造への転換
・自由貿易圏の拡大
・国民利益のために既得権益と闘う成長戦略(成長を阻害する要因を徹底して取り除く)
・イノベーション促進のための徹底した規制改革
・付加価値創出による内需連関
・供給サイドの競争力強化による質的向上=額(量)だけでなく質の需給ギャップも埋める
・新エネルギー政策を含めた成熟した先進国経済モデルの構築
・TPP参加、FTA拡大
・為替レートに左右されない産業構造
・貿易収支の黒字重視一辺倒から所得収支、サービス収支の黒字化重視戦略
・高付加価値製造業の国内拠点化
・先進国をリードする脱原発依存体制の構築
~雇用政策~
【理念、基本方針】
・民民、官民人材の流動化の強化徹底した就労支援と解雇規制の緩和を含む労働市場の流動化(衰退産業から成長産業への人材移動を支援)
・ニーズのない雇用を税で無理やり創出しない
・社会保障のバウチャー化を通じた新規事業・雇用の創出(再掲)
・国内サービス産業の拡大(=ボリュームゾーンの雇用拡大)
・正規雇用、非正規雇用の格差是正(=同一労働同一賃金の実現、非正規雇用の雇用保護、社会保障強化)
・新規学卒者一括採用と中途採用の区分撤廃の奨励
・グローバル人材の育成
・外国人人材、女性労働力(→保育政策の充実へ)の活用
・ワークライフバランスの実現
~税制~
【理念、基本方針】
・簡素、公平、中立から簡素、公平、活力の税制へ
・少子高齢化に対応→フロー課税だけでなく資産課税も重視
・フローを制約しない税制(官がお金を集めて使うより民間でお金を回す仕組み)
・グローバル経済に対応
・成長のための税制、消費、投資を促す税制
・受益(総支出)と負担(総収入)のバランス
・負の所得税・ベーシックインカム的な考え方を導入(再掲)
・超簡素な税制=フラットタックス化
・所得課税、消費課税、資産課税のバランス
7.外交・防衛~主権・平和・国益を守る万全の備えを~
【理念、実現のための大きな枠組み】
・世界の平和と繁栄に貢献する外交政策
・日本の主権と領土を自力で守る防衛力と政策の整備
・日米同盟を基軸とし、自由と民主主義を守る国々との連携を強化
・日本の生存に必要な資源を国際協調の下に確保
【基本方針】
・日本全体で沖縄負担の軽減を図るさらなるロードマップの作成
・国連PKOなどの国際平和活動への参加を強化
・自由で開かれた経済ネットワークの構築
・豪、韓国との関係強化
・平等互恵と法の支配を前提とする、中国、ロシアとの戦略的互恵関係の強化
・ロシアとの間で北方領土交渉を推進
・ODAの継続的低下に歯止めをかけ、積極的な対外支援策に転換
・外交安全保障の長期戦略を研究、立案、討議するための外交安全保障会議の創設
・学術や文化交流の積極化と人材育成、外国研究体制の拡充
・外国人への土地売却規制その他安全保障上の視点からの外国人規制
8.憲法改正~決定できる統治機構の本格的再構築~
・憲法改正発議要件(96条)を3分の2から2分の1に
・首相公選制(再掲)
・首相公選制と親和性のある議院制=参議院の廃止も視野に入れた抜本的改革・衆議院の優位性の強化(再掲)
・地方の条例制定権の自立(上書き権)(「基本法」の範囲内で条例制定)憲法94条の改正
・憲法9条を変えるか否かの国民投票
(資料終わり)
副島隆彦 記
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