石川知裕(ともひろ)議員の闘いの経過、1月20日 勝利宣言。2011.2.6
副島隆彦です。今日は、2月6日です。
検察審査会 という 謀略国家組織(裁判官たちの 裏金の集積所)が、動き出して、 小沢一郎への 政治弾圧を 1月31日に決定した。
だが、これは、「検審起訴手続」(強制起訴という造語をマスコミは使っている)という、形だけのものだ。現時点で、小沢一郎への証人喚問(しょうにんかんもん)はできない。
なぜなら、石川知裕(ともひろ)議員の まるで拷問のような、取り調べの様子が録音されていることが明らかになったからだ。
さらに、検察審査会のボロが、どんどん出てきて、この問題に、一切ふれたくない、これ以上、やると勝ち目がない、というのが本音だろう。
石川知裕(ともひろ)議員が、ひとりで断行した、極悪人の取り調べ検察官(吉田正喜 =まさよし?= 東京地検特捜部副部長(当時))との、すばらしい 闘い での、「1月20日 勝利宣言」である。
その勝利とは、取り調べでの、検察官の 怒鳴り声の 脅迫言辞 を ICレコーダー で録音していたこと。それが裁判所に提出され、証拠として採用されたこと である。
以下に、石川知裕(ともひろ)議員のこれまでの闘いの経過の新聞記事と、ネット上にある情報を、まとめて載せます。
(転載貼り付け始め)
●「 石川議員再聴取やりとり詳報 」
47News(共同通信) 2011年1月31日
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011013001000608.html
東京地検特捜部の検事が衆院議員石川知裕被告を再聴取した際の主なやりとりの
詳報は次の通り。
(副島隆彦注記:再聴取の主なやりとりの詳報を、大手新聞・テレビは、一切、取り上げていない)
検事「石川さん、録音機持っていない?」
議員「大丈夫です」
検事「この前もさ、そういうこと言っててとってたやつがいてさ。大丈夫?
下着の中とかに入っていない?」
議員「大丈夫です」
検事「(一部報道にあった別件の疑惑で)『しかるべき時期に議員辞職しま
す』みたいな内容の調書があったじゃない」
議員「はい」
検事「そりゃもうそんなの出したら大騒ぎだからね。まあ現状でいく限り
ね、(上司は)そんなもの世に出そうなんていう気はないと思うけど、これ が
また変な方向へね、鈴木宗男(元衆院議員)みたいに徹底抗戦みたいになっちゃ
うとさ、『やれるものはやれ』と」
議員「私に今日できることって何ですかね」
検事「無難なのはさ、従前の供述を維持するのが一番無難だって。検審の、う
ちの方針もそうだけど、石川さんが今までの話を維持している限 り、(小沢一
郎民主党元代表は)起訴にはならないんだろうと思うんだよ」
議員「今日の調書は検審も見るんですよね」
検事「見るよ。そのために取るんだから。見せて、検審が(小沢氏は)絶対権
力者であるというところにどれだけ疑問を持つかっていうかさ。絶対権 力者と
か何とか言われてるけれど、きちんと話をして、逮捕されている時と同じ話をして」
議員「圧力はかかってません。今日も自分の思いを、やっぱり変えようと思う
部分を、変えられたらいいってことだけです」
検事「今度の判断は重いからね。強制起訴までは不要と検審の4人が言ってく
れれば、不起訴不当で終わるわけだから」
議員「先に(議決を)出した5人の人がまだ残っているんでしたっけ? その
人たちも変えてくれればいいですけどね」
検事「だから最初に言ったように、ここで全部否定することは火に油を注ぐこ
とになるよね。ここで維持することが彼ら(審査員)の気持ちをどう動 かすか
だよね」
議員「今回(再聴取に)応じないっていう線もあったんですよね、選択として」
検事「あった。あったけど、それは一番最悪だよね、検審に対して。うち(検
察)にとっても」
議員「小沢さんが起訴になったら、それはそれで複雑ですよね、私も。いや、
検察内でですよ」
検事「検察が起訴した場合、いや、しないよ。石川さんが供述を維持する限り
それはできない」
検事「陸山会の2004年分収支報告書への不記載、虚偽記入の理由ですが、
『私(議員)は深沢8丁目の土地を購入するに当たり、小沢先生から提 供を受
けた4億円につき、小沢先生が政治活動の中で何らかの形で蓄えた簿外の資金で
あり、表に出せない資金であると思ったため、これを04年分の 収入として収
支報告書に記載しませんでした』」
議員「いや、購入した不動産が明るみに、公表されるのをずらすということが
一番の主眼点で、4億円が明るみに出るのを避けるためっていうのは、 今でも
やっぱり、そんなことはありませんとしか言えないんですよ」
検事「だったらこうしようか。今まで通りの供述をした上で、最後のところで
調書を読み聞かせした後、最後にその4億円についてね」
議員「4億円を隠したいがためっていうのがね、どうしても引っ掛かるんです
よ。土地登記の公表をずらすことが主眼で経理操作したっていうのが実 際の話
なんで」
検事「修正できるところはするけど、ただ、趣旨を、要するに隠そうとは思っ
ていないというのはまずいと思うから。だからそこをうまく、まず4億 円あり
きではないんです、という風に修正していくしかないよね」
議員「4億円がいかがわしいお金だなんて、実際どう作られたかなんて私には
分かりません」
検事「そこは4億円不記載には関係ないよね。不記載で起訴されているから、
もうしょうがない。不記載にした理由は何なのってなった時に、みんな はゼネ
コンからの裏金に決まってると思っていて、だから書けないんだってなる」
議員「そういう意識はない。汚いお金だから4億円を何が何でも露見したくな
いっていうのは今でも違うと言いたい」
検事「汚い金だっていうのは、検察が勝手に言ってるだけで、別に水掛け論に
なるから相手にしなくていいんだよ。証拠ないんだから」
議員「そういう疑問を持ったことがないんで」
検事「俺はそこ責められてるの。上が『本当にこんなこと言ってんのか』って
言うわけ」
検事「例えば、(小沢氏に)報告、了承してませんというふうになったら、強
制起訴の可能性が高くなるよね」
(転載貼り付け終わり)
次に、「THE JOURNAL」という、ジャーナリストの高野孟(たかのはじめ)氏のサイトで、石川議員がインタビューに答えた内容を転載する。
(転載貼り付け始め)
「THE JOURNAL」 石川知裕:私が事情聴取を録音した理由
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/post_723.html
── 弁護団の証拠資料として、小沢元代表の一度目の起訴相当議決の後に行われた再聴取(2010年5月17日)について、その様子を録音したICレコーダーの存在が明らかになりました。なぜ、録音を考えたのですか?
佐藤優さんから強い勧めを受け、レコーダーを持って行きました。佐藤さんに言われたのは、「検察も調書や証拠のリークを平気で行ってるわけだから、自分の身を守るという意味も考えて」と強く示唆され、持っていくことにしました。
最初に検事から「録音してないよね」と言われ、「していません」と回答しましたが、ものすごいプレッシャーでした。聴取の間も2~3回はトイレに行ってますので、その間に検察官にカバンの中を確認されたら「なんだこれは」ということになります。その間も緊張しました。
── 勾留中に送った手紙の証拠申請を出されています
自分としては不本意な調書にサインしてしまったことが何回もありました。そうしたことを当時弁護団に加わっていた安田好弘先生からアドバイスを受け、手紙に書きました。回数と枚数は忘れましたが、勾留中に何度か手紙を書いて、安田先生に送っています。
──手紙を書いていたときは精神的にもつらかったのでしょうか
そうですね。これは経験した人でしかわからないと思いますが、毎日水谷建設の事について聞かれ、特捜部の副部長(編集部注:吉田正喜氏)から「石川さんは金を預かったけれども、忘れただけなんだ」ということを言われるわけです。そうすると私も感覚が麻痺してきて、「大久保さんに言われて預りに行ったけど、忘れたんじゃないか」と思えてくるんです。
また、これは不思議なことなんですが、日々接している検事と人間関係もできてくるんです。これは佐藤優さんとも意見が一致しました。最初の3~4日間は調書をとられてないのですが、「そろそろ調書を取らしてくれ」と言われると、だんだん検事に対して「上の人に言われて大変なんだろうな」と思えてくるのです。こちら側も弁護士にいろいろと言われて大変に感じてくるので、共通の人間関係ができてくるんです。
そうした中、検事に調書の内容について「こんな強く書かれたら困ります」と言っても、「石川さん、ここまで強く表現しないと上が納得しないから」と言われ「大丈夫、小沢さんは起訴にならないから」ということを示唆されるわけです。
──5月17日の再聴取でもそういうやり取りはありましたか?
ある程度あったとは思いますが、実のところ、自分の事情聴取を自分で聴くのはいやなので、内容は聞いてないんです。記憶にあるものはお答えしていますが、あとは弁護団にお任せしています。
── 聴取の中で圧力を感じましたか?
検察としても、強制起訴になると検察官が不起訴としたものを審査会が強制起訴にするわけです。そうすれば検察批判もおきます。私としても小沢さんが強制起訴されない方がいいと考えている。そこで検察側と小沢さん側で利害が一致しているということです。だから「(調書の内容を)変えるのはよくない」ということは言われました。
(転載貼り付け終わり)
次に、フリージャーナリストの魚住昭(うおずみあきら)氏が、責任総編集する、
ウェブマガジン「魚の目」に、石川議員の弁護士である安田好弘弁護士が提出した書類が掲載されている。
これを見ると、石川議員への 拷問・虐待のような、取り調べが行われていたことがわかる。
(転載貼り付け始め)
http://uonome.jp/article/yasuda/814/4
抗議書
2010年1月22日
東京都千代田区霞が関1-1-1
東京地方検察庁
岩村修二検事正 殿
石川知裕弁護人
弁 護 士 安 田 好 弘
当職は、本年1月16日付で政治資金規正法違反被疑事件における上記被疑者に関し、公正な取り調べを確保し、自白強要を防止するため、取り調べの全面可視化等を貴殿に申し入れたところ、申し入れ事項は、現在に至るまで何ら実施されていない。
むしろ、弁護人の接見時間を1人30分に制限して弁護権を不当に制約する一方で、逮捕翌日の今月16日(土)以降、毎日、就寝時間をはるかに超えて、夜11時ころまで、夜間の取り調べを強行している。これは、拷問・虐待と言うほかなく、人道上問題があるばかりか、自白を強要しているものであって、およそ許されない ものである。
犯罪捜査規範は、深夜または長時間にわたる取調べを避けなければならないとし、国連拷問等禁止委員会も、2007年5月18日、日本政府に対し、取調べ時間について、違反した場合の適切な制裁を含む厳格な規則を速やかに採用すべきであると勧告している。夜間に及ぶ取調べこそが、被疑者を精神的肉体的に追いつめていく拷問的取調べの基本形である。
ただちに、夜間の取り調べを禁止し、申入書の内容を即時実施するよう、あらためて申し入れるものである。
なお、夜間の取り調べが今後も行われるならば、しかるべき法的手続をとることを、予め通告します。
以 上
2010年1月22日
http://uonome.jp/article/yasuda/814/5
準抗告申立書
東京地方裁判所刑事部 御中
被 疑 者 石川知裕
弁 護 人 安田好弘
上記の者に対する政治資金規正法違反被疑事件について、東京地方裁判所裁判官が本日なした勾留の延長の裁判に対し、下記の通り、準抗告を申し立てる。
第1 申立の趣旨
1 原裁判を取り消す。
2 検察官の勾留延長請求を却下する。
との決定を求める。
第2 申立の理由
1 本件勾留延長は、被疑者をしてもっぱら虚偽自白をさせようとするものであって、勾留制度の濫用であり、違法である。
被疑者は、逮捕勾留以来、以下のとおり、毎日平均約8時間、合計約80時間の長時間の取り調べを受けている。しかも、その取り調べ時刻は、午前10時から深夜の午後11時半までに及び、その間、被疑者は、椅子に座り続けさせられ、
「小沢議員は虚偽の収支報告をすることを知っていただろう!」
「水谷建設からお金を受け取っただろう!」
等と激しく追及され続け、また「嘘をつくな!」などと激しく罵倒され続け、肉体的にも精神的にも完全に疲弊させられており、筆舌に尽くしがたい苦痛を受けている。被疑者に対し、憲法36条が禁止している拷問が行われているのである。
日にち 曜日 取調時刻 取調時間
2010/1/16 土 18:30-23:30 5:00
2010/1/17 日 10:30-11:30
13:30-16:00
18:30-22:00 7:00
2010/1/18 月 不明
弁護人の聞き漏らし。 不明
2010/1/19 火 10:30-11:30
14:00-16:00
18:30-23:00 8:00
2010/1/20 水 10:45-11:30
13:30-16:20
18:30-23:10 8:15
2010/1/21 木 11:30-12:30
13:30-16:30
18:50-23:30 8:40
2010/1/22 金 10:30-12:30
14:00-16:30
19:40-23:00 7:50
2010/1/23 土 10:30-11:20
14:00-16:30
19:00-23:00 7:20
2010/1/24 日 13:50-16:30
18:30-23:00 7:10
取調検察官が、合計約80時間もの時間をかけて、被疑者に訊いているのは、もっぱら、
虚偽の収支報告につき小沢議員と共謀したか否か、
土地購入資金のうち1億円は水谷建設からのヤミ献金ではないか、
ということに終始している。そもそも、本件被疑事実は、大久保氏と共謀したというものであって、小沢議員と共謀したものではない。また、本件被疑事実は、収入を4億円少なく報告したというものであって、収入先を偽ったというものではない。従って、上記の各質問は、本件被疑事実とは全く関係のない事項である。
もっとも、被疑者は、上記の質問について、当初から、そのような事実がないことを明確に述べているが、今日に至るも、執拗に、尋問が行われ続けている。被疑者が小沢議員と共謀したことがないこと、水谷建設から金銭を受け取ったことがないことは、言うまでもないことである。
以上から、明らかなとおり、本件事件に関する捜査はすでに終了している。本件勾留延長は、被疑者をさらに10日間勾留して、さらに長時間の取調をして被疑者に苦痛を与え、もって虚偽の自白をさせようとするものにほかならず、勾留制度の濫用であって、違法である。
2 以上のとおりであるので、本件勾留延長の取り消しを求める次第である。
弁護人は、検察官に対し、取調の可視化と長時間および夜間の取調の禁止、調書作成に際して事前に弁護人の了解を得る機会の確保を求めているが、未だに何も行われておらず、本日、午後4時の弁護人による木村検察官に対する申入れにおいても、同人は弁護人の申入れを完全に拒否することを明言し、自分たちのやりたいように捜査を継続すると強弁している。
裁判所は、刑訴法上、検察官の違法な取調をチェックし、これを制止すべき義務を負っている。弁護人は、裁判所が、その職責を怠り、検察官の虚偽自白の強要に手を貸すことがないよう、強く求めるものである。
以上
(転載貼り付け終わり)
以下に、新聞記事を列挙します。
(副島隆彦注記、この日の、任意の取り調べを、石川議員が録音した)
●「 小沢氏の元秘書2人も再聴取 土地取引事件で東京地検 」
2010年5月18日 朝日新聞
http://www.asahi.com/seikenkotai2009/TKY201005180481.html
小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件で、東京地検特捜部は18日午後、小沢氏に対する検察審査会の「起訴相当」議決を受け、元秘書の大久保隆規(たかのり)被告(48)と池田光智被告(32)=いずれも政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で起訴=からも再聴取した。
元秘書側の関係者によると、再聴取は大久保被告が午後1時45分から約4時間、池田被告は午後6時45分から同9時半まで行われたという。
17日には元秘書の衆院議員・石川知裕(ともひろ)被告(36)=同=が再聴取を受けており、15日の小沢氏本人の再聴取で始まった主な再捜査はこれで終了した。
●「 陸山会事件:石川議員から任意聴取 小沢氏との共謀を否定 」
2010年5月18日 毎日新聞
http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/545.html
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は17日、元秘書の衆院議員、石川知裕被告(36)から任意で事情聴取した。石川氏は政治資金収支報告書の虚偽記載について小沢氏との共謀を否定した。特捜部は18日に別の元秘書2人から事情を聴くが、共謀を裏付ける新たな供述が得られない場合、小沢氏を不起訴処分とする公算が大きくなっている。【伊藤直孝、山本将克】
石川氏の聴取は東京地検内で午後1時から午後5時半ごろまで約4時間半行われた。
聴取は検察審査会が小沢氏を「起訴相当」と議決したことを受けた再捜査の一環。審査会は、04年分の収支報告書提出時に「小沢氏に相談した」とする石川氏の供述などを基に小沢氏を起訴すべきだと判断したが、石川氏は17日の聴取で小沢氏の積極的な関与を改めて否定したという。
聴取終了後、石川氏は「聴取に応じる法律上の義務はないが、速やかに対応した。今後、自分に対する事件の公判においても、誠心誠意対応していく」とのコメントを発表した。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100518k0000m040077000c.html
(副島隆彦注記、ここから流れが変わった)
●「 陸山会事件 石川被告、再聴取のやり取りを録音 書面化、証拠申請 」
2011年1月15日 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110115/trl11011502010003-n1.htm
民主党の小沢一郎元代表(68)の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で政治資金規正法違反罪で起訴された衆院議員、石川知裕被告(37)が、小沢氏に対する検察審査会の1度目の議決を受けて東京地検特捜部が昨年5月に再聴取した際のやり取りを録音していたことが14日、関係者への取材で分かった。
担当検事は「それじゃ上司が納得しない」などと述べており、石川被告は2月7日に始まる自らの公判で供述調書の信用性を争うため、今月の公判前整理手続きで東京地裁にやり取りを書面化して証拠申請した。
関係者によると、石川被告は昨年5月17日、東京地検での再聴取の際、ICレコーダーを持ち込み、ひそかに録音したという。
陸山会の土地購入原資となった小沢氏からの4億円について「違法な資金と思わなかった」などと供述する石川被告に対し、担当検事が「それじゃ上司が納得しない」と述べたほか、石川被告が逮捕時の供述を翻そうとすると「違う供述をすると検審の印象が悪くなり、小沢さんにも不利になる」などと述べる様子が録音されていたという。
法務・検察関係者は「刑事訴訟法上問題ない」との見解を示した。
●「 陸山会事件:石川議員が再聴取を録音 「自供誘導」主張へ 」
2011年1月15日 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110115k0000m040133000c.html
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、小沢氏を「起訴相当」とした検察審査会の1回目の議決(昨年4月)を受けて昨年5月、元秘書の石川知裕衆院議員=同法違反で起訴=が検察に再聴取された際、取り調べの模様を録音していたことが分かった。関係者によると、捜査段階で容疑を認める供述をしたとされる石川議員に、検事が「勾留中の供述と任意調べの供述が変遷すると検審に悪い影響を与える」などと、認めた供述を維持するよう迫ったという。
石川議員は2月7日の初公判で起訴内容を否認する方針。供述は誘導されたもので、信用性や任意性を否定するものとして録音した内容を書面化し、公判前整理手続きの中で裁判所に証拠申請している。大阪地検特捜部を舞台にした一連の事件を受けて設置された法相の諮問機関「検察の在り方検討会議」でも議論の対象となることが予想される。
関係者によると、再聴取は昨年5月17日に東京・霞が関の検察庁舎で約5時間にわたり行われた。石川議員は元外務省主任分析官の佐藤優氏のアドバイスでICレコーダーを忍ばせたといい、冒頭で検事から「録音をとってないよね」と確認されたという。
この中で検事は「石川さんが全面否認で来るならやってやろうじゃないか。特捜部は徹底抗戦する」などと発言。石川議員が「小沢さんが、いかがわしいお金を集めて(土地購入の原資とされる)4億円をつくったなんて認められない。4億円を隠そうと思ってやったのではない」と否定すると、検事は「それでは上が納得しない」などと話したという。
さらに検事は「石川さんも(小沢氏の)強制起訴は望まないだろう。保釈後の供述を変えたとなると、小沢さんから強い圧力があって供述を変えたと検審は見る。そうすると強制起訴になってしまう」と話したという。
検察側は捜査時、水谷建設元幹部が石川議員に渡したと供述した5000万円を土地購入原資の一部と見ていたが、石川議員は一貫して否定。一方で石川議員は「表にできないお金だと思い隠した」などと供述した調書にサインをしていた。
●「 「同じ供述を」と誘導=石川議員再聴取で特捜部―公判に証拠申請・陸山会事件 」
2011年1月15日 朝日新聞
http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201101140180.html
小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部が検察審査会の起訴相当議決後、元秘書の衆院議員石川知裕被告(37)を再聴取した際、「検察と小沢さんの利害は共通している。小沢さんを不起訴にするには、前と同じ供述にした方がいい」などと、自白を迫る誘導的な取り調べをしていたことが14日、関係者の話で分かった。石川被告が聴取内容を録音しており、同被告側は公判前整理手続きで、書面化したやりとりを証拠申請した。
東京第5検察審査会は昨年4月、小沢氏を起訴相当と議決。関係者によると、議決を受けた再捜査の一環として特捜部は、同5月17日に石川被告から再聴取した。石川被告は持参したICレコーダーでひそかに録音していた。
石川被告は捜査段階で、「小沢氏に虚偽記載を報告し、了承を得た」と供述していた。供述を翻そうとした石川被告に対し、検事は「勾留中の調書と供述を変えることは、小沢さんの検察審査会の処理に悪影響を及ぼす。この点については、検察と小沢さんの利害は共通だ。前と同じにした方がいい」などと、誘導的な取り調べをしたという。
●「 石川議員の再聴取録音、小沢氏公判に証拠申請も 」
2011年1月16日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110116-OYT1T00109.htm
小沢一郎・民主党元代表(68)の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、同会元事務担当者・石川知裕衆院議員(37)(起訴)が、東京地検特捜部の再聴取の模様を録音していた問題で、弁護側は2月7日の初公判で、この録音を基に「供述を誘導された」と主張する方針を固めた。
東京地裁は録音記録を証拠採用するとみられる。近く強制起訴される小沢氏の公判でも弁護側が証拠申請する可能性があり、小沢氏の関与を認めた「石川供述」の評価にどの程度、影響を与えるかが焦点となりそうだ。
再聴取は約5時間で、石川被告はその全過程をICレコーダーでひそかに録音していた。弁護側が録音を基に、書き起こした証拠書類は約30ページに上るという。
●「 石川被告「誘導的取り調べ」訴え 勾留中の手紙を証拠申請 小沢氏の「陸山会」事件で 」
2011年1月17日 産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110117/trl11011712010002-n1.htm
小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、政治資金規正法違反罪で起訴された衆院議員、石川知裕被告(37)が、「威圧的、誘導的な取り調べを受けた」などと訴えた逮捕勾留中の弁護士あての手紙数通を、東京地裁に証拠申請していたことが17日、分かった。石川被告の関係者が明らかにした。
石川被告は、昨年5月に小沢氏に対する検察審査会の1回目の議決を受けて行われた東京地検特捜部の再聴取の録音記録も地裁に証拠申請。2月に始まる予定の公判では、これらの証拠を基に「供述を誘導された」として供述調書の任意性、信用性を争う方針だ。
石川被告の関係者によると、同被告は昨年1月15日に特捜部に逮捕されて以降、弁護士に数回にわたり手紙を送付。手紙の中で石川被告は、政治資金収支報告書の虚偽記載への小沢氏の関与について「自分ひとりでやった」と否定したが、検事から「独断でできるはずないだろう」などと怒鳴られたと主張。
また、記憶があいまいな部分について「百パーセントないと言えるのか」などと詰問され、意に沿わない調書を作成されたなどと訴えていたという。
弁護側は今月の公判前整理手続きで、手紙数通を証拠申請した。石川被告とともに逮捕、起訴された元秘書の池田光智被告(33)も同様に威圧的、誘導的な取り調べを受けたなどと訴えた当時の手紙数通を証拠申請したという。
●「 石川議員「脅迫的な調べ」 逮捕時の手紙、証拠提出 」
2011年1月17日 共同通信
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011011701000326.html
小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、元秘書の衆院議員石川知裕被告(37)=政治資金規正法違反の罪で起訴=が逮捕勾留中、東京地検特捜部の担当検事の「脅迫的な調べ」を記した手紙数通を弁護人に送付していたことが17日、関係者への取材で分かった。
弁護側は東京地裁の公判前整理手続きで、この手紙を証拠として提出するとともに、この検事を証人申請した。
関係者によると、手紙には「このままでは保釈されない」などと自白を迫る担当検事の様子が克明に書かれており、弁護側は「調書は脅迫的で、任意性や信用性を欠いている」と主張している。
●「 「自白迫られた」石川議員ら手紙…陸山会事件 」
2011年1月17日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110117-OYT1T00620.htm
小沢一郎・民主党元代表(68)の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、同会元事務担当者・石川知裕衆院議員(37)(起訴)ら元秘書2人が、逮捕後の取り調べで、検事から自白を迫られたという趣旨の手紙を、勾留中に弁護士に送っていたことが分かった。
弁護側は5日、東京地裁に手紙を証拠申請した。
石川被告らの弁護士によると、石川被告は手紙で、検事から「(虚偽記入の)判断を単独でできるわけがない」「このままだと保釈されない」と迫られたと主張。池田光智被告(33)(同)も弁護士に同様の手紙を送っており、弁護側は捜査段階の供述に任意性がないことを示す証拠としている。
石川被告側は、石川被告が検察審査会の小沢氏に対する起訴相当議決後の再聴取の模様を録音した記録に基づき、「検事に供述を誘導された」と主張しているが、近く小沢氏を強制起訴する指定弁護士の大室俊三弁護士は17日、「あれだけの立場の人が誘導されたとは思わない」と述べた。
●「 陸山会事件で石川氏の録音記録など証拠採用の方向 公判前整理手続き 東京地裁 」
2011年1月20日 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110120/trl11012021280071-n1.htm
小沢一郎民主党元代表(68)の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた衆院議員、石川知裕(ともひろ)被告(37)ら小沢氏の元秘書3人の公判前整理手続きが20日、東京地裁(登石郁朗裁判長)で開かれた。石川被告が再聴取の様子を録音した記録などの証拠申請について、検察側は意見を表明しなかったことから、証拠として採用される方向となった。取り調べ担当検事の証人尋問も認められる見通し。
ほかに証拠申請されているのは、石川被告と元私設秘書、池田光智被告(33)が勾留中の取り調べ状況を記した弁護人あての手紙計5通(石川被告3通、池田被告2通)。両被告の弁護側は「誘導的、威圧的な取り調べがあった」などとして、調書の任意性と信用性を争う。
弁護側によると、検察側は証拠申請について特に意見を述べなかったという。
石川被告ら3人は捜査段階で容疑を大筋で認めたが、昨年9月からの公判前整理手続きで調書の信用性を争う意向を示し、無罪主張に転じていた。地裁側は信用性を争う具体的な理由を明らかにするよう求めていた。
●「 「不適切も、違法性ない」と検察側 石川被告の「誘導」録音、小沢氏の公判への影響は? 」
2011年1月20日 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110120/trl11012021260070-n1.htm
再聴取時の録音記録などを基に「自白」の任意性、信用性を争う方針の石川知裕被告。小沢一郎氏の関与を認めた「石川供述」は検察審査会が起訴議決を出すにあたり重視しており、録音記録は小沢氏本人の公判にも影響を及ぼす可能性がある。ただ、法務・検察内では、「違法性はない」との見解で一致している。
■「隠し球」
石川被告の関係者によると、録音したのは昨年5月17日に東京・霞が関の法務・検察合同庁舎で行われた約5時間の再聴取の様子。検察審査会が昨年4月に小沢氏について起訴相当と議決したのを受け、東京地検特捜部が石川被告に要請した任意の事情聴取だった。
石川被告は逮捕勾留中の取り調べで、政治資金収支報告書の虚偽記載について「小沢先生に報告し、了承を得た」と供述していたが、再聴取では「記憶にない」と否定した。これに対し、検事は「供述を変えると、小沢氏からの圧力があったと検審の印象が悪くなり、小沢氏が強制起訴される」と言ったという。
陸山会の土地購入費に充てられた小沢氏からの借入金4億円については「表に出せない金だと思って隠した」と供述していたが、再聴取では「違法な資金と思わなかった」と供述を翻した。すると、検事は「それじゃ上が納得しない」と話したという。
最終的に、石川被告は捜査段階の供述を維持する調書に署名した。
石川被告が録音の存在を主任弁護人に告げたのは昨年12月。拘留中の取り調べ状況を記した手紙とともに、年明けの今月5日付で東京地裁に証拠申請した。2月7日に予定される初公判を前に、弁護側が「隠し球」を投げた格好だ。
■「思惑も」
受け手の法務・検察当局の反応は確かにさまざまだ。「検審がどうのとか、強制起訴とか、不適切な言葉を使ったと思う」。首脳の一人が言うように、複数の検察幹部は検事の一部発言を「適切ではない」と指摘している。
一方で「全体の流れ、文脈があるわけだから、限られた言葉だけを取り出して判断するのは危険。録音した人の思惑もあるわけだから」との意見もある。
刑事訴訟法では「強制、拷問または脅迫による自白、不当に長く抑留または拘禁された後の自白、その他任意にされたものでない疑いのある自白は、これを証拠とすることができない」としている。
この点について法務・検察内は「任意性に問題はなく、刑訴法上、取り調べには違法性はない」との見解で一致している。中堅ゼネコン「水谷建設」からの「裏献金」疑惑を一貫して否定しながら、当初から容疑を認めていることなどから、石川被告の自発的な供述は揺るがないとみているもようだ。
検審は昨年9月の起訴議決で、石川被告が再聴取でも小沢氏の関与を認める供述を維持した点を重くみており、小沢氏の公判で「石川供述」の信用性は最大の争点になる。録音記録の扱いは、近く強制起訴される小沢氏の公判にも影響しそうだ。
●「 陸山会事件:石川議員聴取、録音記録を証拠採用 検事4人尋問へ 」
2011年1月21日 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110121ddm041010055000c.html
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた衆院議員、石川知裕被告(37)ら元秘書3人の公判前整理手続きで、石川議員が検察の事情聴取を録音した記録を東京地裁(登石郁朗裁判長)が証拠採用することが20日、分かった。地裁は3人の取り調べを担当した検事4人の証人尋問も決定。2月7日に始まる公判では検察の取り調べのあり方が激しく争われることになる。
石川議員は昨年5月、小沢元代表を「起訴相当」とした東京第5検察審査会の議決(昨年4月)を受けて東京地検特捜部から再聴取された際、取り調べの模様をICレコーダーで録音。「供述が変遷すると検察審査会に悪い影響を与える」などと検事に自白を誘導されたとして、弁護側が録音内容を書面化し、証拠請求していた。
また、石川議員が勾留中に拘置所から弁護人に宛てた手紙も証拠採用される。手紙には「『独断でやったと言っているといつまでも保釈されないぞ』と検事に言われた」などと記されているという。
一方、石川議員側が捜査段階に容疑を認めたとされる供述調書の任意性を争う姿勢を見せていることなどから、検察側は取り調べた東京地検特捜部副部長(当時)や、再聴取を担当した検事ら4人を証人申請し、地裁に認められた。
ただし、元秘書の大久保隆規被告(49)の取り調べ検事で、郵便不正事件を巡る証拠隠滅罪で起訴された元大阪地検特捜部主任検事の前田恒彦被告(43)は含まれないという。前田元検事がとった調書の採用は弁護側に不同意とされ、検察側が撤回した。大阪地検特捜部を巡る一連の事件が石川議員らの公判に影響を与えないよう考慮したとみられる。
他に検察側請求の証人として、「石川議員らに現金1億円を渡した」などと証言したとされる中堅ゼネコン「水谷建設」元幹部らの証人尋問も決めた。
●「 前田元検事の取り調べ内容を証拠申請 小沢氏元秘書 」
2011年1月21日 IZA(産経新聞)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/486900/
小沢一郎民主党元代表(68)の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、政治資金規正法違反罪で起訴された元公設第一秘書の大久保隆規被告(49)が、大阪地検特捜部の元検事、前田恒彦被告(43)=証拠隠滅罪で起訴=から受けた取り調べ内容について、弁護側が当時聞き取った記録を、公判前整理手続きで証拠申請していたことが21日、関係者への取材で分かった。
関係者によると、大久保被告側は供述調書の任意性などを争う根拠として19日に記録を証拠申請。応援で捜査に加わった前田被告が大久保被告に対し、否認を続ければ小沢氏の立件を示唆する発言などをし、自白を迫る内容という。
検察側はすでに、大久保被告の調書について証拠請求を取り下げている。
(副島隆彦注記:これ以降は、石川議員の闘いの記録である)
●「 石川議員「検事に誘導された」 虚偽記載否認の方針 」
2010年9月23日 朝日新聞
http://www.asahi.com/special/kaizangiwaku/TKY201009220622.html
小沢一郎・元民主党代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件で、政治資金規正法違反罪で起訴された元秘書の衆院議員・石川知裕被告(37)側が、「収支報告書に虚偽の記載はしていない」と公判で否認する方針を固めた。会計責任者だった大久保隆規被告(49)と池田光智被告(33)も否認の構えで、元秘書3人がいずれも検察側と対決する構図となった。
24日から東京地裁で始まる公判前整理手続きを前に、検察側は公判で主張する予定の内容を示し、弁護側は争うポイントを決めた。
陸山会の2004年分の政治資金収支報告書には、借入金の欄に「小沢一郎 4億円」という記載があった。検察側はこの4億円について、東京都世田谷区の土地購入に際して小沢氏から同会に渡った「借入金」ではなく、実際は銀行から小沢氏への「融資金」だったとみている。
石川議員は捜査段階で、「小沢先生が大きな金を持っていると思われたくなかったので、融資金を組み込むことで借入金を隠そうとした」という内容の供述調書に署名したとされる。しかし、石川議員の弁護側は「あいまいな記憶のなかで、検事に誘導された」と調書の信用性に疑問を投げかけ、「収支報告書記載の4億円は小沢氏からの借入金のことで、虚偽記載をした事実はない」と主張する。
また、銀行から融資を受けるための担保として、二つの関連政治団体から陸山会に集めた寄付金計1億4500万円を収支報告書に記載していなかったとされる起訴内容についても、「石川議員は関連政治団体の通帳を一括して管理しており、資金移動が寄付にあたるとの認識はなかった」と否認するという。
一方、検察側は、石川議員らによる虚偽記載を裏付ける背景事情があったとして、ゼネコンから陸山会に多額の不透明な資金が提供されていた実態の立証を目指す。中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)の元幹部の供述調書などをもとに、同社側から陸山会側へ04、05年に各5千万円ずつ計1億円の裏金の提供があったと主張する予定だ。これに対して弁護側は「起訴内容と関係がない」と立証対象から除くよう求める方針だ。
この事件の捜査には、郵便不正事件をめぐる証拠隠滅容疑で21日に逮捕された大阪地検特捜部検事・前田恒彦容疑者(43)も応援検事として大久保元秘書の取り調べを担当。虚偽記載への関与を認める供述調書をまとめたが、起訴後に否認に転じた経緯がある。元秘書側は現時点では静観の構えだが、今後の展開では調書の信用性をめぐる判断に影響が出る可能性はある。
●「 小沢氏元秘書3人に聴取要請 大久保、石川被告側は拒否 」
2010年12月22日 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110110/trl11011021430055-n1.htm
民主党の小沢一郎元代表(68)の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、小沢氏を強制起訴する検察官役の指定弁護士は22日、小沢氏の元秘書3人に事情聴取を要請したことを明らかにした。
聴取を要請したのは、同法違反罪で起訴された陸山会元会計責任者の大久保隆規被告(49)▽元会計事務担当で衆院議員の石川知(とも)裕(ひろ)被告(37)▽元会計事務担当の池田光智被告(33)-の元秘書3人。大久保、石川被告側は要請を拒否した。池田被告側も拒否するとみられる。
指定弁護士は今月15日、小沢氏との共謀を確認するため3人に聴取を要請する方針を明らかにしたが、同日には要請しておらず、21日午後、3人の弁護人に対し年内の聴取に応じるよう連絡したという。
指定弁護士は小沢氏の聴取も検討しているが、小沢氏側は要請があっても拒否する見通し。聴取が実現しなければ補充捜査はほぼ終了し、早ければ年明けにも強制起訴するとみられる。
●「 陸山会事件:大室指定弁護士、小沢氏聴取を要請へ 」
2010年12月24日 毎日新聞
http://twoplans.appspot.com/mainichi.jp/photo/archive/news/2010/12/24/20101224k0000e040042000c.html
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、小沢氏の強制起訴手続きを進めている指定弁護士の大室俊三弁護士は24日、補充捜査の一環として、近く小沢氏に任意での事情聴取に応じるよう要請することを明らかにした。小沢氏の弁護団は拒否する方針で、聴取が実現する可能性は極めて低い。
東京第5検察審査会は10月4日公表の起訴議決の中で、小沢氏と衆院議員、石川知裕被告(37)ら元秘書3人の共謀を認定。指定弁護士はこの3人にも聴取要請したが、全員に拒否された。小沢氏はこれまでの東京地検特捜部の計4回の聴取で一貫して事件への関与を否定している。
●「 陸山会事件:逮捕から1年 長引く整理手続き 」
2010年12月31日 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101231k0000e040032000c.html
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われている衆院議員の石川知裕被告(37)ら元秘書3人の初公判は、1月下旬以降にずれ込む見通しとなった。検察側がゼネコンからの裏金授受を立証するため約10人の証人尋問を求めたことに弁護側が反発し、公判前整理手続きが長期化しているためだ。逮捕から間もなく1年。小沢氏が衆院政治倫理審査会出席を決めた中、地裁がどのような審理予定を組むか注目される。【伊藤直孝、山本将克】
「何も決まっていない」。24日夕、東京地裁。第11回公判前整理手続き終了後、弁護団の一人はいら立った様子で語った。11月末まで計8回の予定だった手続きは、初公判予定日として地裁が「仮押さえ」をしていた1月12日まで延長された。
石川議員は、土地代金の原資となった小沢氏の手持ち資金4億円を04年分の収支報告書に記載しなかったなどとして今年1月15日に逮捕され、2月4日に起訴された。検察側は9月に始まった公判前整理手続きで、虚偽記載の動機として「4億円の中に公表できない資金が含まれていた」と主張。根拠として、中堅ゼネコン「水谷建設」元幹部が04年10月と05年4月に石川議員らに計1億円を渡したと供述した点を立証する方針を示した。
だが、検察側が水谷側からの裏金が4億円の中に含まれるかどうか明確にしなかったため、裏金授受そのものを否定する弁護団は「起訴内容と無関係。立証は必要ない」と反発。水面下のやり取りが続いたが、登石郁朗裁判長は今月7日の第9回手続きで、動機や背景事情の範囲内で立証を認めた。複数の関係者によると、検察側は地裁の判断を受け、水谷建設元幹部だけでなく、現金授受に同席したとされる下請け会社関係者や小沢氏の元秘書ら約10人について証人申請する方針を示した。
事件は捜査段階で一部から「単なる形式犯」と批判され、起訴後は元公設第1秘書、大久保隆規被告(49)の取り調べを担当した大阪地検特捜部検事の証拠改ざんが発覚。逆風が続く検察側にとって「悪質性」を強調して裏金授受を手厚く立証することは譲れない一線のようだ。これに対し、弁護団関係者は「関連性の薄い証人も多い」と反発。捜査段階で大筋で起訴内容を認めたとされる元秘書たちの供述調書の任意性や信用性も争う方針だ。
●「 陸山会事件:4億円不記載も起訴内容に 指定弁護士が方針 」
2011年1月3日 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110103k0000e040011000c.html
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、検察官役の指定弁護士は告発事実になかった小沢氏からの借入金4億円の不記載を小沢氏の起訴内容に盛り込む方針を固めた模様だ。衆院政治倫理審査会開催後とみられる起訴に向け、指定弁護士による補充捜査は詰めの段階に入る。
昨年10月4日に公表された東京第5検察審査会の起訴議決は、陸山会による土地購入の原資となった小沢氏からの借入金4億円の不記載についても「犯罪事実」と認定した。
小沢氏側は「告発事実を超えた議決は違法」と主張しているが、指定弁護士の大室俊三弁護士は「議決内容に沿って起訴するのが職責」と強調。告発事実を超えた起訴の有効性を巡る過去の判例についても検討してきた。
小沢氏が議決の効力停止を申し立てた際、最高裁は「有効性は刑事裁判の手続きの中で判断されるべきだ」と指摘。こうした経緯も踏まえ、大室弁護士は「手続きの土俵に乗せないまま私たちが無効と判断することは考えにくい」とも述べており、第5審査会の判断を尊重して4億円を起訴内容に盛り込むことは確実とみられる。
指定弁護士は、第5審査会が小沢氏との共謀を認定した衆院議員、石川知裕被告(37)ら元秘書3人=同法違反で起訴=にも聴取を要請したが全員に拒否された。小沢氏の弁護人も要請に応じない意向を示しているが、指定弁護士は「話を聞く努力もせずに補充捜査を終えられない」としており、政倫審開催後に聴取要請するかを判断する見通しだ。
聴取要請や起訴のタイミングが政局に影響を与える可能性もあるが、大室弁護士は「淡々と進めるよりほかない」としている。
●「 陸山会事件:2月7日初公判 石川被告ら3人 」
2011年1月7日 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110108k0000m040074000c.html
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた衆院議員、石川知裕被告(37)ら元秘書3人の第12回公判前整理手続きが7日、東京地裁であり、登石郁朗裁判長は初公判を2月7日に指定した。
検察側は、虚偽記載の動機に関連してゼネコンからの裏金授受を立証するため、水谷建設(三重県桑名市)の元幹部ら計9人の証人尋問を請求。弁護側も証人数人の尋問を求めている。今後4回の公判前手続きが行われ、証人尋問の範囲について協議が続けられる。
3被告のうち西松建設の違法献金事件でも起訴された元公設第1秘書、大久保隆規被告(49)の審理は昨年1月以降、中断している。1年1カ月ぶりに再開される公判に、石川議員ら2人の審理が併合される形となる。
●「 前田元検事が作った大久保元秘書の調書撤回 陸山会事件 」
2011年1月21日 朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0121/TKY201101200606.html
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件で、検察側が、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で起訴した元秘書で会計責任者だった大久保隆規被告(49)の供述調書5通を、証拠として公判に提出しない方針を固めたことがわかった。20日開かれた公判前整理手続きで東京地裁に伝えた。
大久保元秘書の取り調べは当時、東京地検特捜部に大阪地検特捜部から応援に来ていた元検事・前田恒彦被告(43)=郵便不正事件をめぐる証拠隠滅罪で起訴=が担当。5通の中には、それまでの否認から一転して起訴内容を認めた調書も含まれるとされる。弁護側が、前田元検事が関与した調書の任意性などを問題視したところ、検察側はすべて証拠から撤回したという。
陸山会事件では、元秘書で衆院議員の石川知裕被告(37)=政治資金規正法違反罪で起訴=も、担当検事から「このままでは保釈されないから、話した方がいい」と自白を迫られたなどという趣旨の手紙数通を弁護人に送っていたことが明らかになっており、2月7日の初公判で調書の任意性や信用性を争う方針を固めている。
●「 小沢氏の処分「必要ない」 輿石参院会長が明言 」
2011年1月27日 朝日新聞
http://www.asahi.com/special/ozawa_sikin/TKY201101270358.html
民主党の輿石東参院議員会長は27日の記者会見で、近く強制起訴される小沢一郎元代表の処分について「必要はない」と明言した。「検察の起訴ではなく、推定無罪という原則もある」と説明した。党執行部には党として処分すべきだとの声が強く、党内対立が深まる可能性もある。
●「小沢氏元秘書、秋ごろ判決 陸山会事件、7月に結審 」
2011年1月27日 共同通信
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011012701000580.html
小沢一郎民主党元代表が強制起訴される資金管理団体「陸山会」の収支報告書虚偽記入事件で、政治資金規正法違反の罪に問われた衆院議員石川知裕被告(37)ら元秘書3人の公判前整理手続き第14回協議が27日、東京地裁(登石郁朗裁判長)であり、公判は7月20日に結審することが決まった。秋ごろに判決の見通し。
石川2 件被告以外の2人は、元公設第1秘書大久保隆規(49)、元私設秘書池田光智(33)両被告。この日は第2回公判(2月8日)以降の期日が指定され、結審まで毎月2~4回のペースで16回開かれる。初公判は2月7日。
公判では、石川被告らを取り調べた東京地検特捜部の検事4人や中堅ゼネコン「水谷建設」の幹部、銀行関係者ら十数人の証人尋問が予定されている。
起訴状によると、石川2 件被告らは陸山会の土地購入費に充てられたとされる小沢氏からの借入金4億円を、2004年分報告書に記入しなかった、などとしている。
●「 陸山会事件:秘書の証人採用、弁護側が求める 」
2011年1月28日 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110128ddm012010068000c.html
「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、石川知裕被告の弁護側が27日、石川議員の女性秘書の証人採用を求める意見書を公判前整理手続きの中で提出した。意見書で弁護側は「女性秘書は食事を与えられず約10時間も取り調べを受けた」とし、これを伝え聞いた石川議員が検察に妥協して、容疑を認める供述調書に署名することを余儀なくされたと主張している。
意見書は▽昨年1月26日、検事は女性秘書に容疑者として取り調べる目的を告げずに呼び出し「逮捕できる」と威圧的な言葉を投げた▽子供が通う保育園や石川議員の事務所への連絡を懇願したのに禁止された――などとしている。検察側は「石川議員の起訴内容に直接関係ない」とする意見書を提出した。
●「 石川知裕議員:取り調べ可視化の必要性訴え 」
2011年1月28日 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110129k0000m040063000c.html?inb=yt
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体の土地購入を巡って政治資金規正法違反に問われた石川知裕衆院議員は28日、民主党の「取り調べの全面可視化を実現する議員連盟」の会合で講演した。検察の事情聴取を自らひそかに録音した経緯を説明し、取り調べ可視化の必要性を訴えた。
石川議員は昨年5月、小沢氏を起訴相当とした検察審査会議決を受けて東京地検特捜部から聴取された際、取り調べを録音した。石川議員は「検事から『石川さんがどういう態度で来るのか検察も注目している。完全否認なら、やってやろうじゃないかという人も多いけど、どうなんだい』と聞かれた」などと報告。「取り調べが誘導され、調書はほとんど一字一句、変えてもらうことができない。検証する上で可視化は必要」と述べた。
このページを印刷する