実は今日でまだ2回目…

相田英男 投稿日:2016/10/10 21:56

相田です。
しつこいですがシン・ゴジラです。

今日ようやくTOHOシネマズで観直すことができました。
偉そうなことばかり書いていますが、実は今日が2回目でした。

前に重掲で書いた自分のコメントが、あれでよかったのか少し不安だったのてですが、観終わった後の感想は最初時と全く変わらず、むしろ政治的メッセージが前回より強く感じられました。

何といっても2度目の今回の方が、前半の「蒲田くん」が暴れるシーンの恐怖感が増していました。あれは別に単なる特撮シーン過ぎないのですが、記憶の中にすり込まれた3.11の状況が重なってしまうため、「所詮作り物だ」と突き放して観ることがどうしてもできないのですね。制作者達の造った映像以外の「モノ」が、画面の裏側から強烈な圧力を観る者に与えるのを感じました。普通の映画は見直す度に、印象が薄くなって行くものですが、この映画だけは繰り返すと インパクトがより強烈なります。

なんか70年代のプログレッシブ・ロックの名盤を、初めて中学時代に聴いた時の印象が、イエスの「こわれもの」や、キング・クリムゾンのファースト・アルバムや、ELPの「展覧会の絵」なんかを、繰り返して聴いた時の感じが、観終わった後で久々に思い出されました。映像の裏にいろんな「モノ」が取り憑いているんですよね、この映画。

藤森先生が「君の名は」が仕掛ける「陰謀」についてブログで書かれていますが、僕も全く同感です。あのアニメ映画は、シン・ゴジラが発する毒々しい影響を中和するために、体制側が一大キャンペーンを打っているとしか思えません。今回わかったのは、小林よしのり氏が体制側を攻める振りをしつつも、シン・ゴジラのネガティヴ・キャンペーンに加担して、毒を打ち消す側で尽力していることです。

「ゴジラに政治的メッセージを加えることなど許さん」と怒りながらも、自分はこれまでにマンガを使って、政治主張をさんざん繰り広げて来たのではないのですかね?サブカルを散々政治主張に利用しながら、他人が同じことをやるとボロクソに貶すとは、いったいどういうことか?島本和彦 みたいに「俺より面白いモノ作るんじゃネエ!」と叫ぶ方が、まだ正直で許されると思える。単に自分の作品を越えた物が出て来てしまったので、焦っているのか、はたまた体制側の別働隊で毒消しに奔走しているかのどちらかでないのか?あの人は。

ちなみに場末の映画館ではあったが、今日も3/4以上の座席が埋まってたよ。怪しげなオタクリピーターなど誰もおらず、落ち着いた大人の客ばかりに見えたけどね。私は別かもしれんが・・・

相田英男 拝