「首相退陣でも幕は引けない辞める覚悟があるなら、日米共同声明を出す前に辞めてほしかった」

直木 明 投稿日:2010/06/03 07:36

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(転載貼り付け開始)

2010年06月03日
「首相退陣でも幕は引けない辞める覚悟があるなら、日米共同声明を出す前に辞めてほしかった」

最悪の置き土産
後継総裁はこのタスキを受け継いで走るんだろうな。
これもチャラにならないかなぁ

(記事全文){この部分に新聞が貼り付けられている―直木}

退陣発表前の沖縄2紙の社説ですが、全く古くない。よく言い当ててます。

    
[党内から退陣論] 選挙目当て?沖縄は?

 鳩山由紀夫首相に対する退陣風が吹き荒れている。

 民主党の参院議員を中心に退陣論が強まっている。野党も内閣不信任案などを用意しており、6月16日までの終盤国会は波乱含みとなった。

 米軍普天間飛行場の移設をめぐる数々の不手際や虚言に多くの人が憤慨し、この国のリーダーとしてふさわしくないと見ていることは、各種世論調査に表れている。

 ただ民主党の身内から起きている退陣論は普天間の迷走などで、党への風当たりが強まり、7月の参院選を戦えないというのが理由だ。

 「党の表紙を変えれば内閣支持率は40%程度には回復する」「民主党は代表を代えて選挙に勝った歴史がある」

 そんな発言が聞かれる党内の雰囲気には鳩山内閣の失政に正面から向き合おうという気概は感じられない。首相の退陣を求める大義はいったい何かという視点が欠落しているからだ。

 鳩山首相は「沖縄切り捨て」と非難されようが、「真の決着ではない」と言われようが、とにかく5月末決着の体裁だけを整えた。

 この情けないほど稚拙なやり方で、日本は株を落としたに違いない。政治主導であるべき外交、防衛がこの国では官僚主導になっているため、こんな事態が起きる。
 沖縄の期待を裏切った鳩山首相の政治責任は大きい。そして民主党に問いたいのは、普天間問題について何を選挙で訴えるつもりか、ということだ。政権奪取後に従来の党方針をがらりと変えるやり方はごまかしだ。

 政局に埋没して沖縄問題は顧みられなくなる恐れがある。鳩山内閣の失敗が深く分析されずに参院選になだれ込むならなおさらだ。

 原因は分かっている。できないことをやる、と言い続けたからではなく、首相が設定した目標の実現に向かってスクラムを組むチームがなかったからだ。そもそも入り口が間違っていた。

 閣僚を罷免された福島瑞穂社民党党首は「チームがしっかりできていれば、国外も可能だった」と振り返る。

 「最低でも県外」を言うときには空陸一体運用の海兵隊全体を県外へ出す必要がある。そんな当たり前の条件すら知らないで突き進んだ結果が「辺野古回帰」だ。

 さらにその実現性は限りなくゼロに近い。移設先の地元、名護市が反対を貫いているためだ。埋め立ての許認可権がある県知事が地元反対を押しのけて、埋め立てを了承するはずもない。

 失敗の責任を鳩山首相だけに押し付けるのなら、民主党への期待はますますしぼんでいく。「嘉手納統合」「勝連沖埋め立て」を主張してかき回した閣僚も同罪だ。

 共同通信社の世論調査(29、30両日)では、民主の支持率20・5%、自民21・9%となり、政権交代以降初めて逆転した。信頼を失った原因について党内論議もせずに選挙を優先するなら、旧来の政権と何ら変わりはない。

 政権交代は実現したものの、政治の土壌改良はまだ行われていない。 (沖縄タイムス6/2社説)

     
政権と普天間 首相退陣でも幕は引けない

 鳩山内閣や民主党支持率の低落を受け、同党内に鳩山由紀夫首相の退陣を求める動きが公然化してきた。支持率低迷は米軍普天間飛行場の移設問題や政治とカネの問題が響いたとされる。

 小沢一郎幹事長の進退も絡んで波乱含みだが、首相を降ろしたところで、普天間の基地機能を名護市辺野古周辺に移設する日米共同声明や政府方針が撤回されない限り、沖縄にとっては何ら展望が開けない。

 米国の意向を色濃く反映した声明や方針を撤回し、国外移設を軸に実現性のある移設先を探すリーダーが登場すれば歓迎だ。そうでないなら、普天間を政争の具にしている構図となる。

 首相が退陣しても、問題は厳然として残る。ここで幕引きを図られては県民はたまらない。

 迷走の果てに沖縄を切り捨てる形の決断しかできなかった首相は責任を厳しく問われよう。「自分の言葉を守れず、県民の期待を裏切った」と陳謝したが、謝って済む話ではない。

 「強権的な方策は取るべきではない。対話を通じて理解を求める」とも述べたが、説得する相手は米政府であって、沖縄ではないだろう。続投意欲を示されても、求心力を失った今、態勢を立て直せるかは大いに疑問だ。

 かといってポスト鳩山と目される面々に、沖縄の要求に応えるリーダーがいるようにも見えない。迷走しているとき、民意をくむよう首相に進言したり、米側に物申す民主党の閣僚がいただろうか。

 本紙加盟の共同通信社が普天間方針決定直後に実施した全国電話世論調査では、国民の3人に2人が普天間の県内移設を「評価しない」と答えている。県外・国外への移設要求は沖縄だけでなく、国民過半の意思なのである。

 そこを見誤るようでは民主党も危うい。不人気の首相をすげ替えれば参院選は盤石と考えるのは早計だろう。

 一方、野党の自民党の対応も分かりづらい。首相に引責辞任を迫ってきた経緯があるが、いざ退陣論が強まると「退陣ではなく、衆院解散を」と言う。党利党略は相変わらずだ。

 国民は政治ショーではなく、民意を大切にする姿勢を求めている。誠実に対応した方に軍配を上げるだろう。与野党とも肝に銘じ、主権国家としてあるべき姿を示してもらいたい。(琉球新報6/2社説)

(転載貼り付け終了)