「121」 「小沢一郎 対 検察(オール官僚)の闘い」(7) 「鳩山兄弟の母、安子さんの実像」 を載せます。 副島隆彦 2010.3.15

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●「鳩山兄弟の母、安子さんの実像を元秘書が証言」

永田町異聞 という人の文  2009年12月9日

 大不況で税収激減、予算を削れば利害関係者に怒られ、国債を発行しようとすれば、次世代にツケをまわすと叱られ、連立与党からはそれぞれの政策を押しつけられる。

 誰が総理大臣をやっても、大変だが、はやくも、永田町では「ポスト鳩山」をにらんだ権力闘争が始まっていると聞く。 昨日、会議の席で、公共事業予算を要求する亀井静香にかみついた菅直人も、いよいよ存在感のアピールを始めたということだろうか。

 小沢一郎と前原誠司の関係修復も急ピッチのようで、ここへきて、前原の名前もあがってきた。小沢の信頼が厚い細野豪志が仲をとりもっているという噂だ。「小沢さん自身が(総理を)やるだろう」という説も党内では飛び交っているようだ。

 さて、連立政権での、沖縄基地問題や経済対策の難しさを、嫌というほど味わっている鳩山首相にのしかかる、もう一つの苦悩のタネが、いうまでもなく偽装献金問題だ。 母、安子さんが巨額資金を由紀夫、邦夫兄弟に提供してきたことがわかり、いったいどうなっているのかと、国民の疑問はふくらむばかりだが、ここへきて、一人の有力な証言者があらわれた。

 94年から5年間にわたり鳩山邦夫の公設秘書をつとめたジャーナリストの上杉隆氏だ。 週刊朝日最新号で、「(母)安子奥様の事情聴取はとんでもない」というタイトルの証言をしている。
安子さんは04年から08年にかけ、二人の息子にそれぞれ9億円の資金を提供していたといわれる。 「鳩山家に君臨するゴッドマザー」などとメディアが騒ぎ立てる母親像と、上杉氏が接した安子さんの実像とがあまりにかけ離れているのが、証言を決心した理由だという。 筆者はこの内容を読み、身近にいた人物しか語りえないリアリティを感じた。

 すでに読まれた方もいるかと思うが、検察のリーク、あるいは記者の想像がつくりあげた虚像との差を、とくと確認していただきたいと願い、下記に抜粋する。

(上杉氏証言)
 「安子奥様はブリジストンのお嬢様として育った割には派手なことが嫌いでブランド物も宝石も身につけず生活ぶりもきわめて質素でした」 「93年に亡くなった夫の威一郎先生の遺産は約152億円あり、一人17億円もの相続税をおさめるため、由紀夫さんも邦夫さんも大変な思いをしたようです」  「安子奥様はブリジストン創業者、故・石橋正二郎氏の長女で500億円の資産があると秘書の間でも言われていました。だから万が一のことがあった場合、子どもたちは一人50億円以上の現金を用意せねばならない計算です」

「そこで、ご自分が生きている間にできるだけ資産を減らしておこうと考え、それまでも行っていたさまざまな慈善事業にさらに多額の寄付をすることになったのです」 「その一環で、鳩山家の資産を管理する六幸商会を通じて由紀夫さんや邦夫さんにも、生前からの資産贈与が始まったようです」

「六幸商会には当時、安子奥様が信頼を寄せている金庫番がいて、例えば由紀夫さんと邦夫さんに1億円ずつということになると、きちんと贈与税の分を上乗せして送金していたようでした。税務処理も担当者が責任を持ってやっていたはずです」 「ところがその金庫番の男性は私が事務所を辞めた後に亡くなり、その後のことはわかりません。確実にいえることは、当時のことを踏襲していればこんな問題は起きなかったということです」

「資金の流れを把握し、直接かかわっていた人はのべ10人にも満たないでしょう。今回の一連の問題は、そのうちの誰かがよこしまな考えを持って、安子奥様の息子たちへの愛を悪用したとしか考えられません。そのことは、実は検察も把握しているはずなのです」

「もし、鳩山家が意図的に相続税を逃れようと思ったら、政治資金管理団体や政治団体を使って資産を迂回させ、合法的な形での非課税相続をするやり方を使ったはずです。これは政界の常識で、安倍晋三元首相や小渕優子議員をはじめ、多くの世襲議員が実践しており、鳩山家が知らないはずがありません」

「実際にある秘書がこの節税法を進言したことがありましたが、鳩山家も安子奥様も拒否していたのです。そもそも財産を減らしたいと思っている人たちが税金を逃れようとするのは矛盾ですよね」 「安子奥様が不正を心から嫌い、自らの利得になることは、一切許さなかった姿を、鳩山家の秘書だったら誰もが知っています。だから、今回の問題が発覚し、きっと臍をかむほどの忸怩たる思いにさいなまれていることだろうと思います」

「その心痛は、あの質素で謙虚な生活を知っている者からすれば察するに余りあります。息子たちを愛するがゆえに、不正には一切、手を染めさせまいと、誰よりも腐心されてきたのですから。だから、事実とはまったく逆の報道が繰り返されている現在の状況については心からの同情を禁じえません」

以上、原文の意図を損なわないよう注意したうえで、一部省略させていただいた。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝

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