香港 「帝国の時代」 のゲートウェイ 久末亮一 著
香港 「帝国の時代」 のゲートウェイ
久末亮一 著
価格 5,700円
判型 A5判・上製
ページ数 310頁
刊行年月日 2012年
在庫状況 在庫有り
書籍の内容
アジア太平洋の100年を集約する ―― 。19世紀半ば以来、中国から東南アジアやアメリカに広がる空間で、ヒト・モノ・カネ・情報の流れを接続・調節する 「場」 であった香港。銀号など華人による金融活動に焦点をあて、一つの経済圏の歴史と、現在にいたる香港の存在理由を、初めて実証的に明らかにした力作。
書籍の目次
序 章 ゲートウェイとしての香港
1 本書の視座
2 100年という時間のなかで
第1章 香港ドル決済圏における銀号の役割
―― 広州-香港間の輸出取引の決済を例に
はじめに
1 珠江デルタ流域圏の在来金融
2 19世紀中葉の決済構造
3 香港ドル決済圏の形成
4 香港における銀号の発展
5 銀号による広州-香港間の金融掌握
おわりに
第2章 華僑送金の広域接続関係
―― シンガポール・香港・珠江デルタを例に
はじめに
1 華僑送金の前段階
2 多角的決済関係のなかの華僑送金
3 広東省内への為替送金
おわりに
第3章 香港市場から見た上海向け為替
―― 20世紀初頭の構造とその動揺
はじめに
1 華南から見た上海向け為替の基本構造
2 香港市場の役割
3 多角的決済関係の動揺のなかで
おわりに
第4章 廣東銀行の興亡
―― 華人資本の銀行業展開とその限界
はじめに
1 創設 ―― 郷党、実業、革命の三角関係
2 発展 ―― 業務の展開と転機
3 破綻 ―― 華人系銀行の限界
おわりに
第5章 日中戦争期の香港における金融的位置の変容
―― 新興銀号業者 「恒生」、「永隆」 の活動と重ねて
はじめに
1 1930年代香港の金融的変容
2 日中戦争のなかでの新興銀号の活躍
3 法幣売買における銀号の役割
4 香港陥落後におけるマカオの一時的再台頭
おわりに
終 章 香港という存在
1 歴史の彼方に消え去った経済圏
2 「つながり」 と 「流れ」 の生み出す空間の中心
3 戦後における秩序変容のなかの香港
4 ふたたび中国と世界の間で ―― 中国の台頭という構造変化のなかで
5 香港の将来
補論1 銀号の経営構造についての考察
はじめに
1 銀号の区分と業務
2 銀号の資本構造 ―― 「瑞吉銀號」 と 「永隆銀號」 を例に
3 銀号の管理構造
4 銀号の伝統式帳簿に見る経営の諸相 ―― 「恒生銀號」 の年結を例に
5 銀号業界の社会的位置 ―― 「聯安堂」 への考察から
おわりに
補論2 金銀業貿易場の形成と発展
はじめに
1 金銀業貿易場の形成
2 金銀業貿易場の取引事例 ―― ダブル・イーグル取引を例に
おわりに
http://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-0709-2.html