「2233」 NY(ニューヨーク)の銀(ぎん)の先物市場が崩壊する 2026年2月6日

 副島隆彦です。今日は2026年2月6日です。

 掲載する文章は1月21日に書いたもので、それ以降、銀価格は下がっているが、大きな流れは変わらない。

 ニューヨークのCOMEX(コメックス)という商品先物市場があって、そこで銀が売り買いされている。そこで世界の銀価格が決まることになっている。ところが、今年、1月20日頃、実物(フィジカル、physical)の銀の値段が、先物の値段を1オンス当たりで50ドルぐらいも上になっていた。この先物と実物の値段の違いがどうして起きたのか。今日はこの重要な問題について話す。

COMEXがある建物

COMEXの銀価格の推移(2025年11月7日から2026年2月6日)まで

 私は、既に今年の1月2日に「重たい掲示板」にかなり正確に書いた。「重たい掲示板」の「【3205】年末に金、銀、プラチナに大変なことが起きていた。アメリカ金融資本主義の終わりが始まった。」を読んで欲しい。それは昨年の12月24日クリスマスイブのあたりで大きな動きがあったことを報告した。今回の文はその続きになる。1月15日に重たい掲示板に、「急いで銀を買いなさい」と、私の本や学問道場を読みにきている人たちに書いた。そのときにはもう日本国内では銀貨1枚、シルバーコイン1枚、31.1グラム(1オンス)銀貨が1万8000円になっていた。1月末には2万円超えになっていた。その後は価格の動きが激しくなっているが、1月中はものすごい勢いで上がっていた。

田中貴金属の銀価格の推移(2025年12月19日から2026年2月6日)

田中貴金属の銀価格の推移(2021年1月から2026年1月):赤線が田中貴金属価格、青線が海外ドル建て価格

 それで私は、ユーチューブ(YouTube)に映像を掲載している、ニューヨークから直接情報をもらっているあまり有名ではない金融評論家たちの文章と、日本語で解説している特殊な説明の番組というか配信をずっと見ている。その中でずって見ているのが「ケンジの実戦経済」という名前で、ここでこの人が1月12日に載せたものがものすごく重要だった。

「ケンジの実戦経済」のチャンネルの写真
「ケンジの実践経済」←クリックするとチャンネルの映像一覧に移動します
「💀 銀価格操作の終焉:ゴールドマン・サックス内部「死亡診断書」を公開(目標価格$412、87億オンス清算)」←クリックすると動画に移動します

 1月8日にものすごく重要なことが幾つか起きている。これから話す。ゴールドマン・サックスの内部のリスク管理委員会(the Risk Committee)が、トップエグゼクティブ、最高経営者たちに向かって、銀は412ドル(1オンス)になるとはっきり言った。ようやくゴールドマンが抱えている87億オンスの先物の売り、ショートセリングのポジションを解消できるという報告書をこのユーチューブの番組がつかんだ。コンフィデンシャル(confidential)、内部機密文書をつかんだという報告だ。これがゴールドマン内部で1月8日に行われた。

ゴールドマン・サックス

 この1オンス412ドルというのはとんでもない金額で、2月6日では、COMEX価格では72ドルだ。私も一緒に大騒ぎした年末の12月29、30日あたりでは87ドルまで行っていた。それが、売りの解消とか大きいお金が出て、あとリバランスといって自動的に売りが出て、大晦日の31日に値段が70ドルまで下がった。ところが、2026年1月1日からもっと下がるとプロの予想屋たちは言っていたけども、リバウンドして1オンス87ドルまで戻した。それで、1月2日に私は銀が大変なことになっているという文を公表した訳だ。

 412ドルというのはどれぐらいのことかというと、年初の87ドルの5倍になるということだ。私が銀貨を買いなさいと言うときが1万5000円だから、5倍なので7万5000円に相当する。1万5000円のときの10倍だったら15万円だ。そこぐらいまでは行きます。つまり、それこそ1オンス800ドル。1000ドルまであるという説が今出ている。大変なことが起きている。

 実はよく前後を調べたら、トランプ大統領が公式発表した訳じゃないんだけど、ファクトシートというんだけど、重要な内部の文書に署名した。それは、加工済みの鉱物資源に対して輸入制限をするという大統領令(Executive Order)だ。法律じゃないけど大統領命令。

 そこで、ものすごく大事なことなんだけど、その前に、国家安全保障を理由にして、銀も、critical materials(クリティカル・マテリアルズ)というが、重要鉱物に指定した。トランプが加工済みの重要鉱物の輸入に制限を設けると言った。そして、同時にアメリカの通商拡大法232条を適用すると言った。これではっきりした。これは単なる輸入規制でもないし、最低限価格決定という考え方をして、トランプがアメリカの同盟国と協議の上で決めると発表した。これがどうも1月8日らしい。急激に大変なことが起きている。

 ここで大事なのは、金、銀、プラチナも入れて重要鉱物に関しては、従来のような商品、基本物資(commodity、コモディティ)ではなくて、strategic materials(戦略物資、ストラティジック・マテリアルズ)に格上げした。この戦略物資というのは市場経済原理を叩き壊すということだ。だからものすごく大事な考えだ。ということは自由市場経済が壊れる。ニューヨークの金融市場の中の一部である基本物資、鉱物資源の非鉄金属、銅、鉛、亜鉛、ニッケル、アルミなどを入れた金属類に対して、金、銀、プラチナは貴金属、precious metal(プレシャス・メタル)というが、これは全部が戦略物資だということになった。これは、大変重要な政策変更らしい。1カ月後の2月2日にトランプが戦略鉱物の備蓄制度の創設を発表した。

「トランプ大統領 レアアースなどの重要鉱物の民間向け備蓄制度の創設を発表 中国への依存リスクに対応|TBS NEWS DIG」(2026年2月3日)
https://www.youtube.com/watch?v=xniqM951sp4←ニューズ動画に移動します

 そして、その後、1月12日に、緊急のG7の財務相会議が開かれて、日本から片山さつき(かたやまさつき、1959年-、66歳)財務大臣が出た。これはベッセント(Scott Bessent、1962年-、63歳)財務長官が招集した。公式発表では、中国が世界のレアアースを7割か8割も握っているので、西側同盟がそれに対抗して、自分たちだけでレアアースを調達する仕組みをつくるという議論をしたというふうに発表されている。

ベッセントと片山さつき(1月12日)

 ところが、本当のことを言うと、銀の先物市場、COMEX市場の崩壊問題があって、真っ青になってトランプとベッセントが緊急でこの会議を開いたようだ。これは秘密になっている。日本国政府もアメリカに黙っていろと言われていて、一言も銀の話をしない。でも、前後を考えると大変なことがここで起きている。

 だから、さっき言ったゴールドマン・サックスが87億オンスの先物の売りの建玉(たてぎょく、未決済のまま残っている契約総数)を仕掛けている。これは20年ぐらい前からやっている。これを返さなきゃいけない。つまり、COMEX取引所に対して買い戻さなきゃいけない。ところが、それに幾らかかるんだといったら、正確には分からないが、どうやら3570億ドル、簡単に言うと、5兆円の損が出るということをゴールドマン内部のリスク管理部が出している。

 これは大変なことなんだ。恐らくゴールドマンは時価株式総額が1兆ドルぐらいある。150兆円ぐらいあって、そのうちの5兆円だから、まだ潰れることはないというぐらいの感じで書いている。

 このことと同時に、私が年末に大慌てで書いたときには、ゴールドマンに次いでナンバーツーと言っていい、資金量でいえば世界一たくさん金を持っているということになっているブリオン・バンク(Bullion Bank)、一番信用のある銀行である、J.P.モルガン(J.P. Mogan)が5億オンスの先物の売り、ショートポジションを解消しなければいけなくて。それを、去年の7月から密かに売りポジションを持ったまま、別のセクションだろうけれども、銀の買いを始めた。それはロングというが、どうも先物の売りのポジションを必死で解消する動きに出ていた。それが12月になって表に出て、それで激しく銀が値上がりしている訳だ。

J.P.モルガン

 去年(2025年)の最初に1オンス30ドルだった。それが9月、10月に40ドル、60ドルになっていた。12月に70ドル台までになっていた訳だ。それで年末は87ドルまで上がっていた。ところが、年を越して、COMEX市場は110ドルを超えた。しかし、それから下がっている。

 大事ことは、日付は忘れたけど、数週間ぐらい前にアメリカの国家造幣局(U.S.Mint)が何とはっきり声明を出した。今、造幣局が銀貨を業者に渡すときは173ドル(1オンス)である。とんでもないことなんだ。COMEXが74ドルなのに、倍近くをアメリカの造幣局は発表した。造幣局としては、銀の地金を手に入れて、それを国の通貨でもある銀貨に変えて業者に渡す。ということは、アメリカ国内でも銀貨は173ドル(約2万6000円)になった。これはほぼ倍だから、いま日本でいうと3万円ぐらいになるということだ。銀貨1枚が3万円になる。そこまで急激に上がる。

国家造幣局

https://www.usmint.gov/coins/precious-metal-coins/
←国家造幣局の「貴金属コインショップ」のページに移動します(金貨価格は未定[To Be Determined、TBD]と表示されています)

 このことも大変なことで、私は1月15日に、「急いで銀を買いなさい」のときに書いた。それはもうはっきりしているが、全米のメガスーパーのコストコで、1月8、9、10日の3日間72時間で240万オンスの銀が売れた。銀貨で240万オンスというのは、1人が100枚の銀貨を買うと24万人になる。それぐらいの人はいる。全米だけで、3日で銀貨が売り切れた。これは店頭で買った人とコストコのネット上で買った人がいる。

 それに対して即座に売り切れて、国家造幣局(U.S.Mint)からコストコに仕入れが停止になった。もう売り切れだ。ソールド・アウト(Sold Out)だ。Trade Suspended(トレイド・サスペンディッド)、取引停止になって、売り切れた。今も売り切れ。日本の野口コインやコインパレスはまだ売っている。しかし、銀の板、バーは売り切れだ。コインもどんどん売り切れていく。

 この事態が現実に起きている。だから副島隆彦がはっきり見抜いた。1月8日に大変なことが起きていたんだ。はっきり言う。ゴールドマン・サックスも潰れる、J.P.モルガン・チェースも潰れる。そして、別個の番組で私がはっきり見たのは、バンク・オブ・アメリカとシティバンクがそれぞれ40億オンスの銀の先物の売りのショートポジションを持っているという噂が流れたと言われている。つまり四大銀行の全てが危ない訳だ。もうこれはアメリカの金融恐慌だ。トランプとベッセントがものすごく慌てたんだとはっきり見抜いた。それが1月8日のことだ。

 簡単に言うと、一つの大銀行当たり350億ドル、つまり5兆円ずつ穴をあける。穴をあけるというのは返せないということだ。返せないというのはどういうことかというと、デフォルト(default)といって、破産だ。それぐらいの資金はあるよと言えるような金額ではない。各大銀行がそれぞれ5兆円ずつ返せないという事態が起きたら何が起きるかを考えていた。返せないことをデフォルトというが、破産、破綻という。

 そうするとどうなるんだ。ニューヨークの金融市場が崩壊(collapse)を始める。ただ単に銀の先物市場だけの話じゃなくて、一番大きいのが株式市場で、金額からいうとその100倍あるのが債券市場だ。主に国家借金証書の国債を売り買いしている。それから為替の市場。この3つがある訳だ。この大きな市場まで波及する。ということは、もうニューヨーク金融市場崩壊だ。

 それは、アメリカ政府が持っている財政赤字の38兆ドル、すなわち6000兆円ぐらいのもうどうしようもなくなった表面に出ている借金があって、利息だけで1兆ドルと言われている。つまり、150兆円を毎年返さなきゃいけない。アメリカの軍事予算が1兆ドル、150兆円ある。もう首が回らない。だから私の最新刊『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』では、その表紙に「アメリカのドル覇権の崩壊は2027年」と書いたんだけど、今年2026年末、12月には起きるだろうと書いた。大体そんなもんだろう。

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 巨大なアメリカ帝国の金融が崩壊していくのに、今から始まったとしても半年、1年はかかる。だから、この1月8日に起きていた事態は大変重要なことだと今分かる。このことを急いで3月15日(日)の金融セミナー向けに準備する。もっと細かい知識をたくさん説明する。

 一体何が起きるんだろうといったら、トランプが発表はしていないのに、ファクトシートで署名した。加工済みも、と言っている。原料だけじゃない。加工済みの固まりの金や銀、プラチナも入れて重要鉱物の指定したものについては、国家の戦略物資である、国家安全保障にかかわる戦略物資である、統制下に置くということは、金融市場が壊れた次の段階だ。国家統制下に置く、そのことを1月12日のG7財務相会議で伝えたんだと思う。

 もう大変なことが今起きている。それに私が気づいてよかったと思っている。ということは、ドルの価値は減少、デクライン(decline)する。銀先物市場で売っている分を買い戻すことができないということが世界恐慌そのものに直結するので、ドルの価値を10分の1に下げるということをやると思う。

 今、私が分かっているのはそこまでだ。ダウンラウンド(Down Round)というけれども、これは世界大恐慌突入。トランプ政権としては、そうじゃないという振りをし続けなきゃいけない。そこまでしか今は分からない。一体何が起きるんだ。「石炭坑道のカナリア(canary in a coal mine)」というんだけど、一番初めにカナリアが鳴かなきゃいけない。その役割を私が日本で果たす。

 そして大事なことは、銀に関しては7割の精錬を中国でやっている。レアアースだけの話じゃない。銀は金と違って3~4割のインダストリアルデマンド(industrial demand)があって、使われていって消えていくらしい。そこからもう一回それを取り戻す。都市鉱山(シティマイニング、city mining)といって、もう一回電気製品の中から取り戻すのも大変らしい。金は5%ぐらいしか産業用には使わないんだそうだ。銀は半分近くが消えていく。銀はこれまでものすごく安くて、去年、おととしは1オンス30ドル、1グラムが100円、200円だった。

 10年前は70円で、私と編集者がそれで買っている。それが100円ぐらいになっていた。それが今414円。だから1キロ(1000グラム)で41万4000円だ。そこまで上がっている。1オンスは31.1グラムだから、1万2800円。銀貨(シルバー・コイン)はプレミアムがつくから少し高い。

 もうそこまで上がってきた。最初のほうで言ったとおり、銀は1万5000円の銀貨1枚が10倍の15万円になると私が言ったというのが結論になる。それはいつだといったら、金が1月21日で1グラム4700ドルになった。その時に、日本国内の小売では1グラムが2万7000円を超した。これの10分の1までなっていいという理屈だから、2万7000円の10分の1で2700円。銀は1グラム2700円までなっていいという理屈。

 金貨でいえば、1オンス金貨だと、今84万円だ。それの10分の1だから、1オンス銀貨が8万4000円までなっていいということだ。ところが、さっき15万円までなると言った。あり得ることだ。なぜなら、金が1オンス1万ドルのときに、10分の1だったら1000ドルだ。1000ドルというのは15万円になる。それでいい。金・銀比率が10対1でちょうど合う。そこまで上がるということを今日は一応結論にして、細かい理屈と数字は、今日はこれ以上はやらない。これで終わる。

(終わり)

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