香港 「帝国の時代」 のゲートウェイ 久末亮一 著

1094 投稿日:2014/01/03 12:25

香港 「帝国の時代」 のゲートウェイ
久末亮一 著
価格 5,700円
判型 A5判・上製
ページ数 310頁
刊行年月日 2012年
在庫状況 在庫有り
書籍の内容
アジア太平洋の100年を集約する ―― 。19世紀半ば以来、中国から東南アジアやアメリカに広がる空間で、ヒト・モノ・カネ・情報の流れを接続・調節する 「場」 であった香港。銀号など華人による金融活動に焦点をあて、一つの経済圏の歴史と、現在にいたる香港の存在理由を、初めて実証的に明らかにした力作。

書籍の目次
序 章 ゲートウェイとしての香港
     1 本書の視座
     2 100年という時間のなかで

第1章 香港ドル決済圏における銀号の役割
      ―― 広州-香港間の輸出取引の決済を例に
     はじめに
     1 珠江デルタ流域圏の在来金融
     2 19世紀中葉の決済構造
     3 香港ドル決済圏の形成
     4 香港における銀号の発展
     5 銀号による広州-香港間の金融掌握
     おわりに

第2章 華僑送金の広域接続関係
      ―― シンガポール・香港・珠江デルタを例に
     はじめに
     1 華僑送金の前段階
     2 多角的決済関係のなかの華僑送金
     3 広東省内への為替送金
     おわりに

第3章 香港市場から見た上海向け為替
      ―― 20世紀初頭の構造とその動揺
     はじめに
     1 華南から見た上海向け為替の基本構造
     2 香港市場の役割
     3 多角的決済関係の動揺のなかで
     おわりに

第4章 廣東銀行の興亡
      ―― 華人資本の銀行業展開とその限界
     はじめに
     1 創設 ―― 郷党、実業、革命の三角関係
     2 発展 ―― 業務の展開と転機
     3 破綻 ―― 華人系銀行の限界
     おわりに

第5章 日中戦争期の香港における金融的位置の変容
      ―― 新興銀号業者 「恒生」、「永隆」 の活動と重ねて
     はじめに
     1 1930年代香港の金融的変容
     2 日中戦争のなかでの新興銀号の活躍
     3 法幣売買における銀号の役割
     4 香港陥落後におけるマカオの一時的再台頭
     おわりに

終 章 香港という存在
     1 歴史の彼方に消え去った経済圏
     2 「つながり」 と 「流れ」 の生み出す空間の中心
     3 戦後における秩序変容のなかの香港
     4 ふたたび中国と世界の間で ―― 中国の台頭という構造変化のなかで
     5 香港の将来

補論1 銀号の経営構造についての考察
     はじめに
     1 銀号の区分と業務
     2 銀号の資本構造 ―― 「瑞吉銀號」 と 「永隆銀號」 を例に
     3 銀号の管理構造
     4 銀号の伝統式帳簿に見る経営の諸相 ―― 「恒生銀號」 の年結を例に
     5 銀号業界の社会的位置 ―― 「聯安堂」 への考察から
     おわりに

補論2 金銀業貿易場の形成と発展
     はじめに
     1 金銀業貿易場の形成
     2 金銀業貿易場の取引事例 ―― ダブル・イーグル取引を例に
     おわりに
http://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-0709-2.html