「143」 2025年5月 大阪万博のテーマ

副島隆彦です。今日は2025年5月25日です。

大阪万博 ↓ に行ってきた、という人の話を聞きました。


(大阪万博 イタリア館〈で3時間並んでいる最中〉からの風景。大屋根リングの全周約2km、高さ12~20m、幅30m、この木造リングはすばらしかった!)

 

私はまだ、大阪の夢洲(ゆめしま)で開催されている万博には行ってません。行く気もありません。6000円、7000円くらい払うらしいけど、民衆は詰めかける。子供がいたら一緒に行きますから。人は行きたきゃ行くに決まってるんだから。私も別に悪口を言う気もないし、政府がやることですから。人がワッと詰めかければ、万博の主催者である政府と大阪府の勝利になるからそれでいいんです。大阪府知事の吉村が、一番舞い上がってるんだろうけど。

聞いた話では、イタリア館に有名な大理石の彫像が飾ってあると。一つは「ファルネーゼのアトラス」という、高さ2メートルくらいの彫刻。アトラスという古代ギリシャの神がいて、なんでかは知らないけど、天球儀ということになっているけど、地球を抱えているんです。

(ファルネーゼのアトラス 西暦二世紀、高さ2メートル、重さ2トン)

Museo Archeologico Nazionale Di Napoli, Mann ミューゼオ・アルケオロジコ・ナジオナーレ・ディ・ナポリと書いてます。ATLANTE FARNESEとイタリア語で書いてあって、英語で FARNESE ATLAS ファルネーゼ アトラスとなっています。このファルネーゼというのは、イタリア貴族の家系であるファルネーゼ家のことだそうです。

スポンサーの、アルテリアという企業が出品した形になっています。イタリアだから本物ということになるんだけど。

それで、それはですね。男性性器がえらく目立つということで。上に載せた通りなんですが、勃起しているわけではないけどそんなに小さくもない男性器。で、皮をかぶっています。ユダヤ人はサーカムシジョン(circumcision)というのかな。男のチンチン(陰茎)の包皮を切り取る。赤ちゃんの時にやるんです。割礼とか包皮環状切除ともいいます。この彫像のはそれをやってないから、ユダヤ教の儀式はやってない。

この「皮かむり」のチンチンは、金玉である睾丸が下の方についていて、陰毛もちゃんとついている。「皮かむり」のことを包茎というんだけど。男は自分が男性器を持っているから実感でわかるんだけど、これはみんながお互いに「嫌(きら)いあっこ」してて。ちゃんと露出してるのが立派な男性器ということになってるんだけど、真実はみんな「皮かむり」なんです、ほとんどが。だから亀頭が完全に露出してるっていう状態で毎日生活してる男は本当は1割もいないと思う。男たちの世界ではそういうのはお互い見せっこしないことになっていますけど。

真実はヨーロッパ白人系もアジア系もみんな「皮かむり」、包茎なんですよ。それをね、なんかね、誤解させないための展示というか。人類史がついにここまで来たということで。ここまで男性器を目立つように展示するというのも。

この「ファルネーゼのアトラス」は、ルネサンス期よりも古い時代につくられたということになっているけど、なんで地球を抱えているのかが分からない。しかも球体には航海している船が描かれていますから、この船はどう考えてもThe Great Navigationという大航海時代の船ですね。三本マストのガレー船です。下の階に奴隷たちを並べて鎖でしばって逃げられないようにして、風が無い時は漕がせて人力で船を動かすんです。これはスペイン帝国とイタリアにもあるけど。これは1500年代から後の話なのに、なんで2世紀の作品にこんな図柄があるのか理解できない。

だから、この彫像は17世紀くらいの作品だと思う。それを堂々と日本に持ってきて見せているわけで。

 

イタリア館には、目玉として「キリストの復活」という彫像も飾られている。ミケランジェロの作品だということになっていて、なんと2メートルぐらいの大きな彫刻、十字架を抱えている男(キリスト)が立っている像。
(キリストの復活)

だけど、ミケランジェロがあの頃に十字架が好きなわけがないんですよ。彼らはもうキリスト教会を嫌い始めてますからね。ルネサンス人間である彼らは、初期サイエンティスト、真実を追求する人たちです。だからこんな十字架を抱えているのがミケランジェロの作品だなんて信じられない。ミケランジェロ工房の中の弟子が作ったんだと思うけども、もう真実はわからない。

キリストの復活ね。だからこんなのをね、ミケランジェロが作るわけがないんですよ。だからわざとやってるのかね、こんなこと。カラバッジョの工房で作ったものかもしれないんだけど、確かミケランジェロもカラバッジョ工房にいましたからね。工房は100年以上200年ぐらい続いてるから、そこの中の人が作ったのは事実なんだろうけども、ミケランジェロ作というのは、とても信じられない。それはもういいんだけど。

 

(フランス館の正面にある「プシュケを誘惑するメルクリウス」)

フランス館の正面には、大きな背の高いレプリカの塑像があってですね。足がスラーッと長すぎるようなやつが。この男と女が抱き合ってる像はね、「プシュケを誘惑するメルクリウス」で、これは有名な題材なんです。誘惑するというのは abduction(アブダクション 略奪、拉致する)と言います。それでこのプシュケというのは、これは psycho サイコですね。魂、霊魂、精神、思考、知能です。そういう名前の女性を略奪している。奪い取って性行為を行うわけですが、まあ別にこの女神の方も嫌がってるわけじゃなくて、愛し合ってるわけですが。

要するに略奪っていうのは、別の言葉で言えば強姦でもあるわけで、無理やり犯されましたという話でもあるんです。誘惑っていうのはそういう概念でね。

日本人は誘惑までは許すけれども、アブダクションになると暴力行為で無理やり引っさらっていくわけですから、それはもうレイプするわけで強姦行為になりますから、許されないことになるんだけど。

だけどそれ(誘惑 abduction)が、一貫したヨーロッパの男女の関係の基本のところにあります。

 

それからフランス館の横にある像。女神像は、おっぱいは見えるけど下半身はベール1枚かぶってて露出していません。横で立ってる男、アポロニウスかなんかの像は、これももう男性器がちゃんと露出して飾ってある。やっぱり「皮かむり」がほぼ正確な形状でついてて、小さいんだけど。この小さいチンチンぐらいが普通、これが真実なんです。で、まあ7、8センチしかないんだけど、これは勃起すると15、6センチとかなるのがいて、私なんか(ピー)しかないんですが、17センチ、20センチのもいるんだけど、大ききりゃいいってもんではないんだということで。これはLGBTQのゲイの男性たちを強調しているわけです。
(フランス館の横にある像)

だから、どうしてこれらを飾っているのかというと、それはLGBTの時代ということです。去年の8月のパリオリンピックの前のフェスティバルで、わざとLGBTのお祭り、私は悪魔の祭だと思う。わざとそれを徹底的にやってみせて、世界中から顰蹙(ひんしゅく)を買いましたが、その流れがまだ残っているんですね。だけどイタリア人フランス人は自分たちが世界最先端だと思っているから、そういう芸術監督のデザイナーみたいな人たちにしてみれば、これが最先端だと、どうとして堂々とやっているわけで。
(LGBTQのお祭り)


アメリカ館やイギリス館が何を展示しているかわからないけど、「月の石」程度ですから。笑い話にもならないわけで、しょんぼりシューンとしてるはずなんで。だから今、そういう時代なんだと。

女性の裸の像、女神像がずっと基本だったんだけど、ようやく男の裸の像がね、人類史の中で正面に堂々と飾られる時代が来ました。というのが今回の大阪万博の最大の中心テーマなんだと思います。なんでちんちんばっかり見せてるんだろうって、女たちがどう思うかは私にもわからない。

(終わり)

このページを印刷する