「127」 「小沢一郎 対 検察(オール官僚)の闘い」(12)

副島隆彦です。 今日は、2010年3月16日です。

昨日まで、「小沢一郎 対 検察」の(11)番まで載せました。 以下は、(12)番として、昨年12月 の、 天皇と中国の国家副主席の習近平(しゅうきんへい)の会見を、宮内庁長官の羽毛田信吾(はけだしんご)が、「30日前通告ルール」を盾にとって、会見を認めない、という事件に発展し、それに対する、小沢一郎からの、「内閣の一部署の者が、内閣の意思に反する行動を取ることはおかしい。天皇は喜んでお会いになる。天皇は、内閣の助言と承認によって、国事行為を行うのである」という正当な理論を展開して、記者会計で、羽毛田を批判した。

馬鹿右翼たちが、小沢一郎を、「天皇のお体を心配していない」と騒ぎだした。ところが、習近平を天皇に会見させろと、言いだしたのは、キッシンジヤー=米国国務省 であり、それを中曽根康弘が、平野官房長官に、電話で、要請したものであることが、判明した。 その後、中曽根は、「ノーコメント」と記者会見で言った。 そういう真実が、この、会見のあった、12月15日
前後にあった。私が集めたネットでの記事資料の中に、それらは、有るはずである。

 そして、このあと、年末にかけて、小沢一郎への逮捕の攻撃が、激しくなる。  副島隆彦拝


(転載貼り付け始め)

● 「小沢秘書裁判 恐らく無罪 検察は敗北 」

2009年12月19日 日刊ゲンダイ

犯罪捜査の大本が歪曲されていたら国民生活はどうなるか

 「無罪」の可能性が強まってきた。東京地裁で初公判が開かれた民主党・小沢幹事長の公設第1秘書、大久保隆規被告(48)の政治資金規正法違反事件のことだ。検察側は冒頭陳述で、資金提供側の西松建設・国沢幹雄(くにさわみきお) 元社長 (禁固1年4カ月・執行猶予3年の有罪判決) の裁判と同様、「天の声」という言葉を多用して悪質性を強調したが、その国沢の判決で、裁判所は「天の声」を一蹴しているのだ。

「天の声」という立証不可能の怪しさ

 この裁判の最大の争点は、大久保が献金相手を西松の「ダミー団体」と認識していたかどうかだ。それなのに、検察は「天の声」に“固執”し、30年以上も前のゼネコンの談合話まで持ち出すから意味不明だ。

 「検察は大久保が談合を差配し、工事受注の対価として献金を受けていたという構図を描いている。しかし、ゼネコンが談合でチャンピオン(落札者)を決める際に最も影響力があるのは発注者側のトップ。たとえ国会議員といえども秘書の一言で決まるほど簡単ではない。

 検察は絶対的な自信があるなら、正々堂々と証拠を示せばいいのに、今出てきているのはゼネコン関係者らの供述調書ぐらい。談合罪の公訴時効(3年)が成立し、言いたい放題 の彼らの供述に頼るなんて自ら立証不能と認めているようなものです」(社会部記者)

 検察が容疑と直接関係のない談合に時間を割くのは、その方が賄賂性があって小沢サイドの悪質さも強調されるからだ。

 しかし、裁判所だってバカじゃない。国沢(くにさわ)裁判 の判決を言い渡した東京地裁の山口雅高裁判長は、「献金(の行為)は特定の工事受注の見返りではない」と、判決文で検察が主張した「工事受注の対価」という筋書きをハッキリ否定したのだ。

 東京地検特捜部検事だった郷原信郎(ごうはらほぶお) ・名城大教授はこう言う。
  「全面的に罪を認めていた国沢元社長の裁判でさえ、検察は『天の声』を立証できなかったのに、今回、またしても同じ表現を使って談合と寄付(献金)が対価関係にあるかのように主張しているのは理解できません。仮にメディアに事件を取り上げてもらうことだけを意図しているならば、世論操作であり、刑事裁判の目的の逸脱です」

  国沢(くにさわ) も 大久保 もそろって初公判は金曜日。「翌日は土曜日で休み。世の人がゆっくり新聞を読んでくれる。その時、『小沢』『天の声』が見出しに躍っていたら……」なんて検察が考えていたとしたら、あまりに姑息(こそく)だ。過去のあやふやな行いだけ強調して、ささいな容疑を有罪に持ち込む捜査手法が許されたら、国民の社会生活は成り立たなくなってしまう。


● 「小沢氏 「国民は捜査を理解」 」

NHK 2009年12月21日

  民主党の小沢幹事長は記者会見で、みずからの公設秘書が政治資金規正法違反の罪に問われている事件の初公判が先週、開かれたことについて、「国民の多くは、今回の捜査がどうだったか理解してくれている」と述べ、公設秘書の行為は法的な問題はないという認識を強調しました。

 民主党の小沢幹事長の資金管理団体、「陸山会」の会計責任者だった公設第一秘書の大久保隆規被告は、実際には西松建設から受けた献金を、実体のないOBの政治団体からの寄付だと収支報告書にうその記載をしたとして政治資金規正法違反の罪に問われ、先週18日、東京地方裁判所で初公判が開かれました。

 これについて、小沢幹事長は記者会見で  「私は政治資金収支報告書など、すべてを公開しているし、公開する必要のない事務所費の内容も公開している。国民の多くは、今回の捜査がどうだったかきちんと理解してくれていると信じている」  と述べ、公設秘書の行為に法的な問題はないという認識を強調しました。

 また、小沢氏は天皇陛下と中国の習近平国家副主席との面会が慣例上の期限が過ぎたあとの要請で決まったことに、自民党などから批判が出ていることについて、「憲法の理念からすれば、天皇陛下の行動に責任を負うのは内閣だ。内閣の判断に基づき、天皇陛下が行動するのは当然であり、天皇陛下も喜んで行動してくれると思っている」と述べました。


● 「小沢幹事長のメディア戦術 意外な一面 」

田中龍作(たなかりゅうさく)  ニュースJANJAN というサイトから  2009年12月22日

 「君は日本国憲法を読んでいるかね」。記者を叱りつけるかのように逆質問する民主党の小沢一郎幹事長。「中国の習近平副首席と天皇陛下の会見は『30日ルール』に反するのではないか」とする共同通信社記者の質問に答えたものだ。

 記者会見する小沢幹事長。大メディアには高圧的だが、ネットやフリーの記者には丁寧に答える(民主党本部で筆者撮影)

 この日の会見に限らず、記者に対する小沢氏の受け答えは無愛想だ。威圧的であることも珍しくない。「もう少し勉強してから聞いてくれなきゃだめだよ、あんた」、「君、基本的なことを押さえてから質問しなさい」……。大メディアの記者たちが、次々と斬り捨てられる。

 小沢氏がとりわけ見下しているのは民放の記者だ。フジテレビの記者が人事について質問すると、小沢氏は漫談調で答えた。「知ってる?藤井(財務大臣)さんを。その人が一旦引退表明されたの…(中略)…わかった?」。テレビ東京・記者に「僕は政策については話しません」と突き放したこともあった。自民党幹事長時代「記者会見はサービスだ」と言って憚らなかった小沢氏らしい。

 それでも評価できるのは、小沢氏が記者会見をオープンにしていることだ。小沢氏は記者会見を永田町の民主党本部で開く。このため、検察のリークを受けた社会部記者が出席し突っ込んだ質問を浴びせてくる。院内で会見すれば、出席者は手の内を知る政治部記者に限られているにもかかわらずだ。

 小沢氏はネットメディアやフリー、海外紙の記者には丁寧だ。日本政界の事情に疎い外国メディアの記者が、ちょっとピント外れな質問をしても噛んで含めるように話す。大メディアの記者に対するように「君」とは口が裂けても言わない。「あなた」と呼ぶ。強面で鳴る「小沢一郎」の意外な一面だ。

 凡百の政治家と違って小沢氏が大メディアよりも小メディアを厚遇するのは、ひとつの戦術だ。小沢氏は寸暇を惜しんで地方行脚をする。もちろん選挙対策だ。小沢氏が来県したことを地方紙とローカル放送局は大きく扱う。

 扱いが大きければ、選挙区の世論にも大きな影響を及ぼす。東京・有楽町で演説しても扱われないことの方が多い。この点、地方行脚はメディア対策としても効率的なのである。

 そう言えば、田中角栄元首相の秘書だった早坂茂三氏は、首都のローカル紙「東京タイムズ」の記者だった。角栄氏が新聞社に話をつけて秘書に引き抜いたのである。小メディアの記者を大事にするのは恩師ゆずりなのかもしれない。

 記者クラブメディアは次官会見に象徴される官僚の発表が大好きだ。次官会見はすでに禁止された。小沢氏は官僚の国会答弁も国会法の改正により禁止する方針だ。大メディアへの厳しい対応は、「官僚との対決」の一部なのだろうか。


●  (副島隆彦注記。 以下の事実は、多くの新聞記事で確認されている。 あの土曜日(2009年12月19日)の、
4チャンネル(日テレ) の 朝の 「なかそね荘」という、突如始まった 変な番組は、 中曽根とナベツネが、まさしく自分たちが、天皇に習近平を会うようにねじ込んだ張本人だといことが、どんどんバレて、それで、右翼たちの間に、動揺が走ったのだ、それで、急遽作った、番組だろう。

 キッシンジャーの命令で、中曽根が 天皇会見を要求したのであることが、露見して、日米間家の真実が分かってしまうことを恐れて、それで、こんどの事件は、羽毛田(はけだ)宮内庁長官のひとりの責任ということにして、事件の幕引きを画策した。
 それで、あの番組での、中曽根とナベツネの そろい踏みでの、「羽毛田が悪い」の、まるで、テレビ評論家の立場からのおしゃべり風にして、事態を誤魔化(ごまか)して、煙に巻いて、自分たちの責任をうやむやにしたのである。本当に、心底、長年にわたって、悪質な人間どもだ。こういう狡猾(こうかつ)な悪人どもと、何十年も闘い続けるというのは、大変なことだ。  副島隆彦注記終わり)

(引用初め)

  (2009年12月)19日の日テレの番組で、小沢幹事長への意外な援軍が現れた。 「不穏当だ」「不見識だ」と社説で小沢発言を批判した読売新聞の主筆、ナベツネこと渡邉恒雄氏である。

「本音激論!なかそね荘」という番組に出演した渡邉氏はこう言って、宮内庁の姿勢を斬り捨てた。「国民の知らないところでそんなルールを勝手に決めている」 「官僚的なバカバカしいルール作りであって、弊習です。つまらぬ陋習だ」  ナベツネさんの登場によって、役者が揃った。そこで余談をひ とつ。

 小沢一郎、ナベツネ。加えて、習近平副主席を天皇陛下と会わせるよう政府に働きかけたといわれる中曽根康弘元首相。・・・・・  (引用終わり)

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝

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