福島第1原発:海水注入中断せず、所長判断で継続 「処分も検討」―東電副社長 「吉田所長の処分不要」―菅首相

黒瀬 投稿日:2011/05/28 19:27

関連新聞記事を貼り付けます。

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■福島第1原発:海水注入中断せず、所長判断で継続 東電
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110526k0000e040091000c.html
毎日新聞 2011年5月26日 15時47分(最終更新 5月26日 16時38分)

福島第1原発1号機で地震発生翌日の3月12日、原子炉を冷やすための海水注入が一時中断したとされた問題で、東京電力は26日、注入は中断せず、継続していたことが分かったと明らかにした。

第1原発の所長の判断で続けていたという。

東京電力が16日に公表した資料では、3月12日午後7時4分に海水注入を開始し、同25分に停止、午後8時20分に海水とホウ酸による注水を開始と記載。

政府・東京電力統合対策室は21日、中断前の注入は東電による「試験注入」で、官邸の意向が伝わり東電が中断。その後、首相から海水注入の指示があり、午後8時20分に再開、臨界を防ぐホウ酸を加えたと発表していた。

東電によると、福島第1原発の所長は「国際原子力機関の調査があり、国際的にもいろいろ評価することを踏まえ、事実を報告する気になった」と話しているという。

福島第1原発1号機で海水注入が継続していた問題で、東電の武藤栄副社長は記者会見で「(同原発の)吉田昌郎所長の処分を検討している」と話した。

◇班目委員長「私は何だったのか」

海水注入の中断をめぐる発言が注目を浴びた原子力安全委員会の班目春樹委員長は26日、注入が継続していたことを受け「私はいったい何だったのか。頭の中は相当混乱している」と話した。(共同)
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■注水継続の吉田所長、処分も検討…東電副社長
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110526-YT1T00740.htm
(2011年5月26日16時49分 読売新聞)

 東京電力の武藤栄副社長は26日午後の記者会見で、福島第一原子力発電所1号機の海水注入の一時中断を見送った吉田昌郎所長の処分について、「それも含めて検討する」と述べた。

 武藤副社長は、海水注入を継続したことについては「原子炉を冷やすうえで大変正しい判断をした」としたが、「報告の在り方やその後の対処について、これで良かったか検討する必要がある」と述べた。処分の内容、時期については「慎重に考えたい」とした。
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■情報混乱「責任感じる」=吉田所長の処分不要―菅首相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110528-00000092-jij-pol
時事通信 5月28日(土)18時2分配信

【ブリュッセル時事】菅直人首相は28日午前(日本時間同日午後)、東京電力福島第1原発事故で、冷却のための海水注入をめぐり情報が混乱したことについて「情報が正確に伝わらなかったことは、全体として責任を感じている」と述べ、原子力災害対策本部長として一定の責任があることを認めた。ブリュッセル市内で同行記者団に語った。
 また、東電が本社の指示を無視して海水注入を続けた同原発の吉田昌郎所長の処分を検討していることに関し「原発を直接運転する責任者が判断することを法律は認めている。結果として注入を続けたこと自体は間違いではない」と述べ、処分には当たらないとの考えを示した。 
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吉田昌郎所長の人物像を紹介する記事です。

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■「本店に盾突く困ったやつ」「気骨ある」 福島第1原発の吉田所長
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110526/dst11052622320038-n1.htm
(産経新聞 2011.5.26 22:29 )

 東京電力福島第1原発の事故収束へ2700人の作業員を束ねる吉田昌郎所長(56)は昭和30年、大阪府出身。菅直人首相(64)と同じ東京工業大学で工学部を卒業後、同大大学院で原子核工学を54年に修了し東電へ入社した。通商産業省(現経済産業省)も内定していたが、大学の先輩の勧めで東電を選んだという。

 原子力の技術畑を歩み、福島第1、第2両原発の発電部保守課、ユニット管理課などを経て平成19年から本店の原子力設備管理部長、22年6月から現職。第1原発での勤務は4回目となった。

 身長180センチで学生時代はボート部に所属し、社内の評価は「豪快」「親分肌」。原子力委員会の専門委員で4月に第1原発を視察した独立総合研究所の青山繁晴社長(58)は東電社員から「自信過剰」「本店に盾突く困ったやつ」との評価を聞いたが、「あの官僚主義から抜けきれない東電にあって、気骨のある人物。現場を知らない本店に口答えをするのは責任感の表れだ」と話す。

 事故後、現場にとどまって指揮を取り復旧作業を支えてきた。青山氏が「余震で津波が押し寄せた場合どうなるのか」と問うたところ、「致命的だ」と包み隠さず答える誠実さを持ち、堤防設置などの対策をすぐに打ち出すスピード感もあったという。

 本店や原子力安全・保安院とをつなぐテレビ会議では、本店側に「やってられねーよ」と発言し物議を醸したことも。ただ、青山氏はこれを「堤防でなく土嚢で対応せよ」とする本店側への強い抗議の表れだったとみている。

 元同僚は「発電所のことは自分が一番知っているという自負があるのだろう。それがときには頑固に見える」。

 東電幹部は「大変なご迷惑をかけていることに違いはないが、事故が今の状況で済んでいるのは吉田の存在も大きい」とかばった。
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