2001; A SPACE ODDESEY and 2010

上田 浩之 投稿日:2011/09/08 02:01

 上田浩之です。今日は8月27日です。アーサー・C・クラーク原作・スタンリー・キューブリック監督「2001年宇宙の旅」とその続編「2010」DVDをみての簡単な感想です。
 2つの作品を視ようと思ったのは『図解でわかるニーチェの考え方』富増章成作・中経文庫でとりあげていたからです。
 まず「2001年宇宙の旅」(原題:2001; A SPACE ODDESEY)です。まるで猿いや猿人の惑星が出現、人類の夜明けとして描かれます。まるで反進化論=ファンダメンタリストの人達を挑発するかのように水争いのシーンが続く。最初観た瞬間「これ猿の惑星か?」でした。似てますね、「カプリコーンワン」や「猿の惑星」のトーンに、真実暴露ならぬ真実吐露ムービー。シナイ山のような山々をわざとスタンリー・キューブリックがワンカットで入れたシーンも見受けられました。
ある猿人のグループリーダーが牛の骨を武器に出来ることを発見し、別のグループのボス猿ならぬ猿人をぶち殺して雄叫びを上げた後にR・シュトラウス「ツァラトゥストラ」の名曲が流れる。クラシックの名曲を「2001年宇宙の旅」ではかなり使っていて重厚さを感じさせます。モノリスという謎の落下物に反応する猿人達。
キューブリックはこの作品のためにアポロ月面着陸映画を撮ったのだ。彼自身フランスのテレビで『あれはNASAから頼まれて撮ったんだ』と暴露、それをたけしの番組で観たのを覚えています。根は正直な人間ですね。今でもこの作品にあまり古くささを感じませんでした。
キュービズムを生かした彼のデザインソファーは今でも古くない。ホリエモンもこの作品を見たんでしょう。ショバから出たら宇宙旅行?この映画をみたら今起こっているフクシマの真実隠蔽も驚きません。「適切な条件付けなしに事実を公表したら全世界はパニックに陥るだろう」とはよく言ったものです。世界のワルどもがこの一言でその本性が割れる。キューブリック自身もこの若かりし頃の作品はかなり思い入れがあるはずです。ハリウッド映画思想本でオリバー・ストーン出世作『ウォール街』共々言及が無かったのが今でも残念です。「2001年宇宙の旅」はアポロ暴露本に言及されているんでしょう。この作品を観て後悔どころか更にああ嫌だな気付きたくない事・真実に気づいちゃった嫌だなというのが私の率直な感想です。
 オリバー・ストーンの『ウォール街』だって公開いやビデオ化した時、酷だがまだデビューしてない副島隆彦含めた日本知識人・思想家共はバブルに浮かれハシャいで分析しなかったことに対して全責任を負え!震災で友達とも思っちゃいないアメリカ様から「トモダチ作戦」などと小馬鹿にされてシュンとなるようなソフトバンク犬国だ。今や『猿の惑星』どころか『犬の惑星』!
友達とも思っちゃいねえ奴に友達呼ばわりされるいわれはないし、友達と言われるほどムカつく事は無い!とにかくこの作品は一見の価値有り!ただのニーチェ哲学をSF解釈したとか宇宙旅行の願望を夢見た作品とかそんな上っ面の解釈はすべきでない。
D・ロックフェラーもスターチャイルドになって死んでゆく、ただそれだけだ。この作品にあった宇宙船から地球への通信は衛星回線やインターネットによって実現した。キューブリックの未来予知というか未来予測力には脱帽ものでした。次の作品「2010」は見なくていい、同じ事のリフレインだから。
 とにかく原作者;アーサー・C・クラークもアポロ月面着陸の真相を知っているんだな。作品の中に巧くデフォルメして溶かして隠し込む事が出来るこういう才能を持つキューブリックやオリバー・ストーンのような天才を巨匠=マエストロというのだ、違うか!
 では、来月2日福岡でお会いしましょう。フクシマ隆彦先生。