「148」 アメリカの頭の良い若者たちを惹きつけている、ニュー・ニュー・ライト(新々右翼)の新思想を解説する。

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副島隆彦です。今日は、2025年7月27日(日)です。

私が7月5日の重たい掲示板で約束したとおり、今回は、「アメリカの若者たちの新(しん)思想」について書く。その新思想とは、「暗黒啓蒙(あんこくけいもう)」と「新反動主義(しんはんどうしゅぎ)」である。

下に、長文の新聞記事を3本貼り付けて、皆さんに読ませる。記事が長いので気が引けるが、どうしても読んで貰いたい。これらの重要な記事も読めないような者は、もう学問道場に近寄るな。どっか行け。

(ここに、人権、平等、差別、民主政 の 4つの表を載せる。下に、出典である最新の私の金融本の書名とページを入れる)


出典『新・ドル覇権の崩壊 金はまだまだ上がる』(P7)(徳間書店、2025年7月刊)

副島隆彦です。 「自分は賢い」と、勝手に自惚(うぬ)ぼれている者たちよ。しかし実際は、お前は、スマホで毎日、チャカチャカうろつき回る程度の「低能(ていのう)」だ。それを自覚せよ。それさえも分からない者たちを、私、副島隆彦は相手にしない。あっちにいけ。 私は、この学問道場の師範(先生)として、このように書く権限と権威を持っている。

これから、「人間差別を肯定し、それを公言する時代がいよいよ来た」ことを皆に教える。

まず、上掲 ↑ の一枚の 表をしっかり読みなさい。そして自分の脳(知能=思考力 intellect インテレクト ✖心)で、じぃーと考えなさい。何が書いてあるか、2分間ぐらい熟考しなさい。どんな人も本当にやれ。ここの先生である副島隆彦からの命令だ。これが私の今年の本、「トランプ勢力はもうキレイごとを言わない」の真実だ。 この「トランプ勢力」というのは、「トランプ熱烈支持派のMAGA(マガ)派の、1億人の貧乏白人層」だ。

「トランプ勢力」うち、約500万人のアメリカの若者が、過激派になっている。恵まれない人生環境の中で、それでも何とか自分の能力で這(は)い上がろうとしている、勘の鋭い、頭の良い、20代、30代の若者たちだ。その彼らを現在、魅了(みりょう)し、惹(ひ)きつけている、アメリカの最新の現代政治思想(げんだいせいじししそう。モダーン・ポリティカル・ソート modern political thought  )について、これから話す。

これが理解できれば、あなた(お前のことだ)は、今の日本で最先端の政治思想の理解者になれる。だから頑張って、自分の脳(知能=思考力)を、ここで使いなさい。損はさせない。御前の人生の、大変な大儲けだぞ。 ただし、この学問道場にいい加減な考えで近づいてきて、甘い考えでこの一枚の表を見て、「ああ、そういうことね」と分かったようなことをいう奴。そういう奴らが、私(副島隆彦)の目の前に現れたら、あたまをガツンと食らわされることを、覚悟せよ。

副島隆彦です。 この表 を再度しっかり読みなさい。これが分かれば、今の世界の政治のその頂点、政治思想(ポリティカル・ソート political thought )で何が起きているか、が、一目瞭然で分かる。

統一教会(参政党を含む)の活動家のキチガイたちでも、上の方の頭のいい者たちは、私が書いていることが分かる。そして、それをやつらは上手に盗む。奇妙に変造、改作、盗作して捏造(ねつぞう rigging )する。必ずそうする。本当にきたない、穢(きたな)い、汚れた根性をした者たちだ。

「私たちアメリカ白人(ヨーロッパ白人も)は、もうこれ以上許さない。有色人種のガラの悪いのが、先進国である私たちの 白人国家に、どんどん入り込んできて、移民(マイグラント)として人権(じんけん。ヒューマン・ライツ)を振りかざして居座って、社会福祉、医療その他をくれくれと要求して、その飢えた貧しい犯罪者体質(はんざいしゃたいしつ)のまま、アメリカ市民(ヨーロッパ市民)として生きてゆく。それを、これ以上許さない」

「出て行け」「強制的にでも追い出す。ICE(アイス。移民・関税・強制執行〔enforcement エンフォースメント〕局(庁でもある)を使って」

白人たちは、これを執行官たち20万人(長官がトム・ホーマン)にやらせる。それを白人民衆も強く支持している。 それから、全米に隠れ住んでいる200万人の犯罪性不法移民を、逮捕、拘束して収容所(リテンション・センター)に入れる。

「私たちアメリカ白人は、もう自分たちが生きてゆくだけでも精一杯なのだ。もうこれ以上、有色人種たちの面倒まで見ていられない。だから、私たちは人種差別をする。アメリカ合宿国は白人国家である」と、公然と言い出したのだ。

これが、今の世界だ。「トランプ勢力」(私、副島隆彦が作ったコトバだ)の実態は、この下層白人たちだ。何の特権も持たない、恵まれない人生環境で、なかなか良い職が見つからない、急進的考えを持つ若い白人たちだ。日本の恵まれない、コネも裏口もない、一応大卒の若い人たちの不満、苛(いら)立ちと同じだ。

彼らアメリカの下層白人たちが、MAGA派 = QAnon(キュウアノン)である。トランプを熱烈に支持するトランプ勢力、1億人の下層白人( poor White プア・ホワイト、貧乏白人層。失業もしている)の中の500万人ぐらいだ。 彼らは立派なアメリカ白人たちでもあるが、それでもやっぱり有色人種への差別感情(プレジャデス)と偏見(へんけん。バイアス)を持っている。

このことを、もう彼らは隠さなくなりつつある。学校で叩きこまれた人権思想を、いまやかなぐり捨てつつある。彼らのようにスマホ・ネットにどっぷり漬(つ)かっている今のアメリカ白人(20代、30代)たちは、私、副島隆彦が以下に載せる重要な新聞記事や、代表的なネット・ブロガー、有名で有力な全米の地方局のラジオ局司会者(ラジオ・パーソナリティ)たちの影響を受けて、この5年ぐらいで、どんどん、以下の通りに考えを変えた。思想と信念を、変更、転向(コンヴァージョン conversion )した。

それまでの、米民主党左派(急進リベラル派)の考えを、ひとりずつが、どんどん捨てていった。そして今や、「ニュー・ニュー・ライト」new new right  「新・新・右翼」と呼ぶしかない勢力 になっている。その数字は 500万人ぐらいだと、副島隆彦が決めた。

それでも、今もまだ「私は、人権重視で、有色人種(アラブ人、黒人、アジア人その他)を差別しない。学校で習ったとおりに。私は、善人で正義(ジャスティス)の側の人間だ。私は、自分の考えを変えるのがコワいし、悪人(あくにん)になりたくない。だから自分は、民主党のリベラル派のままだ」という者たちもいる。その数は、1千万人ぐらいだ。 それでも、このあまり恵まれない環境(就職や学歴や生活収入で)の白人若者たちは、どんどん正直(オネスト honest )になりつつある。

ここで念のため、重要だから書いておくが。参政党の神谷宗幣(かみやそうへい)(統一教会=幸福実現党 が変身、変態した集団)たちが、私、副島隆彦の言論から大量に泥棒して、換骨奪胎(かんこつだったい)して、今のヨーロッパ各国でみられる、「移民(マイグラントmigrant )出て行け。お前たちをこの国(ドイツとか)で食べさせるだけの余裕は、もうない」という 人種差別肯定と排外(はいがい)主義 chauvinism  ショーヴィニズム、外国人を嫌って排斥する)を叫ぶことで、日本の主要な政党に、計画的に、策略で、成長している。それを綿密に仕組んでいる者が、アメリカ大使館や 在日CIAとかの中に長年居て、こいつらが、新手(あらて)の新種の手法で、日本人を新たに洗脳、扇動しようとしている。

(ここに アーミテージ と 神谷宗幣が握手している、写真を載せる)

神谷宗幣のブログ(2012年7月9日)から「知日派の識者の皆さんと懇談」アーミテージ氏と意見交換。

このように、計画的に日本人をあやつる。「ジャパン・ハンドラーズ」 Japan handlers  「日本あやつり係」というコトバは、私、副島隆彦が創作して、日本では一番早く使い出したコトバだ。それを、弟子のアルル君(中田安彦)の書名にすることを、私が許した。 『ジャパン・ハンドラーズ: 日本を操るアメリカの政治家・官僚・知識人たち』(中田安彦 著、日本文芸社 2005年5月刊)

今のドイツで急激に大政党になった、最大野党の AfD(アー・エフ・デー)が、この「移民排斥、人種差別するしかない、もうこれ以上、有色人種をドイツに入れるな。あいつらは犯罪者集団だ。追い出せ」で、ドイツ国民の大きな支持を集めている。もうすぐ政権を取りそうだ。

これに同調して、「日本でも、移民の外国人たちが日本国民に迷惑をかけてる。追い出すべきだ。中国人が山奥の水資源を含めた土地を買っている。許すべきでない。ベトナム人もネパール人も、厚遇して田舎に住まわせても、真面目に働こうとしない」と、日本各地でブツブツ言い出している。この動きも、重要だ。

私、副島隆彦は、神谷や、旧来の統一教会系の自民党政治家である、高市早苗(たかいちさなえ)や、労働組合の総本部の連合(れんごう)まで乗っ取っている、連合会長の芳野友子(よしのともこ)や、櫻井よし子、都民ファーストの小池百合子、たちの言動を、徹底的に糾弾する。

だから、神谷たちによる政治扇動(せんどう)「移民排斥、外国人の永住を認めるな。健康保険を出すな」の、その裏側の真実を暴(あば)き立てることもしなければいけない。

日本国民が言い出している、「ベトナム人、ネパール人、それからクルド人も態度が悪い。クルド人は組織的な凶悪な窃盗集団だ。中国人、台湾人が、日本の健康保険を取って、高額医療の3千万円を狙って、長期ビザを取りに来ている」というのは事実であり、それなりに根拠のある主張であると知っている。

だが、これを、神谷たち 統一教会の変種たちが利用して、日本国民を扇動している。それで、✖「右派ポピュリズムが、日本でも起こっている」という、メディア(テレビ、新聞の司会者や記者たち。こいつらも統一教会だ。石破茂の支持率は22%だと発表し続けることを、テレビ新聞にいる統一教会どもが、その中からやっているのだ。石破政権は、60%ぐらいの支持率が有る)の動きなどを、私は、しっかりと掴(つか)まえている。

その上でだ。 兎に角、以下に、急いで、新聞記事3本をどんどん載せる。これらを、学問道場に集まる、ちょっとはアタマのいい、副島隆彦の本の理解する者たち(私の本も時には買って読むことをしないような者は、ここに来るな)に、読ませるしかない。しっかり読みなさい。

それでも、私は不愉快だから、やっぱり、再度、だらだらと前口上(まえこうじょう)する。スマホでちゃかちゃかと、短い文の情報ばかり手っ取り早く集めて、それを自分の頭の中に「これが、今の一番、新しい考えだ」と流し込む。それで、すぐにそれに嵌(はま)って、その瞬間に、もう自分が洗脳される。

そして、参政党や国民民主に投票した。そのあとで、学問道場にやって来て、私、副島隆彦の文を読んで、小さなショックを受けて、「自分は、騙(だま)されていた。そうだったんだ、ショック」という者たちが、現に、かなりの数で出ている。私は、自分の手応(てごだ)えで、このことが分かる。

元々その程度でしかない、低い自分の知能(軽い頭)を少しは恥じよ。  何の苦労もしないで、思い付きだけで、自分の政治見識(せいじけんしき)を作っているだけのお前たちの頭が、そんなにいい(良い)わけがないではないか。スマホでネット・サーフィンをやっただけの、その程度の労力と知能の集中なんかでは、すぐにその脳(あたま、オツム)をいいように操(あやつ)られる。

どんな職業も、長年の修練(しゅうれん)と苦労があって、プロウの、本物の専門家になれる。私、副島隆彦の長年の苦労に、少しは敬意を払え。

スマホのSNSの、ラインの、Xの、メタ(フェイスブック)の短文や、インスタグラム(自分が食べた料理の画像の貼り付けばっかり。これしか出来ない。やることがないバカ女たちだ)の写真から、何が分かるというのだ。

スマホは、世界権力者たち(すなわちデープステイト)が、お前たちを上手に洗脳(せんのう)するための新しい道具だ。

このことを分かりなさい。新聞、テレビは、もうとっくの昔に捨てただろうが。ニューズ番組だけは、ヤフー・ニューズ(何と3千万人の日本人が毎日これを見ているようだ)で、各社の記事と、時にはニューズ動画までは、タダで見れる。タダほど高いものは無い、と江戸時代から言われている。

さあ、記事を載せます。

冒頭は私の解説メールから。
**編集長へ。 私は、以下の日経の記事の中の用語を、すべて 自分なりの簡潔な書き方に縮(ちじ)めた。 ✖️民主主義 は、民主政(あるいは制度の 制)に書き変えた。 貴方に、autocrat  オートクラット という言葉を教えておきます。 今、イーロン・マスクたちは、このオートクラットだと、欧米で言われている。

訳したら 専政君主、独裁者 に近い。 ただし、ただの tyrant ティラント、古代ギリシア都市国家時代の 僭主(せんしゅ)、専制(政)者 ではない。古代ローマのディクタトーレ dictatore  英語で、後にディクテイター でもない。

ルネサンス時代の フィレンツエの ロレンツオ・イル・マニフィコ(華麗なるロレンツオ、ロレンツオ・デ・メディチ)のように、民衆の圧倒的な支持の上に立つ 専政指導者 がオートクラットだ。あのイーロン Elon が作った、突撃隊の DOGE(ドージ 政府効率化省)。

ここのイーロンの突撃隊が、27万人のワシントンの上級公務員=官僚のクビを、4か月で切った)も、この DOGE  も、由来(ゆらい)は、自治都市(コムーネ)のベネチアの最高シニョーレ(大旦那=だいだんな)の総統(そうとう)のことだ。

私が送るこの記事を読んで、何とか自分の 遅れた土人の脳で、何とか追いついて、次に私と会って私と話す時に、私の主張に何とか理解を示すことが出来るように、勉強して来て下さい。何でもかんでも、ぺらぺらと 即座に 吸収して、分かった気にならないように。副島隆彦記

次にもう一点だけ、記事の事前の解説。
以下の日経の記事を構成したのは、インタヴュアーの シリコンバレー=山田遼太郎だ。

この 山田遼太郎氏は、本当に頭がいい。今の日本の 最高水準の 知能だ。日本人のハイテク分野のジャーナリストで、アメリカの最先端の政治問題に食らいついているのは彼だけだ。 この人が、サンフランシスコ中心から南に30キロの、シリコンバレーのパロアルト市に張り付いていて、日本に先端の情報を伝えてくる。

(転載貼り付け始め)

〇 「 「米国はやがて君主制に」 テック右派の教祖ヤービン氏 」

2025年3月1日    日経新聞  (シリコンバレー=山田遼太郎)

Peter Duke撮影 (ここにヤービンの顔写真を貼る)

カーティス・ヤービン氏

民主政体を否定する「暗黒啓蒙(あんこくけいもう)」国家論を書き連ねるブロガーの思想が、テクノロジー界の有力者に浸透している。

「大統領はCEO(最高経営責任者)で君主(モナーク)として振る舞うべき」と唱えるカーティス・ヤービン Curtis Yavin 。

その主張はイーロン・マスク氏を起用し、官僚機構に大なたを振るうトランプ政権の動き。著名投資家ピーター・ティール氏とつなががる。このヤービンが、シリコンバレー発の右派思想をNIKKEI Digital Governanceに語った。

カーティス・ヤービン氏(Curtis Yarvin) 1973年生まれ(52歳)。シリコンバレーでソフトウエアエンジニアとして活動してきた。2007年に「メンシウス( Mencius 孟子)・モールドバグ」のペンネームで、民主政体を批判するブログを開始。2013年に、分散型インターネットの構築プロジェクト「アービット」を開発するスタートアップを設立、ピーター・ティール氏のファンドから出資を受けた。現在は実名のカーテイス・ヤーヴィンで、「サブスタック」Substack に長文を投稿し、5万人の購読者がいる。

暗黒啓蒙主義(あんこくけいもう。 Dark Enlightenment ダーク・エンライトンメント)や新反動主義(しんはんどうしゅぎ。Neo Reactionary ネオ・リアクショナリー)という、2010年代に台頭した右派の思想を代表する論客。

現代の米国の民主政体(デモクラシー)はごく少数の、陰に隠れた エリートが支配する寡頭制(かとうせい。オリガーキー)に変質している。だから失敗していると主張する。独裁的な権力を持つ君主 autocrat オートクラットの統治 を唱える。

ハーバード大やNYTの意見が常に一致

――(あなたは)現代の米国を民主政ではなく寡頭支配だと捉えているが?

(答え) 「政治システムにおいて、実際の権力と象徴的な権力に違いがある。日本の天皇や英国王は実権を伴わない象徴である。民主政にも権力の在りかにズレが生じる。官僚(ビューロクラット)は、選挙で選ばれた政治家、政治家のために、働かない。米政府をみても、大統領は忙しく、1日の3分の1を写真撮影や式典・行事に費やす。ホワイトハウスの予算は議会が握り、行政府(エクゼクティヴ・ブランチ)が法律を執行していない」

Peter Duke撮影( ここにもう一枚の ヤーヴィンの写真を貼る)

(答え) 「私が使うキーワードは2つ。『ディープステート(闇の政府)』と『カテードラル(大聖堂)』だ。ディープステートは官僚機構、カテードラルは学術界とジャーナリズム。ディープステートが身体なら、カテードラル(副島隆彦注記。大聖堂)は頭脳だ。ハーヴァード大やイエール大、ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙の意見は常に一致している。何故か? 彼らが少数のエリートで自分たちだけでルールをつくってきた。まさしく 寡頭(かとう)政治 oligarchy オリガーキイ だ」

郵政公社よりフェデックス

――(貴方の考えでは)大統領の権力をもっと強めるべきと。

(答え) 「CEOだった最後の大統領は(1933年就任の第32代)フランクリン・ルーズベルトだ。米国には彼のような大統領が必要だ。私は彼のファンではないが、彼は基本的に法律を自らつくることができた政府の本当の責任者だった。(原爆開発の)マンハッタン計画も、強力な政府がうまく機能していた一例だ。多くの点で政府がスタートアップ(企業)のように運営されていた」

(答え) 「(米運送大手の)フェデックスFedex  と米郵政公社を比べると、フェデックスがよりうまく機能している。郵政公社は規制やルールに縛られた寡頭政治だ。フェデックスは会社全体がCEOの指示で動く君主政(モナーキイ) だ。国家を企業として考えることが重要だ」

(答え) 「国家にとって損益が貿易収支だ。輸出超過なら黒字、輸入超過なら赤字だ。貿易赤字が続く国は、経済が縮小しやがて米国のように生産部門がなくなる。日本や中国、東アジアの多くの国は通貨を切り下げて貿易黒字を稼ぎ、産業を発展させた。国家間の貿易関係は一般に均衡を保つべきだ」

――トランプ氏の大統領就任はあなたの言う君主政に移行するか。

「トランプ政権の間に、トランプ氏が真に権力を持つような革命的な事態は起こらない。今回トランプ氏に投票した人々は、象徴的な大統領としてトランプ氏を支持するが、本当の意味でトランプ氏が政府を牛耳(ぎゅうじ)るのを支持する準備はできていない」

「イーロン・マスク氏の旧ツイッター(現X)買収後と比較する。マスク氏は会社を支配してトップに就くと、従業員に嫌われたが、すぐに大部分を解雇して(副島隆彦注記。1万人の社員を2千人にまで減らした) 経営を続けた。もしツイッターの社内に議会があり、予算を決める権限を握っていたら(あんなことは出来なかった)と想像してほしい」

(答え)「ルーズベルトのように力を持った大統領はとても遠い。民主政から君主政へ の体制転換が、トランプ政権期には起きない。ただ、既存の仕組みが脆(もろ)くなるので、制度を変えるのは簡単になる。長い目でみれば転換は必然だ。民主政が失敗するのは、人々が、政府のすることに十分に気に掛け、政策を変えさせるだけのエネルギー(ねばる力)を持たなくなるからだ」

古い神々への信頼が喪失

――マスク氏は「民主政の回復」を唱える。その一方で、政府機関の改革に手荒な手法をとった。

「トランプ氏やマスク氏は私の考える『悟り(さとり。レヴェレイション)』の第2段階にある。第1段階は、完璧ではなくても、現状で政府が動いているとみなす人だ。第2段階に来ると、政府が本来あるべき姿でないと気づき、原理的な姿に変えようとする。現実にはうまくいかない。

次の第3段階では、過去の経緯などを全て捨て、政府はどうあるべきか? と問う。そこでは(君主政を含め)あらゆる選択肢がテーブルに載る」

――シリコンバレーでは今回、トランプ氏やマスク氏に期待する声が多い。その中心であるティール氏やベンチャーキャピタル(VC)代表のマーク・アンドリーセン氏はあなたの友人だ。


ピーター・ティール氏はかつてヤービン氏の経営した企業に投資して交流が深い(2016年)=ロイター (ここにティールの写真を貼る)

(答え) 「彼ら(ティールとアンドリーセン)は、現状についての私の否定的な見方に同意している。シリコンバレーで起きたのは古い神々(現在の米国の政治システムや官僚機構)への信頼の喪失だ。ただし彼らは今後、何が起きるかについて私の考えに同意しているわけではない。つまり第2段階を経験しているが、第3段階には至っていない」

――マスク氏がトップを務める「政府効率化省(DOGE)」は、あなたが唱えたRAGE(怒り。Retire All Government Employees レイジ)、政府職員を(即刻)全員、退職させよ。首を切れ」と重なっている。

(答え) 「私の考えと似ているが、大統領令の権限の範囲で行動しているので大きな変化は難しい。首都ワシントンで物事(ものごと)をなし遂げるには、議会(立法府。legislative branch  レジスレイティヴ・ブランチ)  で法律を通す必要がある」


DOGEトップとして幅広い政府機関に介入するマスク氏の振る舞いには「共同大統領」との批判もある(2月11日、ホワイトハウス)=ロイター
(ここにイーロン・マスクの写真を貼る)

(答え) 「シリコンバレーのテクノロジー企業の通常の仕事の進め方は、君主制だ。その流儀を持ち込めば、ワシントンの既存よりずっとうまく結果を出せる。民間企業と政府のやり方をどちらも分かっている人材は、貴重だ。トランプ政権には若い人々がシリコンバレーから参加している。ワシントンの政治を知ったエリート集団が、シリコンバレーに(戻って来て)できることは長期的な財産になる」

聞き手から 「空想」と一蹴できない米国の空気

米国は民主政体から君主政体に変わる。今の政治システムを一度壊し、大統領の権力を1万倍に増やした方が、政府は効率的に動き、国家全体にプラスだ。民主政の根底を否定する点で、従来の保守主義とも異なる、ヤービンの政治理論は過激で荒唐無稽だ。

それを単なる空想と言い切れないところに、現在の米国を覆う空気の恐ろしさがある。マスク氏がDOGEで仕掛けた官僚機構への激しい攻撃や大量解雇は、ヤービン氏がかつて唱えた「RAGE(レイジ。民衆の激しい怒り)」の考えを実行したものだ。トランプも大統領令(エグゼクテイヴ・オーダー)を乱発し、自身に権力の集中を図る。

ヤービン氏は「メンシウス(孟子)・モールドバグ」という仮名で、ずっと細々とブログを書いていたシリコンバレーのエンジニアだ。テック右派(ライト)の教祖的存在になった。トランプ政権の発足で有力者にも影響を与える。バンス副大統領は過去にヤービンの思想に言及した。

シリコンバレーを代表するVC(ベンチャー・カピタリスト)の投資家ティールやマーク・アンドリーセンは、いずれもヤービンと深い交流がある。両氏はトランプ氏を支持し、政権発足後も人事や政策に影響する。

トランプ氏の最側近に浮上したマスク氏と、ヤービン氏は、シリコンバレー流の経営を政府に持ち込む発想でも似る。必然的に大きな組織となる米政府に民間企業の手法が通じるかはまだ不明だ。ヤービンの歴史の解釈は恣意性も指摘されている。

ヤービン氏は民主政の失敗の要因に、それを支える人々の熱量がないと指摘する。8年前と比べ、テック界がトランプ氏への反発の声を抑え込んでいる。「暗黒啓蒙主義(あんこくけいもうしゅぎ)」のヤービン氏に、対抗する明るいビジョンを示せなければ、シリコンバレーでリベラル派の退潮は続く。 (シリコンバレー=山田遼太郎)

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 このインタヴュー記事への私は解説は、今日はもうしない。自分で考えなさい。 暗黒啓蒙(あんこくけいもう)とは何か、もそのうち解説する。

次の記事へ。

(転載貼り付け始め)

副島隆彦注記。このロンドンエコノミスト誌の文は、トランプと プーチン の 思想的な親和性 を、反リベラル(反デープステイト)の dark enlightenment  暗黒啓蒙 = new reactionary  新反動(しんはんどう)主義 として、ひとくくりにしている。 これでいい。これが、やがて、習近平を交えた 3帝会談 につながってゆく。

〇 「 米ロ右派、「反リベラル」で共鳴 」   (The Economist)

英国 The Economist    2025年3月25日

かつて米国の左派にとって「ロシアびいき」とは、スターリン主義や旧ソ連の全体主義を擁護する社会主義者だと見なされる人々のこと、を指すコトバとして悩みの種だった。しかし、今は違う。


23年11月、世界ロシア人民評議会で講演するアレクサンドル・ドゥーギン氏=AP (ここに彼の写真を貼る)

以前は、米左派 から称賛され、現在では陰謀論(いんぼうろう)を信じる右派からも称賛される異端のアメリカ人ジャーナリスト、グレン・グリーンウォルド氏(副島隆彦注記。かつてエドワード・スノーデンを守り抜いたジャーナリスト)は、1カ月前にモスクワを訪れ、反リベラル派のロシア人思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏に面会した。

米ロ右派の「蜜月」――MAGAとドゥーギン氏の接近

MAGA(マガ「米国を再び偉大に」のスローガン)を標榜する著名メディアパーソナリティー(テレビ司会者)のタッカー・カールソン氏も、1年前にロシアのプーチン大統領への直接インタビューを撮影するためモスクワを訪れた際、ドゥーギン氏に面会し、同氏に魅了(みりょう)された。

(タッカー・カールソンは)「撮影するつもりはなく話をしていたが、あなたの話が大変興味深かったので、カメラを用意して撮ることにしました」と語った。ドゥーギン氏のリベラリズムと「ウオーク(社会正義への目覚め。デープステイト派の軽薄な思想)」への批判をカールソン氏は熱心に聞いた。

これは、米国とロシアの右派の一部が、真剣かつ哲学的に意見の一致を見始めていることを示す機会となった。

ウクライナ問題で一致

地政学、特にウクライナの位置付けについて、特に連携が顕著だ。強硬派のMAGA右派は、ウクライナへの軍事支援に反対し、ウクライナは地域の超大国であるロシアに従順(じゅうじゅん)であるべきだと考える。

彼らは、米国が自国の勢力圏内で、カナダに対しては貿易に関して、また、パナマに対しては運河について、ロシアにもウクライナに口出しする権利がある、と考えている。アメリカ・ファースト(✖米国第一主義。 副島隆彦注記。アメリア国内を優先せよ。外国の事にはなるべく関わらない主義)の支持者は、米国の外国への介入主義(インターヴェンショニズム)を、無益な冒険主義と見なす。ロシアのドゥーギン氏も同様の考えだ。

ドゥーギン氏のウクライナに対する蔑視(べっし)はより根深い。1997年に出版された同氏の最も有名な著書「地政学の基礎」では、「ユーラシア主義」を提唱した。これは、アジアと欧州の両方にまたがる、復興した偉大な新しいロシアという考え方だ。

同氏は、ウクライナはこの構想にとって「大きな脅威である」とし、さらにこう述べている。「国家としてのウクライナには、地政学的(ジオ・ポリティカル)な意味はない。普遍的な重要性を持つ特別な文化的メッセージも、地理的なユニークさも、民族的独自性もない」

2014年のプーチン氏によるクリミア侵攻の際は、ドゥーギン氏のウクライナ征服への熱意が行き過ぎて、モスクワ大学の教授職を失った。同氏は、非(ひ)リベラル右翼運動の国際大使のような役割を果たしている。

ロシア右派とMAGAの連携には、地政学的な要素以上のものがある。トランプ氏とプーチン氏(いずれも著名な哲学者、フィロソファーではない)の統治を正当化するために浮上した考え方は、驚くほど似ている。

反グローバリズム vs. 国家主義

西側諸国では、米国における「トランプ主義」からブラジルにおける「ボルソナロ主義」、ハンガリーにおける「オルバン主義」に至るまで、国家主義的保守派の国際的な連合が、個人主義や人権の普遍性といった啓蒙的自由主義の基本原則(副島隆彦注記。これが、デープステイトが人類に強要し、洗脳に使う、きれいごとの理論)を拒否している。

こうした見解は、プーチン氏を正当化するロシア人にも共通しており、リベラリズムの退廃と堕落に対抗する同盟関係につながっている。彼らはグローバリズムとウオーク(めざめ)を軽蔑し、西側リベラリズムの論理的帰結であると見なす。

あらゆる世界的覇権(副島隆彦注記。今のデープステイト=陰に隠れた超富裕層たち=による世界支配)を阻止するために、米国、フランス、ハンガリー、イタリアの国家主義的保守派は、国民国家(ネイション・ステイト)の主権(ソヴイリーンティ)が最優先されるべきだ、と主張する。ドゥーギン氏はかつて、米国の覇権に対抗するため、ロシアは、ドイツや日本と枢軸(すうじく。アクシス axis  副島隆彦注記。かつての ベルリン ― ローマ ー 東京 アクシス のような )を構築すべきだと主張していた。だが、現在ではその必要なないとみている。

「米国とロシアは同じ立場を取っているが、欧州連合(EU)のグローバリストは、それと対立する立場にある」と、ドゥーギン氏は最近、X(旧ツイッター)に投稿した。

ドゥーギン思想 ――「ユーラシア主義」の真意

MAGAとロシア右派の間には譲れない相違があると考える人もいるかもしれない。というのも、ドゥーギン氏は、ロシア正教会と一体となった権威主義国家を支持している。(16世紀のロシア皇帝で恐怖政治を行った)イワン雷帝(らいてい。イワン・ザ・テリブル)が設立した、皇帝直属の秘密警察の復活も示唆している。

「我々は、専制政治、家父長制、権威主義体制を事実上だけでなく、法律上も認めるべきだ。 教会や伝統的社会の機関が社会における支配的な地位を取り戻すべきではないか」とドゥーギン氏は2022年に書いている。

一方、米国や欧州における国家主義的保守運動はポピュリズム(✖大衆迎合主義。副島隆彦注記。正しくは、民衆の熱烈な支持の上に成り立つ、民衆の意見を大事にする政治)に根差しており、人々(みんしゅう)の民主的な意思に従うことを表明する一方、選出された代表者の権限が受ける制限(規制)を減らしている。米国では、そういった運動の目標は、リベラル国家を打破することだ。

「ロシアの場合は国家が国そのものだ。しかし米国は違う。トランプ氏は連邦国家の解体を目指しているが、プーチン氏は国家を強化しようとしている」と、米ジョージ・ワシントン大学のマルレーヌ・ラリュエル教授は指摘する。

ロシアの政治的右派はトランプ主義的知識人右派の主流派を代弁しているわけではない。しかし、その思想の一部は、米国でより過激な人々の共感を呼んでいる。

ポストリベラリズム――新たな政治哲学

米国右派の「ポスト・リベラリズム(自由主義体制の限界を超えることを目指す政治哲学)」の流れの一つに、統合主義(コンソリデイショニズム)がある。カトリック教会と国家が統合することを主張する。

リベラリズムを批判する米ノートルダム大学のパトリック・デニーン教授のように、「アリスト・ポピュリズム(現在の退廃したエリートによる統治を、正しい政治を行う別のエリートに置き換えること)」を主張する者もいる。

いわゆる(啓蒙主義への反発としての)「暗黒啓蒙」や「新反動主義」に属する米国の思想家たちは、平等主義や民主政体に反する主張をより率直に展開している。その一人であるカーティス・ヤービン氏は、米国を君主制にし、独裁者になった大統領に統治させることを提唱している。これは「国家のCEO(最高経営責任者)」とも呼ばれる。バンス米副大統領はヤービン氏の著作を称賛しているが、(ヴァンスは)その側面には触れていない。

国家主義 vs. 権威主義――米ロ右派の「決定的な違い」

他にも相違点がある。西側の国家主義的保守主義者(副島隆彦注記。民族主義者)は、国民国家をグローバリズムから守ろうとしている。だが、ドゥーギン氏(およびプーチン氏)にとっての聖なる対象は、ウェストファリア条約(西暦1648年。17世紀の欧州で主権国家体制の勢力を規定した条約)が定めた国境、を越えた(副島隆彦注記。東ヨーロッパにまで広がる)ロシア文明国家である。

ドゥーギン氏の著作は、「様々な宗教はすべて単一の伝統の側面である」とする「伝統主義」に基づいている。同氏はスーフィズム(神秘主義。イスラム教におけるスーフィーたちによる 神との一体感を求める信仰)に好意的で、西側の右派の多くが敵とみなすイランの神権政治(テオクラシー theocracy  民主政体=デモクラシーの対立概念)をしばしば称賛している。

トランプ氏の元(もと)首席戦略官・上級顧問であるスティーブ・バノン氏も、イタリアのユリウス・エボラ氏のような伝統主義的な思想家に言及している。米コロラド大学ボルダー校民族音楽学担当准教授で政治評論家であるベンジャミン・タイテルバウム氏は、その著書「永遠の戦争」で、バノン氏が2018年に、ドゥーギン氏とローマのホテルで8時間話し合ったと、書いている。

タイテルバウム氏は、バノン氏の「米国とロシアは本質的にキリスト教国であり、国家主義の国である」という考え方に注目している。バノン氏のこの主張は、個人の自由や自由市場よりも、根付いた土地や国民性を重視するという、共和党内での新たなアイデンティティーの形成につながっていると見ている。

ドゥーギン氏の言葉を借りれば、「反リベラルなものはすべて良い」とされ、ロシアの思想家たちとの連携は依然として可能である。

トランプ氏とプーチン氏――似たもの同士

米民主党は、「トランプ氏はロシア情報機関の手先であり、プーチン氏が2016年の米大統領選に介入したことでトランプ氏の勝利が確実になった」と考えた。この主張には説得力ある証拠はなかった。そして、このことがトランプ主義の力を過小評価する理由になった。2024年にトランプ氏は再び勝利を収めた。これがトランプ氏とロシアをより近づけた。

「プーチン氏と私は多くの地獄を経験した。(プーチンも外国から)偽りの魔女狩りを経験した」と、トランプ氏は大統領執務室でウクライナのゼレンスキー大統領を叱責(しっせき。2月6日)した際に言った。米リベラル派は以前、トランプ政権を根拠無く「ロシア化した」と指摘したが、今や米ロの右派が思想的に接近しつつあるという、もっと深刻で明白な動きを見逃している。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 ロシアで、「ネオ・ユーラシアニズム」(新ユーラシア主義)の思想を唱える、この アレキサンドル・ドゥーギンは、日本で言えば、やっぱり、副島隆彦のような男だろう。 これ以上の解説はしない。記事だけ載せる。3本目が次。

(転載貼り付け始め)

〇「 トランプ政権に怒られ、赤ん坊連れでツイッター社に泊まり込み…「マスクの側近」スティーブ・デービス(45)」

2025年4/13(日)  Courrier  Japon   フランス・クーリエ・ジャポン誌

(ここに、この記事に付いているイーロンの写真を貼る)

イーロン・マスクが主導する「政府効率化省(DOGE)」は大がかりなコストカットやリストラを断行しようとして反発を呼んでいる

マスクの右腕で「政府効率化省(DOGE)」の事実上の責任者と言われるスティーブ・デービス。

米紙「ニューヨーク・タイムズ」が関係者22人への取材を通して、公の場には姿を現さない人物像。 【画像】公に姿を現さないイーロン・マスクの「謎の側近」のレアな姿 「常軌を逸している」──2025年2月、イーロン・マスクは米連邦政府をこう非難した。その理由として彼があげたのは、社会保障番号を持たない個人に年間1000億ドル(約15兆円)がムダに拠出されていた、と。

マスクのこの発言から2日後、彼の右腕と目されるスティーブ・デービス(45)は、(このことで)社会保障局の幹部に詰め寄った。そして自分たち、連邦政府の支出削減を担当する権限を持つ「政府効率化省(DOGE)」の若いエンジニアに、機密情報を含むデータベースへのアクセス権を引き渡せ、と要求した。 デービスの要求は「前例のないものだった」と、元同局職員のティファニー・フリックは話す。彼女は、「社会保障詐欺 が起きているという噂の調査を許可されるまでの数時間、デービスはいらだちを隠さなかった」と付け加えた。

(ここに3人の写真を貼る)

左からデービス、共和党のアーロン・ビーン議員、マスク
@RepAaronBean (下院議員のアーロン・ビーム)と

Wrapped a great meeting with and Steve Davis(ステーイヴ・デイヴィス) on their goals for the とイーロン・マスクの3人の写真 @DOGE . As founder and co-chair of the DOGE Caucus, I’m eager to continue working together to improve government efficiency and get America back on track.

「コスト削減」で結ばれた絆

世界一の富豪であるマスクが米政府の再編に全力で取り組む。冒頭の件はデービスが彼のボスに示した献身の一例。 デービスはあらゆる場面で、マスクをサポートし、政府のコスト削減や職員のリストラ、DEI 性(多様性、公平性、包摂。デープステイト側の標語のひとつ)プログラムの撤廃に力を注ぐ。デービスがDOGEの事実上のリーダーである。関係筋によれば、同組織の長官代行を務めるエイミー・グリーソンより権力を持っている。

彼は20年以上にわたり、マスクの望みを叶えるために身を粉にして働いてきた。本紙が彼の友人、元同僚、政府関係者など22人に取材した。デービスはマスクが人類に進歩をもたらすと心から信じている。 マスクにとってデービスは理想的な社員であり、どんな仕事にも(たとえ専門知識がなくても)全力を尽くすエンジニアだと、2人の元同僚は語る。

マスクはデービスのムダを省く手腕をとくに高く評価しており、ドナルド・トランプが大統領に就任する前に開かれた政権移行会議で彼を次のように評した。 「スティーブは化学療法師だ。多少の化学療法はがんを治癒する。度を越すと命を奪う」 マスクとデービスは、コスト削減で深い絆(きづな)だ。

彼が米政府内で拠点を構える一般調達局のオフィスは、厳重に警護されている。 10年ほど前に、デービスと親しくなった進歩主義のアクティビスト、アダム・グリーンは、「以前の彼は型破りで面白い思想家だった。いまはマスクの妄信的な召使いだ」。

マスクに怒られ抜毛症(ぬけげしょう)に…

デービスは2003年、スタンフォード大学で航空宇宙工学を学んでいたときにマスクに引き抜かれた。スペースXの14人目の従業員となり、シャトルの操縦装置を従来の100分の1の価格で製造。ロケット関連の部品をより安価に開発する方法を考案してすぐにマスクの気に入りに。 だが、デービスのコストカット策によって失敗も起こった。

元同僚3人によれば、2007年にデービスはスペースXのファルコン1ロケットから、機体内での燃料の揺れを防ぐ部品を取り外した。これにより、燃料がバランスを崩し軌道に到達する前にロケットが停止、打ち上げは失敗に終わった。 その後デービスは首都ワシントンに移り、スペースXを先進するプロジェクトの責任者になった。彼の仕事は、同社のロケット打ち上げ施設を建設するため、テキサス州ボカチカ周辺に土地を探すことも含まれていた。

この一方でデービスは経済学の博士号を取得し、雑学クイズに答えた客が割引を受けられるフローズンヨーグルトショップをオープン。自由な経済活動と資本主義を賛美した作家アイン・ランド(副島隆彦注記。米リバータリアン運動の創始者のひとり。女性思想家)を信奉する非営利団体 アトラス協会 の理事も務める。

2018年、マスクは大都市圏の地下にトンネルを建設して渋滞緩和を目指すボーリング社の社長をデービスに任せた。 同社のプレゼンで、 「米国ではトンネルの研究開発は今はほぼおこなわれていません。この新しい挑戦は私たちにとって有益だ」 その後、ボーリング社は2021年にラスベガスにトンネルを開設した。だが、他の場所では法規制の壁に直面。3人の関係筋は、この状況に苛立ったマスクはデービスを叱責し、解雇すると脅した。

デービスはストレスで髪の毛を抜く抜毛症(ぬけげしょう)のような症状を見せた。彼をよく知る5人が語る。 マスクが2022年にツイッター(現X)を買収すると、デービスは同社の従業員に、「今から5億ドル(700億円)以上のコスト削減をする」と語った。

彼はこの任務を懸命に果たそうとし、パートナーのニコル・ホランダーと生まれたばかりの赤ん坊と一緒に同社のサンフランシスコオフィスに泊り込んだ。 当時の状況に詳しい2人の人物は、「一部の従業員はデービスのコスト削減方針で、Xのリンダ・ヤッカリーノCEOに不満を訴えて対応を求めた。デービスはその後すぐに会社を去った」

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。Elon が、本気になって、トランプとケンカを始めて(6月5日)、もう和解不可能になった。それで、イーロンに忠実な DOGEの若いハッカーたちも、ワシントンDCの GOGE本部を離れて、職を投げ捨てて、イーロンのいる テキサス州の南の端のポタチカに向かって、どんどん移動している。

彼らは、本気で闘う気だ。私、副島隆彦も このアメリカ政治の、急激な流れの変化を、厳しく自覚している。 今日はもう疲れた。 終わり。

副島隆彦拝

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